JP2004016525A - マッサージ機 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な動作軌跡を描くことができて多様なマッサージ動作が得られる。
【解決手段】施療子1を駆動させるマッサージ機である。施療子1を、人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部2と、巾方向に動作させる巾駆動部3と、上下方向に動作させる上下駆動部4とを有する。各駆動部の駆動に起因した施療子1の動作による位置を検出するセンサ、各駆動部の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサの少なくとも一方を各駆動部が独立して備える。各駆動部のセンサからの信号により1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や2つ以上の駆動部を連動させることによるマッサージ動作を行わせるように制御する制御部を備える。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、施療子を駆動部により動作させて施療者をマッサージするためのマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
施療子を駆動部により動作させて施療者をマッサージするための従来のマッサージ機は、一つのモータを動力源とし、複雑な伝達機構を介して施療子の巾方向の動作や人体側への突出方向(強弱方向)の動作を行ってマッサージを行うようにしている。
【0003】
この従来のマッサージ機では、巾や強弱の調節機構は可変であっても、機構上の制約により例えばモミ動作なら特定の軌跡を描くだけで、マッサージ動作のパターンも限られており、多様なマッサージ動作を得られないという問題があった。また、従来のマッサージ機においては一つのモータを動力源とし、複雑な伝達機構を介して施療子の巾方向の動作や人体側への突出方向の動作を行う構造のもののため、構造が複雑で組み立て性が悪いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、多様な動作軌跡を描くことができて多様なマッサージ動作が得られ、また、構造が簡略化し、組み立て性が向上するマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るマッサージ機は、施療子1を駆動させるマッサージ機において、施療子1を、人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部2と、巾方向に動作させる巾駆動部3と、上下方向に動作させる上下駆動部4とを有し、各駆動部の駆動に起因した施療子1の動作による位置を検出するセンサ、各駆動部の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサの少なくとも一方を各駆動部が独立して備え、各駆動部のうち1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や2つ以上の駆動部を連動させることによるマッサージ動作を行わせるように制御する制御部7を備えて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、強弱、巾、上下の各駆動部を独立して位置と速度を検出しながら制御することができて任意の施療子1の動作軌跡を描くことができるものである。
【0006】
また、施療子1を施療子アーム8に取付け、巾駆動部3による施療子1を支持する施療子アーム8の巾方向における可動範囲の両外側に一対の施療子アーム8を駆動するための強弱駆動用歯車9を備えていることが好ましい。このような構成とすることで、人体から施療子1に負荷がかかっても施療子アーム8の巾方向における可動範囲の両外側に強弱駆動用歯車9を備えているので、確実に強弱駆動機構を駆動させて施療子アーム8を強弱駆動できるものであり、また、強弱駆動用歯車9で伝達することで高速な動作が可能となり、また、施療子1が左右に一対ある場合に片方の施療子1にのみ負荷がかかった場合のような支持部にねじれ力が生じたような場合でも、負荷支持部の外側両端を強弱駆動用歯車9部分で受けるため軸が撓まないものである。
【0007】
また、一対の強弱駆動用歯車9が円弧状歯車9aで形成してあることが好ましい。このような構成とすることで、強弱駆動に必要な部分のみに歯車のある円弧状歯車9aであるため、マッサージ機の厚みを薄くできるものである。
【0008】
また、一対の円弧状歯車9aが施療子アーム8の回転軸に対して垂直方向に左右対称に形成してあることが好ましい。このように一対の円弧状歯車9aの形状が左右対称に形成されているので、一対の円弧状歯車9aが共通の部材となり、左右の取り間違い等がなくなって組み立て性が向上するものである。
【0009】
また、一対の強弱駆動用歯車9が巾駆動部3における巾駆動軸10を回転の中心として回転することが好ましい。このような構成とすることで、施療子アーム8が挿通された巾駆動軸10を中心として強弱駆動用歯車9が回転することになり、巾駆動軸10を強弱駆動に合わせて回動させたりする機構が必要でないものである。
【0010】
また、強弱駆動部2の駆動源に接続された強弱駆動軸11に一対の伝達用歯車12を設け、巾駆動部3の巾駆動軸10を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車9に上記強弱駆動軸11に設けた一対の伝達用歯車12を噛み合わせ、上記巾駆動軸10を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車9のうち一方を他方の強弱駆動用歯車9に対して強弱駆動用歯車9と伝達用歯車12との噛み合いをバックラッシュ分だけずらすことが好ましい。このように、人体から施療子に負荷がかかった時に一対の強弱駆動用歯車9に生じる回転に対してどちらか一方の強弱駆動用歯車9をバックラッシュ分だけずらすことでがたつきがなくなるものである。
【0011】
また、巾駆動部3において施療子アーム8を巾方向に駆動させる巾駆動軸10と平行に施療子アーム8に挿通した巾駆動支軸13を少なくとも1つ以上設けることが好ましい。このような構成とすることで、巾駆動支軸13により人体から負荷がかかった時に施療子アーム8から巾駆動軸10に伝わる応力やねじれを巾駆動支軸13に分散させることができるものである。
【0012】
