JP2004052939A - ダイナミックダンパー及びダイナミックダンパーが装着されたテニスラケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイナミックダンパー10の振動減衰部材11の両側より延在する帯材14を設け、帯材14に係止部である突起部15aと被係止部である係止穴15bを設け、帯材14をテニスラケット等の打球具のフレームの任意の位置に着脱自在に巻き付けて取付可能とする。さらに、帯材14の係止部と被係止部とは係止位置の調節を可能な構成とし、係止位置を変えて打球具のフレームに対する帯材14の締付力を調節できる構成とすることが好ましい。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイナミックダンパー及びダイナミックダンパーが装着されたテニスラケットに関し、詳しくは、振動減衰性の調節可能である上に、打球具に対して着脱可能であるダイナミックダンパー、及びプレーヤーの好みに応じて振動減衰性の調節が可能なテニスラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、スポーツ用の打球具等の使用時に発生する衝撃、振動を低減・緩和する場合、粘弾性材に質量負荷材が結合されてなるダイナミックダンパー(振動減衰部材)がよく用いられる。中でもテニスラケットの場合、特開2000−24140号、特開2001−346913号、特開2000−157649号、特開2001−346912号等において、振動減衰部材を設け、ラケットフレームの振動と共振させることにより、その振動を減衰させるものが提案されている。また、ゴルフクラブ用として、特開平8−98904号が提案されている。
【0003】
例えば、特開2000−24140号ではテニスラケットのグリップ部において、エンドキャップの中心位置に空洞と補助重錘を有する振動部分が設けられており、振動重錘は可撓性キャップの空洞内に受容させている。
また、特開2001−346913号では、振動減衰部材がシャフト部(スロート部)の外周面に凹設された凹溝部の底壁部に片持ち梁状に接着固定され、ラケットフレーム内に振動減衰部材が内装されている。
【0004】
さらに、本出願人は、特開2000−157649号では、質量負荷材と粘弾性材とからなる断面コ字形状の振動抑止材(ダイナミックダンパー)を提案している。この形状の振動抑止材によると面外方向の振動に加えて、面内方向の振動も良好に抑制することができる。
【0005】
また、本出願人は、特開2001−346912号では、グリップ部のエンドキャップの蓋部材を粘着性材により接着し、この粘着性材によりダイナミックダンパー機能を発揮させることを提案している。
【0006】
さらに、特開平8−98904号では、鉛板と振動吸収体層との積層体からなる振動吸収性バランサーを、振動吸収体層を介して粘着剤を用いてゴルフクラブに貼り付けることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−24140号はエンドキャップの中心位置に振動部分が固定されているため、グリップ部を予め振動部分を有する構造にしておく必要がある上に、取り外しができないため振動減衰性の調節ができず、プレーヤーによっては不快に感じる場合もある。
また、特開2001−346913号も同様に、振動減衰部材がシャフト部の凹溝部に接着固定する構造であるため、予めシャフト部に凹溝を設ける必要があり、振動減衰部材の配置位置を容易に変更できないという問題がある。また、振動減衰部材は接着固定されているため、容易に取り外せないという問題がある。
【0008】
さらに、特開2000−157649号は、断面コ字形状の振動抑止材により、面外方向に加えて、面内方向の振動減衰性をも高めることができダイナミックダンパーとしての性能には優れるが、打球具の所定の位置に固定するものであるため、自由に取り外しを行いにくく、各プレーヤーへの適応性の点で未だ改善の余地がある。
【0009】
また、特開2001−346912号は、不快音の解消や衝撃振動の緩和低減が図れる上に、屑片を除去するために蓋部材を取り外すことができるものの、取付位置はグリップエンドに固定されているため、取付位置を変更することはできず、また、振動減衰性能の調節は行えないため、各プレーヤーへの適応性の点で未だ改善の余地がある。
【0010】
また、ゴルフクラブ用の振動吸収性バランサーである特開平8−98904号は、粘着剤を用いてゴルフクラブに貼り付けられるため、取り外しが非常に困難であり、容易に取付位置を変更できないという問題がある。また、粘着剤を剥がすことができても、ゴルフクラブに粘着剤の跡が残ったり、剥がす際に振動吸収性バランサーが損傷するという問題がある。
【0011】
また、プレーヤーによって、ラケット等の打球感の好みは異なるものであることが着目され始めている。即ち、振動・衝撃ができるだけ小さい方が好きなプレーヤーもいれば、ある程度の振動・衝撃がありボールを打った感触が感じられる方が好きなプレーヤーもいる。よって、ダイナミックダンパーの振動数(振動のしやすさ)を調節することにより、プレーヤーが、簡単に自分に適した振動抑制効果を得られることが要求されている。
【0012】
例えば、テニスラケットの場合、通常、ダイナミックダンパーは抑制しようとする振動モードの腹に取り付ければ効果が得られることが知られている。例えば、テニスラケットの面外2次振動モードを抑制する場合、ラケットのトップ、3時、9時、スロート、グリップエンド付近に取り付けるのが効果的である。
【0013】
具体的には、トップに取り付けるとラケットのバランスが大きくなり重く感じるが、トップ側でボールを打った時の飛びが良くなる。3時と9時に取り付けるとグリップ周りの慣性モーメントが大きくなるため、サイド側でボールを打った時の面安定性が良くなる。スロートやグリップエンドに取り付けるとバランスが小さくなるため非常に軽く感じられることが知られている。しかし、各プレーヤーによって、実打時の打球感は異なるため、振動減衰性に優れている場合でも。微妙な振動減衰性の調節を可能とすることが望まれている。
【0014】
上記のように、従来のダイナミックダンパーは、ラケットの様な打球具を購入した時にすでにダイナミックダンパーが一体化されたものであったり、取り外すことができても、再度取り付ける時には接着剤を付けなければならない。また、振動・衝撃の吸収効果を調節するには、鉛を切って貼り付けたりすること等が必要であり、ダイナミックダンパーの着脱や振動・衝撃効果の調節が容易にできないという問題がある。
