JP2015171409A - 歩行補助及び起立補助用杖 - Google Patents

歩行補助及び起立補助用杖 Download PDF

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JP2015171409A JP2014047718A JP2014047718A JP2015171409A JP 2015171409 A JP2015171409 A JP 2015171409A JP 2014047718 A JP2014047718 A JP 2014047718A JP 2014047718 A JP2014047718 A JP 2014047718A JP 2015171409 A JP2015171409 A JP 2015171409A
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田 寿 一 杉
Juichi Sugita
田 寿 一 杉
田 享 哉 増
Yukiya Masuda
田 享 哉 増
勇 一 郎 東
Yuichiro Azuma
勇 一 郎 東
田 孝 之 千
Takayuki Senda
田 孝 之 千
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Abstract

【課題】大型化、重量増を抑制して取り扱い性を向上させると共に外観を向上させ、使用者の広範な姿勢にも対応した起立補助が可能な歩行補助及び起立補助用杖を提供する【解決手段】杖本体2を上部杖本体4及び下部杖本体3に分割し、分割位置に上部杖本体4を下部杖本体3に対して屈曲可能に連結する屈曲部5を備える。屈曲部5は、上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がった歩行補助形態と、下部杖本体3に対し上部杖本体4が倒伏してその上端部が床面に当接し当該倒伏状態で上部杖本体4を手掛かりとする起立補助形態との間で変化可能に上部杖本体4と下部杖本体3とを連結する。【選択図】図3

Description

本発明は、使用者の歩行補助機能だけなく、臥位等の姿勢からの起立補助を行う機能を備えた歩行補助及び起立補助用杖に関する。
老人や身体障害者の歩行補助に加え、座った姿勢等から立ち上がる際の起立補助にも用いることができる杖が従来より開発されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1に記載された杖は、立ち上がる際に把持される把持体把持部を取付具に突設し、取付具を杖本体の高さ方向の中間部分に取り付けた構造となっている。取付具はねじを備えたダイヤルを有し、このダイヤルを回転操作することにより杖本体への高さ調整を行うようになっている。
特許文献2に記載された杖は、2本の平行な杖本体の上端部を連結して上側把持部とし、2本の杖本体の高さ方向の中間部分に下側把持部を掛け渡した構造となっている。この構造では、上側把持部を把持することにより歩行補助を行い、下側把持部を把持することにより起立補助を行うようになっている。
特許文献3に記載された杖は、杖本体と、杖本体を着脱自在に支持するベース板との2部材からなり、把持部となる補助把手を杖本体の高さ方向に中間部分に取り付けた構造となっている。使用者はベース板から杖本体を立ち上げ、杖本体の補助把手を把持することにより寝た状態から立ち上がる一方、歩行時には杖本体をベース板から取り外して歩行補助に用いるものである。
特許文献4に記載の杖は、上部体及びこれに連なる下部体によって杖本体を形成し、上部体と下部体との間にリング形状や三角形状の把持部を設けた構造となっている。
特開2001−104417号公報 特開2002−65771号公報 特開2006−158898号公報 WO2008−139671号公報
上述した従来の杖はいずれも、起立補助の際に把持される把持部を杖本体に設けた構造であり、把持部を設けた分、杖全体が嵩張って大型化し、使用者の身体や周囲と不用意に接触することが多いばかりでなく、把持部の重量が加わるため重たくなる。このため持ち運びしにくいと共に取り扱い性が悪い問題がある。又、把持部を設けることにより歩行補助のための杖本来の形状からかけ離れた外観となり、外観が低下する問題がある。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、把持部をなくしても起立補助を行うことができるだけなく、把持部をなくした分、大型化、重量増を抑制して取り扱い性や持ち運び性を向上させると共に外観を向上させることが可能な歩行補助及び起立補助用杖を提供することを目的とする。
