JP2004024748A - 印刷性に優れたカイロ包材用不織布および使い捨てカイロ - Google Patents

印刷性に優れたカイロ包材用不織布および使い捨てカイロ Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟な繊維触感を維持しながら、鮮明な印刷画像を得ることができる、印刷性に優れたカイロ包材用不織布および使い捨てカイロを提供する。
【解決手段】(1) 疎水性合成繊維からなる不織布であって、該不織布が異形断面形状の繊維を含み、かつ少なくとも一面の不織布の表面粗さ(Ra)が12μm以下である印刷性に優れたカイロ包材用不織布。(2) 前記異形断面形状の繊維が、連続フィラメントである印刷性に優れたカイロ包材用不織布。(3) 前記異形断面形状の繊維が、該繊維断面の外周の一部に直線部を有する印刷性に優れたカイロ包材用不織布。(4) 前記異形断面形状の繊維の断面扁平度が、1.3以上である印刷性に優れたカイロ包材用不織布。(5) 前記不織布を構成する繊維が、部分熱圧着により接合されている印刷性に優れたカイロ包材用不織布。(6) 前記印刷性に優れたカイロ包材用不織布を少なくとも一面に用いた使い捨てカイロ。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷性に優れたカイロ包材用不織布および使い捨てカイロに関し、さらに詳しくは柔軟で印刷性に優れたカイロ包材用不織布およびこれを用いた使い捨てカイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使い捨てカイロは、空気中で発熱する発熱体組成物を、不織布または紙にポリエチレン等のフィルムをラミネートした包材に包んだものであり、使用時に該発熱体組成物を空気中の酸素と反応させて熱を発生させ、人体に接触させて使用される。上記フィルムには有孔フィルムや微孔フィルムが用いられるが、無効フィルムを不織布にラミネートし、その後、孔あけ加工を施して通気性を持たせる場合もある。
近年、使い捨てカイロが広範囲に広く使用されており、カイロの不織布表面に、ブランド名や、暖かさをアピールする模様、かわいいキャラクターの絵模様等が印刷されるようになっている。この場合の印刷インキには、高堅牢性のインキが用いられているが、不織布表面の繊維層の凹凸、繊維の円形断面の影響によって印刷性が劣り、鮮明な印字や輪郭が得られず、また印刷面の濃度が低くなり、濃色インキを用いた場合でも鮮明さに欠けてぼやけてしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題を解決し、柔軟な繊維触感を維持しながら、鮮明な印刷画像を得ることができる、印刷性に優れたカイロ包材用不織布およびこれを用いた使い捨てカイロを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々検討した結果、繊維触感および適性な強度を持ちながら、印刷性に優れたカイロ包材用不織布を得るためには、通常用いられるている丸断面糸の代わりに異形断面糸で構成された表面が平滑な不織布を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0005】
(1)疎水性合成繊維からなる不織布であって、該不織布が異形断面形状の繊維を含み、かつ少なくとも一面の不織布の縦方向と横方向の平均表面粗さ(Ra)が12μm以下であることを特徴とする印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
(2)前記異形断面形状の繊維が、連続フィラメントであることを特徴とする(1)に記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
(3)前記異形断面形状の繊維が、該繊維断面の外周の一部に直線部を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
(4)前記異形断面形状の繊維の断面扁平度が、1.3以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
(5)前記不織布を構成する繊維が、部分熱圧着により接合されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布を少なくとも一面に用いた使い捨てカイロ。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のカイロ包材用不織布には疎水性合成繊維が用いられる。
疎水性合成繊維としては、ポロプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維などが挙げられ、これらは必要とされる疎水性、強度および可撓性等に応じ、単独でまたは組み合わせて用いられる。また必要に応じてこれらの複合繊維、さらにはセルロース系繊維、その他の特殊機能を持つ繊維を混合して用いてもよい。例えば、柔軟性および素材の熱伝導性の点からはポリアミド系繊維を用いるのが好ましく、寸法安定性、剛性および耐熱性の点からはポリエステル系繊維を用いるのが好ましく、さらに疎水性および柔軟性の点からはポリオレフィン系繊維を用いるのが好ましい。疎水性合成繊維は短繊維であっても長繊維であってもよいが、不織布の強度や柔軟性の点から長繊維が好ましい。また繊維の繊度も同様の理由から0.8〜5.5dtexの範囲が好ましい。
