JP2004050716A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、マイクロデバイス、インクジェットヘッド、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハ20にスリット24を形成し、横方向の分離線22に対応するダイシングライン25でチョッパダイシングによって分離し、縦方向の分離線23に対応するダイシングライン26でダイシングによって分離する。
【選択図】 図4
Description
【産業上の利用分野】
本発明は液滴吐出ヘッド及びその製造方法、マイクロデバイス、インクジェットヘッド、インクカートリッジ並びにインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとしては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室(加圧液室、圧力室、吐出室、インク流路等とも称される。)と、液室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備えて、圧力発生手段で発生した圧力で液室内インクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させる。
【0003】
なお、液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。マイクロデバイスとしては、液滴吐出ヘッド以外にもマイクロポンプ、マイクロ光アレイ、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどもあるが、これについてもインクジェットヘッドで説明する。
【0004】
このようなインクジェットヘッドとしては、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いて液室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のもの、液室内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるサーマル型のもの、液室の壁面を形成する振動板(又はこれと一体の電極)とこれに対向する電極を用いて静電力で振動板を変形させることでインク滴を吐出させる静電型のものなどがある。
【0005】
ところで、従来のインクジェットヘッドにおいては、液室や各液室に連通する共通液室などを感光性樹脂、樹脂モールド、金属、ガラスなどの材料で形成していた。しかしながら、樹脂の液室は剛性が小さいので、近傍の液室間でクロストークが発生し易く、良好な画像品質が得られないという問題を生じていた。また、金属やガラスなどは、剛性が大きくクロストークの問題は小さいが、他方、加工が難しく、特に近年のインクジェットヘッドは高画質化のために高密度化の要求が高まってきており、このような要求に応えるのは困難になってきている。
【0006】
そこで、例えば特許第3141652号公報、特開平7−276626号公報、特開平9−226112号公報などには、液室や共通液室をシリコン基板(シリコンウエハ)の異方性エッチングで形成することが提案されている。シリコンは、剛性が高く、しかも異方性エッチングを用いることによって微細な加工が可能であり、特に、(110)面方位のシリコンウェハを用いることによって、垂直な壁面を形成することができるので、液室を高密度に配置することができる。
【0007】
このようにシリコンを液室形成部材に用いた場合、シリコン基板(シリコンウエハ)上に、複数のヘッドチップに対応する液室や共通液室を形成し、これを各チップ毎に分離する必要がある。
【0008】
この場合、シリコンウェハをチップに分割する手法としては、一般的にはダイシングが用いられる。ダイシングは周囲にダイヤモンド粉が付いたブレードを高速回転しチップが切り出される線に沿って動かしウェハを切断する方法である。
【0009】
また、ダイシングによる切子の付着の問題を解消するため、例えば特開平10−157149号公報に記載されているように、シリコンウエハに所定の分離パターンマスクを形成して、異方性エッチングを行ってV字溝で各チップに分離する方法、或いは特開平5−36825号公報に記載されているように、シリコンウエハに第1、第2のV字溝を形成し、これらの第1、第2のV字溝に応力を集中させてウエハをへき開して各チップに分離する方法などが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のダイシングによるチップ分離を行う場合、その切断ラインが直線的であるために、図23に示すように、シリコンウエハ200上に個々のチップ201を格子状に配置しなければならず、チップのサイズや形状によってはレイアウトに制約を受けウェハの未使用部分が多くなり、一枚のウェハから切り出されるチップ数が少なくなり、コスト上昇を招くことになる。また、各チップは、同一サイズのものしか配列できず、サイズの異なるチップを同時に作製することはできなかった。
【0011】
一方、異方性エッチングによりチップを分離する方法では、ウェハ上のチップのレイアウトの自由度は大きくなり、形状の異なるチップを同一ウェハに配列したり、チップを千鳥状に配列して切り出すチップの数を増やすことが可能になるという利点がある。
【0012】
しかしながら、チップを分離した後、他の部品と接着などで組み合わせるとき、チップのエッジを突き当てでアライメントする場合がある。この場合、チップのエッジは精度よく出ていることが要求されるが、異方性エッチングで分離すると、エッジ精度が得られなくなる。
【0013】
すなわち、異方性エッチングで分離した場合には、結晶方向の関係で、ナイフエッジのようにテーパが入り、突き当て精度が得られない。また、エッジがテーパになるので、ウェハの厚さにバラツキがあると、エッジもばらつき、エッジの精度が出なくなる。さらに、テーパになっているので作製中に欠けなどが生じ、エッジの精度が出なくなったりする。
【0014】
あるいはまた、異方性エッチングで直線のエッジが得られるのは結晶方向に依存し、限定される。直線のエッジが得られるのは、例えば(100)面方位のシリコンウェハでは互いに直交する<110>方向の2つの方向があるが、(110)面方位のシリコンウェハでは2つの<112>方向あるいは<110>方向でそれらは互いに直交していないので、(110)面方位のシリコンウェハでは長方形のチップを切り出すことができない。
