JP2004034057A - プレス機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速運転が可能で、かつスライドの加圧特性を簡単に変更し得る。
【解決手段】第1サーボモータ26により回転される第1クランク杆30に第1作動杆32が連結され、該第1作動杆32に連結された第2作動杆34がスライド16に連結される。そして、第1クランク杆30を回転することで、第1および第2作動杆32,34の上下動に伴ってスライド16が直線往復移動する。第1および第2作動杆32,34の側方に位置して、第2サーボモータ38により回転される第2クランク杆42に連結された第3作動杆44が第1作動杆32と第2作動杆34との連結部に連結される。そして、第2のクランク杆42を回転することで、第1作動杆32と第2作動杆34との連結部の折曲タイミングが可変される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1サーボモータ26により回転される第1クランク杆30に第1作動杆32が連結され、該第1作動杆32に連結された第2作動杆34がスライド16に連結される。そして、第1クランク杆30を回転することで、第1および第2作動杆32,34の上下動に伴ってスライド16が直線往復移動する。第1および第2作動杆32,34の側方に位置して、第2サーボモータ38により回転される第2クランク杆42に連結された第3作動杆44が第1作動杆32と第2作動杆34との連結部に連結される。そして、第2のクランク杆42を回転することで、第1作動杆32と第2作動杆34との連結部の折曲タイミングが可変される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのクランク機構を用いてスライドを直線往復移動するよう構成したプレス機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被加工材料に孔あけ加工等を行なうプレス機では、プレス型が配設されたスライドを所定ストロークで直線往復移動する手段として、サーボモータにより回転駆動されるクランク部材の偏心位置に一端部を枢支した作動杆の他端部をスライドに連結したクランク機構が採用されている。また、スライドに螺挿したボールスクリューをサーボモータにより正逆回転することで、該スライドを所定ストロークで直線往復移動する機構を採用したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したスライドの直線往復移動手段としてクランク機構を用いる場合は、その機構上の特性として高速運転は可能であるが、被加工材料に施す加工の種類に応じてスライドの下死点位置や加圧特性を変更する場合は、スライド自体に設けられた調節手段による調節が必要となり、その調節に時間が掛かる難点が指摘される。これに対し、直線往復移動手段としてボールスクリューを用いる場合は、ボールスクリューの回転量を可変することで、スライドの下死点位置を変更することはできる。但し、スライドの加圧特性を変更するのは困難である。しかも、ボールスクリューとスライドとの螺合作用下に該スライドを移動する構成では、高速運転が困難であった。また、加工時におけるボールスクリューとスライドとの螺合範囲は略一定しているため、この部分が長期の使用により摩耗して位置決め精度、すなわち加工精度が低下する問題も指摘される。更には、ボールスクリューとスライドとの螺合部位における剛性は低く、これによっても加工精度が低くなる難点もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、高速運転が可能で、かつスライドの加圧特性を簡単に変更し得るプレス機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明に係るプレス機は、
第1駆動手段により回転される第1クランク部材の偏心位置に一端部が回動可能に連結される第1作動杆と、該第1作動杆の他端部に一端部が回動可能に連結されると共に、ガイド手段に沿って直線往復移動可能なスライドに他端部が回動可能に連結される第2作動杆とを備える第1のクランク機構の作動によりスライドを直線往復移動させるよう構成し、
第2駆動手段により回転される第2クランク部材の偏心位置に一端部が回動可能に連結されると共に、前記第1作動杆と第2作動杆との連結部に他端部が回動可能に連結される第3作動杆とを備える第2のクランク機構の作動により前記スライドの加圧特性を可変可能に構成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプレス機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0007】
