JP2007231187A - 加熱剥離性粘着シート - Google Patents

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【課題】 被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能な加熱剥離性粘着シートを提供する。
【解決手段】 加熱剥離性粘着シートは、非多孔性基材の少なくとも一方の面に発泡剤を含有する熱膨張性粘着層が形成されており、非多孔性基材と、非多孔性基材の少なくとも一方の面に形成された熱膨張性粘着層との間に、多孔性材料層を有していることを特徴とする。前記多孔性材料層の気孔率は10%以上であることが好ましい。また、前記多孔性材料層としては、繊維材料を用いて形成された繊維系多孔性材料層、または、樹脂材料を用いて気泡形成により形成された樹脂系多孔性材料層が好適であり、特に不織布層を好適に用いることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱剥離性粘着シートに関し、より詳細には、被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能な加熱剥離性粘着シートに関する。
加熱処理により粘着力が低下乃至喪失する形態の加熱剥離性粘着シートとしては、支持基材の片面に熱膨張性粘着層を設けた粘着シート(片面粘着タイプの粘着シート)や、支持基材の一方の面に熱膨張性粘着層を設け且つ他方の面に粘着性層を設けた粘着シート(両面粘着タイプの粘着シート)などが広く知られている(例えば、特許文献1〜特許文献5参照)。
近年、電子部品や半導体デバイスの高性能化や薄型化に伴い、そのデバイスの製造方法も多種多様となっているが、その中で、前記加熱剥離性粘着シートを使用した製造方法も広く検討されるようになってきた。例えば、セラミックコンデンサの製造工程の一例を挙げると、(1)グリーンシートへの電極印刷工程、(2)積層工程、(3)加圧工程(加圧プレス工程)、(4)切断工程、(5)焼成工程の工程があり、積層工程(2)と加圧工程(3)とは、所定回数繰り返された後、切断工程(4)に移る製造工程が挙げられる。このようなセラミックコンデンサの製造工程において、加熱剥離性粘着シートは、切断工程(4)までは、しっかりとグリーンシートを固定し、切断工程(4)後は、加熱により粘着力を消失させ、切断済みセラミックコンデンサをシート片から剥がすという形態で使用されている。近年では、半導体チップの小型化が進んでおり、切断時、特にダイシング加工では、ダイシング刃の振動により、小型化された半導体チップが飛散し易いという問題が生じ、従来以上に高い粘着力が要求されるようになってきている。
実公昭50−13878号公報 特公昭51−24534号公報 特開昭56−61468号公報 特開昭56−61469号公報 特開昭60−252681号公報
しかしながら、従来の層構成を有する加熱剥離性粘着シートにおいて、単に、熱膨張性粘着層による粘着性を上げると、加熱処理後の粘着性の低下が十分に起こらず、満足できる剥離効果が発現しないという問題が生じた。そのため、加熱剥離性粘着シートとしては、被着体に対する粘着性を高めて被着体をしっかりと固定することができ、しかも被着体に対する粘着性が高められていても、剥離させる際には、加熱処理により、容易に被着体より剥がすことができる加熱剥離性粘着シートが求められている。
従って、本発明の目的は、被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能な加熱剥離性粘着シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、熱膨張性粘着層自体による粘着力は同一であっても、被着体に対する粘着性を高め且つ加熱処理による粘着性の低下を十分に生じさせることが可能な加熱剥離性粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、加熱剥離性粘着シートにおける熱膨張性粘着層を、特定の層を介して非多孔性基材上に形成すると、熱膨張性粘着層の粘着力が大きくても、加熱剥離性粘着シートは、任意な時に加熱処理により、被着体より容易に剥離させることが可能であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、非多孔性基材の少なくとも一方の面に発泡剤を含有する熱膨張性粘着層が形成された加熱剥離性粘着シートであって、非多孔性基材と、非多孔性基材の少なくとも一方の面に形成された熱膨張性粘着層との間に、多孔性材料層を有していることを特徴とする加熱剥離性粘着シートを提供する。
本発明の加熱剥離性粘着シートにおいて、多孔性材料層の気孔率は10%以上であることが好ましい。また、前記多孔性材料層としては、繊維材料を用いて形成された繊維系多孔性材料層、または、樹脂材料を用いて気泡形成により形成された樹脂系多孔性材料層が好適であり、前記繊維系多孔性材料層としては不織布層が好ましい。多孔性材料層の厚さとしては5〜250μmであってもよい。
本発明の加熱剥離性粘着シートでは、非多孔性基材と多孔性材料層との間、及び/又は、多孔性材料層と熱膨張性粘着層との間に、ゴム状有機弾性層を有していることが好ましい。
前記非多孔性基材としてはプラスチックフィルム又はシートが好適である。
本発明の加熱剥離性粘着シートによれば、被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能である。また、熱膨張性粘着層自体による粘着力は同一であっても、被着体に対する粘着性を高め且つ加熱処理による粘着性の低下を十分に生じさせることが可能である。
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部分などには同一の符号を付している場合がある。
[加熱剥離性粘着シート]
本発明の加熱剥離性粘着シートは、図1(a)〜(b)で示されるように、非多孔性基材と、該非多孔性基材の少なくとも一方の面に形成された、発泡剤を含有する熱膨張性粘着層とを有しており、さらに、非多孔性基材と、非多孔性基材の少なくとも一方の面に形成された熱膨張性粘着層との間に、多孔性材料層を有している。図1(a)〜(b)は、本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を部分的に示す概略断面図である。図1(a)〜(b)において、1a〜1bは加熱剥離性粘着シート、2は非多孔性基材(非多孔性支持基材)、3は多孔性材料層、4はゴム状有機弾性層、5は熱膨張性粘着層、6はセパレータ(剥離ライナー)である。図1(a)で示される加熱剥離性粘着シート1aは、非多孔性基材2の片面に、多孔性材料層3、熱膨張性粘着層5がこの順で形成された構成を有しており、前記熱膨張性粘着層5はセパレータ6により保護された形態を有している。また、図1(b)で示される加熱剥離性粘着シート1bは、非多孔性基材2の片面に、多孔性材料層3、ゴム状有機弾性層4、熱膨張性粘着層5がこの順で形成された構成を有しており、前記熱膨張性粘着層5はセパレータ6により保護された形態を有している。
