JP2004019492A - 車両用警報装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車または自車周辺で異常が発生した際には、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる車両用警報装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る車両用警報装置1は、自車に搭載される車載機3と、操作者が携行するリモコン2と、を備える。そして、リモコン2は、車載機3に警報情報を出力する送信部を備え、車載機3は、リモコン2から警報情報を与えられた際には、警報を出力し、且つ、自車102のエンジンを始動させるよう制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る車両用警報装置1は、自車に搭載される車載機3と、操作者が携行するリモコン2と、を備える。そして、リモコン2は、車載機3に警報情報を出力する送信部を備え、車載機3は、リモコン2から警報情報を与えられた際には、警報を出力し、且つ、自車102のエンジンを始動させるよう制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車または自車周辺に異常が発生した旨の警報を出力する出力手段等を制御する車両用警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自車または自車周辺に異常が発生した場合に、当該異常が発生した旨の警報を出力する(例えば、燈火及びヘッドライトを点滅させたり、ホーンを鳴らしたりする等)車両用警報装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、当該従来例では、周囲に当該異常を知らせることはできるが、操作者が自力でその場から脱出する準備はなされない。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その主に目的とするところは、自車または自車周辺で異常が発生した際には、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる車両用警報装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願特許請求の範囲に記載の発明は、自車に搭載される車載機と、操作者が携行する携帯機と、を備え、当該携帯機は、車載機に警報情報を出力する携帯側送信手段を備え、車載機は、携帯機から警報情報を与えられた際には、警報を出力し、且つ、自車のエンジンを始動させるよう制御することを主に特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
特許請求の範囲に記載の発明では、主に以下の効果を得ることができる。
【0007】
即ち、本発明では、自車または自車の周辺で異常が発生した際には、自車に乗員がいない間であっても、携帯側送信手段が警報情報を車載機に出力することで、車載機が、異常が発生した旨の警報を出力し、且つ、自車のエンジンを始動させるよう制御することができる。
【0008】
これにより、自車を運転可能な者(即ち、操作者等)は、自車に搭乗した後、迅速に自車を発進させることができる。
【0009】
言い換えれば、本発明では、自車を運転可能な者は、当該異常が発生した場所から自車と共に迅速に脱出することができる。
【0010】
したがって、本発明は、自車または自車の周辺で異常が発生した際には、自車に乗員がいない間であっても、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる。
【0011】
さらに、本発明は、出力手段が警報を出力するように制御するので、自車または自車周辺に異常が発生した旨を周囲に報知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態(請求項1〜3記載の発明に対応)を図1〜図5に基づいて説明する。ここで、図1は車両用警報システム100の構成を示した説明図であり、図2は、車両用警報装置1が備えるリモコン(携帯機)2の構成を示したブロック図である。また、図3及び図4は、車両用警報装置が備える車載機3の一部の構成を示したブロック図であり、図5は、車両用警報システム100による処理の手順を示したフローチャートである。
【0013】
本実施の形態においては、図1に示すように、GPS衛星101と、車両用警報装置1と、サービスセンタ(基地局)103と、公衆電話網104と、で車両用警報システム100が構成されている。
【0014】
まず、当該車両用警報システム100の各構成要素について図1に基づいて説明する。
【0015】
GPS衛星101は、GPS衛星101の位置等に関するGPS衛星情報を作成し、車両用警報装置1に出力する。
【0016】
車両用警報装置1は、操作者が携行するリモコン2と、自車102に搭載される車載機3と、を備えており、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0017】
サービスセンタ103は、車両用警報装置1から呼出情報(後述する)を与えられた場合には、回線が接続された旨の接続確認情報を、公衆電話網104を介して自車102に常時出力する。そして、車両用警報装置1から応答があった場合には、所定のサービスを行う。具体的には、後述する。
【0018】
公衆電話網104は、車両用警報装置1とサービスセンタ103との間で行われる通信を仲介する。具体的には、車両用警報装置1から与えられた情報をサービスセンタ103に出力し、サービスセンタ103から与えられた情報を車両用警報装置1に出力する。
【0019】
次に、車両用警報装置1の構成について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0020】
車両用警報装置1は、図1に示すように、リモコン2と、車載機3と、を備えている。
【0021】
リモコン2は、図2に示すように、警報釦処理部20と、停止釦処理部21と、IDコード記憶部22と、リモコン制御部23と、表示部24と、キャリア作成部25と、変調部26と、送信部(携帯側送信手段)27と、を備えている。
【0022】
警報釦処理部20は、図1に示す警報釦20aを備えており、操作者により警報釦20aが押下されることで、エンジンの始動等を要求する旨の警報釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0023】
停止釦処理部21は、図1に示す停止釦21aを供えており、操作者により停止釦21aが押下されることで、エンジンの停止等を要求する旨の停止釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0024】
IDコード記憶部22は、車載機3がリモコン2を他のリモコンと識別するためのリモコン側IDコード情報を記憶する。
【0025】
リモコン制御部23は、警報釦処理部から与えられた警報釦情報に基づいて、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と警報釦情報とを含む警報情報を作成する。そして、リモコン制御部23は、当該作成された警報情報を変調部に出力する。
【0026】
また、リモコン制御部23は、停止釦処理部から与えられた停止釦情報に基づいて、上述した場合と同様に、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と停止釦情報とを含む警報停止情報を作成する。そして、リモコン制御部23は、当該作成された警報停止情報を変調部26に出力する。
【0027】
また、リモコン制御部23は、上述した警報釦情報または停止釦情報に基づいて、各種の情報(例えば、操作者が押下した釦の種類に関する情報)を表示部24に表示する。
【0028】
表示部24は、上述したように、リモコン制御部23による処理により、各種の情報を表示する。
【0029】
キャリア作成部25は、警報情報または警報停止情報の変調に必要なリモコン側キャリアを作成する。
【0030】
変調部26は、リモコン制御部23から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、キャリア作成部25からリモコン側キャリアを取得し、当該リモコン側キャリアを用いて警報情報または警報停止情報の変調を行う。そして、変調された警報情報または警報停止情報を送信部27に出力する。
【0031】
送信部27は、送信アンテナ27aを備えており、変調部26から与えられた警報情報または警報停止情報を送信アンテナ27aを用いて車載機3に出力する。
【0032】
次に、図1に示す車載機3の構成について説明する。
【0033】
車載機3は、図3に示す受信側制御実行部4と、図4に示す送信側制御実行部5と、を備えている。
【0034】
まず、図3を用いて、受信側制御実行部4の構成について説明する。
【0035】
受信側制御実行部4は、受信部40と、キャリア作成部41と、復調部42と、IDコード記憶部43と、ドアスイッチ処理部44と、受信側制御部45と、タイマ46と、を備えている。
【0036】
また、受信側制御実行部4は、スタータカットリレー(エンジン始動手段)47aと、エンジン始動制御部(エンジン始動手段)47bと、ドアロック制御部47cと、フラッシャ制御部47dと、ヘッドライト制御部47eと、ホーン警報制御部47fと、を備えている。
【0037】
受信部40は、受信アンテナ40aを備えており、リモコン2が出力した警報情報または警報停止情報を当該受信アンテナ40aを用いて取得して復調部42に出力する。
【0038】
キャリア作成部41は、警報情報または警報停止情報の復調に必要な車載機側キャリアを作成する。
【0039】
復調部42は、受信部40から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、キャリア作成部41から車載機側キャリアを取得し、当該車載機側キャリアを用いて警報情報または警報停止情報の復調を行う。
【0040】
そして、復調部42は、当該復調された警報情報または警報停止情報を受信側制御部に出力する。
【0041】
IDコード記憶部43は、車載機3がリモコン2を他のリモコンと識別するための車載機側IDコード情報を記憶する。
【0042】
ドアスイッチ処理部44は、図示しないドアスイッチを備えており、操作者が当該ドアスイッチを操作することで、当該操作の内容(即ち、ドアロック操作またはドアロック解除操作)に応じたドアスイッチ情報44aを作成する。
【0043】
そして、ドアスイッチ処理部44は、当該作成されたドアスイッチ情報44aを受信側制御部45に出力する。
【0044】
受信側制御部45は、復調部42から与えられた警報情報または警報停止情報を送信側制御実行部5に出力する。
【0045】
また、受信側制御部45は、警報情報を与えられた場合には、以下の警報制御処理を行う。
【0046】
即ち、受信側制御部45は、バッテリ(図示せず)とセルモータ(図示せず)とを接続することを要求する旨の接続情報を作成してスタータカットリレー47aに出力する。
【0047】
さらに、受信側制御部45は、エンジンを始動させることを要求する旨のエンジン始動情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0048】
さらに、受信側制御部45は、ドアロック(図示せず)を解除することを要求する旨のドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0049】
さらに、受信側制御部45は、燈火(出力手段)102a(図1参照)を点滅させることを要求する旨の燈火点滅情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0050】
さらに、受信側制御部45は、ヘッドライト(出力手段)102b(図1参照)を点滅させることを要求する旨のヘッドライト点滅情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0051】
さらに、受信側制御部45は、ホーン(出力手段)(図示せず)を鳴らすことを要求する旨のホーン作動情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0052】
一方、受信側制御部45は、警報停止情報を与えられた場合及び所定の場合(後述する)には、以下の警報停止制御処理を行う。
【0053】
即ち、受信側制御部45は、エンジンを停止させることを要求する旨のエンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0054】
さらに、受信側制御部45は、ドアをロックすることを要求する旨のドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0055】
さらに、受信側制御部45は、燈火102a(図1参照)を点滅させないことを要求する旨の燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0056】
さらに、受信側制御部45は、ヘッドライト102b(図1参照)を点滅させないことを要求する旨のヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0057】
さらに、受信側制御部45は、ホーン(図示せず)を鳴らさないことを要求する旨のホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0058】
また、受信側制御部45は、ドアスイッチ処理部44から与えられたドアスイッチ情報44aに基づいて、操作者がドアスイッチをどのように操作したのかを判断する。
【0059】