また、施療子1を施療子アーム8に取付け、巾駆動部3に外周に雄ねじを設けた巾駆動軸10を設けると共に、該巾駆動軸10の雄ねじ10aに螺合して巾駆動軸10の回転により自身は回転することなく巾駆動軸10に対して軸方向に移動することで施療子アーム8を巾方向に駆動させる巾送りナット14を設け、巾送りナット14に施療子アーム8を巾駆動軸10の軸方向に移動自在に接続するとともに巾駆動軸10の軸方向において巾送りナットと施療子アーム8との間に緩衝材15を介在することが好ましい。このような構成とすることで、巾を狭めるマッサージ動作中に頭部等を挟み込んだ場合にも緩衝材15により挟み込む力を弱めることができる。また、巾狭動作から巾広動作へマッサージ動作を行う場合には圧縮された緩衝材15が巾広になるにつれて復元し、施療子1が人体に粘りのあるマッサージを行うことが可能となり、また、巾広動作から巾狭動作へマッサージ動作を行う場合には緩衝材15が巾狭になるにつれて圧縮されて人体に施療子1をじっくり押し込むというマッサージを行うことが可能となる。
【0013】
また、緩衝材15がコイル状のばね材であることが好ましい。このような構成とすることで、緩衝材15が単純な構造で組み立て性がよく、安価となる。
【0014】
また、施療子アーム8に巾送りナット14を収納する巾送りナット収納部16を設け、巾送りナット収納部16の内周形状及び巾送りナット14の外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部16の内周よりも巾送りナット14の外周が僅かに小さく且つ巾送りナット14が巾送りナット収納部16内で巾駆動軸10の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けることが好ましい。このような構成とすることで、人体からの負荷が施療子1にかかると、施療子アーム8に対してねじれ等の力が生じるが、巾送りナット収納部16の内周形状及び巾送りナット14の外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部16の内周よりも巾送りナット14の外周が僅かに小さく且つ巾送りナット14が巾送りナット収納部16内で巾駆動軸10の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けてあることで、該遊びにより上記ねじれ等の力を受け流すことができるものである。
【0015】
また、強弱駆動部2は施療子1を支点を中心に揺動させる構造とすると共に強弱駆動部2に設けるセンサとして強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の揺動位置を検出するセンサ5aと強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサ6aを設け、上下駆動部4に設けるセンサとして上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下位置を検出するセンサ5cのみを設けることが好ましい。このような構成とすることで、強弱駆動部2は施療子1を支点を中心に揺動させる構造としてあるので、強弱駆動部2による施療子1の動作は人体の前後方向だけでなく上下方向にも移動することになり、これを利用すれば、上下駆動部4には速度を検出するセンサを設ける必要がなくて、上下方向の位置を制御するために必要な上下位置を検出するセンサ5cのみでよく、制御が複雑とならず、構造も単純化できることになる。
【0016】
また、各駆動部において駆動源を支持する駆動源支持部18にコ字状をした切り欠き部19を設け、この切り欠き部19に駆動源支持部18に取付ける駆動源の出力軸20を挿通して突出させると共に出力軸20を切り欠き部19の奧の当て部19aに当て、出力軸20から駆動伝達部に駆動が伝達される方向を切り欠き部19の奧の当て部19aから入口19bに向かう方向と略逆方向とすることが好ましい。このような構成とすることで、切り欠き部19の入口19bから駆動源の出力軸20を挿入して奧の当て部19aに当てて位置決めした状態で固定することができ、また、また、組み立て時にベルトの引っ張り力によるテンションのばらつきを防止できるものである。
【0017】
また、各駆動部の駆動源であるモータの出力軸20a、20b、20cの一端部にプーリ21a、21b、21cを圧入取付けるものであって、モータの出力軸20a、20b、20cのプーリ21a、21b、21cが圧入されない方の他端部をモータハウジング22の外側に突出させることが好ましい。このような構成とすることで、プーリ21a、21b、21cを出力軸20の一端部に圧入する際、出力軸20a、20b、20cの他端部のモータハウジング22から外側に突出した部分を支持した状態でプーリ21a、21b、21cを圧入するという取付け操作ができるものである。
【0018】
また、施療子1で施療者のマッサージを行うものにおいて、施療者側から施療子1にかかる圧力を検出するための圧力信号検出部23を有し、圧力信号により強弱駆動部2、巾駆動部3、上下駆動部4のうち少なくとも1つ以上の駆動部の位置制御乃至速度制御の少なくとも一方又は両方を制御することが好ましい。このような構成とすることで、圧力信号を検出し、その圧力信号をもとに位置制御や速度制御をして所望のマッサージをすることができるものである。
【0019】
また、施療子1を施療子アーム8に取付け、圧力信号検出部23を施療子1又は施療子アーム8に配設することが好ましい。このような構成とすることで、施療子1にかかる人体の負荷が直接的に測ることができるものである。
【0020】
また、強弱駆動部2と巾駆動部と上下駆動部4のうち少なくとも1つ以上の駆動部を操作することができる操作器を具備することが好ましい。このような構成とすることで、強弱駆動部2と巾駆動部と上下駆動部4のうちの少なくとも1つ以上の駆動部を使用者が操作器を用いて任意に動かすことができるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0022】
本発明のマッサージ機は、施療子1を、人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部2と、巾方向に動作させる巾駆動部3と、上下方向に動作させる上下駆動部4とを有したもので、これらが全体として図1に示すような一つの主体ブロック24に組み込んである。この主体ブロック24は図2に示すように強弱駆動部2のユニットと、図4に示すような上下駆動部4のユニットと、図3に示すような巾駆動部3のユニットとの3つのユニットから構成してあり、これら3つのユニットを組み立てることで図1に示すような主体ブロック24を構成している。
【0023】
