JP2004050665A

JP2004050665A - 中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズル

Info

Publication number: JP2004050665A
Application number: JP2002212235A
Authority: JP
Inventors: Yoshitaka Ono; 大野　嘉孝; Toshio Kagitani; 鎰谷　敏夫; Sohei Masaki; 正木　壮平; Shoji Abe; 阿部　正二; Katsumi Kohama; 小浜　克巳; Takatoshi Watanabe; 渡辺　隆俊
Original assignee: Japan Steel Works Ltd; Yachiyo Industry Co Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd; Yachiyo Industry Co Ltd
Priority date: 2002-07-22
Filing date: 2002-07-22
Publication date: 2004-02-19
Anticipated expiration: 2022-07-22
Also published as: CN1210136C; CN1470376A; US20060204606A1; JP3625457B2; US20040012126A1

Abstract

【課題】本発明は、各針吹きノズルの上、下吹き穴によってパリソンの上、下ピンチ部を強制的に冷却させると共に金型も壁内の冷却手段によって冷却することにより、成形サイクルの向上と品質の安定化を図ることを目的とする。
【解決手段】本発明による中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズルは、金型（４０Ａ）のパリソン（５９）内に上、下針吹きノズル（１ａ，１）を挿入して各ピンチ部（５９ｃ，５９ｄ）を強制冷却して排気用ノズル（１ｂ）で排気し、金型（４０Ａ）の壁内に設けられた冷却手段（６００）によって金型（４０Ａ）の内側の成形中のパリソン（５９）を冷却し、成形サイクルを速くすることができる構成である。
【選択図】　　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズルに関し、特に、パリソンに対して一対の針吹きノズルを挿入して上ピンチ部及び下ピンチ部のみに向けてエアを噴射すると共に各針吹きノズル間の排気ノズルで排気して金型を冷却し、さらに押出す樹脂温度を低温とすることによって矯正冷却による中空成形品の冷却時間を短縮化し、成形サイクルタイムを短縮するための新規な改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の中空成形方法及び装置としては、特開２０００−１０２９７１号公報に開示された構成を図１０から図１８で示し、その中空成形に用いるクロスヘッドとしては特開２０００−１０２９６３号公報に開示された構成を図１９で示すことができる。
すなわち、図１０において符号１で示されるものは図１３、図１４及び図１６で示される中空成形装置２に用いられる針吹きノズルであり、この針吹きノズル１は、基部３、筒状本体４及び先端の針部５とから構成されており、この筒状本体４は、第１筒部４ａ及び第２筒部４ｂからなる二重筒状に構成されている。なお、前述の二重筒状に限ることなく、１個の筒部４ａ又は４ｂすなわち単管により形成することもできる。
【０００３】
前記第１筒部４ａにはエアー入口６が設けられると共に、第２筒部４ｂにはエアー出口７が設けられていると共に、第２筒部４ｂの先端にはエアー吸入口８が形成されている。このエアー吸入口８は前記第２筒部４ｂ内の第２中空部４ｂＡを経て前記エアー出口７に連通している。
【０００４】
