JP2004049747A - 歩行補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】片手で掴むと共に操作することができ、二本の杖を交互に使用できる構造の歩行補助具を提供する。
【解決手段】ハンドル20に連結機構40を介して左右二本の杖30、30を連結し、ハンドル20を左右に傾動させることにより二本の杖30、30を交互に接地させ、又、ハンドルを手前に回動させることにより、二本の杖を交互に前方に回動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ハンドル20に連結機構40を介して左右二本の杖30、30を連結し、ハンドル20を左右に傾動させることにより二本の杖30、30を交互に接地させ、又、ハンドルを手前に回動させることにより、二本の杖を交互に前方に回動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高齢者や肢体障害者等、自立して歩行することが困難な者が自立して歩行できるように補助するための歩行補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
歩行補助具としては、四輪付きのフレームの上部に歩行者の両腕をもたせ掛けて歩行するための大型のものから、片手で上端を掴んで携帯し歩行する簡単な杖(ステッキ)が使用されている。
【0003】
前者の大型のものは主に病院の廊下等で使用されるもので、歩行というよりもリハビリテーション用に使用されるものである。
【0004】
杖には、上端に掴み部を形成したもの、上端に腕を固定するための把持部を形成したもの、あるいは杖の下端を接地したときの安定性を得るために、下端に四本の脚を形成したもの等がある。
【0005】
杖は、通常の場合、片手で一本の杖を使用して使用者の歩行とともに間欠的に前方に移動させながら使用される。
【0006】
上記したように、杖は間欠的に使用者とともに前方に移動する必要があり、移動時には一時的に杖の支持のない自立状態となる。
【0007】
従って、一時的な自立状態に耐えられない使用者は両方の手で夫々一本ずつの杖を掴み、これを交互に前方に移動させていく方法を取って常時、どちらかの杖が接地するようにして歩行している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、両方の手で夫々一本ずつの杖を掴む方法では、両手が他の目的に使用できず、荷物や傘を持ったり、小さな子供の手を引いたりすることもできない。
【0009】
又、階段の昇降時には杖を使用することなく二本の杖を片手で持ち、他の手で手摺に掴まりながら昇降することとなるが、片手で二本の杖を持つことは非常に困難を伴うとともに、まわりの人間にも迷惑を掛ける恐れもある。
【0010】
従って、片手で二本の杖を使用して、これらの杖により間断なく接地できれば、もう一方の手が他の目的に使用できることとなり多くの高齢者や肢体障害者にとって非常に有益であり、この目的が達成される歩行補助具の実現が期待されており、この発明はこの期待に応えることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、二つのブロックを互いに上下方向に摺動可能に案内し、各ブロック内には互いに連続される凹陥部を形成して、夫々の凹陥部内にはブロックを水平方向に貫通する支軸を設け、ハンドルの下端に形成されたヨークを凹陥部内に挿入してヨークの丸孔及び長穴を夫々上記の軸に嵌合させ、一方、各ブロックの外面には案内面に垂直で水平方向の円筒面を形成して、ブロックに連結される二本の杖の基部を夫々回動可能に支承するとともに、ばねにより杖の軸部が前方に向けて回動するように付勢し、更に杖がハンドルの延長線上にほぼ合致した位置でこれらの相互回動を制限するストッパーを設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、二つのブロックの凹部陥部内に配設された支軸の中心位置が、夫々のブロックの外面に形成された円筒面の中心位置よりも下側に設定されていることを特徴としている。
【0013】
更にまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、杖の軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と、前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置で、杖の回動が制限されることを特徴としている。
