JP2004014925A - 空芯コイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空芯コイル1は、絶縁性基板2と、この絶縁性基板2に埋め込まれたコイル線3とを備えている。絶縁性基板2は基板開口部4を有している。コイル線3は、基板開口部4の円周に沿って巻回された巻き戻しコイル部5と巻き進みコイル部6とを有し、これらが直列に接続されている。巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6は、巻回方向に沿って視たときにそれらの導線によって囲まれる領域が互いに一部重なり合っている。また、それらの領域の面積がほぼ同一となるように巻回されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば電流センサ等に用いられる空芯コイルに関するもので、特に絶縁性の基板を用いて形成された空芯コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空芯コイルは、導体中を流れる電流を測定する電流センサに用いられることが多い。この空芯コイルは、導線が非磁性体の巻芯に巻回されて形成されたものである。この電流センサにおいては、空芯コイルが導体を囲って配置される。導体中を電流が流れると導体周りに磁束を発生するが、この磁束が空芯コイルの導線と錯交することにより、空芯コイルの導線にこの磁束変化に比例した誘導電流が流れる。電流センサは、この誘導電流を測定することにより導体中の電流を導出するのである。空芯コイルは磁性体の鉄芯等を有していないので、鉄心等による磁気飽和が無く、電流センサに用いられると幅広い電流範囲の測定が可能となる。
【0003】
図13は、従来の空芯コイルの構成を示す模式的な斜視図である。図13において、空芯コイル100は、樹脂等の非磁性体である基板101と、この基板101に設けられたコイル線102とを備えている。基板101は、導体が貫通する円形の基板開口部103を有している。コイル線102は、基板開口部103の周囲においてこの周方向に沿って金属箔等である導電性細線104が巻回されて形成されている。コイル線102は、基板101の両面に基板開口部103から略放射状に複数設けられた細線部104aと、この両面の細線部104aのそれぞれの端部同士を基板101を貫通して接続する複数の接続細線部104bとを有している。接続細線部104bは、基板101を厚さ方向に貫通する貫通孔に金属メッキされることにより形成されている。コイル線102は、基板101の両面に設けられた複数の細線部104aが基板101を貫通する接続細線部104bにより電気的に直列に接続されて構成されたものである。従って、コイル線102は、基板101の両面で細線部104aが露出した状態で基板101に埋め込まれている。
【0004】
この空芯コイル100は、導体を流れる電流による磁界だけでなく、外部からの磁界によっても誘導電流を発生する。この外部磁界による誘導電流は、導体の電流を測定する上で障害となるもので、電流センサの測定誤差の原因となる。この外部磁界による誘導電流の発生を抑制するための方法として、コイル線102の巻き進み方向と逆方向に巻き戻したコイル線をコイル線102に接続してコイル線102に発生する誘導起電力と逆方向の誘導起電力を巻き戻したコイル線に発生させて誘導起電力同士を相殺させる方法がある。従って、空芯コイル100は、外部磁界による誘導電流の発生を抑制するために、コイル線102及び基板101にそれぞれ鏡面対称である巻き戻しのコイル線及び基板101’を備えた空芯コイル100’がこの空芯コイル100に貼り付けられて電流センサに用いられている。即ち、コイル線102及び巻き戻しのコイル線が電気的に直列に接続されるとともに、図に示されるように、基板101’の基板開口部103’を基板開口部103に揃わせて基板101と基板101’とが互いに貼り合わされることにより、コイル線102の巻き進み方向と逆方向に巻き戻すコイル線が鏡面対称に配置されて外部磁界及び外部電界(以下、外部電磁界という)による誘導起電力を相殺するように電流センサが構成されている。ここで、基板101及び基板101’には、互いに貼り合わされる面にそれぞれ外部に露出した細線部104a’及び細線部104aが設けられているので、短絡しないように基板101と基板101’との間に絶縁層が介在している。
【0005】
空芯コイル100は、このような構成となっており、コイル線102が基板101に設けられているので、コイル線102の巻き間隔、即ち互いに隣り合う細線部104aの間隔を容易に一定とすることができる。従って、測定されるべき導体中を流れる電流による磁束がコイル線102に均等に誘導起電力を発生させることができ、電流センサの測定精度が高くなっている。
また、空芯コイル100は、空芯コイル100’と貼り合わされて用いられているので、外部電磁界による誘導起電力が相殺されて、電流センサの外部電磁界による測定誤差が抑制されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コイル線102が巻き戻しのコイル線に対して異なる位置にあると、コイル線102に発生する誘導起電力と巻き戻したコイル線に発生する誘導起電力との間に差が生じ、すべてが相殺されず外部電磁界による誘導起電力の一部が残ってしまう。従って、外部電磁界による測定誤差を小さくするためには、できるだけコイル線102と巻き戻しのコイル線との配置位置を近づける必要があるが、従来例では空芯コイル100と空芯コイル100’とを貼り合わせる方法をとっていることから、コイル線102と巻き戻しのコイル線との配置位置を近づけるにも限界があるという問題点があった。
【0007】
また、空芯コイル100と空芯コイル100’とを貼り合わせる方法では、コイル線102及び巻き戻しのコイル線の短絡を防止するために空芯コイル100及び空芯コイル100’の間に樹脂等の絶縁層を介在させなければならない。従って、それだけ時間及び労力が必要とされ、空芯コイル100及び空芯コイル100’を貼り合わせて電流センサを大量に生産することが困難であるという問題点があった。
