JP2004015908A - リニアモータ、ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

リニアモータ、ステージ装置及び露光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004015908A
JP2004015908A JP2002165431A JP2002165431A JP2004015908A JP 2004015908 A JP2004015908 A JP 2004015908A JP 2002165431 A JP2002165431 A JP 2002165431A JP 2002165431 A JP2002165431 A JP 2002165431A JP 2004015908 A JP2004015908 A JP 2004015908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
linear motor
coil
stage
motor according
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002165431A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Tanimura
谷村 尚
Toshihisa Tanaka
田中 稔久
Shigeki Kageyama
影山 滋樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2002165431A priority Critical patent/JP2004015908A/ja
Publication of JP2004015908A publication Critical patent/JP2004015908A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Linear Motors (AREA)
  • Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】コイルを収容したハウジング部の内部に冷媒を供給してもハウジング部の変形が抑えられるリニアモータを提供する。
【解決手段】リニアモータ40は、空芯部71を有するコイル70と、コイル70を収容するハウジング部60と、コイル70の空芯部71に配置され、コイル70を空芯部71で支持する支持部72と、支持部72に設けられ、ハウジング部60の内壁68と接する少なくとも1つの凸部74とを備えている。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータ、ステージ装置及び露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶表示素子等のマイクロデバイスはマスク上に形成されたパターンを基板(感光基板)上に転写するいわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、マスクを支持して2次元移動するマスクステージと基板を支持して2次元移動する基板ステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して基板に転写するものである。露光装置としては、基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。いずれの露光装置においてもマスクと基板との相対位置を高精度に一致させてマスクパターンの転写を行うことが要求されるため、マスクステージ及び基板ステージの位置決め精度は露光装置の最も重要な性能の一つである。
【0003】
従来より、上記基板ステージ及びマスクステージ(以下、両者を総称してステージという)の駆動源としてリニアモータが用いられているが、リニアモータからの発熱はステージ位置決め精度に影響を及ぼす。例えば、リニアモータからの発熱が周囲の部材を変形させたり、光干渉式測長計の光路上における空気温度を変化させて測定値に誤差を生じさせる。したがって、リニアモータからの発熱が周囲に伝わるのを防ぐために、リニアモータのコイルをハウジング(ジャケット)に収容し、このハウジング内部に冷媒を供給する従来技術がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のリニアモータには以下に述べる問題が生じるようになった。
ステージの高性能化に伴いリニアモータの高出力化が要求されるが、高出力化のためにはコイルに流す電流を大きくする必要があり、これに伴ってコイルからの発熱量が大きくなる。したがって、ハウジング表面の温度上昇を抑えるためにハウジング内部に供給する冷媒供給量(単位時間当たりの供給量)を多くする必要が生じる。しかしながら、冷媒供給量を多くするとハウジング内部の圧力が上昇してハウジングが変形し、他の部材と接触したり磁束密度に影響を及ぼしたりするといった不都合が生じるようになった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、コイルを収容するハウジングを有するリニアモータにおいて、ハウジング内部に冷媒を供給してもハウジングの変形が抑えられるとともに、ハウジング表面の温度上昇を抑えることができるリニアモータ、このリニアモータを備えたステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図11に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のリニアモータ(20、30、40)は、空芯部(71)を有するコイル(70)と、コイル(70)を収容するハウジング部(60)とを備えたリニアモータにおいて、コイル(70)の空芯部(71)に配置され、コイル(70)を空芯部(71)で支持する支持部(72)と、支持部(72)に設けられ、ハウジング部(60)の内壁(68)と接する少なくとも1つの凸部(74)とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、コイルを支持する支持部に、ハウジング部の内壁と接する凸部を設けたことにより、この凸部がハウジング部の補強部材となり、ハウジング部内部に多くの冷媒を供給してもハウジング部の変形を抑えることができる。また、この支持部をコイルの空芯部に設け、空芯部でコイルを支持するようにしたので、コイルは位置決めされ、リニアモータの動作は安定化する。
【0008】
また、本発明のリニアモータは、ハウジング部と凸部とを固定する固定部材(75)を有するものとすることができる。これによれば、ハウジング部と凸部とが固定部材によって固定されるので、ハウジング部内部に冷媒を供給した場合でもハウジング部の変形を抑えることができる。
【0009】
その固定部材は凸部と熱伝統率の異なる材料で構成することができ、更に凸部より熱伝導率の低い材料で構成することもできる。これによれば、コイルが発生する熱をハウジング部に伝えにくくすることができる。また、その固定部材は非導電性且つ非磁性材料で構成することが好ましい。
【0010】
また、本発明のリニアモータは、ハウジング部が枠部材(61)と、該枠部材を両側から挟む複数の板部材(62)とを有し、その固定部材は、板部材と凸部とを固定するねじ(75)であることを特徴とする。これによれば、固定部材がねじであるのでハウジング部の外部から比較的容易に板部材と凸部とを固定することができる。
