JP2010120717A - 紙管巻芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紙管表面の平滑性を向上させ、また、静電気による帯電を抑制することができる紙管巻芯を提供する。
【解決手段】 紙管巻芯1は、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体と、前記紙管本体1の外側周面2aに形成される凹凸77を吸収可能な厚み寸法を有し、前記外側周面2a全面に設けられた非溶剤系の合成樹脂塗料で形成された被覆層3とを備える。非溶剤系の合成樹脂塗料としては、例えば、紫外線硬化性樹脂などを用いることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、特に合成樹脂フィルム,シート,テープ等(本発明において、単に合成樹脂フィルムという)のロール体の巻芯として使用される紙管巻芯に関し、巻芯表面の凹凸に原因する合成樹脂フィルムの皺の発生を解消でき、また、静電気による帯電抑制に優れた紙管巻芯に関する。
従来、液晶ディスプレイの偏光フィルムなどに用いられる薄膜フィルムや新聞紙などの捲装物を巻き付ける巻芯用の紙管として、帯状原紙をらせん状に巻き付けて製造するスパイラル紙管が一般的に知られている。
スパイラル紙管70は、製造装置であるマンドレルを用い、図6に示すように、裏面に接着剤を塗布した所定の幅を有する複数の帯状原紙72〜75をらせん状に巻回して各帯状原紙を接着して製造される。このスパイラル紙管に薄膜フィルムなどを巻き付けると、薄膜フィルムの収縮力で紙管表面に強力な押圧力が加わり、紙管表面に凹凸77、いわゆる巻き締まり変形が発生することがある。特に、図7に示すように、帯状原紙の重なり部分71においては、紙管表面76にらせん状に延在する凹凸77が生じやすい。この紙管表面の凹凸77は、薄膜フィルムに巻きつけ跡を生じさせ、巻き始めの部分の薄膜フィルムが不良になるという問題の原因になっていた。
また、紙管は、原料として紙を用いているため、当該原紙から発生する紙粉等の問題がある。このため、たとえば、クリーンルームなどで使用される合成樹脂フィルムの巻芯には、紙粉の問題により、使用上の適正が悪くまた、押し出し成型により製造されることに起因する断面の真円度が低くなるという不利益があるものの、プラスチック管が広く用いられている傾向がある。
この問題を解決するために、薄膜フィルム巻取り用などのスパイラル紙管には、紙管表面の平滑性を向上させるために、紙管表面を研磨処理して凹凸を削り取ったり紙管表面に樹脂層を設けるなどの手段を施すことによって、表面を平滑化しまた、表面から発生する紙粉の発生を抑えるように構成されたシームレス紙管が広く用いられている。
たとえば、特開平8−12197号公報には、紙管表面に合成樹脂パテ層を形成し、表面の凹部を埋め込むことによって、紙管表面を平滑にする技術が開示されている。
特開平8−12197号公報
しかし、この紙管は、表面に合成樹脂のパテを直接埋め込むため、紙管を紙材料としてリサイクルするためには、紙管表面に接着されている合成樹脂層を削り取って当該樹脂層が剥離した紙管にするための工程が必要であり、紙管のリサイクル処理において問題を有する。また、半流動性の合成樹脂を塗布した後に、合成樹脂の硬化のために長時間を有し、表面に樹脂層の厚み分布が生じやすい。このため、表面が平滑になるように合成樹脂パテを成形・研磨する必要があり、紙管表面の平滑度を得ることために手間を要する。さらに、合成樹脂を塗布することにより、紙管の表面の平滑性は向上するが、合成樹脂の静電気の帯電によってほこりや紙粉などの異物が表面に付着しやすく、依然としてクリーンルームでは使用が控えられているという事実がある。また、前記帯電によって表面に付着した異物が紙管に凹凸を与え、巻かれる合成樹脂フィルムなどのしわの原因となっていた。
また、従来の表面に合成樹脂を塗布した紙管では、上記の静電気による帯電を抑制するために帯電防止材を練りこんだ樹脂を用いることが行われている。この帯電防止材は、通常パウダー状のものであり、パウダーの凹凸が表面に出ないようにするために、パウダーを樹脂中に均一に分散させるための工程が必要となっていた。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、紙管表面の平滑性を向上させ、また、静電気による帯電を抑制することができる紙管巻芯を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の紙管巻芯を提供する。
