JP2007330693A - 杖 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行障害の初期から中期に対応して使用することができる杖を提供すること。
【解決手段】長く延びる棒状の部材の一端を接地させて使用する歩行用の杖20であって、前記棒状部材でなる本体25と、該本体の前記一端に設けられる接地部24と、前記本体を使用者が把持するための把持部23とを有しており、前記把持部が、前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に延びる第1把持部21と、該第1把持部よりも上方に設けられ、前記本体のほぼ延長線上に延びる第2把持部22とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば加齢に伴い、歩行に困難が生じ始めた人が使用するための歩行用の杖の改良に関する。
加齢や身体の障害などの影響で歩行に困難が生じることがある。困難性の程度は加齢や障害の程度によりさまざまであるが、例えば、加齢の場合では、背筋の作用が弱くなるなどの身体の衰えを原因として、身体が次第に前傾状態となる。
前傾姿勢で歩行すると、通常の歩行におけるような大きな歩幅で、踵から接地する歩き方ではなく、歩幅が小さくなって、足裏全体が接地するような歩行となる。また、前傾姿勢のため、転倒の不安を感じるようになる。
このため、多くの高齢者は、杖を携行し、歩行の際に、身体の支持を目的として、自己の前方に杖をつくという歩き方がよく見られる。
また、高齢者に限らず、歩行の補助が必要な場合に用いられる日常の道具として古くから使われている杖についても、近年は、特に、歩行者が自己の体重を支えやすいように工夫した種々の杖が提案されている(特許文献1、2)。
特開2005−40569号 特許第3309357号
これら特許文献1や特許文献2の杖は、主として、障害者などが立ち上がることを有効に補助するために独自の構成としたものであって、本発明における以下のような課題に対応するものではない。
すなわち、例えば、加齢が進んで、次第に歩行が困難になる過程には段階があり、その間に使用される杖が果たすべき役割も、そのような段階によって異なっている。
具体的には、歩行時の前傾があまり極端ではなく、通常の歩行とほぼ異ならない歩行をすることができるが、僅かな前傾や、もしくは筋力の衰えなどにより、歩行時には不安定感を自覚して、転倒の不安を持っているといった歩行障害の初期の段階がある。
この段階では、歩行時に両足を運ぶ位置の前方で、杖による支えを必要とはするものの、歩行者の体重を本格的に支えるというよりは、歩行のリズムつかんで、左右の足運びを助けるために、保持した杖の接地部である石突きを、リズムよく突くことで、前傾とならずに歩行する助けとする段階がある。
このような段階では、上述の特許文献1、2の各構成の杖は、全く不向きである。
すなわち、歩行障害の初期であるごく軽度の歩行障害がある人が、これらの杖を用いると、杖に体重をかけて歩行する傾向を助長していまい、かえって杖に体重をかける歩行姿勢である前傾姿勢を進行させてしまう弊害がある。
また、加齢が進んで、例えば、より前傾姿勢が強くなったり、膝等に障害が出ると、上述の段階よりは歩行に伴う転倒の可能性が増し、歩行で足を運ぶ位置の前方で、杖によりその体重をかなり支える必要が生じるという歩行障害の中期以降の段階がある。
歩行障害の初期から中期への移行は、人によって異なるし、中期以降の段階から姿勢矯正などの成果により歩行障害の初期の段階に戻るという場合もある。
特に、高齢者の介護の過程や、障害者のリハビリなどにおいては、このような回復はおおいに歓迎されるべきことであることは言うまでもない。
しかしながら、従来、歩行障害の初期と中期を通して、また上記リハビリ中における使用に適した杖は検討されていないし、提供されてもいない。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、歩行障害の初期から中期に対応して使用することができる杖を提供することである。