本発明の歩行補助及び起立補助用杖は、杖本体を上部杖本体及び下部杖本体に分割し、分割位置に前記上部杖本体を前記下部杖本体に対して屈曲可能に連結する屈曲部を備えた構造であって、前記屈曲部は、前記上部杖本体が前記下部杖本体から立ち上がった歩行補助形態と、前記下部杖本体に対し前記上部杖本体が倒伏してその上端部が床面に当接し当該倒伏状態で前記上部杖本体を手掛かりとする起立補助形態との間で変化可能に前記上部杖本体と下部杖本体とを連結していることを特徴とする。
この場合、前記下部杖本体は長さ調整可能となっており、この長さ調整によって前記倒伏状態の上部杖本体の床面からの高さが変更可能となっていることが良好である。
又、前記上部杖本体は前記倒伏状態で前記床面からの高さが異なる部分を複数備えていることが良好である。
又、前記屈曲部は、前記上部杖本体を前記下部杖本体に回転可能に連結して下部杖本体に対する上部杖本体の屈曲角度を変更するヒンジ機構と、前記上部杖本体と前記下部杖本体とに係脱自在に係合して前記上部杖本体の屈曲角度をロックするロック機構とを備えていることが良好である。
又、前記上部杖本体の回転に伴って上部杖本体が逆方向に回転するための反力を蓄える弾性部材を有した戻り機構を備えていることが良好である。
前記上部杖本体の上端部にハンドグリップが設けられており、前記ハンドグリップの長さ方向は前記上部杖本体が屈曲する屈曲軌跡面と交差する方向に設定されていることが良好である。
又、前記起立補助形態時に把持されるグリップ筒が前記上部杖本体を部分的に覆って設けられていることが良好である。
本発明によれば、屈曲部によって上部杖本体を下部杖本体に対して屈曲可能に連結し、上部杖本体を下部杖本体から立ち上がった状態とすることにより歩行補助形態とすることができ、上部杖本体を下部杖本体に対して倒伏した状態とすることにより上部杖本体を手掛かりとした起立補助形態とすることができる。このため、起立補助を行うための把持部を不要としても起立補助を行うことができ、杖本体の外観だけでの使用ができるため、外観が向上する。又、把持部をなくした分、大型化することがなく、使用者の身体や周囲との接触を抑制でき取り扱い性が向上する。又、重量が大きくならないため持ち運びが容易となる。
本発明の一実施形態の歩行補助及び起立補助用杖における歩行補助形態の状態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 一実施形態の起立補助形態の状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態の作動を示す側面図である。 本発明の一実施形態を示す分解側面図である。 屈曲部を示す分解断面図である。 屈曲部の各部材を示す正面図である。 屈曲部の組み立て状態を示す断面図である。 (A)、(B)、(C)は戻り機構の作動を示す正面図である。 (A)、(B)、(C)、(D)は起立補助形態のそれぞれを示す斜視図である。 本発明の戻り機構の別の構造を示す正面図である。 (A)、(B)、(C)は図10に示す戻り機構の作動を示す正面図である。 本発明の戻り機構のさらに別の構造を示す正面図である。 (A)、(B)、(C)は図12に示す戻り機構の作動を示す正面図である。 (A)及び(B)は本発明の一実施形態の作用を示す模式図である。 本発明の別の実施形態を示す側面図である。
図1〜図9は、本発明の一実施形態の歩行補助及び起立補助用杖1(以下、杖1と記載することもある。)であり、図1は歩行補助形態の状態、図2は起立補助形態の状態、図3は動作状態、図4は分解状態を示す。
杖1は、縦長の杖本体2を長さ方向に2分割することにより、下側の下部杖本体3と、上側の上部杖本体4と、これらを屈曲可能に連結する屈曲部5とによって形成されている。下部杖本体3及び上部杖本体4は、ステンレス、アルミニウム、繊維強化プラスチック等からなるパイプ材によって全体が形成されており、これにより杖1全体の軽量化がなされている。
下部杖本体3は、脚部11と、脚部11の下端部で四つ股状に分岐した石突き部12とよって形成されている。四つ股状の石突き部12は、図1(A)、(B)で示すように脚部11から前後及び左右方向に分岐しており、それぞれが床面(又は地面)6に当接することにより杖本体2を安定的に支持する。四つ股状の石突き部12の各下端部には、ゴム等の緩衝材からなるキャップ部13が取り付けられている。なお、石突き部12は四つ股状に分岐することなく、脚部11から直線状に延設された1本の形状であっても良い。