【0015】
(110)面方位のシリコンウェハで正方形や長方形のチップに分離したい場合には、パターンを直線状に並べて分離線を形成する方法があげられるが、その場合チップのエッジは鋸状になったりあるいは突起が形成されたりして、そのようなエッジは突き当て位置あわせには不向きであり、欠けなども生じやすくパーティクルの発生も招く。パーティクルが後の振動板やノズル板との接合界面などに挟まると接合不良を起こすことになる。
【0016】
また、異方性エッチングで分離する場合、エッチングにより完全にチップに分離してしまうと、エッチング液中で分離されたチップがばらばらになってしまうという問題もある。この場合、チップの回収が大変なので、完全に分離されないように、分離線を貫通しないV溝にすることが行われている。
【0017】
しかし、分離線を異方性エッチングによって形成したウェハは非常に強度が小さく、その後の工程や搬送中に破損する恐れがある。また、チップに分離するときはローラなどで押し付けるなどして応力を加え、へき開によって分離する。電子デバイスのように数mm角以下程度のチップでは、異方性エッチングによって形成された分離線に沿って分離切断できるが、マイクロデバイスのようにチップに貫通穴が形成されていたり、多数の素子を並べた大きなチップであったり、細長いチップであったりすると、応力によってチップ自体が破損することがある。
【0018】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ウェハ内のチップ配列の自由度をあげることによってチップ取り数を増やし、かつ突き当てなどの簡易な位置合わせが可能なチップを歩留まり良く低コストで製造した、液滴吐出ヘッド及びその製造方法、マイクロデバイス、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドを一体化したインクカートリッジ、並びにインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、シリコンウエハから分離形成したチップはシリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものである構成としたものである。
【0020】
ここで、チップはスリットが設けられている方向がチョッパダイシングで分離され、他の方向がダイシングで分離されていることが好ましい。
【0021】
また、チップの端面に0.5μm以下の段差があることが好ましい。さらに、スリットの長さLは、ダイシングブレードの半径をr、ウエハの厚さをt、としたとき、次の(1)式を満たすことが好ましい。
【数3】
【0022】
さらに、チップは(110)面方位のシリコンウェハから形成され、スリットは(110)面方位のシリコンウェハの<112>方向の線でエッチングにより形成されたものであることが好ましい。
【0023】
また、チップが液室を形成する液室形成部材、ノズルを形成するノズル部材、電極を設ける電極形成部材の少なくともいずれかであることが好ましい。
【0024】
本発明に掛かる液滴吐出ヘッドの製造方法は、シリコンウエハのチップ分離線上の一部にウエハを貫通するスリットを設けた後複数のチップを分離形成する構成としたものである。
【0025】
ここで、スリットを設けた方向をチョッパダイシングで、他の方向をダイシングで分離して、チップを形成することが好ましい。この場合、分離後のチップの端部にスリットで生じる段差が0.5μm以下になることが好ましい。
【0026】
また、シリコンウエハに形成するスリットの長さLは、ダイシングブレードの半径をr、ウエハの厚さをt、としたとき、次の(1)式を満たすことが好ましい。
【数4】
【0027】
さらに、(110)面方位のシリコンウェハの<112>方向の線でエッチングによりスリットを形成することが好ましい。
【0028】
また、一方の分離線と平行方向のチップの列の少なくとも一列のチップが分離線と平行方向に他のチップの列に対してずらして配置されることが好ましい。さらに、スリットの形成とチップ構造体の形成を同時に行うことが好ましい。
【0029】
本発明に係るマイクロデバイスは、シリコンウエハから分離形成したチップを含み、このチップはシリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものである構成としたものである。
【0030】
本発明に係るインクジェットヘッドは、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたものである構成とした。
【0031】
本発明に係るインクカートリッジは、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したものである。
【0032】
本発明に係るインクジェット記録装置は、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインク滴を吐出するインクジェットヘッドとして搭載したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。先ず、本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室短辺方向に沿う断面説明図である。
【0034】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した構造体となる液室形成部材である流路形成基板(液室基板)1と、この流路形成基板1の下面に接合した振動板2と、流路形成基板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによってインク滴を吐出するノズル5が連通する流路(インク液室)である加圧液室6、加圧液室6に流体抵抗部となるインク供給路を介してインクを供給する共通液室8などを形成している。
【0035】
そして、振動板2の面外側(液室6と反対面側)に各加圧液室6に対応して駆動手段としての圧電素子12を接合し、この圧電素子12はベース基板13に接合して固定し、この圧電素子12の列の周囲にはスペーサ部材14をベース基板13に接合している。なお、圧電素子12、12間には圧電素子からなる支柱部材15をそれぞれ配置している。
【0036】
