JP4245877B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抽選により決定された内部入賞態様とは異なる偽った内部入賞態様に基づく演出が所定確率で行われる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような遊技機としてはスロットマシンがある。
【0003】
スロットマシン遊技では、メダルが投入されてスタートレバーが操作されると、主制御回路の入賞態様決定手段によって抽選により内部入賞態様が決定され、外周面に複数の図柄が描かれた複数のリールが回転を開始する。その後、ストップボタンが操作されて、内部入賞態様に応じた所定の図柄組み合わせでリールが停止すると、入賞が発生する。決定された内部入賞態様がボーナス入賞態様の場合は、停止したリールが所定の図柄組み合わせではなくても、次回以降の遊技にその内部当選フラグが持ち越される。従って、次回以降の遊技でボーナス入賞態様に対応する図柄組み合わせでリールが停止すれば、ボーナス入賞が発生する。
【0004】
また、主制御回路で決定された内部入賞態様に関する情報は、所定の確率で他の内部入賞態様に偽られ、演出を制御する副制御回路へ送信されている。副制御回路では、受信した情報に基づいて一連の遊技の演出が制御される。例えば、受信された内部入賞態様がボーナス入賞態様の場合は、筐体前面に設けられた液晶表示装置がボーナス内部当選を報知する表示をしたり、前面パネルに設けられたボーナス確定ランプが点灯したりする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスロットマシンにおいては、極僅かな所定の確率で、入賞態様決定手段で決定された内部入賞態様とは違う偽の内部入賞態様が主制御回路から副制御回路へ送信されているため、実際に決定された内部入賞態様とは異なる内部入賞態様に基づく遊技の演出が行われることがあった。従って、ボーナス入賞態様が偽って副制御回路に送信された場合は、ボーナス内部当選を報知する演出が行われたものの、ボーナス入賞態様がいつまで経っても発生しないという現象が起こってしまい、遊技者は非常に不愉快な思いをする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、抽選により内部入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、この入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様で遊技処理を行う遊技処理手段と、入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様を所定の確率で他の内部入賞態様に偽る偽入賞態様決定手段と、この偽入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様に基づく遊技の演出を行う演出手段とを備えて構成される遊技機において、偽った特定の内部入賞態様にのみ基づいて行われ、偽った特定の内部入賞態様以外の他の内部入賞態様に基づいては行われない演出が演出手段により行われた場合に遊技者に有利な特典遊技を行う特典遊技実行手段を備え、特定の内部入賞態様は、当回の遊技で入賞が発生しなかった場合に入賞態様決定手段によってその当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様であり、特典遊技実行手段は、このボーナス入賞態様の当選フラグが前回の遊技において偽入賞態様決定手段で発生し、かつ、今回の遊技にこのボーナス入賞態様の当選フラグが偽入賞態様決定手段で持ち越されなかった場合に、前回の遊技で演出手段が行った演出は偽ったボーナス入賞態様に基づく演出であったと判断することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、偽入賞態様決定手段で決定された偽った特定の内部入賞態様に基づく演出が演出手段により行われた場合は、遊技者に有利な特典遊技、例えば、入賞態様決定手段で決定された内部入賞態様の入賞の発生を案内するアシストタイム遊技が行われる。従って、遊技者は、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われたものの、特定の入賞態様が発生しない不愉快さを特典遊技の恩恵によって補うことが出来る。
【0009】
また、ボーナス入賞態様に基づく演出が行われた遊技の次の遊技で、ボーナス入賞態様の内部当選フラグが持ち越されていなければ、偽りのボーナス入賞演出が行われたと判断され、特典遊技が実行される。
【0011】
また、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われることにより、内部入賞態様が特定の入賞態様に確定していることが遊技者に示唆される。従って、特定の内部入賞態様に基づく演出以外の演出が行われた場合に、遊技者は内部入賞態様が特定の内部入賞態様に確定していると認識することは無い。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。
【0013】
図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図である。
【0014】
スロットマシン1の本体中央部には、3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技者が遊技に賭ける遊技媒体であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。
【0015】
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインが有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインが加わって横3本の入賞ラインが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインが加わって5本の入賞ライン全てが有効化される。
【0016】
また、表示窓5〜7の左方には、上部から、4個のチャンスLED(発光ダイオード)9〜12、3個の遊技動作表示ランプ13〜15、貯留枚数表示部16、スタートランプ17、およびAT(アシストタイム)確定ランプ18が設けられている。チャンスLED9〜12および遊技動作表示ランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。AT確定ランプ18は、後述するAT遊技の実行が抽選によって当選したときに点灯する。