図1は、本発明に係るプレス機の各機構を概略的に示すものであり、図2および図3は、プレス機の概略構成図である。実施例のプレス機10は、装置本体12に配設されて上下方向に所定長さで延在する4つのガイド部材(ガイド手段)14を介してスライド16が昇降動可能に配設されている。このスライド16は、矩形状に形成された摺動部16aと、該摺動部16aの前面上部(一側面の上部)に形成されて図示しない上型(プレス型)が着脱可能に配設される装着部16bおよび背面下部(他側面の下部)に形成された取着部16cとから構成され、前記摺動部16aの四隅が各ガイド部材14に案内されて摺動するよう構成される。なお、ガイド部材14によるスライド16の案内領域は、該スライド16のストローク長より充分に長く設定され、スライド16の直進安定性を向上するよう構成してある。ちなみに、前記案内領域は、スライド16のストローク長の約40倍程度の長さに設定されるが、それ以上であってもよい。
【0008】
前記装置本体12の前部には、前記スライド16における装着部16bの下方に対向して支持台18が設けられ、該支持台18に下型(図示せず)が着脱可能に配設されるようになっている。そして、後述する直線往復移動手段20によりスライド16を昇降動することで、両型の間にセットされた被加工材料に所定の加工を施すよう構成される。
【0009】
前記装置本体12の内部に、前記スライド16を上下方向に所定ストロークで直線往復移動させる直線往復移動手段20が配設されている。この直線往復移動手段20は、図1に示す如く、前記スライド16を直線往復移動させる第1のクランク機構22と、該スライド16の加圧特性を可変可能な第2のクランク機構24とから基本的に構成される。第1のクランク機構22は、第1サーボモータ(第1駆動手段)26により回転される第1クランク軸28に一端部が一体回転可能に連結された第1クランク杆(第1クランク部材)30と、この第1クランク杆30の一端部(第1クランク軸28に対する偏心位置)に一端部が回動可能に連結される第1作動杆32と、該第1作動杆32の他端部に一端部が回動可能に連結されると共に、前記スライド16に他端部が回動可能に連結される第2作動杆34とを備える。そして、第1サーボモータ26により第1クランク軸28を回転(作動)することで、第1および第2作動杆32,34の上下動に伴ってスライド16が前記ガイド部材14に沿って上下方向に直線往復移動するよう構成される。なお、第2作動杆34とスライド16とは過負荷保護装置36を介して連結されている。
【0010】
前記第2のクランク機構24は、前記第1および第2作動杆32,34の側方に位置して、第2サーボモータ(第2駆動手段)38により回転される第2クランク軸40と、該第2クランク軸40に一端部が一体回転可能に連結された第2クランク杆(第2クランク部材)42と、この第2クランク杆42の一端部(第2クランク軸40に対する偏心位置)に一端部が回動可能に連結されると共に、前記第1作動杆32と第2作動杆34との連結部に他端部が回動可能に連結される第3作動杆44とを備える。そして、第2のクランク機構24においては、前記第1のクランク機構22の作動状態において、第2クランク杆42を所定の角度位置で停止保持する第1モードと、第2クランク杆42を回転する第2モードとが選択可能に構成される。
【0011】
すなわち、第1モードでは、前記第1および第2作動杆32,34と第3作動杆44との位置関係により、第1作動杆32と第2作動杆34とが直線状となったり連結部で折曲した状態に変化するもとで、前記スライド16は一定のストロークで上下動する。このとき、スライド16の加圧特性は一定となるよう制御される。また第1モードにおいて、前記第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、スライド16の下死点位置を変更することができる。
【0012】
これに対して第2モードでは、第3作動杆44が第2クランク杆42の回転により移動するもとで、第1作動杆32と第2作動杆34とが直線状となったり連結部で折曲した状態に変化して、前記スライド16は一定のストロークで上下動する。この場合に、第1作動杆32および第2作動杆34がスライド16を下降させる方向(被加工材料に加圧力を加える方向)に作動する際に、前記第3作動杆44が第1および第2作動杆32,34を直線状とする方向に作動する場合は、スライド16による加圧力は増加する方向に変化する。また第1作動杆32および第2作動杆34がスライド16を下降させる方向に作動する際に、前記第3作動杆44が第1および第2作動杆32,34を連結部で折曲する方向に作動する場合は、スライド16による加圧力は減少する方向に変化する。このように、第3作動杆44の作動によってスライド16による加工特性を、前記第1モードの場合に対して変更し得るようになっている。更に、第1クランク杆30に対する第2クランク杆42の位相角を変更することで、任意の加圧特性を生成することも可能に設定される。
【0013】
前記スライド16には、前記第2作動杆34に対する連結位置を可変可能な調節機構46が配設され、該調節機構46を調節用サーボモータ48により作動することで、スライド16のストローク長を可変し得るよう構成されている。またスライド16には、スケール50、荷重センサ52およびバックラッシュ除去装置54等が配設されている。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係るプレス機の作用につき説明する。
