JP2018002984A - ロール製造方法およびロール - Google Patents

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【課題】ロールの良好な巻回状態を維持できるロール製造方法およびロールを提供する。【解決手段】ロール製造方法は、基材層121、粘着層122、および剥離材123を積層方向にこの順序で有するとともに粘着層と剥離材との間に複数の隙間124が存在する長尺な積層体120を、紙管からなるコア110を乾燥させた後に、コアに巻回する。【選択図】図3

Description

本発明は、ロール製造方法およびロールに関する。
従来、様々な粘着シートが提案されており、例えば家電製品に貼り付けられる銘板用のラベル等、種々の分野に適用されている。例えば特許文献1には、粘着シートと被着体との間に生じる空気溜りを除去可能な粘着シートが開示されている。この粘着シートでは、被着体に接着する粘着層の表面に複数の凹部が設けられ、この凹部を伝って空気溜りのエアーが外部に逃がされる。
また、特許文献1の粘着シートは、基材の一方の面の側に粘着層が設けられるとともに、前述の凹部が形成されている粘着層の表面に剥離材が配置された積層構造を有しており、粘着層の表面に設けられた凹部と剥離材との間に隙間が形成されている。
そのような積層構造を有する積層体をどのような形態で用いるかは、用途に応じて異なるが、1つの形態の例として、テープのような長尺な形態が挙げられる。この場合、例えば保管や持ち運び等の容易さから、筒形状を有するコアのまわりに積層体を巻回してロールにするのが一般的である。
国際公開第2015/152347号
そこで、本発明者らが、上記特許文献1と同様の積層構造を有する長尺な積層体を、コアのまわりに巻回してロールを作製したところ、そのようなロールでは時間の経過とともに、粘着層の表面の凹部と剥離材との間の隙間を狭めて粘着層が変形し、その結果、粘着層の厚みが僅かに薄くなることを新たに知見した。
そして、そのような厚みの変化が粘着層に生じた場合であっても、ロールの巻回状態が良好に維持されていれば、例えばロールの持ち運びや巻出し装置への取り付け等の作業を円滑に行えることに着眼し、本発明者らは本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、新たに得た知見に基づきなされたものであり、ロールの良好な巻回状態を維持できるロール製造方法およびロールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のロール製造方法は、基材層、粘着層、および剥離材を積層方向にこの順序で有するとともに、前記粘着層と前記剥離材との間に複数の隙間が存在する長尺な積層体を、紙管からなるコアを乾燥させた後に、当該コアに巻回する。
上記目的を達成するための本発明のロールは、基材層、粘着層、および剥離材を積層方向にこの順序で有するとともに、前記粘着層と前記剥離材との間に複数の隙間が存在する長尺な積層体と、当該積層体が巻回された筒形状を有するコアと、を有し、前記コアが紙管であり、前記コアと前記積層体とが互いに径方向に締め付け合っている。
上記構成を有するロール製造方法およびロールによれば、コアおよび積層体がコアの軸方向にズレないように確実に保持されるため、ロールの良好な巻回状態を維持できる。
実施形態のロール製造方法のフローチャートである。 コアの乾燥を模式的に示す図である。 コアへの積層体の巻回を模式的に示す図である。 試作した粘着層の表面の画像である。 粘着層が薄肉化する前の実施形態の積層体およびコアの状態を示す図である。 実施形態と異なり、コアの外径が一定のまま粘着層が薄肉化したと仮定した場合の積層体およびコアの状態を模式的に示す図である。 粘着層が薄肉化した際の実施形態の積層体およびコアの状態を示す図である。 コアとしての紙管の水分率と外径との関係を示すグラフである。 ロールの中心側および外側での粘着層の厚みを示すグラフである。 他の形態の積層体を示す図である。 他の形態のロールを示す図である。 さらに他の形態の積層体を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる。
図1に示すように、実施形態のロール製造方法は、コア乾燥工程S1、および巻回工程S2を有する。
