JP2004022026A - 磁気記録媒体およびその製造方法と磁気記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気ディスクの保護膜上に潤滑膜として形成するアルコール官能基を有するフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤を、分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を0.48以下、分子内アルコール価数を3.00〜3.91に制御したフロロポリエーテル潤滑剤で構成する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録媒体およびその製造方法と磁気記録装置に係り、特に、磁気記録媒体の保護膜上に形成される潤滑膜の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置の大容量化に伴い、磁気ヘッドの低浮上化の進行は急速であり、既に浮上量は30nm以下まで下がり、それに伴い磁気ディスクの耐摺動信頼性の要求が益々高まっている。また、大容量化の進行とともに、データ処理速度を高めることも強く要求されるようになり、特にRAID(Redundant Array of Independent Disks)システムでは、高速転送のためディスク回転速度が10,000rpm以上で使われるディスク装置が要求されるようになってきた。
【0003】
一般に、磁気ディスク装置の信頼性を確保するために、磁気ディスク表面には、カーボン保護膜と、その上に潤滑膜とが形成されている。この潤滑膜としては、通常、化学的に安定なフッ素系の有機化合物であるフロロポリエーテルが広く使用されている。
【0004】
この種の潤滑剤として、例えば、商品名フォンブリンAM2001、商品名フォンブリンZ−DOL、商品名フォンブリンZ DOL−TX、商品名フォンブリンZ TETRAOL等のアウジモント社製の潤滑剤や、商品名デムナムSA、商品名デムナムSP等のダイキン製の潤滑剤が市販され、ディスク潤滑剤として使用されてきた。
【0005】
ところで、フロロポリエーテル潤滑剤は、平均分子量が1,000〜10,000のフロロポリエーテルを主鎖に持ち、その末端に極性官能基を有するものが使われる。
【0006】
磁気ディスク装置の信頼性を保証するには、長期間磁気ディスク表面の潤滑剤を保持する必要がある。
【0007】
しかし、磁気ディスク装置稼動時にはディスクが高速で回転するため、ディスクの回転により発生するディスク表面の空気流に起因するエアシアや直接潤滑剤に作用する遠心力により潤滑剤に回転飛散が生じ、次第にディスク表面の潤滑剤が減少する。また、単純に装置雰囲気中に潤滑剤が蒸発飛散するような現象も、発生することが知られている。
【0008】
従来、上記潤滑剤飛散の問題は、平均分子量が3,000を超える高分子量の潤滑剤を用いたり、低分子量成分を除いた潤滑剤を作製し、このような潤滑剤を用いて潤滑膜を形成する方法が提案され、ある程度の効果を得てきた。例えば、アウジモント社製の商品名フォンブリンZ DOLの分子量分布を制御して長時間にわたり安定な潤滑化を達成することが提案されている(例えば特開平9−120524号公報、特開2000−315314号公報参照)。
【0009】
しかし、商品名フォンブリンZ DOLのような潤滑剤の分子量を制御するだけでは、10,000rpm以上の高速回転、あるいは高温環境等の厳しい環境で使用されるディスク装置では、潤滑剤飛散を十分に抑制することが出来ない。
【0010】
この課題を解決する一つの手段として、潤滑剤の末端官能基の極性を高め、潤滑剤のディスク保護膜に対する吸着力を強化して、潤滑剤飛散を抑制する方法が提案されている(例えば特開2001−164279号公報参照)。
【0011】
例えば、市販の潤滑剤としては、商品名フォンブリンZ DOL−TXや商品名フォンブリンZ TETRAOLは、商品名フォンブリンZ DOLより吸着性の強い潤滑剤として知られている。中でも商品名フォンブリンZ TETRAOLは、より吸着性の強い潤滑剤として知られている。
【0012】
一方、ディスク保護膜に対して吸着性の高い潤滑剤は、概して極性が高く、溶媒に溶解し難いという実用上の問題がある。フロロポリエーテルのようなフッ素系の潤滑剤をディスクに塗布する際には、一般にフッ素系の溶媒が使用される。
【0013】
フッ素系の溶媒としては、パーフルオロカーボン、フルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン、塩素含有ハイドロフルオロカーボン、等の溶媒を挙げることができる。代表的な市販品例としては、それぞれ、スリーエム社製:商品名PFC−5060、アウジモント社製:商品名GALDEN、スリーエム社製:商品名HFE−7100、デュポン社製:商品名Vertrel XF、旭硝子株式会社製:商品名アサヒクリンAK−225等が挙げられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
