JP2009142882A - 可変モーションリンクプレスとそのモーション切換方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スライド1に下端部が第1節点13で回転可能に取付けられた第1リンク12と、第1リンク12の上端部に下端部が第2節点15で回転可能に取付けられた第2リンク14と、第1リンク12の上端部に下端部が第2節点15で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる第3リンク16と、第1節点13の鉛直上方に位置し第2リンク14の上端部に第3節点17で回転可能に取付けられこれを偏心運動させる第1偏心駆動軸22と、第3リンク16の上端部に第4節点18で回転可能に取付けられこれを偏心運動させる第2偏心駆動軸24と、偏心駆動軸22、24を回転駆動する駆動装置30とを備える。駆動装置30は、偏心駆動軸22、24の位相差、回転方向、回転速度差を調整できる可変機構を有する。
【選択図】 図1
Description
エキセン機械プレスとリンク機械プレスは、電動モータで駆動されたフライホイールを動力源とし、偏心軸又はリンク機構によりフライホイールの回転運動をスライドモーションに変換するプレス装置である。
またサーボプレスは、駆動モータがサーボモータであり、フライホイールはなく、サーボモータでクランク機構又はリンク機構を駆動するプレス装置である。
そのため、このリンクプレスは、図16に示すように、主軸55を中心として回転するメインエキセンギア56の偏心輪64とスライド52とを、メインリンク59とコネクティングロッド60とでピン接合するリンクプレスの早戻り機構において、メインエキセンギア56が駆動用のメインギア62より小さいスモールギア63を有し、中間軸57を中心として回転するサブエキセンギア58を設け、サブエキセンギア58のサブギア65をスモールギア63に1対1のギア比で噛み合わせ、サブエキセンギア58の偏心輪66とメインリンク59にサブリンク61をピン接合し、メインリンク59とサブリンク61を接合するピン67が楕円状の循環軌跡を描くものである。
そのため、このスライド駆動機構におけるトグル機構70は、図17に示すように、一端同士が軸着された第1リンク72及び第2リンク74と、第1リンク72に軸着されアクチュエータ71の駆動力を第1リンク72に伝達する駆動リンク76とを備えている。第1リンク72の他端はサーボプレスのクラウン73の一部に軸着されている。第2リンク74の他端はスライド75に軸着されている。第1リンク72は、第2リンク74との軸着点(動力出力点77)とは別の部位に駆動リンク76との軸着点(動力入力点78)を有している。
このスライドモーションにおいて、ストロークの下側1/3〜1/4が成形領域であり、しぼり成形ではここが低速であればよい。また残りが移動領域であり、材料/製品の搬入/取出しに用いられ、生産性UPのため速いほどよい。
該第1リンクの上端部に下端部が第2節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第2リンクと、
前記第1リンクの上端部に下端部が前記第2節点で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる第3リンクと、
前記第1節点の鉛直上方に位置し、前記第2リンクの上端部の第3節点を一定の第1偏心量で偏心運動させる第1偏心駆動軸と、
前記第3リンクの上端部の第4節点を一定の第2偏心量で偏心運動させる第2偏心駆動軸と、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸を回転駆動する駆動装置とを備え、
該駆動装置は、前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差、回転方向、回転速度差を調整できる可変機構を有する、ことを特徴とする可変モーションリンクプレスが提供される。
第2偏心駆動軸を回転駆動するための、第2モータ、第2フライホイール、及び第2クラッチ&ブレーキと、
第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の間を連結する変速機構と正逆転切換機構と第3クラッチとを有する。
第2偏心駆動軸を回転駆動するための、第2モータ、第2フライホイール、及び第2クラッチ&ブレーキと、
第1モータと第2モータの同期を制御する同期制御システムとを有する。
