JP2004048919A - リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光装置用のリニアモータ推力を大きくする場合でも小型軽量化や粘性抵抗の低減化を図る。
【解決手段】永久磁石を固定子とし、コイル体33を可動子としたリニアモータにおいて、コイル体33はジャケット32内に保持されている。ジャケット内部にはにコイル体33を保持する保持体34がある。コイル体33は接着等により保持体34に固定されている。この保持体の少なくとも一部をセラミックス複合材で構成する。また、コイルと保持体のあいだの空隙には冷媒の流路が形成されている。
【選択図】 図5
【解決手段】永久磁石を固定子とし、コイル体33を可動子としたリニアモータにおいて、コイル体33はジャケット32内に保持されている。ジャケット内部にはにコイル体33を保持する保持体34がある。コイル体33は接着等により保持体34に固定されている。この保持体の少なくとも一部をセラミックス複合材で構成する。また、コイルと保持体のあいだの空隙には冷媒の流路が形成されている。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル体を保持する保持体を備えたリニアモータ、及びこのリニアモータの駆動により可動ステージが移動するステージ装置、並びにこのステージ装置を用いてマスクのパターンを感光基板に露光する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
【0004】
上記のレチクルやウエハは、レチクルステージやウエハステージ等のステージに保持されて所定方向に駆動されるが、これらステージに対する駆動用アクチュエータとしては、非接触で駆動されるため、摩擦が生じず、位置制御性に優れている等の利点からリニアモータが多く用いられている。ステージ装置に用いられるリニアモータは、可動子及び固定子から構成されており、可動ステージに可動子が取り付けられ、ベース(定盤)に固定子が取り付けられる。
【0005】
このリニアモータにおいては、可動子側をコイル体で構成し、固定子側を発磁体である永久磁石で構成したものをムービングコイル型リニアモータと称し、逆に可動子側を発磁体で構成し、固定子側をコイル体で構成したものをムービングマグネット型リニアモータと称しており、いずれの型であっても永久磁石、永久磁石が配列されるヨーク、コイル体、コイル体を保持する保持体を備えている。そして、この種のリニアモータでは、通電によって発熱するコイル体を冷却するために、コイル体及び保持体からなるコイルユニットをジャケットで覆い、ジャケット内に温度調整された冷媒を循環させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のリニアモータ及びステージ装置並びに露光装置には、以下のような問題が存在する。
近年、半導体の製造装置や検査装置においては更なる高精度化、高効率化が要求されており、これに伴って、上記露光装置に搭載されるステージ装置には高制御性、高精度、高加速度、高速度、長ストローク等が求められてきた。従って、このようなステージ装置の駆動に用いられるリニアモータにおいても同様の性能が必要とされる。特に、高加速度を必要とする場合には、可動部の質量を小さくするとともに、リニアモータの推力を大きくすることが重要となる。
【0007】
リニアモータの推力を大きくする方法としては、磁束密度の高い永久磁石を用いる、コイルの巻数を多くする、コイル体への通電量を大きくする等がある。ところが、永久磁石においては、コスト、減磁等の観点から選択可能な磁石が限定され、またコイル体への電流値もアンプ等の制御装置から限定される。従って、一般的には、コイル体の巻数を増やすことでリニアモータの推力を大きくすることが多い。
【0008】
コイルの巻数を増やす場合、通電時の発熱量が多くなるため、冷媒の流量も増す必要がある。そのため、ジャケット内の内圧が高くなることに起因してジャケットの変形が大きくなるため、ジャケットの厚さを大きくせざるを得ない状況に陥ってしまう。一般的に、ジャケットの材質としては非磁性のステンレスが用いられているが、リニアモータの大推力化に対応させるとコイルユニットが重くなってしまう。また、可動ステージの作動に高い制御性が要求される場合には、精密な駆動特性を有するリニアモータが必要となる。しかし、ジャケットが金属製であると、固定子と可動子との相対的な移動による磁束密度の変化でジャケットに渦電流が発生し、固定子と可動子との間に、推力方向とは反対方向の力(粘性抵抗)が発生して制御性を悪化させるという問題が生じる。そこで、軽量化と渦電流対策との観点から、最近ではリニアモータもジャケットやコイル保持体に電気抵抗の大きいセラミックスやプラスチックの使用が検討されている。
【0009】
ところが、セラミックスは弾性率や圧縮強度が高いものの、引張強度や曲げ強度がステンレス等の金属に比べて低く靱性で劣るために、断面矩形状のジャケットやコイル保持体に用いた場合には、隅部等の応力集中部で割れが生じるという問題点があった。また、割れ難い形状にするためには、ジャケットやコイル保持体の隅部に大きな曲率を付与したり、部分的に厚くしたりする必要があり、加工が困難、コストが上昇する等の問題も生じてしまう。
【0010】
一方、プラスチックにおいては、金属材料に比べ強度が十分でないために厚くしなければならず、所定の寸法に収まらないので使用できないという設計上の制約があった。また、プラスチックの場合、冷媒の種類によっては経年変化が早く進行して寿命が短くなることも懸念される。
【0011】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、推力を大きくする場合でも信頼性が高く、小型軽量化や粘性抵抗の低減化を図れるリニアモータ、及びこのリニアモータ駆動により可動ステージが移動するステージ装置、並びにこのステージ装置を用いてマスクのパターンを基板に露光する露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータは、コイル体(33)を保持する保持体(32、34)を有するリニアモータ(18、21)であって、保持体(32、34)の少なくとも一部がセラミックス複合材で構成されることを特徴とするものである。
【0013】
従って、本発明のリニアモータでは、金属等、曲げ強度や引張強度が大きい材料の母材にセラミックスを分散配合することで、セラミックス単体に比べて高い曲げ強度や引張強度を有する保持体(32、34)を得ることができる。また、セラミックス複合材は、セラミックスを含有しているため、金属単体に比べて電気抵抗を大きくすることが可能になる。そのため、コイル体(33)の移動で生じる渦電流を小さくして粘性抵抗を低減することが可能になる。
【0014】
また、本発明のステージ装置は、基板(W)を保持して移動する可動ステージ(WST)と、可動ステージ(WST)を駆動する駆動装置(18、21)とを有するステージ装置(9)であって、駆動装置として、請求項1から6の何れか一項に記載のリニアモータ(18、21)が用いられることを特徴とするものである。
【0015】
従って、本発明のステージ装置では、駆動装置(18、21)の推力を大きくする場合でも、割れ等が生じることなく、軽量で粘性抵抗の少ない状態で可動ステージ(WST)を駆動できるため、可動ステージ(WST)に対する制御性を高めることが可能になる。
【0016】
そして、本発明の露光装置は、マスクステージ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(WST)に保持された感光基板(W)に露光する露光装置(10)において、マスクステージ(RST)と基板ステージ(WST)との少なくとも一方のステージ(WST)として、請求項7に記載されたステージ装置が用いられることを特徴とするものである。
【0017】
従って、本発明の露光装置では、マスクステージ(RST)や基板ステージ(WST)を駆動する際の推力を大きくした場合でも、駆動装置(18、21)における粘性抵抗に起因してマスク(R)や感光基板(W)の位置決め精度が低下することを防止でき、マスク(R)のパターンを高精度に感光基板(W)に露光することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリニアモータ及びステージ装置並びに露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図5を参照して説明する。ここでは、露光装置として、レチクルとウエハとを一次元方向(ここではY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式、またはステップ・アンド・スティッチ方式からなる走査露光方式の露光装置を使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用するものとする。
【0019】
図1には、本発明に係る走査型露光装置(露光装置)10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと、感光基板(基板)としてのウエハWとを一次元方向(ここでは、図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW上の各ショット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
【0020】
図1に示す露光装置10は、光源12からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する照明光学系IOP、レチクルRを保持して移動するレチクルステージ(マスクステージ)RST、レチクルRから射出される照明光(パルス紫外光)をウエハ(基板)W上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して移動するウエハステージ(基板ステージ)WSTを備えている。なお、ウエハステージWSTは、本発明のステージ装置9における可動ステージを構成している。
【0021】
さらに、露光装置10は、前記照明光学系IOPの一部,レチクルステージRST,投影光学系PL,及びウエハステージWST等を保持する本体コラム14、本体コラム14の振動を抑制あるいは除去する防振ユニット、及びこれらの制御系等を備えている。なお、ここで投影光学系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向とし、非同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0022】
光源12としては、ここでは波長192〜194nmの間で酸素の吸収帯を避けるように狭帯化されたパルス紫外光を出力するArFエキシマレーザ光源が用いられており、この光源12の本体は、半導体製造工場のクリーンルーム内の床面FD上に設置されている。光源12には、不図示の光源制御装置が併設されており、この光源制御装置では、射出されるパルス紫外光の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行うようになっている。
【0023】
なお、光源12として、波長248nmのパルス紫外光を出力するKrFエキシマレーザ光源あるいは波長157nmのパルス紫外光を出力するF2レーザ光源等用いても良い。また、光源12をクリーンルームよりクリーン度が低い別の部屋(サービスルーム)、あるいはクリーンルームの床下に設けられるユーティリティスペースに設置しても構わない。