【0017】
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナス確定ランプ19、ボーナスカウント表示部20、WINランプ21、配当枚数表示部22、およびインサートランプ23が設けられている。ボーナス確定ランプ19は、後述する確率抽選においてボーナス入賞態様が内部当選したときに点灯する。ボーナスカウント表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームおよびジャックゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ21は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時に点灯する。配当枚数表示部22は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ23はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
【0018】
また、表示窓5〜7の上方左右には、ドットマトリクス表示装置24が対で設けられている。各ドットマトリクス表示装置24は、8×8個のLEDがドットマトリクス状に配置されて構成されており、種々の情報が絵や文字、数字等で表示される。これら各ドットマトリクス表示装置24,24の間には、遊技者に遊技情報を報知する演出回転リール25が設けられている。また、各ドットマトリクス表示装置24の下方には遊技音や演出音等を出音するスピーカ96が対で設けられており、これら各スピーカ96,96の間には、ゲーム数のカウント値等が表示される7セグ26が設けられている。この7セグ26は3桁の7セグメントLEDから構成されている。
【0019】
また、表示窓5〜7の下方左側には1貯留メダル投入スイッチ27および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。これら貯留メダル投入スイッチ27,28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されて貯留されているとき、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1枚,3枚のメダルを賭ける際に使用される。なお、ここでは1回のゲームに2枚のメダルを賭ける際に使用される2貯留メダル投入スイッチが設けられていないが、この2貯留メダル投入スイッチを設ける構成とすることもできる。
【0020】
3貯留メダル投入スイッチ28は最も頻繁に使用されるため、操作し易いようにコントロールパネル面の遊技者側において、その操作頭部がパネル面から盛り上がって構成されており、操作頭部がパネル面とほぼ面一になるとスイッチが作動する。1貯留メダル投入スイッチ27はあまり使用されないため、3貯留メダル投入スイッチ28の背後のコントロールパネル面において、その操作頭部がパネル面とほぼ面一に構成されており、操作頭部がパネル面から沈み込むとスイッチが作動する。メダル投入口8の下方には貯留メダル精算スイッチ29が設けられており、この貯留メダル精算スイッチ29は機械内部に貯留されているメダルを精算する際に使用される。
【0021】
また、貯留メダル投入スイッチ27,28の下方にはスタートレバー30が設けられており、このスタートレバー30の右方の機器中央部にはストップボタン31,32,33が設けられている。スタートレバー30の操作により各リール2〜4の回転が一斉に開始する。ストップボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したとき操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止させる。
【0022】
また、スロットマシン1の正面下部にはメダル受皿34が設けられている。このメダル受皿34はメダル払出口35から払い出されるメダルを貯めるものである。このメダル受皿34の上部にはキャラクタ等の絵が描かれた腰部パネル36が設けられており、この腰部パネル36には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表も描かれている。
【0023】
次に、本実施形態によるスロットマシン1で行われる(1)一般遊技,(2)R・Bゲームおよび(3)B・Bゲームの概要について説明する。本実施形態においては、遊技のモチーフが「西遊記」に設定されており、各リール2〜4の外周には西遊記に関連するシンボルが描かれている。
【0024】
(1)一般遊技
一般遊技時においては、山の絵からなるシンボル「山」、ベルの絵からなるシンボル「ベル」、またはキャラクタが集合する絵からなるシンボル「グループ」のいずれかの3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに並ぶと小当たり入賞となり、12枚、8枚、または4枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、チェリーの絵からなるシンボル「チェリー」が第1リール2の入賞ラインに停止すると小当たり入賞となり、2枚の配当が遊技者に払い出されて1ゲーム終了となる。また、「西遊記」の文字からなるシンボル「再遊技」の3個の組み合わせが入賞ラインに揃うと、メダル投入をしなくても再度ゲームを行うことができる。また、孫悟空の絵からなるシンボル「悟空」、または数字の7からなるシンボル「セブン」のいずれかの3個のシンボル組み合わせが入賞ラインに揃うと大当たり入賞となり、15枚のメダルが払い出された後、B・B中一般遊技とボーナスゲームとがセットで複数回行える下記のB・Bゲームに移行する。また、シンボル「悟空」2個とシンボル「セブン」1個との混合の組み合わせが入賞ラインに揃うと中当たり入賞となり、3枚のメダルが払い出された後、1回のボーナスゲームが行える下記のR・Bゲームに移行する。また、入賞ライン上に並んだシンボル組合せが上記のいずれにも該当しない場合には、「はずれ」(配当無し)となる。
【0025】
(2)R・Bゲーム
