JP4290069B2 - ロール状フィルム及びフィルム状製品の製造方法 - Google Patents

ロール状フィルム及びフィルム状製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体や電子部品等の製造過程で作製されるロール状フィルムに関する。
従来、例えば、磁気テープ等の磁気記録媒体の製造方法として、非磁性の支持フィルムに磁性材を塗布してカレンダー処理を施した長尺のフィルムを一旦芯材に巻回してロール状フィルムとし、該ロール状フィルムからフィルムを巻きだしてテープ等の所望の形状に裁断する手法が広く用いられている。
又、例えば、積層セラミックコンデンサ、圧電部品、サーミスタ、バリスタ等の電子部品の製造工程でも、セラミック粉末、結合樹脂、溶剤等を含む塗料を支持フィルムに塗布してなるフィルムを一旦芯材に巻回してロール状フィルムとし、該ロール状フィルムからフィルムを巻きだして所望の形状に裁断する手法が用いられることがある。
このようなフィルムは磁性材料、セラミック粉末等の結合樹脂(バインダー)として熱硬化性樹脂(熱硬化性の材料)を含有しているものが多く、未硬化状態でフィルムを芯材に巻回し、ロール状に巻回した状態で加熱して硬化させるようにしている。尚、ロール状フィルムは、他の目的で加熱処理されることもある。このように、ロール状フィルムを加熱することにより、長尺のフィルムを効率良く加熱処理することができる。
一方、ロール状のフィルムを加熱すると、フィルムにしわが発生しやすいという問題がある。尚、加熱処理を施さない場合であっても、ロール状フィルムには経時的にしわが発生することがある。しわが発生した部分は製品として使用することができないため、それだけ歩留まりが低下することとなる。即ち、磁気記録媒体の生産性を実質的に高めるためには、ロール状磁気フィルムのしわの発生を防止することが重要である。
尚、フィルムを巻回する際、エアを巻き込むとしわが発生しやすくなる傾向があるためエア抜きのための圧着ロールを当接させてフィルムを巻回しているが、圧着ロールだけでしわの発生を充分に低減することは困難であった。
これに対して、長手方向に厚さが変化するフィルムを形成し、フィルムにおける基端側と先端側との熱収縮の差を低減して、熱収縮の差に起因するしわの発生を抑制するようにした磁気記録媒体の製造方法が知られている(特許文献1参照)。
又、非磁性の金属シートでロール状フィルムの外周面を密封し、巻回後におけるロール状フィルムの先端からのエアの侵入に起因するしわの発生を防止するようにした磁気記録媒体の製造方法が知られている(特許文献2参照)。
特開平5−40935号公報 特開平8−147681号公報
しかしながら、これらの手法を用いても、フィルムのしわの発生を充分に抑制できないことがあった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、しわの発生が少なく歩留まりが良いロール状フィルム及びその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明は、ロール状フィルムの外周面を包装し、且つ、周方向の引張力が付与されたシート状の包装材でロール状フィルムを径方向内側に略均一に加圧することにより、上記課題を解決したものである。
ロール状フィルムを包装材で径方向内側に均一に加圧することにより、しわの発生が抑制されるメカニズムは必ずしも明らかではないが、概ね以下のように推定される。
フィルムを巻回する際、エア抜きのための圧着ロールを当接させてフィルムを巻回しても、フィルムの間には微小量のエアが巻き込まれると考えられる。一方、ロール状フィルムには、厚さのむら、加熱、冷却による収縮のむら等により張力に若干のむらがあり、張力が小さい部位にエアが集中することにより、しわが発生すると考えられる。
これに対し、ロール状フィルムを包装材で径方向内側に均一に加圧すれば、フィルムの張力のむらが緩和されると共に、軸方向の側端からエアが除々に排出され、これによりしわの発生が抑制されると推定される。
尚、均一な加圧力を得るためには、包装材として、加熱処理により引張力を付与することができる、熱収縮性を有する発泡材を用いることが好ましい。
