JP2003253031A - 生分解性樹脂架橋発泡体 - Google Patents

生分解性樹脂架橋発泡体

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JP2003253031A
JP2003253031A JP2002053041A JP2002053041A JP2003253031A JP 2003253031 A JP2003253031 A JP 2003253031A JP 2002053041 A JP2002053041 A JP 2002053041A JP 2002053041 A JP2002053041 A JP 2002053041A JP 2003253031 A JP2003253031 A JP 2003253031A
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Japan
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antioxidant
biodegradable
based antioxidant
foam
weight
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Application number
JP2002053041A
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English (en)
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Atsushi Goto
淳 後藤
Yoshiyuki Oka
善之 岡
Junichi Tainaka
純一 田井中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱、光、酸素などによる樹脂の劣化を抑え、良
好な表面状態を有し、発泡体内部の気泡が均一であり、
優れた機械的特性を有する生分解性樹脂架橋発泡体を提
供すること及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】生分解性脂肪族ポリエステルおよび/また
はその変性物100重量部に対して、熱分解型発泡剤1
〜50重量部と、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤およ
びラジカル連鎖開始阻害剤から選ばれる少なくとも1種
の安定剤0.01〜10重量部とが配合されてなる樹脂
組成物を、架橋、発泡して得られた生分解性樹脂架橋発
泡体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性樹脂架橋
発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリスチレンなどプラス
チック製品はその便利さ、コストなどから毎年膨大な量
が生産され、最終的に廃棄されている。この廃棄された
プラスチックを有効活用しようと再資源化を考えた場
合、廃棄されたプラスチックの分別、再資源化にかかる
コストなど点から実現が難しい。そこで、プラスチック
の廃棄する上で様々な問題が引き起こされている。例え
ば、プラスチックを土中に埋没しても半永久的に残存
し、自然の景観を損なったり野生生物を傷つけたりす
る。また、焼却するとしても、不適切な燃焼方法では有
毒物質が発生したり、高温を発して炉を傷めたりする。
このような状況から、廃棄しても自然環境中で微生物等
により分解される生分解性のプラスチックが望まれてお
り、鋭意研究、開発の結果、フィルムや繊維として商品
化されるに至った。
【0003】これはプラスチック発泡体においても例外
ではなく、生分解性樹脂による発泡体が研究、開発され
ている。例えば、生分解性樹脂として脂肪族ポリエステ
ル樹脂を用いた未架橋の押出発泡体が知られている。し
かし、脂肪族ポリエステル樹脂は、重縮合時に発生する
水による加水分解等の副反応により高分子量化が難しい
ため、押出発泡時に気泡を保持するための十分な溶融粘
度が得られず、従って良好な気泡状態及び表面状態を有
する発泡体を得るのが困難であった。
【0004】これを解決する方法として、例えば特許第
2655796号公報や特開平11−279311号公
報には、電離性放射線を用いて樹脂を架橋させる方法が
提案されている。この方法を用いることにより、発泡時
の溶融粘度を高めることができ、発泡体を得られること
が知られている。
【0005】しかし、発泡体を得るために熱分解型発泡
剤の分解温度以上の温度で熱処理すると樹脂が熱劣化し
やすく、表面は灼けただれて荒れた状態となり、外観を
損なうという問題があった。さらに得られた発泡体は
熱、光、酸素により樹脂が劣化し、機械的特性が低下す
るという問題があった。
【0006】同じく外観に優れる高発泡倍率を得る方法
として、特開2000−136256号公報では、発泡
成形安定剤を添加する方法が提案されているが、ここで
用いられる発泡成形安定剤は気泡と樹脂との界面に働き
気泡の安定性を高める方法であり、熱、光、酸素などに
より生じる樹脂の劣化を防止することはできない点が問
題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、熱、光、酸素などによる樹脂の劣化
を抑え、良好な表面状態を有し、発泡体内部の気泡が均
一であり、優れた機械的特性を有する生分解性樹脂架橋
発泡体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために誠意検討した結果、次のような各手段を
採用するものである。
【0009】(1)生分解性脂肪族ポリエステルおよび
/またはその変性物100重量部に対して、熱分解型発
泡剤1〜50重量部と、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解
剤およびラジカル連鎖開始阻害剤から選ばれる少なくと
も1種の安定剤0.01〜10重量部とが配合されてな
る樹脂組成物を、架橋、発泡して得られた生分解性樹脂
架橋発泡体。
【0010】(2)生分解性脂肪族ポリエステルおよび
/またはその変性物が、脂肪族ジカルボン酸および/ま
たはその誘導体と、脂肪族ジヒドロキシ化合物とからな
