JP2004049392A - 遊技機用シンボル表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入賞形態を多様化することで、当たりに対する期待感を与える。
【解決手段】第1〜第3リールを、内リール25と外リール26とから構成する。外リール26に巻き付けられる透明なシート34に配置されるシンボルを不透明とし、且つ内リール25に巻き付けられるシンボルシート27に配列されるシンボルよりも大きく形成する。ゲームを行った際に内リール25が全て停止した後に外リール26が回転した場合には、内リール25によるシンボルの組み合わせで当たりが得られない場合でも、外リール26のシンボルが入賞ラインのいずれかに、且つ内リール25のシンボルを被覆するように停止して当たりとなるシンボルの組み合わせが揃うことがある。これにより、遊技者に対して外リール26のシンボルへの期待感を与えることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】第1〜第3リールを、内リール25と外リール26とから構成する。外リール26に巻き付けられる透明なシート34に配置されるシンボルを不透明とし、且つ内リール25に巻き付けられるシンボルシート27に配列されるシンボルよりも大きく形成する。ゲームを行った際に内リール25が全て停止した後に外リール26が回転した場合には、内リール25によるシンボルの組み合わせで当たりが得られない場合でも、外リール26のシンボルが入賞ラインのいずれかに、且つ内リール25のシンボルを被覆するように停止して当たりとなるシンボルの組み合わせが揃うことがある。これにより、遊技者に対して外リール26のシンボルへの期待感を与えることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動表示しているシンボルを停止させた時に表示されたシンボルの組み合わせにより入賞の有無が決定される遊技機用シンボル表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンには、外周に複数種類,複数個のシンボルが配列された例えば3個のリールと、その駆動機構を含むシンボル表示装置が組み込まれている。ゲームを開始すると3個のリールが一斉に回転を開始し、その回転が停止したときに表示窓に現れているシンボルの組み合わせによって入賞,ハズレが決定される。一般に3リール式のスロットマシンでは、リールの停止時に1リール当たり3個ずつ合計9個のシンボルが表示窓に表示され、ゲームの開始に先立って投入されるメダルの枚数に応じて有効化される入賞ラインの本数が決定される。そして、有効化された入賞ライン上に停止したシンボルの組み合わせが予め入賞役として設定されたシンボルの組み合わせとなった場合に、その入賞役に応じて決められた枚数のメダルが払い出されるようになっている。
【0003】
このようなスロットマシンでは、新たな興趣を盛り込むために例えば内リールと外リールとを同軸で回転させた後に停止させる二重構成の機械式リールや電気式リールを用いたシンボル表示装置が組み込まれたものがある。この場合、内外のリールが停止したとき、それぞれのリールに設けられたシンボルが重なり合って新たなシンボルが構成されるため、このようなシンボル表示装置を搭載したスロットマシンのそれぞれのリールを二重構成にしておけば、リールの外径を大きくすることなくシンボルの種類、数及び組み合わせ数を増やすことができる。
【0004】
一方、内リールと外リールとから構成された二重構成のリールを有するシンボル表示装置の中には、外周面に複数種類の図柄が配列された内リールと、図柄有効表示部と図柄無効表示部とが形成された外リールとから構成されたものがある(特開平6−218092号公報記載)。この場合、外リールに形成される図柄有効表示部の大きさはランダムとなっており、遊技を行う上で外リールの図柄有効表示部がどの位置で停止されるのか、また、図柄有効表示部からどのようなシンボルが表示されるのかという新たな興趣を遊技者に与えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのシンボル表示装置のうち、例えば停止する内リール及び外リールのシンボルを重なり合わせて新たなシンボルを形成する場合、シンボルの種類を増やすことができるという利点があるが、内リールと外リールとの外径が異なるため、シンボルを重なり合わせる際の内リール及び外リールの停止位置の調整が難しく、内リール及び外リールの停止制御がシビアなものとなる。また、内リールのシンボルと外リールのシンボルとが重なって新しいシンボルを形成しない場合(ただ単にシンボルが重なって表示された場合)には、表示されたシンボルが見づらくなるという問題もある。
【0006】
一方、図柄有効表示部と図柄無効表示部とからなる外リールを用いたシンボル表示装置の場合には、図柄有効表示部から表示される内リールのシンボルのみを表示させるため、表示窓から表示されるシンボルの表示態様の変化(見かけ上の入賞確率の変動を含む)を行うことができるが、表示窓から表示されるシンボルの組み合わせ自体を多様化させるものではないため、遊技者が遊技を行う上での入賞に対する期待感を高めるには限界があるという問題がある。
【0007】
本発明は、シンボルの表示態様を変化させた場合に表示させるシンボルを明白にさせるとともに、入賞状態を多様化することで入賞に対する期待感を持続させることができるようにした遊技機用シンボル表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機用シンボル表示装置は、外周面に複数種のシンボルが配列された複数のリールを、これら複数のリールに対応して設けられた表示窓の奥で回転させ、前記複数のリールの停止時に、これらリールの外周面に配列された複数種のシンボルのいずれかを前記表示窓から表示させるようにしたものであり、前記複数のリールのうちの少なくとも1つのリールを、前記複数種のシンボルが配列された内リールと、少なくとも1つ以上のシンボルが配置された透明な外リールとから構成し、前記複数のリールの停止時に前記表示窓から表示される内リールのシンボルを外リールのシンボルのいずれかで被覆させることにより、前記表示窓から表示されるシンボルの表示態様を変更することができるようにしたものである。
【0009】
また、前記外リールに配置されるシンボルを不透明から構成したり、シンボルの周縁部を不透明から形成したことが好ましい。なお、外リールに配置されるシンボル及びその周縁部を不透明にした場合には、前記外リールに配置されるシンボル及びその周縁部は、前記外リールの外周面を周方向に、且つ所定数に区分けされた複数の領域の内の1コマ分の領域からなることが好ましい。
【0010】
また、前記外リールに配置されたシンボルを不透明にした場合には、外リールのシンボルを、内リールに配列されるシンボルよりも大きくすることが好ましい。前記外リールに配置されたシンボル及びその周縁部を不透明にした場合も、内リールに配列されたシンボルよりも大きく形成されていることが好ましい。なお、前記外リールに形成されたシンボルは、内リールに配列されたシンボルの組み合わせからなる当たりと価値が等しい当たり、又は価値の大きい当たりのいずれかを構成するシンボルであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のシンボル表示装置を用いたスロットマシンの外観図を示す。スロットマシン2の中央には3個の表示窓3〜5が形成されている。これらの表示窓3〜5の奥には、第1リール6,第2リール7,第3リール8を含む機械リール式のシンボル表示装置38(図4参照)が配置されている。表示窓3〜5からは第1〜第3リール6〜8のシンボルをそれぞれ上下方向に3個ずつ観察できるようになっている。なお、表示窓3〜5には横3本からなる入賞ライン10〜12が記されている。
【0012】
表示窓3〜5の下方にはスタートレバー15、ストップボタン16、ベットボタン17、ペイアウトボタン18、メダル投入口19が設けられている。メダルベットはメダル投入口19からメダルが投入されることで行われ、メダルベットされたベット数に応じた入賞ラインが有効化される。例えば投入されたメダルが1枚の場合には中央の入賞ライン10が、メダル2枚の場合には中央の入賞ライン10及び上方の入賞ライン11が、メダル3枚の場合には3本の入賞ライン10〜12がそれぞれ有効化される。なお、入賞ラインの本数及びメダルの投入により有効化される入賞ラインの本数は、これに限定する必要はなく、適宜設定されるものとする。また、メダルの投入には実際にメダルをメダル投入口19から投入する場合以外に、クレジットカウンタに精算されたメダルをベットボタン17によりベットすることも含む。
【0013】
メダルベットが行われた後にスタートレバー15が操作されると、第1〜第3リール6〜8が一斉に回転する。その後、ストップボタン16の押圧操作によってリールが停止され、全リールが停止したときに有効化された入賞ライン上に停止しているシンボルの組み合わせで、そのゲームにおける入賞の有無が決定され、シンボルの組み合わせが入賞に該当している場合に、入賞に応じて予め定められた枚数の配当メダルが受け皿20に払い出される。
【0014】
図2及び図3に示すように、第1〜第3リール6〜8は、それぞれ内リール25と外リール26との二重構成となっている。なお、図2では第1リール6のリール構成を示すものである。内リール25は耐久性のあるプラスチック素材で構成され、外周全体は例えば白色で不透明となっている。その外周面には、シンボル「スター」28、シンボル「7」29、シンボル「BAR」30、シンボル「2BAR」31、シンボル「WILD」32等の複数種のシンボルが所定ピッチでプリントされたシンボルシート27が巻き付けられている。なお、シンボル「スター」28は当たりに関与しないシンボルである。なお、本実施形態では第1〜第3リールを全て内リールと外リールとから構成したが、これに限定する必要はなく、内リールと外リールとからなるリールの個数はゲーム性を考慮して適宜設定してよい。
【0015】
このうち、シンボル「WILD」32はオールマイティシンボルであり、入賞ラインのいずれかにシンボル「WILD」32が停止した場合には、内リール25に配列された他のシンボルのいずれかとして扱うことができる。つまり、第1〜第3リール6〜8の停止時に中央の入賞ライン10上に停止するシンボルの組み合わせが「WILD−7−7」となる場合(図1参照)には、シンボル「WILD」32はシンボル「7」29として扱われるので入賞となる。また、シンボルの組み合わせが「WILD−WILD−7」となる場合には、シンボルの組み合わせ「7−7−7」として扱われ、シンボルの組み合わせが「WILD−WILD−WILD」となる場合には、特別に配当の大きな当たりの成立となり所定枚数のメダルの払い出しが行われる。
【0016】
外リール26は、その外周面となるリール体26aが透明なプラスチックで構成されており、外リール26を通して内リール25のシンボルを視認することが可能である。外リール26の外周面には、シンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37がランダムに形成された透明なシート34が巻き付けられている。
【0017】