R・Bゲームは、一般遊技中に上記のシンボル組み合わせが入賞ライン上に並ぶと発生する。R・Bゲームでは、ジャックゲームと呼ばれるメダル1枚掛けのゲームを複数回行える。このジャックゲームにおいて中央の横1本の入賞ライン上に再遊技のシンボルの3個の組合せが並ぶとジャックゲーム入賞が発生し、15枚のメダルが払い出される。ジャックゲームには「はずれ」も発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。このR・Bゲームは、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはR・Bゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0026】
(3)B・Bゲーム
▲1▼B・Bゲームは、上記のR・BゲームとB・B中一般遊技とが一組になったものが複数セットで構成されている。B・Bゲームが発生すると、まず、B・B中一般遊技が実行される。このB・B中一般遊技では「はずれ」も発生するが、シンボル「山」、「ベル」、「グループ」、「チェリー」による小当たり入賞が、(1)で上記したB・Bゲーム中以外の一般遊技時に比べて高い確率で発生する。
【0027】
▲2▼また、このB・B中一般遊技において再遊技のシンボルの3個の組合せが有効化入賞ライン上に並ぶと、2枚のコインが払い出される。
【0028】
▲3▼その後、複数回のジャックゲームが行えるR・Bゲームであるボーナスゲームへ移行する。このB・Bゲーム中におけるボーナスゲームも、例えばジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはボーナスゲーム中に実行された通算のジャックゲーム数が例えば12回に達すると終了する。
【0029】
▲4▼上記のボーナスゲームが終了すると、上記の▲1▼で説明したB・B中一般遊技が再度行われ、このB・B中一般遊技において上記の▲2▼で説明したシンボル組合せが発生すると、その後さらに上記の▲3▼で説明したボーナスゲームが行われる。B・Bゲームは、上記▲1▼〜▲3▼に示されるB・B中一般遊技およびボーナスゲームの一連のゲームのセットの繰り返しであり、このセットが所定回数、例えば2回行われるとB・Bゲームは終了となる。ただし、このB・Bゲーム中に、上記の▲1▼および▲2▼のB・B中一般遊技における通算ゲーム回数、言い換えれば上記▲3▼のボーナスゲーム時におけるジャックゲーム数を除く通算ゲーム回数が所定回数、例えば30回を越える場合にも、B・Bゲームは終了する。
【0030】
図2および図3は、上述したスロットマシン1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
【0031】
図2に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
【0032】
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。プログラムROM65は、確率抽選テーブル、シンボルテーブル、入賞シンボル組合せテーブル、擬似当選フラグ抽選テーブルおよびシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。マイコン63は、抽選により内部入賞態様を決定する入賞態様決定手段を構成している。また、マイコン63は、この入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様で遊技処理を行う遊技処理手段を構成している。また、マイコン63は、入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様を所定の確率で他の内部入賞態様に偽る偽入賞態様決定手段をも構成している。
【0033】
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2,3,4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(遊技動作表示ランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ21、インサートランプ23)、各種表示部(チャンスLED9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部20、入賞配当枚数表示部22)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
【0034】
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ27,28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。さらに、ホトセンサからの出力パルス信号を受けて各リール2,3,4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサは各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
【0035】
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサは各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
【0036】
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ストップボタン31,32,33が押された時に対応するリールを停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
【0037】
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図3に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
【0038】
サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
【0039】
マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、演出回転リール25を回転駆動するステッピングモータ97、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a,47b,47c、AT確定ランプ18、ボーナス確定ランプ19、およびドットマトリクス表示装置24がある。これらはそれぞれモータ駆動回路92、ランプ駆動回路89、およびLED駆動回路90によって駆動される。これら各駆動回路89,90,92は、マイコン81のI/Oポート87を介してCPU82に接続されている。
