JP2004021331A - 車両関連情報提供システム及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載装置で得たデータの活用性を向上できる車両関連情報提供システム及びその方法を提供する。
【解決手段】車両1に搭載された車載装置3と、通信回線9、13を介して車載装置3と相互に通信が可能なサーバ装置5と、通信回線13を介してサーバ装置5と相互に通信が可能な利用者端末7とを含み、サーバ装置5は、車載装置3から送信されるデータを記憶する生データ用データベース27a、車載装置3から送信されたデータを加工する手段23、この加工したデータを記憶する加工データ用データベース27b、利用者端末7から送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベース27bで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段23、及びこの取得したデータを利用者端末に送信する手段25とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両1に搭載された車載装置3と、通信回線9、13を介して車載装置3と相互に通信が可能なサーバ装置5と、通信回線13を介してサーバ装置5と相互に通信が可能な利用者端末7とを含み、サーバ装置5は、車載装置3から送信されるデータを記憶する生データ用データベース27a、車載装置3から送信されたデータを加工する手段23、この加工したデータを記憶する加工データ用データベース27b、利用者端末7から送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベース27bで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段23、及びこの取得したデータを利用者端末に送信する手段25とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両関連情報の提供技術に係り、特に、通信回線を介して車両関連情報の提供を行う車両関連情報の提供技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、車両には、車両の動作や運行などに関連するデータやその車両の位置データなどを取得できる様々な車載装置が搭載されている。例えば、トラックやタクシーなどの業務用の車両などでは、デジタルタコグラフやタクシーメータなど車両の運転や運行状況などに関するデータを取得して記憶媒体などに記憶する機器や装置類などが搭載されている。また、様々な車両で、GPS受信機能を有する機器など、位置に関するデータを取得する機器や装置類などが搭載されている。
【0003】
このような車載装置で取得したデータのうち、例えばデジタルタコグラフやタクシーメータなどで得た車両の運転や運行状況などに関するデータは、車両の運行終了後、解析や記録のため、所属する営業所に備え付けられたコンピュータなどに移され安全運転管理などに利用されている。また、例えば車両の位置などに関するデータは、車両内で自分の位置の確認に利用される他、通信回線を介してその車両の位置データを、その車両以外の場所で、通信回線に接続された端末、携帯電話、PHS、PDAなどで確認できるサービスなどに利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車載装置で取得されたデータは、所定の期間蓄積したデータや、異なる車両に搭載された車載装置や異なる種類の車載装置で取得したデータなどを適宜組み合わせて加工すれば、車両の動作や運行に関連する種々の情報や、車両の運行や運転に影響を与える道路交通情報や気象情報などといった様々な有用な車両関連情報に加工して活用することができる。
【0005】
しかし、車載装置で取得されたデータは、現状では、例えばその車載装置が搭載されている車両の位置の確認や、その車載装置が搭載されている業務用車両の安全運転管理などといったように限られた目的で利用されているだけである。
【0006】
また、車載装置で取得されたデータは、車両の位置データを除けば、例えば、業務用車両の運行終了後に車載装置から記録媒体などを介して営業所などに設置されたコンピュータに移されて分析などが行われるなど、車載装置で取得されたデータに基づく情報をリアルタイムに利用できない場合がある。
【0007】
このように、現在、車載装置で得られるデータを活用して、利用者が必要とするときに、利用者が必要とする様々な内容の車両関連情報を提供する技術はなく、車載装置で得たデータを十分に活用できていない状況にある。
【0008】
本発明の課題は、車載装置で得たデータの活用性を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両関連情報提供システムは、車両に搭載された車載装置と、通信回線を介して車載装置と相互に通信が可能なサーバ装置と、通信回線を介してサーバ装置と相互に通信が可能な利用者端末とを含み、サーバ装置は、車載装置から送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する生データ用データベースと、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、この加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する加工データ用データベースと、利用者端末から送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベースで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末に送信する手段とを有し、利用者端末は、入力された利用者の識別情報をサーバ装置へ送信する手段と、利用者の識別情報に対応してサーバから送信されてくるデータに基づいて車両関連情報の表示項目の選択画面または車両関連情報を表示画面に表示する手段とを有する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0010】
さらに、サーバ装置は、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末に送信する手段とを有する構成とする。
【0011】
また、サーバ装置は、このサーバ装置に接続され、車載装置から得られないデータを入力するためのデータ入力手段と、このデータ入力手段及び利用者端末の少なくとも一方により入力されたデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する入力データ用データベースとを有し、車両関連情報のデータを加工する手段は、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベースに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する構成とする。
【0012】
さらに、サーバ装置は、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成する手段と、この作成した課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に記憶する課金情報用データベースとを有する構成とする。
【0013】
また、サーバ装置は、検索要求に応じて課金情報用データベースに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索する手段と、この検索した識別情報に対応する課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する手段とを有する構成とする。
【0014】
また、サーバ装置は、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが利用者によって予め設定された条件に該当したことを知らせる情報を利用者端末に送信する手段を有する構成とする。
【0015】
さらに、本発明の車両関連情報提供システム用のサーバ装置は、車両に搭載された車載装置と通信回線を介して相互に通信する手段と、車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、この加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースと、利用者端末から通信回線を介して送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベースで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えた構成とすることにより上記課題を解決する。
【0016】
また、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えた構成とする。
【0017】
さらに、本発明の車両関連情報提供の方法は、車両に搭載された車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能にサーバ装置の生データ用データベースに記憶し、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータをサーバ装置で加工し、この加工したデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能にサーバの加工データ用データベースに記憶し、サーバ装置に利用者端末から通信回線を介して送られてくる利用者の識別情報に応じて加工データ用データベースを検索し、識別した利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得して利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信することにより上記課題を解決する。
【0018】
また、本発明の車両関連情報提供の方法は、利用者端末で利用者の識別情報を入力し、車載装置が搭載された車両の識別情報と車載装置から得たデータとを相互に関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、車載装置から得たデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工して利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースとを備えたサーバ装置に通信回線を介して送信し、利用者の識別情報に応じて加工データ用データベースで検索されてサーバ装置から通信回線を介して送信されてくるデータに基づいて、利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を表示することにより上記課題を解決する。
【0019】
また、利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、サーバ装置から送信されてくるデータに基づいて、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を利用者端末で表示する方法とする。
【0020】
これにより、車載装置で取得されたデータまたは車載装置で取得されてサーバ装置が有する生データ用データベースに記憶されたデータは、利用者に提供する車両関連情報の内容に応じて加工され、サーバ装置が有する加工用データベースに記憶される。サーバ装置は、利用者の識別情報に応じて、この利用者の識別情報に関連づけられたデータ、つまりその利用者が必要とする車両に関する車両関連情報やその他の車両関連情報に関するデータを加工用データベースで検索する。そして、サーバ装置は、検索結果に応じて、車両関連情報の表示項目の一覧、または、車両関連情報のデータを利用者端末に送信する。
【0021】
したがって、利用者は、その利用者が必要とする車両関連情報を必要なときに利用者端末で入手することができる。加えて、生データ用データベースは、異なる車両に搭載された車載装置や異なる種類の車載装置から通信回線を介して送られてきた種々のデータ、そして様々な期間に取得されたデータなどを記憶することができる。このため、車載装置から送信されてきたデータや生データ用データベースに記憶されていたデータを組み合わせて加工することで、車載装置から取得したデータを、単一の車両や単一の車載装置に関する情報などに限らない様々な車両関連情報に加工して提供することができる。すなわち、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【0022】
さらに、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを利用者端末に送信する。したがって、サーバ装置の運用者と契約を結んで車両関連情報の提供を受ける第1の利用者が、この第1の利用者が取得できる車両関連情報のうち、この利用者以外の者にも有用な情報などを、この第1の利用者が設定した第1の利用者以外の者、つまり第2の利用者に情報を限定して提供することができる。
【0023】
例えば、車載装置を搭載した運送用車両を運行する運送会社が第1の利用者としてサーバ装置の運用者と契約を結んで、その運送用車両の運転や運行の状態、配送の作業状況などといった車両関連情報の提供を受ける場合、この運送用車両で運ぶ荷物の荷主を第2の利用者として設定し、荷主が必要とする配送の作業状況に限定して車両関連情報を提供することができる。このため、車載装置で得たデータをサーバ装置の運用者と契約した者以外の者へ提供する情報として活用でき、車載装置で得たデータの活用性をさらに向上できる。
【0024】
加えて、車載装置から得られない情報に関するデータをデータ入力手段で入力し、このデータ入力手段により入力されたデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に入力データ用データベースに記憶し、車両関連情報のデータを加工する手段が、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベースに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する。このため、利用者毎の種々の定義情報や設定情報などの車載装置から得られない情報に関するデータを用いて車載装置で得たデータを加工し、提供する情報の種類や情報の提供の方法などを増大できる。したがって、車載装置で得たデータの活用性を一層向上できる。
【0025】
さらに、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成して課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に課金情報用データベースに記憶する。これにより、サーバ装置の運用者が利用者に対して利用実績に応じて料金を自動的に算出できるため、利用者に対する情報提供料の算出作業を簡素化できる。加えて、課金情報用データベースに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索して、課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する。このため、ファイナンス機関との契約がある場合には、ファイナンス機関に課金情報を送信することで、情報提供料の徴収作業を自動化できる。
【0026】
さらに、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、そのことを利用者に知らせる。このため、例えば運送用車両などが定められた安全運行管理のために定められた基準から外れた運転を行った場合、その運送用車両が基準から外れた運転を行ったことを、その運送用車両を所有する運送会社にリアルタイムに通知できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの一実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの概略構成と動作を示す図である。図2は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの一例の概略を説明する図である。図3は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの別の例の概略を説明する図である。図4は、利用者端末に表示される利用者の識別情報に関する入力画面の一例を示す図である。図5は、利用者端末に表示される車両関連情報の表示項目に関する選択画面の一例を示す図である。
【0028】
なお、車両関連情報とは、車両の走行速度、走行距離、その他ブレーキ動作やギア動作などの車両の種々の動作に関するデータを含めた車両の運行や運転の状態に関連する情報、交通規制、道路地理、車両分布、気象や天候状態などの車両の運転や運行に影響を与える道路交通情報や気象情報、その他、輸送用車両つまりトラックやタクシー、バスなどといった業務用の車両に対する業務的な指示や、業務用の車両の作業状況に関する情報、貨物情報、配車に関する情報など、車両の運転や運行などに関連する様々な情報を意味するものである。
【0029】
本実施形態の車両関連情報提供システムは、図1に示すように、通信回線で相互に交信可能に接続された車両1に搭載された車載装置3、車両関連情報の提供を行うためのサーバ装置5、そして車両関連情報の提供を受ける利用者が使用する利用者端末7などで構成されている。車載装置3は、パケット通信網などの無線通信回線9の基地局11及びインターネットなどの通信回線を利用したネットワーク13を介して相互に交信可能にサーバ装置5に接続されている。利用者端末7は、インターネットなどの通信回線を利用したネットワーク13を介して相互に交信可能にサーバ装置5に接続されている。
【0030】
なお、本実施形態では、車載装置3と利用者端末7は、共に同じネットワーク13を介してサーバ装置5に接続されているが、車載装置3は、図1において破線の矢印で示すように、ネットワーク13を介さず、無線通信回線9の基地局11とサーバ装置5とを別の通信回線、例えば専用の通信回線を敷設して接続することもできる。さらに、利用者端末7とサーバ装置5も、ネットワーク13に代えて専用の通信回線を敷設して接続することもできる。ただし、インターネットなどのネットワーク13を利用して車載装置3、サーバ装置5、そして利用者端末7などを接続すれば、新たに通信回線を施設する必要が無く、車両関連情報提供システムを構築するコストを低減できる。
【0031】
車載装置は、例えば業務用の車両などに搭載されたデジタルタコグラフやタクシーメータなどの車両の走行速度、走行距離、その他ブレーキ動作やギア動作などの車両の種々の動作に関するデータといった車両の動作や運行状況などに関する様々なデータを取得する機器、GPS受信機能を有する機器など位置に関するデータを取得する機器、さらに、エンジンコントロールユニットといった車両の動作の制御を行う装置などに通信機能を付加した機器、車両内に持ち込まれた携帯電話、PHS、PDAなど車両の位置情報やその他車両や交通に関する情報を入力できる機器など、車両内に在って車両や交通に関するデータを取得または入力して送信できる様々な装置を意味している。なお、車載装置は、単独の機器のみでなく、車両内に在る複数の機器類を通信装置に接続して構成することもできる。また、車載装置には、取得したデータを記憶する記憶媒体などを備えた構成にすることもできる。
【0032】
本実施形態では、これら様々な車載装置のうち、通信機能を付加したデジタルタコグラフを車載装置3とした場合を例として説明する。すなわち、本実施形態の車載装置3は、トラックなどの業務用の車両1に搭載されたデジタルタコグラフ15、デジタルタコグラフ15に相互にデータの伝達可能に接続された運転手操作端末17などで構成されている。デジタルタコグラフ15は、相互にデータの伝達可能に接続された運行記録計15aと通信装置15bとを備えている。運行記録計15aと通信装置15bは、データの取得可能に車両1に設置された各種センサー19と接続されている。通信装置15bには、通信回線を介してデータの送受信を行える様々な装置を用いることができ、本実施形態の用に無線通信回線網9を介している場合、例えば携帯電話、PHS、無線LANなどの通信回線を利用する装置などを用いることができる。また、本実施形態の通信装置15bは、データの送信を行うだけでなく、データの解析を行う機能も有している。
【0033】
車載装置3は、車両1の各種センサー19から送られてくる車両1に関する情報を、通信装置15bにより、無線通信回線網9とネットワーク13とを順次介してサーバ装置5に送信する。車載装置3では、各種センサー19から情報があがってくると、運行記録計15aは、運行記録計15aで記録対象として設定されているデータについて記録する。また、各種センサー19からあがってくる情報は、運行記録計15aを介して、または直接通信装置15bに伝送される。加えて、各種センサー19からあがってくる情報は、必要に応じて通信装置15bでリアルタイムに解析される場合や、車載装置3に予め入力されているデータと組み合わせて加工される場合もあり、通信装置15bは、データの解析及び加工を行う機能を果たすプログラムを有している。通信装置15bは、運行記録計15aを介してまたは直接通信装置15bに上がってくるデータや通信装置15bで解析したデータを、車両1に付された固有のコードなどの車両1を識別する情報となる車両識別情報と共に、無線通信回線網9とネットワーク13とを順次介してサーバ装置5に送信する。
【0034】
なお、本実施形態の車載装置3は、通信装置15bが有する定義情報に従い、データを送信した後、送信したデータを図示していないメモリなどの記憶手段に書き込み、サーバ装置5から発信される正常受信のレスポンスを受信するまで繰り返しデータを送信する機能を果たすプログラムを備えている。さらに、車載装置3の通信装置15bは、送信可能なデータをリアルタイムにサーバ装置5に送信すべきか否かの定義情報を有し、その定義情報に従い、送信可能なデータをリアルタイム、設定された時間、または設定された時間間隔などで送信する機能を果たすプログラムを備えている。これらの機能に関する定義情報や設定情報は、サーバ装置5から発信される指令により変更可能である。加えて、通信装置15bは、サーバ装置5へ送信すべきデータを送信できなかった場合、またはできない場合には、キューに蓄積し、送信可能であるときに送信を行う機能を果たすプログラムを備えている。
【0035】
また、車載装置3は、運行記録計15aで取得される運行情報に関するデータ、運行記録計15aで取得される運行情報に関するデータ以外の各種センサー19などから送られてくるデータ、これらのデータと組み合わせて加工される車両1から得られるデータ以外のデータ、そして通信装置15bの動作や機能に関する定義情報や設定情報などを図示していないメモリなどの記憶手段に記憶でき、記憶手段に記憶されたデータは、サーバ装置5から発信される指令により追加、更新、そして削除可能である。
【0036】
運転手操作端末17は、車両1の運転手などが、サーバ装置5に送信する情報、例えば荷物の積み降ろしなどの情報の入力などを行うものである。さらに、運転手操作端末17は、サーバ装置5から情報の提供をうけるため、サーバ装置5が提供する各サービスの操作や要求などを行う利用者端末7としての役割も果たす。
【0037】
サーバ装置5は、車載装置3から送信されてくるデータを利用者に対する各種サービスに応じて保存、加工、そして加工方法の指定などを行い、利用者に車両関連情報を提供し、さらに、利用者端末7と車載装置3との間、車両1に乗っている運転手などと利用者端末7を使用する利用者との間、または異なる利用者端末7を使用する利用者間での情報のやりとりを仲介する。このようなサーバ装置5は、車載装置3の通信装置15bとの間で相互に交信を行うための通信サーバ部21、通信サーバ部21と相互にデータの伝達が可能に接続されたアプリケーションサーバ部23、そしてアプリケーションサーバ部23と相互にデータの伝達が可能に接続されたウエッブサーバ部25などを備えている。
【0038】
通信サーバ部21は、無線通信回線9、基地局11、そしてネットワーク13を順次介して車載装置3からのデータを受信し、さらに、ネットワーク13、基地局11、そして無線通信回線9を順次介して車載装置3へデータを送信する通信機能を有している。通信サーバ部21は、車載装置3の通信装置15bとの通信プロトコルを実行し、リアルタイムに、または設定された時間や設定された時間間隔で間欠的に車載装置3の通信装置15bからの情報を受けてアプリケーションサーバ部23に送ったり、アプリケーションサーバ部23からの情報を車載装置3の通信装置15bに送信する。また、アプリケーションサーバ部23から特定の車載装置3への情報発信を行う場合や、通信サーバ部21の定義により車載装置3からの情報を正常受信したのちのレスポンスを発信する場合、通信サーバ部21からネットワーク13を通じて車載装置3へ発信される。
【0039】
ウエッブサーバ部25は、利用者が使用する利用者端末7と、ネットワーク13を介して相互に交信を可能にする通信機能を有しており、ネットワーク13を介して利用者に対するサーバ装置5の玄関口の機能を果たす。ウエッブサーバ部25は、利用者を識別するための利用者識別情報により、利用者のサーバ装置5へのアクセスの認証処理を行い、認証された利用者に対して、利用者毎に設定された各種サービスに対応して車両関連情報の提供に関するサービスを実行するインターフェースを提供する。
【0040】
サーバ装置5は、上記の各サーバ部21、23、25に加え、種々のデータを格納するデータベース部27を備えている。データベース部27は、車載装置3より送信されてくる車載装置3で取得したデータまたは車載装置3で解析されたデータ、つまり生データを格納する生データ用データベース27a、アプリケーションサーバ部23で加工された車両関連情報のデータを格納する加工データ用データベース27b、車両関連情報提供システムの利用に対する利用者への課金情報を格納する課金情報用データベース27c、そして車載装置3以外からに入力されたデータを格納する入力データ用データベース27dなどで構成されている。
【0041】
生データ用データベース27aは、通信サーバ部21へ車載装置3から送信されてくるデータを加工せずにそのままログとして記録するデータベースであり、車載装置3から送信されてくるデータをプロトコル変換させ、プロトコル変換されたデータを生データとして保存し蓄積する。このとき、生データ用データベース27aは、車載装置3から送られてくるデータに含まれる車両識別情報と、対応するプロトコル変換されたその他のデータとを関連づけて記憶する。
【0042】
加工データ用データベース27bは、車載装置3から送信されてくるデータや生データ用データベース25に格納されたデータを用いて、アプリケーション部23で、利用者に応じて設定されたサービスの内容に対応して加工した種々の車両関連情報に関するデータを保存し蓄積する。このとき、加工データ用データベース27bは、利用者識別情報と加工したデータとを関連づけて記憶する。
【0043】
課金情報用データベース27cでは、本実施形態の車両関連情報提供システムのサービスにおいて情報提供に対する料金が従量制である場合などにおいて、利用者毎の利用履歴や、この利用者毎の利用履歴に基づいてアプリケーションサーバ部23で算出した利用者に対する請求金額といった課金情報を保存し蓄積する。さらに、課金情報として、利用者が指定した支払方法などに応じて、クレジットカードや銀行口座などのファイナンス機関に関する情報を保存する。
【0044】
