JP2004034275A - ルータ研磨機及びルータ研磨方法 - Google Patents

ルータ研磨機及びルータ研磨方法 Download PDF

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Abstract

【構成】スピンドルユニット1と、砥石ユニット20と、検出ユニットと、検出ユニットで検出した検出値に基づいてリード送り、割出しを制御する制御ユニットからなるルータ研磨機において、検出ユニットで検出したルータ2の刃部における捻れ角、刃が形成されている有効刃長さ、及び刃数によって、リード送りと割出しを行うことができるように、スピンドルユニット1は砥石ユニット20の砥石5に対して必要な角度を手動あるいは自動で調整できるように構成し、さらに、刃数に対する手動あるいは自動割出しを行う割出し装置を有するようにしたルータ研磨機。
【効果】ルータの内刃側を研磨する工夫を行うことで数度の研磨を行っても刃の深さがほとんど浅くなることがなく、外径もほとんど変わることがなく、研磨が可能になったため、再利用できるようになった。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等を切削するルータの研磨に関するもので、現在はルータは廃棄処分している。このルータの廃棄をやめて研磨することで2度、3度とリサイクルできるようにしたルータ研磨機及びルータ研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ルータの刃部には捻れが形成されている。このため、刃の構造が複雑で研磨を行うことは不可能に近く、熟練者が時間をかけて行うことしか手段がなかった。しかし、これではコストが高く、新規にルータを製造した方が安上がりであったため、研磨するという発想がなかった。すなわち、研磨することなく使用済みのルータを廃棄することが従来は行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ルータは、全国で月に200万本、世界では1500万本も使い捨てしているのが現状であり、従来のように新品を製造し、それを使用後は廃棄するのでは、資源の無駄使い、環境破壊を起すことになる。これをなんとか防止するために研磨することで再利用を可能にする装置、方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図ったもので、次のような技術手段を採用した。請求項1記載の発明においては、ルータの軸芯を把持するチャックを有するスピンドルユニットと、砥石ユニットと、ルータの刃部形状を検出する検出ユニットと、検出ユニットで検出した検出値に基づいてリード送り、割出しを制御する制御ユニットからなるルータ研磨機において、検出ユニットで検出したルータの刃部における捻れ角、刃が形成されている有効刃長さ、及び刃数によって、リード送りと割出しを行うことができるように、スピンドルユニットは砥石ユニットの砥石に対して必要な角度を手動あるいは自動で調整できるように構成し、さらに、刃数に対する手動あるいは自動割出しを行う割出し装置を有するようにするという技術手段を採用した。
【0005】
請求項2記載の発明においては、スピンドルユニットは、ルータの刃部における捻れ角に同調させるようにベースに対して、水平回転可能に構成し、回動させることで前後進させながら、ルータの内刃側の形状に倣うリード倣いハウジングと、刃数に合わせたその各刃の割出しを行う割出し板を有し、このルータをチャックしたスピンドルユニットを、上下動自在で各高さに手動あるいは自動調整できるようにした砥石ユニットと、この砥石の回転に対して、ルータの内刃側を研磨できるように捻れ角に倣って前進させるようにするという技術手段を採用した。
【0006】
請求項3記載の発明においては、ルータの内刃側だけをそのルータの刃部における捻れ角に応じてリード送りし、刃数に応じて割出しを行いながら、刃数に対する数だけ繰り返し研磨するという技術手段を採用した。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付図面で詳細に説明する。
図9(a)は、本発明に係るルータ2の具体的な形状を示す正面図と、図9(b)はその主切削刃の形状を説明する側面図である。
そして、本発明では図9(b)に示す各刃のA部分である内刃側を研磨することで、リサイクルを可能にしたものである。このルータ2の具体的な形状は以下の通りで、ルータ2の胴体であるシャンク径は3.175mmΦ、全長は38.10mm、有効刃長5.0mm、刃径は0.8mmΦ〜3.2mmΦの範囲中、0.1きざみで存在する。捻れ刃数は5〜9枚である。
【0008】
先ず、各部の具体例を図1〜図9に基づいて説明する。
スピンドルユニット1は、ルータ2を把持するチャック3を有し、このチャックは、手締め方式やエアーチャック方式等、手動、自動各種のチャック技術が採用できる。
【0009】
ここで、具体例として各ユニットの移動の手段として手動式で行う研磨機について説明する。
スピンドルユニット1は、ベース4に対して水平回動させることで捻れ角に合わせた角度を付けて固定する。そして、スピンドルの回転精度は0.003以内でおさまるようなものを採用し、ルータ2を把持したチャック3を回転する。このスピンドルをゆっくりな回転で少しずつ前進させ、ルータ2の内刃側Aに高速回転している砥石5を対向させて研磨する。前記スピンドルはラジアル方向の位置合わせと研削量の調整を行うウォーム6とホイール7、そしてハンドル21の回転によって、リード倣いハウジング8に形成された螺旋溝部9に軸10に設けたピンを係合させ、螺旋溝部9を案内にスパイラル回転しながら前進、後退する。これは微調整機構としても機能するものである。