図2に示すように、コア乾燥工程S1では、筒形状を有するコア110が乾燥される。コア110は紙管である。ここで、紙管は、例えば樹脂層を含んでもよいが、コア110に含まれる水分の割合(水分率)の調整のし易さから、好ましくは紙だけで構成される。コア110の寸法は、特に限定されないが、例えば、内径が約75mmで、厚みが6〜20mmである。
コア110は、所定の温度に保たれた高温雰囲気の乾燥炉10内に所定の時間放置されて乾燥されるが、これに限定されず、例えば輻射熱を利用した加熱等、他の方法によって乾燥されてもよい。
乾燥炉10内の温度は、特に限定されないが、例えば40℃〜60℃、好ましくは40℃である。また、乾燥炉10内の相対湿度は、特に限定されないが、例えば、10〜20%である。
コア110が乾燥炉10内に放置される時間は、例えば24時間であるが、これに限定されず、乾燥炉10内の温度等に応じて適宜設定できる。
乾燥炉10内の温度を上げることによって、コア110の水分率をより低下させることができるが、紙管であるコア110に焦げや変形等の不良が生じないよう品質を考慮するとともに、高温の状態で乾燥炉10を長時間作動させた場合の安全性も考慮して乾燥炉10内の温度は設定される。
所定の時間が経過して乾燥が終了すると、コア110は乾燥炉10から取り出され、巻回工程S2が行われる。
図3に示すように、巻回工程S2では、コア乾燥工程S1直後の乾燥した状態のコア110に長尺な積層体120が巻回され、ロール100が作製される。積層体120は、例えば、回転するコア110に巻き取られて巻回される。コア110は、例えばモータを駆動源とする従来公知の巻取り装置を用いて回転させることができるため、ここでの巻取り装置の説明は省略する。また、コア110を回転させることなく固定しておき、そのまわりに積層体120を巻き付けていってもよい。
どの程度の長さの積層体120がコア110に巻回されるかは特に限定されないが、比較的長めの積層体120が巻回され、ロール100の径が大きくなる場合、積層体120の巻回にともなう締め付けによってコア110に変形が生じないよう、例えば20mmの厚みを有する肉厚なコア110が好ましくは用いられる。
積層体120は、基材層121、粘着層122、および剥離材123を積層方向にこの順序で有する。
基材層121は、特に限定されず、例えば、紙基材、樹脂フィルム等の樹脂基材、または紙基材を樹脂によってラミネートした基材等が挙げられる。基材層121の厚みは、特に限定されないが、例えば5〜1000μmである。
基材層121が紙基材の場合、紙基材を構成する紙としては、例えば、上質紙、含浸紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、クラフト紙、クレープ紙、和紙、感熱紙、熱転写紙等が挙げられる。
基材層121が樹脂基材の場合、樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリスチレン;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体;ポリウレタン、アクリル変性ポリウレタン等のウレタン樹脂;アクリル樹脂;フッ素系樹脂;三酢酸セルロース;ポリカーボネート;ポリメチルペンテン;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルイミド、ポリイミド等のポリイミド系樹脂;ポリアミド系樹脂等が挙げられる。
基材層121が紙基材を樹脂によってラミネートした基材の場合、そのような基材として、上記の紙基材をポリエチレン等の熱可塑性樹脂によってラミネートしたラミネート紙等が挙げられる。
基材層121は、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等の各種添加剤を含有してもよい。
粘着層122は、主成分として樹脂を含む樹脂部分122Aと、微粒子からなる粒子部分122Bとを含む。粘着層122の表面には、凹部122Cが不規則に形成されており、凹部122Cと剥離材123との間で隙間124が不規則に存在している。粘着層122の厚みは、特に限定されないが、例えば1〜300μmである。
樹脂部分122Aと粒子部分122Bとの分布の構成は、樹脂部分122Aと粒子部分122Bとがほぼ均等に分布した構成であってもよく、局所的に主に樹脂部分122Aからなる箇所と、主に粒子部分122Bからなる箇所とが分けられるような構成であってもよい。
また、凹部122Cが存在する箇所においては、粒子部分122Bが占める割合が他に比べて少なくなるような分布であってもよいし、粒子部分122Bが部分的に存在しなくてもよい。
