JP2004043071A - 巻芯 - Google Patents

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Yoshiyuki Oka
岡 善之
Keisuke Nishimura
西村 圭介
Junichi Tainaka
田井中 純一
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Abstract

【課題】シート状体を芯材に巻付ける際にはネッキングしにくく、粘着テープや印刷用フィルム等を巻付ける際には凸凹等が発生しにくく、保管中には”筍現象”が発生し難く、しかも使用後破棄する際にも環境に負荷を与えることのない巻芯を提供すること。
【解決手段】紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体製の芯材の外周面またはその厚みの中間層部分に、生分解性樹脂からなる25%圧縮永久歪みが10%以下で、ゲル分率が少なくとも5%である架橋発泡体を設けたことを特徴とする巻芯である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば粘着テープ、印刷用フィルム等のシート状体をロール状に巻付けるための巻芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、粘着テープ、印刷用フィルム等を巻芯にロール状に巻付けた場合、これらを巻く時の張力の大小や変動により、時間経過とともに巻締まりによるテープの型崩れ、所謂”筍現象”が発生する問題があった。これを解決するために、紙管や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂などの円筒状成形体製の芯材の外周面またはその厚みの中間部分に、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂などからなる軟質の樹脂発泡体を巻付け、巻締まりによる内部応力を緩和することが試みられてきた。
【0003】
また、印刷用フィルム等を重ね巻きしていくと、第一層目のわずかな”バリ”が重ね巻きにされていくことで顕著になり、巻姿が非常に悪くなる問題が発生することがあった。前記のような軟質の樹脂発泡体を芯材の外周面またはその厚みの中間部分に巻付けて用いると、副次的な効果として、わずかな”バリ”を緩衝・吸収し、重ね巻きしても凸凹の無い外観の良好な巻き重ね体が得られるという利点があった。
【0004】
しかし、これら応力緩和の目的で用いられる軟質の樹脂発泡体と、芯材となる紙管や樹脂円筒状成形体とは、接着剤等で貼り合わす事により製造されているため、スタート、ストップ時の製品とはならない不良部分或いは加工上の端材等のロス部分等の廃棄物のリサイクルが困難であり、焼却処分を行う場合においても、燃焼熱が非常に高いため大量に処分した場合は焼却炉を傷めてしまうという問題点を抱えていた。更には使用後の巻芯から樹脂発泡体を分離回収することが困難であり、そのためこれらを焼却処分する場合にも上記の如き焼却炉を傷めやすいという問題点があった。
【0005】
これを解決する方法として、特開平6−156878号公報には、これら軟質の樹脂発泡体の代わりに発泡紙を用いる試みがなされている。発泡紙を用いると、芯材を紙管とした場合においては、埋め立てて処分することで経時的に生分解されるため環境に負荷を与えないという点、古紙へのリサイクルが可能であるという点から好ましい代替品であり、また、焼却した場合においても燃焼熱が非常に低く、焼却炉を傷めにくいと言う利点もあった。
【0006】
しかし、上記の発泡紙を巻芯に用いた場合においては、軟質の発泡体と比較して、圧縮された際の回復性が悪いため、重ね巻きされるに従い内部応力を十分緩和することが出来ず、巻き重ね体が長尺になればなるほど、”筍現象”が発生することがあった。
【0007】
これらを解決する方法として、特開平8−217338号公報には、軟質発泡体として生分解性樹脂からなる発泡体を紙管に巻付けてなる巻芯が提案されている。しかるに、単に樹脂を生分解性のものに置き換えるのみでは、使用後廃棄するときの問題は解決されるであろうものの、巻芯に要求される圧縮回復性や、さらには紙管や樹脂円筒状成形体などの芯材に軟質の樹脂発泡体を巻付けて巻芯を製造する場合の後述する問題等を解決できないものであった。すなわち、紙製の芯材に対して軟質の樹脂発泡体をスパイラル状に巻付けて紙管を製造する場合に、発泡体に接着剤を塗布した後、溶剤を乾燥させるために加熱すると、張力が高すぎる場合にはネッキングするため、芯材に巻付けると発泡体の間に隙間が出来てしまうという問題点があった。