JP2004047062A - 記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の所定のトラックを自動的に再生する。
【解決手段】コンパクトディスクのTOC情報として、番号1乃至番号5の各トラックの開始位置の他、自動再生トラックの開始位置も記録する。自動再生トラックは、pointにE0のコードが記録されるエントリに記録される。PMIN、PSEC、およびPFRAMEは、それぞれその位置の分、秒、およびフレームを表している。自動再生トラックが存在する場合、ディスクを装着すると、自動再生トラックの再生が直ちに開始される。本発明は、コンパクトディスクに適用できる。
【選択図】 図6
【解決手段】コンパクトディスクのTOC情報として、番号1乃至番号5の各トラックの開始位置の他、自動再生トラックの開始位置も記録する。自動再生トラックは、pointにE0のコードが記録されるエントリに記録される。PMIN、PSEC、およびPFRAMEは、それぞれその位置の分、秒、およびフレームを表している。自動再生トラックが存在する場合、ディスクを装着すると、自動再生トラックの再生が直ちに開始される。本発明は、コンパクトディスクに適用できる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンパクトディスク(CD)、CD−I、ビデオディスクなどの記録媒体に用いて好適な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来のコンパクトディスクの記録装置の一例の構成を示すブロック図である。マスタリングシステム3は、ビデオテープレコーダ(VTR)4とエディタ5により構成されている。VTR4には、そのビデオトラック上に、例えば、所定の歌手が歌った歌を収録した音声情報が記録されているオリジナルテープ1が装着される。
【0003】
エディタ5には、キー2を操作して、オリジナルテープ1に記録された複数の曲のそれぞれに対してアクセスするためのアクセス情報を入力することができ、エディタ5は、このアクセス情報をVTR4に供給する。VTR4は、エディタ5より入力されたアクセス情報を、オリジナルテープ1の音声トラック上に書き込む(アフタレコーディングする)。このようにして、VTR4により、音声情報とともに、その音声情報に対するアクセス情報が記録されたマスタテープ6が作成される。
【0004】
このようにして作成されたマスタテープ6は、VTR7に装着され、再生される。VTR7により再生された信号のうち、音声情報は、ECCエンコーダ9に供給され、アクセス情報は、ジェネレータ8に供給される。
【0005】
ECCエンコーダ9は、VTR7より供給された音声情報に対し、誤り検出訂正符号の付加などの処理を行った後、変調装置10に供給する。また、ジェネレータ8は、VTR7より供給されたアクセス情報を、コンパクトディスクのTOCフォーマットに従ったサブコード信号に変換し、変調装置10に供給する。
【0006】
変調装置10は、ECCエンコーダ9より入力される音声データと、ジェネレータ8より供給されるサブコードとを、コンパクトディスクのフォーマットに従って多重化、変調し、カッティングマシン11に供給する。カッティングマシン11は、変調装置10より供給された信号に従って、マスタディスク12をカッティングする。
【0007】
このようにして作成されたマスタディスク12から、図示せぬ複製装置により、多数のコンパクトディスク21(図19)を複製する。
【0008】
図19は、このようにして製造されたコンパクトディスク21のフォーマットを表している。同図に示すように、コンパクトディスク21の最内周には、リードイン領域が形成され、最外周には、リードアウト領域が形成され、両者の中間がデータ領域とされている。
【0009】
各領域においては、そのデータ部とサブコード部に、それぞれデータまたはサブコードが記録されるようになされている。データ領域のデータ部には、図18のオリジナルテープ1より供給された音声情報(音楽情報)が記録されている。この例においては、トラック1乃至トラックNにN曲の歌が記録されている。そして、そのサブコード部には、サブコードとして、各曲毎の再生時間、あるいはデータ領域の先頭位置からの絶対的位置を表す絶対時間などが記録されている。
【0010】
また、リードイン領域とリードアウト領域においては、そのデータ部には何もデータが記録されていない。リードイン領域のサブコード部においては、コンパクトディスク21のデータ領域に記録されているトラック1乃至トラックNにアクセスするためのアクセス情報が、TOC情報として記録されている。
【0011】
図18のエディタ5には、例えば図20に示すように、トラック数n(この例の場合、n=5)が、アクセス情報として入力される。このトラック数nは、オリジナルテープ1に記録されている曲の数に対応している。
【0012】
また、アクセス情報としては、図21に示すように、リードインの長さ、およびトラック番号1乃至トラック番号5の各トラックの長さのデータが入力される。これらの長さは、分、秒およびフレームを単位として表される。
【0013】
例えば、この例においては、リードインの長さが2秒30フレームとされ、トラック番号1の長さは4分55秒20フレームとされている。
【0014】
アクセス情報として、このような情報が入力されると、コンパクトディスク21のTOC情報としては、図22に示すような情報が記録される。
【0015】
即ち、トラック番号1乃至トラック番号5に対応して、pointが01乃至05とされる。そして、各トラック番号のトラックの開始位置が、絶対時間の分(PMIN)、秒(PSEC)、およびフレーム(PFRAME)として表される。例えば、トラック番号1の開始位置は、その前に2秒30フレームのリードイン領域が形成されるため、2秒30フレームとなる。また、このトラック番号1のトラックの長さは、4分55秒20フレームであるため、トラック番号2の開始位置は、トラック番号1の開始位置(2秒30フレーム)に、トラック番号1のトラックの長さ(4分55秒20フレーム)を加算して、4分57秒50フレームとされる。
【0016】
この例においては、番号1から番号5までの5つのトラックが形成されるため、最初の楽章番号(point番号またはトラック番号)は、01となり、最後の楽章番号(point番号またはトラック番号)は、05となる。そこで、これらの値がPMINとして記録される。PMINに最初の楽章番号を記録する場合、pointがA0とされる。また、PMINに最後の楽章番号を記録する場合、pointがA1とされる。pointがA0またはA1とされた場合においては、PSECおよびPFRAMEは、それぞれ00とされる。
【0017】
さらに、この例においては、リードアウトの開始位置が24分04秒65フレームとして記録されている。リードアウトの開始位置を、PMIN、PSECおよびPFRAMEに記録する場合においては、pointにA2が配置される。
【0018】
従って、コンパクトディスク21を再生する場合、そのTOC情報を読み出し、そのTOC情報から再生すべきトラックの開始位置を読み出し、その位置にアクセスし、その位置が検出されたとき、その位置から再生を開始することで、任意のトラックを再生することが可能となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置においては、このように、再生すべきトラックを指定すると、TOC情報からそのトラックの開始位置を読み出し、そこから再生を開始することができるようになされている。
【0020】
従って、トラックを再生するには、そのトラックを使用者が指定しなければならなかった。その結果、例えば、予め設定されている所定のトラックを自動的に再生するようなことができない課題があった。
【0021】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、所定のトラックを自動的に再生することができるようにするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の記録媒体は、所定のデータが記録される記録媒体であって、複数の記録データが記録されている複数のトラック、および記録媒体が装着された場合に自動的に再生される自動再生トラックが記録されるデータ領域と、データ領域の再生に先立って再生される領域であって、複数のトラックにアクセスするためのアクセス情報、および自動再生トラックを指定する自動再生トラック情報が記録されている制御情報領域とを備えることを特徴とする。
【0023】
制御情報領域には、自動再生トラックと他のトラックとを識別するコードを記録することができる。
【0024】
制御情報領域には、自動再生トラックの開始位置と終了位置とを表す情報を記録することができる。
【0025】
制御情報領域には、自動再生トラックの位置を表す情報を記録する領域を、他のトラックの位置を表す情報が記録されている領域とは別に形成することができる。
【0026】
制御情報領域には、自動再生トラックであるか否かを表すフラグを記録することができる。
【0027】
本発明においては、データ領域に、複数の記録データが記録されている複数のトラック、および記録媒体が装着された場合に自動的に再生される自動再生トラックが記録され、データ領域の再生に先立って再生される領域である制御情報領域に、複数のトラックにアクセスするためのアクセス情報、および自動再生トラックを指定する自動再生トラック情報が記録される。従って、自動再生トラックが自動的に再生され、例えば記録媒体を再生装置に装着するだけで、所定の情報を直ちに得ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、データ記録装置を応用したコンパクトディスクの記録装置の一実施例の構成を示すブロック図であり、基本的には、図18に示した従来の装置と同様の構成を有している。但し、この実施例は、エディタ5に対して、キー2を操作してアクセス情報が入力されるだけでなく、キー31を操作して、自動再生トラック情報が入力されるようになされている点が、従来の場合と異なっている。