第1フライホイールにより第2偏心駆動軸を回転駆動するための、変速機構と正逆転切換機構と第2クラッチ&ブレーキを有する。
第2偏心駆動軸を回転駆動するための、サーボモータと、
第1モータとサーボモータの同期を制御する同期制御システムとを有する。
該第1リンクの上端部に下端部が第2節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第2リンクと、
前記第1リンクの上端部に下端部が前記第2節点で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる第3リンクと、
前記第1節点の鉛直上方に位置し、前記第2リンクの上端部の第3節点を一定の第1偏心量で偏心運動させる第1偏心駆動軸と、
前記第3リンクの上端部の第4節点を一定の第2偏心量で偏心運動させる第2偏心駆動軸と、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸を回転駆動する駆動装置とを備え、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差、回転方向、回転速度差を調整する、ことを特徴とする可変モーションリンクプレスのモーション切換方法が提供される。
また、モータ損傷などにより、第2偏心駆動軸が動作しない場合にも、第1偏心駆動軸のみで生産を続行できることが後述するシミュレーションにより確認された。
またプレスサイクル中の第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の速度は一定速度のため、小サイズのモータとフライホイールで駆動できる。従って、高コストのサーボモータは不要にできる。
この図において、本発明の可変モーションリンクプレス10は、第1リンク12、第2リンク14、第3リンク16、第1偏心駆動軸22、第2偏心駆動軸24、駆動装置30を備える。
スライド1の鉛直な昇降は、2基の可変モーションリンクプレス10の同期で行っても、1基の可変モーションリンクプレス10とスライドガイドの組み合わせでも、その他の手段であってもよい。
第2リンク14は、第1リンク12の上端部に下端部が第2節点15で回転可能に取付けられ上方に延びる2節点リンクである。
第3リンク16は、第1リンク12の上端部に下端部が第2節点15で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる2節点リンクである。
第2偏心駆動軸24は、第1節点13の斜め上方に位置する。この第2偏心駆動軸24は、第3リンク16の上端部の第4節点18を一定の第2偏心量で偏心運動させるクランク軸又は偏心軸である。
この可変機構は、第1偏心駆動軸22と第2偏心駆動軸24の位相差を任意に設定でき、第1偏心駆動軸22に対して第2偏心駆動軸24の速度を等速と2倍速に切り換え可能であり、かつ回転方向を同一方向又は逆方向に切り換え可能である。なお、可変機構の詳細は後述する。
また、第1偏心駆動軸22の偏心量(軸心と第3節点17の距離)は300mm、第2偏心駆動軸24の偏心量(軸心と第4節点18の距離)は200mm、第1偏心駆動軸22と第2偏心駆動軸24の水平距離は1000mm、鉛直距離は700mmに設定され、かつ第1偏心駆動軸22の下方に第2偏心駆動軸24が位置している。
図1において、プレス角θ1は180度、プレス角θ2は231度であり、スライド1は下死点にある。
この図から、第1スライドモーション(標準モーション)は、プレス角180度を対称軸とする一般的なエキセンモーションであることがわかる。
すなわち、下死点においてプレス角θ1は180度、プレス角θ2は231度に設定され、第1偏心駆動軸22と第2偏心駆動軸24は、等速度で回転する。以下この第2スライドモーションを「深絞りモーション」と呼ぶ。
この図から、第2スライドモーション(深絞りモーション)は、プレス角180度に対し対称ではなく、90〜180度の成形領域で低速となるため、絞り成形に適したモーションであることがわかる。
すなわち、下死点においてプレス角θ1は180度、プレス角θ2は231度に設定される。以下この第3スライドモーションを「深絞り+早戻りモーション」と呼ぶ。
この図から、第3スライドモーション(深絞り+早戻りモーション)は、プレス角180度に対し対称ではなく、90〜180度の成形領域で低速となるため、絞り成形に適し、かつ180〜270度で高速となる早戻り動作のモーションであることがわかる。