逆に張力を低くすると弛んでしまうため発泡体が重なって巻付けられてしまう等の問題点があり、発泡体を巻付ける際の張力制御が非常に困難であるという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、芯材に巻付ける際にはネッキングしにくく、粘着テープや印刷用フィルム等を巻付ける際には凸凹等が発生しにくく、また保管中には”筍現象”が発生し難く、しかも使用後破棄する際には環境に負荷を与えることのない巻芯を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、次のような手段を採用する。すなわち、本発明は、紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体製の芯材の外周面またはその厚みの中間層部分に、生分解性樹脂からなる25%圧縮永久歪みが10%以下の架橋発泡体を設けたことを特徴とする巻芯である。この場合、以下の態様とすることが好ましい。
【0010】
(1)生分解性樹脂が、ポリ乳酸、ジオールとジカルボン酸およびその誘導体を重縮合してなる脂肪族ポリエステル、生分解性セルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、キチン・キトサン質および天然直鎖状ポリエステル系樹脂の中から選ばれた少なくとも一種の巻芯であり、
(2)生分解性樹脂架橋発泡体のゲル分率が、少なくとも5%とした巻芯である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0012】
まず、本発明で言う「紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体」とは、本発明で使用する生分解性樹脂架橋発泡体の適用場所である芯材の態様を意味し、芯材自体が(1)紙管である場合、(2)生分解性樹脂からなる円筒状成形体の場合、(3)紙管の表面はまたは内層などその一部に生分解性樹脂が用いられている場合、のいずれかを指す。そして、いずれ場合であっても本発明の特徴である生分解性樹脂架橋発泡体が用いられる箇所は、上記芯材の表面および/またはその厚み部分の中間層部分である。
【0013】
本発明で使用する生分解性樹脂架橋発泡体を構成する生分解性樹脂としては、例えば合成高分子としては、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・カーボネート等のジオールとジカルボン酸およびその誘導体を重縮合してなる脂肪族ポリエステル、酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、硝酸酢酸セルロース等の生分解性セルロースエステル等があげられる。また、合成高分子として、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリロイシン等のポリペプチドや、ポリビニルアルコール等も例示できる。また、天然高分子としては、例えば、澱粉として、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉などの生澱粉、酢酸エステル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、アミロース等の加工澱粉等が挙げられる。また、セルロース、カラギーナン、キチン・キトサン質、ポリヒドロキシブチレート・バリレート等の天然直鎖状ポリエステル系樹脂等の天然高分子等が例示できる。また、これらの生分解性樹脂を構成する成分の共重合体であっても良い。これらの生分解性樹脂は単独で用いても良いし、2種類以上併用しても良い。生分解性樹脂として好ましいものは、ポリ乳酸、ジオールとジカルボン酸およびその誘導体を重縮合してなる脂肪族ポリエステル、生分解性セルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、キチン・キトサン質および天然直鎖状ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも一種のものである。
【0014】
樹脂組成物中の全樹脂成分に対する生分解性樹脂の割合は特に限定されないが、50重量%以上であるのが好ましい。生分解性樹脂量が増えれば、分解速度が速くなり、また、分解後の崩形性が向上するからである。50重量%未満であるとこのような効果が得られない。生分解性樹脂以外の樹脂成分としては特に制限は無く、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン等を添加することができる。