上記目的は、第1の発明にあっては、長く延びる棒状の部材の一端を接地させて使用する歩行用の杖であって、前記棒状部材でなる本体と、該本体の前記一端に設けられる接地部と、前記本体を使用者が把持するための把持部とを有しており、前記把持部が、前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に延びる第1把持部と、該第1把持部よりも上方に設けられ、前記本体のほぼ延長線上に延びる第2把持部とを備える杖により、達成される。
第1の発明の構成によれば、前記第1把持部が杖の前記本体の延びる方向と直交する方向に延びていることから、使用者は、該第1把持部を上から掴むように保持することにより、体重の一部をかけるようにして、手掌や腕全体等で体重を支えながら歩行する際の支えとして使用することができる。このような杖の使用法は、上述したように、高齢者の場合には、加齢が進んで、歩行障害の中期以降に、歩行姿勢における前傾がかなり大きくなっている段階に適している。
これに対して、該第1把持部よりも上方で、前記本体のほぼ延長線上に延びる第2把持部が設けられている。すなわち、第2の把持部は、縦方向に延びているので、使用者は、手掌を横に向けて、第2の把持部に当てて、これを握るようにして、保持することになる。しかも、その保持位置は、第2の把持部が前記第1把持部よりも上方に設けられていることから、第1の把持部よりも高い位置で握ることなる。このため、体重をかけることには適していないが、肘を曲げた状態で前傾姿勢にならないようにしつつ、極端に遅くならないように歩行のリズムをとるために、縦方向にあまり大きな距離にならない範囲で腕を振りながら歩行することができる。しかも、前記本体のほぼ延長線上に延びているため、バランスが崩れることなく安定して歩行することができる。これにより、歩行障害の初期の時期に対応して、僅かな前傾による歩行時のバランスを、歩行のステップの前方にリズム良く杖をつくことで、補うことができる。
かくして、歩行障害の初期から中期に対応して使用することができる杖を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記第1把持部が、前記本体の延びる方向と直交する方向に対して、僅かに前下がりとなるよう傾斜して延びる形態とされていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、第1把持部を握って前記傾斜の低い方を前方に向けて歩行することにより、前記第1把持部をほぼ水平に保持すると、杖の前記接地部が僅かに前方を向くから、杖を前に出しやすく、前傾の度合いを矯正して、歩幅を広める効果が期待できる。
第3の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記第1把持部と第2把持部を連結する部分が外方に突出した湾曲部を有することを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、縦に延びる第2把持部を握って保持している状態で、上から体重をかけることがあっても、握った部分が下方に滑って位置がずれてくる場合に、前記湾曲部の始まる箇所で止まるので、保持位置が第2把持部から外れない。
第4の発明は、第1ないし3のいずれかの発明の構成において、前記本体がその長さを調整するための手段を備えることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、使用者の身長や、前傾度合いに対応した各把持部の位置を調整して選ぶことができる。
また、上記目的は、第5の発明にあっては、長く延びる棒状の部材の一端を接地させて使用する歩行用の杖であって、前記棒状部材でなる本体と、該本体の前記一端に設けられる接地部と、前記本体を使用者が把持するための把持部とを有しており、前記把持部が、該把持部を前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に配置させるための第1装着部と、該把持部を前記本体の延びる方向とほぼ一致する方向に配置させるための第2装着部とを備えることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、前記把持部を前記第1装着部を用いて、前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に配置することができる。この場合、使用者は、該把持部を上から掴むように保持することにより、体重の一部をかけるようにして、手掌や腕全体等で体重を支えながら歩行する際の支えとして使用することができる。このような杖の使用法は、上述したように、高齢者の場合には、加齢が進んで、歩行障害の中期以降に、歩行姿勢における前傾がかなり大きくなっている段階に適している。
