JP2004039647A - 抵抗発熱体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抵抗発熱部とその両端に接続する一対の電極と、その電極に接続するリード端子を有する抵抗発熱体において、短時間に昇温・降温を繰り返す使用形態下においても電極とリード端子との接続部断線を抑制できる抵抗発熱体を提供する。
【解決手段】 電極3とリード端子2との接続部1が、電極3の構成材料とリード端子2の構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合し、固化した状態とする。このとき接続部1は、2種以上の合金が混在した状態にあることが好ましい。前記合金は、Ag−Pd系、Ag−Pd−Cu系、Ag−Pd−Ni系、Ag−Pd−Ni−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu−Ni系等である。
【選択図】図1

Description

 本発明は、サーマルヘッド等の発熱素子に用いられる抵抗発熱体、及びその製造方法に関する。
 特開平11−138881号公報には、絶縁基板表面に発熱用抵抗体、絶縁基板裏面にチップサーミスタが配された抵抗発熱体が開示されている。当該絶縁基板裏面には、前記発熱用抵抗体とチップサーミスタと電気的に接続する電極が配され、当該電極に接続するリード端子を備えている。ここでの電極とリード端子との接続手段ははんだ付けである。
特開平11−138881号公報
 しかしながら従来の、はんだごてを用いたはんだ付けによる電極とリード端子との接続手段による抵抗発熱体は、多数回に亘り急激に抵抗発熱体の昇温・降温を繰り返す使用形態では、電極とリード端子との接続部断線の不具合を生じることが明らかになってきた。上記多数回に亘り急激に抵抗発熱体の昇温・降温を繰り返す使用形態とは、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム層等の上に熱可逆性記録層としての低分子組成物を配置した熱可逆性情報記録表示シート(リライトカード)への情報印字・消去用途のサーマルヘッド(抵抗発熱体)の使用形態である。この場合抵抗発熱体を数秒間で常温から90〜170℃まで昇温させ、その温度を数秒間保持し、その後自然冷却により1分間程度で常温までの降温を多数回(本発明の対象とする抵抗発熱体では4万回以上とする。以下同じ。)繰り返す。
 本発明は上述した事情に鑑みて為されたもので、短時間に昇温・降温を4万回以上繰り返す使用形態下においても、電極とリード端子との接続部断線を抑制できる抵抗発熱体及びその製造方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するため、本発明の抵抗発熱部4と抵抗発熱部4の両端に接続する一対の電極3と、電極3に接続するリード端子2を有する抵抗発熱体は、電極3とリード端子2との接続部1(以下、単に「接続部1」と記す)が、電極3構成材料とリード端子2構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合し、固化した状態にあることを特徴とする。
 また上記課題を解決するため、本発明の絶縁基板表面に抵抗発熱部4、絶縁基板裏面にチップサーミスタ6及びチップサーミスタ6の端子と電気的に接続する電極3bが配され、電極3bに接続するリード端子2は、電極3と接続されるリード端子2との接続部1と同様に、電極3bの構成材料とリード端子2の構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合し、固化した状態にあることを特徴とする。
 上記したはんだ付けによる従来の接続部は、電極3,3b及びリード端子2が互いに溶融・混合し、固化していない。即ち、従来の接続部は、電極とリード端子の間隙にはんだが存在して接続を保っている。厳密に言えば前記はんだと電極、はんだとリード端子との界面では金属の拡散が起こっていると思われるが、それには前記界面における接続強度を飛躍的に高める作用はない。従って、従来の接続部は、本発明に係る電極3とリード端子2のそれぞれが互いに溶融・混合して、固化した接続部1のような強固なものでない。これに対して、上記本発明の構成によれば、短時間に昇温・降温を4万回以上繰り返す使用形態下においても、電極とリード端子との接続部断線を抑制できる抵抗発熱体を提供することができる。