本発明の第1態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体と、
前記紙管本体の外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚み寸法を有し、前記外側周面に設けられた非溶剤系の合成樹脂塗料で形成された被覆層とを備えることを特徴とする、紙管巻芯を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記非溶剤系の合成樹脂塗料は、紫外線硬化性樹脂塗料であることを特徴とする、第1態様の紙管巻芯を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記被覆層は、鉛筆硬度2H以上の硬度であることを特徴とする、第1又は第2態様の紙管巻芯を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記紙管本体の側面には、前記側面からの紙粉発生を防止する樹脂製の紙粉防止層が設けられていることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つの紙管巻芯を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記紙管本体は、最表面に位置する前記紙帯が一部重複するように配置されることにより形成される、凸状の重なり部分を研磨して外表面を平滑に加工したことを特徴とする、第1から第4態様のいずれか1つの紙管巻芯を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記紙管本体は、含水率が10%以下であることを特徴とする、第1から第5態様のいずれか1つの紙管巻芯を提供する。
本発明の第7態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体の外側周面全面に、外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚みとなるように非溶剤系の合成樹脂塗料の塗膜を形成し、
硬化した前記塗膜を研磨して塗膜表面を平滑にした被覆層を設け、
前記被覆層を設けた紙管本体の側面に樹脂塗料を塗布して紙粉防止層を形成することを特徴とする、紙管巻芯の製造方法を提供する。
本発明の紙管巻芯は、紙管を使用しているため真円度が高く、また、紙管本体の外表面好ましくは外表面全体に設けられる被覆層に非溶剤系の合成樹脂塗料を使用しているため、紙管本体に塗料がしみこむ量が少ない。したがって、紙管本体の含水率の変化に伴う変形を防止することができる。また、紙管本体の塗料のしみ込み量が少ないため、リサイクル時に紙管と被覆層とを剥離しやすく、リサイクル工程の簡略化をすることができる。さらに、塗膜を硬化させるための時間を大幅に短縮することができるため、紙管巻芯の生産速度を速くして製造コストを削減することができる。
また、合成樹脂塗料として、紫外線硬化性樹脂塗料を用いることにより、被覆層を容易に硬く形成することができる。耐電抑制効果に優れているため、静電気による帯電を抑制しほこりなどの付着を少なくすることができる。
また、紙管本体の側面を樹脂製の紙粉防止層で被覆する構成を採用することにより、側面からの紙粉発生を防止することができる。また、側面は、紙帯の間に樹脂塗料がしみこみやすいので、塗布面積が少なくても塗膜を紙管本体側面に強力に付着させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る紙管巻芯について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる紙管巻芯の外観構成を示す図である。図2は、図1の紙管巻芯のII-II線で切断した断面図である。図3は、図1の紙管巻芯のIII-III線で切断した部分断面図である。本実施形態にかかる紙管巻芯1は、紙帯をらせん状に巻きとることにより作成される紙管本体2の外表面2aに非溶剤系の合成樹脂で構成された被覆層3が設けられている。また、紙管本体2の両側面2cには、アクリル樹脂製の紙粉防止層5が設けられている。