これに対して、該把持部を前記第2装着部を用いて、前記本体の延びる方向とほぼ一致する方向に配置させると、この把持部は、縦方向に延びているので、使用者は、手掌を横に向けて、該把持部に当てて、これを握るようにして、保持することになる。このため、体重をかけることには適していないが、肘を軽く曲げた状態で前傾姿勢にならないようにしつつ、極端に遅くならないように歩行のリズムをとるために、縦方向にあまり大きな距離にならない範囲で上下動させながら歩行することができる。しかも、前記本体とほぼ一致する方向に延びているため、バランスが崩れることなく安定して歩行することができる。これにより、歩行障害の初期の時期に対応して、僅かな前傾による歩行時のバランスを、歩行のステップの前方にリズム良く杖をつくことで、補うことができる。
かくして、歩行障害の初期から中期に対応して使用することができる杖を提供することができる。
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る杖を使用する状態を示す説明図であり、図2は第1実施形態の杖の分解図である。
図1および図2において、杖20は、長い棒状の部材でなる本体25と、本体25の一端に設けられる接地部24と、該接地部24は反対の端部、すなわち、上端に配置され、使用者Uが把持するためのる把持部、すなわち杖20の把手部分23と、この把手部分23の一部であって、本体25の延びる方向とほぼ直交する方向に延びる第1把持部21と、該第1把持部21よりも上方に設けられ、本体25のほぼ延長線上に延びる第2把持部22とを備えている。
棒状の部材である本体25は、軽くて、丈夫な材料で形成されるのが好ましく、錆びにくいものが適しており、例えばアルミニウムやチタン、カーボン、もしくはその合金等で形成されている。本体25は軽くするためにパイプ体であり、筒状のやや太い第1部材26と、この第1部材26の内側にスライド式に入り込むようにした長尺の第2部材27を含んでいる。第2部材27の先端部には、接地部としての石突24が取り付けられている。石突24は摩擦抵抗を持たせられる柔軟な材料で形成するのが好ましく、例えば合成ゴムやエラストマーにより形成されている。
第1部材26内の下端にはリング31aおよび抜け止めネジ31を介して、第2部材27が抜けないように固定され、かつ第2部材27は、第1部材26内にスライド式に入り込んで、軸方向に伸縮自在であるテレスコピック式の本体25を形成している。
また、第2部材27は、第1部材26内にスライド式に伸縮移動するその移動位置において、固定されることで、本体25の長さを調整する調整手段、つまり杖20の長さ方向の長さ調整手段が形成されている。
この実施形態では、調整手段は例えば、第1部材26の側面に形成した調整孔28と、第2部材27の側面から、径方向に出没する止めピン29を含んでいる。
調整孔28は、第1部材26の側面に、その長さ方向に沿って、等間隔に一列に形成された複数の貫通孔28a,28b,28c・・・・を有している。
止めピン29は、第2部材27の上端付近の側面から突出するピンであって、バネなどを用いて、常に突出するように付勢されているととともに、ピンに対して、その長さ方向に沿って、付勢手段に抗する力が加えられることで、該ピンが第2部材27内に入り込むようになっている。
これにより、第1部材26の中を軸方向にスライドする第2部材27の止めピン29が調整孔28のいずれかの貫通孔28aなどの直下に位置すると、止めピンが当該貫通孔に入り込むことにより、第1部材26と第2部材27の相対的な移動は阻止され、本体25の長さは固定される。
また、使用者が手指にて、止めピンを上から押し込み、いずれかの貫通孔との係合を解除すると、ふたたび第2部材27は、第1部材26内を摺動することができる。これにより、杖20の長さが任意に調整される。
