JP2005153129A - ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り加工において、良好な加工面粗さを得ることのできるノッチ部の面取り方法を提供すること。
【解決手段】ウェーハWの中心とノッチ部中心とを結ぶ方向をY方向とした時に、ノッチ面取り砥石58の軸心をY方向に所定量傾斜させて面取り加工し、ノッチ面取り砥石58の砥粒の運動方向をウェーハWの回転方向と交差させるようにして、加工面粗さの向上を図るようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】ウェーハWの中心とノッチ部中心とを結ぶ方向をY方向とした時に、ノッチ面取り砥石58の軸心をY方向に所定量傾斜させて面取り加工し、ノッチ面取り砥石58の砥粒の運動方向をウェーハWの回転方向と交差させるようにして、加工面粗さの向上を図るようにした。
【選択図】 図4
Description
本発明はウェーハの面取り方法に関し、特に半導体装置や電子部品等のウェーハでノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法に関する。
半導体装置や電子部品等の素材となるシリコン等のウェーハは、インゴットの状態から内周刃やワイヤーソー等のスライシング装置でスライスされた後、その周縁の割れや欠け等を防止するために外周部に面取り加工が施される。ところで、これらのウェーハの外周には、その結晶方位の判別及びウェーハの整列を容易にするためにオリフラ(オリエンテーションフラットの略称)又はノッチが形成されていることが多い。そして、これらのウェーハについては、オリフラ又はノッチについても同様に面取り加工を施す必要がある。
従来、ウェーハの周縁の面取り加工において、良好な加工面の面粗さを得るために、面取り砥石の軸心をウェーハ外周の接線方向に所定角度傾斜させて面取り加工することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術によれば、ウェーハの回転方向に対して砥石の砥粒の運動方向が斜め方向となり、加工面の面粗さが改善される。
特開平5−152259号公報
ところが、この特開平5−152259号公報に記載された面取り方法では、ウェーハの外周部及びオリフラ部については適応可能で、良好な結果が得られているが、ウェーハのノッチ部については、ノッチ部輪郭線の各位置における接線方向に一定角度面取り砥石を傾斜させることができない。このため従来は、ノッチ部については面取り砥石を傾斜させずに面取り加工を行っていたので、ノッチ部の加工面粗さは外周部に比べて劣っていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り加工において、良好な加工面粗さを得ることのできるノッチ部の面取り方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、前記ウェーハの中心とノッチ部中心とを結ぶ方向をY方向とした時に、ノッチ面取り砥石の軸心をY方向に所定量傾斜させて前記ノッチ部を面取り加工することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ウェーハの中心とノッチ部中心とを結ぶ方向をY方向とした時に、ノッチ面取り砥石の軸心がY方向に所定量傾斜しているので、ノッチ面取り砥石の砥粒の運動方向がウェーハの回転方向と交差するので、加工面粗さの向上が図れる。また、ノッチ面取り砥石自体も研磨面の型崩れが少なくなって、砥石の寿命が延びる。
請求項2に記載の発明は、ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、ノッチ面取り砥石の軸心を、前記ノッチ部の輪郭接触面と直交する面内において所定量傾斜するように、傾斜方向を変化させながら前記ノッチ部を面取り加工することを特徴とする。
請求項2の発明においても、ノッチ面取り砥石の砥粒の運動方向がウェーハの回転方向と交差するので、加工面粗さの向上が図れる。また、ノッチ面取り砥石自体も研磨面の型崩れが少なくなって、砥石の寿命が延びる。
また請求項3に記載の発明は、ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、前記ウェーハを前記ノッチ面取り砥石に対して相対的に往復移動させながら面取り加工を行うことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、ノッチ面取り砥石の砥粒の運動軌跡が加工面に均一に作用し、加工面粗さが向上する。
また請求項4に記載の発明は、請求項1の発明において、前記ノッチ面取り砥石が溝付き砥石であり、前記ウェーハを前記ノッチ面取り砥石に対してウェーハの厚さ方向に相対的に移動させながら面取り加工を行い、面取り部の面幅を一定にすることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、ウェーハをノッチ面取り砥石に対してウェーハの厚さ方向に相対的に移動させながら面取りするので、ノッチ部の各部において面取り幅が変化するのが防止され、一定の面取り幅で面取り加工することができる。
