JP2004039269A - 透明導電膜付基体の製造方法 - Google Patents

透明導電膜付基体の製造方法 Download PDF

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Yasuhiro Seta
瀬田 康弘
Hideaki Gondaira
権平 英昭
Tatsuya Ooashi
大芦 竜也
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Abstract

【課題】ファイバー状又は球状等の曲面又は凹凸を有する基体に極めて均一な膜厚の透明導電膜を容易に形成することができる透明導電膜付基体の製造方法を提供する。
【解決手段】ファイバー状又は球状等の曲面又は凸凹の形状を有する基体上に、直接又は中間膜を介して、パイロゾルプロセス法によって透明導電膜(ITO膜)を形成することを特徴とする透明導電膜付基体の製造方法である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明導電膜付基体の製造方法に係り、詳しくは、曲面又は凸凹の形状を有する透明導電膜付基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明導電膜(ITO膜)は、その優れた透明性と導電性を利用して、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、面発熱体、タッチパネル電極、太陽電池等に広く利用されている。
かかる透明導電膜の成膜方法としては、スパッタ法等の真空中での物理的現象を利用した物理的成膜法と、ディップ法等の化学反応を利用した化学的成膜法がある。
しかしながら、曲面や凹凸の形状を有する基体へ成膜する場合、前記スパッタ法等の物理的成膜法を用いると、該物理的成膜法は基体の一方方向から蒸着して成膜することから、曲面部や凹凸部へ均一な膜厚の透明導電膜を形成することは困難である。具体的に、例えば、石英ファイバーに透明導電膜を形成する場合、スパッタ法等の物理的成膜法では、膜厚が均一になるように成膜中に石英ファイバーを回転させなければならず、その回転速度のコントロールが非常に難しいこともあって均一な膜厚の透明導電膜を形成することは困難である。
また、化学的成膜法の一例であるディッピング法では、透明導電膜形成液を曲面や凹凸の形状を有する基体に均一に塗布することは可能であるが、次工程での加熱分解・乾燥の過程で、溶媒の均一な除去が難しいために、均一な膜厚の透明導電膜を形成することは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、曲面又は凹凸を有する基体に極めて均一な膜厚の透明導電膜を容易に形成することができる透明導電膜付基体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、曲面又は凹凸を有する基体に透明導電膜を均一に形成する方法について鋭意検討した結果、パイロゾルプロセス法を用いることにより、曲面又は凹凸を有する基体への均一な成膜が可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、パイロゾルプロセス法においては、透明導電膜形成液を超音波で霧滴にし、空気などをキャリアーガスとして加熱した成膜炉の中に投入し、均一に気体状になった透明導電膜形成液が基体の周囲に廻り込んで接触および熱分解することから、曲面部又は凹凸部であっても均一な膜厚の透明導電膜を形成することができる。
【0005】
すなわち本発明は、曲面又は凸凹の形状を有する基体上に、直接又は中間膜を介して、パイロゾルプロセス法によって透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜付基体の製造方法(請求項1)や、透明導電膜が、ITO膜であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜付基体の製造方法(請求項2)や、基体が、ファイバー状の基体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜付基体の製造方法(請求項3)や、基体が、球状の基体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜付基体の製造方法(請求項4)や、ファイバー状の基体が、石英ファイバーであることを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜付基体の製造方法(請求項5)や、中間膜が、パイロゾルプロセス法によって形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電膜付基体の製造方法(請求項6)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の透明導電膜付基体の製造方法は、曲面又は凸凹の形状を有する基体上に、直接又は中間膜を介して、パイロゾルプロセス法によって透明導電膜を形成することを特徴とする。