この圧電素子12は、圧電材料層と内部電極とを交互に積層したものである。この場合、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。
【0037】
ここで、流路形成基板1は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、各加圧液室6となる貫通穴、共通液室8となる貫通穴をそれぞれ形成している。この流路形成基板1は、後述する本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造したものである。
【0038】
振動板2はニッケルの金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法で製造している。また、ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径10〜30μmのノズル5を形成し、流路形成基板1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングなどの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0039】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、圧電素子12に対して選択的に20〜50Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電圧が印加された圧電素子12が積層方向に変位して振動板2をノズル5方向に変形させ、加圧液室6の容積/体積変化によって加圧液室6内のインクが加圧され、ノズル5からインク滴が吐出(噴射)される。
【0040】
そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室6内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性によって加圧液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って加圧液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、インク供給口から共通液室8、流体抵抗部であるインク供給路を経て加圧液室6内にインクが充填される。そこで、ノズル5のインクメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のために圧電素子12にパルス電圧を印加しインク滴を吐出させる。
【0041】
このインクジェットヘッドにおける液室6、共通液室8を構成するシリコン基板からなる流路形成基板1は本発明に係る液滴吐出ヘッド及びその製造方法を適用して製作している。
【0042】
そこで、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法の第1実施形態について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3はヘッドの流路形成基板となるチップ21のシリコンウェハ20での平面配置説明図、図4は同シリコンウエハ20からの短冊状チップの切り出しの説明に供する平面説明図である。
【0043】
ここでは、(100)面方位のシリコンウェハ20を用いた場合を例として説明する。図3において、シリコンウエハ20には横方向の分離線22と縦方向の分離線23の位置で分離することで複数の短冊状チップ21が得られるように配置される。この場合、一方の分離線(ここでは、縦方向の分離線23)と平行方向のチップ21の列の少なくとも一列(ここでは図で左右2列)のチップが他方の分離線(ここでは、横方向の分離線22)と平行方向に他のチップの列に対してずらして配置されているレイアウトとしている。
【0044】
そこで、ここでは、シリコンウエハ20の横方向の分離線22の一部にレーザー等でシリコンウエハ20を貫通するスリット24を形成する。なお、図3では分離線22とスリット24を重ねて図示ししているが、これはスリット24の位置を明確にするためである。そして、図4に示すように、シリコンウエハ20を、横方向の分離線22に対応するダイシングライン25(太線で示すライン)でチョッパダイシングによって分離し、縦方向の分離線23に対応するダイシングライン26(点線で示すライン)でダイシングによって分離する。
【0045】
チョッパダイシングは、ウエハ上の任意の場所でダイシングブレードを上昇及び降下させることができるので、図4に矢印27で示すようにスリット24の位置でダイシングブレードを上昇させ、下降させることで、ダイシングライン25に沿ってダイシングすることができる。
【0046】
本実施形態によれば、図3に示した一方の分離線と平行方向のチップの列の少なくとも一列のチップが前記分離線と平行方向に他のチップの列に対してずらして配置されるような切り出しレイアウトにおいても、図4に示すとおり、縦方向はダイシングで分離しているので、チップのエッジの精度が良く、他の部品と位置合わせする際の突き当てでの精度が良くなり、チップの取り数を増加することができる。また、断面はテーパなどにならず垂直になっているので、突き当ての時に欠けたりすることも少ない。さらに、横方向はレーザーによるスリットとチョッパーダイシングで分離しているので、チップの配列の自由度が大きくなり、図23に示した従来の配列よりも多くのチップを作製することができる。
【0047】
次に、分離線上に形成するスリット24の形状について図5ないし図10を参照して説明する。
図5は、前述した図3の分離線のある方向に沿ってチップをずらした配置をした分離パターン(切り出しパターン)のレイアウトの一部をスリットを形成する前の状態で示している。
【0048】
ここで、ダイシングには一般的にダイヤモンド砥粒を混在させた円形のブレードが用いられるので、この円形ブレードを利用して図3のレイアウトで配置されるチップを分離する場合、図5に示すようにスリット24が形成されていないと、同図のa部を拡大した断面説明図である図6に示すように、ダイシング(ブレード31)で完全に分離されない同図に斜線を施して示す部分30が発生することになる。
【0049】
この部分30をダイシングにより完全に分離しようとすると、チップ21Aの領域にまでブレード31が入り込み、チップ21Aを場合によっては不良チップとしてしまうことになる。また、部分30(斜線部)を後にへき開等によりチップ21B、21Cに分離しようとすると、チップの端面が直線とならず、チップのエッジを突き当てでアライメントしようとした場合に精度が出なくなる。