この主体ブロック24には図1乃至図4に示すように、強弱駆動部2、巾駆動部3、上下駆動部4の各駆動部の駆動源としてそれぞれモータ25a、25b、25cが設けてある。
【0024】
主体ブロック24の両側板24a間には巾駆動軸10が回動自在に取付けてある。巾駆動部3のモータ25bの出力軸20bにはプーリ21bが設けてあり、該プーリ21bと巾駆動軸10の端部に設けたプーリ29bとにベルト28bが掛回してある。上記巾駆動軸10には外周に雄ねじ10aを設けてあり、この雄ねじ10aは巾駆動軸10の長手方向の中間部を境にして左右の雄ねじ10aは互いに逆ねじの関係となっている。この巾駆動軸10の左右の雄ねじ10aにはそれぞれ施療子1を有する施療子アーム8に設けた巾送りナット14が螺合してあり(図10参照)、施療子アーム8の回転方向の運動は後述の強弱駆動用歯車9により行われるので、巾駆動部3のモータ25bを正転あるいは逆転することで、プーリ21b、ベルト28b、プーリ29bを介して巾駆動軸10が正転方向、あるいは逆転方向に回転して一対の施療子アーム8が互いに近づいたり、あるいは互いに離れたりする動作、つまり、巾方向(左右方向)の移動を行うようになっている。
【0025】
施療子アーム8の上記巾方向の可動範囲の両外側に一対の強弱駆動用歯車9が配置してあり、この一対の強弱駆動用歯車9は扇形をした歯車主体の円弧の部分に歯を設けた円弧状歯車9aにより構成してあり、円弧の中心孔9bが巾駆動軸10に遊嵌してあり、左右両側の強弱駆動用歯車9は同士が連結部材31により連結してある。また、左右両側の強弱駆動用歯車9間には少なくとも1つ以上の(実施形態では2つ)巾駆動支軸13が架設してあり、この巾駆動支軸13は巾駆動軸10と平行であり、巾駆動支軸13には一対の施療子アーム8に設けた孔部32が移動自在に被嵌してある。このように、巾駆動軸10と平行に施療子アーム8に挿通した巾駆動支軸13を少なくとも1つ以上設けることで、巾駆動支軸13により人体から負荷がかかった時に施療子アーム8から巾駆動軸10に伝わる応力やねじれを巾駆動支軸13に分散させることができるるものである。
【0026】
左右一対の円弧状歯車9aには後述の強弱駆動部2におけるモータ25aの回転を伝達する一対の伝達用歯車12が噛み合っている。この一対の強弱駆動用歯車9と一対の伝達用歯車12との噛み合いに当たって、一対の強弱駆動用歯車9のうち一方を他方の強弱駆動用歯車9に対して強弱駆動用歯車9と伝達用歯車12との噛み合いを図12のようにバックラッシュ分の寸法mだけずらすようにして噛み合わせてある。強弱駆動部2のモータ25aの出力軸20aにはプーリ21aが設けてあり、強弱駆動部2のギアボックス26a内にウォームホイール、ウォーム軸が内装してあり、上記プーリ21aとウォーム軸に設けたプーリ29aとにベルト28aが掛回してある。ギアボックス26aと一方の側板24aに上記ウォームホイールにより回転される強弱駆動軸11が回転自在に軸支してあり、強弱駆動軸11の両端部には一対の伝達用歯車12が設けてあり、この左右一対の伝達用歯車12がそれぞれ一対の円弧状歯車9aに噛み合っている。したがって、強弱駆動部2のモータ25aを正転、逆転駆動することで、プーリ21a、ベルト28a、プーリ29a、ウォーム軸、ウォームギアを介して強弱駆動軸11が回転し、強弱駆動軸11が回転することで伝達用歯車12が回転し、これにより円弧状歯車9aを巾駆動軸10と同軸を回転中心として回動し、これにより施療子アーム8を巾駆動軸10と同軸を回転中心として回動し、施療子アーム8の先端部に設けた施療子1の人体側への突出量を可変するようになっている。つまり、施療子アーム8が回動することで施療子1は円弧運動をし(実施形態では巾駆動軸10と同軸を回転中心とした円弧運動をし)て上下方向及び前後方向に移動するようになっていて人体に対する施療子1の当たる強弱を可変するようになっている。
【0027】
主体ブロック24に設けた上下駆動部4は駆動源であるモータ25cと、モータ25cの出力軸20cに設けたプーリ21cと、ギアボックス26c内に内装したウォームホイール、ウォーム軸と、ウォーム軸に設けたプーリ29cと、両プーリ21c、29cに掛回したベルト28cと、ギアボックス26cに回転自在に支持されてウォームホイールにより回転する上下駆動軸30と、上下駆動軸30に設けたローラ部33とピニオン34とを備えており、モータ25cを正転、あるいは逆転駆動することで、プーリ21c、ベルト28c、プーリ29c、ウォーム軸、ウォームギアを介して上下駆動軸30が回転し、上下駆動軸30が回転することでピニオン34が正転又は逆転するようになっている。
【0028】
主体ブロック24は図6に示すような椅子35の背もたれ部36のフレームに設けた上下方向レール(図示せず)に上記上下駆動軸30の両端部のローラ部33を上下移動自在に取付け、上下方向レールに設けたラックに上記ピニオン34を噛み合わせてあり、上下駆動部4のモータ25cを上記のように正転あるいは逆転駆動することで、ラックに噛み合ったピニオン34を正転あるいは逆転して主体ブロック24(つまり主体ブロック24に設けた施療子1)を上方又は下方に移動するようになっている。ここで、主体ブロック24の両側板24aの上部にはローラ58が回転自在に設けてあり、このローラ58も上記上下方向レールに上下移動自在に嵌め込んである。
【0029】
主体ブロック24に設けた施療子1を人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部2と、施療子1を巾方向に動作させる巾駆動部3と、施療子1を上下方向に動作させる上下駆動部4とにはそれぞれ各駆動部の駆動に起因した施療子1の動作による位置を検出するセンサ、各駆動部の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサの少なくとも一方を各駆動部が独立して備えている。
【0030】
そして、各駆動部のセンサからの信号により1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や2つ以上の駆動部を連動させることによるマッサージ動作を制御部7により制御して行うようになっている。
【0031】