【0015】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、打球具に対して着脱可能であり、取付位置を自由に変更できると共に、振動・衝撃の抑制効果をプレーヤーの好みに合わせて容易に調節可能とするダイナミックダンパーの提供を課題とし、プレーヤーの好みに応じて振動減衰性の調節が可能なテニスラケットの提供を課題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、振動減衰部材の両側より延在する帯材を設け、該帯材に係止部と被係止部を設け、該帯材を打球具のフレームの任意の位置に着脱自在に巻き付けて取付可能としていることを特徴とするダイナミックダンパーを提供している。
【0017】
このように、係止部と被係止部が設けられた帯材を打球具のフレームに巻き付けて、係止部と被係止部とを係止することにより、ダイナミックダンパーを打球具のフレームの任意の位置に取り付けることができる。また、係止部と被係止部の係止を外せば、ダイナミックダンパーを打球具のフレームから容易に取り外すことができる。このように接着剤を用いずに帯材に設けられた係止手段で係止することにより、ダイナミックダンパーを取り付けているため、打球具のフレームに対して何度でも着脱を繰り返すことができ、打球具への取付位置を自由に変更することができる。さらに、帯材を巻き付けて、係止するだけで取り付け可能であるため、取り付けられる打球具の形状を変更する必要もなく汎用性にも優れている。
【0018】
上記帯材の係止部と被係止部とは係止位置の調節を可能な構成とし、該係止位置を変えて上記打球具のフレームに対する帯材の締付力を調節できる構成としている。これにより、振動・衝撃の抑制効果をプレーヤーの好みに合わせて容易に調節することができる。
【0019】
具体的には、上記のように、打球具のフレーム全周に巻きつける帯材の締付力を調節することにより、振動減衰部材に作用する力も変わり、振動減衰部材が押し付けられたり引っ張られたりすることで、振動減衰部材が伸縮し変形する。
このように、振動減衰部材の断面形状等の変形状態を調節することにより振動減衰部材の振動し易さを変えることができ、振動・衝撃吸収性能を調節することができる。
例えば、振動減衰部材が押し付けられた場合には、振動減衰部材が振動しにくくなるため、振動・衝撃吸収効果が小さくなる。
【0020】
即ち、振動減衰部材の両側に延在する帯材の一方側に係止部、他方側に被係止部が設けられ、帯材の長さ方向に係止位置を調節可能とし、段階的あるいは連続的に帯材の締付力を調節できる構成が好ましい。
具体的には、係止位置の調節は、係止部と被係止部が各々複数個設けられ、係止する組み合わせを変更する、あるいは係止部による被係止部の係止位置を変更する等により行うことができる。
【0021】
係止部と被係止部とによる係止としては、凹凸嵌合、ボタン止め、フック係止、バンド止め、ボルト・ナット止め、ネジ止め、チャック止め、はめ合わせ、噛み合わせ、マジックテープ(R)等の物理的係止手段が挙げられる。
【0022】
上記振動減衰部材は、質量負荷材と粘弾性材とからなると共に少なくとも一部を接触させて一体化し、 上記粘弾性材より上記帯材を延在させ、上記打球具の表面側に上記粘弾性材を直接あるいは上記帯材を介して粘弾性材を配置し、該粘弾性材を介して上記質量負荷材に上記打球具のフレームの振動が伝達される構成としていることが好ましい。
【0023】
上記構成とすることにより、帯材や粘弾性材と当接する打球具のフレームの振動が、帯材や粘弾性材を介して質量負荷材に伝達され、これに伴い質量負荷材を共振させることができる。よって、上記質量負荷材と粘弾性材が動吸振器の役割を果たし、打球具のフレームに発生する振動を効率良く減衰させることができる。
【0024】
また、質量負荷材と粘弾性材とを一体的に積層し、ダイナミックダンパーに部分的に比重差を持たせることが好ましい。ダイナミックダンパーに比重差を持たせることで、振動減衰性の向上を図ることができる。ダイナミックダンパーの粘弾性材の硬度を変えることにより、振動減衰性能を容易に調整することもできる。なお、振動減衰部材を複数個配置することもできる。
【0025】
上記振動減衰部材は、質量負荷材を中心に配置して上記粘弾性材を囲繞する構成、質量負荷材の両側に粘弾性材を配置して質量負荷材を挟持する構成、あるいは、質量負荷材の一面に粘弾性材を配置する構成とし、 上記帯材は上記振動減衰部材を収容する筒部を中央に備えていると共に該筒部の両側より上記係止部と被係止部とを備えた偏平部を延在させている。具体的には、チューブ状材を用い、振動減衰部材の収容部は膨らませ、両側を偏平化させている。あるいは上記帯材は両側に上記係止部と被係止部を設けた連続した偏平体からなり、該偏平体の一面の中間部に上記粘弾性材を固着していることが好ましい。
【0026】
質量負荷材と粘弾性材とは、上記のように質量負荷材が振動しやすいように配置されることが好ましい。上記以外にも質量負荷材や粘弾性材を分割して配置することもできる。また、質量負荷材が各方向に振動自在となるように粘弾性材を配置することにより、各方向の振動を減衰させることができる。
【0027】
上記のように帯材は偏平形状とされ、振動減衰部材は帯材の長さ方向の中央位置に配置されるていることが好ましい。これにより打球具のフレームの表面に沿って帯材を巻き付けやすくなると共に係止を容易に行うとができる。偏平形状の上面、下面のいずれの面を打球具の表面と接触させて巻きつけても構わない。また、振動減衰部材を打球具のフレームに対して所望の位置に配置させやすくなる。
【0028】
上記帯材は上記粘弾性材の両側より延在させて一体成形しても良い。この場合、打球具のフレームに生じる振動が、帯材と粘弾性材とを介して質量負荷材により伝達しやすくなり、振動減衰性を高めることができる。
【0029】