【0014】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基いて、この発明について説明する。
図1において符号10は歩行補助具の全体を示し、この歩行補助具10は、ハンドル20、左右二本の杖30、30及び、ハンドルと二本の杖を連結する連結機構40から構成されている。
【0015】
図5及び図6に示すように、連結機構40には二つのブロック41Aとブロック41Bを備えており、ブロック41Aには垂直方向のダブテール溝の雌型の案内面42が形成され、ブロック41Bには雄型の案内面43が形成されている。
【0016】
これらの案内面42、43は互いに摺動可能に係合しており、従って、ブロック41Aとブロック41Bとは互いに上下方向に滑動可能に案内されている。
【0017】
ブロック41Aの内部には矩形の凹陥部44Aが形成されており、一方、ブロック41Bの内部にも同じく矩形の凹陥部44B形成されていて、両ブロックを接合したとき、凹陥部44Aの側面45Aと凹陥部44Bの側面45Bは面一になるように形成されている。
【0018】
また、夫々の凹陥部の上方には垂直方向に対して傾斜した端面46A、46Bを有する開口47が形成されている。
【0019】
また、ブロック41A、41Bにはこれらを水平方向に貫通する丸孔48、48が夫々形成されこの各丸孔48には夫々支軸49が嵌合している。
【0020】
一方、前記ハンドル20は、図3及び図4に示すように、ハンドル軸21の上端に水平方向のグリップ22を形成し、下端にヨーク23を形成した構造で、ヨークには間隔をおいて丸穴24及び長穴25が形成されている(図5参照)。
【0021】
また、ブロック41A、41Bの夫々の凹陥部44A、44B内には、ハンドル軸21の下端部及びヨーク23が挿入され、ヨークの側面26は互いに面一に形成された凹陥部の側面45A、45Bに摺動可能に接合している。
【0022】
同時に、ブロック41Aの支軸49はヨークの丸穴48に回動可能に挿通され、ブロック41Bを貫通する支軸はヨークの長穴49に回動かつ摺動可能に遊嵌している。
【0023】
そのため、図3及び図4に示すように、グリップ22を掴んでハンドル20を左右に傾動すると、ヨークもこれと一体に左右に揺動され、支軸49を介して、ブロック41A、41Bは案内面42、43に沿つて互いに上下動する。
【0024】
一方、ブロック41A、41Bの外面には、図5及び図6に示すように、案内面42、43に対して直角で、水平方向の円筒面50が形成されている。
【0025】
しかして、図5に示すように、支軸49の中心は円筒面50の中心よりも距離hだけ低くなっており、距離hは例えば0乃至10mmに設定されている。
【0026】
他方、杖30は基部31の下側に軸部32を一体に結合した構造で、軸部32の下端には滑り止め33を装着した構造となっている(図1乃至図4参照)。
【0027】
上記基部31はリング状の部材で、中央に円形の開口34が形成されていて、上記したブロックの外面に形成された円筒面50に回動可能に嵌装されている(図5及び図6参照)。
【0028】
また、基部31の開口34の内周面には、基部の円筒面50に対する回動範囲を制限するための円弧状の凹部35が形成されている(図7、図9、図11及び図12参照)。
【0029】
更にまた、ブロックの円筒面50の端面には一部を切り欠いたリング状の保持部材51(図7及び図8参照)が止めねじ52等の方法により装着されており、円筒面に嵌装された基部31の脱落を防止している。
【0030】
また、保持部材51の内端縁の中央部には円弧の一部をなす突起53が形成され、この突起は杖の基部の凹部35内に遊動可能に臨んでいる(図5、図7、図11及び図12参照)。
【0031】
しかして、基部の凹部35と保持部材の突起53との相対位置関係は、図1に示す歩行補助具を左方から見たとき、軸部32がほぼハンドル20の延長線上及至10°程度時計方向に進んだ位置との間に設定された位置(図11)と、反時計方向(後方)にはほぼ45°回動した位置(図12)の範囲内で基部31が回動できるように設定されている。
【0032】
一方、保持部材51の内部空間には渦巻きばね54が弾装されており、その一端54aは、図5に示すように、ブロックの外端面の中央部に形成された延長部55に固定され、他端54bは杖の基部31の一端に固定されて、基部31を前方に向けて(図2において時計方向に)付勢している。
【0033】
これは、他方の保持部材51においても同様である。但し、この他方の保持部材51における杖の付勢方向は、一方のそれと対称的である。
【0034】