 短時間に昇温・降温を多数回繰り返す使用形態下における接続部断線の抑制に寄与する主たる要因は、接続部接続強度と考えられる。他の要因としては、接続部を構成する材料の温度膨張係数の違いや、接続部の異種金属接合による局部電池形成に起因する腐食の影響やその他の要因がある。そして上記接続部断線の抑制への従たる寄与には、これらの要因が複雑に関与していると考えられる。
 本発明者は、後述する手法による本発明で得られた接続部1を解析したところ、上記接続部断線を抑制できる接続部1は、図1に示すように2種以上の合金が混在した状態にあることがわかった。このような状態を形成することで、上記接続部を構成する材料の温度膨張係数の違いや、接続部の異種金属接合による局部電池形成に起因する腐食の影響やその他の要因に起因する、短時間に昇温・降温を多数回繰り返す使用形態下における接続部断線の抑制に何らかの寄与をしているものと考えられる。上記合金は、例えばAg−Pd系、Ag−Pd−Cu系、Ag−Pd−Ni系、Ag−Pd−Ni−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu−Ni系等から選ばれる2種以上である。これらは合金の主な構成成分を示しており、不純物程度の微量成分を示していない。また本発明においては、同組成の合金であって各成分比(合金組成比)が異なるものについては、同種の合金とする。
 上記した本発明の構成に加え、リード端子2と電極3,3bとの接触部におけるリード端子2(図2参照)と電極3との双方の形状が平板状であり、且つ双方の平板面同士が当接しており、双方の平板厚みが0.5mm以下であることが好ましい。上記平板とする利点は、リード端子2と電極3との接触部を平板面とすることにより、接続部1形成時の操作性が良好なこと、また接続手段をスポット溶接又は超音波溶接、又はレーザ溶接とした際、リード端子2への溶接具等(スポット溶接用電極、超音波溶接用ホーン、レーザ溶接のビード)の配置を可能とする面積を確保できること等がある。また、過剰に平板が厚いと、接続手段をスポット溶接又は超音波溶接とした際には溶接具を平板に高加重で当接させなければ良好な接続部1を得ることができない。このため、溶接具の早期摩耗のおそれや、またアルミナ板5等の絶縁基板面上に平板状電極3,3bを形成した場合には、前記高加重により前記絶縁基板を割ってしまうおそれがある。また過剰に平板が厚いと、接続手段をレーザ溶接とした際には、平板の熱容量が大きいため、接続操作には大きなエネルギーを要する。これらのことを考慮して平板厚みを概ね0.5mm以下とするのが好ましい。前記概ねと記した理由は、平板の材質によってこの場合の適当な厚みの値が変動すると思われるためである。
 また、上記本発明の構成に加えて、電極3,3bがアルミナ等の絶縁基板上に厚膜技術により形成されたものであることが好ましい。前記厚膜技術は、例えばAg−Pd系メタルグレーズをアルミナ基板面上にスクリーン印刷後焼成して、厚み数μm〜十数μmの平板(皮膜)電極を得る技術である。このような厚膜技術は、他の技術に比してその製造に際してコストを抑制できる利点、量産性に優れる利点を兼ね備えている。
 また上記本発明の構成に加えて、リード端子2が、金属箔、金属板又は金属線を絶縁材料にて被覆したものであり、当該リード端子を複数前記絶縁材料で一体化したものであることが好ましい(図4参照)。その理由は、抵抗発熱体には複数本のリード端子が必要であり、それらを必要分一体化することにより、量産時のリード端子2の取扱性が良好となるためである。また抵抗発熱体製造後においても、それを種々の電気・電子機器に組み込む際に作業性が良好となる。また、図4に示すように、予め溶接箇所にリード端子被溶接部が位置するように加工しておき、量産時のリード端子取扱性を更に良好とすることも可能である。