このように、本発明は、ロール状フィルムを包装材で径方向内側に均一に加圧し、フィルムの間に巻き込まれたエアを積極的に外部に排出することにより、しわの発生を低減したものであり、フィルムにおける基端側と先端側との熱収縮の差を低減するようにした上記特許文献1の磁気記録媒体の製造方法や、非磁性の金属シートでロール状フィルムの外周面を密封するようにした上記特許文献2の磁気記録媒体の製造方法とは、全く異なる発想に基づいてなされたものである。
即ち、以下の発明により上記課題を解決したものである。
(1)長尺のフィルムを芯材に巻回してなる、ロール状フィルムであって、径方向内側に略均一に加圧されたことを特徴とするロール状フィルム。
(2)(1)において、外周面を包装し、且つ、周方向の引張力が付与されたシート状の包装材が取付けられて、径方向内側に略均一に加圧されたことを特徴とするロール状フィルム。
(3)(2)において、前記包装材は熱収縮性を有する材料で構成され、加熱処理されて前記周方向の引張力が付与されたことを特徴とするロール状フィルム。
(4)(3)において、前記包装材は前記フィルムよりも熱収縮率が大きい材料で構成されたことを特徴とするロール状フィルム。
(5)(3)又は(4)において、前記フィルムは熱硬化性の材料を含み、前記包装材と共に加熱処理されて硬化されたことを特徴とするロール状フィルム。
(6)(3)乃至(5)のいずれかにおいて、前記芯材は中空の筒状体とされ、且つ、前記包装材は断熱性を有する材料で構成されたことを特徴とするロール状フィルム。
(7)(1)乃至(6)のいずれかにおいて、前記包装材が発泡材で構成されたことを特徴とするロール状フィルム。
(8)(1)乃至(7)のいずれかにおいて、前記包装材は厚さが8mm以上であることを特徴とするロール状フィルム。
(9)(1)乃至(7)のいずれかにおいて、前記包装材は厚さが10mm以上であることを特徴とするロール状フィルム。
(10)(1)乃至(7)のいずれかにおいて、前記包装材は厚さが15mm以上であることを特徴とするロール状フィルム。
(11)(1)乃至(10)のいずれかにおいて、前記フィルムは、磁気記録媒体用の磁気フィルムであることを特徴とするロール状フィルム。
(12)長尺のフィルムを芯材に巻回してロール状フィルムを得るフィルム巻回工程と、前記ロール状フィルムの外周面をシート状の包装材で包装し、且つ、該包装材に周方向の引張力を付与して前記ロール状フィルムを径方向内側に略均一に加圧する包装工程と、を含んでなることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(13)(12)において、前記包装材として熱収縮性を有する材料で構成された包装材を用いるようにし、前記包装工程は、前記包装材を前記ロール状フィルムの外周面に取付ける包装材取付工程と、前記包装材を加熱して前記周方向の引張力を付与する加熱工程と、を含む構成であることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(14)(13)において、前記フィルムは熱硬化性の材料を含み、前記フィルム巻回工程は、前記熱硬化性の材料の少なくとも一部が未硬化状態で前記フィルムを前記芯材に巻回し、前記加熱工程は、前記包装材と共に前記フィルムを加熱して硬化させることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(15)(13)又は(14)において、前記芯材として筒状体の芯材を用いると共に、前記包装材として断熱性を有する包装材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(16)(12)乃至(15)のいずれかにおいて、前記包装材として発泡材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(17)(12)乃至(16)のいずれかにおいて、前記包装材として厚さが8mm以上の包装材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(18)(12)乃至(16)のいずれかにおいて、前記包装材として厚さが10mm以上の包装材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(19)(12)乃至(16)のいずれかにおいて、前記包装材として厚さが15mm以上の包装材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