現在市販されている、商品名フォンブリンZ TETRAOLは両末端に二価のアルコール官能基を有する極性の高い潤滑剤であるが、分子の両末端への官能基の導入は完全には行われておらず、商品名フォンブリンZ TETRAOLには一価のアルコール官能基が導入されているもの及びアルコール官能基が全く導入されていない官能基未導入体が混在している。
【0015】
このように二価及び一価のアルコール官能基、及び官能基未導入体の混在の結果、商品名フォンブリンZ TETRAOLの通常のアルコール価数は3.00〜3.95の範囲であり、分子内アルコール価数の最大値と最小値差で示されるアルコール価数分布は0.95である。さらにアルコール価数分布を支配する二価および一価アルコール官能基、および官能基未導入体の存在量は、製品ロット間でばらついている。
【0016】
フロロポリエーテルの中でアルコール価数の高い成分は、分子の極性が高く、磁気ディスクの保護膜に対し吸着性の高い潤滑剤特性を示すが、パーフルオロカーボンやフルオロポリエーテルのような溶媒には溶けず、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン、塩素含有ハイドロフルオロカーボン等の極性をもつ溶媒にも完全に溶けるとは言えず、ディスク生産上問題があった。
【0017】
また、フロロポリエーテルの中でアルコール価数の低い成分は、分子の極性が低く、磁気ディスクの保護膜に対し吸着特性の低い潤滑特性を示し、高速回転、あるいは高温環境等の厳しい環境で使用されるディスク装置では、潤滑剤飛散を十分に抑制することが出来ない。
【0018】
したがって、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、具体的には、高速で回転する磁気ディスクと磁気ディスク上を低浮上する磁気ヘッドとを主要構成要素とする高密度磁気記憶装置(磁気ディスク装置)において、信頼性の高い磁気記憶装置、それに供する潤滑特性の優れた潤滑膜を有する高信頼性の磁気記録媒体及びその製造方法とを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するため、フロロポリエーテルを有する潤滑剤の溶媒に対する溶解性及び磁気ディスクの保護膜に対する潤滑膜としての吸着特性(潤滑剤飛散の程度)について種々実験検討した。
【0020】
その結果、フロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤のアルコール価数を特定範囲内に制御し、かつ分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を特定値に規制することにより、フッ素系溶媒に溶解可溶で、かつ潤滑剤を磁気ディスク表面に塗布して潤滑膜を形成した際に、潤滑剤飛散を十分に抑制することができると云う重要な知見を得た。これにより信頼性の高い高密度磁気記憶装置および磁気記録媒体を容易に実現することができる。
【0021】
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、以下に本発明の目的が達成される具体的な発明の特徴について説明する。
【0022】
上記目的が達成される第一の発明は、非磁性基板上に少なくとも磁気記録再生を行うための磁性膜、保護膜及び潤滑膜を順次形成してなる磁気記録媒体において、前記潤滑膜は下記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを含み、前記フロロポリエーテルは分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布が0.48以下であり、かつ分子内平均アルコール価数が3.00〜3.91であることを特徴とする。
【0023】
R1−CF2O−〔−(CF2CF2O)m−(CF2O)n−〕−CF2−R2 …(1)
ただし、式中m及びnは正の整数、R1及びR2は末端基の
−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH
及び−CH2−OH
上記化学式(1)において、実用的に好ましくは、m及びnは3〜50の整数であり、分子内平均アルコール価数が3.38〜3.91であることを特徴とする。また、保護膜は例えばダイヤモンド状カーボン等の炭素系保護膜であるであることが望ましい。
【0024】