本発明の透明導電膜付基体の製造方法においては、パイロゾルプロセス法を用いるので、曲面又は凸凹の形状を有する基体に極めて均一な膜厚の透明導電膜を容易に形成することができる。即ち、曲面又は凸凹の形状を有する基体に均一な膜厚で成膜するのは一般に困難であるが、パイロゾルプロセス法を用いれば、加熱により昇華して気体状となった金属化合物が、曲面部や凹凸部にも均一に接触して熱分解することにより、全体として極めて均一な膜厚の透明導電膜を有する透明導電膜付基体を製造することができる。
また、平板にパイロゾルプロセス法を用いて成膜する場合には、加熱により昇華した金属化合物が平板の裏側(裏面の外周部分)まで廻り込んでしまうため、これがタッチパネル等では導電不良の原因となる場合がある。このため、平板の裏側に廻り込まないように制御する必要があるが、曲面又は凸凹の形状を有する基体(ファイバー状の基体又は球状の基体)では、むしろこの廻り込みを利用して曲面又は凹凸の外面、場合によっては(おわん型のような半球型基体等の場合)、内面にも均一な膜厚の透明導電膜を形成することができる。
【0007】
ここで、パイロゾルプロセス法とは、有機金属化合物を有機溶剤に溶解させた透明導電膜形成液を超音波によるアトマイジング法を利用して粒状の比較的そろった微小な小液滴からなるエアロゾルにし、有機金属化合物が熱分解を起こし得る温度、例えば、300〜800℃の均一な温度に管理した加熱炉内の基体上に供給して、有機金属化合物を加熱炉内で気化させ気相状態から基体上で反応させて透明導電膜を形成する方法である。
【0008】
前記基体としては、曲面又は凸凹の形状を有する基体であれば特に制限されるものではなく、部分的に曲面又は凹凸の形状を有するシート状の基体(基板)、ハニカム状の基体、ファイバー状の基体、球状の基体、発泡状の基体等であってもよいが、ファイバー状の基体又は球状の基体であることが好ましい。なお、前記曲面を有する基体は、曲率半径が1〜1000mm程度の曲面を有する基体が好ましい。
ここで、ファイバー状の基体とは、直径が0.01〜15mm程度の繊維状の基体をいい、球状の基体とは、楕円球の基体、球の一部が欠けた形状(例えば、半球)の基体、及び電球型の基体等を含み、球面が基体全表面(成膜部)の30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上であるものをいう。
前記ファイバー状の透明導電膜付基体は、光通信用ケーブルとして特に有用であり、特に、石英ファイバーであることが好ましい。また、球状の透明導電膜付基体は、照明用電極として特に有用である。
【0009】
かかる基体の材質としては、透明導電膜形成液の成分が熱分解を起こす温度で耐熱性を有するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ガラス基体、セラミックス基体、金属基体等を挙げることができる。これらのうち、本発明の透明導電膜付基体の製造方法においてはガラス基体を用いることが好ましい。ガラス基体としては、例えば、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラス等を挙げることができる。
【0010】
前記中間膜は、一層の膜であってもよく、二層以上の膜であってもよい。かかる中間膜としては、例えば、酸化シリコン膜、有機ポリシラン化合物から形成されるポリシラン膜、MgF膜、CaF膜、SiOとTiOの複合酸化物膜等を挙げることができる。これらの中間膜は、例えば、基体としてソーダーガラスを用いる場合のNaイオンの拡散防止の為に形成される。また、透明導電膜と異なる屈折率、好ましくは低屈折率の下地膜を形成することによって、反射防止或いは透明性を向上させることもできる。かかる中間膜は、一般に知られている成膜方法、例えば、スパッタ法、CVD法、スプレー法、ディップ法等により形成することができるが、パイロゾルプロセス法により形成することが曲面部や凹凸部であっても均一な膜厚の中間膜を形成することができるため好ましく、膜厚としては、特に制限されるものではないが、通常20〜200nm程度である。
