JP2004016673A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】趣向を持つ報知を行って、遊技者にとっての魅力を高めた遊技機を提供する。
【解決手段】リバースタイム抽選に当選すると、3個のリールに対して「逆押し」の停止操作を行うことによって、ベル小役が高頻度で揃う「リバースゲーム」を実行することが可能となる。リバースタイム抽選では、BB,RBの内部当選状態によって確率の異なる抽選を実行して、リバースゲームの実行回数を決定する。これによりボーナス非当選時のリバースゲームは5回で終了するが、RB当選時には、10回のリバースゲームを実行することができる。さらに10回を超えるリバースゲームを実行することによって、BB当選であることが報知される。
【選択図】 図7
【解決手段】リバースタイム抽選に当選すると、3個のリールに対して「逆押し」の停止操作を行うことによって、ベル小役が高頻度で揃う「リバースゲーム」を実行することが可能となる。リバースタイム抽選では、BB,RBの内部当選状態によって確率の異なる抽選を実行して、リバースゲームの実行回数を決定する。これによりボーナス非当選時のリバースゲームは5回で終了するが、RB当選時には、10回のリバースゲームを実行することができる。さらに10回を超えるリバースゲームを実行することによって、BB当選であることが報知される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゲームの進行を制御するコンピュータを備えた遊技機に関する。特にこの発明は、複数種の遊技モードを選択して実行することが可能な遊技機、および複数列の図柄を変動表示した後に各変動表示を停止させて、停止表示された図柄の組合せにより勝敗を決するようにした遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ制御による遊技機では、入賞を成立させるか否かや、大当たり状態のような特別遊技に移行するか否かを、所定のアルゴリズムに基づき制御するようにしている。
たとえばスロットマシンでは、一般に、複数種の小役入賞のほかに、ビッグボーナス(BB),レギュラーボーナス(RB)と賞される大当たり状態に移行する入賞(以下、「ボーナス入賞」と総称する。)が設定されており、これらの入賞のいずれかを成立させるか否かを抽選により決定している。スロットマシンで入賞を構成する図柄組合せは、「役」と呼ばれており、前記抽選では、各種の役にそれぞれ所定の確率で当選するように設定されている。ここでいずれかの役に当選すると、その当選状態を示すフラグ(以下、「当選フラグ」という。)がセットされ、以下の停止操作において、前記当選した役に対応する図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御が実行される。
【0003】
さらに近年のスロットマシンでは、引き分け図柄の組合せ(リプレイ)を頻発させて再ゲームを提供する遊技モードや、当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなど、種々の遊技モードが設定されている。これらの遊技モードについても、抽選によりその遊技モードに移行するか否かを決定するようにしている。
【0004】
またスロットマシンでは、遊技者の期待感を高めるために、役または遊技モードへの当選または当選の可能性を報知するようにしている。たとえば前記ボーナス入賞を構成する図柄組合せへの当選状態(以下、「ボーナス当選」という。)を示す当選フラグについては、この図柄組合せが成立するまでフラグを維持するとともに、このフラグが維持されている状態を示す「フラグ告知」を実行するようにしている。またボーナス以外の遊技モードについて、そのモードを開始する前に、音声や電飾などによる予告演出を行うスロットマシンも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスロットマシンでは、ランプの点灯や効果音の出力などによるフラグ告知を行っているが、これらの告知は、ボーナス当選の有無を示すだけのものであり、実際のボーナス入賞が成立するまでに遊技者の高揚感を徐々に高めるような報知を行うことは困難である。この問題は、ボーナス以外の遊技モードにかかる予告報知についても同様である。
【0006】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、所定の遊技モードの開始を予告したり、遊技モードが開始される可能性を示すための報知として、遊技者に種々の反応を惹き起こすことが可能な趣向を持つ報知を行って、遊技者にとっての魅力を高めた遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
またこの発明は、複数種の表示器で図柄を変動表示させた後に各変動表示を順に停止させるゲームを実行する遊技機において、変動表示の停止時に所定の図柄組合せによる入賞が成立する可能性を報知する場合に、その入賞が成立するまでの間に遊技者の高揚感を徐々に高めながら報知できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる第1の遊技機は、複数種の遊技モードのいずれかを選択して実行することが可能な遊技機であって、選択された遊技モードを実行するより前に、前記選択対象の複数種の遊技モードとは異なる特別の遊技モードを実行するとともに、この特別の遊技モードの態様によって遊技モードの選択結果を所定の信頼度で報知するようにしたことを特徴とする。
【0009】
遊技モードの選択は、コンピュータ内での抽選処理により行うのが望ましいが、これに限る必要はない。たとえば、あらかじめ各種遊技モードについて一定の法則に基づかないランダムな順序(遊技者に開示されていないことが前提となる。)、またはこの順序を導き出すための法則をメモリに記憶しておき、この記憶情報に基づき、実行する遊技モードを選択するようにしてもよい。
【0010】
上記の遊技機によれば、選択対象外の特別の遊技モードの態様によって、この遊技モードの終了後に選択対象の遊技モードのいずれが実行されるかが、所定の信頼度で報知される。なお報知の信頼度には任意の確率を設定することができるが、多数の遊技者がその報知を信頼するようになるだけの確率を担保するのが望ましい。
上記の報知によれば、遊技者は、特別の遊技モードによるゲームを実行しながら、その態様により、つぎにどの遊技モードが開始されるのかを推測することができ、つぎの遊技モードへの期待感を高めることができる。
【0011】
上記遊技機の好ましい一態様では、前記選択対象の複数種の遊技モードは、遊技者にとっての有利度がモードによって異なるものとなるように設定される。なお、有利度は、遊技モード中の入賞の成立回数,ゲームの実行回数,入賞により遊技者に払い出される遊技媒体などにより示すことができるが、必ずしも具体的な数字で示される必要はない。たとえば、「高,中,低」など相対的なランク付けにより有利度を示すようにしてもよい。
【0012】
上記の態様によれば、遊技者は、特別の遊技モードにおける態様が、有利度が高い遊技モードの開始を示唆するものであれば、期待感を大いに高めることができる。他方、特別の遊技モードにおける態様が、有利度が低い遊技モードの開始を示唆するものであれば、若干の失望感を味わうようになるなど、特別の遊技モードの態様によって遊技者に種々の反応を惹き起こすことができる。
【0013】
さらに上記遊技機の他の好ましい態様では、前記選択された遊技モードによって特別の遊技モードにおけるゲーム実行回数を変動するようにしている。たとえば選択されている遊技モードの有利度が高くなるほど、特別の遊技モードのゲーム実行回数が多くなるように設定すれば、遊技者はこの特別の遊技モードが長く継続するほど、有利度の高い遊技モードが開始されることへの期待感を高めるようになる。一方、特別の遊技モードが遊技者の期待に反して早く終了した場合には、若干の失望感を味わうようになる。
【0014】
選択された遊技モードによって変化させる特別の遊技モードの態様は、ゲーム実行回数に限らず、たとえば所定回数のゲーム内における特定役の入賞回数や成立する入賞の種類を変動させるようにしてもよい。なお、いずれの態様を変化させる場合も、必ずしも100パーセントの信頼性を持つ報知が行われるようにする必要はなく、所定の頻度で「ダミー」の報知が行われるように設定してもよい。
【0015】
この発明にかかる第2の遊技機は、図柄を変動表示することが可能な複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行するもので、前記抽選結果に応じた図柄組合せが停止表示されるゲームを実行する前に特別の遊技モードを実行するとともに、前記抽選により所定の図柄組合せに当選している可能性をこの特別の遊技モードの態様により報知するようにしたことを特徴とする。
【0016】
前記の表示器は、たとえば複数種の図柄が配列された単一のリールと、このリールを回転させる駆動機構とにより構成することができる。または各図柄の画像を表示することが可能な表示パネルにより構成することもできる。なお表示パネルを用いる場合には、前記複数個の表示器をそれぞれ個別のパネルにより構成することもできるが、1枚のパネル上に複数の表示領域を設けて、これらの表示領域を各表示器として機能させるようにしてもよい。各表示器は、少なくとも1個の図柄を表示できる大きさにすれば良いが、停止表示時に複数個の図柄を表示できる大きさに形成されるのが望ましい。
【0017】
抽選処理は、遊技機の制御部(コンピュータ)内に、抽選テーブルおよび抽選処理用のプログラムを組み込むことによって実行することができる。前記第2の遊技機では、この抽選で所定の図柄組合せに当選すると、この当選した図柄組合せが表示されるように各表示器の変動表示を停止させるタイミングを制御する。なお、スロットマシンのように、停止操作から変動表示を停止させるまでの時間に制限が設けられる遊技機では、当選した図柄組合せを表示できない場合もある。
【0018】
前記の抽選処理は、各表示器での図柄の変動表示が開始される直前または直後に行われるのが望ましいが、これに限らず、所定の図柄組合せへの当選を示すフラグを入賞が成立するまで維持する場合には、このフラグが維持されている間は抽選処理をスキップするようにしてもよい。これは後記する第3の遊技機についても同様である。
【0019】
上記の遊技機では、たとえば特別の遊技モードについて、所定の図柄組合せに当選している可能性が高いことを示唆する態様と、前記図柄組合せに当選している可能性が低いことを示唆する態様との2種類を設定し、抽選の結果に応じていずれかの態様による特別の遊技モードを実行することができる。また3種類以上の態様を設定して、前記当選の可能性を段階的に報知することもできる。
このような設定によれば、特別の遊技モードでいずれの態様が出現するかによって、遊技者の反応を異なるものにすることができる。
【0020】
上記遊技機の好ましい一態様では、遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せについての当選可能性を、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードにより報知するようにしている。このような設定によれば、遊技者は、特別の遊技モードが開始されると、いずれの態様が出現するかに注目してゲームを行うようになる。ただしこの態様においても、100パーセントの報知を行う必要はなく、所定の確率で「ダミー」の報知を行うようにしてもよい。