【0029】
即ち、この実施例においては、キー2を操作して、例えば図2に示すように、トラック数nが入力されるとともに、図3に示すように、リードインおよびトラック番号1乃至トラック番号5の各トラックの長さが入力される。さらにまた、この実施例においては、キー31を操作することにより、図4に示すように、自動再生トラックの長さが入力されるようになされている。この実施例においては、トラック数、リードインの長さ、および番号1から番号5までのトラックの長さは、図20と図21に示した従来の場合と同様とされている。そして、自動再生トラックの長さは1分とされている。
【0030】
エディタ5は、キー2とキー31を操作して入力されたアクセス情報と自動再生トラック情報を、コンパクトディスクのTOCフォーマットのサブコードに対応する信号にして、VTR4に供給する。VTR4は、この信号を、オリジナルテープ1の音声トラック上に記録して、マスタテープ6を作成する。
【0031】
マスタテープ6は、VTR7に装着され、再生される。再生信号のうち、音声情報は、ECCエンコーダ9に入力され、誤り検出訂正符号の付加などの処理が施された後、変調装置10に供給される。一方、VTR7において、マスタテープ6の音声トラックから再生されたアクセス情報と自動再生トラック情報を含む信号は、ジェネレータ8に供給され、TOCフォーマットのサブコード信号に変換される。このサブコード信号は、変調装置10に供給される。
【0032】
変調装置10は、ECCエンコーダ9より入力された音声データと、ジェネレータ8より供給されたサブコードデータとを多重化、変調し、記録信号としてカッティングマシン11に供給する。カッティングマシン11は、変調装置10より供給された記録信号に対応してマスタディスク12をカッティングする。
【0033】
そして、マスタディスク12から多数のレプリカを作成し、コンパクトディスク21とする。
【0034】
図5は、このようにして作成されたコンパクトディスク21のフォーマットを表している。同図に示すように、この実施例においては、データ領域の先頭に(リードイン領域の直後に)自動再生トラックが形成されている。この自動再生トラックのデータ部には、例えば、データ領域に記録されているトラック番号1乃至トラック番号Nの各トラックに記録されている音声情報(曲)のタイトルや歌手名などが、音声情報としてまとめて記録されている。即ち、データ領域に記録されている音声情報の目次的な情報が記録されている。そして、勿論、番号1乃至番号Nの各トラックのデータ部には、それぞれ所定の音楽情報(曲)が記録される。
【0035】
データ領域の外周側にはリードアウト領域が形成され、データ領域の内周側にはリードイン領域が記録されることは、図19に示した場合と同様である。そして、データ領域のサブコード部には、各番号のトラック内における相対的位置を表す相対時間と、データ領域の先頭からの位置を表す絶対時間とが、サブコードデータとして記録されている。また、リードイン領域のサブコード部には、TOC情報が記録されている。
【0036】
図6は、TOC情報の内容を表している。同図に示すように、TOC情報としては、図22に示した場合と同様に、番号1乃至番号5のトラックの開始位置が、PMIN、PSEC、PFRAMEに、それぞれ分、秒、およびフレームとして記録される。
【0037】
また、最初の楽章番号(point番号またはトラック番号)と、最後の楽章番号(point番号またはトラック番号)とが、PMINに記録される。また、リードアウトの開始位置が、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに記録される。
【0038】
以上のTOC情報は、基本的に図22に示した場合と同様である。
【0039】
また、この実施例においては、図6に示すように、以上の情報の他、自動再生トラックの開始位置が、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに、分、秒、およびフレームとして記録される。この実施例の場合、リードイン領域の直後に自動再生トラックが形成されるため、自動再生トラックの開始位置は、リードインの長さが2秒30フレームであるところから、2秒30フレームとして記録されている。
【0040】
そして、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに自動再生トラックの開始位置を記録する場合においては、pointにE0が記録されている。即ち、通常の音楽情報を記録するトラックは、pointとして、00乃至99のいずれかの値が記録される。自動再生トラックのpointとしては、00乃至99以外の値が記録されるため、この自動再生トラックは、通常の音声情報を記録するトラックとは異なる特別のトラックとして取り扱われることになる。
【0041】
このように、リードイン領域の直後に(番号1のトラックの直前に)自動再生トラックが記録されるため、番号1乃至番号5の各トラックの開始位置は、図22に示した場合より、自動再生トラックの長さ(1分)分だけ大きい値とされている。リードアウトの開始位置も同様である。
【0042】
即ち、例えば、番号1のトラックは、その開始位置が、図22においては、2秒30フレームであったものが、図6においては、1分2秒30フレームとされている。また、リードアウトの開始位置は、図22においては、24分4秒65フレームとされているものが、図6においては、25分4秒65フレームとされている。
【0043】
図7は、以上のようにして形成されたコンパクトディスク21の再生装置の一実施例の構成を示している。ドライブ41は、コンパクトディスク21が装着されると、それを再生し、再生信号を復調装置42に出力するようになされている。復調装置42は、ドライブ41より入力された再生信号から、音声情報とサブコード情報とを分離、復調し、音声情報をECC回路43に、サブコード情報をシステムコントローラ45にそれぞれ供給する。
【0044】
ECC回路43は、復調装置42より入力された音声情報の誤りを検出、訂正し、D/A変換器44に出力する。D/A変換器44は、入力されたデジタルデータをアナログ信号に変換して、図示せぬスピーカなどに出力する。
【0045】
一方、システムコントローラ45は、復調装置42より供給されるサブコード情報をモニタし、その再生位置を検出する。また、入力されるサブコード情報がTOC情報である場合においては、その情報をTOC記憶回路(RAM)46に供給し、記憶させる。表示装置47には、コンパクトディスク21に記録されているトラックの数や、現在再生中のトラックの番号、あるいはタイトルなど、所定の情報を表示する。操作入力部48は、ボタン、キー、あるいはリモートコントロール装置などにより構成され、使用者が所定の入力を行うとき操作される。RAM49には、必要に応じて所定のデータが記憶される。
【0046】
次に、図8のフローチャートを参照して、その動作について説明する。最初にステップS1において、コンパクトディスク21がドライブ41に装着されるまで待機し、ドライブ41がコンパクトディスク21の装着を表すステイタスをシステムコントローラ45に出力したとき、ステップS2に進み、システムコントローラ45は、コンパクトディスク21のTOC情報を読み取り、TOC記憶回路46に記憶させる。
【0047】
即ち、システムコントローラ45は、ドライブ41よりコンパクトディスク21が装着されたことを表すステイタスが供給されたとき、ドライブ41を制御し、装着されたコンパクトディスク21を回転させ、ドライブ41に、そのリードイン領域のTOC情報を再生させる。ドライブ41より出力された再生信号は、復調装置42に供給され、復調される。復調装置42により復調されたサブコード信号は、システムコントローラ45を介してTOC記憶回路46に供給され、記憶される。
【0048】
次にステップS3に進み、システムコントローラ45は、TOC記憶回路46に記憶したTOC情報から、自動再生トラックを表すコードE0がpointに記録されているか否かを判定する。上述したように、自動再生トラックが存在する場合、pointにE0が記録されているエントリに、自動再生トラックの開始位置が記録されている。逆に、自動再生トラックが存在しない場合においては、pointにE0が記録されているエントリが存在しないことになる。
【0049】
ステップS3において、E0がpointに記録されているエントリが存在しないと判定された場合、ステップS6に進み、コンパクトディスク21の再生動作を停止させる。即ち、システムコントローラ45は、ドライブ41を制御し、コンパクトディスク21の回転を停止させる。
【0050】
次にステップS7に進み、操作入力部48より終了の指令が入力されているか否かを判定し、終了の指令が入力されていなければ、ステップS8に進み、操作入力部48を操作して、再生トラックの指定がなされたか否かを判定する。所定のトラックを再生すべき入力が行われていない場合においては、ステップS7に戻る。このように、ステップS7とステップS8の処理を、所定のトラックの再生が指令されるまで、繰り返し実行する。
【0051】
この状態において、操作入力部48が操作され、所定のトラックを再生すべき入力が行われた場合においては、ステップS8からステップS10に進み、指定されたトラックを再生する。即ち、システムコントローラ45は、操作入力部48より入力された番号のトラックの開始位置をTOC記憶回路46から読み出し、その位置にアクセスするように、ドライブ41を制御する。
【0052】