【0008】
また、空芯コイル100におけるコイル線102の巻き数が多くなるとそれだけ多くの部分で誘導起電力が発生するので、電流センサの測定感度も増加する。このことから、コイル線102は巻き間隔をできるだけ密にして巻き数が多くなるようにしている。しかしながら、コイル線102の巻き間隔を密にするにもコイル線102自体の太さがあるため限界があり、また、空芯コイル100に空芯コイル100’を貼り合わせて巻き数を多くすることもできるが、空芯コイル100及び空芯コイル100’を貼り合わせることによる上記の問題点が発生するため、空芯コイル100の巻き数を多くして容易に電流センサの測定感度をさらに増加させることは困難であるという問題点があった。
【0009】
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするもので、容易に製作できるとともに巻き数が多く、また外部電磁界による誘導起電力の発生をさらに抑制することができる等の空芯コイルを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空芯コイルは、導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記巻回方向に沿って視たときの各前記コイル部の前記導線によって囲まれる領域が互いに一部重なり合って各前記コイル部が配置されているとともに、前記導体を流れる電流により各前記コイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有している。
【0011】
また、導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記導体を流れる電流により発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、前記芯基板部は、前記一面を有する一面側芯基板分割部と、前記他面を有する他面側芯基板分割部とから構成されており、各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有し、前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部は、それぞれ前記一面側芯基板分割部及び前記他面側芯基板部の間で一面側接続分割部及び他面側接続分割部に分割されており、前記一面側接続分割部及び前記他面側接続分割部は、互いに電気的に接続する導体ランドを前記一面側接続分割部と前記他面側接続分割部との間にそれぞれ有している。
【0012】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部あるいは前記第2細線部のいずれかが配置されている。
【0013】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部及び前記第2細線部がともに配置されている。
【0014】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部あるいは前記外径側接続細線部のいずれかが配置されている。
【0015】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部がともに、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に配置されている。
【0016】
また、前記巻回方向に沿って視たときに、前記導体が前記コイル線を囲んで絶縁体を介して少なくとも1回巻回されている。
【0017】
また、前記基板開口部の径方向に沿って複数に分割された分割部から構成された空芯コイルであって、各前記分割部は、前記組み合わせられる際にそれぞれの前記導線を互いに着脱可能に電気的及び機械的に接続する接続手段を有している。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。図1において、空芯コイル1は、樹脂等の非磁性体で作製された絶縁性基板2と、この絶縁性基板2に設けられたコイル線3とを備えている。絶縁性基板2は、導体が貫通する基板開口部4を中央に有した円板である。この基板開口部4の形状は、貫通する導体の軸線周りに沿った円形状となっている。コイル線3は、この基板開口部4の外周に沿って導線が巻回されて構成された複数(例えば、2つ)のコイル部である巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6を有している。この巻き戻しコイル部5と巻き進みコイル部6とは接続点7で電気的に直列に接続されている。この巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6は、導体に流れる電流によってそれぞれのコイル部に発生した誘導起電力が電気的に同じ向きになるように巻回されている。
【0019】
図2は、コイル線3の構成を示す部分拡大図であり、図3は、コイル線3の巻回方向に沿って視たときの巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6の配置状態を示す模式図である。図2においては、巻き戻しコイル部5と巻き進みコイル部6との接続点7付近のコイル線3を示している。また、図4は、絶縁性基板の厚さ方向に視たときの空芯コイル1の模式的な正面図である。図1乃至図4において、絶縁性基板2は、巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6の導線がともに貫通した芯基板部8と、この芯基板部8の一面9及び他面10にそれぞれ1段ずつ重ねられた重ね基板部11とを有している。重ね基板部11は、芯基板部8の一面9に重ねられた第1重ね基板部12と、他面10に重ねられた第2重ね基板部13とから構成されている。また、図3に示すように、巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6は、基板開口部4の外周に沿った巻回方向に沿って視たとき、巻き戻しコイル部5の導線で囲まれる領域と巻き進みコイル部6の導線で囲まれる領域とが一部重なり合うように配置されている。