【0024】
光源12は、図1では作図の都合上その図示が省略されているが、実際には遮光性のベローズ及びパイプを介してビームマッチングユニットBMUの一端(入射端)に接続されており、このビームマッチングユニットBMUの他端(出射端)は、内部にリレー光学系を内蔵したパイプ16を介して照明光学系IOPの第1照明光学系IOP1に接続されている。ビームマッチングユニットBMU内には、リレー光学系や複数の可動反射鏡等(いずれも不図示)が設けられており、これらの可動反射鏡等を用いて光源12から入射する狭帯化されたパルス紫外光(ArFエキシマレーザ光)の光路を第1照明光学系IOP1との間で位置的にマッチングさせている。
【0025】
照明光学系IOPは、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2との2部分から構成されている。第1照明光学系IOP1は、床面FDに水平に載置された装置の基準となるフレームキャスタと呼ばれるベースプレートBP上に設置されている。また、第2照明光学系IOP2は、本体コラム14を構成する後述する第2の支持コラム52によって下方から支持されている。
【0026】
第1照明光学系IOP1は、所定の位置関係で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレンズ系、及びレチクルブラインド機構を構成する可動視野絞りとしての可動レチクルブラインド(照明領域設定装置)28等を備えている。光源12からのパルス紫外光がビームマッチングユニットBMU及びリレー光学系を介して第1照明光学系IOP1内に水平に入射すると、このパルス紫外光は、可変減光器のNDフィルタにより所定のピーク強度に調整された後、ビーム整形光学系により、オプティカルインテグレータに効率よく入射するようにその断面形状が整形される。
【0027】
可動レチクルブラインド28は、例えば2枚のL字型の可動ブレードと、この可動ブレードを駆動するアクチュエータとを有する。2枚の可動ブレードは、レチクルRの走査方向に対応する方向及び走査方向に直交する非走査方向に対応する方向の位置が可変となっている。この可動レチクルブラインド28は、不要な部分の露光を防止するため、走査露光の開始時及び終了時に可動ブレードにより後述する固定レチクルブラインドによって規定されるレチクルR上の照明領域を更に制限するために用いられる。
【0028】
第2照明光学系IOP2は、照明系ハウジング17内に所定の位置関係で収納された固定レチクルブラインド、レンズ、ミラー、リレーレンズ系、メインコンデンサレンズ等(いずれも不図示)を備えている。固定レチクルブラインドは、照明系ハウジング17の入射端近傍のレチクルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした面に配置され、レチクルR上の照明領域を規定する所定形状の開口部が形成されている。この固定レチクルブラインドの開口部は、投影光学系PLの円形視野内の中央で走査露光時のレチクルRの移動方向(Y軸方向)と直交したX軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状に形成されているものとする。
【0029】
可動レチクルブラインド28のブレードの開口部を通過したパルス紫外光は、固定レチクルブラインドの開口部を一様な強度分布で照明する。固定レチクルブラインドの開口部を通ったパルス紫外光は、レンズ、ミラー、リレーレンズ系、主コンデンサレンズ系を経て、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上の所定の照明領域(X軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状の照明領域)を均一な照度分布で照明する。
【0030】
なお、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2とを強固に接合すると、可動レチクルブラインド28の駆動に起因して露光動作中に第1照明光学系IOP1に生じる振動が第2のコラム52に支持された第2照明光学系IOP2にそのまま伝達されることとなって、好ましくない。このため、本実施形態では、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2との間は、両者の相対変位を可能にし、かつその内部を外気に対して気密状態にすることが可能な接続部材としての伸縮自在の蛇腹状部材94を介して接合されている。
【0031】
図1に戻り、本体コラム14は、ベースプレートBP上に設けられた複数本(ここでは4本)の支持部材40A〜40D(但し、紙面奥側の支柱40C、40Dは図示省略)及びこれらの支持部材40A〜40Dの上部にそれぞれ固定された防振ユニット42A〜42D(但し、図1においては紙面奥側の防振ユニット42C、42Dは図示せず、図4参照)を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤44と、この鏡筒定盤44の下面から下方に吊り下げられた吊り下げコラム46と、鏡筒定盤44上に設けられた第1、第2の支持コラム48、52とを備えている。
【0032】
前記防振ユニット42A〜42Dは、支持部材40A〜40Dそれぞれの上部に直列(又は並列)に配置された内圧が調整可能なエアマウントとボイスコイルモータ(不図示)とを含んで構成されている。これらの防振ユニット42A〜42Dによって、ベースプレートBP及び支持部材40A〜40Dを介して鏡筒定盤44に伝わる床面FDからの微振動がマイクロG(Gは重力加速度)レベルで絶縁される構成になっている。
【0033】
前記鏡筒定盤44は鋳物等で構成されており、その中央部に平面視円形の開口が形成され、その内部に投影光学系PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入されている。投影光学系PLの鏡筒部の外周部には、該鏡筒部に一体化されたフランジFLGが設けられている。このフランジFLGの素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられており、このフランジFLGは、投影光学系PLを鏡筒定盤44に対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの鏡筒定盤44に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後の鏡筒定盤44及び投影光学系PLの振動、温度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
【0034】
前記吊り下げコラム46は、ウエハベース定盤54と、該ウエハベース定盤54をほぼ水平に吊り下げ支持する4本の吊り下げ部材56とを備えている。また、第1の支持コラム48は、鏡筒定盤44の上面に投影光学系PLを取り囲んで植設された4本の脚58(紙面奥側の脚は図示省略)と、これら4本の脚58によってほぼ水平に支持されたレチクルベース定盤60とを備えている。同様に、第2の支持コラム52は、鏡筒定盤44の上面に、第1の支持コラム48を取り囲む状態で植設された4本の支柱62(紙面奥側の支柱は図示省略)と、これら4本の支柱62によってほぼ水平に支持された天板64とによって構成されている。この第2の支持コラム52の天板64によって、前述した第2部分光学系IOP2が支持されている。
【0035】
また、本体コラム14を構成する鏡筒定盤44には、図1では図示が省略されているが、実際には、本体コラム14のZ方向の振動を計測する3つの振動センサ(例えば加速度計)とXY面内方向の振動を計測する加速度計などの3つの振動センサ(例えば、この内の2つの振動センサは、本体コラム14のY方向の振動を計測し、残りの振動センサは、本体コラム14のX方向の振動を計測する)とが取り付けられている。以下においては、便宜上、これら6つの振動センサを総称して振動センサ群66と称する。
【0036】
この振動センサ群66の計測値は、主制御装置(不図示)に供給されるようになっている。従って、主制御装置では、振動センサ群66の計測値に基づいて本体コラム14の6自由度方向の振動を求めることができる。そして、主制御装置では、例えばレチクルステージRST、ウエハステージWSTの移動時等には、振動センサ群66の計測値に基づいて求めた本体コラム14の6自由度方向の振動を除去すべく、防振ユニット42A〜42Dの速度制御を例えばフィードバック制御あるいはフィードバック制御及びフィードフォワード制御によって行い、本体コラム14の振動を効果的に抑制することが可能である。
【0037】
図2に示すように、レチクルステージRSTは、レチクルベース定盤60上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステージ36と、このレチクル粗動ステージ36上を一対のXボイスコイルモータ37Xと一対のYボイスコイルモータ37YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動されるレチクル微動ステージ38とを備えた構成になっている(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示している)。
【0038】
レチクル微動ステージ38には、バキュームチャック45を介してレチクルRが吸着保持されるようになっている。レチクル微動ステージ38の−Y方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動鏡72a、72b(図1では符号72で図示)が固定され、また、レチクル微動ステージ38の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。
【0039】
そして、これら移動鏡72a、72b、53に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(図1に、レーザ干渉計70のみ図示)が各移動鏡の反射面と投影光学系PLの鏡筒上端に固定された参照鏡Mrとに向けてそれぞれレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいて、移動鏡と参照鏡との相対変位を計測することにより、レチクルステージRST(ひいてはレチクルR)のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置が所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、レチクル微動ステージ38の材質としては、高剛性、且つ低熱膨張率の材料が好ましく、金属やコージェライトまたはSiCからなるセラミックスを用いることができる。
【0040】
レチクル粗動ステージ36は、レチクルベース定盤60の中央部に形成された上部突出部60aの上面に固定されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によってY軸方向に案内されるようになっている。また、レチクル粗動ステージ36は、これらYガイド51、51に対して不図示のエアベアリングによって非接触で移動自在に支持されている。
【0041】