【0040】
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、演出回転リール25の回転位置を検出するリール位置検出回路93がある。リール位置検出回路93は、演出回転リール25の回転が開始された後、ステッピングモータ97に供給される駆動パルスの数を計数する。この計数値は制御RAM84の所定エリアに書き込まれ、CPU82はこの計数値から演出回転リール25の回転位置を把握する。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった遊技開始情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技開始情報に基づき、リールバックランプ47a,47b,47cのフラッシュパターンや、ドットマトリクス表示装置24および演出回転リール25によって表示する演出パターンを選択する。
【0041】
また、I/Oポート87には音源IC91が接続されている。音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96から各種サウンドを放音させる。つまり、マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,ストップボタン操作音,ボーナス中の効果音といった遊技処理に応じて出音される遊技効果音や演出音等をスピーカ96,96から出力させる。
【0042】
マイコン81は、メイン制御基板61のマイコン63からなる前述の偽入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様に基づく遊技の演出を行う演出手段を構成している。また、マイコン81は、この演出手段により偽った特定の内部入賞態様に基づく演出が行われた場合に遊技者に有利な特典遊技を行う特典遊技実行手段を構成している。本実施形態においては、特定の内部入賞態様は、当回の遊技で入賞が発生しなかった場合に入賞態様決定手段によってその当選フラグが次回の遊技に持ち越されるBBおよびRBのボーナス入賞態様に設定されている。また、特典遊技として、入賞態様決定手段で決定された内部入賞態様の発生を案内するアシストタイム(AT)遊技が行われる。AT遊技は、リールバックランプ47a,47b,47cの点灯順によって入賞を発生させるリール2〜4の停止順を案内する遊技である。マイコン81は、ボーナス入賞態様の当選フラグが前回の遊技において偽入賞態様決定手段で発生し、かつ、今回の遊技にこのボーナス入賞態様の当選フラグが偽入賞態様決定手段で持ち越されなかった場合に、前回の遊技で行ったボーナス演出は偽ったボーナス入賞態様に基づく演出であったと判断する。
【0043】
図4は、メイン制御基板61のプログラムROM65内に格納された一般遊技中に使用される確率抽選テーブルを概念的に示している。この確率抽選テーブルは、一般遊技中にサンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区分けするために使用され、乱数発生器69で発生する一定範囲の乱数を各入賞態様に区画するデータを記憶している。同図におけるa1〜a3,b1〜b3,c1〜c3,d1〜d3,e1〜e3,f1〜f3,g1〜g3は予め設定された数値データであり、サンプリング回路70で抽出された乱数を各入賞態様に区画する際に用いられる。このデータは、投入メダル枚数が1枚の場合には「a1〜g1」、2枚の場合には「a2〜g2」、3枚の場合には「a3〜g3」の各数値の組合せが用いられる。
【0044】
これら数値は通常「a<b<c<d<e<f<g」の大小関係に設定され、抽出された乱数値がd未満であれば小当たり入賞(小ヒット)となり、この場合、a未満の場合には「チェリー」当たり要求フラグが立ち、a以上b未満の場合には「グループ」当たり要求フラグ、b以上c未満の場合には「ベル」当たり要求フラグ、c以上d未満の場合には「山」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がd以上e未満であれば「再遊技」当たり要求フラグが立つ。また、抽出された乱数値がe以上f未満であれば中当たり入賞(中ヒット)となって「RB」当たり要求フラグが立ち、抽出された乱数値がf以上g未満であれば大当たり入賞(大ヒット)となって「BB」当たり要求フラグが立つ。また、g以上であれば入賞なしの「はずれ」になる。つまり、入賞態様は、サンプリングされた1つの乱数値がこのどの数値範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。
【0045】
「BB」または「RB」のボーナス当たり要求フラグは、フラグが立てられた回の遊技でボーナス入賞が発生しなくても、以降の遊技に持ち越される。持ち越されたボーナス当たり要求フラグは、「BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、クリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
【0046】
図5は、メイン制御基板61のプログラムROM65内に格納された擬似当選フラグ抽選テーブルを概念的に示している。この擬似当選フラグ抽選テーブルは、上記の図4に示す確率抽選テーブルによって決定された内部入賞態様を偽入賞態様決定手段が所定の確率で他の内部入賞態様に偽るために使用されるものであり、偽入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様は擬似当選フラグとして表される。演出手段であるサブ制御基板62のマイコン81へは、入賞態様決定手段によって決定された実際の当選フラグではなく、この擬似当選フラグが送信される。
【0047】