凹部122Cは、例えば、粘着層122の自己形成化によって形成される。ここで、自己形成化とは、粘着層122の形成材料を含む塗膜の乾燥によって、粘着層122の自律的な形成過程が進行し、無秩序な形状が自然に作り出されていく現象を意味する。
凹部122Cが形成されていく過程としては、いくつか考えられるが、そのうちの1つを以下に述べる。
まず、粒子部分122Bの形成材料である微粒子を含む塗膜の形成時において、塗膜中には、微粒子が無作為に存在している。
その塗膜を乾燥させる過程で、塗膜内部には収縮応力が発生し、微粒子の存在に起因すると考えられる樹脂の結合力が弱くなった部分で、塗膜内で割れが生じる。そして、この割れ部分の周辺の樹脂が、割れによって一時的に生じた空間に流入することによって、粘着層122の表面上に凹部122Cが形成されると考えられる。
凹部122Cが形成された箇所で粒子部分122Bが占める割合が他の箇所に比べて少なくなるのは、塗膜の乾燥過程で塗膜内に割れが生じた際に、当初存在していた微粒子が他の箇所へと押しのけられるためであると考えられる。
また、上で述べたような考えとは別に、微粒子の凝集に起因した凹部122Cの形成も考えられる。この場合、塗膜形成時には、樹脂部分122Aを形成する粘着剤およびこれに分散し難い微粒子(例えばシリカ粒子)が、それらに対して濡れ易い溶媒を介して塗膜中で均一に分散していたところ、塗膜を乾燥させる過程で、微粒子と粘着剤との間に介在する溶媒が失われ、その結果、微粒子が凝集した箇所と微粒子が殆ど存在しない箇所とが形成される。そして、微粒子が殆ど存在しない箇所が、凹部122Cとなる。微粒子が凝集した箇所は、凸部となるが、剥離材123が配置されることによって、平坦になる。
自己形成化によって形成された凹部122Cの形状は、塗膜の乾燥条件や粘着層122の形成材料の種類やそれらの各組成物の含有量を調整することによって、ある程度調整できるものの、全く同じ形状のものを再現することは事実上できないと言える。
樹脂部分122Aは、粒子部分122Bを構成する微粒子以外の成分を含む部分である。樹脂部分122Aは、主成分として粘着性を有する樹脂を含み、それ以外にも架橋剤や汎用添加剤を含んでもよい。
樹脂部分122Aに含まれる粘着性を有する樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂等であるが、これらに限定されない。樹脂部分122Aに含まれる架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられるが、これらに限定されない。樹脂部分122Aに含まれる汎用添加剤としては、例えば、粘着付与剤、酸化防止剤、可塑剤、防錆剤、顔料、染料、遅延剤、反応促進剤、紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
粒子部分122Bは、微粒子からなり、その例として、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス、スメクタイト等の無機粒子や、アクリル、スチレン、メラミン等の有機粒子等が挙げられるが、これらに限定されない。
剥離材123は、例えば、剥離材123用の基材の上に剥離剤を塗布して形成される。剥離材123の両面に剥離処理が施されていてもよいし、片面に剥離処理が施されていてもよい。
剥離材123用の基材としては、基材層121と同様、例えば、上質紙、グラシン紙等の紙基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基材、または紙基材を樹脂基材によってラミネートした基材等が挙げられる。また、剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離材123の厚みは、例えば10〜200μmであるが、これに限定されない。剥離材123は、好ましくは、例えばエンボスパターン等の凹凸形状のない、平坦な表面を有する。剥離材123は、積層体120が被着体に貼り付けられる際、粘着層122の表面から剥がされる。
図4に示すように、粘着層122の表面の凹部122Cは、不規則に2次元的に延在している。凹部122Cは、所定のパターンを有しない。ここで、所定のパターンとは、一定の繰り返し単位となる形状のことを意味する。
凹部122Cは、比較的長い溝形状および比較的短い窪み形状を含み、それらが互いに繋がって粘着層122の縁まで連通している。このため、積層体120が被着体に貼り付けられた際、粘着層122と被着体との間に入り込む空気、または例えば樹脂製の被着体から放出されるアウトガスが、凹部122Cを伝って粘着層122の外部に排出される。従って、被着体に貼り付けられた積層体120においては、空気やアウトガス等による膨れが防止される。