各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)7によって浮上支持されY軸方向に延びる固定子5と、この固定子5に対応して設けられ、連結部材8を介してレチクル粗動ステージ36に固定され、固定子5との間の電磁気的相互作用で移動する可動子6とから構成されている。このため、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ36の+Y方向の移動に応じて、固定子5は−Y方向に移動する。この固定子5の移動によりレチクル粗動ステージ36の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
【0042】
なお、固定子5は、レチクルベース定盤60上に代えて、第2の支持コラム52に設けてもよい。固定子5を第2の支持コラム52に設ける場合には、エアベアリング7を省略し、固定子5を支持コラム52に固定して、レチクル粗動ステージ36の移動により固定子5に作用する反力を支持コラム52を介してベースプレートBPに逃がしてもよい。
【0043】
図1に戻り、投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る1/4、1/5、又は1/6縮小倍率の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRにパルス紫外光が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像がパルス紫外光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状または矩形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0044】
図3に示すように、ステージ装置9は、前述した吊り下げコラム46を構成するウエハベース定盤54上に配置された二組のリニアモータ18、18及びエアガイド19と、エアガイド19上に配置されてウエハ定盤54に対してX方向に相対移動自在なサブベース20と、サブベース20上に配置された二組のリニアモータ21、21及びエアガイド22と、エアガイド22上に配置されてサブベース20に対してY方向に相対移動自在なウエハステージ(テーブル)WSTから概略構成されている。
【0045】
ウエハステージWSTの上面には、ウエハホルダ76(図1参照)を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTのXY位置及び回転量(ヨーイング量、ローリング量、ピッチング量)は、投影光学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡Mwを基準としてウエハステージWSTの一部に固定された移動鏡78の位置変化を計測するウエハレーザ干渉計80によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。
【0046】
各リニアモータ18は、ウエハベース定盤54上にX方向に延在させて固定された固定子23と、サブベース20に設けられ固定子23に対して電磁気的相互作用で移動する可動子24とを主体に構成されている。また、各リニアモータ21は、サブベース20上にY方向に延在させて固定された固定子25と、ウエハステージWSTに設けられ固定子25に対して電磁気的相互作用で移動する可動子26とを主体に構成されている。
【0047】
図4に、リニアモータ18、21の斜視図を示す。なお、この図においては、可動子24に固定されるサブベース20、可動子26に固定されるウエハステージWSTの図示を省略している。本実施形態におけるリニアモータ18、21は、ムービングコイル型のモータであり、スペーサ27により互いに間隔をあけて平行配置されたヨーク29、29に複数の永久磁石(発磁体)30が対向状態で配列された固定子23、25と、コイル体(図5参照)を有する可動子24、26とから構成されている。
【0048】
図5は、可動子24、26の分解斜視図である。可動子24、26は、コイルユニット31と、このコイルユニット31を内包して保持するジャケット(保持体)32とからそれぞれ構成されている。コイルユニット31は、樹脂等で固められた複数のコイル体33と、コイル体33を保持するコイル保持体(保持体)34とから構成されており、コイル体33は、接着剤等によりコイル保持体34に固定されている。なお、コイル体33をコイル保持体34内に配置した後に、隙間にプラスチックを充填することにより、コイル体33とコイル保持体34とを一体化する方法としてもよい。
【0049】
また、ジャケット32は、枠体(枠部材)37と、枠体37の上下両側にそれぞれ接合してコイルユニット31を収納する閉空間を形成する薄板状の蓋体(板状部材)35、35とから構成されている。枠体37には、コイル保持体34をネジで取り付ける際に用いられる複数の取付用孔37a、不図示の冷媒導入口、冷媒排出口及び電線用コネクタ取付部等が設けられており、コイルユニット31はネジ止めで枠体37に固定される。また、コイルユニット31が固定された枠体37を蓋体35、35で閉塞した際には、コイルユニット31と各蓋体35、35との間には隙間が形成され、この隙間がコイルユニット31に対する温度調整用の冷媒流路となっている。なお、蓋体35は、シール部材(図示せず)を介して枠体37に接着剤や取付ネジ等で固定(接合)されることでジャケット32から冷媒が漏出しない構成になっている。
【0050】
上記コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35、35はそれぞれ金属マトリックス複合材で形成されている。この金属マトリックス複合材は、金属を母材としてセラミックス粒子を分散配合したものである。セラミックスとしては、Al2O3やAlN、SiC等の金属酸化物や金属窒化物を用いることができ、金属母材としてはオーステナイトステンレス、ニッケル合金、チタン合金等を用いることができる。本実施の形態では、セラミックス粒子としてアルミナ(Al2O3)を用い、金属母材としてステンレス合金を用いた。なお、この金属マトリックス複合材の製造方法としては、例えばセラミックスをプリフォームした後に金属を浸透させる、いわゆる非加圧金属浸透法や、溶融金属にセラミックス粒子を浸透・希釈した後に鋳型を用いて成形する、いわゆる鋳造法等を採用可能である。
【0051】
次に、コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を構成する金属マトリックス複合材の作用について説明する。
強度に関しては、例えばアルミナ(Al2O3)の3点曲げ強度は約340MPa、引張強度は約245MPa程度であるが、Al−Mg系金属基に上記アルミナを60体積%分散配合した場合には、3点曲げ強度が約570MPa、引張強度が約450MPa程度に上昇し、さらに靱性も3倍以上向上させることができる。以上、Al−Mg系金属基の場合を説明したが、金属母材として他の金属基、例えばステンレス、ニッケル合金、チタン合金を用いた場合にも、同様に各金属基の機械的特性に応じた強度向上が得られる。従って、冷媒による圧力やコイル体33に発生する推力による圧縮力や引張力を常時受けるジャケット32やコイル保持体34(さらに枠体37、蓋体35)に金属マトリックス複合材を用いても支障を来さない。また、強度を上げるためにコイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を不必要に厚くする必要がなくなり、小型軽量化を実現することができる。
【0052】
また、金属マトリックス複合材には、金属が混入しているため、成形後の機械加工がセラミックス単体に比較して容易となり、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることも可能である。さらに、取付ネジを用いる場合には、セラミックスやプラスチック単体では強度不足のため金属ブッシュ等の別部材を設ける必要があるが、金属マトリックス複合材ではネジ穴を直接設けることができるので、ネジ穴近傍の寸法を小さくすることができ設計上の自由度を増すことができる。
【0053】
一方、渦電流に関しては、金属材料の電気抵抗率は100μΩ・cm程度であるが、例えば上記の金属基(オーステナイトステンレス、ニッケル合金、チタン合金)に50体積%のセラミックスを含有させることにより、複合材として電気抵抗率を200μΩ・cm程度に上げることができる。従って、複合材に発生する渦電量を大幅に減らして粘性抵抗を低減させることが可能になる。このように、電気抵抗率を数倍程度あげることで渦電流の発生による粘性抵抗がほぼ問題とならなくなることと、上記強度(曲げ強度、引張強度、靱性)を考慮して、本実施の形態では金属基とセラミックスとの混合比(複合比)を50体積%に設定している。
【0054】
続いて、上述のようにして構成された露光装置10における露光動作について説明する。
ウエハステージWST上にウエハWが搬送され、フォーカス調整が終了すると、不図示のアライメント系を用いてレチクルRとウエハWとを位置決め(アライメント)する。このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が終了すると、主制御装置では、アライメント結果に基づいてウエハレーザ干渉計80の計測値をモニタしつつ、リニアモータ18を駆動してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置にウエハステージWSTを移動させる。
【0055】
そして、Yリニアモータ15及びリニアモータ21の駆動により、レチクルステージRST(レチクル粗動ステージ36)とウエハステージWSTとのY方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、パルス紫外光によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。なお、この走査露光の開始に先立って、光源12の発光は開始されているが、レチクルブラインド装置を構成する可動ブラインド28の各可動ブレードの移動がレチクルステージRSTの移動と同期制御されているため、レチクルR上のパターン領域外へのパルス紫外光の照射が遮光されることは、通常のスキャニング・ステッパと同様である。
【0056】
主制御装置では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率(1/4倍、1/5倍あるいは1/6倍)に応じた速度比に維持されるようにYリニアモータ15及びウエハステージ駆動系を介してレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。
【0057】
この場合、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ36のY方向の移動に応じて、固定子5は逆方向に移動する。この固定子5の移動によりレチクル粗動ステージ36の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことが可能になる。
【0058】