【0015】
(第1モードの場合)
前記第2のクランク機構24における第2クランク杆42を所定の角度位置で停止保持したもとで、前記第1のクランク機構22を作動する。この場合は、第1サーボモータ26により回転する第1クランク杆30により第1作動杆32と第2作動杆34とが上下動し、これにより前記スライド16がガイド部材14に沿って上下方向に直線往復移動して、上下の型により被加工材料に所定の加工が施される。この場合に、第1作動杆32と第2作動杆34との連結部と第2クランク杆42とを連結する第3作動杆44は略一定位置に臨んでいるから、第1クランク杆30の回転に伴って第1作動杆32と第2作動杆34とは直線状となったり連結部で折曲した状態に変化するが、常に同じ下死点位置まで下降した後に上昇するよう移動し、このときの加圧力は一定となる。
【0016】
そして、前記第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、第1および第2作動杆32,34に対する第3作動杆44の相対位置が変化し、第1および第2作動杆32,34の連結部での折曲角度が変化することで、前記スライド16の下死点位置が変更される。すなわち、スライド16に配設される調節機構46を作動することなく、スライド16の下死点位置を変更することができ、オーダ変更等に際しての段取り替えに要する時間を短縮することが可能となる。なお、第1のクランク機構22が作動している最中に、第2のクランク機構24を作動して第2クランク杆42の停止角度位置を変更することで、スライド16の位置に応じて加圧力を変えることができる。
【0017】
(第2モードの場合)
前記第1のクランク機構22を作動している状態で、第2のクランク機構24を作動すると、前記第1作動杆32と第2作動杆34との連結部の折曲タイミングが、第2のクランク機構24の第3作動杆44の往復移動により可変される。これにより、前述したように、第1モードでのスライド16の加圧特性とは異なる加圧特性が生成される。なお、この加圧特性は、第1クランク杆30と第2クランク杆42との位相角を変更したり、両者30,42の回転速度を変えることで、各種のものを生成することができる。
【0018】
実施例では2つのクランク機構22,24を用いてスライド16を直線往復移動するよう構成したから、高速運転が可能で生産能力を向上することができる。しかも、第1モードにおいて第2のクランク機構24における第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、前記スライド16の下死点位置を簡単に変更することができる。更に、第2モードにおいて第1のクランク機構22における第1クランク杆30と、第2のクランク機構24における第2クランク杆42との作動時の位相角を変更することで、加圧特性を任意に変更し得るから、被加工材料に対する加工の多様性に対応し得る。また、前記スライド16は、そのストローク長に比べて充分に長い案内領域に亘ってガイド部材14で案内されるよう構成したから、該スライド16の直進安定性は向上し、高い加工精度が得られる。
【0019】
【変更例】
実施例では、クランク部材としてクランク杆を挙げて説明したが、円盤状の部材であってもよく、その偏心位置に作動杆が連結される構成のものであればよい。また、スライドの外表面に、ヤング率の大きい超鋼あるいは石材等を配設し、該スライドの剛性を高めることで、更に加工精度を向上することができる。なお、第1および第2のクランク機構の運転に関して、各クランクの回転速度は任意に変更可能であり、また等速回転に限らず所定角度毎に回転速度を可変する不等速回転を採用することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係るプレス機によれば、2つのクランク機構を用いるので高速運転が可能で、生産能率を向上することができる。しかも、スライドの加圧特性を任意に設定し得るから、被加工材料に対する加工の多様性に容易に対応することができる。またスライドの下死点位置も、スライド自体に設けた調節機構を用いることなく簡単に変更することができるので、オーダ変更等に際しての段取り替えに要する時間を短縮し得る。更には、ガイド手段によるスライドの案内領域を、該スライドのストローク長より充分に長く設定したから、スライドの直進安定性は向上し、高い加工精度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプレス機の各機構を示す概略構成図である。
【図2】実施例に係るプレス機の概略側面図である。
【図3】実施例に係るプレス機の概略正面図である。
【符号の説明】
14 ガイド部材(ガイド手段)
16 スライド
16a 摺動部
16b 装着部
16c 取着部
22 第1のクランク機構
24 第2のクランク機構
26 第1サーボモータ(第1駆動手段)
30 第1クランク杆(第1クランク部材)
32 第1作動杆