外リール26の透明なシート34に形成されるシンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37は、不透明から形成されている。また、図3に示すように、透明なシート34に形成されるシンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37はそれぞれ同じ大きさから形成されており、これらシンボル(図3中2点鎖線でシンボルの大きさを示す)は、内リール25のシンボルシート27にプリントされたシンボルよりも大きく形成されている。これにより、これらのシンボルのいずれかが表示窓から表示されるように停止した場合には、内リール25のシンボルを被覆して、且つ表示された外リール26のシンボルを通して被覆された内リール25のシンボルを視認できないようになっている。
【0018】
なお、透明なシート34に配置されるシンボル「WILD」35とシンボル「DOUBLE」36との間はシンボル1個分のブランクシンボルが設けられている。また、同様にして、シンボル「DOUBLE」36とシンボル「TRIPLE」37との間はシンボル2個分のブランクシンボル、シンボル「TRIPLE」37とシンボル「WILD」35との間はシンボル3個分のブランクシンボルがそれぞれ設けられている。これにより、内リール25に巻き付けられるシンボルシート27のシンボルの数と、外リール26に巻き付けられる透明なシート34のシンボル(ブランクシンボルを含む)の数が同数となり、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとが対応するようになっている。
【0019】
シンボル「DOUBLE」36及びシンボル「TRIPLE」37は、シンボル「WILD」35と同様にオールマイティシンボルであり、第1〜第3リール6〜8のいずれか1つのリールのシンボル「DOUBLE」36が入賞に関与した場合には、入賞により得られる払出し枚数が2倍に、シンボル「TRIPLE」37の場合には払出し枚数が3倍になる。なお、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」の場合には、シンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」よりも多い配当枚数のメダルの払い出しが、シンボルの組み合わせ「TRIPLE−TRIPLE−TRIPLE」の場合にはシンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」よりも更に多い配当枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、上記いずれかのシンボルが同一の入賞ライン上に2つ停止した場合、例えばシンボルの組み合わせが「BAR−DOUBLE−DOUBLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となる場合に払い出されるメダルの4倍のメダルが払い出される。また、例えばシンボルの組み合わせが「BAR−DOUBLE−TRIPLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となる場合に払い出されるメダルの6倍のメダルが払い出される。
【0020】
なお、第2リール7及び第3リール8の内リール25及び外リール26にも同様のシンボルシートが巻き付けられているが、このシンボルシートに配置されるシンボルの種類、数、配列順序については適宜に変更可能であり、また、リールごとに異なるように設けてもよい。また、当たりの種類、配当も適宜設定する事ができる。
【0021】
内リール25と外リール26とには、それぞれ取付け板40,41が一体に形成されており、この取付け板40,41を介してステッピングモータに直結される。また、第2リール7及び第3リール8も、第1リール6と同様にそれぞれ内リールと外リールとから構成されており、外リールを通して内リールを視認できるようになっている。以下では、第2リール7及び第3リール8の構成が同じであるため、第1リールと同一の符号を用いて説明する。
【0022】
図4に示すように、メダルセンサ45はメダル投入口19の奥に設けられ、適正なメダルの投入を検知するごとにCPU46にメダル検知信号を入力する。CPU46は、このスロットマシン2の作動をプログラムROM47に格納されたゲームプログラムにしたがって統括して管理しており、ゲームの進行とは無関係な操作信号入力に対してはこれを無効化するようになっている。なお、CPU46ではメダルセンサ45からの出力信号を受けて有効化する入賞ラインの本数を識別した後に、ベット数に応じた入賞ラインを有効化する。そして、RAM48にベット数を一時的に保存する。
【0023】
スタートレバー15を操作するとスタート信号発生部49がオンとなり、CPU46にスタート信号が入力される。これを受けて、CPU46では外リール回転抽選部50を作動させる。外リール回転抽選部50は乱数発生器、乱数サンプリング回路、回転決定テーブルから構成されており、乱数値のサンプリングが行われるとともに、サンプリングされた乱数値が回転決定テーブルと照合される。これにより、第1〜第3リール6〜8の外リール26を回転させるか否かが決定される。外リール26を回転させることが決定された場合には、CPU46ではモータ制御部51にモータ駆動開始信号を出力する。モータ制御部51では、ドライバ52〜54及び55〜57を介してステッピングモータ58〜60及び61〜63を駆動させ、第1〜第3リール6〜8の内リール25及び外リール26のそれぞれを回転させる。
【0024】
一方、外リール26を駆動させないことが決定された場合、モータ制御部51ではドライバ52〜54を介してステッピングモータ58〜60を駆動させ、第1〜第3リール6〜8の内リール25のみを一斉に回転させる。また、ゲーム終了時には、モータ制御部51はドライバ55〜57を介してステッピングモータ61〜63を駆動させて外リール26を所定量回転させる。そして、各表示窓にシンボル3個分のブランクシンボルが表示される位置で外リール26のそれぞれを停止させる。
【0025】
CPU46は、スタート信号の入力により乱数発生部70を作動させる。これにより、1個の乱数値がランダムにサンプリングされ入賞判定部71に送られる。入賞判定部71は、第1入賞決定テーブル72又は第2入賞決定テーブル73のいずれかを用いてサンプリングされた乱数値と照合する。なお、第1入賞決定テーブル72は内リール25のみを回転させる場合に、第2入賞決定テーブル73は内リール25及び外リール26を回転させる場合にそれぞれ使用される。
【0026】
これら入賞決定テーブルでは、乱数発生部70で発生される全乱数値が当たりを発生させるグループとハズレのグループとに分けられており、当たりの乱数値グループがさらに当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させるシンボルの種類を決定するグループに分けられている。したがって、入賞判定部71と使用される入賞決定テーブルとにより、乱数値がサンプリングされた時点で当たりを出すか否か、当たりを出す場合にはどの入賞ライン上でどのシンボルの組み合わせで当たりを成立させるかを決定することができる。
【0027】
なお、第2入賞決定テーブル73の当たりとなるグループには、外リール26に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとで組み合わされる当たりのグループとに分けられている。このうち、外リール26に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループとには、さらに当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させる外リール26のシンボルの種類を決定するグループに分けられている。
【0028】
一方、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとからなる当たりのグループは、当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させる内リール25及び外リール26のシンボルの種類を決定するグループに分けられている。内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとからなる当たりのグループには、内リール25のみのシンボルで当たりとなる場合も含まれている。なお、このスロットマシン2では、内リール25のみのシンボルで組み合わされた当たりと、外リール26のみのシンボルで組み合わされた当たりとが同時に得ることができないようになっている。
【0029】
CPU46は、サンプリングされた乱数値と入賞決定テーブルとの照合により決定された当たり役の有無、当たりを発生させる場合の入賞ライン及び入賞ライン上に停止させるシンボルの種類、ハズレの場合の入賞ライン上に停止させるシンボルの種類などに基づき、内リール25のみが回転されている場合は内リールストップ信号発生部75、内リール25と外リール26とを回転させる場合には、内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76を作動させる。
【0030】
内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76は、抽選により決定された結果に基づいて決定された入賞ライン上に所定のシンボルが停止するように、各ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63の回転停止位置を表す停止位置データをCPU46に入力する。ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63は、ドライバ52〜54及びドライバ55〜57を介して入力される駆動パルスの個数に応じて単位ステップ角ずつ回転される。
【0031】
内リール25及び外リール26には基準位置を示す信号片が設けられ、その回転がフォトインタラプタで監視されている。そして、内リール25及び外リール26が一回転するごとにフォトインタラプタからリセット信号が得られ、駆動パルスの個数を係数するカウンタ80〜85の計数値が「0」にリセットされる。したがって、カウンタ80〜85の計数値はリール一回転以内での回転位置を表すことになる。リセット信号が得られるときの内リール25及び外リール26の回転位置と、内リール25及び外リール26に配列されたシンボルの種類及び配列は予め判っているから、ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63に供給される駆動パルスの個数を監視することによって、表示窓3〜5に現れるシンボルの種類を識別することが可能となる。なお、ストップボタン16が押圧操作されると、ストップ信号発生器86からCPU46にリールストップ信号が出力されるので、モータ制御部51ではカウンタ80〜82のカウント値と内リールストップ信号発生部75からの停止位置データとが一致した場合に、ステッピングモータ58〜60の駆動を停止させて内リール25の回転を停止させる。
【0032】
ランダムタイマー87は、第1〜第3リール6〜8の内リール25の全てが停止され、且つ外リール26が回転を開始した所定時間後に作動して、ランダムなタイミングで3個の外リールストップ信号を発生してCPU46に入力する。CPU46では、これらの外リールストップ信号をモータ制御部51に出力して、前述した内リール25の停止と同様の処理により外リール26の回転を停止させる。
【0033】