入力データ用データベース27dは、アプリケーションサーバ部23において車載装置3で得たデータを種々の車両関連情報に加工する際に用いる、車載装置3からは得られないデータ、つまり利用者端末7で入力されたデータやデータベース部27などに接続ケーブルなどで直接接続された入力用端末31などで入力されたデータを保存する。車載装置3からは得られないデータとしては、例えば交通規制に関する情報、車両や車種毎の安全運行に対する判断基準値などのシステムに依存しない情報に関するデータ、利用者マスタ、地点登録やルート情報などの利用者毎に設定される情報や、利用者毎のサービスに対応した本実施形態の車両関連情報提供システムに対する設定情報や定義情報などに関するデータなどである。
【0045】
アプリケーションサーバ部23では、通信サーバ部21からのデータや生データ用データベース27aに保存されたデータなどを利用者毎のサービスに対応して適宜組み合わせて加工し、加工データ用データベース27cに保存する。アプリケーションサーバ部23は、データの加工において、例えば車両1の車載装置3からのデータに一部欠損などがある場合、他の取得できているデータ、例えば生データ用データベース27a、加工データ用データベース27b、入力データ用データベース27dに保存されているデータなどを利用して計算または類推し、車載装置3からのデータを補完する情報補完機能を果たすプログラムを有している。この情報補完機能は、車載装置3からリアルタイムに送信されることが定義されていないデータについて、他のリアルタイムに送信されてくるデータや、生データ用データベース27a、加工データ用データベース27b、入力データ用データベース27dに保存されているデータなどを利用して計算または類推し、車載装置3からのデータを補完する機能も果たす。
【0046】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、利用者の識別情報に対応して提供可能な情報のデータベース部27での検索や、利用者の識別情報に対応して提供可能な情報項目に関する定義情報の登録及び変更などを行うアクセス制御機能を果たすプログラムを有している。また、このアクセス制御機能は、利用者が利用者端末7によって、設定により、別の利用者のサーバ装置5へのアクセスを許可し、設定された情報項目について情報を提供する機能、そして別の利用者のアクセスを許可や提供する情報に関する定義情報の登録及び変更を行う機能も果たす。
【0047】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3の通信装置15bに対して通信装置15bでのデータの解析や加工の指示、また、通信装置15bでの各種センサー19からのデータの解析や加工に用いられる通信装置15bに登録されたデータの追加、更新、削除の指示、そして追加、更新を行うためのデータの送信を行う機能を果たすプログラムを有している。加えて、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3の各通信装置15bへの車両識別情報の登録及び変更や、通信装置15bに登録されているリアルタイムにデータをサーバ装置5に送信すべきか否かの定義情報の登録及び変更などの各々の機能を果たすプログラムを有している。
【0048】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、車両関連情報の提供サービスの利用に応じて課金情報用データテーブルに対して逐一利用者毎の利用した情報の項目とその数、利用日時などの利用履歴を書き込む機能や、利用者毎の情報利用料、請求や課金方法などの登録及び変更を行う課金情報管理機能を果たすプログラムを有している。
【0049】
利用者端末7は、サーバ装置5からネットワーク13を介して送られてくるデータに基づいてモニタなどの画面に車両関連情報の表示項目を選択するための表示項目の一覧や車両関連情報を表示する機能や、利用者端末7で入力したデータや検索要求などをサーバ装置5に送信する機能を果たすプログラム及び機器を有している。
【0050】
ここで、このような本実施形態の車両関連情報提供システムを適用した車両関連情報提供ビジネスの一例について概略を説明する。まず、情報提供センター装置を使用し、車両関連情報の提供サービスを行う車両関連情報用サーバ運用者または運用会社と契約した利用者が運送会社であり、この運送会社が所有するトラックに車載装置を搭載する場合を例として説明する。
【0051】
車両関連情報提供システムを利用したい運送会社である利用者33は、図2に示すように、車両関連情報提供用のサーバ運用者35と車両関連情報提供システムの利用に関する契約を結ぶ。なお、利用者33は、サーバ運用者35と契約を結び主に車両関連情報提供システムを利用する者であるので以下利用者(主)33と記す。
【0052】
サーバ運用者35は、利用者(主)33が所有するトラックつまり車両1に、図2には図示していない車載装置3を設置する。車両1に車載装置3が設置されている場合には、その車載装置3が車両関連情報提供システムで利用できるように設定などを行う。車載装置3からのデータの取得が開始されると、サーバ運用者35は、契約などによって設定された利用者(主)33が利用する車両関連情報の項目、例えば安全運行に関連する情報の項目や荷物の配送状況に関する情報の項目などに応じて適宜車載装置3からのデータを加工し、利用者(主)33に提供する。サーバ運用者35は、利用者(主)33の車両関連情報提供システムの利用履歴に応じて算出された車両関連情報提供システムの利用料金を利用者(主)33に対して請求書などにより請求し、車両関連情報提供システムの利用料金を回収する。
【0053】
また、運送会社である利用者(主)33は、利用者(主)33の顧客である荷主などに対して、荷主にとって有用である荷物の配送状況に関する情報の提供を荷主が受けることができるように、車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行うことができる。利用者(主)33は、車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行い、副次的に車両関連情報提供システムの利用者となる荷主などの利用者(副)37に、利用者(副)37を車両関連情報提供システムで識別するための利用者識別情報を伝え利用者(副)37にアクセスを許可する。これにより、利用者(副)37は、車両関連情報提供システムを利用し、自分の荷物の配送状況などといった限定された車両関連情報を得る。このとき、利用者(副)37による車両関連情報提供システムの利用料金は、利用者(主)33の利用料金に加算される。
【0054】
このようにサーバ運用者35は、車載装置で得られるデータを活用して車両関連情報の提供サービスを行うことで利益を得る。一方、利用者(主)33は、自社内のデジタルタコグラフで取得したデータからだけでは得られない車両関連情報を得たり、リアルタイムに得ることができなかった配送状況などに関する車両関連情報を得ることができる。加えて、荷主に対して配送状況などの車両関連情報を提供することができるようになり、顧客に対するサービスを向上できる。
【0055】
次に、情報提供センター装置を使用し、車両関連情報の提供サービスを行う車両関連情報用サーバ運用者または運用会社と契約した利用者が個人などであり、この個人とは異なる車両所有者が所有する車両に搭載された車載装置からデータを取得している場合を例として説明する。また、ここでは、契約した利用者が、クレジットカードなどを利用してファイナンス業者を介して車両関連情報提供システムの利用料金を支払う場合を例示している。
【0056】
車両関連情報提供システムを利用したい個人である利用者39は、図3に示すように、サーバ運用者35と車両関連情報提供システムの利用に関する契約を結ぶ。なお、利用者39は、サーバ運用者35と契約を結び主に車両関連情報提供システムを利用する者であるので以下利用者(主)39と記す。
【0057】
サーバ運用者35は、車載装置で得たデータを提供してくれる車両所有者41と契約を結び、車両所有者41が運送会社などであれば、所有するトラックなどの車両1に、図3には図示していない車載装置3を設置する。サーバ運用者35は、車載装置3からデータを取得し、車両関連情報用利用者(主)39との契約などによって設定された利用者(主)39が利用する車両関連情報の項目、例えば渋滞や交通規制などの道路交通に関連する情報の項目や天候に関する情報の項目などに応じて適宜車載装置3からのデータを加工し、利用者(主)39に提供する。サーバ運用者35は、利用者(主)39の車両関連情報提供システムの利用履歴に応じて算出された車両関連情報提供システムの利用料金などの課金情報をファイナンス業者43に対して送信し、ファイナンス業者43から利用者(主)39に応じた料金の支払を受ける。
【0058】
ファイナンス業者43は、利用者(主)39にクレジットカードの利用明細などを送付し、クレジットカードの決済日に利用者(主)39から車両関連情報提供システムの利用料金を回収する。なお、利用者(主)39は、前述と同様、副次的に車両関連情報提供システムの利用者となる利用者(副)45に車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行うことができる。
【0059】
このようにサーバ運用者35は、車載装置3で得られるデータを活用して車両関連情報の提供サービスを行うことで利益を得る。一方、利用者(主)39は、自身が運転する車両の中などで携帯電話やPDAなどを図3には示されていない利用者端末7として、例えばこれから行く場所の交通規制や渋滞などに関連する情報や天候や気象に関する情報を得ることができる。なお、利用者(主)39自身の車両にも車載装置3を搭載することもでき、この場合、利用者(主)39とは別の車両所有者41が所有する車両1の車載装置3で得たデータを利用して加工された交通規制や渋滞などに関連する情報や天候や気象に関する情報といった汎用性のある車両関連情報に加え、自身の車両に搭載した車載装置3で得たデータを利用した利用者(主)39にとって有用な車両関連情報を得ることもできる。
【0060】
このような車両関連情報提供システムの利用方法について説明する。利用者は、車両関連情報を入手する場合、図1に示すように、利用者端末7により、車両関連情報用サーバ運用者35が運用するサーバ装置5にアクセスする。このとき、利用者端末7には、図4に示すように、ログイン画面として、利用者識別情報となるユーザーIDとパスワードを入力する画面が表示されている。利用者は、ここに、例えば契約などで車両関連情報用サーバ運用者との間で決められたユーザーIDとパスワードを入力し、送信ボタンなどをクリックして入力したユーザーIDとパスワードの送信を指令する。これにより、ユーザーIDとパスワードが、図1に示すように、利用者端末7からサーバ装置5に送信される。サーバ装置5は、ユーザーIDとパスワードをウエッブサーバ部25で受信した後、アプリケーションサーバ部23に伝達し、アプリケーションサーバ部23では、ユーザーIDとパスワードに対応する車両関連情報の項目やサービスを提供できる機能の項目などをデータベース部27で検索する。
【0061】
アプリケーションサーバ部23における検索の結果、例えば、送られてきたユーザーIDとパスワードに対応して設定されている複数の車両関連情報の項目やサービスを提供できる機能の項目の一覧に関するデータを取得し、この取得した車両関連情報の項目や機能の項目に関するデータをウエッブサーバ部25から利用者端末7で表示可能な形態で送信する。サーバ装置5からのデータを受信した利用者端末7は、受信したデータに基づいて、図5に示すように、車両関連情報の表示項目及びサービスを受けることができる機能の項目の選択画面を画面に表示する。利用者は、利用者端末7に表示された車両関連情報の表示項目及びサービスを受けることができる機能の項目から、利用する情報または機能に対応する選択ボタンなどをクリックすることで利用する情報または機能を選択する。
【0062】
これにより、情報または機能の検索要求が、図1に示すように、利用者端末7からサーバ装置5に送信される。サーバ装置5は、情報または機能の検索要求をウエッブサーバ部25で受信した後、アプリケーションサーバ部23に伝達し、アプリケーションサーバ部23では、検索要求に基づいてデータベース部27を検索する。アプリケーションサーバ部23における検索により、要求された車両関連情報などに関するデータを取得し、この取得した車両関連情報などに関するデータをウエッブサーバ部25から利用者端末7で表示可能な形態で送信する。サーバ装置5からのデータを受信した利用者端末7は、受信したデータに基づいて、図5に示すように、車両関連情報などを画面に表示する。
【0063】
なお、ここでは、利用者に対して設定された車両関連情報の表示項目やサービスを受けることができる機能の項目が複数あり、表示する項目を選択する必要がある場合について説明した。しかし、項目の選択の必要がない場合には、サーバ装置5では、ユーザーIDとパスワードに対応して設定されている車両関連情報のデータをデータベース部27で検索して送信し、利用者端末7では、サーバ装置5から送信されてくるデータに基づいて車両関連情報などを画面に表示する。
【0064】
また、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、従量制の料金体系をとるサービスについては、サービスを処理すると同時に、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23が、利用者のアクセス時間や利用したサービスの内容に応じて課金情報を作成し、課金情報用データベース27cに記憶されたその利用者に対応する課金情報を更新する。また、課金情報用データベース27cは、利用者が設定したファイナンス機関の情報を保持し、ファイナンス機関が有するサーバや端末機器に定期的に通信回線を介して課金情報を送信することで、料金を自動的に徴収することもできる。なお、表1に各種サービスの課金情報に関するデータの一例を、表2に利用者が設定したファイナンス機関の情報に関するデータ一例を示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
このように、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置3で取得されたデータまたは車載装置3で取得されて生データ用データベース27aに記憶されたデータは、利用者に提供する車両関連情報の内容に応じてアプリケーションサーバ部23で加工され、加工用データベース27bに記憶される。アプリケーションサーバ部23は、利用者識別情報に応じて、この利用者識別情報に関連づけられたデータ、つまりその利用者が必要とする車両関連情報を加工用データベースで検索する。そして、アプリケーションサーバ部23は、検索結果に応じて、車両関連情報の表示項目の一覧に関するデータ、または、車両関連情報のデータを利用者端末7に送信する。
【0067】
したがって、利用者は、その利用者が必要とする車両関連情報を必要なときに利用者端末7で入手することができる。加えて、生データ用データベース27aは、異なる車両1に搭載された車載装置3や異なる種類の車載装置3から通信回線を介して送られてきた種々のデータ、そして様々な期間に取得されたデータなどを記憶することができる。このため、車載装置3から送信されてきたデータや生データ用データベース27aに記憶されていたデータを組み合わせて加工することで、車載装置3から取得したデータを、単一の車両や単一の車載装置に関する情報などに限らない様々な車両関連情報に加工して提供することができる。すなわち、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【0068】
さらに、サーバ装置5は、利用者端末7から送られてくる利用者識別情報から識別した利用者が利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45であるとき、利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを利用者端末7に送信する。したがって、サーバ運用者35と契約を結んで車両関連情報の提供を受ける利用者(主)33、39が、この利用者(主)33、39が取得できる車両関連情報のうち、この利用者(主)33、39以外の者である利用者(副)37、45にも有用な情報などを、設定により情報を限定して提供することができる。このため、車載装置で得たデータをサーバ運用者と契約した利用者(主)33、39以外のである利用者(副)37、45へ提供する情報としても活用でき、車載装置で得たデータの活用性をさらに向上できる。
【0069】
加えて、車載装置3から得られない情報に関するデータを入力用端末31や利用者端末7で入力し、この入力されたデータを利用者識別情報と関連づけて検索可能に入力データ用データベース27dに記憶している。そして、アプリケーションサーバ部23が、車載装置3から送信されてくるデータ及び生データ用データベース27aに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベース27dに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する。このため、利用者毎の種々の定義情報や設定情報などの車載装置3から得られない情報に関するデータを用いて車載装置3で得たデータを加工し、提供する情報の種類や情報の提供の形態などを増大できる。したがって、車載装置で得たデータの活用性を一層向上できる。
【0070】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成し、課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に課金情報用データベース27cに記憶する。これにより、サーバ運用者35が利用者の利用実績に応じて料金を自動的に算出できるため、利用者に対する情報提供料金の算出作業を簡素化できる。加えて、課金情報用データベース27cに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索して、課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する。このため、ファイナンス機関との契約がある場合には、ファイナンス機関に課金情報を送信することで、情報提供料金の徴収作業を自動化できる。
【0071】
ここで、本実施形態の車両関連情報提供システムは、図5に例示するように、安全運行情報、交通管理情報、渋滞管理情報、店着管理情報、そしてアクセス許可機能などのサービスを提供できる。以下に、これらの情報及び機能の意味、これらの情報及び機能を提供する場合のアプリケーションサーバ部の構成、そして利用方法や情報の提供方法などについて説明する。なお、以下の説明において利用方法や情報の提供方法などについて説明する場合、利用者端末で利用者が利用者識別情報を入力して送信し、利用者端末に車両関連情報の表示項目及びサービス可能な機能の項目の選択画面が表示されている状態以降の情報の提供に関連する動作などについて説明を行う。
【0072】
(アクセス許可機能)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおけるアクセス許可機能について図1乃至図9を参照して説明する。図6は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムのアクセス許可機能に関連する動作を示すフロー図である。図7は、利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先選択画面の一例を示す図である。図8は、利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先への車両関連情報の表示項目に関する制御画面の一例を示す図である。図9は、利用者端末に表示されるインフォメーション機能に関する車両へ情報送信を行うための画面の一例を示す図である。
【0073】
アクセス許可機能は、情報共有機能とも言い換えることができる機能を果たすプログラムであり、図2及び図3に示すように、サーバ運用者35と契約した利用者、つまり利用者(主)33、39に車両関連情報を提供するだけでなく、利用者(主)33、39がアクセス許可した利用者(副)37、45にも、利用者(主)33、39が許可した項目の車両関連情報を提供できるようにするものである。例えば、利用者(主)33、39は、運送会社など、運送用の車両1を所持しているものであり、利用者(副)37、45は、運送会社の顧客である荷主など、車載装置3を搭載した車両1を直接に所持していないものである場合などがある。
【0074】
このようなアクセス制御機能は、利用者(副)37、45が利用できる車載装置3で得られる情報及び車載装置3で得られる情報を加工した車両関連情報の閲覧項目を制限する機能を有する。利用者(主) 33、39は、利用者端末7の画面上や、サーバ運用者35とのその他の手段による連絡により、利用者(副)37、45に対して情報の閲覧を許す設定をすると、図1に示すように、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23が有する入力データ用データベース27dにその利用者(副)37、45に関する情報が登録される。
【0075】
利用者(副)37、45は、例えば、利用者(主)33、39から通知された利用者(副)37、45の利用者識別情報を用いることで利用者(副)37、45が有する利用者端末7によりサーバ装置5にアクセスが可能となる。利用者(副)37、45が、利用者端末7から利用者(副)37、45の利用者識別情報でサーバ装置5にアクセスしてくると、サーバ装置5のウエッブサーバ部25は、利用者が利用者(副)37、45であることをアプリケーションサーバ部23に通知する。アプリケーションサーバ部23では、入力データ用データベース27dから利用者(副)37、45の利用者識別情報に基づいて利用者(主)33、39の設定情報を取得し、利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45に対して表示する情報を検索し、ウエッブサーバ部25を介して利用者(副)37、45の利用者端末7に送信する。これにより、利用者(副)37、45の利用者端末7では、利用者(主)33、39が利用者(副)37、45に対して閲覧を許可している車両関連情報のみが画面に表示される。
【0076】
これらのアクセス制御機能における利用者(主)33、39による利用者(副)37、45の閲覧許可項目の設定方法、及び利用者(主)33、39による利用方法を図6のフロー図を参照して例示する。なお、ここでは、利用者(主)33、39によってアクセス許可を付与した利用者(副)37、45は、既に、サーバ装置5に登録されているものとする。
【0077】
利用者(主)33、39は、図5に示すような、車両関連情報の表示項目及びサービス可能な機能の項目の選択画面つまり項目メニュー画面から、利用する項目、この場合アクセス許可機能を選択し、図6に示すように、サーバ装置5に送信する(ステップ101)。サーバ装置5は、選択項目を受信すると(ステップ103)、アクセス制御機能の選択指令と、その選択指令を行った利用者(主)33、39の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、アクセス許可付与可能利用者の一覧を作成して利用者端末7に送信する(ステップ105)。これを受けて、利用者端末7では、表示されたアクセス許可設定可能利用者の一覧を含むアクセス許可設定可能利用者の選択画面が表示される(ステップ107)。利用者(主)33、39は、アクセス許可設定可能利用者の一覧から情報の表示項目を設定したい利用者(副)37、45を選択して送信する(ステップ109)。
【0078】
サーバ装置5は、選択された利用者(副)37、45に対応する選択指令を受信すると(ステップ111)、その選択指令と、その選択指令を行った利用者(主)33、39の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、情報表示項目を設定するための情報表示項目の一覧を作成して利用者端末7に送信する(ステップ113)。これを受けて、利用者端末7では、情報表示項目の一覧を含む利用者(副)37、45への情報表示項目の選択画面が表示される(ステップ115)。図7に表示された情報表示項目の選択画面の一例を示す。利用者(主)33、39は、情報表示項目の一覧から利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目を、例えば図7においては表示項目をクリックしてチェックマークを付すことなどにより選択し、登録ボタンをクリックすることなどで送信する(ステップ117)。サーバ装置5は、利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目の情報を受信すると、入力データ用データベース27dに、利用者(主)33、39の利用者識別情報、利用者(副)37、45の利用者識別情報、そして利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目の情報などを関連づけて記憶する(ステップ119)。
【0079】
一方、利用者(副)37、45は、図6に示すように、利用者(主)33、39などから連絡を受けアクセスのための利用者(副)37、45の利用者識別情報、つまりユーザーIDやパスワードなどを、図4に示すようなログイン画面で入力する(ステップ121)。サーバ装置5は、ユーザーIDなどの利用者識別情報を受信すると(ステップ123)、利用者識別情報から利用者が利用者(主)33、39によってアクセス許可された利用者(副)37、45であることを識別し、識別した利用者(副)37、45に対して利用者(主)33、39によって設定されている車両関連情報の表示を許可された項目を検索して取得し、その車両関連情報を生成または取得後、利用者端末7へ送信する(ステップ125)。これを受けて利用者端末7には、利用者(副)37、45が利用可能な情報、例えば利用者(副)37、45が荷主の場合、荷物の配送状況などといった情報が画面に表示される(ステップ127)。
【0080】
なお、ここでは、アクセス許可機能の選択に対応して、アクセス許可の設定が行える利用者の一覧、つまり利用者(主)33、39によって既にアクセスが許可された利用者(副)37、45の一覧を表示して選択するようになっている場合を示したが、図8に示すような利用者(副)37、45を利用者(副)37、45に付与したユーザーIDなどで検索するために、利用者(副)37、45の利用者識別情報の入力画面を表示し、入力されたユーザーIDに対応する利用者(副)37、45に対する表示を許可する表示項目の選択画面を表示する構成にすることもできる。
【0081】
また、本実施形態のサーバ装置5は、アクセス許可機能以外にも、運行情報非公開機能やインフォメーション送信機能などを果たすプログラムを有している。運行情報非公開機能とは、例えば、運送会社が複数荷主の荷物を混載している場合、荷主が運行情報を参照する際に、他の荷主の積荷に関するイベント情報、例えば他の荷主の積荷に関する荷積や荷卸といった配送作業に関する情報を表示しない機能である。運行情報非公開機能の利用者(主)33、39による設定方法や利用者(副)37、45による利用方法は、上述の方法と同じであるが、積荷に対しての荷主情報を追加する事により運送会社の利用者(主)33、39が各利用者(副)37、45の積荷情報に対するアクセス制御を行うことが可能となる。
【0082】