前記針部５は、図１２にも開示されているように、針部５は全体形状が傘状に形成され、その先端に形成された点状の針中心は筒状本体４の軸心位置に形成されており、この針部の外周位置には、この針中心９を頂点として末広状に形成された４個（４個以外の２個でも可）の長手状切削部１０が形成されている。この長手状切削部１０は、針中心９から例えば約３０度の鋭角に形成され刃を形成するための斜面１１が形成され、この斜面１１により針部５は鋭角状の傘形に形成されている。
【０００５】
前記針部５に形成されたエアー吐出用のノズル孔２０は、前記針部５の根元付近でかつ各長手状切削部１０間に合計４個（少なくとも２個でも可）形成されており、各ノズル孔２０は前記第１筒部４ａの第１中空部４ａＡを介して前記エアー入口６に連通している。前記針部５、第１筒部４ａ、第２筒部４ｂ及び基部３は各々の部品として、機械加工され、各々の部品の接合部は溶接又は、ロー付けにて接合し、溶接又はロー付けにて心ずれした接合部品は心出し加工し、再接合を繰り返して針中心が針吹きノズル１の中心にくると共に針吹きノズル１がパリソン５９に突き刺さり易い様に性能を発揮する様にしている。
【０００６】
前記針吹きノズル１は、図１５に示されるように、高圧エアー源３０からの高圧エアー３０ａがエアー冷却装置３１で予備冷却された後に逆止弁３２及び２個の弁３３、３４からなるプリブロー回路１００及び本吹込回路１０１を介して針吹きノズル１のエアー入口６に供給され、キャップ状の循環治具２００で針部５が覆われた状態の針吹きノズル１を循環してエアー出口７から弁３６、３６Ａからなる循環回路１０２に送られ、高圧エアー３０ａを冷却するように構成されている。すなわち、図１５の構成は、針吹きノズル１をパリソン５９内に挿入する前にエアーを予冷却する構成で、冷却完了後に循環治具２００をはずして針吹きノズル１をパリソン５９に挿入する。
なお、この場合、排気側の弁３６を低圧リリーフ弁とし、循環治具２００の内圧を一定に保持し、高圧吹込みと低圧排気間に大きい差圧を持たせ、パリソン５８内に挿入した時に針吹きノズル１の先端において断熱膨張による吹込みエアーの積極的な冷却によって、成形品７０の内側の冷却能力を向上させ、成形サイクルを従来よりも短縮させるように構成されている。又、成形品７０の内部エアー圧を短時間に排気する為、図１５の弁３３、３４及び回路１００、１０１よりの高圧エアー３０ａを停止し、弁３５、３６Ａを駆動、作動させ回路１００、１０２及びサイレンサー３５Ｂ、３６Ｂより大気に急激に開放し、成形品５９内の内部エアー圧を大気圧にし、成形サイクルの短縮を図っている。
【０００７】
前記エアー冷却装置３１は、図１３及び図１４の中空成形装置２の基台５０上に設けられており、この基台５０上に設けられた第１、第２固定板５１、５２にモータ等のアクチュエータ５３、５４により開閉自在な１対の背板５５、５６が設けられている。この各背板５５、５６には金型４０Ａのキャビティ４２を構成するための第１、第２金型部４０、４１が開閉自在に設けられ、クロスヘッド５７から吐出されたパリソン５９が各金型部４０、４１によって型閉されるように構成されている。なお、このエアー冷却装置３１に連結チューブ６０を介して接続された複数の針吹きノズル１は、背板５６に固定部材１ｂを介して設けられたシリンダ１ａにより出入自在に設置され、各針吹きノズル１は背板５６の貫通孔５６ａ及び第２金型部４１の貫通孔４１ａを貫通してキャビティ４２内へ臨むように構成し、シリンダ１ａには、図１６に示すようにシリンダ１ａの駆動を制御する電磁弁８０とシリンダ１ａ間を結ぶ配管８１、８２、電磁弁８０と駆動源８４とサイレンサ８３とを結ぶ配管８５、８９及び駆動源８４の供給不足を補う為のリザーバータンク８６より構成され、シリンダ１ａを高速駆動する為、駆動源８４の圧力を高圧化するとともに電磁弁８０、配管８１、８２、８５、８９の流路及びサイレンサ８３を高流量化を図り、シリンダ１ａを高速作動させてパリソン５９に針吹きノズル１が挿入し易くされている。これは、シリンダ１ａを高速作動させないと、溶融樹脂より構成されているパリソン５８に弾性力が有る為、低速作動するとシリンダ１ａの先端に接続されている針吹きノズル１の針部５に巻き付き、パリソン５８に突き刺さらない。従って、図１６に示されるように、第１、第２金型部４０、４１内のパリソン５８内に、そのパリソン５８の側部方向から挿入されてエアー吹込みが行えるように構成されている。
