回胴式遊技機の正面模式図である。
回胴式遊技機の内部構造模式図である。
回胴式遊技機の制御回路系のブロック図である。
ドラム部を制御する制御回路系のブロック図である。
ドラム部の構成ブロック図である。
ドラムの図柄配置表である。
ドラム部の構成ブロック図である。
ドラム部の構成ブロック図である。
各信号の関係を示すタイミングチャートである。
左ドラムの模式図である。
左ドラム、窓部及び図柄位置データとの関係を示す模式図である。
図柄の組合せ表示判定図である。
表示演出装置の構成ブロック図である。
演出パターンデータテーブルの記憶状態を示す概念図である。
演出画面の模式図である。
演出画面の模式図である。
演出画面の模式図である。
一般的な抽選テーブルの概念図である。
図柄の組合せと獲得メダル枚数との関係を示した配当表である。
回胴式遊技機の主要動作処理手順を示すフローチャートである。
ドラムの図柄配置図である。
図柄の組合せ表示判定図である。
通常時及びボーナス作動時の配当表である。
押し順小役(中ファースト)の条件装置の組合せ表である。
押し順小役(右ファースト)の条件装置の組合せ表である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
遊技状態遷移図(RT状態)である。
遊技状態遷移図(演出状態)である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
窓部の図柄表示状態を示す模式図である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
押し順不問小役の条件装置の組合せ表である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
定義:
リプレイ(Replay)とは、パチスロ(回胴式遊技機)において、次のプレイがベットを行わずに遊技可能となる絵柄の組み合わせのことをいう。パチスロの検定規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)上の呼称は再遊技(さいゆうぎ)である。また、請求項で用いる「リプレイ役」は、複数のリプレイ役1〜リプレイ役nが同時に内部当選するグループリプレイ役の場合もあり、その何れか一つのリプレイ役が最優先で(ボーナス役)よりも優先的に)作動するようになっている。すなわち、「再遊技」とは、遊技メダル等の投入(貯留装置に係るボタンその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む。)をすることによらずに行うことができる遊技をいう。
「作動」とは、再遊技に係る図柄又は役物連続作動装置等に係る図柄の組合せが、有効ライン上に表示された状態を含んだ文言であり、遊技媒体が払出される小役における「入賞」と同義である。従って、本明細書では、再遊技の「入賞」やボーナス役の「入賞」と便宜的に使用することもある。
基本実施例:
本発明に係る遊技機等の一例として、メダルを遊技媒体とする回胴式遊技機を取り上げるが、この実施例は回胴式遊技機の基本構成及び基本動作を詳細に説明するものである。
図1は、回胴式遊技機の正面模式図(図1(A)は全体図、図1(B)は部分拡大図)である。
1は、一般に「パチスロ機」と称される回胴式遊技機本体であり、回転ドラム(ドラム部2)を内蔵する筐体1a(図2参照)と前扉1bに大別される。
前扉1bは、回胴式遊技機の顔とも言うべき主要部であり、高級感を出すために各種のメッキを樹脂素材に付加することにより、外観に華やかさや重厚感が与えられる。前扉1bの前面には、上下2枚の透明パネル22が嵌めこまれており、各種のデザインが施される。
上透明パネル22aの後方には、ゲーム状況に応じて各種演出を行う表示演出装置11(又は、映像ディスプレイ装置、液晶表示装置等)がビス止め固定される。下透明パネル22bには、デザインシート22cが貼りつけられることにより、窓部3(図柄表示窓)が形成される。下透明パネル22bの下部22d(図1(A)破線部参照)には、表示LEDブロック4(発光表示装置4。図1(B)参照)が取り付けられる。表示LEDブロック4は、後述する表示LED群で構成される。
4aは、投入枚数LEDであり、遊技を行うためにメダル投入部5から又はマックスベットボタン8や1ベットボタン(図示せず)によって投入された遊技メダル又はクレジットの枚数を表示する。
4bは、メダル貯留枚数表示LEDであり、遊技メダルのクレジット数(貯留枚数)を例えば所定最大数50枚の範囲で表示する。また、貯留メダルの精算時における払い出し演出表示を行う。
4cは、メダル払出枚数表示LEDであり、入賞時に払出メダルの枚数を表示する。また、出玉率の段階設定値及び打止め中やエラー発生時のエラーコードを表示する。
4dは、メダル投入表示LEDであり、遊技メダルの投入可能時に点灯する。
4eは、リプレイ表示LEDであり、変動表示ゲームにおいてリプレイ図柄が表示されてリプレイが作動すると点灯する。
4fは、打止め及びエラー表示LEDであり、打止め時及び重大なトラブル(例えば、ドアオープン以外のトラブル)が発生した場合に点灯する。
2は、筐体1aに内蔵されているドラム部(リールドラムユニット)であり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラム及びモータや電気回路などで構成される。それぞれの各ドラムの内部には、回胴部図柄表示LED(図示せず)が設けられており、各種演出に応じて発光(点灯や点滅)又は消灯するようになっている。つまり、各ドラムが一列に上から下へ複数の図柄を表示する図柄列であり、この場合には、3つの図柄列(複数列)を変動させる変動表示ゲームを開始するようになっている。なお、各ドラムに替えて、液晶表示装置などを用いて図柄を表示する場合も、複数個の図柄が配置された図柄列を変動させる変動表示ゲームである。ドラム部2の外周に貼り付けられているリールテープ上の図柄が、透明な窓部3を通して目視できるようになっている。
5は、メダル投入部であり、変動表示ゲームを開始させるために必要な遊技メダル(遊技媒体であり、「コイン」や単に「メダル」という場合もある。)を投入するメダル投入口が設けられている。なお、メダル投入部5の両サイドには左光透過部5a及び右光透過部5bが設けられており、下側左右に取り付けられた複数の光源(例えば、LED)からの光によって、メダルが投入不能な場合には赤色(第一の色)で、一方、メダルが投入可能であって遊技用に加算表示されるときには青色(第二の色)で、メダル貯留装置に加算表示されるときには緑色(第三の色)で点灯する。但し、メダルが投入不能な場合には、消灯としてもよい。
メダル投入口から投入されたメダルは、メダル選別装置(又は、「セレクター」とも言う。図示せず)によってカウントされ、正常に投入されたメダルの数を加算して表示LEDブロック4の投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bに表示するようになっている。
6は、精算ボタンであり、メダル貯留装置(図示せず)の起動と解除、及び投入メダルと貯留メダル(クレジット)の払出し精算時に操作される。
7は、十字キーであり、上下左右に配置された4つのスイッチ及び中央部の決定ボタンで構成されている。上と下または左と右のスイッチが同時に押せないようになっている。上下左右操作や決定操作により遊技の履歴情報を見たり、役の組み合わせ図柄表や配当表を表示演出装置11に表示する際に操作される。十字キー7の近傍に1ベットボタン(図示せず)が設けられており、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを1枚投入するときに使用する。なお、1ベットボタンを設けない場合もある。
8は、マックスベットボタン(MAXベットボタン)であり、遊技を行うためにメダル貯留装置の貯留メダルを最大数である3枚投入するときや、ボーナスゲーム時など遊技状態に応じて規定された最大投入枚数(1枚〜3枚)を投入するときに使用する。なお、マックスベットボタン8の内部には、LEDが設けられており、マックスベットボタン8が操作可能な状態のときに点灯するようになっている。
9は、スタートレバー(回胴回転始動装置の一部)であり、遊技を行うために必要な所定数の遊技メダルを投入後、ドラム部2を一斉に回転(始動)させるときに使用する。スタートレバー9の周囲には、遊技開始表示LEDが設けられており、スタート操作が可能な状態のときに点灯するようになっている。また、スタートレバー9は、出玉率の段階設定を行う場合、段階値1〜6(又は、1,3,5,7の4段階跳び番号など)の中から、選択された所望の設定値を確定させるときに使用する。
10は、停止ボタン部(同義の名称として、「停止スイッチ」ともいう。)であり、回転しているドラム部2を停止させるときに使用する。この停止ボタン部10は、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cの3つのボタン群(なお、4リールでは4つとなる。)で構成され、ドラム部2が回転中に停止ボタン部10を操作することにより、それぞれのボタンに対応する左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cを停止させることができる。なお、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムの回転が所定速度(約80回転/分)に達して、停止ボタン部10が操作可能になった時には、停止ボタン10a、停止ボタン10b及び停止ボタン10cに内蔵されているLEDが点灯するようになっている。また、左停止ボタン10a、中停止ボタン10b及び右停止ボタン10cを3つの方向入力手段として用いる場合には、それぞれ順に左方向、上方向、右方向入力に対応させることができる。
11は、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)又
は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などのFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)からなる表示演出装置であり、回胴遊技に関する各種映像演出や所要の情報の告知等が行えるようになっている。なお、専用眼鏡を使用するか否かに拘わらず、最近では立体表示可能な表示演出装置が安価に製造されるようになっており、テンパイ状態(リーチ状態)や大当り状態で7図柄等の演出映像が飛び出す3D表示装置を採用した遊技機が主流となりつつある。
表示演出装置11の右横には時計役物50と、左横には魔法陣役物51が配置されている。基本的に、時計役物50の長針は1遊技が終了する毎に5分進み、短針は12遊技が終了すると1時間進む様になっているが、ボーナス、チャンスや上乗せ等が発生すると逆回転したり、ガタガタと異様な動作をして遊技者に期待感を与える。魔法陣役物51の中央には大きなセンターランプが設けられ、その上下左右の角に4つの宝石ランプが設けられており、遊技状態に応じて所望の色に発光(点灯や点滅)又は消灯する。
12は、スピーカ部であり、左上スピーカ12a、右上スピーカ12b、左下スピーカ12c及び右下スピーカ12dの4つのスピーカで構成され、各種演出に応じた効果音や段階設定値の変更中、又は前扉1bが開いている状態やトラブル発生時に警告音を発生する。なお、重大なトラブル(セレクターエラー、ホッパーエラーやRAMエラー。但し、ドアオープンは含まない。)が発生した場合には、警告音と共にエラー表示LED4fが点灯する。
13は、遊技状態表示LED部であり、表示演出装置11の上部に設けられた上部状態表示LED13a(トップランプともいう)及び両側面に設けられた左上状態表示LED13bと右上状態表示LED13c、左中状態表示LED13dと右中状態表示LED13e、及び左下状態表示LED13f、右下状態表示LED13gと中下状態表示LED13hで構成され、各種の光演出を効果的に行うことができる。また、段階設定値の変更中又は前扉1bが開いている状態やトラブル発生時において、警告表示として点滅を繰り返す。
この遊技状態表示LED部13(13a〜13h)は、前扉1bの外周を略一周するように配置されているので、遊技者に対して、カラフルな光が途切れることなく、外周淵部をグルグル回るような光演出を効果的に行うことが可能となる。特に、前扉1bの上部中央位置(遊技機本体前面の上部中央位置)に設けられた上部状態表示LED13aは、トップランプと称されており、内部当選又は入賞したレア小役に対応する固有の色で発光して、遊技者に入賞役などを報知して期待感を煽る光演出の中心的役割を成している。
14は、スペシャルボタンであり、表示演出装置11に表示される各種ゲームやその映像演出に応じて要求される情報(例えば、パワーレベルゲージの上昇、ボーナス成立図柄の表示、戦闘機の機銃操作や爆弾投下又は登場人物の移動方向やパワーアップ等の入力情報)を、遊技者自身による1回操作又は連打して入力する。なお、このスペシャルボタン14によって入力される情報は、後述する副基板(サブブロック)に与えられ、あくまで各種映像や音響演出にのみ用いられるものであるから、遊技の結果に影響を及ぼすものではない。