上記目的が達成される第二の発明は、非磁性基板上に少なくとも磁性膜、保護膜及び潤滑膜を順次形成する工程を有する磁気記録媒体の製造方法であって、前記潤滑膜の形成工程においては下記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤を塗布する工程を含み、前記フロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤の製造工程においては、炭素含有ガスを溶媒とする超臨界溶媒制御方法により温度と圧力とを制御して前記溶媒の密度を制御し、前記溶媒の密度に基づいて前記フロロポリエーテルの分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を0.48以下及び分子内平均アルコール価数を3.00〜3.91に分画、規制する工程を含むことを特徴とする。
R1−CF2O−〔−(CF2CF2O)m−(CF2O)n−〕−CF2−R2 …(1)
ただし、式中m及びnは正の整数、R1及びR2は末端基の
−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH
及び−CH2−OH。
【0025】
上記超臨界溶媒制御方法において用いられる炭素含有ガス溶媒としては、例えば、二酸化炭素CO2、エタンC2H6、フルオロホルムCF3Hが挙げられる。
【0026】
そこで、さらに好ましい第二の発明としては、上記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤の製造工程においては、溶媒を二酸化炭素とし、温度と圧力とを制御して超臨界または亜臨界状態の前記二酸化炭素にフロロポリエーテルを接触させて二酸化炭素中にフロロポリエーテルを抽出し、得られた抽出物を含む二酸化炭素を超臨界または亜臨界状態のまま段階的に増加する密度の二酸化炭素にさらして、それぞれの密度で分離されるフロロポリエーテルを順次分画し、前記フロロポリエーテルの分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を0.48以下及び分子内平均アルコール価数を3.00〜3.91に規制することを特徴とする。
【0027】
また、上記潤滑剤の製造工程におけるフロロポリエーテルの分画工程においては、二酸化炭素密度が0.50〜0.75g/cm3の範囲にある超臨界状態の二酸化炭素を用いることを特徴とする。
【0028】
上記目的が達成される第三の発明は、少なくとも情報の記録を行う磁気記録媒体と前記磁気記録媒体への情報の書き込み・消去及び前記磁気記録媒体からの情報の読み出しを行う磁気ヘッドとを備えた磁気記録装置において、前記磁気記録媒体を上記第一の発明となる磁気記録媒体で構成したことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
(1)アルコール価数を制御した潤滑剤の製造方法
本発明の潤滑膜を構成するフロロポリエーテル潤滑剤のアルコール価数を制御する方法について説明する。アルコール価数制御方法として本発明では超臨界溶媒制御法を用いる。超臨界溶媒制御法は、一般に高分子化合物の分子量を分画する方法としては周知の方法である。
【0030】
しかし、後述するように、超臨界溶媒制御法により本発明の骨子と成るフロロポリエーテルの分子内平均アルコール価数及び分子内平均アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を特定値に設定できると云うことは知られておらず、本発明者が初めて見出した事実である。
【0031】
すなわち、本発明による二価および一価アルコール官能基、および官能基未導入体が混在するフロロポリエーテルの、アルコール価数による制御方法は、超臨界状態または亜臨界状態の溶媒に溶解し得るフロロポリエーテルのアルコール価数が超臨界溶媒の密度によって変化することを利用するものである。
【0032】
超臨界溶媒は、わずかな温度・圧力の変化により、極希薄な低密度状態(気体)から液体に近い高密度な状態まで連続的に大きく変化する。超臨界溶媒の溶質溶解能力はこの密度に依存する。従って温度・圧力を制御することにより、溶質溶解能力を自由に変化させることができる。
【0033】
例えば溶媒としての二酸化炭素は、臨界温度 31.3℃、臨界圧力7.38MPaであり、これを越えた状態にあって液体と気体の中間的な性質、即ち液体に近い密度と、気体に近い拡散係数を有することを超臨界状態にあるという。また、亜臨界状態とは、明確な定義はないものの、一般的には超臨界状態の近傍に存在し、二酸化炭素においては温度約25℃以上、圧力約5MPa以上で、上記臨界温度または圧力以下にあるものであって、上記のような液体と気体の中間的な性質を有するものをいう。
【0034】