入賞確認部88は全てのリールが停止したとき、カウンタ80〜85の計数値を確認して入賞が表示されているか否かを確認する。通常は第1入賞決定テーブル72又は第2入賞決定テーブル73で決定されたシンボルが出ているはずであるが、ステッピングモータ58〜63の脱調などの不測の自体を考慮し、カウンタ80〜85の計数値に基づいて最終的に表示されているシンボルの確認をここで行うようにしている。メダル払い出し器89は有効化された入賞ライン上に入賞となるシンボルの組み合わせが表示されたことが確認されたときに、その入賞となるシンボルの組み合わせに応じた規定枚数のメダルを払い出す。
【0034】
次に、このようにして構成されたスロットマシン2の作用について図5のフローチャートを基に説明する。遊技者が所定枚数のメダルをメダル投入口19から投入すると、投入されたメダル枚数に対応する入賞ラインが有効化される。そして、遊技者がスタートボタン15を操作すると、CPU46では外リール回転抽選部50に抽選開始信号を出力する。これを受けて外リール回転抽選部50では、外リール26の回転の有無を決定する。なお、ゲームの開始時には、第1〜第3リール6〜8の外リール26は、シンボル3個分のブランクシンボルを表示窓3〜5から表示される位置で停止している。
【0035】
例えば外リール回転抽選部50で外リール26を回転させないことが決定されると、CPU46では乱数発生部70に乱数抽出信号を出力する。これを受けて、乱数発生部70では1つの乱数値を抽出し、入賞判定部71に抽出された乱数値を出力する。入賞判定部70では、第1入賞判定テーブル72を参照して当たりの有無を決定する。そして、当たりとなる場合には、当たりとなるシンボルの組み合わせを表示させる入賞ライン、また入賞ライン上に停止させるシンボルの種類が決定される。ハズレとなる場合にも、表示窓から表示させるシンボルの種類が決定される。これを受けて、内リールストップ信号発生部75では、ステッピングモータ58〜60の回転停止位置を表す停止位置データをCPU46に向けて出力する。なお、この停止位置データはRAM48に一時記憶される。同時に、CPU46ではモータ制御部51にモータ駆動開始信号を出力し、ドライバ52〜54を介してステッピングモータ58〜60を駆動させて、第1〜第3リール6〜8の内リール25を一斉に回転させる。
【0036】
遊技者によるストップボタン16の押圧操作が行われると、ストップ信号発生部86からCPU46にストップ信号が出力される。CPU46では、モータ制御部51にモータ停止信号と、RAM48に一時記憶された各リールの停止位置データを出力する。これらによりモータ制御部51では、内リール25に設けられたカウンタ80〜82のカウント値が停止位置データと一致した場合に、内リール25を停止させる。これにより、ストップボタン16が押圧操作されると第1〜第3リール6〜8の内リール25が順次停止していくことになる。内リール25が停止すると、入賞確認部88ではそれぞれのリールに設けられたカウンタ80〜82の計数値を確認して表示されたシンボルの確認及び入賞の有無の確認が行われる。そして、入賞が得られた場合にはメダル払い出し器89による入賞に対応して設けられた配当メダルの払い出しが行われる。なお、ハズレとなる場合には、メダルの払い出しは行われない。
【0037】
一方、外リール回転抽選部50で外リール26を回転させることが決定された場合には、モータ制御部51ではドライバ52〜54を介して第1〜第3リール6〜8の内リール25を回転させるとともに、入賞判定部71では乱数発生部70で抽出された乱数値と、第2入賞決定テーブル73とから当たりの有無を決定する。そして、入賞判定部71により決定された結果に基づいて内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76では、各ステッピングモータの停止信号データを決定し、RAM48に一時記憶させる。その後、遊技者によるストップボタン16の押圧操作を受けると、第1〜第3リール6〜8の内リール25を停止信号データに基づく位置で順次停止させていく。
【0038】
ストップボタン16の押圧操作により第1〜第3リール6〜8の内リール25が全て停止すると、第1〜第3リール6〜8の外リール26の回転が開始される。そして、ランダムタイマー87が作動し、所定時間が経過した後に、ランダムなタイミングで3個の外リールストップ信号を発生してCPU46に出力する。これら外リールストップ信号はCPU46を介してモータ制御部51に出力され、外リールストップ信号発生部76からの停止信号データとカウンタ83〜85のカウンタ値が一致した場合に、第1〜第3リール6〜8の外リール26が停止されていく。入賞確認部88では表示されたシンボル及び有効化された入賞ラインから入賞の有無を確認する。そして、入賞が得られた場合にのみ、その入賞に対するメダルの払い出しが行われる。なお、外リール26を回転させた場合には、メダルの払い出しと同時に、シンボル3個分のブランクシンボルが表示される位置まで外リール26を回転させる。
【0039】
図6に示すように、例えば入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により、内リール25のみで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に停止させるシンボルの組み合わせが「BAR−BAR−BAR」からなる当たりとなる場合には、ストップボタン16の押圧操作により、中央の入賞ライン10上にシンボル「BAR」30が停止するように第1〜第3リール6〜8の内リール25が順次停止していく(図6は、第1リール6→第2リール7→第3リール8の順で停止された場合であり、停止順序はこれに限定されない)。そして、第1〜第3リール6〜8の内リール25が全て停止すると、第1〜第3リール6〜8の外リール26が回転し、ランダムなタイミングで停止していく。
【0040】
例えば、第1リール6の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「WILD」35を、第2リール7の外リール26では入賞ライン11上にシンボル「DOUBLE」36を、第3リール8の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「TRIPLE」37をそれぞれ停止させる。この際、第1リール6の内リール25のシンボル「2BAR」31は外リール26のシンボル「WILD」35により、第2リール7の内リール25のシンボル「スター」28は外リール26のシンボル「DOUBLE」36により、第3リール8の内リール25のシンボル「スター」28は外リール26のシンボル「TRIPLE」37によりそれぞれ被覆され、これら内リール25のシンボルを被覆する外リール26のシンボルが当たりに関与するシンボルとなる。なお、外リール26に配置されるシンボルは不透明であり、且つ内リール25のシンボルよりも大きく形成されているので、外リール26のシンボルにより被覆された内リール25のシンボルは各表示窓から視認されることがなく、表示されるシンボルを見づらくさせることがない。また、内リール25及び外リール26の停止時に停止位置のずれが生じた場合でも、外リール26のシンボルが内リール25のシンボルよりも大きいので、外リール26のシンボルにより内リール25のシンボルを確実に被覆することが可能となる。
【0041】
これにより、入賞ライン11のシンボルの組み合わせが「スター−スター−スター」から「スター−DOUBLE−スター」、入賞ライン12のシンボルの組み合わせが「2BAR−スター−スター」から「WILD−スター−TRIPLE」にそれぞれ変化するが、シンボル「スター」28は当たりに関与しないシンボルなので入賞ライン11、12上のシンボルの組み合わせは当たりとなるシンボルの組み合わせとはならない。そして、入賞ライン10上では、内リール25のシンボルから構成されたシンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となるので当たりが確定する。これを受けて、所定枚数のメダルの払い出しが行われる。この場合、内リール25を全て停止させた後に外リール26を停止させることで、内リール25によるシンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」よりも多い配当枚数となる当たりへの期待感を遊技者に対して与えることが可能となる。
【0042】
また、図7に示すように、入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により外リール26のみで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に停止させるシンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」からなる当たりとなる場合には、ストップボタン16の押圧操作時には同一の入賞ライン上に同一のシンボルが停止しないように第1〜第3リール6〜8の内リール25の回転が順次停止していく。そして、内リール25が全て停止した後に、第1〜第3リール6〜8の外リール26が回転を開始して、所定時間後にシンボル「DOUBLE」36が中央の入賞ライン10上に揃うように外リール26がランダムに停止する。
【0043】
このとき、第1リール6の内リール25のシンボル「BAR」30、第2リール7及び第3リール8のシンボル「スター」28は、それぞれ外リール26のシンボル「DOUBLE」36に被覆され、外リール26のシンボル「DOUBLE」36が当たりに関与するシンボルとなる。これにより、入賞ライン10上のシンボルの組み合わせが「BAR−スター−スター」から「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」に変化する。なお、シンボル「DOUBLE」はオールマイティシンボルであり、メダル払い出し枚数はシンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」よりも更に配当の大きなメダルの払い出しとなる。なお、シンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」となる場合には、シンボルの組み合わせ「7−7−7」よりも配当の大きな当たりの成立となって所定枚数のメダルの払い出しが行われる。さらに、シンボルの組み合わせ「TRIPLE−TRIPLE−TRIPLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」からなる当たりよりも更に配当の大きなメダルの払い出しが行われる。この場合には、遊技者のストップボタン16の操作により停止される内リール25のシンボルでは入賞を得ることはできないが、その後に回転される第1〜第3リール6〜8の外リール26の停止により当たりを得ることができるため、遊技者に対して外リール26での当たりに対する期待感を与えることができる。
【0044】
また、図8に示すように、入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により内リール25と外リール26との組み合わせで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に当たりとなるシンボルの組み合わせを停止させる場合には、例えばストップボタン16の押圧操作時には、第1リール6の内リール25ではシンボル「BAR」30が、第2リール7及び第3リール8の内リール25ではシンボル「7」29がそれぞれ中央の入賞ライン10上に停止する。その後、第1〜第3リール6〜8の外リールが回転を開始して、第1リール6の外リール26では入賞ライン10上にシンボル「WILD」35を、第2リール7の外リール26では入賞ライン上11にシンボル「DOUBLE」36を、第3リール8の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「TRIPLE」37を表示させるように停止する。