ドライブ41は、コンパクトディスク21を再生し、その再生信号を復調装置42に出力する。復調装置42は、再生信号中のサブコード信号を復調し、復調したサブコード信号をシステムコントローラ45に出力する。システムコントローラ45は、サブコード信号で表される絶対的位置(分、秒、およびフレーム)が、TOC記憶回路46から読み出した再生すべきトラックの開始位置と一致するように、ドライブ41を制御する。
【0053】
そして、その位置が所定の位置に達したとき、復調装置42は、そのトラックのデータ部に記録されている音声情報を復調し、ECC回路43に出力する。ECC回路43は、入力された音声信号の誤り検出訂正処理を行い、D/A変換器44に出力する。D/A変換器44により、デジタル信号からアナログ信号に変換された音声信号は、図示せぬスピーカに出力される。このようにして、指定したトラックの再生が行われる。
【0054】
次にステップS11に進み、指定したトラック(現在再生中のトラック)の終了位置に達したか否かが判定され、まだ終了位置に達していない場合においては、ステップS12に進み、他のトラックが再生すべきトラックとして指定されたか否かが判定される。現在再生中のトラック以外に他のトラックが指定されなければ、ステップS11に戻る。
【0055】
ステップS11において、現在再生中のトラックの終了位置に達したと判定された場合においては、ステップS6に進み、再生動作を停止させる。そしてステップS7およびステップS8の処理を繰り返し実行する。
【0056】
一方、所定のトラックを再生中に、ステップS12において、他のトラックを再生すべきことが指令されたと判定された場合においては、ステップS10に進み、その新たに指定されたトラックの再生を実行する。即ち、システムコントローラ45は、所定のトラックを再生中に、操作入力部48より、他のトラックを再生すべきことが入力されたとき、ドライブ41を制御し、現在再生中のトラックの再生動作を停止させ、新たに入力されたトラックにアクセスさせる。そして、その新たなトラックの再生を開始させる。
【0057】
以上、自動再生トラックが存在しない場合における処理は、従来の場合と同様の処理となる。
【0058】
一方、ステップS3において、E0のコードがpointに記録されているエントリが、TOC情報中に存在すると判定された場合(自動再生トラックが存在すると判定された場合)、ステップS4に進み、自動再生トラック再生処理を実行する。即ち、システムコントローラ45は、TOC記憶回路46のpointにE0が記録されているエントリから、自動再生トラックの開始位置を読み取り、その開始位置にアクセスさせる。そして、その開始位置から再生を開始させる。この実施例の場合、図6に示すように、2秒30フレームの位置から、1分の長さの自動再生トラックの再生が開始される。
【0059】
復調装置42は、ドライブ41が出力する再生信号を復調し、音声情報を、ECC回路43、D/A変換器44を介して、図示せぬスピーカに出力させる。
【0060】
この自動再生トラックには、この実施例の場合、例えばコンパクトディスク21に記録されている、5つの曲のタイトル、および演奏者(歌手)などが記録されている。従って、例えばコンパクトディスク21をドライブ41に装着するだけで、そのディスクに記録されている音声情報の内容を知ることができる。このように、音声信号でコンパクトディスク21に記録されている音声情報の内容を知らしめることは、例えば自動車の運転をしながらコンパクトディスクを聴くような場合における運転者、あるいは眼の不自由な人などに、非常に便利となる。
【0061】
勿論、このとき、このような曲のタイトルや演奏者を表示装置47に表示させるようにすることも可能である。
【0062】
尚、TOC情報は、コンパクトディスク21上に同一の情報が3回繰り返して書き込まれている。従って、1つのTOC情報がドロップアウト(傷)などにより欠落したとしても、他の同一の情報を再生することで、そのドロップアウトによる影響を実質的に消滅させることが可能になる。
【0063】
以上のようにして、自動再生トラックが再生されたとき、ステップS5に進み、その自動再生トラックの終了位置に達したか否かが判定される。終了位置に達したと判定された場合、ステップS6に進み、自動再生トラックの再生動作を停止させる。そして、ステップS7およびステップS8の処理を繰り返し実行し、次の再生トラックが指定されるまで待機する。
【0064】
一方、ステップS5において、自動再生トラックの再生位置がまだ終了位置まで達していないと判定された場合、ステップS9に進み、操作入力部48が操作され、他のトラックを再生すべき指令が入力されたか否かが判定される。他のトラックの再生が指示されなければ、ステップS5に戻る。
【0065】
このようにして、自動再生トラックを再生中においては、ステップS5とステップS9の処理を繰り返し実行し、ステップS9において、自動再生トラックの再生中に、他のトラックを再生すべき指令が入力されたと判定された場合においては、ステップS10に進み、現在再生中の自動再生トラックの再生動作を終了させ、新たに指定されたトラックにアクセスし、その再生を開始させる。そしてステップS11およびステップS12の処理を実行し、新たに再生されたトラックを再生中に、さらに他のトラックの再生が指令されるか否かを判定する処理を繰り返す。
【0066】
所定のトラックを再生中に、他のトラックの再生が指令された場合においては、ステップS10に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。所定のトラックの再生中に、他のトラックの再生が指令されずに、そのトラックの再生が終了した場合においては、ステップS6に戻り、再生動作を停止させ、さらにステップS7,S8に進み、新たな再生の指令が入力されるまで待機する。
【0067】
そしてステップS7において、操作入力部48が操作され、再生動作の終了が指令されたと判定された場合においては、ステップS13に進み、再生動作終了処理が実行される。
【0068】
以上の実施例においては、ドライブ41にコンパクトディスク21が装着されると、そこに自動再生トラックが形成されていれば、直ちにその自動再生トラックの再生が開始されるようにしたが、所定の入力が行われたとき、その再生動作を開始させるようにすることも可能である。
【0069】
即ち、例えば、バッテリで動作するような再生装置は、できるだけバッテリを長時間使用できるようにすることが好ましい。従って、このような場合においては、操作入力部48の所定のキーが使用者によりタッチされるなどして、使用者より何らかの入力が行われた場合において、初めて自動再生トラックを再生させるようにすることができる。このようにすれば、バッテリの消耗を、より抑制することができる。
【0070】
このような処理を実行する場合においては、図9のフローチャートに示すように、最初にステップS21において、コンパクトディスク21が装着されるまで待機し、装着された場合においては、ステップS22に進み、TOC情報を読み取り、TOC記憶回路46に記憶させる。そして、その後、ステップS23に進み、ドライブ41が制御され、コンパクトディスク21の回転動作が一旦停止される。そして、さらにステップS24に進み、操作入力部48より、何らかのキーに対応する信号が入力されるまで待機する。そしてステップS24において、何らかのキーが操作されたと判定された場合においては、ステップS25に進み、E0のコードが記録されているpointが存在するか否かを判定する。
【0071】
この図9のステップS25乃至S35の処理は、図8におけるステップS3乃至S13の処理と同様の処理である。
【0072】
以上のように、この実施例によれば、自動再生トラックが記録されているコンパクトディスク21がドライブ41に装着されたとき、直ちにその再生が開始されるのではなく、操作入力部48の何らかのキーが操作されたとき、初めてその再生が開始される。従って、必要以上に電力が消費されることが防止される。
【0073】
図8および図9に示した処理例においては、自動再生トラックが再生されている場合において、他のトラックの再生が指令されたとき、現在再生中のトラックの再生動作を停止させ、新たに再生が指令されたトラックの再生を開始するようにしたが、自動再生トラックのすべてが終了するまで待機するようにすることも可能である。
【0074】
図10と図11の処理例は、この場合の処理動作例を表している。即ち、図10のステップS51乃至S65の処理は、図8のステップS1乃至S13の処理と基本的に同様の処理であるが、ステップS55において、自動再生トラックの再生中に、その終了位置にまだ達していないことが検出されている場合、ステップS60に進み、他のトラックの再生が指令されたか否か判定される。そして、他のトラックの再生が指令されなければ、ステップS55に戻る。このように、自動再生トラックの再生中においては、ステップS55とステップS60の処理を繰り返し実行する。
【0075】
そして、ステップS60において、自動再生トラックの再生動作中に操作入力部48が操作され、他のトラックの再生が指令されたと判定された場合においては、ステップS61に進み、その指定したトラックの番号がRAM49に記憶される。そして再びステップS55に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。
【0076】
このようにして、RAM49には、自動再生トラックの再生動作中に、使用者により再生が指令されたトラックが記憶されることになる。そしてステップS55において、自動再生トラックの終了位置が検出されたと判定された場合、ステップS56に進み、RAM49に再生すべきトラックが記憶されているか否かが判定される。RAM49に再生すべきトラックが記憶されていない場合においては、ステップS57に進み、自動再生トラックの再生動作を停止させ、ステップS58とステップS59において、新たに再生トラックが指令されるまで待機する。