そして、受信側制御部45は、操作者がドアロック操作を行ったと判断した場合には、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0060】
一方、受信側制御部45は、操作者がドアロック解除操作を行ったと判断した場合には、ドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0061】
また、受信側制御部45は、所定の場合に、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、当該タイマ46による測定時間を設定する。具体的には、後述する。
【0062】
また、受信側制御部45は、上述した処理の他、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0063】
タイマ46は、受信側制御部45による処理により時間の測定を開始し、当該測定を開始してから測定時間が経過した際に、時間経過情報を作成して受信制御部に出力する。具体的には、後述する。
【0064】
スタータカットリレー47aは、受信側制御部45から接続情報を与えられた場合及びイグニッションが投入された場合に、バッテリとセルモータとを接続する。
【0065】
そして、スタータカットリレー47aは、エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させたことを確認した後、バッテリとセルモータとの接続を解除する。
【0066】
エンジン始動制御部47bは、受信側制御部45からエンジン始動情報を与えられた場合及びイグニッションが投入された場合に、以下のようにエンジンを始動させる。
【0067】
即ち、エンジン始動制御部47bは、スタータカットリレー47aがバッテリとセルモータとを接続した後、バッテリからセルモータに電力が供給されるように制御する。これにより、セルモータが回転する。
【0068】
そして、エンジン始動制御部47bは、セルモータの回転を利用してエンジンを始動させ、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられるまでエンジンを作動させ続ける。なお、エンジン始動制御部47bは、イグニッションの投入によりエンジンを作動させている場合には、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられた場合であっても、エンジンを作動させ続ける。
【0069】
ドアロック制御部47cは、受信側制御部45からドアロック解除情報を与えられた場合には、ドアロックを解除し、受信側制御部45からドアロック情報を与えられた場合には、ドアをロックする。
【0070】
フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、図1に示す燈火102aを点滅させ続ける。即ち、この場合、燈火102aは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0071】
ここで、フラッシャ制御部47dは、燈火102aの発光間隔及び発光強度を変えながら、燈火102aを点滅させることができる。
【0072】
なお、フラッシャ制御部47dには、他の発光器(例えば、ビーコンライト等)が接続されていても良い。この場合、フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、当該他の発光器を点滅させ続ける。
【0073】
ヘッドライト制御部47eは、受信側制御部45からヘッドライト点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45からヘッドライト点滅停止情報を与えられるまで、図1に示すヘッドライト102bを点滅させ続ける。即ち、この場合、ヘッドライト102bは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0074】
ここで、ヘッドライト制御部47eは、ヘッドライト102bの発光間隔及び発光強度を変えながら、ヘッドライト102bを点滅させることができる。
【0075】
ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動情報を与えられた場合には、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、図示しないホーンを鳴らし続ける。即ち、この場合、ホーンは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0076】
ここで、ホーン警報制御部47fは、ホーンの音量を変えたり、ホーンを断続的に鳴らしたりすることができる。
【0077】
なお、ホーン警報制御部47fには、他の発音器(例えば、ブザー等)が接続されていても良い。この場合、ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動情報を与えられた場合には、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、当該他の発音器を点滅させ続ける。
【0078】
次に、図4を用いて、送信側制御実行部5の構成について説明する。
【0079】
送信側制御実行部5は、図4に示すように、GPS情報作成部50と、車速検知部51と、イモビライザ本体部52と、車両盗難防止部53と、車載側送信部(車載側送信手段)54と、通信エリア内外判断処理部55と、送信側制御部56と、を備えている。
【0080】
また、送信側制御実行部5は、その他の構成要素として、表示部57と、音声出力部58と、音声入力部59と、キーボード60と、を備えている。
【0081】
ここで、GPS情報作成部50と、イモビライザ本体部52と、車両盗難防止部53と、車載側送信部54と、通信エリア内外判断処理部55と、送信側制御部56と、は、取付位置が分からないように、かつ、容易に取り外されないように、図1に示す自車102に取付けられている。これらは、自車102が盗難にあった場合に主に使用されるので、自車102を盗難しようとする者により容易に取り外されないようにする必要があるからである。
【0082】
GPS情報作成部50は、図1に示すGPS衛星101から与えられたGPS衛星情報を図示しないGPSアンテナを用いて取得し、当該取得されたGPS衛星情報に基づいて自車102の位置、即ち自車位置と、現在時刻と、を測定する。
【0083】
そして、GPS情報作成部50は、測定結果に関するGPS情報を作成し、車両盗難防止部53と、送信側制御部56と、に出力する。なお、GPS情報作成部50は、当該処理を常時行う。
【0084】
車速検知部51は、図1に示す自車102の速度を検知して車速情報51aを作成する。なお、車速検知部51は、当該処理を常時行う。
【0085】
イモビライザ本体部52は、所定の暗証コードを記憶しており、イグニッションキーに記憶された暗証コードと、当該所定の暗証コードと、の照合を所定のタイミングで行う。そして、これら暗証コードが同一である場合にのみ、車両盗難防止部53に照合完了情報を出力する。
【0086】
車両盗難防止部53は、自車102が盗難にあったかどうかを判断し、盗難にあったと判断した場合には、自車102が盗難にあった旨の盗難情報を作成し、送信側制御部56に出力し続ける。
【0087】
ここで、自車102が盗難にあったかどうかの判断は、具体的には以下のように行う。
【0088】
即ち、GPS情報作成部50から与えられたGPS情報50aに基づいて、イモビライザ本体部52から照合完了情報が与えられない状態で自車位置が変化したと判断した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。なお、この場合としては、例えば、自車102がトレーラー等により運ばれている場合等が考えられる。
【0089】
また、自車102のエンジンが作動しているかどうかを検知し、イモビライザ本体部52から照合完了情報が与えられない状態でエンジンの作動を検知した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。
【0090】
また、自車102のドアが不正に開けられたかどうかを検知し、ドアが不正に開けられたことを検知した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。なお、この場合としては、例えば、ドアロックが解除されていない状態でドアが開けられた場合等がある。
【0091】
車載側送信部54は、送受共用部54aと、受信部54bと、送信部54cと、周波数シンセサイザ54dと、を備えている。
【0092】
送受共用部54aは、送受用アンテナ54eを備えており、当該送受用アンテナ54eを用いて、図1に示す公衆電話網104から情報を取得して、受信部54bに出力する。
【0093】
また、送信部54cから与えられた情報を送受用アンテナ54eを用いて公衆電話網104に出力する。
【0094】
受信部54bは、送受共用部54aから与えられる情報を、後述する周波数シンセサイザ54dが当該情報の使用チャンネルを認定した後、通信エリア内外判断処理部55または送信側制御部56に出力する。
【0095】
即ち、当該情報がサービスセンタ103から与えられる接続確認情報である場合には、当該情報を通信エリア内外判断処理部に出力し、当該情報が接続確認情報以外の情報である場合には、当該情報を送信側制御部56に出力する。
【0096】
送信部54cは、送信側制御部56から与えられた情報を、後述する周波数シンセサイザ54dが当該情報の使用チャンネルを認定した後、送受共用部54aに出力する。
【0097】
周波数シンセサイザ54dは、送信側制御部56が送信部54cに出力した情報と、送受共用部54aが受信部54bに出力した情報と、の使用チャンネルを認定する。
【0098】
通信エリア内外判断処理部55は、送信側制御部56から呼出情報(後述する)を与えられた場合には、図1に示す自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するかどうかを、以下のように判断する(位置判断)。
【0099】
即ち、通信エリア内外判断処理部55は、受信部54bから接続確認情報を与えられている場合には、自車102がサービスセンタの通信可能範囲内に位置すると判断する。この場合、送受共用部54aがサービスセンタ103から公衆電話網104を介して当該接続確認情報を取得しているので、自車102はサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するといえるからである。
【0100】
一方、受信部54bから接続確認情報を与えられていない場合には、通信エリア内外判断処理部55は、自車102がサービスセンタ103の受信可能エリア内に位置しないと判断する。これは、以下の理由による。
【0101】
即ち、後述するように、送信側制御部56は、呼出情報を通信エリア内外判断処理部55と車載側送信部54とに出力するので、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した場合には、車載側送信部54が当該呼出情報をサービスセンタ103に出力することとなる。
【0102】
これにより、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、当該出力された呼出情報は、公衆電話網104を介してサービスセンタ103に与えられる。そして、当該呼出情報を与えられたサービスセンタ103は、上述したように、接続確認情報を常時出力する。
【0103】
よって、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した後において、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、送受共用部54aは、当該出力された接続確認情報を必ず取得することができる。
【0104】
逆に、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した後において、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置しない場合には、送受共用部54aは、当該出力された接続確認情報を取得することができない。
【0105】
以上により、通信エリア内外判断処理部55は、受信部54bから接続確認情報を与えられていない場合には、自車102がサービスセンタ103の受信可能エリア内に位置しないと判断する。
【0106】
そして、通信エリア内外判断処理部55は、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置すると判断した場合には、サービスセンタ103との間の通信が可能である旨の通信可能情報を作成して送信側制御部56に出力する。
【0107】
表示部57は、送信側制御部56から与えられた画像情報を表示する。
【0108】
音声出力部58はスピーカ58aを備えており、送信側制御部56から与えられた音声情報を当該スピーカ58aにて出力する。
【0109】
音声入力部59はマイク59aを備えており、当該マイク59aにて入力された音声情報(例えば、ダイヤル番号情報)を送信側制御部56に出力する。ここで、音声出力部58及び音声入力部59はハンドセットを構成する。
【0110】
キーボード60は、操作者による入力操作(例えば、ダイヤル番号情報の入力)により操作情報を作成し、送信側制御部56に出力する。
【0111】
送信側制御部56は、受信側制御実行部4から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、サービスセンタ103を呼び出す旨の呼出情報を作成し、車載側送信部54と通信エリア内外判断処理部55とに出力する。