15は、受け皿であり、メダル払出装置18(図2参照)から払い出された遊技メダルがメダル払出口16より排出され、その数量として数百枚程度まで受けることができる。
19は、ドア鍵穴であり、ドアキーにより回胴式遊技機本体1の前扉1bを開けるときや、打ち止め状態(メダル式遊技の為の操作を不能にした状態)の解除及びエラーによる遊技中止の解除の際に使用される。
20は、返却ボタン(正式には、「投入メダル詰まり返却ボタン」と言う)であり、メダル投入部5に投入された遊技メダルが通過する遊技メダルセレクター(図示せず)に詰まった遊技メダルをメダル払出口16から返却する時に使用する。
図2は、回胴式遊技機の内部構造模式図である。
回胴式遊技機本体1の筐体1aの中央部には、ドラム部2とその下にメダル払出装置18(メダルホッパー18)が配置されている。
筐体1aの右上部には反射板17が設けられ、前扉1bの対応位置にはフォトセンサが設けられており、前扉1bが閉じた状態では、フォトセンサから出射されたLED光が反射板17によって反射され、フォトトランジスタによって検出される一方、開いた状態では、反射光が検出されないので、前扉1bの開閉状態を検知することができる。
21は、電源部であり、電源スイッチ21cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、初期チェックや初期設定の後、変動表示ゲームを行うことができるようになる。
21aは、設定用キースイッチ(設定変更許可スイッチともいう)であり、出玉率の段階設定操作や段階設定値の確認を行うときに使用する。操作キーを鍵穴21dに差し込んで回転させることにより、OFFからONの状態又は逆のONからOFFの状態にすることができる。
21bは、エラー解除スイッチであり、出玉率の段階設定を行う時やエラーによる遊技の中止を解除する時に使用する。出玉率の段階設定値は、メダル払出枚数表示LED4cによって表示され、エラー解除スイッチ21bを押すたびに値が+1されて、「6」表示の次には「1」に戻り、ターンアラウンド表示する。
21eは、確認スイッチであり、実ボーナス(BB、RB)、アシスト機能が発動するAT、ARTや疑似ボーナス、チャンスゾーン等、遊技者にとって有利な有利区間の遊技比率(遊技割合)を、メダル貯留枚数表示LED4b又はメダル払出枚数表示LED4cの何れか一方に表示させる時に使用する。
図3は、回胴式遊技機の制御回路系のブロック図である。
制御回路系は、メインブロック(主基板:破線で囲っていない部分)及びサブブロック(副基板:破線で囲った部分)とに大別され、メインブロックは遊技結果に関する制御を行うのに対して、サブブロックは遊技経過や内部抽せん結果の告知・表示など遊技者の関心や興味を惹く様々な演出に関する制御を司る。なお、サブブロックは、メインブロックが管理するアシスト機能の発動時において、小役入賞(入賞させることを目的とする小役の入賞)又は転落リプレイ回避の停止操作手順(停止ボタン部10の操作順序や操作タイミング)を告知する。
100は、主制御部であり、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載した一体型のワンチップマイコン(例えば、エルイーテック社製のLEM50A−P)であり、所定のデータテーブル領域や装置全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM101と、カウンタやレジスタ等が形成され制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM102(RWM:リライタブルメモリともいう。また、内蔵だけではなく、外付けRAMも含む。)、各種レジスタ、カウンタ等が設けられている。このRAM102は、後述するように、電源スイッチ28cをオフ状態にしても又は電源コードを抜いても、電源コネクタを経由して常時供給されるRAMバックアップ用電源(主基板の電源コンデンサー)によって、記憶する全ての制御データは保持されるが、電源コネクタそのものが抜かれた場合には、電力が全く供給されなくなるので制御データは消去(オールクリア又は0にリセット)又は無意味な情報(不定情報)となる。
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、スタートSWセンサ110(スタート・スイッチ・センサ110)、3つの停止ボタンセンサ120、メダル検出センサ130、ベットボタンセンサ140及び段階設定部150が接続されており、主制御部100はこれらからの入力信号を受信可能に構成されている。
また、主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、ドラム部2、メダル払出装置18及び表示LEDブロック4が接続されており、主制御部100は入出力信号の送受信によって、これらの各種装置を制御可能に構成されている。
この主制御部100は、遊技者のスタートレバー9の操作に伴って、内蔵する乱数発生部103で継続して発生させている乱数(0〜65535の値)の1つを抽出することにより内部抽選を実行し、複数個(通常は、20個又は21個)の図柄が描かれた3列(複数列)の図柄列であるドラム部2(左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2c)を回転させることにより図柄変動表示ゲームを開始する。例えば、この乱数抽選でベル、チェリー、スイカ又はプラム等の配当のある小役の何れかが内部当選(又は、複数の小役が同時に内部当選)し、遊技者が停止ボタン部10の停止操作を行うと、主制御部100は操作順に従ってドラム部2を、抽選結果に基づく所定位置に個々に停止させる。その結果、窓部3に設定される有効ライン上のいずれかに、所定の図柄が並んで表示されれば入賞となる。但し、有効ラインは5つに限らず、メダルの投入枚数に応じて変わったり、設計仕様や遊技状態に応じて適宜1又は複数に増減される。
主制御部100は、実行した総遊技回数、及び疑似ボーナスなどの遊技者にとって有利な有利区間の遊技数をRAM102に記憶しており、前扉1bを開けた状態で確認スイッチ21eが操作された場合に、(総遊技回数)分の(有利区間の遊技数)×100を算出して、メダル貯留枚数表示LED4b又はメダル払出枚数表示LED4cの何れか一方に表示する。例えば、総遊技回数が12345ゲームで、有利区間の遊技数が8000ゲームとすると、有利区間の遊技比率は、約64.803パーセントとなるが、下一桁目を四捨五入して「65」と数字を点灯させて表示する。また、ROM101には第一閾値、第二閾値および第三閾値が記憶されている。
主制御部100は総遊技回数が、(1)第一閾値以下の場合、(2)第一閾値を超え第二閾値以下の場合、(3)第二閾値を超え第三閾値以下の場合、及び、(4)第三閾値を超えた場合、の4つの異なる表示条件の成立によって、遊技比率の表示方法を変更する。(1)主制御部100は、確認スイッチ21eが有効に操作されると、総遊技回数が第一閾値(例えば、6000ゲーム)以下の場合、メダル貯留枚数表示LED4bの7セグ部に「−−」と表示して、遊技比率(割合数字)を表示しない。(2)主制御部100は、確認スイッチ21eが有効に操作されると、総遊技回数が第一閾値を超え第二閾値(例えば、17500ゲーム)以下の場合、上記の様にして遊技比率を求め、メダル貯留枚数表示LED4bの7セグ部に「65」と表示して、遊技比率を高速(所定速度)で点滅表示する。(3)主制御部100は、確認スイッチ21eが有効に操作されると、総遊技回数が第二閾値を超え第三閾値(例えば、100000ゲーム)以下の場合、同様に遊技比率を求め、メダル貯留枚数表示LED4bの7セグ部に「65」と表示して、遊技比率を低速(所定速度よりも遅い速度)で点滅表示する。(4)主制御部100は、確認スイッチ21eが有効に操作されると、総遊技回数が第三閾値を超えている場合、同様に遊技比率を求め、メダル貯留枚数表示LED4bの7セグ部に「65」と表示して、遊技比率を点灯表示する。これによって、表示された遊技比率(数値)の信頼度が分かり易くなる。この例で言えば、信頼できるのは第三閾値を超えて遊技された後(つまり、100001ゲーム目以降)の点灯表示ということになる。なお、RAM102に記憶している総遊技回数、及び、有利区間の遊技数は、設定変更されてもクリアされることなく記憶され続けるが、バックアップ電源が切れるとデータが破壊される(無意味なデータとなる)。また、有利区間の遊技数に替えて、非有利区間の遊技数を記憶し、(総遊技回数)分の(総遊技回数−非有利区間の遊技数)×100を算出しても同じ結果となるので、この様にしてもよい。
主制御部100には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、副制御部160が接続されており、サブブロックの各種制御に必要な制御データ(例えば、コイン投入データ、抽選結果や当選状況データ、段階設定値データ、段階設定部150のスイッチ操作状態を示すデータなど)を副制御部160に出力する。
この副制御部160は、主制御部100と同様に、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載する一体型のワンチップマイコンであり、サブブロック全体の制御手順を記述した制御プログラムを記憶するROM161と、カウンタ、タイマーやレジスタ等が形成され、主制御部100から受信した制御に必要な情報を一時的に記憶するRAM162などが設けられている。このROM161には、複数のBGM(バック・グランド・ミュージック)データが記憶されており、特にボーナスゲーム中において、遊技者の気持ちを高揚させる為に、特別にアレンジされたBGMが演出場面に応じて適宜選択及び演奏される。なお、主制御部100と副制御部160を別個に設ける必要はなく、1つの制御部とすることも可能であるが、ROM101の容量が制限されているので、一般に副制御部160が設けられている。
副制御部160には、I/0ポート(図示せず)やデータバスを介して、表示演出装置11(表示演出制御部11bを含む)、スピーカ部12、遊技状態表示LED部13、十字キーセンサ111、スペシャルボタンセンサ112及び扉異常信号出力装置113が接続されており、副制御部160はこれら各装置からの入力信号を受け付けたり、必要なデータや信号を出力して各種制御を行うことが可能である。
副制御部160は、スタートレバー9の開始操作に伴って、主制御部100が抽出した乱数を用いて内部抽選を実行し、大当り、再遊技、各種小役又はハズレの結果通知を受信すると、遊技者に抽選結果を通知する以前に、表示演出装置11やスピーカ部12、遊技状態表示LED部13に演出を実行させるか否かの演出抽選を行う。副制御部160は、演出抽選で当選すると、後述するROM11c(図13参照)に記憶する複数の演出映像の中から、表示する演出映像を選択して表示パネル11eに出力する。
特に、副制御部160は、後述するように、ATボーナス遊技中に、押し順小役(第一小役及び複数個の押し順規定小役中の複数一部)が内部当選した場合、当選中の第一小役図柄(例えば、ベル図柄)を有効ライン上に揃えるためのアシスト情報(補助情報)を表示演出装置11に表示する。これにより遊技者は、第一小役を容易に入賞させることが可能になる。但し、このATボーナス遊技は、主制御部100の制御によって管理されており、副制御部160は主制御部100の指示によりアシスト情報を表示するだけである。
十字キーセンサ111は、十字キーが操作されることにより、上下左右の4方向に対応する方向信号及び中央部の決定ボタン操作信号を出力し、副制御部160はこの方向信号を受信して、方向信号に応じた各種映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示し、
更にスピーカ部12から効果音を発生させる。また、副制御部160は、十字キーセンサ111からの信号に基づき、役の組み合わせ図柄、小役表や配当表を表示演出装置11に表示する。
スペシャルボタンセンサ112は、スペシャルボタン14が操作された時にON信号(例えば、HIGH信号)を、離した時にOFF信号(例えば、LOW信号)を出力し、副制御部160はこのON信号を受信したタイミングやパルスを受信した回数(連打と呼ばれている。)に応じて、各種ゲーム及びその映像演出や当選告知等を表示演出装置11に表示する。
扉異常信号出力装置113は、扉の開閉状態を検出して副制御部160に制御信号を出力する装置であり、主電源がONの状態においては前扉1bの開閉に応じてON/OFF信号を出力する一方、主電源がOFFの状態においては副電源(バックアップ電池)から供給される電力によって駆動され、主電源断時の前扉1bの異常開閉を検出及び記憶し、その後、主電源がONとなった場合でも、主電源断時の異常開閉を副制御部160に通知する。これにより副制御部160は、前扉1bが閉まっていて全く異常がないように見えても、主電源が入れられた時に警告音を発生させるので、遊技ホールの管理者は異常事態を認識し、遊技機のチェックや点検等の適切な処置を施すことができる。
メダル検出センサ130は、メダル通過センサと近接センサ(図示せず)で構成され、メダル投入口5から投入されたメダル数に応じた数のパルス信号を出力する。主制御部100は、このパルス信号を受信し、及びパルス信号の立ち上りや立ち下りにおけるカウンター論理処理を実行して、表示LEDブロック4中の投入枚数LED4a又はメダル貯留枚数表示LED4bにパルス数に応じた数だけ増加した投入枚数又はクレジット数を表示させるように制御する。