 上記絶縁材料は、ポリイミドやフッ化ポリエチレン系等からなるビニール等が好適に使用できる。また上記金属箔は厚み数十〜数百μmのCu箔等である。また上記金属板は厚み数百μm以上のCu板等である。また上記金属線は、1本又は複数本のCu線等である。
 上記金属箔または金属板の使用により、リード端子と電極との双方が平板状であり、且つ双方の平板厚みが0.5mm以下という構成を容易に実現できる。つまり上記金属線を用いて本発明の構成を実施しようとすると、図2に示すように、平板部8を別に設ける必要がある。図2に示したリード端子2は、ビニール被覆銅線の銅線露出部で加締め固定する加締め部9aと、銅線11を束ねて加締め固定する加締め部9bと、平板部8が一体化した平板部材からなる。そこで上記金属箔または金属板の平板部8としての使用により、加締め部等を設ける必要がなくなる利点がある。
 本発明の抵抗発熱体の製造方法は、絶縁基板上に抵抗発熱部4及び抵抗発熱部4の両端に接続する一対の電極3を形成する工程と、次いで電極3の構成材料とリード端子2の構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合後、固化した状態を形成するように、溶接により電極3とリード端子2とを接続する工程とを有することを特徴とする。上記絶縁基板はアルミナ板5等である。また抵抗発熱部4は、酸化ルテニウム、Ag−Pd合金等を主成分とした厚膜(スクリーン印刷等による)や薄膜(スパッタリング等による)等である。また電極3の構成材料は、Ag−Pd合金等である。またリード端子2の構成材料は、Cu表面をNi、Ag、Sn−Pb合金(例えばSn:Pb=9:1)から選ばれる1種以上で、少なくとも接続しようとする箇所を被覆したものである。また上記溶接技術は、スポット溶接技術、超音波溶接技術、レーザ溶接技術等である。
 また本発明の抵抗発熱体は、上記した全ての本発明の抵抗発熱体を、常温から40℃/秒以上の昇温速度で100℃以上まで昇温させ、その後常温に戻す過程を多数回(4万回以上)繰り返す用途に用いて好適である。上記のように40℃/秒以上の昇温速度、100℃以上までの昇温、その後常温に戻す、といった各条件は、本発明の接続部断線の抑制効果を顕著に得ることができる条件である。例えば40℃/秒未満の昇温速度、又は100℃未満までの昇温条件では、従来のはんだ付けにより形成した接続部に比べて本発明の接続部1の方が、接続部断線の抑制効果に多少優れてはいるが、顕著性が得られにくい。上記用途の具体例は、リライトカードへの印字又はリライトカードへ印字した字の消去用発熱体としての用途である。一例を挙げると、120℃/秒で150℃まで昇温し、2〜3秒間150℃を保持し、その後自然冷却させる過程を4万回以上繰り返す用途である。
 本発明により、短時間に昇温・降温を繰り返す使用形態下においても、電極3とリード端子2との接続部断線を抑制できる抵抗発熱体を提供することができる。
 本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に説明する。
(製法例)まず図3に示すように、厚み0.8mmの絶縁基板としてのアルミナ板5のスルーホール12周縁付近表面に、Ag−Pd合金粉末とガラスフリットを含む導電ペーストをスクリーン印刷焼成して、電極3を形成する(膜厚10〜12μm)。次いでアルミナ板5のスルーホール12の裏側周縁付近及びそこからスルーホール12内に伸びるように前記導電ペーストをスクリーン印刷焼成して裏面側電極3を形成する。これでアルミナ板5表面に形成した電極3とアルミナ板5裏面に形成した電極3とがスルーホール12を介して繋がったことになる。また、後述するチップサーミスタ6をアルミナ板5裏面に装着するための電極3bも同時に形成する。