従って、ハンドル20に外力を加えない通常の状態では、二本の杖30は両者ともハンドル20の延長線上及至10°前方に傾斜した位置にあり、杖の下端を接地させた状態でハンドルを手前に引いて回動させると、杖は渦巻きばねの弾力に抗して、ハンドルを基準として後方に回動される(図11、12)。
【0035】
次に、この発明による歩行補助具の使用法について操作の手順に従って説明する。
【0036】
(1) 使用者は先ず、ハンドル20のグリップ22を一方の手で掴み、地盤上にほぼ直立させるようにして杖の下端を接地する。
【0037】
(2)次いで、ハンドルを右側に傾けて、図3に示すように左側の杖を上昇させる。
【0038】
(3)上記(2)の状態でグリップ20を手前に引いてハンドルを手前側に回動し、図2に示すように左側の杖を前方に向けて回動する。
【0039】
(4)ハンドルを左側に傾け、図4に示されるように左側の杖を、接地する。このとき、上昇された右側の杖は渦巻きばね54の弾力により左側の杖と平行になるまで回動される。
【0040】
(5)左側の杖が接地した状態のまま、使用者は前方に歩行する。このとき、左側の杖は従来から使用されている一般の杖と同様の役目をなし、歩行を補助する。
【0041】
(6)左側の杖が直立位置或いは使用者よりもやや後方に回動した位置に達した時点で、グリップを手前に引いてハンドルを手前側に回動する。このとき右側の杖は接地されていないため、ハンドルとともに前方に回動される。
【0042】
(7)ハンドルを右側に傾け、図3に示すように右側の杖を接地し、左側の杖を上昇する。このとき、上昇された左側の杖は渦巻きばねの弾力により右側の杖と平行になるまで回動される。
【0043】
(8)右側の杖が接地した状態のまま、使用者は前方に歩行する。このとき、右側の杖は従来から使用されている一般の杖と同様の役目を成し歩行を補助する。
【0044】
(9)右側の杖が直立位置或いは使用者よりもやや後方に回動した位置に達した時点で、グリップを手前に引いてハンドルを手前側に回動する。このとき、左側の杖は接地されていないため、ハンドルとともに前方に回動される。
【0045】
(10)以後、(4)から(10)の操作を繰返す。
【0046】
上記の手順に示されるように、この歩行補助具を使用すれば、ハンドルの左右方向の傾動と、手前方向の回動を繰り返すことにより、左右どちらかの杖が常時接地した状態で歩行をすることができ、片手で二本の杖を交互に使用するという所期の目的が達成される。
【0047】
次に、この歩行補助具の使用上の安定性について説明する。
この歩行補助具では、ハンドル20と杖30とが連結機構40を介してしっくりと連結されており、ガタも生じないので気分的にも安心感がある。
【0048】
また、前述したように、ハンドルのヨーク23を支持するブロックの支軸49の中心は、杖の基部31を支承する円筒面50の中心よりも下側に設定されている(図5参照)。
【0049】
そのため、図13に示すように円筒面の中心がハンドルの中心線からずれたとしても、ハンドルにかかる力Fと杖にかかる反力Rは偶力を発生して円筒面の中心をハンドルの中心線上に移動させる。したがって、杖の基部31は左右にぐらつくことなくハンドルの中心線上に保持される。
【0050】
また、前述したように、杖は軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と、前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置で、杖の回動が制止されている。
【0051】
従って、図14に示すようにハンドル20にかかった力Fは、杖の軸部32に沿った軸力F1と基部32を後方に移動させる法線力F2に分解され、法線力F2は軸部32を前方に向けて回動させるように作用する。
【0052】
よって、杖は軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置において杖は拘束された状態となり、ぐらつくことなく保持される。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の歩行補助具によれば、ハンドルの下側に連結機構を介して二本の杖を連結し、ハンドルの左右方向への傾動及び手前側への回動によって、左側の杖及び右側の杖を交互に上下動及び回動させ、歩行とともに常時どちらかの杖を接地するようにしたので、片手で二本の杖を交互に、歩行の補助として使用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の歩行補助具の斜視図。
【図2】図1を左側から見た側面図。
【図3】この発明の歩行補助具を後方から見た図(ハンドルを右に傾動した状態)
【図4】この発明の歩行補助具を後方から見た図(ハンドルを左に傾動した状態)