【0011】
本発明において、前記基体又は中間膜上に形成される透明導電膜としては、例えば、スズがドープされた酸化インジウム膜(ITO膜)、フッ素がドープされた酸化スズ膜(FTO膜)、アンチモンがドープされた酸化スズ膜(ATO膜)、インジウムがドープされた酸化亜鉛膜、アルミニウムがドープされた酸化亜鉛膜等を例示することができ、これらの中でも、ITO膜であることが好ましい。透明導電膜の膜厚としては、特に制限されるものではなく、その用途等によって適宜選定すればよいが、シート抵抗値が30Ω/□以下のITO膜を形成する場合には、一般に80nm以上であり、シート抵抗値が60〜200Ω/□のITO膜を形成する場合には、一般に30nm程度であり、シート抵抗値が200〜3000Ω/□のITO膜を形成する場合には、一般に10〜25nmである。
【0012】
前記ITO膜を構成するインジウム化合物としては、熱分解して酸化インジウムとなるものが好ましく、例えば、インジウムトリスアセチルアセトナート(In(CHCOCHCOCH)、インジウムトリスベンゾイルメタネート(In(CCOCHCOC)、三塩化インジウム(InCl)、硝酸インジウム(In(NO)、インジウムトリイソプロポキシド(In(O−i−Pr))等を例示することができる。また、前記ITO膜を構成するスズ化合物としては、熱分解して酸化第2スズとなるものが好ましく、例えば、塩化第2スズ、ジメチルスズジクロライド、ジブチルスズジクロライド、テトラブチルスズ、スタニアスオクトエート(Sn(OCOC15)、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテート等を例示することができる。
【0013】
また、前記ITO膜を構成するインジウム化合物とスズ化合物の含有量としては、特に制限されるものではないが、スズ化合物中のSnが、質量比で、インジウム化合物中のIn1に対して0.001〜0.5含有されていることがより好ましく、0.05〜0.35含有されていることがさらに好ましい。
上記質量比の範囲でインジウム化合物とスズ化合物を含有することにより、透明度及び抵抗値の均一性に優れた透明導電膜の形成され、かかる抵抗値を有する透明導電膜は、例えば、タッチパネル用の透明電極として特に有用である。
【0014】
さらに、前記ITO膜を構成するインジウム化合物及びスズ化合物としては、、インジウム化合物が、式〔1〕
In(RCOCHCOR 〔1〕
で表されるインジウム化合物であり、スズ化合物が、式〔2〕
(RSn(OR2  〔2〕
で表されるスズ化合物であることが好ましい。
式〔1〕中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表し、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ターシャリブチル基等を例示することができる。これらの中でも、式〔1〕で表されるインジウム化合物としては、インジウムトリスアセチルアセトナート(In(CHCOCHCOCH)であることが特に好ましい。
【0015】
式〔2〕中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアシル基を表す。具体的に、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ターシャリブチル基を例示することができ、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ターシャリブチル基等のアルキル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基を例示することができる。これらの中でも、式〔2〕で表されるスズ化合物としては、ジ−n−ブチルスズジアセテート((n−Bu)Sn(OCOCH)であることが特に好ましい。
【0016】
なお、前記式〔1〕で表されるインジウム化合物及び式〔2〕で表されるスズ化合物を用いる場合、他のインジウム化合物及び/又はスズ化合物を併用してもよく、この場合、式〔1〕で表されるインジウム化合物及び式〔2〕で表されるスズ化合物は、80質量%以上含有されていることが好ましく、90質量%以上含有されていることがより好ましく、95質量%以上含有されていることがさらに好ましく、式〔1〕で表されるインジウム化合物及び式〔2〕で表される化合物がより多く含有されているほど好ましい。
【0017】