質量負荷材及び粘弾性材からなる振動減衰部材の形状は断面が円形や楕円形、四角形、長方形、三角形、その他多角形等の棒状であることが好ましい。その他、シート状、筒状等とすることができる。棒状等とした時の長さは10mm以上50mm以下が好ましい。断面の大きさは、円形の場合にはその直径が3mm以上10mm以下が好ましく、これと同等の断面積程度であれば良い。上記範囲より長さが短かったり断面積が小さいとダイナミックダンパーの重量が軽すぎて振動を抑制する効果が得にくくなる。一方、上記範囲より長さが長かったり断面積が大きいとダイナミックダンパーの重量が重くなりやすく打球具に取り付けた際に操作性に影響が出たり、体積も大きくなり見た目が悪くなることがある。
【0030】
筒部の大きさは、上記のような振動減衰部材が挿入できる程度の大きさであり、振動減衰部材が筒部内で移動することなく適度に保持される大きさが良い。また、テニスラケットに取り付ける場合には、ガット穴に挟まれて装着されることを想定すると帯材の幅は5mm以上10mm以下が好ましい。また、帯材の長さは50mm以上150mm以下、厚みは0.5mm以上2.0mm以下が好ましい。これにより、適度な耐久性を保持できる上に、極力軽量化することができる。
【0031】
上記質量負荷材は、金属材料、あるいは樹脂、ゴム、エラストマー中に金属粉末を分散させた混合材料からなり、その比重が4.5以上22.0以下であり、上記粘弾性材及び帯部は、樹脂、ゴム、エラストマーからなり、上記粘弾性材の複素弾性率が0.3MPa以上1.5MPa以下であることが好ましい。
【0032】
上記質量負荷材の比重を4.5以上22.0以下としているのは、4.5より小さいと質量負荷材として十分な質量付加作用をもたせようとすると、容積が大きくなり過ぎ、ダイナミックダンパーを装着時に打球具の使用に影響を及ぼす恐れがあるからである。一方、22.0より大きいと金属との混合材料とした場合に金属粉末を多く含有させる必要がありそのため加工性が困難になりやすいためである。より好ましくは4.5以上13.1以下であり、さらに好ましくは5.0以上9.5以下である。
【0033】
上記粘弾性材は20℃、10Hzでの複素弾性率が0.3MPa以上1.5MPa以下が好ましい。これは、上記複素弾性率が0.3MPa未満でありテニスラケット等の打球具に取りつけるのに適当な固形材料はないためである。一方、上記複素弾性率が1.5MPaよりも大きいと、テニスラケット等の打球具の振動数にダイナミックダンパーの振動数を合わせにくくなるためである。より好ましくは0.3MPa以上0.8MPa以下である。
【0034】
本発明における粘弾性材の複素弾性率は、以下の条件の下で測定されるものである。
【0035】
上記質量負荷材の表面硬度(JIS K−6253(試験機Aタイプ))は90以下が好ましい。また、20℃、10Hzでの複素弾性率が100MPa以上800MPa以下が好ましい。これは、上記表面硬度が90より大きい、あるいは上記複素弾性率が800MPaよりも大きいと硬すぎてダイナミックダンパーを構成する粘弾性材等の他の部材との一体成形が難しくなったり打球具のフレームの形状に追従させにくいためである。
【0036】
また、上記質量負荷材の引張強度は3MPa以上が好ましい。これは、該引張強度が3MPaより小さい、あるいは上記複素弾性率が100MPaより小さいとダイナミックダンパー等への成形時や使用時にひび割れや破壊が生じやすくなるためである。なお、高比重の硬い金属自体を質量負荷材に用いる場合には、打球具のフレームに取り付け可能なように形状を設定すると良い。このように、質量負荷材は、打球具の形に追従するように適度に軟らかく、ダイナミックダンパーを打球具に取り付ける時に引っ張られても切れない程度の強度を有することが好ましい。
【0037】
本発明のダイナミックダンパーの質量負荷材としては、金属製でも良いが、好ましくは高比重金属粉末と樹脂、ゴム、エラストマーなどの高分子材料とを主成分とするとともに高比重金属粉末が高分子材料に混練分散された混合物からなるものが挙げられる。
また、本発明のダイナミックダンパーの粘弾性材としては、質量負荷材に高分子材料を用いる場合にはその高分子材料と同じか又は近い高分子材料が用いられる。
なお、高分子材料と高比重金属粉末に加えて、さらに弾性率調整用のオイル及び/又は成形性を良くするためのオイルを添加したり、着色用の顔料を添加したりしてもよい。
【0038】
高比重金属粉末の金属としては、特定の金属に限られないが、20℃における比重が5以上25以下のものが好適に用いられる。これは、比重5を下回ると、質量負荷材として十分な質量付加作用をもたせようとすると、容積が大きくなり過ぎるからであり、比重25を上回ると、該当する金属が稀少金属であり、高価または入手困難であるからである。具体的な金属には、鉄(比重7.86)、銅(比重8.92)、鉛(比重11.3)、ニッケル(比重8.85)、亜鉛(比重7.14)、金(比重19.3)、白金(比重21.4)、オスミウム(比重22.6)、イリジウム(比重22.4)、タンタル(比重16.7)、銀(比重10.49)、クロム(比重7.19)、真鍮(比重8.5)、タングステン(比重19.3)などが挙げられるが、鉛は有害性があり、金や銀などは高価であることから、タングステン、銅、ニッケルやこれらの合金が好ましい。また高比重金属粉末は高分子材料との接着性をよくするためにカップリング剤で表面処理(例えばシランカップリングコーティング)を施すのが好ましい。
【0039】
高比重金属粉末の粒径は、1μm以上250μm以下の範囲が好適に用いられる。粒径が1μmを下回ると飛散又は凝集し易く、混練の際に分散し難くなり、粒径が250μmを上回ると粒が大きくなり、薄肉の質量負荷材の作成が難しい。
【0040】
また、粘弾性材及び質量負荷材及び帯材に用いられる高分子材料用樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセテート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂等が挙げられる。成形性やリサイクル性から熱硬化性樹脂よりも熱可塑性樹脂の方が好ましい。
【0041】
さらに、熱可塑性エラストマーは熱可塑性樹脂よりも軟らかく、振動数を合わせ易い上に、ゴム弾性があって塑性変形も少ないのに加え、リサイクル性もあるので、質量負荷材用の高分子材料として特に好ましい。即ち、高比重金属粉末と熱可塑性エラストマーとを主成分として高比重金属粉末が熱可塑性エラストマーに分散されている混合物の場合、適切な硬さと強度をもった質量負荷材が得易い。
【0042】