【0112】
また、送信側制御部56は、通信エリア内外判断処理部55から与えられた通信可能情報に基づいて、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0113】
また、送信側制御部56は、以下のように、通常の自動車電話や経路誘導装置としての制御も行う。
【0114】
例えば、送信側制御部56は、音声入力部59やキーボード60を通信回線に接続する。そして、送信側制御部56は、音声入力部59やキーボード60から与えられたダイヤル番号情報に基づいて、当該ダイヤル番号に対応する電話を呼び出す旨の電話情報を作成し、車載側送信部54に出力する。
【0115】
また、送信側制御部56は、音声出力部58を通信回線に接続し、車載側送信部54から与えられた音声情報を音声出力部58に出力する。
【0116】
また、送信側制御部56は、GPS情報作成部50から与えられたGPS情報に基づいて、図示しない地図データベースから自車位置を含む地図データを取得し、当該取得された地図データを表示部57に出力する。
【0117】
また、送信側制御部56は、経路誘導に関する音声情報を作成し、当該作成された音声情報を音声出力部58に出力する。
【0118】
また、送信側制御部56は、車速検知部51から車速情報51aを取得し、当該車速情報51aを表示部57に出力する。
【0119】
次に、車両用警報システム100処理の手順について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0120】
まず、図5に示すステップS1にて、図3に示す受信側制御部45は、復調部42から警報情報を与えられるまで待機する(ステップS1にてNO)。
【0121】
ここで、図1に示すリモコン2及びイグニッションキー(自車102のイグニッションキー)を携行する操作者が、自車102または自車102の周辺で発生した異常を発見して、警報釦20aを押下する。
【0122】
これにより、図2に示す警報釦処理部20が、警報釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0123】
次いで、リモコン制御部23が、警報釦処理部20から与えられた警報釦情報に基づいて、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と警報釦情報とを含む警報情報を作成する。
【0124】
次いで、リモコン制御部23が、作成された警報情報を変調部26に出力すると共に、各種の情報を表示部24に表示する。
【0125】
次いで、変調部26が、リモコン制御部23から与えられた警報情報に基づいて、キャリア作成部25からリモコン側キャリアを取得し、当該リモコン側キャリアを用いて警報情報の変調を行う。
【0126】
次いで、変調部26は、当該変調された警報情報を送信部27に出力し、送信部27が、変調部26から与えられた警報情報を送信アンテナ26aを用いて図1に示す車載機3(具体的には、図3に示す受信側制御実行部4)に出力する。
【0127】
次いで、図3に示す受信部40が、リモコン2が出力した警報情報を受信アンテナ40aを用いて取得し、当該取得された警報情報を復調部42に出力する。
【0128】
次いで、復調部42が、受信部40から与えられた警報情報に基づいて、キャリア作成部41から車載機側キャリアを取得し、当該車載機側キャリアを用いて警報情報の復調を行う。
【0129】
次いで、復調部42は、当該復調された警報情報を受信側制御部45に出力する。
【0130】
次いで、受信側制御部45が、復調部42から与えられた警報情報を図4に示す送信側制御実行部5(具体的には、送信側制御部56)に出力する。
【0131】
次いで、受信側制御実行部4が図5に示すステップS2以降の処理を行う一方で、送信側制御実行部5等がステップS17以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS2以降の処理について説明する。
【0132】
即ち、ステップS2にて、図3に示す受信側制御部45が上述した警報制御処理を行う。
【0133】
即ち、受信側制御部45は、接続情報を作成してスタータカットリレー47aに出力し、エンジン始動情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0134】
また、受信側制御部45は、ドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力し、燈火点滅情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0135】
また、受信側制御部45は、ヘッドライト点滅情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力し、ホーン作動情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0136】
これにより、スタータカットリレー47aが、当該受信側制御部45から与えられた接続情報に基づいて、バッテリとセルモータとを接続する。
【0137】
次いで、エンジン始動制御部47bが、受信側制御部45から与えられたエンジン始動情報に基づいて、バッテリからセルモータに電力が供給されるように制御する。これにより、セルモータが回転する。
【0138】
次いで、エンジン始動制御部47bは、セルモータの回転を利用してエンジンを始動させ、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられるまでエンジンを作動させ続ける。これにより、操作者は、遠隔操作によりエンジンを始動させることができる。
【0139】
次いで、スタータカットリレー47aが、エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させたことを確認した後、バッテリとセルモータとの接続を解除する。
【0140】
エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させる一方で、ステップS3にて、ドアロック制御部47cが、受信側制御部45から与えられたドアロック解除情報に基づいて、ドアロックを解除する。そして、ドアロック制御部47cは、受信側制御部45からドアロック情報を与えられるまで、ドアロックを解除状態にしておく。
【0141】
ドアロック制御部47cがドアロックを解除する一方で、ステップS4にて、フラッシャ制御部47dが、受信側制御部45から与えられた燈火点滅情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる。そして、フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、燈火102aを点滅させ続ける。
【0142】
さらに、ヘッドライト制御部47eが、受信側制御部45から与えられたヘッドライト点滅情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる。そして、ヘッドライト制御部47eは、受信側制御部45からヘッドライト点滅情報を与えられるまで、ヘッドライト102bを点滅させ続ける。
【0143】
さらに、ホーン警報制御部47fが、受信側制御部45から与えられたホーン作動情報に基づいて、ホーンを鳴らす。そして、ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、ホーンを鳴らし続ける。
【0144】
ステップS5にて、受信側制御部45は、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、測定時間を第一の所定時間(当該所定時間については、予め定められる)に設定する。
【0145】
ステップS6にて、受信側制御部45が、図1に示す自車102のドアが開けられたかどうかを判断する。
【0146】
この結果、受信側制御部45が、ドアが開けられていると判断した場合には、図1に示す受信側制御実行部4は、ステップS7以降の処理を行う。
【0147】
一方、受信側制御部45が、ドアが開けられていないと判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS14以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS14以降の処理を行う。
【0148】
即ち、ステップS14にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられたかどうかを確認する。
【0149】
この結果、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられていないことを確認した場合(ステップS14にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS6以降の処理を繰り返す。
【0150】
一方、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、受信側制御実行部4は、後述するステップS15以降の処理を行う。
【0151】
一方、上述したステップS6にて、受信側制御部45が、ドアが開けられていると判断した場合には、ステップS7にて、受信側制御部45が、タイマ46に時間の測定を終了させると共に、エンジンが作動しているかどうかを判断する。
【0152】
この結果、受信側制御部45が、エンジンが作動していないと判断した場合(ステップS7にてNO)には、受信側制御実行部4は、本処理を終了する。なお、この場合としては、操作者がリモコン2の停止釦21aを押下した場合がある。具体的には、後述する。
【0153】
一方、受信側制御部45が、エンジンが作動していると判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS8以降の処理を行う。
【0154】
ステップS8にて、受信側制御部45は、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、測定時間を第二の所定時間(当該所定時間については、予め定められる)に設定する。
【0155】
ステップS9にて、受信側制御部45が、操作者によるイグニッションの投入があったかどうかを判断する。
【0156】
この結果、受信側制御部45が、イグニッションの投入があったと判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS10以降の処理を行う。
【0157】
一方、受信側制御部45が、イグニッションの投入がなかったと判断した場合(ステップS9にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS13以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS13以降の処理について説明する。
【0158】
即ち、ステップS13にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられたかどうかを確認する。
【0159】
次いで、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられていないことを確認した場合(ステップS13にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS9以降の処理を繰り返す。
【0160】
一方、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、受信側制御実行部4は、後述するステップS15以降の処理を行う。
【0161】
一方、上述したステップS9にて、受信側制御部45が、イグニッションの投入があったと判断した場合には、ステップS10にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられるまで待機する(ステップS10にてNO)。
【0162】
次いで、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられた後、ステップS11にて、警報停止制御処理を行う。
【0163】
具体的には、受信側制御部45は、エンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力すると共に、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0164】
また、受信側制御部45は、燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力すると共に、ヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0165】
また、受信側制御部45は、ホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0166】
これにより、ドアロック制御部47cが、受信側制御部45から与えられたドアロック情報に基づいて、ドアをロックする。
【0167】
また、フラッシャ制御部47dが、受信側制御部45から与えられた燈火点滅停止情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる処理を終了する。
【0168】
また、ヘッドライト制御部47eが、受信制御部45から与えられたヘッドライト点滅停止情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる処理を終了する。
【0169】
また、ホーン警報制御部47fが、受信制御部45から与えられたホーン作動停止情報に基づいて、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0170】