【0021】
さらにこの発明にかかる第3の構成の遊技機は、前記第2の遊技機と同様の複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行し、少なくとも1種類の図柄組合せについてその当選を示すフラグを前記図柄組合せが成立するまで維持する。さらにこの遊技機は、所定の条件が成立したことに応じて特別の遊技モードを実行するとともに、前記フラグが維持されている可能性を前記特別の遊技モードの態様によって報知するようにしている。
【0022】
「当選を示すフラグの維持」とは、前記抽選において所定の図柄組合せに当選したことを示すフラグをオン状態に保つことを意味する。上記第3の遊技機では、前記所定の図柄組合せに当選すると、この図柄組合せが停止表示されるまでフラグが維持されるので、当選している図柄組合せを成立させるための制御をゲーム毎に実行することができる。
なお、この当選維持状態下で特別の遊技モードに移行したときは、この遊技モードによる制御を、前記当選した図柄組合せを成立させるための制御よりも優先させて行うのが望ましい。ただし所定の条件が成立したとき(たとえば、各変動表示を停止操作により終了させる場合に所定の順序で停止操作が行われたとき)に、当選した図柄組合せを成立させるための制御を優先させるようにしてもよい。
【0023】
特別の遊技モードを実行するための条件については、たとえば前記した抽選処理とは別に特別の遊技モードを実行するか否かを決めるための抽選を行い、この抽選に当選したことを前記条件にすることができる。このほか、特別の遊技モードに移行するための条件としては、通算のゲーム実行回数または入賞回数が所定値に達したこと、特定の入賞が成立したこと、前回の特別の遊技モードから所定時間が経過したことなど、種々の条件を設定することができる。これらの条件は、いずれも、前記フラグが維持されているか否かに左右されることなく設定することができるが、これに限らず、フラグが維持されているときと維持されていないときとで、異なる条件を設定するようにしてもよい。
【0024】
フラグを維持する対象となる図柄組合せは、前記したボーナス入賞用の図柄組合せのように、遊技者に通常よりも高い特典を提供できるものであるのが望ましい。またフラグを維持する対象の図柄組合せが1種類であれば、特別の遊技モードについては、この図柄組合せに対する当選状態が維持されている可能性が高いことを示唆する態様と、前記当選状態が維持されている可能性が低いことを示唆する態様との2種類を設定すれば良い。ただしこれに限らず、3種類以上の態様により、前記当選状態が維持されている可能性を段階的に示すようにしてもよい。
【0025】
上記の遊技機によれば、特別の遊技モードに移行したときに、このモードの態様によってフラグが維持されている可能性が報知されるから、遊技者は、フラグが維持されている可能性が高いことを示す態様の出現に期待しながら、特別の遊技モードにのぞむようになる。よって特別の遊技モードにおける態様によって、遊技者の反応を異なるものにすることができる。
【0026】
上記遊技機の好ましい一態様では、前記フラグを維持する対象として、遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せが設定されており、これらの図柄組合せにかかるフラグが維持されていることを、所定の信頼度で報知するために、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードを実行するようにしている。このようにすれば、遊技者は、特別の遊技モードにおけるゲームを実行しながら、そのゲーム態様によって、いずれのフラグが維持されているのかを推測することができる。なお、この態様における報知にも、100パーセントの信頼度をもたせる必要はなく、所定の割合で「ダミー」の報知を行うようにしてもよい。
【0027】
上記態様の遊技機では、たとえば報知対象のフラグによって特別の遊技モードにおけるゲーム実行回数を変動させるようにすることができる。この場合、各フラグに対応する入賞の有利度が高くなるほど、ゲーム実行回数が多くなるようにするのが望ましい。このような設定によれば、遊技者は、特別の遊技モードを実行しながら、このゲームが長く継続するようにとの期待感を高め、ゲームに集中するようになる。また成立する可能性のある入賞をわかりやすく報知することができる。
【0028】
上記した第2,第3の遊技機では、各表示器を、それぞれ遊技者の停止操作に応じて変動表示を停止するように設定するとともに、前記特別遊技モードにおいて、各表示器が所定の順序で停止操作されたことに応じて特定の入賞に関わる図柄組合せを停止表示させるゲームを実行することができる。なお、このように構成する場合には、あらかじめ特別の遊技モードにおける停止操作の順序を開示しておくのが望ましい。停止操作順序は1通りに限らず、複数とおり設定してもよい。また特別の遊技モードを開始する前に、所定の予告演出を行って、遊技者に停止操作の順序を意識させるのが望ましい。
【0029】
上記の遊技機によれば、遊技者は、特別の遊技モードにおいて、指定された順序で停止操作を行うことによって特定の入賞を得ることができるから、告知のための演出期間が長くなっても、ゲームに設定された数またはこれを超える数の遊技媒体やポイントを遊技者に獲得させることができる。なお遊技媒体やポイントの払出がなくとも、同じゲームをもう一度実行できるようにするゲーム結果(前記したスロットマシンのリプレイに相当する。)を、前記特定の入賞として出現させるようにしてもよい。
【0030】
上記第1〜3の各構成にかかる遊技機は、遊技者の停止操作に応じて図柄の変動表示を停止させるスロットマシン、または図柄の変動表示を自動停止させるパチンコ機として提供することができる。特に第1の遊技機をスロットマシンとして構成する場合、選択対象となる複数種の遊技モードには、前記したリプレイの入賞頻度を高めた遊技モードや、当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなど、態様の異なる複数種の遊技モードを含ませることができる。また入賞成立に応じて移行する大当たり状態(ビッグボーナス,レギュラーボーナスなど)を選択対象の遊技モードに含むこともできる。
なお、第1の遊技機は、図柄を変動表示するための表示器を持つ遊技機に限らず、入賞条件やゲームの内容などが異なる複数種の遊技モードを選択して実行することが可能な遊技機全般に適用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を、図2はその機体本体部の内部構造を示す。
図示例のスロットマシン1は、前面開口の機体本体部2の開口部に扉部3を組み付けて成る。機体本体部2の底部には、ホッパー6aを備えたメダル払出機6や電源ユニット10などが、さらにその上方に、リールブロック4や制御基板5などが、それぞれ配備される。なお、メダル払出機6を除く各部品は、機体本体部2の内面にビス止めされるが、メダル払出機6は、前方向にスライド可能に配備されている。また図中の14は、低音出力用のスピーカーであり、機体本体部2の後板に取り付けられている。
【0032】
前記リールブロック4は、樹脂製のフレーム7に3個のリール8a,8b,8cが組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cは、リール枠の外周面に複数の図柄(文字を模したシンボルを含む。)が配列された帯状テープを貼設して成るもので、駆動源となるステッピングモータ9a,9b,9cとともに前記リールブロック4に取り付けられる。
【0033】
前記扉部3は、金属製の枠体に3枚のパネル11,12,13などが組み付けられている。これらのパネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成される。
【0034】
上方の上部パネル12には、各種入賞の内容を示す情報として、シンボルの組合せや入賞時のメダルの払出枚数などが印刷され、下方の下部パネル13には、機種名などの情報が印刷される。
上部パネル12の両側には、効果音出力用のスピーカー15,15が設けられ、さらに上部パネル12の上方には、入賞成立や後記するリバースタイムの開始などを報知するための報知用ランプ16が設けられる。また下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
【0035】
中央の正面パネル11は、ゲームの進行状態を表示するエリアとして使用される。この正面パネル11の中央部には、無着色で透明のリール表示窓20が形成され、さらにこのリール表示窓20の下方には、貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23などが形成される。
【0036】
前記リール表示窓20は、前記リールユニット4に対向する位置に形成されており、図3に示すように、横方向の長さが3個のリール8a,8b,8cが外部から見えるように、また縦方向の長さがリールの停止時に3駒分のシンボルSが外部から見えるように、横に長い矩形状に形成される。なおこのスロットマシン1には、各シンボルの停止表示位置を結ぶように、水平方向に3本、斜め方向に2本、計5本の仮想の入賞ラインL1〜L5が設定される。これら入賞ラインL1〜L5は、メダルの賭け枚数に応じて有効化されるもので、賭け枚数が1枚のときは中央の入賞ラインL1が、賭け枚数が2枚のときは3本の水平な入賞ラインL1〜L3が、賭け枚数が3枚のときはすべての入賞ラインL1〜L5が、それぞれ有効化される。
【0037】
正面パネル11の裏側には、各入賞ラインL1〜L5に対応する5個の有効化ランプ29がリール表示窓20の片側に沿って配備されている。これらのランプ29の点灯状態は、正面パネル13の表側から視認可能であり、これにより遊技者は、有効な入賞ラインの数および位置を確認することができる。
さらに前記リール表示窓20を挟んで前記有効化ランプ29に対向する側に、3個の告知用ランプ37A,37B,37Cが縦一列に並べて配備される。これらの告知用ランプ37A,37B,37Cは、それぞれベル図柄による小役,スイカ図柄による小役,およびリプレイへの当選状態を報知するためのものである。
【0038】
前記貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23は、いずれも、7セグメントのLEDを用いた表示器である。貯留枚数表示器21には、後記するクレジットメダルの貯留枚数が、前記払出枚数表示器22には、ゲームにより入賞が成立したときに報賞として払い出されるメダルの枚数が、それぞれ表示される。役物用表示器23は、ボーナス入賞の成立に伴って役物ゲームと称される特別ゲームを実行する際に、期待できる入賞回数やゲーム実行回数などを表示するためのものである。
【0039】
正面パネル11と下部パネル13との間には、遊技のためのメダルを受け付けるメダル投入口24,各リール8a,8b,8cを一斉に回転させるための始動レバー25,各リール8a,8b,8cを個別に停止させるための停止釦スイッチ26a,26b,26cのほか、ベット釦スイッチ27,精算スイッチ28などのスイッチが配備される。
【0040】
前記ベット釦スイッチ27は、実物のメダルを投入する代わりに、電子データ形式で貯留されたクレジットメダルを引き落としてゲームに賭ける場合に使用されるもので、このベット釦スイッチ27の操作により、3枚のクレジットメダルが引き落としされる。精算スイッチ28は、クレジットメダルを精算して、メダル払出口17より払い出しさせるためのものである。なお、メダル投入口24より投入されるメダル数が3枚までであれば、これらのメダル数に応じた入賞ラインが有効化されてゲームを実行可能な状態が設定される。メダル投入口24に投入されたメダルが3枚を超えると、これらのメダルはクレジットメダルとして貯留される。