ることを特徴とする(1)記載の生分解性樹脂架橋発泡
体。
【0011】(3)ラジカル捕捉剤が、ラクトン系酸化
防止剤、フェノール系酸化防止剤またはヒンダードアミ
ン系酸化防止剤であり、過酸化物分解剤が、リン系酸化
防止剤またはイオウ系酸化防止剤であり、ラジカル連鎖
開始阻害剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸
収剤または金属不活性化剤であることを特徴とする
(1)または(2)記載の生分解性樹脂架橋発泡体。
【0012】(4)ラジカル捕捉剤としてフェノール系
酸化防止剤と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止剤
および/またはイオウ系酸化防止剤から選ばれる少なく
とも一種とを併用することを特徴とする(1)または
(2)記載の生分解性樹脂架橋発泡体。
【0013】(5)ラジカル捕捉剤として、ラクトン系
酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤とを併用するこ
とを特徴とする(1)または(2)記載の生分解性樹脂
架橋発泡体。
【0014】(6)ラジカル捕捉剤としてラクトン系酸
化防止剤と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止剤お
よび/またはイオウ系酸化防止剤から選ばれる少なくと
も一種とを併用することを特徴とする(1)または
(2)記載の生分解性樹脂架橋発泡体。
【0015】(7)ラジカル捕捉剤としてラクトン系酸
化防止剤およびフェノール系酸化防止剤から選ばれる少
なくとも1種と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止
剤とを併用することを特徴とする(1)または(2)記
載の生分解性樹脂架橋発泡体。
【0016】(8)樹脂組成物は、生分解性脂肪族ポリ
エステルおよび/またはその変性物100重量部に対し
て、さらに架橋助剤0.5〜10重量部を配合してなる
ものであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか
に記載の生分解性樹脂架橋発泡体である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0018】本発明で使用する生分解性脂肪族ポリエス
テルおよび/またはその変性物としては、特には限定さ
れないが、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−β−プロ
ピオラクトン、ポリ−β−ブチロラクトン、ポリ−γ−
ブチロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリリ
ンゴ酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサク
シネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート等の
脂肪族ポリエステル、ポリブチレンサクシネート・カー
ボネート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレー
ト、ポリブチレンアジペート・テレフタレート等の脂肪
族ポリエステルのカーボネート変性および/またはテレ
フタレート変性等が挙げられる。これらの生分解性脂肪
族ポリエステルおよび/またはその変性物は単独で用い
ても良いし、2種類以上併用しても良い。
【0019】上記生分解性脂肪族ポリエステルおよび/
またはその変性物は、本発明の目的を損なわない範囲で
他の生分解性樹脂を混合してもよい。他の生分解性樹脂
としては、合成及び/又は天然高分子が使用される。合
成高分子としては、酢酸セルロース、セルロースブチレ
ート、セルロースプロピオネート、硝酸セルロース、硫
酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、硝酸
酢酸セルロース等の生分解性セルロースエステル等、ま
た、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリロイ
シン等のポリペプチドや、ポリビニルアルコール等が挙
げられる。また、天然高分子としては、例えば、澱粉と
して、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉などの
生澱粉、酢酸エステル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、
アミロース等の加工澱粉等が挙げられる。また、セルロ
ース、カラギーナン、キチン・キトサン質、ポリヒドロ
キシブチレート・バリレート等の天然直鎖状ポリエステ
ル系樹脂等の天然高分子等が例示できる。また、これら
の生分解性樹脂を構成する成分の共重合体であっても良
い。これらの生分解性樹脂は単独で用いても良いし、2
種類以上併用しても良い。
【0020】本発明で使用する生分解性脂肪族ポリエス
テルおよび/またはその変性物を構成する脂肪族ジカル
ボン酸としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グル
タル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカ
ン酸、アゼライン酸などが使用できる。なお上記の脂肪
族ジカルボン酸はそれらのエステルあるいは酸無水物で
あってもよい。
【0021】また、脂肪族ジヒドロキシ化合物として
は、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シク
ロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなど
を使用できる。なお上記の脂肪族ジヒドロキシ化合物は
これらの誘導体であるエポキシ化合物であっても良い。
これらの脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジヒドロキシ化合
物は、それぞれ単独であるいは混合物として用いること
ができ所望の組合せが可能である。また、本発明の目的
を損なわない範囲でヒドロキシカルボン酸化合物、分子
内に水酸基を3個以上含有する多価アルコール、不飽和