【0011】
また、凸部は、支持部の材質と異なる材質で構成され、該材質は支持部の材質よりも熱伝統率の低い材質とすることができる。これによれば、コイルの発生する熱が凸部を介してハウジング部に伝わるのを抑えることができる。
【0012】
また、凸部は、板部材と対面する支持部の両側にそれぞれ複数箇所設けることができる。そのコイルに設けられる凸部の数は、リニアモータが発生する推力に応じて、又は板部材の面積に応じて決定することができる。これによりリニアモータの仕様及び構成に応じて最適な数の凸部を設けることができる。
【0013】
また、複数のコイルが配列されたリニアモータにおいて、複数のコイルのそれぞれに設けられる凸部の数は、そのコイルが配列された位置に応じて異なるように構成することができる。これによれば、配列されたコイルの位置によってハウジング部の変形量が異なる場合にも、複数のコイルのそれぞれについて最適な数の凸部を設け、ハウジング部の変形を効果的に抑えることができる。
【0014】
また、本発明のリニアモータは、磁石(91)を有しハウジング部を挟んで設けられたヨーク部(90)を備え、ハウジング部のうち少なくともその磁石と対向する部分は非導電性且つ非磁性材料からなることを特徴とする。これによれば、ハウジング部が磁束中を移動しても渦電流の発生を抑制することができ、リニアモータ駆動時の粘性抵抗を低く抑えることができる。
【0015】
また、支持部及び凸部は、非導電性且つ非磁性材料からなることを特徴とする。これによれば、支持部及び凸部が磁束中を移動しても渦電流の発生を抑制することができ、リニアモータ駆動時の粘性抵抗を低く抑えることができる。
【0016】
本発明のステージ装置(1、2)は、駆動装置を備えたステージ装置において、駆動装置に、上記記載のリニアモータ(20、30、40)が用いられていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のステージ装置は、可動部(PST)を駆動する駆動装置を備えたステージ装置(2)において、その駆動装置は可動部を第1の方向(X)に駆動する第1駆動部(40)と、第1の方向と直交する第2の方向(Y)に駆動する第2駆動部(30)とを有し、その第1駆動部とその第2駆動部とのいずれにも上記記載のリニアモータが用いられているとともに、第1駆動部に用いられるリニアモータと、第2駆動部に用いられるリニアモータとは、コイル1つあたりに設けられた凸部の数が互いに異なるリニアモータである。これによれば、第1駆動部と第2駆動部とでハウジング部の変形量が異なる場合であっても、最適な数の凸部をコイルに設けることができ、それぞれの駆動部のハウジング部の変形を効果的に抑えることができる。
【0018】
また、本発明の露光装置(EX)は、マスク(M)を支持するマスクステージ(MST、1)と、基板(P)を支持する基板ステージ(PST、2)とを備えた露光装置において、マスクステージ(MST、1)及び基板ステージ(PST、2)のうち少なくともいずれか一方に、上記記載のステージ装置が用いられていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、ハウジング部の変形を抑えつつリニアモータからの発熱の周囲への伝達を抑えることができるので、高い位置決め精度を有するステージ装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリニアモータ、ステージ装置及び露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明のステージ装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。ここで、本実施形態における露光装置EXは、マスクMと感光基板Pとを同期移動しつつマスクMに設けられているパターンを投影光学系PLを介して感光基板P上に転写する所謂スキャニングステッパである。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内における前記同期移動方向(第2の方向、走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向と垂直な方向(第1の方向、非走査方向)をX軸方向とする。更に、X軸まわり、Y軸まわり、及びZ軸まわりの回転方向をそれぞれθX方向、θY方向、及びθZ方向とする。また、ここでいう「感光基板」は半導体ウエハ上にレジストが塗布されたものを含み、「マスク」は感光基板上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
【0021】
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動するマスクステージMST及びこのマスクステージMSTを支持するマスク定盤3を有するステージ装置1と、光源を有し、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光で照明する照明光学系ILと、感光基板Pを保持して移動する基板ステージPST及びこの基板ステージPSTを支持する基板定盤4を有するステージ装置2と、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、ステージ装置1及び投影光学系PLを支持するリアクションフレーム5と、露光装置EXの動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。リアクションフレーム5は床面に水平に載置されたベースプレート6上に設置されており、このリアクションフレーム5の上部側及び下部側には内側に向けて突出する段部5a及び5bがそれぞれ形成されている。
【0022】
照明光学系ILはリアクションフレーム5の上面に固定された支持コラム7により支持される。照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
【0023】
ステージ装置1のうちマスク定盤3は各コーナーにおいてリアクションフレーム5の段部5aに防振ユニット8を介してほぼ水平に支持されており、その中央部にマスクMのパターン像が通過する開口3aを備えている。マスクステージMSTはマスク定盤3上に設けられており、その中央部にマスク定盤3の開口3aと連通しマスクMのパターン像が通過する開口Kを備えている。マスクステージMSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング9が設けられており、マスクステージMSTはエアベアリング9によりマスク定盤3に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0024】
図2はマスクステージMSTを有するステージ装置1の概略斜視図である。
図2に示すように、ステージ装置1(マスクステージMST)は、マスク定盤3上に設けられたマスク粗動ステージ16と、マスク粗動ステージ16上に設けられたマスク微動ステージ18と、マスク定盤3上において粗動ステージ16をY軸方向に所定ストロークで移動可能な一対のYリニアモータ(リニアモータ、駆動装置)20、20と、マスク定盤3の中央部の上部突出部3bの上面に設けられ、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内する一対のYガイド部24、24と、粗動ステージ16上において微動ステージ18をX軸、Y軸、及びθZ方向に微小移動可能な一対のXボイスコイルモータ17X及び一対のYボイスコイルモータ17Yとを備えている。なお、図1では、粗動ステージ16及び微動ステージ18を簡略化して1つのステージとして図示している。