【0020】
巻き戻しコイル部5は、芯基板部8の一面9に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列され例えば金属箔で形成された複数の第1細線部である第1戻し細線部14と、他面10に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列され例えば金属箔で形成された複数の第2細線部である第2戻し細線部15とを有している。第1戻し細線部14は、図4に示すように絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、基板開口部4側の一端部14aが第2戻し細線部15の基板開口部4側の一端部15aに重なり、他端部14bがこの重なった第2戻し細線部15に隣接する第2戻し細線部15の他端部15bに重なるように配置されている。ここで、図2及び図4において、点線は第2戻し細線部15を示している。他の各第1戻し細線部14も同様に配置されている。従って、絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、各第1戻し細線部14及び各第2戻し細線部15によって基板開口部4の周りに鋸歯状の模様が形成されている。
【0021】
また、巻き戻しコイル部5は、芯基板部8を厚さ方向に貫通して第1戻し細線部14の一端部14a及び第2戻し細線部15の一端部15aを電気的に接続する内径側接続細線部である内径側戻し接続細線部16と、芯基板部8を厚さ方向に貫通して第1戻し細線部14の他端部14b及び第2戻し細線部15の他端部15bを電気的に接続する外径側接続細線部である外径側戻し接続細線部17とを有している。この内径側戻し接続細線部16は、図4において重なっている第1戻し細線部14の一端部14aと第2戻し細線部15の一端部15aとを接続している。外径側戻し接続細線部17は、同様に図4において重なっている他端部14bと他端部15bとを接続している。また、内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17は、芯基板部8の厚さ方向に貫通した貫通孔に金属メッキをすることにより形成されている。
【0022】
従って、巻き戻しコイル部5は、各第1戻し細線部14及び各第2戻し細線部15が各内径側戻し接続細線部16及び各外径側戻し接続細線部17によって電気的に直列に接続されて形成されているとともに、各第1戻し細線部14が一面9に露出し、各第2戻し細線部15が他面10に露出した状態で芯基板部8に埋め込まれている。
【0023】
巻き進みコイル部6は、芯基板部8の一面9に重ねられた第1重ね基板部12の芯基板部8側と反対側の反芯基板部側の重ね面である第1重ね面18に基板開口部4の外周に沿って略放射状に配列され例えば金属箔で形成された複数の第1細線部である第1進み細線部19と、芯基板部8の他面10に重ねられた第2重ね基板部13の芯基板部8側と反対側の反芯基板部側の重ね面である第2重ね面20に基板開口部4の外周に沿って略放射状に配列され例えば金属箔で形成された複数の第2細線部である第2進み細線部21とを有している。
【0024】
この第1進み細線部19及び第2進み細線部21の配置関係も、第1戻し細線部14及び第2戻し細線部15の配置関係と同様になっている。即ち、第1進み細線部19は、図4に示すように、絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、基板開口部4側の一端部19aが第2進み細線部21の基板開口部4側の一端部21aに重なり、他端部19bがこの一端部19aが重なった第2進み細線部21に隣接する第2進み細線部21の他端部21bに重なるように配置されている。他の各第1進み細線部19も同様に配置されている。ここで、図2及び図4において、点線は第2進み細線部21を示している。従って、同様の方向に沿って視たときに、基板開口部4の周りには、第1戻し細線部14及び第2戻し細線部15と同様にして各第1進み細線部19及び各第2進み細線部21によっても鋸歯状模様が形成されている。ここで、各第1進み細線部19の一端部19a及び各第2進み細線部21の一端部21aは、それぞれ各第1戻し細線部14の一端部14a及び各第2戻し細線部15の一端部15aよりも基板開口部4に近づけて配置され、各第1進み細線部19の他端部19b及び各第2進み細線部21の他端部21bも、それぞれ各第1戻し細線部14の他端部14b及び各第2戻し細線部15の他端部15bよりも基板開口部4に近づけて配置されている。また、図4において、互いに重なっている他端部19b及び他端部21bを有する第1進み細線部19及び第2進み細線部21がその他端部19b及び他端部21bを始点としたベクトルであると考えると、そのベクトルの合成方向に基板開口部4の中心点が存在するように各第1進み細線部19及び各第2進み細線部21は設けられている。同様に、互いに重なっている他端部14b及び他端部15bを有する第1戻し細線部14及び第2戻し細線部15をその他端部14b及び他端部15bを始点としたベクトルであると考えて、そのベクトルの合成方向に基板開口部4の中心点が存在するように各第1戻し細線部14及び各第2戻し細線部15が設けられている。従って、各第1進み細線部19、各第2進み細線部21、各第1戻し細線部14及び第2戻し細線部15は、基板開口部4の中心点に向けては配置されていない。
【0025】