本体ブロック24に設けた強弱駆動部2には強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の揺動位置を検出するセンサ5a(強弱位置センサ)と強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の前後方向の移動速度を検出するセンサ6a(強弱回転センサ)を設けてあり、また、巾駆動部3には巾駆動部3の駆動に起因した施療子1の巾方向の位置を検出するセンサ5b(巾位置センサ)と巾駆動部3の駆動に起因した施療子1の巾方向の移動速度を検出するセンサ6b(巾回転センサ)を設けてあり、また、上下駆動部4には上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下方向の位置を検出するセンサ5c(上下位置センサ)と上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下方向の移動速度を検出するセンサ6c(上下回転センサ)を設けてある。なお、上下駆動部4に設けるセンサとしては後述のように上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下位置を検出するセンサ5cのみを設けてもよい。
【0032】
図7には制御ブロック図が示してある。制御部7はマイコンにより構成してあり、制御部7により強弱駆動部2のモータ25a、巾駆動部3のモータ25b、上下駆動部4のモータ25cの1つを動作させることによるマッサージ動作や、モータ25a、モータ25b、モータ25cのうち2つ以上のモータを連動させることによるマッサージ動作を行わせるように制御するようになっている。制御部7によりモータ25aを制御する場合、モータ25aの駆動に起因した施療子1の揺動位置、移動速度を制御するようになっており、この場合、強弱位置センサ5a、強弱回転センサ6aによりそれぞれモータ25aの駆動に起因した施療子1の揺動位置、移動速度を検出し、設定通りの強弱動作を行うように制御部7により制御するようになっている。また、制御部7によりモータ25bを制御する場合、モータ25bの駆動に起因した施療子1の巾方向の位置、巾方向の移動速度を制御するようになっており、この場合、巾位置センサ5b、巾回転センサ6bによりそれぞれ巾方向の位置、移動速度を検出し、設定通りの巾方向駆動動作を行うように制御部7により制御するようになっている。更に、制御部7によりモータ25cを制御する場合、モータ25cの駆動に起因した施療子1の上下方向の位置、上下方向の移動速度を制御するようになっており、この場合、上下位置センサ5c、上下回転センサ6cによりそれぞれ位置、移動速度を検出し、設定通りの上下方向駆動動作を行うように制御部7により制御するようになっている。なお、上下駆動部4に設けるセンサとして後述のように上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下位置を検出するセンサ5cのみを設けた場合には、上下位置センサ5cにより上下位置を検出し、設定通りの上下方向駆動動作を行うように制御部7により制御する。
【0033】
このように、施療子1を人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部2と、巾方向に動作させる巾駆動部3と、上下方向に動作させる上下駆動部4をそれぞれ独立して位置、速度を制御し、しかも、2以上の駆動部が連動するように制御することで、マッサージ動作のパターンが特定の軌跡を描くものにのみ限定されず、使用者が所望する任意の動作軌跡を施療子1が描くようにマッサージ動作させることが可能となるものである。
【0034】
次に、強弱駆動部2は施療子1を支点を中心に揺動させる構造とすると共に強弱駆動部2に設けるセンサとして強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の揺動位置を検出するセンサ5aと強弱駆動部2の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサ6aを設け、巾駆動部3に設けるセンサとして巾駆動部3の駆動に起因した施療子1の巾方向の位置を検出するセンサ5bと巾駆動部3の駆動に起因した施療子1の速度を検出するセンサ6bを設け、上下駆動部4に設けるセンサとして上下駆動部4の駆動に起因した施療子1の上下位置を検出するセンサ5cのみを設ける場合につき説明する。強弱駆動部2は施療子1を支点を中心に揺動させる構造としてあるので、強弱駆動部2による施療子1の動作は人体の前後方向だけでなく上下方向にも移動することになり、これを利用すれば、本実施形態のように、上下駆動部4には速度を検出するセンサを設ける必要がなくて、上下方向の位置を制御するために必要な上下位置を検出するセンサ5cのみでよく、制御が複雑とならず、構造も単純化できることになる。
【0035】
ここで、上記のように巾駆動部3による施療子1を支持する施療子アーム8の巾方向における可動範囲の両外側に一対の施療子アーム8を駆動するための強弱駆動用歯車9があるので、人体から施療子1に負荷がかかっても、確実に強弱駆動機構を駆動させて施療子アーム8を強弱駆動できるものであり、また、強弱駆動用歯車9で伝達することで高速な動作が可能となる。また、添付図面に示す実施形態のように施療子1が左右に一対設けてある場合に片方の施療子1にのみ負荷がかかった場合のような支持部にねじれ力が生じたような場合でも、負荷支持部の外側両端を強弱駆動用歯車9部分で受けるため軸が撓まないようにできて、この点でも確実に強弱駆動機構を駆動させて施療子アーム8を強弱駆動できるものである。上記のように施療子アーム8の強弱駆動に必要な部分のみに歯車のある円弧状歯車9aにより強弱駆動用歯車9を構成することで、マッサージ機の厚みを薄くできて全体をコンパクト化できるものである。また、一対の円弧状歯車9aは施療子アーム8の回転軸(実施形態では巾駆動軸10が施療子アーム8の回転の中心となっている)に対して垂直方向に左右対称に形成してあって、左右一対の円弧状歯車9aを共通の部材としてあり、これにより左右の取り間違い等がなくなって組み立て性が向上するようにしてある。
【0036】
また、上記のように一対の強弱駆動用歯車9が巾駆動部3における巾駆動軸10を回転の中心として回転するように構成することで、施療子アーム8が挿通された巾駆動軸10を中心として強弱駆動用歯車9が回転することになり、巾駆動軸10を強弱駆動に合わせて回動させたりする機構が必要でなく、機構が簡略化できることになる。
【0037】
また、前述のように、巾駆動軸10を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車9のうち一方を他方の強弱駆動用歯車9に対して強弱駆動用歯車9と伝達用歯車12との噛み合いを図12のようにバックラッシュ分の寸法mだけずらすようにして噛み合わせてあることで、人体から施療子1に負荷がかかった時に一対の強弱駆動用歯車9に生じる回転に対してどちらか一方の強弱駆動用歯車9をバックラッシュ分だけずらすことでがたつきがなくなり、人体に衝撃を与えることなくマッサージ動作ができ、また、故障も少なくなるものである。