【0025】
Yリニアモータ20のそれぞれは、マスク定盤3上においてY軸方向に延びるように設けられたコイルユニット(電機子ユニット)からなる一対の固定子21と、この固定子21に対応して設けられ、連結部材23を介して粗動ステージ16に固定された磁石ユニットからなる可動子22とを備えている。そして、これら固定子21及び可動子22によりムービングマグネット型のリニアモータ20が構成されており、可動子22が固定子21との間の電磁気的相互作用により駆動することで粗動ステージ16(マスクステージMST)がY軸方向に移動する。固定子21のそれぞれは非接触ベアリングである複数のエアベアリング19によりマスク定盤3に対して浮上支持されている。このため、運動量保存の法則により粗動ステージ16の+Y方向の移動に応じて固定子21が−Y方向に移動する。この固定子21の移動により粗動ステージ16の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を防ぐことができる。なお、固定子21は、マスク定盤3に変えてリアクションフレーム5に設けられてもよい。固定子21をリアクションフレーム5に設ける場合にはエアベアリング19を省略し、固定子21をリアクションフレーム5に固定して粗動ステージ16の移動により固定子21に作用する反力をリアクションフレーム5を介して床に逃がしてもよい。
【0026】
Yガイド部24のそれぞれは、Y軸方向に移動する粗動ステージ16を案内するものであって、マスク定盤3の中央部に形成された上部突出部3bの上面においてY軸方向に延びるように固定されている。また、粗動ステージ16とYガイド部24、24との間には非接触ベアリングである不図示のエアベアリングが設けられており、粗動ステージ16はYガイド部24に対して非接触で支持されている。
【0027】
微動ステージ18は不図示のバキュームチャックを介してマスクMを吸着保持する。微動ステージ18の+Y方向の端部にはコーナーキューブからなる一対のY移動鏡25a、25bが固定され、微動ステージ18の−X方向の端部にはY軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡26が固定されている。そして、これら移動鏡25a、25b、26に対して測長ビームを照射する3つのレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置が高精度で検出される。制御装置CONTはこれらレーザ干渉計の検出結果に基づいて、Yリニアモータ20、Xボイスコイルモータ17X、及びYボイスコイルモータ17Yを含む各モータを駆動し、微動ステージ18に支持されているマスクM(マスクステージMST)の位置制御を行う。
【0028】
図1に戻って、開口K及び開口3aを通過したマスクMのパターン像は投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは複数の光学素子により構成され、これら光学素子は鏡筒で支持されている。投影光学系PLは、例えば1/4又は1/5の投影倍率を有する縮小系である。なお、投影光学系PLとしては等倍系あるいは拡大系のいずれでもよい。投影光学系PLの鏡筒の外周にはこの鏡筒に一体化されたフランジ部10が設けられている。そして、投影光学系PLはリアクションフレーム5の段部5bに防振ユニット11を介してほぼ水平に支持された鏡筒定盤12にフランジ部10を係合している。
【0029】
ステージ装置2は、基板ステージ(可動部)PSTと、基板ステージPSTをXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持する基板定盤4と、基板ステージPSTをX軸方向に案内しつつ移動自在に支持するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35に設けられ、基板ステージPSTをX軸方向に移動可能なXリニアモータ(リニアモータ、駆動装置、第1駆動部)40と、Xガイドステージ35をY軸方向に移動可能な一対のYリニアモータ(リニアモータ、駆動装置、第2駆動部)30、30とを有している。基板ステージPSTは感光基板Pを真空吸着保持する基板ホルダPHを有しており、感光基板Pは基板ホルダPHを介して基板ステージPSTに支持される。また、基板ステージPSTの底面には非接触ベアリングである複数のエアベアリング37が設けられており、これらエアベアリング37により基板ステージPSTは基板定盤4に対して非接触で支持されている。また、基板定盤4はベースプレート6の上方に防振ユニット13を介してほぼ水平に支持されている。
【0030】
Xガイドステージ35の+X側には、Xトリムモータ34の可動子34aが取り付けられている。また、Xトリムモータ34の固定子34bはリアクションフレーム5に設けられている。このため、基板ステージPSTをX軸方向に駆動する際の反力は、Xトリムモータ34及びリアクションフレーム5を介してベースプレート6に伝達される。
【0031】
図3は基板ステージPSTを有するステージ装置2の概略斜視図である。
図3に示すように、ステージ装置2は、X軸方向に沿った長尺形状を有するXガイドステージ35と、Xガイドステージ35で案内しつつ基板ステージ(可動部)PSTをX軸方向(第1の方向)に所定ストロークで移動可能なXリニアモータ(第1駆動部)40と、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられ、このXガイドステージ35を基板ステージPSTとともにY軸方向(第2の方向)に移動可能な一対のYリニアモータ(第2駆動部)30、30とを備えている。
【0032】
Xリニアモータ40は、Xガイドステージ35にX軸方向に延びるように設けられたコイルユニットからなる固定子41と、この固定子41に対応して設けられ、基板ステージPSTに固定された磁石ユニットからなる可動子42とを備えている。これら固定子41及び可動子42によりムービングマグネット型のリニアモータ40が構成されており、可動子42が固定子41との間の電磁気的相互作用により駆動することで基板ステージPSTがX軸方向に移動する。ここで、基板ステージPSTはXガイドステージ35に対してZ軸方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドにより非接触で支持されている。基板ステージPSTはXガイドステージ35に非接触支持された状態でXリニアモータ40によりX軸方向に移動する。
【0033】
Yリニアモータ30のそれぞれは、Xガイドステージ35の長手方向両端に設けられた磁石ユニットからなる可動子32と、この可動子32に対応して設けられコイルユニットからなる固定子31とを備えている。ここで、固定子31、31はベースプレート6に突設された支持部36、36(図1参照)に設けられている。なお、図1では固定子31及び可動子32は簡略化して図示されている。これら固定子31及び可動子32によりムービングマグネット型のリニアモータ30が構成されており、可動子32が固定子31との間の電磁気的相互作用により駆動することでXガイドステージ35がY軸方向に移動する。また、Yリニアモータ30、30のそれぞれの駆動を調整することでXガイドステージ35はθZ方向にも回転移動可能となっている。したがって、このYリニアモータ30、30により基板ステージPSTがXガイドステージ35とほぼ一体的にY軸方向及びθZ方向に移動可能となっている。