このように、本発明の加熱剥離性粘着シートは、熱膨張性粘着層が、多孔性材料層を介して非多孔性基材上に形成された構成を有しており、前記多孔性材料層が、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体が熱膨張性粘着層から剥離されるときの応力を吸収して緩和させることができるので、被着体に対して、より強固な粘着性を発揮することができる。すなわち、本発明では、熱膨張性粘着層自体の粘着力を高めているのではなく、熱膨張性粘着層を非多孔性基材上に多孔性材料層を介して形成させているので、熱膨張性粘着層自体による粘着力は同一であっても、加熱剥離性粘着シート全体としての被着体に対する粘着性を高めることができ、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体をしっかりと固定することができる。なお、加熱剥離性粘着シートに、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体が熱膨張性粘着層から剥離されるような応力としては、特に制限されず、例えば、被着体を切断する切断工程において用いられる刃物(ダイシング刃など)の振動による応力などが挙げられる。
しかも、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体を剥離させる際には、熱膨張性粘着層に加熱処理を施すことにより、粘着性を十分に低下させることができる。すなわち、本発明では、熱膨張性粘着層の組成や粘着力が制御されていないので、熱膨張性粘着層自体の加熱処理による剥離機能を有効に発揮して、加熱処理による粘着性の低下を十分に生じさせることができ、被着体を熱膨張性粘着層から加熱処理により容易に剥離させることができる。
従って、加熱剥離性粘着シートは、被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能である。すなわち、加熱剥離性粘着シートは、より強固な粘着性と、容易な剥離性とを両立することができる。
[多孔性材料層]
多孔性材料層(多孔質性材料層)は、非多孔性基材と熱膨張性粘着層との間に設けられている層であり(支持体として用いられていない)、多孔性を有している。多孔性材料層としては、多孔性を有している層であれば特に制限されない。多孔性材料層中の気孔(気泡)は、連続的に形成されていてもよく、独立的に(個別的に)形成されていてもよい。すなわち、多孔性材料層は、連続気泡、独立気泡、またはこれらが組み合わせられた気泡のいずれの形態の気泡を有していてもよい。多孔性材料層において、気孔率(気泡率)としては、特に制限されないが、例えば、10%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは70%以上)である。多孔性材料層の気孔率が10%未満であると、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体が熱膨張性粘着層から剥離されるときの応力を多孔性材料層が緩和する応力緩和が十分に生じず、多孔性材料層上に形成されている熱膨張性粘着層側の粘着面による粘着性を上げる効果が低下する。本発明において、多孔性材料層の気孔率を求める方法としては、特に制限されず、密度より算出する方法、ガスの注入により算出する方法、通気度より算出する方法などのいずれの方法であってもよいが、密度より算出する方法が好適である。
なお、前記気孔率の値は多孔性材料層の密度より算出した値である。多孔性材料層の気孔率を密度より算出する方法としては、具体的には、次の式「気孔率(P)=[(真密度)−(かさ密度)]/(真密度)」により定義できる。なお、かさ密度は、体積と重量とを求め、「(かさ密度)=(重量)/(体積)」より算出する。また、真密度は、例えば、JIS R−7212等に準じて測定される。
より具体的には、多孔性材料層としては、例えば、繊維材料を用いて形成された繊維系多孔性材料層、樹脂材料を用いて気泡形成により形成された樹脂系多孔性材料層、紙材料を用いて形成された紙系多孔性材料層などが挙げられる。多孔性材料層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
前記繊維系多孔性材料層としては、繊維材料を用いて形成された多孔性の層であれば特に制限されず、例えば、布(織布)層、不織布層などが挙げられ、不織布層が好適である。また、繊維系多孔性材料層において用いられる繊維材料としては、特に制限されず、天然繊維、半合成繊維、合成繊維のいずれであってもよい。繊維材料としては、例えば、綿繊維、レーヨン繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート系繊維など)、ポリアクリロニトリル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維やポリプロピレン系繊維など)、ポリイミド系繊維、ポリウレタン系繊維、炭素繊維(炭素系繊維)、シリコーン系繊維、フッ素系繊維などが挙げられる。繊維材料は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせて用いられていてもよい。
前記樹脂系多孔性材料層としては、樹脂材料を用いて気泡形成(発泡など)により形成された多孔性の層(発泡体層など)であれば特に制限されない。なお、樹脂系多孔性材料層は、多孔性体(発泡体など)が、樹脂中に分散された構成を有していてもよい。また、樹脂系多孔性材料層において用いられる樹脂材料としては、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリイミド、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル−ウレタン共重合体、酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。樹脂材料は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせて用いられていてもよい。