【0077】
一方、ステップS56において、自動再生トラックの再生動作中に、他のトラックの再生が指令されていると判定された場合においては、ステップS62に進み、その指定されたトラックにアクセスし、その再生が開始される。次にステップS63に進み、再生中のトラックが終了したか否か判定し、終了していなければ、ステップS64に進み、他のトラックの再生が指令されているか否かを判定する。他のトラックの再生が指令されていなければ、再びステップS63に戻る。
【0078】
ステップS64において、他のトラックの再生が指令されていると判定された場合においては、ステップS62に戻り、現在再生中のトラックの再生を終了し、新たに指定されたトラックにアクセスし、そのトラックの再生を開始する。
【0079】
一方、ステップS63において、再生中のトラックの終了が検出された場合においては、ステップS57に進み、コンパクトディスク21の回転が停止され、さらにステップS58,S59に進み、新たなトラックの再生が指令されるまで待機する。
【0080】
以上のように、この処理例においては、自動再生トラック以外の他のトラックを再生中に、他のトラックの再生が指令された場合においては、現在再生中のトラックの再生を停止し、直ちに他のトラックの再生が開始される。これに対して、現在再生中のトラックが自動再生トラックである場合においては、この自動再生トラックを再生中に、他のトラックの再生が指令されたとしても、自動再生トラックの終了位置まで再生を継続し、終了位置まで再生が行われた後、新たなトラックの再生が開始される。従って、自動再生トラックに記録されているすべての音声情報を確実に確認することが可能となる。
【0081】
この図10の処理例においては、図8のフローチャートに示した場合と同様に、コンパクトディスク21が装着された場合、自動再生トラックが存在するとき、その再生を直ちに開始するようにしたが、操作入力部48の何らかのキーが操作されるまで待機し、何らかのキーが操作されたとき、初めて自動再生トラックを再生するようにすることも可能である。この場合においては、図10のフローチャートは、図11に示すように変更される。
【0082】
即ち、図11のステップS81において、コンパクトディスク21の装着が検出されるまで待機し、装着されたとき、ステップS82において、TOC情報を読み取り、記憶し、さらにステップS83に進み、コンパクトディスク21の回転を一旦停止させる。そしてステップS84において、操作入力部48の何らかのキーが操作されるまで待機する。そして、何らかのキーが操作されたとき、ステップS85乃至S97の処理を実行する。このステップS85乃至S97の処理は、図10におけるステップS53乃至S65の処理と同様の処理となる。
【0083】
以上の実施例においては、データ領域の先頭に自動再生トラックを形成するようにしたが、任意のトラックの一部の領域を自動再生トラック(自動再生領域)として指定することも可能である。
【0084】
例えば図12に示す例においては、トラック2の一部の領域が自動再生領域として指定されている。
【0085】
このような指定を行う場合、TOC情報は、例えば図13に示すように構成される。この図13の実施例においては、自動再生領域の開始アドレスと終了アドレスが、それぞれpointにE1およびE2で示すコードが記録されているエントリに絶対時間として記録される。この実施例の場合、4分57秒50フレームから始まるトラック2の中の、5分00秒00フレームから5分59秒74フレームまでの領域が、自動再生領域として指定されている。
【0086】
従って、この実施例においては、このように指定されているトラック2の所定の領域の音声情報が、自動再生トラックの情報として、上述した場合と同様に再生される。
【0087】
次に図14乃至図17を参照して、TOC情報内において、自動再生トラックを指定する他の例について説明する。
【0088】
図14の実施例においては、pointが00であるトラックが自動再生トラックとして規定されている。この番号00というトラック番号は、一般的には使用される頻度が極めて小さい。これは、この番号のトラックを規定すると、トラックの番号が、そのコンパクトディスクに記録されている曲の何番目の曲であるのかを表す序数に対応しなくなるからである(序数に対応させるには、1を加算する必要がある)。そこで、この番号00のトラックを自動再生トラックとして規定すれば、番号01乃至99のトラックを本来のトラックとして、そのまま使用することができ、従来の使用上の感覚と違和感が生じることが防止される。
【0089】
図15と図16は、さらに他の実施例を表している。この実施例においては、TOC情報として規定される範囲(テーブル)の最初の3バイトに、自動再生トラックの開始アドレスが記録されるようになされる。最初の1バイトは分を、次の1バイトは秒を、そして最後の1バイトはフレームを表している。従って、図15の実施例においては、00分20秒40フレームが自動再生トラックの開始位置とされている。
【0090】
これに対して、自動再生トラックが存在しない場合においては、図16に示すように、その最初の3バイトの各バイトにFF(16進数)が記録される。
【0091】
図17は、さらに他の実施例を表している。この実施例においては、各トラック毎にフラグが記録されるようになされている。自動再生トラックにはフラグ1がセットされ、それ以外のトラックにはフラグ0がセットされる。従って、図17の実施例においては、番号00のトラックが自動再生トラックとして規定されていることになる。
【0092】
以上、本発明をコンパクトディスクに応用した場合を例として説明したが、本発明は、コンパクトディスクに音声情報だけでなく、ビデオ情報をも記録する場合、あるいは、ビデオディスク、その他の記録媒体に応用することも可能である。
【0093】
記録媒体にビデオデータを記録することが可能である場合においては、自動再生トラックに記録されているビデオ信号を再生し、それを表示装置47に表示させるようにすることができる。
【0094】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、記録データだけでなく、自動再生トラック情報を記録するようにしたので、使用者が特別の操作をすることなく、自動的にそこに記録されている情報を確認することが可能となり、操作性が改善される。従って、例えば、その記録媒体に記録されている情報の目次的な情報をそこに記録しておくことで、目次的情報を自動的に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ記録装置を応用したコンパクトディスクの記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図3】図1におけるキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図4】図1におけるキー31により入力される自動再生トラック情報を説明する図である。
【図5】図1により生成されるコンパクトディスク21のフォーマットを説明する図である。
【図6】図1においてマスタディスク12に記録されるTOC情報を説明する図である。
【図7】データ再生装置を応用したコンパクトディスクの再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図12】所定のトラックの一部の領域を自動再生トラックとする場合のフォーマットを説明する図である。
【図13】所定のトラックの一部の領域を自動再生トラックとする場合のTOC情報を説明する図である。
【図14】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図15】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図16】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図17】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図18】従来のコンパクトディスクの記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図19】従来のコンパクトディスクのフォーマットを説明する図である。
【図20】図18のキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図21】図18のキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図22】図18のマスタディスク12より形成されるコンパクトディスク上のTOC情報を説明する図である。
【符号の説明】
1 オリジナルテープ
2 キー
3 マスタリングシステム
4 VTR
5 エディタ
6 マスタテープ
7 VTR
8 ジェネレータ
9 ECCエンコーダ
10 変調装置
11 カッティングマシン
12 マスタディスク
21 コンパクトディスク
31 キー
41 ドライブ
42 復調装置
43 ECC回路
44 D/A変換器
45 システムコントローラ
46 TOC記憶回路
47 表示装置
48 操作入力部
49 RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンパクトディスク(CD)、CD−I、ビデオディスクなどの記録媒体に用いて好適な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来のコンパクトディスクの記録装置の一例の構成を示すブロック図である。マスタリングシステム3は、ビデオテープレコーダ(VTR)4とエディタ5により構成されている。VTR4には、そのビデオトラック上に、例えば、所定の歌手が歌った歌を収録した音声情報が記録されているオリジナルテープ1が装着される。