【0034】
図1に戻って、基板ステージPSTの−X側の側縁にはY軸方向に沿って延設されたX移動鏡51が設けられ、X移動鏡51に対向する位置にはレーザ干渉計50が設けられている。レーザ干渉計50はX移動鏡51の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡52とのそれぞれに向けてレーザ光(検出光)を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてX移動鏡51と参照鏡52との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのX軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。同様に、基板ステージPST上の+Y側の側縁にはX軸方向に沿って延設されたY移動鏡53(図1には不図示、図3参照)が設けられ、Y移動鏡53に対向する位置にはYレーザ干渉計(不図示)が設けられており、Yレーザ干渉計はY移動鏡53の反射面と投影光学系PLの鏡筒下端に設けられた参照鏡(不図示)とのそれぞれに向けてレーザ光を照射するとともに、その反射光と入射光との干渉に基づいてY移動鏡と参照鏡との相対変位を計測することにより、基板ステージPST、ひいては感光基板PのY軸方向における位置を所定の分解能でリアルタイムに検出する。レーザ干渉計の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計の検出結果に基づいてリニアモータ30、40を介して基板ステージPSTの位置制御を行う。
【0035】
次に、図4〜図6を参照しながらリニアモータ40(20、30)について説明する。以下の説明では基板ステージPSTに設けられたXリニアモータ40について説明するが、Yリニアモータ30及びマスクステージMSTに設けられたリニアモータ20もほぼ同等の構成を有する。
【0036】
図4はリニアモータ40の概略斜視図である。
図4に示すように、リニアモータ40は、X軸方向(所定方向)を長手方向とするコイルユニットからなる固定子41と、磁石ユニットからなる可動子42とを備えている。このうち固定子41は、X軸方向(所定方向)に複数並んで配置されたコイル70と、これらコイル70を収容するハウジング部60とを備えている。コイル70には制御装置CONTにより電流量を制御された駆動用電流が流れる。一方、可動子42は複数の磁石91を有し、固定子41のハウジング部60を挟んで設けられたヨーク部90を備えている。磁石91のそれぞれは永久磁石であってヨーク部90に所定方向(X軸方向)に複数並んで取り付けられており、異なる磁極の磁石が交互に並んで配置されている。更に、磁石91はハウジング部60(固定子41)を挟んで異なる磁極どうしが互いに対向して配置されている。ここで、磁石91の大きさ(X軸、Y軸それぞれの方向における長さ)はコイル70より小さく(コイル70の大きさ以下に)設定されている。
【0037】
ハウジング部60は、平面視「口」状に形成され、コイル70の厚みより厚く設けられた枠部材61と、この枠部材61を両側から挟む2つの板部材62、62とを備えている。枠部材61と板部材62とによって内部空間67を有するハウジング部60が形成され、この内部空間67にコイル70が収容される。
なお、本実施形態における板部材62は枠部材61の表裏両側のそれぞれに各1枚ずつ、計2枚設けられた構成であるが、枠部材61の表裏両側あるいは片側に設ける板部材62を2枚以上に分割した板部材(分割板部材)として構成し、全体として3枚以上の板部材62としてもよい。
【0038】
ハウジング部60の形成材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ガラス繊維充填エポキシ樹脂、ガラス繊維強化熱硬化性プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化熱硬化性プラスチック(CFRP)等の合成樹脂、またはセラミックス材料等の非導電性且つ非磁性材料、あるいはステンレス鋼やアルミニウム等の金属が挙げられる。また、これらの材料からなるシート状部材を形成し、このシート状部材を複数積層した積層体によりハウジング部60を形成するようにしてもよい。合成樹脂により積層体を形成する場合には、例えば共押出加工法を用いることができる。ここで、ハウジング部60のうち、少なくとも可動子42の磁石91と対向する部分は合成樹脂あるいはセラミックス材料などの非導電性且つ非磁性材料によって構成することが好ましい。具体的には、ハウジング部60のうち磁石91と対向する板部材62は非導電性且つ非磁性材料によって構成されることが好ましい。こうすることにより、磁束密度が変化するなどのリニアモータの動作に与える影響を抑えることができる。ここで、板部材62が複数の分割板部材からなる場合には、少なくとも磁石91と対向する部分に配置される分割板部材を非導電性且つ非磁性材料とすることが好ましい。
【0039】
また、ハウジング部60は、コイル70を収容する内部空間67と連通し、この内部空間67に対して所定の冷媒を入れる入口部63と、内部空間67と連通し、この内部空間67の冷媒を外部に出す出口部64とを備えている。入口部63からハウジング部60の内部空間67に対して温度制御された冷媒を供給して流すことにより、コイル70に通電した際に発生する熱が回収され、コイル自体の温度上昇やリニアモータが搭載されたステージ及び周囲の雰囲気の温度上昇が抑えられ、各装置、部材の変形が抑えられるとともに、レーザ干渉計の光路上におけるガス温度変化を抑えて測定値誤差が生じるのを抑えることができる。ここで、入口部63はハウジング部60の長手方向の一端部に設けられ、出口部64はハウジング部60の長手方向の他端部に設けられており、これにより、入口部63からハウジング部60内部に供給された冷媒は、X軸方向に並んで配置されたコイル70の全てを通過して冷却した後、出口部64から外部に排出される。なお、使用される冷媒としては液体又は気体であって特に不活性なものが好ましく、ハイドロフルオロエーテル(例えば「ノベックHFE」:住友スリーエム株式会社製)や、フッ素系不活性液体(例えば「フロリナート」:住友スリーエム株式会社製)などが挙げられる。一方、コイル70の導線自体が冷媒に直接触れないようにコイル表面には表面処理が施されている。
【0040】
図5は図4のA−A断面矢視図であり、図6はコイル70近傍の拡大斜視図である。なお、図6には固定子41のうち一方の板部材62が取り外された状態が図示されている。図5及び図6に示すように、コイル70は空芯部71を有しており、空芯部71にはこのコイル70を支持する支持部72が配置されている。支持部72はコイル70と接しており、コイル70を空芯部71で支持する。本実施形態において、空芯部71及びこの空芯部71に配置されている支持部72は、図6に示すようにY軸方向を長手方向とする平面視略長方形状に設定されている。
【0041】