【0038】
施療子アーム8には図10に示すように、巾送りナット収納部16が設けてあり、巾送りナット収納部16内に収納した巾送りナット14が巾駆動軸10の外周の雄ねじ10aに螺合してある。巾送りナット収納部16は一端部が開口となった有底筒状部16aと有底筒状部16aの開口を蓋する蓋体16bとで構成してあり、有底筒状部16aの底部と蓋体16bとには巾駆動軸10が挿通する孔が設けてある。有底筒状部16aの内に巾送りナット14が収納してある。ここで、図11に示すように、巾送りナット収納部16の内周形状及び巾送りナット14の外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部16の内周よりも巾送りナット14の外周が僅かに小さく且つ巾送りナット14が巾送りナット収納部16内で巾駆動軸10の回転方向に僅かに移動できる遊びを持たせるように隙間37が設けてある。これにより巾送りナット14は施療子アーム8に対して上記遊びの分だけ僅かに移動できるがそれ以上移動できないため結果的に施療子アーム8により巾送りナット14の回転が阻止されることになる。そして、人体からの負荷が施療子1にかかると、施療子アーム8に対してねじれ等の力が生じるが、巾送りナット収納部16の内周形状及び巾送りナット14の外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部16の内周よりも巾送りナット14の外周が僅かに小さく且つ巾送りナット14が巾送りナット収納部16内で巾駆動軸10の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けてあることで、該遊びにより上記ねじれ等の力を受け流すことができるものである。
【0039】
図10にしめすように、有底筒状部16a内に収納された巾送りナット14と有底筒状部16aの底部との間には緩衝材15(実施形態ではコイルばね)が介在してあり、このように緩衝材15を設けることで、巾を狭めるマッサージ動作中に頭部等を挟み込んだ場合にも緩衝材15により挟み込む力を弱めることができるものであり、また、巾狭動作から巾広動作へマッサージ動作を行う場合には圧縮された緩衝材15が巾広になるにつれて復元し、施療子1が人体に粘りのあるマッサージを行うことが可能となり、また、巾広動作から巾狭動作へマッサージ動作を行う場合には緩衝材15が巾狭になるにつれて圧縮されて人体に施療子1をじっくり押し込むというマッサージを行うことが可能となるものである。そして、緩衝材15を実施形態のようにコイル状のばね材により構成することで、緩衝材15が単純な構造で組み立て性がよく、安価となるものである。
【0040】
次に、各駆動部において駆動源であるモータ25a、25b、25cを支持する構造につき説明する。
【0041】
駆動源であるモータ25a、25b、25cを支持する駆動源支持部18にはコ字状をした切り欠き部19が設けてある。このコ字状をした切り欠き部19の奧には当て部19aが設けてある。添付図面に示す実施形態においては、図2、図3、図4、図13に示すように、強弱駆動部2の駆動源支持部18、上下駆動部4の駆動源支持部18においてはコ字状をした切り欠き部19の最奧部に当て部19aが設けてあり、図3、図13においては巾駆動部3の駆動源支持部18においてはコ字状をした切り欠き部19の奧行方向の途中に当て部19aが設けてある。上記駆動源支持部18に設けたコ字状をした切り欠き部19の入口19bから切り欠き部19の奧に向けてモータ25a又はモータ25b又はモータ25cの出力軸20a、20b、20cを挿通して出力軸20の一端部を駆動源支持部18の外面から突出させると共に出力軸20a、20b、20cを切り欠き部19の奧の当て部19aに当て、このように位置決めした状態で固着具38によりモータ25a又はモータ25b又はモータ25cを駆動源支持部18に固着するものである。モータ25a、モータ25b、モータ25cの出力軸20a、20b、20cの一端部にはプーリ21a、21b、21cが圧入取付けられ、この出力軸20a、20b、20cの一端部に取付けたプーリ21a、21b、21cと、ウォーム軸に設けたプーリ29aと、巾駆動軸10の端部に設けたプーリ29b、ウォーム軸に設けたプーリ29cとにそれぞれベルト28a、28b、28cを掛回してある。ここで、出力軸20a、20b、20cから駆動伝達部であるウォーム軸や巾駆動軸等に駆動が伝達される方向(つまりプーリ21a、21b、21cからプーリ29a、29b、29cに向けた方向)が切り欠き部19の奧の当て部19aから入口19bに向かう方向と略逆方向となっており、これにより切り欠き部19の入口19bから駆動源の出力軸20を挿入して奧の当て部19aに当てて位置決めした状態で固定することができ、また、また、組み立て時にベルトの引っ張り力によるテンションのばらつきを防止できるものである。
【0042】
モータ25a、25b、25cの出力軸20a、20b、20cの一端部には上記のようにプーリ21a、21b、21cを圧入取付けるのであるが、この場合、モータ25a、25b、25cの出力軸20a、20b、20cのプーリ21a、21b、21cが圧入されない方の他端部をモータハウジング22の外側に突出させるようにする。これによりプーリ21a、21b、21cを出力軸20a、20b、20cの一端部に圧入する際、出力軸20の他端部のモータハウジング22から外側に突出した部分を図14(b)のように支持部材40で支持した状態でプーリ21を圧入するという取付け操作ができて、モータハウジング22を支持した状態で出力軸20a、20b、20cのプーリ21a、21b、21cが圧入する場合に対し、出力軸20a、20b、20cとモータハウジング22との同軸度等の影響を受けることなく、正確に出力軸20a、20b、20cにプーリ21a、21b、21cを圧入して取付けることができるものである。
【0043】
ところで、本発明のマッサージ機において、図15に示すように、施療者側から施療子1にかかる圧力を検出するための圧力信号検出部23を設けて、圧力信号により強弱駆動部2、巾駆動部3、上下駆動部4のうち少なくとも1つ以上の駆動部の位置制御乃至速度制御の少なくとも一方又は両方をフィードバック制御するようにしてもよいものである。つまり、圧力信号検出部23で検出した圧力信号に基づき制御部によりあらかじめ設定した施療子1の負荷圧力となるように位置制御や速度制御をして所望のマッサージとすることができるものである。
【0044】