紙管本体2は、最外層の帯状原紙をその一部が重なるようにらせん状に巻きつけた円筒形のスパイラル紙管を用いている。紙管本体2は、最内層2bに無塵紙を用い、紙管の空洞部分4からの紙粉の発生を防止するように構成されている。紙管本体2は帯状原紙の一部が重なることによって形成される表面の凸状部分(図7符号71参照)を削り取り、表面を平滑化したものが用いられる。紙管本体2は、シームレス紙管として広く一般的に用いられているものを用いることができるが、使用時における乾燥に伴う変形を防止するために、あらかじめ、乾燥処理を行い、含水率10%以下、好ましくは6%程度とすることが好ましい。
本実施形態の紙管巻芯に用いられる紙管本体2は、肉厚Aおよび内径Bともに、用途に応じて適宜決定すればよい。たとえば、内径Bはφ50からφ300、肉厚Aは5〜30mm程度のものを用いることができる。
上記紙管本体の外表面全体に非溶剤系の合成樹脂塗料を塗布し、これを固化させて被覆層3を形成する。非溶剤系の合成樹脂塗料は、樹脂成分が何らかの手段により塗布可能な状態から硬化した状態へ変化する樹脂塗料である。すなわち、バインダーであるアルコールなどの溶剤と樹脂成分とを混合させた状態で塗布可能であって、塗布後、溶剤が揮発することによって塗膜が硬化する樹脂は含まない。非溶剤系の合成樹脂の具体例としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂などが例示される。本実施形態にかかる紙管巻芯では、紫外線硬化性樹脂を使用する。
本実施形態にかかる紙管巻芯は、紙管を使用しているため真円度が高く、また、紙管本体の外表面に設けられる被覆層に非溶剤系の合成樹脂塗料を使用しているため、紙管本体2に塗料がしみこむ量が少ない。したがって、紙管本体2の含水率の変化に伴う変形を防止することができ、また、紙管本体の塗料のしみ込み量が少ないため、リサイクル時に紙管と被覆層とを剥離しやすく、リサイクル工程の簡略化をすることができる。さらに、塗膜を硬化させる工程は、2日程度必要であった従来の構成と比較して大幅に短縮することができるため、紙管巻芯の生産速度を速くして製造コストを削減することができる。
また、紫外線硬化性樹脂は比較的容易に鉛筆硬度2Hよりも高くすることができるため、紫外線硬化性樹脂を被覆層に利用することによって研磨仕上げ後の平滑性を高くすることができる。さらに、基材となる紙管は帯電しにくいという性質を持っており、さらに、紫外線硬化性樹脂も帯電しにくく帯電抑制効果に優れているため、本実施形態にかかる紙管巻芯は、静電気による帯電を抑制しほこりの付着を少なくすることができる。
なお、被覆層3は、図2においては、1層のみ設けられているが、塗布工程を2回以上とし、複数層で構成されていてもよい。また、塗布工程ごとに異なる合成樹脂塗料を使用してもよい。たとえば、カーボンなどの導電性の粉体を樹脂中に混入した塗料を塗布して硬化させたのち、合成樹脂塗料をさらに塗布するようにすることができる。
被覆層3の厚み寸法Dは、紙管本体2の表面に形成される凹凸を吸収可能な程度の厚みであればよい。最大で1mm程度とすることが好ましい。
次に,本実施形態にかかる紙管巻芯の製造工程について説明する。図4は、本実施形態にかかる紙管巻芯の製造工程を示す工程図である。本実施形態にかかる紙管巻芯は、図4に示すように、紙管本体の製造(#100)、紙管本体を適当な長さに切断(#101)、樹脂塗料塗布(#102)、樹脂塗料研磨・切断(#103)、紙粉防止層塗布(#104)の工程を経て製造される。以下、各工程について説明する。
紙管本体の製造工程(#100)では、図5に示すように、マンドレル50を用いて帯状原紙21,22,23,24をらせん状に幾層にも重なるように巻き付けることにより紙管本体を製造する。最内面に位置する帯状原紙21は無塵紙が用いられ、後述する樹脂コーティングが施されない空洞部分4からの紙粉の発生を防止する。なお、巻しめベルト51を用いることにより紙帯を硬く巻き取ることができる。
紙管本体の切断工程(#101)では、樹脂塗料を塗布する塗布装置に適応する程度の長さに紙管を切断する。切断長さは、塗布工程で用いる塗布装置及び紙管巻芯の用途に応じて適宜決定すればよいが、製品としての紙管巻芯の寸法よりも長くしておくことが工程数の減少の観点から好ましい。