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系などが挙げられる。市販の熱可塑性エラストマーとして、クラレプラスチック(株)製のセプトンコンパウンド、(株)クラレ製のハイブラー、セプトン、東ソー(株)製のエラステージ、鐘淵化学工業(株)製ニートポリマー、帝人製ヌーベラン、アロン化成(株)製エラストマーAR、シェルジャパン(株)製クレイトンD、クレイトンG、東洋紡績(株)製ペルプレン、旭化成工業(株)製タフテック、住友ベークライト(株)製スミフレックス、モルデックス、スパイデックス、スミコンRM、三菱化成(株)製サーモラン、ラバロン、住友化学(株)製住友TPE、住友TPE−SB、ダイセル化学(株)製エポフレンド、日本ゼオン(株)製クインタック、エーイーエス・ジャパン(株)製サントプレーン、トレフシン、DSM製サーリンクなどが挙げられる。
【0043】
本発明のダイナミックダンパーの粘弾性材としては、上記の様に質量負荷材に高分子材料が用いられる場合には、質量負荷材の高分子材料と同じか又は近い高分子材料が用いられるのが好ましい。粘弾性材の場合は発泡体であってもよい。同じか近い高分子材料であれば、融点が近いので、粘弾性材と質量負荷材の材料を一つの金型内で加熱し、溶融、密着させて一体成形してダイナミックダンパーを製造することも可能となる。
【0044】
粘弾性材及び質量負荷材及び帯材の高分子材料用ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルーブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレンープロピレンゴム(EPM)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、エチレンー酢酸ビニルゴム(EVA)、アクリルゴム(ACM,ANM)エチレンーアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩化ポリエチレン(CM),エピクロルヒドリンゴム(CO)、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴムなどが挙げられる。粘弾性材及び質量負荷材が同系ゴム材料の場合は、加硫接着がし易いので、一体成形に向くのでより好ましい。
耐侯性が優れている点ではエチレン・プロピレンージエンゴム(EPDM)、シリコーン系ゴムが良く、振動吸収が優れている点ではブチルゴム(IIR)が良い。
【0045】
上記粘弾性材に代えて、あるいは粘弾性材と共にバネを用いる場合には、金属バネ、空気バネ、樹脂性バネ等を用いることができ、例えば、金属バネとしては、コイルバネ、板バネ、トーションバー、皿バネ、輪バネ、竹ノ子バネ、渦巻きバネ等が使用しえる。また、上記減衰器を用いる場合は、粘性オイルダンパ、磁気ダンパ、メカニカルスナッパ、鋼材ダンパ、摩擦ダンパ、粘性体ダンパ、粘弾性ダンパ、ワイヤロープダンパ、空気ダンパ等が用いられる。上記したように、粘弾性材のみ、バネのみ、減衰器のみを用いても良いし、粘弾性材とバネ、粘弾性材と減衰器の組み合わせ、バネと減衰器の組み合わせ、これら3種の粘弾性材とバネと減衰器とを組み合わせたものでも良い。
【0046】
また、本発明は、上記本発明のダイナミックダンパーが、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部の少なくとも一部に装着されていることを特徴とするダイナミックダンパーが装着されたテニスラケットを提供している。
【0047】
上記ダイナミックダンパーは、ラケットフレームの任意の位置に着脱自在に取付可能であるため、本発明のテニスラケットは、ダイナミックダンパーの装着箇所を容易に変更することができる。よって、必要な振動減衰性に応じてダイナミックダンパーの種々の配置が可能であり、プレーヤーの好みに応じて自由に装着することができる。さらに、上記ダイナミックダンパーは、帯部の締付力の調整によっても振動減衰性の調節が可能である。従って、従来のダイナミックダンパーでは実現できなかった微妙な打球感を調節することができ、各プレーヤーに最適なテニスラケットを得ることができる。
【0048】
また、上記ダイナミックダンパーは、帯材を巻き付けることで容易に装着可能であるため、装着箇所においてラケットフレームの形状を変更する必要もなく、上記箇所に容易に装着することができる。
【0049】
特に、ラケットフレームの厚み方向と幅方向の両方に、質量負荷材と粘弾性材とを備えたダイナミックダンパーを装着した場合には、ラケットフレームの幅方向の面内方向の振動と、ラケットフレームの厚さ方向の面外振動の両方の振動を吸収することができる。
【0050】
ダイナミックダンパーの振動減衰部材は、少なくともラケットフレームの厚み方向外面あるいは/及び内面に配置されていることが好ましい。より好ましくは厚み方向内面である。振動減衰部材がラケットフレームの厚み方向外面に配置されると、使用時に邪魔になったり、振動減衰部材が傷ついたりする場合がある。
【0051】
ダイナミックダンパーは、ヘッド部のガット穴に挟まれた位置に取り付けられることが好ましい。このようにガット穴に挟まれた位置でフレームの断面周を全周するように巻きつけられ、ストリングと接触しないように取り付けられることが好ましい。
【0052】
また、上記係止部と被係止部は、ラケットフレームの厚み方向外面あるいは内面の振動減衰部材と相反する面で係止されることが好ましい。これによりスイング時のバランスを損なうこともなく、使用時に邪魔にもなりにくい。
【0053】
上記ダイナミックダンパーは、1個あるいは複数個装着されると共に、上記ダイナミックダンパーの全重量が3g以上23g以下であり、かつ上記振動減衰部材の重量が1.5g以上22g以下であるのが好ましい。
上記範囲としているのは、上記重量未満であると、振動を抑制する性能が十分に得にくいためである。一方、上記重量より重いと、テニスラケットの操作性が悪くなりやすいためである。
【0054】
上記ラケットフレームは、プリプレグの積層体を中空パイプ状としたものから形成することが好ましい。繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられるが、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる繊維が使用でき、軽量で高強度であることからカーボン繊維が好ましく、配置形態等も適宜設定可能である。なお、マンドレルにフィラメントワインデイングで強化繊維を巻き付けてレイアップを形成しておき、これを金型内に配置してリムナイロン等の熱可塑性樹脂を充填して形成したラケットフレームとすることもできる。