【図5】連結機構の垂直断面図。
【図6】連結機構の水平断面図。
【図7】連結機構の側面図。
【図8】保持部材の正面図。
【図9】杖の基部の垂直断面図。
【図10】保持部材の垂直断面図。
【図11】杖の基部の回動範囲の説明図(前方への回動の制止状態)。
【図12】図11と同じ説明図(後方への回動の制止状態)。
【図13】ハンドルにかかる力と反力との関係を示す説明図。
【図14】ハンドルにかかる力と軸力、分力及び反力との関係を示す説明図。
【符号の説明】
10 歩行補助具
20 ハンドル
21 ハンドル軸
22 グリップ
23 ヨーク
30 杖
31 基部
32 軸部
34 開口
35 凹部
40 連結機構
41A ブロック
41B ブロック
42 案内面(雌型)
43 案内面(雄型)
44A 凹陥部
44B 凹陥部
48 丸穴
49 軸
50 円筒面
51 保持部材
53 突起
54 渦巻きばね
【発明の属する技術分野】
この発明は、高齢者や肢体障害者等、自立して歩行することが困難な者が自立して歩行できるように補助するための歩行補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
歩行補助具としては、四輪付きのフレームの上部に歩行者の両腕をもたせ掛けて歩行するための大型のものから、片手で上端を掴んで携帯し歩行する簡単な杖(ステッキ)が使用されている。
【0003】
前者の大型のものは主に病院の廊下等で使用されるもので、歩行というよりもリハビリテーション用に使用されるものである。
【0004】
杖には、上端に掴み部を形成したもの、上端に腕を固定するための把持部を形成したもの、あるいは杖の下端を接地したときの安定性を得るために、下端に四本の脚を形成したもの等がある。
【0005】
杖は、通常の場合、片手で一本の杖を使用して使用者の歩行とともに間欠的に前方に移動させながら使用される。
【0006】
上記したように、杖は間欠的に使用者とともに前方に移動する必要があり、移動時には一時的に杖の支持のない自立状態となる。
【0007】
従って、一時的な自立状態に耐えられない使用者は両方の手で夫々一本ずつの杖を掴み、これを交互に前方に移動させていく方法を取って常時、どちらかの杖が接地するようにして歩行している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、両方の手で夫々一本ずつの杖を掴む方法では、両手が他の目的に使用できず、荷物や傘を持ったり、小さな子供の手を引いたりすることもできない。
【0009】
又、階段の昇降時には杖を使用することなく二本の杖を片手で持ち、他の手で手摺に掴まりながら昇降することとなるが、片手で二本の杖を持つことは非常に困難を伴うとともに、まわりの人間にも迷惑を掛ける恐れもある。
【0010】
従って、片手で二本の杖を使用して、これらの杖により間断なく接地できれば、もう一方の手が他の目的に使用できることとなり多くの高齢者や肢体障害者にとって非常に有益であり、この目的が達成される歩行補助具の実現が期待されており、この発明はこの期待に応えることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、二つのブロックを互いに上下方向に摺動可能に案内し、各ブロック内には互いに連続される凹陥部を形成して、夫々の凹陥部内にはブロックを水平方向に貫通する支軸を設け、ハンドルの下端に形成されたヨークを凹陥部内に挿入してヨークの丸孔及び長穴を夫々上記の軸に嵌合させ、一方、各ブロックの外面には案内面に垂直で水平方向の円筒面を形成して、ブロックに連結される二本の杖の基部を夫々回動可能に支承するとともに、ばねにより杖の軸部が前方に向けて回動するように付勢し、更に杖がハンドルの延長線上にほぼ合致した位置でこれらの相互回動を制限するストッパーを設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、二つのブロックの凹部陥部内に配設された支軸の中心位置が、夫々のブロックの外面に形成された円筒面の中心位置よりも下側に設定されていることを特徴としている。
【0013】
更にまた、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、杖の軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と、前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置で、杖の回動が制限されることを特徴としている。