インフォメーション機能とは、利用者(主)33、39、利用者(副)37、45を問わず、利用者間での情報共有手段を提供する機能である。車載装置3から得られるデータ、地理、交通、天候などの車載装置3から得られるデータを加工した車両関連情報、その他、他の利用者から発せられる情報などを組み合わせたり加工したりした情報を、利用者(主)33、39と利用者(副)37、45との間で流通させる。加工された情報とは文字情報のみならず、地図と地図上にオーバレイされた情報、グラフなどを含むこともできる。ウェッブブラウザーを使用する場合なら、HTMLへの埋め込み文字列や、イメージのリンク文字列をデータベースに格納し、HTMLを復元する。アクセス許可機能では、利用者(副)37、45に対して提供する情報を制限できるので、このようなインフォメーション機能を有していても、異なる立場の利用者間における情報の隠蔽、及び情報の共有を問題や矛盾なく実現させることができる。
【0083】
インフォメーション機能では、例えば、利用者端末7には、図9に示すような、地図上に情報送信可能な車両1の位置が示されると共に、その車両1の車載装置3から送信されてきたデータが車両1と対応づけて表示される。利用者は、車両1の車載装置3から送信されてきたデータが異常を示すものであるときなどには、情報送信先となる車両1をこの画面上で選択し、その異常の発生の情報やそれを示すデータを選択した車両1に送信することができる。
【0084】
(車両運行管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける車両運行管理情報の提供について図1、図5、図10乃至図13を参照して説明する。図10は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図11は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの車両運行管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図12は、利用者端末に表示される車両運行管理情報の表示画面の一例を示す図である。図13は、利用者端末に表示される車両運行管理に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【0085】
車両運行管理情報は、図1に示すように、車載装置3を搭載した車両1における長時間アイドリング、急加速、急発進、急減速、急停止、急ハンドル、長時間アイドリング、無灯火運転、無ワイパー運転、空吹かしの有無、頻度、程度などについて車載装置3で取得したデータを基に分析し、その結果を運行情報の経時的なグラフと関連させて、また運行の軌跡の地図へのマッピングと関連させて指し示すなど、輸送に係わる業務用の車両の安全運行や経済運行管理に関する情報である。また、アクセス制御機能、インフォメーション機能などを利用することで、サーバ装置5を介して、車両1の運転手とその車両1を所有する輸送関連の会社などの安全指導員などとをネットワーク3で結ぶことができる。
【0086】
これにより、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、安全運行及び経済運行管理情報を、運転手と安全指導員などとで共有することができ、運転手と安全指導員などとの間で電話対話による安全運転指導を行ったり、燃費改善やタイヤ磨耗低減、また運転技術向上などの経済運転指導を行ったりすることもできる。
【0087】
ここで、車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部23の構成について説明する。車両運行管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図10に示すように、識別した車両に関するデータを検索する特定車両検索処理機能47、上記のような安全運行に関する項目に対するデータから安全運行の状態を判断する安全運行判断処理機能49、安全運行判断処理機能49で得た結果を図表で示すための図表作成処理機能51、車載装置3で得たデータが安全運行に関する項目に対して設けられた設定値を越えているか否かを判断する設定値オーバー異常判断処理機能53、安全運行及び経済運行の情報に係わるデータをデータベース部27に格納するための運行情報格納処理機能55、そして利用者の利用履歴に応じて課金情報を作成する課金処理機能57などを備えている。また、サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23の設定値オーバー異常判断処理機能53からの指令により、設定値オーバー異常を通知するメールを予め登録された車両1を所有する輸送関連の会社などの利用者に送信するメールサーバ59を備えている。
【0088】
このような構成のサーバ装置5により車両運行管理情報を提供する場合、図1及び図11に示すように、まず、サーバ装置5で車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ201)。車両の運行記録データは、表3に示すような走行時間、走行距離、現在位置、エンジン回転数、速度、加速度、ギア状態、アクセル状態、ブレーキ状態、ハンドル状態、ヘッドライト状態、ワイパー状態、貨物有無・重量、排気ガス温度、燃料消費量、外気温、外気湿度、周辺照度などに関するものであり、これらのデータが経時的に車載装置3の運行記録計15aに逐次記録されると共に、リアルタイムでサーバ装置5に送信される。
【0089】
【表3】
このようなサーバ装置5が車載装置3から受信した運行記録データは、生データ用データベース27aに格納される。車載装置3から受信した運行記録データまたは生データ用データベース27aに格納された運行記録データは、運転手または輸送関連の会社などの運行管理者からの予め指定された指示、またはその都度指定された指示により、アプリケーションサーバ部23で、入力データ用データベース27dに予め格納されている表2に示すような安全運転や経済運転などの運転指導の基準値データや、表3に示すような燃費評価テーブルなどから算出された燃費評価のトータルスコアは、入力データ用データベースに予め登録された基準となる値と比較される(ステップ203)。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
例えば表2に示すような安全運転や経済運転などの運転指導の基準値データとの照合では、これらのデータと一定時間間隔で記録された運行記録データとを比較し、運転指導の基準値データを越えたか否かを判断する。例えば表3に示すような燃費評価テーブルとの照合では、一定時間間隔で記録された運行記録データを燃費評価テーブルの走行速度、エンジン回転数の条件に基づき分布割合を算出し、各条件の評価点を加重平均しトータルスコアを算出し、このトータルスコアが可の判定となっているか否かを判断する。
【0092】
サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23で運行記録データが運転指導の基準値データを越えていることや、燃費評価のトータルスコアが可であることが判断された場合、登録された利用者のアドレスにこれらの違反の発生をメールで通知する(ステップ205)。違反の発生をメールで通知後、利用者が予め情報の提供を要求した項目の車両運行情報を作成するため、運行記録データを加工する必要があるものについて、その加工を行う(ステップ207)。一方、ステップ203において、これらの違反がない場合には、ステップ207に進み、運行記録データの加工を行う。
【0093】
ステップ207では、アプリケーションサーバ部23が、車載装置3から得た運行記録データだけで要求された項目の車両運行情報を作成できるか否か、つまり不足するデータの有無を判断し、不足するデータがある場合には、生データ用データベース27aに記録されているデータや加工データ用データベース27bに記録されている過去に加工されたデータなどから推定値を計算したり、入力データ用データベース27dに入力された車載装置3から得られないデータや加工データ用データベース27bに記録されているデータを用いて不足するデータを補完することで、必要な車両運行情報のデータを作成する(ステップ209)。
【0094】
ステップ209において、例えば車載装置3がエンジン回転数、速度をリアルタイムに送信できない場合または送信するよう指示されていない場合、他のリアルタイムに送られてくるデータの、位置に関する時系列情報から各行程の平均速度の推定値を計算したり、燃料流量累積値の時系列情報から各行程のエンジン回転数の推定値を計算し、欠如しているデータを補完する。この計算にあたっては車両識別情報から車種、エンジン形式、排気量、車両重量を入力データ用データベース27dから取得して使用したり、運転手から積載貨物重量を車載装置3から送信してもらい使用したりする。実際の対応データが利用できる場合は、それと照合し推定、補完することもできる。
【0095】
一方、ステップ207で不足するデータがない場合には、車載装置3から得た運行記録データから必要な車両運行情報を作成する。これらステップ207、209で車両運行情報のデータを作成した後、アプリケーションサーバ部23は、加工データ用データベース27bに作成した車両運行情報のデータを格納する(ステップ211)。
【0096】
ここでは、車載装置3からリアルタイムに運行記録データが送信されてくる場合を例として説明したが、車載装置3から運行記録データがリアルタイムに送信されない場合であっても本実施形態の車両関連情報提供システムを利用することができる。例えば、車両1の車載装置3で得た当日の運行記録データは、車両1の運行完了後、車載装置3が含むデジタルタコグラフ15の運行記録計15aより取り出されたメモリーカードなどの記録媒体を利用者端末7に接続することで利用者端末7からサーバ装置5に送信されるか、または車両1の車載装置3から直接サーバ装置5に送信される。そして、サーバ装置5では、アプリケーションサーバ部23が、受信した当日の運行記録データを生データ用データベース27aに記録し、生データ用データベース27aに記録した運行記録データを用い、リアルタイムに車載装置3からデータを取得する場合と同様に、車両運行情報に関するデータを作成する。
【0097】
また、可能である場合には、表3に示すようなデータの全てまたは一部、例えば重要度の高い「不可」などを判断するためのデータを車載装置3に予め登録しておき、その判断処理を車載装置3で行い、その結果をサーバ装置5に送信することもできる。この場合は、「不可」など重要度の比較的高いデータは、リアルタイムにサーバ装置5に送信することが望ましい。
【0098】
利用者は、図11に示すように、図5に示すような選択画面から利用したい情報の項目、この場合車両運行管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ213)。サーバ装置5は、車両運行管理情報の選択指令を受信すると(ステップ215)、アプリケーションサーバ部23により、その車両運行管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、表示する車両運行管理情報の項目や内容を特定して検索し、検索した車両運行管理情報に関するデータを利用者端末7に送信する(ステップ217)。ステップ217において車両運行管理情報に関するデータを利用者端末7に送信後、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ219)。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から車両運行管理情報に関するデータを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が選択した車両運行管理情報を表示する(ステップ221)。
【0099】
なお、車両運行管理情報に関するデータとしては、例えば車載装置3で得たデータを時系列で表示した情報、車載装置3で得たデータを加工して得た各時点の運転効率などを実際の運転軌跡と合わせて一覧化した情報、図12に示すような地図データ化した情報などに対応するデータである。図12に示すような地図データ化した情報は、例えば、運行の軌跡をデジタル地図上にプロットし、燃費評価の悪い時間が継続した場所と時間を地図上にプロットした加工電子地図化した情報などである。
【0100】
また、ここでは、サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23で利用者識別情報に基づいて対応する車両のその車両に関する車両運行管理情報を検索している。しかし、例えば、利用者が複数の車両1を所有している場合などでは、図13に示すような車両コードといった車両識別情報や運転手名を入力する画面を利用者端末7で表示し、ここに入力された車両識別情報や運転手名からアプリケーションサーバ部23で車両1を特定して、その車両1に関する車両運行管理情報を取得して、利用者端末7で車両運行管理情報を表示することもできる。
【0101】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して様々な形態で様々な車両運行管理情報を提供できることにより、例えば車両の運転状態などをリアルタイムまたはそれに近い時間遅延で利用者が知ることができ、利用者は、安全運行管理の指導を的確に行ったり、運転手の運転技術の向上などに車載装置で得たデータを役立てることができる。
【0102】
ところで、従来でもデジタルタコグラフの運行記録計により車両の運行状態や運転者の作業状態を逐次自動記録し、毎日の運行終了後そのデータを営業所備え付けの専用解析装置で解析している。そして、得られたデータから、運転日報や安全運行チャートの自動作成を行うことで、業務効率や運転技術向上の指導に利用している。しかし、小規模な事業所などでは、解析装置の導入費用、解析装置の管理作業の煩雑さなどが障害となり、運転日報や安全運行チャートの自動作成による、業務効率や運転技術向上の恩恵を得ることができない場合がある。
【0103】
これに対して、車両運行管理に本実施形態の車両関連情報提供システムを利用すれば、運送会社の営業所などで専用解析装置を用いて、指導員による指導で行われた安全運転や経済運転の管理指導を、運送会社の営業所などで専用解析装置を設けることなく車両運行管理が実施可能になり、安全運転や経済運転の管理指導に要する費用負担を低減できる。また、例えば加工デジタル地図を、運転手、運行管理者、運転指導員などが共有することができ、具体的に運転、交通事情に則した指導、改善を行うことができ、また、運転手、指導員の利便性が向上する。さらに、他の運転手の分析結果、チャートをこの機能で共有して、比較し指導することもできる。このとき、前述のアクセス許可機能により、非公開にすべき情報は、非公開に設定できる。
【0104】
(交通規制管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける交通規制管理情報の提供について図1、図5、図14乃至図18を参照して説明する。図14は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて交通規制管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図15は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの交通規制管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図16は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて、交通規制管理情報を利用者の指示で車両に対して送信する場合の動作を示すフロー図である。図17は、利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。図18は、利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図14において、車両運行管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0105】
交通規制管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図14に示すように、図表作成処理機能51や課金処理機能57などの他、データベース部27に格納された交通規制に関する情報のデータを検索する交通規制検索処理機能61、車載装置3から送信されてくるデータの種類、送信タイミング、車載装置3でのデータの解析などを制御する車載装置処理制御機能63、契約などにより設定された交通規制に関する判断項目に関する情報を検索する契約情報検索処理機能65、そして、契約情報検索処理機能65で検索した情報に基づいて交通規制検索処理機能61で検索されたデータと車載装置3から送信されてくるデータとを比較して違反運行を判断する違反運行判断処理機能67を備えている。
【0106】
このような構成のサーバ装置5は、図1及び図15に示すように、まず、車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ301)。このとき、交通規制管理情報の提供で用いるデータは、車載装置3で得たデータのうち、GPSからの精度の高い位置情報に関するデータである。サーバ装置5は、車載装置3に対してこのデータを一定時間毎に送信してくるように設定を行うか、または、通信サーバ部21またはアプリケーションサーバ部23によって、車載装置3に対して一定時間毎にこのデータの送信要求を行う。
【0107】
サーバ装置5のデータベース部27の入力データ用データベース27dには、通信時のIPアドレス、電話番号、認証ID、車載装置3のシリアル番号など車両1を識別できる情報となる車両識別情報、さらに、緯度・経度範囲、時間帯、対象車種、対象車両所在地などと関連づけて進行方向、速度の上限、駐車時間の上限についての交通規制情報が記録されている。そこで、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、車載装置3から送信されてくるデータに含まれる車両識別情報に基づいて、例えば車庫といったような車両1の所在地、、車両1の所有者の住所、車両1の種類などを予め入力データ用データベース27dに登録された車両1に関するデータより検索して取得する。さらに、車載装置3から送信されてくる車両1の位置データと現在時刻に基づいて交通規制情報を検索して取得する(ステップ303)。
【0108】
入力データ用データベース27dに登録された交通規制情報に関するデータは、関係官庁などから随時提供されたもので、その登録した交通規制情報に関するデータ例を表6に示す。
【0109】
【表6】
アプリケーションサーバ部23は、ステップ303で取得した交通規制情報に関するデータと、対象車種、対象車両所在地などの車両1に関するデータとを照合し、交通規制に対する違反の有無を判断する(ステップ305)。ステップ305において、交通規制に対する違反がないと判断された場合には、要求に対応してステップ301からステップ303の動作を繰り返す。一方、ステップ305において、交通規制に対する違反があると判断された場合には、予め設定した程度に関する基準に応じて交通規制上の注意、警報、違反といったような判別を行い、その判別した交通規制の違反情報に関するデータなどを加工データ用データベース27bに格納する(ステップ307)。加工データ用データベース27bに格納する交通規制の情報や交通規制に対する違反情報は、例えば速度規制、駐車規制、一方通行規制、大型車の通行規制、県外者や居住者以外の車両の通行規制などに関する情報などであり、またそれらの交通規制に対する違反を判断した情報などである。このような加工データ用データベース27bに格納された交通規制の違反情報に関するデータの一例を表7に示す。
【0110】
【表7】
利用者は、図5に示すような選択画面から利用したい情報の項目、この場合交通規制管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ309)。サーバ装置5は、交通規制管理情報の選択指令を受信すると(ステップ311)、利用者が1台の車両しか所有していない場合、アプリケーションサーバ23でその交通規制管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、交通規制管理情報を表示する対象となる車両や交通規制管理情報の内容を特定して検索し、検索した交通規制管理情報に関するデータを利用者端末7に送信する(ステップ313)。ステップ313において交通規制管理情報に関するデータを利用者端末7に送信後、アプリケーションサーバ部23では、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ315)。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から交通規制管理情報に関するデータを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が選択した交通規制管理情報を表示する(ステップ317)。
【0111】
ところで、サーバ装置5によって提供される交通規制管理情報といった車両関連情報は、車載装置3を搭載した車両1の所有者が事務所や自宅などに設置された利用者端末7で情報の提供を受けるだけでなく、車両1に、例えば車載装置3が備える運転手操作端末17などのような利用者端末7の機能を果たす機器が搭載されていれば、利用者が車両1の所有者が事務所や自宅などに設置された利用者端末7で指令することにより、交通規制管理情報などを車両1に送信し、車両1で交通規制管理情報などの提供を受けることができる。
【0112】
この場合、図1及び図16に示すように、利用者は、利用者端末7に表示された図示していない車両に情報を送信するための選択画面から車両1に送信したい情報の項目、ここでは交通規制管理情報を選択して送信する(ステップ401)。サーバ装置5は、交通規制管理情報の選択及び車両への送信指令を受信すると(ステップ403)、アプリケーションサーバ部23でその交通規制管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、その利用者が交通規制管理情報を送信可能な車両を検索して一覧を作成し、そのデータを利用者端末7に送信する(ステップ405)。利用者端末7は、サーバ装置5から一覧のデータをを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が交通規制管理情報を送信可能な車両の一覧を含む車両の選択画面を表示する(ステップ407)。利用者は、利用者端末7に表示された選択画面で交通規制管理情報を送信する車両を選択して送信する(ステップ409)。
【0113】
サーバ装置5は、利用者端末7から車両番号などの車両を識別する情報を選択指令として受信すると(ステップ411)、その選択された車両1の車載装置3からデータを受領する(ステップ413)。そして、アプリケーションサーバ部23でこの車載装置3から送信されてきた車両1の位置データと現在時刻に基づいて交通規制情報を検索して取得する(ステップ415)。さらに、ステップ415で取得した交通規制情報に関するデータに基づいて地図データや交通規制情報の一覧などを作成し(ステップ417)、利用者が選択した車両1の車載装置3に作成した情報のデータを送信する(ステップ419)。これにより、車両1の車載装置3に設けられた運転手操作端末17の画面に交通規制の一覧や、運転手操作端末17が電子地図を表示可能であれば、図17に示すような交通規制の位置と種類を示す地図などが表示される。ステップ419において交通規制管理情報に関するデータを車両1の車載装置3に送信後、図16に示すように、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ421)。
【0114】
また、ここでは、ユーザーIDといった利用者識別情報に基づいて車両を検索する場合を示したが、例えば利用者端末7で図18に示すような交通規制を調べたい地域、車両、地点名などを入力する画面を表示し、利用者が交通規制情報を入手したい地域、車両、地点名などを指定できるようにすることもできる。
【0115】
さらに、ここでは、サーバ装置5で、交通規制に対する違反などの判断処理を行っているが、サーバ装置5から交通規制情報を車両1の車載装置3に送り、交通規制に対する違反などの判断処理の一部を車載装置3で行う構成にすることもできる。この場合、例えば、車載装置3からサーバ装置5に対して同じ緯度経度範囲の運行情報が、所定期間内に2回以上送られてきたら、サーバ装置5は、緯度経度範囲はその車両の通過頻度が高いと判断し、その車両1の車載装置3に対して交通規制に対する違反などの判断処理を車載装置3で行うための定義情報と交通規制情報を送信するといった方法がある。
【0116】
また、このとき、サーバ装置5から送信した交通規制情報に関するデータの容量が車載装置3の記憶媒体の記憶容量を超過する場合は、利用頻度の少ない交通規制情報に関するデータや、最後に利用してから最も時間の経過しているデータを削除し、新たに送信されてきたデータの記憶領域を確保する。なお、この場合、車載装置3で交通規制に対する違反などを判断した結果は、交通規制上の注意、警報、違反の程度などに応じて、リアルタイムまたは間欠的に、例えば駐車時、車庫入庫時など車両運行上の区切れのよい時や、通信状態のよいときなどにその結果のみサーバ装置5に送信することもできる。
【0117】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して様々な形態で様々な交通規制管理情報を提供でき、利用者が必要なときに必要な交通規制に関する情報を知ることができる。さらに、交通規制に対する違反などの発生をより早く知ることができる。また、例えば、臨時の交通規制や気象条件や天候の悪化などにより通行制限、速度規制などが行われる場合でも、指定エリア、指定道路、指定車種、指定車両に選択的にサーバ装置5より交通規制情報を配信することが可能となり、直接かつ確実に車両1に交通規制情報を伝え、運転手から同意や確認をとったり運行状態を監視することが可能である。
【0118】
ところで、従来でも交通規制、例えば一方通行、大型車や特殊車の通行制限、居住者や特定車両以外の通行制限などの情報を地理情報とともにカーナビゲーション装置にデータとして保持し、車両が交通規制に反する事態、例えばGPS受信データから判断される現在の位置座標や進行方向が、地理情報から検索される交通規制情報と反する状態である場合に警告を発することはできる。しかし、交通規制の変更に則してカーナビゲーション装置のデータを更新することは、リアルタイムには行い難くタイムラグが生じる上、データの更新は、新たなデータを購入して更新するなど、作業が煩雑でコストもかかる。このため、カーナビゲーション装置による交通規制情報の提供は、必ずしも交通規制の実体に則したものとはならない場合がある。
【0119】
これに対して、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、サーバ装置5で交通規制情報の更新などを管理しているため、利用者は、更新作業を行う必要が無く、リアルタイムの交通規制に関する情報を得ることができる。例えば、臨時の交通規制や気象条件や天候の悪化などにより通行制限、速度規制などが行われる場合でもそれらの交通規制に関する情報を入手することができる。
【0120】