【0055】
上記打球具としては、テニスラケット(硬式用、軟式用)以外にも、ゴルフクラブ、バトミントン用ラケット、金属製軟式バット、木製軟式バット、卓球ラケット等が挙げられ、上記ダイナミックダンパーを装着することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は本発明の第1実施形態のダイナミックダンパー及びダイナミックダンパーが装着されたテニスラケットを示す。
図1(A)(B)(C)に示すように、ダイナミックダンパー10は打球具であるテニスラケット等に取り付けられるものであり、振動減衰部材11と、長さ方向に延在する帯材14とを備えており、重量は4.0gである。帯材14の長さは100mm、幅は8mm、厚みは1mmである。
【0057】
振動減衰部材11は、帯材14の長さ方向中央位置に設けられた筒部14aの中に収容されている。具体的には、筒部14aの内周面と振動減衰部材11の外周面とが接触するように、振動減衰部材11と帯材14とが一体的に成形されている。帯材14は熱可塑性ウレタン製としている。
【0058】
帯材14は、筒部14aの両側より偏平部14bを延在させており、偏平部14bには係止部と被係止部とが設けられている。具体的には、筒部14aの両側に延在させた2つの偏平部14bのうち、一方には、2つの突起部15aからなる係止部が設けられ、他方には、4つの係止穴15bからなる被係止部が設けられている。4つの係止穴15bは、帯材14の偏平部14bの端から、帯材14の長さ方向に等間隔に配置され、その間隔は4mmとしている。また、2つの突起部15aは帯材14の他の偏平部14bの端から、長さ方向に等間隔に配置され、その間隔は8mmとしている。帯材14の裏面14cは平坦としている。
【0059】
この突起部15aを係止穴15bに嵌合係止することにより、帯材14をラケットフレームの任意の位置に巻き付けた状態で、ダイナミックダンパー10をテニスラケット等の打球具に装着可能な構成としている。また、突起部15aと係止穴15bとの嵌合係止を外すことで、ダイナミックダンパー10を容易に取り外せ、ダイナミックダンパー10をテニスラケットに対して着脱自在な構成としている。
【0060】
また、偏平部14bに設けられた4つの係止穴15bの内、2つの突起部15aを嵌合係止するために用いる2つの係止穴15bを適宜選択することにより、突起部15aと係止穴15bとの係止位置を調節可能な構成としている。即ち、係止位置を変えて打球具に対する帯材14の締付力を調節できる構成としている。
【0061】
また、図2に示すように、振動減衰部材11は、直径5mmの略円柱状であり、長さは35mm、重量は1.6gであり、質量負荷材12と粘弾性材13とからなる。質量負荷材12は直径2mmの略円柱状とし、その周囲に粘弾性材13が筒状に配置され、質量負荷材12の外周面と粘弾性材13の内周面が接触し、両者が一体的に成形されている。即ち、振動減衰部材11は、質量負荷材12を中心に配置して粘弾性材13を囲繞する構成としており、打球具の表面側に対しては、帯材14を介して粘弾性材13を配置し、粘弾性材13を介して質量負荷材12に打球具であるテニスラケットの振動が伝達される構成としている。
【0062】
質量負荷材12は、スチレン系熱可塑性エラストマー中にタングステン粉末を分散させた比重が9の混合材料からなる。粘弾性材13は、スチレン系熱可塑性エラストマーにオイルを配合した材料からなり、複素弾性率が0.31MPaである。
【0063】
本発明のダイナミックダンパー10をテニスラケット21に装着した状態を示す。
図3は本発明のダイナミックダンパー10が装着されたテニスラケット21を示す。テニスラケット21を構成するラケットフレーム22は、打球面Fを囲むヘッド部23、スロート部24、シャフト部25、グリップ部26を連続して構成している。ヘッド部23は、別部材からなるヨーク27をスロート側でラケットフレーム22と連続して打球面Fを囲む環状としている。ダイナミックダンパー10は、ラケットフレーム22の打球面Fを時計面と見てトップ位置23aを12時とすると、3時、9時の位置に、それぞれ1つずつ装着されている。即ち、装着されるダイナミックダンパー10の全重量が4g×2個の8gであり、振動減衰部材11の全重量は1.6g×2個の3.2gである。
【0064】
ラケットフレーム22は、繊維強化樹脂製の中空パイプからなり、カーボン繊維からなる強化繊維をマトリクス樹脂のエポキシ樹脂で含浸しているプリプレグの積層体からなる。
【0065】
ダイナミックダンパー10の帯材14の裏面14cとラケットフレーム22の外周面とが接触するように、帯材14をラケットフレーム22の厚み方向内面22a、幅方向面22b、厚み方向外面22cに沿って巻きつけ、帯材14の偏平部14bに設けられた突起部15aを、係止穴15bに嵌合係止し、この時の帯材14の締付力により、ダイナミックダンパー10をテニスラケット21のラケットフレーム22に装着している。
【0066】
ダイナミックダンパー10は、ガット穴Gに挟まれた位置に取り付けられており、ストリングSとは接触しない位置で、振動減衰部材11がラケットフレーム22の厚み方向内面22aに配置された状態で装着されている。突起部15aと係止穴15bとの係止は、ラケットフレーム22の厚み方向外面22c側で行われ、帯材14の偏平部14bの端から4mmと12mmの位置の係止穴15bに突起部15aを係止している。
【0067】
帯材14の巻き付け時の締付力により、各偏平部14bが帯材14の長さ方向両端側に引っ張られる。これに伴い筒部14a内に収容された振動減衰部材11も長さ方向に引っ張られ、振動減衰部材11は長さ方向に伸ばされて変形し、その断面は図4(D)に示すように、質量負荷材12と粘弾性材13とからなる振動減衰部材11は、略楕円形状となっている。
【0068】
このように、ダイナミックダンパー10は、帯材14に設けた突起部15aと係止穴15bを嵌合係止することにより装着されているため、この嵌合係止を外すことで、容易にダイナミックダンパー10をテニスラケット21から外すことができる。このようにダイナミックダンパー10は着脱自在であるため、プレーヤーの好みに応じて装着箇所を適宜変更することができる。