この場合、図8に示すように圧力信号検出部23を施療子1又は施療子アーム8に配設すると、施療子1にかかる人体の負荷が直接的に測ることができ、構造が簡略化すると共に正確に施療子1にかかる人体の負荷を検出できて、より精度の高い所望のマッサージが得られるものである。
【0045】
なお、添付図面に示す実施形態では、左右一対の施療子アーム8にはそれぞれ上下2個の施療子1が設けてあり、上の施療子1は施療子アーム8に設けたソレノイド42のプランジャ42aに取付けてあり、ソレノイド42を駆動すると、施療子1が前後移動して叩きマッサージを行うことができるようにしている。
【0046】
もちろん、左右一対の施療子アーム8にそれぞれ1個の施療子1を設けるようにしたものでもよい。
【0047】
なお、図2、図3、図4のように、強弱駆動部2、巾駆動部3、上下駆動部4をそれぞれユニット化し(図2は強弱駆動部2のユニット、図3は巾駆動部3のユニット、図4は上下駆動部4のユニットを示す)、これらのユニットを組み合わせることで、本体ブロック24を組み立て構成するようにしてもよい。このように各駆動部をユニット化することで、組み立て性が向上し、各ユニットでの検査が可能となり、不良率が低減し、また、修理に伴う部品の交換も容易となるものである。
【0048】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、施療子を、人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部と、巾方向に動作させる巾駆動部と、上下方向に動作させる上下駆動部とを有し、各駆動部の駆動に起因した施療子の動作による位置を検出するセンサ、各駆動部の駆動に起因した施療子の速度を検出するセンサの少なくとも一方を各駆動部が独立して備え、各駆動部のうち1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や各駆動部のうち1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や2つ以上の駆動部を連動させることによるマッサージ動作を行わせるように制御する制御部を備えているので、強弱、巾、上下の各駆動部を独立して位置と速度を検出しながら制御することができて任意の施療子の動作軌跡を描くことができて、使用者の好みに応じて多様なマッサージが得られるものである。
【0049】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、巾駆動部による施療子を支持する施療子アームの巾方向における可動範囲の両外側に一対の施療子アームを駆動するための強弱駆動用歯車を備えているので、人体から施療子に負荷がかかっても施療子アームの巾方向における可動範囲の両外側に強弱駆動用歯車を備えているので、確実に強弱駆動機構を駆動させて施療子アームを強弱駆動できるものであり、また、強弱駆動用歯車で伝達することで高速な動作が可能となり、また、施療子が左右に一対ある場合に片方の施療子にのみ負荷がかかった場合のような支持部にねじれ力が生じたような場合でも、負荷支持部の外側両端を強弱駆動用歯車部分で受けるため軸が撓まず、部品の損傷がなく、安定したマッサージが得られるものである。
【0050】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項2記載の発明の効果に加えて、一対の強弱駆動用歯車が円弧状歯車で形成してあるので、強弱駆動に必要な部分のみに歯車のある円弧状歯車であるため、マッサージ機の厚みを薄くできて小型化が図れ、これによりマッサージ機の設置面積を小さくでき、また、コストダウンができるものである。
【0051】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、一対の円弧状歯車が施療子アームの回転軸に対して垂直方向に左右対称に形成してあるので、一対の円弧状歯車が共通の部材となり、左右の取り間違い等がなくなって組み立て性が向上するものである。
【0052】
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、一対の強弱駆動用歯車が巾駆動部における巾駆動軸を回転の中心として回転するので、施療子アームが挿通された巾駆動軸を中心として強弱駆動用歯車が回転することになり、巾駆動軸を強弱駆動に合わせて回動させたりする機構が必要でなくなり、構造がより単純で組み立て性が向上するものである。
【0053】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項5記載の発明の効果に加えて、強弱駆動部の駆動源に接続された強弱駆動軸に一対の伝達用歯車を設け、巾駆動部の巾駆動軸を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車に上記強弱駆動軸に設けた一対の伝達用歯車を噛み合わせ、上記巾駆動軸を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車のうち一方を他方の強弱駆動用歯車に対して強弱駆動用歯車と伝達用歯車との噛み合いをバックラッシュ分だけずらしてあるので、人体から施療子に負荷がかかった時に一対の強弱駆動用歯車に生じる回転に対してがたつきがなくなり、人体に衝撃を与えることなく、また、故障率が低減するものである。
【0054】
また、請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、巾駆動部において施療子アームを巾方向に駆動させる巾駆動軸と平行に施療子アームに挿通した巾駆動支軸を少なくとも1つ以上設けてあるので、巾駆動支軸により人体から負荷がかかった時に施療子アームから巾駆動軸に伝わる応力やねじれを巾駆動支軸に分散させることができ、故障率の低減が図れるものである。
【0055】
また、請求項8記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、巾駆動部に外周に雄ねじを設けた巾駆動軸を設けると共に、該巾駆動軸の雄ねじに螺合して巾駆動軸の回転により自身は回転することなく巾駆動軸に対して軸方向に移動することで施療子アームを巾方向に駆動させる巾送りナットを設け、巾送りナットに施療子アームを巾駆動軸の軸方向に移動自在に接続するとともに巾駆動軸の軸方向において巾送りナットと施療子アームとの間に緩衝材を介在してあるので、巾を狭めるマッサージ動作中に頭部等を挟み込んだ場合にも緩衝材により挟み込む力を弱めることができて安全性を高めることができるものであり、また、巾狭動作から巾広動作へマッサージ動作を行う場合には圧縮された緩衝材が巾広になるにつれて復元し、施療子が人体に粘りのあるマッサージを行うことが可能となり、また、巾広動作から巾狭動作へマッサージ動作を行う場合には緩衝材が巾狭になるにつれて圧縮されて人体に施療子をじっくり押し込むというマッサージを行うことが可能となるものである。