同テーブルは、情報欄の行方向にその種類がコードとして示された実際の内部当選フラグを、列方向にその種類がコードとして示されたいずれかの擬似当選フラグに割り当てるものである。この割り当ては、0〜16777215の乱数範囲から抽出した乱数が、実際の各内部当選フラグ毎に列方向に並べられた数値「1」と数値「A(=16777199)」とからなる18の区画のいずれに該当するかを判別することにより、行われる。コード00H,01H,02H,04H,08H,10H,20H,および40Hで示される当選フラグ「ハズレ」,「チェリー」,「グループ」,「ベル」,「山」,「再遊技」,「RB」,および「BB」は一般遊技中に選択される。ただし、コード10Hの「再遊技」はBB中一般遊技においてRB当選した場合にも選択される。また、コード21H,22H,24H,28H,および30Hで示される当選フラグ「チェリー」,「グループ」,「ベル」,「山」,および「再遊技」はRB内部当たり中に選択される。また、コード41H,42H,44H,48H,および50Hで示される「チェリー」,「グループ」,「ベル」,「山」,および「再遊技」はBB内部当たり中に選択される。例えば、前述の図4に示す確率抽選テーブルを参照して決定された実際の内部当選フラグがコード04Hの「ベル」の場合、抽出した乱数が「A」の区画に該当し、擬似当選フラグとしてそのまま「ベル」が抽選される確率は16777199/16777216と非常に高く、その他の17個の擬似当選フラグが抽選される確率はそれぞれ1/16777216と非常に低く設定されている。つまり、偽入賞態様決定手段は、入賞態様決定手段で決定された内部入賞態様を17/16777216の確率で他の入賞態様に偽る。
【0048】
同テーブルによれば、実際に決定された内部当選フラグが00H〜10Hでありながら、太線で囲まれた部分の区画において擬似当選フラグ20H〜50Hが抽選された場合に、その擬似当選フラグは偽ったボーナス入賞態様を示すものとなる。
【0049】
また、メイン制御基板61のプログラムROM65内には、上記の確率抽選テーブルおよび擬似当選フラグ抽選テーブルの他に図示しないシンボルテーブルが格納されている。シンボルテーブルは、各リール2〜4の回転位置とシンボルとを対応づけるものであり、シンボル列を記号で表したものである。このシンボルテーブルには、リセットパルスが発生する回転位置を基準として各リールの一定の回転ピッチ毎に順次付与されたコードナンバと、それぞれのコードナンバ毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが記憶されている。
【0050】
また、上記のプログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、「BB」または「RB」当たり要求フラグセット済み状態のときに、遊技者に「BB」または「RB」ゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、第1リール2,第2リール3、第3リール4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このスロットマシン1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
【0051】
図6は、サブ制御基板62のプログラムROM83に格納されている一般遊技時における演出パターン選択テーブルを概略的に示す図である。前述のように本実施形態においては西遊記をモチーフとするキャラクタなどが表示されて演出が行われる。
【0052】
サブCPU82は、この演出パターン選択テーブルを参照して、メイン制御基板61から送信される擬似当選フラグに基づいて演出パターンを抽選する。演出パターンはパターンNo.「0」〜「14」の15種類が設定されている。演出パターンNo.0は何も演出が行われない「演出なし」である。また、演出パターンNo.1は、演出回転リール25の外周に描かれた猪八戒のキャラクタ図柄が表示される演出「ハッカイ」であり、演出パターンNo.2は、演出回転リール25が通常とは逆の回転をした後、猪八戒のキャラクタ図柄が表示される演出「逆ハッカイ」である。同様に、演出パターンNo.3は演出回転リール25の外周に描かれた沙悟浄のキャラクタ図柄が表示される演出「サゴジョウ」であり、演出パターンNo.4は、演出回転リール25が逆回転して沙悟浄のキャラクタ図柄が表示される演出「逆サゴジョウ」である。また、演出パターンNo.5は演出回転リール25の外周に描かれた三蔵法師の手の図柄が表示される演出「手」、演出パターンNo.6は一旦この手が表示された後に、演出回転リール25が再び回転し、最終的に天竺という絵文字の図柄が表示される演出「手→天竺」である。また、演出パターンNo.7は天竺という絵文字の図柄が表示される演出「天竺」、演出パターンNo.8は演出回転リール25が逆回転して天竺の図柄が表示される演出「逆天竺」である。
【0053】
また、演出パターンNo.9は、ドットマトリクス表示装置24によってチェリーの図柄が表示される演出「Dotチェリー」であり、演出パターンN0.10はドットマトリクス表示装置24によってベルの図柄が表示される演出「Dotベル」である。同様に、演出パターンNo.11は山の図柄が表示される演出「Dot山」、演出パターンNo.12は英字の「R」が表示される演出「Dotリプレイ」、演出パターンNo.13は数字の「7」が表示される演出「Dot7」である。
【0054】
また、演出パターンNO.14は、一般遊技中は通常点灯されているリールバックランプ47a,47b,47cが消灯される演出「リール消灯」である。
【0055】
同テーブルによれば、例えば、擬似当選フラグが「チェリー」の場合は、演出パターンNo.0「演出なし」が384/32768の確率で選択され、演出パターンNo.2「逆ハッカイ」または演出パターンNo.4「逆サゴジョウ」がそれぞれ8000/32768の確率、演出パターンNo.9「Dotチェリー」が16384/32768の確率で選択される。
【0056】
また、同テーブルによれば、演出パターンNo.6「手→天竺」、演出パターンNo.7「天竺」、演出パターンNo.8「逆天竺」、演出パターンNo.13「Dot7」の演出は、「RB」または「BB」のボーナス入賞態様についてのみ選択され、他の入賞態様の擬似当選フラグについては選択されない。つまり、これらの演出パターンは、演出が行われた際に遊技者がボーナス入賞態様が内部当選していることを認識できるボーナス内部当選の報知演出となる。
【0057】
次に、上述した制御回路によって制御されるスロットマシン1の動作について説明する。
【0058】
図7〜図9はメイン制御基板61のメインCPU64によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【0059】
まず、始めに、遊技開始時の初期化処理が行われる(図7,ステップ101参照)。この初期化処理では、制御RAM66の所定領域がクリアされ、また、メイン制御基板61およびサブ制御基板62間における通信データが初期化される。次に、メインCPU64により、前回遊技終了時に制御RAM66に記憶されていたデータを消す遊技終了時のRAMクリア処理が行われる(ステップ102)。