(渋滞管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける渋滞管理情報の提供について図1、図5、図19乃至図22を参照して説明する。図19は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて渋滞管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図20は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの渋滞管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図21は、利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。図22は、利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図19において、車両運行管理情報や交通規制管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0121】
渋滞管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図19に示すように、課金処理機能57などの他、データベース部27に格納された車両の位置情報などから、特定エリアつまり渋滞状況を確認した地域に位置する車両を検索してその車両の運行情報を取得する特定エリア車両検索処理機能69、データベース部27に格納された車両運行情報を車載装置3から送信されてくるデータに基づいて、随時変換し補完して情報を更新するための運行情報変換・補完処理機能71、特定エリア車両検索処理機能69で取得した特定エリアの車両の運行情報から交通渋滞の状況を判断する渋滞状況判断処理機能73、渋滞状況判断処理機能73で判断した交通渋滞の状況を地図上に示すための地図を作成する地図作成処理機能74を備えている。
【0122】
このような構成のサーバ装置5は、図1及び図20に示すように、まず、車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ501)。ここで受信する必要があるデータは、一定時間毎のGPSなどによる車両の位置、日時、そして車両運行管理情報の場合と同じ表1に示したような車両運行情報などである。サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、取得した車載装置3からの車両運行情報に関するデータに不足があるか否かを判断し(ステップ503)、データに不足がある場合には、車両運行管理情報の場合と同様に、他のデータなどから不足しているデータを補完する(ステップ505)。そして、渋滞管理情報として用いる車載装置3から得た車両運行情報に関するデータや、ステップ505で補完したデータを加工データ用データベース27bに格納する(ステップ507)。
【0123】
利用者は、これから向かうエリアの各道路の渋滞状況を知るため、利用者端末7に表示された図5に示すような選択画面から渋滞管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ509)。サーバ装置5は、渋滞管理情報の選択指令を受信すると(ステップ511)、アプリケーションサーバ部23で渋滞管理情報の参照が可能なエリアを検索して一覧を作成し(ステップ513)、作成した一覧のデータを送信する(ステップ515)。利用者端末7は、受信した一覧のデータに基づいて渋滞管理情報の参照が可能なエリアの一覧を含むエリアの選択画面を表示する(ステップ517)。利用者は、選択画面から渋滞状況を知りたいエリアを選択し、選択指令を送信する(ステップ519)。
【0124】
サーバ装置5は、エリアの選択指令を受信すると(ステップ521)、アプリケーションサーバ部23で、データベース部27より、現在から一定時間前までの間、例えば10分前までの間に選択されたエリアに位置した車両の運行情報に関するデータ、例えば位置、進行方向、速度の情報、ギア状態などのデータを取得する。アプリケーションサーバ部23は、ギア状態の履歴から一定時間中の走行最高速度を推定し、その速度に応じて、例えば時速10Km以下は赤、時速30Km未満は黄色、それ以上は青色といったように色を決定し、進行方向を示す矢印状のアイコンを車両の位置した場所に配した地図画像を表示するためのデータを作成し、このアプリケーションサーバ部23で作成したデータを送信する(ステップ523)。
【0125】
利用者端末7は、サーバ装置5から送信されてきたデータに基づいて渋滞状況を示す地図画像を表示する(ステップ525)。表示された地図画像は、例えば、図21に示すようなものであり、利用者は、この表示された地図画像により、南北方向に走る東側道路において、南方向への車線は混雑し、北方向へ行く車線は交通量が少ないことがわかる。なお、ステップ523においてデータを送信後、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ527)。
【0126】
また、ここでは、利用者端末7で渋滞管理情報を得たいエリアを選択するための選択画面を表示している場合を示したが、走行中の車両の現在位置周辺、登録された地点名、地名などにより渋滞管理情報を得るエリアを特定することもでき、このときは、図22に示すような、地点名、車両識別情報、地名などを入力する画面を利用者端末7で表示する。また、ここでは、利用者端末7で地図を表示する場合を示したが、地図を作成せず、エリア内の渋滞状況をメッセージによって伝えることもできる。例えば、ランドマーク周辺の渋滞状況が知りたい場合、ランドマークを中心としたエリアを指定することで、どの経路からの接近が最適かを文字メッセージによって提供することもできる。
【0127】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して渋滞管理情報を利用者に提供でき、利用者が必要なときに必要な渋滞に関する情報を知ることができる。
【0128】
ところで、従来の渋滞情報は道路に設けられた各種センサーにより間接的に車両分布を推定するものであり、必ずしも実体を反映しておらず、また、リアルタイム性に欠ける場合がある。
【0129】
これに対して本実施形態の車両関連情報提供システムでは、渋滞状況に関する情報を作成する場合、ギア状態のデータだけでなく、速度情報の履歴から走行最高速度を求めたり、GPSの位置情報から平均速度を割り出して渋滞状況を推定し作成することができる。このため、例えばどの程度の渋滞であるか、どれぐらいの速度で動いているのか、または全く止まっているのかといったように実体を反映した渋滞状況に関する情報をリアルタイムに提供することができる。
【0130】
さらに、渋滞管理情報は、運転手や運行管理者などの複数の利用者が閲覧できる状態で情報提供することもできる。また、利用者は、交通規制情報で説明したように、渋滞管理情報を他の利用者に配信することもできる。例えば、車両の運行管理者などといった利用者が、利用者端末7から、車両の運転手に渋滞管理情報を配信するようにサーバ装置5に要求することもできる。
【0131】
(店着管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける店着管理情報の提供について図1、図5、図23乃至図25を参照して説明する。図23は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて店着管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図24は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの店着管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図25は、利用者端末に表示される店着管理情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図23において、車両運行管理情報、交通規制管理情報、渋滞管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0132】
店着管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23のアプリケーションサーバ部23は、図23に示すように、車載装置3から送信されてくる位置情報などから指定された車両の所在地を判断する車両所在地判断処理機能75、指定された車両に関するデータベース部27に格納された店着に関する予定時刻や実際の店着時刻などの情報を検索してその車両の店着に関する情報を取得する店着情報検索処理機能77、車両所在地判断処理機能75で判断した車両の所在地と店着情報検索処理機能77で取得した店着の予定に関するデータなどから車両の早着遅延を判断する早着遅延判断処理機能79などを備えている。また、サーバ装置5は、早着遅延判断処理機能79で判断した早着遅延に関する情報を通知するメールを利用者に送信するためメールサーバ59を備えている。
【0133】
このような構成のサーバ装置5により店着管理情報の提供を受ける場合、利用者は、図1及び図24に示すように、利用者端末7に表示された図5に示すような選択画面から店着管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ601)。サーバ装置5は、店着管理情報の選択指令を受信すると(ステップ603)、店着管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、データベース部27で店着管理が可能な車両を検索して店着管理が可能な車両の一覧を作成し、作成した一覧のデータを送信する(ステップ605)。利用者端末7は、受信した一覧のデータに基づいて店着管理が可能な車両の一覧を含む車両の選択画面を表示する(ステップ607)。利用者は、選択画面から店着管理を行いたい車両を選択し、車両の選択指令を送信する(ステップ609)。
【0134】
サーバ装置5は、車両の選択指令に含まれる車両番号といった車両識別情報を受信すると(ステップ611)、その車両識別情報の車両1の車載装置3に運転手操作端末17で運転手が入力した荷積みや荷卸しの情報などを車載装置3から受領する(ステップ613)。サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、車載装置3から受領した荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送先の位置情報、例えば経度緯度と、データベース部27に事前に登録してある配送先の位置情報とを比較し(ステップ615)、位置情報が同一でない場合には処理を終了する。一方、位置情報が同一の場合には、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3から受領した荷積みや荷卸しの情報に含まれる荷積みや荷卸しのための到着時間に関する情報と、データベース部27に事前に登録してある荷積みや荷卸しのための到着予定時間に関する情報とを比較し、早着または遅延であるかを判断する(ステップ617)。
【0135】
アプリケーションサーバ部23は、早着または遅延であると判断した場合、予め設定されたアドレスにメールサーバ59により、早着または遅延の発生を通知するメールを送信する(ステップ619)。そして、早着または遅延の発生、到着時間と到着予定時間との誤差、荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送区間内で発生した異常に関する情報などをデータベース部27に格納する(ステップ621)。一方、早着または遅延はないと判断した場合、アプリケーションサーバ部23は、ステップ621に進み、到着時間と到着予定時間との誤差や、荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送区間内で発生した異常に関する情報などをデータベース部27に格納する。
【0136】
さらに、サーバ装置5は、予め利用者によって設定されたタイミングで、アプリケーションサーバ部23でステップ621で格納された情報に基づいて予め利用者によって設定された車両の店着状況の一覧を作成し、この一覧のデータを送信する(ステップ623)。ここで作成される店着状況の一覧の一例を表8に示す。
【0137】
【表8】
また、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者によって予め登録された配送先に関して車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報の有無を判断し(ステップ625)、車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報がある場合には、ステップ613以降の処理を繰り返し、車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報がある場合には、処理を終了する。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から送信されてきたデータに基づいて店着状況の一覧を画面に表示する(ステップ627)。
【0138】
ここでは、利用者が利用者端末7に表示された車両の選択画面で車両を選択し、選択した車両に関して店着管理情報を提供する場合を示したが、利用者端末7で図25に示すようなルートコードといった車両が通るルートの識別情報や車両コードといった車両識別情報を入力する画面を表示し、この画面で入力されたルートコードや車両コードに基づいて店着管理情報を提供することもできる。ルートコードに基づいて店着管理情報を提供する場合、車両が配送ルートを予定通りの時刻で回っているかといった情報を、車両の地点、例えばGPSによる位置座標などを経時的に記録したデータや荷積みや荷卸しなどの作業発生時刻のデータなどから判断することができる。ルートコードに基づいて店着管理情報を提供する場合に用いるルート情報の定義の一例を表9に示す。
【0139】
【表9】
さらに、車載装置3が、GPSなどの位置座標を自動的に取得し、そのときの時間のデータと共にサーバ装置5に送信する構成とすれば、配送担当者が車載装置3に配送地点の情報を入力しなくても、サーバ装置5は、車載装置3から送信されてくる位置座標及び時間のデータと、配送予定地点の位置座標及び到着予定時間との照合を行って店着状況の判断を行うことができ、また、業務効率を向上させたり、、配送担当者の入力ミスを回避することができる。なお、非測位時間が長いなどGPS座標の信頼性が低い場合には、サーバ装置5での照合の際の許容誤差を拡大することでこの自動照合が誤った判断をしないようにすることもできる。
【0140】
また、このように配送担当者の車載装置3への入力によらず、車載装置3により自動的に店着管理を行う場合は、車両の業務開始を意味する出庫電文の送信や業務終了を意味する入庫電文の送信を契機として、これを店着管理の開始、終了と連動させれば、より省力化、自動化できる。一台の車両が一日のうちに複数の配送ルートを走る場合でも、一まとまりの配送ルートの開始と終了時に入庫、出庫電文の送信を行えば配送ルートの切り替えが可能である。
【0141】
さらに、店着管理情報の提供の際に、店着管理に関するデータと早着や遅延といった異常の発生の情報を利用者端末7の一つの画面に表示することで、店着管理担当者が容易に店着状況を確認することができ、店着管理担当者の管理作業の負担が軽減する。また、保冷車の冷蔵・冷凍庫温度が設定を上回った場合や扉、バルブの開閉状況、荷台の上げ下ろし状況や車両機構、運転者の健康状態などをモニターするセンサーからの異常電文を受信する構成とし、サーバ装置5で、これらの異常電文を受信した場合に、店着管理情報に加え、これらの異常の発生と、異常が発生した配送区間を合わせて表示することで、次の配送先や立ち寄り先へ事前に連絡するなどして速やかな対処が可能となる。
【0142】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して店着管理情報を利用者に提供でき、利用者が必要なときに必要な店着管理情報を得ることができる。
【0143】
本実施形態の車両関連情報提供システムでは、図1に示すように、車両1に搭載された車載装置3は、通信装置15bとして、携帯電話、PHSなどのモバイル端末などを利用し、無線通信回線網であるモバイルネットワークなどを介してサーバ装置5に接続されている。このため、管理者や荷主がリアルタイムに店着管理情報を入手して配送状況を知ることができ、また、問題発生時の速やかな対処を可能とする。
【0144】
なお、本実施形態の車両関連情報提供システムのように、車両1に搭載された車載装置3の通信装置15bとして、携帯電話、PHSなどのモバイル端末などを利用し、無線通信回線網であるモバイルネットワークを介してサーバ装置5に車載装置3がデータを送信する場合、無線通信回線網では電波状況によりサーバ装置5へデータを送信できなくなる場合がある。これに対し、車載装置3が未送信電文のバックログをもち、送信をリトライする仕組みにより、サーバ装置5に車載装置3がデータを確実に送信できる。加えて、遅延や早着などの異常の発生を電子メールなどのメッセージ送信機能で関係者に自動的に通知することにより、店着管理者の作業負荷を低減し、また、異常の発生により速やかに対処することが可能となる。
【0145】
ところで、従来の配送管理システムでも、予定時刻に配送先に到着、出発したことを記録し結果を管理することはできる。しかし、運行記録系からの情報を併せ持っていなかったので遅延の原因の分析ができない場合があり、また、リアルタイムに関係者が遅延の発生の状況を周知することもできない。
【0146】
これに対して、本実施形態の車両関連情報提供システムは、車載装置3から種々の車両運行に関するデータや運転手からの情報などを取得し、店着情報に関するデータと共に分析することができるので、遅延などが生じた場合にその原因の分析を行うと共に、メールの送信などにより、リアルタイムに関係者が遅延の発生の状況を知らせることができる。
【0147】
以上説明したように、本実施形態の車両関連情報提供システムは、車両に搭載された車載装置だけではなく、運行管理者、物流管理者、荷主、配送先を無線や有線ネットワークで結んで、それらからの情報やデータをサーバ装置5に収集、蓄積、そして加工することで、車両運行状態、交通規制、道路地理、車両分布、他に交通情報、気象や天候状態、業務的な指示や作業情報、貨物情報、他関係者から発せられる情報などの様々な車両関連情報を、車両、運行管理者、物流管理者、荷主、配送先などにリアルタイムまたは間欠的に配信するセンター集約型の車両関連情報提供システムとなっている。
【0148】
さらに、車載装置3から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータをアプリケーションサーバ部23で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、例えば運行状況を判断するための設定値を超えたり、違反を判断する設定値を超えた場合など、そのことを、メールサーバ59を介して利用者にメールで通知する。このため、例えば運送用車両などが定められた安全運行管理のために定められた基準から外れた運転を行った場合、その運送用車両が基準から外れた運転を行ったことを、その運送用車両を所有する運送会社にリアルタイムに通知できる。
【0149】
また、本実施形態では、サーバ装置5が、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25の3つのサーバ部を有する構成を示したが、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25は、個々に独立したサーバである必要はなく、サーバ装置5は、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25の機能を果たす1台のサーバを備えた構成にすることもできる。
【0150】
また、本発明は、本実施形態のシステム構成に限らず、様々な車載装置、通信回線、利用者端末を組み合わせて構成することができ、また、提供する車両関連情報も、本実施形態で例示した項目に限らず、様々な項目の車両関連情報を提供することができる。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの一実施形態の概略構成と動作を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを用いたビジネスの一例の概略を説明する図である。
【図3】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの別の例の概略を説明する図である。
【図4】利用者端末に表示される利用者の識別情報に関する入力画面の一例を示す図である。
【図5】利用者端末に表示される車両関連情報の表示項目に関する選択画面の一例を示す図である。
【図6】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムのアクセス許可機能に関連する動作を示すフロー図である。
【図7】利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先選択画面の一例を示す図である。
【図8】利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先への車両関連情報の表示項目に対する制御画面の一例を示す図である。
【図9】利用者端末に表示されるインフォメーション機能に関する車両へ情報送信を行うための画面の一例を示す図である。
【図10】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの車両運行管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図12】利用者端末に表示される車両運行管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図13】利用者端末に表示される車両運行管理に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図14】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて交通規制管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図15】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの交通規制管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図16】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの、交通規制管理情報を利用者の指示で車両に対して送信する場合の動作を示すフロー図である。
【図17】利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図18】利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図19】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて渋滞管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの渋滞管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図21】利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図22】利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図23】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて店着管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図24】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの店着管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図25】利用者端末に表示される店着管理情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両
3 車載装置
5 サーバ装置
7 利用者端末
9 無線通信回線
13 ネットワーク
21 通信サーバ部
23 アプリケーションサーバ部
25 ウエッブサーバ部
27 データベース部
27a 生データ用データベース
27b 加工データ用データベース
27c 課金情報用データベース
27d 入力データ用データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両関連情報の提供技術に係り、特に、通信回線を介して車両関連情報の提供を行う車両関連情報の提供技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、車両には、車両の動作や運行などに関連するデータやその車両の位置データなどを取得できる様々な車載装置が搭載されている。例えば、トラックやタクシーなどの業務用の車両などでは、デジタルタコグラフやタクシーメータなど車両の運転や運行状況などに関するデータを取得して記憶媒体などに記憶する機器や装置類などが搭載されている。また、様々な車両で、GPS受信機能を有する機器など、位置に関するデータを取得する機器や装置類などが搭載されている。
【0003】
このような車載装置で取得したデータのうち、例えばデジタルタコグラフやタクシーメータなどで得た車両の運転や運行状況などに関するデータは、車両の運行終了後、解析や記録のため、所属する営業所に備え付けられたコンピュータなどに移され安全運転管理などに利用されている。また、例えば車両の位置などに関するデータは、車両内で自分の位置の確認に利用される他、通信回線を介してその車両の位置データを、その車両以外の場所で、通信回線に接続された端末、携帯電話、PHS、PDAなどで確認できるサービスなどに利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車載装置で取得されたデータは、所定の期間蓄積したデータや、異なる車両に搭載された車載装置や異なる種類の車載装置で取得したデータなどを適宜組み合わせて加工すれば、車両の動作や運行に関連する種々の情報や、車両の運行や運転に影響を与える道路交通情報や気象情報などといった様々な有用な車両関連情報に加工して活用することができる。
【0005】
しかし、車載装置で取得されたデータは、現状では、例えばその車載装置が搭載されている車両の位置の確認や、その車載装置が搭載されている業務用車両の安全運転管理などといったように限られた目的で利用されているだけである。
【0006】
また、車載装置で取得されたデータは、車両の位置データを除けば、例えば、業務用車両の運行終了後に車載装置から記録媒体などを介して営業所などに設置されたコンピュータに移されて分析などが行われるなど、車載装置で取得されたデータに基づく情報をリアルタイムに利用できない場合がある。
【0007】
このように、現在、車載装置で得られるデータを活用して、利用者が必要とするときに、利用者が必要とする様々な内容の車両関連情報を提供する技術はなく、車載装置で得たデータを十分に活用できていない状況にある。
【0008】