結合を1つ以上含有する多価アルコール、分子内にカル
ボキシル基を3個以上含有する多価カルボン酸化合物、
分子内に水酸基を1個以上含有する多価カルボン酸化合
物等を共重合することができる。
【0022】本発明で使用する熱分解型発泡剤とは熱分
解温度を有する発泡剤であれば特に限定されないが、例
えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒド
ラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエ
ンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾジカルボン酸バリウム、重炭酸ナトリウム等の
重炭酸塩等を挙げることができる。これらは単独で用い
ても良いし、併用しても良く、樹脂組成物100重量部
に対して、1〜50重量部の割合で使用され、より好ま
しくは4〜25重量部である。熱分解型発泡剤の添加量
は、1重量部より少ないと樹脂組成物の発泡性が低下
し、50重量部より多いと得られる発泡体の強度及び耐
熱性が低下する。
【0023】本発明で使用する安定剤としては、ラジカ
ル捕捉剤、過酸化物分解剤、ラジカル連鎖開始阻害剤か
ら選ばれる少なくとも1種である。
【0024】本発明に使用するラジカル捕捉剤として
は、発生したラジカルを捕捉し、ラジカル連鎖反応の進
行を防止する物質であれば、特に限定はされないが、例
えばラクトン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、
ヒンダードアミン系酸化防止剤等を使用することができ
る。
【0025】ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒド
ロキシ−5,7−ジ−t−ブチル−フラン−2−オンと
o−キシレンの反応生成物等が挙げられる。
【0026】フェノール系酸化防止剤としては、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、トリエチレングリコール−ビス(3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート)、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げら
れる。
【0027】ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、
コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、N,N’−ビ
ス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4ビ
ス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,
3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディ
ニル)エステル等が挙げられる。
【0028】中でもラジカル補足剤としては、熱安定
性、コスト、電離性放射線の照射による失活等の観点か
ら、ラクトン系酸化防止剤として3−ヒドロキシ−5,
7−ジ−t−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレン
の反応生成物等、フェノール系酸化防止剤としてトリエ
チレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)等、ヒンダードアミン系酸化防止剤としてビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート等が好ましく用いられる。尚、これらは単独で
用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても構
わない。2種類以上を組み合わせて用いる場合は、相乗
効果を発揮する場合があり好ましく用いられる。
【0029】本発明に使用する過酸化物分解剤として
は、生成した過酸化物をラジカルが生成しない形で分解
する物質であれば、特に限定はされないが、例えばリン
系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等を使用することが
できる。
【0030】リン系酸化防止剤としては、トリフェニル
ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フ
ェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデ
ン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリ
デシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテト
ライルビス、トリスノニルフェニルホスファイト、トリ
ス(モノおよび/またはジノニルフェニル)ホスファイ
ト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキベンジル)−9,10
−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレ
ン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−
ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレ
ン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホス
ファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−
ホスホナイト等が挙げられる。
【0031】イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル
−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−
3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,