そして、レチクルRのパターン領域がパルス紫外光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、ウエハステージ駆動系を介してウエハステージWSTがX軸方向にステップ移動され、第2ショットへの露光のため走査開始位置に移動される。このステッピングの際に、ウエハステージWSTの位置(ウエハWの位置)を検出するウエハレーザ干渉計80の計測値に基づいてウエハステージWSTのX、Y、θz方向の位置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づき、ウエハステージ駆動系を制御してウエハステージWSTのXY位置変位が所定の状態になるようにウエハステージWSTの位置を制御する。
【0059】
また、主制御装置ではウエハステージWSTのθz方向の変位の情報に基づいてYリニアモータ15及びボイスコイルモータ37X、37Yを制御し、そのウエハW側の回転変位の誤差を補償するようにレチクルステージRST(レチクル微動ステージ38)を回転制御する。そして、第2ショット領域に対して上記と同様の走査露光を行う。このようにして、ウエハW上のショットの走査露光(走査ステップ)と次ショット露光のためのステッピング動作(移動ステップ)とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショット領域の全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
【0060】
以上のように、本実施の形態では、リニアモータ18、21におけるコイル保持体34、枠体37、蓋体35が金属マトリックス複合材で構成されているので、推力を大きくする場合でも、強度不足対策でこれらを厚くしたりする必要がなくなり高強度・小型軽量化を実現できるともに、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることが可能になる。さらに、本実施の形態では、金属マトリックス複合材を用いることで渦電流の発生を抑えて粘性抵抗を低減しているので、ウエハステージWST(すなわちウエハW)に対する位置制御性(信頼性)の低下を防ぐことも可能になる。
【0061】
図6乃至図8は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
これらの図において、図1乃至図5に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、リニアモータ21の構成である。
【0062】
図6に示すリニアモータ21は、サブベース20上にY方向に延在させて固定された固定子81と、ウエハステージWSTに設けられ固定子81に対して電磁気的相互作用で移動する可動子82とを主体に構成されている。図7に、リニアモータ21の斜視図を示す。なお、この図においては、可動子82に固定されるウエハステージWSTの図示を省略している。本実施形態におけるリニアモータ21は、ムービングマグネット型のモータであり、可動子82はスペーサ27により互いに間隔をあけて平行配置されたヨーク29、29に複数の永久磁石30が対向状態で配列された構成となっている。
【0063】
一方、固定子81は、図8の分解斜視図に示すように、コイルユニット31と、このコイルユニット31を内包して保持するジャケット32とから構成されている。コイルユニット31は、複数のコイル体33と、コイル体33を保持するコイル保持体34とから構成されており、コイル体33は、接着剤等によりコイル保持体34に固定される。
【0064】
ジャケット32は、断面ロ字の筒状の枠体37と、枠体37の両端開口部にそれぞれ接合してコイルユニット31を収納する閉空間を形成する薄板状の蓋体35、35とから構成されている。枠体37には、コイル保持体34をネジで取り付ける際に用いられる複数の取付用孔37aが設けられている。また、蓋体35には、冷媒導入口、冷媒排出口及び電線用コネクタ取付部等(いずれも不図示)が設けられている。そして、これらコイル保持体34、枠体37、蓋体35が上述した金属マトリックス複合材で形成されている。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0065】
本実施の形態では、上記第1の実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、走査露光時に枠体37が移動しないので、枠体37や蓋体35に接続される冷媒の供給菅・排出管、電気配線等の用力供給菅の擦れや叩きに起因する振動等の外乱が生じることを防止でき、この外乱による露光精度の低下を未然に防ぐことが可能になる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を全体的に金属マトリックス複合材で形成するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、これらの特定部位を金属マトリックス複合材で形成してもよい。この場合、永久磁石30による磁束が通過する部位、例えば枠体37を金属マトリックス複合材で形成すれば、渦電流による粘性抵抗の発生を抑制することができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、セラミックス複合材として金属マトリックス複合材を用いる構成としたが、これに限られず、例えば金属材(または別の材質の部材)で形成された芯材の表面にセラミックスコーティングを施した複合材を用いる構成とすることも可能である。さらに、上記実施の形態では、ジャケット32の中、枠体37と蓋体35の双方を金属マトリックス複合材で形成する構成としたが、例えばいずれか一方を上述したセラミックス複合材で形成し、他方については強化材としてガラス繊維や炭素繊維を含有する繊維強化プラスチックで形成することも可能である。繊維強化プラスチックは、母材が絶縁材であるプラスチックであるため、渦電流の発生がほとんどなく、粘性抵抗の発生を抑えることができ、同時に、繊維強化プラスチックで形成した部材の軽量化を図ることができる。この場合、繊維強化プラスチックはシート状(板状)の部材を形成するのに適しているため、図5及び図8に示すジャケット32では蓋体35を繊維強化プラスチックで形成することが好ましい。
【0068】
また、上記実施形態では、本発明のステージ装置を露光装置10におけるウエハステージに適用するものとして説明したが、レチクルステージRSTに対しても適用可能である。さらに、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置10に適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、露光装置10以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
【0069】
なお、本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0070】
露光装置10としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0071】
露光装置10の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0072】
また、露光用光源12としては、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調波などを用いてもよい。
【0073】
例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0074】
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を露光光として用いてもよく、EUV露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小系となっている。
【0075】
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。
【0076】
ウエハステージWSTやレチクルステージRSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0077】
以上のように、本願実施形態の露光装置10は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0078】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置10によりレチクルのパターンをウエハに露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、推力を大きくする場合でも高強度・小型軽量化を実現できるともに、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることができる。また、本発明では、渦電流の発生を抑えて粘性抵抗を低減しているので、基板に対する位置制御性・信頼性の低下を防ぐことも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型の露光装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】同露光装置を構成するレチクルステージの外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す図であって、ステージ装置の外観斜視図である。
【図4】第1の実施形態のステージ装置を構成するリニアモータの外観斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のリニアモータを構成する可動子の分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図であって、ステージ装置の外観斜視図である。
【図7】第2の実施形態のステージ装置を構成するリニアモータの外観斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態のリニアモータを構成する固定子の分解斜視図である。
【図9】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
RST レチクルステージ(マスクステージ)
W ウエハ(基板、感光基板)
WST ウエハステージ(基板ステージ、可動ステージ)
9 ステージ装置
10 走査型露光装置(露光装置)
18、21 リニアモータ
30 永久磁石(発磁体)
32 ジャケット(保持体)
33 コイル体
34 コイル保持体(保持体)
35 蓋体(板状部材)
37 枠体(枠部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル体を保持する保持体を備えたリニアモータ、及びこのリニアモータの駆動により可動ステージが移動するステージ装置、並びにこのステージ装置を用いてマスクのパターンを感光基板に露光する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体デバイスの製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
【0003】
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
【0004】