【0045】
これにより、内リール25に表示されたシンボルが外リール26に表示されたシンボルにより被覆されて、入賞ライン10上のシンボルの組み合わせが「BAR−7−7」から「WILD−7−7」に、入賞ライン11上のシンボルの組み合わせが「スター−スター−スター」から「スター−DOUBLE−スター」に、入賞ライン12上のシンボルの組み合わせが「2BAR−スター−スター」から「2BAR−スター−TRIPLE」にそれぞれ変化する。このとき、入賞ライン10上のシンボル「WILD」35はオールマイティシンボルであるから、シンボル「WILD」35はシンボル「7」30として扱われ入賞となり、シンボルの組み合わせ「7−7−7」として所定枚数のメダルの払い出しが行われる。この場合、、内リール25のみで入賞を得ることができないが、内リール25全てが停止した後の外リール26の停止状態によっては入賞を得ることが可能となり、遊技者は外リール26に対する期待感を持つことができる。なお、この場合の当たりに対して使用される外リール26は、第1リール6に限定されず、第2リール7及び第3リール8でもよい。
【0046】
内リール25のシンボル及び外リール26のシンボルの組み合わせからなる当たりの場合には、内リール25のシンボルのみで当たりとなる場合がある。図9に示すように、例えば内リール25のシンボル「7」29が中央の入賞ライン10上に揃う場合には内リール25のみで入賞となるが、内リール25の全てが停止した後に外リール26が回転するので、第1〜第3リール6〜8の外リール26の停止次第では、当たりとなるシンボルの組み合わせ「7−7−7」又はそれ以上の当たりとなる可能性がある。
【0047】
例えば第1リール6の外リール26のシンボル「DOUBLE」36が入賞ライン10上に位置するように停止した場合には、シンボル「DOUBLE」36が内リールのシンボル「7」29を被覆し、シンボルの組み合わせが「7−7−7」から「DOUBLE−7−7」に変化する。シンボル「DOUBLE」はオールマイティシンボルであり、且つ2倍のメダル払い出しとなるから、この場合には、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−7−7」はシンボルの組み合わせ「7−7−7」の2倍のメダル払い出しとなる。なお、この場合、シンボル「DOUBLE」の代わりにシンボル「TRIPLE」が停止すると、シンボルの組み合わせ「7−7−7」の3倍のメダル払い出しが行われる。これにより、遊技者に対してメダルの払い出し枚数の多い当たりに対する期待感を与えることができる。なお、外リール26を回転させる場合に、入賞判定部71でハズレとなるときには、内リール25のシンボルと、外リール26のシンボルとで当たりとなるシンボルの組み合わせとならないように、第1〜第3リール6〜8の内リール25が停止した後に外リール26が回転するが、外リール26が停止しても、入賞ライン上には当たりとなるシンボルの組み合わせは揃うことがない。
【0048】
本実施形態では、外リール26に巻き付けられる透明なシート34に形成されたシンボルのみを不透明としたが、これに限定する必要はなく、シンボルとその外周部分も不透明とし、内リールのシンボルよりも大きく形成してもよい。また、図10に示すように、外リール26に巻き付けられる透明なシート34及び内リール25のシンボルシート27は配置されるシンボルの個数分に区分けされており(以下、区分けされた部分をコマと称す。)、このコマ1つ1つにシンボルが形成される(なお、構成が同じであるため、本実施形態と同じ符号を用いて説明する。)。このうち、外リール26に巻き付けられる透明なシート34において、シンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37及びこれらシンボルの周縁部(図中斜線部)をコマ1個分から形成する。これにより、内リール25及び外リール26の停止時の位置ずれが生じた場合でも、確実に外リール26のシンボルにより内リール25のシンボルを被覆することができ、表示状態をすっきりさせることができる。なお、上述しのシンボルシート27及び透明なシート34をシンボルの個数分に区分けしたそれぞれの領域は、シンボルが配置される範囲を示すものであり、外見上、線引きして示すものではない。
【0049】
本実施形態では、ゲームの際に外リール26を回転させた場合には、そのゲームの終了後に外リール26を回転させ、シンボル3個分のブランクシンボルを表示させる位置で停止させるようにしたが、これに限定させる必要はなく、例えばゲーム終了後に外リール26を回転させずに、そのまま次のゲームを行うようにしてもよい。なお、構成が同じである箇所については、本実施形態と同じ符号を用いて説明する。内リール25を回転させた場合に使用される入賞決定テーブルを外リール26の表示状態に合わせて複数個設ける。これら入賞決定テーブルの当たりとなるグループに、表示される外リール26のシンボルを利用した当たりのグループと、表示された外リール26のシンボルを使用しない当たりのグループとを設ける。さらに、表示される外リール26のシンボルを利用した当たりのグループは、表示された外リール26のシンボルの種類、そのシンボルが停止する入賞ラインの位置、及びその入賞ラインに停止させる内リール25のシンボルの種類とからなる複数のグループを設ける。また、ハズレとなるグループには、表示された外リール26のシンボルが停止する入賞ラインの位置、及びその入賞ラインに停止させる内リール25のシンボルの種類からなる複数のグループに分けられている。
【0050】
この場合、図11に示すように、スタートレバー15の操作によるゲームの開始時に、CPU46では、第1〜第3リール6〜8の外リール26に設けられたカウンタ83〜85の計数値を参照し、表示窓3〜5から表示される外リール26のシンボルを判定する。同時に、CPU46では外リール回転抽選部50を作動させ、外リール26を回転させるか否かの決定を行わせる。外リール26を回転させない場合には、入賞判定部71では表示窓3〜5に表示された外リール26のシンボルの表示状態に合わせた入賞決定テーブルを用いた当たりの有無の決定が行われる。そして、ストップボタン16の押圧操作に応じて、入賞判定部71で決定された結果となるように第1〜第3リール6〜8の内リール25を停止させる。そして、シンボルの組み合わせが当たりとなる場合に所定枚数のメダルの払い出しが行われる。
【0051】
本実施形態では、スタートレバー15の押下により回転する第1〜第3リール6〜8をストップボタン16の押圧操作により停止させるようにしたが、これに限定する必要はなく、回転させたリールを自動停止させるようにしてもよい。この場合、第1〜第3リール6〜8を停止させるための制御プログラムを設け、この制御プログラムに基づいて第1〜第3リール6〜8のそれぞれを停止させるようにする。この際、第1〜第3リール6〜8の停止順序、停止時期等はゲーム性を考慮して適宜設定してよい。
【0052】
本実施形態では、スタートレバー15の押下ともに、外リール26を回転させるか否かの抽選を行うようにしたが、これに限定する必要はなく、ゲーム性を考慮して適宜のタイミングで行わせるようにしてよい。例えば内リール25におけるシンボルの組み合わせが所定のシンボルの組み合わせになる場合に、外リール26を回転させるか否かの抽選を行うようにしてもよい。また、入賞判定部71で特定のシンボルの組み合わせが所定回数当選した場合や、特定のシンボルの組み合わせが入賞した場合に、外リール26を回転させるか否かの抽選を行い、次のゲームで外リール26を回転させるようにしてもよい。また、外リール26を回転させるか否かの抽選を行わずにゲーム毎に外リール26を回転させるようにしてもよい。
【0053】
本実施形態では、内リール25のみで構成されたシンボルの組み合わせで入賞を得られる場合に外リール26のシンボルによりさらに多くのメダルを得られる可能性を持たせるようにしたが、これに限定する必要はなく、例えば、外リール26のシンボルにより払い出し枚数の少ないシンボルの組み合わせになるようにしてもよい。また、外リール26のシンボルにオールマイティとなるシンボルの他に、内リールで使用されるシンボルを配置させて、内リール25のシンボルのみで当たりとなるシンボルの組み合わせとなる場合に、このシンボルの組み合わせのいずれかのシンボルに外リールのシンボル(オールマイティシンボル以外)を被覆させることにより、ハズレとなるシンボルの組み合わせとなるようにしてもよい。
【0054】
本実施形態では、シンボル表示装置をスロットマシンに搭載した場合について述べたが、この他にパチンコ機や他の遊技機に搭載させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の遊技機用シンボル表示装置によれば、複数のリールのうちの少なくとも1つのリールを、複数種のシンボルが配列される内リールと、少なくとも1つ以上のシンボルが配置された透明な外リールとから構成し、前記複数のリールの停止時に表示窓から表示される内リールのシンボルを外リールのシンボルのいずれかで被覆させることにより、前記表示窓から表示されるシンボルの表示態様を変更することができるようにしたから、入賞形態を多様化することができるとともに、入賞に対する期待感を持続させることができる。
【0056】
また、外リールに配置されたシンボルを不透明にしたり、外リールに配置されたシンボルとその周縁部を不透明にすることで、外リールのシンボルにより内リールのシンボルを確実に被覆させシンボルの表示態様をすっきりさせることができる。また、外リールのシンボルを内リールのシンボルよりも大きく形成したり、外リールのシンボル及びその周縁部を内リールよりも大きくすることで、内リール及び外リールの停止の際に位置ずれが生じても、内リールのシンボルを外リールのシンボルで確実に被覆させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】第1リールの構成の概略を示す斜視図である。
【図3】内リールのシンボルの配列と、外リールのシンボルの配列とを示す説明図である。
【図4】スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】ゲームの流れを示すフローチャートである。
【図6】外リールを回転させた場合で、かつ内リールのシンボルのみで当たりとなる場合のシンボルの表示状態の一例を示す説明図である。
【図7】外リールを回転させた場合で、かつ外リールのシンボルのみで当たりとなる場合のシンボルの表示状態の一例を示す説明図である。
【図8】外リールを回転させた場合で、かつ内リールのシンボルと外リールのシンボルとで当たりとなる場合のシンボルの表示状態を示すの一例を示す説明図である。
【図9】内リールのシンボルで当たりとなるシンボルの組み合わせとなるときに、外リールのシンボルによりメダル払い出しの多い当たりとなる場合のシンボルの表示状態を示すの一例を示す説明図である。
【図10】外リールのシンボル及びその周縁部を、1コマとした場合のシンボルの配列を示す説明図である。
【図11】別の実施形態の場合のゲームの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 スロットマシン
3,4,5 表示窓
6 第1リール
7 第2リール
8 第3リール
15 スタートレバー
25 内リール
26 外リール
38 シンボル表示装置
46 CPU
50 外リール回転抽選部