【０００８】
次に、動作について説明する。まず、前述の図１５で示される循環回路１０２によって第１、第２金型部４０、４１が開いた状態で、予冷動作を行い、予冷完了後、循環治具２００をとり、図１６で示されるように、クロスヘッド５７から吐出されて垂下するパリソン５８は下部が図示しないピンチによってつかまれた状態でパリソン５８内にクロスヘッド５７よりプリブローを与えつつかつ型閉めしつつ各金型部４０、４１により保持され型閉めが行われる。この時にシリンダ１ａを作動させて針吹きノズル１を挿入して高圧エアー３０ａが供給されつつ金型部４０、４１の型閉めが完了する。この型閉め完了後、高圧エアー３０ａが供給されて中空成形が行われる。この場合、各針部５の先端は傘状に形成されているため、従来の針吹きノズルの直径よりも大径の形状でもスムーズに挿入される。そのため、従来よりもエアーの供給が大幅に容易となり、この大量のエアー供給によってパリソン５８が急速に膨らみ、金型部４０、４１に一瞬に接触、転写することにより成形品の転写性が従来よりも大幅に向上する。
【０００９】
前記パリソン５９内に各針吹きノズル１が挿入された状態で、前述のように、高圧エアー源３０からの高圧エアー３０ａを供給すると、排気側の第５弁体３６が低圧リリーフ弁であるため、パリソン５９内の内圧を一定に保持し、高圧吹込みと低圧排気間に大きい差圧を持たせ、パリソン５９内にて針吹きノズル１の先端において断熱膨張による吹込みエアーの積極的な冷却によって、パリソン５９内側の冷却能力を向上させ、前述のエアー冷却装置３１によるエアー冷却効果と相乗して成形品の急速な冷却を行うことができる。なお、この場合、図１６において、２本のノズル１を用いたが１本でも可であり、また、ノズル１の構造を単管状として一方をエアー注入用に、他方をエアー排気用とすることもできる。
【００１０】
前述の中空成形により成形された中空成形品７０は、図１７及び図１８で示されるように、中空成形品７０の１対の口部７０ａ、７０ｂに各針吹きノズル１が挿入されており、図１８の（Ａ）が成形後の形状で針吹きノズル１が挿入した穴７０ｃが形成され、この口部７０ａ、７０ｂの上端を切断・廃棄することによって（Ｂ）のように加工後の口部７０ａ、７０ｂ（図１７で示す）を得ることができる。穴７０ｃを除去することにより、中空成形品７０に大きな穴があき、中空成形品７０内のゴミの除去が容易になり、中空成形品７０の内部に装着する機器の大きさも大きく出来、装着も容易となる。すなわち、パリソン５９の側部方向から各口部７０ａ、７０ｂに対してノズル１を挿入しているため、各ピンチ部５９ｃ、５９ｄの肉厚を厚くすることなく、薄い肉厚でも可能となる。又肉厚を薄くすることにより、中空成形品７０の内容積を増加でき、材料費も安く出来る。また、各ピンチ部５９ｃ、５９ｄにノズルが挿入していない為、ピンチ部形状が単純形状となり強度的に応力集中の無い、強度の強い形状が成形出来る。
【００１１】
また、前記中空成形装置２の金型４０Ａ内にパリソン５９を垂下させる前記クロスヘッド５７は、図１９に示されるように構成されていた。すなわち、符号５７で示されるものはクロスヘッドであり、このクロスヘッド５７には第１から第６押出機３０２から３０７が接続されており、第１押出機３０２は主材外層３０２ａを、第２押出機３０３は主材内層３０３ａを、第３押出機３０４は粉砕層３０４ａを、第４押出機３０５はバリヤー層３０５ａを、第５押出機３０６は接着内層３０６ａを、第６押出機３０７は接着外層３０７ａを、各々供給することができるように構成されている。
