JP2004034059A - プレス機械、及びプレス駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレス駆動装置13の個数を増やすことなく、又サーボモータ17のモータ容量を大きくすることなく、十分に大きなプレス荷重を得る。
【解決手段】本体フレーム7に上下方向へ移動可能に設けられた制御モータ17と、制御モータ17の出力軸に連動連結し作動ねじ部材21と、作動ねじ部21の第1ねじ部25に螺合しかつプレステーブル9に連結した第1ナット部材29と、作動ねじ部材に第2ねじ部27に螺合しかつ本体フレーム7に対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材31と、第2ナット部材31を本体フレーム7に対して回転可能な回転状態と本体フレーム7に対して回転不能な固定状態に切替える切替手段37とを備えてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】本体フレーム7に上下方向へ移動可能に設けられた制御モータ17と、制御モータ17の出力軸に連動連結し作動ねじ部材21と、作動ねじ部21の第1ねじ部25に螺合しかつプレステーブル9に連結した第1ナット部材29と、作動ねじ部材に第2ねじ部27に螺合しかつ本体フレーム7に対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材31と、第2ナット部材31を本体フレーム7に対して回転可能な回転状態と本体フレーム7に対して回転不能な固定状態に切替える切替手段37とを備えてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部金型と下部金型の協働によりワークに対して曲げ成形加工等のプレス加工を行うプレス機械、及びプレス機械におけるプレステーブル(上部テーブル又は下部テーブル)を上下方向へ移動させるプレス駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のプレスブレーキ(プレス機械の一例)について説明する。
【0003】
前記プレスブレーキは上部金型と下部金型の協働によりワークに対して曲げプレス加工を行う機械であって、本体フレームをベースとしている。前記本体フレームの上部には、上部テーブルが上下方向へ移動可能に設けられており、この上部テーブルの下側には、前記上部金型が取付けられている。前記本体フレームの下部には、下部テーブルが設けられており、この下部テーブルの上側には、前記下部金型が取付けられている。
【0004】
また、前記プレスブレーキは、上部テーブルを上下方向へ移動させるプレス駆動装置を備えてあって、近年、前記上部テーブルの位置決め精度の高めるために、前記プレス駆動装置は次のようにサーボモータを構成要素としたものが広く用いられるようになっている。
【0005】
即ち、前記本体フレームには、前記サーボモータが設けられており、前記本体フレームにおける前記サーボモータの近傍には、上下方向へ延びたボールねじ部材(作動ねじ部材の一例)が回転可能に設けられてあって、このボールねじ部材は減速機構を介して前記サーボモータの出力軸に連動連結してある。前記ボールねじ部材には、ナット部材が螺合してあり、このナット部材は前記上部テーブルに連結してある。
【0006】
前記の構成により、前記下部金型と前記上部金型の間の所定位置に前記ワークを位置決めする。そして、前記サーボモータの駆動によって前記ボールねじを回転させると、前記ナット部材を前記本体フレーム対して下方向へ移動させる。これによって、前記上部テーブルを前記本体フレームに対して下方向へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型を協働により前記ワークに対して曲げプレス加工を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プレス加工精度を向上させるためには、前記上部テーブルの位置決め精度を高める他に、前記上部テーブルによる十分に大きなプレス荷重を得る必要がある。しかし、前記減速機構の減速比、前記サーボモータのモータ容量を大きくすることによって十分に大きなプレス荷重を得ることは容易でない。一方、前記プレス駆動装置の個数を増やすことによって十分に大きなプレス荷重を得ることはできるが、前記プレス駆動装置の個数の増加に伴うコストが大きくなって、実用性に欠ける。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、上部金型と下部金型の協働によりワークに対してプレス加工を行うプレス機械において、
本体フレームと、
前記本体フレームに設けられ、下側に前記上部金型が取付けられる上部テーブルと、
前記本体フレームにおける前記上部テーブルの下方に設けられ、上側に前記下部金型が取付けられる下部テーブルと、
前記本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記上部テーブル,前記下部テーブルのうち上下方向へ移動可能なテーブル(プレステーブル)に連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明特定事項によると、前記下部金型と前記上部金型の間の所定位置に前記ワークを位置決めする。また、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態にしておく。そして、前記制御モータの駆動によって前記作動ねじ部材を回転させると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記第2ナット部材を前記作動ねじ部材と共に回転させる。これによって、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを上方向(又は下方向)へ移動させることなく、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型を接近させることができる(高速移動過程)。