(20)(12)乃至(19)のいずれかにおいて、前記フィルムは、磁気記録媒体用の磁気フィルムであることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
以上説明したように、本発明によれば、ロール状フィルムのしわの発生を低減し磁気記録媒体、電子部品等の歩留まりを著しく改善することが可能となるという優れた効果がもたらされる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るロール状フィルム10の概略構造を示す斜視図、図2は同側面図である。
ロール状フィルム10は、長尺の磁気フィルム12を芯材14に巻回したものであり、外周面を包装し、且つ、周方向の引張力が付与されたシート状の包装材16が取付けられ、径方向内側に略均一に加圧されたことを特徴としている。他の構成については従来のロール状フィルムと同様であるので説明を適宜省略することとする。
尚、ロール状フィルム10の外径は特に限定されないが、磁気記録媒体の製造工程では、170〜800mm程度である。
図3は、磁気フィルム12の構造を模式的に示す断面図である。
磁気フィルム12は、非磁性の支持フィルム18の一方の面に非磁性層20と、磁性層22と、がこの順で形成され、更に、支持フィルム18の他方の面にバックコート層24が形成された構成とされている。尚、磁気フィルム12の寸法も特に限定されないが一般的には、厚さが4.0〜20.0μm、幅が100〜1000mm、長さが1000〜20000mである。
支持フィルム18は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等の樹脂フィルム、又はこれらの積層体であり一般的には、厚さが3.0〜15.0μmである。
非磁性層20は、電磁変換特性の向上等のために設けられる層で、例えば針状非磁性粉末等の非磁性材が紫外線、電子線等の放射線で硬化する放射線硬化性樹脂等の結合樹脂で結合された構成であり、必要に応じて、カーボンブラック、分散剤、顔料、研磨剤、潤滑剤等が添加されている。尚、非磁性層20の厚さは一般的には0.1〜2.5μmである。
磁性層22は、例えば、針状の強磁性金属粉末等の磁性材が熱硬化性樹脂等の結合剤樹脂で結合された構成であり、必要に応じて研磨剤、分散剤、潤滑剤等が添加されている。尚、磁性層22の厚さは一般的には0.01〜3.0μmである。
バックコート層24は、走行安定性の向上、磁性層22の帯電防止等のために設けられる層で、例えば、カーボンブラック、結合剤樹脂、研磨剤、分散剤、潤滑剤等で構成されている。尚、バックコート層24の厚さは一般的には0.1〜1.0μmである。
芯材14は、ロール状フィルム10の幅よりも若干長い中空の円筒状体で、外径が100〜300mm、肉厚が5〜30mmであり、材質は樹脂、金属等である。
包装材16は、材質が熱収縮性及び断熱性を有するポリエチレン系の発泡樹脂(発泡材)とされ、幅がロール状フィルム10の幅(磁気フィルム12の幅)と略等しく、長さがロール状フィルム10の外周の円弧長よりも若干長く、厚さが8〜30mmの長方形のシート状体である。包装材16は、ロール状フィルム10の外周面を完全に被覆し、両端近傍が重なるようにロール状フィルム10に取付けられている。
尚、図2は包装材16の厚みを実際よりも強調して図示したものであり、包装材16の両端近傍を重ねても包装材16と、磁気フィルム12と、の間に実際に生じる隙間は極僅かであり、ロール状フィルム10は、包装材16の両端近傍においても、径方向内側に略均一に加圧されている。
又、図1及び図2中の符号26は、包装材16の両端を固着するための、例えばガムテープ等の粘着テープである。
ロール状フィルム10は、包装材16が断熱性を有し、芯材14が中空構造であるので、径方向外側の温度が変化しにくい一方、径方向内側の温度が変化しやすく、これにより周辺温度との温度差に伴う熱の移動が主として径方向の片側に進行するように構成されている。
次に、ロール状フィルム10の製造方法及び製造工程における作用について説明する。
図4は、同ロール状フィルムの製造工程の概略を示すフローチャートである。
まず、磁気フィルム12を作製する(S101)。具体的には、支持フィルム18の一方の面に非磁性層20を塗布し、乾燥させた後、カレンダー加工を施し、更に電子線を照射して硬化させる。次に、この非磁性層20上に磁性層22を塗布し、配向、乾燥させた後、カレンダー処理を施す。更に、支持フィルム18の他方の面にバックコート層24を塗布し、乾燥させてカレンダー処理を施し、これにより磁気フィルム12が得られる。