【００１２】
前記クロスヘッド５７内には、輪状をなす第１から第６環状流路３０８から３１３が形成され、主材外層３０２ａは第１環状流路３０８へ、主材内層３０３ａは第２環状流路３０９へ、粉砕層３０４ａは第３環状流路３１０へ、バリヤー層３０５ａは第４環状流路３１１へ、接着内層３０６ａは第５環状流路３１２へ、接着外層３０７ａは第６環状流路３１３へ、各々供給されることにより、図示していないが、外側から主材外層３０２ａ、粉砕層３０４ａ、接着外層３０７ａ、バリヤー層３０５ａ、接着内層３０６ａ、主材内層３０３ａが一体状となったパリソン５９が、ダイ３２１のダイスリット３２２及びダイスリット吐出口３２３から吐出されて一定速度で垂下するように構成されている。また、図１９の右側に示されるように、クロスヘッド本体５７の高さ方向において、流路３０１Ａ、多層構成部３０１Ｂ及び接着を行うための接着発現性発生部３０１Ｃで構成されている。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の中空成形方法及び装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、金型がパリソンを成形する為にパリソンを挟む時、金型を閉じる動作をするが、この時、左右の金型部が、金型閉時に接触する。この時、金型部と成形品の上、下ピンチ部が金型閉じ動作の時に最初に金型部とパリソンが接触する。この接触により、パリソンの接触部が冷却され、上下ピンチ部のブロー比（無い圧による膨らみ率）が少なくなる。
このため、成形品の上・下ピンチ部の肉厚が厚くなる。また、上、下ピンチ部は、図２０に示す上、下ピンチ部の肉厚断面図において、パリソンの内面同志が接触する部分が図２０に示す肉厚の薄い断面であると、この上、下ピンチ部の内面接触強度が低下し、しかも、成形品の外部力強度において、衝撃力に対して、応力集中する凹型となってしまう。このため、成形条件によりこの部分を肉厚にし、しかも金型のピンチ部形状により、図２１のように肉厚の凸型形状にする。
これにより、上、下ピンチ部のパリソン内面同志の接触面積を増加させハク離強度を強化し、凸型状にすることにより、衝撃強度を向上させている。
このため、上、下ピンチ部の中空成形品の肉厚が厚くなり、大型容器の成形品の冷却時間が１番必要な部位となっている。このため、この上、下ピンチ部は肉厚部位となり，冷却することが困難で成形品の規定する取出し温度がこの上、下ピンチ部の冷却能力で決定し、成形サイクルが長くなる課題が存在していた。
また、前述の多層のクロスヘッドの粉砕層を押出す粉砕層用押出機において、主材（高密度ポリエチレン）の比率９２％に対して、約５％のバリヤー材（ＥＶＯＨ）と接着材３％で構成される再生材を粉砕層として用いている。
この再生材は、上、下バリ及び製品不良品等を粉砕機にて１０ｍｍ程度の粉砕品にし、材料供給装置にて、粉砕材用押出機に送られ押出機内でバリヤー材（ＥＶＯＨ）を１０μ以下に微分散している。このバリヤー材のＥＶＯＨは、押出機に入る前迄は、上、下バリ及び製品では、１００μ程度の膜状（多層の一層のため）で層を構成している。このＥＶＯＨと主材のポリエチレンとは、相互に接着力がなく、多層を構成する場合はＥＶＯＨとポリエチレン間の相互を接着するための接着層を構成して多層を構成している。
このため、主材９２％、ＥＶＯＨ５％、接着材３％の粉砕層において、押出機内で分散したＥＶＯＨの粒度が１０μ以上に大きいと、ＥＶＯＨは主材中の異物となり、粉砕層に力が加わると、金属中の異物と同様、ＥＶＯＨの粒度附近に応力集中部が発生し、この部分より破壊が発生する。
これを防止するために、押出機内にて、ＥＶＯＨを１０μ以下に微分散させなければならない。しかし、ＥＶＯＨを微分散するためには、主材に押出機の溶融状態で、高剪断力を加え、ＥＶＯＨを微分散しなければならないが、主材に高剪断力を加えると、主材は急発熱して樹脂温度は急激に上昇して３００℃程度迄、上昇してしまっていた。