下部杖本体3の脚部11は、図4に示すように、石突き部12を有する内側脚体14と、内側脚体14の外周の外側脚体15とからなる二重管構造となっている。外側脚体15は内側脚体14に対して長さ方向(上下方向)にスライド可能となっており、このスライドによって脚部11の長さ調整(上下方向の高さ調整)を行うことができる。これらの脚体14、15には、複数の調整孔16が対向するように形成されており、内外脚体14、15の調整孔15が一致した状態に対して、ピン(図示省略)を差し込むことにより脚部11の長さが目的の長さに設定される。このように脚部11の長さを調整することにより、歩行補助形態時の上部杖本体4の長さ(高さ)を調整することができる。又、起立補助形態では、後述するように倒伏した上部杖本体4の高さHを調整することができる。
上部杖本体4は屈曲部5を介して下部杖本体3に屈曲可能に連結されている。図3における実線状態は、上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がることにより歩行補助を行う歩行補助形態であり、鎖線状態は、上部杖本体4が下部杖本体3から倒伏することにより起立補助を行う起立補助形態である。上部杖本体4は下部杖本体3に対して矢印α、βで示す方向に回転して屈曲することにより、杖本体2の全体はこれらの形態の間で変化可能となっている。ここで矢印α、βに沿った面は、上部杖本体4が屈曲する屈曲軌跡面となる。
上部杖本体4の上端部にはハンドグリップ21が取り付けられている。ハンドグリップ21は歩行補助形態のときに使用者が把持する部位である。図4に示すように、ハンドグリップ21は上部杖本体4の上端部に差し込まれるブッシュ22と、ブッシュ22に固定ピン23によって固定されるグリップ本体24と、グリップ本体24を覆うゴムやプラスチック等の材料からなるキャップ25とによって形成されている。ハンドグリップ21は図1(A)で示すように、上部杖本体4の長さ方向に対し左右方向に延びている。これによりハンドグリップ21の長さ方向は、上部杖本体4が屈曲する屈曲軌跡面(矢印α、βに沿った面)と交差する方向(直交する方向)に設定され、この設定状態で後述するようにハンドグリップ21が床面6に当接する(図2及び図3参照)。
図1〜図4に示すように、上部杖本体4はなだらかな「く」字形に曲げられており、長さ方向中間部分には、曲がり部27が形成されている。この場合、「く」字形の曲がり部27は下部杖本体3の脚部11よりも前方側に位置するように曲げられており(図1(B)参照)、曲がり部27が前方側に曲がった状態となっていることにより、上部杖本体4が倒伏した状態では、図2及び図3に示すように上部杖本体4の上端部のハンドグリップ21が床面6に当接し、ハンドグリップ21を除いた上部杖本体4の全体は床面6から浮き上がった状態となる。すなわち上部杖本体4は屈曲部5から略水平方向に延びる第1アーム部28と、曲がり部27からハンドグリップ21に向かって低く傾斜する第2アーム部29とを有して床面6から浮き上がった状態となる。
このように上部杖本体4が倒伏して床面6から浮き上がった状態では、上部杖本体4を手掛かりとした起立補助を行うことができる。すなわち使用者は上部杖本体4の水平な第1アーム部28を把持することにより起立動作を行うことができる。又、これに限らず使用者は上部杖本体4の傾斜した第2アーム部29を把持して起立動作を行うことができる。従って、使用者の体に残存している身体機能によって起立補助に用いる範囲を広くすることができる。例えば、腕や肩に痛みがあったり、肘が曲がりにくく高い位置の第1アーム部28の把持が難しい使用者は第1アーム部28よりも低い位置の第2アーム部の長さ方向の適宜位置を把持して起立補助に用いることができる。
なお、一般に臥位や四つ這い位から膝立位への起立補助を行うためには20〜40cm、膝立位から立位への起立補助を行うためには40〜60cmの高低差が必要であり、これらの広範囲の起立補助を行うためにこの実施形態では、倒伏状態における上部杖本体4の床面6からの高さHとして、20〜60cm以下に設定される。又、傾斜状の第2アーム部29に対しては、全体を波状に形成したり、表面にローレットを形成することにより第2アーム部29を手掛かりとした起立補助を確実且つ容易とすることができる。