なお、パイプ体である第2部材27の上端には、パイプを塞ぐキャップ32が固定されており、これにより、第2部材27が第1部材26内を軸方向にスライドする際のガタツキや、本体25に斜めに負荷がかかった際の歪みを防止している。
本体25の上端には、グリップ部23が形成されている。グリップ部23は、使用者が手で持つ部分であり、第1部材26の上端に、溶接等により接合されたパイプで形成されており、好ましくは表面部には発泡ウレタンや発泡ゴム、シリコーン、エラストマーなどの柔軟な材料が配置されている。
グリップ部23は、図示されているような変形S字状の形態で、ほぼ中央部に本体25の延びる方向であるY方向とほぼ直交する第1の把持部21が形成されており、それより上端側には、外方、すなわち−X方向に向かって突出するよう湾曲した湾曲部33を介して、本体25の仮想の中心軸Cに沿って、該中心軸Cと同じ方向に延びる第2の把持部22が形成されている。ここで矢印に示すように、−Xの方向は杖を用いて歩行をする際の前方に対応している。
また、グリップ部23の上端部はキャップ34により閉止されている。
なお、本実施の形態では、このキャップ34の上端は平坦状にされているが、キャップ34の上端を手掌で把持できる程度の、グリップ部23と同等か僅かに大きな直径の略球体とすることで、杖20の上端に設けられた略球体部を、静止している際に安定して起立できるように握ったり、歩行時に軽く握って使用できるよう構成してもよい。
さらに、第1把持部21は、本体25の仮想の中心線Cの延びる方向と直交する方向Hに対して、角度θだけ傾斜して延びる形態とされている。つまり、水平な線Hに対して、第1把持部21は、前方側が僅かに低くなる前下がりの傾斜を示しており、その傾斜角θは、約10度程度である。
第1把持部21の後端からは、さらに外方に(後方に)突出しながら湾曲しており、上記湾曲部33を第1の湾曲部とすると、この後方に湾曲する湾曲部を第2の湾曲部30として、その端部が垂直にされて、本体25の第一部材26と溶接などにより接合されている。なお、グリップ部23のパイプを第一部材26と溶接するのではなく、第一部材26を延伸して湾曲させて形成してもよく、溶接ではなく嵌合やねじ止め等で固定してもよい。また、グリップ部23のパイプの湾曲を行いやすいよう、例えば第一把持部21の略中央で、上側と下側をそれぞれ湾曲させた異なるパイプを溶接等で一体にしてもよい。
そして、第1把持部21における頂点側の中央部Pに対して、第2把持部22の下端部Q(湾曲部33との接続部)が約11cm程度離れて形成されており、使用者が自らの体形に応じて長さ調整手段28を調整することで、各把持部21,22を握った際に適切な肘の角度となる構成とされている。
本実施形態は、以上のように構成されており、図1を参照しながら、その作用を説明する。
図1(a)は、歩行障害の程度が低い場合の使用例であり、図1(b)は歩行障害がより進んだ場合の使用例を示している。
歩行障害が生じる例として、高齢者の場合を説明すると、加齢により背筋を中心とした姿勢を保持するための筋肉の働きが衰えると、歩行時に、身体が次第に前傾状態となる。
この段階では、やや前傾姿勢で歩行し、通常の歩行におけるような大きな歩幅で、踵から接地する歩き方ではなく、歩幅が小さくなって、足裏全体が接地するような歩行となる。また、前傾姿勢になることから、主として前方への転倒の不安を感じるようになる。
このため、図1(a)に示すように、歩行の際に、支持を目的として、自己の前方に杖20を突いて歩くと、実際の安全はもとより、心理的にも安全感が得られる。
図1(a)に示すように、杖20の第2の把持部22は、縦方向(+Y方向)に延びているので、使用者Uは、肘を約90度程度曲げて、手掌を横に向け、縦に延びる第2の把持部22に当てて、これを握るようにして、図示のように保持し、歩行することになる。
この場合、杖20においては、使用者Uが杖20を保持している保持位置は比較的高い。つまり、杖20では第2の把持部22が第1把持部21よりも上方に設けられていることから、第1の把持部21よりも高い位置で握ることなる。このため、体重をかけて、杖20で支えることにはあまり適していない。しかし、極端に遅い訳ではない歩行のリズムをとるために、縦方向に、あまり大きな距離にならない範囲で矢印に示すように、上下動させるように腕を振りながら歩行することができる。これにより、歩行により足を運ぶ箇所の前方に、リズム良く腕を振りながら杖20を突くことで、僅かな前傾による歩行時のバランスを、補うことができる。そして、第2把持部22は本体25のほぼ延長線上に延びているため、バランスが崩れることなく安定して歩行することができる。