このようにして得られた磁気フィルム12を、芯材14に巻回することにより、ロール状フィルム10が得られる(S102)。
次に、このロール状フィルム10の外周面に包装材16を取付ける。具体的には、まず、ロール状フィルム10の外周面に包装材16の一端を粘着テープ26で固着し、更に包装材16をロール状フィルム10の外周面に巻きつけ、包装材16の両端近傍を重ねて粘着テープ26で固着する(S103)。この際、包装材16を引張りながらロール状フィルム10の外周面に巻きつけ、包装材16にたるみが生じないようにする。これによりロール状フィルム10の外周面が包装材16で完全に被覆される。
このように包装材16を取付けた後、ロール状フィルム10を、1〜96時間、室温環境下に放置する(S104)。
次に、包装材16で包装されたロール状フィルム10を恒温槽(図示省略)に収容し、約40〜80°の温度環境下で12〜96時間加熱する(S105)。
包装材16は熱収縮性を有するので加熱されて収縮しようとするが、両端が固着されているため収縮が規制され、結果として周方向の引張力が付与されて、ロール状フィルム10を径方向内側に加圧する。尚、包装材16は一定量収縮して両端の重ね代は若干減少することがある。
包装材16はシート状であるので、ロール状フィルム10を略均一に加圧することができ、磁気フィルム12の張力のばらつきが緩和される。これにより、磁気フィルム12に巻き込まれたエアは、磁気フィルム12の間の特定の部位に集中して残留することなく、主として軸方向端部から外部に排出され、しわの発生が抑制される。
包装材16は、材質が柔らかい発泡材であり、ロール状フィルム10の外周面に密接するため、加圧力の均一性が特に高い。
更に、たるみが生じないように包装材16を巻きつけた時点で、ロール状フィルム10は均一に弱く加圧されており、この状態から包装材16は熱収縮性を有する包装材16を加熱処理して周方向の引張力を増加させることで、均一性の高い加圧力がロール状フィルム10に与えられる。
又、ロール状フィルム10は、包装材16が断熱性を有し、芯材14が中空構造であるため、加熱工程におけるロール状フィルム10の温度上昇が径方向の内側から外側に進行し、磁気フィルム12の熱収縮も径方向内側から外側に除々に進行する。従って、磁気フィルム12の間に巻き込まれたエアは磁気フィルム12の表面に沿って内側から外側に押し出されるように外部に排出され、磁気フィルム12の間に閉じ込められにくい。
即ち、ロール状フィルム10は、巻回工程で磁気フィルム12の間にエアが巻き込まれても、巻き込まれたエアが外部に排出されて残留しにくく、しわの発生が著しく抑制される。従って、ロール状フィルム10から磁気テープ等を高い歩留まりで裁断することができ、それだけ磁気記録媒体の生産性が向上する。
ここで、巻き込まれたエアを確実に外部に排出させるだけの加圧力をロール状フィルム10に与えるためには、包装材16の熱収縮率は3%以上であることが好ましく、5%以上であれば、更に確実にエアを外部に排出させることができる。尚、熱収縮率が10%以上の包装材を用いれば、一層更に確実にエアを外部に排出させることができるが、このような包装材は入手が困難である。
又、ロール状フィルムは加熱処理前、室温環境下でも長時間放置されるとしわが発生することがあり、室温環境下でも巻き込まれたエアの集中が除々に始まっていると考えられるが、磁気フィルム12を芯材14に巻回してロール状とした直後に、包装材16を引張りながら巻きつけて包装し、ロール状フィルム10に弱い加圧力を与えているので、室温環境下におけるエアの集中も抑制されている。
又、磁気フィルム12の硬化と、包装材16の引張力の付与と、が共通の加熱工程で同時に行われるので、本実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法は、この点でも生産性が高い。
尚、本実施形態において、包装材16は材質がポリエチレン系の発泡材とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロール状フィルムを均一に加圧することができれば、他の材質の包装材を用いてもよい。又、包装材は、ロール状フィルムの外周面を実質的に包むことができるものであればよく、公知の一般的な包装材に限定されない。但し、熱収縮性及び断熱性を兼ね備えているという点で発泡材を用いることが好ましい。