【0007】
また本発明のカイロ包材用不織布は、異形断面形状の繊維を含む。
ここで、異形断面形状とは、繊維の長さ方向に対して直角方向に切断した時の繊維の断面形状をいい、異形断面形状の繊維とは、繊維の断面が実質的に異形の形状を有する繊維をいう。このような異形断面形状の繊維で不織布を構成することにより、丸断面形状の繊維で構成した同目付の不織布に比べ、不織布表面の繊維層の凹凸が少なくなり、表面の平滑性が向上するため、鮮明な印刷画像が得られ、印刷性が向上する。
異形断面形状の繊維としては、例えば楕円形、角形などの断面を有する繊維が挙げられるが、特に繊維断面の外周の一部に実質的な直線部分を有する繊維、例えば三角断面等の繊維が好ましい。また繊維の断面の扁平度は1.3以上、好ましくは2以上、より好ましくは2.5〜5.0の繊維が好ましい。ここで扁平度とは、繊維断面の短軸長aと長軸長bを測定し、長軸長bを短軸長aで除した値をいう。
【0008】
異形断面形状の繊維は、例えば、扁平断面のノズルから溶融樹脂を押出して製造することができるが、丸断面繊維を製造した後にこれを潰して異形断面の繊維としてもよい。この場合の丸断面繊維の潰しは、繊維状で行っても、不織布とした後に行ってもよい。また不織布には本発明の目的を損なわない範囲で丸断面形状の繊維を含んでいてもよい。
このような異形断面形状の繊維で不織布を構成することにより、不織布の強度を維持しつつ厚みを薄くすることができ、かつ不織布の表面がより平滑となるため、不織布の柔軟な繊維感触を維持しつつ、不織布の印刷性を向上させることができる。
【0009】
本発明のカイロ包材用不織布は、抄紙法、カード機などにより、またはスパンボンド法により製造されるが、強度の点からはスパンボンド法による長繊維不織布が好ましい。カード機等による短繊維不織布でも布的な触感を持たせることができるが、スパンボンド法による長繊維不織布は、繊維長が長いために実用上の強度が得られ、かつ湿式法または乾式法による場合と異なり、油剤処理等を行うことなく、繊維がそのままシート化されているので繊維特有の触感をより活かすことができる。
長繊維不織布は、例えば、スパンボンド法により溶融紡糸された連続フィラメントをウェブとし、これを接合することにより製造される。ウェブは、接着剤、低融点繊維や複合繊維による接合、溶融バインダーでの接合、繊維の触感を残すことができるニードルパンチや水流交絡法等で接合することができるが、繊維の触感や強度維持の点からは部分熱圧着法による接合が好ましい。
【0010】
部分熱圧着における熱圧着面積率は、強度保持の点から5〜35%が好ましい。部分熱圧着は、超音波法または加熱エンボスロール間にウェブを通して行うことができ、これにより、不織布の表面にピンポイント状、矩形状等の浮沈模様を散点させることができる。不織布の目付は、使用目的に応じて適宜選定されるが、実用強度、触感の点からは25〜60g/m2 が好ましい。
【0011】
さらに本発明のカイロ包材用不織布は、その少なくとも一面の縦方向と横方向の平均表面粗さ(Ra)が12μm以下であることが必要である。不織布の縦と横方向の平均表面粗さが12μmを超えると鮮明な画像が得られず、印刷面の濃度が薄くなる。不織布の表面の平滑性が高いほど印刷性は向上するが、不織布の縦方向の表面の粗さRaは10μ以下が好ましく、より好ましくは9μ以下である。また不織布の横方向の表面粗さRaは11μ以下がより好ましい。なお、不織布の縦方向とは機械の巻取りの方向をいい、横方向とは機械の幅方向をいう。
【0012】
本発明の使い捨てカイロは、上記した異形断面形状の疎水性合成繊維を含む不織布とフィルムとを貼り合わせて得たカイロ包材を重ね合わせ、その間に発熱体組成物を入れた後、重ね合わせ部の周囲を熱シールや接着剤等によりシールすることにより得られる。本発明のカイロ包材用不織布はカイロの両面に用いてもよいが、一方の面にのみ用いてもよい。
【0013】
不織布に貼り合わせるフィルムとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)またメタロセン系触媒PE等の各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、EVAおよびエチレン、プロピレン、ブテン等の各種共重合ポリプロピレン等のポリオレフィン共重合系、ポリアミド系、ポリエステル系などのフィルムが用いられ、透湿性を有した微多孔フィルムであってもよい。柔軟性、シール性、価格の点から、ポリエチレンまたはその共重合系オレフィンフィルムが好ましい。また繊維層との相性、カイロのシール性の点から2〜3層のフィルムを組み合わせたものでもよい。