【００１４】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、パリソンに対して一対の針吹きノズルを挿入して上ピンチ部及び下ピンチ部のみに向けてエアを噴射すると共に各針吹きノズル間の排気ノズルで排気して金型を冷却し、さらに押出す樹脂温度を低温とすることによって矯正冷却による中空成形品の冷却時間を短縮化し、成形サイクルタイムを短縮するようにした中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズルを提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明による中空成形方法は、複数の押出機から押出された材料がクロスヘッドを介して多層のパリソンに形成され、中空成形用の金型に保持された前記パリソンに上針吹きノズル及び下針吹きノズルを側部方向から挿入し、前記パリソン内にエアを噴射することにより中空成形品を得るようにした中空成形方法において、前記金型を冷却手段によって冷却し、前記上針吹きノズルに形成された上吹き穴及び下針吹きノズルに形成された下吹き穴のみによって前記パリソンの上部及び下部に形成された上ピンチ部及び下ピンチ部をエアで冷却し、前記各針吹きノズル間に設けられ前記パリソンを貫通する排気用ノズルによって前記パリソン内のエアの排気を行い、前記パリソンを中空成形して中空成形品を冷却する方法であり、また、前記冷却手段は、前記金型の上部及び下部に配設されている方法であり、また、前記押出機によりポリエチレン内のＥＶＯＨを微粉砕して２００℃の低温状態で前記クロスヘッド内に供給する方法であり、また、本発明による中空成形装置は、中空成形用の金型に保持されたパリソンに上針吹きノズル及び下針吹きノズルを側部方向から挿入し、前記パリソン内にエアを噴出することにより中空成形品を得るようにした中空成形装置において、前記金型を冷却するため前記金型内に設けられた冷却手段と、前記上針吹きノズルに形成された上吹き穴のみと、前記下針吹きノズルに形成された下吹き穴のみと、前記金型の前記各針吹きノズル間に設けられ前記パリソンを貫通する排気用ノズルとを備え、前記上吹き穴及び下吹き穴からのエアの噴射により前記パリソンの上ピンチ部及び下ピンチ部を冷却して前記排気用ノズルから排気してパリソン及び中空成形の冷却を行う構成であり、また、前記冷却手段は、前記金型の上部及び下部に配設されている構成であり、また、本発明による金型装置は、クロスヘッドから垂下したパリソンを一対の第１、第２金型部でピンチし、前記第２金型部の側部に形成された上穴及び下穴から上針吹きノズル及び下針吹きノズルを前記パリソン内に挿入するようにした金型装置において、前記側部には前記上穴と下穴間に排気穴が形成され、前記排気穴には排気用ノズルが挿入される構成であり、また、前記各金型部の壁内には、冷却手段が設けられている構成であり、また、本発明による針吹きノズルは、全体形状が長手棒状をなし先端部が針状に形成された棒体と、前記先端部に形成された穴とからなる針吹きノズルにおいて、前記穴は上吹き穴又は下吹き穴からなると共に前記棒体の軸心を通る直径線で二分された一対の半円部の一方にのみ形成されている構成である。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズルの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。また、金型４０Ａと針吹きノズル１ａ、１以外は従来と同様であるので従来構成を援用するものとする。
図１は従来の図１６の中空成形装置を改良した本発明による構成を示しており、図１６と同一部分には同一符号を付してその説明は省略し、図１６とは異なる部分についてのみ説明する。