本発明の課題は、車載装置で得たデータの活用性を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両関連情報提供システムは、車両に搭載された車載装置と、通信回線を介して車載装置と相互に通信が可能なサーバ装置と、通信回線を介してサーバ装置と相互に通信が可能な利用者端末とを含み、サーバ装置は、車載装置から送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する生データ用データベースと、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、この加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する加工データ用データベースと、利用者端末から送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベースで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末に送信する手段とを有し、利用者端末は、入力された利用者の識別情報をサーバ装置へ送信する手段と、利用者の識別情報に対応してサーバから送信されてくるデータに基づいて車両関連情報の表示項目の選択画面または車両関連情報を表示画面に表示する手段とを有する構成とすることにより上記課題を解決する。
【0010】
さらに、サーバ装置は、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末に送信する手段とを有する構成とする。
【0011】
また、サーバ装置は、このサーバ装置に接続され、車載装置から得られないデータを入力するためのデータ入力手段と、このデータ入力手段及び利用者端末の少なくとも一方により入力されたデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する入力データ用データベースとを有し、車両関連情報のデータを加工する手段は、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベースに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する構成とする。
【0012】
さらに、サーバ装置は、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成する手段と、この作成した課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に記憶する課金情報用データベースとを有する構成とする。
【0013】
また、サーバ装置は、検索要求に応じて課金情報用データベースに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索する手段と、この検索した識別情報に対応する課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する手段とを有する構成とする。
【0014】
また、サーバ装置は、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが利用者によって予め設定された条件に該当したことを知らせる情報を利用者端末に送信する手段を有する構成とする。
【0015】
さらに、本発明の車両関連情報提供システム用のサーバ装置は、車両に搭載された車載装置と通信回線を介して相互に通信する手段と、車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、この加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースと、利用者端末から通信回線を介して送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを加工データ用データベースで検索し、この利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えた構成とすることにより上記課題を解決する。
【0016】
また、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、この取得したデータを利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えた構成とする。
【0017】
さらに、本発明の車両関連情報提供の方法は、車両に搭載された車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータをこのデータに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能にサーバ装置の生データ用データベースに記憶し、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータをサーバ装置で加工し、この加工したデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能にサーバの加工データ用データベースに記憶し、サーバ装置に利用者端末から通信回線を介して送られてくる利用者の識別情報に応じて加工データ用データベースを検索し、識別した利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得して利用者端末で表示可能な形態でこの利用者端末に通信回線を介して送信することにより上記課題を解決する。
【0018】
また、本発明の車両関連情報提供の方法は、利用者端末で利用者の識別情報を入力し、車載装置が搭載された車両の識別情報と車載装置から得たデータとを相互に関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、車載装置から得たデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工して利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースとを備えたサーバ装置に通信回線を介して送信し、利用者の識別情報に応じて加工データ用データベースで検索されてサーバ装置から通信回線を介して送信されてくるデータに基づいて、利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を表示することにより上記課題を解決する。
【0019】
また、利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、サーバ装置から送信されてくるデータに基づいて、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を利用者端末で表示する方法とする。
【0020】
これにより、車載装置で取得されたデータまたは車載装置で取得されてサーバ装置が有する生データ用データベースに記憶されたデータは、利用者に提供する車両関連情報の内容に応じて加工され、サーバ装置が有する加工用データベースに記憶される。サーバ装置は、利用者の識別情報に応じて、この利用者の識別情報に関連づけられたデータ、つまりその利用者が必要とする車両に関する車両関連情報やその他の車両関連情報に関するデータを加工用データベースで検索する。そして、サーバ装置は、検索結果に応じて、車両関連情報の表示項目の一覧、または、車両関連情報のデータを利用者端末に送信する。
【0021】
したがって、利用者は、その利用者が必要とする車両関連情報を必要なときに利用者端末で入手することができる。加えて、生データ用データベースは、異なる車両に搭載された車載装置や異なる種類の車載装置から通信回線を介して送られてきた種々のデータ、そして様々な期間に取得されたデータなどを記憶することができる。このため、車載装置から送信されてきたデータや生データ用データベースに記憶されていたデータを組み合わせて加工することで、車載装置から取得したデータを、単一の車両や単一の車載装置に関する情報などに限らない様々な車両関連情報に加工して提供することができる。すなわち、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【0022】
さらに、利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、第1の利用者によって設定された第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを利用者端末に送信する。したがって、サーバ装置の運用者と契約を結んで車両関連情報の提供を受ける第1の利用者が、この第1の利用者が取得できる車両関連情報のうち、この利用者以外の者にも有用な情報などを、この第1の利用者が設定した第1の利用者以外の者、つまり第2の利用者に情報を限定して提供することができる。
【0023】
例えば、車載装置を搭載した運送用車両を運行する運送会社が第1の利用者としてサーバ装置の運用者と契約を結んで、その運送用車両の運転や運行の状態、配送の作業状況などといった車両関連情報の提供を受ける場合、この運送用車両で運ぶ荷物の荷主を第2の利用者として設定し、荷主が必要とする配送の作業状況に限定して車両関連情報を提供することができる。このため、車載装置で得たデータをサーバ装置の運用者と契約した者以外の者へ提供する情報として活用でき、車載装置で得たデータの活用性をさらに向上できる。
【0024】
加えて、車載装置から得られない情報に関するデータをデータ入力手段で入力し、このデータ入力手段により入力されたデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に入力データ用データベースに記憶し、車両関連情報のデータを加工する手段が、車載装置から送信されてくるデータ及び生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベースに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する。このため、利用者毎の種々の定義情報や設定情報などの車載装置から得られない情報に関するデータを用いて車載装置で得たデータを加工し、提供する情報の種類や情報の提供の方法などを増大できる。したがって、車載装置で得たデータの活用性を一層向上できる。
【0025】
さらに、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成して課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に課金情報用データベースに記憶する。これにより、サーバ装置の運用者が利用者に対して利用実績に応じて料金を自動的に算出できるため、利用者に対する情報提供料の算出作業を簡素化できる。加えて、課金情報用データベースに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索して、課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する。このため、ファイナンス機関との契約がある場合には、ファイナンス機関に課金情報を送信することで、情報提供料の徴収作業を自動化できる。
【0026】
さらに、車載装置から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、そのことを利用者に知らせる。このため、例えば運送用車両などが定められた安全運行管理のために定められた基準から外れた運転を行った場合、その運送用車両が基準から外れた運転を行ったことを、その運送用車両を所有する運送会社にリアルタイムに通知できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの一実施形態について図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの概略構成と動作を示す図である。図2は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの一例の概略を説明する図である。図3は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの別の例の概略を説明する図である。図4は、利用者端末に表示される利用者の識別情報に関する入力画面の一例を示す図である。図5は、利用者端末に表示される車両関連情報の表示項目に関する選択画面の一例を示す図である。
【0028】
なお、車両関連情報とは、車両の走行速度、走行距離、その他ブレーキ動作やギア動作などの車両の種々の動作に関するデータを含めた車両の運行や運転の状態に関連する情報、交通規制、道路地理、車両分布、気象や天候状態などの車両の運転や運行に影響を与える道路交通情報や気象情報、その他、輸送用車両つまりトラックやタクシー、バスなどといった業務用の車両に対する業務的な指示や、業務用の車両の作業状況に関する情報、貨物情報、配車に関する情報など、車両の運転や運行などに関連する様々な情報を意味するものである。
【0029】
本実施形態の車両関連情報提供システムは、図1に示すように、通信回線で相互に交信可能に接続された車両1に搭載された車載装置3、車両関連情報の提供を行うためのサーバ装置5、そして車両関連情報の提供を受ける利用者が使用する利用者端末7などで構成されている。車載装置3は、パケット通信網などの無線通信回線9の基地局11及びインターネットなどの通信回線を利用したネットワーク13を介して相互に交信可能にサーバ装置5に接続されている。利用者端末7は、インターネットなどの通信回線を利用したネットワーク13を介して相互に交信可能にサーバ装置5に接続されている。
【0030】
なお、本実施形態では、車載装置3と利用者端末7は、共に同じネットワーク13を介してサーバ装置5に接続されているが、車載装置3は、図1において破線の矢印で示すように、ネットワーク13を介さず、無線通信回線9の基地局11とサーバ装置5とを別の通信回線、例えば専用の通信回線を敷設して接続することもできる。さらに、利用者端末7とサーバ装置5も、ネットワーク13に代えて専用の通信回線を敷設して接続することもできる。ただし、インターネットなどのネットワーク13を利用して車載装置3、サーバ装置5、そして利用者端末7などを接続すれば、新たに通信回線を施設する必要が無く、車両関連情報提供システムを構築するコストを低減できる。
【0031】
車載装置は、例えば業務用の車両などに搭載されたデジタルタコグラフやタクシーメータなどの車両の走行速度、走行距離、その他ブレーキ動作やギア動作などの車両の種々の動作に関するデータといった車両の動作や運行状況などに関する様々なデータを取得する機器、GPS受信機能を有する機器など位置に関するデータを取得する機器、さらに、エンジンコントロールユニットといった車両の動作の制御を行う装置などに通信機能を付加した機器、車両内に持ち込まれた携帯電話、PHS、PDAなど車両の位置情報やその他車両や交通に関する情報を入力できる機器など、車両内に在って車両や交通に関するデータを取得または入力して送信できる様々な装置を意味している。なお、車載装置は、単独の機器のみでなく、車両内に在る複数の機器類を通信装置に接続して構成することもできる。また、車載装置には、取得したデータを記憶する記憶媒体などを備えた構成にすることもできる。
【0032】
本実施形態では、これら様々な車載装置のうち、通信機能を付加したデジタルタコグラフを車載装置3とした場合を例として説明する。すなわち、本実施形態の車載装置3は、トラックなどの業務用の車両1に搭載されたデジタルタコグラフ15、デジタルタコグラフ15に相互にデータの伝達可能に接続された運転手操作端末17などで構成されている。デジタルタコグラフ15は、相互にデータの伝達可能に接続された運行記録計15aと通信装置15bとを備えている。運行記録計15aと通信装置15bは、データの取得可能に車両1に設置された各種センサー19と接続されている。通信装置15bには、通信回線を介してデータの送受信を行える様々な装置を用いることができ、本実施形態の用に無線通信回線網9を介している場合、例えば携帯電話、PHS、無線LANなどの通信回線を利用する装置などを用いることができる。また、本実施形態の通信装置15bは、データの送信を行うだけでなく、データの解析を行う機能も有している。
【0033】
車載装置3は、車両1の各種センサー19から送られてくる車両1に関する情報を、通信装置15bにより、無線通信回線網9とネットワーク13とを順次介してサーバ装置5に送信する。車載装置3では、各種センサー19から情報があがってくると、運行記録計15aは、運行記録計15aで記録対象として設定されているデータについて記録する。また、各種センサー19からあがってくる情報は、運行記録計15aを介して、または直接通信装置15bに伝送される。加えて、各種センサー19からあがってくる情報は、必要に応じて通信装置15bでリアルタイムに解析される場合や、車載装置3に予め入力されているデータと組み合わせて加工される場合もあり、通信装置15bは、データの解析及び加工を行う機能を果たすプログラムを有している。通信装置15bは、運行記録計15aを介してまたは直接通信装置15bに上がってくるデータや通信装置15bで解析したデータを、車両1に付された固有のコードなどの車両1を識別する情報となる車両識別情報と共に、無線通信回線網9とネットワーク13とを順次介してサーバ装置5に送信する。
【0034】
なお、本実施形態の車載装置3は、通信装置15bが有する定義情報に従い、データを送信した後、送信したデータを図示していないメモリなどの記憶手段に書き込み、サーバ装置5から発信される正常受信のレスポンスを受信するまで繰り返しデータを送信する機能を果たすプログラムを備えている。さらに、車載装置3の通信装置15bは、送信可能なデータをリアルタイムにサーバ装置5に送信すべきか否かの定義情報を有し、その定義情報に従い、送信可能なデータをリアルタイム、設定された時間、または設定された時間間隔などで送信する機能を果たすプログラムを備えている。これらの機能に関する定義情報や設定情報は、サーバ装置5から発信される指令により変更可能である。加えて、通信装置15bは、サーバ装置5へ送信すべきデータを送信できなかった場合、またはできない場合には、キューに蓄積し、送信可能であるときに送信を行う機能を果たすプログラムを備えている。
【0035】
また、車載装置3は、運行記録計15aで取得される運行情報に関するデータ、運行記録計15aで取得される運行情報に関するデータ以外の各種センサー19などから送られてくるデータ、これらのデータと組み合わせて加工される車両1から得られるデータ以外のデータ、そして通信装置15bの動作や機能に関する定義情報や設定情報などを図示していないメモリなどの記憶手段に記憶でき、記憶手段に記憶されたデータは、サーバ装置5から発信される指令により追加、更新、そして削除可能である。
【0036】
運転手操作端末17は、車両1の運転手などが、サーバ装置5に送信する情報、例えば荷物の積み降ろしなどの情報の入力などを行うものである。さらに、運転手操作端末17は、サーバ装置5から情報の提供をうけるため、サーバ装置5が提供する各サービスの操作や要求などを行う利用者端末7としての役割も果たす。
【0037】
サーバ装置5は、車載装置3から送信されてくるデータを利用者に対する各種サービスに応じて保存、加工、そして加工方法の指定などを行い、利用者に車両関連情報を提供し、さらに、利用者端末7と車載装置3との間、車両1に乗っている運転手などと利用者端末7を使用する利用者との間、または異なる利用者端末7を使用する利用者間での情報のやりとりを仲介する。このようなサーバ装置5は、車載装置3の通信装置15bとの間で相互に交信を行うための通信サーバ部21、通信サーバ部21と相互にデータの伝達が可能に接続されたアプリケーションサーバ部23、そしてアプリケーションサーバ部23と相互にデータの伝達が可能に接続されたウエッブサーバ部25などを備えている。
【0038】
通信サーバ部21は、無線通信回線9、基地局11、そしてネットワーク13を順次介して車載装置3からのデータを受信し、さらに、ネットワーク13、基地局11、そして無線通信回線9を順次介して車載装置3へデータを送信する通信機能を有している。通信サーバ部21は、車載装置3の通信装置15bとの通信プロトコルを実行し、リアルタイムに、または設定された時間や設定された時間間隔で間欠的に車載装置3の通信装置15bからの情報を受けてアプリケーションサーバ部23に送ったり、アプリケーションサーバ部23からの情報を車載装置3の通信装置15bに送信する。また、アプリケーションサーバ部23から特定の車載装置3への情報発信を行う場合や、通信サーバ部21の定義により車載装置3からの情報を正常受信したのちのレスポンスを発信する場合、通信サーバ部21からネットワーク13を通じて車載装置3へ発信される。
【0039】
ウエッブサーバ部25は、利用者が使用する利用者端末7と、ネットワーク13を介して相互に交信を可能にする通信機能を有しており、ネットワーク13を介して利用者に対するサーバ装置5の玄関口の機能を果たす。ウエッブサーバ部25は、利用者を識別するための利用者識別情報により、利用者のサーバ装置5へのアクセスの認証処理を行い、認証された利用者に対して、利用者毎に設定された各種サービスに対応して車両関連情報の提供に関するサービスを実行するインターフェースを提供する。
【0040】
サーバ装置5は、上記の各サーバ部21、23、25に加え、種々のデータを格納するデータベース部27を備えている。データベース部27は、車載装置3より送信されてくる車載装置3で取得したデータまたは車載装置3で解析されたデータ、つまり生データを格納する生データ用データベース27a、アプリケーションサーバ部23で加工された車両関連情報のデータを格納する加工データ用データベース27b、車両関連情報提供システムの利用に対する利用者への課金情報を格納する課金情報用データベース27c、そして車載装置3以外からに入力されたデータを格納する入力データ用データベース27dなどで構成されている。
【0041】
生データ用データベース27aは、通信サーバ部21へ車載装置3から送信されてくるデータを加工せずにそのままログとして記録するデータベースであり、車載装置3から送信されてくるデータをプロトコル変換させ、プロトコル変換されたデータを生データとして保存し蓄積する。このとき、生データ用データベース27aは、車載装置3から送られてくるデータに含まれる車両識別情報と、対応するプロトコル変換されたその他のデータとを関連づけて記憶する。
【0042】
加工データ用データベース27bは、車載装置3から送信されてくるデータや生データ用データベース25に格納されたデータを用いて、アプリケーション部23で、利用者に応じて設定されたサービスの内容に対応して加工した種々の車両関連情報に関するデータを保存し蓄積する。このとき、加工データ用データベース27bは、利用者識別情報と加工したデータとを関連づけて記憶する。
【0043】
課金情報用データベース27cでは、本実施形態の車両関連情報提供システムのサービスにおいて情報提供に対する料金が従量制である場合などにおいて、利用者毎の利用履歴や、この利用者毎の利用履歴に基づいてアプリケーションサーバ部23で算出した利用者に対する請求金額といった課金情報を保存し蓄積する。さらに、課金情報として、利用者が指定した支払方法などに応じて、クレジットカードや銀行口座などのファイナンス機関に関する情報を保存する。
【0044】
入力データ用データベース27dは、アプリケーションサーバ部23において車載装置3で得たデータを種々の車両関連情報に加工する際に用いる、車載装置3からは得られないデータ、つまり利用者端末7で入力されたデータやデータベース部27などに接続ケーブルなどで直接接続された入力用端末31などで入力されたデータを保存する。車載装置3からは得られないデータとしては、例えば交通規制に関する情報、車両や車種毎の安全運行に対する判断基準値などのシステムに依存しない情報に関するデータ、利用者マスタ、地点登録やルート情報などの利用者毎に設定される情報や、利用者毎のサービスに対応した本実施形態の車両関連情報提供システムに対する設定情報や定義情報などに関するデータなどである。
【0045】
アプリケーションサーバ部23では、通信サーバ部21からのデータや生データ用データベース27aに保存されたデータなどを利用者毎のサービスに対応して適宜組み合わせて加工し、加工データ用データベース27cに保存する。アプリケーションサーバ部23は、データの加工において、例えば車両1の車載装置3からのデータに一部欠損などがある場合、他の取得できているデータ、例えば生データ用データベース27a、加工データ用データベース27b、入力データ用データベース27dに保存されているデータなどを利用して計算または類推し、車載装置3からのデータを補完する情報補完機能を果たすプログラムを有している。この情報補完機能は、車載装置3からリアルタイムに送信されることが定義されていないデータについて、他のリアルタイムに送信されてくるデータや、生データ用データベース27a、加工データ用データベース27b、入力データ用データベース27dに保存されているデータなどを利用して計算または類推し、車載装置3からのデータを補完する機能も果たす。
【0046】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、利用者の識別情報に対応して提供可能な情報のデータベース部27での検索や、利用者の識別情報に対応して提供可能な情報項目に関する定義情報の登録及び変更などを行うアクセス制御機能を果たすプログラムを有している。また、このアクセス制御機能は、利用者が利用者端末7によって、設定により、別の利用者のサーバ装置5へのアクセスを許可し、設定された情報項目について情報を提供する機能、そして別の利用者のアクセスを許可や提供する情報に関する定義情報の登録及び変更を行う機能も果たす。
【0047】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3の通信装置15bに対して通信装置15bでのデータの解析や加工の指示、また、通信装置15bでの各種センサー19からのデータの解析や加工に用いられる通信装置15bに登録されたデータの追加、更新、削除の指示、そして追加、更新を行うためのデータの送信を行う機能を果たすプログラムを有している。加えて、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3の各通信装置15bへの車両識別情報の登録及び変更や、通信装置15bに登録されているリアルタイムにデータをサーバ装置5に送信すべきか否かの定義情報の登録及び変更などの各々の機能を果たすプログラムを有している。
【0048】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、車両関連情報の提供サービスの利用に応じて課金情報用データテーブルに対して逐一利用者毎の利用した情報の項目とその数、利用日時などの利用履歴を書き込む機能や、利用者毎の情報利用料、請求や課金方法などの登録及び変更を行う課金情報管理機能を果たすプログラムを有している。
【0049】
利用者端末7は、サーバ装置5からネットワーク13を介して送られてくるデータに基づいてモニタなどの画面に車両関連情報の表示項目を選択するための表示項目の一覧や車両関連情報を表示する機能や、利用者端末7で入力したデータや検索要求などをサーバ装置5に送信する機能を果たすプログラム及び機器を有している。
【0050】
ここで、このような本実施形態の車両関連情報提供システムを適用した車両関連情報提供ビジネスの一例について概略を説明する。まず、情報提供センター装置を使用し、車両関連情報の提供サービスを行う車両関連情報用サーバ運用者または運用会社と契約した利用者が運送会社であり、この運送会社が所有するトラックに車載装置を搭載する場合を例として説明する。
