JP4802271B2 - ロータリーカム式プレス装置 - Google Patents
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従来一般に用いられるロータリーカム式プレス装置の構成について図9、図10に基づき説明する。図9は、従来のロータリーカム式プレス装置の動作状態を示す断面図、図10はその動作の流れを示すフローである。
また、下型51には、板状のワークWが固定保持されるポンチ53が設けられ、ロータリーカム52にはワーク加工時に前記ポンチ53と共にワークWを保持するための端面52aが形成されている。また、ロータリーカム52には、前記端面52aと所定の断面角度をなす加工面52bが形成されている。
そして、図9(a)に示すように、上吊カム55の加工刃55aがスライド板54に接すると、ロータリーカム52は、シリンダ56による回動力よりも大きい上吊カム55の押圧力により、図中左回りに回動を開始する(図10のステップS1)。
図9(c)に示すように上吊カム55のスライド移動が下死点(ストローク最下点)に達すると、それと同時に、加工刃55aと加工面52bとの間でワークWの端部が挟まれて寄曲げ加工され、負角成形が完了する(図10のステップS4)。
そして、上吊カム55の加工刃55aの後退が完了すると、図9(e)に示すように、上吊カム55は垂直上方へ移動し、それに伴いロータリーカム52は戻り方向(右回り)に回動し、その端面52aがワークWから離れ、ワークWが取り外し可能となる(図10のステップS6)。
しかしながら、上吊カム55が垂直上方に所定距離を移動しなければ、ロータリーカム52を十分に回動させて負角状態を解消することができず、上吊カム55の上昇タイミングよりもワークWを引き上げるタイミングが遅くなっていた。
その結果、ワークWを引き上げるためのタイミングの設定可能範囲が制限され、その設定が困難であるという課題があった。
また、ワークWの引き上げタイミングを遅延調整するためのスプリング等の部材が上型に必要となり、コストが嵩むという課題があった。
また、前記負角成形型が前記ワークから引き離される方向へ前記ロータリーカムに回動力を与える回動駆動部を備え、前記上吊カムが前記スライド板に沿って前進することにより生じる前記スライド板の前記ロータリーカムへの押圧力は、前記回動駆動部の回動力よりも大きいことが望ましい。
また、前記下型には、前記上吊カムが前記スライド板に沿って前進する際に、前記上吊カムが摺動可能な衝撃緩衝部材が設けられていることが望ましい。
その結果、ワークを引き上げるためのタイミングの設定可能範囲が広くなり、その設定作業を容易なものとすることができる。
また、従来のように、ワークの引き上げタイミングを遅延調整するための部材が不要となるため、コストを低減することができ、また、生産効率を向上することができる。
また、下型2上には、ワークWを保持するためのポンチ4が設けられ、前記ロータリーカム3は、ワーク成形時に前記ポンチ4のワーク保持面と略面一に連続する端面3aを有している。また、ロータリーカム3には、前記端面3aと所定の断面角度をなす加工面3bが形成されている。これら端面3aと加工面3bとにより負角成形型30が構成される。
また、ロータリーカム3の一端側において、下型2には、前記ロータリーカム3の加工面3bと対向する側に、支持部材6によってシーソー状に軸支されたスライド板7が回動自在に設けられている。より具体的には、支持部材6がスライド板7を軸支する支点6aは、スライド板7の前端側7a寄りに設けられ、これにより外力が加えられないときには後端側7bの自重により後端側7bが下型2に当接するよう傾く構成となされている。
ロータリーカム3の他端側においては、前記のスライド板7及び支持部材6は設けられず、ワーク加工時に上吊カム10が摺動可能なストッパ部材8(衝撃緩衝部材)が下型2に設けられる。
このストッパ部材8を設けることによりスライド板7及び支持部材6に対する上吊カム10からの衝撃を緩衝することができる。
また、ロータリーカム3には、上吊カム10が前記ストッパ部材8に沿って摺動する際に、ストッパ部材8の摺動面に連続するスライド板9が設けられている。
先ず、図5(a)及び図6(a)に示すように、ポンチ4にワークWがセットされると、上吊カム10が垂直下方へ移動を開始する(図4のステップST1)。
そして、図5(c)及び図6(c)に示すように、スライド板7に沿って加工面3bへの経路が確保される。
また、このとき上吊カム10がストッパ部8に接するため、スライド板7に対する上吊カム10からの衝撃が緩衝される。
そして、図7(a)及び図8(a)に示すように、上吊カム10が下死点に達して前進完了すると、上吊カム10の加工刃10aが加工面3bに対して圧接され、ワーク端部W1の負角成形が同時に完了する(図4のステップST4)。
その結果、ロータリーカム3の負角成形型30(端面3a及び加工面3b)は、ワークWから引き離され、ワーク端部の負角状態が解消される(図4のステップST5)。
このとき、ワークWの端部W1における負角状態は既に解消されているため、上吊カム10の上昇開始と共に、ワークWはポンチ4と引き離され、上方へと移動開始される。
これにより、上吊カム10の上昇開始時において、既にワークWから負角形成部30が引き離されている状態となされ、少なくとも上吊カム10と同時にワークWを引き上げることができる。
その結果、ワークWを引き上げるためのタイミングの設定可能範囲が広くなり、その設定作業を容易なものとすることができる。
また、従来のように、ワークWの引き上げタイミングを遅延調整するための部材が不要となるため、コストを低減することができ、また、生産効率を向上することができる。
2 下型
3 ロータリーカム
3a 端面
3b 加工面
3c 被押圧面
4 ポンチ
5 エアシリンダ(回動駆動部)
6 支持部材
7 スライド部材
7a 前端側
7b 後端側
8 ストッパ部材(衝撃緩衝部材)
9 スライド板
10 上吊カム
10a 加工刃
30 負角成形部
W ワーク
W1 ワーク端部
Claims (4)
- ワークを介して上吊カムを負角成形型に対して圧接し、前記ワークの負角成形を行うロータリーカム式プレス装置であって、
前記ワークを保持する下型と、
前記下型に回動自在に設けられ、前記負角成形型を有するロータリーカムと、
前記下型においてシーソー状に回動自在に軸支され、前端側により前記ロータリーカムを押圧可能なスライド板とを備え、
前記上吊カムは、前記スライド板に沿って前進可能に設けられ、
前記上吊カムが前記スライド板に沿って前進することにより前記スライド板の前端側が前記ロータリーカムを押圧し、前記上吊カムが前記負角成形型に対して圧接可能な状態となされ、
前記上吊カムが後退することにより前記スライド板の前記ロータリーカムに対する押圧状態が解除され、前記負角成形型が前記ワークから引き離される方向に前記ロータリーカムが回動可能となることを特徴とするロータリーカム式プレス装置。 - 前記シーソー状に軸支されるスライド板において、該スライド板が回動する支点は前端側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたロータリーカム式プレス装置。
- 前記負角成形型が前記ワークから引き離される方向へ前記ロータリーカムに回動力を与える回動駆動部を備え、
前記上吊カムが前記スライド板に沿って前進することにより生じる前記スライド板の前記ロータリーカムへの押圧力は、前記回動駆動部の回動力よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたロータリーカム式プレス装置。 - 前記下型には、前記上吊カムが前記スライド板に沿って前進する際に、前記上吊カムが摺動可能な衝撃緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたロータリーカム式プレス装置。
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