【0069】
また、突起部15aと係止穴15bの係止位置を変更することにより帯材14の締付力を調節することができ、これにより振動減衰部材11を変形させ、プレーヤーの好みに応じた振動減衰性に調節することができる。さらに、振動減衰部材11は、質量負荷材12と粘弾性材13とからなるため、動吸振器の機能により、基本性能として優れた振動減衰性を得ることができる。
【0070】
図5(A)は、第1実施形態の変形例1を示し、振動減衰部材11’は、円柱状の質量負荷材12’の長さ方向の両側に円柱状の粘弾性材13’を配置して、これらにより質量負荷材12’を挟持する構成としている。
図5(B)は第1実施形態の変形例2を示し、振動減衰部材11”は、シート状の質量負荷材12”の両面に2枚の粘弾性材13”を配置し、全体として角柱状の構成としている。なお、シート状の質量負荷材の一面に1枚の粘弾性材を配置する構成としても良い。
【0071】
また、図6(A)に示すように、ダイナミックダンパー10の振動減衰部材11を収容する筒部14a側をラケットフレーム22の厚み方向内面22aに接触するように帯材14を巻きつけることもできる。上記構成とすると帯材の締付力により振動減衰部材11を厚み方向内面22aに押し付けて、より変形させることができる。
【0072】
図6(B)に示すように、ダイナミックダンパー10の振動減衰部材11がラケットフレーム22の厚み方向外面22c側に配置されるように、帯材14を巻きつけることもできる。
【0073】
図7(A)は第2実施形態を示し、帯材34は両側に係止部と被係止部を設けた連続した偏平体からなり、偏平体の一面34aの中間部に粘弾性材33を固着し、その上面に質量負荷材32を積層し、振動減衰部材31を備える構成としている。
【0074】
図7(B)に示すように、帯材34’の一面34a’の中間部に粘弾性材33a’を固着し、その上面に質量負荷材32’、さらにもう1層粘弾性材33b’を積層し、振動減衰部材31’を備える構成としても良い。これを図中矢印の向きに巻き付け、打球具の表面と粘弾性材33b’とを直接接触させ、粘弾性材33b’を介して質量負荷材32’に打球具の振動が伝達される構成とすることもできる。
【0075】
図7(C)に示すように、帯材34”の一面34a”に質量負荷材32”と粘弾性材33”からなる振動減衰部材31”を2つ配置することもできる。また、図7(D)に示すように、帯材44の一面44aに質量負荷材42aと粘弾性材43aからなる振動減衰部材41aを配置すると共に、帯材44の他面44bに質量負荷材42bと粘弾性材43bからなる振動減衰部材41bを配置することもできる。
【0076】
図8は係止部と被係止部の他の構成を示す。図8(A)は、帯材54の一方側に被係止部となる係止穴55bを設け、帯材54の他の側に魚の骨状に帯材54の幅方向に斜めに多数突出させた突起部55aを設け、突起部55aを係止穴55bに引っ掛けることで両者を係止できる。図8(B)帯材54’の両側に被係止部として貫通穴56をあけ、貫通穴56に係止部であるボルト57aを通してナット57bによりとめることで係止することができる。
【0077】
図8(C)(D)は帯材64の一方側64Aには、帯材64の他端側64Bをはさみ込むためのチャック65が係止部として設けられ、チャック65の内面には突起65aが設けられている。また、帯材64の他端側64Bの表面には溝66が設けられている。帯材64の他端側64Bをチャック65によりはさみ込み、チャック65の突起65aと帯材64の溝66とのかみ合わせにより係止することができる。これによれば係止位置を連続的に調節することができる。
【0078】
その他、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部等に装着することができ、1つのテニスラケットに1個、あるいは3個以上のダイナミックダンパーを装着することもできる。また、ダイナミックダンパーの各材質も要求性能等に応じて適宜設定可能である。
【0079】
以下、本発明のダイナミックダンパーの実施例、比較例について詳述する。
【0080】
(株)クラレ製のセプトン2063を17.4g秤量し、東京タングステン(株)製のタングステン粉末SG50を491g秤量してから、両者を(株)東洋精機製作所製のラボプラストミルSOC150SWを使って、200℃の温度下で15分混練した。これを質量負荷材として使用した。比重は9とした。
【0081】
また、(株)クラレ製のセプトン2063を40gに出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルPW380 40gを(株)東洋精機製作所製のラボプラストミルSOC150SWを使って、200℃の温度下で15分混練した。これを粘弾性材として使用した。
【0082】
(実施例1)
質量負荷材を直径2mmの円柱状にし、その周りに粘弾性材を巻いて金型に仕込み、180℃で5分プレスすることにより、直径5mmの円柱状の振動減衰部材を成形した。これを長さ35mmに切断し、1.6gとした。
この振動減衰部材を熱可塑性ウレタン製であり、内径6mm、外径8mm、長さ100mmのチューブの中に挿入した。全体で4gとした。チューブの両端を150℃の金型でプレスして上記第1実施形態と同様のダイナミックダンパーを成形した。
このダイナミックダンパーをDUNLOP製のテニスラケットSPACE FEEL OSのヘッド部の3時と9時の位置に、それぞれ1つずつ装着した。帯材の端から4mmと12mmの係止穴で嵌合係止した。
【0083】
(実施例2)
質量負荷材を直径5mm、長さ6mmの円柱状にした。また、直径5mm、長さ14.5mmの円柱状の粘弾性材を2個作成した。質量負荷材の両端を2つの粘弾性材で挟むように金型に仕込み、180℃で5分プレスすることにより、直径5mm、長さ35mmの円柱状の振動減衰部材を成形した。重量は1.6gであった。これを実施例1と同様にチューブ内に挿入して、上記第1実施形態の変形例1と同様のダイナミックダンパーを成形した。
実施例1と同様に、ダイナミックダンパーを3時と9時の位置でテニスラケットに装着した。
【0084】
(実施例3)