【0003】
エディタ5には、キー2を操作して、オリジナルテープ1に記録された複数の曲のそれぞれに対してアクセスするためのアクセス情報を入力することができ、エディタ5は、このアクセス情報をVTR4に供給する。VTR4は、エディタ5より入力されたアクセス情報を、オリジナルテープ1の音声トラック上に書き込む(アフタレコーディングする)。このようにして、VTR4により、音声情報とともに、その音声情報に対するアクセス情報が記録されたマスタテープ6が作成される。
【0004】
このようにして作成されたマスタテープ6は、VTR7に装着され、再生される。VTR7により再生された信号のうち、音声情報は、ECCエンコーダ9に供給され、アクセス情報は、ジェネレータ8に供給される。
【0005】
ECCエンコーダ9は、VTR7より供給された音声情報に対し、誤り検出訂正符号の付加などの処理を行った後、変調装置10に供給する。また、ジェネレータ8は、VTR7より供給されたアクセス情報を、コンパクトディスクのTOCフォーマットに従ったサブコード信号に変換し、変調装置10に供給する。
【0006】
変調装置10は、ECCエンコーダ9より入力される音声データと、ジェネレータ8より供給されるサブコードとを、コンパクトディスクのフォーマットに従って多重化、変調し、カッティングマシン11に供給する。カッティングマシン11は、変調装置10より供給された信号に従って、マスタディスク12をカッティングする。
【0007】
このようにして作成されたマスタディスク12から、図示せぬ複製装置により、多数のコンパクトディスク21(図19)を複製する。
【0008】
図19は、このようにして製造されたコンパクトディスク21のフォーマットを表している。同図に示すように、コンパクトディスク21の最内周には、リードイン領域が形成され、最外周には、リードアウト領域が形成され、両者の中間がデータ領域とされている。
【0009】
各領域においては、そのデータ部とサブコード部に、それぞれデータまたはサブコードが記録されるようになされている。データ領域のデータ部には、図18のオリジナルテープ1より供給された音声情報(音楽情報)が記録されている。この例においては、トラック1乃至トラックNにN曲の歌が記録されている。そして、そのサブコード部には、サブコードとして、各曲毎の再生時間、あるいはデータ領域の先頭位置からの絶対的位置を表す絶対時間などが記録されている。
【0010】
また、リードイン領域とリードアウト領域においては、そのデータ部には何もデータが記録されていない。リードイン領域のサブコード部においては、コンパクトディスク21のデータ領域に記録されているトラック1乃至トラックNにアクセスするためのアクセス情報が、TOC情報として記録されている。
【0011】
図18のエディタ5には、例えば図20に示すように、トラック数n(この例の場合、n=5)が、アクセス情報として入力される。このトラック数nは、オリジナルテープ1に記録されている曲の数に対応している。
【0012】
また、アクセス情報としては、図21に示すように、リードインの長さ、およびトラック番号1乃至トラック番号5の各トラックの長さのデータが入力される。これらの長さは、分、秒およびフレームを単位として表される。
【0013】
例えば、この例においては、リードインの長さが2秒30フレームとされ、トラック番号1の長さは4分55秒20フレームとされている。
【0014】
アクセス情報として、このような情報が入力されると、コンパクトディスク21のTOC情報としては、図22に示すような情報が記録される。
【0015】
即ち、トラック番号1乃至トラック番号5に対応して、pointが01乃至05とされる。そして、各トラック番号のトラックの開始位置が、絶対時間の分(PMIN)、秒(PSEC)、およびフレーム(PFRAME)として表される。例えば、トラック番号1の開始位置は、その前に2秒30フレームのリードイン領域が形成されるため、2秒30フレームとなる。また、このトラック番号1のトラックの長さは、4分55秒20フレームであるため、トラック番号2の開始位置は、トラック番号1の開始位置(2秒30フレーム)に、トラック番号1のトラックの長さ(4分55秒20フレーム)を加算して、4分57秒50フレームとされる。
【0016】
この例においては、番号1から番号5までの5つのトラックが形成されるため、最初の楽章番号(point番号またはトラック番号)は、01となり、最後の楽章番号(point番号またはトラック番号)は、05となる。そこで、これらの値がPMINとして記録される。PMINに最初の楽章番号を記録する場合、pointがA0とされる。また、PMINに最後の楽章番号を記録する場合、pointがA1とされる。pointがA0またはA1とされた場合においては、PSECおよびPFRAMEは、それぞれ00とされる。
【0017】
さらに、この例においては、リードアウトの開始位置が24分04秒65フレームとして記録されている。リードアウトの開始位置を、PMIN、PSECおよびPFRAMEに記録する場合においては、pointにA2が配置される。
【0018】
従って、コンパクトディスク21を再生する場合、そのTOC情報を読み出し、そのTOC情報から再生すべきトラックの開始位置を読み出し、その位置にアクセスし、その位置が検出されたとき、その位置から再生を開始することで、任意のトラックを再生することが可能となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置においては、このように、再生すべきトラックを指定すると、TOC情報からそのトラックの開始位置を読み出し、そこから再生を開始することができるようになされている。
【0020】
従って、トラックを再生するには、そのトラックを使用者が指定しなければならなかった。その結果、例えば、予め設定されている所定のトラックを自動的に再生するようなことができない課題があった。
【0021】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、所定のトラックを自動的に再生することができるようにするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の記録媒体は、所定のデータが記録される記録媒体であって、複数の記録データが記録されている複数のトラック、および記録媒体が装着された場合に自動的に再生される自動再生トラックが記録されるデータ領域と、データ領域の再生に先立って再生される領域であって、複数のトラックにアクセスするためのアクセス情報、および自動再生トラックを指定する自動再生トラック情報が記録されている制御情報領域とを備えることを特徴とする。
【0023】
制御情報領域には、自動再生トラックと他のトラックとを識別するコードを記録することができる。
【0024】
制御情報領域には、自動再生トラックの開始位置と終了位置とを表す情報を記録することができる。
【0025】
制御情報領域には、自動再生トラックの位置を表す情報を記録する領域を、他のトラックの位置を表す情報が記録されている領域とは別に形成することができる。
【0026】
制御情報領域には、自動再生トラックであるか否かを表すフラグを記録することができる。
【0027】
本発明においては、データ領域に、複数の記録データが記録されている複数のトラック、および記録媒体が装着された場合に自動的に再生される自動再生トラックが記録され、データ領域の再生に先立って再生される領域である制御情報領域に、複数のトラックにアクセスするためのアクセス情報、および自動再生トラックを指定する自動再生トラック情報が記録される。従って、自動再生トラックが自動的に再生され、例えば記録媒体を再生装置に装着するだけで、所定の情報を直ちに得ることが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、データ記録装置を応用したコンパクトディスクの記録装置の一実施例の構成を示すブロック図であり、基本的には、図18に示した従来の装置と同様の構成を有している。但し、この実施例は、エディタ5に対して、キー2を操作してアクセス情報が入力されるだけでなく、キー31を操作して、自動再生トラック情報が入力されるようになされている点が、従来の場合と異なっている。
【0029】
即ち、この実施例においては、キー2を操作して、例えば図2に示すように、トラック数nが入力されるとともに、図3に示すように、リードインおよびトラック番号1乃至トラック番号5の各トラックの長さが入力される。さらにまた、この実施例においては、キー31を操作することにより、図4に示すように、自動再生トラックの長さが入力されるようになされている。この実施例においては、トラック数、リードインの長さ、および番号1から番号5までのトラックの長さは、図20と図21に示した従来の場合と同様とされている。そして、自動再生トラックの長さは1分とされている。
【0030】
エディタ5は、キー2とキー31を操作して入力されたアクセス情報と自動再生トラック情報を、コンパクトディスクのTOCフォーマットのサブコードに対応する信号にして、VTR4に供給する。VTR4は、この信号を、オリジナルテープ1の音声トラック上に記録して、マスタテープ6を作成する。
【0031】
マスタテープ6は、VTR7に装着され、再生される。再生信号のうち、音声情報は、ECCエンコーダ9に入力され、誤り検出訂正符号の付加などの処理が施された後、変調装置10に供給される。一方、VTR7において、マスタテープ6の音声トラックから再生されたアクセス情報と自動再生トラック情報を含む信号は、ジェネレータ8に供給され、TOCフォーマットのサブコード信号に変換される。このサブコード信号は、変調装置10に供給される。
【0032】