上記式〔1〕で表わされるインジウム化合物と式〔2〕で表わされるスズ化合物は、熱分解温度が近いので、パイロゾルプロセス法を用いて透明導電膜を形成する場合に、両者が均一に拡散して特に均一な膜質の透明導電膜を形成することができると考えられる。なお、式〔1〕で表されるインジウム化合物の一例であるインジウムトリスアセチルアセトナートの熱分解温度は320℃近辺であり、式〔2〕で表されるスズ化合物の一例であるジ−n−ブチルスズジアセテートの熱分解温度は360℃近辺である。具体的には、パイロゾルプロセス方法においては、熱分解温度の近い式〔1〕で表されるインジウム化合物と式〔2〕で表されるスズ化合物とが、所定温度のもとでほぼ同時に熱分解を起こすことで、両者が均一に拡散して基体又は中間膜上に堆積(蒸着)すると考えられ、膜質の極めて均一な膜を形成して、極めて均一な導電性及び透明性を保有する透明導電膜を形成することができる。したがって、曲面及び凹凸形状を有する基体への成膜の場合においては、その曲面及び凹凸部においても膜厚及び膜質において極めて均一な透明導電膜を形成することができる。
【0018】
また、前記ITO膜を作製するためのITO膜形成液における溶媒としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類等を例示することができ、β−ジケトン類化合物が特に好ましく、該β−ジケトン類化合物は、式〔1〕で表されるインジウム化合物及び式〔2〕で表されるスズ化合物との組み合わせにおいて用いることがさらに好ましい。
【0019】
ここで、前記β−ジケトン類化合物としては、アセチルアセトン等のβ−ジケトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のβ−ケトン酸エステル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル等のβ−カルボン酸エステル等を例示することができ、これらの中でも、アセチルアセトンが好ましい。なお、β−ジケトン類化合物を用いる場合、他の溶媒と併用することもでき、他の溶媒を併用する場合、β−ケトン類は、全溶媒中、80質量%以上含有されていることが好ましく、90質量%以上含有されていることがより好ましく、95質量%以上含有されていることがさらに好ましく、β−ジケトン類化合物がより多く含有されているほど好ましい。
上記β−ジケトン類化合物を用いることにより、インジウム化合物及びスズ化合物を十分に溶解し、透明導電膜形成液中の組成比が変動することがないので、これを用いて透明導電膜を形成することにより、均一な膜質の透明導電膜を形成することができると考えられる。
【0020】
また、上記β−ジケトン類化合物は、インジウム化合物及びスズ化合物を溶解することができればその量に特に制限はないが、インジウム化合物及びスズ化合物の合計金属分(In+Sn)が、質量比で、β−ジケトン類化合物1に対して0.07以下含有するようになるようにβ−ジケトン類化合物を添加することが好ましく、0.00001〜0.07の範囲となるように添加することがより好ましく、0.001〜0.04の範囲となるように添加することがさらに好ましい。β−ジケトン類化合物を上記範囲で使用することにより、インジウム化合物及びスズ化合物を適当な濃度の下に溶解させることができ、より均一な膜質の透明導電膜を形成することが可能となる。
【0021】
また、前記ITO膜を作製するためのITO膜形成液には、前記インジウム化合物及びスズ化合物に加えて、第3成分として、Mg、Ca、Sr、Ba等の周期律表第2族元素、Sc、Y等の第3族元素、La、Ce、Nd、Sm、Gd等のランタノイド、Ti、Zr、Hf等の第4族元素、V、Nb、Ta等の第5族元素、Cr、Mo、W等の第6族元素、Mn等の第7族元素、Co等の第9族元素、Ni、Pd、Pt等の第10族元素、Cu、Ag等の第11族元素、Zn、Cd等の第12族元素、B、Al、Ga等の第13族元素、Si、Ge、Pb等の第14族元素、P、As、Sb等の第15族元素、Se、Te等の第16族元素等からなる単体若しくはこれらの化合物を含有することも好ましい。
これらの元素の添加割合は、インジウムに対して、0.05〜20原子%程度が好ましく、添加元素によって添加割合は異なり、目的とする抵抗値にあった元素及び添加量を適宜選定することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1]
インジウムアセチルアセトナート(In(AcAc))をアセチルアセトンにモル濃度で0.2mol/Lになるように溶解して黄色透明溶液を得た。この溶液にSn/In=5質量%となるようにジ−n−ブチルスズジアセテートを加えてITO膜形成液を調製した。