また、巻き進みコイル部6は、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13を厚さ方向に全て貫通して第1進み細線部19の一端部19a及び第2進み細線部21の一端部21aを電気的に接続する内径側接続細線部である内径側進み接続細線部22と、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13を厚さ方向に全て貫通して第1進み細線部19の他端部19b及び第2進み細線部21の他端部21bを電気的に接続する外径側進み接続細線部23とを有している。この内径側進み接続細線部22は、図4において重なっている第1進み細線部19の一端部19aと第2進み細線部21の一端部21aとを接続している。外径側進み接続細線部23は、図4において重なっている他端部19bと他端部21bとを接続している。従って、図3に示すように、基板開口部4の外周に沿って視たときに、内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23の間に内径側戻し接続細線部16が配置され、内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17の間に外径側進み接続細線部23が配置されている。なお、内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23は、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13の厚さ方向に全て貫通した貫通孔に金属メッキをすることにより形成されている。
【0026】
また、接続点7で一端部同士が接続された巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6の各他端部がコイル線3の引出部25、26となって絶縁性基板2に取り付けられた信号処理回路27に電気的に接続されている。
【0027】
この空芯コイル1は、以下のようにして作製される。まず、基板開口部4を有し、ドリル等によって複数の貫通孔が設けられた芯基板部8の一面9及び他面10に金属箔の第1戻し細線部14及び第2戻し細線部15を両端部が貫通孔に接触するように略放射状にプリントする。そして、貫通孔に金属メッキをして巻き戻しコイル部5を形成する。次に、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13をそれぞれ一面9及び他面10に貼り付けて基板を貫通する貫通孔をドリル等により所定の位置に形成する。その後、基本コイル部5と同様にして第1進み細線部19及び第2進み細線部21をそれぞれ第1重ね面18及び第2重ね面20にプリントし、貫通孔に金属メッキして巻き進みコイル部6を形成する。なお、接続点7の部分、引出部25、26の部分は、プリントする際、あるいは金属メッキする際に特別に形成する。その後、出来上がった絶縁性基板2に信号処理回路を取り付けて引出部25、26と電気的に接続する。
【0028】
このように構成された空芯コイル1は、電流センサに用いられる場合、通常、基板開口部4に電流が流れる導体を貫通させて用いられる。導体を電流が流れると導体の軸線周りに磁界が発生し、この磁界の変化により巻き進みコイル部6及び巻き戻しコイル部5のそれぞれの巻き数に応じた誘導起電力が巻き戻しコイル部6及び巻き進みコイル部5のそれぞれに発生する。それぞれの誘導起電力は互いに打ち消し合わない、同じ向きになるように巻き進みコイル部6及び巻き戻しコイル部5が巻回されているので、両方の誘導起電力が足し合わされて大きな誘導電流がコイル線3を流れ、この誘導電流が信号処理回路27で計測されて導体を流れる電流が算出される。
【0029】
この空芯コイル1は、巻き進みコイル部6が基板開口部4の外周方向に沿った巻き進み方向に巻回され、巻き戻しコイル部5が巻き進みコイル部6の巻き進み方向とは逆方向に巻き戻していることから、この空芯コイル1は、コイル線3に発生する外部電磁界による誘導起電力を相殺する効果がある。また、図3に示される、巻き戻しコイル部5の導線によって囲まれる領域及び巻き進みコイル部6の導線によって囲まれる領域のそれぞれの位置及び面積を、内径側戻し接続細線部16、外径側戻し接続細線部17、内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23の配置位置を移動させることにより容易に変更できることから、それぞれの領域が重なって共通する部分を大きくし、しかもその面積を一致させることにより、さらに外部電磁界による測定誤差を小さくすることができる。
【0030】
また、巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6は、第1戻し細線部14、第2戻し細線部15、第1進み細線部19及び第2進み細線部21がそれぞれ異なる面に形成されていることから、各第1戻し細線部14、各第2戻し細線部15、各第1進み細線部19及び各第2進み細線部21をそれぞれの面で最大限、密に配列でき、コイル線3の巻回密度を大きくすることができる。このことから、空芯コイル1が用いられる電流センサの測定感度をさらに良くすることができる。
また、この空芯コイル1は、巻き戻しコイル部6及び巻き進みコイル部5の両方の誘導起電力が足し合わされているので、従来例の空芯コイル100に比べて大きな誘導起電力を発生することができ、電流センサとしての測定感度がさらに良くなる。
【0031】
また、この空芯コイル1においては、巻き進みコイル部6及び巻き戻しコイル部5の形成は絶縁性基板2の形成とともになされ、この巻き進みコイル部6及び巻き戻しコイル部5が絶縁性基板2に埋め込まれた状態で用いられるので、巻き進みコイル部6及び巻き戻しコイル部5それぞれの巻き間隔も一定に保つことができるとともに、巻き進みコイル部6と巻き戻しコイル部5とを貼り合わせる作業がないので、作業も容易になり、しかもコイル線3の巻き間隔も一定で測定誤差の小さい電流センサを作製することができる。
【0032】
なお、この空芯コイル1は、コイル線3が巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6の2つのコイル部を有している構成となっているが、コイル部の数は2つに限定する必要はなく、3つ以上であっても構わない。この場合、複数のコイル部はすべて電気的に直列に接続され、導体に流れる電流によりコイル部に発生する誘導起電力の向きが電気的に同一となるようにそれぞれ巻回されている。また、重ね基板部11は芯基板部8の一面9及び他面10からそれぞれ順に複数のコイル部の数より1つ少ない数だけ重ねられて、各面に各コイル部の第1細線部あるいは第2細線部が形成されている。