支持部72のうち、板部材62、62のそれぞれと対面する両側には、板部材62(ハウジング部60)の内壁68側に向かって突出する複数の凸部74がそれぞれ設けられている。本実施形態において、凸部74は支持部72の片面にY軸方向に並ぶように2箇所ずつ、両側で合計4箇所に設けられている。そして、図5に示すように、凸部74のそれぞれは板部材62(ハウジング部60)の内壁68に接している。ここで、図6に示すように、凸部74のそれぞれは平面視略円形状に形成されており、凸部74の板部材62に接する接触面73は平坦面となっている。したがって、凸部74は略円形状の接触面(平坦面)73をハウジング部60(板部材62)の内壁68に密接しつつこのハウジング部60を支持する。
【0042】
支持部72及び凸部74は、熱伝導率が0.4W/(m・K)程度の非導電性且つ非磁性材料であるガラス繊維充填エポキシ樹脂で形成されている。これにより支持部72及び凸部74が磁束中を移動しても、コギング力や粘性抵抗(渦電流損)の発生を抑えることができる。支持部72及び凸部74の形成材料としては、その他にポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ガラス繊維強化熱硬化性プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化熱硬化性プラスチック(CFRP)等の合成樹脂、又はセラミックス材料等の非導電性且つ非磁性材料、あるいはステンレス鋼やアルミニウム等の非磁性の金属材料を用いることもできる。また、これらの材料からなるシート状部材を形成し、このシート状部材を積層した積層体により支持部72や凸部74を形成するようにしてもよい。
【0043】
凸部74それぞれの平面視中央部には雌ねじ穴74aが形成されている。また、板部材62には凸部74の雌ねじ穴74aに対応する穴部62aが形成されている。そして、雌ねじ穴74aのそれぞれには穴部62aを介してねじ75が螺合されている。板部材62(ハウジング部60)と凸部74とはねじ(固定部材)75により固定されている。ねじ75はハウジング部60の外側からねじ込まれるようになっている。
【0044】
ねじ75と凸部74とは異なる材質により構成されており、ねじ75の材質は凸部74の材質よりも熱伝導率が低い材質である。すなわち、ねじ75の形成材料の熱伝導率は、凸部74の形成材料の熱伝導率以下に設定されている。
具体的には、ねじ75は、十分な強度と、支持部72及び凸部74の熱伝導率より更に低い熱伝導率(0.2〜0.3W/(m・K)程度)とを有し、非導電性且つ非磁性材料であるガラス繊維強化ポリアミドMXD6樹脂(「レニー」:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)で形成されている。これによりねじ75が磁束中を移動しても、コギング力や粘性抵抗(渦電流損)の発生を抑えることができるとともに、コイル70の発する熱がねじ75を通じてハウジング部60の表面(板部材62)に伝わりにくくなり、ハウジング部60の表面の温度上昇を抑えることができる。ねじ75の形成材料としては、その他にポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ガラス繊維強化熱硬化性プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化熱硬化性プラスチック(CFRP)等の合成樹脂、又はセラミックス材料等の非導電性且つ非磁性材料、あるいはステンレス鋼やアルミニウム等の非磁性の金属材料を用いることもできる。
【0045】
凸部74のそれぞれにはこの凸部74の側面に接するようにOリングからなるシール部材76が設けられている。このシール部材76は支持部72の表面及び板部材62の内壁68にも接している。なお、シール部材76としては、Oリングに限らず、シール用接着剤などでもよい。また、枠部材61と板部材62との接続部にもOリングやシール用接着剤からなるシール部材が設けられている。これらシール部材によりハウジング部60の内部空間67は密閉され、冷媒が漏れ出すことがなくなる。
【0046】
支持部72のうち板部材62に対面する部分に設けた凸部74により、板部材62の内壁68と支持部72との間に冷媒が流れる流路(内部空間)67が形成される。更に、コイル70より大きい枠部材61及び板部材62でハウジング部60を形成したことによりコイル70と枠部材61との間にも冷媒が流れる流路(内部空間)67が形成され、コイル70は支持部72に支持されている以外の部分全てが冷媒に曝されることになるので、効果的に冷却される。
【0047】
図7はリニアモータ40の固定子41が組み立てられる様子を示す図である。固定子41を組み立てる際には、まず、支持部72の周囲にコイル70が巻きつけられる。あるいは、空芯部71を有するコイル70を形成した後、空芯部71に支持部72を配置するようにしてもよい。コイル70と支持部72とは接着剤等により固定される。次いで、一方の板部材62に、支持部72で支持した複数のコイル70が並べて配置され、板部材62と支持部72の凸部74とがねじ75により固定される。ねじ75は板部材62の外側から板部材62の穴部62aに挿入され、凸部74の雌ねじ穴74aに螺合される。一方の板部材62に複数のコイル70が取り付けられたら、これら複数のコイル70どうしの結線が行われる。次いで、コイル70が取り付けられた板部材62に枠部材61が取り付けられる。そして、ねじなどの固定部材により枠部材61と板部材62とが固定される。ここで、枠部材61と板部材62とが固定される前に複数のコイル70どうしの結線が行われるので、結線作業を円滑に行うことができる。そして、図7に示すように、もう一方の板部材62が枠部材61に対してねじ80により固定されるとともに、このもう一方の板部材62と凸部74とがねじ75により固定されることにより、固定子41が形成される。
【0048】
以上説明した構成を有するリニアモータ40を駆動するに際し、制御装置CONTは、入口部63からハウジング部60の内部空間67に対して温度調整した冷媒を供給しつつ、コイル70に対して所定の電流量を有する駆動用電流を供給する。これにより、コイル70自体の温度上昇及びコイル70からの発熱の周囲への伝達を抑えつつ可動子42を移動することができる。コイル70からの発熱の周囲への伝達が抑えられるので、ステージ装置をはじめとする装置・部材の熱による変形が抑えられ、また、レーザ干渉計による測定値誤差の発生も抑えられる。
【0049】
リニアモータ40の推力を増大するためにコイル70に通電する電流量を大きくした場合、これに伴ってコイル70からの発熱量が増大するため、ハウジング部60表面の温度上昇を抑えるために、制御装置CONTはハウジング部60の内部空間67に供給する冷媒供給量(単位時間当たりの供給量)を多くする。冷媒供給量を多くすることによりハウジング部60内部の圧力が上昇するが、ハウジング部60の内壁68に接する凸部74がハウジング部60(板部材62)の補強部材となって、ハウジング部60の変形が抑えられる。したがって、ハウジング部60の温度上昇を抑えつつコイル70に通電する電流量を多く設定することができる。
【0050】