上記のレチクルやウエハは、レチクルステージやウエハステージ等のステージに保持されて所定方向に駆動されるが、これらステージに対する駆動用アクチュエータとしては、非接触で駆動されるため、摩擦が生じず、位置制御性に優れている等の利点からリニアモータが多く用いられている。ステージ装置に用いられるリニアモータは、可動子及び固定子から構成されており、可動ステージに可動子が取り付けられ、ベース(定盤)に固定子が取り付けられる。
【0005】
このリニアモータにおいては、可動子側をコイル体で構成し、固定子側を発磁体である永久磁石で構成したものをムービングコイル型リニアモータと称し、逆に可動子側を発磁体で構成し、固定子側をコイル体で構成したものをムービングマグネット型リニアモータと称しており、いずれの型であっても永久磁石、永久磁石が配列されるヨーク、コイル体、コイル体を保持する保持体を備えている。そして、この種のリニアモータでは、通電によって発熱するコイル体を冷却するために、コイル体及び保持体からなるコイルユニットをジャケットで覆い、ジャケット内に温度調整された冷媒を循環させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のリニアモータ及びステージ装置並びに露光装置には、以下のような問題が存在する。
近年、半導体の製造装置や検査装置においては更なる高精度化、高効率化が要求されており、これに伴って、上記露光装置に搭載されるステージ装置には高制御性、高精度、高加速度、高速度、長ストローク等が求められてきた。従って、このようなステージ装置の駆動に用いられるリニアモータにおいても同様の性能が必要とされる。特に、高加速度を必要とする場合には、可動部の質量を小さくするとともに、リニアモータの推力を大きくすることが重要となる。
【0007】
リニアモータの推力を大きくする方法としては、磁束密度の高い永久磁石を用いる、コイルの巻数を多くする、コイル体への通電量を大きくする等がある。ところが、永久磁石においては、コスト、減磁等の観点から選択可能な磁石が限定され、またコイル体への電流値もアンプ等の制御装置から限定される。従って、一般的には、コイル体の巻数を増やすことでリニアモータの推力を大きくすることが多い。
【0008】
コイルの巻数を増やす場合、通電時の発熱量が多くなるため、冷媒の流量も増す必要がある。そのため、ジャケット内の内圧が高くなることに起因してジャケットの変形が大きくなるため、ジャケットの厚さを大きくせざるを得ない状況に陥ってしまう。一般的に、ジャケットの材質としては非磁性のステンレスが用いられているが、リニアモータの大推力化に対応させるとコイルユニットが重くなってしまう。また、可動ステージの作動に高い制御性が要求される場合には、精密な駆動特性を有するリニアモータが必要となる。しかし、ジャケットが金属製であると、固定子と可動子との相対的な移動による磁束密度の変化でジャケットに渦電流が発生し、固定子と可動子との間に、推力方向とは反対方向の力(粘性抵抗)が発生して制御性を悪化させるという問題が生じる。そこで、軽量化と渦電流対策との観点から、最近ではリニアモータもジャケットやコイル保持体に電気抵抗の大きいセラミックスやプラスチックの使用が検討されている。
【0009】
ところが、セラミックスは弾性率や圧縮強度が高いものの、引張強度や曲げ強度がステンレス等の金属に比べて低く靱性で劣るために、断面矩形状のジャケットやコイル保持体に用いた場合には、隅部等の応力集中部で割れが生じるという問題点があった。また、割れ難い形状にするためには、ジャケットやコイル保持体の隅部に大きな曲率を付与したり、部分的に厚くしたりする必要があり、加工が困難、コストが上昇する等の問題も生じてしまう。
【0010】
一方、プラスチックにおいては、金属材料に比べ強度が十分でないために厚くしなければならず、所定の寸法に収まらないので使用できないという設計上の制約があった。また、プラスチックの場合、冷媒の種類によっては経年変化が早く進行して寿命が短くなることも懸念される。
【0011】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、推力を大きくする場合でも信頼性が高く、小型軽量化や粘性抵抗の低減化を図れるリニアモータ、及びこのリニアモータ駆動により可動ステージが移動するステージ装置、並びにこのステージ装置を用いてマスクのパターンを基板に露光する露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータは、コイル体(33)を保持する保持体(32、34)を有するリニアモータ(18、21)であって、保持体(32、34)の少なくとも一部がセラミックス複合材で構成されることを特徴とするものである。
【0013】
従って、本発明のリニアモータでは、金属等、曲げ強度や引張強度が大きい材料の母材にセラミックスを分散配合することで、セラミックス単体に比べて高い曲げ強度や引張強度を有する保持体(32、34)を得ることができる。また、セラミックス複合材は、セラミックスを含有しているため、金属単体に比べて電気抵抗を大きくすることが可能になる。そのため、コイル体(33)の移動で生じる渦電流を小さくして粘性抵抗を低減することが可能になる。
【0014】
また、本発明のステージ装置は、基板(W)を保持して移動する可動ステージ(WST)と、可動ステージ(WST)を駆動する駆動装置(18、21)とを有するステージ装置(9)であって、駆動装置として、請求項1から6の何れか一項に記載のリニアモータ(18、21)が用いられることを特徴とするものである。
【0015】
従って、本発明のステージ装置では、駆動装置(18、21)の推力を大きくする場合でも、割れ等が生じることなく、軽量で粘性抵抗の少ない状態で可動ステージ(WST)を駆動できるため、可動ステージ(WST)に対する制御性を高めることが可能になる。
【0016】
そして、本発明の露光装置は、マスクステージ(RST)に保持されたマスク(R)のパターンを基板ステージ(WST)に保持された感光基板(W)に露光する露光装置(10)において、マスクステージ(RST)と基板ステージ(WST)との少なくとも一方のステージ(WST)として、請求項7に記載されたステージ装置が用いられることを特徴とするものである。
【0017】
従って、本発明の露光装置では、マスクステージ(RST)や基板ステージ(WST)を駆動する際の推力を大きくした場合でも、駆動装置(18、21)における粘性抵抗に起因してマスク(R)や感光基板(W)の位置決め精度が低下することを防止でき、マスク(R)のパターンを高精度に感光基板(W)に露光することが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリニアモータ及びステージ装置並びに露光装置の第1の実施形態を、図1ないし図5を参照して説明する。ここでは、露光装置として、レチクルとウエハとを一次元方向(ここではY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルに形成された半導体デバイスの回路パターンをウエハ上に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式、またはステップ・アンド・スティッチ方式からなる走査露光方式の露光装置を使用する場合の例を用いて説明する。また、この露光装置においては、本発明のステージ装置をウエハステージに適用するものとする。
【0019】
図1には、本発明に係る走査型露光装置(露光装置)10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと、感光基板(基板)としてのウエハWとを一次元方向(ここでは、図1における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW上の各ショット領域に転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
【0020】
図1に示す露光装置10は、光源12からの露光用照明光によりレチクル(マスク)R上の矩形状(あるいは円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する照明光学系IOP、レチクルRを保持して移動するレチクルステージ(マスクステージ)RST、レチクルRから射出される照明光(パルス紫外光)をウエハ(基板)W上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して移動するウエハステージ(基板ステージ)WSTを備えている。なお、ウエハステージWSTは、本発明のステージ装置9における可動ステージを構成している。
【0021】
さらに、露光装置10は、前記照明光学系IOPの一部,レチクルステージRST,投影光学系PL,及びウエハステージWST等を保持する本体コラム14、本体コラム14の振動を抑制あるいは除去する防振ユニット、及びこれらの制御系等を備えている。なお、ここで投影光学系PLの光軸方向をZ方向とし、このZ方向と直交する方向でレチクルRとウエハWの同期移動方向をY方向とし、非同期移動方向をX方向とする。また、それぞれの軸周りの回転方向をθZ、θY、θXとする。
【0022】
光源12としては、ここでは波長192〜194nmの間で酸素の吸収帯を避けるように狭帯化されたパルス紫外光を出力するArFエキシマレーザ光源が用いられており、この光源12の本体は、半導体製造工場のクリーンルーム内の床面FD上に設置されている。光源12には、不図示の光源制御装置が併設されており、この光源制御装置では、射出されるパルス紫外光の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行うようになっている。
【0023】
なお、光源12として、波長248nmのパルス紫外光を出力するKrFエキシマレーザ光源あるいは波長157nmのパルス紫外光を出力するF2レーザ光源等用いても良い。また、光源12をクリーンルームよりクリーン度が低い別の部屋(サービスルーム)、あるいはクリーンルームの床下に設けられるユーティリティスペースに設置しても構わない。
【0024】
光源12は、図1では作図の都合上その図示が省略されているが、実際には遮光性のベローズ及びパイプを介してビームマッチングユニットBMUの一端(入射端)に接続されており、このビームマッチングユニットBMUの他端(出射端)は、内部にリレー光学系を内蔵したパイプ16を介して照明光学系IOPの第1照明光学系IOP1に接続されている。ビームマッチングユニットBMU内には、リレー光学系や複数の可動反射鏡等(いずれも不図示)が設けられており、これらの可動反射鏡等を用いて光源12から入射する狭帯化されたパルス紫外光(ArFエキシマレーザ光)の光路を第1照明光学系IOP1との間で位置的にマッチングさせている。
【0025】
照明光学系IOPは、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2との2部分から構成されている。第1照明光学系IOP1は、床面FDに水平に載置された装置の基準となるフレームキャスタと呼ばれるベースプレートBP上に設置されている。また、第2照明光学系IOP2は、本体コラム14を構成する後述する第2の支持コラム52によって下方から支持されている。
【0026】