【0050】
したがって、図7に示すように、横方向の分離線22と縦方向の分離線23とがT字型にぶつかる部分にスリット24を形成することで、チップ21Aを不良にすることなく、しかも、完全にチップ21B,21Cを分離することが可能となる。
【0051】
ここで、図7のチップ21Bをダイシングして分離した場合、図8に示すようにチップ21Bの端部32には段差WLが生じる。この段差WLは、図9に示すように、スリット24の幅Wとダイシングブレード31の幅Wkが必ずしも一致せず、例えばスリット24を形成する際の製造上の寸法バラツキや、ブレード31の持つ寸法公差等によって変動することから生じるものである。
【0052】
このスリット24の幅Wとダイシングブレード31の幅Wkの差が大きすぎる場合、段差WLが大きく異なり、アライメント精度が確保できず組み立て時に不良を引き起こすことがある。そこで、本発明者の検討によれば、スリット24の幅Wとダイシングブレード31の幅Wkの差の絶対値が0.5mm以下、つまりは段差WLが0.5mm以下であれば、アライメント精度を確保でき、組み立て時の不良を低減できることを確認した。
【0053】
このように、チップ端面の段差WLを制限することにより、分離後のチップサイズが均一に仕上がり、簡易な位置合わせが可能なチップが得られて実装時のコストを低減することができる。
【0054】
次に、スリット24の長さLについて、このスリット24の長さLが短すぎると完全に分離できない領域が生じてしまい、上述したように、ダイシングで分離しようとするとチップ21Aを不良にしたり、へき開によって分離しようとするとチップ21B、21Cの端面が直線とならず、アライメント精度が出ないことが生じる。
【0055】
そこで、図10にも示すように、スリット24の長さLは、ブレード半径をr、チップの厚さをtとしたとき、次の(1)式を充足することが好ましい。
【0056】
【数5】
【0057】
このように、スリットの長さLを制限することにより、分離後のチップにブリッジ部分がなくなり、突き合わせによるアライメントが可能となって低コスト化を図れる。
【0058】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第2実施形態について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11は上記ヘッドの流路形成基板1となるチップ21のシリコンウェハ40での平面配置説明図、図12は図11のA−A線に沿う断面説明図である。
【0059】
ここでは、(110)面方位のシリコンウェハ40を用いて、この(110)面方位のシリコンウェハ40の<112>方向にエッチングでスリット24を形成している。(110)面方位のシリコンウェハ40においては、<112>方向のパターンでウェハ面に垂直の(111)面が形成され、エッチング時間を長くすると、スリットはウェハの裏面まで貫通する。したがって、<112>方向にスリット24を形成することによって、エッチングによるスリット24の幅寸法を精度よく形成でき、スリットの幅Wとブレードの幅Wkとの関係を精度よく管理でき、さらには段差WLを精度よく管理できる。
【0060】
また、(110)面方位のウェハでは、エッチング形状は70.5°あるいは54.7°の角度をもつ平行四辺形や、六角形となるので、<112>方向に直交する方向のスリットは直線では形成できない。<112>方向に直交する方向にスリットを形成する場合には、小さなパターンを並べて形成することはできるが、その場合はチップのエッジは鋸状となってしまう。
【0061】
そこで、ここでは、エッチングによって直線が得られる<112>方向にスリットを形成し、<112>方向に垂直な方向はダイシングによって分離したので、チップのエッジが精度良く形成される。
【0062】
ここで、(110)面方位のシリコンウエハに<112>方向のスリット24を形成する方法について図13ないし図16を参照して説明する。なお、図13はシリコンウエハに片面からエッチング形成したスリットの平面説明図、図14は図13のB−B線に沿うシリコンウェハのウェハ厚さ方向の断面説明図、図15はシリコンウエハに両面からエッチング形成した場合の図14と同様な断面説明図、図16は図15の状態から更にエッチングを行った場合の断面説明図である。
【0063】
先ず、図13及び図14に示すように、(110)面方位のシリコンウエハ40の一面にスリット用開口を有する耐エッチング層42aを、他面全面に耐エッチング層42bを形成して、ウエハの片面からのエッチングでスリット24を形成した場合、左右にテーパー部41、41が形成される。
【0064】
そこで、図15に示すように、ウエハ40の両面にスリット用開口を有する耐エッチング層42a、42aをパターニングして、両面からエッチングを行ってスリット24を形成することで、ウエハ40を貫通するまでの掘り込みの深さは、片面からのエッチングの半分でよくなり、そのため、テーパー部41の長さは半分になる。
【0065】
さらに、両面からのテーパー部40がぶつかってからもエッチングを継続すると、テーパー部40のエッチングが進み、図16に示すように最終的にはテーパー部40を完全になくすこともできる。結果、後工程でテーパ残が破損してパーティクルなどが発生することもなくなる。
【0066】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第3実施形態について図17を参照して説明する。なお、同図はウエハの液室の配列方向に沿う断面説明図であり、便宜上ウェハの1チップ分を示している。
この実施形態においては、液室6や共通液室8なども異方性エッチングで形成するので、スリット24を形成すると同時に液室6や共通液室8も形成することでプロセスの短縮を図っている。
【0067】
すなわち、同図(a)に示すように、(110)面方位のシリコンウエハの両面に耐エッチング層51a、51bとしてのシリコン窒化膜を成膜する。そして、同図(b)に示すように、上面の耐エッチング層51aは、フォトリソとドライエッチングにより、液室パターン52、共通液室パターン、スリットパターン53の形状にパターニングする。
【0068】