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動表示しているシンボルを停止させた時に表示されたシンボルの組み合わせにより入賞の有無が決定される遊技機用シンボル表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンには、外周に複数種類,複数個のシンボルが配列された例えば3個のリールと、その駆動機構を含むシンボル表示装置が組み込まれている。ゲームを開始すると3個のリールが一斉に回転を開始し、その回転が停止したときに表示窓に現れているシンボルの組み合わせによって入賞,ハズレが決定される。一般に3リール式のスロットマシンでは、リールの停止時に1リール当たり3個ずつ合計9個のシンボルが表示窓に表示され、ゲームの開始に先立って投入されるメダルの枚数に応じて有効化される入賞ラインの本数が決定される。そして、有効化された入賞ライン上に停止したシンボルの組み合わせが予め入賞役として設定されたシンボルの組み合わせとなった場合に、その入賞役に応じて決められた枚数のメダルが払い出されるようになっている。
【0003】
このようなスロットマシンでは、新たな興趣を盛り込むために例えば内リールと外リールとを同軸で回転させた後に停止させる二重構成の機械式リールや電気式リールを用いたシンボル表示装置が組み込まれたものがある。この場合、内外のリールが停止したとき、それぞれのリールに設けられたシンボルが重なり合って新たなシンボルが構成されるため、このようなシンボル表示装置を搭載したスロットマシンのそれぞれのリールを二重構成にしておけば、リールの外径を大きくすることなくシンボルの種類、数及び組み合わせ数を増やすことができる。
【0004】
一方、内リールと外リールとから構成された二重構成のリールを有するシンボル表示装置の中には、外周面に複数種類の図柄が配列された内リールと、図柄有効表示部と図柄無効表示部とが形成された外リールとから構成されたものがある(特開平6−218092号公報記載)。この場合、外リールに形成される図柄有効表示部の大きさはランダムとなっており、遊技を行う上で外リールの図柄有効表示部がどの位置で停止されるのか、また、図柄有効表示部からどのようなシンボルが表示されるのかという新たな興趣を遊技者に与えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのシンボル表示装置のうち、例えば停止する内リール及び外リールのシンボルを重なり合わせて新たなシンボルを形成する場合、シンボルの種類を増やすことができるという利点があるが、内リールと外リールとの外径が異なるため、シンボルを重なり合わせる際の内リール及び外リールの停止位置の調整が難しく、内リール及び外リールの停止制御がシビアなものとなる。また、内リールのシンボルと外リールのシンボルとが重なって新しいシンボルを形成しない場合(ただ単にシンボルが重なって表示された場合)には、表示されたシンボルが見づらくなるという問題もある。
【0006】
一方、図柄有効表示部と図柄無効表示部とからなる外リールを用いたシンボル表示装置の場合には、図柄有効表示部から表示される内リールのシンボルのみを表示させるため、表示窓から表示されるシンボルの表示態様の変化(見かけ上の入賞確率の変動を含む)を行うことができるが、表示窓から表示されるシンボルの組み合わせ自体を多様化させるものではないため、遊技者が遊技を行う上での入賞に対する期待感を高めるには限界があるという問題がある。
【0007】
本発明は、シンボルの表示態様を変化させた場合に表示させるシンボルを明白にさせるとともに、入賞状態を多様化することで入賞に対する期待感を持続させることができるようにした遊技機用シンボル表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遊技機用シンボル表示装置は、外周面に複数種のシンボルが配列された複数のリールを、これら複数のリールに対応して設けられた表示窓の奥で回転させ、前記複数のリールの停止時に、これらリールの外周面に配列された複数種のシンボルのいずれかを前記表示窓から表示させるようにしたものであり、前記複数のリールのうちの少なくとも1つのリールを、前記複数種のシンボルが配列された内リールと、少なくとも1つ以上のシンボルが配置された透明な外リールとから構成し、前記複数のリールの停止時に前記表示窓から表示される内リールのシンボルを外リールのシンボルのいずれかで被覆させることにより、前記表示窓から表示されるシンボルの表示態様を変更することができるようにしたものである。
【0009】
また、前記外リールに配置されるシンボルを不透明から構成したり、シンボルの周縁部を不透明から形成したことが好ましい。なお、外リールに配置されるシンボル及びその周縁部を不透明にした場合には、前記外リールに配置されるシンボル及びその周縁部は、前記外リールの外周面を周方向に、且つ所定数に区分けされた複数の領域の内の1コマ分の領域からなることが好ましい。
【0010】
また、前記外リールに配置されたシンボルを不透明にした場合には、外リールのシンボルを、内リールに配列されるシンボルよりも大きくすることが好ましい。前記外リールに配置されたシンボル及びその周縁部を不透明にした場合も、内リールに配列されたシンボルよりも大きく形成されていることが好ましい。なお、前記外リールに形成されたシンボルは、内リールに配列されたシンボルの組み合わせからなる当たりと価値が等しい当たり、又は価値の大きい当たりのいずれかを構成するシンボルであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のシンボル表示装置を用いたスロットマシンの外観図を示す。スロットマシン2の中央には3個の表示窓3〜5が形成されている。これらの表示窓3〜5の奥には、第1リール6,第2リール7,第3リール8を含む機械リール式のシンボル表示装置38(図4参照)が配置されている。表示窓3〜5からは第1〜第3リール6〜8のシンボルをそれぞれ上下方向に3個ずつ観察できるようになっている。なお、表示窓3〜5には横3本からなる入賞ライン10〜12が記されている。
【0012】
表示窓3〜5の下方にはスタートレバー15、ストップボタン16、ベットボタン17、ペイアウトボタン18、メダル投入口19が設けられている。メダルベットはメダル投入口19からメダルが投入されることで行われ、メダルベットされたベット数に応じた入賞ラインが有効化される。例えば投入されたメダルが1枚の場合には中央の入賞ライン10が、メダル2枚の場合には中央の入賞ライン10及び上方の入賞ライン11が、メダル3枚の場合には3本の入賞ライン10〜12がそれぞれ有効化される。なお、入賞ラインの本数及びメダルの投入により有効化される入賞ラインの本数は、これに限定する必要はなく、適宜設定されるものとする。また、メダルの投入には実際にメダルをメダル投入口19から投入する場合以外に、クレジットカウンタに精算されたメダルをベットボタン17によりベットすることも含む。
【0013】
メダルベットが行われた後にスタートレバー15が操作されると、第1〜第3リール6〜8が一斉に回転する。その後、ストップボタン16の押圧操作によってリールが停止され、全リールが停止したときに有効化された入賞ライン上に停止しているシンボルの組み合わせで、そのゲームにおける入賞の有無が決定され、シンボルの組み合わせが入賞に該当している場合に、入賞に応じて予め定められた枚数の配当メダルが受け皿20に払い出される。
【0014】
図2及び図3に示すように、第1〜第3リール6〜8は、それぞれ内リール25と外リール26との二重構成となっている。なお、図2では第1リール6のリール構成を示すものである。内リール25は耐久性のあるプラスチック素材で構成され、外周全体は例えば白色で不透明となっている。その外周面には、シンボル「スター」28、シンボル「7」29、シンボル「BAR」30、シンボル「2BAR」31、シンボル「WILD」32等の複数種のシンボルが所定ピッチでプリントされたシンボルシート27が巻き付けられている。なお、シンボル「スター」28は当たりに関与しないシンボルである。なお、本実施形態では第1〜第3リールを全て内リールと外リールとから構成したが、これに限定する必要はなく、内リールと外リールとからなるリールの個数はゲーム性を考慮して適宜設定してよい。
【0015】
このうち、シンボル「WILD」32はオールマイティシンボルであり、入賞ラインのいずれかにシンボル「WILD」32が停止した場合には、内リール25に配列された他のシンボルのいずれかとして扱うことができる。つまり、第1〜第3リール6〜8の停止時に中央の入賞ライン10上に停止するシンボルの組み合わせが「WILD−7−7」となる場合(図1参照)には、シンボル「WILD」32はシンボル「7」29として扱われるので入賞となる。また、シンボルの組み合わせが「WILD−WILD−7」となる場合には、シンボルの組み合わせ「7−7−7」として扱われ、シンボルの組み合わせが「WILD−WILD−WILD」となる場合には、特別に配当の大きな当たりの成立となり所定枚数のメダルの払い出しが行われる。
【0016】
外リール26は、その外周面となるリール体26aが透明なプラスチックで構成されており、外リール26を通して内リール25のシンボルを視認することが可能である。外リール26の外周面には、シンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37がランダムに形成された透明なシート34が巻き付けられている。
【0017】
外リール26の透明なシート34に形成されるシンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37は、不透明から形成されている。また、図3に示すように、透明なシート34に形成されるシンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37はそれぞれ同じ大きさから形成されており、これらシンボル(図3中2点鎖線でシンボルの大きさを示す)は、内リール25のシンボルシート27にプリントされたシンボルよりも大きく形成されている。これにより、これらのシンボルのいずれかが表示窓から表示されるように停止した場合には、内リール25のシンボルを被覆して、且つ表示された外リール26のシンボルを通して被覆された内リール25のシンボルを視認できないようになっている。
【0018】
なお、透明なシート34に配置されるシンボル「WILD」35とシンボル「DOUBLE」36との間はシンボル1個分のブランクシンボルが設けられている。また、同様にして、シンボル「DOUBLE」36とシンボル「TRIPLE」37との間はシンボル2個分のブランクシンボル、シンボル「TRIPLE」37とシンボル「WILD」35との間はシンボル3個分のブランクシンボルがそれぞれ設けられている。これにより、内リール25に巻き付けられるシンボルシート27のシンボルの数と、外リール26に巻き付けられる透明なシート34のシンボル(ブランクシンボルを含む)の数が同数となり、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとが対応するようになっている。
【0019】