ところで、図3に示すように、基板ステージ(可動部)PSTをX軸方向(第1の方向)に駆動するXリニアモータ(第1駆動部)40と、この基板ステージPSTをY軸方向(第2の方向)に駆動するYリニアモータ(第2駆動部)30とは、コイル1つ当たりに設けられた凸部74の数が互いに異なるリニアモータとなっている。すなわち、本実施形態において、図8(a)、(b)に示すように、Xリニアモータ40のコイル1つ当たりに設けられた凸部74の数は2つずつ(両側合計4つずつ)であり、Yリニアモータ30のコイル1つ当たりに設けられた凸部74の数は3つずつ(両側合計6つずつ)である。これは、Yリニアモータ30の固定子31の板部材62の面積(幅、大きさ)が、Xリニアモータ40の固定子41の板部材62より大きく、Yリニアモータ30の板部材62のほうがXリニアモータ40の板部材62より撓みやすいからであり、撓みやすいYリニアモータ30の板部材62をより多くの凸部74で支持することにより、冷媒供給量を多くしても、この板部材62の変形を抑えることができる。このように、コイルに設ける凸部74の数を板部材62の面積(幅、大きさ)に応じて決定することにより、具体的には、大きい面積を有する板部材を多くの凸部74で支持することにより、板部材62(ハウジング部60)の変形を抑えることができる。
【0051】
あるいは、コイル70に設ける凸部74の数を、リニアモータが発生する推力に応じて決定するようにしてもよい。すなわち、大きい推力が必要とされるリニアモータには大きい電流量の電流が通電され、これに伴ってコイル70からの発熱量も多くなるため、冷媒供給量をより多く設定する必要がある。この場合、コイル70に設ける凸部74の数を、例えば図9に示すように4つに設定して多くの凸部74で板部材62を支持することにより、板部材62(ハウジング部60)の変形を抑えることができる。
【0052】
また、複数のコイル70が配列されたリニアモータにおいて、図10に示すように、コイル70が配列された位置に応じて、コイル70のそれぞれに設ける凸部74の数を異なるように設定してもよい。図10に示す例では、固定子41の長手方向両端のコイル70の凸部74は2つずつ設けられ、中央のコイル70の凸部74は3つずつ設けられている。
【0053】
以上説明したように、コイル70を支持する支持部72に、ハウジング部60(板部材62)の内壁68と接する凸部74を設けたことにより、この凸部74がハウジング部60(板部材62)の補強部材となり、ハウジング部60の内部空間67に多くの冷媒を供給してもハウジング部60(板部材62)の変形を抑えることができる。そして、この凸部74を板部材62と対面する支持部72の両側にそれぞれ複数箇所設けることにより、板部材62を複数箇所で補強することができ、より一層板部材62の変形を抑えることがえきる。したがって、ハウジング部60の変形を抑えつつリニアモータからの発熱の周囲への伝達を抑えることができるので、ステージ装置は高い位置決め精度を維持できるとともに、露光装置EXは精度良い露光処理を行うことができる。
【0054】
なお、支持部72上における凸部74の数及び位置は、上記実施形態に限られず、適宜設定可能である。
【0055】
なお、上記実施形態では、ハウジング部60(板部材62)と凸部74とを固定するためにねじを用いたが、ハウジング部60の内壁68と凸部74とを接着剤により固定してもよい。この場合、接着剤としては凸部74の熱伝導率以下の材質により構成されていることが好ましい。また、ハウジング部60と凸部74とをいずれも金属材料で構成した場合、ハウジング部60と凸部74とを溶接により接合してもよい。
【0056】
なお、上記実施形態では、支持部72と凸部74とは同じ材料により一体的に形成された構成としたが、支持部72と凸部74とは異なる材料により別部材として形成してもよい。この場合、凸部74を形成する材料の熱伝導率は、支持部72を形成する材料の熱伝導率よりも低く設定するのが好ましい。これにより、コイル70の発する熱が支持部72を伝わったとしても、凸部74によってハウジング部60に伝わるのを抑えることができる。
もちろん、支持部72、凸部74及びねじ75を、熱伝導率が同程度且つ十分に低い(例えば0.4W/(m・K)以下)同種あるいは異種の材料で形成しても構わない。
【0057】
なお、上記実施形態では、支持部72に複数の凸部74が設けられ、これら凸部74のそれぞれに雌ねじ穴74aが1つずつ形成されている構成であるが、1つの凸部74に対して雌ねじ穴74aを複数設ける構成としてもよい。この場合、1つの凸部74の平面視の大きさは上記実施形態のものより大型化する。ここで、凸部74の1つの大きさが大型化すると、冷媒を流す内部空間67の容積が小さくなり、冷却効果が低減するため、大きな凸部74を1つ(あるいは複数)設けてこの凸部74に複数の雌ねじ穴74aを形成し、ねじ75で固定するよりも、小さな凸部74を複数設けてこれら複数の凸部74のそれぞれに雌ねじ穴74aを1つずつ形成し、ねじ75で固定するほうが好ましい。
【0058】
なお、本実施形態では、コイル側が固定子であり、磁石側が可動子である所謂ムービングマグネット型のリニアモータとなっているが、固定子側に磁石が設けられ、可動子側にコイルが設けられたムービングコイル型のリニアモータにも適用可能である。この場合、可動子であるコイルユニットがステージPST、MSTに接続し、固定子である磁石ユニットがステージPST、MSTの移動面側(ベース)に設けられる。
【0059】
なお、上記実施形態の感光基板Pとしては、半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0060】
露光装置EXとしては、マスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、感光基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
【0061】
露光装置EXの種類としては、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0062】
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、マスクMを用いる構成としてもよいし、マスクMを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0063】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、FレーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクMも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0064】
上記実施形態のように基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0065】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0066】
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0067】
半導体デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、コイルを支持する支持部に、ハウジング部の内壁と接する凸部を設けたことにより、この凸部がハウジング部の補強部材となり、ハウジング部内部に多くの冷媒を供給してもハウジング部の変形を抑えることができる。したがって、ハウジング部の変形を抑えつつリニアモータからの発熱の周囲への伝達を抑えることができるので、高い位置決め精度を有するステージ装置、及び高い露光精度を有する露光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステージ装置を備えた露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明のリニアモータを備えたマスクステージを示す概略斜視図である。