【0015】
芯材として、生分解性樹脂からなる円筒状成形体を用いる場合においても、上記の樹脂を用いることが出来る。また、上記円筒状成形体には必要に応じて、タルク、炭カル等の充填剤、酸化防止剤、顔料等の添加剤を加え、改質することが出来る。
【0016】
ところで、本発明の巻芯で用いる生分解性樹脂架橋発泡体は、25%圧縮永久歪みが10%以下であることが必要であり、7%以下が好ましい。25%圧縮永久歪みが10%を超えると、この巻芯の上に粘着テープ、印刷用フィルム等を重ね巻きした後、長期間保管すると、”筍現象”が発現することがあるからである。この場合、25%圧縮永久歪みが7%以下の場合は圧縮弾性回復率が大となり、”筍現象”の発生がより少なくなる。本発明でいう25%圧縮永久歪みとは、JIS K6767に従い、以下の方法にて算出した値のことである。すなわち、発泡体を上下面が平行で周囲を切断したシート状サンプルを積み重ね、その外形寸法が長さ50mm、幅50mm、厚さ25mmとなるように積み重ねる。このものの厚みを精密に測定し、所定の試験装置に挟み、試験片の厚さの25%だけ圧縮固定して、標準状態の場所に連続22時間放置する。その後、試験片を取り外し、標準状態の場所に24時間放置した後、前と同じ箇所の厚さを測定し、以下の式に従い算出する。
【0017】
C=(t−t)/t×100
ここで、C :25%圧縮永久歪み(%)、
:試験片の初めの厚さ(mm)、
:試験片の試験後の厚さ(mm)である。
【0018】
本発明で使用する生分解性樹脂架橋発泡体のゲル分率は、5%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、最も好ましくは20%以上である。ゲル分率が5%未満であると、発泡体をスパイラル状に紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体等の芯材に巻き付けても張力の制御が難しく、張力がかかりすぎた場合にはネッキングを起こすことがあるからである。
【0019】
本発明においては、このように樹脂に架橋構造を導入することで弾性回復力が向上するため、無架橋発泡体を用いるよりも架橋発泡体を用いる方が前記の”筍現象”を防ぐ作用効果が生じる。
【0020】
本発明でいうゲル分率とは、以下の方法にて算出した値のことである。すなわち、生分解性樹脂架橋発泡体サンプルを50mg精密に秤量し、25℃のクロロホルム25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して、金網状の不溶解分を真空乾燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出する。
【0021】
ゲル分率(%)={不溶解分の重量(mg)/秤量した生分解性樹脂架橋発泡体の重量(mg)}×100
本発明の特徴である生分解性樹脂架橋発泡体に架橋構造を導入する方法としては特に限定されないが、例えば、電離性放射線を所定線量照射する方法、過酸化物による架橋、シラン架橋などをあげることができる。
【0022】
これらの中でも電離性放射線により樹脂を架橋させる方法が、発泡体表面を外観美麗に成形できることから好ましく用いることが出来る。電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線等を挙げることができる。電離性放射線の照射線量は通常10〜500kGy、好ましくは50〜300kGyである。照射線量が少なすぎると発泡成形時に気泡を保持するために十分な溶融粘度が得られず、多すぎると発泡成形時の溶融張力が高すぎるためガス抜けが発生し、表面性の良好な発泡体が得られない。
【0023】
さらに生分解性樹脂に効率よく架橋構造を導入する方法として、多官能性モノマーを架橋助剤として併用することが挙げられる。架橋助剤を併用すると、少ない線量で効率よく架橋構造を導入することが出来るため、生産性が向上することから好ましく用いられる。
【0024】