シンボル「DOUBLE」36及びシンボル「TRIPLE」37は、シンボル「WILD」35と同様にオールマイティシンボルであり、第1〜第3リール6〜8のいずれか1つのリールのシンボル「DOUBLE」36が入賞に関与した場合には、入賞により得られる払出し枚数が2倍に、シンボル「TRIPLE」37の場合には払出し枚数が3倍になる。なお、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」の場合には、シンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」よりも多い配当枚数のメダルの払い出しが、シンボルの組み合わせ「TRIPLE−TRIPLE−TRIPLE」の場合にはシンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」よりも更に多い配当枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、上記いずれかのシンボルが同一の入賞ライン上に2つ停止した場合、例えばシンボルの組み合わせが「BAR−DOUBLE−DOUBLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となる場合に払い出されるメダルの4倍のメダルが払い出される。また、例えばシンボルの組み合わせが「BAR−DOUBLE−TRIPLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となる場合に払い出されるメダルの6倍のメダルが払い出される。
【0020】
なお、第2リール7及び第3リール8の内リール25及び外リール26にも同様のシンボルシートが巻き付けられているが、このシンボルシートに配置されるシンボルの種類、数、配列順序については適宜に変更可能であり、また、リールごとに異なるように設けてもよい。また、当たりの種類、配当も適宜設定する事ができる。
【0021】
内リール25と外リール26とには、それぞれ取付け板40,41が一体に形成されており、この取付け板40,41を介してステッピングモータに直結される。また、第2リール7及び第3リール8も、第1リール6と同様にそれぞれ内リールと外リールとから構成されており、外リールを通して内リールを視認できるようになっている。以下では、第2リール7及び第3リール8の構成が同じであるため、第1リールと同一の符号を用いて説明する。
【0022】
図4に示すように、メダルセンサ45はメダル投入口19の奥に設けられ、適正なメダルの投入を検知するごとにCPU46にメダル検知信号を入力する。CPU46は、このスロットマシン2の作動をプログラムROM47に格納されたゲームプログラムにしたがって統括して管理しており、ゲームの進行とは無関係な操作信号入力に対してはこれを無効化するようになっている。なお、CPU46ではメダルセンサ45からの出力信号を受けて有効化する入賞ラインの本数を識別した後に、ベット数に応じた入賞ラインを有効化する。そして、RAM48にベット数を一時的に保存する。
【0023】
スタートレバー15を操作するとスタート信号発生部49がオンとなり、CPU46にスタート信号が入力される。これを受けて、CPU46では外リール回転抽選部50を作動させる。外リール回転抽選部50は乱数発生器、乱数サンプリング回路、回転決定テーブルから構成されており、乱数値のサンプリングが行われるとともに、サンプリングされた乱数値が回転決定テーブルと照合される。これにより、第1〜第3リール6〜8の外リール26を回転させるか否かが決定される。外リール26を回転させることが決定された場合には、CPU46ではモータ制御部51にモータ駆動開始信号を出力する。モータ制御部51では、ドライバ52〜54及び55〜57を介してステッピングモータ58〜60及び61〜63を駆動させ、第1〜第3リール6〜8の内リール25及び外リール26のそれぞれを回転させる。
【0024】
一方、外リール26を駆動させないことが決定された場合、モータ制御部51ではドライバ52〜54を介してステッピングモータ58〜60を駆動させ、第1〜第3リール6〜8の内リール25のみを一斉に回転させる。また、ゲーム終了時には、モータ制御部51はドライバ55〜57を介してステッピングモータ61〜63を駆動させて外リール26を所定量回転させる。そして、各表示窓にシンボル3個分のブランクシンボルが表示される位置で外リール26のそれぞれを停止させる。
【0025】
CPU46は、スタート信号の入力により乱数発生部70を作動させる。これにより、1個の乱数値がランダムにサンプリングされ入賞判定部71に送られる。入賞判定部71は、第1入賞決定テーブル72又は第2入賞決定テーブル73のいずれかを用いてサンプリングされた乱数値と照合する。なお、第1入賞決定テーブル72は内リール25のみを回転させる場合に、第2入賞決定テーブル73は内リール25及び外リール26を回転させる場合にそれぞれ使用される。
【0026】
これら入賞決定テーブルでは、乱数発生部70で発生される全乱数値が当たりを発生させるグループとハズレのグループとに分けられており、当たりの乱数値グループがさらに当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させるシンボルの種類を決定するグループに分けられている。したがって、入賞判定部71と使用される入賞決定テーブルとにより、乱数値がサンプリングされた時点で当たりを出すか否か、当たりを出す場合にはどの入賞ライン上でどのシンボルの組み合わせで当たりを成立させるかを決定することができる。
【0027】
なお、第2入賞決定テーブル73の当たりとなるグループには、外リール26に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとで組み合わされる当たりのグループとに分けられている。このうち、外リール26に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループと、内リール25に配置されたシンボルのみで組み合わされる当たりのグループとには、さらに当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させる外リール26のシンボルの種類を決定するグループに分けられている。
【0028】
一方、内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとからなる当たりのグループは、当たりを発生させる入賞ライン及び入賞ライン上に停止させる内リール25及び外リール26のシンボルの種類を決定するグループに分けられている。内リール25のシンボルと外リール26のシンボルとからなる当たりのグループには、内リール25のみのシンボルで当たりとなる場合も含まれている。なお、このスロットマシン2では、内リール25のみのシンボルで組み合わされた当たりと、外リール26のみのシンボルで組み合わされた当たりとが同時に得ることができないようになっている。
【0029】
CPU46は、サンプリングされた乱数値と入賞決定テーブルとの照合により決定された当たり役の有無、当たりを発生させる場合の入賞ライン及び入賞ライン上に停止させるシンボルの種類、ハズレの場合の入賞ライン上に停止させるシンボルの種類などに基づき、内リール25のみが回転されている場合は内リールストップ信号発生部75、内リール25と外リール26とを回転させる場合には、内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76を作動させる。
【0030】
内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76は、抽選により決定された結果に基づいて決定された入賞ライン上に所定のシンボルが停止するように、各ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63の回転停止位置を表す停止位置データをCPU46に入力する。ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63は、ドライバ52〜54及びドライバ55〜57を介して入力される駆動パルスの個数に応じて単位ステップ角ずつ回転される。
【0031】
内リール25及び外リール26には基準位置を示す信号片が設けられ、その回転がフォトインタラプタで監視されている。そして、内リール25及び外リール26が一回転するごとにフォトインタラプタからリセット信号が得られ、駆動パルスの個数を係数するカウンタ80〜85の計数値が「0」にリセットされる。したがって、カウンタ80〜85の計数値はリール一回転以内での回転位置を表すことになる。リセット信号が得られるときの内リール25及び外リール26の回転位置と、内リール25及び外リール26に配列されたシンボルの種類及び配列は予め判っているから、ステッピングモータ58〜60及びステッピングモータ61〜63に供給される駆動パルスの個数を監視することによって、表示窓3〜5に現れるシンボルの種類を識別することが可能となる。なお、ストップボタン16が押圧操作されると、ストップ信号発生器86からCPU46にリールストップ信号が出力されるので、モータ制御部51ではカウンタ80〜82のカウント値と内リールストップ信号発生部75からの停止位置データとが一致した場合に、ステッピングモータ58〜60の駆動を停止させて内リール25の回転を停止させる。
【0032】
ランダムタイマー87は、第1〜第3リール6〜8の内リール25の全てが停止され、且つ外リール26が回転を開始した所定時間後に作動して、ランダムなタイミングで3個の外リールストップ信号を発生してCPU46に入力する。CPU46では、これらの外リールストップ信号をモータ制御部51に出力して、前述した内リール25の停止と同様の処理により外リール26の回転を停止させる。
【0033】
入賞確認部88は全てのリールが停止したとき、カウンタ80〜85の計数値を確認して入賞が表示されているか否かを確認する。通常は第1入賞決定テーブル72又は第2入賞決定テーブル73で決定されたシンボルが出ているはずであるが、ステッピングモータ58〜63の脱調などの不測の自体を考慮し、カウンタ80〜85の計数値に基づいて最終的に表示されているシンボルの確認をここで行うようにしている。メダル払い出し器89は有効化された入賞ライン上に入賞となるシンボルの組み合わせが表示されたことが確認されたときに、その入賞となるシンボルの組み合わせに応じた規定枚数のメダルを払い出す。
【0034】
次に、このようにして構成されたスロットマシン2の作用について図5のフローチャートを基に説明する。遊技者が所定枚数のメダルをメダル投入口19から投入すると、投入されたメダル枚数に対応する入賞ラインが有効化される。そして、遊技者がスタートボタン15を操作すると、CPU46では外リール回転抽選部50に抽選開始信号を出力する。これを受けて外リール回転抽選部50では、外リール26の回転の有無を決定する。なお、ゲームの開始時には、第1〜第3リール6〜8の外リール26は、シンボル3個分のブランクシンボルを表示窓3〜5から表示される位置で停止している。
【0035】
例えば外リール回転抽選部50で外リール26を回転させないことが決定されると、CPU46では乱数発生部70に乱数抽出信号を出力する。これを受けて、乱数発生部70では1つの乱数値を抽出し、入賞判定部71に抽出された乱数値を出力する。入賞判定部70では、第1入賞判定テーブル72を参照して当たりの有無を決定する。そして、当たりとなる場合には、当たりとなるシンボルの組み合わせを表示させる入賞ライン、また入賞ライン上に停止させるシンボルの種類が決定される。ハズレとなる場合にも、表示窓から表示させるシンボルの種類が決定される。これを受けて、内リールストップ信号発生部75では、ステッピングモータ58〜60の回転停止位置を表す停止位置データをCPU46に向けて出力する。なお、この停止位置データはRAM48に一時記憶される。同時に、CPU46ではモータ制御部51にモータ駆動開始信号を出力し、ドライバ52〜54を介してステッピングモータ58〜60を駆動させて、第1〜第3リール6〜8の内リール25を一斉に回転させる。