すなわち、第１、第２金型部４０、４１からなる金型４０Ａの第２金型部４１の側部に形成された上穴４１ａ及び下穴４１ｂには上針吹きノズル１ａ及び下針吹きノズル１が挿入されてパリソン５９を貫通するように構成されており前記各穴４１ａ、４１ｂ間に形成された排気穴４１ｃには排気用ノズル１ｂが挿入できるように構成されてパリソン５９を貫通している。
【００１７】
前記各針吹きノズル１ａ、１の中、上針吹きノズル１ａは、図３及び図４で示されるように、その軸心Ｐを通る直径線５００を境として二分された一対の半円部５０１，５０２の一方の上側のみに上吹き穴５０３が形成されている。
また、前記下針吹きノズル１には、前記下側の半円部５０２のみ（図示せず）に下吹き穴５０３ａが点線のように形成され、各針吹きノズル１ａ、１に低温で高圧のエアを供給すると、図２で示されるように、金型４０Ａ内で成形されるパリソン５９の上、下ピンチ部５９ｃ、５９ｄを内面側から強制的に冷却することができ（エアは点線で示す矢印のように移動する）、その際の排気は前記排気ノズル１ｂの排気穴１ｂａによって金型４０Ａ内から金型４０Ａ外へ排出される。
【００１８】
前記金型４０Ａの各金型部４０、４１の壁内には、図５から図７で示されるようにチラー水を供給して金型４０Ａを冷却するための冷却手段６００が形成され、この冷却手段６００は、一例として、図５、図６に示されるように、チラー水を通す配管６０１の側壁に多数の突出する管状の突出管６０２がディストリビューターのような形状が多数形成され、この各突出管６０２が金型４０Ａの壁内に形成された凹凸部６０３の凹部６０４に対応してその間に溝６０５が凹凸状に形成されている。尚、この配管６０１の外側には各金型部４０、４１に着脱自在に設けられたブロック７００が設けられて配管６０１が覆われている。
この凹凸部６０３と突出管６０２との間はこの溝６０５が維持されるようにスペーサ６０６が設けられ、この配管６０１内にチラー水が供給されて各突出管６０２から凹部６０４に向けてチラー水が噴射され、金型４０Ａのキャビティ側すなわち内壁側が冷却されるように構成されている。
尚、金型４０Ａの中央部は周知の配管の冷却手段（断面丸で示される）が設けられ、この冷却手段６００は、一例であり、他の周知の冷却ジャケットを用いることもでき、金型４０Ａの上部及び下部、側部等必要に応じて取付けることができる。前記凹部６０４と金型４０Ａのキャビティの内面との間は約５ｍｍ程度で突出管６０２の径を１０ｍｍ程度とすることによって内部のパリソン５９の冷却効果を大幅に高めるように構成されている。
【００１９】
また、図１のクロスヘッド５７は、図１９で説明した構成と同一であるため、この図１９の構成を援用するものとするが、溶融した前記再生材は、図示しない機械的低剪断の手段による多数回剪断できる機構により、主材のポリエチレン内の前記ＥＶＯＨを微分散し、しかも２００℃程度の低温度にて押出機より押出し、多層のクロスヘッド５７内にて多層構成とした２００℃位の低温度樹脂のパリソン５９を押出し可能に構成されている。
【００２０】
次に，動作について述べる。前述の構成において、Ｌ／Ｄが２８以上の単軸のスクリュを用いた押出機を用いて前述の低温度化された樹脂材料よりなる多層のパリソン５９が金型４０Ａ内に垂下して型閉めされ、パリソン５９の上、下部がピンチされた状態で，金型４０Ａの側部から上針吹きノズル１ａ及び下針吹きノズル１が挿入されて高圧エアが供給されると、上針吹きノズル１ａの上吹き穴５０３から上ピンチ部５９ｃにエアが噴射されて冷却され、下針吹きノズル１の下吹き穴５０３ａからも同時にエアが下ピンチ部５９ｄに噴射されて冷却される。
【００２１】
さらに、前述の状態では、排気用ノズル１ｂの排気穴１ｂａを介して外部へ排気され、中空成形中のパリソン５９が効率よく冷却される。
また、前述の状態では、金型４０Ａの壁内に設けられた冷却手段６００によってチラー水による金型４０Ａの冷却が行われ、冷却手段６００のチラー水は、取入口６００ａから排出口６００ｂに向けて循環供給されている。
【００２２】