 次いでAg−Pd合金粉末を主成分とする抵抗体ペーストをアルミナ板5表面にスクリーン印刷焼成して形成する。このとき抵抗体4の両端が、先に形成された電極3に一部重畳するように抵抗体を形成する。この抵抗体4が抵抗発熱部となる。その後、ホウ珪酸鉛系ガラス7を主成分とするペーストを抵抗体全面、及び電極3,3bの一部分を残し、スクリーン印刷焼成することで、抵抗体4膜の全面及び電極3膜の一部分を被覆して保護する。その後アルミナ板5に予め施されている分割用溝9に沿ってアルミナ板5を分割する。そしてチップサーミスタ6を、アルミナ板5裏面のチップサーミスタ6用電極3b部にチップサーミスタ6の端子が接触した状態で、シリコーン系接着剤により固定する。このとき、チップサーミスタ6を固定する電極3bの一部を露出しておいて、後述するリード端子2との接続部を確保しておく。
 図2に示したリード端子2は、フッ化ポリエチレン系ビニール被覆銅線10の銅線露出部で加締め固定する加締め部9aと、銅線11を束ねて加締め固定する加締め部9bと、平板部8が一体化した部材からなる。前記平板部は、厚み0.1mmのCu板表面にAgをメッキにより被覆したものである。Agメッキ厚みは数μmである。この部材を加締め部9bでビニール被覆銅線の芯線露出部11と接続することで、平板部8を備えたリード端子2が構成される。リード端子2の平板面8と、抵抗体と接続している電極3(裏面側)の露出面とを接触させながら、リード端子2の平板面のみに2つの直径約1mmの溶接用電極を当接し、それらの溶接用電極間に電流印加してリード端子2と電極3とをスポット溶接した。溶接条件は、50ミリ秒の休止を挟み15ミリ秒ずつ0.45kWを2パルス印加する。溶接用電極によるリード端子2への押圧力は、溶接後の溶接用電極痕が深さ約0.1mmとなる程度とした。電極3の膜厚が10〜12μmであることから、リード端子2平板が局部的に薄くなって、溶接後の溶接用電極痕深さが約0.1mmとなったと考えられる。リード端子2の平板面8と、チップサーミスタ6と接続している電極3bの露出面との溶接についても上記溶接条件と同様にした。以上の工程を経ることにより、本発明の抵抗発熱体が完成する。
 この接続部1の断面を観察・分析した。すると図1に示すようにAg−Pd−Cu合金と、Ag−Pd合金とが混在している状態にあった。図1に示した状態は一例であって、その他の例として、厚膜からなる電極3の接続部1に相当する部分に微少な空洞が存在し、その中や周辺にAg−Pd−Cu合金と、Ag−Pd合金とが散在している状態のものも確認された。これら複数の合金の混在が、短時間に昇温・降温を多数回繰り返す使用形態下における接続部1断線の抑制に寄与していると考えられる。
 次に各種試作品の試験結果について述べる。上記製造方法に従った本発明の抵抗発熱体(A)と、リード端子と電極との接続手段を従来のはんだ付けとした以外は抵抗発熱体(A)と同じ製造方法による抵抗発熱体(B)と、リード端子2の平板面8にAg被覆を施さない以外は抵抗発熱体(A)とほぼ同じ製法(抵抗発熱体(A)と同程度の溶接強度(固着強度)を得るよう溶接時の通電電流密度を調整した。)による抵抗発熱体(C)と、リード端子2平板を電極材料と実質的に同組成の金属(Ag−Pd系合金)とした以外は抵抗発熱体(A)とほぼ同じ製法(抵抗発熱体(A)と同程度の溶接強度(固着強度)を得るよう溶接時の通電電流密度を調整した。)による抵抗発熱体(D)について比較試験した。
 試験条件は、抵抗発熱体(A)〜(D)を20〜30℃雰囲気に保持した部屋に置き、抵抗発熱体(A)〜(D)をそれぞれ昇温速度100℃/秒以上で110〜170℃まで昇温し、そのまま110〜170℃を約3秒間維持し、その後20〜30℃に戻るまでの約1分間自然冷却するサイクルを繰り返す条件である。上記試験(n=20)の結果、抵抗発熱体(B)は約30000サイクルに満たない時点で、殆どのものがはんだ付け部においてリード端子の外れが確認されたが、抵抗発熱体(A)、抵抗発熱体(D)は70000サイクル経過時点でもリード端子2が外れているものが全くなかった。抵抗発熱体(C)は60000サイクル経過時点で接続部におけるリード端子2が外れるものが発生し始めた。