樹脂系多孔性材料層において、樹脂材料を用いて気泡を形成させる際の気泡形成方法としては、公知の気泡形成方法、例えば、機械的な攪拌による気泡形成方法、反応生成ガスを利用する気泡形成方法、発泡剤を使用する気泡形成方法(発泡方法)、可溶性物質を除去する気泡形成方法、スプレーによる気泡形成方法、シンタクチックフォームを形成する気泡形成方法、焼結による気泡形成方法などが挙げられ、発泡方法が好適である。従って、樹脂系多孔性材料層としては、発泡体層が好適である。樹脂系多孔性材料層を発泡方法により形成させる際には、発泡剤を用いることができる。発泡剤としては、公知の発泡剤の中から適宜選択することができ、例えば、熱膨張性微小球や、その他の有機系発泡剤、無機系発泡剤などが挙げられる。これらの発泡剤の具体例としては、熱膨張性粘着層の項で具体的に例示の発泡剤などが挙げられる。
なお、樹脂系多孔性材料層において、樹脂材料は架橋されていてもよい。樹脂材料の架橋に際しては架橋剤を用いることができる。架橋剤としては、樹脂材料の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤の具体例としては、熱膨張性粘着層の項で具体的に例示の架橋剤などが挙げられる。
紙系多孔性材料層としては、紙材料を用いて形成された多孔性の層であれば特に制限されない。紙系多孔性材料層において用いられる紙材料としては、例えば、和紙材料、洋紙材料、上質紙材料、グラシン紙材料、クラフト紙材料、クルパック紙材料、クレープ紙材料などが挙げられる。紙材料は、単独で用いられていてもよく、2種以上が組み合わせて用いられていてもよい。
多孔性材料層としては、繊維材料を用いて形成された繊維系多孔性材料層(不織布層など)、樹脂材料を用いて気泡形成により形成された樹脂系多孔性材料層(発泡体層など)が好ましく、中でも繊維系多孔性材料層(特に不織布層)が好適である。
多孔性材料層の厚さとしては、特に制限されず、多孔性材料層の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、5〜250μm(好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μm)の範囲から適宜選択することができる。多孔性材料層の厚さが5μm未満であると、多孔性材料層の気孔率が10%未満である場合と同様に、熱膨張性粘着層上に貼り合わせられている被着体が熱膨張性粘着層から剥離されるときの応力を多孔性材料層が緩和する応力緩和が十分に生じず、多孔性材料層上に形成されている熱膨張性粘着層側の粘着面による粘着性を上げる効果が低下する。
多孔性材料層の形成方法としては、多孔性材料層の種類などに応じて、公知の形成方法の中から適宜選択することができる。例えば、多孔性材料層が繊維系多孔性材料層または紙系多孔性材料層である場合、非多孔性基材表面などの所定の面上に、布、不織布や紙などを積層させることにより形成することができる。多孔性材料層が樹脂系多孔性材料層であり且つ樹脂系多孔性材料層が樹脂材料を用いて発泡により形成されている場合、非多孔性基材表面などの所定の面上に、発泡剤を含有する樹脂材料組成物を塗布し、必要に応じて架橋又は硬化させた後、発泡剤を発泡させることにより形成することができる。
[非多孔性基材]
非多孔性基材は、加熱剥離性粘着シートの支持母体(支持体)として用いられており、非多孔性を有している。非多孔性基材としては、非多孔性を有している基材であれば特に制限されない。非多孔性基材としては、例えば、金属箔、金属板などの金属系非多孔性基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系非多孔性基材;ゴムシートなどのゴム系非多孔性基材や、これらの積層体(特に、プラスチック系非多孔性基材と他の非多孔性基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など)等の適宜な非多孔性薄葉体を用いることができる。非多孔性基材としては、プラスチックフィルム又はシートなどのプラスチック系非多孔性基材を好適に用いることができる。このようなプラスチックフィルム又はシートにおける素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、非多孔性基材として、プラスチック系非多孔性基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。また、非多孔性基材としては、熱膨張性粘着層などに放射線硬化性の物質を使用する際は、放射線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
非多孔性基材の厚さは、強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1〜1000μm)、好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは3〜300μm、特に好ましくは5〜250μm程度であるが、これらに限定されない。なお、非多孔性基材は単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
非多孔性基材の表面は、多孔性材料層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤によるコーティング処理等が施されていてもよい。
[熱膨張性粘着層]
熱膨張性粘着層は、少なくとも、粘着性を付与するための粘着剤と、熱膨張性を付与するための発泡剤とを含んでいる層(発泡剤を含有している粘着剤層)であり、熱膨張性または発泡性の特性を有している。そのため、熱膨張性粘着層上に、被加工品(被着体)を貼着させて固定して、被加工品に所望の加工を施す際には、加熱剥離性粘着シートの優れた粘着性により、被加工品が熱膨張性粘着層上にしっかりと固定されているので、加工を円滑に行うことができ、また、加工後には、熱膨張性粘着層を加熱して、発泡剤を発泡及び/又は熱膨張させることにより、熱膨張性粘着層が膨張し、この膨張により、熱膨張性粘着層と、加工された加工品(被着体)との接着面積(接触面積)が減少し、熱膨張性粘着層による接着力が十分に減少して、加熱剥離性粘着シートから加工品を、何ら損傷させることなく容易に剥離させることができる