一方、エンジン始動制御部47bは、受信制御部45からエンジン停止情報を与えられるが、操作者によりイグニッションが投入されているので、ステップS12にて、エンジンを作動させ続ける。
【0171】
一方、上述したステップS13またはステップS14にて、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、ステップS15にて、当該受信側制御部45は、警報停止制御処理を行う。
【0172】
具体的には、受信側制御部45は、エンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力すると共に、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0173】
また、受信側制御部45は、燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力すると共に、ヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0174】
また、受信側制御部45は、ホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0175】
これにより、エンジン始動制御部47bは、受信制御部45から与えられたエンジン停止情報に基づいて、エンジンを停止する。
【0176】
また、ステップS16にて、ドアロック制御部47cが、ステップS15にて受信側制御部45から与えられたドアロック情報に基づいて、ドアをロックする。
【0177】
また、フラッシャ制御部47dは、ステップS15にて受信側制御部45から与えられた燈火点滅停止情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる処理を終了する。
【0178】
また、ヘッドライト制御部47eは、ステップS15にて受信制御部45から与えられたヘッドライト点滅停止情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる処理を終了する。
【0179】
また、ホーン警報制御部47fは、ステップS15にて受信制御部45から与えられたホーン作動停止情報に基づいて、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0180】
そして、受信側制御実行部4は、上述したステップS12またはステップS16の処理を行った後、当該受信側制御実行部4における処理を終了する。
【0181】
一方、上述したステップS1にて、受信側制御部45から警報情報を与えられた送信側制御実行部5と、図1に示すサービスセンタ103と、公衆電話網104と、(以下、「送信側制御実行部5等」と称する)は、ステップS17以降の処理を行う。
【0182】
即ち、ステップS17にて、図4に示す送信側制御部56が、受信側制御部45から与えられた警報情報に基づいて、呼出情報を作成し、車載側送信部54(具体的には、送信部54c)と通信エリア内外判断処理部55とに出力する。
【0183】
次いで、周波数シンセサイザ54dが、送信部54cに出力された呼出情報の使用チャンネルを認定する。
【0184】
次いで、送信部54cが、使用チャンネルの認定された呼出情報を、送受共用部54aに出力し、送受共用部54eが、送信部54cから与えられた呼出情報を図1に示す公衆電話網104に出力する。
【0185】
ここで、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合、当該呼出情報は、公衆電話網104を介してサービスセンタ103に出力される。
【0186】
そして、当該呼出情報を与えられたサービスセンタ103は、接続確認情報を作成し、当該接続確認情報を公衆電話網104を介して自車102に常時出力する。
【0187】
したがって、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、送受共用部54aが当該サービスセンタ103から与えられた接続確認情報を取得する。そして、当該取得された接続確認情報は、受信部54bを介して通信エリア内外判断処理部55に出力される。
【0188】
次いで、ステップS18にて、通信エリア内外判断処理部55が、図1に示す自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するかどうかを判断する。
【0189】
この結果、通信エリア内外判断処理部55が、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置しないと判断した場合(ステップS18にてNO)には、送信側制御実行部5等は、ステップS17以降の処理を繰り返す。
【0190】
一方、通信エリア内外判断処理部55が、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置すると判断した場合には、送信側制御実行部5等は、ステップS19以降の処理を行う。なお、この場合、自車102からサービスセンタ103までの回線(以下、「通信回線」と称する)が接続されたこととなる。
【0191】
次いで、ステップS19にて、通信エリア内外判断処理部55は、通信可能情報を作成して送信側制御部56に出力する。
【0192】
次いで、送信側制御部56は、通信エリア内外判断処理部55から通信可能情報を与えられた後、自車または自車周辺に異常が発生した旨の緊急情報を作成する。
【0193】
次いで、当該作成された緊急情報と、GPS情報作成部50から常時与えられているGPS情報と、を含む緊急通報情報を車載側送信部54(具体的には、送信部54c)に出力する。
【0194】
次いで、周波数シンセサイザ54dが、送信部54cに出力された緊急通報情報の使用チャンネルを認定する。
【0195】
次いで、送信部54cが、使用チャンネルの認定された緊急通報情報を送受共用部54aに出力する。
【0196】
次いで、送受共用部54eが、送信部54cから与えられた緊急通報情報を図1に示す公衆電話網104を介してサービスセンタ103に出力する。
【0197】
次いで、ステップS20にて、送信側制御部56は、通話を要求する旨の音声切り換え情報を作成して、車載側送信部54に出力する。
【0198】
次いで、車載側送信部54は、ステップS19と同様に、送信側制御部56から与えられた音声切り換え情報をサービスセンタ103に出力する。
【0199】
ステップS21にて、送信側制御部56は、ハンドセットを構成する音声出力部58及び音声入力部59を通信回線に接続する。
【0200】
送信側制御実行部5が上述したステップS19〜ステップS21の処理を行う一方で、サービスセンタ103は、以下の処理を行う。
【0201】
即ち、サービスセンタ103は、ステップS19にて車載側送信部54から与えられた緊急通報情報に基づいて、自車102または自車102の周辺に異常が発生したこと及び自車102の位置を認識する。
【0202】
さらに、サービスセンタ103は、ステップS20にて車載側送信部54から与えられた音声切り換え情報に基づいて、図示しないマイク及びスピーカを通信回線に接続する。これにより、自車102の乗員、例えば操作者と通話が可能となる。
【0203】
次いで、ステップS22にて、操作者が、必要に応じて自車102を運転して適当な場所に移動させた後、ハンドセットを用いて、サービスセンタ103のオペレータと通話する。
【0204】
次いで、サービスセンタ103は、当該通話の内容に応じて、適切なサービス(例えば、自車102の追跡、警察への通報、救急車の派遣、及びレッカー車の派遣(故障サービス)等)を行う。
【0205】
ステップS23にて、送信側制御部56及びサービスセンタ103は、通話が終了した後、通信回線を開放する。
【0206】
次いで、送信側制御実行部5等は、当該送信側制御実行部5等における処理を終了する。
【0207】
なお、図1に示す車両用警報システム100は、上述したステップS1〜ステップS23の処理を行っている間に操作者が停止釦21aを押下した場合には、以下の処理を行う。
【0208】
即ち、リモコン2が、上述したステップS1と同様の処理を行うことで、警報停止情報を作成して図3に示す受信側制御実行部4に出力する。
【0209】
次いで、受信側制御実行部4は、リモコン2から与えられた警報停止情報を、ステップS1と同様の処理を行うことで、図4に示す送信側制御実行部5に出力する。
【0210】
一方、受信側制御実行部4は、リモコン2から与えられた警報停止情報に基づいて、上述したステップS15〜ステップS16と同様の処理を行う。
【0211】
即ち、受信側制御実行部4は、エンジンを作動する処理を終了する。なお、操作者が停止釦21aを押下した時点で、エンジンが作動していない状態であれば、受信側制御実行部4は当該状態を維持する。
【0212】
さらに、受信側制御実行部4は、同様に、図1に示す燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させる処理を終了すると共に、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0213】
なお、操作者が停止釦21aを押下した時点で、燈火102a、及びヘッドライト102bが点滅していない状態であれば、受信側制御実行部4は当該状態を維持する。また、当該時点で、ホーンが鳴っていない状態であれば、受信側制御実行部4は、当該状態を維持する。
【0214】
一方、送信側制御実行部5は、受信側制御実行部4から与えられた警報停止情報に基づいて、上述したステップS17と同様の処理を行うことで、呼出情報を作成してサービスセンタ103に出力する。これにより、サービスセンタ103は、当該呼出情報を与えられた場合(即ち、通信回線が接続された場合)には、接続確認情報を自車102に常時出力する。
【0215】
次いで、通信回線が接続された場合には、送信側制御実行部5は、ステップS19と同様の処理を行うことで、通報を停止する旨の通報停止情報を作成してサービスセンタ103に出力する。
【0216】
次いで、サービスセンタ103は、送信側制御実行部5から与えられた通報停止情報に基づいて、それまで行っていたサービスを終了する。
【0217】
次いで、送信側制御実行部56及びサービスセンタ103は、上述したステップS23と同様の処理を行うことで、通信回線を開放する。
【0218】
以上により、本実施の形態では、リモコン2を携行する操作者が、自車102または自車周辺で発生した異常を発見し、リモコン2の警報釦20aを押下すると、車両用警報装置1は以下の処理を行う。
【0219】
即ち、車両用警報装置1は、自車102のエンジンを始動し、燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させる。さらに、車両用警報装置1は、ホーンを鳴らし、かつ、ドアロックを解除する。さらに、車両用警報装置1は、サービスセンタ103に緊急通報情報を出力する。
【0220】
これにより、車両用警報装置1は、自車102または自車102の周辺で異常が発生した際には、自車102を運転可能な者(即ち、操作者等)は、自車102に搭乗した後、迅速に自車102を発進させることができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0221】
言い換えれば、自車102を運転可能な者は、当該異常が発生した場所から自車102と共に迅速に脱出することができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0222】
したがって、車両用警報装置1は、自車102または自車102の周辺で異常が発生した際には、自車102に乗員がいない間であっても、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0223】
さらに、車両用警報装置1は、燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させ、且つ、ホーンを鳴らすので、異常が発生した旨を周囲に報知することができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0224】
さらに、車両用警報装置1は、ドアロックを解除するので、自車102を運転可能な者は、ドアロックを解除することなく自車102に搭乗することができる(請求項2記載の発明に対応する効果)。
【0225】
したがって、自車102を運転可能な者は、ドアロックが解除されていない場合に比して、より迅速に自車102に搭乗することができる(請求項2記載の発明に対応する効果)。
【0226】
さらに、車両用警報装置1は、サービスセンタ103に緊急通報情報を出力するので、サービスセンタ103は、車両用警報装置1から与えられた緊急通報情報に基づいて各種のサービスを行うことができる(請求項3記載の発明に対応する効果)。
【0227】
即ち、車両用警報装置1は、操作者による遠隔操作により、サービスセンタ103への通報を行うことができるので、当該通報を迅速に行うことができる(請求項3記載の発明に対応する効果)。
【0228】
また、車両用警報装置1は、ステップS13またはステップS14にてNOの場合には、警報停止制御処理を行うので、自車102の消費電力を抑えることができる。ここで、車両用警報装置1は、ステップS14にてNOの場合には、当該警報停止制御処理によりエンジンも停止させるので、自車102の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用警報システムの構成を示した説明図である。
【図2】車両用警報装置が備える携帯機の構成を示したブロック図である。