また請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記ウェーハを前記ノッチ面取り砥石に対して相対的に往復移動させながら面取り加工を行うことを特徴とする。
請求項5の発明によれば、ノッチ面取り砥石の砥粒の運動軌跡が更に加工面に均一に作用し、加工面粗さが一層向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、又は3の発明において、前記ウェーハ又は前記ノッチ面取り砥石に振動を付与しながら面取り加工することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、振動研削を併用しているので、より一層加工面粗さが向上する。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3又は請求項5の発明において、前記往復移動が、前記ウェーハの面取り斜面方向の往復移動であることを特徴とする。
請求項7の発明によれば、ノッチ面取り砥石の砥粒が回転しながらウェーハの面取り斜面方向に往復移動するので、面取り斜面の粗さが一層向上する。
また、請求項8に記載の発明は、請求項3又は請求項5の発明において、前記往復移動が、前記ウェーハの厚さ方向の往復移動であることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、ノッチ面取り砥石の砥粒が回転しながらウェーハの厚さ方向に往復移動するので、ウエーハ側面の粗さが一層向上する。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7の発明において、前記往復移動時に、往路と復路とで前記ノッチ面取り砥石と前記ウェーハとの相対的傾斜角度を変化させることを特徴とする。
請求項9の発明によれば、往復移動時に、往路と復路とでノッチ面取り砥石とウェーハとの接触状態を変化させることができ、例えばウェーハが砥石から離れる方向では強く研削し、近寄る方向のときは弱い研削にするようなコントロールをすることができるので、面粗さを一層改善することができる。
以上説明したように本発明のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法によれば、ノッチ面取り砥石の軸心を傾斜させているので、ノッチ面取り砥石の砥粒の運動方向がウェーハの回転方向と交差し、加工面粗さの向上が図れる。また、ノッチ面取り砥石自体も研磨面の型崩れが少なくなって、砥石の寿命が延びる。
以下添付図面に従って本発明に係るノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
先ず最初に、本発明に係るノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法で使用するウェーハの面取り装置について説明する。図1は、面取り装置の主要部を示す正面図である。面取り装置10は、ウェーハ送りユニット20、砥石回転ユニット50、図示しないウェーハ供給/収納部、ウェーハ洗浄/乾燥部、ウェーハ搬送手段、及び面取り装置各部の動作を制御するコントローラ等から構成されている。
ウェーハ送りユニット20は、本体ベース11上に載置されたX軸ベース21、2本のX軸ガイドレール22、22、4個のX軸リニアガイド23、23、…、ボールスクリュー及びステッピングモータから成るX軸駆動手段25によって図のX方向に移動されるXテーブル24を有している。
Xテーブル24には、2本のY軸ガイドレール26、26、4個のY軸リニアガイド27、27、…、図示しないボールスクリュー及びステッピングモータから成るY軸駆動手段によって図のY方向に移動されるYテーブル28が組込まれている。
Yテーブル28には、2本のZ軸ガイドレール29、29と図示しない4個のZ軸リニアガイドによって案内され、ボールスクリュー及びステッピングモータから成るZ軸駆動手段30によって図のZ方向に移動されるZテーブル31が組込まれている。
Zテーブル31には、θ軸モータ32、θスピンドル33が組込まれ、θスピンドル33にはウェーハWを吸着載置するウェーハテーブル34が取り付けられており、ウェーハテーブル34はウェーハテーブル回転軸心CWを中心として図のθ方向に回転される。
また、ウェーハテーブル34の上面は、図示しない真空源と連通する吸着面になっており、面取り加工されるウェーハWが載置されて吸着固定される。
また、ウェーハテーブル34の下部には、ウェーハWの周縁を仕上げ面取りする砥石のツルーイングに用いるツルーイング砥石41が、ウェーハテーブル回転軸心CWと同心に取り付けられている。
このウェーハ送りユニット20によって、ウェーハW及びツルーイング砥石41は図のθ方向に回転されるとともに、図のX、Y、及びZ方向に移動される。