【0051】
車両関連情報提供システムを利用したい運送会社である利用者33は、図2に示すように、車両関連情報提供用のサーバ運用者35と車両関連情報提供システムの利用に関する契約を結ぶ。なお、利用者33は、サーバ運用者35と契約を結び主に車両関連情報提供システムを利用する者であるので以下利用者(主)33と記す。
【0052】
サーバ運用者35は、利用者(主)33が所有するトラックつまり車両1に、図2には図示していない車載装置3を設置する。車両1に車載装置3が設置されている場合には、その車載装置3が車両関連情報提供システムで利用できるように設定などを行う。車載装置3からのデータの取得が開始されると、サーバ運用者35は、契約などによって設定された利用者(主)33が利用する車両関連情報の項目、例えば安全運行に関連する情報の項目や荷物の配送状況に関する情報の項目などに応じて適宜車載装置3からのデータを加工し、利用者(主)33に提供する。サーバ運用者35は、利用者(主)33の車両関連情報提供システムの利用履歴に応じて算出された車両関連情報提供システムの利用料金を利用者(主)33に対して請求書などにより請求し、車両関連情報提供システムの利用料金を回収する。
【0053】
また、運送会社である利用者(主)33は、利用者(主)33の顧客である荷主などに対して、荷主にとって有用である荷物の配送状況に関する情報の提供を荷主が受けることができるように、車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行うことができる。利用者(主)33は、車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行い、副次的に車両関連情報提供システムの利用者となる荷主などの利用者(副)37に、利用者(副)37を車両関連情報提供システムで識別するための利用者識別情報を伝え利用者(副)37にアクセスを許可する。これにより、利用者(副)37は、車両関連情報提供システムを利用し、自分の荷物の配送状況などといった限定された車両関連情報を得る。このとき、利用者(副)37による車両関連情報提供システムの利用料金は、利用者(主)33の利用料金に加算される。
【0054】
このようにサーバ運用者35は、車載装置で得られるデータを活用して車両関連情報の提供サービスを行うことで利益を得る。一方、利用者(主)33は、自社内のデジタルタコグラフで取得したデータからだけでは得られない車両関連情報を得たり、リアルタイムに得ることができなかった配送状況などに関する車両関連情報を得ることができる。加えて、荷主に対して配送状況などの車両関連情報を提供することができるようになり、顧客に対するサービスを向上できる。
【0055】
次に、情報提供センター装置を使用し、車両関連情報の提供サービスを行う車両関連情報用サーバ運用者または運用会社と契約した利用者が個人などであり、この個人とは異なる車両所有者が所有する車両に搭載された車載装置からデータを取得している場合を例として説明する。また、ここでは、契約した利用者が、クレジットカードなどを利用してファイナンス業者を介して車両関連情報提供システムの利用料金を支払う場合を例示している。
【0056】
車両関連情報提供システムを利用したい個人である利用者39は、図3に示すように、サーバ運用者35と車両関連情報提供システムの利用に関する契約を結ぶ。なお、利用者39は、サーバ運用者35と契約を結び主に車両関連情報提供システムを利用する者であるので以下利用者(主)39と記す。
【0057】
サーバ運用者35は、車載装置で得たデータを提供してくれる車両所有者41と契約を結び、車両所有者41が運送会社などであれば、所有するトラックなどの車両1に、図3には図示していない車載装置3を設置する。サーバ運用者35は、車載装置3からデータを取得し、車両関連情報用利用者(主)39との契約などによって設定された利用者(主)39が利用する車両関連情報の項目、例えば渋滞や交通規制などの道路交通に関連する情報の項目や天候に関する情報の項目などに応じて適宜車載装置3からのデータを加工し、利用者(主)39に提供する。サーバ運用者35は、利用者(主)39の車両関連情報提供システムの利用履歴に応じて算出された車両関連情報提供システムの利用料金などの課金情報をファイナンス業者43に対して送信し、ファイナンス業者43から利用者(主)39に応じた料金の支払を受ける。
【0058】
ファイナンス業者43は、利用者(主)39にクレジットカードの利用明細などを送付し、クレジットカードの決済日に利用者(主)39から車両関連情報提供システムの利用料金を回収する。なお、利用者(主)39は、前述と同様、副次的に車両関連情報提供システムの利用者となる利用者(副)45に車両関連情報提供システムに対するアクセス許可の設定を行うことができる。
【0059】
このようにサーバ運用者35は、車載装置3で得られるデータを活用して車両関連情報の提供サービスを行うことで利益を得る。一方、利用者(主)39は、自身が運転する車両の中などで携帯電話やPDAなどを図3には示されていない利用者端末7として、例えばこれから行く場所の交通規制や渋滞などに関連する情報や天候や気象に関する情報を得ることができる。なお、利用者(主)39自身の車両にも車載装置3を搭載することもでき、この場合、利用者(主)39とは別の車両所有者41が所有する車両1の車載装置3で得たデータを利用して加工された交通規制や渋滞などに関連する情報や天候や気象に関する情報といった汎用性のある車両関連情報に加え、自身の車両に搭載した車載装置3で得たデータを利用した利用者(主)39にとって有用な車両関連情報を得ることもできる。
【0060】
このような車両関連情報提供システムの利用方法について説明する。利用者は、車両関連情報を入手する場合、図1に示すように、利用者端末7により、車両関連情報用サーバ運用者35が運用するサーバ装置5にアクセスする。このとき、利用者端末7には、図4に示すように、ログイン画面として、利用者識別情報となるユーザーIDとパスワードを入力する画面が表示されている。利用者は、ここに、例えば契約などで車両関連情報用サーバ運用者との間で決められたユーザーIDとパスワードを入力し、送信ボタンなどをクリックして入力したユーザーIDとパスワードの送信を指令する。これにより、ユーザーIDとパスワードが、図1に示すように、利用者端末7からサーバ装置5に送信される。サーバ装置5は、ユーザーIDとパスワードをウエッブサーバ部25で受信した後、アプリケーションサーバ部23に伝達し、アプリケーションサーバ部23では、ユーザーIDとパスワードに対応する車両関連情報の項目やサービスを提供できる機能の項目などをデータベース部27で検索する。
【0061】
アプリケーションサーバ部23における検索の結果、例えば、送られてきたユーザーIDとパスワードに対応して設定されている複数の車両関連情報の項目やサービスを提供できる機能の項目の一覧に関するデータを取得し、この取得した車両関連情報の項目や機能の項目に関するデータをウエッブサーバ部25から利用者端末7で表示可能な形態で送信する。サーバ装置5からのデータを受信した利用者端末7は、受信したデータに基づいて、図5に示すように、車両関連情報の表示項目及びサービスを受けることができる機能の項目の選択画面を画面に表示する。利用者は、利用者端末7に表示された車両関連情報の表示項目及びサービスを受けることができる機能の項目から、利用する情報または機能に対応する選択ボタンなどをクリックすることで利用する情報または機能を選択する。
【0062】
これにより、情報または機能の検索要求が、図1に示すように、利用者端末7からサーバ装置5に送信される。サーバ装置5は、情報または機能の検索要求をウエッブサーバ部25で受信した後、アプリケーションサーバ部23に伝達し、アプリケーションサーバ部23では、検索要求に基づいてデータベース部27を検索する。アプリケーションサーバ部23における検索により、要求された車両関連情報などに関するデータを取得し、この取得した車両関連情報などに関するデータをウエッブサーバ部25から利用者端末7で表示可能な形態で送信する。サーバ装置5からのデータを受信した利用者端末7は、受信したデータに基づいて、図5に示すように、車両関連情報などを画面に表示する。
【0063】
なお、ここでは、利用者に対して設定された車両関連情報の表示項目やサービスを受けることができる機能の項目が複数あり、表示する項目を選択する必要がある場合について説明した。しかし、項目の選択の必要がない場合には、サーバ装置5では、ユーザーIDとパスワードに対応して設定されている車両関連情報のデータをデータベース部27で検索して送信し、利用者端末7では、サーバ装置5から送信されてくるデータに基づいて車両関連情報などを画面に表示する。
【0064】
また、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、従量制の料金体系をとるサービスについては、サービスを処理すると同時に、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23が、利用者のアクセス時間や利用したサービスの内容に応じて課金情報を作成し、課金情報用データベース27cに記憶されたその利用者に対応する課金情報を更新する。また、課金情報用データベース27cは、利用者が設定したファイナンス機関の情報を保持し、ファイナンス機関が有するサーバや端末機器に定期的に通信回線を介して課金情報を送信することで、料金を自動的に徴収することもできる。なお、表1に各種サービスの課金情報に関するデータの一例を、表2に利用者が設定したファイナンス機関の情報に関するデータ一例を示した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
このように、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置3で取得されたデータまたは車載装置3で取得されて生データ用データベース27aに記憶されたデータは、利用者に提供する車両関連情報の内容に応じてアプリケーションサーバ部23で加工され、加工用データベース27bに記憶される。アプリケーションサーバ部23は、利用者識別情報に応じて、この利用者識別情報に関連づけられたデータ、つまりその利用者が必要とする車両関連情報を加工用データベースで検索する。そして、アプリケーションサーバ部23は、検索結果に応じて、車両関連情報の表示項目の一覧に関するデータ、または、車両関連情報のデータを利用者端末7に送信する。
【0067】
したがって、利用者は、その利用者が必要とする車両関連情報を必要なときに利用者端末7で入手することができる。加えて、生データ用データベース27aは、異なる車両1に搭載された車載装置3や異なる種類の車載装置3から通信回線を介して送られてきた種々のデータ、そして様々な期間に取得されたデータなどを記憶することができる。このため、車載装置3から送信されてきたデータや生データ用データベース27aに記憶されていたデータを組み合わせて加工することで、車載装置3から取得したデータを、単一の車両や単一の車載装置に関する情報などに限らない様々な車両関連情報に加工して提供することができる。すなわち、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【0068】
さらに、サーバ装置5は、利用者端末7から送られてくる利用者識別情報から識別した利用者が利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45であるとき、利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを利用者端末7に送信する。したがって、サーバ運用者35と契約を結んで車両関連情報の提供を受ける利用者(主)33、39が、この利用者(主)33、39が取得できる車両関連情報のうち、この利用者(主)33、39以外の者である利用者(副)37、45にも有用な情報などを、設定により情報を限定して提供することができる。このため、車載装置で得たデータをサーバ運用者と契約した利用者(主)33、39以外のである利用者(副)37、45へ提供する情報としても活用でき、車載装置で得たデータの活用性をさらに向上できる。
【0069】
加えて、車載装置3から得られない情報に関するデータを入力用端末31や利用者端末7で入力し、この入力されたデータを利用者識別情報と関連づけて検索可能に入力データ用データベース27dに記憶している。そして、アプリケーションサーバ部23が、車載装置3から送信されてくるデータ及び生データ用データベース27aに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、入力データ用データベース27dに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工する。このため、利用者毎の種々の定義情報や設定情報などの車載装置3から得られない情報に関するデータを用いて車載装置3で得たデータを加工し、提供する情報の種類や情報の提供の形態などを増大できる。したがって、車載装置で得たデータの活用性を一層向上できる。
【0070】
さらに、アプリケーションサーバ部23は、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成し、課金情報と利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に課金情報用データベース27cに記憶する。これにより、サーバ運用者35が利用者の利用実績に応じて料金を自動的に算出できるため、利用者に対する情報提供料金の算出作業を簡素化できる。加えて、課金情報用データベース27cに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索して、課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する。このため、ファイナンス機関との契約がある場合には、ファイナンス機関に課金情報を送信することで、情報提供料金の徴収作業を自動化できる。
【0071】
ここで、本実施形態の車両関連情報提供システムは、図5に例示するように、安全運行情報、交通管理情報、渋滞管理情報、店着管理情報、そしてアクセス許可機能などのサービスを提供できる。以下に、これらの情報及び機能の意味、これらの情報及び機能を提供する場合のアプリケーションサーバ部の構成、そして利用方法や情報の提供方法などについて説明する。なお、以下の説明において利用方法や情報の提供方法などについて説明する場合、利用者端末で利用者が利用者識別情報を入力して送信し、利用者端末に車両関連情報の表示項目及びサービス可能な機能の項目の選択画面が表示されている状態以降の情報の提供に関連する動作などについて説明を行う。
【0072】
(アクセス許可機能)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおけるアクセス許可機能について図1乃至図9を参照して説明する。図6は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムのアクセス許可機能に関連する動作を示すフロー図である。図7は、利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先選択画面の一例を示す図である。図8は、利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先への車両関連情報の表示項目に関する制御画面の一例を示す図である。図9は、利用者端末に表示されるインフォメーション機能に関する車両へ情報送信を行うための画面の一例を示す図である。
【0073】
アクセス許可機能は、情報共有機能とも言い換えることができる機能を果たすプログラムであり、図2及び図3に示すように、サーバ運用者35と契約した利用者、つまり利用者(主)33、39に車両関連情報を提供するだけでなく、利用者(主)33、39がアクセス許可した利用者(副)37、45にも、利用者(主)33、39が許可した項目の車両関連情報を提供できるようにするものである。例えば、利用者(主)33、39は、運送会社など、運送用の車両1を所持しているものであり、利用者(副)37、45は、運送会社の顧客である荷主など、車載装置3を搭載した車両1を直接に所持していないものである場合などがある。
【0074】
このようなアクセス制御機能は、利用者(副)37、45が利用できる車載装置3で得られる情報及び車載装置3で得られる情報を加工した車両関連情報の閲覧項目を制限する機能を有する。利用者(主) 33、39は、利用者端末7の画面上や、サーバ運用者35とのその他の手段による連絡により、利用者(副)37、45に対して情報の閲覧を許す設定をすると、図1に示すように、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23が有する入力データ用データベース27dにその利用者(副)37、45に関する情報が登録される。
【0075】
利用者(副)37、45は、例えば、利用者(主)33、39から通知された利用者(副)37、45の利用者識別情報を用いることで利用者(副)37、45が有する利用者端末7によりサーバ装置5にアクセスが可能となる。利用者(副)37、45が、利用者端末7から利用者(副)37、45の利用者識別情報でサーバ装置5にアクセスしてくると、サーバ装置5のウエッブサーバ部25は、利用者が利用者(副)37、45であることをアプリケーションサーバ部23に通知する。アプリケーションサーバ部23では、入力データ用データベース27dから利用者(副)37、45の利用者識別情報に基づいて利用者(主)33、39の設定情報を取得し、利用者(主)33、39によって設定された利用者(副)37、45に対して表示する情報を検索し、ウエッブサーバ部25を介して利用者(副)37、45の利用者端末7に送信する。これにより、利用者(副)37、45の利用者端末7では、利用者(主)33、39が利用者(副)37、45に対して閲覧を許可している車両関連情報のみが画面に表示される。
【0076】
これらのアクセス制御機能における利用者(主)33、39による利用者(副)37、45の閲覧許可項目の設定方法、及び利用者(主)33、39による利用方法を図6のフロー図を参照して例示する。なお、ここでは、利用者(主)33、39によってアクセス許可を付与した利用者(副)37、45は、既に、サーバ装置5に登録されているものとする。
【0077】
利用者(主)33、39は、図5に示すような、車両関連情報の表示項目及びサービス可能な機能の項目の選択画面つまり項目メニュー画面から、利用する項目、この場合アクセス許可機能を選択し、図6に示すように、サーバ装置5に送信する(ステップ101)。サーバ装置5は、選択項目を受信すると(ステップ103)、アクセス制御機能の選択指令と、その選択指令を行った利用者(主)33、39の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、アクセス許可付与可能利用者の一覧を作成して利用者端末7に送信する(ステップ105)。これを受けて、利用者端末7では、表示されたアクセス許可設定可能利用者の一覧を含むアクセス許可設定可能利用者の選択画面が表示される(ステップ107)。利用者(主)33、39は、アクセス許可設定可能利用者の一覧から情報の表示項目を設定したい利用者(副)37、45を選択して送信する(ステップ109)。
【0078】
サーバ装置5は、選択された利用者(副)37、45に対応する選択指令を受信すると(ステップ111)、その選択指令と、その選択指令を行った利用者(主)33、39の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、情報表示項目を設定するための情報表示項目の一覧を作成して利用者端末7に送信する(ステップ113)。これを受けて、利用者端末7では、情報表示項目の一覧を含む利用者(副)37、45への情報表示項目の選択画面が表示される(ステップ115)。図7に表示された情報表示項目の選択画面の一例を示す。利用者(主)33、39は、情報表示項目の一覧から利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目を、例えば図7においては表示項目をクリックしてチェックマークを付すことなどにより選択し、登録ボタンをクリックすることなどで送信する(ステップ117)。サーバ装置5は、利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目の情報を受信すると、入力データ用データベース27dに、利用者(主)33、39の利用者識別情報、利用者(副)37、45の利用者識別情報、そして利用者(副)37、45に対して表示を許可する表示項目の情報などを関連づけて記憶する(ステップ119)。
【0079】
一方、利用者(副)37、45は、図6に示すように、利用者(主)33、39などから連絡を受けアクセスのための利用者(副)37、45の利用者識別情報、つまりユーザーIDやパスワードなどを、図4に示すようなログイン画面で入力する(ステップ121)。サーバ装置5は、ユーザーIDなどの利用者識別情報を受信すると(ステップ123)、利用者識別情報から利用者が利用者(主)33、39によってアクセス許可された利用者(副)37、45であることを識別し、識別した利用者(副)37、45に対して利用者(主)33、39によって設定されている車両関連情報の表示を許可された項目を検索して取得し、その車両関連情報を生成または取得後、利用者端末7へ送信する(ステップ125)。これを受けて利用者端末7には、利用者(副)37、45が利用可能な情報、例えば利用者(副)37、45が荷主の場合、荷物の配送状況などといった情報が画面に表示される(ステップ127)。
【0080】
なお、ここでは、アクセス許可機能の選択に対応して、アクセス許可の設定が行える利用者の一覧、つまり利用者(主)33、39によって既にアクセスが許可された利用者(副)37、45の一覧を表示して選択するようになっている場合を示したが、図8に示すような利用者(副)37、45を利用者(副)37、45に付与したユーザーIDなどで検索するために、利用者(副)37、45の利用者識別情報の入力画面を表示し、入力されたユーザーIDに対応する利用者(副)37、45に対する表示を許可する表示項目の選択画面を表示する構成にすることもできる。
【0081】
また、本実施形態のサーバ装置5は、アクセス許可機能以外にも、運行情報非公開機能やインフォメーション送信機能などを果たすプログラムを有している。運行情報非公開機能とは、例えば、運送会社が複数荷主の荷物を混載している場合、荷主が運行情報を参照する際に、他の荷主の積荷に関するイベント情報、例えば他の荷主の積荷に関する荷積や荷卸といった配送作業に関する情報を表示しない機能である。運行情報非公開機能の利用者(主)33、39による設定方法や利用者(副)37、45による利用方法は、上述の方法と同じであるが、積荷に対しての荷主情報を追加する事により運送会社の利用者(主)33、39が各利用者(副)37、45の積荷情報に対するアクセス制御を行うことが可能となる。
【0082】
インフォメーション機能とは、利用者(主)33、39、利用者(副)37、45を問わず、利用者間での情報共有手段を提供する機能である。車載装置3から得られるデータ、地理、交通、天候などの車載装置3から得られるデータを加工した車両関連情報、その他、他の利用者から発せられる情報などを組み合わせたり加工したりした情報を、利用者(主)33、39と利用者(副)37、45との間で流通させる。加工された情報とは文字情報のみならず、地図と地図上にオーバレイされた情報、グラフなどを含むこともできる。ウェッブブラウザーを使用する場合なら、HTMLへの埋め込み文字列や、イメージのリンク文字列をデータベースに格納し、HTMLを復元する。アクセス許可機能では、利用者(副)37、45に対して提供する情報を制限できるので、このようなインフォメーション機能を有していても、異なる立場の利用者間における情報の隠蔽、及び情報の共有を問題や矛盾なく実現させることができる。
【0083】
インフォメーション機能では、例えば、利用者端末7には、図9に示すような、地図上に情報送信可能な車両1の位置が示されると共に、その車両1の車載装置3から送信されてきたデータが車両1と対応づけて表示される。利用者は、車両1の車載装置3から送信されてきたデータが異常を示すものであるときなどには、情報送信先となる車両1をこの画面上で選択し、その異常の発生の情報やそれを示すデータを選択した車両1に送信することができる。
【0084】
(車両運行管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける車両運行管理情報の提供について図1、図5、図10乃至図13を参照して説明する。図10は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図11は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの車両運行管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図12は、利用者端末に表示される車両運行管理情報の表示画面の一例を示す図である。図13は、利用者端末に表示される車両運行管理に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【0085】
車両運行管理情報は、図1に示すように、車載装置3を搭載した車両1における長時間アイドリング、急加速、急発進、急減速、急停止、急ハンドル、長時間アイドリング、無灯火運転、無ワイパー運転、空吹かしの有無、頻度、程度などについて車載装置3で取得したデータを基に分析し、その結果を運行情報の経時的なグラフと関連させて、また運行の軌跡の地図へのマッピングと関連させて指し示すなど、輸送に係わる業務用の車両の安全運行や経済運行管理に関する情報である。また、アクセス制御機能、インフォメーション機能などを利用することで、サーバ装置5を介して、車両1の運転手とその車両1を所有する輸送関連の会社などの安全指導員などとをネットワーク3で結ぶことができる。
【0086】
これにより、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、安全運行及び経済運行管理情報を、運転手と安全指導員などとで共有することができ、運転手と安全指導員などとの間で電話対話による安全運転指導を行ったり、燃費改善やタイヤ磨耗低減、また運転技術向上などの経済運転指導を行ったりすることもできる。
【0087】
ここで、車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部23の構成について説明する。車両運行管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図10に示すように、識別した車両に関するデータを検索する特定車両検索処理機能47、上記のような安全運行に関する項目に対するデータから安全運行の状態を判断する安全運行判断処理機能49、安全運行判断処理機能49で得た結果を図表で示すための図表作成処理機能51、車載装置3で得たデータが安全運行に関する項目に対して設けられた設定値を越えているか否かを判断する設定値オーバー異常判断処理機能53、安全運行及び経済運行の情報に係わるデータをデータベース部27に格納するための運行情報格納処理機能55、そして利用者の利用履歴に応じて課金情報を作成する課金処理機能57などを備えている。また、サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23の設定値オーバー異常判断処理機能53からの指令により、設定値オーバー異常を通知するメールを予め登録された車両1を所有する輸送関連の会社などの利用者に送信するメールサーバ59を備えている。