 本実施形態では抵抗発熱体(A)、つまりCu板表面にAgを被覆したリード端子2と、Ag−Pd系合金を含む電極3とを接続した場合について検証している。また、Cu表面をAg、Ni、Sn−Pb系合金から選ばれる1種以上を少なくとも接続しようとする箇所を被覆したリード端子2と、Ag−Pd系合金を含む電極3とを、上述した条件で接続すると、抵抗発熱体(A)と同様の接続部断線抑制効果が得られた。これらの場合接続部1において形成される合金は、Ag−Pd系、Ag−Pd−Cu系、Ag−Pd−Ni系、Ag−Pd−Ni−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu−Ni系である。これらから選ばれる2種以上の合金が接続部1に混在していると、抵抗発熱体(A)と同様の接続部断線抑制効果が得られた。
 また、本実施形態では抵抗発熱体(C)、つまりCuのみの板からなるリード端子2と、Ag−Pd系合金を含む電極3とを接続した場合について検証している。この場合、接続部1を構成する物質は、Ag−Pd−Cu系合金の1種類のみである。抵抗発熱体(C)の接続部1は溶接操作直後の抵抗発熱体(A)の接続部1と溶接強度はほぼ等しいが、本試験に供すると僅かではあるが、短時間に昇温・降温を繰り返す使用形態下における接続部断線抑制効果が得られにくいことがわかる。これで抵抗発熱体(A)における、2種以上の合金が接続部1に混在している効果を実証できた。また、接続強度を高める(はんだ付けから溶接へ接続手段を変える)ことで短時間に昇温・降温を繰り返す使用形態下における接続部断線抑制効果が得られる(抵抗発熱体(C)は、抵抗発熱体(A)の約2倍抑制できている。)ことも実証できた。
 また、本実施形態では抵抗発熱体(D)、共にAg−Pd系合金を有するリード端子2と、電極3とを接続した、リード端子2と、電極3とが実質的に同組成の場合について検証している。結果的に抵抗発熱体(C)よりも勝る短時間に昇温・降温を繰り返す使用形態下における接続部断線抑制効果が得られることがわかった。
 尚、本実施形態では抵抗発熱部4にスクリーン印刷による厚膜を採用したが、塗布手段による厚膜、スパッタリング、メッキ、蒸着やCVD等による薄膜や、板材、棒材も適用可能である。また本例では抵抗発熱部4層の材質をAg−Pd合金としたが、酸化ルテニウム、炭素材、Ni−Cr系等の合金等も採用可能である。また、本実施形態では抵抗体4の膜及び電極3の膜を保護する目的で、ホウ珪酸鉛系ガラス7を主成分とするペーストを抵抗体4の全面、及び電極3の一部を残し、電極3のほぼ全面に配したが、その用途によってこの被膜は必要ない。また抵抗体4の膜及び電極3の膜を保護する膜を配する場合でも、ホウ珪酸鉛系ガラス以外の材料、例えばアクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂層等を適宜選択できる。
 また、本実施形態では接続部1の接続手段にスポット溶接を採用したが、超音波溶接、レーザ溶接、又はこれらの併用としてもよい。但し、設備及び製造コスト、設備の所要占有面積・占有体積等を考慮するとスポット溶接が好ましい手段と言える。また、本実施形態ではリード端子2の銅線を被覆する材料に、フッ化ポリエチレン系のビニールを用いているが、その他架橋フッ素ゴム、ビニルポリオレフィン、ポリエチレン等が使用できる。また本実施形態では図2に示すリード端子2を用いているが、図4に示すように、厚さ80μmの銅箔等をポリイミドからなる絶縁部材(ビニール)で被覆したリード端子2を4本ビニール部で一体化したいわゆるフラットケーブルを用いることもできる。4本のリード端子2は、それぞれ抵抗体4と接続している一対の電極3、チップサーミスタ6と接続している一対の電極3との接続用リード端子である。またリード端子2の絶縁材料部での一体化法には、図4に示すフラットケーブル化の他に、例えば単純にリード端子2の絶縁材料部を束ねて一体化する手法等がある。
 本発明は、抵抗発熱体を発熱素子として用いるサーマルヘッド等の産業上の利用可能性を有する。
本発明に係る接続部断面図である。 本発明に係るリード端子を示す図である。 本発明の実施の形態の抵抗発熱体の絶縁基板表面側および裏面側のパターン図である。 本発明の他の実施の形態の電極とリード端子の接続例を示す図である。
符号の説明
1 接続部
2 リード端子
3 電極