変調装置10は、ECCエンコーダ9より入力された音声データと、ジェネレータ8より供給されたサブコードデータとを多重化、変調し、記録信号としてカッティングマシン11に供給する。カッティングマシン11は、変調装置10より供給された記録信号に対応してマスタディスク12をカッティングする。
【0033】
そして、マスタディスク12から多数のレプリカを作成し、コンパクトディスク21とする。
【0034】
図5は、このようにして作成されたコンパクトディスク21のフォーマットを表している。同図に示すように、この実施例においては、データ領域の先頭に(リードイン領域の直後に)自動再生トラックが形成されている。この自動再生トラックのデータ部には、例えば、データ領域に記録されているトラック番号1乃至トラック番号Nの各トラックに記録されている音声情報(曲)のタイトルや歌手名などが、音声情報としてまとめて記録されている。即ち、データ領域に記録されている音声情報の目次的な情報が記録されている。そして、勿論、番号1乃至番号Nの各トラックのデータ部には、それぞれ所定の音楽情報(曲)が記録される。
【0035】
データ領域の外周側にはリードアウト領域が形成され、データ領域の内周側にはリードイン領域が記録されることは、図19に示した場合と同様である。そして、データ領域のサブコード部には、各番号のトラック内における相対的位置を表す相対時間と、データ領域の先頭からの位置を表す絶対時間とが、サブコードデータとして記録されている。また、リードイン領域のサブコード部には、TOC情報が記録されている。
【0036】
図6は、TOC情報の内容を表している。同図に示すように、TOC情報としては、図22に示した場合と同様に、番号1乃至番号5のトラックの開始位置が、PMIN、PSEC、PFRAMEに、それぞれ分、秒、およびフレームとして記録される。
【0037】
また、最初の楽章番号(point番号またはトラック番号)と、最後の楽章番号(point番号またはトラック番号)とが、PMINに記録される。また、リードアウトの開始位置が、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに記録される。
【0038】
以上のTOC情報は、基本的に図22に示した場合と同様である。
【0039】
また、この実施例においては、図6に示すように、以上の情報の他、自動再生トラックの開始位置が、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに、分、秒、およびフレームとして記録される。この実施例の場合、リードイン領域の直後に自動再生トラックが形成されるため、自動再生トラックの開始位置は、リードインの長さが2秒30フレームであるところから、2秒30フレームとして記録されている。
【0040】
そして、PMIN、PSEC、およびPFRAMEに自動再生トラックの開始位置を記録する場合においては、pointにE0が記録されている。即ち、通常の音楽情報を記録するトラックは、pointとして、00乃至99のいずれかの値が記録される。自動再生トラックのpointとしては、00乃至99以外の値が記録されるため、この自動再生トラックは、通常の音声情報を記録するトラックとは異なる特別のトラックとして取り扱われることになる。
【0041】
このように、リードイン領域の直後に(番号1のトラックの直前に)自動再生トラックが記録されるため、番号1乃至番号5の各トラックの開始位置は、図22に示した場合より、自動再生トラックの長さ(1分)分だけ大きい値とされている。リードアウトの開始位置も同様である。
【0042】
即ち、例えば、番号1のトラックは、その開始位置が、図22においては、2秒30フレームであったものが、図6においては、1分2秒30フレームとされている。また、リードアウトの開始位置は、図22においては、24分4秒65フレームとされているものが、図6においては、25分4秒65フレームとされている。
【0043】
図7は、以上のようにして形成されたコンパクトディスク21の再生装置の一実施例の構成を示している。ドライブ41は、コンパクトディスク21が装着されると、それを再生し、再生信号を復調装置42に出力するようになされている。復調装置42は、ドライブ41より入力された再生信号から、音声情報とサブコード情報とを分離、復調し、音声情報をECC回路43に、サブコード情報をシステムコントローラ45にそれぞれ供給する。
【0044】
ECC回路43は、復調装置42より入力された音声情報の誤りを検出、訂正し、D/A変換器44に出力する。D/A変換器44は、入力されたデジタルデータをアナログ信号に変換して、図示せぬスピーカなどに出力する。
【0045】
一方、システムコントローラ45は、復調装置42より供給されるサブコード情報をモニタし、その再生位置を検出する。また、入力されるサブコード情報がTOC情報である場合においては、その情報をTOC記憶回路(RAM)46に供給し、記憶させる。表示装置47には、コンパクトディスク21に記録されているトラックの数や、現在再生中のトラックの番号、あるいはタイトルなど、所定の情報を表示する。操作入力部48は、ボタン、キー、あるいはリモートコントロール装置などにより構成され、使用者が所定の入力を行うとき操作される。RAM49には、必要に応じて所定のデータが記憶される。
【0046】
次に、図8のフローチャートを参照して、その動作について説明する。最初にステップS1において、コンパクトディスク21がドライブ41に装着されるまで待機し、ドライブ41がコンパクトディスク21の装着を表すステイタスをシステムコントローラ45に出力したとき、ステップS2に進み、システムコントローラ45は、コンパクトディスク21のTOC情報を読み取り、TOC記憶回路46に記憶させる。
【0047】
即ち、システムコントローラ45は、ドライブ41よりコンパクトディスク21が装着されたことを表すステイタスが供給されたとき、ドライブ41を制御し、装着されたコンパクトディスク21を回転させ、ドライブ41に、そのリードイン領域のTOC情報を再生させる。ドライブ41より出力された再生信号は、復調装置42に供給され、復調される。復調装置42により復調されたサブコード信号は、システムコントローラ45を介してTOC記憶回路46に供給され、記憶される。
【0048】
次にステップS3に進み、システムコントローラ45は、TOC記憶回路46に記憶したTOC情報から、自動再生トラックを表すコードE0がpointに記録されているか否かを判定する。上述したように、自動再生トラックが存在する場合、pointにE0が記録されているエントリに、自動再生トラックの開始位置が記録されている。逆に、自動再生トラックが存在しない場合においては、pointにE0が記録されているエントリが存在しないことになる。
【0049】
ステップS3において、E0がpointに記録されているエントリが存在しないと判定された場合、ステップS6に進み、コンパクトディスク21の再生動作を停止させる。即ち、システムコントローラ45は、ドライブ41を制御し、コンパクトディスク21の回転を停止させる。
【0050】
次にステップS7に進み、操作入力部48より終了の指令が入力されているか否かを判定し、終了の指令が入力されていなければ、ステップS8に進み、操作入力部48を操作して、再生トラックの指定がなされたか否かを判定する。所定のトラックを再生すべき入力が行われていない場合においては、ステップS7に戻る。このように、ステップS7とステップS8の処理を、所定のトラックの再生が指令されるまで、繰り返し実行する。
【0051】
この状態において、操作入力部48が操作され、所定のトラックを再生すべき入力が行われた場合においては、ステップS8からステップS10に進み、指定されたトラックを再生する。即ち、システムコントローラ45は、操作入力部48より入力された番号のトラックの開始位置をTOC記憶回路46から読み出し、その位置にアクセスするように、ドライブ41を制御する。
【0052】
ドライブ41は、コンパクトディスク21を再生し、その再生信号を復調装置42に出力する。復調装置42は、再生信号中のサブコード信号を復調し、復調したサブコード信号をシステムコントローラ45に出力する。システムコントローラ45は、サブコード信号で表される絶対的位置(分、秒、およびフレーム)が、TOC記憶回路46から読み出した再生すべきトラックの開始位置と一致するように、ドライブ41を制御する。
【0053】
そして、その位置が所定の位置に達したとき、復調装置42は、そのトラックのデータ部に記録されている音声情報を復調し、ECC回路43に出力する。ECC回路43は、入力された音声信号の誤り検出訂正処理を行い、D/A変換器44に出力する。D/A変換器44により、デジタル信号からアナログ信号に変換された音声信号は、図示せぬスピーカに出力される。このようにして、指定したトラックの再生が行われる。
【0054】
次にステップS11に進み、指定したトラック(現在再生中のトラック)の終了位置に達したか否かが判定され、まだ終了位置に達していない場合においては、ステップS12に進み、他のトラックが再生すべきトラックとして指定されたか否かが判定される。現在再生中のトラック以外に他のトラックが指定されなければ、ステップS11に戻る。
【0055】
ステップS11において、現在再生中のトラックの終了位置に達したと判定された場合においては、ステップS6に進み、再生動作を停止させる。そしてステップS7およびステップS8の処理を繰り返し実行する。
【0056】
一方、所定のトラックを再生中に、ステップS12において、他のトラックを再生すべきことが指令されたと判定された場合においては、ステップS10に進み、その新たに指定されたトラックの再生を実行する。即ち、システムコントローラ45は、所定のトラックを再生中に、操作入力部48より、他のトラックを再生すべきことが入力されたとき、ドライブ41を制御し、現在再生中のトラックの再生動作を停止させ、新たに入力されたトラックにアクセスさせる。そして、その新たなトラックの再生を開始させる。