【0041】
図4は、前記スロットマシン1の電気的構成を示す。
図中、30は、このスロットマシン1の制御部であり、制御主体となるCPU31のほか、ROM32,RAM33の各メモリや乱数発生器34などが含まれる。なお、乱数発生器34は、後記する2種類の抽選処理を行う際に用いられる。またROM32には、プログラムのほかに、各リール8a,8b,8cの図柄配列を示す図柄配列テーブルや、各抽選についてそれぞれ当選に対応する乱数値を設定した抽選テーブルなどが格納される。
【0042】
前記制御部30には、バス35を介して各種入出力部が接続される。入力部としては、前記した機体前面の各種スイッチ(始動レバー25を含む。)のほか、メダル投入口24への投入メダルを検出するためのメダル検知センサ38などが接続される。また出力部としては、前記リールユニット4の各ステッピングモータ9a,9b,9cを駆動するリール駆動部36a,36b,36c,メダル払出機6,貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23,報知用ランプ16,3個の告知用ランプ37A,37B,37Cなどが接続される。
【0043】
なお、制御部30には、個別のCPUやメモリを具備する音声制御部39が接続される。この音声制御部39のメモリには、各種の効果音,演出用の楽曲,および告知用の音声などを出力するための音データが格納されている。音声制御部39のCPUは、制御部30からの指令に応じて所定の音データを選択し、これを前記スピーカー14,15から出力する。
【0044】
上記構成のスロットマシン1では、遊技者のゲーム開始操作がなされると、各リール8a,8b,8cを一斉始動するのに先立ち、制御部内で抽選を実行する。この抽選は、各入賞に対応する役を対象とするもので、「内部抽選」と呼ばれる。各役にはそれぞれ個別の当選フラグが用意されており、内部抽選でいずれかの役に当選すると、対応する当選フラグがオン設定される。(以下、この当選フラグをオン設定することを、「当選フラグをセットする。」という。)
【0045】
前記内部抽選に当選している場合には、各リール8a,8b,8cを停止させる際に、セットされた当選フラグに対応する図柄(以下、「当選図柄」という。)を入賞ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御を実行する。この当選図柄の引き込みのために滑らせることができる駒数には制限があり、リプレイを含む各小役用の当選フラグ(以下、「小役フラグ」という。)は、当選図柄が揃えられたか否かに関わらず、1ゲーム限りでリセットされる。一方、ボーナス入賞の図柄組合せに対応する当選フラグ(以下、「ボーナスフラグ」という。)は、当選図柄が揃うまで維持される。
【0046】
図5は、前記内部抽選に使用される抽選テーブルの設定例を示すもので、各役の種類とその役に当選する確率とを対応づけて示してある。図中のBB,RBは、ビッグボーナス,レギュラーボーナスの各大当たり状態に移行する図柄組合せを示す目的で使用している。(以下、このBB,RBへの内部当選をそれぞれ「BB当選」,「RB当選」と呼び、両者をまとめていう場合には「ボーナス当選」という。)
【0047】
「ベル」「スイカ」「チェリー」は、それぞれ小役を構成する図柄の名称であり、「リプレイ」は、再ゲーム入賞を意味する。なお、一般の小役のうち、「チェリー」は、左のリール8aにチェリー図柄が停止することにより成立するが、この停止位置が中央であるか上下位置であるかによって、「チェリーA」と「チェリーB」との2種の小役を設定している。
【0048】
この実施例のスロットマシン1では、前記内部抽選のほかに、「リバースタイム」と呼ぶ特別のゲームモードを実行するかどうかを決定するための抽選(以下、「リバースタイム抽選」と呼ぶ。)を実行するようにしている。一般にスロットマシンでは、左側のリール(図1でいうところのリール8a)が第1に停止操作されることが多いが、前記リバースタイムでは、右側のリール8cに対する停止操作を第1に行うことによって、ベル図柄による小役(以下、「ベル小役」という。)に高い確率で入賞するゲームを実行するようにしている(以下、このゲームを「リバースゲーム」と呼ぶ。)。
【0049】
なお、この実施例では、いずれのリール8a,8b,8cについても、ベル図柄を必ず引き込みできる間隔で配置しているが、リバースタイムに入るまでは、ベル図柄に当選しても、実際のベル図柄の引き込み制御は、1/7の確率でしか実行されないようにしている。
【0050】
図6は、前記リバースタイム抽選のための抽選テーブルの設定例を示す。このリバースタイム抽選は、リバースゲームの実行回数を決定する抽選として実行されるもので、「実行回数ゼロ」に当選した場合は、リバースタイムは実行されないことになる。またこのリバースタイム抽選では、BB当選時、RB当選時、およびいずれのボーナス当選も成立していないボーナス非当選時のそれぞれについて、当選確率を個別に設定するようにしている。
【0051】
図6の抽選テーブルによれば、BB当選時、RB当選時、ボーナス非当選時のいずれにおいても、それぞれ1/2(50%)の確率でリバースタイムが実行される。ただし、リバースゲームの実行回数は内部当選状態によって異なるものとなる。具体的には、BB当選時には、25回以上、最高100回までのリバースゲームを実行することが可能であるが、RB当選時のリバースゲームは10回となる。さらにボーナス非当選時のリバースゲームは、5回に限定される。
【0052】
上記の設定によれば、遊技者は、図7に示すように、リバースタイム開始後のリバースゲームの実行回数によって、BB当選,RB当選,ボーナス非当選の各状態を認識することができる。しかしながら、BB,RBのいずれかへの当選が確定する6回目のリバースゲームが実行されるまでの間、およびBBへの当選が確定する11回目のリバースゲームが実行されるまでの間、遊技者は当選の有無を把握できない不安定な状態におかれるから、リバースゲームの進行に応じて遊技者のハラハラ感,ドキドキ感を高めることができる。また6回目、11回目のリバースゲームが実行されたときは、遊技者に大きな喜びを与えることができる一方、リバースゲームが10回で終了した場合には、若干の失望感が惹き起こされ、さらにリバースゲームが5回で終了した場合には、大きな失望感が惹き起こされるなど、リバースタイムの終了,継続に対する遊技者の反応を、ゲーム実行回数によって大幅に異なるものにすることができる。
【0053】
ボーナスフラグのセットに応じてランプ点灯や音声出力などによる報知を開始する従来の「フラグ告知」では、ボーナスフラグが設定されたことが短絡的に示されるだけで、上記のように遊技者をハラハラ,ドキドキさせるような報知を行うことは困難である。
【0054】
また従来のスロットマシンには、リール停止時に、リーチ目またはパターン目となる図柄組合せを揃えたり、リールのバックライト照明により所定のパターンを出現させるような報知も行われているが、このような報知は初心者にはわかりづらく、熟練者を対象とした報知に限定される可能性が高くなる。これに対し、この実施例では、リバースゲームの実行回数によってボーナス当選の有無を容易に理解することができ、初心者までを報知の対象に含めることができる。
【0055】
つぎに図8〜11を用いて、上記スロットマシン1におけるゲーム制御の詳細を説明する。なお、図8は、1回分のゲームを実行するための制御手順であり、各ステップを「ST」と示す。また図9,10,11は、それぞれ前記図8のST2,7,9における詳細な制御手順であり、それぞれの手順におけるステップを、ST2.*,ST7.*,ST9.*(*は任意の数字)と示す。
また各リール8a,8b,8cに対する停止操作について、左のリール8aに対する停止操作を第1にした場合の停止操作(一般に、「左,中央,右」の順に行われる。)を「順押し」と総称し、右のリール8cに対する停止操作を第1にした場合の停止操作(一般に、「右,中央,左」の順に行われる。)を「逆押し」と総称することにする。
【0056】
図8において、ST1では、遊技者のゲーム開始操作に待機する。ここで前記したベット操作および始動レバー25の操作があると、ST2の内部抽選処理に進む。
【0057】
この内部抽選処理では、図9に示すように、ボーナスフラグがオン状態か否かによって処理内容が切り換えられる。すなわちボーナスフラグがオフであれば、前記図5の抽選テーブルを用いて全ての役を対象とした抽選を実行し、BBまたはRBに当選すると、その当選した役に対応するボーナスフラグをセットする(ST2.1〜ST2.4)。一方、既にBBまたはRB用のボーナスフラグがオン状態になっている場合には、ST2.1からST2.5に進み、小役のみを対象とした抽選を実行する。なお、この場合の抽選も、前記図5の当選確率に基づいて実行することができる。
【0058】
ST2.2またはST2.5のいずれかにおける抽選で、「ベル」以外の小役に当選すると、ST2.6が「NO」、ST2.11が「YES」となって、ST2.12に進み、当選した小役に対応する当選フラグをセットする。一方、ベル小役に当選した場合(ST2.6が「YES」)は、ST2.7において、前記ベル小役の当選フラグ(以下、「ベルのフラグ」という。)をセットした後に、続くST2.8において、ベル図柄を引き込みするか否かを決めるための抽選を実行する。このST2.8での抽選は、1/7の確率で当選が得られるように設定されており、当選すると、「ベル図柄の引き込みが可」であることを示すフラグ(以下、「引き込み可フラグ」という。)がセットされる(ST2.9,2.10)。
【0059】
このようにして内部抽選処理が終了すると、図8のメインルーチンに戻り、ST3において、カウンタNの値をチェックする。このカウンタNは、リバースゲームの実行設定回数を示すもので、N=0、すなわちリバースタイムに入っていない場合には、ST4に進んで、前記したリバースタイム抽選を実行する。
【0060】
このリバースタイム抽選については、詳細な手順は図示していないが、前記図6の抽選テーブルに基づき、BB,RBの各ボーナスフラグの設定状態に応じた抽選を実行する。さらにこの抽選により5回以上のゲーム実行回数に当選した場合には、そのゲーム実行回数により前記カウンタNの値を書き換える。
【0061】
リバースタイム抽選の後は、ST5において、各リール8a,8b,8cを始動させる。つぎのST6では、再度、カウンタNの値をチェックする。ここでN=0、すなわちリバースタイムを実行しない状態のままであれば、ST7に進んで、通常時のリール停止制御を実行する。
【0062】
この通常時リール停止制御では、停止釦スイッチ26a,26b,26cが操される都度、図10のST7.1〜ST7.12のループを実行することで、停止操作されたリールをそれぞれその時点での当選フラグの設定状態に応じた位置で停止させる。なお、この通常時リール停止制御は、各リール8a,8b,8cに対する停止操作がいずれの順序で行われても、引き込み対象の図柄の選択は、同様の条件で実行される。
【0063】
図10によれば、まずベルのフラグがオンの場合(ST7.2が「YES」)には、前記引き込み可フラグがオンであることを条件に、ベル図柄を対象とする引き込み制御を実行する(ST7.4,7.5)。またベル以外の小役フラグがオンの場合(ST7.3)には、そのセットされている小役フラグに対応する図柄(当選図柄)を対象に引き込み制御を実行する(ST7.9)。