34 第2作動杆
38 第2サーボモータ(第2駆動手段)
42 第2クランク杆(第2クランク部材)
44 第3作動杆
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのクランク機構を用いてスライドを直線往復移動するよう構成したプレス機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被加工材料に孔あけ加工等を行なうプレス機では、プレス型が配設されたスライドを所定ストロークで直線往復移動する手段として、サーボモータにより回転駆動されるクランク部材の偏心位置に一端部を枢支した作動杆の他端部をスライドに連結したクランク機構が採用されている。また、スライドに螺挿したボールスクリューをサーボモータにより正逆回転することで、該スライドを所定ストロークで直線往復移動する機構を採用したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したスライドの直線往復移動手段としてクランク機構を用いる場合は、その機構上の特性として高速運転は可能であるが、被加工材料に施す加工の種類に応じてスライドの下死点位置や加圧特性を変更する場合は、スライド自体に設けられた調節手段による調節が必要となり、その調節に時間が掛かる難点が指摘される。これに対し、直線往復移動手段としてボールスクリューを用いる場合は、ボールスクリューの回転量を可変することで、スライドの下死点位置を変更することはできる。但し、スライドの加圧特性を変更するのは困難である。しかも、ボールスクリューとスライドとの螺合作用下に該スライドを移動する構成では、高速運転が困難であった。また、加工時におけるボールスクリューとスライドとの螺合範囲は略一定しているため、この部分が長期の使用により摩耗して位置決め精度、すなわち加工精度が低下する問題も指摘される。更には、ボールスクリューとスライドとの螺合部位における剛性は低く、これによっても加工精度が低くなる難点もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、高速運転が可能で、かつスライドの加圧特性を簡単に変更し得るプレス機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明に係るプレス機は、
第1駆動手段により回転される第1クランク部材の偏心位置に一端部が回動可能に連結される第1作動杆と、該第1作動杆の他端部に一端部が回動可能に連結されると共に、ガイド手段に沿って直線往復移動可能なスライドに他端部が回動可能に連結される第2作動杆とを備える第1のクランク機構の作動によりスライドを直線往復移動させるよう構成し、
第2駆動手段により回転される第2クランク部材の偏心位置に一端部が回動可能に連結されると共に、前記第1作動杆と第2作動杆との連結部に他端部が回動可能に連結される第3作動杆とを備える第2のクランク機構の作動により前記スライドの加圧特性を可変可能に構成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るプレス機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0007】
図1は、本発明に係るプレス機の各機構を概略的に示すものであり、図2および図3は、プレス機の概略構成図である。実施例のプレス機10は、装置本体12に配設されて上下方向に所定長さで延在する4つのガイド部材(ガイド手段)14を介してスライド16が昇降動可能に配設されている。このスライド16は、矩形状に形成された摺動部16aと、該摺動部16aの前面上部(一側面の上部)に形成されて図示しない上型(プレス型)が着脱可能に配設される装着部16bおよび背面下部(他側面の下部)に形成された取着部16cとから構成され、前記摺動部16aの四隅が各ガイド部材14に案内されて摺動するよう構成される。なお、ガイド部材14によるスライド16の案内領域は、該スライド16のストローク長より充分に長く設定され、スライド16の直進安定性を向上するよう構成してある。ちなみに、前記案内領域は、スライド16のストローク長の約40倍程度の長さに設定されるが、それ以上であってもよい。
【0008】
前記装置本体12の前部には、前記スライド16における装着部16bの下方に対向して支持台18が設けられ、該支持台18に下型(図示せず)が着脱可能に配設されるようになっている。そして、後述する直線往復移動手段20によりスライド16を昇降動することで、両型の間にセットされた被加工材料に所定の加工を施すよう構成される。
【0009】