又、本実施形態において、包装材16は熱収縮性を有し、加熱処理されて周方向の引張力が付与されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロール状フィルムを均一に加圧することができれば、例えば、包装材を機械的に引張ることにより、周方向の引張力を付与して両端を固着してもよい。
又、本実施形態において、包装材16と磁気フィルム12、包装材16の両端を固着するために粘着テープを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばマジックテープ(登録商標)や接着剤等を用いて包装材を固着してもよい。更に、包装材を筒状に形成し、ロール状フィルムの外周面にかぶせるようにしてもよい。
又、本実施形態において、ロール状フィルム10は、総ての層が形成された磁気フィルム12をロール状に巻回したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部の層だけが形成された半完成状態の磁気フィルムを巻回してなるロール状フィルムに対しても本発明を当然適用可能である。尚、半完成状態の磁気フィルムを巻回してなるロール状フィルムであっても、熱硬化性の材料を含む層が形成されていれば、本発明は特に有効である。
又、本実施形態において、磁気フィルム12は磁性層22の結合樹脂として、熱硬化性樹脂を含有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁性層の結合樹脂として熱可塑性樹脂、放射線硬化性樹脂を含有する磁気フィルムに対しても、本発明は適用可能である。
同様に、本実施形態において、磁気フィルム12は非磁性層20の結合樹脂として、放射線硬化性樹脂を含有しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非磁性層の結合樹脂として熱硬化性、熱可塑性樹脂を含有する磁気フィルムに対しても、本発明は適用可能である。
又、本実施形態において、磁気フィルム12は、支持フィルム18に非磁性層20、磁性層22、バックコート層24が形成された構成であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気フィルムを構成する層の種類、材質、厚さ、層数は特に限定されない。
又、本実施形態において、ロール状フィルムを径方向内側に略均一に加圧するためにシート状の包装材を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図5に示されるように、可撓性を有し、二重構造で内側に気体を封入可能な被覆材30を用いてロール状フィルム10の外周面を被覆し、被覆材内に封止される気体の圧力でロール状フィルムを径方向内側に略均一に加圧してもよい。尚、被覆材30の外周部32は伸縮しにくい金属等のフィルム状の材質とし、内周部34は伸縮しやすい樹脂、ゴム等のフィルム状の材質とすることが好ましい。
この被覆材30は、給排気口36を開状態とすれば、ロール状フィルム10の外周面に容易に装着できると共に、給排気口36から加圧した空気等の気体を給気し、給排気口36を閉状態とすることでロール状フィルム10を径方向内側に略均一に加圧することができ、作業性がよい。
又、空気等の気体を給排気することで繰り返し使用することができ、低コストである。
又、包装材、被覆材に代えて、例えば、図6に示されるように、ロール状フィルム10の外周面の幅方向両端に密着し、ロール状フィルム10の外周面を密閉する容器40を用いて、容器40内に加圧した空気等の気体又は液体を封入することにより、気体又は液体でロール状フィルムを径方向内側に略均一に加圧してもよい。このようにすることで、一層均一にロール気フィルムの外周面を加圧することができる。
又、本実施形態において、ロール状フィルムは磁気記録媒体の製造工程で用いられる、磁気フィルム12をロール状に巻回したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば積層セラミックコンデンサ、圧電部品、サーミスタ、バリスタ等の電子部品の製造工程で用いられる、セラミック粉末、結合樹脂、溶剤等を含む塗料を支持フィルムに塗布して芯材に巻回してなるロール状フィルムについても本発明は適用可能である。