第1照明光学系IOP1は、所定の位置関係で配置されたミラー、可変減光器、ビーム成形光学系、オプティカルインテグレータ、集光光学系、振動ミラー、照明系開口絞り板、ビームスプリッタ、リレーレンズ系、及びレチクルブラインド機構を構成する可動視野絞りとしての可動レチクルブラインド(照明領域設定装置)28等を備えている。光源12からのパルス紫外光がビームマッチングユニットBMU及びリレー光学系を介して第1照明光学系IOP1内に水平に入射すると、このパルス紫外光は、可変減光器のNDフィルタにより所定のピーク強度に調整された後、ビーム整形光学系により、オプティカルインテグレータに効率よく入射するようにその断面形状が整形される。
【0027】
可動レチクルブラインド28は、例えば2枚のL字型の可動ブレードと、この可動ブレードを駆動するアクチュエータとを有する。2枚の可動ブレードは、レチクルRの走査方向に対応する方向及び走査方向に直交する非走査方向に対応する方向の位置が可変となっている。この可動レチクルブラインド28は、不要な部分の露光を防止するため、走査露光の開始時及び終了時に可動ブレードにより後述する固定レチクルブラインドによって規定されるレチクルR上の照明領域を更に制限するために用いられる。
【0028】
第2照明光学系IOP2は、照明系ハウジング17内に所定の位置関係で収納された固定レチクルブラインド、レンズ、ミラー、リレーレンズ系、メインコンデンサレンズ等(いずれも不図示)を備えている。固定レチクルブラインドは、照明系ハウジング17の入射端近傍のレチクルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした面に配置され、レチクルR上の照明領域を規定する所定形状の開口部が形成されている。この固定レチクルブラインドの開口部は、投影光学系PLの円形視野内の中央で走査露光時のレチクルRの移動方向(Y軸方向)と直交したX軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状に形成されているものとする。
【0029】
可動レチクルブラインド28のブレードの開口部を通過したパルス紫外光は、固定レチクルブラインドの開口部を一様な強度分布で照明する。固定レチクルブラインドの開口部を通ったパルス紫外光は、レンズ、ミラー、リレーレンズ系、主コンデンサレンズ系を経て、レチクルステージRST上に保持されたレチクルR上の所定の照明領域(X軸方向に直線的に伸びたスリット状又は矩形状の照明領域)を均一な照度分布で照明する。
【0030】
なお、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2とを強固に接合すると、可動レチクルブラインド28の駆動に起因して露光動作中に第1照明光学系IOP1に生じる振動が第2のコラム52に支持された第2照明光学系IOP2にそのまま伝達されることとなって、好ましくない。このため、本実施形態では、第1照明光学系IOP1と第2照明光学系IOP2との間は、両者の相対変位を可能にし、かつその内部を外気に対して気密状態にすることが可能な接続部材としての伸縮自在の蛇腹状部材94を介して接合されている。
【0031】
図1に戻り、本体コラム14は、ベースプレートBP上に設けられた複数本(ここでは4本)の支持部材40A〜40D(但し、紙面奥側の支柱40C、40Dは図示省略)及びこれらの支持部材40A〜40Dの上部にそれぞれ固定された防振ユニット42A〜42D(但し、図1においては紙面奥側の防振ユニット42C、42Dは図示せず、図4参照)を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤44と、この鏡筒定盤44の下面から下方に吊り下げられた吊り下げコラム46と、鏡筒定盤44上に設けられた第1、第2の支持コラム48、52とを備えている。
【0032】
前記防振ユニット42A〜42Dは、支持部材40A〜40Dそれぞれの上部に直列(又は並列)に配置された内圧が調整可能なエアマウントとボイスコイルモータ(不図示)とを含んで構成されている。これらの防振ユニット42A〜42Dによって、ベースプレートBP及び支持部材40A〜40Dを介して鏡筒定盤44に伝わる床面FDからの微振動がマイクロG(Gは重力加速度)レベルで絶縁される構成になっている。
【0033】
前記鏡筒定盤44は鋳物等で構成されており、その中央部に平面視円形の開口が形成され、その内部に投影光学系PLがその光軸方向をZ軸方向として上方から挿入されている。投影光学系PLの鏡筒部の外周部には、該鏡筒部に一体化されたフランジFLGが設けられている。このフランジFLGの素材としては、低熱膨張の材質、例えばインバー(Inver;ニッケル36%、マンガン0.25%、及び微量の炭素と他の元素を含む鉄からなる低膨張の合金)が用いられており、このフランジFLGは、投影光学系PLを鏡筒定盤44に対して点と面とV溝とを介して3点で支持するいわゆるキネマティック支持マウントを構成している。このようなキネマティック支持構造を採用すると、投影光学系PLの鏡筒定盤44に対する組み付けが容易で、しかも組み付け後の鏡筒定盤44及び投影光学系PLの振動、温度変化、姿勢変化等に起因する応力を最も効果的に軽減できるという利点がある。
【0034】
前記吊り下げコラム46は、ウエハベース定盤54と、該ウエハベース定盤54をほぼ水平に吊り下げ支持する4本の吊り下げ部材56とを備えている。また、第1の支持コラム48は、鏡筒定盤44の上面に投影光学系PLを取り囲んで植設された4本の脚58(紙面奥側の脚は図示省略)と、これら4本の脚58によってほぼ水平に支持されたレチクルベース定盤60とを備えている。同様に、第2の支持コラム52は、鏡筒定盤44の上面に、第1の支持コラム48を取り囲む状態で植設された4本の支柱62(紙面奥側の支柱は図示省略)と、これら4本の支柱62によってほぼ水平に支持された天板64とによって構成されている。この第2の支持コラム52の天板64によって、前述した第2部分光学系IOP2が支持されている。
【0035】
また、本体コラム14を構成する鏡筒定盤44には、図1では図示が省略されているが、実際には、本体コラム14のZ方向の振動を計測する3つの振動センサ(例えば加速度計)とXY面内方向の振動を計測する加速度計などの3つの振動センサ(例えば、この内の2つの振動センサは、本体コラム14のY方向の振動を計測し、残りの振動センサは、本体コラム14のX方向の振動を計測する)とが取り付けられている。以下においては、便宜上、これら6つの振動センサを総称して振動センサ群66と称する。
【0036】
この振動センサ群66の計測値は、主制御装置(不図示)に供給されるようになっている。従って、主制御装置では、振動センサ群66の計測値に基づいて本体コラム14の6自由度方向の振動を求めることができる。そして、主制御装置では、例えばレチクルステージRST、ウエハステージWSTの移動時等には、振動センサ群66の計測値に基づいて求めた本体コラム14の6自由度方向の振動を除去すべく、防振ユニット42A〜42Dの速度制御を例えばフィードバック制御あるいはフィードバック制御及びフィードフォワード制御によって行い、本体コラム14の振動を効果的に抑制することが可能である。
【0037】
図2に示すように、レチクルステージRSTは、レチクルベース定盤60上を一対のYリニアモータ15、15によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるレチクル粗動ステージ36と、このレチクル粗動ステージ36上を一対のXボイスコイルモータ37Xと一対のYボイスコイルモータ37YとによってX、Y、θZ方向に微小駆動されるレチクル微動ステージ38とを備えた構成になっている(なお、図1では、これらを1つのステージとして図示している)。
【0038】
レチクル微動ステージ38には、バキュームチャック45を介してレチクルRが吸着保持されるようになっている。レチクル微動ステージ38の−Y方向の端部には、コーナキューブからなる一対のY移動鏡72a、72b(図1では符号72で図示)が固定され、また、レチクル微動ステージ38の+X方向の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡53が固定されている。
【0039】
そして、これら移動鏡72a、72b、53に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(図1に、レーザ干渉計70のみ図示)が各移動鏡の反射面と投影光学系PLの鏡筒上端に固定された参照鏡Mrとに向けてそれぞれレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいて、移動鏡と参照鏡との相対変位を計測することにより、レチクルステージRST(ひいてはレチクルR)のX、Y、θZ(Z軸回りの回転)方向の位置が所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。なお、レチクル微動ステージ38の材質としては、高剛性、且つ低熱膨張率の材料が好ましく、金属やコージェライトまたはSiCからなるセラミックスを用いることができる。
【0040】
レチクル粗動ステージ36は、レチクルベース定盤60の中央部に形成された上部突出部60aの上面に固定されY軸方向に延びる一対のYガイド51、51によってY軸方向に案内されるようになっている。また、レチクル粗動ステージ36は、これらYガイド51、51に対して不図示のエアベアリングによって非接触で移動自在に支持されている。
【0041】
各Yリニアモータ15は、レチクル定盤3上に非接触ベアリングである複数のエアベアリング(エアパッド)7によって浮上支持されY軸方向に延びる固定子5と、この固定子5に対応して設けられ、連結部材8を介してレチクル粗動ステージ36に固定され、固定子5との間の電磁気的相互作用で移動する可動子6とから構成されている。このため、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ36の+Y方向の移動に応じて、固定子5は−Y方向に移動する。この固定子5の移動によりレチクル粗動ステージ36の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことができる。
【0042】
なお、固定子5は、レチクルベース定盤60上に代えて、第2の支持コラム52に設けてもよい。固定子5を第2の支持コラム52に設ける場合には、エアベアリング7を省略し、固定子5を支持コラム52に固定して、レチクル粗動ステージ36の移動により固定子5に作用する反力を支持コラム52を介してベースプレートBPに逃がしてもよい。
【0043】
図1に戻り、投影光学系PLとしては、ここでは、物体面(レチクルR)側と像面(ウエハW)側の両方がテレセントリックで円形の投影視野を有し、石英や螢石を光学硝材とした屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る1/4、1/5、又は1/6縮小倍率の屈折光学系が使用されている。このため、レチクルRにパルス紫外光が照射されると、レチクルR上の回路パターン領域のうちのパルス紫外光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その回路パターンの部分倒立像がパルス紫外光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の円形視野の中央にスリット状または矩形状(多角形)に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0044】