【図3】車両用警報装置が備える車載機の一部の構成を示したブロック図である。
【図4】車両用警報装置が備える車載機の一部の構成を示したブロック図である。
【図5】車両用警報システムによる処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用警報装置
2 リモコン(携帯機)
3 車載機
4 受信側制御実行部
5 送信側制御実行部
27 送信部(携帯側送信手段)
47a スタータカットリレー(エンジン始動手段)
47b エンジン始動制御部(エンジン始動手段)
54 車載側送信部(車載側送信手段)
100 車両用警報システム
102a 燈火(出力手段)
102b ヘッドライト(出力手段)
103 サービスセンタ(基地局)
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車または自車周辺に異常が発生した旨の警報を出力する出力手段等を制御する車両用警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自車または自車周辺に異常が発生した場合に、当該異常が発生した旨の警報を出力する(例えば、燈火及びヘッドライトを点滅させたり、ホーンを鳴らしたりする等)車両用警報装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、当該従来例では、周囲に当該異常を知らせることはできるが、操作者が自力でその場から脱出する準備はなされない。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その主に目的とするところは、自車または自車周辺で異常が発生した際には、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる車両用警報装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願特許請求の範囲に記載の発明は、自車に搭載される車載機と、操作者が携行する携帯機と、を備え、当該携帯機は、車載機に警報情報を出力する携帯側送信手段を備え、車載機は、携帯機から警報情報を与えられた際には、警報を出力し、且つ、自車のエンジンを始動させるよう制御することを主に特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
特許請求の範囲に記載の発明では、主に以下の効果を得ることができる。
【0007】
即ち、本発明では、自車または自車の周辺で異常が発生した際には、自車に乗員がいない間であっても、携帯側送信手段が警報情報を車載機に出力することで、車載機が、異常が発生した旨の警報を出力し、且つ、自車のエンジンを始動させるよう制御することができる。
【0008】
これにより、自車を運転可能な者(即ち、操作者等)は、自車に搭乗した後、迅速に自車を発進させることができる。
【0009】
言い換えれば、本発明では、自車を運転可能な者は、当該異常が発生した場所から自車と共に迅速に脱出することができる。
【0010】
したがって、本発明は、自車または自車の周辺で異常が発生した際には、自車に乗員がいない間であっても、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる。
【0011】
さらに、本発明は、出力手段が警報を出力するように制御するので、自車または自車周辺に異常が発生した旨を周囲に報知することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態(請求項1〜3記載の発明に対応)を図1〜図5に基づいて説明する。ここで、図1は車両用警報システム100の構成を示した説明図であり、図2は、車両用警報装置1が備えるリモコン(携帯機)2の構成を示したブロック図である。また、図3及び図4は、車両用警報装置が備える車載機3の一部の構成を示したブロック図であり、図5は、車両用警報システム100による処理の手順を示したフローチャートである。
【0013】
本実施の形態においては、図1に示すように、GPS衛星101と、車両用警報装置1と、サービスセンタ(基地局)103と、公衆電話網104と、で車両用警報システム100が構成されている。
【0014】
まず、当該車両用警報システム100の各構成要素について図1に基づいて説明する。
【0015】
GPS衛星101は、GPS衛星101の位置等に関するGPS衛星情報を作成し、車両用警報装置1に出力する。
【0016】
車両用警報装置1は、操作者が携行するリモコン2と、自車102に搭載される車載機3と、を備えており、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0017】
サービスセンタ103は、車両用警報装置1から呼出情報(後述する)を与えられた場合には、回線が接続された旨の接続確認情報を、公衆電話網104を介して自車102に常時出力する。そして、車両用警報装置1から応答があった場合には、所定のサービスを行う。具体的には、後述する。
【0018】
公衆電話網104は、車両用警報装置1とサービスセンタ103との間で行われる通信を仲介する。具体的には、車両用警報装置1から与えられた情報をサービスセンタ103に出力し、サービスセンタ103から与えられた情報を車両用警報装置1に出力する。
【0019】
次に、車両用警報装置1の構成について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0020】
車両用警報装置1は、図1に示すように、リモコン2と、車載機3と、を備えている。
【0021】
リモコン2は、図2に示すように、警報釦処理部20と、停止釦処理部21と、IDコード記憶部22と、リモコン制御部23と、表示部24と、キャリア作成部25と、変調部26と、送信部(携帯側送信手段)27と、を備えている。
【0022】
警報釦処理部20は、図1に示す警報釦20aを備えており、操作者により警報釦20aが押下されることで、エンジンの始動等を要求する旨の警報釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0023】
停止釦処理部21は、図1に示す停止釦21aを供えており、操作者により停止釦21aが押下されることで、エンジンの停止等を要求する旨の停止釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0024】
IDコード記憶部22は、車載機3がリモコン2を他のリモコンと識別するためのリモコン側IDコード情報を記憶する。
【0025】
リモコン制御部23は、警報釦処理部から与えられた警報釦情報に基づいて、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と警報釦情報とを含む警報情報を作成する。そして、リモコン制御部23は、当該作成された警報情報を変調部に出力する。
【0026】
また、リモコン制御部23は、停止釦処理部から与えられた停止釦情報に基づいて、上述した場合と同様に、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と停止釦情報とを含む警報停止情報を作成する。そして、リモコン制御部23は、当該作成された警報停止情報を変調部26に出力する。
【0027】
また、リモコン制御部23は、上述した警報釦情報または停止釦情報に基づいて、各種の情報(例えば、操作者が押下した釦の種類に関する情報)を表示部24に表示する。
【0028】
表示部24は、上述したように、リモコン制御部23による処理により、各種の情報を表示する。
【0029】
キャリア作成部25は、警報情報または警報停止情報の変調に必要なリモコン側キャリアを作成する。
【0030】
変調部26は、リモコン制御部23から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、キャリア作成部25からリモコン側キャリアを取得し、当該リモコン側キャリアを用いて警報情報または警報停止情報の変調を行う。そして、変調された警報情報または警報停止情報を送信部27に出力する。
【0031】
送信部27は、送信アンテナ27aを備えており、変調部26から与えられた警報情報または警報停止情報を送信アンテナ27aを用いて車載機3に出力する。
【0032】
次に、図1に示す車載機3の構成について説明する。
【0033】
車載機3は、図3に示す受信側制御実行部4と、図4に示す送信側制御実行部5と、を備えている。
【0034】
まず、図3を用いて、受信側制御実行部4の構成について説明する。
【0035】
受信側制御実行部4は、受信部40と、キャリア作成部41と、復調部42と、IDコード記憶部43と、ドアスイッチ処理部44と、受信側制御部45と、タイマ46と、を備えている。
【0036】
また、受信側制御実行部4は、スタータカットリレー(エンジン始動手段)47aと、エンジン始動制御部(エンジン始動手段)47bと、ドアロック制御部47cと、フラッシャ制御部47dと、ヘッドライト制御部47eと、ホーン警報制御部47fと、を備えている。
【0037】
受信部40は、受信アンテナ40aを備えており、リモコン2が出力した警報情報または警報停止情報を当該受信アンテナ40aを用いて取得して復調部42に出力する。
【0038】
キャリア作成部41は、警報情報または警報停止情報の復調に必要な車載機側キャリアを作成する。
【0039】
復調部42は、受信部40から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、キャリア作成部41から車載機側キャリアを取得し、当該車載機側キャリアを用いて警報情報または警報停止情報の復調を行う。
【0040】
そして、復調部42は、当該復調された警報情報または警報停止情報を受信側制御部に出力する。
【0041】
IDコード記憶部43は、車載機3がリモコン2を他のリモコンと識別するための車載機側IDコード情報を記憶する。
【0042】
ドアスイッチ処理部44は、図示しないドアスイッチを備えており、操作者が当該ドアスイッチを操作することで、当該操作の内容(即ち、ドアロック操作またはドアロック解除操作)に応じたドアスイッチ情報44aを作成する。
【0043】
そして、ドアスイッチ処理部44は、当該作成されたドアスイッチ情報44aを受信側制御部45に出力する。
【0044】
受信側制御部45は、復調部42から与えられた警報情報または警報停止情報を送信側制御実行部5に出力する。
【0045】
また、受信側制御部45は、警報情報を与えられた場合には、以下の警報制御処理を行う。
【0046】
即ち、受信側制御部45は、バッテリ(図示せず)とセルモータ(図示せず)とを接続することを要求する旨の接続情報を作成してスタータカットリレー47aに出力する。
【0047】
さらに、受信側制御部45は、エンジンを始動させることを要求する旨のエンジン始動情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0048】
さらに、受信側制御部45は、ドアロック(図示せず)を解除することを要求する旨のドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0049】
さらに、受信側制御部45は、燈火(出力手段)102a(図1参照)を点滅させることを要求する旨の燈火点滅情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0050】
さらに、受信側制御部45は、ヘッドライト(出力手段)102b(図1参照)を点滅させることを要求する旨のヘッドライト点滅情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0051】
さらに、受信側制御部45は、ホーン(出力手段)(図示せず)を鳴らすことを要求する旨のホーン作動情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0052】
一方、受信側制御部45は、警報停止情報を与えられた場合及び所定の場合(後述する)には、以下の警報停止制御処理を行う。
【0053】
即ち、受信側制御部45は、エンジンを停止させることを要求する旨のエンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0054】
さらに、受信側制御部45は、ドアをロックすることを要求する旨のドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0055】
さらに、受信側制御部45は、燈火102a(図1参照)を点滅させないことを要求する旨の燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0056】
さらに、受信側制御部45は、ヘッドライト102b(図1参照)を点滅させないことを要求する旨のヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0057】
さらに、受信側制御部45は、ホーン(図示せず)を鳴らさないことを要求する旨のホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0058】
また、受信側制御部45は、ドアスイッチ処理部44から与えられたドアスイッチ情報44aに基づいて、操作者がドアスイッチをどのように操作したのかを判断する。
【0059】
そして、受信側制御部45は、操作者がドアロック操作を行ったと判断した場合には、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0060】
一方、受信側制御部45は、操作者がドアロック解除操作を行ったと判断した場合には、ドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0061】