発泡剤としては、特に制限されないが、熱膨張性微小球を好適に用いることができる。発泡剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。熱膨張性微小球としては、公知の熱膨張性微小球から適宜選択することができる。熱膨張性微小球としては、マイクロカプセル化されている発泡剤を好適に用いることができる。このような熱膨張性微小球としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球などが挙げられる。前記殻は、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質で形成される場合が多い。前記殻を形成する物質として、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性微小球は、慣用の方法、例えば、コアセルベーション法や、界面重合法などにより製造できる。なお、熱膨張性微小球には、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアー」[松本油脂製薬(株)製]などの市販品もある。
本発明では、発泡剤としては、熱膨張性微小球以外の発泡剤も用いることもできる。このような発泡剤としては、種々の無機系発泡剤や有機系発泡剤などの各種発泡剤を適宜選択して使用することができる。無機系発泡剤の代表的な例としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、各種アジド類などが挙げられる。また、有機系発泡剤の代表的な例としては、例えば、水;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどの塩フッ化アルカン系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3´−ジスルホニルヒドラジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物;N,N´−ジニトロソペンタメチレンテロラミン、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロソテレフタルアミドなどのN−ニトロソ系化合物などが挙げられる。
加熱処理により、熱膨張性粘着層の接着力を効率よく且つ安定して低下させるため、体積膨張率が5倍以上、なかでも7倍以上、特に10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有する発泡剤が好ましい。
発泡剤(熱膨張性微小球など)の配合量は、熱膨張性粘着層の膨張倍率や接着力の低下性などに応じて適宜設定しうるが、一般には熱膨張性粘着層を形成する粘着剤のベースポリマー100重量部に対して、例えば、1〜150重量部、好ましくは25〜120重量部である。
熱膨張性粘着層において用いられている粘着剤としては、特に制限されず、公知の粘着剤の中から適宜選択することができる。より具体的には、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いることもできる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、粘着剤としては、熱膨張性粘着層を加熱させて膨張させる際に、発泡剤(熱膨張性微小球など)の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないようなものが好ましい。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を好適に用いることができ、特にアクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体(単独重合体又は共重合体)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が挙げられる。前記アクリル系粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C4-18アルキル(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル)エステル]などが挙げられる。
なお、前記アクリル系重合体は、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分に対応する単位を含んでいてもよい。このような単量体成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−(メタ)アクリロイル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルモルホリンなどの窒素含有複素環系モノマー;N−ビニルカルボン酸アミド類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;N−ビニルカプロラクタムなどのラクタム系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分は1種又は2種以上使用できる。
なお、ゴム系粘着剤としては、天然ゴムや各種の合成ゴム[例えば、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体など]をベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。
粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分などのほかに、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤、粘着付与剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤、可塑剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
なお、架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を好適に用いることができる。前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−トなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