また、同図(c)に示すように、下面の耐エッチング層51bも同様に液室パターン54、共通液室パターン、スリットパターン55の形状にパターニングする。このとき上面のパターンと位置を合わせるためIRアライメントを行う。
【0069】
その後、水酸化カリウム水溶液35wt%、温度80℃にて異方性エッチングを行う。このとき、同図(d)に示すように、(110)面方位のシリコンウェハを用いているので垂直に掘り込みが形成される。さらにエッチングを続けると、ウエハを貫通し、同図(e)に示すように、液室6、共通液室、スリット24が形成される。
【0070】
このように液室、共通液室と共にスリットのパターンを形成し、同時にエッチングを行うことにより、液室及び共通液室等のヘッド構造体の形成と同時にスリットも同時に形成され、スリットの形成のための特別な工程なしに作製することができ、コストを低減できる。
【0071】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態に係るインクジェットヘッドについて図18及び図19を参照して説明する。図18は同ヘッドの分解斜視説明図、図19は同ヘッドの流路形成基板の斜視説明図である。
【0072】
このインクジェットヘッドは、流路形成部材(液室形成部材)である第1基板81と、この第1基板81の下側に設けた発熱体基板である第2基板82とを備え、これらによりインク滴を吐出する複数のノズル84、ノズル84が連通する液流路である加圧液室流路86、加圧液室流路86にインクを供給する共通液室流路88などを形成し、インクは第1基板81に形成したインク供給口90から供給されて、共通液室流路88、加圧液室流路86を経て、ノズル84より液滴として噴射される。
【0073】
流路形成部材である第1基板81は、シリコンウエハにノズル84、加圧液室流路86、共通液室流路88を各チップ単位で形成し、各チップを前述したようにダイシングで分離したものである。第2基板82には発熱抵抗体(電気熱変換素子)91と、この発熱抵抗体91に電圧を印加するための共通電極92及び個別電極93が形成されている。
【0074】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、個別電極93に選択的に駆動電圧を印加することによって発熱抵抗体91が発熱して加圧液室流路86のインク中にバブルが発生して圧力変化が生起し、このインク中の圧力変化によってノズル84からインク滴が吐出される。
【0075】
次に、本発明に係るインクカートリッジについて図20を参照して説明する。このインクカートリッジ100は、ノズル101等を有する上記実施形態のいずれかのインクジェットヘッド102と、このインクジェットヘッド102に対してインクを供給するインクタンク103とを一体化したものである。
【0076】
このようにインクタンク一体型のヘッドの場合、ヘッドの歩留まり不良は直ちにインクカートリッジ全体の不良につながるので、上述したように切子残などによるインク滴吐出不良が低減することで、インクカートリッジの歩留まりが向上し、ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
【0077】
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は同記録装置の斜視説明図、図22は同記録装置の機構部の側面説明図である。
【0078】
このインクジェット記録装置は、記録装置本体111の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部112等を収納し、装置本体111の下方部には前方側から多数枚の用紙113を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)114を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙113を手差しで給紙するための手差しトレイ115を開倒することができ、給紙カセット114或いは手差しトレイ115から給送される用紙113を取り込み、印字機構部112によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ116に排紙する。
【0079】
印字機構部112は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド121と従ガイドロッド122とでキャリッジ123を主走査方向(図26で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ123にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドからなるヘッド124を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ123にはヘッド124に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ125を交換可能に装着している。
【0080】
インクカートリッジ125は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
【0081】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド124を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0082】
ここで、キャリッジ123は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド121に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド122に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ123を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ127で回転駆動される駆動プーリ128と従動プーリ129との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ123に固定しており、主走査モーター127の正逆回転によりキャリッジ123が往復駆動される。
【0083】