これら架橋助剤は特に限定されず、従来公知の多官能性モノマー、例えば、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート等のアクリレート系またはメタクリレート系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、ピロメリット酸トリアリルエステル、シュウ酸ジアリル等のカルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸またはイソシアヌール酸のアリルエステル;N−フェニルマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジプロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合物;ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーを使用することができ、取り扱いやすさと汎用性等の点から、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等のエステル系の多官能性モノマーが好ましく用いられる。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの多官能モノマーの添加量は、少なすぎると良好な架橋発泡体が得られず、多すぎると得られた発泡体の成形性が低下するため、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。
【0025】
本発明で用いる生分解性樹脂架橋発泡体は、生分解性樹脂に上記のような方法で架橋構造を導入し、熱分解型発泡剤を分解させて製造する。熱分解型発泡剤とは熱分解温度を有する発泡剤であれば特に限定されないが、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、併用しても良く、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部の割合で使用され、より好ましくは4〜25重量部である。熱分解型発泡剤の添加量は、少なすぎると樹脂組成物の発泡性が低下するため、十分に応力緩和するための柔軟性が得られ難く、多すぎると得られる発泡体の強度が低下する傾向があるため好ましくない。
【0026】
発泡体の発泡倍率としては、1.5〜50倍の範囲であることが好ましい。発泡倍率が1.5倍を下回ると柔軟性が低下傾向となり十分に応力緩和することが出来ない上、発泡体の特徴でもある軽量性、応力を緩和するのに必要な柔軟性が損なわれるため好ましくなく、また、発泡倍率が50倍を上回ると機械的特性が低下傾向となるため好ましくない。
【0027】
本発明に使用する生分解性樹脂発泡体を構成する樹脂組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲において、各種添加剤成分を添加しても良い。例えば、添加剤として架橋剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、核剤、可塑剤、抗菌剤、生分解促進剤、発泡剤分解促進剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、充填剤、防臭剤、増粘剤、発泡助剤、気泡安定剤、金属害防止剤などであり、これらを単独もしくは2種類以上併用して添加しても良い。
【0028】
次に、本発明の巻芯の好ましい製造方法について説明する。
【0029】
まず、芯材として用いる紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体等を適当な公知の方法で製造する。紙管としては、例えば紙テープをスパイラル状に複数層、巻回のうえ接着して形成したスパイラル紙管等が挙げられる。生分解性樹脂からなる円筒状成形体としては、例えば生分解性樹脂を所望の形状の金型で円筒状に射出成形したもの等が挙げられる。巻芯の断面形状としては、通常多用される円形の他、三角、四角形、六角形等、勿論限定されるものではない。
【0030】
次に円筒状巻芯に巻回する生分解性樹脂架橋発泡体を製造する。具体的には、生分解性樹脂と熱分解型発泡剤を含む樹脂組成物を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ミキシングロール等の混練装置を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度以下で均一に溶融混練し、これをシート状に成形する。これらの樹脂組成物は、溶融混練する前に必要に応じてミキサー等で機械的に混合しておいても良い。このときの溶融混練温度は、発泡剤の分解開始温度よりも10℃以上低い温度であることが好ましい。混練温度が高すぎると混練時に熱分解型発泡剤が分解してしまい、良好な発泡体が得られない。また、このシートの厚みは0.1mm〜50mmであるのが好ましい。シートの厚みが0.1mm未満であると発泡成形時にシート表面からのガス抜けが多く、均一な発泡体となりにくく、50mmを超えるとシートの剛性が高くなりすぎ、巻芯として使用した場合の連続生産時の巻き取り性能等に支障を生じることがあるからである。
【0031】