また、粘着付与剤としては、例えば、ロジン誘導体[例えば、ロジン、重合ロジン、水添ロジンやこれらの誘導体(ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂など)など]、テルペン系樹脂(例えば、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂など)、フェノール系樹脂(例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂など)、石油系炭化水素樹脂[例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂を水添した脂環族系石油樹脂(脂環族系飽和炭化水素樹脂)など]、スチレン系樹脂、クロマン系樹脂(例えば、クマロンインデン樹脂など)などが挙げられる。
熱膨張性粘着層は、例えば、粘着剤と、発泡剤(熱膨張性微小球など)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法により形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤、発泡剤(熱膨張性微小球など)、および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、多孔性材料層やゴム状有機弾性層上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して熱膨張性粘着層を形成し、これを多孔性材料層又はゴム状有機弾性層上に転写(移着)する方法などにより、熱膨張性粘着層を形成することができる。なお、熱膨張性粘着層は単層、複層の何れであってもよい。
熱膨張性粘着層の厚さは、接着力の低減性などにより適宜に選択することができ、例えば、5〜300μm、好ましくは20〜150μm程度である。但し、発泡剤として熱膨張性微小球が用いられている場合、熱膨張性粘着層の厚さは、含まれている熱膨張性微小球の最大粒径よりも厚い方が好ましい。熱膨張性粘着層の厚さが薄すぎると、熱膨張性微小球の凹凸により表面平滑性が損なわれ、加熱前(未発泡状態)の接着性が低下する。また、加熱処理による熱膨張性粘着層の変形度が小さく、接着力が円滑に低下しにくくなる。一方、熱膨張性粘着層の厚さが厚すぎると、加熱処理による発泡後に、熱膨張性粘着層に凝集破壊が生じやすくなる。
[ゴム状有機弾性層]
図1(b)では、加熱剥離性粘着シートの変形性の付与や加熱後の剥離性の向上などの点より、ゴム状有機弾性層が設けられているが、ゴム状有機弾性層は、必要に応じて設けられる層であり、必ずしも設けられていなくてもよい。このように、ゴム状有機弾性層を設けることにより、加熱剥離性粘着シートを、熱膨張性粘着層を利用して被着体(被加工品など)に接着させる際に、前記加熱剥離性粘着シートにおける熱膨張性粘着層の表面を被着体の表面形状に良好に追従させて、接着面積を大きくすることができ、また、前記加熱剥離性粘着シートを被着体から加熱剥離させる際に、熱膨張性粘着層の加熱膨張を高度に(精度よく)コントロールし、熱膨張性粘着層を厚さ方向へ優先的に且つ均一に膨張させることができる。すなわち、ゴム状有機弾性層は、加熱剥離性粘着シートを被着体に接着させる際にその表面が被着体の表面形状に追従して大きい接着面積を提供する働きと、加熱剥離性粘着シートより被着体を剥離するために熱膨張性粘着層を加熱して発泡及び/又は膨張させる際に加熱剥離性粘着シートの面方向における発泡及び/又は膨張の拘束を少なくして熱膨張性粘着層が三次元的構造変化することによるウネリ構造形成を助長する働きをすることができる。
ゴム状有機弾性層は、非多孔性基材と多孔性材料層との間や、多孔性材料層と熱膨張性粘着層との間に設けることができる。ゴム状有機弾性層は、1層のみが設けられていてもよく、2層以上が設けられていてもよい。また、ゴム状有機弾性層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。ゴム状有機弾性層は、熱膨張性粘着層の基材側の面に、熱膨張性粘着層に重畳させた形態で設けることが好ましい。
ゴム状有機弾性層は、例えば、ASTM D−2240に基づくD型シュアーD型硬度が、50以下、特に40以下の天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂により形成することが好ましい。前記合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂としては、例えば、ニトリル系、ジエン系、アクリル系などの合成ゴム;ポリオレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリブタジエン、軟質ポリ塩化ビニルなどのゴム弾性を有する合成樹脂などが挙げられる。なお、ポリ塩化ビニルなどのように本質的には硬質系ポリマーであっても、可塑剤や柔軟剤等の配合剤との組み合わせによりゴム弾性が発現しうる。このような組成物も、前記ゴム状有機弾性層の構成材料として使用できる。また、熱膨張性粘着層を構成する粘着剤等の粘着性物質などもゴム状有機弾性層の構成材料として用いることができる。
ゴム状有機弾性層は、例えば、前記天然ゴム、合成ゴム又はゴム弾性を有する合成樹脂などのゴム状有機弾性層形成材を含むコーティング液を所定の面上に塗布する方式(コーティング法)、前記ゴム状有機弾性層形成材からなるフィルム、又は予め1層以上の熱膨張性粘着層上に前記ゴム状有機弾性層形成材からなる層を形成した積層フィルムを接着させる方式(ドライラミネート法)、非多孔性基材の構成材料を含む樹脂組成物や、多孔性材料層の構成材料を含む樹脂組成物と、前記ゴム状有機弾性層形成材を含む樹脂組成物とを共押出しする方式(共押出し法)などの形成方法により形成することができる。
ゴム状有機弾性層の厚さは、例えば、5〜300μm、好ましくは20〜150μm程度である。なお、ゴム状有機弾性層の厚さが薄すぎると、加熱発泡後の3次元的構造変化を形成することができず、剥離性が悪化する場合がある。
ゴム状有機弾性層としては、熱膨張性粘着層などに放射線硬化性の物質を使用する際は、放射線の透過を阻害しないものを使用することが好ましい。
[セパレータ]
図1(a)〜(b)では、熱膨張性粘着層の表面(粘着面)の保護材として、セパレータ(剥離ライナー)が用いられているが、セパレータは、必要に応じて用いることができ、必ずしも用いられていなくてもよい。なお、熱膨張性粘着層以外の粘着層が設けられている場合、その粘着層の保護材としても、セパレータ(剥離ライナー)が用いられていてもよい。セパレータは、該セパレータにより保護されている粘着層(熱膨張性粘着層など)を利用する際に(すなわち、セパレータにより保護されている粘着層に被着体を貼着する際に)、剥がされる。