【0060】
続いて、前回遊技の結果、再遊技(リプレイ)が生じてメダルの自動投入要求があるか否かがCPU64によって判別される(ステップ103)。この自動投入要求がある場合には、次に、投入要求分の遊技メダルが自動投入される(ステップ104)。一方、自動投入要求がない場合には、次に、遊技者によってメダル投入口8にメダルが投入されて投入メダルセンサ8Sから検出信号が入力されるか、貯留メダル投入スイッチ27,28の操作によって投入信号が入力されるのを待つ(ステップ105)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することが出来、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することが出来る。
【0061】
次に、スタートレバー30の操作により、スタートスイッチ30Sからのスタート信号入力があったか否かが判別される(ステップ106)。この判別が“Yes”の場合、次に、前回の遊技から4.1秒を経過しているか否かが判別される(ステップ107)。4.1秒を経過していない場合は、サブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へウエイト時間コマンドが送信されると共に(ステップ108)、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまでの遊技開始待ち時間が消化される(ステップ109)。スタートレバー30の操作がこの4.1秒経過前に行われると、スピーカ96,96からリール回転不可音が出音され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。
【0062】
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路70によって抽出され(ステップ110)、その後、上記の4.1秒をカウントするための1遊技監視用タイマがセットされる(ステップ111)。次に、ステップ110で抽出された乱数に基づき、確率抽選処理が行われる(図8,ステップ112参照)。この確率抽選処理は、サンプリング回路70によって特定された1つの乱数値が、確率抽選テーブル(図4参照)においてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。この際、機械に投入されたメダル枚数に応じて、図4の確率抽選テーブルの各段に示された確率抽選データa1〜g1、a2〜g2、またはa3〜g3が用いられる。続いて、確率抽選処理によって決定された内部当選フラグに基づき、擬似当選フラグ抽選テーブル(図5参照)が参照されて擬似当選フラグが抽選される(ステップ113)。
【0063】
次に、リール回転処理が行われ(ステップ114)、続いて、スタートコマンド送信処理が行われる(ステップ115)。リール回転処理では、まず、リール2〜4の各回転位置が書き込まれる制御RAM66の所定領域が、メインCPU64によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール2〜4がステッピングモータ45によって回転駆動される。スタートコマンド送信処理では、スタートスイッチ30SからメインCPU64へ入力されたスタート信号に基づき、スタートコマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される。このスタートコマンドは、ステップ113で生成された擬似当選フラグの種類や遊技状態を表す16ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0064】
次に、何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか否かが判別される(ステップ116)。オン操作されていない場合には、自動停止タイマーが0になったか否かが判別される(ステップ117)。この自動停止タイマーは、ストップボタン31〜33が所定時間操作されない場合に、各リール2〜4を所定時間経過後に自動的に停止させるためのものである。
【0065】
何れかのストップボタン31〜33がオン操作されたか、または、自動停止タイマーが0になると、次に、有効化入賞ライン上に引き込まれるシンボルのコマ数、つまり滑りコマ数が決定される(ステップ118)。この滑りコマ数は、遊技状態,当選要求,制御コマ数,シンボル位置等から定められ、有効化入賞ラインから当選シンボルまでのコマ数が制御コマ数の範囲内にあれば滑りコマ数として決定される。次に、この滑りコマ数が制御RAM66の所定領域に格納される。その後、第1停止リールの停止要求フラグがセットされ、この停止要求フラグがセットされるのに応じ、決定された滑りコマ数分だけ第1停止リールが回転させられるリール引き込み制御が行われ、1個のリールの回転が停止させられる(ステップ119)。次に、全てのリール2〜4が停止したか否かが判別される(ステップ120)。第2停止リールおよび第3停止リールが未だ停止していない場合には、処理はステップ116に戻り、以上の処理が繰り返して行われる。
【0066】
全てのリール2〜4が停止すると、次に、メインCPU64によって入賞検索処理が行われる(図9,ステップ121参照)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っているシンボルの組合せを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられる。そして、次にこの入賞フラグが正常か否かが判別される(ステップ122)。この判別結果が正常でない場合、例えば、ベルのシンボル組合せが有効化入賞ライン上に揃っているのに、内部当選役に対応する当たり要求フラグがチェリーのフラグである場合には、配当枚数表示部22にイリーガルエラーが表示される(ステップ123)。入賞フラグが正常の場合には、続いて、入賞コマンドがサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(ステップ124)。この入賞コマンドは、入賞役、遊技状態および入賞ラインを表す24ビットのパラメータを含んで構成されている。
【0067】