また、受信側制御部45は、所定の場合に、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、当該タイマ46による測定時間を設定する。具体的には、後述する。
【0062】
また、受信側制御部45は、上述した処理の他、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0063】
タイマ46は、受信側制御部45による処理により時間の測定を開始し、当該測定を開始してから測定時間が経過した際に、時間経過情報を作成して受信制御部に出力する。具体的には、後述する。
【0064】
スタータカットリレー47aは、受信側制御部45から接続情報を与えられた場合及びイグニッションが投入された場合に、バッテリとセルモータとを接続する。
【0065】
そして、スタータカットリレー47aは、エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させたことを確認した後、バッテリとセルモータとの接続を解除する。
【0066】
エンジン始動制御部47bは、受信側制御部45からエンジン始動情報を与えられた場合及びイグニッションが投入された場合に、以下のようにエンジンを始動させる。
【0067】
即ち、エンジン始動制御部47bは、スタータカットリレー47aがバッテリとセルモータとを接続した後、バッテリからセルモータに電力が供給されるように制御する。これにより、セルモータが回転する。
【0068】
そして、エンジン始動制御部47bは、セルモータの回転を利用してエンジンを始動させ、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられるまでエンジンを作動させ続ける。なお、エンジン始動制御部47bは、イグニッションの投入によりエンジンを作動させている場合には、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられた場合であっても、エンジンを作動させ続ける。
【0069】
ドアロック制御部47cは、受信側制御部45からドアロック解除情報を与えられた場合には、ドアロックを解除し、受信側制御部45からドアロック情報を与えられた場合には、ドアをロックする。
【0070】
フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、図1に示す燈火102aを点滅させ続ける。即ち、この場合、燈火102aは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0071】
ここで、フラッシャ制御部47dは、燈火102aの発光間隔及び発光強度を変えながら、燈火102aを点滅させることができる。
【0072】
なお、フラッシャ制御部47dには、他の発光器(例えば、ビーコンライト等)が接続されていても良い。この場合、フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、当該他の発光器を点滅させ続ける。
【0073】
ヘッドライト制御部47eは、受信側制御部45からヘッドライト点滅情報を与えられた場合には、受信側制御部45からヘッドライト点滅停止情報を与えられるまで、図1に示すヘッドライト102bを点滅させ続ける。即ち、この場合、ヘッドライト102bは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0074】
ここで、ヘッドライト制御部47eは、ヘッドライト102bの発光間隔及び発光強度を変えながら、ヘッドライト102bを点滅させることができる。
【0075】
ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動情報を与えられた場合には、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、図示しないホーンを鳴らし続ける。即ち、この場合、ホーンは、自車102または自車102周辺に異常が発生した旨の警報を出力する。
【0076】
ここで、ホーン警報制御部47fは、ホーンの音量を変えたり、ホーンを断続的に鳴らしたりすることができる。
【0077】
なお、ホーン警報制御部47fには、他の発音器(例えば、ブザー等)が接続されていても良い。この場合、ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動情報を与えられた場合には、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、当該他の発音器を点滅させ続ける。
【0078】
次に、図4を用いて、送信側制御実行部5の構成について説明する。
【0079】
送信側制御実行部5は、図4に示すように、GPS情報作成部50と、車速検知部51と、イモビライザ本体部52と、車両盗難防止部53と、車載側送信部(車載側送信手段)54と、通信エリア内外判断処理部55と、送信側制御部56と、を備えている。
【0080】
また、送信側制御実行部5は、その他の構成要素として、表示部57と、音声出力部58と、音声入力部59と、キーボード60と、を備えている。
【0081】
ここで、GPS情報作成部50と、イモビライザ本体部52と、車両盗難防止部53と、車載側送信部54と、通信エリア内外判断処理部55と、送信側制御部56と、は、取付位置が分からないように、かつ、容易に取り外されないように、図1に示す自車102に取付けられている。これらは、自車102が盗難にあった場合に主に使用されるので、自車102を盗難しようとする者により容易に取り外されないようにする必要があるからである。
【0082】
GPS情報作成部50は、図1に示すGPS衛星101から与えられたGPS衛星情報を図示しないGPSアンテナを用いて取得し、当該取得されたGPS衛星情報に基づいて自車102の位置、即ち自車位置と、現在時刻と、を測定する。
【0083】
そして、GPS情報作成部50は、測定結果に関するGPS情報を作成し、車両盗難防止部53と、送信側制御部56と、に出力する。なお、GPS情報作成部50は、当該処理を常時行う。
【0084】
車速検知部51は、図1に示す自車102の速度を検知して車速情報51aを作成する。なお、車速検知部51は、当該処理を常時行う。
【0085】
イモビライザ本体部52は、所定の暗証コードを記憶しており、イグニッションキーに記憶された暗証コードと、当該所定の暗証コードと、の照合を所定のタイミングで行う。そして、これら暗証コードが同一である場合にのみ、車両盗難防止部53に照合完了情報を出力する。
【0086】
車両盗難防止部53は、自車102が盗難にあったかどうかを判断し、盗難にあったと判断した場合には、自車102が盗難にあった旨の盗難情報を作成し、送信側制御部56に出力し続ける。
【0087】
ここで、自車102が盗難にあったかどうかの判断は、具体的には以下のように行う。
【0088】
即ち、GPS情報作成部50から与えられたGPS情報50aに基づいて、イモビライザ本体部52から照合完了情報が与えられない状態で自車位置が変化したと判断した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。なお、この場合としては、例えば、自車102がトレーラー等により運ばれている場合等が考えられる。
【0089】
また、自車102のエンジンが作動しているかどうかを検知し、イモビライザ本体部52から照合完了情報が与えられない状態でエンジンの作動を検知した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。
【0090】
また、自車102のドアが不正に開けられたかどうかを検知し、ドアが不正に開けられたことを検知した場合には、自車102が盗難にあったと判断する。なお、この場合としては、例えば、ドアロックが解除されていない状態でドアが開けられた場合等がある。
【0091】
車載側送信部54は、送受共用部54aと、受信部54bと、送信部54cと、周波数シンセサイザ54dと、を備えている。
【0092】
送受共用部54aは、送受用アンテナ54eを備えており、当該送受用アンテナ54eを用いて、図1に示す公衆電話網104から情報を取得して、受信部54bに出力する。
【0093】
また、送信部54cから与えられた情報を送受用アンテナ54eを用いて公衆電話網104に出力する。
【0094】
受信部54bは、送受共用部54aから与えられる情報を、後述する周波数シンセサイザ54dが当該情報の使用チャンネルを認定した後、通信エリア内外判断処理部55または送信側制御部56に出力する。
【0095】
即ち、当該情報がサービスセンタ103から与えられる接続確認情報である場合には、当該情報を通信エリア内外判断処理部に出力し、当該情報が接続確認情報以外の情報である場合には、当該情報を送信側制御部56に出力する。
【0096】
送信部54cは、送信側制御部56から与えられた情報を、後述する周波数シンセサイザ54dが当該情報の使用チャンネルを認定した後、送受共用部54aに出力する。
【0097】
周波数シンセサイザ54dは、送信側制御部56が送信部54cに出力した情報と、送受共用部54aが受信部54bに出力した情報と、の使用チャンネルを認定する。
【0098】
通信エリア内外判断処理部55は、送信側制御部56から呼出情報(後述する)を与えられた場合には、図1に示す自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するかどうかを、以下のように判断する(位置判断)。
【0099】
即ち、通信エリア内外判断処理部55は、受信部54bから接続確認情報を与えられている場合には、自車102がサービスセンタの通信可能範囲内に位置すると判断する。この場合、送受共用部54aがサービスセンタ103から公衆電話網104を介して当該接続確認情報を取得しているので、自車102はサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するといえるからである。
【0100】
一方、受信部54bから接続確認情報を与えられていない場合には、通信エリア内外判断処理部55は、自車102がサービスセンタ103の受信可能エリア内に位置しないと判断する。これは、以下の理由による。
【0101】
即ち、後述するように、送信側制御部56は、呼出情報を通信エリア内外判断処理部55と車載側送信部54とに出力するので、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した場合には、車載側送信部54が当該呼出情報をサービスセンタ103に出力することとなる。
【0102】
これにより、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、当該出力された呼出情報は、公衆電話網104を介してサービスセンタ103に与えられる。そして、当該呼出情報を与えられたサービスセンタ103は、上述したように、接続確認情報を常時出力する。
【0103】
よって、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した後において、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、送受共用部54aは、当該出力された接続確認情報を必ず取得することができる。
【0104】
逆に、通信エリア内外判断処理部55が位置判断を開始した後において、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置しない場合には、送受共用部54aは、当該出力された接続確認情報を取得することができない。
【0105】
以上により、通信エリア内外判断処理部55は、受信部54bから接続確認情報を与えられていない場合には、自車102がサービスセンタ103の受信可能エリア内に位置しないと判断する。
【0106】
そして、通信エリア内外判断処理部55は、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置すると判断した場合には、サービスセンタ103との間の通信が可能である旨の通信可能情報を作成して送信側制御部56に出力する。
【0107】
表示部57は、送信側制御部56から与えられた画像情報を表示する。
【0108】
音声出力部58はスピーカ58aを備えており、送信側制御部56から与えられた音声情報を当該スピーカ58aにて出力する。
【0109】
音声入力部59はマイク59aを備えており、当該マイク59aにて入力された音声情報(例えば、ダイヤル番号情報)を送信側制御部56に出力する。ここで、音声出力部58及び音声入力部59はハンドセットを構成する。
【0110】
キーボード60は、操作者による入力操作(例えば、ダイヤル番号情報の入力)により操作情報を作成し、送信側制御部56に出力する。
【0111】
送信側制御部56は、受信側制御実行部4から与えられた警報情報または警報停止情報に基づいて、サービスセンタ103を呼び出す旨の呼出情報を作成し、車載側送信部54と通信エリア内外判断処理部55とに出力する。
【0112】
また、送信側制御部56は、通信エリア内外判断処理部55から与えられた通信可能情報に基づいて、所定の処理を行う。具体的には、後述する。
【0113】
また、送信側制御部56は、以下のように、通常の自動車電話や経路誘導装置としての制御も行う。
【0114】
例えば、送信側制御部56は、音声入力部59やキーボード60を通信回線に接続する。そして、送信側制御部56は、音声入力部59やキーボード60から与えられたダイヤル番号情報に基づいて、当該ダイヤル番号に対応する電話を呼び出す旨の電話情報を作成し、車載側送信部54に出力する。
【0115】
また、送信側制御部56は、音声出力部58を通信回線に接続し、車載側送信部54から与えられた音声情報を音声出力部58に出力する。