3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウ
リル・チオジプロピオネート、ジステアリル・チオジプ
ロピオネート、ジステアリル−β,β−チオジブチレー
ト、ラウリル・ステアリル・チオジプロピオネート、ジ
トリデシル−3,3'−チオジプロピオネート、テトラ
キス(メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネー
ト)メタン等が挙げられる。
【0032】中でも過酸化物分解剤としては、コスト、
電離性放射線の照射による失活等の観点から、リン系酸
化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト
等、イオウ系酸化防止剤としてペンタエリスリトールテ
トラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が好ま
しく用いられる。尚、これらは単独で用いても良いし、
2種類以上を組み合わせて用いても構わない。2種類以
上を組み合わせて用いる場合は、相乗効果を発揮する場
合があり好ましく用いられる。更に、前記ラジカル補足
剤と組み合わせて用いる場合、より大きな相乗効果を発
揮されるので、特に好ましく用いられる。
【0033】本発明に使用するラジカル連鎖開始阻害剤
としては、光、熱、放射線、重金属の接触作用等により
開始するラジカル連鎖反応を阻害する物質であれば、特
に限定はされないが、例えばベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエー
ト系紫外線吸収剤、金属不活性化剤等を使用することが
できる。
【0034】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ジ−t−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチ
レン−ビス−(4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)
フェノール、2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)フェノール)等が挙げら
れる。
【0035】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロ
キシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、ビス
(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェ
ニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−
ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0036】ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、
2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0037】金属不活性化剤としては、3−(N−サリ
チロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,
N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、N,N−
ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、N,N−
ジサリチリデン−2−シクロヘキサジアミン、イソフタ
ル酸ビス(2−フェノキシプロピオニル−ヒドラジッ
ド)、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ−(α−メ
チルシクロヘキシル)−5,5'−ジメチル・ジフェニ
ルメタン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェニル)ブタン、2−メルカプトベンズ
イミダゾールとフェノール縮合物との混合物等が挙げら
れる。
【0038】ラジカル連鎖開始阻害剤は発泡体の使用状
況に合わせて、即ち、ラジカル連鎖の開始条件に合わせ
て好ましいものを選ぶことができ、ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤として2,2’−メチレン−ビス−(6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)
等、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等、ベンゾエー
ト系紫外線吸収剤として2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ート等、金属不活性化剤として3−(N−サリチロイ
ル)アミノ−1,2,4−トリアゾール等が好ましく用
いられる。
【0039】これらは単独で用いても良いし、2種類以
上を組み合わせて用いても構わない。2種類以上を組み
合わせて用いる場合、種類の違う安定剤を組み合わせる
と相乗効果を発揮し、それぞれ単独で用いるより大きな
効果が得られることがある。例えば、フェノール系酸化
防止剤とリン系酸化防止剤および/またはイオウ系酸化
防止剤、ラクトン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止
剤、ラクトン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および/
またはイオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤とフ
ェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および/また
はイオウ系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤
とリン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤と
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および/またはベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤および/またはベンゾエート