【0010】
前記プレステーブルを下方向(又は上方向)へ移動中に、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP2の速度の下で、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを前記本体フレームに対して上方向(又は下方向)へ移動させる。これによって、前記作動ねじ部材の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型の協働により前記ワークに対して所望のプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0011】
即ち、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることにより前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重の下でプレス加工を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の発明特定事項の他に、前記第1ねじ部のねじ径と前記第2ねじ部のねじ径が略同じになるように構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明特定事項によると、請求項1に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0014】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項の他に、前記第2ねじ部のリードP2が前記第1ねじ部のリードP1よりも僅かに小さくなるように構成してあることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明特定事項によると、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項による作用の他に、前記第2ねじ部のリードP2が前記第1ねじ部のリードP1よりも僅かに小さくなるように構成してあるため、(P1−P2)が極めて小さくなり、前記高速移動過程から前記低速移動過程への移行の際の荷重増加率が非常に大きくなる。
【0016】
請求項4に記載の発明にあっては、プレス機械におけるプレステーブル(前記プレス機械における上部テーブル,下部テーブルのうち上下方向へ移動可能なテーブル)を上下方向へ移動させるプレス駆動装置において、
前記プレス機械における本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記プレステーブルに連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明特定事項によると、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態にしておく。そして、前記制御モータの駆動によって前記作動ねじ部材を回転させると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記第2ナット部材を前記作動ねじ部材と共に回転させる。これによって、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを上方向(又は下方向)へ移動させることなく、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させることができる(高速移動過程)。
【0018】
前記プレステーブルを下方向(又は上方向)へ移動中に、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP2の速度の下で、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを前記本体フレームに対して上方向(又は下方向)へ移動させる。これによって、前記作動ねじ部材の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型の協働により前記ワークに対して所望のプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0019】
即ち、前記高速移動過程から前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度は減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速して、プレス荷重は荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の動作を説明する図であって、図2は、本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の左側面図であって、図3は、図2における矢視部Iの拡大図であって、図4は、図2におけるII−II線に沿った図である。
【0022】
ここで、「上」は、図1から図3において上,図4において紙面に向かって裏のことをいい、「下」は、図1から図3において下,図4において紙面に向かって表のことをいい、「左」は、図1から図3において紙面に向かって裏,図4において下のことをいい、「右」は、図1から図3において紙面に向かって表,図4において上のことをいい、「前」は、図1から図4において左のことをいい、「後」は、図1から図4において右のことをいう。
【0023】
図2から図4に示すように、本発明の実施の形態に係わるプレスブレーキ(プレス機械の一例)1は上部金型3と下部金型5の協働により板状のワークWに対して曲げプレス加工を行う機械であって、本体フレーム7をベースとしている。
【0024】