樹脂塗料塗布工程(#102)では、樹脂塗料、本実施形態では紫外線硬化性樹脂の塗料を塗布する。塗布方法は特に限定されるものではないが、樹脂塗料を流下させ、紙管本体を通過させるようにしてもよいし、ドクターナイフ式のコーターを用いて塗布してもよい。また、長尺物の塗装に好適である真空塗装機を用いて塗布することもできる。なお、塗布工程(#102)における塗布厚みは、後述の研磨工程(#103)で塗膜を薄く削るため、被覆層3の厚み寸法に比べて十分に厚くしておくことが好ましい。塗布された樹脂塗料は、それぞれの樹脂に応じた方法で硬化する。たとえば、紫外線硬化性樹脂の場合は、紫外線を照射することで硬化する。非溶剤系の樹脂塗料は硬化の工程に要する時間を大幅に短縮することができ、たとえば、紫外線硬化性樹脂の場合は数秒程度の硬化時間とすることができる。
樹脂塗料研磨工程(#103)では、塗布した合成樹脂塗料の塗膜を厚み方向に研磨し、塗膜を薄くなめらかに研磨する。塗装の程度は、塗布工程で形成した塗膜の厚みによって異なるが、おおむね塗膜の5〜20%程度を研磨することが好ましい。研磨工程では、汎用のグラインダーなどを用いることができ、表面粗さRaを1.0μm以下とすることが好ましい。本実施形態においては、塗膜が紫外線硬化性樹脂を用い、塗膜を硬く構成しているため、表面を非常になめらかにすることができる。
研磨工程が終了すると、必要に応じて製品の寸法に合わせて紙管を切断する。その後、切断後の紙管の側面に非溶剤系の樹脂塗料などの樹脂塗料を塗布し、紙粉防止層を形成する(#104)。紙粉防止層5は、側面からの紙粉発生を防止することを目的とするものであるから、上記目的を達成できる範囲であればその厚みなどは特に制限されない。紙粉防止層は、たとえば、樹脂塗料中に紙管の側面を浸漬することによって塗膜を形成し、その後硬化させることで形成される。
本実施形態にかかる紙管巻芯は、紙管を使用しているため真円度が高く、また、紙管本体の外表面に設けられる被覆層に非溶剤系の合成樹脂塗料を使用しているため、紙管本体2に塗料がしみこむ量が少ない。したがって、紙管本体2の含水率の変化に伴う変形を防止することができる。
また、紙管本体の塗料の紙管へのしみ込み量が少ないため、リサイクル時に紙管と被覆層とを剥離しやすく、リサイクル工程の簡略化をすることができる。さらに、塗膜を揮発させる工程は、従来2日程度必要であったことと比較して大幅に短縮化することができ、紙管巻芯の生産速度を速くして製造コストを削減することができる。
さらに、紫外線硬化性樹脂は比較的容易に鉛筆硬度2Hよりも高くすることができるため、紫外線硬化性樹脂を被覆層に利用することによって研磨仕上げ後の平滑性を高くすることができる。さらに、紫外線硬化性樹脂は帯電しにくく帯電抑制効果に優れているという性質を有するため、帯電性に優れた紙管との組み合わせによって静電気による帯電を抑制し異物の付着を少なくすることができる。
(実施例)
本発明にかかる紙管巻芯の性能を評価するために、以下の手順により実施例及び比較例にかかる巻芯を製造し、下記の実験を行った。
(実施例)
内径φ76肉厚10mmのシームレス紙管を作成し、外側表面に紫外線硬化性樹脂の合成樹脂塗料を塗布し、その後研磨処理を行って表面になめらかな被覆層が形成された紙管巻芯を作成した。紫外線硬化性樹脂塗料の硬化時間は1秒程度であり、紙管の製造時間を短縮化することができた。
(比較例1)
内径φ76肉厚10mmのシームレス紙管を作成し、表面を実施例1と同じ研磨機を用い、表面を研磨したシームレス紙管を作成した。
(比較例2〜6)
それぞれ,市販のポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、タルク入りポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合(ABS)樹脂を原料とするプラスチック管を比較例とした。
上記実施例及び比較例1〜6の巻芯を3cm四方に切り取り、平面状にプレス加工してそれぞれ5つずつの試料を作成した。なお、測定に先立って、それぞれの試料は23±2℃、50±5%RHの恒温室で24時間以上調整した。
(表面抵抗値測定)
実施例及び比較例の試料をJIS K6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」の「5.13抵抗率」に基づいて、表面抵抗値[Ω]を測定した。測定条件は次の通りである。表1に測定結果を示す。