【0056】
また、請求項9記載の発明にあっては、上記請求項8記載の発明の効果に加えて、緩衝材がコイル状のばね材であるので、緩衝材が単純な構造で組み立て性がよく、安価となるものである。
【0057】
また、請求項10記載の発明にあっては、上記請求項8又は請求項9記載の発明の効果に加えて、施療子アームに巾送りナットを収納する巾送りナット収納部を設け、巾送りナット収納部の内周形状及び巾送りナットの外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部の内周よりも巾送りナットの外周が僅かに小さく且つ巾送りナットが巾送りナット収納部内で巾駆動軸の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けてあるので、人体からの負荷が施療子にかかると、施療子アームに対してねじれ等の力が生じるが、巾送りナット収納部の内周形状及び巾送りナットの外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部の内周よりも巾送りナットの外周が僅かに小さく且つ巾送りナットが巾送りナット収納部内で巾駆動軸の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けてあることで、該遊びにより上記ねじれ等の力を受け流すことができて、巾送りナットの破線を防ぐことができるものである。
【0058】
また、請求項11記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の発明の効果に加えて、強弱駆動部は施療子を支点を中心に揺動させる構造とすると共に強弱駆動部に設けるセンサとして強弱駆動部の駆動に起因した施療子の揺動位置を検出するセンサと強弱駆動部の駆動に起因した施療子の速度を検出するセンサを設け、上下駆動部に設けるセンサとして上下駆動部の駆動に起因した施療子の上下位置を検出するセンサのみを設けてあるので、強弱駆動部は施療子を支点を中心に揺動させる構造としてあるので、強弱駆動部による施療子の動作は人体の前後方向だけでなく上下方向にも移動することになり、これを利用すれば、上下駆動部には速度を検出するセンサを設ける必要がなくて、上下方向の位置を制御するために必要な上下位置を検出するセンサのみでよく、制御が複雑とならず、構造も単純化できるものである。
【0059】
また、請求項12記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の発明の効果に加えて、各駆動部において駆動源を支持する駆動源支持部にコ字状をした切り欠き部を設け、この切り欠き部に駆動源支持部に取付ける駆動源の出力軸を挿通して突出させると共に出力軸を切り欠き部の奧の当て部に当て、出力軸から駆動伝達部に駆動が伝達される方向を切り欠き部の当て部から入口に向かう方向と略逆方向としてあるので、切り欠き部の入口から駆動源の出力軸を挿入して奧の当て部に当てて位置決めした状態で固定することができ、また、また、組み立て時にベルトの引っ張り力によるテンションのばらつきを防止できるものである。
【0060】
また、請求項13記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の発明の効果に加えて、各駆動部の駆動源であるモータの出力軸の一端部にプーリを圧入取付けるものであって、モータの出力軸のプーリが圧入されない方の他端部をモータハウジングの外側に突出させてあるので、プーリを出力軸の一端部に圧入する際、出力軸の他端部のモータハウジングから外側に突出した部分を支持した状態でプーリを圧入するという取付け操作ができるものであって、組み立て性が向上するものである。
【0061】
また、請求項14記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の発明の効果に加えて、施療子で施療者のマッサージを行うものにおいて、施療者側から施療子にかかる圧力を検出するための圧力信号検出部を有し、圧力信号により強弱駆動部、巾駆動部、上下駆動部のうち少なくとも1つ以上の駆動部の位置制御乃至速度制御の少なくとも一方又は両方を制御するので、圧力信号を検出し、その圧力信号をもとに位置制御や速度制御をして所望のマッサージをすることができるものである。
【0062】
また、請求項15記載の発明にあっては、上記請求項14記載の発明の効果に加えて、圧力信号検出部を施療子又は施療子アームに配設してあるので、施療子にかかる人体の負荷が直接的に測ることができ、これにより正確な圧力をフィードバックすることができて所望の強さでマッサージできるものである。
【0063】
また、請求項16記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の発明の効果に加えて、強弱駆動部と巾駆動部と上下駆動部のうち少なくとも1つ以上の駆動部を操作することができる操作器を具備しているので、強弱駆動部と巾駆動部と上下駆動部のうちの少なくとも1つ以上の駆動部を使用者が操作器を用いて任意に動かすことができて、所望の軌跡のマッサージ動作を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマッサージ機の本体ブロックの斜視図である。
【図2】同上の強弱駆動部のユニットの斜視図である。
【図3】同上の巾駆動部のユニットの斜視図である。
【図4】同上の上下駆動部のユニットの斜視図である。
【図5】同上の一対の施療子と強弱駆動部との関係を示す斜視図である。
【図6】同上のマッサージ機を設ける椅子の側面図である。
【図7】同上の制御ブロック図である。
【図8】同上の一対の施療子アームと一対の強弱駆動用歯車との位置関係を示す平面図である。
【図9】同上の施療子アームと強弱駆動用歯車との関係を示す側面図である。
【図10】同上の施療子アームを巾駆動軸と巾駆動支軸とに取付けている部分の断面図である。
【図11】同上の巾送りナットと巾送りナット収納部との関係を示す断面図である。
【図12】同上の一方の強弱駆動用歯車を伝達用歯車にバックラッシュ分だけずらして噛み合わせたことを説明する説明図である。
【図13】(a)はモータの取付けを示す正面図であり、(b)はモータの側面図であり、(b)は正面図である。
【図14】(a)はモータの出力軸をモータハウジングの両端部から突出させた例を示す説明図であり、(b)は出力軸の一端部にプーリを圧入する際に出力軸の他端部を支持部材により支持している状態を示す説明図である。