また、前述の冷却手段６００では、金型４０Ａの内面に対して凹部６０４に対する肉厚が極めて薄く形成されているため（理論的には肉厚の２乗に比例する）、冷却能力を著しく向上させ、しかも、各突出管６０２から凹部６０４に向けてチラー水が噴出されるため、金型４０Ａの内側のパリソン５９すなわち中空成形品７０の熱を効率よく冷却できる。
また、このパリソン５９すなわち中空成形品７０の内側に吹込まれた１４ｋｇ／ｃｍ^２の圧力に対しては金型４０Ａの穴加工がされていない部位にて支えている。
【００２３】
従って、前述の本発明における作用をまとめると次の通りとなる。
（１）単軸押出機（図示せず）内において、熱可塑した溶融樹脂をなるべく低温度樹脂温度にて押出機より押出し、クロスヘッド５７にて多層々構成し、低温度樹脂温度にてパリソン５９を押出す。
（２）各針吹きノズル１ａ、１の先端穴を上、下ピンチ部５９ｃ、５９ｄに向けて、高圧低温度エアを吹付け内側より上、下ピンチ部５９ｃ、５９ｄの冷却効率を向上させる。
（３）各針吹きノズル１ａ、１間に設けられ成形品の中央部に位置する排気用ノズル１ｂを設けることにより、成形品内にて内部冷却エアを冷却効率より配置し、内部冷却の効率を向上させる。
（４）金型４０Ａの壁内に設けた冷却手段６００により成形品の外側からも冷却能力を向上し、上、下ピンチ部５９ｃ、５９ｄの冷却能力を向上させる。
これらの冷却方法により、図９で示されるように、上、下ピンチ部５９ｃ、５９ｄの冷却能力の向上を図り、成形サイクル時間を短縮することができる。
また、前述の冷却時間と成形品の温度特性は、図１０に示されるように、従来の成形品形状安定化温度が従来２４５秒であったものが本発明では１１５秒となり、成形サイクルも従来２７０秒であったものが、本発明では１４０秒に短縮されている。
【００２４】
【発明の効果】
本発明による中空成形方法及び装置並びに金型装置及び針吹きノズルは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、低樹脂温度にてパリソンを押出すことにより、熱可塑化させる熱エネルギーの投入量を少なくし、さらに、上、下針吹きノズルにより冷却効率の悪い上、下ピンチ部を集中的に冷却すると共に、金型に設けた冷却手段によって、大型中空成形品を投入熱エネルギーを少なくし、しかも冷却効率よく冷却し、成形サイクル時間を大幅に短縮し、大型成形品の生産性の向上を図ることができる。また、金型から取出した成形品の温度不均一を少なくしたことにより、取出した成形品の取出し後の変形を少なくし、この後の穴明け部品取付け工程の品質を安定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による中空成形装置を示す構成図である。
【図２】図１の要部の動作構成図である。
【図３】図１の要部の断面図である。
【図４】図３の左から見た拡大図である。
【図５】図１の金型の一部拡大断面図である。
【図６】図５の一部拡大断面図である。
【図７】図５の左から見た要部の構成図である。
【図８】本発明の成形サイクルを示す説明図である。
【図９】従来と本発明の冷却時間と成形品温度を示す特性図である。
【図１０】従来の針吹きノズルを示す断面図である。
【図１１】図１０の後端を示すＡ−Ａ断面図である。
【図１２】図１０の先端を示す右側面図である。
【図１３】従来の中空成形装置を示す正面図である。
【図１４】図１３の右側面図である。
【図１５】従来のエア予冷構成図である。
【図１６】図１３の金型による中空成形状態を示す説明図である。
【図１７】従来の中空成形品を示す斜視図である。
【図１８】図１７の中空成形品の口部の成形時と加工後の状態を示す説明図である。
【図１９】従来及び本発明のクロスヘッドを示す断面構成図である。
【図２０】従来のパリソンの一部を示す断面図である。
【図２１】従来のパリソンの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