ベットボタン検出センサ140は、1ベットボタンの操作に応じてパルス信号を出力する1ベットボタン検出センサ140a、及びマックスベットボタン8の操作に応じてパルス信号を出力するマックスベットボタン検出センサ140bの2つで構成され、主制御部100の2つのポートへ別々に接続されている(詳細図示せず)。主制御部100は、得られたパルス信号に対応するように投入枚数LED4aの枚数表示を制御する。
また、遊技者が所定数のメダルを投入後、スタートレバー9を正規に操作すると、スタートSWセンサ110はスタート信号を出力し、主制御部100はこのスタート信号の受信を契機として乱数抽選等を行って変動表示ゲームを開始するとともに、ドラム部2に駆動パルス信号を出力するようになっている。なお、この1回のスタートレバー9の操作によって行われる遊技が1ゲームの変動表示ゲームとなっており、遊技者はボーナスゲーム(ビッグボーナス又はレギュラーボーナス)を獲得してメダルを増やすことを目的に遊技を繰り返す。なお、ボーナスゲームとは、例えば第一種特別役物(RB)、第一種特別役物連続作動(RBB)又は第二種特別役物連続作動(CBB)を意味する。
そして、主制御部100は、変動表示ゲーム中に停止ボタン10a、10b及び10cが操作されると、対応する回転ドラムの回転を個々に停止させ、所定の入賞役が成立(各回転ドラムの図柄が予め定めた所定の組み合わせで表示されると入賞となる。)してメダルの払い出しを行う場合、その払出し枚数を表示LEDブロック4中のメダル払出枚数表示LED4cに表示して、これをクレジット数に加えてメダル貯留枚数表示LED4bに表示させる。なお、精算ボタン6によって払い出し操作が行われた場合やクレジット数が例えば最大数の50枚を超えた場合には、主制御部100はメダル払出装置18を駆動制御し、必要数のメダルをメダル払出口16から排出させて受け皿15に蓄積させる。
さらに、主制御部100は、再遊技や小役、特にボーナスが内部当選した場合には、副制御部160に内部当選等に関する制御データ(イベントデータ)を出力する。そして、副制御部160は、主制御部100から制御データを受け取ると、遊技状態表示LED部13の点灯制御、スピーカ部12から効果音を発生させるための音声合成LSI(図示せず)の制御、及び表示演出装置11の表示画面内におけるキャラクタや背景映像の表示制御等の各種演出動作を行うように構成されている。
150は、段階設定部であり、後述する出玉率の段階設定操作を行うことにより、ホール側は、イベントや新装オープンでのメダル大量放出や収益改善のための回収状況に応じて、段階値1〜6(又は、飛び番号の1,3,5,7等)の中から所望の設定値を選択することができる。
主制御部100には、打ち止め設定部(図示せず)が接続されておりであり、オン(又は「1」)であれば、ボーナスゲームが終了後、投入枚数LED4a及びメダル貯留枚数表示LED4bに表示しているメダルの合計を強制的に払い出し、変動表示ゲームを行う為の操作を不能状態(打ち止め状態)にして、スピーカ部12から警告音を発生させる。なお、最近では、この打ち止め設定部を設けないスロットマシンも多数ある。
図4は、ドラム部を制御する制御回路系のブロック図である。
ドラム部2は、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの3つのドラムを回転制御するためのステップモータ30a、30b及び30cを備えており、主制御部100からの駆動パルス信号に応答して各ステップモータ30a、30b及び30cが駆動され、駆動パルス信号を何れかの2相に同時に供給し続けると、吸引力が発生して急停止するようになっている。なお、実際には、ドラム部2を所定位置に滑らかに停止させる為の、より細かな停止制御が行われる。
このステップモータ30a、30b及び30cは、4相1−2励磁方式でステップ数が252ステップ/回転(1.43度/ステップ)であり、主制御部100が駆動パルス信号を504パルス入力すると丁度1回転する。主制御部100は、各ドラムに1つ設けられたフォトインタラプタからなる回胴センサ31a、31b及び31cから、それぞれのインデックス信号(基準信号又は基準位置信号)が1パルス返ってくるので、各ドラムの基準位置を正確に把握することができる。つまり、1つの入力パルスによる分解能は0.714(度/パルス)ということである。なお、更に分解能を上げる場合には、入力パルスから次の入力パルスまでの時間と回転速度を管理することにより回転位置を細かく把握できる。
図5は、ドラム部の構成ブロック図である。
ステップモータ30a(図示せず)、30b(図示せず)及び30cの各回転軸には、厚肉の円盤状回転体である左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの中心部がそれぞれ連結されており、図示した矢印の方向(即ち、上から下方向)に回転する。また、各ドラムの外周部には複数種類の図柄が配置された左回胴帯32a、中回胴帯32b及び右回胴帯32cが貼り付けられており、変動表示ゲームにおいて同一図柄(予め決められた所定図柄)が有効ライン上に並んで窓部3に表示されれば役が成立(入賞又は作動)となる。なお、同図の星マーク、+マーク、プラムマーク(黒丸マーク)や三角マークは便宜的に示したものであり、実際とは異なっており、7図柄、バー図柄、ベル図柄、スイカ図柄やチェリー図柄等が一般に用いられる。また、一般に、回胴帯はリールテープと呼ばれている。
ステップモータ30a、30b及び30cのそれぞれに対して、回胴センサ31a、3
1b及び31c(図示せず。)が設けられており、ステップモータの1回転毎に各回胴センサからインデックス信号が1パルス返ってくるようになっている。主制御部100は、このインデックス信号と、出力した駆動パルス信号の数により、基準位置(例えば、窓部3の最下位置)にある図柄番号と回転角度(24分割/図柄)を常に把握している。
図6は、ドラムの図柄配置表である。
左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cのそれぞれには、左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯(図示せず)が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
各回胴帯には、例示したように、それぞれ異なった並びの図柄が21個描かれており、ボーナスが作動するビッグボーナス図柄の「赤7」や「青7」、各種小役入賞図柄のチェリー、スイカ、ベル、及び再遊技が作動するリプレイが付されている。なお、捨て図柄は有効ライン上に停止しても如何なる役をも構成せず、遊技者に目立たないように、例えば薄い灰色で丸の中に「N」が印刷されている。つまり、捨て図柄は入賞に絡まない図柄である。
図7は、ドラム部の構成ブロック図であり、図7(A)及び図7(B)は右ドラム2cが引込制御される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果が当選となって役が内部当選した場合には、有効ライン上にその役の図柄を可能な限り引き込む為の引込制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選し、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っている所謂リーチ状態(又はテンパイ状態)で、この有効ラインから4コマ上以内に図柄「7」が位置する場合(即ち、有効ライン上の図柄を含めて5コマ以内に位置する場合)、右停止ボタン10cが停止操作されたとき(図7(A)参照)、主制御部100は、図柄「7」を強制的に有効ライン上に引き込んで「7、7、7」の組み合せとなるように揃える引込制御を行う(図7(B)参照)。
一方、抽選によりいずれかの役が内部当選しているとしても、役に対応する所定の図柄が有効ライン上に表示されなければ遊技者に有利な状態とはならない。例えば、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)は、図7(B)のように表示されなければ作動しないようになっている。なお、この引込制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行うようになっている。主制御部100は、乱数抽選結果(内部当選やハズレ)に応じて、各ドラムの停止位置を決定する停止テーブルを参照して、事前に仮想停止操作図柄コマ位置に対する滑りコマ数を順次計算して、第一停止操作用の滑りコマ数テーブルを完成させる。そして、実際に停止ボタン部が停止操作された場合に、主制御部100は、基準位置にある図柄番号に対応する滑りコマ数だけ、該当するリールドラムを移動させ、その後に停止させるように停止制御を行う。つまり、第一停止操作位置は合計63コマ位置(21コマ×3リール)あり、その全てのコマ位置に対する滑りコマ数を、滑りコマ数テーブルとして事前に作成するのである。
図7の例では、テンパイ状態において、右ドラム2cの図柄「7」が丁度4コマだけ上にあり、引込制御の対象となって有効ライン上に並ぶことになる。但し、この引込制御は4コマに限定されるものではなく、設計仕様又は法規制に適応させるように、引き込みコマ数をソフト制御で増減させることが可能である。なお、副制御部160は、一般遊技で乱数抽選結果が当選である場合、引込制御により所定の組み合わせで図柄が表示されるように、回転ドラムの回転を停止させる為の補助情報(操作順序や操作タイミングなどのア
シスト情報:AT情報)を表示演出装置11や音声で通知するのである。
図8は、ドラム部の構成ブロック図であり、図8(A)及び図8(B)は右ドラム2cが回避制御(又は蹴飛ばし制御)される状態を時系列的に示している。
主制御部100は、変動表示ゲームのスタート信号を受信し、抽選結果がハズレとなって役が不成立の場合(全ての役が内部当選していない場合)には、有効ライン上に入賞又は作動役(ボーナス、小役、リプレイ)の図柄を揃えないための回避制御を行う。
例えば、ビッグボーナス役が内部当選しておらず、停止した左ドラム2aと中ドラム2bの右斜め下の有効ライン上に図柄「7、7」が揃っているリーチ状態(テンパイ状態)において、遊技者が「目押し」により、この有効ラインから1コマ以内に図柄「7」が位置する状態で、停止ボタン10cが操作されたとき(例えば、「ビタ押し」と呼ばれている。図8(A)参照)、主制御部100は、有効ライン上に「7、7、7」が揃わないように図柄「7」を少なくとも一つ先まで移動させて強制的にハズレとする回避制御を行う(図8(B)参照)。なお、この回避制御は、右ドラム2cだけではなく、左ドラム2aや中ドラム2bのいずれの図柄に対しても行っている。また、不当選の小役図柄が入賞しないように、回避制御を行うようになっている。これらの引込制御や回避制御(蹴飛し制御)は、主制御部100が内部当選状況に従った停止テーブルを参照して事前に作成した滑りコマ数テーブルに基づく停止制御や、必要に応じてプログラムによるコントロール制御にて行われる。
図9は、インデックス信号、図柄位置データ(コマデータ)、駆動パルス信号及び停止ボタンセンサ信号との関係を示すタイミングチャートである。
図9(A)は、各回胴センサ31a、31b及び31cから出力されるインデックス信号を示しており、T1が0.751秒(つまり、79.9回転/分)で一定となるように主制御部100により制御される。
図9(B)は回転ドラムの図柄位置データ及び図9(C)は駆動パルス信号を示している。
図柄位置データは駆動パルス信号を分周することにより生成され、駆動パルス信号が24パルス毎にデータが1減算される。つまり、インデックス信号を基準とし、そこから駆動パルス信号が1パルス〜24パルスの範囲で図柄位置データは「21」、駆動パルス信号が25パルス〜48パルスの範囲で図柄位置データは「20」、駆動パルス信号が49パルス〜72パルスの範囲で図柄位置データは「19」、…、駆動パルス信号が481パルス〜504パルスの範囲で図柄位置データは「1」となり、図柄位置データは21〜1をターンアラウンドする。つまり、図柄位置データは「1」の次に「21」に戻る。
駆動パルス信号は、回転ドラムを一定方向に回転させるためにモータコイルに入力される規定パターンの駆動パルスであり、図から分かるようにパターン0〜7の8つのパターン番号がある。この駆動パルス信号としてパターン番号0〜7をモータコイル1相〜4相に3度繰り返して加えると(つまり、24パルス入力すると)、1図柄(1コマ)分だけ回転ドラムが上から下へ回転する。
特に、ステップモータに入力する駆動パルスの入力パルス相データとは、回転ドラムを1コマ駆動させる0〜23の5ビットのデータであり、パターン番号0〜7はその下位3ビットの相データであって、パターン番号に対応する駆動パルスがモータコイル1相〜4相に実際に加わる。従って、ワークRAM(RAM102)にパターン番号のみを記憶し
た場合でも、入力パルス相データを記憶する相データ記憶手段に該当する。
図9(D)は、各停止ボタンが操作されたときに出力される停止ボタンセンサ信号を示している。この図の場合には、主制御部100は、停止ボタンセンサ信号の立ち上がり時点において、図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「10」(又は、パターン番号「2」)を認識する。