図5に示すように、作製直後のロール100では、粘着層122は、積層体120が巻回される前と略同じような状態である。
しかしながら、粘着層122は、例えば積層体120の巻回にともなう締付力やロール100の作製後の温度変化の影響を受けると、隙間124が存在するが故に、元の形状を維持できず隙間124を狭めつつ変形していき、粘着層122の肉厚が薄くなる。
本実施形態と異なり、隙間124がなく、例えば粘着層122と剥離材123とが全面で密着しているような場合でも、締付力等によって粘着層122の厚みは若干薄くなるが、本実施形態では隙間124が存在する分だけ、粘着層122がより薄肉化し易い。
このため、図6に示すように、仮にコア110の外径が一定のままであると、コア110と積層体120との間、または積層体120同士の間に僅かな隙間が生じ、その結果、コア110の抜けや積層体120の緩みにつながる虞があり、好ましくない。
一方、本実施形態では、コア110がコア乾燥工程S1で乾燥されており、これによって、コア110は、その後の乾燥炉10の外の環境下において、空気中の湿気を含んで膨張していく。
このため、図7に示すように、コア110と積層体120とが互いに径方向に締め付け合い、コア110と積層体120とが密着するとともに、積層体120同士が密着する。
実際、本発明者らがコア110を試作して実験したところ、コア110の膨張が確認された。
図8に示すように、本発明者らは、40℃の乾燥炉10内に紙管を24時間放置して乾燥させ(図8のAで示す範囲)、その後、23℃で相対湿度50%の環境に放置し(図8のBで示す範囲)、そして紙管の水分率の変化(図8の○)および外径の変化(図8の△)を測定した。用いた紙管は、無地である。水分率は、紙管を120℃で12時間乾燥させたときの重量を0%と規定して求めた。
図8の範囲Aにおいて○の変化で示されるように、乾燥によって、紙管の水分率が時間の経過とともに低下すると、同範囲Aにおいて△の変化で示されるように、紙管の外径が時間の経過とともに減少した。本実施形態では、このようにコア110が乾燥して収縮した状態で積層体120が巻回され、ロール100が作製される。
一方、ロール100が通常使用される、または保管されるのと同様の環境を想定した条件下では、図8の範囲Bにおいて○の変化で示すように、紙管が空気中の水分を吸収して水分率が増加し、またこれにともない、同範囲Bにおいて△の変化で示すように、紙管の外径が増加した。
このように、本実施形態では、ロール100が通常使用される、または保管される環境下において、紙管であるコア110が、膨張した状態であり、積層体120を径方向外側に押圧して締め付けるため、コア110および積層体120が、コア110の軸方向に位置ズレしないように保持される。
本実施形態と異なり、コア110が乾燥されず、またはコア110の乾燥から時間を空けて、ロール100の通常の使用環境または保管環境と略同様の環境下に置かれていたコア110に積層体120が巻回される場合、巻回の際にはコア110は既に空気中の水分をある程度含んでいるため、吸湿によるコア110の膨張は、本実施形態の場合と同程度に生じることはなく、たとえ生じたとしも本実施形態に比べて小さい。このため、コア110が積層体120を径方向外側に押圧して締め付ける状態にはならず、本実施形態のように粘着層122の薄肉化に追従することができない。従って、コア110の抜けや積層体120の緩みにつながる虞があり、好ましくない。
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
本実施形態によれば、上述のように、コア110および積層体120が、コア110の軸方向にズレないように確実に保持されるため、例えばコア110の抜けや積層体120の緩みが生じ難く、ロール100の良好な巻回状態を維持できる。
本発明者らは、ロール100のどの箇所で粘着層122の変形が生じ易いか調べるため、コア110のまわりに積層体120を400m巻回してロール100を試作し、これを、40℃、相対湿度80%という、通常想定される使用環境または保管環境よりも過酷な環境下で7日間放置することによって、粘着層122の変形を促す促進実験を行った。粘着層122は、温度増加とともに流動性が高まり、また、相対湿度の増加によって劣化し易くなる。