前記装置本体12の内部に、前記スライド16を上下方向に所定ストロークで直線往復移動させる直線往復移動手段20が配設されている。この直線往復移動手段20は、図1に示す如く、前記スライド16を直線往復移動させる第1のクランク機構22と、該スライド16の加圧特性を可変可能な第2のクランク機構24とから基本的に構成される。第1のクランク機構22は、第1サーボモータ(第1駆動手段)26により回転される第1クランク軸28に一端部が一体回転可能に連結された第1クランク杆(第1クランク部材)30と、この第1クランク杆30の一端部(第1クランク軸28に対する偏心位置)に一端部が回動可能に連結される第1作動杆32と、該第1作動杆32の他端部に一端部が回動可能に連結されると共に、前記スライド16に他端部が回動可能に連結される第2作動杆34とを備える。そして、第1サーボモータ26により第1クランク軸28を回転(作動)することで、第1および第2作動杆32,34の上下動に伴ってスライド16が前記ガイド部材14に沿って上下方向に直線往復移動するよう構成される。なお、第2作動杆34とスライド16とは過負荷保護装置36を介して連結されている。
【0010】
前記第2のクランク機構24は、前記第1および第2作動杆32,34の側方に位置して、第2サーボモータ(第2駆動手段)38により回転される第2クランク軸40と、該第2クランク軸40に一端部が一体回転可能に連結された第2クランク杆(第2クランク部材)42と、この第2クランク杆42の一端部(第2クランク軸40に対する偏心位置)に一端部が回動可能に連結されると共に、前記第1作動杆32と第2作動杆34との連結部に他端部が回動可能に連結される第3作動杆44とを備える。そして、第2のクランク機構24においては、前記第1のクランク機構22の作動状態において、第2クランク杆42を所定の角度位置で停止保持する第1モードと、第2クランク杆42を回転する第2モードとが選択可能に構成される。
【0011】
すなわち、第1モードでは、前記第1および第2作動杆32,34と第3作動杆44との位置関係により、第1作動杆32と第2作動杆34とが直線状となったり連結部で折曲した状態に変化するもとで、前記スライド16は一定のストロークで上下動する。このとき、スライド16の加圧特性は一定となるよう制御される。また第1モードにおいて、前記第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、スライド16の下死点位置を変更することができる。
【0012】
これに対して第2モードでは、第3作動杆44が第2クランク杆42の回転により移動するもとで、第1作動杆32と第2作動杆34とが直線状となったり連結部で折曲した状態に変化して、前記スライド16は一定のストロークで上下動する。この場合に、第1作動杆32および第2作動杆34がスライド16を下降させる方向(被加工材料に加圧力を加える方向)に作動する際に、前記第3作動杆44が第1および第2作動杆32,34を直線状とする方向に作動する場合は、スライド16による加圧力は増加する方向に変化する。また第1作動杆32および第2作動杆34がスライド16を下降させる方向に作動する際に、前記第3作動杆44が第1および第2作動杆32,34を連結部で折曲する方向に作動する場合は、スライド16による加圧力は減少する方向に変化する。このように、第3作動杆44の作動によってスライド16による加工特性を、前記第1モードの場合に対して変更し得るようになっている。更に、第1クランク杆30に対する第2クランク杆42の位相角を変更することで、任意の加圧特性を生成することも可能に設定される。
【0013】
前記スライド16には、前記第2作動杆34に対する連結位置を可変可能な調節機構46が配設され、該調節機構46を調節用サーボモータ48により作動することで、スライド16のストローク長を可変し得るよう構成されている。またスライド16には、スケール50、荷重センサ52およびバックラッシュ除去装置54等が配設されている。
【0014】
【実施例の作用】
次に、実施例に係るプレス機の作用につき説明する。
【0015】
(第1モードの場合)
前記第2のクランク機構24における第2クランク杆42を所定の角度位置で停止保持したもとで、前記第1のクランク機構22を作動する。この場合は、第1サーボモータ26により回転する第1クランク杆30により第1作動杆32と第2作動杆34とが上下動し、これにより前記スライド16がガイド部材14に沿って上下方向に直線往復移動して、上下の型により被加工材料に所定の加工が施される。この場合に、第1作動杆32と第2作動杆34との連結部と第2クランク杆42とを連結する第3作動杆44は略一定位置に臨んでいるから、第1クランク杆30の回転に伴って第1作動杆32と第2作動杆34とは直線状となったり連結部で折曲した状態に変化するが、常に同じ下死点位置まで下降した後に上昇するよう移動し、このときの加圧力は一定となる。
【0016】
そして、前記第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、第1および第2作動杆32,34に対する第3作動杆44の相対位置が変化し、第1および第2作動杆32,34の連結部での折曲角度が変化することで、前記スライド16の下死点位置が変更される。すなわち、スライド16に配設される調節機構46を作動することなく、スライド16の下死点位置を変更することができ、オーダ変更等に際しての段取り替えに要する時間を短縮することが可能となる。なお、第1のクランク機構22が作動している最中に、第2のクランク機構24を作動して第2クランク杆42の停止角度位置を変更することで、スライド16の位置に応じて加圧力を変えることができる。