次いで、得られたシート状の樹脂組成物に電離性放射線を所定線量照射して樹脂組成物を架橋させ架橋シートを得る。この架橋シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度で熱処理し発泡させる。発泡成形のための熱処理は、従来公知の方法を用いてよく、例えば、縦型および横型の熱風発泡炉、溶融塩等の薬液浴上などで行うことができる。生分解性樹脂として脂肪族ポリエステル等のように加水分解を起こしやすい樹脂を用いる場合は、薬液浴上で発泡させるよりも、縦型および横型熱風発泡炉で発泡を行った方が表面状態の良好な発泡体が得られる。また、必要に応じて発泡成形を行う前に予熱を行い、樹脂を軟化させておくと少ない熱量で、安定した発泡体を得ることができる。
【0032】
次にこの様にして製造した紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体等の芯材に、上記の生分解性樹脂架橋発泡体を巻き付ける。その方法は、特に限定されず、例えばテープ状にスリットした生分解性樹脂架橋発泡体をスパイラル巻き機により、斜角度から螺旋状に巻き上げていくスパイラル巻き、あるいは芯材に対し一定の幅の生分解性樹脂架橋発泡体を平巻き機により芯材と直角方向に巻き付ける平巻き等の方法を用いることが出来る。
【0033】
生分解性樹脂架橋発泡体は芯材の表面に巻付けることは勿論、芯材の厚みの中間層部分に生分解性樹脂架橋発泡体を部分的に巻付けることも可能である。特に、巻芯の表面形態を向上させるために生分解性樹脂架橋発泡体の表面に、更にフィルム等を巻付けることや、予めフィルム等を表面に貼り合わせた生分解性樹脂架橋発泡体を巻付けることなどは好ましい実施態様例である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
実施例1
生分解性樹脂として、190℃でのメルトフローレートが3のポリブチレンサクシネート100kg、発泡剤としてアゾジカルボンアミド8kg、架橋助剤として1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート8.0kgを準備し、これらをヘンシェルミキサーに投入し、200〜400rpmの低速回転で約3分混合し、ついで800〜1000rpmの高速回転とし、3分間混合して発泡用樹脂組成物とした。この発泡用樹脂組成物を発泡剤の分解しない温度、具体的には150℃に加熱したベント付きの押出し機に導入、Tダイから押し出し、厚みが1.0mmの架橋発泡用シートに成型した。このシートに80kGyの電子線を加速電圧800kVで照射し、架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に連続的に導入し、230℃で3〜4分加熱発泡して連続シート状の架橋発泡体として巻取った。
【0036】
このようにして得られた発泡体の厚みは2.0mm、ゲル分率は35%、発泡倍率15倍、25%圧縮永久歪みは3.5%であった。
【0037】
次に、内径95mm、肉厚5mmの紙管を芯材として、上記の様に作成した発泡体を20m/min.の速度でスパイラル状に発泡体表面に酢酸ビニルエマルジョンを25g/m2塗布しながら巻回し、紙管外層に上記発泡体が巻回された巻芯を作成した。
【0038】
このようにして得られた本発明の巻芯に、厚み40μmの2軸延伸ポリプロピレンよりなる基材の一面に厚み20μmの粘着剤層を設けた幅1.95mm、長さ200mmの粘着テープを重ね巻きし、粘着テープ巻重体を得た。
【0039】
この巻重体は半年間放置後も”筍現象”を起こすことなく、巻姿は良好であった。また、粘着テープを使用後、巻芯ごと土中に埋設したところ半年後には分解変化が観測されていた。
【0040】
実施例2
内径95mm、肉厚5mmのポリ乳酸を射出成形して作った円筒状成形体を芯材として、実施例1で作成した発泡体を用いて、20m/min.の速度でスパイラル状に酢酸ビニルエマルジョンを25g/m2塗布しながら巻回し、巻芯を作成した。
【0041】
この巻芯に、厚み40μmの2軸延伸ポリプロピレンよりなる基材の一面に厚み20μmの粘着剤層を設けた幅1.95mm、長さ200mmの粘着テープを重巻し、粘着テープ巻重体を得た。
【0042】
この巻重体は半年間放置後も”筍現象”を起こすことなく、巻姿は良好であった。また、粘着テープを使用後、巻芯ごと土中に埋設したところ半年後には分解変化が観測されていた。
【0043】
比較例1
生分解性樹脂として、190℃でのメルトフローレートが10のポリブチレンサクシネートを150℃に設定した押出し機に導入し、押出機の途中より炭酸ガスを約3.5wt%注入し、リップ幅0.8mmに設定したサーキュラーダイより押し出し、圧力を解放することで発泡体を得た。このようにして得られた発泡体の厚みは2.0mm、ゲル分率は0%、発泡倍率は15倍、25%圧縮永久歪みは7.5%であった。