しかも、第1把持部21と第2把持部22を連結する部分が外方に突出した湾曲部33を有しているので、図1(a)のように、使用者Uが、縦に延びる第2把持部22を握って保持している状態で、上から体重をかけることがあっても、握った部分が下方に滑って位置がずれてくる場合に、湾曲部33の始まる箇所で止まるので、保持位置が第2把持部22から外れることがなく、安定して保持できる。
これに対して、加齢の進行などにより、歩行時の前傾姿勢がより強くなった使用者Uでは、図1(b)に示すように、杖20を使用することになる。
すなわち、杖20にあっては、第1把持部21が杖20の本体25の延びる方向(図2の仮想の中心線C参照)とほぼ直交する方向に延びていることから、立った状態の使用者Uは、約150度程度肘が開いた状態、つまり殆ど肘を伸ばして、該第1把持部21を上から掴むように保持する。これにより、体重の一部あるいはかなりの体重をかけるようにして、歩行の際の支えとして使用することができる。
しかも、図2に示すように、第1の把持部21のほぼ中央部Pが、本体25の仮想の中心線Cと一致するか、その近傍となるようにされているので、図1(b)のように体重を預けるように歩行する際に、体重を杖20の軸線上に位置させることができ、適切に支持されることなる。
さらに、第1把持部21は、本体25の仮想の中心線Cの延びる方向と直交する方向Hに対して、角度θだけ傾斜して、前方側が僅かに低くなる前下がりの傾斜を有している(図2参照)。このため、図1(b)に示すように、使用者Uは、第1把持部21を握って傾斜の低い方が前方に位置するよう歩行する際に、この第1把持部をほぼ水平に保持すると、杖20の接地部24が僅かに前方に配置されるから、杖20を前に出しやすい。しかもこのことにより、使用者Uの歩行において、前傾の度合いを矯正して、歩幅を広める効果が期待できる。
しかも、第1把持部21と第2把持部22が適切な距離だけ離間しているため、長さ調整手段28で調整しなくても、体調等に応じて握る位置を選択することもできる。
このように、本実施形態によれば、歩行障害の初期から中期に対応していずれの期間においても使用者が選択して使用することができる杖20を提供することができる。
図3および図4は、第2の実施形態の要部を示している。
すなわち、図3は第2の実施形態の杖のグリップ部23−1の概略平面図、図4はグリップ部23−1の概略側面図であり、その他の構成は第1の実施形態と同じである。また、第1の実施形態と同一の符合を付した箇所は共通する構成であるから、以下、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
第2の実施形態のグリップ部23−1は、第1の実施形態のグリップ部23がほぼS字状に形成されることで、縦方向にやや大きい構成であることに対して、この実施形態では、グリップ部23−1が平面方向に拡がるように湾曲されることで、縦方向のサイズを小さくしたものである。
図3および図4を参照して理解されるように、グリップ部23−1は、本体25を通る仮想の中心(軸)線Cに沿って上端で起立する第2把持部22−1を有している。
そして、この仮想の中心(軸)線Cから外方に下降して傾斜しながら湾曲する第1の湾曲部41と、さらに下降して傾斜しながら、上記中心(軸)線Cに戻る第2の湾曲部42を備えており、所謂スパイラル状にグリップ部23−1が形成されている。
この第2の湾曲部42が、そのまま第1把持部21−1として使用することができる。
第2の実施形態は以上のように構成されており、第1の実施形態と同様に使用され、同様の作用効果を発揮できるが、グリップ部の縦方向の寸法が小さい利点を有している。
図5および図6は、第3の実施形態を示している。
すなわち、図5は第3の実施形態の杖の分解図、図6はグリップ部の概略側面図である。図5および図6の実施形態において、第1の実施形態と同一の符合を付した箇所は共通する構成であるから、以下、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