セパレータとしては、両面が離型面となっているものであってもよく、一方の面(片面)のみが離型面となっているものであってもよい。セパレータとしては、片面又は両面が離型面となっているセパレータが1つ又は2つ用いられていてもよく、または、両面が離型面となっているセパレータが1つのみ用いられていてもよい。
このようなセパレータとしては、公知乃至慣用の剥離紙などを使用できる。具体的には、セパレータとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離剤層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。
なお、セパレータは公知乃至慣用の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に制限されない。
[他の層]
本発明の加熱剥離性粘着シートでは、非多孔性基材の少なくとも一方の面に、多孔性材料層、熱膨張性粘着層がこの順で形成されていればよく、例えば、非多孔性基材の片面に、多孔性材料層、熱膨張性粘着層がこの順で形成された形態の加熱剥離性粘着シート、非多孔性基材の一方の面に、多孔性材料層、熱膨張性粘着層がこの順で形成され、且つ他方の面に、熱膨張性粘着層が、多孔性材料層を介して又は介さずに形成された形態の加熱剥離性粘着シート、非多孔性基材の一方の面に、多孔性材料層、熱膨張性粘着層がこの順で形成され、且つ他方の面に非熱膨張性粘着層(熱膨張性を有していない粘着層)が形成された形態の加熱剥離性粘着シートなどが挙げられる。
また、本発明の加熱剥離性粘着シートでは、非多孔性基材と熱膨張性粘着層の間に(すなわち、非多孔性基材と多孔性材料層との間や、多孔性材料層と熱膨張性粘着層との間に)、1層又は2層以上の中間層(ゴム状有機弾性層、剥離剤層、下塗り剤層など)を有していてもよい。
(非熱膨張性粘着層)
非熱膨張性粘着層を形成するための粘着剤としては、特に制限されず、上記熱膨張性粘着層において用いられる粘着剤として例示された粘着剤(例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、クリ−プ特性改良型粘着剤、放射線硬化型粘着剤など)等の公知乃至慣用の粘着剤を用いることができる。これらの粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。非熱膨張性粘着層を形成するための粘着剤には、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分などのほかに、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤、粘着付与剤、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤などの適宜な添加剤が配合されていてもよい。
非熱膨張性粘着層の厚さとしては、例えば、300μm以下(例えば、1〜300μm、好ましくは5〜100μm)であってもよい。なお、非熱膨張性粘着層の形成方法としては、前記熱膨張性粘着層と同様の方法(例えば、所定の面材上に塗布する方法、セパレータ上に塗布して粘着層を形成した後、これを所定の面上に転写する方法など)を利用することができる。なお、非熱膨張性粘着層は単層構造、多層構造の何れの構造を有していてもよい。
本発明の加熱剥離性粘着シートは、両面が粘着面(接着面)となっている両面粘着シートの形態、片面のみが粘着面となっている粘着シートの形態のいずれの形態を有していてもよい。本発明では、加熱剥離性粘着シートとしては、非多孔性基材の片面側のみに粘着層(すなわち、熱膨張性粘着層)が形成されている形態の加熱剥離性粘着シートが好適である。
また、加熱剥離性粘着シートは、ロール状に巻回された形態で形成されていてもよく、シートが積層された形態で形成されていてもよい。加熱剥離性粘着シートが、例えば、片面のみが粘着面となっており、且つロール状に巻回された形態を有している場合、熱膨張性粘着層を、セパレータにより保護した状態でロール状に巻回して、すなわち、非多孔性基材と、前記非多孔性基材の一方の面に多孔性材料層を介して形成された熱膨張性粘着層と、該熱膨張性粘着層上に形成されたセパレータとで構成された状態でロール状に巻回して、ロール状に巻回された状態又は形態の加熱剥離性粘着シートとして作製することができる。なお、ロール状に巻回された状態又は形態の加熱剥離性粘着シートとしては、非多孔性基材と、前記非多孔性基材の一方の面に多孔性材料層を介して形成された熱膨張性粘着層と、前記非多孔性基材の他方の面に形成された剥離処理層(背面処理層)とで構成されていてもよい。
このように、加熱剥離性粘着シートは、シート状、テープ状などの形態を有することができる。
本発明の加熱剥離性粘着シートは、前記構成を有しているので、被加工品を加工する際に、被加工品を固定するために用いられる加熱剥離性粘着シートとして好適に用いることができる。また、加熱剥離性粘着シートは、被着体を搬送する際の保護材としても用いることができる。さらにまた、加熱剥離性粘着シートは、リサイクルラベルとしても好適に用いることができる。
加熱剥離性粘着シートを、被加工品の加工の際の固定用(仮固定用)の加熱剥離性粘着シートとして用いる場合、熱膨張性粘着層上に加工する被加工品(被着体)を貼り合わせて、被加工品に加工処理を施すことにより、被加工品を加工することができる。なお、被加工品に加工処理を施す際の工程としては、任意に選択することができ、例えば、グリーンシートへの電極印刷工程(パターン形成工程など)、積層工程、加圧工程(加圧プレス工程)、切断工程(研磨処理工程、ダイシング工程など)、焼成工程などが挙げられ、その他に、組み立て工程なども挙げられる。
そして、被加工品に加工処理を施した後(特に、粘着目的達成後、又は接着状態を解きたいとき)には、熱膨張性粘着層中の発泡剤の発泡開始温度以上の温度に加熱することにより、粘着力を低減させて、加工処理が施された被加工品を剥離乃至分離して、加工処理が施された被加工品(加工品)を単離することができる。なお、加工処理が施された被加工品を剥離乃至分離する際の加熱処理方法としては、例えば、ホットプレート、熱風乾燥機、近赤外線ランプ、エアードライヤーなどの適宜な加熱手段を利用して行うことができる。加熱温度は、熱膨張性粘着層中の発泡剤(熱膨張性微小球など)の熱膨張開始温度(発泡開始温度)以上であればよいが、加熱処理の条件は、被加工品の表面状態や発泡剤(熱膨張性微小球など)の種類等による接着面積の減少性、非多孔性基材や被加工品の耐熱性、加熱方法(熱容量、加熱手段等)などにより適宜設定できる。一般的な加熱処理条件としては、温度100〜250℃で、1〜90秒間(ホットプレートなど)または5〜15分間(熱風乾燥機など)である。なお、加熱処理は使用目的に応じて適宜な段階で行うことができる。また、加熱源としては、赤外線ランプや加熱水を用いることができる場合もある。