【0014】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基いて、この発明について説明する。
図1において符号10は歩行補助具の全体を示し、この歩行補助具10は、ハンドル20、左右二本の杖30、30及び、ハンドルと二本の杖を連結する連結機構40から構成されている。
【0015】
図5及び図6に示すように、連結機構40には二つのブロック41Aとブロック41Bを備えており、ブロック41Aには垂直方向のダブテール溝の雌型の案内面42が形成され、ブロック41Bには雄型の案内面43が形成されている。
【0016】
これらの案内面42、43は互いに摺動可能に係合しており、従って、ブロック41Aとブロック41Bとは互いに上下方向に滑動可能に案内されている。
【0017】
ブロック41Aの内部には矩形の凹陥部44Aが形成されており、一方、ブロック41Bの内部にも同じく矩形の凹陥部44B形成されていて、両ブロックを接合したとき、凹陥部44Aの側面45Aと凹陥部44Bの側面45Bは面一になるように形成されている。
【0018】
また、夫々の凹陥部の上方には垂直方向に対して傾斜した端面46A、46Bを有する開口47が形成されている。
【0019】
また、ブロック41A、41Bにはこれらを水平方向に貫通する丸孔48、48が夫々形成されこの各丸孔48には夫々支軸49が嵌合している。
【0020】
一方、前記ハンドル20は、図3及び図4に示すように、ハンドル軸21の上端に水平方向のグリップ22を形成し、下端にヨーク23を形成した構造で、ヨークには間隔をおいて丸穴24及び長穴25が形成されている(図5参照)。
【0021】
また、ブロック41A、41Bの夫々の凹陥部44A、44B内には、ハンドル軸21の下端部及びヨーク23が挿入され、ヨークの側面26は互いに面一に形成された凹陥部の側面45A、45Bに摺動可能に接合している。
【0022】
同時に、ブロック41Aの支軸49はヨークの丸穴48に回動可能に挿通され、ブロック41Bを貫通する支軸はヨークの長穴49に回動かつ摺動可能に遊嵌している。
【0023】
そのため、図3及び図4に示すように、グリップ22を掴んでハンドル20を左右に傾動すると、ヨークもこれと一体に左右に揺動され、支軸49を介して、ブロック41A、41Bは案内面42、43に沿つて互いに上下動する。
【0024】
一方、ブロック41A、41Bの外面には、図5及び図6に示すように、案内面42、43に対して直角で、水平方向の円筒面50が形成されている。
【0025】
しかして、図5に示すように、支軸49の中心は円筒面50の中心よりも距離hだけ低くなっており、距離hは例えば0乃至10mmに設定されている。
【0026】
他方、杖30は基部31の下側に軸部32を一体に結合した構造で、軸部32の下端には滑り止め33を装着した構造となっている(図1乃至図4参照)。
【0027】
上記基部31はリング状の部材で、中央に円形の開口34が形成されていて、上記したブロックの外面に形成された円筒面50に回動可能に嵌装されている(図5及び図6参照)。
【0028】
また、基部31の開口34の内周面には、基部の円筒面50に対する回動範囲を制限するための円弧状の凹部35が形成されている(図7、図9、図11及び図12参照)。
【0029】
更にまた、ブロックの円筒面50の端面には一部を切り欠いたリング状の保持部材51(図7及び図8参照)が止めねじ52等の方法により装着されており、円筒面に嵌装された基部31の脱落を防止している。
【0030】
また、保持部材51の内端縁の中央部には円弧の一部をなす突起53が形成され、この突起は杖の基部の凹部35内に遊動可能に臨んでいる(図5、図7、図11及び図12参照)。
【0031】
しかして、基部の凹部35と保持部材の突起53との相対位置関係は、図1に示す歩行補助具を左方から見たとき、軸部32がほぼハンドル20の延長線上及至10°程度時計方向に進んだ位置との間に設定された位置(図11)と、反時計方向(後方)にはほぼ45°回動した位置(図12)の範囲内で基部31が回動できるように設定されている。
【0032】
一方、保持部材51の内部空間には渦巻きばね54が弾装されており、その一端54aは、図5に示すように、ブロックの外端面の中央部に形成された延長部55に固定され、他端54bは杖の基部31の一端に固定されて、基部31を前方に向けて(図2において時計方向に)付勢している。
【0033】
これは、他方の保持部材51においても同様である。但し、この他方の保持部材51における杖の付勢方向は、一方のそれと対称的である。
【0034】