本体フレーム7の上部には、左右方向へ延びた上部テーブル9がガイド部7aを介して上下方向へ移動可能に設けられており、この上部テーブル9の下側には、上部金型3が着脱可能に取付けられている。また、本体フレーム7の下部には、左右方向へ延びた下部テーブル11が設けられており、この下部テーブル11の上側には、下部金型5が着脱可能に取付けられている。
【0025】
そして、プレスブレーキ1は、上部テーブル9(プレステーブル)を上下方向へ移動させる一対(図中には、一つの図示)のプレス駆動装置13を左右に離隔して備えており、以下、本発明の実施の形態の要部であるプレス駆動装置13の具体的な構成について詳細に説明する。
【0026】
本体フレーム7の上部には、上下に延びたモータガイド15が設けられており、このモータガイド15はサーボモータ17がモータブラケット19を介して上下方向へ移動可能に設けられている。サーボモータ17の出力軸17sには、上下方向へ延びたボールねじ部材(作動ねじ部材)21の上端部がカップリング23を介して同軸状に連動連結してあり、このボールねじ部材21は、図示は省略するが、適宜の支持手段によって本体フレーム7に上下方向へ移動可能かつ回転可能に支持されるようになっている。
【0027】
ボールねじ部材21は、リードP1の第1ねじ部(右ねじ部)25と、ねじ方向が第1ねじ部25のねじ方向と反対方向であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部(左ねじ部)27を有している。ここで、第1ねじ部25のねじ径と第2ねじ部27のねじ径が略同じになるように構成してあって、第2ねじ部27のリードP2が第1ねじ部25のリードP1よりも僅かに小さくなるように、換言すれば(P1−P2)が10mm以下になるように構成してある。なお、第1ねじ部25を右ねじ部、第2ねじ部27を左ねじ部とする代わりに、第1ねじ部25を左ねじ部、第2ねじ部27を右ねじ部としても差し支えない。
【0028】
ボールねじ部21における第1ねじ部25には、第1ナット部材29が螺合してあり、この第1ナット部材29は上部テーブル9の適宜位置に連結してある。ここで、第1ナット部材29は上部テーブル9に対して(換言すれば本体フレーム7に対して)回転不能である。
【0029】
また、ボールねじ部材21における第2ねじ部27には、第2ナット部材31が螺合してあり、この第2ナット部材31は本体フレーム7に固定したナットケース33に複数のベアリング35を介して支持されている。ここで、第2ナット部材31は適宜手段によってナットケース33に対して(換言すれば本体フレーム7に対して)上下方向へ移動不能になっている。
【0030】
プレスブレーキ1は切替機構37を備えており、この切替機構37は、第2ナット部材31を本体フレーム7に対して回転可能な回転状態と、本体フレーム7に対して回転不能な固定状態に切替える機構である。
【0031】
即ち、第2ナット部材33の下側には、雌テーパ部39aを有する被ブレーキ部材39が一体的に設けられており、被ブレーキ部材39の下側には、複数のスプリング41が取付ボルト43を介して設けられている。複数のスプリング41には、雄テーパ部45aを有するブレーキ部材45が(例えばスプリング座を介して)支持されており、このブレーキ部材45の雄テーパ部45aは、複数のスプリ41による上方向の付勢力によって被ブレーキ部材41の雌テーパ部41aを押圧するものである。ここで、図示は省略するが、ブレーキ部材45は本体フレーム7に適宜のガイドを介して回転不能かつ上下方向へ移動可能に支持されている。なお、複数のスプリング41を被ブレーキ部材39の下側に設ける代わりに、本体フレーム7におけるブレーキ部材45の下側に設けるようにしてもよい。
【0032】
本体フレーム7における第2ナット部材31の近傍には、ブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持する一対の挟持アーム47がヒンジピン49を介して連結してあって、一対の挟持アーム47は、一対の開閉シリンダ51の作動により開閉方向(開方向,閉方向)へ揺動するものである。ここで、一対の挟持アーム47を前記閉方向へ揺動させて一対の挟持アーム47によりブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持すると、ブレーキ材45を複数のスプリング41の付勢力に抗しつつ被ブレーキ部材39に対して下方向へ移動させることができるように構成してある。
【0033】
従って、一対の開閉シリンダ51の作動により一対の挟持アーム47を前記閉方向へ揺動させて一対の挟持アーム47によりブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持すると、ブレーキ材45を複数のスプリング41の付勢力に抗しつつ被ブレーキ部材39に対して下方向へ移動させて、ブレーキ部材45の雄テーパ部45aによる押圧状態を解除して、第2ナット部材33を前記回転状態(図3に示す状態)にする。また、一対の開閉シリンダ51の作動により一対の挟持アーム47を前記開方向へ揺動させて一対の挟持アーム47による挟持状態を解除すると、ブレーキ部材45の雄テーパ部45aは複数のスプリング41による上方向の付勢力によって被ブレーキ部材39の雌テーパ部39aを押圧し、第2ナット部材31を前記固定状態にする。
【0034】
なお、第2ナット部材31を前記回転状態と前記固定状態に切替える機構は、前述の切替機構37に限るものではなく、適宜に機構を用いることができる。
【0035】
次に、本発明の実施の形態の作用について図1を参照して説明する。
【0036】