【0033】
また、上記実施の形態においては、巻き戻しコイル部5の内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17は、それぞれ巻き進みコイル部6の内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23よりも基板開口部4からみて離れた位置に配置されているが、このような配置位置に限定される必要はなく、それぞれ巻き進みコイル部6の内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23よりも基板開口部4に近い位置に配置されていても構わない。このようにしても、図3の、巻き戻しコイル部5の導線によって囲まれる領域及び巻き進みコイル部6の導線によって囲まれる領域が重なって共通する部分を大きくでき、しかもその面積を一致させることもできる。
さらに、同様の理由で、巻き戻しコイル部5の内径側戻し接続細線部16と外径側戻し接続細線部17との間に、巻き進みコイル部6の内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23が配置されるようにしても構わない。
【0034】
また、上記実施の形態においては、使い勝手を良くするため信号処理回路27が絶縁性基板2に設けられているが、当然のことながら、信号処理回路27が別になっていても構わない。
【0035】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係る空芯コイルの構成を示す絶縁性基板の厚さ方向に視たときの模式的な正面図である。図5において、この実施の形態2に係る空芯コイル31は、コイル線32を備えている。この空芯コイル31は、実施の形態1の空芯コイル1のコイル線3をコイル線32に置き換えた構成となっており、コイル32以外の他の構成は実施の形態1と同様である。
【0036】
コイル線32は、基板開口部4の外周に沿って導線が巻回されて構成された複数(例えば、2つ)のコイル部である巻き戻しコイル部33及び巻き進みコイル部34を有している。巻き戻しコイル部33及び巻き進みコイル部34は、それぞれ実施の形態1の巻き戻しコイル部5及び巻き進みコイル部6と同様の構成となっているが、それぞれの構成要素の形成箇所が異なっている。
【0037】
即ち、図6は、コイル線32を巻回方向に沿って視た状態の模式図である。図6において、巻き戻しコイル部33は、複数の第1戻し細線部14及び複数の第2戻し細線部15を有し、各第1戻し細線部14及び各第2戻し細線部15を電気的に直列に接続する内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17を有している。第1戻し細線部14は芯基板部8の一面9に形成され、第2戻し細線部15は第2重ね基板部13の第2重ね面20に形成されている。また、内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17は、芯基板部8及び第2重ね基板部13を貫通して形成されている。
【0038】
巻き進みコイル部34は、複数の第1進み細線部19及び複数の第2進み細線部21を有し、各第1進み細線部19及び各第2進み細線部21を電気的に直列に接続する内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23を有している。第1進み細線部19は第1重ね基板部12の第1重ね面18に形成され、第2進み細線部21は芯基板部8の他面10に形成されている。また、内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23は、第1重ね基板部12及び芯基板部8を貫通して形成されている。
また、コイル線32をその巻回方向に沿って視た場合、巻き戻しコイル部33の内径側戻し接続細線部16及び外径側戻し接続細線部17は、巻き進みコイル部34の内径側進み接続細線部22及び外径側進み接続細線部23の間に配置されている。
【0039】
従って、このような構成の空芯コイル31は、第1重ね基板部12あるいは第2重ね基板部13の厚さを調整し、又は内径側戻し接続細線部16、外径側戻し接続細線部17、内径側進み接続細線部22あるいは外径側進み接続細線部23を空芯コイル31の径方向に移動させることにより、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、空芯コイル31の径方向の幅をさらに小さくすることができるので、例えば電流を測定すべき導体が隣接して配置されている場合のように導体の径方向に装着空間が制限されていても、この空芯コイル31をその隣接した導体のそれぞれに装着することができ、測定が可能になる。
【0040】
なお、実施の形態1と同様に、コイル線32のコイル部は、2つに限定される必要はなく、3つ以上であっても構わない。この場合、芯基板部8には、一面9及び他面10にそれぞれコイル部の数より1つ少ない数の重ね基板部が重ねられる。
【0041】
また、図7に示すように、コイル線32の巻回方向に沿って視たときの巻き戻しコイル部33の外径側戻し接続細線部17が巻き進みコイル部34の外径側進み接続細線部23よりも基板開口部4からみて外側に配置されてもよい。即ち、内径側進み接続細線部22と外径側進み接続細線部23との間に内径側戻り接続細線部16が配置され、内径側戻り接続細線部16と外径側戻り接続細線部17との間に外径側進み接続細線部23が配置されていてもよい。このようにすれば、空芯コイル31の径方向及び厚さ方向の寸法調整が一度に可能になる。