第3の実施形態の杖20−1は、第1の実施形態の杖20と比べると、グリップ部の形態が相違するだけで、以下に説明する点を除き、他の構成は同じである。
この実施形態では、グリップ部23−2は、第1の実施形態のグリップ部23よりもはるかにコンパクトでありながら、以下に説明する構成により、ほぼ同一の機能を発揮することができる。
図6に示すように、グリップ部23−2は、一方向にやや長い形態であり、本体25の第1部材26を装着するための第1装着部43と、第2装着部44とを備えている。第1装着部43は、把持部を本体25の延びる方向とほぼ直交する方向に配置させるための装着部であり、第2装着部44は、把持部を本体25の延びる方向とほぼ一致する方向に配置させるため装着部である。
具体的には、図6に示すように、合成樹脂成型品もしくは木製などでなる細長いグリップ部23−2は、その一端部に、該グリップ部23−2の長さ方向に穿設された取付け孔である第2の装着部44を有している。また、グリップ部23−2はその側面部において、中央から、上記第2の装着部44の取付け孔を避けるようにして、やや一方に寄った位置に穿設された第1の装着部43を有している。両装着部は同じ構造であるから、図6を参照して第2の装着部44の構成だけを説明する。
先ず、この実施形態では、例えば、本体25の第1部材26の先端には、細い径とした取付け部先端26bが形成され、その外周には雄ネジが形成されている。第1部材26先端の上記取付け先端部26aの根元部分はやや拡径されており、ロックナット45が装着されている。ロックナット45のやや広くなった基部の筒状の内周には、雌ネジ48が形成されており、第1部材26先端の拡径部分に形成した雄ネジ26aと螺合するようになっている。すなわち、第1部材26先端の拡径部分にロックナット45を装着して回動させると、矢印RもしくはURの方向に該ロックナット45が移動するようになっている。
第2装着部44の取付け孔の奥側には細い径の螺合孔があり、内周に雌ネジ部46が形成されている。
第1部材26先端の拡径部分にロックナット45を装着し、第2装着部44である取付け孔に挿入する。そして、第1部材26を軸回りに回転させて、雄ネジ26aを締め込むと、第1部材26の取付け部先端26bは、第2装着部44の取付け孔の奥側にある細い径の螺合孔と螺合される。この状態でロックナット45を締め込み方向に回転させると、ロックナット45はR方向にスライドし、緩いテーパ面であるその傾斜外周面が、第2装着部44の開口内側の傾斜面47に圧接される。これにより、グリップ23−2と本体25とは強固に結合される。
この状態で、グリップ23−2は、図2において、Y方向に延びており、本体25の仮想の中心(軸)線Cと同じ方向に長い形態である。したがって、第1の実施形態における第1把持部として使用することができる。
しかも、第2装着部44が形成された側のグリップ23−2の端部には、フランジ部44aが形成されているため、握った手が滑ってしまうことがない。
次に、ロックナット45を上記逆に回転させると、該ロックナット45は矢印URの方向にスライドし、上記圧接が解除される。次いで、第1部材26を上記と反対に回転させると、第1部材26の取付け部先端26bの第2装着部44の取付け孔の奥側にある細い径の螺合孔に対する螺合が外れるので、グリップ部23−2を杖本体25から簡単に取り外すことができる。
次いで、グリップ部23−2の向きを代えて、図5に示すようにほぼ水平とし、第1部材26の取付け部先端26bを第1装着部43の取付け孔に挿入して、上述したように取付けると、図5に示すような状態となる。
すなわち、グリップ部23−2は、杖本体25の仮想の中心(軸)線Cに対してほぼ直交するので、第1の実施形態における第2の把持部として使用することができる。
この時のグリップ部23−2の状態は、第1の実施の形態と同様に、仮想の中心線Cと直行する方向Hに対して前方側が僅かに低くなる前下がりの傾斜とされている。そして、第1装着部43の上部には、凹部43aが設けられていることで、手掌にフィットする。
以上により、本実施形態は、簡単な操作によりコンパクトなグリップ部23−2を用いて、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるものである。