【0010】
そして、ルータ2の刃数に合わせて割出しを行うものとして、等角度に形成した切り欠き部12を有する割出し板11を、軸10に固設したハウジング13に固定する。さらに、この割出し板11の切り欠き部12に係合して割出しを行う割出用ショットピン14が設けられている。
【0011】
スピンドル15は軸受16に設けたベアリング17で回動自在に軸受けられ、軸受16はスライドベース18に固設されている。このスライドベース18は、前記リード倣いハウジング8の水平往復動に倣って動くもので、戻る際の補助とバックラッシュを無くすためのバネ19が張設されている。
【0012】
次に、砥石ユニット20について説明する。
砥石5は回転数を2000rpm、回転精度を0.003以内、上下(X)、左右(Y)、傾斜(Z)の3軸に調整機構を有し、Z軸の移動量はダイヤルゲージにて管理し、ルータ2の捻れに対する砥石の当て角は任意に設定できるようになっている。さらに、外周にはダイヤモンドが組みつけられている。
【0013】
ここで、ルータ2のリード送りと割出しについて説明する。
スピンドルユニット1のチャック3に被研物であるルータ2の取り付けをオペレータ、またはロボットで行い、これを顕微鏡をのぞいて捻れ角と位置をスケールでチェックし、スピンドルユニット1のリード送りと割出しを行う。これに適合するように砥石ユニット20をセットする。また、自動立体画像処理装置にてルータ2の捻れ角を読み取り、スピンドルユニット1の回転移動を司るサーボモータM1とボールネジで回転動を往復動に変換させるサーボモータM2にて原位置設定制御し、捻れ角の読み取りに応じ、サーボモータM1の回転とサーボモータM2の回転を制御してリード送りを行い、ルータ2の内刃側を研磨する。
【0014】
また、捻れ刃数によりサーボモータM1の回転を利用し刃数に合わせて割出しを行い、各刃毎に研磨作業を行っていくものである。なお、手動で研磨を行う場合は、特に図1に示すようにラジアル方向の微調整にはウォーム6、ホイール7で行い、捻れ刃の数に従って割り出す割出し板11の切り欠き部12と係合するエアーシリンダ等で駆動できる割出用ショットピン14で割り出しを行う。さらに、エアーシリンダ等で駆動できるリード送りハンドル21を、サーボモータM1で捻れ刃数に合わせて割り出す割出し板11を各刃に合致させるように回動する。また、リード送りハンドル21に関連させて捻れ角度に倣うようにリード倣いハウジング8が設けられている。
【0015】
ここで、ルータの研磨作業の順序を説明すると、被研磨物であるルータの捻れ刃数に基づき、割出し板11とリード倣いハウジング8を選択し、捻れ角度に合わせてスピンドルユニット1の角度設定等の段取り替えを行う。
そして、スピンドルユニット1のチャック3にオペレータ、またはロボットによりルータ2の取り付けを行い、顕微鏡、あるいは立体画像処理装置にてルータ2の捻れ角に合わせてルータ2と砥石5の位置関係(前後方向、ラジアル方向)の決定を行い、スタートスイッチをONして、リード送り駆動と砥石5の回転駆動にて1枚目のルータ2の内刃側Aを研磨し、刃数に合わせて適宜の角度にサーボモータM1によって回転させて割出し板11の切り欠き部12に割出用ショットピン14で割出しを繰り返しながら2枚目以降の各刃の内刃側Aを研磨して、設定割出し数でスイッチをOFFし、1本のルータ2の研磨が完了するものである。これらの制御はシーケンサ制御、サーボモータとコンピュータによる制御等、種々の公知の制御ユニットによって完全自動化まで種々の制御方法が採用できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。
(1)ルータの外刃側を研磨することは簡単であるが、刃の深さが浅くなり、また外径も縮小してしまうので、ルータとして使いものにならなかったのを、ルータの内刃側を研磨する工夫を行うことで数度の研磨を行っても刃の深さがほとんど浅くなることがなく、外径もほとんど変わることがなく、研磨が可能になったため、再利用でき、公害防止、資源の無駄使いを防止でき、リサイクルが可能になった。
(2)自動化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のルータ研磨機の一実施例を示す正断面図である。
【図2】図1における平面図である。
【図3】本発明のルータ研磨機の砥石ユニットを示す正断面図である。
【図4】図3における平面図である。
【図5】図3における右側面図である。
【図6】本発明のルータ研磨機に使用される割出し板を示す(a)正面図と(b)縦断面図である。
【図7】本発明のルータ研磨機に使用されるリード倣いハウジングを示す(a)正断面図と、(b)左側面図と、(c)展開図である。
【図8】本発明のルータ研磨機に使用される砥石の断面図である。
【図9】本発明の被研磨物のルータの(a)正面図と、主切削刃の(b)断面図である。
【符号の説明】
1‥‥スピンドルユニット       2‥‥ルータ
3・・・・チャック            4・・・・ベース
5・・・・砥石              6・・・・ウォーム
7・・・・ホイール            8・・・・リード倣いハウジング
9・・・・螺旋溝部           10・・・・軸
11・・・・割出し板           12・・・・切り欠き部
13・・・・ハウジング          14・・・・割出用ショットピン
15・・・・スピンドル          16・・・・軸受
17・・・・ベアリング          18・・・・スライドベース
19・・・・バネ             20・・・・砥石ユニット
21・・・・ハンドル