上記実施形態により、データストレージ用テープの中間体として幅が約660mm、厚さが約9.0μm、長さが約7000m、の重層の磁気フィルム12を作製し、これを外径が約167mm、肉厚が約15mmの芯材14に巻回して、外径が約330mm(外周の円弧長が約1000mm)のロール状フィルム10を100個作製した。尚、磁気フィルム12を構成する、支持フィルム18、非磁性層20、磁性層22、バックコート層24の厚さは、それぞれ、6.2μm、2.0μm、0.15μm、0.7μmである。
これらのロール状フィルム10の外周面にそれぞれ、幅が約660mm、厚さが約10mm、長さが約1100mmの包装材16を取付け、室温環境下に約24時間放置した後、恒温槽内に収容し、60℃の温度環境下で約48時間加熱した。尚、包装材16は、具体的には、ポリエチレンを95%以上含有する架橋ポリエチレン系樹脂発砲体のソフトロンS(登録商標、積水化学工業(株)製)を用いた。
加熱処理後、約330mmの幅の磁気テープに裁断する際、しわの発生の有無を目視で観察したが、いずれのロール状フィルム10においてもしわの発生は確認されなかった。
尚、包装材16は加熱により約5%収縮した。
[比較例1]
ロール状フィルム10を複数本作製し、未包装で室温環境下に約24時間放置した後、恒温槽内に収容し、約60℃の温度環境下で約48時間加熱した。尚、他の条件は総て実施例1と同様とした。
加熱処理後、約330mmの磁気テープに裁断する際、しわの発生の有無を目視で観察しところ、約90%のロール状フィルム10において、しわの発生が確認された。尚、しわが発生したロール状フィルムを裁断し、テープハブに巻回してパンケーキと呼ばれる巻回体を作製したところ、製品として使用することができない保留パンケーキの比率は約1.5%であった。
即ち、実施例1はしわの発生が完全に防止されており、比較例1に対し磁気記録媒体の歩留まりが著しく改善されることが確認された。
上記実施形態により、ビデオ用の幅が約8mmのテープの中間体として幅が約660mm、厚さが約12.0μm、長さが約14000mの磁気フィルム12を作製し、これを外径が約167mm、肉厚が約15mmの芯材14に巻回して、外径が約475mm(外周の円弧長が約1500mm)のロール状フィルム10を100個作製した。尚、磁気フィルム12は、非磁性層20を省略し、支持フィルム18に磁性層22を直接形成する構成とした。支持フィルム18、磁性層22、バックコート層24の厚さは、それぞれ、10.5μm、1.0μm、0.5μmである。
これらのロール状フィルム10の外周面にそれぞれ、長さが約1600mm、幅が約660mm、厚さが約10mmの包装材16を取付け、室温環境下に約24時間放置した後、恒温槽内に収容し、約60℃の温度環境下で約48時間加熱した。尚、包装材16は、実施例1と同様に、ソフトロンS(登録商標、積水化学工業(株)製)を用いた。
加熱処理後、約8mmの幅の磁気テープに裁断してハブに巻き取り、パンケーキと呼ばれる巻回体を100個作製した。裁断する際、しわの発生の有無を目視で観察しところ、約2%のロール状フィルムにおいて、しわの発生が確認された。尚、製品として使用できない保留パンケーキの比率は約2%だった。
[比較例2]
ロール状フィルム10を複数本作製し、未包装で室温環境下に約24時間放置した後、恒温槽内に収容し、約60℃の温度環境下で約48時間加熱した。他の条件は総て実施例2と同様とした。
加熱処理後、約8mmの磁気テープに裁断する際、しわの発生を目視で観察しところ、約10%のロール状フィルムにおいて、しわの発生が確認された。
即ち、実施例2は、比較例2に対ししわの発生が約1/5に大幅に低減されており磁気記録媒体の歩留まりが著しく改善されることが確認された。
上記実施例1に対し、包装材16の厚さを3mm、5mm、8mm、15mmとした。他の条件は上記実施例1と同様とした。
しわの発生の有無を目視で観察しところ、包装材10の厚さが3mm及び5mmの場合、未包装の比較例1と同様に約90%のロール状フィルム10において、しわの発生が確認された。
一方、包装材の厚さが8mmの場合、しわの発生が確認されたロール状フィルム10は約20%であり、比較例1に対し、しわの発生が大幅に低減されていることが確認された。又、包装材の厚さが15mmの場合、実施例1と同様、いずれのロール状フィルム10においてもしわの発生は確認されなかった。