図2に示す杖本体2の起立補助形態では、ハンドグリップ21の長さ方向が上部杖本体4の屈曲軌跡面と直交しているため、ハンドグリップ21は上部杖本体4の軸方向(長さ方向)と直交した状態で床面6に当接する。このような当接により起立補助形態時における杖本体2の倒れを防止することができる。これに加えて起立補助の際に上部杖本体4に作用する使用者の押圧力が床面6に均等に分散するため、起立補助の際の支持を強固に行うことができ起立補助を安定させることができる。
上部杖本体4の第1アーム部28には、グリップ筒30が設けられている。グリップ筒30はゴムやプラスチック等の緩衝材によって形成されており、第1アーム部28を覆うことにより起立補助時における使用者の手によって把持される。このため起立補助の際に使用者の手が滑ることがなく、使用者は上部杖本体4を確実に把持することができる。なお、グリップ筒30は上部杖本体4の第1アーム部28だけでなく、第2アーム部29を覆うように設けることも可能である。
この実施形態において、上部杖本体4が曲がり部27で前方側に曲がっていることにより、上部杖本体4の上端部のハンドグリップ21を下部杖本体3の脚部11の軸線上に位置させることができる。従って歩行補助時に作用する使用者の体重を脚部11が確実に受け止めることができ、歩行補助を安定して行うことが可能となる。
屈曲部5は杖本体2の分割位置に設けられることにより下部杖本体3と上部杖本体4との間に位置しており、下部杖本体3に対して上部杖本体4を屈曲可能に連結する。図5〜図7に示すように、屈曲部5は下部杖本体3の上端側に取り付けられたパイプ状のロアヒンジ31と、上部杖本体4の下端側に取り付けられたアッパーヒンジ32とを連結するものであり、ロアヒンジ31及びアッパーヒンジ32に挿通されたヒンジピン33を有している。ヒンジピン33はアッパーヒンジ32(上部杖本体4)をロアヒンジ31(下部杖本体3)に対して回転可能に連結するヒンジ機構7を形成する。これに加えて屈曲部5は、回転によって屈曲した上部杖本体4(アッパーヒンジ32)の屈曲角度をロックするロック機構8と、上部杖本体4(アッパーヒンジ32)の回転に対する反力を蓄える戻り機構9とを備えている。
アッパーヒンジ32の下端部は図6に示すように円弧状に形成されており、ロック機構8はこのアッパーヒンジ32の円弧状の下端部に切り欠き状に形成された第1ロック凹部34及び第2ロック凹部35と、ロアヒンジ31に差し込まれたロックピン36とを有している。ロックピン36は、ロアヒンジ31に回転しないように差し込まれており、その外面にはロック凹部34、35に係脱自在に係合するロック凸部(図示省略)が形成されている。
ロック機構8の第1ロック凹部34は上部杖本体4が下部杖本体3に対して所定の角度で前方向に屈曲した屈曲角度をロックするものであり、このロックにより図1に示すように上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がった歩行補助形態を保持することができる。第2ロック凹部35は上部杖本体4が下部本体3に対して略90°回転した状態をロックするものであり、このロックにより図2に示すように上部杖本体4が倒伏した起立補助形態を保持することができる。これらのロック状態を行うため、ロックピン36がロアヒンジ31から押し込まれてアッパーヒンジ32のロック凹部34、35に係合する。又、ロックピン36をロアヒンジ31からある程度引き抜くことによりロック凹部34、35との係合が解除されてロック解除状態となり、下部杖本体3に対する上部杖本体4の回転が可能となる。
戻り機構9は上部杖本体4の回転に伴って上部杖本体4が逆方向に回転するための反力を蓄える弾性部材38を備えている。この実施形態において、弾性部材38はねじりばねが用いられている。ねじりばねからなる弾性部材38は、コイル部41がヒンジピン7に外挿された状態でロアヒンジ31とアッパーヒンジ32との間に配置される。この弾性部材38の一端39がロアヒンジ31に係合され、他端40がアッパーヒンジ32に係合される。