Claims (3)

  1. ルータの軸芯を把持するチャックを有するスピンドルユニットと、砥石ユニットと、ルータの刃部形状を検出する検出ユニットと、検出ユニットで検出した検出値に基づいてリード送り、割出しを制御する制御ユニットからなるルータ研磨機において、検出ユニットで検出したルータの刃部における捻れ角、刃が形成されている有効刃長さ、及び刃数によって、リード送りと割出しを行うことができるように、スピンドルユニットは砥石ユニットの砥石に対して必要な角度を手動あるいは自動で調整できるように構成し、さらに、刃数に対する手動あるいは自動割出しを行う割出し装置を有するようにしたことを特徴とするルータ研磨機。
  2. スピンドルユニットは、ルータの刃部における捻れ角に同調させるようにベースに対して、水平回転可能に構成し、さらに、回動させることで前後進させながら、ルータの内刃側の形状に倣うリード倣いハウジングと、刃数に合わせたその各刃の割出しを行う割出し板を有し、このルータをチャックしたスピンドルユニットを、上下動自在で各高さに手動あるいは自動調整できるようにした砥石ユニットと、この砥石の回転に対して、ルータの内刃側を研磨できるように捻れ角に倣って前進させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のルータ刃研磨機。
  3. ルータの内刃側だけをそのルータの刃部における捻れ角に応じてリード送りし、刃数に応じて割出しを行いながら、刃数に対する数だけ繰り返し研磨することを特徴とするルータ研磨方法。
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