【0064】
上記の小役図柄の引き込み制御は、BBまたはRBのいずれかのボーナスフラグがオンであっても、優先的に実行される。ボーナス図柄の引き込み制御は、各小役フラグがいずれもオフであるか、または前記ベルのフラグがオン状態で引き込み可フラグがオフになっているときに、実行される(ST7.6,7.7)。いずれの当選フラグもオフの場合には、ST7.8に進み、「はずれ」の図柄組合せを成立させるためのリール停止制御を実行する。
【0065】
通常時リール停止制御によりすべてのリール8a,8b,8cが停止すると、図8のメインルーチンに復帰し、ST11において入賞の有無をチェックする。ここで有効な入賞ライン上にいずれかの役が揃っていると、「入賞」と判定してST12に進み、その入賞に応じた数のメダルの払出を行う。さらに成立した入賞がボーナス入賞であれば、ST13が「YES」となり、図示しないボーナスゲーム処理用の制御に移行する。
【0066】
つぎに前記リバースタイム抽選で5回以上のゲーム実行回数に当選して前記カウンタNの値が書き換えられた場合には、リール始動後のST6の判定が「YES」となる。これにより、リバースタイムが開始され、ST8において、開始時の告知演出が行われる。
【0067】
前記ST8では、前記報知用ランプ16を点灯するとともに、『リバースゲーム・スタート』のような音声や効果音を出力し、その後も、所定の楽曲用の音データが出力されるように、前記音声制御部39を制御する。つぎに、ST9では、リバースゲーム時リール停止制御により、各リール8a,8b,8cを停止操作された順に停止させる。(この制御の詳細については、後述する。)
【0068】
前記リバースゲーム用リール停止制御により、すべてのリール8a,8b,8cが停止すると、つぎのST10で前記カウンタNをディクリメントし、ST11に進む。以下の手順は、リバースタイムに入っていないときと同様になる。
【0069】
続いて2回目以降のリバースゲームが開始されると、ST3の判定が「YES」となる。この「YES」判定がなされると、ST14に進むので、リバースタイム抽選は行われずに各リール8a,8b,8cが始動するようになる。つぎのST15では、リバースゲームが継続して行われることを示す告知演出を実行した後にST9に移行して、再びリバースゲーム用リール停止制御を実行する。この後は、1回目のゲームと同様に、ST10でカウンタNをディクリメント処理を実行し、しかる後にST11に進む。
このようにしてST4のリバースタイム抽選の結果に応じた数のリバースゲームが実行され、最後のリバースゲームにおいてST10のディクリメント処理後のNが0となると、つぎのゲームから再び通常時リール停止制御に復帰する。
【0070】
最後に図11を用いて、前記ST9のリバースゲーム用リール停止制御の詳細な手順を説明する。
この手順では、停止操作の都度、ST9.1〜ST9.14のループを実行することにより、停止操作順序が逆押しの場合と順押しの場合とで、異なる図柄を引き込み対象にしたリール停止制御を実行する。
【0071】
まず逆押しが行われた場合について説明する。ベルのフラグがオンの状態で逆押しが行われると、ST9.2,ST9.5がともに「YES」となってST9.8に進み、ベル図柄を対象とする引き込み制御が行われる。前記したようにベル図柄は必ず引き込み可能な位置に配備されているので、各リール8a,8b,8cにつき上記の制御が実行された場合には、ベル小役を必ず揃えることができる。またこの制御は、ベルのフラグとともにボーナスフラグがセットされている場合にも、同様に実行される。
【0072】
つぎにBBまたはRBのボーナスフラグとベル以外の小役フラグとが重複設定されている場合には、ST9.3,ST9.9,ST9.10が順に「YES」となってST9.12に進み、小役の方の当選図柄を対象とした引き込み制御を実行する。
ボーナスフラグが単独でセットされているときには、ST9.3が「YES」、ST9.9が「NO」となってST9.11に進み、ボーナス図柄を対象とする引き込み制御を実行する。
【0073】
ベル以外の小役フラグが単独でセットされている場合には、ST9.2,ST9.3が「NO」、ST9.4が「YES」となってST9.12に進み、当選図柄を対象とする引き込み制御を実行する。すべての当選フラグがオフである場合には、ST9.2〜ST9.4がいずれも「NO」となり、ST9.13において、はずれの図柄組合せを揃えるためのリール停止制御が行われる。
【0074】
つぎに順押しが行われた場合について説明する。
まずベルのフラグとボーナスフラグとが重複設定されている場合には、ST9.2が「YES」、ST9.5が「NO」、ST9.6が「YES」となってST9.11に進み、ボーナス図柄を対象とする引き込み制御を実行する。またベル以外の小役フラグとボーナスフラグとが重複設定されている場合には、ST9.3,ST9.9が「YES」,ST9.10が「NO」となり、同様にST9.11に進んで、ボーナス図柄を引き込む制御を実行する。ボーナスフラグが単独でセットされている場合には、逆押しの場合と同様に、ST9.3からST9.9を経てST9.11に進んで、ボーナス図柄を引き込む制御を実行する。
【0075】
ベルのフラグが単独でセットされている場合には、ST9.2が「YES」の後にST9.5,ST9.6がともに「NO」となり、以下、通常時リール停止制御の場合と同様に、引き込み可フラグがオンであることを条件として、ベル図柄を対象とする引き込み制御を実行する(ST9.7,ST9.8)。引き込み可フラグがオフであれば、ST9.7が「NO」となってST9.13に進み、はずれの図柄組合せを揃えるためのリール停止制御を実行する。
またベル以外の小役フラグが単独でセットされている場合には、逆押しの場合と同様に、ST9.4からST9.12に進み、前記フラグに対応する小役図柄を対象とする引き込み制御を実行する。
【0076】
上記のリバースゲーム時リール停止制御によれば、高い当選確率が設定されたベル小役に内部当選すると、逆押しに応じてこのベル小役が必ず成立するようになる。よってメインルーチンに復帰した後にST12のメダル払出処理が行われる確率が高められ、遊技者は、リバースゲームのために消費したメダル数またはこれを超える数のメダルを還元することができる。
【0077】
また上記のリバースゲーム時リール停止制御によれば、ボーナスフラグと小役フラグ(ベルのフラグを含む)とが重複設定されている場合に、遊技者が告知演出に逆らって順押しを行うと、ボーナス図柄を優先的に引き込んで、ボーナス入賞を成立させることができる。したがって遊技者は、リバースゲームの実行回数によりボーナス当選を認識したときなど、所定の時点で順押しを行って、ボーナス入賞を獲得することができる。
なお、前記図8には記載していないが、このようにリバースタイムの途中でボーナス入賞を成立させた場合は、ST13の「YES」判定後は、残りのリバースゲーム実行回数であるNをリセットしてからボーナスゲーム処理に進むのが望ましい。
【0078】
さらに上記の実施例では、リバースゲームにおいては、BBまたはRBのボーナスフラグについてのフラグ告知が100パーセントの確率で実行されるが、これに限らず、所定の頻度で「ダミー」の告知を行うようにしてもよい。また上記実施例では、リバースタイム中のゲーム実行回数によって報知の内容を表すようにしたが、これに限らず、入賞の成立可能回数や入賞確率を変動させるようにしてもよい。なお、入賞確率を変動させる場合には、BB当選,RB当選,ボーナス非当選のそれぞれにおいて、逆押しによって高い頻度で引き込みされる図柄が異なる図柄になるような設定を行うことが可能である。(たとえばBB当選時はベル図柄を、RB当選時はスイカ図柄を、ボーナス非当選時はチェリー図柄を、それぞれ最も多く引き込みされる図柄に設定するなど。)
【0079】
また上記のリバースゲームは、フラグ告知に限らず、所定の遊技モードが実行されることを予告する告知にも使用することができる。たとえば、再ゲームが頻発する遊技モードや当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなどの複数種の遊技モードを、抽選に応じて選択的に実行できるようにしている場合に、前記リバースゲームの実行回数によって選択された遊技モードの種類を報知するようにしてもよい。またこれらの遊技モードにかかる予告告知と前記したフラグ告知との両方にリバースタイムを使用し、告知の内容に応じてリバースタイムの態様を変動させるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
この発明では、特別の遊技モードの態様によって遊技モードの選択結果を所定の信頼度で報知するようにしたから、遊技者は、特別の遊技モードを実行しながら、その態様によって、この後のゲームの展開を推測することができる。したがって特別の遊技モードの間に、どの遊技モードが実行されるのかについて、遊技者のハラハラ感やドキドキ感を高めることができ、遊技モードの選択結果を単純に報知するよりも、趣向のある報知を行うことができる。
【0081】
さらにこの発明では、図柄を変動表示させた後に各変動表示を順に停止させるゲームを実行する遊技機において、所定の図柄組合せによる入賞が成立する可能性を特別の遊技モードの態様によって報知するようにしたから、特別の遊技モードの態様が明らかになるまで、入賞が成立するかどうかについて、遊技者のハラハラ感やドキドキ感を高めることができ、音声や照明などによる単純なフラグ告知にはない趣向のある報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す正面図である。
【図3】正面パネルの構成を示す正面図である。
【図4】スロットマシンの電気構成を示すブロック図である。
【図5】内部抽選用の抽選テーブルの設定例を示す説明図である。
【図6】リバースタイム抽選用の抽選テーブルの設定例を示す説明図である。
【図7】リバースタイムの態様と報知内容との関係を示す説明図である。
【図8】ゲーム実行にかかる制御手順を示すフローチャートである。
【図9】内部抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】通常時リール停止制御の手順を示すフローチャートである。
【図11】リバースゲーム時リール停止制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン
8a,8b,8c リール
9a,9b,9c ステッピングモータ
20 リール表示窓
26a,26b,26c 停止釦スイッチ
30 制御部
31 CPU
32 ROM
34 乱数発生器
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゲームの進行を制御するコンピュータを備えた遊技機に関する。特にこの発明は、複数種の遊技モードを選択して実行することが可能な遊技機、および複数列の図柄を変動表示した後に各変動表示を停止させて、停止表示された図柄の組合せにより勝敗を決するようにした遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ制御による遊技機では、入賞を成立させるか否かや、大当たり状態のような特別遊技に移行するか否かを、所定のアルゴリズムに基づき制御するようにしている。