不織布とフィルムとの貼り合わせは、ヒートシール、熱接合またはホットメルト剤等の接着剤を用いる方法で行うことができ、全面接合でも、部分接合でもよい。部分接合の場合には不織布の柔軟性を保持するのが容易となる。使い捨てカイロとして必要な通気孔は、ラミネートした後の孔あけ加工により設けることができるが、有孔または微孔のフィルムを用いてもよい。
【0014】
不織布表面への印刷は、グラビア印刷、フレキシ印刷、スクリーン印刷、転写印刷などの公知の方法で行うことができる。また印刷性向上のための放電加工などの前処理を施した後、これらの印刷を施してもよい。印刷に用いるインキには特に限定されないが、カイロ包材用不織布が外面として使用されるため、乾湿時の擦れなどによるインキの色落ちを防止するために、不織布素材と相性の良い印刷インキを選定することが好ましい。
不織布面における印刷の鮮明性は、後述する印刷線の途切れ数/6mmで評価することができる。途切れ数は2個/6mm以下が好ましく、さらに好ましくは0個/6mm(途切れ無し)である。途切れ数が2個/6mm以下であれば印刷面が鮮明となる。
【0015】
本発明のカイロ包材用不織布は、異形断面形状の繊維で構成されているため、表面平滑性に優れ、印刷性が向上する。またウェブ製造時には繊維はその断面の長辺を平面方向に向けて配列しやすくなるため、丸断面繊維を用いた同目付の不織布に比べて厚みが薄くなり、また平面方向に曲げ易くなり、柔軟性が感じ易く、心地よい伝熱媒体となる。さらに表面の平滑性に優れた不織布を用いているため、肌触りや柔軟性に優れるとともに、フィルムとのラミネート強度が向上する。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、例中の特性は下記のようにして測定または評価した。
1)不織布の厚み:ピーコック厚み測定器を用い、100g/cm2 荷重で測定した。
2)不織布の強力および5%伸長時応力:JIS L−1906に準じて測定した。
3)不織布繊維の扁平度:繊維断面の短軸長aと長軸長bを測定し、長軸長bを短軸長aで除した値を扁平度とした。なお、丸断面繊維を潰したものでは扁平度は一定ではないが、不織布表面の変形した繊維を扁平糸に類似したものとしてその断面について測定する。
4)不織布の曲げ柔軟度:柔軟性を示す指標として、次の方法で測定した。
試料片(幅5cm×測定方向長さ4cm)の測定方向の一方の端部1cmを残して、試料片に直角方向で全幅に渡りスケールで押え、試料片の他端部を折り目をつけず、ループを形成させた状態で、スケールで押えた端部上にのせる。スケールで押えた側の端部を手で押えたまま、試料片の上をスケールを滑らせながらループ内に移動させる。試料の反発力でループが伸びた点を終点とし、この点からループ側端部までの長さを臨界長(mm)とし、表裏の平均値で表す。短いものほど柔軟であることを示す。
【0017】
5)不織布の平滑性:表面粗さ形状測定機(東京精密社製サーフコム110A)を用いて、不織布の縦方向と横方向の表面の平均粗さRa(μm)を測定し、その測定値を不織布の平滑性とした。数値が小さい程、平滑であることを示す。
6)不織布への印刷:POフィルム用表刷汎用インキ(東洋インキ製造社製、PANNカラーS39藍配合、20%顔料濃度)を用いて、小型輪転機により、ライン速度30m/minでグラビア(150メッシュ、版深30μm)転写印刷を施した。
7)不織布の印刷面の濃度
色彩色差計(MINOLTA製:測定ヘッドCR−100)を用いて、不織布の印刷面を色彩を測定し、その測定値のL値、a値、b値を印刷濃度とした。特にL値が小さい程、白さが少なく、青色ではb値が小さい程、青さが多く、不織布の印刷面の濃度が濃いことを示す。
8)不織布の印刷面の鮮明性:不織布表面に太さ0.4mmの直線模様を印刷し、その印刷線の長さ6mm区間内で印刷が途切れる数を測定した。その数値を不織布の印刷面の鮮明性とした。数値が少ない程、印刷の途切れがなく印刷面は鮮明であることを示す。
【0018】
実施例1
ナイロン6(相対粘度2.7)を原料とし、扁平断面のノズルから溶融押出した長繊維を紡口の近傍にて側方から冷却しながら、エアーサッカー型牽引装置で引き取った。牽引引取装置を出た糸条は、帯電装置を通過させて開繊させた後、移動する金網コンベアー上にウェブとして捕集した。このウェブを加熱したエンボスロールとフラットロールの間に通し、部分熱圧着して一辺0.5mm変形四辺形の織目柄(圧着面積率14.5%)の散点模様を有する不織布を得た。
得られた不織布の構成繊維は2.0dtex、扁平度2.5の扁平断面糸であり、目付40g/m2 であった。この不織布の特性を表1に示す。
【0019】
得られた不織布表面(反ラミネート面)にロゴ模様柄をグラビア印刷を施した後、不織布の反エンボス面に50μのポリエチレン(LLDPE)フィルムをラミネートした後、公知の方法により針ロールで窄孔(約6%)し、カイロ用包材とした。得られたカイロ用包材を上被層とし、下被層には無孔フィルムをラミネートした不織布を用い、フィルム面を内側に重ね合わせ、その中に発熱組成物を充填し、周囲をヒートシールして使い捨てカイロを得た。