図10は、ドラム部に含まれる左ドラム2aの模式図である。
図10(A)に示す通り、この左ドラム2aは矢印の方向(上から下方向)へ回転しており、実線で示した3つの窓部3の上段、中段又は下段の何れかにチェリー図柄が停止すると入賞となって、所定数の遊技メダルが払い出される。なお、図10(A)は、窓部3の上段にチェリー図柄が停止した状態を示している。
主制御部100は、遊技者により変動表示ゲームの開始操作が行われると、内部抽選を行い、その結果、上段チェリー(チェリー1)が当選した場合には、停止ボタンが操作された位置(タイミング)により、チェリー図柄の引込制御(図9参照)又は回避制御(図10参照)を行う。
図10(B)は、引込制御の可能な範囲を示しており、主制御部100は、チェリー図柄が上段丁度の位置からその4コマ上の位置において停止ボタン10aが操作されると、窓部3の上段にチェリー図柄を停止させる(ビタ図柄が上段位置にあると仮定)。なお、実際には停止までに約36ms必要なのでその分だけ上に位置するが、説明の都合上このように記している。また、停止操作から190ms以内に停止することが規定されているので、4コマ滑らない場合もある。図10(A)に示す1〜4、及びチェリー図柄と重なった0のデータが滑りコマ数を示しており、主制御部100は、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。
一方、図10(C)及び図10(D)は回避制御等が行われる範囲を示しており、主制御部100は、上段チェリーが当選した場合であっても、チェリー図柄が上段位置から4コマより上の位置(つまり、図10(A)の4よりも上の位置)又は上段位置を少しでも過ぎた位置において停止ボタン10aが操作されると、上段位置の一つ上又は下段位置の一つ下にチェリー図柄を停止させハズレとする。つまり、中段チェリー(チェリー2)又は下段チェリー(チェリー3)が当選していないので、チェリー図柄を強制的に窓部3の外に停止させなければならないのである。
図11は、左ドラム2a、窓部3及び図柄位置データとの関係を示す模式図である。
図11(A)及び図11(B)に示す通り、左ドラム2a上のチェリー図柄はコマ番号8及びコマ番号19であるから(図8参照)、上段チェリーが内部当選している場合、窓部3の最下段位置を計測基準とすると、主制御部100は図柄位置データ「14」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「11」及び入力パルス相データ「23」、又は、図柄位置データ「4」及び入力パルス相データ「0」〜図柄位置データ「1」及び入力パルス相データ「23」の範囲で停止ボタン10aが操作されるとチェリー図柄を上段に停止させて入賞とする。つまり、適当に停止ボタン10aを操作しても10/21の確率で入賞するだけではなく、当選告知を行うと熟練者であれば目押しを行って100%に近い確率で入賞させることができる。
図12は、図柄の組合せ表示判定図である。
主制御部100は、ドラム部2が3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。例えば、遊技メダルを3枚投入し、左ドラム2aの2枚払い出しのチェリー図柄が窓部3に表示された場合には、上段であれば4枚(2枚×2ライン:第2ライン及び第4ライン)、中段であれば2枚(2枚×1ライン:第1ライン)および下段であれば4枚(2枚×2ライン:第3ライン及び第5ライン)の遊技メダルを払い出す。ただし、この有効ラインは従来から採用されてきた一般的なものであり、後述するように最近では1ラインだけのものや変則ラインも多く存在する。
また、8枚払い出しのベル図柄が窓部3の有効ライン上に揃って表示された場合、中段のみであれば8枚(8枚×1ライン:第1ライン)および上段と右斜め下であれば15枚(8枚×2ラインであるがMAX15枚:第2ライン及び第4ライン)の遊技メダルを払い出す。つまり、入賞の種類に応じて規定されている配当数の遊技媒体を、入賞分だけ合計して払い出すようになっているが、一度の払い出しの最大枚数は15枚である。
図13は、表示演出装置の構成ブロック図である。
表示演出装置11は、副制御部160から演出コマンドを受信したり、及び必要な情報を送信する送受信部11a、表示演出制御部11b(ROM11c及びRAM11dを含む)、及びLCDや有機EL、LED等の表示パネル11eとを備えている。なお、この図の場合、表示演出制御部11bにROM11cを別途設けているが、映像データの全てをROM161に記憶するようにしても問題はない。従って、ROM11cは、ROM161の一部と考えてよい。
図14は、演出パターンテーブルであり、演出コマンドとROMに格納されている演出パターンデータとの関係を対応付けている。
演出コマンドは、1バイト長のモードデータと1バイト長のイベントデータからなり、演出内容である演出パターンデータ(動画が主であるが、静止画もある。)とが対応付けて記憶されている。
副制御部160は、主制御部100から各種制御に必要な制御データ(特に、乱数抽選結果の大当り、小当り、再遊技又はハズレを示す各種データが含まれている。)を受信すると、乱数抽選の結果を通知する以前に、制御データに応じた適切な演出コマンドを表示演出装置11側に送信し、コマンド受信部11aがこの演出コマンドを受信して表示演出制御部11bに送信する。
表示演出制御部11bは、演出コマンドを受け取ると、演出コマンドに対応する演出パターンデータをROM11cから読み出してRAM11dにデータ展開し、表示パネル11eに送信することにより、演出コマンドに応じた演出画像を表示画面上に表示するように構成されている。
図15〜図17は、表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
副制御部160が、例えば演出コマンドとして($Z0$00)を送信すると、表示パネル11eは、疑似ボーナスのストックがない状態や疑似ボーナスが当選しにくい状態を主に示す低確率ステージの「昼の演出パターン0」を表示する(図15(A)参照)。その一方、副制御部160が演出コマンドとして($Y0$00)を送信すると、表示パネル11eは、疑似ボーナスのストックがある状態や疑似ボーナスが当選し易い高確率状態
を示唆する高確率ステージの「夜の演出パターン0」を表示するようになっている(図15(B)参照)。従って、遊技者は、遊技中に高確率状態を主に示唆する「夜の演出ステージ」が表示されることを期待又は切望するのである。但し、疑似ボーナスのストックがない状態や非高確率状態でも「夜の演出ステージ」を表示するガセ演出や、その逆の疑似ボーナスのストックがある状態や高確率状態で「昼の演出ステージ」を表示することもある。なお、疑似ボーナスは、アシスト機能が発動する特別遊技であり、疑似ボーナスの放出によりアシストボーナスが開始する。
更に、副制御部160が演出コマンドとして($S0$00)を送信すると、表示パネル11eは「城の演出パターン0」に対応する画像である「ドラキュラ城」を、青空の背景画面に重ねて表示(図15(A)参照)したり、月夜の背景画面に重ねて表示(図17(B)参照)するようになっており、その後にドラキュラ城から黄色、赤色又は青色等のコウモリが飛び出してきて、成立した役(小役やリプレイ)に対応する告知画像を表示する(図15(C)参照)。
図15(B)の演出が多段階に発展した場合は、疑似ボーナスのストックがあり放出確率が高い状態や疑似ボーナス放出の期待が大きい又は確定した前兆演出となる。例えば、図16(A)は「ドラキュラ城」の外門が拡大表示されて、鉄門が開こうとしている状態である。そしてドラキュラ城に侵入して扉が拡大し(図16(B)参照)、扉が徐々に開かれ(図16(C)参照)、煌びやかな「ドラキュラ城」の内部が表示される(図16(D)参照)。その後に、主人公と吸血鬼ドラキュラ伯爵とのバトルへと発展して、主人公が勝利すれば、疑似ボーナスのストックがあり疑似ボーナスの放出確定や、実ボーナス内部が当選中で実ボーナス放出確定となる。
図17(A)(図15(B)と同じ)の夜の通常画面を表示している状態から、表示画面を左にスクロールし、墓地が拡大されてキャラクタの執事が「オリャー」という叫び声と「ティロロロローン」という効果音と共に、堀り起こされた画面中央の墓穴から主人公のキャラクタを登場させたり(図17(B)参照)、「大当たり」を意味する「BONUS」という文字を表示(図17(C)参照)させることにより、プレミア演出としてもよい。これらの表示演出も全て、主制御部100から制御コマンドやイベントデータを受信して、副制御部160がプログラムに従って演出コマンドを出力することにより実行される。
図18は、一般的な抽選テーブルの概念図である。
抽選テーブルは、ROM101の所定のエリアに格納されており、当選役と乱数抽選に使用する置数との関係を規定している。
本発明の回胴式遊技機の場合、主制御部100が乱数値を発生させる。この乱数値は周期的に0〜65535(m7)の全ての値を一周期(約6.5ms)に必ず一度だけランダムに発生するようになっている。図18(A)は、ハズレ確率が高い通常状態(非RT状態)で用いる抽選テーブルであり、スタートレバー9が操作されたタイミングに合わせて、主制御部100が内部抽選をしたときに、乱数値が0〜m1の範囲であればビッグボーナス(BB)が当選となる。即ち、この内部抽選とは、スタート操作時に乱数値を1つだけピックアップ(抽出)し、抽選テーブルと比較して、当選役を決定することである。
同様に、乱数値がm1+1〜m2の範囲でレギュラーボーナス(RB)、乱数値がm2+1〜m3の範囲でチェリー、乱数値がm3+1〜m4の範囲でスイカ、乱数値がm4+1〜m5の範囲でベル及び乱数値がm5+1〜m6の範囲でリプレイが当選となる一方、乱数値がm6+1〜m7の範囲でハズレとなる。
通常、これらのm1〜m7の数値は、法規制(風営法)やゲーム性を考慮して適宜設定されるのであるが、BB当選確率は「1/400」程度、RB当選確率は「1/300」程度、チェリー及びスイカの当選確率は「1/50」程度、ベルの当選確率は「1/6」程度及びリプレイの当選確率は1/7.3となっている。なお、BBやRBは、単独で当選するが、レア役と同時に当選することもある。
一方、図18(B)は、高確率再遊技状態(RT状態)で用いる抽選テーブルであり、リプレイタイムではリプレイの当選範囲がαだけ広がるのに対して、ハズレとなる範囲がαだけ狭くなることにより、リプレイの当選確率を「1/2」程度とする。これにより、3枚配当に相当するリプレイ当選の確率が大幅に上がる一方、ハズレとなる確率が下がるので、リプレイタイムにおいては結果的に遊技メダルの払い出し期待値が大幅に向上又は増大することになる。また、主制御部100が、このα値を増減させることにより、リプレイタイムの期待値を所望のものに設定できる。
抽選テーブルの詳細図は省略するが、出玉率の段階設定値1〜6及び投入メダル数(規定数)に対応した6つの抽選テーブル1、抽選テーブル2…抽選テーブル6があり、主制御部は段階設定部150により設定された段階設定値及び投入メダル数に応じて抽選テーブルを選択し、変動表示ゲームにおいてボーナスゲームや複数の小役の内部抽選を実行する。なお、内部抽選でボーナスゲームが当選する期待値は、一般に抽選テーブル1<抽選テーブル2<…<抽選テーブル6となっているので、遊技者は高設定台を追い求めるのである。但し、3枚専用機であれば、メダル数1枚の抽選テーブルは不要である。
図19は、図柄の組合せと獲得メダル枚数との関係を示した配当表である。
BB(ビッグボーナス)とは、「赤7」のBB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、この図柄が揃うと獲得メダル数は0で、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム:役物連続作動装置の作動)に突入し、360枚を超える払い出しで終了する。
RB(レギュラーボーナス)とは、「青7」のRB図柄が有効ライン上に揃った場合の役名であり、内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、この図柄が揃うと獲得メダル数は0で、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム:役物連続作動装置の作動)に突入し、120枚を超える払い出しで終了する。なお、これらの役物連続作動装置は、第一種特別役物又は第二種特別役物の何れでもよく、設計仕様に応じて適宜選択される。
チェリー図柄が左ドラムの有効ライン上に停止した場合には、有効ライン1本につき1枚のメダルが獲得される。例えば、有効ラインが図14の表示判定図であれば、左ドラムの中段に停止すれば1枚であるが、上段又は下段であれば有効ラインは2本となり、払い出しは合計2枚となる。スイカ図柄が有効ライン上に揃った場合には、5枚のメダルが獲得される。ベル図柄が有効ライン上に揃った場合には、8枚のメダルが獲得される。