図3に示すように、ステージ装置9は、前述した吊り下げコラム46を構成するウエハベース定盤54上に配置された二組のリニアモータ18、18及びエアガイド19と、エアガイド19上に配置されてウエハ定盤54に対してX方向に相対移動自在なサブベース20と、サブベース20上に配置された二組のリニアモータ21、21及びエアガイド22と、エアガイド22上に配置されてサブベース20に対してY方向に相対移動自在なウエハステージ(テーブル)WSTから概略構成されている。
【0045】
ウエハステージWSTの上面には、ウエハホルダ76(図1参照)を介してウエハWが真空吸着等によって固定されている。ウエハステージWSTのXY位置及び回転量(ヨーイング量、ローリング量、ピッチング量)は、投影光学系PLの鏡筒下端に固定された参照鏡Mwを基準としてウエハステージWSTの一部に固定された移動鏡78の位置変化を計測するウエハレーザ干渉計80によって所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。
【0046】
各リニアモータ18は、ウエハベース定盤54上にX方向に延在させて固定された固定子23と、サブベース20に設けられ固定子23に対して電磁気的相互作用で移動する可動子24とを主体に構成されている。また、各リニアモータ21は、サブベース20上にY方向に延在させて固定された固定子25と、ウエハステージWSTに設けられ固定子25に対して電磁気的相互作用で移動する可動子26とを主体に構成されている。
【0047】
図4に、リニアモータ18、21の斜視図を示す。なお、この図においては、可動子24に固定されるサブベース20、可動子26に固定されるウエハステージWSTの図示を省略している。本実施形態におけるリニアモータ18、21は、ムービングコイル型のモータであり、スペーサ27により互いに間隔をあけて平行配置されたヨーク29、29に複数の永久磁石(発磁体)30が対向状態で配列された固定子23、25と、コイル体(図5参照)を有する可動子24、26とから構成されている。
【0048】
図5は、可動子24、26の分解斜視図である。可動子24、26は、コイルユニット31と、このコイルユニット31を内包して保持するジャケット(保持体)32とからそれぞれ構成されている。コイルユニット31は、樹脂等で固められた複数のコイル体33と、コイル体33を保持するコイル保持体(保持体)34とから構成されており、コイル体33は、接着剤等によりコイル保持体34に固定されている。なお、コイル体33をコイル保持体34内に配置した後に、隙間にプラスチックを充填することにより、コイル体33とコイル保持体34とを一体化する方法としてもよい。
【0049】
また、ジャケット32は、枠体(枠部材)37と、枠体37の上下両側にそれぞれ接合してコイルユニット31を収納する閉空間を形成する薄板状の蓋体(板状部材)35、35とから構成されている。枠体37には、コイル保持体34をネジで取り付ける際に用いられる複数の取付用孔37a、不図示の冷媒導入口、冷媒排出口及び電線用コネクタ取付部等が設けられており、コイルユニット31はネジ止めで枠体37に固定される。また、コイルユニット31が固定された枠体37を蓋体35、35で閉塞した際には、コイルユニット31と各蓋体35、35との間には隙間が形成され、この隙間がコイルユニット31に対する温度調整用の冷媒流路となっている。なお、蓋体35は、シール部材(図示せず)を介して枠体37に接着剤や取付ネジ等で固定(接合)されることでジャケット32から冷媒が漏出しない構成になっている。
【0050】
上記コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35、35はそれぞれ金属マトリックス複合材で形成されている。この金属マトリックス複合材は、金属を母材としてセラミックス粒子を分散配合したものである。セラミックスとしては、Al2O3やAlN、SiC等の金属酸化物や金属窒化物を用いることができ、金属母材としてはオーステナイトステンレス、ニッケル合金、チタン合金等を用いることができる。本実施の形態では、セラミックス粒子としてアルミナ(Al2O3)を用い、金属母材としてステンレス合金を用いた。なお、この金属マトリックス複合材の製造方法としては、例えばセラミックスをプリフォームした後に金属を浸透させる、いわゆる非加圧金属浸透法や、溶融金属にセラミックス粒子を浸透・希釈した後に鋳型を用いて成形する、いわゆる鋳造法等を採用可能である。
【0051】
次に、コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を構成する金属マトリックス複合材の作用について説明する。
強度に関しては、例えばアルミナ(Al2O3)の3点曲げ強度は約340MPa、引張強度は約245MPa程度であるが、Al−Mg系金属基に上記アルミナを60体積%分散配合した場合には、3点曲げ強度が約570MPa、引張強度が約450MPa程度に上昇し、さらに靱性も3倍以上向上させることができる。以上、Al−Mg系金属基の場合を説明したが、金属母材として他の金属基、例えばステンレス、ニッケル合金、チタン合金を用いた場合にも、同様に各金属基の機械的特性に応じた強度向上が得られる。従って、冷媒による圧力やコイル体33に発生する推力による圧縮力や引張力を常時受けるジャケット32やコイル保持体34(さらに枠体37、蓋体35)に金属マトリックス複合材を用いても支障を来さない。また、強度を上げるためにコイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を不必要に厚くする必要がなくなり、小型軽量化を実現することができる。
【0052】
また、金属マトリックス複合材には、金属が混入しているため、成形後の機械加工がセラミックス単体に比較して容易となり、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることも可能である。さらに、取付ネジを用いる場合には、セラミックスやプラスチック単体では強度不足のため金属ブッシュ等の別部材を設ける必要があるが、金属マトリックス複合材ではネジ穴を直接設けることができるので、ネジ穴近傍の寸法を小さくすることができ設計上の自由度を増すことができる。
【0053】
一方、渦電流に関しては、金属材料の電気抵抗率は100μΩ・cm程度であるが、例えば上記の金属基(オーステナイトステンレス、ニッケル合金、チタン合金)に50体積%のセラミックスを含有させることにより、複合材として電気抵抗率を200μΩ・cm程度に上げることができる。従って、複合材に発生する渦電量を大幅に減らして粘性抵抗を低減させることが可能になる。このように、電気抵抗率を数倍程度あげることで渦電流の発生による粘性抵抗がほぼ問題とならなくなることと、上記強度(曲げ強度、引張強度、靱性)を考慮して、本実施の形態では金属基とセラミックスとの混合比(複合比)を50体積%に設定している。
【0054】
続いて、上述のようにして構成された露光装置10における露光動作について説明する。
ウエハステージWST上にウエハWが搬送され、フォーカス調整が終了すると、不図示のアライメント系を用いてレチクルRとウエハWとを位置決め(アライメント)する。このようにして、ウエハWの露光のための準備動作が終了すると、主制御装置では、アライメント結果に基づいてウエハレーザ干渉計80の計測値をモニタしつつ、リニアモータ18を駆動してウエハWの第1ショットの露光のための走査開始位置にウエハステージWSTを移動させる。
【0055】
そして、Yリニアモータ15及びリニアモータ21の駆動により、レチクルステージRST(レチクル粗動ステージ36)とウエハステージWSTとのY方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、パルス紫外光によってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。なお、この走査露光の開始に先立って、光源12の発光は開始されているが、レチクルブラインド装置を構成する可動ブラインド28の各可動ブレードの移動がレチクルステージRSTの移動と同期制御されているため、レチクルR上のパターン領域外へのパルス紫外光の照射が遮光されることは、通常のスキャニング・ステッパと同様である。
【0056】
主制御装置では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率(1/4倍、1/5倍あるいは1/6倍)に応じた速度比に維持されるようにYリニアモータ15及びウエハステージ駆動系を介してレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。
【0057】
この場合、運動量保存の法則により、レチクル粗動ステージ36のY方向の移動に応じて、固定子5は逆方向に移動する。この固定子5の移動によりレチクル粗動ステージ36の移動に伴う反力を相殺するとともに、重心位置の変化を防ぐことが可能になる。
【0058】
そして、レチクルRのパターン領域がパルス紫外光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1ショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して第1ショットに縮小転写される。このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、ウエハステージ駆動系を介してウエハステージWSTがX軸方向にステップ移動され、第2ショットへの露光のため走査開始位置に移動される。このステッピングの際に、ウエハステージWSTの位置(ウエハWの位置)を検出するウエハレーザ干渉計80の計測値に基づいてウエハステージWSTのX、Y、θz方向の位置変位をリアルタイムに計測する。この計測結果に基づき、ウエハステージ駆動系を制御してウエハステージWSTのXY位置変位が所定の状態になるようにウエハステージWSTの位置を制御する。
【0059】
また、主制御装置ではウエハステージWSTのθz方向の変位の情報に基づいてYリニアモータ15及びボイスコイルモータ37X、37Yを制御し、そのウエハW側の回転変位の誤差を補償するようにレチクルステージRST(レチクル微動ステージ38)を回転制御する。そして、第2ショット領域に対して上記と同様の走査露光を行う。このようにして、ウエハW上のショットの走査露光(走査ステップ)と次ショット露光のためのステッピング動作(移動ステップ)とが繰り返し行われ、ウエハW上の露光対象ショット領域の全てにレチクルRのパターンが順次転写される。
【0060】
以上のように、本実施の形態では、リニアモータ18、21におけるコイル保持体34、枠体37、蓋体35が金属マトリックス複合材で構成されているので、推力を大きくする場合でも、強度不足対策でこれらを厚くしたりする必要がなくなり高強度・小型軽量化を実現できるともに、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることが可能になる。さらに、本実施の形態では、金属マトリックス複合材を用いることで渦電流の発生を抑えて粘性抵抗を低減しているので、ウエハステージWST(すなわちウエハW)に対する位置制御性(信頼性)の低下を防ぐことも可能になる。
【0061】
図6乃至図8は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