【0017】
(第2モードの場合)
前記第1のクランク機構22を作動している状態で、第2のクランク機構24を作動すると、前記第1作動杆32と第2作動杆34との連結部の折曲タイミングが、第2のクランク機構24の第3作動杆44の往復移動により可変される。これにより、前述したように、第1モードでのスライド16の加圧特性とは異なる加圧特性が生成される。なお、この加圧特性は、第1クランク杆30と第2クランク杆42との位相角を変更したり、両者30,42の回転速度を変えることで、各種のものを生成することができる。
【0018】
実施例では2つのクランク機構22,24を用いてスライド16を直線往復移動するよう構成したから、高速運転が可能で生産能力を向上することができる。しかも、第1モードにおいて第2のクランク機構24における第2クランク杆42の停止角度位置を変えることで、前記スライド16の下死点位置を簡単に変更することができる。更に、第2モードにおいて第1のクランク機構22における第1クランク杆30と、第2のクランク機構24における第2クランク杆42との作動時の位相角を変更することで、加圧特性を任意に変更し得るから、被加工材料に対する加工の多様性に対応し得る。また、前記スライド16は、そのストローク長に比べて充分に長い案内領域に亘ってガイド部材14で案内されるよう構成したから、該スライド16の直進安定性は向上し、高い加工精度が得られる。
【0019】
【変更例】
実施例では、クランク部材としてクランク杆を挙げて説明したが、円盤状の部材であってもよく、その偏心位置に作動杆が連結される構成のものであればよい。また、スライドの外表面に、ヤング率の大きい超鋼あるいは石材等を配設し、該スライドの剛性を高めることで、更に加工精度を向上することができる。なお、第1および第2のクランク機構の運転に関して、各クランクの回転速度は任意に変更可能であり、また等速回転に限らず所定角度毎に回転速度を可変する不等速回転を採用することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係るプレス機によれば、2つのクランク機構を用いるので高速運転が可能で、生産能率を向上することができる。しかも、スライドの加圧特性を任意に設定し得るから、被加工材料に対する加工の多様性に容易に対応することができる。またスライドの下死点位置も、スライド自体に設けた調節機構を用いることなく簡単に変更することができるので、オーダ変更等に際しての段取り替えに要する時間を短縮し得る。更には、ガイド手段によるスライドの案内領域を、該スライドのストローク長より充分に長く設定したから、スライドの直進安定性は向上し、高い加工精度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るプレス機の各機構を示す概略構成図である。
【図2】実施例に係るプレス機の概略側面図である。
【図3】実施例に係るプレス機の概略正面図である。
【符号の説明】
14 ガイド部材(ガイド手段)
16 スライド
16a 摺動部
16b 装着部
16c 取着部
22 第1のクランク機構
24 第2のクランク機構
26 第1サーボモータ(第1駆動手段)
30 第1クランク杆(第1クランク部材)
32 第1作動杆
34 第2作動杆
38 第2サーボモータ(第2駆動手段)
42 第2クランク杆(第2クランク部材)
44 第3作動杆
Claims (3)
- 第1駆動手段(26)により回転される第1クランク部材(30)の偏心位置に一端部が回動可能に連結される第1作動杆(32)と、該第1作動杆(32)の他端部に一端部が回動可能に連結されると共に、ガイド手段(14)に沿って直線往復移動可能なスライド(16)に他端部が回動可能に連結される第2作動杆(34)とを備える第1のクランク機構(22)の作動によりスライド(16)を直線往復移動させるよう構成し、
第2駆動手段(38)により回転される第2クランク部材(42)の偏心位置に一端部が回動可能に連結されると共に、前記第1作動杆(32)と第2作動杆(34)との連結部に他端部が回動可能に連結される第3作動杆(44)とを備える第2のクランク機構(24)の作動により前記スライド(16)の加圧特性を可変可能に構成した
ことを特徴とするプレス機。 - 前記ガイド手段(14)によるスライド(16)の案内領域は、該スライド(16)のストローク長より充分に長く設定されている請求項1記載のプレス機。
- 前記スライド(16)は、矩形状に形成された摺動部(16a)と、該摺動部(16a)を挟む一側面に形成されてプレス型が着脱可能に配設される装着部(16b)および他側面に形成されて前記第2作動杆(34)が連結される取着部(16c)とからなり、前記摺動部(16a)の四隅がガイド手段(14)に案内されて摺動するよう構成される請求項1または2記載のプレス機。
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