ワークWを後方向へ移動させて、ワークWの端面を図示省略のバックゲージに突当てることにより、下部金型5と上部金型3の間の所定位置にワークWを位置決めする。また、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態にしておく。そして、サーボモータ17の駆動によってボールねじ部材21を回転させると、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、第1ナット部材29をボールねじ部材21に対して下方向へ移動させる一方、第2ナット部材31をボールねじ部材21と共に回転させる。これによって、図1(a)(b)に示すように、ボールねじ部材21及びサーボモータ17を上方向へ移動させることなく、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、上部テーブル9を本体フレーム7に対して下方向へ移動させて、上部金型3と下部金型5を接近させることができる(高速移動過程)。
【0037】
更に、上部テーブル5の下方向の移動によって上部金型3がワークWに接触する直前(又は直後)に、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、第1ナット部材29を本体フレーム7に対してボールねじ部材21に対して下方向へ移動させる一方、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP2の速度の下で、ボールねじ部材21及びサーボモータ17を上方向へ移動させる。これによって、図1(c)に示すように、ボールねじ部材21の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、上部テーブル9を本体フレーム7に対して下方向へ移動させて、上部金型3と下部金型5の協働によりワークWに対して所望の曲げプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0038】
即ち、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態から前記固定状態に切替えることにより前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重の下でプレス加工を行うことができる。ここで、例えば第1ねじ部25及び第2ねじ部27の外径が80mmで、第1ねじ部25のリードP1が24mmで、第2ねじ部27のリードP2が20mmとしたときに、前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比1/6にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率6にしたがって増加する。
【0039】
以上の如き、本発明の実施の形態によれば、切替手段37によって第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることによって前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率PP1/(P1−P2)にしたがって増加するため、プレス駆動装置13の個数を増やすことなく、又サーボモータ17のモータ容量を大きくすることなく、十分に大きなプレス荷重を得ることができる。
【0040】
更に、同じ理由により、プレス駆動装置13において前記減速機構を省略することができ、プレス駆動装置13の構成の簡略化を図ることできる。
【0041】
なお、本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなく、例えば、上部テーブル9を上下方向へ移動可能なプレステーブルとする代わりに、下部テーブル11を上下方向へ移動可能なプレステーブルとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1から請求項4のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることによって前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加するため、前記プレス駆動装置の個数を増やすことなく、又前記制御モータのモータ容量を大きくすることなく、十分に大きなプレス荷重を得ることができる。請求項2又は請求項3に記載発明によれば、(P1−P2)が極めて小さくなり、前記高速移動過程から前記低速移動過程への移行の際の荷重増加率が非常に大きくなるため、前記効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の動作を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の左側面図である。
【図3】図2における矢視部Iの拡大図である。
【図4】図2におけるII−II線に沿った図である。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ
3 上部金型
5 下部金型
7 本体フレーム
9 上部テーブル
11 下部テーブル
13 プレス駆動装置
17 サーボモータ
21 ボールねじ部材
25 第1ねじ部
27 第2ねじ部
29 第1ナット部材
31 第2ナット部材
37 切替手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部金型と下部金型の協働によりワークに対して曲げ成形加工等のプレス加工を行うプレス機械、及びプレス機械におけるプレステーブル(上部テーブル又は下部テーブル)を上下方向へ移動させるプレス駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のプレスブレーキ(プレス機械の一例)について説明する。
【0003】
前記プレスブレーキは上部金型と下部金型の協働によりワークに対して曲げプレス加工を行う機械であって、本体フレームをベースとしている。前記本体フレームの上部には、上部テーブルが上下方向へ移動可能に設けられており、この上部テーブルの下側には、前記上部金型が取付けられている。前記本体フレームの下部には、下部テーブルが設けられており、この下部テーブルの上側には、前記下部金型が取付けられている。
【0004】
また、前記プレスブレーキは、上部テーブルを上下方向へ移動させるプレス駆動装置を備えてあって、近年、前記上部テーブルの位置決め精度の高めるために、前記プレス駆動装置は次のようにサーボモータを構成要素としたものが広く用いられるようになっている。