【0057】
以上、自動再生トラックが存在しない場合における処理は、従来の場合と同様の処理となる。
【0058】
一方、ステップS3において、E0のコードがpointに記録されているエントリが、TOC情報中に存在すると判定された場合(自動再生トラックが存在すると判定された場合)、ステップS4に進み、自動再生トラック再生処理を実行する。即ち、システムコントローラ45は、TOC記憶回路46のpointにE0が記録されているエントリから、自動再生トラックの開始位置を読み取り、その開始位置にアクセスさせる。そして、その開始位置から再生を開始させる。この実施例の場合、図6に示すように、2秒30フレームの位置から、1分の長さの自動再生トラックの再生が開始される。
【0059】
復調装置42は、ドライブ41が出力する再生信号を復調し、音声情報を、ECC回路43、D/A変換器44を介して、図示せぬスピーカに出力させる。
【0060】
この自動再生トラックには、この実施例の場合、例えばコンパクトディスク21に記録されている、5つの曲のタイトル、および演奏者(歌手)などが記録されている。従って、例えばコンパクトディスク21をドライブ41に装着するだけで、そのディスクに記録されている音声情報の内容を知ることができる。このように、音声信号でコンパクトディスク21に記録されている音声情報の内容を知らしめることは、例えば自動車の運転をしながらコンパクトディスクを聴くような場合における運転者、あるいは眼の不自由な人などに、非常に便利となる。
【0061】
勿論、このとき、このような曲のタイトルや演奏者を表示装置47に表示させるようにすることも可能である。
【0062】
尚、TOC情報は、コンパクトディスク21上に同一の情報が3回繰り返して書き込まれている。従って、1つのTOC情報がドロップアウト(傷)などにより欠落したとしても、他の同一の情報を再生することで、そのドロップアウトによる影響を実質的に消滅させることが可能になる。
【0063】
以上のようにして、自動再生トラックが再生されたとき、ステップS5に進み、その自動再生トラックの終了位置に達したか否かが判定される。終了位置に達したと判定された場合、ステップS6に進み、自動再生トラックの再生動作を停止させる。そして、ステップS7およびステップS8の処理を繰り返し実行し、次の再生トラックが指定されるまで待機する。
【0064】
一方、ステップS5において、自動再生トラックの再生位置がまだ終了位置まで達していないと判定された場合、ステップS9に進み、操作入力部48が操作され、他のトラックを再生すべき指令が入力されたか否かが判定される。他のトラックの再生が指示されなければ、ステップS5に戻る。
【0065】
このようにして、自動再生トラックを再生中においては、ステップS5とステップS9の処理を繰り返し実行し、ステップS9において、自動再生トラックの再生中に、他のトラックを再生すべき指令が入力されたと判定された場合においては、ステップS10に進み、現在再生中の自動再生トラックの再生動作を終了させ、新たに指定されたトラックにアクセスし、その再生を開始させる。そしてステップS11およびステップS12の処理を実行し、新たに再生されたトラックを再生中に、さらに他のトラックの再生が指令されるか否かを判定する処理を繰り返す。
【0066】
所定のトラックを再生中に、他のトラックの再生が指令された場合においては、ステップS10に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。所定のトラックの再生中に、他のトラックの再生が指令されずに、そのトラックの再生が終了した場合においては、ステップS6に戻り、再生動作を停止させ、さらにステップS7,S8に進み、新たな再生の指令が入力されるまで待機する。
【0067】
そしてステップS7において、操作入力部48が操作され、再生動作の終了が指令されたと判定された場合においては、ステップS13に進み、再生動作終了処理が実行される。
【0068】
以上の実施例においては、ドライブ41にコンパクトディスク21が装着されると、そこに自動再生トラックが形成されていれば、直ちにその自動再生トラックの再生が開始されるようにしたが、所定の入力が行われたとき、その再生動作を開始させるようにすることも可能である。
【0069】
即ち、例えば、バッテリで動作するような再生装置は、できるだけバッテリを長時間使用できるようにすることが好ましい。従って、このような場合においては、操作入力部48の所定のキーが使用者によりタッチされるなどして、使用者より何らかの入力が行われた場合において、初めて自動再生トラックを再生させるようにすることができる。このようにすれば、バッテリの消耗を、より抑制することができる。
【0070】
このような処理を実行する場合においては、図9のフローチャートに示すように、最初にステップS21において、コンパクトディスク21が装着されるまで待機し、装着された場合においては、ステップS22に進み、TOC情報を読み取り、TOC記憶回路46に記憶させる。そして、その後、ステップS23に進み、ドライブ41が制御され、コンパクトディスク21の回転動作が一旦停止される。そして、さらにステップS24に進み、操作入力部48より、何らかのキーに対応する信号が入力されるまで待機する。そしてステップS24において、何らかのキーが操作されたと判定された場合においては、ステップS25に進み、E0のコードが記録されているpointが存在するか否かを判定する。
【0071】
この図9のステップS25乃至S35の処理は、図8におけるステップS3乃至S13の処理と同様の処理である。
【0072】
以上のように、この実施例によれば、自動再生トラックが記録されているコンパクトディスク21がドライブ41に装着されたとき、直ちにその再生が開始されるのではなく、操作入力部48の何らかのキーが操作されたとき、初めてその再生が開始される。従って、必要以上に電力が消費されることが防止される。
【0073】
図8および図9に示した処理例においては、自動再生トラックが再生されている場合において、他のトラックの再生が指令されたとき、現在再生中のトラックの再生動作を停止させ、新たに再生が指令されたトラックの再生を開始するようにしたが、自動再生トラックのすべてが終了するまで待機するようにすることも可能である。
【0074】
図10と図11の処理例は、この場合の処理動作例を表している。即ち、図10のステップS51乃至S65の処理は、図8のステップS1乃至S13の処理と基本的に同様の処理であるが、ステップS55において、自動再生トラックの再生中に、その終了位置にまだ達していないことが検出されている場合、ステップS60に進み、他のトラックの再生が指令されたか否か判定される。そして、他のトラックの再生が指令されなければ、ステップS55に戻る。このように、自動再生トラックの再生中においては、ステップS55とステップS60の処理を繰り返し実行する。
【0075】
そして、ステップS60において、自動再生トラックの再生動作中に操作入力部48が操作され、他のトラックの再生が指令されたと判定された場合においては、ステップS61に進み、その指定したトラックの番号がRAM49に記憶される。そして再びステップS55に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。
【0076】
このようにして、RAM49には、自動再生トラックの再生動作中に、使用者により再生が指令されたトラックが記憶されることになる。そしてステップS55において、自動再生トラックの終了位置が検出されたと判定された場合、ステップS56に進み、RAM49に再生すべきトラックが記憶されているか否かが判定される。RAM49に再生すべきトラックが記憶されていない場合においては、ステップS57に進み、自動再生トラックの再生動作を停止させ、ステップS58とステップS59において、新たに再生トラックが指令されるまで待機する。
【0077】
一方、ステップS56において、自動再生トラックの再生動作中に、他のトラックの再生が指令されていると判定された場合においては、ステップS62に進み、その指定されたトラックにアクセスし、その再生が開始される。次にステップS63に進み、再生中のトラックが終了したか否か判定し、終了していなければ、ステップS64に進み、他のトラックの再生が指令されているか否かを判定する。他のトラックの再生が指令されていなければ、再びステップS63に戻る。
【0078】
ステップS64において、他のトラックの再生が指令されていると判定された場合においては、ステップS62に戻り、現在再生中のトラックの再生を終了し、新たに指定されたトラックにアクセスし、そのトラックの再生を開始する。
【0079】
一方、ステップS63において、再生中のトラックの終了が検出された場合においては、ステップS57に進み、コンパクトディスク21の回転が停止され、さらにステップS58,S59に進み、新たなトラックの再生が指令されるまで待機する。
【0080】
以上のように、この処理例においては、自動再生トラック以外の他のトラックを再生中に、他のトラックの再生が指令された場合においては、現在再生中のトラックの再生を停止し、直ちに他のトラックの再生が開始される。これに対して、現在再生中のトラックが自動再生トラックである場合においては、この自動再生トラックを再生中に、他のトラックの再生が指令されたとしても、自動再生トラックの終了位置まで再生を継続し、終了位置まで再生が行われた後、新たなトラックの再生が開始される。従って、自動再生トラックに記録されているすべての音声情報を確実に確認することが可能となる。
【0081】