砥石回転ユニット50は、外周粗研削砥石52が取り付けられ、図示しない外周砥石モータによって軸心CHを中心に回転駆動される外周砥石スピンドル51、外周粗研削砥石52の上方に配置されたターンテーブル53に取付けられた外周精研スピンドル54及び外周精研モータ56、ノッチ粗研スピンドル60及びノッチ粗研モータ62、ノッチ精研スピンドル57及びノッチ精研モータ59を有している。
外周精研スピンドル54にはウェーハWの外周を仕上げ研削する面取り砥石である外周精研削砥石55が取付けられ、ノッチ粗研スピンドル60にはノッチ粗研削砥石61が、またノッチ精研スピンドル57にはノッチ部を仕上げ研削するノッチ面取り砥石であるノッチ精研削砥石58が取付けられている。
外周精研削砥石55、ノッチ精研削砥石58、及びノッチ粗研削砥石61はターンテーブル53の回転によって夫々加工位置に位置付けられる。
外周精研スピンドル54は加工位置において、図のX方向に所定角度傾斜可能に取付けられている。このため、外周精研削砥石55でウェーハWの外周を面取り加工する時に、砥粒の運動軌跡がウェーハWの回転方向に対して斜めに運動して研削する。
以後、このように砥粒の運動軌跡がウェーハWの回転方向に対して斜めとなる研削方法をヘリカル研削と称する。ヘリカル研削の場合、通常の研削に比べて加工面粗さが良好になる。
ノッチ面取り砥石であるノッチ精研削砥石58は、任意の方向に所定量傾斜させることができるように保持されている。
図2は、ノッチ面取り砥石であるノッチ精研削砥石58が取付けられたノッチ精研スピンドル57の傾斜駆動機構を表わしたもので、図2(a)は平面図で、図2(b)は正面断面図である。
ノッチ精研モータ59が組込まれたノッチ精研スピンドル57は、スピンドルホルダ63に取付けられている。スピンドルホルダ63は、段付シャフト63Aを有しており、段付シャフト63Aの下方にはターンテーブル53に取付けられたユニバーサルジョイント64のボール63Bが固定され、段付シャフト63Aの上方にはユニバーサルジョイント66のボール63Cが固定されている。
また、ユニバーサルジョイント66はアーム65の一端に取付けられ、アーム65の他端はアーム67の一端とピン68で回動可能に連結され、アーム67の他端はターンテーブル53に取付けられたモータ69のシャフト69Aに固定されている。
ノッチ精研削砥石58はこのような機構で保持されているため、モータ69のシャフト69Aを回転させることにより図の揺動支点CNを中心としてスリコギ運動を行う。従ってモータ69の回転角を制御することにより、ノッチ精研削砥石58の軸心を任意の方向に所定角度傾斜させることができる。
また、ノッチ精研削砥石58の軸心の傾斜角度αは、アーム67とアーム65の長さを変更することによって任意に設定することができる。
本実施の形態においては、ツルーイング砥石41は加工されるウェーハWと略同径、同厚の円盤状GC砥石が用いられ、砥石の粒度は#320である。また外周粗研削砥石52は、直径202mmのダイヤモンド砥粒のメタルボンド砥石で、粒度#800である。
外周精研削砥石55は、直径50mmのダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石で、粒度#3000とした。また、ノッチ粗研削砥石61は直径1.8mm〜2.4mmの小径で、ダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石、粒度#800が用いられ、ノッチ精研削砥石58は、直径1.8mm〜2.4mmの小径で、ダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石、粒度#4000が用いられている。
外周砥石スピンドル51は、ボールベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度8,000rpmで回転される。また、外周精研スピンドル54はエアーベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度35,000rpmで回転される。
ノッチ粗研スピンドル60は、エアーベアリングを用いたエアータービン駆動のスピンドルで、回転速度80,000rpmで回転され、ノッチ精研スピンドル57はエアーベアリングを用いたビルトインモータ駆動のスピンドルで、回転速度150,000rpmで回転される。
面取り装置10のその他の構成部分については、一般的によく知られた機構であるため、詳細な説明は省略する。
次に、このように構成された面取り装置10を用いたノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法について説明する。
最初に、ノッチ部の仕上げ面取りを行う前に実施される外周部の粗研削面取り、精研削面取り、及びノッチ粗研削面取りについて説明する。ウェーハWをウェーハテーブル34に芯出しした状態で吸着固定し、Y方向に送って回転する外周粗研削砥石52に切り込み、1回転させて周縁部を粗研削面取りする。次にターンテーブル53を回転させ、ノッチ粗研削砥石61を加工位置に位置付ける。次にウェーハWをθ回転させて、ノッチ部Nのコーナー部をノッチ粗研削砥石61の方向に合わせ、X及びY方向の送りでノッチ部Nを粗研削面取りする。