図8は戻り機構9の動作を示し、(A)は上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がった状態であり、上部杖本体4の回転に伴ってねじりばねからなる弾性部材38が一方向にねじられるため、上部杖本体4(アッパーヒンジ32)を逆方向(時計方向)に付勢するための反力を蓄える。このためロック機構8によるロックを解除すると、上部杖本体4は逆方向(時計方向)に自動的に回転して(B)の状態に戻ろうとする。一方、(C)は上部杖本体4の回転(時計方向の回転)により下部杖本体3から倒伏した状態であり、上部杖本体4の回転に伴って弾性部材38が逆方向にねじられるため、上部杖本体4(アッパーヒンジ32)を逆方向(反時計方向)に付勢するための反力を蓄える。このため、ロック機構8によるロックを解除すると、上部杖本体4は逆方向(反時計方向)に自動的に回転して(B)の状態に戻ろうとする。このように戻り機構9を設けることにより使用者による上部杖本体4の回転操作を補助することができ、操作性が向上する。
図5〜図8において符号43はアッパーヒンジ32に差し込まれたガイドピンであり、ピン先端がロアヒンジ31に形成された半円弧状のガイド溝44に沿って摺動する。これによりアッパーヒンジ32の回転をがたつくことなく行うことができる。
次に、この実施形態の杖1の使用形態を説明する。上述したように上部杖本体4が倒伏した起立補助形態では、上部杖本体4の水平部28又は傾斜部29を把持することにより広範囲の姿勢での起立補助を行うことができる。これに加えて、下部杖本体3においては、脚部11が長さ調整(上下方向の高さ調整)可能となっており、この調整により倒伏状態における上部杖本体4の床面6からの高さを調整することができる。このように上部杖本体4の高さが調整可能となっていることにより、使用者の体に残存している身体機能に応じて起立補助の際に使用する範囲を広くすることができる。以下、図9により起立補助に使用する例を説明する。
図9(A)は横向きで寝ている臥位の姿勢での使用者Mの起立補助に用いる状態を示し、このときには下部杖本体3を最も短い短縮状態とすることにより臥位からの起立補助に用いることができる。図9(B)は座っている座位の状態での起立補助、(C)は四つ這い位での起立補助であり、下部杖本体3を幾分、長く調整することによりこれらの姿勢からの起立補助に用いることができる。図9(D)は膝立位(片膝立位)での起立補助であり、下部杖本体3をさらに長く調整することにより膝立位からの起立補助に用いることができる。図9(A)〜(D)は使用者Mが上部杖本体4の第1アーム部28を把持した起立補助を示しているが、使用者Mは第1アーム部28だけでなく、第2アーム部29を把持して起立補助に用いることができる。例えば、腕を上げにくい疾患や肘が曲がりにくい疾患のある使用者Mは第1アーム部28よりも低い位置の第2アーム部の長さ方向の適宜位置を把持して起立補助に用いることができる。このため、使用者Mの残存している身体機能に応じた起立補助を広範囲に行うことが可能となる。
なお、図9(A)では、臥位を横臥位としているが、上向きの背臥位や腹ばいの臥位であっても適用でき、図9(B)では、横座りを座位としているが、床から起き上がった長座位であっても適用でき、図9(D)では、片膝立ち位としているが、両膝立ち位であっても適用することができる。
このような実施形態では、屈曲部5によって上部杖本体4を下部杖本体3に対して屈曲可能に連結しており、上部杖本体4を下部杖本体3から立ち上がった状態とすることにより歩行補助形態とすることができる一方、上部杖本体4を下部杖本体3に対して倒伏した状態とすることにより上部杖本体4を手掛かりとした起立補助形態とすることができる。このため、起立補助を行うための把持部を不要としても起立補助を行うことができる。従って、杖本来の形状である杖本体2の外観だけでの使用ができるため、外観が向上する。又、把持部をなくした分、大型化することがなく、使用者の身体や周囲との接触を抑制でき取り扱い性が向上する。又、杖1の重量が大きくならないため持ち運びが容易となる。加えて、使用者の体に残存している身体機能に応じた起立補助を広範囲に行うことができる。
図14は、この実施形態の作用を示し、(A)は歩行補助形態の状態、(B)は起立補助形態の状態である。(A)に示す起立補助形態においては、四つ股の石突き部12が床面に当接したハッチングで示す領域が支持基底面M1であり、又、上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がっているため杖1全体の重心Gの高さT1は杖本体2の高さ方向中間部分となる。上部杖本体4が倒伏した(B)の起立補助形態の状態では、上部杖本体4の上端部のハンドグリップ21が床面に当接するため、支持基底面M2が支持基底面M1よりも増大する(M2>M1)。又、上部杖本体4が倒伏することにより、杖1全体の重心Gの高さT2がT1に比べて低い位置となる(T2<T1)。このように上部杖本体4が倒伏した状態では、支持基底面M2が増大し、かつ重心Gが低い位置となるため、起立補助時における杖1の転倒を確実に防止でき、安定性を高くすることができる。