次に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または払い出し処理が行われる(ステップ125)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿34へ払い出される。メダルの貯留または払い出しが行われると、WINランプ21が点灯され、入賞発生が遊技者に知らされる(ステップ126)。
【0068】
次に、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームまたはRBゲームの作動中であるか否かが判別される(ステップ127)。BBゲームまたはRBゲームの作動中でない場合には、メインCPU64による遊技処理はステップ102に戻り、次の新たな遊技が開始される。また、BBゲームまたはRBゲームの作動中である場合には、次に、BBゲームまたはRBゲームの遊技数がメインCPU64によってチェックされる(ステップ128)。続いて、メインCPU64によって現在の遊技状態がBBゲームの終了時か否かが判別される(ステップ129)。BBゲーム終了時であれば、BB終了コマンドがサブ制御基板62へ送信される(ステップ130)。このBB終了コマンドは、終了動作を表す3ビットのパラメータを含んで構成されている。BB終了コマンドが送信されると、続いて、BBゲーム終了時のRAMクリア処理が制御RAM66に対して行われ(ステップ131)、その後、遊技処理はステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。また、ステップ129の判別でBBゲーム終了時でなければ、遊技処理はそのままステップ102に戻って次の新たな遊技が開始される。
【0069】
次に、サブ制御基板62のサブCPU82によって制御される遊技処理について説明する。
【0070】
図10は、サブCPU82によって制御される遊技処理の概略を示すフローチャートである。サブ制御基板62では、メイン制御基板61側から受信される各種コマンドがサブCPU82によって常に解析され、このコマンドに基づいた各種遊技処理が適宜行われている(図10,ステップ201参照)。
【0071】
図11は、メイン制御基板61側から受信されたコマンドが擬似当選フラグを含むスタートコマンドである場合の受信処理の概略を示すフローチャートである。この当選フラグ受信処理では、まず始めに、図8,ステップ115においてメイン制御基板61より送信された擬似当選フラグが受信されたか否かが判別される(図11,ステップ211参照)。受信されていない場合は、処理はそのまま終了する。一方、擬似当選フラグが受信された場合は、演出パターン選択テーブル(図6参照)が参照されてその擬似当選フラグの種類に基づく演出パターンが抽選され、決定された演出パターンで演出が行われる(ステップ212)。この際ボーナス入賞当選フラグが受信されていると、ボーナス確定ランプ19が点灯され、ボーナス確定時にしか出現しないNo.6,No.7,No.8,No.13の演出パターンを含む全ての演出パターン(図6参照)の中から選択された演出パターンでドットマトリクス表示装置24や演出回転リール25の表示が行われる。
【0072】
次に、1遊技前の擬似当選フラグがボーナス入賞当選フラグまたはボーナス内部当たり中の当選フラグ(ボーナスフラグ間)であるか否かが判別される(ステップ213)。この判別は制御RAM84に保存されている1遊技前の擬似当選フラグが、RB当選フラグ、BB当選フラグ、RB内部当たり中の当選フラグ、またはBB内部当たり中の当選フラグのいずれかの場合“Yes”となり、それ以外の当選フラグの場合は“No”となる。
【0073】
判別結果が“No”の場合は、今回の擬似当選フラグが制御RAM84に保存されて(ステップ216)、当選フラグ受信処理は終了する。一方、1遊技前の擬似当選フラグが上記のボーナスフラグ間で判別結果が“Yes”である場合、続いて、現在の擬似当選フラグがボーナスフラグ間であるか否かが判別される(ステップ214)。現在の擬似当選フラグがボーナスフラグ間である場合は、1遊技前のボーナス入賞当選フラグが持ち越されていると判断される。つまり、1遊技前の擬似当選フラグは偽ったボーナス入賞当選フラグではなく、正当なボーナス入賞当選フラグであると判断され、現在の当選フラグが制御RAM84に保存されて(ステップ216)、当選フラグ受信処理は終了する。
【0074】
一方、現在の当選フラグがボーナスフラグ間でない場合は、1遊技前のボーナス入賞当選フラグは偽ったボーナス入賞当選フラグであったと判断され、1遊技前のボーナス入賞演出は偽ったボーナス入賞当選フラグに基づく演出であったと判断される。従って、虚偽のボーナス内部当選の報知に対する補填として、続いて、AT遊技の抽選に強制的に当選したものとされる(ステップ215)。この際、ボーナス入賞態様の内部当選を告知するボーナス確定ランプ19が消灯され、代わってAT抽選に当選したことを報知するAT確定ランプ18が点灯される。その後、現在の擬似当選フラグが制御RAM84に保存されて(ステップ216)、当選フラグ受信処理は終了する。
【0075】
このAT当選により、AT遊技の実行回数が蓄積されている制御RAM84に所定の実行回数が加算される。具体的には、1セットで20ゲーム行えるAT遊技のセット回数が、このAT当選によって無条件に30セット与えられる。AT遊技は、通常、毎遊技ごとに抽選が行われており、このAT抽選に当選するとさらにセット回数が抽選され、抽選されたセット回数が制御RAM84の所定領域に記憶されて蓄積される。そして、蓄積されているセット回数に応じてAT遊技が発動され、リール2〜4の停止順が遊技者に報知される。
【0076】
このように本実施形態によるスロットマシン1によれば、ボーナス入賞当選フラグに基づく演出が行われた遊技の次の遊技で、ボーナス入賞当選フラグが持ち越されていなければ、1遊技前の擬似当選フラグは偽ったボーナス入賞当選フラグであり、この偽ったボーナス入賞当選フラグに基づくボーナス入賞演出が行われたと判断される。そして、遊技者に対して虚偽のボーナス入賞演出を行った補填として、AT遊技のセット回数が所定回数例えば30セット無条件に与えられる。従って、遊技者は、ボーナス入賞当選フラグに基づく演出が行われたものの、ボーナス入賞が発生しない不愉快さをAT遊技の恩恵によって補うことが出来る。この結果、遊技者は、ボーナス入賞当選フラグに基づく演出が行われたものの、ボーナス入賞が発生せず、不愉快な思いをするということはなくなる。
【0077】