一方、給紙カセット114にセットした用紙113をヘッド124の下方側に搬送するために、給紙カセット114から用紙113を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙113を案内するガイド部材133と、給紙された用紙113を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙113の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0084】
そして、キャリッジ123の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙113を記録ヘッド124の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙113を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙113を排紙トレイ116に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
【0085】
記録時には、キャリッジ123を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド124を駆動することにより、停止している用紙113にインクを吐出して1行分を記録し、用紙113を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙113の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙113を排紙する。この場合、ヘッド124を構成する本発明に係るインクジェットヘッドはインク滴噴射の制御性が向上し、特性変動が抑制されているので、安定して高い画像品質の画像を記録することができる。
【0086】
また、キャリッジ123の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド124の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ123は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段でヘッド124をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0087】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド124の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0088】
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施した低コストのインクジェットヘッドを搭載しているので、低コスト化を図れる。
【0089】
なお、上記実施形態においては、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドに適用した例で説明したが、インクジェットヘッド以外の液滴吐出ヘッドとして、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどの他の液滴吐出ヘッドにも適用できる。また、マイクロデバイスとしては、液滴吐出ヘッドで説明したが、マイクロポンプ、マイクロ光アレイ、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用できる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれば、シリコンウエハから分離形成したチップはシリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものであるので、シリコンウエハからの取り数が増加し、歩留まりが向上して低コスト化を図れる。
【0091】
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法によれば、シリコンウエハのチップ分離線上の一部にウエハを貫通するスリットを設けた後複数のチップを分離形成する構成としたので、ウェハ内のチップ配列の自由度をあげることによってチップ取り数が増加し、かつ突き当てなどの簡易な位置合わせが可能なヘッドチップを歩留まり良く低コストで製造することができる。
【0092】
本発明に係るマイクロデバイスによれば、シリコンウエハから分離形成したチップを含み、このチップはシリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものである構成としたので、シリコンウエハからの取り数が増加し、歩留まりが向上して低コスト化を図れる。
【0093】
本発明に係るインクジェットヘッドによれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたものである構成としたので、製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。
【0094】
本発明に係るインクカートリッジによれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したので、製造不良が減少し、低コスト化を図れる。
【0095】
本発明に係るインクジェット記録装置によれば、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインク滴を吐出するインクジェットヘッドとして搭載したので、製造不良が減少し、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの振動板短手方向に沿う断面説明図
【図3】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第1実施形態の説明に供するウエハ上でのチップ配置を示す平面説明図
【図4】同ウエハからのチップの分離の説明に供する平面説明図
【図5】本発明の作用説明に供するウエハ上でのチップ配置をスリットを形成する前の状態で示す要部平面説明図
【図6】図5の状態でチップ分離を行ったときの問題点の説明に供する断面説明図
【図7】本発明の作用説明に供するウエハ上でのチップ配置をスリットを形成した後の状態で示す要部平面説明図
【図8】スリットを形成した部分のチップをウエハから分離した状態の平面説明図