このITO膜形成液を用いてパイロゾルプロセス法により、ITO膜形成液の霧化による化学的熱分解量を調整しながら、直径が500μmの石英ファイバーに、ITO膜を形成し、ITO膜付石英ファイバー(透明導電膜付基体)を得た。
【0023】
[比較例1]
Sn/In=10質量%のITOターゲット(InとSnOの焼結体)を用い、酸素分圧0.7Paの条件下、スパッタリング法によって、直径が500μmの石英ファイバーを1分間に20回転させながらITOを形成し、ITO膜付石英ファイバーを得た。
【0024】
(評価)
上記実施例1及び比較例1に係るITO膜付石英ファイバーを任意の位置で1cm程度の長さにカットし、異なる4ヶ所の表面部分で、ESCAを用いてインジウム量を測定してITO膜の膜厚を調査した。同様にして、ITO膜の深さ方向でのインジウムとスズの含有量(含有比率)を測定した。
実施例1のITO膜付石英ファイバーについてのインジウム量の測定結果を図1に示し、ITO膜の深さ方向でのインジウムとスズの含有量の測定結果を図2に示す。また、比較例1のITO膜付石英ファイバーについてのインジウム量の測定結果を図3に示し、ITO膜の深さ方向でのインジウムとスズの含有量の測定結果を図4に示す。
【0025】
(結果)
図1から明らかなように、実施例に係るITO膜付石英ファイバーにおいては、ITO膜の膜厚は約95〜105nmの範囲であり、極めて均一な膜厚のITO膜を形成することができた。また、図2から明らかなように、実施例に係るITO膜付石英ファイバーにおいては、スズの含有率もほぼ一定しており、膜の表面及び内部でインジウムとスズが均一に分散した膜が形成された。
それに対して、比較例に係るITO膜付石英ファイバーにおいては、図3から明らかなように、ITOの膜厚は約70〜100nmの範囲でバラツキが大きいものであり、形成されたITO膜は、不均一な膜厚のITO膜であった。また、図4から明らかなように、比較例に係るITO膜付石英ファイバーにおいては、膜中のスズ分布は膜表面でスズの含有率が多いものであり、不均一なものであった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の透明導電膜付基体の製造方法によれば、曲面又は凹凸を有する基体に極めて均一な膜厚の透明導電膜を形成して、極めて均一な膜厚の透明導電膜付基体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電膜付基体の製法により製造した透明導電膜付基体(実施例1のITO膜付石英ファイバー)についてのESCAによるインジウム量の測定結果を示す図である。
【図2】本発明の透明導電膜付基体の製法により製造した透明導電膜付基体(実施例1のITO膜付石英ファイバー)についてのESCAによるITO膜の深さ方向でのインジウムとスズの含有量の測定結果を示す図である。
【図3】比較例1の透明導電膜付基体の製法により製造したITO膜付石英ファイバー(透明導電膜付基体)についてのESCAによるインジウム量の測定結果を示す図である。
【図4】比較例1の透明導電膜付基体の製法により製造したITO膜付石英ファイバー(透明導電膜付基体)についてのESCAによるITO膜の深さ方向でのインジウムとスズの含有量の測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 曲面又は凸凹の形状を有する基体上に、直接又は中間膜を介して、パイロゾルプロセス法によって透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜付基体の製造方法。
  2. 透明導電膜が、ITO膜であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜付基体の製造方法。
  3. 基体が、ファイバー状の基体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜付基体の製造方法。
  4. 基体が、球状の基体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電膜付基体の製造方法。
  5. ファイバー状の基体が、石英ファイバーであることを特徴とする請求項3に記載の透明導電膜付基体の製造方法。
  6. 中間膜が、パイロゾルプロセス法によって形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電膜付基体の製造方法。
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