他の物質(溶媒)と比較して二酸化炭素は、温和な条件で超臨界溶媒状態とすることができること、および超臨界状態の流体、特に安全性、経済性等の面から好ましい溶媒であるので、ここでは二酸化炭素を超臨界溶媒の代表例として挙げ説明する。
【0035】
このような特徴を有する超臨界溶媒状態の二酸化炭素の溶質溶解能力を、密度を変化させることにより制御し、それに対する分子内アルコール価数のわずかな構造的相違による溶解度差を利用して、フッ素系潤滑剤を分子内アルコール価数の最大値と最小値で表されるアルコール価数分布および分子内平均アルコール価数を特定の好ましい数値範囲内に制御することができる。
【0036】
超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素に対するフロロポリエーテルのアルコール価数による溶解度は、超臨界状態の二酸化炭素の密度により変化し、密度が高い程アルコール価数の高いフロロポリエーテルを溶解し得る。
【0037】
従って、本発明においては、最初にフロロポリエーテルを超臨界または亜臨界状態の二酸化炭素に接触させて二酸化炭素中にフロロポリエーテル分画を抽出し、得られた抽出物を含む二酸化炭素を超臨界または亜臨界状態のまま段階的に増加する密度にさらすと、最初に二酸化炭素中に抽出されたフロロポリエーテルのアルコール価数の低い分画から高い分画へと順次分離されるものである。
【0038】
本発明を実施するに好ましい超臨界状態の二酸化炭素の密度は0.50〜0.75g/cm3の範囲である。二酸化炭素の密度は温度と圧力によって制御される。安定した密度状態を得るためには温度を一定とし、圧力を調整することが好ましい。例えば、温度を60℃一定とした場合、圧力を14〜30MPaの範囲に設定することによって上記密度範囲を得るにことができる。
【0039】
好ましい値に制御されたアルコール価数分布および分子内平均アルコール価数を有するフロロポリエーテル潤滑剤を得るには、上記範囲から適宜決定することができる。
【0040】
本発明における超臨界流体状態の二酸化炭素を用いたフロロポリエーテルのアルコール価数分布および分子内平均アルコール価数の制御は、主に超臨界流体送液装置、温度調整装置及び背圧調整装置からなる市販の超臨界流体装置を用いることにより、簡便に行うことができる。
【0041】
また、本発明によるフロロポリエーテル末端の官能基R1R2の制御には分画溶媒に常温・常圧では気体である二酸化炭素の超臨界状態を使用していることから、官能基制御後の精製されたフロロポリエーテルに対して何ら溶媒分離工程を必要としない。すなわち、二酸化炭素は常温・常圧で自然に蒸発してしまうので精製されたフロロポリエーテル中には殆ど残留しない。
(2)潤滑膜塗布方法
上記方法で分子の末端基を制御したフロロポリエーテルを磁気記録媒体に塗布する方法を記述する。現在潤滑剤からなる層の厚さは約0.5 〜5nm であるため、粘性が30 ℃で0.01 PaDs 程度のバルクのフロロポリエーテルを塗布したのでは膜厚が大きくなりすぎる恐れがある。そこで塗布の際は、溶媒(後述の含フッ素溶媒が適当である)に溶解したものを用いる。但し、濃度は塗布方法・条件により異なる。
【0042】
塗布方法は、ディップ法、スピンコート法等が挙げられる。ディップ法では引き上げ速度、スピンコート法では回転数や回転時間等が濃度設定のパラメーターになる。
【0043】
潤滑剤溶液の濃度が同じであれば、ディップ法では引き上げ速度が速いほど潤滑層が厚く形成される。ただ用いる溶媒にもよるが、引き上げ速度によっては潤滑層表面に細かな凹凸が形成されることがある。これは引き上げ速度以外に、用いる溶媒の沸点や蒸発熱、塗布作業時の環境(温度、湿度、オイルミストや粉じん等の汚染物質の個々の濃度等)等が影響する。
【0044】
スピンコート法では低回転ほど、また回転時間が短いほど潤滑層が厚く形成される傾向がある。ただ用いる溶媒にもよるが、回転速度や回転時間によっては潤滑層表面に細かな凹凸が形成されることがある。これは回転速度や回転時間以外に用いる溶媒の沸点や蒸発熱、吸湿性等が影響する。
【0045】
潤滑剤溶液を調製するのに用いる溶媒は、例えばパーフルオロカーボン、フルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン、塩素含有ハイドロフルオロカーボン、等の溶媒を挙げることができる。
【0046】
この種の溶媒の代表的な市販品の例としては、それぞれ、スリーエム社製の商品名PFC−5060、アウジモント社製の商品名GALDEN、スリーエム社製の商品名HFE−7100、デュポン社製の商品名Vertrel XF、旭硝子株式会社製の商品名アサヒクリンAK−225等が挙げられる。
(3)用途
本潤滑剤の用途は、高速で回転する磁気ディスクとこの磁気ディスク上を低浮上する磁気ヘッドで構成される、高密度磁気記憶装置において、信頼性の高い磁気記憶装置およびこの磁気記憶装置に用いられる磁気記録媒体を提供するための潤滑剤としての用途が挙げられる。