図10〜図13は、屈曲部5における戻り機構の別の形態を示し、上述した実施形態と同一の部材は同一の符号を付して対応させてある。
図10及び図11に示す戻り機構9Aはカムにより戻り作動させる構造となっている。上部杖本体4側のアッパーヒンジ32は下端面が円弧状となっており、その外周には第1カム面45及び第2カム面46が凸状となって形成されている。又、下部杖本体3側のロアヒンジ31には弾性部材38を収容するための上部開放の収容溝47が形成されている。収容溝47には複数の皿ばね、コイルばね、ゴムスプリング等の弾性部材38がセットピン48に組み付けられた状態で収容される。これらの弾性部材38はアッパーヒンジ32の下端面及びカム面45、46を圧接する。図示例においては、弾性部材38として複数の皿ばねが収容されている。上部杖本体4を回転させて下部杖本体3から立ち上がった歩行補助形態においては図11(A)で示すように、第1カム面45が弾性部材38に臨んで弾性部材38を押圧する。これにより弾性部材38は上部杖本体4を逆方向(時計方向)に回転させるための反力を蓄える。一方、上部杖本体4を倒伏させた起立補助形態においては、図11(C)で示すように第2カム面46が弾性部材38を押圧する。これにより弾性部材38は上部杖本体4を逆方向(反時計方向)に回転させるための反力を蓄える。このような戻り機構9Aでは、図5〜図8で示す戻り機構9と同様に使用者による上部杖本体4の回転操作を補助することができ、操作性が向上する。
図12及び図13に示す戻り機構9Bは、弾性部材38として板ばね49を設けることにより形成されている。板ばね49に対してアッパーヒンジ32及びロアヒンジ31には、板ばね49が挿入される溝部51、52がそれぞれ形成されている。板ばね49はこれらの溝部51、52を掛け渡すように挿入された状態で上端部がアッパーヒンジ32に係止される。このように板ばね49を用いた構造において、上部杖本体4を回転させて下部杖本体3から立ち上がった歩行補助形態においては図12(A)で示すように、板ばね49が反時計方向に屈曲して上部杖本体4を反屈曲方向(時計方向)に回転させるための反力を蓄える。上部杖本体4を倒伏させた起立補助形態においては、図12(C)で示すように板ばね49が時計方向に屈曲して上部杖本体4を反屈曲方向(反時計方向)に回転させるための反力を蓄える。このような戻り機構9Bにおいても、図5〜図8で示す戻り機構9と同様に使用者による上部杖本体4の回転操作を補助することができ、操作性が向上する。
図15は本発明の別の実施形態の歩行補助及び起立補助用杖1Aを示し、図1〜図9に示す実施形態と同一の部材は同一の符号を付して対応させてある。この実施形態においても杖本体2が下部杖本体3と上部杖本体4とに分割され、分割位置に上部杖本体4を下部杖本体3に対して屈曲可能に連結する屈曲部5が設けられている。この杖1Aにおいても、上部杖本体4が下部杖本体3から立ち上がることにより歩行補助形態となる。又、上部杖本体4が下部杖本体3に対して倒伏することにより上部杖本体4を手掛かりとする起立補助形態となる。起立補助形態においては、上部杖本体4の上端部に設けたハンドグリップ21が床面6に当接する。
上部杖本体4は屈曲部5側の第1アーム部28と、第1アーム部28に曲がり部27を介して一体に連続した第2アーム部29とによって形成されており、ハンドグリップ21は第2アーム部29の上端部に取り付けられている。第1アーム部28は長さ方向と直交状に交差する方向にクランク状に屈曲されることにより屈曲部5側の第1段部28aと、曲がり部27側の第2段部28bとを有した形状となっている。これらの段部28a、28bは屈曲高さ(すなわち床面6からの高さ)が異なっている。
このように第1アーム部28に床面6からの高さが異なった段部28a、28bを形成することにより、上部杖本体4は倒伏状態での床面6からの高さが2段階で異なった部分を備えるものである。この実施形態において、上部杖本体4が倒伏した状態では第1段部28aが高い位置H1、第2段部28bがこれよりも低い位置H2となる。これにより上部杖本体4が倒伏した起立補助形態では、それぞれの段部28a、28bを手掛かりとした起立補助を行うことができる。例えば、臥位の姿勢(図9(A)参照)では、使用者は低い位置の第2段部28bを手掛かりとした起立補助を行うことができ、座位や四つ這い位、膝立位(図9(B)、(C)、(D)参照)では、使用者は高い位置の第1段部28aを手掛かりとした起立補助を行うことができる。これに加え、肘が曲がりにくい使用者や腕を上げにくい使用者は低い位置の第2段部28bを把持することにより起立補助ができるため、使用者の体に残存する身体機能に応じて起立補助に使用する範囲を広くすることができる。