4 抵抗発熱部(抵抗体)
5 アルミナ板
6 チップサーミスタ
7 ガラス
9 分割用溝
12 スルーホール

Claims (14)

  1.  抵抗発熱部と該抵抗発熱部の両端に接続する一対の電極と、該電極に接続するリード端子を有する抵抗発熱体において、前記電極とリード端子との接続部が、前記電極構成材料と前記リード端子構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合し、固化した状態にあることを特徴とする抵抗発熱体。
  2.  前記抵抗発熱体は、絶縁基板表面に抵抗発熱部と、絶縁基板裏面に前記抵抗発熱部に接続すると共にリード端子に接続する電極を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の抵抗発熱体。
  3.  前記絶縁基板裏面にチップサーミスタに接続すると共にリード端子に接続する電極を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の抵抗発熱体。
  4.  前記電極構成材料とリード端子構成材料が実質的に同組成金属であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の抵抗発熱体。
  5.  前記接続部は、2種以上の合金が混在した状態にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の抵抗発熱体。
  6.  前記合金が、Ag−Pd系、Ag−Pd−Cu系、Ag−Pd−Ni系、Ag−Pd−Ni−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu系、Ag−Pd−Sn−Pb−Cu−Ni系のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の抵抗発熱体。
  7.  前記リード端子と電極との接触部における、前記リード端子と電極との双方の形状が平板状であり、且つ双方の平板面同士が当接しており、双方の平板厚みが0.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の抵抗発熱体。
  8. 前記抵抗発熱部及び電極が絶縁基板上に配されており、該電極が厚膜技術により形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の抵抗発熱体。
  9.  前記リード端子が、金属箔、金属板又は金属線を絶縁部材で被覆したものであり、該リード端子の複数が前記絶縁部材で一体化したものであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の抵抗発熱体。
  10.  絶縁基板上に抵抗発熱部及び抵抗発熱部の両端に接続する該絶縁基板の裏面側に配置した一対の電極を形成する工程と、次いで前記電極構成材料とリード端子構成材料のそれぞれが互いに溶融・混合後、固化した状態を形成するように、溶接により前記電極と前記リード端子とを接続する工程とを有することを特徴とする抵抗発熱体の製造方法。
  11.  前記電極構成材料がAg−Pd系合金であり、リード端子構成材料がCu表面をNi、Ag、Sn−Pb系合金から選ばれる1種以上で少なくとも接続しようとする箇所を被覆したものであることを特徴とする請求項10記載の抵抗発熱体の製造方法。
  12.  前記電極がAg−Pd系の厚膜電極であり、前記リード端子が平板状のCu板にAg被覆を施した材料であることを特徴とする請求項10記載の抵抗発熱体の製造方法。
  13.  前記電極がAg−Pd系の厚膜電極であり、前記リード端子が平板状のAg−Pd系合金であることを特徴とする請求項10記載の抵抗発熱体の製造方法。
  14.  前記電極に接続する平板状の金属材料の厚みが約100μmであり、溶接後の電極痕の深さが約100μmであることを特徴とする請求項12又は13記載の抵抗発熱体の製造方法。
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