【0005】
即ち、前記本体フレームには、前記サーボモータが設けられており、前記本体フレームにおける前記サーボモータの近傍には、上下方向へ延びたボールねじ部材(作動ねじ部材の一例)が回転可能に設けられてあって、このボールねじ部材は減速機構を介して前記サーボモータの出力軸に連動連結してある。前記ボールねじ部材には、ナット部材が螺合してあり、このナット部材は前記上部テーブルに連結してある。
【0006】
前記の構成により、前記下部金型と前記上部金型の間の所定位置に前記ワークを位置決めする。そして、前記サーボモータの駆動によって前記ボールねじを回転させると、前記ナット部材を前記本体フレーム対して下方向へ移動させる。これによって、前記上部テーブルを前記本体フレームに対して下方向へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型を協働により前記ワークに対して曲げプレス加工を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プレス加工精度を向上させるためには、前記上部テーブルの位置決め精度を高める他に、前記上部テーブルによる十分に大きなプレス荷重を得る必要がある。しかし、前記減速機構の減速比、前記サーボモータのモータ容量を大きくすることによって十分に大きなプレス荷重を得ることは容易でない。一方、前記プレス駆動装置の個数を増やすことによって十分に大きなプレス荷重を得ることはできるが、前記プレス駆動装置の個数の増加に伴うコストが大きくなって、実用性に欠ける。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にあっては、上部金型と下部金型の協働によりワークに対してプレス加工を行うプレス機械において、
本体フレームと、
前記本体フレームに設けられ、下側に前記上部金型が取付けられる上部テーブルと、
前記本体フレームにおける前記上部テーブルの下方に設けられ、上側に前記下部金型が取付けられる下部テーブルと、
前記本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記上部テーブル,前記下部テーブルのうち上下方向へ移動可能なテーブル(プレステーブル)に連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明特定事項によると、前記下部金型と前記上部金型の間の所定位置に前記ワークを位置決めする。また、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態にしておく。そして、前記制御モータの駆動によって前記作動ねじ部材を回転させると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記第2ナット部材を前記作動ねじ部材と共に回転させる。これによって、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを上方向(又は下方向)へ移動させることなく、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型を接近させることができる(高速移動過程)。
【0010】
前記プレステーブルを下方向(又は上方向)へ移動中に、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP2の速度の下で、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを前記本体フレームに対して上方向(又は下方向)へ移動させる。これによって、前記作動ねじ部材の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型の協働により前記ワークに対して所望のプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0011】
即ち、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることにより前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重の下でプレス加工を行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の発明特定事項の他に、前記第1ねじ部のねじ径と前記第2ねじ部のねじ径が略同じになるように構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明特定事項によると、請求項1に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
【0014】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項の他に、前記第2ねじ部のリードP2が前記第1ねじ部のリードP1よりも僅かに小さくなるように構成してあることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明特定事項によると、請求項1又は請求項2に記載の発明特定事項による作用の他に、前記第2ねじ部のリードP2が前記第1ねじ部のリードP1よりも僅かに小さくなるように構成してあるため、(P1−P2)が極めて小さくなり、前記高速移動過程から前記低速移動過程への移行の際の荷重増加率が非常に大きくなる。
【0016】
請求項4に記載の発明にあっては、プレス機械におけるプレステーブル(前記プレス機械における上部テーブル,下部テーブルのうち上下方向へ移動可能なテーブル)を上下方向へ移動させるプレス駆動装置において、