リプレイ役が内部当選すると、対応するフラグエリアにフラグ1を立て、何れかのリプレイ作動図柄が有効ライン上に必ず揃う(リプレイ役入賞ともいう)。リリプレイ作動図柄が表示されると、メダルの獲得がない再遊技が作動し、遊技者のスタートレバー9の操作により再遊技を行ってフラグを下げる(即ち、0とする)。つまり、次回のゲームはメダルを投入することなく行うことができる。なお、フラグを下げるタイミングは任意である。
次に、上述の様に構成された回胴式遊技機の基本動作について、フローチャート等を参照して説明する。
まず、回胴式遊技機が工場出荷された状態では、デフォルトとして、出玉率の段階設定操作が行われた場合の警告モードは「オン状態」、打ち止め設定部180(打ち止め設定スイッチ)は「オフ」で、且つ段階設定値は最低の「1」が設定されているものと仮定する。
遊技ホール側は、遊技者にプレイさせる前に、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ28cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、主制御部100は後述するステップS100で初期チェック(ハードウェアの異常チェック等)や初期設定(例えば、打ち止め設定フラグ「1」、ROM101が記憶する段階設定値「1」及び制御データの初期値をRAM102に書き込む)を実行し、副制御部160は警告モードを「オン状態」にセットし、前扉1bが閉められると変動表示ゲームを行うことができるようになる。
この状態で遊技ホール側は、この設定状態でグランドオープンや新装開店又はイベントの為に、出玉率の設定変更を行おうとしていると仮定する。
図20は、回胴式遊技機の主要動作処理手順を示すフローチャートである。
遊技ホールの従業員は、回胴式遊技機本体1の前扉を開けて電源スイッチ28cを一旦オフ状態にし、設定変更キーを設定用キースイッチ28aに差し込んで右に回してON状態(図2の設定用キースイッチ拡大図参照)にし、再び電源スイッチ28cをオン状態にすると、各回路ブロックに電源が供給され、ステップS100で初期チェックや初期設定が実行された後、主制御部100はステップS110で設定用キースイッチ28aがON状態であるか否かを判断する。
主制御部100は、設定用キースイッチ28aがON状態でなければ、ステップS130へ移行する一方、ON状態であれば、ステップS120で設定変更サブルーチンを呼び出す(設定変更モードへ移行する)。
ステップS120の設定変更モードにおいて、遊技ホール側が遊技者にプレイさせる前に出玉率が最高の段階設定値「6」を入力し、スタートレバー9を一度叩き設定値を確定させ、設定用キースイッチ28aをOFF状態にすると、主制御部100はステップS100に戻り、設定値を「6」に設定するとともに、再度ハードウェアの初期チェックと初期設定等の必要な処理を行う。
また、主制御部100は、ステップS100で初期画面の表示設定を行う為に、副制御部160に制御データを出力すると、副制御部160は、例えば演出コマンドとして($Y0$01)を表示演出装置11に送信する。その結果、表示パネル11eには、スタート画面として、夜空に満月とドラキュラ城と墓地の画面で構成される「夜の演出パターン1」を表示する(図示せず)。
主制御部100は、段階設定値の変更後にステップS130に移行すると、ドアオープンやホッパーエラー、セレクターエラー等の異常発生のチェックを行い、異常があればステップS140に移行して異常処理の後に再度ステップS100に戻る一方、異常がなければ、ステップS150に移行する。特に、主制御部100は、異常チェックとして、ワークRAM領域に記憶している段階設定値のデータが0〜5(メダル払出枚数表示LED4cに表示される段階設定値は各々1〜6に対応する)の範囲内にあるか否かを確認し、
段階設定値が所定の範囲内になければ、表示演出装置11、スピーカ部12及び遊技状態表示LED部13により警告(「EE」エラーの文字表示、発光及び警告音)を発生させてエラー処理(ステップS140の異常処理)を行わせる。
主制御部100は、ステップS150に移行すると、メダル検出センサ130又はベットボタンセンサ140により、遊技者が遊技に必要な数量の遊技メダルを投入したか否かを判断し、所定数だけ投入した場合には、ステップS160に移行する一方、投入していなければステップS130に戻り、メダル投入操作があるまで各ステップをループしながら待機する。
主制御部100は、ステップS160に移行すると、遊技者がスタートレバーを操作して、変動表示ゲームを開始させたか否か確認し、開始させた場合には、ステップS170に移行する一方、開始させていなければステップS130に戻り、開始操作があるまで各ステップをループしながら待機する。
主制御部100は、ステップS170で変動表示ゲームのメイン処理を実行し、スタート信号の受信タイミングに合わせて乱数抽選を行い、ピックアップ(抽出)した乱数値と現在の内部状態(RT又は非RT)の抽選テーブルとを比較して、内部当選したか否かを判断する(図18の説明参照)。
主制御部100は、副制御部160に抽選結果コマンドとゲームスタート信号を送信するとともに、ドラム部2を一斉に回転させて、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2c上に表示された複数の図柄を所定速度で変動させる変動表示ゲームを開始する。
主制御部100は、図9及び図10で説明した通り、遊技者が停止ボタン部10の左停止ボタン10a、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cを操作して各図柄列(回胴帯)を停止させた場合、有効ライン上に内部当選役に応じた図柄を揃えるための引込制御や、逆に図柄を揃わせないための回避制御を行う。また副制御部160は、主制御部100から抽選結果コマンドとゲームスタート信号を受信すると、表示演出装置11やスピーカ部12、遊技状態表示LED部13に演出表示等を行うか否かの演出抽選を行い、大当り(ボーナス当選)や小役、リプレイ又はハズレの抽選結果を停止ボタン部10の操作に応じて遊技者に告知する。なお、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照して停止制御を実行する。
主制御部100は、一般遊技の各変動表示ゲームにおいて、所定の図柄が窓部3の有効ライン上に並んで表示されれば役の成立とし、ROM161に記憶されている配当表(図19参照)に従って、クレジットとして加算したり、貯留上限値を超える配当は、遊技メダルをメダル払出装置18から払い出し、メダル払出口16より排出する。
なお、赤7が3つ揃ったビッグボーナスゲーム(BBゲーム)においては、役物連続作動装置が作動して、獲得枚数が360枚を超えたことを契機にして、BBゲームモードを終了する。また、青7図柄が3つ揃ったレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)においては、役物連続作動装置が作動して、獲得枚数が120枚を超えたことを契機にして、RBゲームモードを終了する。
そして、主制御部100は、ステップS170のゲームメイン処理を終了すると、ステップS130に戻り、順次処理を繰り返す。
次に、上述の様に基本構成された回胴式遊技機の動作について、図面やフローチャート
等を参照して詳細に説明する。特に、リプレイの当選確率が変動し、実ボーナス及びアシストボーナス(ART、第3のボーナス又は疑似ボーナス等)を搭載する回胴式遊技機について説明する。
図21は、ドラムの図柄配置図である。
左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cのそれぞれには、左ドラム図柄、中ドラム図柄及び右ドラム図柄が描かれた回胴帯(図示せず)が、各ドラムの外周部において一周するように張り付けられている。
各回胴帯には、それぞれ異なった並びの図柄(赤セブン図柄、宝石図柄、BAR図柄、ベル図柄、チェリー図柄、スイカ1図柄、スイカ2図柄、リプレイ1図柄、リプレイ2図柄、リプレイ3図柄の10種類)が21個配置されている。
図22は、図柄の組合せ表示判定図である。
主制御部100は、ドラム部2が3個すべて停止したときに、遊技メダルの投入枚数に応じた窓部3の有効ライン上で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う(図22(A)参照)。但し、全ての遊技(通常遊技、アシスト遊技及びボーナス遊技等)において、規定数は3枚と仮定して説明する。
図22(B)は、遊技メダルを規定数3枚投入した場合の有効ラインであり、左ドラム2a、中ドラム2b及び右ドラム2cの順に、第1ライン(中段、中段、中段:中央横ライン)のみが有効となる。すなわち、全ての遊技において、常に3枚投入で、有効ラインが中央横ワンラインである。
図23は、通常時及びボーナス作動時の配当表である。
主制御部100は、リール(回胴又はドラム)が3個すべて停止したときに、有効ライン上(図22参照)で入賞及び作動に係る図柄の組合せ表示判定を行う。
(1)ボーナス1(第2種特別役物に係る役物連続作動装置):左ドラム2aに(リプレイ1/リプレイ2/リプレイ3)、中ドラム2bに(BAR/宝石/チェリー)、右ドラム2cに(リプレイ1)が有効ライン上に揃って停止すると、獲得枚数は0枚でその後にボーナス1が付与される(2種BB1が作動する。作動図柄1)。同様に、左ドラム2aに(リプレイ1/リプレイ2/リプレイ3)、中ドラム2bに(リプレイ2/リプレイ3)、右ドラム2cに(BAR/宝石/スイカ1)が有効ライン上に揃って停止(作動図柄2)、又は、左ドラム2aに(チェリー/スイカ2)、中ドラム2bに(BAR/宝石/チェリー)、右ドラム2cに(BAR/宝石/スイカ1)が有効ライン上に揃って停止(作動図柄3)すると、ボーナス1が付与される。このボーナス1は、例えば当選確率が1/350で、ボーナス1中のゲームの規定投入枚数が3枚、払出し枚数が180枚を超えると終了する。抽選でボーナス1が内部当選し、ボーナス1フラグが立つことにより、ボーナス1が入賞可能な状態となるが、ボーナス1は小役又はリプレイ役の何れかと必ず同時当選するので、内部当選した遊技では入賞できないようになっている。
また、ボーナス1が内部当選し、入賞できなかった場合には、次遊技以降をボーナス1が内部当選した持越し状態となる。このボーナス1は貫通型の2種BBであり、内部当選しても、作動(入賞)しても、ボーナス1の作動が終了しても、リプレイ当選確率は変動しない。ボーナス1の持越し状態において、内部抽選で純ハズレとなった場合に、必ずボーナス作動図柄を引き込んで入賞する(引込100%)。特に、ボーナス1の持越し状態で押し順小役が当選し、操作順序を間違った場合に、阻害小役が約2/3の確率で入賞する一方、ボーナス作動図柄が約1/3の確率で表示される。すなわち、ボーナス1と押し順小役が同時当選すると、それを構成する小役の何れかが入賞するか、又はボーナス1が入賞する様になっている。
(2)中段ベル:ベル図柄が各ドラムの有効ライン上に揃って停止した場合の役名であり、獲得枚数は14枚となる。
(3)右下ベル:例えば、左ドラム2aに(リプレイ2)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(リプレイ1)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにベル図柄が表示され、右下ベルが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、14枚となる。
(4)上段スイカ:例えば左ドラム2a(ベル)、中ドラム2bには(リプレイ2)、右ドラム2cに(チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、上段にスイカ図柄が表示され、上段スイカが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、1枚となる。
(5)右下スイカ:例えば、左ドラム2aに(ベル)、中ドラム2bに(スイカ1)、右ドラム2cに(チェリー)が有効ライン上に揃って停止すると、右下りにスイカ図柄が表示され、右下スイカが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、1枚となる。
(6)2連チェリー(弱チェリー):例えば、左ドラム2aに2番の(BAR)、中ドラム2bに(チェリー)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにチェリー図柄が2つ表示され、2連チェリーが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、2枚となる。
(7)3連チェリー(強チェリー):例えば、左ドラム2aに2番の(BAR)、中ドラム2bに(チェリー)、右ドラム2cに(スイカ2)が有効ライン上に揃って停止すると、右上りにチェリー図柄が3つ表示され、3連チェリーが入賞する。メダルの獲得枚数は、2枚となる。なお、右ドラム2cに(白セブン)が停止してもよい。
(8)中段チェリー:例えば、左ドラム2aに3番の(チェリー)、中ドラム2bに2番の(BAR)、右ドラム2cに1番の(ベル)が有効ライン上に揃って停止すると、中段チェリーが入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は2枚となる。右下りにBAR図柄が3つ揃って表示させることが可能である。中段チェリー役は、フリーズ抽選の契機役であり、当選するとフリーズ演出(リールロック及びリール演出)が行われ、疑似ボーナスが直ちに放出される。