【0047】
これは磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摩擦係数の低減が目的であるので、磁気記録媒体以外にも記録媒体と磁気ヘッドとの間に摺動が伴う他の記録装置に対する用途も考えられる。また撥水性、撥油性のあるフロロポリエーテル鎖を有するため、ガラス、金属等の固体表面に適用する撥水剤、撥油剤としての用途も挙げられる。
(4)磁気記録媒体の構成
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも磁性層及び潤滑剤層を有する磁気記録媒体であり、より好ましくは磁性層上に保護層を有し、その上に潤滑剤層を有するものである。
【0048】
非磁性基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂及び塩化ビニル系の樹脂等の高分子材料、ガラス、セラミック、ガラスセラミック及びカーボン等の無機系材料、並びにアルミニウム合金などの金属材料を用いることができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0049】
磁性層は、1層又は2層以上であることができ、2層以上の場合、各磁性層間に非磁性中間層を設けることができる。また、磁性層を構成する材料には特に制限はないが、例えばFe、Co、Ni等の金属や、Co−Ni合金、Co−Ni−Cr合金、Co−Ni−Cr−Ta合金、Co−Pt合金、Co−Pt−Cr合金、Co−Ni−Pt−Cr合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合金、Co−Pt−Cr−Ta合金、あるいはこれらの合金にAl等の金属や硼素、酸素、窒素、酸化物、窒化物等を含有させたもの等を挙げることができる。
【0050】
これらの磁性層は、蒸着法、直流スパッタ法、交流スパッタ法、高周波スパッタ法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などの各種の方法により形成することができる。また、上記磁性層は、前記非磁性基板上に、直接に、または例えばCr等の下地層を介して設けることができる。
【0051】
保護膜層としては、例えば、非晶質カーボン膜、ダイヤモンド状カーボン膜及び水素化カーボン膜等の炭素系保護膜や二酸化珪素膜及びジルコニア膜等の酸化物系保護膜を挙げることができる。但し、保護膜層としては、これらに限定されるものではない。尚、炭素系保護膜は、酸化物系保護膜のように表面の官能基の数が少ないために潤滑剤の吸着性が酸化物膜に較べて悪く、本発明は、炭素系膜を保護膜層として有する磁気記録媒体において特に有効である。
【0052】
本発明の製造方法により得られたフッ素系潤滑剤は、極性の高い二価アルコール〔−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH〕を分子の末端官能基R1及びR2の少なくとも一つとして有しているため、磁気記録媒体の保護膜との吸着力が高い。従って、得られたフッ素系潤滑剤を保護膜上に塗布することにより、安定性の優れた潤滑剤層が形成され、良好な摺動特性、耐久性を有する磁気記録媒体を得ることができる。
(5)磁気記録媒体・装置とその用途
本発明の磁気記録媒体の用途としては電子計算機、ワードプロセッサー等の外部メモリー(具体的にはハードディスク装置やフレキシブルディスク等)が挙げられる。また、ナビゲーションシステム、ゲーム、携帯電話、PHS 等の各種機器、およびビルの防犯、発電所等の管理・制御システムの内部・外部メモリー等にも適用可能である。
【0053】
本発明の潤滑膜を形成するアルコール官能基を有するフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤は、アルコール価数分布および分子内平均アルコール価数が制御されており、フッ素系溶媒に可溶であり、かつ吸着特性が高い。すなわち、このフロロポリエーテルは、磁気記録媒体に塗布可能であり、かつ吸着特性が高いことから高速回転、あるいは高温環境等の厳しい環境で使用されるディスク装置において、潤滑剤飛散を十分に抑制することが出来る。
【0054】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
【実施例】
<実施例1>
アウジモント社製二価アルコール官能基導入フロロポリエーテル系潤滑剤 商品名フォンブリンZ TETRAOLを、超臨界流体送液装置、温度調整装置及び背圧調整装置から構成される市販の超臨界流体装置よりアルコール価数分画を行った。
【0056】