【図3】本発明のリニアモータを備えた基板ステージを示す概略斜視図である。
【図4】本発明のリニアモータの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図5】図4のA−A断面矢視図である。
【図6】リニアモータのうちコイル近傍を示す斜視図である。
【図7】リニアモータが組み立てられる様子を示す図である。
【図8】(a)はステージを第1の方向に駆動するリニアモータを示す図であり、(b)はステージを第2の方向に移動するリニアモータを示す図である。
【図9】本発明のリニアモータの他の実施例を示す図である。
【図10】本発明のリニアモータの他の実施例を示す図である。
【図11】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1  ステージ装置
2  ステージ装置
20  リニアモータ(駆動装置)
21  固定子
22  可動子
30  リニアモータ(駆動装置、第2駆動部)
31  固定子
32  可動子
40  リニアモータ(駆動装置、第1駆動部)
41  固定子
42  可動子
60  ハウジング部
61  枠部材
62  板部材
68  内壁
70  コイル
71  空芯部
72  支持部
74  凸部
75  ねじ(固定部材)
90  ヨーク部
91  磁石
MST  マスクステージ(ステージ装置、可動部)
PST  基板ステージ(ステージ装置、可動部)
EX  露光装置

Claims (16)

  1. 空芯部を有するコイルと、前記コイルを収容するハウジング部とを備えたリニアモータにおいて、
    前記コイルの空芯部に配置され、該コイルを前記空芯部で支持する支持部と、
    前記支持部に設けられ、前記ハウジング部の内壁と接する少なくとも1つの凸部とを備えたことを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記ハウジング部と前記凸部とを固定する固定部材を有することを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
  3. 前記固定部材は、前記凸部と熱伝導率の異なる材料からなることを特徴とする請求項2記載のリニアモータ。
  4. 前記固定部材は、前記凸部より熱伝導率が低い材料からなることを特徴とする請求項2記載のリニアモータ。
  5. 前記固定部材は、非導電性且つ非磁性材料からなることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載のリニアモータ。
  6. 前記ハウジング部は、枠部材と、該枠部材を両側から挟む複数の板部材とを有し、
    前記固定部材は、前記板部材と前記凸部とを固定するねじであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項記載のリニアモータ。
  7. 前記凸部は前記支持部の材質と異なる材質で構成され、該材質は前記支持部の材質よりも熱伝導率の低い材質であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のリニアモータ。
  8. 前記凸部は、前記板部材と対面する前記支持部の両側にそれぞれ複数箇所設けられていることを特徴とする請求項6記載のリニアモータ。
  9. 前記コイルに設けられている前記凸部の数は、該リニアモータが発生する推力に応じて決定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載のリニアモータ。
  10. 前記コイルに設けられている前記凸部の数は、前記板部材の面積に応じて決定されることを特徴とする請求項8記載のリニアモータ。
  11. 複数の前記コイルが配列されたリニアモータにおいて、
    複数の前記コイルのそれぞれに設けられる前記凸部の数は、前記コイルが配列された位置に応じて異なることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のリニアモータ。
  12. 磁石を有し前記ハウジング部を挟んで設けられたヨーク部を備え、
    前記ハウジング部のうち、少なくとも前記磁石と対向する部分は非導電性且つ非磁性材料からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載のリニアモータ。
  13. 前記支持部及び凸部は、非導電性且つ非磁性材料からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項記載のリニアモータ。
  14. 駆動装置を備えたステージ装置において、
    前記駆動装置に、請求項1〜請求項13のいずれか一項記載のリニアモータが用いられていることを特徴とするステージ装置。
  15. 可動部を駆動する駆動装置を備えたステージ装置において、前記駆動装置は、前記可動部を第1の方向に駆動する第1駆動部と、前記第1の方向と直交する第2の方向に駆動する第2駆動部とを有し、
    前記第1駆動部と前記第2駆動部とのいずれにも請求項1〜請求項13のいずれか一項記載のリニアモータが用いられ、
    前記第1駆動部に用いられる前記リニアモータと、前記第2駆動部に用いられる前記リニアモータとは、前記コイル1つ当たりに設けられた前記凸部の数が互いに異なるリニアモータであることを特徴とするステージ装置。
  16. マスクを支持するマスクステージと、基板を支持する基板ステージとを備えた露光装置において、
    前記マスクステージ及び前記基板ステージのうち少なくともいずれか一方に、請求項14又は請求項15記載のステージ装置が用いられていることを特徴とする露光装置。
JP2002165431A 2002-06-06 2002-06-06 リニアモータ、ステージ装置及び露光装置 Withdrawn JP2004015908A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002165431A JP2004015908A (ja) 2002-06-06 2002-06-06 リニアモータ、ステージ装置及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002165431A JP2004015908A (ja) 2002-06-06 2002-06-06 リニアモータ、ステージ装置及び露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004015908A true JP2004015908A (ja) 2004-01-15

Family

ID=30433275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002165431A Withdrawn JP2004015908A (ja) 2002-06-06 2002-06-06 リニアモータ、ステージ装置及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004015908A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243809A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Canon Inc 露光装置、および該露光装置に好適に用いられる駆動手段