測定装置:Hewlett Packard製High Resistance Meter 4339A及びResistivity Cell 16008B
測定雰囲気:23±2℃、50±5%RH
印加電圧:500V
印加時間:60秒
電極:内側26mm、外側38mmの同心円
試料を電極に押さえる加重:50N
Figure 2010120717
本実施形態にかかる紙管巻芯は、表面抵抗値が1014Ωであり、他のプラスチック管と比較して少なくとも2桁の抵抗値が低いことが判明した。なお、比較例1の紙管は、電気抵抗がもっとも低く、帯電を防止できていることがわかる。これにより、本実施形態にかかる紙管巻芯は、紙管ほどの帯電防止機能は得られないものの、プラスチック管と比較して、表面に帯電した電荷を外部に放出しやすく耐電抑制の機能が優れていることが判明した。
(摩擦帯電圧測定)
実施例及び比較例の試料をJIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」の「5.2摩擦帯電圧測定法」に基づいて、摩擦帯電圧[V]を測定した。測定条件は次の通りである。表2に測定結果を示す。
測定装置:株式会社興亜商会製京大化研式ロータリースタチックテスターRST−201
測定雰囲気:23±2℃、50±5%RH
摩擦布:綿布
摩擦布を張る加重:4.9N
摩擦時間:60秒
ドラム回転数:400rpm
Figure 2010120717
本実施形態にかかる紙管巻芯は、平均の表面抵抗値が−202Vであり、他のプラスチック管と比較して少なくとも10分の1以下の帯電圧であることが判明した。なお、比較例1の紙管は帯電圧がもっとも低く、帯電を防止できていることがわかる。これにより、本実施形態にかかる紙管巻芯は、紙管ほどの帯電防止機能は得られないものの、プラスチック管と比較して、表面に帯電した電荷を外部に放出しやすく耐電抑制の機能が優れていることが判明した。
(表面粗さ測定)
実施例及び比較例の巻芯をJIS−B−0601の「表面粗さ測定」に基づいて、テーラホブソン株式会社製フォームタリサーフS5C表面粗さ測定器を用いて表面粗さRa[μm]を測定した。なお、紙管である実施例及び比較例については、紙管の継ぎ目がある部分とない部の双方を測定範囲として測定した。表3に測定結果を示す。
Figure 2010120717
本実施形態にかかる紙管巻芯は、表面に形成されている被覆層を研磨処理しているため、表面がなめらかに構成されており、プラスチック管とほぼ同様の粗度になっていることが確認できた。また、上記の通り、帯電抑制の効果があるため、表面にほこりなどの異物が付着することなく実際の使用時にも凹凸の原因を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態の紙管巻芯によれば、紙管を使用しているため真円度が高く、また、紙管本体の外表面に設けられる被覆層に非溶剤系の合成樹脂塗料を使用しているため、紙管本体に塗料がしみこむ量が少ない。したがって、紙管本体の含水率の変化に伴う変形を防止することができる。また、紙管本体の塗料のしみ込み量が少ないため、リサイクル時に紙管と被覆層とを剥離しやすく、リサイクル工程の簡略化をすることができる。さらに、塗膜を硬化させるための時間を大幅に短縮することができるため、紙管巻芯の生産速度を速くして製造コストを削減することができる。
また、合成樹脂塗料として、紫外線硬化性樹脂塗料を用いることにより、被覆層を容易に硬く形成することができる。耐電抑制効果に優れているため、静電気による帯電を抑制しほこりなどの付着を少なくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
本発明の一実施形態にかかる紙管巻芯の外観構成を示す図である。 図1の紙管巻芯のII-II線で切断した断面図である。 図1の紙管巻芯のIII-III線で切断した部分断面図である。 本実施形態にかかる紙管巻芯の製造工程を示す工程図である。 本実施形態にかかる紙管巻芯の紙管本体の製造工程を示す概略図である。 従来のスパイラル紙管の製造工程を示す概略図である。 従来のスパイラル紙管の構成を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 紙管巻芯
2 紙管本体
3 被覆層
4 紙管の空洞部分
5 紙粉防止層