(9)プレミア役:例えば、左ドラム2aに(宝石)、中ドラム2bに(宝石)、右ドラム2cに(宝石)が有効ライン上に揃って停止すると、プレミア役が入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、14枚となる。このプレミア役は複数個の疑似ボーナスが当選する特別役であり、疑似ボーナスが直ちに放出される。
(10)複数種類の1枚役:例えば、左ドラム2aに(リプレイ1)、中ドラム2bに(BAR)、右ドラム2cに(BAR)が有効ライン上に揃って停止すると、1枚役1が入賞する。メダル(遊技媒体)の獲得枚数は、1枚となる。この1枚役は停止制御用の小役であり、1枚役1〜1枚役n(nは、2以上の自然数)まで複数種類存在するが、他の1枚役についても同様なので、説明を省略する。
(11)通常リプレイ:各ドラムにリプレイ図柄(リプレイ1〜3)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。次ゲーム以降連続で揃っても有効であり、リプレイが不成立となるゲームまでコインを消費せずに遊技し続けることができる。遊技開始前にメダルが自動的に投入される演出が行われ、遊技者のスタートレバー9の操作により、次回のゲームを行うことができる。乱数抽選で通常リプレイが単独で内部当選すると、フラグエリアに対応するRPフラグを立て、必ずリプレイ図柄が表示される。見た目では、リプレイ図柄が中央横一直線に揃う。再遊技Aの作動図柄が表示されても再遊技確率は変動しない。
(12)RT1移行リプレイ(再遊技1):例えば、左ドラム2aに(宝石)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、リプレイ図柄が上段一直線に揃う。乱数抽選でRT1移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技1が作動して再遊技確率が変動し、RT1状態に移行する(所謂、転落リプレイ)。同様に、RT1状態に移行する再遊技として、リプレイ図柄が下段一直線に揃う下段リプレイもある。
(13)RT2移行リプレイ(再遊技2):左ドラム2aに(ベル)、中ドラム2bに(リプレイ)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、リプレイ図柄が右上り一直線に揃う。乱数抽選でRT2移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技2が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT2状態に移行する。
(14)RT3移行リプレイ(再遊技3):例えば、左ドラム2aに(スイカ2)、中ドラム2bに(チェリー)、右ドラム2cに(ベル)が有効ライン上に揃った場合の役名であり、これに対してメダルは獲得されないが、そのゲームのベット枚数を維持した状態で次ゲームを行うことができる。見た目では、リプレイ図柄がV字状に表示される。乱数抽選でRT3移行リプレイが内部当選し、このリプレイ図柄が表示されると、再遊技3が作動して再遊技確率が約2/3に変動し、RT3状態に移行する。
(15)他のリプレイ:例えば、左ドラム2aに(リプレイ)、中ドラム2bに(リプレイ)、右ドラム2cに(スイカ)が有効ライン上に揃うが、見た目ではリプレイ図柄が取りこぼした様に表示されるチャンスリプレイがある。また、左ドラム2aに(ベル)、中ドラム2bに(赤セブン)、右ドラム2cに(スイカ)が有効ライン上に揃って、赤セブン図柄が右下がりに表示されるボーナスリプレイ1と、左ドラム2aに(チェリー)、中ドラム2bに(赤セブン)、右ドラム2cに(スイカ)が有効ライン上に揃って、BAR図柄が上段一直線に表示されるボーナスリプレイ2がある。疑似ボーナスとしてビッグボーナスが当選するとボーナスリプレイ1が表示され、レギュラーボーナスが当選するとボーナスリプレイ2を表示するようになっている。つまり、疑似ボーナスが当選した場合には、逆押しで赤セブン図柄を狙う様に指示し、右ドラム2cと中ドラム2bが停止すると、ボーナスリプレイ1及びボーナスリプレイ2が共にテンパイ状態となり、最終操作で左ドラム2aが停止すると、ボーナスリプレイ1又はボーナスリプレイ2の何れかが入賞するのである。なお、(11)通常リプレイ〜(15)他のリプレイは、複数種類のリプレイ役が同時に当選しており、特に操作順序に応じて予め定められたリプレイ役が入賞するようになっているものを押し順リプレイと称する。
(16)押し順小役(押し順ベル役)のコボシ目(1〜m):後述する押し順小役でベル役を取りこぼした時に有効ライン上に表示される特殊図柄(転落図柄)であり、何れか一つの特殊図柄が表示されると再遊技確率が変動し、RT1状態に移行する。例えば、左ドラム2aに(リプレイ)、中ドラム2bに(ベル)、右ドラム2cに(宝石)が有効ライン上に表示(転落図柄の表示)されると、遊技状態がRT1状態に移行する(他は省略する)。主制御部100は、押し順小役と押し順リプレイをまとめてグループ役(又は、押し順グループ役)として管理しており、非AT中(アシスト機能の非発動中)に、押し順小役又は押し順リプレイの何れが内部当選しても、グループ役が当選したという情報を副制御部160に送信する。主制御部100は、第二停止操作後に入賞役情報を副制御部160に送信し、副制御部160は入賞役情報に基づいて演出を行う。
図24及び図25は、押し順小役(中ファースト又は右ファースト)の条件装置の組合せ表(小役の同時当選パターン)である。
押し順小役とは、停止ボタン部10の操作順序(停止ボタン部10の押し順)が正解の場合に必ずベル小役(中段ベル又は右下ベル)を入賞させる一方、不正解の場合には、同時当選している複数種類の1枚小役の何れか1つを入賞させる時と、複数のコボシ目(ベル小役の取りこぼし図柄)の中の1つを表示する時がある重複当選小役である。この押し順小役は3×2分の一で入賞するので、6択小役(1/6入賞小役)と言える。
押し順ベル1は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く正解の第二停止操作が左停止ボタン10aの押し順小役である。押し順ベル1には、押し順ベル1−1〜押し順ベル1−9まで9種類あるので、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て1枚役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。押し順ベル1は2回押し順タイプの押し順小役であり、入賞させることを目的とし配当が最も多い第1小役(ベル役:FRU2)、第1小役の入賞を阻害する目的の第2小役群を構成する複数種類の第2小役(この場合、6種類の1枚小役(FRU11〜FRU16:リプレイ2−BAR−BAR、…、リプレイ1−宝石−スイカ1)、及び第1小役の入賞を阻害する目的の第3小役(FRU3:左ドラムに(チェリー/スイカ2)の何れか、中ドラムにベル、右ドラムに(リプレイ1/スイカ2)の何れかの4種類の図柄組合せ表示で入賞可能な小役)が同時に当選する(図25の押し順ベル1−1参照)。第2小役群は、第一停止操作が不正解の場合に、何れか1つの図柄が停止して、6つの第2小役中の2つの第2小役だけが入賞する可能性が残る。第3小役は、第一停止操作が正解で、第二停止操作が不正解の場合に、必ず入賞する。ただし、第三停止操作のタイミングで取りこぼすようにもできる。なお、第1小役は、特定小役、目的小役又は入賞目的小役などとも言う。
押し順ベル2は、正解となる第一停止操作が中停止ボタン10bであり、続く正解の第二停止操作が右停止ボタン10cの押し順小役である。押し順ベル2には、押し順ベル2−1〜押し順ベル2−9まで9種類あるので、押し順ベル1と同様に、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て1枚役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。以下、押し順ベル1と同じ説明を援用する。
押し順ベル3は、正解となる第一停止操作が右停止ボタン10cであり、続く正解の第二停止操作が左停止ボタン10aの押し順小役である。押し順ベル3には、押し順ベル3−1〜押し順ベル3−9まで9種類あるので、押し順ベル1と同様に、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て1枚役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部1
0を操作することができない。以下、押し順ベル1と同じ説明を援用する。
押し順ベル4は、正解となる第一停止操作が右停止ボタン10cであり、続く正解の第二停止操作が中停止ボタン10bの押し順小役である。押し順ベル4には、押し順ベル4−1〜押し順ベル4−9まで9種類あるので、押し順ベル1と同様に、遊技者は各リールの出目(停止図柄)を見て1枚役を取りこぼさないように、図柄を狙って停止ボタン部10を操作することができない。以下、押し順ベル1と同じ説明を援用する。なお、押し順ベル役として、第1停止操作が正解の場合にベル役が入賞する3択ベルが9種類(左1st押し順ベル)あり、左押し順ベルが当選して中押し又は右押しした場合にベル小役を取りこぼして、コボシ目が表示されるとRT1に移行するが、押し順ベル1〜押し順ベル4のFRU3やFRU4が当選しないだけなので、図による説明を省略する。即ち、押し順ベル役は、入賞させる押し順が実質5択ベル役となる。
図26は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
例えば、主制御部100は、乱数抽選により図24に示した押し順ベル1−1を内部当選させると、上述した通り、FRU2+FR3+FR11〜FR16の条件装置を同時に作動(8種類の異なる小役が同時当選)させ、ROM101に対応して記憶する操作順序情報(213)に基づいて、中→左→右の操作順序が入賞操作順序であると判断する。主制御部100は、この状態で、当選役、停止制御テーブル及び得点情報に基づいて停止演算処理を実行し、遊技者が何時どのタイミングで停止ボタン部10を操作しても直ちに停止制御できるように、滑りコマ数テーブルを作成する。また、第一停止操作後、及び第二停止操作後にも同様に、滑りコマ数テーブルを作成する(図10の説明参照)。
図26(A)は、全てのドラム部2が上から下へ回転している状態を示している。遊技者が、図26(A)の状態で、正解操作順序の中停止ボタン10bを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、ベル図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(単に、ドラム部2を滑りコマ数分だけ移動させているに過ぎない。図26(B)参照)。この図26(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が正解操作順序の左停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、ベル図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(図26(C)参照)。この図26(C)の状態で、FRU2がテンパイしている。主制御部100は、右停止ボタン10cが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、正解操作順序の右停止ボタン10cを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、ベル図柄を有効ラインに引き込み制御を行う(図26(D)参照)。
図27は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図27(A)及び図27(B)は、図26(A)及び図26(B)と同じなので、重複する説明を省略する。
主制御部100は、第一停止操作が正解の図27(B)の状態で、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が不正解操作順序の右停止ボタン10cを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、スイカ2図柄又はリプレイ1図柄の何れかを有効ラインに引き込む為の停止制御を行う(図27(C)参照)。こ
の図27(C)の状態で、FRU3がテンパイしている。主制御部100は、左停止ボタン10aが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が左停止ボタン10aを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、チェリー図柄又はスイカ2図柄の何れかを有効ラインに引き込む為の制御を行う(図27(D)参照)。上記の例では、第一停止操作が正解の場合には、FRU2又はFUL3の何れかが必ず入賞するが、5コマ以上の間隔でFRU3図柄を配置することで、FUL3を取りこぼすことがあるようにもできる。