【0042】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る空芯コイルをそのコイル線の巻回方向に沿って視たときの模式図である。図8において、空芯コイル41は、基板開口部4を有する絶縁性基板42と、この絶縁性基板42に設けられ基板開口部4の外周に沿って巻回されたコイル線43とを備えている。
【0043】
絶縁性基板42は、芯基板部44と、重ね基板部11とを有している。重ね基板部11は、実施の形態1と同様であり、芯基板部44の一面9に重ねられた第1重ね基板部12と、他面10に重ねられた第2重ね基板部13とから構成されている。芯基板部44は、一面9を有する一面側芯基板分割部45と、他面10を有する他面側芯基板分割部46とから構成されている。一面側芯基板分割部45及び他面側芯基板分割部46は、互いに対向して設けられた一面側対向面47及び他面側対向面48を有している。
【0044】
コイル線43は、基板開口部4の外周に沿って導線が巻回されて形成された巻き戻しコイル部49及び巻き進みコイル部50を有している。巻き戻しコイル部49と巻き進みコイル部50とは、電気的に直列に接続され、測定される電流による誘導起電力が電気的に同じ向きになるように巻回されている。
【0045】
巻き戻しコイル部49は、実施の形態1と同様に、一面9に形成された複数の第1戻し細線部14と、他面10に形成された複数の第2戻し細線部15を有している。また、巻き戻しコイル部49は、第1戻し細線部14と第2戻し細線部15とを電気的に直列に接続する内径側戻し接続細線部51及び外径側戻し接続細線部52を有している。
【0046】
内径側戻し接続細線部51は、一面側芯基板分割部45を貫通する一面側接続分割部である一面側戻し接続分割部53と、他面側芯基板分割部46を貫通する他面側接続分割部である他面側戻し接続分割部54とを有している。一面側戻し接続分割部53は、一面側対向面47に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである一面側導体ランド55を有し、他面側戻し接続分割部54は、他面側対向面48に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである他面側導体ランド56を有している。この一面側導体ランド55と他面側導体ランド56とが圧接し電気的接続がなされて、内径側戻し接続細線部51が形成されている。
【0047】
外径側戻し接続細線部52も同様に、一面側芯基板分割部45を貫通する一面側接続分割部である一面側戻し接続分割部57と、他面側芯基板分割部46を貫通する他面側接続分割部である他面側戻し接続分割部58とを有している。一面側戻し接続分割部57は、一面側対向面47に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである一面側導体ランド59を有し、他面側戻し接続分割部58は、他面側対向面48に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである他面側導体ランド60を有している。この一面側導体ランド59と他面側導体ランド60とが圧接し電気的接続がなされて、外径側戻し接続細線部52が形成されている。
【0048】
巻き進みコイル部50も、実施の形態1の巻き進みコイル部6と同様に、第1重ね面18に形成された複数の第1進み細線部19と、第2重ね面20に形成された複数の第2進み細線部21を有している。また、巻き進みコイル部50は、第1進み細線部19と第2進み細線部21とを電気的に直列に接続する内径側進み接続細線部61及び外径側進み接続細線部62を有している。
【0049】
内径側進み接続細線部61は、一面側芯基板分割部45を貫通する一面側接続分割部である一面側進み接続分割部63と、他面側芯基板分割部46を貫通する他面側接続分割部である他面側進み接続分割部64とを有している。一面側進み接続分割部63は、一面側対向面47に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである一面側導体ランド65を有し、他面側進み接続分割部64は、他面側対向面48に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである他面側導体ランド66を有している。この一面側導体ランド65と他面側導体ランド66とが圧接し電気的接続がなされて、内径側戻し接続細線部61が形成されている。
【0050】
外径側進み接続細線部62も同様に、一面側芯基板分割部45を貫通する一面側接続分割部である一面側進み接続分割部67と、他面側芯基板分割部46を貫通する他面側接続分割部である他面側進み接続分割部68とを有している。一面側進み接続分割部67は、一面側対向面47に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである一面側導体ランド69を有し、他面側進み接続分割部68は、他面側対向面48に露出した例えば導電性ペーストの導体ランドである他面側導体ランド70を有している。この一面側導体ランド69と他面側導体ランド70とが圧接し電気的接続がなされて、外径側進み接続細線部62が形成されている。
他の構成は実施の形態1と同様である。
【0051】
ここで、一般に空芯コイルは、上述のように、測定されるべき導体を中央に貫通させ、その導体に流れる電流によって発生する磁束が導体の軸線周りに沿って巻回されたコイル線に鎖交してコイル線に誘導起電力を発生させることにより、その導体に流れる電流を測定する。従って、コイル線に鎖交する磁束が大きいほどコイル線に発生する誘導起電力も大きくなる。この鎖交する磁束の量は、巻回方向に沿って視たときのコイル線の導線に囲まれる領域の面積が大きいほど、多くなる。また、通常、この測定される導体は、平行に隣接して複数配置されることが多いため、空芯コイルは導体に装着する際に導体の軸線方向ではなく径方向の距離の制約を受けやすい。このようなことから、上記の導線に囲まれる領域の面積を大きくするために、その領域の形状が導体の軸線方向に沿って細長く形成される場合がある。