ここで、本実施形態(他の実施形態にも適用することができる)の長さの調整手段28は、符合28−1として模式的に示すように、複数もしくは多数設ける貫通孔28d,28e,28eなどを繋げて無段階に調整できるようにしてもよい。これにより、よりきめ細かな長さ調整をすることができる。そして、本実施の形態では、第2装着部44に装着した状態から第1装着部43に装着した状態に切り替える際には、肘の角度が適切になるようこの調整手段28−1を操作すればよい。
また、本実施形態では、石突き24−2は、例えば合成ゴムやエラストマー製として、先端の広い接地面35から外径を細くした縮径部36を備えるようにしてもよい。これにより、杖20−1の起立角度が多少変化しても、縮径部36を曲折させることができ、接地面35を接地させたままとすることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、グリップ部は、第1把持部と第2把持部や、第1装着部と第2装着部が形成できれば、例えば手掌の形に対応した形状等、上述の各実施形態以外の形状とすることができる。同様に湾曲部33や41等の接続部は、曲面状ではなく例えばコ字状とする等、上述の各実施形態以外の形状とすることができる。杖の本体はさらに多段のテレスコピックとしてもよい。また、より杖に体重をかけて使用できるよう、キャップ34を着脱可能として、キャップ34の代わりに、腋下まで延伸されて当接することで、体重を支えられる所謂松葉杖となる腋下用部材をキャップ34に代えて装着できるよう構成してもよい。
上述の各実施形態における各構成は相互に組み合わせたり、必要により、その一部を省略したり、他の構成と入れ換えて、異なる構成の組み合わせのもとで実施されてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る杖の使用状態の説明図。 図1の杖の概略分解図。 本発明の第2の実施形態の杖のグリップ部の概略平面図。 本発明の第2の実施形態の杖のグリップ部の概略側面図。 本発明の第3の実施形態の杖の概略分解図。 本発明の第3の実施形態の杖のグリップ部の概略側面図。
符号の説明
20・・・杖、21・・・第1把持部、22・・・第2把持部、23・・・グリップ部、24・・・接地部(石突き)25・・・本体、26・・・第1部材、27・・・第2部材、28・・・調整手段、

Claims (5)

  1. 長く延びる棒状の部材の一端を接地させて使用する歩行用の杖であって、
    前記棒状部材でなる本体と、
    該本体の前記一端に設けられる接地部と、
    前記本体を使用者が把持するための把持部と
    を有しており、
    前記把持部が、
    前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に延びる第1把持部と、
    該第1把持部よりも上方に設けられ、前記本体のほぼ延長線上に延びる第2把持部と
    を備えることを特徴とする、杖。
  2. 前記第1把持部が、前記本体の延びる方向と直交する方向に対して、僅かに前下がりとなるよう傾斜して延びる形態とされていることを特徴とする請求項1に記載の杖。
  3. 前記第1把持部と第2把持部を連結する部分が外方に突出した湾曲部を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の杖。
  4. 前記本体はその長さを調整するための手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の杖。
  5. 長く延びる棒状の部材の一端を接地させて使用する歩行用の杖であって、
    前記棒状部材でなる本体と、
    該本体の前記一端に設けられる接地部と、
    前記本体を使用者が把持するための把持部と
    を有しており、
    前記把持部が、
    該把持部を前記本体の延びる方向とほぼ直交する方向に配置させるための第1装着部と、
    該把持部を前記本体の延びる方向とほぼ一致する方向に配置させるための第2装着部とを備えることを特徴とする、杖。
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