【0088】
このような構成のサーバ装置5により車両運行管理情報を提供する場合、図1及び図11に示すように、まず、サーバ装置5で車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ201)。車両の運行記録データは、表3に示すような走行時間、走行距離、現在位置、エンジン回転数、速度、加速度、ギア状態、アクセル状態、ブレーキ状態、ハンドル状態、ヘッドライト状態、ワイパー状態、貨物有無・重量、排気ガス温度、燃料消費量、外気温、外気湿度、周辺照度などに関するものであり、これらのデータが経時的に車載装置3の運行記録計15aに逐次記録されると共に、リアルタイムでサーバ装置5に送信される。
【0089】
【表3】
このようなサーバ装置5が車載装置3から受信した運行記録データは、生データ用データベース27aに格納される。車載装置3から受信した運行記録データまたは生データ用データベース27aに格納された運行記録データは、運転手または輸送関連の会社などの運行管理者からの予め指定された指示、またはその都度指定された指示により、アプリケーションサーバ部23で、入力データ用データベース27dに予め格納されている表2に示すような安全運転や経済運転などの運転指導の基準値データや、表3に示すような燃費評価テーブルなどから算出された燃費評価のトータルスコアは、入力データ用データベースに予め登録された基準となる値と比較される(ステップ203)。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
例えば表2に示すような安全運転や経済運転などの運転指導の基準値データとの照合では、これらのデータと一定時間間隔で記録された運行記録データとを比較し、運転指導の基準値データを越えたか否かを判断する。例えば表3に示すような燃費評価テーブルとの照合では、一定時間間隔で記録された運行記録データを燃費評価テーブルの走行速度、エンジン回転数の条件に基づき分布割合を算出し、各条件の評価点を加重平均しトータルスコアを算出し、このトータルスコアが可の判定となっているか否かを判断する。
【0092】
サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23で運行記録データが運転指導の基準値データを越えていることや、燃費評価のトータルスコアが可であることが判断された場合、登録された利用者のアドレスにこれらの違反の発生をメールで通知する(ステップ205)。違反の発生をメールで通知後、利用者が予め情報の提供を要求した項目の車両運行情報を作成するため、運行記録データを加工する必要があるものについて、その加工を行う(ステップ207)。一方、ステップ203において、これらの違反がない場合には、ステップ207に進み、運行記録データの加工を行う。
【0093】
ステップ207では、アプリケーションサーバ部23が、車載装置3から得た運行記録データだけで要求された項目の車両運行情報を作成できるか否か、つまり不足するデータの有無を判断し、不足するデータがある場合には、生データ用データベース27aに記録されているデータや加工データ用データベース27bに記録されている過去に加工されたデータなどから推定値を計算したり、入力データ用データベース27dに入力された車載装置3から得られないデータや加工データ用データベース27bに記録されているデータを用いて不足するデータを補完することで、必要な車両運行情報のデータを作成する(ステップ209)。
【0094】
ステップ209において、例えば車載装置3がエンジン回転数、速度をリアルタイムに送信できない場合または送信するよう指示されていない場合、他のリアルタイムに送られてくるデータの、位置に関する時系列情報から各行程の平均速度の推定値を計算したり、燃料流量累積値の時系列情報から各行程のエンジン回転数の推定値を計算し、欠如しているデータを補完する。この計算にあたっては車両識別情報から車種、エンジン形式、排気量、車両重量を入力データ用データベース27dから取得して使用したり、運転手から積載貨物重量を車載装置3から送信してもらい使用したりする。実際の対応データが利用できる場合は、それと照合し推定、補完することもできる。
【0095】
一方、ステップ207で不足するデータがない場合には、車載装置3から得た運行記録データから必要な車両運行情報を作成する。これらステップ207、209で車両運行情報のデータを作成した後、アプリケーションサーバ部23は、加工データ用データベース27bに作成した車両運行情報のデータを格納する(ステップ211)。
【0096】
ここでは、車載装置3からリアルタイムに運行記録データが送信されてくる場合を例として説明したが、車載装置3から運行記録データがリアルタイムに送信されない場合であっても本実施形態の車両関連情報提供システムを利用することができる。例えば、車両1の車載装置3で得た当日の運行記録データは、車両1の運行完了後、車載装置3が含むデジタルタコグラフ15の運行記録計15aより取り出されたメモリーカードなどの記録媒体を利用者端末7に接続することで利用者端末7からサーバ装置5に送信されるか、または車両1の車載装置3から直接サーバ装置5に送信される。そして、サーバ装置5では、アプリケーションサーバ部23が、受信した当日の運行記録データを生データ用データベース27aに記録し、生データ用データベース27aに記録した運行記録データを用い、リアルタイムに車載装置3からデータを取得する場合と同様に、車両運行情報に関するデータを作成する。
【0097】
また、可能である場合には、表3に示すようなデータの全てまたは一部、例えば重要度の高い「不可」などを判断するためのデータを車載装置3に予め登録しておき、その判断処理を車載装置3で行い、その結果をサーバ装置5に送信することもできる。この場合は、「不可」など重要度の比較的高いデータは、リアルタイムにサーバ装置5に送信することが望ましい。
【0098】
利用者は、図11に示すように、図5に示すような選択画面から利用したい情報の項目、この場合車両運行管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ213)。サーバ装置5は、車両運行管理情報の選択指令を受信すると(ステップ215)、アプリケーションサーバ部23により、その車両運行管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、表示する車両運行管理情報の項目や内容を特定して検索し、検索した車両運行管理情報に関するデータを利用者端末7に送信する(ステップ217)。ステップ217において車両運行管理情報に関するデータを利用者端末7に送信後、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ219)。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から車両運行管理情報に関するデータを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が選択した車両運行管理情報を表示する(ステップ221)。
【0099】
なお、車両運行管理情報に関するデータとしては、例えば車載装置3で得たデータを時系列で表示した情報、車載装置3で得たデータを加工して得た各時点の運転効率などを実際の運転軌跡と合わせて一覧化した情報、図12に示すような地図データ化した情報などに対応するデータである。図12に示すような地図データ化した情報は、例えば、運行の軌跡をデジタル地図上にプロットし、燃費評価の悪い時間が継続した場所と時間を地図上にプロットした加工電子地図化した情報などである。
【0100】
また、ここでは、サーバ装置5は、アプリケーションサーバ部23で利用者識別情報に基づいて対応する車両のその車両に関する車両運行管理情報を検索している。しかし、例えば、利用者が複数の車両1を所有している場合などでは、図13に示すような車両コードといった車両識別情報や運転手名を入力する画面を利用者端末7で表示し、ここに入力された車両識別情報や運転手名からアプリケーションサーバ部23で車両1を特定して、その車両1に関する車両運行管理情報を取得して、利用者端末7で車両運行管理情報を表示することもできる。
【0101】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して様々な形態で様々な車両運行管理情報を提供できることにより、例えば車両の運転状態などをリアルタイムまたはそれに近い時間遅延で利用者が知ることができ、利用者は、安全運行管理の指導を的確に行ったり、運転手の運転技術の向上などに車載装置で得たデータを役立てることができる。
【0102】
ところで、従来でもデジタルタコグラフの運行記録計により車両の運行状態や運転者の作業状態を逐次自動記録し、毎日の運行終了後そのデータを営業所備え付けの専用解析装置で解析している。そして、得られたデータから、運転日報や安全運行チャートの自動作成を行うことで、業務効率や運転技術向上の指導に利用している。しかし、小規模な事業所などでは、解析装置の導入費用、解析装置の管理作業の煩雑さなどが障害となり、運転日報や安全運行チャートの自動作成による、業務効率や運転技術向上の恩恵を得ることができない場合がある。
【0103】
これに対して、車両運行管理に本実施形態の車両関連情報提供システムを利用すれば、運送会社の営業所などで専用解析装置を用いて、指導員による指導で行われた安全運転や経済運転の管理指導を、運送会社の営業所などで専用解析装置を設けることなく車両運行管理が実施可能になり、安全運転や経済運転の管理指導に要する費用負担を低減できる。また、例えば加工デジタル地図を、運転手、運行管理者、運転指導員などが共有することができ、具体的に運転、交通事情に則した指導、改善を行うことができ、また、運転手、指導員の利便性が向上する。さらに、他の運転手の分析結果、チャートをこの機能で共有して、比較し指導することもできる。このとき、前述のアクセス許可機能により、非公開にすべき情報は、非公開に設定できる。
【0104】
(交通規制管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける交通規制管理情報の提供について図1、図5、図14乃至図18を参照して説明する。図14は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて交通規制管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図15は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの交通規制管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図16は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて、交通規制管理情報を利用者の指示で車両に対して送信する場合の動作を示すフロー図である。図17は、利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。図18は、利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図14において、車両運行管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0105】
交通規制管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図14に示すように、図表作成処理機能51や課金処理機能57などの他、データベース部27に格納された交通規制に関する情報のデータを検索する交通規制検索処理機能61、車載装置3から送信されてくるデータの種類、送信タイミング、車載装置3でのデータの解析などを制御する車載装置処理制御機能63、契約などにより設定された交通規制に関する判断項目に関する情報を検索する契約情報検索処理機能65、そして、契約情報検索処理機能65で検索した情報に基づいて交通規制検索処理機能61で検索されたデータと車載装置3から送信されてくるデータとを比較して違反運行を判断する違反運行判断処理機能67を備えている。
【0106】
このような構成のサーバ装置5は、図1及び図15に示すように、まず、車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ301)。このとき、交通規制管理情報の提供で用いるデータは、車載装置3で得たデータのうち、GPSからの精度の高い位置情報に関するデータである。サーバ装置5は、車載装置3に対してこのデータを一定時間毎に送信してくるように設定を行うか、または、通信サーバ部21またはアプリケーションサーバ部23によって、車載装置3に対して一定時間毎にこのデータの送信要求を行う。
【0107】
サーバ装置5のデータベース部27の入力データ用データベース27dには、通信時のIPアドレス、電話番号、認証ID、車載装置3のシリアル番号など車両1を識別できる情報となる車両識別情報、さらに、緯度・経度範囲、時間帯、対象車種、対象車両所在地などと関連づけて進行方向、速度の上限、駐車時間の上限についての交通規制情報が記録されている。そこで、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、車載装置3から送信されてくるデータに含まれる車両識別情報に基づいて、例えば車庫といったような車両1の所在地、、車両1の所有者の住所、車両1の種類などを予め入力データ用データベース27dに登録された車両1に関するデータより検索して取得する。さらに、車載装置3から送信されてくる車両1の位置データと現在時刻に基づいて交通規制情報を検索して取得する(ステップ303)。
【0108】
入力データ用データベース27dに登録された交通規制情報に関するデータは、関係官庁などから随時提供されたもので、その登録した交通規制情報に関するデータ例を表6に示す。
【0109】
【表6】
アプリケーションサーバ部23は、ステップ303で取得した交通規制情報に関するデータと、対象車種、対象車両所在地などの車両1に関するデータとを照合し、交通規制に対する違反の有無を判断する(ステップ305)。ステップ305において、交通規制に対する違反がないと判断された場合には、要求に対応してステップ301からステップ303の動作を繰り返す。一方、ステップ305において、交通規制に対する違反があると判断された場合には、予め設定した程度に関する基準に応じて交通規制上の注意、警報、違反といったような判別を行い、その判別した交通規制の違反情報に関するデータなどを加工データ用データベース27bに格納する(ステップ307)。加工データ用データベース27bに格納する交通規制の情報や交通規制に対する違反情報は、例えば速度規制、駐車規制、一方通行規制、大型車の通行規制、県外者や居住者以外の車両の通行規制などに関する情報などであり、またそれらの交通規制に対する違反を判断した情報などである。このような加工データ用データベース27bに格納された交通規制の違反情報に関するデータの一例を表7に示す。
【0110】
【表7】
利用者は、図5に示すような選択画面から利用したい情報の項目、この場合交通規制管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ309)。サーバ装置5は、交通規制管理情報の選択指令を受信すると(ステップ311)、利用者が1台の車両しか所有していない場合、アプリケーションサーバ23でその交通規制管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、交通規制管理情報を表示する対象となる車両や交通規制管理情報の内容を特定して検索し、検索した交通規制管理情報に関するデータを利用者端末7に送信する(ステップ313)。ステップ313において交通規制管理情報に関するデータを利用者端末7に送信後、アプリケーションサーバ部23では、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ315)。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から交通規制管理情報に関するデータを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が選択した交通規制管理情報を表示する(ステップ317)。
【0111】
ところで、サーバ装置5によって提供される交通規制管理情報といった車両関連情報は、車載装置3を搭載した車両1の所有者が事務所や自宅などに設置された利用者端末7で情報の提供を受けるだけでなく、車両1に、例えば車載装置3が備える運転手操作端末17などのような利用者端末7の機能を果たす機器が搭載されていれば、利用者が車両1の所有者が事務所や自宅などに設置された利用者端末7で指令することにより、交通規制管理情報などを車両1に送信し、車両1で交通規制管理情報などの提供を受けることができる。
【0112】
この場合、図1及び図16に示すように、利用者は、利用者端末7に表示された図示していない車両に情報を送信するための選択画面から車両1に送信したい情報の項目、ここでは交通規制管理情報を選択して送信する(ステップ401)。サーバ装置5は、交通規制管理情報の選択及び車両への送信指令を受信すると(ステップ403)、アプリケーションサーバ部23でその交通規制管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、その利用者が交通規制管理情報を送信可能な車両を検索して一覧を作成し、そのデータを利用者端末7に送信する(ステップ405)。利用者端末7は、サーバ装置5から一覧のデータをを受信すると、この受信したデータに基づいて利用者が交通規制管理情報を送信可能な車両の一覧を含む車両の選択画面を表示する(ステップ407)。利用者は、利用者端末7に表示された選択画面で交通規制管理情報を送信する車両を選択して送信する(ステップ409)。
【0113】
サーバ装置5は、利用者端末7から車両番号などの車両を識別する情報を選択指令として受信すると(ステップ411)、その選択された車両1の車載装置3からデータを受領する(ステップ413)。そして、アプリケーションサーバ部23でこの車載装置3から送信されてきた車両1の位置データと現在時刻に基づいて交通規制情報を検索して取得する(ステップ415)。さらに、ステップ415で取得した交通規制情報に関するデータに基づいて地図データや交通規制情報の一覧などを作成し(ステップ417)、利用者が選択した車両1の車載装置3に作成した情報のデータを送信する(ステップ419)。これにより、車両1の車載装置3に設けられた運転手操作端末17の画面に交通規制の一覧や、運転手操作端末17が電子地図を表示可能であれば、図17に示すような交通規制の位置と種類を示す地図などが表示される。ステップ419において交通規制管理情報に関するデータを車両1の車載装置3に送信後、図16に示すように、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ421)。
【0114】
また、ここでは、ユーザーIDといった利用者識別情報に基づいて車両を検索する場合を示したが、例えば利用者端末7で図18に示すような交通規制を調べたい地域、車両、地点名などを入力する画面を表示し、利用者が交通規制情報を入手したい地域、車両、地点名などを指定できるようにすることもできる。
【0115】
さらに、ここでは、サーバ装置5で、交通規制に対する違反などの判断処理を行っているが、サーバ装置5から交通規制情報を車両1の車載装置3に送り、交通規制に対する違反などの判断処理の一部を車載装置3で行う構成にすることもできる。この場合、例えば、車載装置3からサーバ装置5に対して同じ緯度経度範囲の運行情報が、所定期間内に2回以上送られてきたら、サーバ装置5は、緯度経度範囲はその車両の通過頻度が高いと判断し、その車両1の車載装置3に対して交通規制に対する違反などの判断処理を車載装置3で行うための定義情報と交通規制情報を送信するといった方法がある。
【0116】
また、このとき、サーバ装置5から送信した交通規制情報に関するデータの容量が車載装置3の記憶媒体の記憶容量を超過する場合は、利用頻度の少ない交通規制情報に関するデータや、最後に利用してから最も時間の経過しているデータを削除し、新たに送信されてきたデータの記憶領域を確保する。なお、この場合、車載装置3で交通規制に対する違反などを判断した結果は、交通規制上の注意、警報、違反の程度などに応じて、リアルタイムまたは間欠的に、例えば駐車時、車庫入庫時など車両運行上の区切れのよい時や、通信状態のよいときなどにその結果のみサーバ装置5に送信することもできる。
【0117】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して様々な形態で様々な交通規制管理情報を提供でき、利用者が必要なときに必要な交通規制に関する情報を知ることができる。さらに、交通規制に対する違反などの発生をより早く知ることができる。また、例えば、臨時の交通規制や気象条件や天候の悪化などにより通行制限、速度規制などが行われる場合でも、指定エリア、指定道路、指定車種、指定車両に選択的にサーバ装置5より交通規制情報を配信することが可能となり、直接かつ確実に車両1に交通規制情報を伝え、運転手から同意や確認をとったり運行状態を監視することが可能である。
【0118】
ところで、従来でも交通規制、例えば一方通行、大型車や特殊車の通行制限、居住者や特定車両以外の通行制限などの情報を地理情報とともにカーナビゲーション装置にデータとして保持し、車両が交通規制に反する事態、例えばGPS受信データから判断される現在の位置座標や進行方向が、地理情報から検索される交通規制情報と反する状態である場合に警告を発することはできる。しかし、交通規制の変更に則してカーナビゲーション装置のデータを更新することは、リアルタイムには行い難くタイムラグが生じる上、データの更新は、新たなデータを購入して更新するなど、作業が煩雑でコストもかかる。このため、カーナビゲーション装置による交通規制情報の提供は、必ずしも交通規制の実体に則したものとはならない場合がある。
【0119】
これに対して、本実施形態の車両関連情報提供システムでは、サーバ装置5で交通規制情報の更新などを管理しているため、利用者は、更新作業を行う必要が無く、リアルタイムの交通規制に関する情報を得ることができる。例えば、臨時の交通規制や気象条件や天候の悪化などにより通行制限、速度規制などが行われる場合でもそれらの交通規制に関する情報を入手することができる。
【0120】
(渋滞管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける渋滞管理情報の提供について図1、図5、図19乃至図22を参照して説明する。図19は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて渋滞管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図20は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの渋滞管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図21は、利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。図22は、利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図19において、車両運行管理情報や交通規制管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0121】
渋滞管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、図19に示すように、課金処理機能57などの他、データベース部27に格納された車両の位置情報などから、特定エリアつまり渋滞状況を確認した地域に位置する車両を検索してその車両の運行情報を取得する特定エリア車両検索処理機能69、データベース部27に格納された車両運行情報を車載装置3から送信されてくるデータに基づいて、随時変換し補完して情報を更新するための運行情報変換・補完処理機能71、特定エリア車両検索処理機能69で取得した特定エリアの車両の運行情報から交通渋滞の状況を判断する渋滞状況判断処理機能73、渋滞状況判断処理機能73で判断した交通渋滞の状況を地図上に示すための地図を作成する地図作成処理機能74を備えている。
【0122】
このような構成のサーバ装置5は、図1及び図20に示すように、まず、車両1の車載装置3で得たデータをリアルタイムで受信する(ステップ501)。ここで受信する必要があるデータは、一定時間毎のGPSなどによる車両の位置、日時、そして車両運行管理情報の場合と同じ表1に示したような車両運行情報などである。サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、取得した車載装置3からの車両運行情報に関するデータに不足があるか否かを判断し(ステップ503)、データに不足がある場合には、車両運行管理情報の場合と同様に、他のデータなどから不足しているデータを補完する(ステップ505)。そして、渋滞管理情報として用いる車載装置3から得た車両運行情報に関するデータや、ステップ505で補完したデータを加工データ用データベース27bに格納する(ステップ507)。
【0123】
利用者は、これから向かうエリアの各道路の渋滞状況を知るため、利用者端末7に表示された図5に示すような選択画面から渋滞管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ509)。サーバ装置5は、渋滞管理情報の選択指令を受信すると(ステップ511)、アプリケーションサーバ部23で渋滞管理情報の参照が可能なエリアを検索して一覧を作成し(ステップ513)、作成した一覧のデータを送信する(ステップ515)。利用者端末7は、受信した一覧のデータに基づいて渋滞管理情報の参照が可能なエリアの一覧を含むエリアの選択画面を表示する(ステップ517)。利用者は、選択画面から渋滞状況を知りたいエリアを選択し、選択指令を送信する(ステップ519)。
【0124】
サーバ装置5は、エリアの選択指令を受信すると(ステップ521)、アプリケーションサーバ部23で、データベース部27より、現在から一定時間前までの間、例えば10分前までの間に選択されたエリアに位置した車両の運行情報に関するデータ、例えば位置、進行方向、速度の情報、ギア状態などのデータを取得する。アプリケーションサーバ部23は、ギア状態の履歴から一定時間中の走行最高速度を推定し、その速度に応じて、例えば時速10Km以下は赤、時速30Km未満は黄色、それ以上は青色といったように色を決定し、進行方向を示す矢印状のアイコンを車両の位置した場所に配した地図画像を表示するためのデータを作成し、このアプリケーションサーバ部23で作成したデータを送信する(ステップ523)。
【0125】
利用者端末7は、サーバ装置5から送信されてきたデータに基づいて渋滞状況を示す地図画像を表示する(ステップ525)。表示された地図画像は、例えば、図21に示すようなものであり、利用者は、この表示された地図画像により、南北方向に走る東側道路において、南方向への車線は混雑し、北方向へ行く車線は交通量が少ないことがわかる。なお、ステップ523においてデータを送信後、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者のアクセス時間などの利用履歴に関する情報を課金情報データベース27cに記録し、課金情報を更新する(ステップ527)。