なお、本発明の加熱剥離性粘着シートにより保持する物品(被着体または被加工品)は任意に選択することができる。具体的には、被着体としては、半導体ウエハ(シリコンウエハなど)や半導体チップなどの電子系部品類;セラミックコンデンサや発振子などの電気系物品類;液晶セルなどの表示デバイス類の他、サーマルヘッド、太陽電池、プリント基板(積層セラミックシートなど)、いわゆる「グリーンシート」などの種々の物品が挙げられる。被着体は単独であってもよく、又は2種以上組み合わせられていてもよい。
このように、加熱剥離性粘着シートに被着体(被加工品)を貼着させた後、加工処理を施すことにより各種加工品(加工された被着体)を得ることができる。例えば、被着体として、半導体ウエハなどの電子系部品類を用いた場合、加工品として電子部品や回路基板などを得ることができる。また、被着体として、セラミックコンデンサ用のグリーンシートを用いた場合、加工品として積層セラミックコンデンサなどを得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
非多孔性基材としてのポリエステルフィルム(商品名「メリネックスS−100μ」帝人デュポンフィルム社製;厚さ:100μm)上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、120℃で3分間加熱乾燥して、ゴム状有機弾性層を形成し、該ゴム状有機弾性層上に、不織布(商品名「CB−125原紙」日本大昭和板紙西日本株式会社製;厚さ:約50μm、気孔率:70%)を貼り合わせて、非多孔性基材上にゴム状有機弾性層を介して、多孔質材料層としての不織布層を形成した。
また、セパレータ上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、120℃で3分間加熱乾燥して、ゴム状有機弾性層を形成し、該ゴム状有機弾性層が、非多孔性基材上に形成された不織布層と接触する形態で、セパレータ上のゴム状有機弾性層を不織布層に貼り合わせ、セパレータを除去した。
次いで、セパレータ上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1.5重量部と、ロジンフェノール系粘着付与剤(商品名「スミライトレジンPR−12603N」住友ベークライト社製):10重量部と、発泡剤としての熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−501D」松本油脂製薬社製):30重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、70℃で3分間加熱乾燥して、熱膨張性粘着層を形成し、該熱膨張性粘着層が、不織布層上に形成されたゴム状有機弾性層と接触する形態で、セパレータ上の熱膨張性粘着層をゴム状有機弾性層に貼り合わせて、「非多孔性基材/ゴム状有機弾性層/不織布層/ゴム状有機弾性層/熱膨張性粘着層/セパレータ」の層構成を有する加熱剥離性粘着シートを作製した。
(実施例2)
非多孔性基材としてのポリエステルフィルム(商品名「メリネックスS−100μ」帝人デュポンフィルム社製;厚さ:100μm)上に、ウレタンポリマー:50重量部に対して、アクリル酸ブチル:35重量部と、アクリル酸:15重量部と、光重合開始剤として商品名「イルガキュアー2959」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製):0.15重量部と、発泡剤としての熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−50D」松本油脂製薬社製;発泡開始温度:120℃):30重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を塗布し、紫外線を照射して硬化させた後、さらに、120℃の加熱処理を加え発泡剤を発泡させて、多孔性材料層としての発泡体層(厚さ:約150μm、気孔率:80%)を形成した。
次いで、セパレータ上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1.5重量部と、ロジンフェノール系粘着付与剤(商品名「スミライトレジンPR−12603N」住友ベークライト社製):10重量部と、発泡剤としての熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−501D」松本油脂製薬社製):30重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、70℃で3分間加熱乾燥して、熱膨張性粘着層を形成し、該熱膨張性粘着層が、非多孔性基材上に形成された発泡体層と接触する形態で、セパレータ上の熱膨張性粘着層を発泡体層に貼り合わせて、「非多孔性基材/発泡体層/熱膨張性粘着層/セパレータ」の層構成を有する加熱剥離性粘着シートを作製した。
(比較例1)
非多孔性基材としてのポリエステルフィルム(商品名「メリネックスS−100μ」帝人デュポンフィルム社製;厚さ:100μm)上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、120℃で3分間加熱乾燥してゴム状有機弾性層を形成した。
次いで、セパレータ上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1.5重量部と、ロジンフェノール系粘着付与剤(商品名「スミライトレジンPR−12603N」住友ベークライト社製):10重量部と、発泡剤としての熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−501D」松本油脂製薬社製):30重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、70℃で3分間加熱乾燥して、熱膨張性粘着層を形成し、該熱膨張性粘着層が、非多孔性基材上に形成されたゴム状有機弾性層と接触する形態で、セパレータ上の熱膨張性粘着層をゴム状有機弾性層に貼り合わせて、「非多孔性基材/ゴム状有機弾性層/熱膨張性粘着層/セパレータ」の層構成を有する加熱剥離性粘着シートを作製した。