質量負荷材を幅3.5mm、厚み0.9mm、長さ35mmのシート状とし、幅3.5mm、厚み1.3mm、長さ35mmの粘弾性材2枚で挟んで金型に仕込み、180℃で5分プレスすることにより、幅3.5mm、厚み3.5mm、長さ35mmの四角柱状(粘弾性材1枚の厚み1.3mm)の振動減衰部材を成形した。重量は1.3gであった。これを実施例1と同様にチューブ内に挿入して、上記第1実施形態の変形例2と同様のダイナミックダンパーを成形した。全重量は3.7であった。
実施例1と同様に、ダイナミックダンパーを3時と9時の位置でテニスラケットに装着した。
【0085】
(実施例4)
実施例1と同様のダイナミックダンパーを用いたが、帯材の端から8mmと16mmの係止穴で嵌合係止した。即ち、実施例1に比べ帯材の締付力を強くした。その他は実施例1と同様とした。
【0086】
(実施例5)
実施例1と同様のダイナミックダンパーを左右スロート部に、1つずつ装着した。帯材の端から4mmと12mmの係止穴で嵌合係止した。
【0087】
(比較例1)
4gの鉛をヘッド部の3時と9時の位置に貼り付けた。
【0088】
上記実施例及び、比較例のテニスラケットに対して、それぞれ、面外2次および面内3次の振動数、減衰比を測定し、かつ、テニスラケットの振動に関する評価を行った。評価結果を下記の表1に示す。
【0089】
(振動数、減衰比の測定)
テニスラケットTRの固有振動数及びその減衰比の測定方法を図9および図10に示す。 精度良く測定するために、 各振動モードの最大振動幅位置に加速度ピックアップ73を取り付け、 同様に最大振幅位置にインパクトハンマー71で加振した。ラケットフレームfのガット張架部にはガットを張らず、図11又は図12で示される様に紐でつるす自由支持法により測定した。インパクトハンマー71に取り付けたフォースピックアップで計測した入力振動(F) と加速度ピックアップ73で計測した応答振動(α)をアンプ72と70を介して周波数解析装置74( ヒューレットパッカード製 ダイミックシグナルアナライザーHP3562A)により解析した。これは、ラケットフレームfの剛性が線形性であると仮定した評価方法である。
【0090】
上記解析で周波数領域での伝達関数を求めて、ラケットフレームの面外2次振動数及び面内3次振動数を得た。減衰比 (ζ) は図10から下記の数式によって求めた。
【0091】
ζ= (1/2)× (Δω/ωn)
To=Tn/√2
【0092】
上記面外2次振動数とは、図11で示される様にテニスラケットTRを紐で吊るす自由支持状態にセットし、裏からインパクトした場合に低周波から2つめに現れるピークであり、図13(A)の未振動(変形前)のテニスラケットTRに、図13(B)に示すように(テニスラケットの側面図),面外2次モードの振動(変形)が起こる場合の振動数である。
上記面内3次振動数とは図12で示される様にテニスラケットTRを紐で吊るす自由支持状態にセットし、外側からインパクトした場合に低周波から3つめに現れるピークであり、図14(A)の未振動(変形前)のテニスラケットTRに、図14(B)に示すように,面内3次モードの振動(変形)が起こる場合の振動数である。
【0093】
(プレーヤーによる試打評価)
男性中級プレーヤー10人によって試打し、振動・衝撃の少なさと振り易さについて5点満点で評価した。振動・衝撃が最も少ないものを「5」、多いものを「1」とし、最も振り易いものを「5」、最も振り難いものを「1」とした。10人の平均点を評価点数として表1中に記載した。
【0094】
【表1】
【0095】
表1に示すように、実施例1、2、3は、比較例1よりも振動減衰比が非常に大きく、ダイナミックダンパーの効果が現れている。プレーヤーの試打評価においても実施例1〜3は振動・衝撃が少なかった。また、実施例4は、実施例1よりも、筒部内で粘弾性材と質量負荷材からなる振動減衰部材が強く締め付けられているため、実施例1に比べ、振動減衰比が小さく、試打評価でも振動・衝撃を多く感じる結果となった。実施例5は、スロート部に装着しているため、ボールがあたる打球面に装着した実施例1よりも減衰比が小さく、振動・衝撃を多く感じるが、バランスが小さくなるために振り易さの評価が高かった。
【0096】
このように、実施例1〜5のテニスラケットは、振動減衰部材の作用により比較例1に比べていずれも減衰比が大きな値を示すと共に、振動・衝撃の吸収性にも優れていた。また、実施例1と実施例4とは、同じダイナミックダンパーを同位置に装着したが、装着時の帯材の締付力を変更したため、振動数、減衰比、試打評価は、いずれも異なる結果となった。このように、本発明のダイナミックダンパーは、帯材の締付力の調節により振動減衰性等を調節可能であることが確認できた。よって、プレーヤーの好みに合うように締付力を設定し、各個人に最適な振動減衰性を有するテニスラケットを得られることが確認できた。また、いずれもダイナミックダンパーが外れることはなかった。
【0097】
さらに、実施例1と実施例5とは、同じダイナミックダンパーを用いたが、装着位置を変更したため、振動数、減衰比、試打評価は、いずれも異なる結果となった。このように、同じダイナミックダンパーであっても装着位置が異なると、実打時に感じる振動は異なるものとなる。本発明のダイナミックダンパーは、着脱自在であるために、プレーヤーの好みに合うように、何度も着脱することができ、装着位置を変えることで、各個人に最適な振動減衰性を有するテニスラケットを得られることが確認できた。
【0098】
また、実施例1〜3は、振動減衰部材の構成を変更することで、振動数、減衰比、試打評価は、いずれも異なる結果となった。本発明は、このような様々な振動減衰性を有するダイナミックダンパーを着脱自在に装着できる上に、同じ位置に装着した場合でも振動減衰性を調節可能であり、プレーヤーの好みに応じたテニスラケットを得られることが確認できた。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、係止部と被係止部とを係止することにより、ダイナミックダンパーを打球具のフレームの任意の位置に取付可能である上に、係止部と被係止部の係止を外せば、ダイナミックダンパーを打球具のフレームから容易に取り外すことができる。このように、接着剤を用いずにダイナミックダンパーを取り付けているため、打球具のフレームに対して何度でも着脱を繰り返すことができ、打球具への取付位置を自由に変更することができる。さらに、帯材を巻き付け、係止するだけで取り付け可能であるため、取り付けられる打球具の形状を変更する必要もなく汎用性にも優れている。