この図10の処理例においては、図8のフローチャートに示した場合と同様に、コンパクトディスク21が装着された場合、自動再生トラックが存在するとき、その再生を直ちに開始するようにしたが、操作入力部48の何らかのキーが操作されるまで待機し、何らかのキーが操作されたとき、初めて自動再生トラックを再生するようにすることも可能である。この場合においては、図10のフローチャートは、図11に示すように変更される。
【0082】
即ち、図11のステップS81において、コンパクトディスク21の装着が検出されるまで待機し、装着されたとき、ステップS82において、TOC情報を読み取り、記憶し、さらにステップS83に進み、コンパクトディスク21の回転を一旦停止させる。そしてステップS84において、操作入力部48の何らかのキーが操作されるまで待機する。そして、何らかのキーが操作されたとき、ステップS85乃至S97の処理を実行する。このステップS85乃至S97の処理は、図10におけるステップS53乃至S65の処理と同様の処理となる。
【0083】
以上の実施例においては、データ領域の先頭に自動再生トラックを形成するようにしたが、任意のトラックの一部の領域を自動再生トラック(自動再生領域)として指定することも可能である。
【0084】
例えば図12に示す例においては、トラック2の一部の領域が自動再生領域として指定されている。
【0085】
このような指定を行う場合、TOC情報は、例えば図13に示すように構成される。この図13の実施例においては、自動再生領域の開始アドレスと終了アドレスが、それぞれpointにE1およびE2で示すコードが記録されているエントリに絶対時間として記録される。この実施例の場合、4分57秒50フレームから始まるトラック2の中の、5分00秒00フレームから5分59秒74フレームまでの領域が、自動再生領域として指定されている。
【0086】
従って、この実施例においては、このように指定されているトラック2の所定の領域の音声情報が、自動再生トラックの情報として、上述した場合と同様に再生される。
【0087】
次に図14乃至図17を参照して、TOC情報内において、自動再生トラックを指定する他の例について説明する。
【0088】
図14の実施例においては、pointが00であるトラックが自動再生トラックとして規定されている。この番号00というトラック番号は、一般的には使用される頻度が極めて小さい。これは、この番号のトラックを規定すると、トラックの番号が、そのコンパクトディスクに記録されている曲の何番目の曲であるのかを表す序数に対応しなくなるからである(序数に対応させるには、1を加算する必要がある)。そこで、この番号00のトラックを自動再生トラックとして規定すれば、番号01乃至99のトラックを本来のトラックとして、そのまま使用することができ、従来の使用上の感覚と違和感が生じることが防止される。
【0089】
図15と図16は、さらに他の実施例を表している。この実施例においては、TOC情報として規定される範囲(テーブル)の最初の3バイトに、自動再生トラックの開始アドレスが記録されるようになされる。最初の1バイトは分を、次の1バイトは秒を、そして最後の1バイトはフレームを表している。従って、図15の実施例においては、00分20秒40フレームが自動再生トラックの開始位置とされている。
【0090】
これに対して、自動再生トラックが存在しない場合においては、図16に示すように、その最初の3バイトの各バイトにFF(16進数)が記録される。
【0091】
図17は、さらに他の実施例を表している。この実施例においては、各トラック毎にフラグが記録されるようになされている。自動再生トラックにはフラグ1がセットされ、それ以外のトラックにはフラグ0がセットされる。従って、図17の実施例においては、番号00のトラックが自動再生トラックとして規定されていることになる。
【0092】
以上、本発明をコンパクトディスクに応用した場合を例として説明したが、本発明は、コンパクトディスクに音声情報だけでなく、ビデオ情報をも記録する場合、あるいは、ビデオディスク、その他の記録媒体に応用することも可能である。
【0093】
記録媒体にビデオデータを記録することが可能である場合においては、自動再生トラックに記録されているビデオ信号を再生し、それを表示装置47に表示させるようにすることができる。
【0094】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、記録データだけでなく、自動再生トラック情報を記録するようにしたので、使用者が特別の操作をすることなく、自動的にそこに記録されている情報を確認することが可能となり、操作性が改善される。従って、例えば、その記録媒体に記録されている情報の目次的な情報をそこに記録しておくことで、目次的情報を自動的に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】データ記録装置を応用したコンパクトディスクの記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図3】図1におけるキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図4】図1におけるキー31により入力される自動再生トラック情報を説明する図である。
【図5】図1により生成されるコンパクトディスク21のフォーマットを説明する図である。
【図6】図1においてマスタディスク12に記録されるTOC情報を説明する図である。
【図7】データ再生装置を応用したコンパクトディスクの再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】図7のディスク再生装置の動作を説明するフローチャートである。
【図12】所定のトラックの一部の領域を自動再生トラックとする場合のフォーマットを説明する図である。
【図13】所定のトラックの一部の領域を自動再生トラックとする場合のTOC情報を説明する図である。
【図14】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図15】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図16】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図17】TOC情報において自動再生トラックを規定する他の例を説明する図である。
【図18】従来のコンパクトディスクの記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図19】従来のコンパクトディスクのフォーマットを説明する図である。
【図20】図18のキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図21】図18のキー2により入力されるアクセス情報を説明する図である。
【図22】図18のマスタディスク12より形成されるコンパクトディスク上のTOC情報を説明する図である。
【符号の説明】
1 オリジナルテープ
2 キー
3 マスタリングシステム
4 VTR
5 エディタ
6 マスタテープ
7 VTR
8 ジェネレータ
9 ECCエンコーダ
10 変調装置
11 カッティングマシン
12 マスタディスク
21 コンパクトディスク
31 キー
41 ドライブ
42 復調装置
43 ECC回路
44 D/A変換器
45 システムコントローラ
46 TOC記憶回路
47 表示装置
48 操作入力部
49 RAM
Claims (5)
- 所定のデータが記録される記録媒体であって、
複数の記録データが記録されている複数のトラック、および前記記録媒体が装着された場合に自動的に再生される自動再生トラックが記録されるデータ領域と、
前記データ領域の再生に先立って再生される領域であって、複数の前記トラックにアクセスするためのアクセス情報、および前記自動再生トラックを指定する自動再生トラック情報が記録されている制御情報領域と
を備えることを特徴とする記録媒体。 - 前記制御情報領域には、前記自動再生トラックと他のトラックとを識別するコードが記録されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - 前記制御情報領域には、前記自動再生トラックの開始位置と終了位置とを表す情報が記録されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - 前記制御情報領域には、前記自動再生トラックの位置を表す情報を記録する領域が、他のトラックの位置を表す情報が記録されている領域とは別に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。 - 前記制御情報領域には、前記自動再生トラックであるか否かを表すフラグが記録されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
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Family
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163222A patent/JP2004047062A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8861930B2 (en) | 2006-01-23 | 2014-10-14 | Thomson Licensing | Content playback apparatus, content playback method and storage medium |
JP2008262608A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-10-30 | Funai Electric Co Ltd | 光ディスクプレーヤ |
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