前記プレス機械における本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記プレステーブルに連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明特定事項によると、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態にしておく。そして、前記制御モータの駆動によって前記作動ねじ部材を回転させると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記第2ナット部材を前記作動ねじ部材と共に回転させる。これによって、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを上方向(又は下方向)へ移動させることなく、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させることができる(高速移動過程)。
【0018】
前記プレステーブルを下方向(又は上方向)へ移動中に、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP1の速度の下で、前記第1ナット部材を前記作動ねじ部材に対して下方向(又は上方向)へ移動させる一方、前記作動ねじ部材の1回転当たりリードP2の速度の下で、前記作動ねじ部材及び前記制御モータを前記本体フレームに対して上方向(又は下方向)へ移動させる。これによって、前記作動ねじ部材の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、前記プレステーブルを前記本体フレームに対して下方向(又は上方向)へ移動させて、前記上部金型と前記下部金型の協働により前記ワークに対して所望のプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0019】
即ち、前記高速移動過程から前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度は減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速して、プレス荷重は荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の動作を説明する図であって、図2は、本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の左側面図であって、図3は、図2における矢視部Iの拡大図であって、図4は、図2におけるII−II線に沿った図である。
【0022】
ここで、「上」は、図1から図3において上,図4において紙面に向かって裏のことをいい、「下」は、図1から図3において下,図4において紙面に向かって表のことをいい、「左」は、図1から図3において紙面に向かって裏,図4において下のことをいい、「右」は、図1から図3において紙面に向かって表,図4において上のことをいい、「前」は、図1から図4において左のことをいい、「後」は、図1から図4において右のことをいう。
【0023】
図2から図4に示すように、本発明の実施の形態に係わるプレスブレーキ(プレス機械の一例)1は上部金型3と下部金型5の協働により板状のワークWに対して曲げプレス加工を行う機械であって、本体フレーム7をベースとしている。
【0024】
本体フレーム7の上部には、左右方向へ延びた上部テーブル9がガイド部7aを介して上下方向へ移動可能に設けられており、この上部テーブル9の下側には、上部金型3が着脱可能に取付けられている。また、本体フレーム7の下部には、左右方向へ延びた下部テーブル11が設けられており、この下部テーブル11の上側には、下部金型5が着脱可能に取付けられている。
【0025】
そして、プレスブレーキ1は、上部テーブル9(プレステーブル)を上下方向へ移動させる一対(図中には、一つの図示)のプレス駆動装置13を左右に離隔して備えており、以下、本発明の実施の形態の要部であるプレス駆動装置13の具体的な構成について詳細に説明する。
【0026】
本体フレーム7の上部には、上下に延びたモータガイド15が設けられており、このモータガイド15はサーボモータ17がモータブラケット19を介して上下方向へ移動可能に設けられている。サーボモータ17の出力軸17sには、上下方向へ延びたボールねじ部材(作動ねじ部材)21の上端部がカップリング23を介して同軸状に連動連結してあり、このボールねじ部材21は、図示は省略するが、適宜の支持手段によって本体フレーム7に上下方向へ移動可能かつ回転可能に支持されるようになっている。
【0027】
ボールねじ部材21は、リードP1の第1ねじ部(右ねじ部)25と、ねじ方向が第1ねじ部25のねじ方向と反対方向であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部(左ねじ部)27を有している。ここで、第1ねじ部25のねじ径と第2ねじ部27のねじ径が略同じになるように構成してあって、第2ねじ部27のリードP2が第1ねじ部25のリードP1よりも僅かに小さくなるように、換言すれば(P1−P2)が10mm以下になるように構成してある。なお、第1ねじ部25を右ねじ部、第2ねじ部27を左ねじ部とする代わりに、第1ねじ部25を左ねじ部、第2ねじ部27を右ねじ部としても差し支えない。
【0028】
ボールねじ部21における第1ねじ部25には、第1ナット部材29が螺合してあり、この第1ナット部材29は上部テーブル9の適宜位置に連結してある。ここで、第1ナット部材29は上部テーブル9に対して(換言すれば本体フレーム7に対して)回転不能である。
【0029】
また、ボールねじ部材21における第2ねじ部27には、第2ナット部材31が螺合してあり、この第2ナット部材31は本体フレーム7に固定したナットケース33に複数のベアリング35を介して支持されている。ここで、第2ナット部材31は適宜手段によってナットケース33に対して(換言すれば本体フレーム7に対して)上下方向へ移動不能になっている。
【0030】