【0126】
また、ここでは、利用者端末7で渋滞管理情報を得たいエリアを選択するための選択画面を表示している場合を示したが、走行中の車両の現在位置周辺、登録された地点名、地名などにより渋滞管理情報を得るエリアを特定することもでき、このときは、図22に示すような、地点名、車両識別情報、地名などを入力する画面を利用者端末7で表示する。また、ここでは、利用者端末7で地図を表示する場合を示したが、地図を作成せず、エリア内の渋滞状況をメッセージによって伝えることもできる。例えば、ランドマーク周辺の渋滞状況が知りたい場合、ランドマークを中心としたエリアを指定することで、どの経路からの接近が最適かを文字メッセージによって提供することもできる。
【0127】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して渋滞管理情報を利用者に提供でき、利用者が必要なときに必要な渋滞に関する情報を知ることができる。
【0128】
ところで、従来の渋滞情報は道路に設けられた各種センサーにより間接的に車両分布を推定するものであり、必ずしも実体を反映しておらず、また、リアルタイム性に欠ける場合がある。
【0129】
これに対して本実施形態の車両関連情報提供システムでは、渋滞状況に関する情報を作成する場合、ギア状態のデータだけでなく、速度情報の履歴から走行最高速度を求めたり、GPSの位置情報から平均速度を割り出して渋滞状況を推定し作成することができる。このため、例えばどの程度の渋滞であるか、どれぐらいの速度で動いているのか、または全く止まっているのかといったように実体を反映した渋滞状況に関する情報をリアルタイムに提供することができる。
【0130】
さらに、渋滞管理情報は、運転手や運行管理者などの複数の利用者が閲覧できる状態で情報提供することもできる。また、利用者は、交通規制情報で説明したように、渋滞管理情報を他の利用者に配信することもできる。例えば、車両の運行管理者などといった利用者が、利用者端末7から、車両の運転手に渋滞管理情報を配信するようにサーバ装置5に要求することもできる。
【0131】
(店着管理情報)
以下、本実施形態の車両関連情報提供システムにおける店着管理情報の提供について図1、図5、図23乃至図25を参照して説明する。図23は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて店着管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。図24は、本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの店着管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。図25は、利用者端末に表示される店着管理情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。なお、図23において、車両運行管理情報、交通規制管理情報、渋滞管理情報において示したものと同じ機能については同じ符号を付して説明を省略する。
【0132】
店着管理情報を提供するためのサーバ装置5のアプリケーションサーバ部23のアプリケーションサーバ部23は、図23に示すように、車載装置3から送信されてくる位置情報などから指定された車両の所在地を判断する車両所在地判断処理機能75、指定された車両に関するデータベース部27に格納された店着に関する予定時刻や実際の店着時刻などの情報を検索してその車両の店着に関する情報を取得する店着情報検索処理機能77、車両所在地判断処理機能75で判断した車両の所在地と店着情報検索処理機能77で取得した店着の予定に関するデータなどから車両の早着遅延を判断する早着遅延判断処理機能79などを備えている。また、サーバ装置5は、早着遅延判断処理機能79で判断した早着遅延に関する情報を通知するメールを利用者に送信するためメールサーバ59を備えている。
【0133】
このような構成のサーバ装置5により店着管理情報の提供を受ける場合、利用者は、図1及び図24に示すように、利用者端末7に表示された図5に示すような選択画面から店着管理情報を選択し、この項目の選択指令を送信する(ステップ601)。サーバ装置5は、店着管理情報の選択指令を受信すると(ステップ603)、店着管理情報の選択指令と、その選択指令を行った利用者の利用者識別情報であるユーザーIDとに基づいて、データベース部27で店着管理が可能な車両を検索して店着管理が可能な車両の一覧を作成し、作成した一覧のデータを送信する(ステップ605)。利用者端末7は、受信した一覧のデータに基づいて店着管理が可能な車両の一覧を含む車両の選択画面を表示する(ステップ607)。利用者は、選択画面から店着管理を行いたい車両を選択し、車両の選択指令を送信する(ステップ609)。
【0134】
サーバ装置5は、車両の選択指令に含まれる車両番号といった車両識別情報を受信すると(ステップ611)、その車両識別情報の車両1の車載装置3に運転手操作端末17で運転手が入力した荷積みや荷卸しの情報などを車載装置3から受領する(ステップ613)。サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、車載装置3から受領した荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送先の位置情報、例えば経度緯度と、データベース部27に事前に登録してある配送先の位置情報とを比較し(ステップ615)、位置情報が同一でない場合には処理を終了する。一方、位置情報が同一の場合には、アプリケーションサーバ部23は、車載装置3から受領した荷積みや荷卸しの情報に含まれる荷積みや荷卸しのための到着時間に関する情報と、データベース部27に事前に登録してある荷積みや荷卸しのための到着予定時間に関する情報とを比較し、早着または遅延であるかを判断する(ステップ617)。
【0135】
アプリケーションサーバ部23は、早着または遅延であると判断した場合、予め設定されたアドレスにメールサーバ59により、早着または遅延の発生を通知するメールを送信する(ステップ619)。そして、早着または遅延の発生、到着時間と到着予定時間との誤差、荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送区間内で発生した異常に関する情報などをデータベース部27に格納する(ステップ621)。一方、早着または遅延はないと判断した場合、アプリケーションサーバ部23は、ステップ621に進み、到着時間と到着予定時間との誤差や、荷積みや荷卸しの情報に含まれる配送区間内で発生した異常に関する情報などをデータベース部27に格納する。
【0136】
さらに、サーバ装置5は、予め利用者によって設定されたタイミングで、アプリケーションサーバ部23でステップ621で格納された情報に基づいて予め利用者によって設定された車両の店着状況の一覧を作成し、この一覧のデータを送信する(ステップ623)。ここで作成される店着状況の一覧の一例を表8に示す。
【0137】
【表8】
また、サーバ装置5のアプリケーションサーバ部23は、利用者によって予め登録された配送先に関して車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報の有無を判断し(ステップ625)、車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報がある場合には、ステップ613以降の処理を繰り返し、車両から受領していない荷積みや荷卸しの情報がある場合には、処理を終了する。一方、利用者端末7は、サーバ装置5から送信されてきたデータに基づいて店着状況の一覧を画面に表示する(ステップ627)。
【0138】
ここでは、利用者が利用者端末7に表示された車両の選択画面で車両を選択し、選択した車両に関して店着管理情報を提供する場合を示したが、利用者端末7で図25に示すようなルートコードといった車両が通るルートの識別情報や車両コードといった車両識別情報を入力する画面を表示し、この画面で入力されたルートコードや車両コードに基づいて店着管理情報を提供することもできる。ルートコードに基づいて店着管理情報を提供する場合、車両が配送ルートを予定通りの時刻で回っているかといった情報を、車両の地点、例えばGPSによる位置座標などを経時的に記録したデータや荷積みや荷卸しなどの作業発生時刻のデータなどから判断することができる。ルートコードに基づいて店着管理情報を提供する場合に用いるルート情報の定義の一例を表9に示す。
【0139】
【表9】
さらに、車載装置3が、GPSなどの位置座標を自動的に取得し、そのときの時間のデータと共にサーバ装置5に送信する構成とすれば、配送担当者が車載装置3に配送地点の情報を入力しなくても、サーバ装置5は、車載装置3から送信されてくる位置座標及び時間のデータと、配送予定地点の位置座標及び到着予定時間との照合を行って店着状況の判断を行うことができ、また、業務効率を向上させたり、、配送担当者の入力ミスを回避することができる。なお、非測位時間が長いなどGPS座標の信頼性が低い場合には、サーバ装置5での照合の際の許容誤差を拡大することでこの自動照合が誤った判断をしないようにすることもできる。
【0140】
また、このように配送担当者の車載装置3への入力によらず、車載装置3により自動的に店着管理を行う場合は、車両の業務開始を意味する出庫電文の送信や業務終了を意味する入庫電文の送信を契機として、これを店着管理の開始、終了と連動させれば、より省力化、自動化できる。一台の車両が一日のうちに複数の配送ルートを走る場合でも、一まとまりの配送ルートの開始と終了時に入庫、出庫電文の送信を行えば配送ルートの切り替えが可能である。
【0141】
さらに、店着管理情報の提供の際に、店着管理に関するデータと早着や遅延といった異常の発生の情報を利用者端末7の一つの画面に表示することで、店着管理担当者が容易に店着状況を確認することができ、店着管理担当者の管理作業の負担が軽減する。また、保冷車の冷蔵・冷凍庫温度が設定を上回った場合や扉、バルブの開閉状況、荷台の上げ下ろし状況や車両機構、運転者の健康状態などをモニターするセンサーからの異常電文を受信する構成とし、サーバ装置5で、これらの異常電文を受信した場合に、店着管理情報に加え、これらの異常の発生と、異常が発生した配送区間を合わせて表示することで、次の配送先や立ち寄り先へ事前に連絡するなどして速やかな対処が可能となる。
【0142】
このように本実施形態の車両関連情報提供システムでは、車載装置で得たデータを活用して店着管理情報を利用者に提供でき、利用者が必要なときに必要な店着管理情報を得ることができる。
【0143】
本実施形態の車両関連情報提供システムでは、図1に示すように、車両1に搭載された車載装置3は、通信装置15bとして、携帯電話、PHSなどのモバイル端末などを利用し、無線通信回線網であるモバイルネットワークなどを介してサーバ装置5に接続されている。このため、管理者や荷主がリアルタイムに店着管理情報を入手して配送状況を知ることができ、また、問題発生時の速やかな対処を可能とする。
【0144】
なお、本実施形態の車両関連情報提供システムのように、車両1に搭載された車載装置3の通信装置15bとして、携帯電話、PHSなどのモバイル端末などを利用し、無線通信回線網であるモバイルネットワークを介してサーバ装置5に車載装置3がデータを送信する場合、無線通信回線網では電波状況によりサーバ装置5へデータを送信できなくなる場合がある。これに対し、車載装置3が未送信電文のバックログをもち、送信をリトライする仕組みにより、サーバ装置5に車載装置3がデータを確実に送信できる。加えて、遅延や早着などの異常の発生を電子メールなどのメッセージ送信機能で関係者に自動的に通知することにより、店着管理者の作業負荷を低減し、また、異常の発生により速やかに対処することが可能となる。
【0145】
ところで、従来の配送管理システムでも、予定時刻に配送先に到着、出発したことを記録し結果を管理することはできる。しかし、運行記録系からの情報を併せ持っていなかったので遅延の原因の分析ができない場合があり、また、リアルタイムに関係者が遅延の発生の状況を周知することもできない。
【0146】
これに対して、本実施形態の車両関連情報提供システムは、車載装置3から種々の車両運行に関するデータや運転手からの情報などを取得し、店着情報に関するデータと共に分析することができるので、遅延などが生じた場合にその原因の分析を行うと共に、メールの送信などにより、リアルタイムに関係者が遅延の発生の状況を知らせることができる。
【0147】
以上説明したように、本実施形態の車両関連情報提供システムは、車両に搭載された車載装置だけではなく、運行管理者、物流管理者、荷主、配送先を無線や有線ネットワークで結んで、それらからの情報やデータをサーバ装置5に収集、蓄積、そして加工することで、車両運行状態、交通規制、道路地理、車両分布、他に交通情報、気象や天候状態、業務的な指示や作業情報、貨物情報、他関係者から発せられる情報などの様々な車両関連情報を、車両、運行管理者、物流管理者、荷主、配送先などにリアルタイムまたは間欠的に配信するセンター集約型の車両関連情報提供システムとなっている。
【0148】
さらに、車載装置3から送信されてくるデータまたは車両関連情報のデータをアプリケーションサーバ部23で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、例えば運行状況を判断するための設定値を超えたり、違反を判断する設定値を超えた場合など、そのことを、メールサーバ59を介して利用者にメールで通知する。このため、例えば運送用車両などが定められた安全運行管理のために定められた基準から外れた運転を行った場合、その運送用車両が基準から外れた運転を行ったことを、その運送用車両を所有する運送会社にリアルタイムに通知できる。
【0149】
また、本実施形態では、サーバ装置5が、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25の3つのサーバ部を有する構成を示したが、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25は、個々に独立したサーバである必要はなく、サーバ装置5は、通信サーバ部21、アプリケーションサーバ部23、そしてウエッブサーバ部25の機能を果たす1台のサーバを備えた構成にすることもできる。
【0150】
また、本発明は、本実施形態のシステム構成に限らず、様々な車載装置、通信回線、利用者端末を組み合わせて構成することができ、また、提供する車両関連情報も、本実施形態で例示した項目に限らず、様々な項目の車両関連情報を提供することができる。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、車載装置で得たデータの活用性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの一実施形態の概略構成と動作を示す図である。
【図2】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを用いたビジネスの一例の概略を説明する図である。
【図3】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムを適用したビジネスの別の例の概略を説明する図である。
【図4】利用者端末に表示される利用者の識別情報に関する入力画面の一例を示す図である。
【図5】利用者端末に表示される車両関連情報の表示項目に関する選択画面の一例を示す図である。
【図6】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムのアクセス許可機能に関連する動作を示すフロー図である。
【図7】利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先選択画面の一例を示す図である。
【図8】利用者端末に表示されるアクセス許可機能に関する相手先への車両関連情報の表示項目に対する制御画面の一例を示す図である。
【図9】利用者端末に表示されるインフォメーション機能に関する車両へ情報送信を行うための画面の一例を示す図である。
【図10】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて車両運行管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの車両運行管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図12】利用者端末に表示される車両運行管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図13】利用者端末に表示される車両運行管理に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図14】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて交通規制管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図15】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの交通規制管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図16】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの、交通規制管理情報を利用者の指示で車両に対して送信する場合の動作を示すフロー図である。
【図17】利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図18】利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図19】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて渋滞管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの渋滞管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図21】利用者端末に表示される交通規制管理情報の表示画面の一例を示す図である。
【図22】利用者端末に表示される交通規制に関する情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【図23】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムにおいて店着管理情報を提供するためのアプリケーションサーバ部の概略構成を示すブロック図である。
【図24】本発明を適用してなる車両関連情報提供システムの店着管理情報の提供に関連する動作を示すフロー図である。
【図25】利用者端末に表示される店着管理情報を調べるための入力画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両
3 車載装置
5 サーバ装置
7 利用者端末
9 無線通信回線
13 ネットワーク
21 通信サーバ部
23 アプリケーションサーバ部
25 ウエッブサーバ部
27 データベース部
27a 生データ用データベース
27b 加工データ用データベース
27c 課金情報用データベース
27d 入力データ用データベース
Claims (11)
- 車両に搭載された車載装置と、通信回線を介して前記車載装置と相互に通信が可能なサーバ装置と、通信回線を介して前記サーバ装置と相互に通信が可能な利用者端末とを含み、
前記サーバ装置は、前記車載装置から送信されてくるデータを該データに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する生データ用データベースと、前記車載装置から送信されてくるデータ及び前記生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、該加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する加工データ用データベースと、前記利用者端末から送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを前記加工データ用データベースで検索し、該利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、該取得したデータを前記利用者端末に送信する手段とを有し、
前記利用者端末は、入力された利用者の識別情報を前記サーバ装置へ送信する手段と、前記利用者の識別情報に対応して前記サーバ装置から送信されてくるデータに基づいて車両関連情報の表示項目の選択画面または車両関連情報を表示画面に表示する手段とを有する車両関連情報提供システム。 - 前記サーバ装置は、前記利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、前記第1の利用者によって設定された前記第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、該取得したデータを前記利用者端末に送信する手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両関連情報提供システム。
- 前記サーバ装置は、該サーバ装置に接続され、前記車載装置から得られないデータを入力するためのデータ入力手段と、該データ入力手段及び前記利用者端末の少なくとも一方により入力されたデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶する入力データ用データベースとを有し、前記車両関連情報のデータを加工する手段は、前記車載装置から送信されてくるデータ及び前記生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方に加えて、前記入力データ用データベースに記憶されたデータを用いて車両関連情報のデータを加工してなることを特徴とする請求項1または2に記載の車両関連情報提供システム。
- 前記サーバ装置は、利用者の車両関連情報の利用実績に応じて課金情報を作成する手段と、該作成した課金情報と前記利用者の識別情報とを関連づけて検索可能に記憶する課金情報用データベースとを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両関連情報提供システム。
- 前記サーバ装置は、検索要求に応じて前記課金情報用データベースに記憶された識別情報に対応する課金情報を検索する手段と、該検索した識別情報に対応する課金情報をファイナンス機関が有する端末またはサーバに通信回線を介して送信する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の車両関連情報提供システム。
- 前記サーバ装置は、前記車載装置から送信されてくるデータまたは前記車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが、利用者によって予め設定された条件に該当したとき、前記車載装置から送信されてくるデータまたは該利用者に前記車両関連情報のデータを加工する手段で加工したデータが利用者によって予め設定された条件に該当したことを知らせる情報を前記利用者端末に送信する手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両関連情報提供システム。
- 車両に搭載された車載装置と通信回線を介して相互に通信する手段と、前記車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータを該データに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、前記車載装置から送信されてくるデータ及び前記生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工する手段と、該加工した車両関連情報のデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースと、前記利用者端末から通信回線を介して送信されてくる利用者の識別情報に応じた車両関連情報のデータを前記加工データ用データベースで検索し、該利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、該取得したデータを前記利用者端末で表示可能な形態で該利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えた車両関連情報提供システム用のサーバ装置。
- 前記利用者端末から送られてくる利用者の識別情報から識別した利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、前記第1の利用者によって設定された前記第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得する手段と、該取得したデータを前記利用者端末で表示可能な形態で該利用者端末に通信回線を介して送信する手段とを備えたことを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
- 車両に搭載された車載装置から通信回線を介して送信されてくるデータを該データに含まれる車両の識別情報と関連づけて検索可能にサーバ装置の生データ用データベースに記憶し、前記車載装置から送信されてくるデータ及び前記生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを前記サーバ装置で加工し、該加工したデータを利用者の識別情報と関連づけて検索可能に前記サーバ装置の加工データ用データベースに記憶し、前記サーバ装置に利用者端末から通信回線を介して送られてくる利用者の識別情報に応じて前記加工データ用データベースを検索し、識別した利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧、または車両関連情報のデータを取得して前記利用者端末で表示可能な形態で該利用者端末に通信回線を介して送信する車両関連情報提供の方法。
- 利用者端末で利用者の識別情報を入力し、
車載装置が搭載された車両の識別情報と前記車載装置から得たデータとを相互に関連づけて検索可能に記憶した生データ用データベースと、前記車載装置から得たデータ及び前記生データ用データベースに記憶されたデータの少なくとも一方を用いて車両関連情報のデータを加工して利用者の識別情報と関連づけて検索可能に記憶した加工データ用データベースとを備えたサーバ装置に通信回線を介して送信し、
前記利用者の識別情報に応じて識別した利用者に対応して前記加工データ用データベースで検索されて前記サーバ装置から通信回線を介して送信されてくるデータに基づいて、前記利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を表示する車両関連情報提供の方法。 - 前記利用者が第1の利用者によって設定された第2の利用者であるとき、前記サーバ装置から送信されてくるデータに基づいて、前記第1の利用者によって設定された前記第2の利用者が利用可能な車両関連情報の表示項目の一覧または車両関連情報を前記利用者端末で表示することを特徴とする請求項9または10に記載の車両関連情報提供の方法。
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