【0052】
絶縁性基板に形成されたコイル線は、この絶縁性基板にドリル等で貫通孔を形成し金属メッキをすることで上記軸線方向に沿った導線を形成している。しかしながら、この貫通孔の距離が大きくなると、ドリルが折れやすくなる等の不都合が発生するためドリル径が大きくなり、それだけ貫通孔の径も大きくなる。貫通孔の径が大きくなると、それだけ体積をとり絶縁性基板に形成されるコイル線の巻回数が少なくなる。
【0053】
この実施の形態に係る空芯コイル41では、内径側戻し接続細線部51、外径側戻し接続細線部52、内径側進み接続細線部61及び外径側進み接続細線部62は、それぞれ一面側戻し接続細線部53,57、一面側進み接続細線部63,67と、他面側戻し接続細線部54,58、他面側進み接続細線部64,68とが一面側対向面47及び他面側対向面48の間で電気的に接続されて形成されていることから、ドリルによって一度に内径側戻し接続細線部51、外径側戻し接続細線部52、内径側進み接続細線部61及び外径側進み接続細線部62の長さの貫通孔を形成する必要はなくなり、一面側戻し接続細線部53,57、一面側進み接続細線部63,67、他面側戻し接続細線部54,58、及び他面側進み接続細線部64,68の貫通孔をそれぞれ個別に形成することができるようになる。一面側戻し接続細線部53,57、一面側進み接続細線部63,67、他面側戻し接続細線部54,58、及び他面側進み接続細線部64,68の長さは、内径側戻し接続細線部51、外径側戻し接続細線部52、内径側進み接続細線部61及び外径側進み接続細線部62の長さよりも短いので、それだけ細いドリルで貫通孔を形成でき、巻き数を多くできる。
【0054】
また、内径側戻し接続細線部51、外径側戻し接続細線部52、内径側進み接続細線部61及び外径側進み接続細線部62は、それぞれ一面側戻し接続細線部53,57、一面側進み接続細線部63,67と、他面側戻し接続細線部54,58、他面側進み接続細線部64,68とが電気的に接続されて全体として長くなるので、それだけ測定される導体の径方向の距離の制約に関係なく図8における上記のコイル線の導線に囲まれる領域の面積を大きくすることができる。
【0055】
なお、図8における巻き戻しコイル部49と巻き進みコイル部50との配置関係は、実施の形態2における巻き戻しコイル部33と巻き進みコイル部34との配置関係であっても、同様の効果を奏し、また、それぞれのコイル部の接続細線部が芯基板部44を貫通する構成となっていれば、例えば巻き進みコイル部が巻き戻しコイル部を囲んで巻回されている構成であっても構わない。
【0056】
また、実施の形態1と同様に、コイル線43のコイル部は、2つに限定される必要はなく、3つ以上であっても構わない。この場合、芯基板部44には、一面9及び他面10にそれぞれコイル部の数より1つ少ない数の重ね基板部が重ねられる。
【0057】
なお、上記各実施の形態において、測定される導体は、空芯コイルの基板開口部を貫通するようになっているが、この導体80を基板開口部の外周に沿ったコイル線の巻回方向に沿ってコイル線を囲みつつ巻き進むようにすれば、コイル線に鎖交する磁束量が増加するので、それだけ測定感度が向上する。この場合、導体は、図9に示すように、例えば銅メッキによりエポキシ樹脂等の絶縁体を塗布した空芯コイルの表面に形成されて構成されてもよい。このようにすることにより、導体80とコイル線との位置関係が一定になってさらにコイル線に鎖交する磁束量を安定させることができる。
【0058】
また、上記各実施の形態において、空芯コイルは、絶縁性基板及びコイル線によって円環状に形成されているが、その一部が切り離し可能となっていても構わない。即ち、円環状の空芯コイルは、図10に示すように、略C形の分割部である主分割部81と、この主分割部81の両端に着脱可能に取り付けられた分割部である切り離し分割部82とから構成され、主分割部81及び切り離し分割部82により全体として円環形状を形成するようになっていても構わない。このような構成であれば、測定される導体を空芯コイルの基板開口部に貫通させる際にわざわざ導体の端部から開口部に挿入させなくても、切り離し分割部82を主分割部82から切り離してできた空間から導体を挿入することができるので、既設の導体等のように導体の切断が困難な場合等でも空芯コイルを容易に装着することができる。
【0059】
主分割部81と切り離し分割部82とを接続するために、主分割部81と切り離し分割部82の構成が例えば以下のようになっていてもよい。即ち、図11は、主分割部81及び切り離し分割部82が互いに切り離されている状態のそれぞれの端部を模式的に示す部分斜視図であり、図12は、図11の矢印83に沿って視たときのコイル線の接続細線部を形成する貫通孔の状態を示す模式図である。図10乃至図12において、主分割部81の端部はステップ面84を有する階段状の係合部85となっており、切り離し分割部82の端部はステップ面86を有する階段状の係合部87となっている。主分割部81及び切り離し分割部82が接続される際には、ステップ面84とステップ面86とが互いに対向して配置される。切り離し分割部82の係合部87には、貫通孔内に形成されるとともにステップ面84から突出した導電性の接続手段であるピン88が設けられている。また、主分割部81の係合部85には、内面に金属メッキされた貫通孔89が形成されており、主分割部81及び切り離し分割部82が接続される際に、この貫通孔89にピン88の突出した部分が挿入されるようになっている。ピン88は、貫通孔89に挿入される際に貫通孔89内面に形成された金属メッキに接触するようになっており、ピン88及び貫通孔89内面の金属メッキによりコイル線の接続細線部が構成されるようになっている。このようにして、主分割部81及び切り離し分割部82は、コイル線の電気的接続がなされるとともに機械的にも接続されるようになっている。
【0060】
このピン88は、主分割部81の係合部85に設けられていてもよく、この場合、切り離し分割部82の係合部86には、内面に金属メッキされた貫通孔89が形成される。