この実施形態の杖1Aにおいても、起立補助の際に第1アーム部28だけなく傾斜状の第2アーム部29の長さ方向の適宜位置を把持することができる。例えば、第1段部28a、第2段部28bを把持することが難しい使用者は、第2アーム部29を把持することにより起立補助とすることができる。このため、起立補助に用いる範囲を広くすることができ、使用者に残存している身体機能に応じた起立補助が可能となる。この場合、第2アーム部29の全体を波状に形成したり、表面にローレットを形成することも可能で、これにより第2アーム部29を用いた起立補助を確実とすることができる。
このような実施形態では、脚部11の長さ調整(上下の高さ調整)を行う必要がなく、使用者の複数の姿勢や使用者に残存している身体機能に確実に対応することが可能となり、使用上便利となる。なお、この実施形態では、上部杖本体4に対して2箇所の段部28a、28bを形成しているが、これに限らず3箇所以上形成しても良い。又、段部28a、28bに代えて、上部杖本体4の長さ方向に沿って連続した凹凸を形成することにより、上部杖本体4の倒伏状態における床面6からの高さを複数異なるようにしても良い。
1、1A 歩行補助及び起立補助用杖
2 杖本体
3 下部杖本体
4 上部杖本体
5 屈曲部
6 床面
7 ヒンジ機構
8 ロック機構
9、9A、9B 戻り機構
21 ハンドグリップ
30 グリップ筒
38 弾性部材
49 板ばね(弾性部材)
28a、28b 段部

Claims (7)

  1. 杖本体を上部杖本体及び下部杖本体に分割し、分割位置に前記上部杖本体を前記下部杖本体に対して屈曲可能に連結する屈曲部を備えた構造であって、
    前記屈曲部は、前記上部杖本体が前記下部杖本体から立ち上がった歩行補助形態と、前記下部杖本体に対し前記上部杖本体が倒伏してその上端部が床面に当接し当該倒伏状態で前記上部杖本体を手掛かりとする起立補助形態との間で変化可能に前記上部杖本体と下部杖本体とを連結していることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  2. 請求項1記載の発明であって、
    前記下部杖本体は長さ調整可能となっており、この長さ調整によって前記倒伏状態の上部杖本体の床面からの高さが変更可能となっていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  3. 請求項1又は2記載の発明であって、
    前記上部杖本体は前記倒伏状態で前記床面からの高さが異なる部分を複数備えていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明であって、
    前記屈曲部は、前記上部杖本体を前記下部杖本体に回転可能に連結して下部杖本体に対する上部杖本体の屈曲角度を変更するヒンジ機構と、
    前記上部杖本体と前記下部杖本体とに係脱自在に係合して前記上部杖本体の屈曲角度をロックするロック機構とを備えていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明であって、
    前記上部杖本体の回転に伴って上部杖本体が逆方向に回転するための反力を蓄える弾性部材を有した戻り機構を備えていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明であって、
    前記上部杖本体の上端部にハンドグリップが設けられており、前記ハンドグリップの長さ方向は前記上部杖本体が屈曲する屈曲軌跡面と交差する方向に設定されていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発明であって、
    前記起立補助形態時に把持されるグリップ筒が前記上部杖本体を部分的に覆って設けられていることを特徴とする歩行補助及び起立補助用杖。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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