本発明の第1態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体と、
前記紙管本体の外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚み寸法を有し、前記外側周面に設けられた非溶剤系の紫外線硬化樹脂塗料で形成され、帯電防止性を有する被覆層とを備えることを特徴とする、紙管巻芯を提供する。
本発明の第2態様によれば、被覆層は、JIS L1094に基づいて測定された摩擦帯電圧が−260Vより小さいことを特徴とする、第1態様の紙管巻芯を提供する。
本発明の第7態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体の外側周面全面に、外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚みとなるように非溶剤系の紫外線硬化樹脂塗料で形成され、帯電防止性を有する塗膜を形成し、
硬化した前記塗膜を研磨して塗膜表面を平滑にした被覆層を設け、
前記被覆層を設けた紙管本体の側面に樹脂製塗料を塗布して紙粉防止層を形成することを特徴とする、紙管巻芯の製造方法を提供する。
Figure 2010120717
本発明の第1態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体と、
前記紙管本体の外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚み寸法を有し、前記外側周面に真空塗装によって設けられた非溶剤系の紫外線硬化樹脂塗料で形成され、帯電防止性を有する被覆層とを備えることを特徴とする、紙管巻芯を提供する。
本発明の第態様によれば、紙帯がらせん状に多重積層されて形成される含水率が10%以下の紙管本体の外側周面全面に、外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚みとなるように非溶剤系の紫外線硬化樹脂塗料で形成され、帯電防止性を有する塗膜を真空塗装によって形成し、
硬化した前記塗膜を研磨して塗膜表面を平滑にした被覆層を設け、
前記被覆層を設けた紙管本体の側面に樹脂製塗料を塗布して紙粉防止層を形成することを特徴とする、紙管巻芯の製造方法を提供する。

Claims (7)

  1. 紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体と、
    前記紙管本体の外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚み寸法を有し、前記外側周面に設けられた非溶剤系の合成樹脂塗料で形成された被覆層とを備えることを特徴とする、紙管巻芯。
  2. 前記非溶剤系の合成樹脂塗料は、紫外線硬化性樹脂塗料であることを特徴とする、請求項1に記載の紙管巻芯。
  3. 前記被覆層は、鉛筆硬度2H以上の硬度であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紙管巻芯。
  4. 前記紙管本体の側面には、前記側面からの紙粉発生を防止する樹脂製の紙粉防止層が設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の紙管巻芯。
  5. 前記紙管本体は、最表面に位置する前記紙帯が一部重複するように配置されることにより形成される、凸状の重なり部分を研磨して外表面を平滑に加工したことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の紙管巻芯。
  6. 前記紙管本体は、含水率が10%以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の紙管巻芯。
  7. 紙帯がらせん状に多重積層されて形成される紙管本体の外側周面全面に、外側周面に形成される凹凸を吸収可能な厚みとなるように非溶剤系の合成樹脂塗料の塗膜を形成し、
    硬化した前記塗膜を研磨して塗膜表面を平滑にした被覆層を設け、
    前記被覆層を設けた紙管本体の側面に樹脂製塗料を塗布して紙粉防止層を形成することを特徴とする、紙管巻芯の製造方法。
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