(比較例2)
非多孔性基材としてのポリエステルフィルム(商品名「メリネックスS−100μ」帝人デュポンフィルム社製;厚さ:100μm)上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):1重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、120℃で3分間加熱乾燥してゴム状有機弾性層を形成した。
次いで、セパレータ上に、アクリル系共重合体(アクリル酸エチル:70重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル:30重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル:5重量部をモノマー成分とするアクリル系共重合体):100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業社製):0.8重量部と、ロジンフェノール系粘着付与剤(商品名「スミライトレジンPR−12603N」住友ベークライト社製):10重量部と、発泡剤としての熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−501D」松本油脂製薬社製):30重量部と、溶媒としてトルエンとを含む樹脂組成物(混合物)を、乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、70℃で3分間加熱乾燥して、熱膨張性粘着層を形成し、該熱膨張性粘着層が、非多孔性基材上に形成されたゴム状有機弾性層と接触する形態で、セパレータ上の熱膨張性粘着層をゴム状有機弾性層に貼り合わせて、「非多孔性基材/ゴム状有機弾性層/熱膨張性粘着層/セパレータ」の層構成を有する加熱剥離性粘着シートを作製した。
(評価)
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた加熱剥離性粘着シートについて、以下の測定方法又は評価方法により、粘着力、加熱剥離性を測定又は評価した。
(粘着力の測定方法)
加熱剥離性粘着シートを幅20mm、長さ140mmのサイズに切断して、測定用サンプルを作製する。また、被着体として、超音波洗浄したステンレス板(BA304)を用いる。測定用サンプルからセパレータを剥離した後、23±2℃且つ50±5%RHの雰囲気下、熱膨張性粘着層上にステンレス板をJIS Z 0237に準じて貼り合わせた後(具体的には、温度:23±2℃および湿度:50±5%RHの雰囲気下で、2kgのローラーを1往復させて圧着して貼り合わせる)、23℃に設定された恒温槽付き引張試験機(商品名「島津オートグラフAG−1 20kN」島津製作所社製)にセットし、30分間放置する。放置後、加熱剥離性粘着シートを、剥離角度:180°、引張速度:300mm/minの条件で引き剥がした時の最大荷重(測定初期のピークトップを除いた荷重の最大値)を測定し、この最大荷重を粘着力として、粘着力(剥離角度:180°、引張速度:300mm/min、温度:23℃±2、湿度:50±5%RH;N/20mm)を求める。なお、該粘着力は、表1の「粘着力(N/20mm)」の欄に示した。
(加熱剥離性の評価方法)
加熱剥離性粘着シートを幅10mm、長さ40mmのサイズに切断して、測定用サンプルを作製する。また、被着体として、超音波洗浄したステンレス板(BA304)を用いる。測定用サンプルからセパレータを剥離した後、23±2℃且つ50±5%RHの雰囲気下、熱膨張性粘着層上にステンレス板をハンドローラーを用いて貼り合わせた後、50℃の雰囲気の乾燥機中にて1日間保存する。保存後、乾燥機から取り出し、室温で冷却した後、130℃で10分間の加熱処理(熱風乾燥機による加熱処理)を施し、加熱剥離性粘着シート上に貼着されたステンレス板の剥離状態を目視で観察し、ステンレス板が加熱剥離性粘着シートから剥離している場合を「○」とし、剥離していない場合を「×」として、加熱剥離性粘着シートの加熱剥離性を評価した。評価結果は、表1の「加熱剥離性」の欄に示した。
Figure 2007231187
表1より明らかなように、実施例1〜2に係る加熱剥離性粘着シートと、比較例1に係る加熱剥離性粘着シートとは、同一の熱膨張性粘着層を有しているが、実施例1〜2に係る加熱剥離性粘着シートは、非多孔性基材と熱膨張性粘着層との間に多孔性材料層を有しているので、比較例1に係る加熱剥離性粘着シートよりも、粘着力が高く優れている。また、実施例1〜2に係る加熱剥離性粘着シートは、比較例2に係る加熱剥離性粘着シートよりも、加熱剥離性が優れ、被着体より容易に剥離させることが可能である特性を有している。
従って、本発明に相当する実施例1〜2に係る加熱剥離性粘着シートは、被着体に対する粘着性が高められていても、任意な時に加熱処理により、容易に被着体より剥離させることが可能であり、より強固な粘着性と、容易な剥離性とを両立していることが確認された。
本発明の加熱剥離性粘着シートの一例を部分的に示す概略断面図である。
符号の説明
1a、1b 加熱剥離性粘着シート
2 非多孔性基材
3 多孔性材料層
4 ゴム状有機弾性層
5 熱膨張性粘着層
6 セパレータ(剥離ライナー)

Claims (7)

  1. 非多孔性基材の少なくとも一方の面に発泡剤を含有する熱膨張性粘着層が形成された加熱剥離性粘着シートであって、非多孔性基材と、非多孔性基材の少なくとも一方の面に形成された熱膨張性粘着層との間に、多孔性材料層を有していることを特徴とする加熱剥離性粘着シート。
  2. 多孔性材料層の気孔率が10%以上である請求項1記載の加熱剥離性粘着シート。
  3. 多孔性材料層が、繊維材料を用いて形成された繊維系多孔性材料層、または、樹脂材料を用いて気泡形成により形成された樹脂系多孔性材料層である請求項1又は2記載の加熱剥離性粘着シート。
  4. 繊維系多孔性材料層が不織布層である請求項3記載の加熱剥離性粘着シート。
  5. 多孔性材料層の厚さが5〜250μmである請求項1〜4の何れかの項に記載の加熱剥離性粘着シート。
  6. 非多孔性基材と多孔性材料層との間、及び/又は、多孔性材料層と熱膨張性粘着層との間に、ゴム状有機弾性層を有している請求項1〜5の何れかの項に記載の加熱剥離性粘着シート。
  7. 非多孔性基材がプラスチックフィルム又はシートである請求項1〜6の何れかの項に記載の加熱剥離性粘着シート。
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