潤滑剤の原料となるこの二価アルコール官能基導入フロロポリエーテル系潤滑剤は、分子量が約2000の化学式(1)で表わせ、n、mはいずれも8〜16のものである。
【0057】
超臨界条件は、二酸化炭素流量 10ml/min、二酸化炭素密度0.535, 0.597, 0.685, 0.750g/cm3の4段階に分け、各密度にて20分間の抽出を行った。各密度の具体的な温度および圧力はそれぞれ温度60℃一定、背圧14.3, 16.0, 19.5, 23.5Mpaである。
【0058】
このように二酸化炭素の密度に基づいて分画された4つのフラクションを圧力の低い順番に試料番号をそれぞれF1、F2、F3及びF4とした。各分画成分に関して19F−NMRおよび1H−NMRスペクトル測定を行い、ピークのケミカルシフト値および積分強度比から、アルコール価数分布および平均アルコール価数の評価をした。
【0059】
19F−NMR分析における一価アルコール由来のビークである−83.3ppmおよび−81.3ppmの積分値の和をP1とし、二価アルコール由来のピークである−79.4ppmおよび−77.3ppmの積分値の和をP2とし、また、末端に官能基を有しない成分由来のピークである−58.3, −56.3, −29.3, −27.7ppmそれぞれの積分値の和N1とした場合、平均アルコール価数は次式(2)により計算される。
【0060】
(P1 × 2 + P2 × 4 ) / (P1 + P2 +N1) …(2)
また、1H−NMR分析における−OH由来の4.75〜4.90ppm (d, 2H)の積分値をH1とし、−CH2−由来の4.15ppm (m, 7H)の積分値をH2とした場合、アルコール価数分布は下式(3)で計算される。
((P2/(P1+P2+N1)) × 4 × H2/H1/3.5 ) −
(P1/(P1+P2+N1)) × 2 × (1−H2/H1/3.5)) …(3)
その結果を表1に示したように、F1のアルコール価数分布0.159、分子内平均アルコール価数3.00/F2のアルコール価数分布0.480、分子内平均アルコール価数3.38/F3のアルコール価数分布0.251、分子内平均アルコール価数3.75/F4のアルコール価数分布0.072、分子内平均アルコール価数3.91であった。
【0061】
未制御の商品名フォンブリンZ TETRAOLのアルコール価数分布0.950、分子内平均アルコール価数3.66と比較して、本実施例の試料F1〜F4はいずれも狭いアルコール価数分布が得られることが分かった。
【0062】
原料である商品名フォンブリンZ TETRAOLのアルコール価数分布と比較して、上記により得た狭いアルコール価数分布を有するフロロポリエーテルを、フッ素系溶媒であるスリーエム社製の商品名HFE−7100およびデュポン社製の商品名Vertrel XFにて0.25重量%の濃度に希釈調製した。これら各試料の溶解性を表1に示す。
【0063】
なお、表1中の溶媒溶解特性の○印はフロロポリエーテルが溶媒に良く溶解し、溶液が無色透明であることを、×印は溶液が白濁してフロロポリエーテルが溶媒に溶解していないことをそれぞれ示している。
【0064】
<比較例1>
上記実施例同様にアウジモント社製の二価アルコール官能基導入フロロポリエーテル系潤滑剤 商品名フォンブリンZ TETRAOLを実施例1と同様の超臨界流体装置よりアルコール価数分画を行った。
【0065】
本比較例では超臨界条件として、二酸化炭素流量 10ml/min、二酸化炭素密度0.768g/cm3とし、分画抽出を行った。密度の具体的な温度および圧力は温度60℃、背圧24.5MPaである。この例は、実施例1の試料F1〜F4よりも二酸化炭素の密度も、背圧も共に高いものである。
【0066】
分画成分に関して19F−NMRおよび1H−NMRスペクトル測定を行い、実施例1と同様にピークのケミカルシフト値および積分強度比から、アルコール価数分布および平均アルコール価数の評価をした。その結果は、表1に示したようにアルコール価数分布0.013、分子内平均アルコール価数3.92であった。
【0067】
実施例1同様に、原料である商品名フォンブリンZ TETRAOLのアルコール価数分布と比較して、上記により得た原料とは異なるアルコール価数分布を有するフロロポリエーテル、および分画前の商品名フォンブリンZ TETRAOLをフッ素系溶媒であるスリーエム社製の商品名HFE−7100およびデュポン社製の商品名Vertrel XFにて0.25重量%の濃度に希釈調製した。その溶解性を表1に示す。
【0068】
【表1】
上述の溶媒に希釈した潤滑剤の潤滑剤用液の溶解性結果から分子内平均アルコール価数の高い比較例1およびアルコール価数分布の広い未分画の商品名フォンブリンZ TETRAOLはフッ素系溶媒に対する溶解性が悪いため、ディスク生産上問題がある。これに対し、実施例1で得られたアルコール価数分布が0.480以下、かつ分子内平均アルコール価数が3.91以下であるフロロポリエーテルはフッ素系溶媒に対する溶解性は良好であることが分かった。