【図9】スリットの幅の説明に供する平面説明図
【図10】スリットの長さの説明に供する断面説明図
【図11】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第2実施形態の説明に供するウエハ上でのチップ配置を示す平面説明図
【図12】図11のA−A線に沿う断面説明図
【図13】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第3実施形態の説明に供するウエハ上のスリット部分の平面説明図
【図14】ウエハの片面からエッチングでスリット形成する場合の説明に供する図13のB−B線に沿う断面説明図
【図15】ウエハの両面からエッチングでスリット形成する場合の説明に供する図13のB−B線に沿う断面に相当する断面説明図
【図16】スリットの形成方法の説明に供する断面説明図
【図17】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法の第3実施形態の説明に供する断面説明図
【図18】本発明に係る液滴吐出ヘッドの第2実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視説明図
【図19】同ヘッドの流路形成基板の斜視説明図
【図20】本発明に係るインクカートリッジの斜視説明図
【図21】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部を説明する斜視説明図
【図22】同記録装置の側面説明図
【図23】従来のウエハ上でのチップ配置を説明する説明図
【符号の説明】
1…流路形成基板、2…振動板、3…ノズル板、5…ノズル、6…液室、8…共通液室、12…圧電素子、13…ベース、20…ウエハ、21…チップ、22、23…分離線、24…スリット、31…ダイシングブレード。
Claims (17)
- シリコンウエハから分離形成したチップを含む液滴吐出ヘッドにおいて、前記チップは前記シリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記チップは前記スリットが設けられている方向がチョッパダイシングで分離され、他の方向がダイシングで分離されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記チップの端面に0.5μm以下の段差があることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記チップは(110)面方位のシリコンウェハから形成され、前記スリットは前記(110)面方位のシリコンウェハの<112>方向の線でエッチングにより形成されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドにおいて、前記チップが液室を形成する液室形成部材、ノズルを形成するノズル部材、電極を設ける電極形成部材の少なくともいずれかであることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- シリコンウエハに形成したチップを含む液滴吐出ヘッドを製造する方法において、前記シリコンウエハのチップ分離線上の一部にウエハを貫通するスリットを設けた後複数の前記チップを分離形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項7に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記スリットを設けた方向をチョッパダイシングで、他の方向をダイシングで分離して、前記チップを形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項8に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、分離後の前記チップの端部に前記スリットで生じる段差が0.5μm以下になることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項7ないし10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、(110)面方位のシリコンウェハの<112>方向の線でエッチングにより前記スリットを形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項7乃至11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、一方の分離線と平行方向のチップの列の少なくとも一列のチップが前記分離線と平行方向に他のチップの列に対してずらして配置されることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項7乃至12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記スリットの形成とチップ構造体の形成を同時に行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
- シリコンウエハから分離形成したチップを含むマイクロデバイスにおいて、前記チップは前記シリコンウエハの分離線上に一部にウエハを貫通するスリットを設けた状態で分離されたものであることを特徴とするマイクロデバイス。
- インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液室内のインクを加圧する圧力を発生するための駆動手段とを備えたインクジェットヘッドにおいて、前記請求項7ないし13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたものであることを特徴とするインクジェットヘッド。
- インク滴を吐出するインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したインクカートリッジにおいて、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドが請求項1ないし6のいずれかの液滴吐出ヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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