JP2008245492A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Hitachi Metals Ltd 可動コイル型リニアモータ
JP2010088146A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Sumitomo Heavy Ind Ltd リニアモータ
JP2010213546A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Yaskawa Electric Corp キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP5423392B2 (ja) * 2007-06-13 2014-02-19 株式会社安川電機 キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP2017184324A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 キヤノントッキ株式会社 真空用リニアモータの可動子
JP2019505162A (ja) * 2016-02-01 2019-02-21 テクノロジーズ ランカ インコーポレイテッドTechnologies Lanka inc. ドアアクチュエータ、一体化されたドアアクチュエータおよびトランジット車両のドアアクチュエータを作動させる方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243809A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Canon Inc 露光装置、および該露光装置に好適に用いられる駆動手段
JP2008245492A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Hitachi Metals Ltd 可動コイル型リニアモータ
JP5423392B2 (ja) * 2007-06-13 2014-02-19 株式会社安川電機 キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP2010088146A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Sumitomo Heavy Ind Ltd リニアモータ
JP2010213546A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Yaskawa Electric Corp キャンド・リニアモータ電機子およびキャンド・リニアモータ
JP2019505162A (ja) * 2016-02-01 2019-02-21 テクノロジーズ ランカ インコーポレイテッドTechnologies Lanka inc. ドアアクチュエータ、一体化されたドアアクチュエータおよびトランジット車両のドアアクチュエータを作動させる方法
US11001277B2 (en) 2016-02-01 2021-05-11 Technologies Lanka Inc. Door actuators, integrated door actuator and method of operating a door actuator of a transit vehicle
JP2017184324A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 キヤノントッキ株式会社 真空用リニアモータの可動子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8053937B2 (en) Linear motor, stage apparatus and exposure apparatus
US10459350B2 (en) Linear motor, stage apparatus, and exposure apparatus
US6323567B1 (en) Circulating system for shaft-type linear motors
US7932646B2 (en) Exposure apparatus with a stage, driving unit,and force applying unit having a separate magnetic shield
JP2010154596A (ja) リニアモータ、ステージ装置及び露光装置並びにデバイスの製造方法
JP2006230127A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
JP2007318823A (ja) リニアモータ、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法
JP2004015908A (ja) リニアモータ、ステージ装置及び露光装置
JP2004254494A (ja) リニアモータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにリニアモータ装置の製造方法
JP2004215419A (ja) リニアモータ、リニアモータの冷却方法及びステージ装置並びに露光装置
JP2006340433A (ja) コイルモジュール、コイルユニット、リニアモータ、ステージ装置及び露光装置
JP2004357426A (ja) リニアモータ及び露光装置
JP2004023960A (ja) リニアモータ装置、ステージ装置及び露光装置
US20040145751A1 (en) Square wafer chuck with mirror
JP2004159493A (ja) リニアモータ装置、ステージ装置及び露光装置並びにリニアモータ装置の冷却方法
US20060232145A1 (en) System for cooling motors
JP2004040874A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
JP2002078314A (ja) 電機子ユニット、電磁アクチュエータ、ステージ装置、露光装置及びこれを用いたデバイスの製造方法
JP2009027006A (ja) 断熱構造、断熱装置、ヒートシンク、駆動装置、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法。
JP2004014983A (ja) リニアモータ、ステージ装置及び露光装置
JP2002272087A (ja) 電機子ユニット、モータ、ステージ装置、露光装置、および、デバイスの製造方法
JP2006081244A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
JP2007318903A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
JP2004048919A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
JP2010268604A (ja) モータ装置及びステージ装置並びに露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906