【0069】
<実施例2>
下地層、磁性層、および最表面に非晶質カーボンからなる保護膜を形成したガラス基板上に、実施例1で得られた商品名フォンブリンZ TETRAOLのフラクションであるF1、F2、F3およびF4の潤滑剤層(膜厚約1nm)をディッピング法により形成し、磁気記録媒体を得た。
【0070】
磁気記録媒体上の潤滑剤層をTOF−SIMSで測定を行った。一価アルコール由来である末端基−CF2CH2OH成分のmass 81のピーク強度と二価アルコール由来である末端基−CF2CH2OCH2CH(OH)CH2OH成分のmass 155のピーク強度の比を各分画成分に関して評価した結果を表2に示す。
【0071】
得られた磁気記録媒体について、カーボン膜で被覆したAl2O3−TiC製磁気ヘッドを用いて、CSSテストを行った。テスト条件は、ヘッド荷重 3gf、温度25℃、湿度40%、測定半径 20mm、ディスク回転数 15000rpmとした。潤滑剤層の評価は1000時間稼働後の最大摩擦係数および初期潤滑剤層の膜厚に対する残有膜厚の比率により行った。
【0072】
その結果を表2に示す。評価結果の残有膜厚(%表示)は、保護膜に対する潤滑膜の吸着力の指標ともなり、膜厚%が大きいほど安定した良好な潤滑膜と云えるものである。
【0073】
<比較例2>
アウジモント社製のアルコール官能基導入フロロポリエーテル系潤滑剤 商品名フォンブリンZ Dolを、実施例1と同様の超臨界流体装置よりアルコール価数分画を行った。
【0074】
超臨界条件は、二酸化炭素流量 10ml/min、二酸化炭素密度0.587g/cm3とし、分画抽出を行った。密度の具体的な温度および圧力は温度60℃、背圧15.7Mpaである。分画成分に関して19F−NMRおよび1H−NMRスペクトル測定を行い、ピークのケミカルシフト値および積分強度比から、アルコール価数分布および平均アルコール価数の評価をした。その結果アルコール価数分布0.960、分子内平均アルコール価数1.96であった。
【0075】
実施例2同様に、下地層、磁性層、および最表面に非晶質カーボンからなる保護膜を形成したガラス基板上に、上記により得た商品名フォンブリンZ Dolのフラクションの潤滑剤層(膜厚約1nm)をディッピング法により形成し、磁気記録媒体を得た。
【0076】
得られた磁気記録媒体について、カーボン膜で被覆したAl2O3−TiC製磁気ヘッドを用いて、CSSテストを行った。テスト条件は、ヘッド荷重 3gf、温度25℃、湿度40%、測定半径 20mm、ディスク回転数 15000rpmとした。潤滑剤層の評価は1000時間稼働後の最大摩擦係数および初期潤滑剤層の膜厚に対する残有膜厚(%表示)の比率により行った。その結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
実施例において得られたアルコール価数分布が0.480以下、かつ分子内平均アルコール価数が3.92以下である潤滑剤を潤滑層として用いた磁気記録媒体の1000時間評価後の最大摩擦力係数は1.0以下であり、残有膜厚が95%以上であった。
【0078】
これに対し、比較例で得られたアルコール価数分布0.960、分子内平均アルコール価数1.96潤滑剤を潤滑剤を潤滑層として用いた磁気記録媒体の1000時間評価後の最大摩擦力係数は2.8であり、残有膜厚が80.3%であった。
【0079】
従って、本発明の製造方法により得られるアルコール価数分布を制御したフロロポリエーテルは、長時間にわたり安定な潤滑化および潤滑膜厚を達成することが実現できた。
【0080】
評価結果の残有膜厚(%表示)は、試料F1のアルコール価数3.00で95.2%であり、試料F2〜F4ではアルコール価数3.38〜3.91で96.0%〜97.3%である。したがって、残有膜厚96.0%以上を維持するには試料F2〜F4のアルコール価数3.38〜3.91であることが好ましい。
【0081】
一方、最大摩擦係数は残有膜厚特性とは傾向として逆であり、アルコール価数が低い方が摩擦係数が小さくなる。
【0082】
磁気ディスク装置の駆動方式には、CSS方式とロード・アンロード方式とがあり、CSS方式の場合には磁気ヘッドが磁気ディスクに接触するので摩擦係数が小さい方が好ましく、ロード・アンロード方式では磁気ヘッドが磁気ディスクに接触しないので摩擦係数は余り問題にならず、むしろ残有膜厚特性を優先する。したがって、いずれの駆動方式を選択するかによって、好ましいアルコール価数を選べばよい。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により従来技術の問題点を解消することができ、高速で回転する磁気ディスクと磁気ディスク上を低浮上する磁気ヘッドとを主要構成要素とする高密度磁気記憶装置(磁気ディスク装置)において、信頼性の高い磁気記憶装置、それに供する潤滑特性の優れた潤滑膜を有する高信頼性の磁気記録媒体及びその製造方法とを提供すると云う所期の目的を達成することができた。