なお、本実施形態においては、ボーナス確定ランプ19の点灯や、ドットマトリクス表示装置24および演出回転リール25の表示等によってボーナス入賞当選フラグに基づく演出を行っているが、このうちドットマトリクス表示装置24および演出回転リール25の表示によってのみボーナス入賞当選フラグに基づく演出を行う構成としてもよい。ボーナス入賞当選フラグに基づく演出は図6に示す演出パターンNo.0〜No.13の全ての演出パターンによって行われるが、ボーナス確定時にしか出現しないNo.6,No.7,No.8,No.13のボーナス確定演出パターン以外の演出パターンで演出が行われた場合は、遊技者はボーナス当選確定であるか否かを判別することは出来ない。従って、ボーナス確定演出パターン以外の演出パターンで演出が行われた場合に、ボーナス入賞が発生しないで遊技者が不愉快な思いをするということはない。このため、ドットマトリクス表示装置24および演出回転リール25の表示によってのみ演出を行う構成とした場合には、前回のゲームでボーナス確定演出パターンの演出が行われ、今回のゲームの当選フラグがボーナス間でない場合に限り、AT遊技を与える構成とすることが出来る。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、偽入賞態様決定手段で決定された偽った特定の内部入賞態様に基づく演出が演出手段により行われた場合は、遊技者に有利な特典遊技が行われる。従って、遊技者は、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われたものの、特定の入賞態様が発生しない不愉快さを特典遊技の恩恵によって補うことが出来る。この結果、遊技者は、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われたものの、特定の入賞態様が発生せず、不愉快な思いをするということはなくなる。
【0079】
また、特定の内部入賞態様に基づく演出が他の内部入賞態様に基づいては行われない構成としたので、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われることにより、内部入賞態様が特定の入賞態様に確定していることが遊技者に示唆される。従って、特定の内部入賞態様に基づく演出以外の演出が行われた場合に、遊技者は内部入賞態様が特定の内部入賞態様に確定していると認識することは無い。このため、この構成の場合には、特定の内部入賞態様が確定していることを示唆する、特定の内部入賞態様に基づく演出が行われたときに限り、特典遊技を行えば足りる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメイン制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブ制御基板に構成された回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に用いられる確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に用いられる擬似当選フラグ抽選テーブルを概念的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に用いられる演出パターン選択テーブルを概念的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第1のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第2のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるスロットマシンのメインCPUによる遊技処理の概略を示す第3のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態によるスロットマシンのサブCPUによる遊技処理の概略を示すフローチャートである。
【図11】図10に示すフローチャート中のコマンド解析に従って行われる当選フラグ受信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スロットマシン
2,3,4…リール
18…AT確定ランプ
19…ボーナス確定ランプ
24…ドットマトリクス表示装置
25…演出回転リール
47a,47b,47c…リールバックランプ
61…メイン制御基板
62…サブ制御基板
63,81…マイコン(マイクロコンピュータ)
64…メインCPU(中央演算処理装置)
82…サブCPU
65,83…プログラムROM(リード・オンリ・メモリ)
66,84…制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)

Claims (3)

  1. 抽選により内部入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、この入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様で遊技処理を行う遊技処理手段と、前記入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様を所定の確率で他の内部入賞態様に偽る偽入賞態様決定手段と、この偽入賞態様決定手段によって決定された内部入賞態様に基づく遊技の演出を行う演出手段とを備えて構成される遊技機において、
    偽った特定の内部入賞態様にのみ基づいて行われ、偽った前記特定の内部入賞態様以外の他の内部入賞態様に基づいては行われない演出が前記演出手段により行われた場合に遊技者に有利な特典遊技を行う特典遊技実行手段を備え
    前記特定の内部入賞態様は、当回の遊技で入賞が発生しなかった場合に前記入賞態様決定手段によってその当選フラグが次回の遊技に持ち越されるボーナス入賞態様であり、
    前記特典遊技実行手段は、このボーナス入賞態様の当選フラグが前回の遊技において前記偽入賞態様決定手段で発生し、かつ、今回の遊技にこのボーナス入賞態様の当選フラグが前記偽入賞態様決定手段で持ち越されなかった場合に、前回の遊技で前記演出手段が行った演出は偽ったボーナス入賞態様に基づく演出であったと判断することを特徴とする遊技機。
  2. 前記特典遊技は、前記入賞態様決定手段で決定された内部入賞態様の入賞の発生を案内するアシストタイム遊技であることを特徴とする請求項に記載の遊技機。
  3. 前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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