次いで、外周精研削砥石55を加工位置に位置付け、ウェーハWの外周面取り部を仕上げ研削する。この時、外周精研削砥石55をウェーハ外周の接線方向に傾斜させ、ヘリカル研削で面取り部を仕上げる。以上がノッチ精研削の前に行われる工程である。
次に、ターンテーブル53を回転させ、ノッチ精研削砥石58を加工位置に位置付ける。次に、モータ69を駆動させて、ノッチ精研削砥石58の軸心をY方向に傾斜させる。本実施の形態では、砥石傾斜角度αを約20°に設定した。
この状態でノッチ精研削砥石58を高速回転させながら、図3に示すように、ウェーハWをX及びY方向に送ってノッチ部Nの仕上げ面取りを行う。即ち、図3(a)に示すノッチ部Nのコーナー部をノッチ精研削砥石58に接触させ、順次ノッチ部Nの輪郭に沿って面取りを行い、図3(b)に示すノッチ部Nのボトムを経由し、図3(c)に示す反対側コーナー部まで仕上げ面取りを行う。この間、ウェーハWのθ回転は行わず、X及びY方向送りでノッチ部Nを面取りする。
図4は加工部の拡大図である。図4に示すように、ノッチ精研削砥石58の軸心をY方向に傾斜させた状態(図の実線で記載した状態)で、ノッチ精研削砥石58の上側傾斜面58aでウェーハWのノッチ部Nの上面をヘリカル研削で面取りし、ノッチ精研削砥石58の溝底面58cでノッチ部Nの側面をヘリカル研削する。
ウェーハWのノッチ部Nの下面は、ノッチ精研削砥石58の軸心をY方向の逆向きに傾斜させ(図の2点鎖線で記載した状態)、次いでウェーハWをZ方向に移動してノッチ精研削砥石58の下側傾斜面58bに合わせ、下側傾斜面58bを使用してヘリカル研削する。
なお、ノッチ精研削砥石として、図5(a)に示すような形状のノッチ精研削砥石58Aを用いると好適である。即ち、ノッチ精研削砥石58Aは図5(a)に示すように、溝底中央が砥石傾斜角度αだけ盛り上がった鼓型をなしており、砥石傾斜面の角度βはウェーハWの面取り角度プラスαになっている。
このノッチ精研削砥石58Aを用いて図5(b)に示すように、軸心をαだけ傾けた状態でウェーハWのノッチ部Nの上面をヘリカル研削し、次いで図5(c)に示す用に、軸心を反対側にαだけ傾けてノッチ部Nの下面をヘリカル研削する。これにより、ウェーハWのノッチ部Nの側面はウェーハWの表裏両端面に対し直角に仕上がる。
ノッチ精研削砥石58又は58Aの軸心をY方向に傾斜させているので、砥粒の運動軌跡はウェーハWの加工部の移動軌跡にたいして傾斜するため、ウェーハWのノッチ部Nの面取り面は図6に示すように、ヘリカル効果が特にノッチ部Nの直線部に強く現れ、直線部に斜めのスジが見られるようになる。このため、面取り面の粗さが良好になり、また複数の砥粒が均一に加工に寄与するので砥石摩耗が少なく、型崩れも発生し難いので、砥石寿命が延びる。
ノッチ精研削砥石58又は58Aの軸心を一定方向(Y方向)に傾斜させてノッチ部Nを面取りした場合、図7に示すように、ノッチ部Nの部位によって面取り幅が一様でなくなる。即ちノッチ部Nのコーナー頂部とノッチ部Nの底部では面取り幅が広くなり、直線部では狭くなる。このため本発明においては、ノッチ部Nの面取り中にウェーハWをZ方向に上下移動させ、面取り幅が変化しないようにコントロールしている。
このように、面取り中にウェーハWのZ方向位置をコントロールすることによって、ノッチ部Nの面取り幅が一定に維持される。
また本発明においては、ノッチ部Nの面取り加工において、図8に示すように、ウェーハWをノッチ精研削砥石58又は58Aに対して相対的に往復移動(トラバース)させながら面取り加工を行うことを提案している。即ち、ノッチ部の各部位においてウェーハをトラバースさせながら図8の如く研削する。
トラバース方向は、図9(a)に示すようなZ方向のトラバースと、図9(b)に示すような面取り斜面方向とに分けて行う。先ず、図9(a)に示すように、ウェーハWをZ方向トラバースの振幅Lで、ノッチ部側面の水平方向移動速度と同じ速度でトラバースさせる。これによりヘリカル効果と併せて側面の面粗さが一層向上する。
次に、図9(b)に示すように、ウェーハWをその面取り斜面に沿って、振幅Mで、面取り斜面の水平方向移動速度と同じ速度でトラバースさせる。これによりヘリカル効果との相乗効果で、面取り斜面の面粗さが一層向上する。ウェーハWの下側面取り斜面も同様にトラバースさせる。
なお、面取り斜面に沿ったトラバースでは、ウェーハWと砥石とが離れる方向(往路)と、戻る方向(復路)とで砥石の傾斜角度を変えることにより、更に面粗さ向上効果が得られる。例えば、往路で研削した方が復路で研削するよりも面粗さが良好になることが実験的に判明しているので、往路で強く研削し、復路では弱い研削か又はほとんど研削しないようにすることもできる。