系紫外線吸収剤、ラクトン系酸化防止剤および/または
フェノール系酸化防止剤および/またはリン系酸化防止
剤および/またはイオウ系酸化防止剤と金属不活性化
剤、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および
/またはイオウ系酸化防止剤と金属不活性化剤、ラクト
ン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤と金属不活性
化剤、ラクトン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および
/またはイオウ系酸化防止剤と金属不活性化剤、ラクト
ン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とリン系酸化
防止剤および/またはイオウ系酸化防止剤と金属不活性
化剤等が挙げられるが、これに限定はされず、様々な組
み合わせが可能である。特に、フェノール系酸化防止剤
とリン系酸化防止剤および/またはイオウ系酸化防止
剤、ラクトン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤、
ラクトン系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および/また
はイオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤とフェノ
ール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤および/またはイ
オウ系酸化防止剤の組み合わせは、大きな相乗効果が得
られるため、好ましく用いられる。
【0040】安定剤の添加量は、樹脂組成物100重量
部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部の割合で使用される。0.01重量部未満で
あると樹脂は劣化し外観良好な発泡体が得られず、10
重量部を越えて添加しても安定性の向上は見られず、コ
ストアップにつながり好ましくない。
【0041】本発明で使用する安定剤としては、ラジカ
ル捕捉剤、過酸化物分解剤、ラジカル連鎖開始阻害剤で
あるが、本発明の目的を損なわない範囲において、他の
安定剤を混合しても構わない。他の安定剤としては、樹
脂改質剤、加工安定剤、光安定剤、難燃化用安定剤、蛍
光増白剤、発泡用安定剤、ペースト用安定剤等が挙げら
れる。これらの安定剤は単独で用いても良いし、組み合
わせて用いても良い。
【0042】本発明で使用する樹脂組成物は、生分解性
脂肪族ポリエステルおよび/またはその変性物と熱分解
型発泡剤と安定剤とを含むものである。
【0043】該樹脂組成物は、生分解性脂肪族ポリエス
テルおよび/またはその変性物と熱分解型発泡剤と安定
剤だけで構成されていても良いが、さらに架橋助剤を含
有していることが好ましい。架橋助剤は特に限定され
ず、従来公知の多官能性モノマー、例えば、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、テトラメチロールメタントリアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナン
ジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオール
ジメタクリレート等のアクリレート系又はメタクリレー
ト系化合物;トリメリット酸トリアリルエステル、ピロ
メリット酸トリアリルエステル、シュウ酸ジアリル等の
カルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸又は
イソシアヌール酸のアリルエステル;N−フェニルマレ
イミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等の
マレイミド系化合物;フタル酸ジプロパギル、マレイン
酸ジプロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合
物;ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーを使用す
ることができ、取り扱いやすさと汎用性等の点から、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等のエステ
ル系の多官能性モノマーが好ましく用いられる。
【0044】これらの架橋助剤は、それぞれ単独で用い
てもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。架橋助剤の添加量は、樹脂組成物100重量
部に対して通常0.5〜10重量部、好ましくは1〜6
重量部である。0.5重量部より少ないと良好な架橋発
泡体が得られず、10重量部より多いと得られた発泡体
の成形性が低下する。
【0045】本発明に使用する生分解性脂肪族ポリエス
テルおよび/またはその変性物樹脂組成物中には、本発
明の効果を阻害しない範囲において、添加剤を添加して
も良い。例えば、添加剤として架橋剤、滑剤、顔料、難
燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、核剤、可塑剤、抗菌剤、
生分解促進剤、発泡剤分解促進剤、ブロッキング防止
剤、充填剤、防臭剤、増粘剤、発泡助剤、気泡安定剤等
を単独、もしくは2種類以上併用して添加しても良い。
【0046】本発明の生分解性樹脂架橋発泡体の形態は
特に限定されないが、好ましくはシート状である。シー
ト状にすることにより、生産性が優れるだけでなく、生
分解速度を速くすることができる。生分解性樹脂架橋発
泡体シートの厚みは、好ましくは0.1mm〜100m
mである。これらのシートは、一旦発泡成形した後にス
ライス加工や融着加工などの二次加工を施すことによっ
ても所望の厚みに容易に加工できる。
【0047】本発明において、樹脂組成物を架橋する方
法は特に限定されず、例えば、電離性放射線を所定線量
照射する方法、過酸化物による架橋、シラン架橋などを
あげることができる。
【0048】電離性放射線としては、例えば、α線、β