たとえばスロットマシンでは、一般に、複数種の小役入賞のほかに、ビッグボーナス(BB),レギュラーボーナス(RB)と賞される大当たり状態に移行する入賞(以下、「ボーナス入賞」と総称する。)が設定されており、これらの入賞のいずれかを成立させるか否かを抽選により決定している。スロットマシンで入賞を構成する図柄組合せは、「役」と呼ばれており、前記抽選では、各種の役にそれぞれ所定の確率で当選するように設定されている。ここでいずれかの役に当選すると、その当選状態を示すフラグ(以下、「当選フラグ」という。)がセットされ、以下の停止操作において、前記当選した役に対応する図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御が実行される。
【0003】
さらに近年のスロットマシンでは、引き分け図柄の組合せ(リプレイ)を頻発させて再ゲームを提供する遊技モードや、当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなど、種々の遊技モードが設定されている。これらの遊技モードについても、抽選によりその遊技モードに移行するか否かを決定するようにしている。
【0004】
またスロットマシンでは、遊技者の期待感を高めるために、役または遊技モードへの当選または当選の可能性を報知するようにしている。たとえば前記ボーナス入賞を構成する図柄組合せへの当選状態(以下、「ボーナス当選」という。)を示す当選フラグについては、この図柄組合せが成立するまでフラグを維持するとともに、このフラグが維持されている状態を示す「フラグ告知」を実行するようにしている。またボーナス以外の遊技モードについて、そのモードを開始する前に、音声や電飾などによる予告演出を行うスロットマシンも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスロットマシンでは、ランプの点灯や効果音の出力などによるフラグ告知を行っているが、これらの告知は、ボーナス当選の有無を示すだけのものであり、実際のボーナス入賞が成立するまでに遊技者の高揚感を徐々に高めるような報知を行うことは困難である。この問題は、ボーナス以外の遊技モードにかかる予告報知についても同様である。
【0006】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、所定の遊技モードの開始を予告したり、遊技モードが開始される可能性を示すための報知として、遊技者に種々の反応を惹き起こすことが可能な趣向を持つ報知を行って、遊技者にとっての魅力を高めた遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
またこの発明は、複数種の表示器で図柄を変動表示させた後に各変動表示を順に停止させるゲームを実行する遊技機において、変動表示の停止時に所定の図柄組合せによる入賞が成立する可能性を報知する場合に、その入賞が成立するまでの間に遊技者の高揚感を徐々に高めながら報知できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる第1の遊技機は、複数種の遊技モードのいずれかを選択して実行することが可能な遊技機であって、選択された遊技モードを実行するより前に、前記選択対象の複数種の遊技モードとは異なる特別の遊技モードを実行するとともに、この特別の遊技モードの態様によって遊技モードの選択結果を所定の信頼度で報知するようにしたことを特徴とする。
【0009】
遊技モードの選択は、コンピュータ内での抽選処理により行うのが望ましいが、これに限る必要はない。たとえば、あらかじめ各種遊技モードについて一定の法則に基づかないランダムな順序(遊技者に開示されていないことが前提となる。)、またはこの順序を導き出すための法則をメモリに記憶しておき、この記憶情報に基づき、実行する遊技モードを選択するようにしてもよい。
【0010】
上記の遊技機によれば、選択対象外の特別の遊技モードの態様によって、この遊技モードの終了後に選択対象の遊技モードのいずれが実行されるかが、所定の信頼度で報知される。なお報知の信頼度には任意の確率を設定することができるが、多数の遊技者がその報知を信頼するようになるだけの確率を担保するのが望ましい。
上記の報知によれば、遊技者は、特別の遊技モードによるゲームを実行しながら、その態様により、つぎにどの遊技モードが開始されるのかを推測することができ、つぎの遊技モードへの期待感を高めることができる。
【0011】
上記遊技機の好ましい一態様では、前記選択対象の複数種の遊技モードは、遊技者にとっての有利度がモードによって異なるものとなるように設定される。なお、有利度は、遊技モード中の入賞の成立回数,ゲームの実行回数,入賞により遊技者に払い出される遊技媒体などにより示すことができるが、必ずしも具体的な数字で示される必要はない。たとえば、「高,中,低」など相対的なランク付けにより有利度を示すようにしてもよい。
【0012】
上記の態様によれば、遊技者は、特別の遊技モードにおける態様が、有利度が高い遊技モードの開始を示唆するものであれば、期待感を大いに高めることができる。他方、特別の遊技モードにおける態様が、有利度が低い遊技モードの開始を示唆するものであれば、若干の失望感を味わうようになるなど、特別の遊技モードの態様によって遊技者に種々の反応を惹き起こすことができる。
【0013】
さらに上記遊技機の他の好ましい態様では、前記選択された遊技モードによって特別の遊技モードにおけるゲーム実行回数を変動するようにしている。たとえば選択されている遊技モードの有利度が高くなるほど、特別の遊技モードのゲーム実行回数が多くなるように設定すれば、遊技者はこの特別の遊技モードが長く継続するほど、有利度の高い遊技モードが開始されることへの期待感を高めるようになる。一方、特別の遊技モードが遊技者の期待に反して早く終了した場合には、若干の失望感を味わうようになる。
【0014】
選択された遊技モードによって変化させる特別の遊技モードの態様は、ゲーム実行回数に限らず、たとえば所定回数のゲーム内における特定役の入賞回数や成立する入賞の種類を変動させるようにしてもよい。なお、いずれの態様を変化させる場合も、必ずしも100パーセントの信頼性を持つ報知が行われるようにする必要はなく、所定の頻度で「ダミー」の報知が行われるように設定してもよい。
【0015】
この発明にかかる第2の遊技機は、図柄を変動表示することが可能な複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行するもので、前記抽選結果に応じた図柄組合せが停止表示されるゲームを実行する前に特別の遊技モードを実行するとともに、前記抽選により所定の図柄組合せに当選している可能性をこの特別の遊技モードの態様により報知するようにしたことを特徴とする。
【0016】
前記の表示器は、たとえば複数種の図柄が配列された単一のリールと、このリールを回転させる駆動機構とにより構成することができる。または各図柄の画像を表示することが可能な表示パネルにより構成することもできる。なお表示パネルを用いる場合には、前記複数個の表示器をそれぞれ個別のパネルにより構成することもできるが、1枚のパネル上に複数の表示領域を設けて、これらの表示領域を各表示器として機能させるようにしてもよい。各表示器は、少なくとも1個の図柄を表示できる大きさにすれば良いが、停止表示時に複数個の図柄を表示できる大きさに形成されるのが望ましい。
【0017】
抽選処理は、遊技機の制御部(コンピュータ)内に、抽選テーブルおよび抽選処理用のプログラムを組み込むことによって実行することができる。前記第2の遊技機では、この抽選で所定の図柄組合せに当選すると、この当選した図柄組合せが表示されるように各表示器の変動表示を停止させるタイミングを制御する。なお、スロットマシンのように、停止操作から変動表示を停止させるまでの時間に制限が設けられる遊技機では、当選した図柄組合せを表示できない場合もある。
【0018】
前記の抽選処理は、各表示器での図柄の変動表示が開始される直前または直後に行われるのが望ましいが、これに限らず、所定の図柄組合せへの当選を示すフラグを入賞が成立するまで維持する場合には、このフラグが維持されている間は抽選処理をスキップするようにしてもよい。これは後記する第3の遊技機についても同様である。
【0019】
上記の遊技機では、たとえば特別の遊技モードについて、所定の図柄組合せに当選している可能性が高いことを示唆する態様と、前記図柄組合せに当選している可能性が低いことを示唆する態様との2種類を設定し、抽選の結果に応じていずれかの態様による特別の遊技モードを実行することができる。また3種類以上の態様を設定して、前記当選の可能性を段階的に報知することもできる。
このような設定によれば、特別の遊技モードでいずれの態様が出現するかによって、遊技者の反応を異なるものにすることができる。
【0020】
上記遊技機の好ましい一態様では、遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せについての当選可能性を、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードにより報知するようにしている。このような設定によれば、遊技者は、特別の遊技モードが開始されると、いずれの態様が出現するかに注目してゲームを行うようになる。ただしこの態様においても、100パーセントの報知を行う必要はなく、所定の確率で「ダミー」の報知を行うようにしてもよい。
【0021】
さらにこの発明にかかる第3の構成の遊技機は、前記第2の遊技機と同様の複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行し、少なくとも1種類の図柄組合せについてその当選を示すフラグを前記図柄組合せが成立するまで維持する。さらにこの遊技機は、所定の条件が成立したことに応じて特別の遊技モードを実行するとともに、前記フラグが維持されている可能性を前記特別の遊技モードの態様によって報知するようにしている。
【0022】
「当選を示すフラグの維持」とは、前記抽選において所定の図柄組合せに当選したことを示すフラグをオン状態に保つことを意味する。上記第3の遊技機では、前記所定の図柄組合せに当選すると、この図柄組合せが停止表示されるまでフラグが維持されるので、当選している図柄組合せを成立させるための制御をゲーム毎に実行することができる。
なお、この当選維持状態下で特別の遊技モードに移行したときは、この遊技モードによる制御を、前記当選した図柄組合せを成立させるための制御よりも優先させて行うのが望ましい。ただし所定の条件が成立したとき(たとえば、各変動表示を停止操作により終了させる場合に所定の順序で停止操作が行われたとき)に、当選した図柄組合せを成立させるための制御を優先させるようにしてもよい。
【0023】
特別の遊技モードを実行するための条件については、たとえば前記した抽選処理とは別に特別の遊技モードを実行するか否かを決めるための抽選を行い、この抽選に当選したことを前記条件にすることができる。このほか、特別の遊技モードに移行するための条件としては、通算のゲーム実行回数または入賞回数が所定値に達したこと、特定の入賞が成立したこと、前回の特別の遊技モードから所定時間が経過したことなど、種々の条件を設定することができる。これらの条件は、いずれも、前記フラグが維持されているか否かに左右されることなく設定することができるが、これに限らず、フラグが維持されているときと維持されていないときとで、異なる条件を設定するようにしてもよい。
【0024】