促進実験の結果、図9に示すように、粘着層122の厚みは、ロール100の外側に比べて中心側(コア110の側)で薄くなり、ロール100の中心側は、外側に比べ、緩みの可能性が相対的に高い状態になっていた。
しかし本実施形態では、外側に比べて薄肉化したその中心側が、コア110からの締め付けによってしっかりと保持されるため、良好な巻回状態を特に効果的に維持できる。
また、本実施形態では、粘着層122の表面に凹部122Cが設けられており、これを伝って空気やガスを粘着層122から逃がすため、空気やガスによる積層体120の膨れを防止できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
例えば、上記実施形態では、粘着層122の表面に凹部122Cが設けられており、これと平坦な剥離材123との間に隙間124が形成されているが、隙間は粘着層と剥離材との間に存在していればよく、それらの間に隙間を形成する具体的構成は特に限定されない。本発明は、上記実施形態以外にも、粘着層と剥離材との間に複数の隙間が形成されている他の形態を含む。
例えば、図10に示すように、本発明は、複数の凹部223Aが表面に形成された剥離材223と、表面が平坦な粘着層222とを有する積層体220を含み、この形態では、凹部223Aと粘着層222の平坦な表面との間に隙間224が形成される。
図11に示すように、積層体220がコア110のまわりに巻回されたロール200では、巻回にともなう締め付けや温度上昇等の影響によって、隙間224に粘着層222が入り込みつつ粘着層222と剥離材223とが互いに押し付けられる。その結果、積層体220の厚みが減少するが、コア110が拡張してその変化に追従するため、コア110および積層体220、ならびに積層体220同士は密着する。従って、ロール200の良好な巻回状態が維持される。
剥離材223が粘着層222に押し付けられることによって、剥離材223の表面の凹形状が粘着層222に転写され、粘着層222の表面に空気やガスを逃がす凹部が形成される。
また、これと異なり、空気やガスを逃がす凹部が粘着層の表面に予め設けられている形態についても、凹部がどのようにして設けられるかは、上記実施形態で述べたような自己形成に限定されない。
例えば、図12に示す積層体320は、表面に凹形状が形成された基材層321を備え、粘着層322がその凹形状に沿うことによって、空気やガスを逃がす凹部322Aが形作られており、また、凹部322Aと平坦な剥離材123の表面との間には、隙間324が形成されている。このような形態にあっては、粘着層の形成材料は、必ずしも凹部を自己形成する材料である必要はなく、他の一般的な粘着剤であってもよい。
また、上で述べてきた各形態における凹部122C、223A、322A、および隙間124、224、324は、不規則に形成されているが、本発明はこれに限定されない。そのような凹部および隙間は、例えば、複数の隙間の各々もしくは複数の凹部の各々が同一の形状で等間隔に形成される、または、不規則な形状に形成された所定のパターンが一定の規則性に従って繰りかえされる等、規則的に形成されていてもよい。
100、200 ロール、
110 コア、
120、220、320 積層体、
121、321 基材層、
122、222、322 粘着層、
122A 樹脂部分、
122B 粒子部分、
122C、223A、322A 凹部、
123、223 剥離材、
124、224、324 隙間。

Claims (4)

  1. 基材層、粘着層、および剥離材を積層方向にこの順序で有するとともに、前記粘着層と前記剥離材との間に複数の隙間が存在する長尺な積層体を、紙管からなるコアを乾燥させた後に、当該コアに巻回する、ロール製造方法。
  2. 前記粘着層は表面に複数の凹部が形成されてなり、前記凹部と前記剥離材との間に前記隙間が形成された前記積層体を、前記コアに巻回する、請求項1に記載のロール製造方法。
  3. 基材層、粘着層、および剥離材を積層方向にこの順序で有するとともに、前記粘着層と前記剥離材との間に複数の隙間が存在する長尺な積層体と、
    当該積層体が巻回された筒形状を有するコアと、を有し、
    前記コアが紙管であり、前記コアと前記積層体とが互いに径方向に締め付け合っている、ロール。
  4. 前記粘着層の表面に複数の凹部が設けられており、複数の前記隙間は、複数の前記凹部と前記剥離材との間に存在している、請求項3に記載のロール。
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