図28は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図29(A)は、図26(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
遊技者が、図28(A)の状態で、不正解操作順序の右停止ボタン10cを第一停止操作した場合に、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、BAR図柄、宝石図柄又はスイカ1図柄の何れか1つを必ず有効ラインに引き込む為の制御を行う(図28(B)参照)。この場合、BAR図柄が有効ラインに停止しているので、この時点で、FRU11又はFRU14の何れか1つしか入賞する可能性はない。この図28(B)の状態で、主制御部100は、左停止ボタン10a又は中停止ボタン10bの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が左停止ボタン10aを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させて、引き込み範囲内にリプレイ2図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(図28(C)参照)。この図28(C)の状態で、FRU11及びFRU14が共にテンパイしている。主制御部100は、中停止ボタン10bが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成し、遊技者が中停止ボタン10bを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、BAR図柄又は宝石図柄の何れかを有効ラインに引き込む制御を行う(図28(D)参照)。一方、BAR図柄又は宝石図柄の何れも有効ラインに引き込めない場合には、押し順小役のコボシ目を表示する(図示せず)。なお、ボーナス1が内部当選している状態(持越状態)で、押し順小役を取りこぼすと、ボーナス1が入賞する。つまり、ボーナス1内部中における図28(C)の状態は、阻害小役及びボーナス1が共にテンパイしている状態である。
図29は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。但し、図29(A)は、図26(A)と同じなので、重複する説明を省略する。
遊技者が、図29(A)の状態で、不正解操作順序の左停止ボタン10aを第一停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で中ドラム2bを停止させ、リプレイ1図柄、リプレイ2図柄又はリプレイ3図柄の何れか1つを有効ラインに引き込む為の制御を行う(図29(B)参照)。この場合、リプレイ3図柄が有効ラインに停止しているので、この時点でFRU12又はFRU15の何れかしか入賞する可能性はない。この図29(B)の状態で、主制御部100は、中停止ボタン10b又は右停止ボタン10cの何れを操作されてもいいように、第一停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成している。遊技者が中停止ボタン10bを第二停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で左ドラム2aを停止させ、引き込み範囲内にBAR図柄又は宝石図柄があれば当該図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行うが、例えば17番のベル図柄が有効ライン上に位置するタイミングで中停止ボタン10bが操作されると、4コマ以内にBAR図柄又は宝石図柄が共に存在しないので、押し順小役のコボシ目を表示させる為に15番のチェリー図柄を有効ライン上に停止させる(図29(C)参照)。この時点において、全ての小役の入賞可能性は無くなっている。主制御部100は、右停止ボタン10cが操作されてもいいように、第二停止操作後の滑りコマ数テーブルを作成しており、遊技者が右停止ボタン10cを第三停止操作した場合、主制御部100は、滑りコマ数テーブルを参照し、該当する滑りコマ数データに基づいて、0コマ〜4コマの範囲で右ドラム2cを停止させ、押し順小役のコボシ目(リプレイ3図柄、チェリー図柄、ベル図柄)を表示する為にベル図柄を有効ラインに引き込む為の制御を行う(図29(D)参照)。なお、図24に示した押し順ベル2、図25に示した押し順ベル3及び押し順ベル4も停止制御としては同じロジックなので、その説明を省略する。
図30は、遊技状態遷移図(RT状態)である。
図のRT0は、リプレイ役(再遊技役)の当選確率が変動していない初期状態(非RT状態)であり、段階設定値が打ち直された直後のゲームから、初期状態(「初期リプレイ状態」とも言う。)となって一般ゲームが開始する。一般ゲームにおけるリプレイの当選確率(リプレイ確率)は約1/7.3であり、特にRT1移行リプレイ(再遊技1)、RT2移行リプレイ(再遊技2)及びRT3移行リプレイ(再遊技3)が一切当選しないので、この状態からRT1へ移行するには、上述した押し順小役のコボシ目が有効ライン上に表示されなければならない。一方、BB1(ボーナス1)が内部当選、図柄表示により作動又は所定枚数越えの払出しで終了しても、BB1が当選したRT0状態に戻るだけなので、このルートでもRT1へ移行することはできない。なお、RT0〜RT3では、抽選により役が当選せずハズレ(所謂順、ハズレ)となることもある。
RT0状態の一般ゲームで押し順小役が内部当選し、停止ボタン10の停止操作順序を間違えることによりコボシ目図柄が有効ライン上に表示されると、次のゲームからRT1状態となる(継続ゲーム数は定められていない。つまり、無限である)。このRT1状態におけるリプレイ確率もまた約1/7.3であり、図23に示した殆どの役が乱数抽選されて、単独当選又は複数同時に当選することが可能となる。つまり、初期状態とRT1状態の遊技が、リプレイ確率がほぼ同じ約1/7.3の遊技状態であるが、遊技者が主に滞在する通常遊技はこのRT1状態である。
RT1状態でRT2移行リプレイ(再遊技2)が内部当選し、作動図柄が有効ライン上に表示されると、リプレイ確率が約1/2に上昇したRT2状態となる。また、RT2状態では2つのボーナス役や小役の当選確率が約1/3なので、ボーナス役、小役及びリプレイ役の当選確率は5/6(83.3%)であり、ハズレが1/6(16.7%)の状態となる。
RT1移行リプレイ(再遊技1)は、遊技者が偶然に停止ボタン部10を変則押しした時にRT2移行リプレイが作動すると、RT2状態に移行してしまうので、逸早くRT1状態に落とす為の機能(つまり、コボシ目と同じ機能)を有している(転落リプレイ)。
RT2状態でRT3移行リプレイ(再遊技3)が内部当選し作動すると、リプレイ確率がほぼ同じ約1/2のRT3状態となる。また、RT3状態はRT2状態で当選するリプレイ役の種類や当選領域の大小が異なっている点で相違している。RT3状態におけるハズレ確率は、RT2状態と同じ1/6(16.7%)である。
実ボーナス(ボーナス1)は、初期状態、RT1状態、RT2状態及びRT3状態で当選可能である。ボーナス1は、単独で内部当選することはなく、レア小役やリプレイ役と同時に当選して、必ずボーナス1の持越し状態となる。このボーナス持越状態で、ハズレを引いた場合、どの様に停止ボタン部10を操作してもボーナス1は必ず入賞する(図柄引き込み100%)。また、ボーナス持越状態で、押し順小役を取りこぼした場合、コボシ目は表示されずに、ボーナス1が必ず入賞するようになっている。
図31は、遊技状態遷移図(演出状態)である。図32〜図34は、表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。図35は、窓部の図柄表示状態を示す模式図である。
主制御部100は、出玉性能に関する制御を司る一方、副制御部160は、演出に関する制御を司っている。
段階設定値が打ち直されると、主制御部100は、設定値に応じて各種データをクリア及びセットして初期状態とし、遊技者は通常遊技が開始可能となる。特に、主制御部100は、設定変更が行われると、疑似ボーナスを当選させる為の天井情報と現在時間情報を決定する。高確率遊技(長周期)1回と、通常遊技(短周期)12回で1セットとし、天井情報は、セット数情報と短周期情報及びゲーム数情報で構成される。例えば、主制御部100は、3セット目の5短周期目の7ゲーム目という様に天井情報を抽選で決定する。また、0〜11の範囲で短周期の何周期目かと、1〜11の範囲で短周期の長針位置抽選を実行する。例えば、短周期として6、長針位置として9が決定されると、副制御部160は受信した初期時間情報により6時45分の位置に時計役物50の短針と長針を合わせる。つまり、主制御部100は、時計役物50の初期時間情報を0時05分〜11時55分の範囲で決定して、副制御部160に初期時間情報を送信するのである。主制御部100は、設定変更時に初期時間情報を決定し、副制御部160は受信した初期時間情報により時計役物50の時間合わせをするので、遊技者は設定変更されたか否かを知ることはできない。逆に、設定変更時に所定時間(例えば、0時0分の位置)に合わすような仕様であれば、遊技者は設定変更されたことを察知できる。
非ART状態は、通常遊技(短周期)及び高確率遊技(長周期)で構成され、1ゲーム進行すると、時計役物50の長針が5分進み、それに応じて短針も少しだけ進む。時計役物50が6時45分の位置にあり、1ゲーム消化すると6時50分の位置に移動する。そして、6時55分の位置で1ゲーム消化すると1回の通常遊技(短周期)が終了する。そして、複数回のゲームを消化し、11時55分の位置で1ゲーム消化すると1セットが終了となり、次のセットの高確率遊技(長周期)が20ゲーム実行可能となる。もし、天井情報が2セット目の0短周期目の3ゲーム目であれば、3ゲーム後に当選となり、主制御部100は、どの時点で当選を告知するかを決定する。例えば、主制御部100は、次の通常遊技(短周期)の5ゲーム目という様に決定して、副制御部160に告知ゲーム情報を送信するのである。主制御部100は、天井の他に、レア小役当選時、実ボーナス当選時に疑似ボーナスの当否抽選を実行し、当選すると疑似ボーナスを放出する。特に、主制御部100は、高確率遊技(長周期)1回と、通常遊技(短周期)12回の1セット内で貯めた長周期ポイントがクリアポイントに達した場合に(又は超えた場合に)、疑似ボーナスを当選とする。
副制御部160は、遊技状態に応じて、表示演出装置11に表示する演出映像を切り替えて表示する。図32(A)は昼ステージ画面であり、疑似ボーナス(第3のボーナス又はアシストボーナス)の当選確率が比較的低い通常遊技(短周期)で主に用いられる。また、画面の右下に現在時刻が表示されるが、時計役物50も同じ時刻を表示する。但し、画面の現在時刻と時計役物50が示す時刻が異なっている場合には、バトルゲーム確定や疑似ボーナス放出確定となる。図32(B)は夜ステージ画面であり、主に疑似ボーナスの当選確率が非常に高い高確率遊技(長周期)や内部当選した状態(放出当選状態)で用いられるので、この画面が表示されると、遊技者は疑似ボーナス放出の期待感で気持ちが高揚する。なお、図示しないが、夕方ステージもあり、低確率の通常状態と超高確状態との中間確率の高確状態で用いられる。
副制御部160は、中段チェリー(業界では、「単チェ」と呼ばれている)、強チェリー、弱チェリー、強スイカ、弱スイカや単独当選して押し順とは無関係に揃う強ベル、チ
ャンス役等のレア小役が当選し、その後の移行抽選で更に当選すると、昼の通常画面、夕方画面から夜の画面に切り替える。一方、リプレイが当選するたびに所定の確率で転落抽選が行われるので、一般遊技中は昼の通常画面と、夕方画面、夜の画面が所定の頻度で交互に表示される。一般に、これらの表示画面は、遊技者に正しいモード示唆を行う為に、ボーナス内部当選中、低確率状態や高確率状態などの滞在モードに応じて演出を切り替えているが、必ずしもモード示唆が正しいとは限らず、ガセ演出も適宜行うことによって遊技者の期待感を更に煽ることができる。
図32(C)は夜のカミナリ演出画面であり、夜ステージ画面から遊技者がスタートレバーを操作して変動表示ゲームを開始すると、副制御部160は、レア小役が当選した場合など所定条件が成立する度に疑似ボーナス抽選(ATボーナス抽選)を行う。副制御部160は、疑似ボーナス抽選を行うと、その旨を遊技者に伝える為に、雷鳴と共に夜ステージ画面にカミナリを落とす演出等を行う。また、実ボーナス(BB1)や疑似ボーナス(疑似BB又は疑似RB)を放出する前兆演出として、夜のカミナリ画面が用いられる。特に、通常中に実ボーナス(BB1)が当選した場合には、昼ステージ画面から夜ステージ画面に急激に変化させて、少なくとも2度の雷連続演出を行ってボーナス当選を示唆する。また、昼ステージ画面から3度連続して雷演出を行った場合には、実ボーナス確定と疑似ボーナス抽選に当選したことを示唆する。従って、雷鳴音とカミナリ演出を適度に発生させることで、遊技者の期待感を煽ることができる。