線、γ線、電子線等を挙げることができる。電離性放射
線の照射線量、照射回数、電子線による照射において
は、加速電圧等は、目的とする架橋度、被照射物の厚み
等によって異なるが、照射線量は5〜500kGy、好
ましくは10〜300kGyである。照射線量が5kG
yより少ないと発泡成形時に気泡を保持するための十分
な溶融粘度が得られず、500kGyより多いと得られ
る発泡体の成形加工性が低下する。
【0049】また、照射回数は限定されないが、好まし
くは1〜4回である。照射回数が4回を超えると樹脂の
劣化が進行し、発泡時に均一な気泡を有する発泡体が得
られないことがある。
【0050】また、樹脂組成物を成形したシートの厚み
が4mmを超えるなどの場合に、表層部と内層部の架橋
度を均一にする方法としては、例えば、電離性放射線を
該シートの両面から照射する、すなわち2回照射する方
法などを用いるとよい。
【0051】さらに、電子線による照射においては、電
子の加速電圧を制御することで様々な厚みの被照射物に
対して効率よく樹脂を架橋させることが出来、好まし
い。ここで、加速電圧は通常200〜1500kVであ
り、好ましくは650〜1000kVである。加速電圧
が200kVを下回ると電子線が内部まで届きにくく、
発泡時に内部の気泡が粗大になることがあり、1500
kVを超えると樹脂の劣化が進行することがある。これ
は、架橋助剤として多官能性モノマーを添加した場合で
も同様である。
【0052】本発明において、発泡は、架橋した樹脂組
成物を熱分解型発泡剤の熱分解温度以上に加熱すること
で通常行われる。本発明の発泡体の発泡倍率は、1.5
〜50倍である。発泡倍率が1.5倍を下回ると軽量
性、柔軟性が低下し、また、発泡倍率が50倍を上回る
と機械的特性および成形加工性が低下する。
【0053】本発明の発泡体のゲル分率は10〜95%
であることが好ましい。ゲル分率が10%を下回ると、
得られる発泡体の二次加工性が低下傾向となる。また、
ゲル分率が95%を上回ると良好な表面の発泡体が得ら
れない。
【0054】本発明でいうゲル分率とは、以下の方法に
て算出した値のことである。すなわち、生分解性樹脂架
橋発泡体を約50mg精密に秤量し、130℃のテトラ
リン25mlに3時間浸漬した後、200メッシュのス
テンレス製金網で濾過して、金網状の不溶解分を真空乾
燥する。次いで、この不溶解分の重量を精密に秤量し、
以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
【0055】ゲル分率(%)={不溶解分の重量(m
g)/秤量した生分解性樹脂架橋発泡体の重量(m
g)}×100 次に、本発明の生分解性樹脂架橋発泡体の好ましい製造
方法について説明する。
【0056】本発明の製造方法は、上述したように、生
分解性樹脂と熱分解型発泡剤とを含む樹脂組成物を成形
しシートを得る工程、該シートに電離性放射線を照射し
該樹脂組成物を架橋させ架橋シートを得る工程、さらに
該架橋シートを該熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度
で熱処理しシート状架橋発泡体とする工程を含むことを
特徴とする生分解性樹脂架橋発泡体の製造方法である。
各工程の具体的態様としては下記のものが挙げられる。
【0057】先ず、上記シート化工程としては、生分解
性樹脂と熱分解型発泡剤を含む樹脂組成物を単軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサ
ー、ミキシングロール等の混練装置を用いて、熱分解型
発泡剤の分解温度以下で均一に溶融混練し、これをシー
ト状に成形する。これらの樹脂組成物は、溶融混練する
前に必要に応じてミキサー等で機械的に混合しておいて
も良い。このときの溶融混練温度は、発泡剤の分解開始
温度よりも10℃以上低い温度であることが好ましい。
混練温度が高すぎると混練時に熱分解型発泡剤が分解し
てしまい、良好な発泡体が得られない。また、このシー
トの厚みは0.1mm〜50mmであるのが好ましい。
シートの厚みが0.1mm未満であると発泡成形時にシ
ート表面からのガス抜けが多く、均一な発泡体となりに
くく、50mmを超えるとシートの剛性が高くなりす
ぎ、連続生産時の巻き取り性等に支障を生じることがあ
る。
【0058】次いで、架橋シートを得る工程としては、
得られたシート状の樹脂組成物に電離性放射線を所定線
量照射して樹脂組成物を架橋させ架橋シートを得る。
【0059】次いで、架橋発泡体を得る工程としては、
この架橋シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度
で熱処理し発泡体を得る。発泡成形のための熱処理は、
従来公知の方法を用いてよく、例えば、縦型及び横型の
熱風発泡炉、溶融塩等の薬液浴上などで行うことができ
る。生分解性樹脂として脂肪族ポリエステル等のように
加水分解を起こしやすい樹脂を用いる場合は、薬液浴上
で発泡させるよりも、縦型及び横型熱風発泡炉で発泡を
行った方が表面状態の良好な発泡体が得られる。また、
必要に応じて発泡成形を行う前に予熱を行い、樹脂を軟
化させておくと少ない熱量で、安定した発泡体を得るこ
とができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、安定剤の処方と添加剤を表1に示す。 (安定性の評価)得られた発泡体の表面を目視により評
価し、評価基準として下記のものとした。
【0061】○:表面形態がよく外観美麗なもの。
【0062】×:表面が荒れた状態であり外観に問題有
り。 (機械的特性の評価)得られた発泡体シートの長尺方向
の引張強度および伸びをJIS−K6767に準拠の方
法で測定した。
【0063】実施例1〜5 生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル"ビオノーレ"
#3020(昭和高分子(株)製)100kg、発泡剤
としてアゾジカルボンアミド11.5kg、架橋助剤と
して1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート5k
g、表1に示す安定剤および添加量を準備し、これらを
ヘンシェルミキサーに投入し、200〜400rpmの
低速回転で約3分間混合し、ついで800〜1000r