また、270〜60度までの間、スライドが上死点近傍でほぼ停止するため、製品の搬出、材料の搬入をこの間で行うことで、クラッチ・ブレーキを作動させることなく生産が続けられ、クラッチ・ブレーキ動作のタイムロスがなくなり生産性があがり、またクラッチ・ブレーキの摩耗がなくなりメンテナンスコストが改善する。
また、この例では、下死点においてプレス角θ1は158度、プレス角θ2は46度に設定される。以下この第4スライドモーションを「低速タッチモーション」と呼ぶ。
この図から、第4スライドモーション(低速タッチモーション)は、下死点上200mm、成形領域の開始時に低速となるため、上下の金型を低速で接触させることができ、振動・騒音の低減、成形品質の向上の効果がある。また金型タッチ後は再び高速となるため、生産速度は損なわない。さらに位相差の調整により、低速となるタイミングを変更して深絞りから浅絞りまで対応可能である。
すなわち、下死点においてプレス角θ1は180度、プレス角θ2は231度に設定され、第1偏心駆動軸22のみが一定速度で回転する。以下この第5スライドモーションを「1モータ停止モーション」と呼ぶ。
この図から、第5スライドモーション(1モータ停止モーション)は、プレス角180度を対称軸とする一般的なエキセンモーションであることがわかる。
また変速機構38は、第1偏心駆動軸22に対する第2偏心駆動軸24の等速/倍速切換機能を有する。
さらに正逆転切換機構37は、歯車式又はベルト式の伝達機構であり、正転/逆転切換の機能を有する。
従って、この実施形態において、駆動装置30の可変機構は、変速機構38、正逆転切換機構37及び第3クラッチ39が該当する。この構成の駆動装置30は、汎用性と信頼性が非常に高い特徴を有する。
従って、この実施形態において、駆動装置30の可変機構は、第1モータ32A及び第2モータ32Bと同期制御システム40が該当する。この構成の駆動装置30は、2軸の同期を電気的に行う点に特徴を有する。
また図12に比べ、要素減少によるコストダウン効果があり、かつモーション切換(位相調整)をよりスピードアップできる。
変速機構42は、第1偏心駆動軸22に対する第2偏心駆動軸24の等速/倍速切換機能を有する。
また、正逆転切換機構43は、歯車式又はベルト式の伝達機構であり、正転/逆転切換の機能を有する。
従って、この実施形態において、駆動装置30の可変機構は、変速機構42、正逆転切換機構43、及び第2クラッチ&ブレーキ36Bが該当する。この構成の駆動装置30は、モータとフライホールを各1台に省略できる点に特徴を有する。
サーボモータ44は、第1モータ32Aに対して回転方向を同一方向又は逆方向に切り換え可能であり、かつ第1偏心駆動軸22に対して第2偏心駆動軸24の速度を等速と2倍速に切り換え可能に構成されている。
従って、この実施形態において、駆動装置30の可変機構は、サーボモータ44と同期制御システム40が該当する。この構成の駆動装置30は、負荷の軽い第2偏心駆動軸24からフライホイールを無くした点に特徴を有する。
すなわち、上述した第1〜第5のスライドモーションで例示したように、第1偏心駆動軸22と第2偏心駆動軸24の位相差を設定し、第1偏心駆動軸22に対して第2偏心駆動軸24の速度を等速又は2倍速に切り換え、かつ回転方向を同一方向又は逆方向に切り換える。
またプレスサイクル中の第1偏心駆動軸22と第2偏心駆動軸24の速度は一定速度のため、フライホイールで駆動できる。従って、高コストのサーボモータは不要であり、小型モータによってコンパクト化、低コスト化が可能である。
12 第1リンク、13 第1節点、
14 第2リンク、15 第2節点、
16 第3リンク、17 第3節点、18 第4節点、
22 第1偏心駆動軸、24 第2偏心駆動軸、
30 駆動装置、32A 第1モータ、32B 第2モータ、
34A 第1フライホイール、34B 第2フライホイール、
36A 第1クラッチ&ブレーキ、36B 第2クラッチ&ブレーキ、
37 正逆転切換機構、38 変速機構、39 第3クラッチ
40 同期制御システム、42 変速機構、
43 正逆転切換機構、44 サーボモータ
Claims (8)
- 下面に上金型が取付けられ鉛直に昇降するスライドに下端部が第1節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第1リンクと、
該第1リンクの上端部に下端部が第2節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第2リンクと、
前記第1リンクの上端部に下端部が前記第2節点で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる第3リンクと、