フラグを維持する対象となる図柄組合せは、前記したボーナス入賞用の図柄組合せのように、遊技者に通常よりも高い特典を提供できるものであるのが望ましい。またフラグを維持する対象の図柄組合せが1種類であれば、特別の遊技モードについては、この図柄組合せに対する当選状態が維持されている可能性が高いことを示唆する態様と、前記当選状態が維持されている可能性が低いことを示唆する態様との2種類を設定すれば良い。ただしこれに限らず、3種類以上の態様により、前記当選状態が維持されている可能性を段階的に示すようにしてもよい。
【0025】
上記の遊技機によれば、特別の遊技モードに移行したときに、このモードの態様によってフラグが維持されている可能性が報知されるから、遊技者は、フラグが維持されている可能性が高いことを示す態様の出現に期待しながら、特別の遊技モードにのぞむようになる。よって特別の遊技モードにおける態様によって、遊技者の反応を異なるものにすることができる。
【0026】
上記遊技機の好ましい一態様では、前記フラグを維持する対象として、遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せが設定されており、これらの図柄組合せにかかるフラグが維持されていることを、所定の信頼度で報知するために、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードを実行するようにしている。このようにすれば、遊技者は、特別の遊技モードにおけるゲームを実行しながら、そのゲーム態様によって、いずれのフラグが維持されているのかを推測することができる。なお、この態様における報知にも、100パーセントの信頼度をもたせる必要はなく、所定の割合で「ダミー」の報知を行うようにしてもよい。
【0027】
上記態様の遊技機では、たとえば報知対象のフラグによって特別の遊技モードにおけるゲーム実行回数を変動させるようにすることができる。この場合、各フラグに対応する入賞の有利度が高くなるほど、ゲーム実行回数が多くなるようにするのが望ましい。このような設定によれば、遊技者は、特別の遊技モードを実行しながら、このゲームが長く継続するようにとの期待感を高め、ゲームに集中するようになる。また成立する可能性のある入賞をわかりやすく報知することができる。
【0028】
上記した第2,第3の遊技機では、各表示器を、それぞれ遊技者の停止操作に応じて変動表示を停止するように設定するとともに、前記特別遊技モードにおいて、各表示器が所定の順序で停止操作されたことに応じて特定の入賞に関わる図柄組合せを停止表示させるゲームを実行することができる。なお、このように構成する場合には、あらかじめ特別の遊技モードにおける停止操作の順序を開示しておくのが望ましい。停止操作順序は1通りに限らず、複数とおり設定してもよい。また特別の遊技モードを開始する前に、所定の予告演出を行って、遊技者に停止操作の順序を意識させるのが望ましい。
【0029】
上記の遊技機によれば、遊技者は、特別の遊技モードにおいて、指定された順序で停止操作を行うことによって特定の入賞を得ることができるから、告知のための演出期間が長くなっても、ゲームに設定された数またはこれを超える数の遊技媒体やポイントを遊技者に獲得させることができる。なお遊技媒体やポイントの払出がなくとも、同じゲームをもう一度実行できるようにするゲーム結果(前記したスロットマシンのリプレイに相当する。)を、前記特定の入賞として出現させるようにしてもよい。
【0030】
上記第1〜3の各構成にかかる遊技機は、遊技者の停止操作に応じて図柄の変動表示を停止させるスロットマシン、または図柄の変動表示を自動停止させるパチンコ機として提供することができる。特に第1の遊技機をスロットマシンとして構成する場合、選択対象となる複数種の遊技モードには、前記したリプレイの入賞頻度を高めた遊技モードや、当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなど、態様の異なる複数種の遊技モードを含ませることができる。また入賞成立に応じて移行する大当たり状態(ビッグボーナス,レギュラーボーナスなど)を選択対象の遊技モードに含むこともできる。
なお、第1の遊技機は、図柄を変動表示するための表示器を持つ遊技機に限らず、入賞条件やゲームの内容などが異なる複数種の遊技モードを選択して実行することが可能な遊技機全般に適用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を、図2はその機体本体部の内部構造を示す。
図示例のスロットマシン1は、前面開口の機体本体部2の開口部に扉部3を組み付けて成る。機体本体部2の底部には、ホッパー6aを備えたメダル払出機6や電源ユニット10などが、さらにその上方に、リールブロック4や制御基板5などが、それぞれ配備される。なお、メダル払出機6を除く各部品は、機体本体部2の内面にビス止めされるが、メダル払出機6は、前方向にスライド可能に配備されている。また図中の14は、低音出力用のスピーカーであり、機体本体部2の後板に取り付けられている。
【0032】
前記リールブロック4は、樹脂製のフレーム7に3個のリール8a,8b,8cが組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cは、リール枠の外周面に複数の図柄(文字を模したシンボルを含む。)が配列された帯状テープを貼設して成るもので、駆動源となるステッピングモータ9a,9b,9cとともに前記リールブロック4に取り付けられる。
【0033】
前記扉部3は、金属製の枠体に3枚のパネル11,12,13などが組み付けられている。これらのパネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成される。
【0034】
上方の上部パネル12には、各種入賞の内容を示す情報として、シンボルの組合せや入賞時のメダルの払出枚数などが印刷され、下方の下部パネル13には、機種名などの情報が印刷される。
上部パネル12の両側には、効果音出力用のスピーカー15,15が設けられ、さらに上部パネル12の上方には、入賞成立や後記するリバースタイムの開始などを報知するための報知用ランプ16が設けられる。また下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
【0035】
中央の正面パネル11は、ゲームの進行状態を表示するエリアとして使用される。この正面パネル11の中央部には、無着色で透明のリール表示窓20が形成され、さらにこのリール表示窓20の下方には、貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23などが形成される。
【0036】
前記リール表示窓20は、前記リールユニット4に対向する位置に形成されており、図3に示すように、横方向の長さが3個のリール8a,8b,8cが外部から見えるように、また縦方向の長さがリールの停止時に3駒分のシンボルSが外部から見えるように、横に長い矩形状に形成される。なおこのスロットマシン1には、各シンボルの停止表示位置を結ぶように、水平方向に3本、斜め方向に2本、計5本の仮想の入賞ラインL1〜L5が設定される。これら入賞ラインL1〜L5は、メダルの賭け枚数に応じて有効化されるもので、賭け枚数が1枚のときは中央の入賞ラインL1が、賭け枚数が2枚のときは3本の水平な入賞ラインL1〜L3が、賭け枚数が3枚のときはすべての入賞ラインL1〜L5が、それぞれ有効化される。
【0037】
正面パネル11の裏側には、各入賞ラインL1〜L5に対応する5個の有効化ランプ29がリール表示窓20の片側に沿って配備されている。これらのランプ29の点灯状態は、正面パネル13の表側から視認可能であり、これにより遊技者は、有効な入賞ラインの数および位置を確認することができる。
さらに前記リール表示窓20を挟んで前記有効化ランプ29に対向する側に、3個の告知用ランプ37A,37B,37Cが縦一列に並べて配備される。これらの告知用ランプ37A,37B,37Cは、それぞれベル図柄による小役,スイカ図柄による小役,およびリプレイへの当選状態を報知するためのものである。
【0038】
前記貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23は、いずれも、7セグメントのLEDを用いた表示器である。貯留枚数表示器21には、後記するクレジットメダルの貯留枚数が、前記払出枚数表示器22には、ゲームにより入賞が成立したときに報賞として払い出されるメダルの枚数が、それぞれ表示される。役物用表示器23は、ボーナス入賞の成立に伴って役物ゲームと称される特別ゲームを実行する際に、期待できる入賞回数やゲーム実行回数などを表示するためのものである。
【0039】
正面パネル11と下部パネル13との間には、遊技のためのメダルを受け付けるメダル投入口24,各リール8a,8b,8cを一斉に回転させるための始動レバー25,各リール8a,8b,8cを個別に停止させるための停止釦スイッチ26a,26b,26cのほか、ベット釦スイッチ27,精算スイッチ28などのスイッチが配備される。
【0040】
前記ベット釦スイッチ27は、実物のメダルを投入する代わりに、電子データ形式で貯留されたクレジットメダルを引き落としてゲームに賭ける場合に使用されるもので、このベット釦スイッチ27の操作により、3枚のクレジットメダルが引き落としされる。精算スイッチ28は、クレジットメダルを精算して、メダル払出口17より払い出しさせるためのものである。なお、メダル投入口24より投入されるメダル数が3枚までであれば、これらのメダル数に応じた入賞ラインが有効化されてゲームを実行可能な状態が設定される。メダル投入口24に投入されたメダルが3枚を超えると、これらのメダルはクレジットメダルとして貯留される。
【0041】
図4は、前記スロットマシン1の電気的構成を示す。
図中、30は、このスロットマシン1の制御部であり、制御主体となるCPU31のほか、ROM32,RAM33の各メモリや乱数発生器34などが含まれる。なお、乱数発生器34は、後記する2種類の抽選処理を行う際に用いられる。またROM32には、プログラムのほかに、各リール8a,8b,8cの図柄配列を示す図柄配列テーブルや、各抽選についてそれぞれ当選に対応する乱数値を設定した抽選テーブルなどが格納される。
【0042】
前記制御部30には、バス35を介して各種入出力部が接続される。入力部としては、前記した機体前面の各種スイッチ(始動レバー25を含む。)のほか、メダル投入口24への投入メダルを検出するためのメダル検知センサ38などが接続される。また出力部としては、前記リールユニット4の各ステッピングモータ9a,9b,9cを駆動するリール駆動部36a,36b,36c,メダル払出機6,貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,役物用表示器23,報知用ランプ16,3個の告知用ランプ37A,37B,37Cなどが接続される。
【0043】
なお、制御部30には、個別のCPUやメモリを具備する音声制御部39が接続される。この音声制御部39のメモリには、各種の効果音,演出用の楽曲,および告知用の音声などを出力するための音データが格納されている。音声制御部39のCPUは、制御部30からの指令に応じて所定の音データを選択し、これを前記スピーカー14,15から出力する。
【0044】
上記構成のスロットマシン1では、遊技者のゲーム開始操作がなされると、各リール8a,8b,8cを一斉始動するのに先立ち、制御部内で抽選を実行する。この抽選は、各入賞に対応する役を対象とするもので、「内部抽選」と呼ばれる。各役にはそれぞれ個別の当選フラグが用意されており、内部抽選でいずれかの役に当選すると、対応する当選フラグがオン設定される。(以下、この当選フラグをオン設定することを、「当選フラグをセットする。」という。)