得られた使い捨てカイロは、丸断面繊維を用いた従来のカイロに比べ、外側の不織布には鮮明な画像が印刷され、滑らかな触感、柔軟性を持ち、適度な肌触りを備えたものであった。
【0020】
実施例2
実施例1において、不織布を構成するナイロン6の扁平度を3.0とした以外は実施例1と同様にしてカイロ用包材を作製し、これに印刷を行って使い捨てカイロを製作した。得られた不織布の性能を表1に示したが、実施例1と同様に鮮明な画像が印刷された柔軟性に優れたカイロであった。
【0021】
実施例3
実施例1において、扁平断面ナイロン6に代わりに通常の丸断面ナイロン6繊維を用い、実施例1と同様にして、2.0dtex、織目柄(圧着面積率14.5%)、目付40g/m2 の不織布を得た。この不織布を表面温度150℃の平滑金属ロールとペーパーロールを組み合わせたカレンダー装置に通し、表面の繊維層を平滑化した。表面の繊維を顕微鏡で観察した結果、扁平度1.6に相当する変形した繊維であった。この不織布は異形断面糸を用いた不織布と同じように薄くなり、表面の滑らかな触感を持ち、ソフトなものであった。この不織布の性能を表1に示す。
この平滑化した不織布を用いて、実施例1と同様にして、表面に印刷を施した後、厚さ40μの透湿性を有する微孔ポリエチレンフィルムと積層し、使い捨てカイロを製作した。得られた使い捨てカイロは扁平断面繊維を用いたカイロと同様、鮮明な模様が印刷された、柔軟性に優れたカイロであった。
【0022】
実施例4
実施例1において、ナイロン6の代わりにポリエチレンテレフタレート繊維(2.0dtex、扁平度3.2)を用いた部分熱圧着スパンボンド(熱圧着面積率14.5%織目柄、目付40g/m2 )を得た。
この不織布を用いて、実施例1と同様にして、表面に印刷を施した使い捨てカイロを製作した。このカイロは印刷が鮮明で、ナイロン6繊維に比べ、張りがあり、寸法安定性に優れたものであった。
【0023】
実施例5
実施例4で得た不織布を、表面温度220℃の平滑金属ロール同士を組み合わせたカレンダー装置を通し、表面の繊維層を一段と薄化、平滑化した。この不織布の性能を表1に示す。
この平滑化した不織布を用いて、実施例4と同様にして、表面に印刷を施し、使い捨てカイロを製作した。得られた使い捨てカイロは表面が滑らかで、一段と模様の鮮明なカイロであった。また幾分剛性があり、靴底等の使用に適するものであった。
【0024】
実施例6
実施例1において、ポリプロピレン(JISK―7210の表1の条件で測定したMFR=40)を原料とした以外、同様にして不織布を得た。得られた不織布の構成繊維は2.5dtex、扁平度3.5、部分熱圧着面積率7%ピンポイント柄、目付40g/m2 であった。実施例1と同様にして、表面に印刷を施し、ラミネートするフィルムをLDPEとメタロセン触媒系ポリエチレン(シール面)とを半々積層した40μフィルムとして、実施例1と同様に使い捨てカイロを製作した。不織布の性能を表1に示すが、実施例1と同様に印刷性に優れたものであった。
【0025】
比較例1〜3
実施例1において、丸断面のナイロン6繊維(2.0dtex)、ポリエチレンテレフタレート繊維(2.0dtex)およびポリプロピレン繊維(2.8dtex)をそれぞれ用いて不織布を製作し、性能比較を行った。
不織布の性能を表1に示したが、いずれの不織布も、実施例のものに比べて印刷画像の鮮明性に劣るものであった。
【0026】
【表1】
Figure 2004024748
【0027】
【発明の効果】
本発明の印刷性に優れたカイロ包材用不織布は、異形断面形状を有する疎水性合成繊維で構成されるため、不織布の厚さを薄くでき、柔軟で肌触りに優れ、またその表面が平滑となるため、印刷性に優れ、鮮明で印刷濃度の高い画像が得られ、外観品位に優れた使い捨てカイロを得ることができる。

Claims (6)

  1. 疎水性合成繊維からなる不織布であって、該不織布が異形断面形状の繊維を含み、かつ少なくとも一面の不織布の縦方向と横方向の平均表面粗さ(Ra)が12μm以下であることを特徴とする印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
  2. 前記異形断面形状の繊維が、連続フィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
  3. 前記異形断面形状の繊維が、該繊維断面の外周の一部に直線部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
  4. 前記異形断面形状の繊維の断面扁平度が、1.3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
  5. 前記不織布を構成する繊維が、部分熱圧着により接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷性に優れたカイロ包材用不織布を少なくとも一面に用いた使い捨てカイロ。
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