また、面取り斜面に沿ったトラバースは、Y方向の一定面内で斜めに往復移動させる場合と、ノッチ部の輪郭接触面と直交する面内で斜めに往復移動させる場合とがあり、本発明はこのどちらの場合をも含み、どちらも加工面粗さの向上に有効である。
なお、ウェーハWを研削砥石に対して相対的に往復移動(トラバース)させながら面取り加工を行う場合、研削砥石の軸心を傾斜させずに、垂直な状態で行ってもよい。この場合も砥石の砥粒の運動軌跡が加工面に均一に作用し、加工面粗さが向上する。
また、ウェーハテーブル34又はノッチ精研スピンドル57の保持部に図示しない超音波発生器を組込み、ウェーハW或いはノッチ精研削砥石58又は58Aに微振動を付与しながら面取り加工することで、振動研削とヘリカル研削との相乗効果で加工面粗さをより一層向上させることができる。
前述の実施形態では、ノッチ精研削砥石58又は58Aの軸心をY方向の一定方向に固定していたが、本発明ではノッチ部Nの輪郭接触面と直交する面内に所定量傾斜させてノッチ部Nを面取り加工する方法も提案している。
即ち、ウェーハWのノッチ部Nの各部位における仮想接触面と直交する面内でノッチ精研削砥石58又は58Aの軸心が所定量傾斜するように、モータ69の回転を制御しながら研削する。従ってこの場合は、ノッチ部Nの各部位に合わせて傾斜方向を変化させながら面取り加工することになる。
この場合は、傾斜方向をY方向の一定方向に固定する方法に比べて、ヘリカル効果は減少するが、ノッチ部Nの各部位で面取り幅が変化することはない。従って面取り幅を一定にするためのZ軸コントロールは必要ない。
以上説明した実施の形態では、ノッチ面取り砥石であるノッチ精研削砥石58を上側傾斜面58a、ウェーハWの厚さに対して十分な幅を有する溝底面58b、及び下側傾斜面58cが形成された溝付砥石で説明したが、ウェーハWの面取り形状に適合した溝形状を有する総形砥石を用いても、本発明の砥石軸傾斜ノッチヘリカル研削は実施可能である。
10…面取り装置、34…ウェーハテーブル、52…外周粗研削砥石、55…外周精研削砥石、58…ノッチ精研削砥石(ノッチ面取り砥石)、61…ノッチ粗研削砥石、α…砥石傾斜角度、N…ノッチ部、W…ウェーハ
Claims (9)
- ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、
前記ウェーハの中心とノッチ部中心とを結ぶ方向をY方向とした時に、ノッチ面取り砥石の軸心をY方向に所定量傾斜させて前記ノッチ部を面取り加工することを特徴とするノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。 - ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、
ノッチ面取り砥石の軸心を、前記ノッチ部の輪郭接触面と直交する面内において所定量傾斜するように、傾斜方向を変化させながら前記ノッチ部を面取り加工することを特徴とするノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。 - ノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法において、
前記ウェーハをノッチ面取り砥石に対して相対的に往復移動させながら面取り加工を行うことを特徴とするノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。 - 前記ノッチ面取り砥石が溝付き砥石であり、前記ウェーハを前記ノッチ面取り砥石に対してウェーハの厚さ方向に相対的に移動させながら面取り加工を行い、面取り部の面幅を一定にすることを特徴とする、請求項1に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
- 前記ウェーハを前記ノッチ面取り砥石に対して相対的に往復移動させながら面取り加工を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
- 前記ウェーハ又は前記ノッチ面取り砥石に振動を付与しながら面取り加工することを特徴とする、請求項1、2、又は3のうちいずれか1項に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
- 前記往復移動が、前記ウェーハの面取り斜面方向の往復移動であることを特徴とする、請求項3又は請求項5に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
- 前記往復移動が、前記ウェーハの厚さ方向の往復移動であることを特徴とする、請求項3又は請求項5に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
- 前記往復移動時に、往路と復路とで前記ノッチ面取り砥石と前記ウェーハとの相対的傾斜角度を変化させることを特徴とする、請求項7に記載のノッチ付ウェーハのノッチ部の面取り方法。
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