【0044】
次に、内径95mm、肉厚5mmの紙管を芯材として、上記の様に作成した発泡体を20m/min.の速度でスパイラル状に発泡体表面に酢酸ビニルエマルジョンを25g/m2塗布しながら巻回し、紙管外層に上記発泡体が巻回された巻芯を作成したが、20m/min.の速度では、接着剤を乾燥させるときに加熱すると、発泡体がネッキングし、スパイラル状に巻回した時に、発泡体と発泡体の間にわずかな隙間が出来てしまった。そこで、速度を10m/min.まで下げたところ、ようやく隙間の無い巻芯を作ることが出来たが、実施例1と比較して、生産性は半減していた。
【0045】
この巻芯に、厚み40μmの2軸延伸ポリプロピレンよりなる基材の一面に厚み20μmの粘着剤層を設けた幅1.95mm、長さ200mmの粘着テープを重ね巻きし、粘着テープ巻重体を得た。この巻重体は3ヶ月間放置後は若干ではあるが”筍現象”を起こしており、半年間放置後にはより顕著に”筍現象”がみられ、巻姿は良好であるとは言えないものであった。また、粘着テープを使用後、巻芯ごと土中に埋設したところ半年後には分解変化が観測されていた。
【0046】
比較例2
樹脂として、190℃でのメルトフローレートが3のポリエチレン100kg、発泡剤としてアゾジカルボンアミド8kgを用い、電子線の照射線量を30kGyとした以外は、実施例1と同様の方法を用いて発泡体を得た。このようにして得られた発泡体の厚みは2.0mm、ゲル分率は25%、発泡倍率15倍、25%圧縮永久歪みは4.5%であった。尚、本参考例の発泡体のゲル分率は、クロロホルムの代わりに、140℃に加熱したテトラリン溶媒中に3時間浸漬することで測定を行った。
【0047】
そして、作成した発泡体を用いて、実施例1と同様の方法で巻芯を作成した。
【0048】
この巻芯に、厚み40μmの2軸延伸ポリプロピレンよりなる基材の一面に厚み20μmの粘着剤層を設けた幅1.95mm、長さ200mmの粘着テープを重巻し、粘着テープ巻重体を得た。
【0049】
この巻重体は半年間放置後も”筍現象”を起こすことなく、巻姿は良好であった。しかし、粘着テープを使用後、巻芯ごと土中に埋設したところ半年経過後は紙管の一部に分解変化は観測されたものの、発泡体層は原形をとどめており分解変化は見られなかった。
【0050】
比較例3
内径95mm、肉厚5mmの紙管を芯材として、厚み約1mm、発泡倍率3倍の発泡紙を20m/min.の速度でスパイラル状に酢酸ビニルエマルジョンを25g/m2塗布しながら巻回し、巻芯を作成した。
【0051】
この巻芯に、厚み40μmの2軸延伸ポリプロピレンよりなる基材の一面に厚み20μmの粘着剤層を設けた幅1.95mm、長さ200mmの粘着テープを重巻し、粘着テープ巻重体を得た。
【0052】
この巻重体は3ヶ月間放置後には”筍現象”が見られ、巻姿の悪いものであった。粘着テープを使用後、巻芯ごと土中に埋設したところ半年経過後には分解変化が観測されていた。
【0053】
【発明の効果】
本発明の巻芯は、紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体製の芯材の外周面またはその厚みの中間層部分に、生分解性樹脂からなる25%圧縮永久歪みが10%以下の架橋発泡体を設けたので、シート状体を芯材に巻き付ける際にはネッキングしにくく、粘着テープや印刷用フィルム等を巻付ける際には凸凹等が発生しにくく、保管中には”筍現象”が発生し難く、しかも使用後破棄する際にも環境に負荷を与えることのないものを得ることができる。

Claims (3)

  1. 紙管および/または生分解性樹脂からなる円筒状成形体製の芯材の外周面またはその厚みの中間層部分に、生分解性樹脂からなる25%圧縮永久歪みが10%以下の架橋発泡体を設けたことを特徴とする巻芯。
  2. 生分解性樹脂が、ポリ乳酸、ジオールとジカルボン酸およびその誘導体を重縮合してなる脂肪族ポリエステル、生分解性セルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、キチン・キトサン質および天然直鎖状ポリエステル系樹脂の中から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の巻芯。
  3. 生分解性樹脂架橋発泡体のゲル分率が、少なくとも5%であることを特徴とする請求項1または2記載の巻芯。
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