【0084】
具体的には、潤滑膜を構成するアルコール価数分布を制御したフロロポリエーテルは、フッ素系溶媒に可溶であり、かつ吸着特性が高い。本発明の潤滑剤を磁気記録媒体用潤滑剤として用いることにより、高速回転環境等の厳しい環境で使用されるディスク装置において、潤滑剤飛散を十分に抑制することが可能であり、信頼性の高い磁気記憶装置の実現が可能となる。
Claims (7)
- 非磁性基板上に少なくとも磁気記録再生を行うための磁性膜、保護膜及び潤滑膜を順次形成してなる磁気記録媒体において、前記潤滑膜は下記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを含み、前記フロロポリエーテルは分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布が0.48以下であり、かつ分子内平均アルコール価数が3.00〜3.91であることを特徴とする磁気記録媒体。
R1−CF2O−〔−(CF2CF2O)m−(CF2O)n−〕−CF2−R2 …(1)
ただし、式中m及びnは正の整数、R1及びR2は末端基の
−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH
及び−CH2−OH - 上記化学式(1)において、m及びnは3〜50の整数であり、分子内平均アルコール価数が3.38〜3.91であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
- 保護膜が炭素系保護膜であるであることを特徴とする請求項1もしくは2記載の磁気記録媒体。
- 非磁性基板上に少なくとも磁性膜、保護膜及び潤滑膜を順次形成する工程を有する磁気記録媒体の製造方法であって、前記潤滑膜の形成工程においては下記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤を塗布する工程を含み、前記フロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤の製造工程においては、炭素含有ガスを溶媒とする超臨界溶媒制御方法により温度と圧力とを制御して前記溶媒の密度を制御し、前記溶媒の密度に基づいて前記フロロポリエーテルの分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を0.48以下及び分子内平均アルコール価数を3.00〜3.91に分画、規制する工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
R1−CF2O−〔−(CF2CF2O)m−(CF2O)n−〕−CF2−R2 …(1)
ただし、式中m及びnは正の整数、R1及びR2は末端基の
−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−OH
及び−CH2−OH - 上記化学式(1)で表わせるフロロポリエーテルを主成分とする潤滑剤の製造工程においては、溶媒を二酸化炭素とし、温度と圧力とを制御して超臨界または亜臨界状態の前記二酸化炭素にフロロポリエーテルを接触させて二酸化炭素中にフロロポリエーテルを抽出し、得られた抽出物を含む二酸化炭素を超臨界または亜臨界状態のまま段階的に増加する密度の二酸化炭素にさらして、それぞれの密度で分離されるフロロポリエーテルを順次分画し、前記フロロポリエーテルの分子内アルコール価数の最大値と最小値の差で示されるアルコール価数分布を0.48以下及び分子内平均アルコール価数を3.00〜3.91に規制することを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 上記潤滑剤の製造工程におけるフロロポリエーテルの分画工程においては、二酸化炭素密度が0.50〜0.75g/cm3の範囲にある超臨界状態の二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 少なくとも情報の記録を行う磁気記録媒体と前記磁気記録媒体への情報の書き込み・消去及び前記磁気記録媒体からの情報の読み出しを行う磁気ヘッドとを備えた磁気記録装置において、前記磁気記録媒体を請求項1乃至3のいずれか一つに記載の磁気記録媒体で構成したことを特徴とする磁気記録装置。
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