【0100】
また、打球具のフレーム全周に巻きつける帯材の締付力を調節することにより、振動減衰部材に作用する力を変化させ、振動減衰部材の変形状態を調節することができる。よって、振動減衰部材の振動し易さを変えることができ、振動・衝撃吸収性能をプレーヤーの好みに合わせて容易に調節することができる。
【0101】
さらには、質量負荷材と粘弾性材とからなる振動減衰部材を用いることにより、動吸振器の効果を得ることができ、さらに振動減衰性を高めることができる。このように、優れた振動減衰性を有しながら、振動・衝撃の調節が可能であるため、振動減衰性の高いものから低いものまで、非常に様々なパターンの振動特性を有する打球具を得ることができる。
【0102】
また、上記のようなダイナミックダンパーが装着されたテニスラケットは、ラケットフレームの所望の位置にダイナミックダンパーが装着されていると共に、帯材の締付力により振動減衰効果の調節も可能であるため、各プレーヤーの好みに適したものとすることができる。よって、微妙な打球感を調節可能となり、プレー時の調子や、プレーヤーの違いに応じてテニスラケットの振動特性を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のダイナミックダンパーを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)右側面図である。
【図2】第1実施形態の振動減衰部材の構成を示す図である。
【図3】ダイナミックダンパーを装着したテニスラケットの概略図である。
【図4】(A)(B)は、ダイナミックダンパーのラケットフレームへの取付状況を示し、(C)は取付状態の断面図、(D)は幅方向から見た図である。
【図5】(A)(B)は振動減衰部材の他の構成を示す図である。
【図6】(A)(B)はラケットフレームに対する振動減衰部材の配置位置を説明する図である。
【図7】(A)(B)(C)(D)はダイナミックダンパーの他の形態を示す図である。
【図8】(A)(B)(C)(D)は帯材の他の係止方法を示す図である。
【図9】振動数、減衰比の測定システムを示すブロック図である。
【図10】振動数、減衰比の測定システムによる解析における周波数と伝達関数の関係を示すグラフである。
【図11】面外2次モードの振動に対する測定位置を示す概略図である。
【図12】面内3次モードの振動に対する測定位置を示す概略図である。
【図13】(A)(B)は、テニスラケットの面外2次モードの振動を説明する模式図である。
【図14】(A)(B)は、テニスラケットの面内3次モードの振動を説明する模式図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパー
11 振動減衰部材
12 質量負荷材
13 粘弾性材
14 帯材
14a 筒部
14b 偏平部
15a 突起部
15b 係止穴
21 テニスラケット
22 ラケットフレーム
Claims (11)
- 振動減衰部材の両側より延在する帯材を設け、該帯材に係止部と被係止部を設け、該帯材を打球具のフレームの任意の位置に着脱自在に巻き付けて取付可能としていることを特徴とするダイナミックダンパー。
- 上記帯材の係止部と被係止部とは係止位置の調節を可能な構成とし、該係止位置を変えて上記打球具のフレームに対する帯材の締付力を調節できる構成としている請求項1に記載のダイナミックダンパー。
- 上記振動減衰部材は、質量負荷材と粘弾性材とからなると共に少なくとも一部を接触させて一体化し、
上記粘弾性材より上記帯材を延在させ、上記打球具の表面側に上記粘弾性材を直接あるいは上記帯材を介して粘弾性材を配置し、該粘弾性材を介して上記質量負荷材に上記打球具のフレームの振動が伝達される構成としている請求項1または請求項2に記載のダイナミックダンパー。 - 上記振動減衰部材は、質量負荷材を中心に配置して上記粘弾性材を囲繞する構成、質量負荷材の両側に粘弾性材を配置して質量負荷材を挟持する構成、あるいは、質量負荷材の一面に粘弾性材を配置する構成としている請求項3に記載のダイナミックダンパー。
- 上記帯材は上記振動減衰部材を収容する筒部を中央に備えていると共に該筒部の両側より上記係止部と被係止部とを備えた偏平部を延在させ、あるいは上記帯材は両側に上記係止部と被係止部を設けた連続した偏平体からなり、該偏平体の一面の中間部に上記粘弾性材を固着している請求項3または請求項4に記載のダイナミックダンパー。
- 上記帯材は上記粘弾性材の両側より延在させて一体成形している請求項3に記載のダイナミックダンパー。
- 上記質量負荷材は、金属材料、あるいは樹脂、ゴム、エラストマー中に金属粉末を分散させた混合材料からなり、その比重が4.5以上22.0以下であり、
上記粘弾性材は、樹脂、ゴム、エラストマーからなり、複素弾性率が0.3MPa以上1.5MPa以下である請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載のダイナミックダンパー。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のダイナミックダンパーが、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部の少なくとも一部に装着されていることを特徴とするダイナミックダンパーが装着されたテニスラケット。
- 上記振動減衰部材は、少なくともラケットフレームの厚み方向外面あるいは/及び内面に配置されている請求項8に記載のダイナミックダンパーが装着されたテニスラケット。
- 上記ダイナミックダンパーは、上記ヘッド部のガット穴に挟まれた位置に取り付けられる請求項8または請求項9に記載のダイナミックダンパーが装着されたテニスラケット。
- 上記ダイナミックダンパーは、1個あるいは複数個装着されると共に、上記ダイナミックダンパーの全重量が3g以上23g以下であり、かつ上記振動減衰部材の重量が1.5g以上22g以下である請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のダイナミックダンパーが装着されたテニスラケット。
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