上記実施例2に対し、包装材16の厚さを3mm、5mm、8mm、15mmとした。他の条件は上記実施例1と同様とした。
しわの発生の有無を目視で観察しところ、包装材10の厚さが3mm及び5mmの場合、未包装の比較例2と同様、しわが発生したロール状フィルムの比率は約10%だった。
一方、包装材の厚さが8mmの場合、しわが発生したロール状フィルムの比率は約4%であり、比較例2に対し、しわの発生が大幅に低減されていることが確認された。又、包装材の厚さが15mmの場合、製品として使用できない保留パンケーキの比率は約1%であり、しわの発生が実施例2よりも抑制されていることが確認された。
即ち、しわの発生を抑制するためには、包装材の厚さを8mm以上とすることが好ましく、包装材の厚さを10mm以上とすれば、しわの発生を更に低減することができ、包装材の厚さを15mm以上とすることで、一層しわの発生を抑制することができる。
本発明は、例えば磁気記録媒体や電子部品用のフィルム材料の製造等に利用することができる。
本発明の実施形態に係るロール状フィルムの概略構造を示す斜視図 同側面図 同ロール状フィルムを構成する磁気フィルムの構造を模式的に示す断面図 同ロール状フィルムの製造工程の概略を示すフローチャート 本発明の他の実施形態に係るロール状フィルムの概略構造を示す断面図 本発明の他の実施形態に係るロール状フィルムの概略構造を示す断面図
符号の説明
10…ロール状フィルム
12…磁気フィルム
14…芯材
16…包装材
18…支持フィルム
20…非磁性層
22…磁性層
24…バックコート層
26…粘着テープ
S101…磁気フィルム作製工程
S102…巻回工程
S103…包装材取付工程
S104…室温放置工程
S105…加熱工程

Claims (8)

  1. 長尺のフィルムを芯材に巻回してなる、ロール状フィルムであって、
    前記芯材は中空の筒状体であり、
    外周面を包装し、且つ、周方向の引張力が付与されたシート状の包装材が軸方向の両側端が露出するように取付けられて径方向内側に略均一に加圧され
    前記包装材は前記フィルムよりも熱収縮率が大きい熱収縮性を有する発泡樹脂で構成され加熱処理されて前記周方向の引張力が付与されたことを特徴とするロール状フィルム。
  2. 請求項において、
    前記フィルムは熱硬化性の材料を含み、前記包装材と共に加熱処理されて硬化されたことを特徴とするロール状フィルム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記包装材は厚さが8mm以上であることを特徴とするロール状フィルム。
  4. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    前記フィルムは、磁気記録媒体用の磁気フィルムであることを特徴とするロール状フィルム。
  5. 長尺のフィルムを中空の筒状体の芯材に巻回してロール状フィルムを得るフィルム巻回工程と、前記フィルムよりも熱収縮率が大きい熱収縮性を有する発泡樹脂で構成されたシート状の包装材を前記ロール状フィルムの外周面に軸方向の両側端が露出するように取付ける包装材取付工程と、前記包装材を加熱して前記周方向の引張力を付与する加熱工程と、を含んでなることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
  6. 請求項において、
    前記フィルムは熱硬化性の材料を含み、前記フィルム巻回工程は、前記熱硬化性の材料の少なくとも一部が未硬化状態で前記フィルムを前記芯材に巻回し、前記加熱工程は、前記包装材と共に前記フィルムを加熱して硬化させることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
  7. 請求項5又は6において、
    前記包装材として厚さが8mm以上の包装材を用いるようにしたことを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
  8. 請求項乃至のいずれかにおいて、
    前記フィルムは、磁気記録媒体用の磁気フィルムであることを特徴とするフィルム状製品の製造方法。
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