【図15】同上の圧力検知手段を設けた例を示す制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 施療子
2 強弱駆動部
3 巾駆動部
4 上下駆動部
5a センサ
5c センサ
6 センサ
6a センサ
7 制御部
8 施療子アーム
9 強弱駆動用歯車
9a 円弧状歯車
10 巾駆動軸
11 強弱駆動軸
12 伝達用歯車
13 巾駆動支軸
14 巾送りナット
15 緩衝材
16 巾送りナット収納部
18 駆動源支持部
19 切り欠き部
19a 当て部
20a 出力軸
20b 出力軸
20c 出力軸
21a プーリ
21b プーリ
21c プーリ
22 モータハウジング

Claims (16)

  1. 施療子を駆動させるマッサージ機において、施療子を、人体側への突出方向に動作させる強弱駆動部と、巾方向に動作させる巾駆動部と、上下方向に動作させる上下駆動部とを有し、各駆動部の駆動に起因した施療子の動作による位置を検出するセンサ、各駆動部の駆動に起因した施療子の速度を検出するセンサの少なくとも一方を各駆動部が独立して備え、各駆動部のうち1つの駆動部を動作させることによるマッサージ動作や2つ以上の駆動部を連動させることによるマッサージ動作を行わせるように制御する制御部を備えて成ることを特徴とするマッサージ機。
  2. 施療子を施療子アームに取付け、巾駆動部による施療子を支持する施療子アームの巾方向における可動範囲の両外側に一対の施療子アームを駆動するための強弱駆動用歯車を備えていることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
  3. 一対の強弱駆動用歯車が円弧状歯車で形成してあることを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
  4. 一対の円弧状歯車が施療子アームの回転軸に対して垂直方向に左右対称に形成してあることを特徴とする請求項3記載のマッサージ機。
  5. 一対の強弱駆動用歯車が巾駆動部における巾駆動軸を回転の中心として回転することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のマッサージ機。
  6. 強弱駆動部の駆動源に接続された強弱駆動軸に一対の伝達用歯車を設け、巾駆動部の巾駆動軸を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車に上記強弱駆動軸に設けた一対の伝達用歯車を噛み合わせ、上記巾駆動軸を回転の中心として回転する一対の強弱駆動用歯車のうち一方を他方の強弱駆動用歯車に対して強弱駆動用歯車と伝達用歯車との噛み合いをバックラッシュ分だけずらして成ることを特徴とする請求項5記載のマッサージ機。
  7. 巾駆動部において施療子アームを巾方向に駆動させる巾駆動軸と平行に施療子アームに挿通した巾駆動支軸を少なくとも1つ以上設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のマッサージ機。
  8. 施療子を施療子アームに取付け、巾駆動部に外周に雄ねじを設けた巾駆動軸を設けると共に、該巾駆動軸の雄ねじに螺合して巾駆動軸の回転により自身は回転することなく巾駆動軸に対して軸方向に移動することで施療子アームを巾方向に駆動させる巾送りナットを設け、巾送りナットに施療子アームを巾駆動軸の軸方向に移動自在に接続するとともに巾駆動軸の軸方向において巾送りナットと施療子アームとの間に緩衝材を介在して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のマッサージ機。
  9. 緩衝材がコイル状のばね材であることを特徴とする請求項8記載のマッサージ機。
  10. 施療子アームに巾送りナットを収納する巾送りナット収納部を設け、巾送りナット収納部の内周形状及び巾送りナットの外周形状が非円形状をし且つ巾送りナット収納部の内周よりも巾送りナットの外周が僅かに小さく且つ巾送りナットが巾送りナット収納部内で巾駆動軸の回転方向に僅かに移動できる遊びを設けて成ることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のマッサージ機。
  11. 強弱駆動部は施療子を支点を中心に揺動させる構造とすると共に強弱駆動部に設けるセンサとして強弱駆動部の駆動に起因した施療子の揺動位置を検出するセンサと強弱駆動部の駆動に起因した施療子の速度を検出するセンサを設け、上下駆動部に設けるセンサとして上下駆動部の駆動に起因した施療子の上下位置を検出するセンサのみを設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のマッサージ機。
  12. 各駆動部において駆動源を支持する駆動源支持部にコ字状をした切り欠き部を設け、この切り欠き部に駆動源支持部に取付ける駆動源の出力軸を挿通して突出させると共に出力軸を切り欠き部の奧の当て部に当て、出力軸から駆動伝達部に駆動が伝達される方向を切り欠き部の当て部から入口に向かう方向と略逆方向として成ることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のマッサージ機。
  13. 各駆動部の駆動源であるモータの出力軸の一端部にプーリを圧入取付けるものであって、モータの出力軸のプーリが圧入されない方の他端部をモータハウジングの外側に突出させて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のマッサージ機。
  14. 施療子で施療者のマッサージを行うものにおいて、施療者側から施療子にかかる圧力を検出するための圧力信号検出部を有し、圧力信号により強弱駆動部、巾駆動部、上下駆動部のうち少なくとも1つ以上の駆動部の位置制御乃至速度制御の少なくとも一方又は両方を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれかに記載のマッサージ機。
  15. 施療子を施療子アームに取付け、圧力信号検出部を施療子又は施療子アームに配設して成ることを特徴とする請求項14記載のマッサージ機。
  16. 強弱駆動部と巾駆動部と上下駆動部のうち少なくとも1つ以上の駆動部を操作することができる操作器を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のマッサージ機。
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