これらの図において、図1乃至図5に示す第1の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、リニアモータ21の構成である。
【0062】
図6に示すリニアモータ21は、サブベース20上にY方向に延在させて固定された固定子81と、ウエハステージWSTに設けられ固定子81に対して電磁気的相互作用で移動する可動子82とを主体に構成されている。図7に、リニアモータ21の斜視図を示す。なお、この図においては、可動子82に固定されるウエハステージWSTの図示を省略している。本実施形態におけるリニアモータ21は、ムービングマグネット型のモータであり、可動子82はスペーサ27により互いに間隔をあけて平行配置されたヨーク29、29に複数の永久磁石30が対向状態で配列された構成となっている。
【0063】
一方、固定子81は、図8の分解斜視図に示すように、コイルユニット31と、このコイルユニット31を内包して保持するジャケット32とから構成されている。コイルユニット31は、複数のコイル体33と、コイル体33を保持するコイル保持体34とから構成されており、コイル体33は、接着剤等によりコイル保持体34に固定される。
【0064】
ジャケット32は、断面ロ字の筒状の枠体37と、枠体37の両端開口部にそれぞれ接合してコイルユニット31を収納する閉空間を形成する薄板状の蓋体35、35とから構成されている。枠体37には、コイル保持体34をネジで取り付ける際に用いられる複数の取付用孔37aが設けられている。また、蓋体35には、冷媒導入口、冷媒排出口及び電線用コネクタ取付部等(いずれも不図示)が設けられている。そして、これらコイル保持体34、枠体37、蓋体35が上述した金属マトリックス複合材で形成されている。他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0065】
本実施の形態では、上記第1の実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、走査露光時に枠体37が移動しないので、枠体37や蓋体35に接続される冷媒の供給菅・排出管、電気配線等の用力供給菅の擦れや叩きに起因する振動等の外乱が生じることを防止でき、この外乱による露光精度の低下を未然に防ぐことが可能になる。
【0066】
なお、上記実施の形態では、コイル保持体34、ジャケット32の枠体37、蓋体35を全体的に金属マトリックス複合材で形成するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、これらの特定部位を金属マトリックス複合材で形成してもよい。この場合、永久磁石30による磁束が通過する部位、例えば枠体37を金属マトリックス複合材で形成すれば、渦電流による粘性抵抗の発生を抑制することができる。
【0067】
また、上記実施の形態では、セラミックス複合材として金属マトリックス複合材を用いる構成としたが、これに限られず、例えば金属材(または別の材質の部材)で形成された芯材の表面にセラミックスコーティングを施した複合材を用いる構成とすることも可能である。さらに、上記実施の形態では、ジャケット32の中、枠体37と蓋体35の双方を金属マトリックス複合材で形成する構成としたが、例えばいずれか一方を上述したセラミックス複合材で形成し、他方については強化材としてガラス繊維や炭素繊維を含有する繊維強化プラスチックで形成することも可能である。繊維強化プラスチックは、母材が絶縁材であるプラスチックであるため、渦電流の発生がほとんどなく、粘性抵抗の発生を抑えることができ、同時に、繊維強化プラスチックで形成した部材の軽量化を図ることができる。この場合、繊維強化プラスチックはシート状(板状)の部材を形成するのに適しているため、図5及び図8に示すジャケット32では蓋体35を繊維強化プラスチックで形成することが好ましい。
【0068】
また、上記実施形態では、本発明のステージ装置を露光装置10におけるウエハステージに適用するものとして説明したが、レチクルステージRSTに対しても適用可能である。さらに、上記実施の形態では、本発明のステージ装置を露光装置10に適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、露光装置10以外にも転写マスクの描画装置、マスクパターンの位置座標測定装置等の精密測定機器にも適用可能である。
【0069】
なお、本実施の形態の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0070】
露光装置10としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
【0071】
露光装置10の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0072】
また、露光用光源12としては、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)、Ar2レーザ(126nm)のみならず、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高調波などを用いてもよい。
【0073】
例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を露光光として用いてもよい。なお、単一波長レーザの発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0074】
また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する波長5〜50nm程度の軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を露光光として用いてもよく、EUV露光装置では反射型レチクルが用いられ、かつ投影光学系が複数枚(例えば3〜6枚程度)の反射光学素子(ミラー)のみからなる縮小系となっている。
【0075】
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。
【0076】
ウエハステージWSTやレチクルステージRSTにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージWST、RSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0077】
以上のように、本願実施形態の露光装置10は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0078】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図9に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、シリコン材料からウエハを製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置10によりレチクルのパターンをウエハに露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、推力を大きくする場合でも高強度・小型軽量化を実現できるともに、加工時間の短縮、工具の長寿命化に寄与することでコストを下げることができる。また、本発明では、渦電流の発生を抑えて粘性抵抗を低減しているので、基板に対する位置制御性・信頼性の低下を防ぐことも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る走査型の露光装置の全体構成を概略的に示す図である。
【図2】同露光装置を構成するレチクルステージの外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す図であって、ステージ装置の外観斜視図である。
【図4】第1の実施形態のステージ装置を構成するリニアモータの外観斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態のリニアモータを構成する可動子の分解斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図であって、ステージ装置の外観斜視図である。
【図7】第2の実施形態のステージ装置を構成するリニアモータの外観斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態のリニアモータを構成する固定子の分解斜視図である。
【図9】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
R レチクル(マスク)
RST レチクルステージ(マスクステージ)
W ウエハ(基板、感光基板)
WST ウエハステージ(基板ステージ、可動ステージ)
9 ステージ装置
10 走査型露光装置(露光装置)
18、21 リニアモータ
30 永久磁石(発磁体)
32 ジャケット(保持体)
33 コイル体
34 コイル保持体(保持体)
35 蓋体(板状部材)
37 枠体(枠部材)
Claims (8)
- コイル体を保持する保持体を有するリニアモータであって、
前記保持体の少なくとも一部がセラミックス複合材で構成されることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1記載のリニアモータにおいて、
前記セラミックス複合材は、金属を母材とする金属マトリックス複合材であることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項2記載のリニアモータにおいて、
前記金属は、ステンレス、ニッケル合金、チタン合金のいずれかであることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項2または3記載のリニアモータにおいて、
前記金属マトリックス複合材は、複合材としての電気抵抗率に基づいて、前記金属と前記セラミックスとの複合比が設定されることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1から4のいずれかに記載のリニアモータにおいて、
前記保持体は、発磁体による磁束が通過する特定部位が前記セラミックス複合材で構成されることを特徴とするリニアモータ。 - 請求項1から5のいずれかに記載のリニアモータにおいて、
前記保持体は、枠部材と、前記枠部材と接合して前記コイル体を収納する閉空間を形成する板状部材とを含み、
前記枠部材と前記板状部材とのいずれか一方は前記セラミックス複合材で形成され、
前記枠部材と前記板状部材とのいずれか他方は繊維強化プラスチックで形成されることを特徴とするリニアモータ。 - 基板を保持して移動する可動ステージと、該可動ステージを駆動する駆動装置とを有するステージ装置であって、
前記駆動装置として、請求項1から6の何れか一項に記載のリニアモータが用いられることを特徴とするステージ装置。 - マスクステージに保持されたマスクのパターンを基板ステージに保持された感光基板に露光する露光装置において、
前記マスクステージと前記基板ステージとの少なくとも一方のステージとして、請求項7に記載されたステージ装置が用いられることを特徴とする露光装置。
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