【0036】
遊技者によるストップボタン16の押圧操作が行われると、ストップ信号発生部86からCPU46にストップ信号が出力される。CPU46では、モータ制御部51にモータ停止信号と、RAM48に一時記憶された各リールの停止位置データを出力する。これらによりモータ制御部51では、内リール25に設けられたカウンタ80〜82のカウント値が停止位置データと一致した場合に、内リール25を停止させる。これにより、ストップボタン16が押圧操作されると第1〜第3リール6〜8の内リール25が順次停止していくことになる。内リール25が停止すると、入賞確認部88ではそれぞれのリールに設けられたカウンタ80〜82の計数値を確認して表示されたシンボルの確認及び入賞の有無の確認が行われる。そして、入賞が得られた場合にはメダル払い出し器89による入賞に対応して設けられた配当メダルの払い出しが行われる。なお、ハズレとなる場合には、メダルの払い出しは行われない。
【0037】
一方、外リール回転抽選部50で外リール26を回転させることが決定された場合には、モータ制御部51ではドライバ52〜54を介して第1〜第3リール6〜8の内リール25を回転させるとともに、入賞判定部71では乱数発生部70で抽出された乱数値と、第2入賞決定テーブル73とから当たりの有無を決定する。そして、入賞判定部71により決定された結果に基づいて内リールストップ信号発生部75及び外リールストップ信号発生部76では、各ステッピングモータの停止信号データを決定し、RAM48に一時記憶させる。その後、遊技者によるストップボタン16の押圧操作を受けると、第1〜第3リール6〜8の内リール25を停止信号データに基づく位置で順次停止させていく。
【0038】
ストップボタン16の押圧操作により第1〜第3リール6〜8の内リール25が全て停止すると、第1〜第3リール6〜8の外リール26の回転が開始される。そして、ランダムタイマー87が作動し、所定時間が経過した後に、ランダムなタイミングで3個の外リールストップ信号を発生してCPU46に出力する。これら外リールストップ信号はCPU46を介してモータ制御部51に出力され、外リールストップ信号発生部76からの停止信号データとカウンタ83〜85のカウンタ値が一致した場合に、第1〜第3リール6〜8の外リール26が停止されていく。入賞確認部88では表示されたシンボル及び有効化された入賞ラインから入賞の有無を確認する。そして、入賞が得られた場合にのみ、その入賞に対するメダルの払い出しが行われる。なお、外リール26を回転させた場合には、メダルの払い出しと同時に、シンボル3個分のブランクシンボルが表示される位置まで外リール26を回転させる。
【0039】
図6に示すように、例えば入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により、内リール25のみで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に停止させるシンボルの組み合わせが「BAR−BAR−BAR」からなる当たりとなる場合には、ストップボタン16の押圧操作により、中央の入賞ライン10上にシンボル「BAR」30が停止するように第1〜第3リール6〜8の内リール25が順次停止していく(図6は、第1リール6→第2リール7→第3リール8の順で停止された場合であり、停止順序はこれに限定されない)。そして、第1〜第3リール6〜8の内リール25が全て停止すると、第1〜第3リール6〜8の外リール26が回転し、ランダムなタイミングで停止していく。
【0040】
例えば、第1リール6の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「WILD」35を、第2リール7の外リール26では入賞ライン11上にシンボル「DOUBLE」36を、第3リール8の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「TRIPLE」37をそれぞれ停止させる。この際、第1リール6の内リール25のシンボル「2BAR」31は外リール26のシンボル「WILD」35により、第2リール7の内リール25のシンボル「スター」28は外リール26のシンボル「DOUBLE」36により、第3リール8の内リール25のシンボル「スター」28は外リール26のシンボル「TRIPLE」37によりそれぞれ被覆され、これら内リール25のシンボルを被覆する外リール26のシンボルが当たりに関与するシンボルとなる。なお、外リール26に配置されるシンボルは不透明であり、且つ内リール25のシンボルよりも大きく形成されているので、外リール26のシンボルにより被覆された内リール25のシンボルは各表示窓から視認されることがなく、表示されるシンボルを見づらくさせることがない。また、内リール25及び外リール26の停止時に停止位置のずれが生じた場合でも、外リール26のシンボルが内リール25のシンボルよりも大きいので、外リール26のシンボルにより内リール25のシンボルを確実に被覆することが可能となる。
【0041】
これにより、入賞ライン11のシンボルの組み合わせが「スター−スター−スター」から「スター−DOUBLE−スター」、入賞ライン12のシンボルの組み合わせが「2BAR−スター−スター」から「WILD−スター−TRIPLE」にそれぞれ変化するが、シンボル「スター」28は当たりに関与しないシンボルなので入賞ライン11、12上のシンボルの組み合わせは当たりとなるシンボルの組み合わせとはならない。そして、入賞ライン10上では、内リール25のシンボルから構成されたシンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」となるので当たりが確定する。これを受けて、所定枚数のメダルの払い出しが行われる。この場合、内リール25を全て停止させた後に外リール26を停止させることで、内リール25によるシンボルの組み合わせ「BAR−BAR−BAR」よりも多い配当枚数となる当たりへの期待感を遊技者に対して与えることが可能となる。
【0042】
また、図7に示すように、入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により外リール26のみで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に停止させるシンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」からなる当たりとなる場合には、ストップボタン16の押圧操作時には同一の入賞ライン上に同一のシンボルが停止しないように第1〜第3リール6〜8の内リール25の回転が順次停止していく。そして、内リール25が全て停止した後に、第1〜第3リール6〜8の外リール26が回転を開始して、所定時間後にシンボル「DOUBLE」36が中央の入賞ライン10上に揃うように外リール26がランダムに停止する。
【0043】
このとき、第1リール6の内リール25のシンボル「BAR」30、第2リール7及び第3リール8のシンボル「スター」28は、それぞれ外リール26のシンボル「DOUBLE」36に被覆され、外リール26のシンボル「DOUBLE」36が当たりに関与するシンボルとなる。これにより、入賞ライン10上のシンボルの組み合わせが「BAR−スター−スター」から「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」に変化する。なお、シンボル「DOUBLE」はオールマイティシンボルであり、メダル払い出し枚数はシンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」よりも更に配当の大きなメダルの払い出しとなる。なお、シンボルの組み合わせ「WILD−WILD−WILD」となる場合には、シンボルの組み合わせ「7−7−7」よりも配当の大きな当たりの成立となって所定枚数のメダルの払い出しが行われる。さらに、シンボルの組み合わせ「TRIPLE−TRIPLE−TRIPLE」となる場合には、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−DOUBLE−DOUBLE」からなる当たりよりも更に配当の大きなメダルの払い出しが行われる。この場合には、遊技者のストップボタン16の操作により停止される内リール25のシンボルでは入賞を得ることはできないが、その後に回転される第1〜第3リール6〜8の外リール26の停止により当たりを得ることができるため、遊技者に対して外リール26での当たりに対する期待感を与えることができる。
【0044】
また、図8に示すように、入賞判定部71及び第2入賞決定テーブル73により内リール25と外リール26との組み合わせで当たりとなり、且つ中央の入賞ライン10上に当たりとなるシンボルの組み合わせを停止させる場合には、例えばストップボタン16の押圧操作時には、第1リール6の内リール25ではシンボル「BAR」30が、第2リール7及び第3リール8の内リール25ではシンボル「7」29がそれぞれ中央の入賞ライン10上に停止する。その後、第1〜第3リール6〜8の外リールが回転を開始して、第1リール6の外リール26では入賞ライン10上にシンボル「WILD」35を、第2リール7の外リール26では入賞ライン上11にシンボル「DOUBLE」36を、第3リール8の外リール26では入賞ライン12上にシンボル「TRIPLE」37を表示させるように停止する。
【0045】
これにより、内リール25に表示されたシンボルが外リール26に表示されたシンボルにより被覆されて、入賞ライン10上のシンボルの組み合わせが「BAR−7−7」から「WILD−7−7」に、入賞ライン11上のシンボルの組み合わせが「スター−スター−スター」から「スター−DOUBLE−スター」に、入賞ライン12上のシンボルの組み合わせが「2BAR−スター−スター」から「2BAR−スター−TRIPLE」にそれぞれ変化する。このとき、入賞ライン10上のシンボル「WILD」35はオールマイティシンボルであるから、シンボル「WILD」35はシンボル「7」30として扱われ入賞となり、シンボルの組み合わせ「7−7−7」として所定枚数のメダルの払い出しが行われる。この場合、、内リール25のみで入賞を得ることができないが、内リール25全てが停止した後の外リール26の停止状態によっては入賞を得ることが可能となり、遊技者は外リール26に対する期待感を持つことができる。なお、この場合の当たりに対して使用される外リール26は、第1リール6に限定されず、第2リール7及び第3リール8でもよい。
【0046】
内リール25のシンボル及び外リール26のシンボルの組み合わせからなる当たりの場合には、内リール25のシンボルのみで当たりとなる場合がある。図9に示すように、例えば内リール25のシンボル「7」29が中央の入賞ライン10上に揃う場合には内リール25のみで入賞となるが、内リール25の全てが停止した後に外リール26が回転するので、第1〜第3リール6〜8の外リール26の停止次第では、当たりとなるシンボルの組み合わせ「7−7−7」又はそれ以上の当たりとなる可能性がある。
【0047】