【0116】
また、送信側制御部56は、GPS情報作成部50から与えられたGPS情報に基づいて、図示しない地図データベースから自車位置を含む地図データを取得し、当該取得された地図データを表示部57に出力する。
【0117】
また、送信側制御部56は、経路誘導に関する音声情報を作成し、当該作成された音声情報を音声出力部58に出力する。
【0118】
また、送信側制御部56は、車速検知部51から車速情報51aを取得し、当該車速情報51aを表示部57に出力する。
【0119】
次に、車両用警報システム100処理の手順について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0120】
まず、図5に示すステップS1にて、図3に示す受信側制御部45は、復調部42から警報情報を与えられるまで待機する(ステップS1にてNO)。
【0121】
ここで、図1に示すリモコン2及びイグニッションキー(自車102のイグニッションキー)を携行する操作者が、自車102または自車102の周辺で発生した異常を発見して、警報釦20aを押下する。
【0122】
これにより、図2に示す警報釦処理部20が、警報釦情報を作成してリモコン制御部23に出力する。
【0123】
次いで、リモコン制御部23が、警報釦処理部20から与えられた警報釦情報に基づいて、IDコード記憶部22からリモコン側IDコード情報を取得し、当該リモコン側IDコード情報と警報釦情報とを含む警報情報を作成する。
【0124】
次いで、リモコン制御部23が、作成された警報情報を変調部26に出力すると共に、各種の情報を表示部24に表示する。
【0125】
次いで、変調部26が、リモコン制御部23から与えられた警報情報に基づいて、キャリア作成部25からリモコン側キャリアを取得し、当該リモコン側キャリアを用いて警報情報の変調を行う。
【0126】
次いで、変調部26は、当該変調された警報情報を送信部27に出力し、送信部27が、変調部26から与えられた警報情報を送信アンテナ26aを用いて図1に示す車載機3(具体的には、図3に示す受信側制御実行部4)に出力する。
【0127】
次いで、図3に示す受信部40が、リモコン2が出力した警報情報を受信アンテナ40aを用いて取得し、当該取得された警報情報を復調部42に出力する。
【0128】
次いで、復調部42が、受信部40から与えられた警報情報に基づいて、キャリア作成部41から車載機側キャリアを取得し、当該車載機側キャリアを用いて警報情報の復調を行う。
【0129】
次いで、復調部42は、当該復調された警報情報を受信側制御部45に出力する。
【0130】
次いで、受信側制御部45が、復調部42から与えられた警報情報を図4に示す送信側制御実行部5(具体的には、送信側制御部56)に出力する。
【0131】
次いで、受信側制御実行部4が図5に示すステップS2以降の処理を行う一方で、送信側制御実行部5等がステップS17以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS2以降の処理について説明する。
【0132】
即ち、ステップS2にて、図3に示す受信側制御部45が上述した警報制御処理を行う。
【0133】
即ち、受信側制御部45は、接続情報を作成してスタータカットリレー47aに出力し、エンジン始動情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力する。
【0134】
また、受信側制御部45は、ドアロック解除情報を作成してドアロック制御部47cに出力し、燈火点滅情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力する。
【0135】
また、受信側制御部45は、ヘッドライト点滅情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力し、ホーン作動情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0136】
これにより、スタータカットリレー47aが、当該受信側制御部45から与えられた接続情報に基づいて、バッテリとセルモータとを接続する。
【0137】
次いで、エンジン始動制御部47bが、受信側制御部45から与えられたエンジン始動情報に基づいて、バッテリからセルモータに電力が供給されるように制御する。これにより、セルモータが回転する。
【0138】
次いで、エンジン始動制御部47bは、セルモータの回転を利用してエンジンを始動させ、受信側制御部45からエンジン停止情報を与えられるまでエンジンを作動させ続ける。これにより、操作者は、遠隔操作によりエンジンを始動させることができる。
【0139】
次いで、スタータカットリレー47aが、エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させたことを確認した後、バッテリとセルモータとの接続を解除する。
【0140】
エンジン始動制御部47bがエンジンを始動させる一方で、ステップS3にて、ドアロック制御部47cが、受信側制御部45から与えられたドアロック解除情報に基づいて、ドアロックを解除する。そして、ドアロック制御部47cは、受信側制御部45からドアロック情報を与えられるまで、ドアロックを解除状態にしておく。
【0141】
ドアロック制御部47cがドアロックを解除する一方で、ステップS4にて、フラッシャ制御部47dが、受信側制御部45から与えられた燈火点滅情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる。そして、フラッシャ制御部47dは、受信側制御部45から燈火点滅停止情報を与えられるまで、燈火102aを点滅させ続ける。
【0142】
さらに、ヘッドライト制御部47eが、受信側制御部45から与えられたヘッドライト点滅情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる。そして、ヘッドライト制御部47eは、受信側制御部45からヘッドライト点滅情報を与えられるまで、ヘッドライト102bを点滅させ続ける。
【0143】
さらに、ホーン警報制御部47fが、受信側制御部45から与えられたホーン作動情報に基づいて、ホーンを鳴らす。そして、ホーン警報制御部47fは、受信側制御部45からホーン作動停止情報を与えられるまで、ホーンを鳴らし続ける。
【0144】
ステップS5にて、受信側制御部45は、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、測定時間を第一の所定時間(当該所定時間については、予め定められる)に設定する。
【0145】
ステップS6にて、受信側制御部45が、図1に示す自車102のドアが開けられたかどうかを判断する。
【0146】
この結果、受信側制御部45が、ドアが開けられていると判断した場合には、図1に示す受信側制御実行部4は、ステップS7以降の処理を行う。
【0147】
一方、受信側制御部45が、ドアが開けられていないと判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS14以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS14以降の処理を行う。
【0148】
即ち、ステップS14にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられたかどうかを確認する。
【0149】
この結果、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられていないことを確認した場合(ステップS14にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS6以降の処理を繰り返す。
【0150】
一方、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、受信側制御実行部4は、後述するステップS15以降の処理を行う。
【0151】
一方、上述したステップS6にて、受信側制御部45が、ドアが開けられていると判断した場合には、ステップS7にて、受信側制御部45が、タイマ46に時間の測定を終了させると共に、エンジンが作動しているかどうかを判断する。
【0152】
この結果、受信側制御部45が、エンジンが作動していないと判断した場合(ステップS7にてNO)には、受信側制御実行部4は、本処理を終了する。なお、この場合としては、操作者がリモコン2の停止釦21aを押下した場合がある。具体的には、後述する。
【0153】
一方、受信側制御部45が、エンジンが作動していると判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS8以降の処理を行う。
【0154】
ステップS8にて、受信側制御部45は、タイマ46に時間の測定を開始させると共に、測定時間を第二の所定時間(当該所定時間については、予め定められる)に設定する。
【0155】
ステップS9にて、受信側制御部45が、操作者によるイグニッションの投入があったかどうかを判断する。
【0156】
この結果、受信側制御部45が、イグニッションの投入があったと判断した場合には、受信側制御実行部4は、ステップS10以降の処理を行う。
【0157】
一方、受信側制御部45が、イグニッションの投入がなかったと判断した場合(ステップS9にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS13以降の処理を行う。そこで、まず、ステップS13以降の処理について説明する。
【0158】
即ち、ステップS13にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられたかどうかを確認する。
【0159】
次いで、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられていないことを確認した場合(ステップS13にてNO)には、受信側制御実行部4は、ステップS9以降の処理を繰り返す。
【0160】
一方、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、受信側制御実行部4は、後述するステップS15以降の処理を行う。
【0161】
一方、上述したステップS9にて、受信側制御部45が、イグニッションの投入があったと判断した場合には、ステップS10にて、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられるまで待機する(ステップS10にてNO)。
【0162】
次いで、受信側制御部45は、タイマ46から時間経過情報を与えられた後、ステップS11にて、警報停止制御処理を行う。
【0163】
具体的には、受信側制御部45は、エンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力すると共に、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0164】
また、受信側制御部45は、燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力すると共に、ヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0165】
また、受信側制御部45は、ホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0166】
これにより、ドアロック制御部47cが、受信側制御部45から与えられたドアロック情報に基づいて、ドアをロックする。
【0167】
また、フラッシャ制御部47dが、受信側制御部45から与えられた燈火点滅停止情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる処理を終了する。
【0168】
また、ヘッドライト制御部47eが、受信制御部45から与えられたヘッドライト点滅停止情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる処理を終了する。
【0169】
また、ホーン警報制御部47fが、受信制御部45から与えられたホーン作動停止情報に基づいて、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0170】
一方、エンジン始動制御部47bは、受信制御部45からエンジン停止情報を与えられるが、操作者によりイグニッションが投入されているので、ステップS12にて、エンジンを作動させ続ける。
【0171】
一方、上述したステップS13またはステップS14にて、受信側制御部45が、タイマ46から時間経過情報を与えられたことを確認した場合には、ステップS15にて、当該受信側制御部45は、警報停止制御処理を行う。
【0172】
具体的には、受信側制御部45は、エンジン停止情報を作成してエンジン始動制御部47bに出力すると共に、ドアロック情報を作成してドアロック制御部47cに出力する。
【0173】
また、受信側制御部45は、燈火点滅停止情報を作成してフラッシャ制御部47dに出力すると共に、ヘッドライト点滅停止情報を作成してヘッドライト制御部47eに出力する。
【0174】
また、受信側制御部45は、ホーン作動停止情報を作成してホーン警報制御部47fに出力する。
【0175】
これにより、エンジン始動制御部47bは、受信制御部45から与えられたエンジン停止情報に基づいて、エンジンを停止する。
【0176】
また、ステップS16にて、ドアロック制御部47cが、ステップS15にて受信側制御部45から与えられたドアロック情報に基づいて、ドアをロックする。
【0177】