前記第1節点の鉛直上方に位置し、前記第2リンクの上端部の第3節点を一定の第1偏心量で偏心運動させる第1偏心駆動軸と、
前記第3リンクの上端部の第4節点を一定の第2偏心量で偏心運動させる第2偏心駆動軸と、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸を回転駆動する駆動装置とを備え、
該駆動装置は、前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差、回転方向、回転速度差を調整できる可変機構を有する、ことを特徴とする可変モーションリンクプレス。 - 前記可変機構は、前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差を任意に設定でき、前記第1偏心駆動軸に対して第2偏心駆動軸の速度を等速と2倍速に切り換え可能であり、かつ回転方向を同一方向又は逆方向に切り換え可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の可変モーションリンクプレス。
- 前記駆動装置は、第1偏心駆動軸を回転駆動するための、第1モータ、第1フライホイール、及び第1クラッチ&ブレーキと、
第2偏心駆動軸を回転駆動するための、第2モータ、第2フライホイール、及び第2クラッチ&ブレーキと、
第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の間を連結する変速機構と正逆転切換機構と第3クラッチとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変モーションリンクプレス。 - 前記駆動装置は、第1偏心駆動軸を回転駆動するための、第1モータ、第1フライホイール、及び第1クラッチ&ブレーキと、
第2偏心駆動軸を回転駆動するための、第2モータ、第2フライホイール、及び第2クラッチ&ブレーキと、
第1モータと第2モータの同期を制御する同期制御システムとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変モーションリンクプレス。 - 前記駆動装置は、第1偏心駆動軸を回転駆動するための、第1モータ、第1フライホイール、及び第1クラッチ&ブレーキと、
第1フライホイールにより第2偏心駆動軸を回転駆動するための、変速機構と正逆転切換機構と第2クラッチ&ブレーキを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変モーションリンクプレス。 - 前記駆動装置は、第1偏心駆動軸を回転駆動するための、第1モータ、第1フライホイール、及び第1クラッチ&ブレーキと、
第2偏心駆動軸を回転駆動するためのサーボモータと、
第1モータとサーボモータの同期を制御する同期制御システムとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変モーションリンクプレス。 - 下面に上金型が取付けられ鉛直に昇降するスライドに下端部が第1節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第1リンクと、
該第1リンクの上端部に下端部が第2節点で回転可能に取付けられ上方に延びる第2リンクと、
前記第1リンクの上端部に下端部が前記第2節点で回転可能に取付けられ斜め上方に延びる第3リンクと、
前記第1節点の鉛直上方に位置し、前記第2リンクの上端部の第3節点を一定の第1偏心量で偏心運動させる第1偏心駆動軸と、
前記第3リンクの上端部の第4節点を一定の第2偏心量で偏心運動させる第2偏心駆動軸と、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸を回転駆動する駆動装置とを備え、
前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差、回転方向、回転速度差を調整する、ことを特徴とする可変モーションリンクプレスのモーション切換方法。 - 前記第1偏心駆動軸と第2偏心駆動軸の位相差を設定し、前記第1偏心駆動軸に対して第2偏心駆動軸の速度を等速又は2倍速に切り換え、かつ回転方向を同一方向又は逆方向に切り換える、ことを特徴とする請求項7に記載の可変モーションリンクプレスのモーション切換方法。
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