プレスブレーキ1は切替機構37を備えており、この切替機構37は、第2ナット部材31を本体フレーム7に対して回転可能な回転状態と、本体フレーム7に対して回転不能な固定状態に切替える機構である。
【0031】
即ち、第2ナット部材33の下側には、雌テーパ部39aを有する被ブレーキ部材39が一体的に設けられており、被ブレーキ部材39の下側には、複数のスプリング41が取付ボルト43を介して設けられている。複数のスプリング41には、雄テーパ部45aを有するブレーキ部材45が(例えばスプリング座を介して)支持されており、このブレーキ部材45の雄テーパ部45aは、複数のスプリ41による上方向の付勢力によって被ブレーキ部材41の雌テーパ部41aを押圧するものである。ここで、図示は省略するが、ブレーキ部材45は本体フレーム7に適宜のガイドを介して回転不能かつ上下方向へ移動可能に支持されている。なお、複数のスプリング41を被ブレーキ部材39の下側に設ける代わりに、本体フレーム7におけるブレーキ部材45の下側に設けるようにしてもよい。
【0032】
本体フレーム7における第2ナット部材31の近傍には、ブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持する一対の挟持アーム47がヒンジピン49を介して連結してあって、一対の挟持アーム47は、一対の開閉シリンダ51の作動により開閉方向(開方向,閉方向)へ揺動するものである。ここで、一対の挟持アーム47を前記閉方向へ揺動させて一対の挟持アーム47によりブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持すると、ブレーキ材45を複数のスプリング41の付勢力に抗しつつ被ブレーキ部材39に対して下方向へ移動させることができるように構成してある。
【0033】
従って、一対の開閉シリンダ51の作動により一対の挟持アーム47を前記閉方向へ揺動させて一対の挟持アーム47によりブレーキ部材45のフランジ部45bを挟持すると、ブレーキ材45を複数のスプリング41の付勢力に抗しつつ被ブレーキ部材39に対して下方向へ移動させて、ブレーキ部材45の雄テーパ部45aによる押圧状態を解除して、第2ナット部材33を前記回転状態(図3に示す状態)にする。また、一対の開閉シリンダ51の作動により一対の挟持アーム47を前記開方向へ揺動させて一対の挟持アーム47による挟持状態を解除すると、ブレーキ部材45の雄テーパ部45aは複数のスプリング41による上方向の付勢力によって被ブレーキ部材39の雌テーパ部39aを押圧し、第2ナット部材31を前記固定状態にする。
【0034】
なお、第2ナット部材31を前記回転状態と前記固定状態に切替える機構は、前述の切替機構37に限るものではなく、適宜に機構を用いることができる。
【0035】
次に、本発明の実施の形態の作用について図1を参照して説明する。
【0036】
ワークWを後方向へ移動させて、ワークWの端面を図示省略のバックゲージに突当てることにより、下部金型5と上部金型3の間の所定位置にワークWを位置決めする。また、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態にしておく。そして、サーボモータ17の駆動によってボールねじ部材21を回転させると、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、第1ナット部材29をボールねじ部材21に対して下方向へ移動させる一方、第2ナット部材31をボールねじ部材21と共に回転させる。これによって、図1(a)(b)に示すように、ボールねじ部材21及びサーボモータ17を上方向へ移動させることなく、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、上部テーブル9を本体フレーム7に対して下方向へ移動させて、上部金型3と下部金型5を接近させることができる(高速移動過程)。
【0037】
更に、上部テーブル5の下方向の移動によって上部金型3がワークWに接触する直前(又は直後)に、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態から前記固定状態に切替えると、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP1の速度の下で、第1ナット部材29を本体フレーム7に対してボールねじ部材21に対して下方向へ移動させる一方、ボールねじ部材21の1回転当たりリードP2の速度の下で、ボールねじ部材21及びサーボモータ17を上方向へ移動させる。これによって、図1(c)に示すように、ボールねじ部材21の1回転当たりリード(P1−P2)の速度の下で、上部テーブル9を本体フレーム7に対して下方向へ移動させて、上部金型3と下部金型5の協働によりワークWに対して所望の曲げプレス加工を行うことができる(低速移動過程)。
【0038】
即ち、切替手段37によって第2ナット部材31を前記回転状態から前記固定状態に切替えることにより前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加して十分なプレス荷重の下でプレス加工を行うことができる。ここで、例えば第1ねじ部25及び第2ねじ部27の外径が80mmで、第1ねじ部25のリードP1が24mmで、第2ねじ部27のリードP2が20mmとしたときに、前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比1/6にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率6にしたがって増加する。
【0039】
以上の如き、本発明の実施の形態によれば、切替手段37によって第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることによって前記低速移動過程へ移行すると、上部テーブル9の移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率PP1/(P1−P2)にしたがって増加するため、プレス駆動装置13の個数を増やすことなく、又サーボモータ17のモータ容量を大きくすることなく、十分に大きなプレス荷重を得ることができる。