また、フラッシャ制御部47dは、ステップS15にて受信側制御部45から与えられた燈火点滅停止情報に基づいて、図1に示す燈火102aを点滅させる処理を終了する。
【0178】
また、ヘッドライト制御部47eは、ステップS15にて受信制御部45から与えられたヘッドライト点滅停止情報に基づいて、図1に示すヘッドライト102bを点滅させる処理を終了する。
【0179】
また、ホーン警報制御部47fは、ステップS15にて受信制御部45から与えられたホーン作動停止情報に基づいて、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0180】
そして、受信側制御実行部4は、上述したステップS12またはステップS16の処理を行った後、当該受信側制御実行部4における処理を終了する。
【0181】
一方、上述したステップS1にて、受信側制御部45から警報情報を与えられた送信側制御実行部5と、図1に示すサービスセンタ103と、公衆電話網104と、(以下、「送信側制御実行部5等」と称する)は、ステップS17以降の処理を行う。
【0182】
即ち、ステップS17にて、図4に示す送信側制御部56が、受信側制御部45から与えられた警報情報に基づいて、呼出情報を作成し、車載側送信部54(具体的には、送信部54c)と通信エリア内外判断処理部55とに出力する。
【0183】
次いで、周波数シンセサイザ54dが、送信部54cに出力された呼出情報の使用チャンネルを認定する。
【0184】
次いで、送信部54cが、使用チャンネルの認定された呼出情報を、送受共用部54aに出力し、送受共用部54eが、送信部54cから与えられた呼出情報を図1に示す公衆電話網104に出力する。
【0185】
ここで、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合、当該呼出情報は、公衆電話網104を介してサービスセンタ103に出力される。
【0186】
そして、当該呼出情報を与えられたサービスセンタ103は、接続確認情報を作成し、当該接続確認情報を公衆電話網104を介して自車102に常時出力する。
【0187】
したがって、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置する場合には、送受共用部54aが当該サービスセンタ103から与えられた接続確認情報を取得する。そして、当該取得された接続確認情報は、受信部54bを介して通信エリア内外判断処理部55に出力される。
【0188】
次いで、ステップS18にて、通信エリア内外判断処理部55が、図1に示す自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置するかどうかを判断する。
【0189】
この結果、通信エリア内外判断処理部55が、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置しないと判断した場合(ステップS18にてNO)には、送信側制御実行部5等は、ステップS17以降の処理を繰り返す。
【0190】
一方、通信エリア内外判断処理部55が、自車102がサービスセンタ103の通信可能エリア内に位置すると判断した場合には、送信側制御実行部5等は、ステップS19以降の処理を行う。なお、この場合、自車102からサービスセンタ103までの回線(以下、「通信回線」と称する)が接続されたこととなる。
【0191】
次いで、ステップS19にて、通信エリア内外判断処理部55は、通信可能情報を作成して送信側制御部56に出力する。
【0192】
次いで、送信側制御部56は、通信エリア内外判断処理部55から通信可能情報を与えられた後、自車または自車周辺に異常が発生した旨の緊急情報を作成する。
【0193】
次いで、当該作成された緊急情報と、GPS情報作成部50から常時与えられているGPS情報と、を含む緊急通報情報を車載側送信部54(具体的には、送信部54c)に出力する。
【0194】
次いで、周波数シンセサイザ54dが、送信部54cに出力された緊急通報情報の使用チャンネルを認定する。
【0195】
次いで、送信部54cが、使用チャンネルの認定された緊急通報情報を送受共用部54aに出力する。
【0196】
次いで、送受共用部54eが、送信部54cから与えられた緊急通報情報を図1に示す公衆電話網104を介してサービスセンタ103に出力する。
【0197】
次いで、ステップS20にて、送信側制御部56は、通話を要求する旨の音声切り換え情報を作成して、車載側送信部54に出力する。
【0198】
次いで、車載側送信部54は、ステップS19と同様に、送信側制御部56から与えられた音声切り換え情報をサービスセンタ103に出力する。
【0199】
ステップS21にて、送信側制御部56は、ハンドセットを構成する音声出力部58及び音声入力部59を通信回線に接続する。
【0200】
送信側制御実行部5が上述したステップS19〜ステップS21の処理を行う一方で、サービスセンタ103は、以下の処理を行う。
【0201】
即ち、サービスセンタ103は、ステップS19にて車載側送信部54から与えられた緊急通報情報に基づいて、自車102または自車102の周辺に異常が発生したこと及び自車102の位置を認識する。
【0202】
さらに、サービスセンタ103は、ステップS20にて車載側送信部54から与えられた音声切り換え情報に基づいて、図示しないマイク及びスピーカを通信回線に接続する。これにより、自車102の乗員、例えば操作者と通話が可能となる。
【0203】
次いで、ステップS22にて、操作者が、必要に応じて自車102を運転して適当な場所に移動させた後、ハンドセットを用いて、サービスセンタ103のオペレータと通話する。
【0204】
次いで、サービスセンタ103は、当該通話の内容に応じて、適切なサービス(例えば、自車102の追跡、警察への通報、救急車の派遣、及びレッカー車の派遣(故障サービス)等)を行う。
【0205】
ステップS23にて、送信側制御部56及びサービスセンタ103は、通話が終了した後、通信回線を開放する。
【0206】
次いで、送信側制御実行部5等は、当該送信側制御実行部5等における処理を終了する。
【0207】
なお、図1に示す車両用警報システム100は、上述したステップS1〜ステップS23の処理を行っている間に操作者が停止釦21aを押下した場合には、以下の処理を行う。
【0208】
即ち、リモコン2が、上述したステップS1と同様の処理を行うことで、警報停止情報を作成して図3に示す受信側制御実行部4に出力する。
【0209】
次いで、受信側制御実行部4は、リモコン2から与えられた警報停止情報を、ステップS1と同様の処理を行うことで、図4に示す送信側制御実行部5に出力する。
【0210】
一方、受信側制御実行部4は、リモコン2から与えられた警報停止情報に基づいて、上述したステップS15〜ステップS16と同様の処理を行う。
【0211】
即ち、受信側制御実行部4は、エンジンを作動する処理を終了する。なお、操作者が停止釦21aを押下した時点で、エンジンが作動していない状態であれば、受信側制御実行部4は当該状態を維持する。
【0212】
さらに、受信側制御実行部4は、同様に、図1に示す燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させる処理を終了すると共に、ホーンを鳴らす処理を終了する。
【0213】
なお、操作者が停止釦21aを押下した時点で、燈火102a、及びヘッドライト102bが点滅していない状態であれば、受信側制御実行部4は当該状態を維持する。また、当該時点で、ホーンが鳴っていない状態であれば、受信側制御実行部4は、当該状態を維持する。
【0214】
一方、送信側制御実行部5は、受信側制御実行部4から与えられた警報停止情報に基づいて、上述したステップS17と同様の処理を行うことで、呼出情報を作成してサービスセンタ103に出力する。これにより、サービスセンタ103は、当該呼出情報を与えられた場合(即ち、通信回線が接続された場合)には、接続確認情報を自車102に常時出力する。
【0215】
次いで、通信回線が接続された場合には、送信側制御実行部5は、ステップS19と同様の処理を行うことで、通報を停止する旨の通報停止情報を作成してサービスセンタ103に出力する。
【0216】
次いで、サービスセンタ103は、送信側制御実行部5から与えられた通報停止情報に基づいて、それまで行っていたサービスを終了する。
【0217】
次いで、送信側制御実行部56及びサービスセンタ103は、上述したステップS23と同様の処理を行うことで、通信回線を開放する。
【0218】
以上により、本実施の形態では、リモコン2を携行する操作者が、自車102または自車周辺で発生した異常を発見し、リモコン2の警報釦20aを押下すると、車両用警報装置1は以下の処理を行う。
【0219】
即ち、車両用警報装置1は、自車102のエンジンを始動し、燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させる。さらに、車両用警報装置1は、ホーンを鳴らし、かつ、ドアロックを解除する。さらに、車両用警報装置1は、サービスセンタ103に緊急通報情報を出力する。
【0220】
これにより、車両用警報装置1は、自車102または自車102の周辺で異常が発生した際には、自車102を運転可能な者(即ち、操作者等)は、自車102に搭乗した後、迅速に自車102を発進させることができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0221】
言い換えれば、自車102を運転可能な者は、当該異常が発生した場所から自車102と共に迅速に脱出することができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0222】
したがって、車両用警報装置1は、自車102または自車102の周辺で異常が発生した際には、自車102に乗員がいない間であっても、操作者がその場から自力で脱出するための準備をすることができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0223】
さらに、車両用警報装置1は、燈火102a及びヘッドライト102bを点滅させ、且つ、ホーンを鳴らすので、異常が発生した旨を周囲に報知することができる(請求項1記載の発明に対応する効果)。
【0224】
さらに、車両用警報装置1は、ドアロックを解除するので、自車102を運転可能な者は、ドアロックを解除することなく自車102に搭乗することができる(請求項2記載の発明に対応する効果)。
【0225】
したがって、自車102を運転可能な者は、ドアロックが解除されていない場合に比して、より迅速に自車102に搭乗することができる(請求項2記載の発明に対応する効果)。
【0226】
さらに、車両用警報装置1は、サービスセンタ103に緊急通報情報を出力するので、サービスセンタ103は、車両用警報装置1から与えられた緊急通報情報に基づいて各種のサービスを行うことができる(請求項3記載の発明に対応する効果)。
【0227】
即ち、車両用警報装置1は、操作者による遠隔操作により、サービスセンタ103への通報を行うことができるので、当該通報を迅速に行うことができる(請求項3記載の発明に対応する効果)。
【0228】
また、車両用警報装置1は、ステップS13またはステップS14にてNOの場合には、警報停止制御処理を行うので、自車102の消費電力を抑えることができる。ここで、車両用警報装置1は、ステップS14にてNOの場合には、当該警報停止制御処理によりエンジンも停止させるので、自車102の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用警報システムの構成を示した説明図である。
【図2】車両用警報装置が備える携帯機の構成を示したブロック図である。
【図3】車両用警報装置が備える車載機の一部の構成を示したブロック図である。
【図4】車両用警報装置が備える車載機の一部の構成を示したブロック図である。
【図5】車両用警報システムによる処理の手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用警報装置
2 リモコン(携帯機)
3 車載機
4 受信側制御実行部
5 送信側制御実行部
27 送信部(携帯側送信手段)
47a スタータカットリレー(エンジン始動手段)
47b エンジン始動制御部(エンジン始動手段)
54 車載側送信部(車載側送信手段)
100 車両用警報システム
102a 燈火(出力手段)
102b ヘッドライト(出力手段)
103 サービスセンタ(基地局)
Claims (3)
- 自車または自車周辺に異常が発生した旨の警報を出力する出力手段と、自車のエンジンを始動させるエンジン始動手段と、を制御する車両用警報装置において、
自車に搭載される車載機と、操作者が携行する携帯機と、を備え、
前記携帯機は、前記車載機に警報情報を出力する携帯側送信手段を備え、
前記車載機は、前記携帯機から前記警報情報を与えられた際には、前記警報を出力し、且つ、自車のエンジンを始動させるよう制御することを特徴とする車両用警報装置。 - 請求項1記載の車両用警報装置において、
前記車載機は、前記携帯機から前記警報情報を与えられた際には、自車に搭載されるドアロックを解除するよう制御することを特徴とする車両用警報装置。 - 請求項1または2記載の車両用警報装置において、
前記車載機は、基地局との間の通信が可能な車載側送信手段を備え、前記携帯機から前記警報情報を与えられた際には、前記基地局に緊急通報情報を出力することを特徴とする車両用警報装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2002
- 2002-06-13 JP JP2002172943A patent/JP2004019492A/ja active Pending
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