従って、ハンドル20に外力を加えない通常の状態では、二本の杖30は両者ともハンドル20の延長線上及至10°前方に傾斜した位置にあり、杖の下端を接地させた状態でハンドルを手前に引いて回動させると、杖は渦巻きばねの弾力に抗して、ハンドルを基準として後方に回動される(図11、12)。
【0035】
次に、この発明による歩行補助具の使用法について操作の手順に従って説明する。
【0036】
(1) 使用者は先ず、ハンドル20のグリップ22を一方の手で掴み、地盤上にほぼ直立させるようにして杖の下端を接地する。
【0037】
(2)次いで、ハンドルを右側に傾けて、図3に示すように左側の杖を上昇させる。
【0038】
(3)上記(2)の状態でグリップ20を手前に引いてハンドルを手前側に回動し、図2に示すように左側の杖を前方に向けて回動する。
【0039】
(4)ハンドルを左側に傾け、図4に示されるように左側の杖を、接地する。このとき、上昇された右側の杖は渦巻きばね54の弾力により左側の杖と平行になるまで回動される。
【0040】
(5)左側の杖が接地した状態のまま、使用者は前方に歩行する。このとき、左側の杖は従来から使用されている一般の杖と同様の役目をなし、歩行を補助する。
【0041】
(6)左側の杖が直立位置或いは使用者よりもやや後方に回動した位置に達した時点で、グリップを手前に引いてハンドルを手前側に回動する。このとき右側の杖は接地されていないため、ハンドルとともに前方に回動される。
【0042】
(7)ハンドルを右側に傾け、図3に示すように右側の杖を接地し、左側の杖を上昇する。このとき、上昇された左側の杖は渦巻きばねの弾力により右側の杖と平行になるまで回動される。
【0043】
(8)右側の杖が接地した状態のまま、使用者は前方に歩行する。このとき、右側の杖は従来から使用されている一般の杖と同様の役目を成し歩行を補助する。
【0044】
(9)右側の杖が直立位置或いは使用者よりもやや後方に回動した位置に達した時点で、グリップを手前に引いてハンドルを手前側に回動する。このとき、左側の杖は接地されていないため、ハンドルとともに前方に回動される。
【0045】
(10)以後、(4)から(10)の操作を繰返す。
【0046】
上記の手順に示されるように、この歩行補助具を使用すれば、ハンドルの左右方向の傾動と、手前方向の回動を繰り返すことにより、左右どちらかの杖が常時接地した状態で歩行をすることができ、片手で二本の杖を交互に使用するという所期の目的が達成される。
【0047】
次に、この歩行補助具の使用上の安定性について説明する。
この歩行補助具では、ハンドル20と杖30とが連結機構40を介してしっくりと連結されており、ガタも生じないので気分的にも安心感がある。
【0048】
また、前述したように、ハンドルのヨーク23を支持するブロックの支軸49の中心は、杖の基部31を支承する円筒面50の中心よりも下側に設定されている(図5参照)。
【0049】
そのため、図13に示すように円筒面の中心がハンドルの中心線からずれたとしても、ハンドルにかかる力Fと杖にかかる反力Rは偶力を発生して円筒面の中心をハンドルの中心線上に移動させる。したがって、杖の基部31は左右にぐらつくことなくハンドルの中心線上に保持される。
【0050】
また、前述したように、杖は軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と、前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置で、杖の回動が制止されている。
【0051】
従って、図14に示すようにハンドル20にかかった力Fは、杖の軸部32に沿った軸力F1と基部32を後方に移動させる法線力F2に分解され、法線力F2は軸部32を前方に向けて回動させるように作用する。
【0052】
よって、杖は軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置において杖は拘束された状態となり、ぐらつくことなく保持される。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の歩行補助具によれば、ハンドルの下側に連結機構を介して二本の杖を連結し、ハンドルの左右方向への傾動及び手前側への回動によって、左側の杖及び右側の杖を交互に上下動及び回動させ、歩行とともに常時どちらかの杖を接地するようにしたので、片手で二本の杖を交互に、歩行の補助として使用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の歩行補助具の斜視図。
【図2】図1を左側から見た側面図。
【図3】この発明の歩行補助具を後方から見た図(ハンドルを右に傾動した状態)