１ａ　　上針吹きノズル
１　　下針吹きノズル
４０、４１　　第１、第２金型部
４０Ａ　　金型
５９　　パリソン
７０　　中空成形品
５７　　クロスヘッド
６００　　冷却手段
５９ｃ　　上ピンチ部
５９ｄ　　下ピンチ部
５０３　　上吹き穴
５０３ａ　　下吹き穴
１６　　排気用ノズル
４１ａ　　上穴
４１ｂ　　下穴
４１ｃ　　排気穴
１Ｂ　　棒体
Ｐ　　軸心
５０１、５０２　　半円部
５００　　直径線

Claims

複数の押出機から押出された材料がクロスヘッド（５７）を介して多層のパリソン（５９）に形成され、中空成形用の金型（４０Ａ）に保持された前記パリソン（５９）に上針吹きノズル（１ａ）及び下針吹きノズル（１）を側部方向から挿入し、前記パリソン（５９）内にエアを噴射することにより中空成形品（７０）を得るようにした中空成形方法において、
前記金型（４０Ａ）を冷却手段（６００）によって冷却し、前記上針吹きノズル（１ａ）に形成された上吹き穴（５０３）及び下針吹きノズル（１）に形成された下吹き穴（５０３ａ）のみによって前記パリソン（５９）の上部及び下部に形成された上ピンチ部（５９ｃ）及び下ピンチ部（５９ｄ）をエアで冷却し、
前記各針吹きノズル（１ａ，１）間に設けられ前記パリソン（５９）を貫通する排気用ノズル（１ｂ）によって前記パリソン（５９）内のエアの排気を行い、
前記パリソン（５９）を中空成形して中空成形品（７０）を冷却することを特徴とする中空成形方法。
前記冷却手段（６００）は、前記金型（４０Ａ）の上部及び下部に配設されていることを特徴とする請求項１記載の中空成形方法。
前記押出機によりポリエチレン内のＥＶＯＨを微粉砕して２００℃の低温状態で前記クロスヘッド（５７）内に供給することを特徴とする請求項１又は２記載の中空成形方法。
中空成形用の金型（４０Ａ）に保持されたパリソン（５９）に上針吹きノズル（１ａ）及び下針吹きノズル（１）を側部方向から挿入し、前記パリソン（５９）内にエアを噴出することにより中空成形品（７０）を得るようにした中空成形装置において、
前記金型（４０Ａ）を冷却するため前記金型（４０Ａ）内に設けられた冷却手段（６００）と、前記上針吹きノズル（１ａ）に形成された上吹き穴（５０３）のみと、前記下針吹きノズル（１）に形成された下吹き穴（５０３ａ）のみと、前記金型（４０Ａ）の前記各針吹きノズル（１ａ，１）間に設けられ前記パリソン（５９）を貫通する排気用ノズル（１ｂ）とを備え、前記上吹き穴（５０３）及び下吹き穴（５０３ａ）からのエアの噴射により前記パリソン（５９）の上ピンチ部（５９ｃ）及び下ピンチ部（５９ｄ）を冷却して前記排気用ノズル（１ｂ）から排気してパリソン（５９）及び中空成形（７０）の冷却を行う構成としたことを特徴とする請求項１記載の中空成形装置。
前記冷却手段（６００）は、前記金型（４０Ａ）の上部及び下部に配設されていることを特徴とする請求項３記載の中空成形装置。
クロスヘッド（５７）から垂下したパリソン（５９）を一対の第１、第２金型部（４０，４１）でピンチし、前記第２金型部（４１）の側部に形成された上穴（４１ａ）及び下穴（４１ｂ）から上針吹きノズル（１ａ）及び下針吹きノズル（１）を前記パリソン（５９）内に挿入するようにした金型装置において、前記側部には前記上穴（４１ａ）と下穴（４１ｂ）間に排気穴（４１ｃ）が形成され、前記排気穴（４１ｃ）には排気用ノズル（１ｂ）が挿入される構成としたことを特徴とする金型装置。
前記各金型部（４０，４１）の壁内には、冷却手段（６００）が設けられていることを特徴とする請求項６記載の金型装置。
全体形状が長手棒状をなし先端部が針状に形成された棒体（１Ｂ）と、前記先端部に形成された穴とからなる針吹きノズルにおいて、
前記穴は上吹き穴（５０３）又は下吹き穴（５０３ａ）からなると共に前記棒体（１Ｂ）の軸心（Ｐ）を通る直径線（５００）で二分された一対の半円部（５０１，５０２）の一方にのみ形成されていることを特徴とする針吹きノズル。