【0045】
前記内部抽選に当選している場合には、各リール8a,8b,8cを停止させる際に、セットされた当選フラグに対応する図柄(以下、「当選図柄」という。)を入賞ライン上に引き込んで停止させる引き込み制御を実行する。この当選図柄の引き込みのために滑らせることができる駒数には制限があり、リプレイを含む各小役用の当選フラグ(以下、「小役フラグ」という。)は、当選図柄が揃えられたか否かに関わらず、1ゲーム限りでリセットされる。一方、ボーナス入賞の図柄組合せに対応する当選フラグ(以下、「ボーナスフラグ」という。)は、当選図柄が揃うまで維持される。
【0046】
図5は、前記内部抽選に使用される抽選テーブルの設定例を示すもので、各役の種類とその役に当選する確率とを対応づけて示してある。図中のBB,RBは、ビッグボーナス,レギュラーボーナスの各大当たり状態に移行する図柄組合せを示す目的で使用している。(以下、このBB,RBへの内部当選をそれぞれ「BB当選」,「RB当選」と呼び、両者をまとめていう場合には「ボーナス当選」という。)
【0047】
「ベル」「スイカ」「チェリー」は、それぞれ小役を構成する図柄の名称であり、「リプレイ」は、再ゲーム入賞を意味する。なお、一般の小役のうち、「チェリー」は、左のリール8aにチェリー図柄が停止することにより成立するが、この停止位置が中央であるか上下位置であるかによって、「チェリーA」と「チェリーB」との2種の小役を設定している。
【0048】
この実施例のスロットマシン1では、前記内部抽選のほかに、「リバースタイム」と呼ぶ特別のゲームモードを実行するかどうかを決定するための抽選(以下、「リバースタイム抽選」と呼ぶ。)を実行するようにしている。一般にスロットマシンでは、左側のリール(図1でいうところのリール8a)が第1に停止操作されることが多いが、前記リバースタイムでは、右側のリール8cに対する停止操作を第1に行うことによって、ベル図柄による小役(以下、「ベル小役」という。)に高い確率で入賞するゲームを実行するようにしている(以下、このゲームを「リバースゲーム」と呼ぶ。)。
【0049】
なお、この実施例では、いずれのリール8a,8b,8cについても、ベル図柄を必ず引き込みできる間隔で配置しているが、リバースタイムに入るまでは、ベル図柄に当選しても、実際のベル図柄の引き込み制御は、1/7の確率でしか実行されないようにしている。
【0050】
図6は、前記リバースタイム抽選のための抽選テーブルの設定例を示す。このリバースタイム抽選は、リバースゲームの実行回数を決定する抽選として実行されるもので、「実行回数ゼロ」に当選した場合は、リバースタイムは実行されないことになる。またこのリバースタイム抽選では、BB当選時、RB当選時、およびいずれのボーナス当選も成立していないボーナス非当選時のそれぞれについて、当選確率を個別に設定するようにしている。
【0051】
図6の抽選テーブルによれば、BB当選時、RB当選時、ボーナス非当選時のいずれにおいても、それぞれ1/2(50%)の確率でリバースタイムが実行される。ただし、リバースゲームの実行回数は内部当選状態によって異なるものとなる。具体的には、BB当選時には、25回以上、最高100回までのリバースゲームを実行することが可能であるが、RB当選時のリバースゲームは10回となる。さらにボーナス非当選時のリバースゲームは、5回に限定される。
【0052】
上記の設定によれば、遊技者は、図7に示すように、リバースタイム開始後のリバースゲームの実行回数によって、BB当選,RB当選,ボーナス非当選の各状態を認識することができる。しかしながら、BB,RBのいずれかへの当選が確定する6回目のリバースゲームが実行されるまでの間、およびBBへの当選が確定する11回目のリバースゲームが実行されるまでの間、遊技者は当選の有無を把握できない不安定な状態におかれるから、リバースゲームの進行に応じて遊技者のハラハラ感,ドキドキ感を高めることができる。また6回目、11回目のリバースゲームが実行されたときは、遊技者に大きな喜びを与えることができる一方、リバースゲームが10回で終了した場合には、若干の失望感が惹き起こされ、さらにリバースゲームが5回で終了した場合には、大きな失望感が惹き起こされるなど、リバースタイムの終了,継続に対する遊技者の反応を、ゲーム実行回数によって大幅に異なるものにすることができる。
【0053】
ボーナスフラグのセットに応じてランプ点灯や音声出力などによる報知を開始する従来の「フラグ告知」では、ボーナスフラグが設定されたことが短絡的に示されるだけで、上記のように遊技者をハラハラ,ドキドキさせるような報知を行うことは困難である。
【0054】
また従来のスロットマシンには、リール停止時に、リーチ目またはパターン目となる図柄組合せを揃えたり、リールのバックライト照明により所定のパターンを出現させるような報知も行われているが、このような報知は初心者にはわかりづらく、熟練者を対象とした報知に限定される可能性が高くなる。これに対し、この実施例では、リバースゲームの実行回数によってボーナス当選の有無を容易に理解することができ、初心者までを報知の対象に含めることができる。
【0055】
つぎに図8〜11を用いて、上記スロットマシン1におけるゲーム制御の詳細を説明する。なお、図8は、1回分のゲームを実行するための制御手順であり、各ステップを「ST」と示す。また図9,10,11は、それぞれ前記図8のST2,7,9における詳細な制御手順であり、それぞれの手順におけるステップを、ST2.*,ST7.*,ST9.*(*は任意の数字)と示す。
また各リール8a,8b,8cに対する停止操作について、左のリール8aに対する停止操作を第1にした場合の停止操作(一般に、「左,中央,右」の順に行われる。)を「順押し」と総称し、右のリール8cに対する停止操作を第1にした場合の停止操作(一般に、「右,中央,左」の順に行われる。)を「逆押し」と総称することにする。
【0056】
図8において、ST1では、遊技者のゲーム開始操作に待機する。ここで前記したベット操作および始動レバー25の操作があると、ST2の内部抽選処理に進む。
【0057】
この内部抽選処理では、図9に示すように、ボーナスフラグがオン状態か否かによって処理内容が切り換えられる。すなわちボーナスフラグがオフであれば、前記図5の抽選テーブルを用いて全ての役を対象とした抽選を実行し、BBまたはRBに当選すると、その当選した役に対応するボーナスフラグをセットする(ST2.1〜ST2.4)。一方、既にBBまたはRB用のボーナスフラグがオン状態になっている場合には、ST2.1からST2.5に進み、小役のみを対象とした抽選を実行する。なお、この場合の抽選も、前記図5の当選確率に基づいて実行することができる。
【0058】
ST2.2またはST2.5のいずれかにおける抽選で、「ベル」以外の小役に当選すると、ST2.6が「NO」、ST2.11が「YES」となって、ST2.12に進み、当選した小役に対応する当選フラグをセットする。一方、ベル小役に当選した場合(ST2.6が「YES」)は、ST2.7において、前記ベル小役の当選フラグ(以下、「ベルのフラグ」という。)をセットした後に、続くST2.8において、ベル図柄を引き込みするか否かを決めるための抽選を実行する。このST2.8での抽選は、1/7の確率で当選が得られるように設定されており、当選すると、「ベル図柄の引き込みが可」であることを示すフラグ(以下、「引き込み可フラグ」という。)がセットされる(ST2.9,2.10)。
【0059】
このようにして内部抽選処理が終了すると、図8のメインルーチンに戻り、ST3において、カウンタNの値をチェックする。このカウンタNは、リバースゲームの実行設定回数を示すもので、N=0、すなわちリバースタイムに入っていない場合には、ST4に進んで、前記したリバースタイム抽選を実行する。
【0060】
このリバースタイム抽選については、詳細な手順は図示していないが、前記図6の抽選テーブルに基づき、BB,RBの各ボーナスフラグの設定状態に応じた抽選を実行する。さらにこの抽選により5回以上のゲーム実行回数に当選した場合には、そのゲーム実行回数により前記カウンタNの値を書き換える。
【0061】
リバースタイム抽選の後は、ST5において、各リール8a,8b,8cを始動させる。つぎのST6では、再度、カウンタNの値をチェックする。ここでN=0、すなわちリバースタイムを実行しない状態のままであれば、ST7に進んで、通常時のリール停止制御を実行する。
【0062】
この通常時リール停止制御では、停止釦スイッチ26a,26b,26cが操される都度、図10のST7.1〜ST7.12のループを実行することで、停止操作されたリールをそれぞれその時点での当選フラグの設定状態に応じた位置で停止させる。なお、この通常時リール停止制御は、各リール8a,8b,8cに対する停止操作がいずれの順序で行われても、引き込み対象の図柄の選択は、同様の条件で実行される。
【0063】
図10によれば、まずベルのフラグがオンの場合(ST7.2が「YES」)には、前記引き込み可フラグがオンであることを条件に、ベル図柄を対象とする引き込み制御を実行する(ST7.4,7.5)。またベル以外の小役フラグがオンの場合(ST7.3)には、そのセットされている小役フラグに対応する図柄(当選図柄)を対象に引き込み制御を実行する(ST7.9)。
【0064】
上記の小役図柄の引き込み制御は、BBまたはRBのいずれかのボーナスフラグがオンであっても、優先的に実行される。ボーナス図柄の引き込み制御は、各小役フラグがいずれもオフであるか、または前記ベルのフラグがオン状態で引き込み可フラグがオフになっているときに、実行される(ST7.6,7.7)。いずれの当選フラグもオフの場合には、ST7.8に進み、「はずれ」の図柄組合せを成立させるためのリール停止制御を実行する。
【0065】
通常時リール停止制御によりすべてのリール8a,8b,8cが停止すると、図8のメインルーチンに復帰し、ST11において入賞の有無をチェックする。ここで有効な入賞ライン上にいずれかの役が揃っていると、「入賞」と判定してST12に進み、その入賞に応じた数のメダルの払出を行う。さらに成立した入賞がボーナス入賞であれば、ST13が「YES」となり、図示しないボーナスゲーム処理用の制御に移行する。
【0066】
つぎに前記リバースタイム抽選で5回以上のゲーム実行回数に当選して前記カウンタNの値が書き換えられた場合には、リール始動後のST6の判定が「YES」となる。これにより、リバースタイムが開始され、ST8において、開始時の告知演出が行われる。
【0067】
前記ST8では、前記報知用ランプ16を点灯するとともに、『リバースゲーム・スタート』のような音声や効果音を出力し、その後も、所定の楽曲用の音データが出力されるように、前記音声制御部39を制御する。つぎに、ST9では、リバースゲーム時リール停止制御により、各リール8a,8b,8cを停止操作された順に停止させる。(この制御の詳細については、後述する。)
【0068】
前記リバースゲーム用リール停止制御により、すべてのリール8a,8b,8cが停止すると、つぎのST10で前記カウンタNをディクリメントし、ST11に進む。以下の手順は、リバースタイムに入っていないときと同様になる。
【0069】
続いて2回目以降のリバースゲームが開始されると、ST3の判定が「YES」となる。この「YES」判定がなされると、ST14に進むので、リバースタイム抽選は行われずに各リール8a,8b,8cが始動するようになる。つぎのST15では、リバースゲームが継続して行われることを示す告知演出を実行した後にST9に移行して、再びリバースゲーム用リール停止制御を実行する。この後は、1回目のゲームと同様に、ST10でカウンタNをディクリメント処理を実行し、しかる後にST11に進む。