【図4】この発明の歩行補助具を後方から見た図(ハンドルを左に傾動した状態)
【図5】連結機構の垂直断面図。
【図6】連結機構の水平断面図。
【図7】連結機構の側面図。
【図8】保持部材の正面図。
【図9】杖の基部の垂直断面図。
【図10】保持部材の垂直断面図。
【図11】杖の基部の回動範囲の説明図(前方への回動の制止状態)。
【図12】図11と同じ説明図(後方への回動の制止状態)。
【図13】ハンドルにかかる力と反力との関係を示す説明図。
【図14】ハンドルにかかる力と軸力、分力及び反力との関係を示す説明図。
【符号の説明】
10 歩行補助具
20 ハンドル
21 ハンドル軸
22 グリップ
23 ヨーク
30 杖
31 基部
32 軸部
34 開口
35 凹部
40 連結機構
41A ブロック
41B ブロック
42 案内面(雌型)
43 案内面(雄型)
44A 凹陥部
44B 凹陥部
48 丸穴
49 軸
50 円筒面
51 保持部材
53 突起
54 渦巻きばね
Claims (3)
- 二つのブロックを互いに上下方向に摺動可能に案内し、各ブロック内には互いに連続される凹陥部を形成して、夫々の凹陥部内にはブロックを水平方向に貫通する支軸を設け、ハンドルの下端に形成されたヨークを凹陥部内に挿入してヨークの丸孔及び長穴を夫々上記の軸に嵌合させ、一方、各ブロックの外面には案内面に垂直で水平方向の円筒面を形成して、ブロックに連結される二本の杖の基部を夫々回動可能に支承するとともに、ばねにより杖の軸部が前方に向けて回動するように付勢し、更に杖がハンドルの延長線上にほぼ合致した位置でこれらの相互回動を制限するストッパーを設けたことを特徴とする歩行補助具。
- 二つのブロックの凹部陥部内に配設された支軸の中心位置が、夫々のブロックの外面に形成された円筒面の中心位置よりも下側に設定されている請求項1記載の歩行補助具。
- 杖の軸部の中心線がハンドルの延長線上に合致した位置と、前方に向けて10°進んだ位置との間に設定された位置で、杖の回動が制限される請求項1記載の歩行補助具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002214383A JP2004049747A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 歩行補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002214383A JP2004049747A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 歩行補助具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004049747A true JP2004049747A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31936721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002214383A Pending JP2004049747A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 歩行補助具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004049747A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019037712A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-14 | 笹岡 利宏 | コンパス杖 |
CN110477544A (zh) * | 2019-07-23 | 2019-11-22 | 浙江理工大学 | 一种伸缩式辅助起身拐杖 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214383A patent/JP2004049747A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019037712A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-14 | 笹岡 利宏 | コンパス杖 |
CN110477544A (zh) * | 2019-07-23 | 2019-11-22 | 浙江理工大学 | 一种伸缩式辅助起身拐杖 |
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