【0040】
更に、同じ理由により、プレス駆動装置13において前記減速機構を省略することができ、プレス駆動装置13の構成の簡略化を図ることできる。
【0041】
なお、本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなく、例えば、上部テーブル9を上下方向へ移動可能なプレステーブルとする代わりに、下部テーブル11を上下方向へ移動可能なプレステーブルとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
請求項1から請求項4のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記切替手段によって前記第2ナット部材を前記回転状態から前記固定状態に切替えることによって前記低速移動過程へ移行すると、前記プレステーブルの移動速度が減速比(P1−P2)/P1にしたがって減速する一方、プレス荷重が荷重増加率P1/(P1−P2)にしたがって増加するため、前記プレス駆動装置の個数を増やすことなく、又前記制御モータのモータ容量を大きくすることなく、十分に大きなプレス荷重を得ることができる。請求項2又は請求項3に記載発明によれば、(P1−P2)が極めて小さくなり、前記高速移動過程から前記低速移動過程への移行の際の荷重増加率が非常に大きくなるため、前記効果がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の動作を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わるプレス駆動装置の左側面図である。
【図3】図2における矢視部Iの拡大図である。
【図4】図2におけるII−II線に沿った図である。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ
3 上部金型
5 下部金型
7 本体フレーム
9 上部テーブル
11 下部テーブル
13 プレス駆動装置
17 サーボモータ
21 ボールねじ部材
25 第1ねじ部
27 第2ねじ部
29 第1ナット部材
31 第2ナット部材
37 切替手段
Claims (4)
- 上部金型と下部金型の協働によりワークに対してプレス加工を行うプレス機械において、
本体フレームと、
前記本体フレームに設けられ、下側に前記上部金型が取付けられる上部テーブルと、
前記本体フレームにおける前記上部テーブルの下方に設けられ、上側に前記下部金型が取付けられる下部テーブルと、
前記本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記上部テーブル,前記下部テーブルのうち上下方向へ移動可能なテーブルに連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とするプレス機械。 - 前記第1ねじ部のねじ径と前記第2ねじ部のねじ径が略同じになるように構成したことを特徴とするプレス機械。
- 前記第2ねじ部のリードP2が前記第1ねじ部のリードP1よりも僅かに小さくなるように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレス機械。
- プレス機械におけるプレステーブルを上下方向へ移動させるプレス駆動装置において、
前記プレス機械における本体フレームに上下方向へ移動可能に設けられた制御モータと、
前記制御モータの出力軸に連動連結し、リードP1の第1ねじ部と,ねじ方向が前記第1ねじ部のねじ方向と反対であってリードP2(P2<P1)の第2ねじ部を有し、上下方向へ延びた作動ねじ部材と、
前記作動ねじ部材の前記第1ねじ部に螺合し、前記プレステーブルに連結した第1ナット部材と、
前記作動ねじ部材の前記第2ねじ部に螺合し、前記本体フレームに対して上下方向へ移動不能な第2ナット部材と、
前記第2ナット部材を前記本体フレームに対して回転可能な回転状態と前記本体フレームに対して回転不能な固定状態に切替える切替手段とを備えてなることを特徴とするプレス駆動装置。
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JP2002192369A JP2004034059A (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | プレス機械、及びプレス駆動装置 |
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JP (1) | JP2004034059A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100962489B1 (ko) | 2008-04-03 | 2010-06-14 | 권항구 | 유압식 절곡기의 슬라이더 수평 유지 장치 |
CN102259125A (zh) * | 2011-07-18 | 2011-11-30 | 爱克(苏州)机械有限公司 | 数控折弯机随动托料装置 |
WO2016022088A1 (en) * | 2014-08-07 | 2016-02-11 | Baykal Maki̇na Sanayi̇ Ve Ti̇caret Anoni̇m Şi̇rketi̇ | Bending press having a drive system with torque motor |
WO2022158352A1 (ja) | 2021-01-20 | 2022-07-28 | 株式会社アマダ | 折曲げ加工方法 |
-
2002
- 2002-07-01 JP JP2002192369A patent/JP2004034059A/ja active Pending
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