pmの高速回転とし、3分間混合して発泡用樹脂組成物
とした。この発泡用樹脂組成物を発泡剤の分解しない温
度、具体的には120℃に加熱したベント付きの押出し
機に導入、Tダイから押し出し、厚みが1.5mmの架
橋発泡用シートに成型した。このシートに80kGyの
電子線を照射し、架橋せしめた後、縦型熱風発泡装置に
連続的に導入、240℃で3〜4分加熱発泡して連続シ
ート状架橋発泡体として巻取った。このようにして得ら
れた発泡体の厚みは3.0mm、ゲル分率は55%、発
泡倍率25倍であった。このものを土壌中に埋設した
所、1年間経過後には実用性のない強度まで低下し、分
解変化が観察された。安定性の結果を表1に示す。
【0064】比較例1 生分解性樹脂として脂肪族ポリエステル"ビオノーレ"#
3020(昭和高分子(株)製)100kg、発泡剤と
してアゾジカルボンアミド11.5kg、架橋助剤とし
て1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート5kgを
準備し、安定剤は全く入れないで実施例1と同様に発泡
体を成形した。このようにして得られた発泡体の厚みは
2.5mm、発泡倍率20倍と実施例に比べ膨らまなか
った。このものを土壌中に埋設した所、1年間経過後に
は実用性のない強度まで低下し、分解変化が観察され
た。
【0065】以上の実施例と比較例を纏めたのが次の表
1である。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明により、機械的特性、外観に優
れ、かつ生分解性を有する樹脂架橋発泡体を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA65 AD07 AD12 AD13 AD19 AD21 AG03 BA13 BB25 BB28 CA29 CC04Y CC06X DA24 DA32 DA33 DA59

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性脂肪族ポリエステルおよび/また
    はその変性物100重量部に対して、熱分解型発泡剤1
    〜50重量部と、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤およ
    びラジカル連鎖開始阻害剤から選ばれる少なくとも1種
    の安定剤0.01〜10重量部とが配合されてなる樹脂
    組成物を、架橋、発泡して得られた生分解性樹脂架橋発
    泡体。
  2. 【請求項2】生分解性脂肪族ポリエステルおよび/また
    はその変性物が、脂肪族ジカルボン酸および/またはそ
    の誘導体と、脂肪族ジヒドロキシ化合物とからなること
    を特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂架橋発泡体。
  3. 【請求項3】ラジカル捕捉剤が、ラクトン系酸化防止
    剤、フェノール系酸化防止剤またはヒンダードアミン系
    酸化防止剤であり、過酸化物分解剤が、リン系酸化防止
    剤またはイオウ系酸化防止剤であり、ラジカル連鎖開始
    阻害剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾ
    フェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤
    または金属不活性化剤であることを特徴とする請求項1
    または2記載の生分解性樹脂架橋発泡体。
  4. 【請求項4】ラジカル捕捉剤としてフェノール系酸化防
    止剤と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止剤および
    /またはイオウ系酸化防止剤から選ばれる少なくとも一
    種とを併用することを特徴とする請求項1または2記載
    の生分解性樹脂架橋発泡体。
  5. 【請求項5】ラジカル捕捉剤として、ラクトン系酸化防
    止剤とフェノール系酸化防止剤とを併用することを特徴
    とする請求項1または2記載の生分解性樹脂架橋発泡
    体。
  6. 【請求項6】ラジカル捕捉剤としてラクトン系酸化防止
    剤と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止剤および/
    またはイオウ系酸化防止剤から選ばれる少なくとも一種
    とを併用することを特徴とする請求項1または2記載の
    生分解性樹脂架橋発泡体。
  7. 【請求項7】ラジカル捕捉剤としてラクトン系酸化防止
    剤およびフェノール系酸化防止剤から選ばれる少なくと
    も1種と、過酸化物分解剤としてリン系酸化防止剤とを
    併用することを特徴とする請求項1または2記載の生分
    解性樹脂架橋発泡体。
  8. 【請求項8】樹脂組成物は、生分解性脂肪族ポリエステ
    ルおよび/またはその変性物100重量部に対して、さ
    らに架橋助剤0.5〜10重量部を配合してなるもので
    あることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の
    生分解性樹脂架橋発泡体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8394446B2 (en) 2005-07-25 2013-03-12 Abbott Cardiovascular Systems Inc. Methods of providing antioxidants to implantable medical devices
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US10395633B2 (en) * 2013-05-09 2019-08-27 Acoustic Space Pty Ltd Sound insulating sheet material with a cellular structure including gelatine and/or a process for producing the same

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