このようにしてST4のリバースタイム抽選の結果に応じた数のリバースゲームが実行され、最後のリバースゲームにおいてST10のディクリメント処理後のNが0となると、つぎのゲームから再び通常時リール停止制御に復帰する。
【0070】
最後に図11を用いて、前記ST9のリバースゲーム用リール停止制御の詳細な手順を説明する。
この手順では、停止操作の都度、ST9.1〜ST9.14のループを実行することにより、停止操作順序が逆押しの場合と順押しの場合とで、異なる図柄を引き込み対象にしたリール停止制御を実行する。
【0071】
まず逆押しが行われた場合について説明する。ベルのフラグがオンの状態で逆押しが行われると、ST9.2,ST9.5がともに「YES」となってST9.8に進み、ベル図柄を対象とする引き込み制御が行われる。前記したようにベル図柄は必ず引き込み可能な位置に配備されているので、各リール8a,8b,8cにつき上記の制御が実行された場合には、ベル小役を必ず揃えることができる。またこの制御は、ベルのフラグとともにボーナスフラグがセットされている場合にも、同様に実行される。
【0072】
つぎにBBまたはRBのボーナスフラグとベル以外の小役フラグとが重複設定されている場合には、ST9.3,ST9.9,ST9.10が順に「YES」となってST9.12に進み、小役の方の当選図柄を対象とした引き込み制御を実行する。
ボーナスフラグが単独でセットされているときには、ST9.3が「YES」、ST9.9が「NO」となってST9.11に進み、ボーナス図柄を対象とする引き込み制御を実行する。
【0073】
ベル以外の小役フラグが単独でセットされている場合には、ST9.2,ST9.3が「NO」、ST9.4が「YES」となってST9.12に進み、当選図柄を対象とする引き込み制御を実行する。すべての当選フラグがオフである場合には、ST9.2〜ST9.4がいずれも「NO」となり、ST9.13において、はずれの図柄組合せを揃えるためのリール停止制御が行われる。
【0074】
つぎに順押しが行われた場合について説明する。
まずベルのフラグとボーナスフラグとが重複設定されている場合には、ST9.2が「YES」、ST9.5が「NO」、ST9.6が「YES」となってST9.11に進み、ボーナス図柄を対象とする引き込み制御を実行する。またベル以外の小役フラグとボーナスフラグとが重複設定されている場合には、ST9.3,ST9.9が「YES」,ST9.10が「NO」となり、同様にST9.11に進んで、ボーナス図柄を引き込む制御を実行する。ボーナスフラグが単独でセットされている場合には、逆押しの場合と同様に、ST9.3からST9.9を経てST9.11に進んで、ボーナス図柄を引き込む制御を実行する。
【0075】
ベルのフラグが単独でセットされている場合には、ST9.2が「YES」の後にST9.5,ST9.6がともに「NO」となり、以下、通常時リール停止制御の場合と同様に、引き込み可フラグがオンであることを条件として、ベル図柄を対象とする引き込み制御を実行する(ST9.7,ST9.8)。引き込み可フラグがオフであれば、ST9.7が「NO」となってST9.13に進み、はずれの図柄組合せを揃えるためのリール停止制御を実行する。
またベル以外の小役フラグが単独でセットされている場合には、逆押しの場合と同様に、ST9.4からST9.12に進み、前記フラグに対応する小役図柄を対象とする引き込み制御を実行する。
【0076】
上記のリバースゲーム時リール停止制御によれば、高い当選確率が設定されたベル小役に内部当選すると、逆押しに応じてこのベル小役が必ず成立するようになる。よってメインルーチンに復帰した後にST12のメダル払出処理が行われる確率が高められ、遊技者は、リバースゲームのために消費したメダル数またはこれを超える数のメダルを還元することができる。
【0077】
また上記のリバースゲーム時リール停止制御によれば、ボーナスフラグと小役フラグ(ベルのフラグを含む)とが重複設定されている場合に、遊技者が告知演出に逆らって順押しを行うと、ボーナス図柄を優先的に引き込んで、ボーナス入賞を成立させることができる。したがって遊技者は、リバースゲームの実行回数によりボーナス当選を認識したときなど、所定の時点で順押しを行って、ボーナス入賞を獲得することができる。
なお、前記図8には記載していないが、このようにリバースタイムの途中でボーナス入賞を成立させた場合は、ST13の「YES」判定後は、残りのリバースゲーム実行回数であるNをリセットしてからボーナスゲーム処理に進むのが望ましい。
【0078】
さらに上記の実施例では、リバースゲームにおいては、BBまたはRBのボーナスフラグについてのフラグ告知が100パーセントの確率で実行されるが、これに限らず、所定の頻度で「ダミー」の告知を行うようにしてもよい。また上記実施例では、リバースタイム中のゲーム実行回数によって報知の内容を表すようにしたが、これに限らず、入賞の成立可能回数や入賞確率を変動させるようにしてもよい。なお、入賞確率を変動させる場合には、BB当選,RB当選,ボーナス非当選のそれぞれにおいて、逆押しによって高い頻度で引き込みされる図柄が異なる図柄になるような設定を行うことが可能である。(たとえばBB当選時はベル図柄を、RB当選時はスイカ図柄を、ボーナス非当選時はチェリー図柄を、それぞれ最も多く引き込みされる図柄に設定するなど。)
【0079】
また上記のリバースゲームは、フラグ告知に限らず、所定の遊技モードが実行されることを予告する告知にも使用することができる。たとえば、再ゲームが頻発する遊技モードや当選した役を成立させるための支援報知を行う遊技モードなどの複数種の遊技モードを、抽選に応じて選択的に実行できるようにしている場合に、前記リバースゲームの実行回数によって選択された遊技モードの種類を報知するようにしてもよい。またこれらの遊技モードにかかる予告告知と前記したフラグ告知との両方にリバースタイムを使用し、告知の内容に応じてリバースタイムの態様を変動させるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
この発明では、特別の遊技モードの態様によって遊技モードの選択結果を所定の信頼度で報知するようにしたから、遊技者は、特別の遊技モードを実行しながら、その態様によって、この後のゲームの展開を推測することができる。したがって特別の遊技モードの間に、どの遊技モードが実行されるのかについて、遊技者のハラハラ感やドキドキ感を高めることができ、遊技モードの選択結果を単純に報知するよりも、趣向のある報知を行うことができる。
【0081】
さらにこの発明では、図柄を変動表示させた後に各変動表示を順に停止させるゲームを実行する遊技機において、所定の図柄組合せによる入賞が成立する可能性を特別の遊技モードの態様によって報知するようにしたから、特別の遊技モードの態様が明らかになるまで、入賞が成立するかどうかについて、遊技者のハラハラ感やドキドキ感を高めることができ、音声や照明などによる単純なフラグ告知にはない趣向のある報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構成を示す正面図である。
【図3】正面パネルの構成を示す正面図である。
【図4】スロットマシンの電気構成を示すブロック図である。
【図5】内部抽選用の抽選テーブルの設定例を示す説明図である。
【図6】リバースタイム抽選用の抽選テーブルの設定例を示す説明図である。
【図7】リバースタイムの態様と報知内容との関係を示す説明図である。
【図8】ゲーム実行にかかる制御手順を示すフローチャートである。
【図9】内部抽選処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】通常時リール停止制御の手順を示すフローチャートである。
【図11】リバースゲーム時リール停止制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン
8a,8b,8c リール
9a,9b,9c ステッピングモータ
20 リール表示窓
26a,26b,26c 停止釦スイッチ
30 制御部
31 CPU
32 ROM
34 乱数発生器
Claims (9)
- 複数種の遊技モードのいずれかを選択して実行することが可能な遊技機において、
選択された遊技モードを実行するより前に、前記選択対象の複数種の遊技モードとは異なる特別の遊技モードを実行するとともに、この特別の遊技モードの態様によって遊技モードの選択結果を所定の信頼度で報知するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載された遊技機であって、
前記選択対象の複数種の遊技モードは、遊技者にとっての有利度がモードによって異なるものとなるように設定されて成る遊技機。 - 請求項1または2に記載された遊技機であって、
前記選択された遊技モードによって特別の遊技モードにおけるゲーム実行回数を変動するようにした遊技機。 - 図柄を変動表示することが可能な複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行するようにした遊技機において、
前記抽選結果に応じた図柄組合せが停止表示されるゲームを実行する前に特別の遊技モードを実行するとともに、前記抽選により所定の図柄組合せに当選している可能性をこの特別の遊技モードの態様により報知するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 請求項4に記載された遊技機であって、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せについての当選可能性を、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードにより報知するようにした遊技機。 - 図柄を変動表示することが可能な複数個の表示器を備えるとともに、抽選処理により当選した図柄組合せに関わる図柄を各表示器に停止表示させるための制御を実行し、少なくとも1種類の図柄組合せについてその当選を示すフラグを前記図柄組合せが成立するまで維持するようにした遊技機において、
所定の条件が成立したことに応じて特別の遊技モードを実行するとともに、前記フラグが維持されている可能性を前記特別の遊技モードの態様によって報知するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 請求項6に記載された遊技機であって、
前記フラグを維持する対象として、遊技者にとっての有利度が異なる複数種の入賞にかかる図柄組合せが設定されており、これらの図柄組合せにかかるフラグが維持されていることを所定の信頼度で報知するために、それぞれ異なる態様の特別の遊技モードを実行するようにした遊技機。 - 請求項7に記載された遊技機において、
前記特別の遊技モードにおいて、報知対象のフラグによってゲーム実行回数を変動するようにした遊技機。 - 請求項4または6に記載された遊技機であって、
各表示器は、それぞれ遊技者の停止操作に応じて変動表示を停止するように設定されており、前記特別の遊技モードにおいて、各表示器が所定の順序で停止操作されたことに応じて特定の入賞に関わる図柄組合せを停止表示させるゲームを実行するようにした遊技機。
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