副制御部160は、ボーナス当選(実ボーナス又は疑似ボーナス)を告知する場合、図33の疑似ボーナス前兆となり、図32(C)の前兆カミナリ演出を数回行った後の告知変動表示ゲームで、再び夜のステージ画面を表示し(図33(A)参照)、停止ボタン部10の操作に応じて、プレートを持った2匹のコウモリが遠くから近付いて、徐々に「BONUS」文字が認知できるように表示し(図33(B)参照)、最後に飛び去るコウモリ告知演出を行う。
また、図33(A)に示す夜のステージ画面を表示している状態から、表示画面を左にスクロールして、墓地が拡大されてキャラクタの執事が「オリャー」という叫び声と「ティロロロローン」という効果音と共に、堀り起こされた画面中央の墓穴から主人公のキャラクタを登場させることにより、遊技者にとって激アツなプレミア演出としてもよい(図33(C)参照)。
ボーナス放出により疑似ボーナスが確定すると、確定報知演出後に疑似ボーナス待機中となり、昇格抽選画面が表示される(図34(A)参照)。疑似ボーナスは、疑似BBと疑似RBがある。疑似ボーナス待機中において、押し順小役が当選すると、主制御部100は、副制御部160に入賞操作順序情報をのみを送信する。副制御部160は、入賞操作順序情報だけを受信した場合、当選役が押し順小役であることを理解して(プログラムされて)いるので、演出として黄色い丸の中に押し順を示す数字の1〜3を表示する(図34(B)参照)。但し、押し順リプレイの場合、主制御部100は副制御部160に、当選役がリプレイであること及び操作順序情報を送信する(図34(C)参照)。主制御部100は、昇格遊技中に疑似BBと疑似RBの何れを放出するかを決め、ボーナスリプレイ1(赤7揃い)又はボーナスリプレイ2(BAR揃い)が当選すると、逆押しで赤7図柄を狙うように指示する(図34(C)参照)。なお、この疑似ボーナス待機中に、当選役に応じて、疑似RBから疑似BBへと昇格するのである。
図34(C)の状態で、遊技者が、停止ボタン部10を右から中と正しく操作(逆押し及び正しい操作タイミングで操作)すると、赤7図柄及びBAR図柄が共にテンパイ状態となる(図35(A)参照)。最後に、遊技者が、左停止ボタン10aを正しく操作すると、ボーナスリプレイ1の場合には、赤7図柄が左上り一直線に揃って表示される(図35(B)参照)。一方、ボーナスリプレイ2の場合には、BAR図柄が上段横一直線に揃って表示される(図35(C)参照)。
図36〜図37は、表示演出装置が表示する演出画面の模式図である。
主制御部100は、役抽選だけではなく、出玉性能(アシスト機能)に関する制御を全て司っている。主制御部100は、図35(B)及び図35(C)の状態の後に、数秒間のフリーズ状態にして遊技の進行を遅延させ、決定した疑似ボーナス及び初期ゲーム数を副制御部160に送信する。副制御部160は、主制御部100が疑似BBを発動させると、このフリーズ状態中に疑似BB開始画面を表示し、初期ゲーム数として時間で表示する。例えば、5分が1ゲーム相当なので、図36(A)の180分は36ゲームとなる。副制御部160は、疑似BB開始画面の右上に残りゲームとして「2時間 60分」と表示し、時計役物50を9時00分に合わせる。
主制御部100は、図36(A)の状態でスタートレバー9が操作されると、疑似BB前半を開始して、図23に示した当選役に応じて、主人公の攻撃力と守備力を決める為のポイント抽選とゲーム数(時間数)の上乗せ抽選を実行する。主制御部100は、図24に示す押し順ベル2−1が内部当選すると、役抽選結果としてグループ役情報及び押し順情報(中→右→左:アシスト情報)を副制御部160に送信する。副制御部160は、役抽選結果としてグループ役情報及び押し順情報を受信すると、ベル小役(FRU1)を入賞させるのに必要な停止ボタン部10の押し順を黄色(ベル小役示唆)の円及び数字の1〜3で表示する(図36(B)参照)。この場合には、第一停止操作を意味する数字の1を大きな黄色円の中に表示すると共に、ドラキュラやお姫様等の主人公の声で「ナカ」と発音する。しかし、遊技者が操作を誤ってコボシ目が表示されると、図30のRT1に移行するので、その場合、RT2やRT3へ再び移行させるために押し順リプレイが当選したときに、同様の表示と音声で遊技者にアシストするようになっている。なお、主制御部100は、役抽選結果として、リプレイ役情報(当選役がリプレイ役であることを示す情報)及び押し順情報を主制御部100に送信する。副制御部160は、遊技者が中停止ボタン10bを正しく操作すると、中央の大きな黄色円を破裂させて消去すると共に、第二停止操作を意味する数字の2を大きな黄色円に拡大して表示する(図36(C)参照)。
副制御部160は、遊技者が右停止ボタン10cを正しく操作すると、右側の大きな黄色円を破裂させて消去すると共に、第三停止操作を意味する数字の3を大きな黄色円に拡大して表示する(図37(A)参照)。そして、副制御部160は、遊技者が左停止ボタン10aを最後に操作すると、左側の大きな黄色円を破裂させて消去すると共に、画面中央部に「GET」と表示し(図37(B)参照)、払出し枚数14をTotal「0」に順に加算して14枚に変更する(図37(C)参照)。順に加算される場合の表示態様としては、Totalでは0→1→2→3…→13→14となって、1ゲームが終了する。
また、主制御部100は、疑似BB後半になると、疑似BB前半で貯めたポイント(攻撃力と守備力)を元に、複数の敵将(敵キャラクター)の中の何れかとバトルを行い、1時間ごとにミッションゲームへの移行抽選を実行する。主制御部100は、移行抽選に当選するとミッションゲームを行った後に、再び疑似BB後半の同じ時間に戻って残りを消化する。なお、ミッションゲームが成功すると、敵将にダメージを与えたり、敵将に勝利したりする。
図38は、表示演出装置が表示する演出画面の模式図であり、1回の疑似ボーナスが終了するまでの映像の流れを表示している。
主制御部100は、疑似BBの開始から消化したゲーム回数を記憶しており、最終ゲーム(36回、又は180分)で右→中→左の押し順小役4−1(図25参照)が内部当選した状態を示している(図38(A)参照)。
主制御部100は、右→中→左の押し順で停止ボタン部10が操作されると、ベル小役を入賞させて14枚の遊技媒体を払出し(図38(B)参照)、疑似BBの終了条件(36ゲーム消化、又は180分経過)が成立したか否かを判断し、終了条件が成立すると、疑似BBを終了させて、3秒程度のショートフリーズ状態にする(図38(C)参照)。副制御部160は、増加枚数のTotalが167枚であることを表示し、ボーナス終了画面でTotalが167枚、BIGボーナスを1回行ったことを示す為に×1、REGボーナスを0回行ったことを示す為に×0と表示する。また、副制御部160は、時計役物50を0時00分に合わせることで終了を表示する。主制御部100は、この様にして疑似BB後半を終了すると、上乗せ及び判定ゲームを実行し、バトルに勝利すると上乗せストック抽選を行って疑似ボーナス待機中へ移行する一方、バトル敗北により高確率遊技(長周期)へ移行する。
主制御部100は、疑似RBを発動させる場合、図35(C)の状態の後に、数秒間のフリーズ状態にして遊技の進行を遅延させ、このフリーズ状態中に疑似BB開始画面を表示し、初期ゲーム数として時間(120分)で表示する。疑似BBと同様に、5分が1ゲーム相当なので、120分で24ゲームとなる。副制御部160は、疑似BB開始画面の右上に残りゲームとして「1時間 60分」と表示し、時計役物50を10時00分に合わせる(図示せず)。主制御部100は、疑似RBの開始時にクリアポイントを設定し、疑似RB前半でポイントを貯め、疑似RB後半では貯めたポイントが、クリアポイントに達して、クリア条件が成立したか否かを判断して演出で成否を表現する。主制御部100は、疑似RB後半を終了すると、上乗せ及び判定ゲームを実行し、クリア条件が成立すると上乗せストック抽選を行って疑似ボーナス待機中へ移行する一方、クリア条件が不成立により高確率遊技(長周期)へ移行する。
ここで図30及び図31を参照し、四角枠内の全ての遊技状態で、実ボーナス(ボーナス1)が他の小役(レア小役等)又は他のリプレイ役(特殊リプレイ役)と同時に内部当選すると、当該ゲームで入賞することは無く、必ず実ボーナス待機中(内部中)となる。このボーナス1は貫通型の2種BBであり、内部当選しても、作動(入賞)しても、ボーナス1が終了しても、リプレイ当選確率は変動しない。図30のRT0状態及びRT1状態はハズレ確率が高い状態であり、次遊技以降のボーナス1が内部当選した持越し状態において、ハズレとなればボーナス1は停止ボタン部10の操作順序及び操作タイミングに拘わらず、必ず入賞する様になっている。しかし、RT2状態及びRT3状態はハズレ確率0(又は、6000分の一程度)の高確率再遊技状態であり、抽選領域の全てで小役又はリプレイ役が当選するので、本来ならばRT2状態又はRT3状態において、BB1の持越し状態になると、BB1を入賞させることはできなくなる。
図39は、押し順不問小役(共通ベル1〜3)の条件装置の組合せ表(小役の同時当選パターン)である。図40及び図41は、窓部の図柄表示状態を時系列的に示した模式図である。
押し順不問小役(共通ベル)とは、停止ボタン部10の操作順序や操作タイミングに拘わらず必ずベル小役(中段ベル又は右下ベル)を入賞させる一方、ボーナス1が内部当選している持越し状態において、第一停止操作が左停止ボタン10aの場合には、同時当選している複数種類の1枚小役の何れか1つを入賞させる時と、ボーナス1の作動図柄を表示する時がある重複当選小役のことである。共通ベルは、共通ベル1〜共通ベル3までの3種類があり、遊技者は第二停止時の図柄の停止形を見て、1枚小役を狙って取るようにはできない。
共通ベル1は、ボーナス1が内部当選していない非持越し状態において、遊技者が停止ボタン部10をどの様に操作しても(押し順や操作タイミングに拘わらず)、ベル図柄を引き込んでベル小役が必ず入賞する。一方、共通ベル1は、ボーナス1が内部当選している持越し状態において、遊技者が第一停止操作で中停止ボタン10b又は右停止ボタン10c(左停止ボタン10a以外)を操作すると押し順や操作タイミングに拘わらず、ベル図柄を引き込んでベル小役が必ず入賞する。しかし、BB持越し中に、遊技者が第一停止操作で左停止ボタン10aを操作(特定リールの第一停止操作)すると、18種類の阻害小役を構成する図柄(リプレイ1、リプレイ2又はリプレイ3)の何れか1つを有効ライン上に停止させる。ボーナス1の作動図柄1は、左ドラム2aに(リプレイ1/リプレイ2/リプレイ3)、中ドラム2bに(BAR/宝石/チェリー)、右ドラム2cに(リプレイ1)である。また、ボーナス1の作動図柄2は、左ドラム2aに(リプレイ1/リプレイ2/リプレイ3)、中ドラム2bに(リプレイ2/リプレイ3)、右ドラム2cに(BAR/宝石/スイカ1)なので、阻害小役を構成する図柄(リプレイ1、リプレイ2又はリプレイ3)の何れが止まっても、ボーナス1と共通する図柄である。
持越し状態において、遊技者が第一停止操作で左停止ボタン10aを操作すると、主制御部100は、例えば、No.1のリプレイ3図柄を有効ライン上に停止させる(図40(A)参照)。この状態で、阻害小役07〜09又は阻害小役16〜18とボーナス1の入賞可能性はあるが、阻害小役01〜06又は阻害小役10〜15は入賞できない状態となっている。遊技者が第二停止操作で中停止ボタン10bを操作すると、主制御部100は、例えば、No.2のBAR図柄を有効ライン上に停止させる(図40(B)参照)。この状態では、阻害小役07又は阻害小役16とボーナス1の入賞可能性だけ残る状態となっている。つまり、2つの阻害小役とボーナス1が共にテンパイ状態である。最後に、遊技者が第三停止操作で右停止ボタン10cをNo.2のBAR図柄を引き込めるタイミングで操作すると、主制御部100はBAR図柄を有効ライン上に停止させて、阻害小役07を入賞させ、上段横一直線(非有効ライン)にベル図柄が揃ったように見せる(図40(C)参照)。なお、No.18の宝石図柄を引き込めるタイミングであれば、宝石図柄を引き込んで阻害小役16が入賞する(図示せず)。一方、遊技者が第三停止操作で右停止ボタン10cをNo.2のBAR図柄及びNo.18の宝石図柄をどちらも引き込めないタイミングで操作すると、主制御部100は、リプレイ1図柄を引き込んでボーナス1が入賞する(図40(D)参照)。
図41(A)は、図40(A)と同じ状態なので説明を援用する。遊技者が第二停止操作で右停止ボタン10cを操作すると、主制御部100は、例えば、No.13のスイカ1図柄を有効ライン上に停止させる(図41(B)参照)。この状態では、阻害小役09又は阻害小役17とボーナス1の入賞可能性だけ残る状態となっている。つまり、2つの阻害小役とボーナス1が共にテンパイ状態である。最後に、遊技者が第三停止操作で中停止ボタン10bをNo.10の宝石図柄を引き込めるタイミングで操作すると、主制御部100は宝石図柄を有効ライン上に停止させて、阻害小役17を入賞させ、上段横一直線(非有効ライン)にベル図柄が揃ったように見せる(図41(C)参照)。なお、No.15やNo.18のチェリー図柄を引き込めるタイミングであれば、チェリー図柄を引き込んで阻害小役09が入賞する(図示せず)。一方、遊技者が第三停止操作で右停止ボタン10cを宝石図柄及びチェリー図柄をどちらも引き込めないタイミングで操作すると、主制御部100は、リプレイ3図柄(又は、リプレイ2図柄)を引き込んでボーナス1が入賞する(図41(D)参照)。