例えば第1リール6の外リール26のシンボル「DOUBLE」36が入賞ライン10上に位置するように停止した場合には、シンボル「DOUBLE」36が内リールのシンボル「7」29を被覆し、シンボルの組み合わせが「7−7−7」から「DOUBLE−7−7」に変化する。シンボル「DOUBLE」はオールマイティシンボルであり、且つ2倍のメダル払い出しとなるから、この場合には、シンボルの組み合わせ「DOUBLE−7−7」はシンボルの組み合わせ「7−7−7」の2倍のメダル払い出しとなる。なお、この場合、シンボル「DOUBLE」の代わりにシンボル「TRIPLE」が停止すると、シンボルの組み合わせ「7−7−7」の3倍のメダル払い出しが行われる。これにより、遊技者に対してメダルの払い出し枚数の多い当たりに対する期待感を与えることができる。なお、外リール26を回転させる場合に、入賞判定部71でハズレとなるときには、内リール25のシンボルと、外リール26のシンボルとで当たりとなるシンボルの組み合わせとならないように、第1〜第3リール6〜8の内リール25が停止した後に外リール26が回転するが、外リール26が停止しても、入賞ライン上には当たりとなるシンボルの組み合わせは揃うことがない。
【0048】
本実施形態では、外リール26に巻き付けられる透明なシート34に形成されたシンボルのみを不透明としたが、これに限定する必要はなく、シンボルとその外周部分も不透明とし、内リールのシンボルよりも大きく形成してもよい。また、図10に示すように、外リール26に巻き付けられる透明なシート34及び内リール25のシンボルシート27は配置されるシンボルの個数分に区分けされており(以下、区分けされた部分をコマと称す。)、このコマ1つ1つにシンボルが形成される(なお、構成が同じであるため、本実施形態と同じ符号を用いて説明する。)。このうち、外リール26に巻き付けられる透明なシート34において、シンボル「WILD」35、シンボル「DOUBLE」36、シンボル「TRIPLE」37及びこれらシンボルの周縁部(図中斜線部)をコマ1個分から形成する。これにより、内リール25及び外リール26の停止時の位置ずれが生じた場合でも、確実に外リール26のシンボルにより内リール25のシンボルを被覆することができ、表示状態をすっきりさせることができる。なお、上述しのシンボルシート27及び透明なシート34をシンボルの個数分に区分けしたそれぞれの領域は、シンボルが配置される範囲を示すものであり、外見上、線引きして示すものではない。
【0049】
本実施形態では、ゲームの際に外リール26を回転させた場合には、そのゲームの終了後に外リール26を回転させ、シンボル3個分のブランクシンボルを表示させる位置で停止させるようにしたが、これに限定させる必要はなく、例えばゲーム終了後に外リール26を回転させずに、そのまま次のゲームを行うようにしてもよい。なお、構成が同じである箇所については、本実施形態と同じ符号を用いて説明する。内リール25を回転させた場合に使用される入賞決定テーブルを外リール26の表示状態に合わせて複数個設ける。これら入賞決定テーブルの当たりとなるグループに、表示される外リール26のシンボルを利用した当たりのグループと、表示された外リール26のシンボルを使用しない当たりのグループとを設ける。さらに、表示される外リール26のシンボルを利用した当たりのグループは、表示された外リール26のシンボルの種類、そのシンボルが停止する入賞ラインの位置、及びその入賞ラインに停止させる内リール25のシンボルの種類とからなる複数のグループを設ける。また、ハズレとなるグループには、表示された外リール26のシンボルが停止する入賞ラインの位置、及びその入賞ラインに停止させる内リール25のシンボルの種類からなる複数のグループに分けられている。
【0050】
この場合、図11に示すように、スタートレバー15の操作によるゲームの開始時に、CPU46では、第1〜第3リール6〜8の外リール26に設けられたカウンタ83〜85の計数値を参照し、表示窓3〜5から表示される外リール26のシンボルを判定する。同時に、CPU46では外リール回転抽選部50を作動させ、外リール26を回転させるか否かの決定を行わせる。外リール26を回転させない場合には、入賞判定部71では表示窓3〜5に表示された外リール26のシンボルの表示状態に合わせた入賞決定テーブルを用いた当たりの有無の決定が行われる。そして、ストップボタン16の押圧操作に応じて、入賞判定部71で決定された結果となるように第1〜第3リール6〜8の内リール25を停止させる。そして、シンボルの組み合わせが当たりとなる場合に所定枚数のメダルの払い出しが行われる。
【0051】
本実施形態では、スタートレバー15の押下により回転する第1〜第3リール6〜8をストップボタン16の押圧操作により停止させるようにしたが、これに限定する必要はなく、回転させたリールを自動停止させるようにしてもよい。この場合、第1〜第3リール6〜8を停止させるための制御プログラムを設け、この制御プログラムに基づいて第1〜第3リール6〜8のそれぞれを停止させるようにする。この際、第1〜第3リール6〜8の停止順序、停止時期等はゲーム性を考慮して適宜設定してよい。
【0052】
本実施形態では、スタートレバー15の押下ともに、外リール26を回転させるか否かの抽選を行うようにしたが、これに限定する必要はなく、ゲーム性を考慮して適宜のタイミングで行わせるようにしてよい。例えば内リール25におけるシンボルの組み合わせが所定のシンボルの組み合わせになる場合に、外リール26を回転させるか否かの抽選を行うようにしてもよい。また、入賞判定部71で特定のシンボルの組み合わせが所定回数当選した場合や、特定のシンボルの組み合わせが入賞した場合に、外リール26を回転させるか否かの抽選を行い、次のゲームで外リール26を回転させるようにしてもよい。また、外リール26を回転させるか否かの抽選を行わずにゲーム毎に外リール26を回転させるようにしてもよい。
【0053】
本実施形態では、内リール25のみで構成されたシンボルの組み合わせで入賞を得られる場合に外リール26のシンボルによりさらに多くのメダルを得られる可能性を持たせるようにしたが、これに限定する必要はなく、例えば、外リール26のシンボルにより払い出し枚数の少ないシンボルの組み合わせになるようにしてもよい。また、外リール26のシンボルにオールマイティとなるシンボルの他に、内リールで使用されるシンボルを配置させて、内リール25のシンボルのみで当たりとなるシンボルの組み合わせとなる場合に、このシンボルの組み合わせのいずれかのシンボルに外リールのシンボル(オールマイティシンボル以外)を被覆させることにより、ハズレとなるシンボルの組み合わせとなるようにしてもよい。
【0054】
本実施形態では、シンボル表示装置をスロットマシンに搭載した場合について述べたが、この他にパチンコ機や他の遊技機に搭載させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の遊技機用シンボル表示装置によれば、複数のリールのうちの少なくとも1つのリールを、複数種のシンボルが配列される内リールと、少なくとも1つ以上のシンボルが配置された透明な外リールとから構成し、前記複数のリールの停止時に表示窓から表示される内リールのシンボルを外リールのシンボルのいずれかで被覆させることにより、前記表示窓から表示されるシンボルの表示態様を変更することができるようにしたから、入賞形態を多様化することができるとともに、入賞に対する期待感を持続させることができる。
【0056】
また、外リールに配置されたシンボルを不透明にしたり、外リールに配置されたシンボルとその周縁部を不透明にすることで、外リールのシンボルにより内リールのシンボルを確実に被覆させシンボルの表示態様をすっきりさせることができる。また、外リールのシンボルを内リールのシンボルよりも大きく形成したり、外リールのシンボル及びその周縁部を内リールよりも大きくすることで、内リール及び外リールの停止の際に位置ずれが生じても、内リールのシンボルを外リールのシンボルで確実に被覆させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】第1リールの構成の概略を示す斜視図である。
【図3】内リールのシンボルの配列と、外リールのシンボルの配列とを示す説明図である。
【図4】スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図5】ゲームの流れを示すフローチャートである。
【図6】外リールを回転させた場合で、かつ内リールのシンボルのみで当たりとなる場合のシンボルの表示状態の一例を示す説明図である。
【図7】外リールを回転させた場合で、かつ外リールのシンボルのみで当たりとなる場合のシンボルの表示状態の一例を示す説明図である。
【図8】外リールを回転させた場合で、かつ内リールのシンボルと外リールのシンボルとで当たりとなる場合のシンボルの表示状態を示すの一例を示す説明図である。
【図9】内リールのシンボルで当たりとなるシンボルの組み合わせとなるときに、外リールのシンボルによりメダル払い出しの多い当たりとなる場合のシンボルの表示状態を示すの一例を示す説明図である。
【図10】外リールのシンボル及びその周縁部を、1コマとした場合のシンボルの配列を示す説明図である。
【図11】別の実施形態の場合のゲームの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 スロットマシン
3,4,5 表示窓
6 第1リール
7 第2リール
8 第3リール
15 スタートレバー
25 内リール
26 外リール
38 シンボル表示装置
46 CPU
50 外リール回転抽選部
Claims (7)
- 外周面に複数種のシンボルが配列された複数のリールを、これら複数のリールに対応して設けられた表示窓の奥で回転させ、前記複数のリールの停止時に、これらリールの外周面に配列された複数種のシンボルのいずれかを前記表示窓から表示させるようにした遊技機用シンボル表示装置において、
前記複数のリールのうちの少なくとも1つのリールを、前記複数種のシンボルが配列された内リールと、少なくとも1つ以上のシンボルが配置された透明な外リールとから構成し、
前記複数のリールの停止時に前記表示窓から表示される内リールのシンボルを外リールのシンボルのいずれかで被覆させることにより、前記表示窓から表示されるシンボルの表示態様を変更することができるようにしたことを特徴とする遊技機用シンボル表示装置。 - 前記外リールに配置されるシンボルは不透明であることを特徴とする請求項1記載の遊技機用シンボル表示装置。
- 前記外リールに配置されるシンボルの周縁部を、不透明から形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機用シンボル表示装置。
- 前記外リールに配置されるシンボル及びその周縁部は、前記外リールの外周面を周方向に、且つ所定数に区分けされた複数の領域の内の1コマ分の領域からなることを特徴とする請求項3記載の遊技機用シンボル表示装置。
- 前記外リールに配置された不透明なシンボルは、内リールに配列されたシンボルよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機用シンボル表示装置。
- 前記外リールに配置された不透明なシンボル及びその周縁部は、内リールに配列されたシンボルよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の遊技機用シンボル表示装置。
- 前記外リールに形成されたシンボルは、内リールに配列されたシンボルの組み合わせからなる当たりと価値が等しい当たり、又は価値の大きい当たりのいずれかを構成するシンボルであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の遊技機用シンボル表示装置。
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