また、空芯コイルは、主分割部81及び切り離し分割部82の2つの分割部から構成されることに限定される必要はなく、3つ以上の分割部から構成されていても構わない。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係る空芯コイルは、導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記巻回方向に沿って視たときの各前記コイル部の前記導線によって囲まれる領域が互いに一部重なり合って各前記コイル部が配置されているとともに、前記導体を流れる電流により各前記コイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有しているので、前記導線間隔のピッチが一定の前記コイル線を容易に形成できるとともに、互いに重なり合う前記領域が存在することにより、外部電磁界が各前記コイル部の共通する領域を通るようにすることができ、また各前記コイル部の前記領域の面積を同一に調整することもでき、前記外部電磁界が場所ごとで異なる変化をしていてもその変化に対応して各前記コイル部に互いに相殺する誘導起電力を発生させる効果が大きくなる。
【0062】
また、導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記導体を流れる電流により発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、前記芯基板部は、前記一面を有する一面側芯基板分割部と、前記他面を有する他面側芯基板分割部とから構成されており、各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有し、前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部は、それぞれ前記一面側芯基板分割部及び前記他面側芯基板部の間で一面側接続分割部及び他面側接続分割部に分割されており、前記一面側接続分割部及び前記他面側接続分割部は、互いに電気的に接続する導体ランドを前記一面側接続分割部と前記他面側接続分割部との間にそれぞれ有しているので、前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部を分割して作製でき、容易に前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部の長さを長くして、前記軸線周りに沿って視たときの前記導線によって囲まれる領域の面積を大きくすることができる。
【0063】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部あるいは前記第2細線部のいずれかが配置されているので、前記巻回方向に沿って視たときに、前記一方のコイル部の前記領域と前記他方のコイル部の前記領域とを一部重ね合わせて容易に配置させることができる。
【0064】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部及び前記第2細線部がともに配置されているので、前記巻回方向に沿って視たときに、前記一方のコイル部の前記領域と前記他方のコイル部の前記領域とを一部重ね合わせて容易に配置させることができる。
【0065】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部あるいは前記外径側接続細線部のいずれかが配置されているので、前記巻回方向に沿って視たときに、前記一方のコイル部の前記領域と前記他方のコイル部の前記領域とを一部重ね合わせて容易に配置させることができる。
【0066】
また、前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部がともに、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に配置されているので、前記巻回方向に沿って視たときに、前記一方のコイル部の前記領域と前記他方のコイル部の前記領域とを一部重ね合わせて容易に配置させることができる。
【0067】
また、前記巻回方向に沿って視たときに、前記導体が前記コイル線を囲んで絶縁体を介して少なくとも1回巻回されているので、前記巻回方向に沿って視たときの前記コイル線の前記導線に囲まれる領域に前記導体を流れる電流により発生する磁束がさらに多く通り、前記コイル線に流れる誘導起電力が大きくなって測定感度が向上する。
【0068】
また、前記基板開口部の径方向に沿って複数に分割された分割部から構成された空芯コイルであって、各前記分割部は、前記組み合わせられる際にそれぞれの前記導線を互いに着脱可能に電気的及び機械的に接続する接続手段を有しているので、前記基板開口部に前記導体を貫通させる際に、前記導体を切断する必要なく、前記空芯コイルを前記分割部に分割して容易に前記導体を前記基板開口部に貫通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。
【図2】コイル線の構成を示す部分拡大図である。
【図3】図2の空芯コイルをそのコイル線の巻回方向に沿って視たときの模式図である。
【図4】絶縁性基板の厚さ方向に視たときの空芯コイルの模式的な正面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る空芯コイルの構成を示す絶縁性基板の厚さ方向に視たときの模式的な正面図である。
【図6】図5の空芯コイルをそのコイル線の巻回方向に沿って視たときの模式図である。
【図7】この発明の実施の形態2の変形例の空芯コイルをそのコイル線の巻回方向に沿って視たときの模式図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る空芯コイルをそのコイル線の巻き線方向に沿って視たときの模式図である。
【図9】空芯コイルに導体を巻き付けた状態を示す正面図である。
【図10】分割部によって構成された空芯コイルの正面図である。
【図11】主分割部及び切り離し分割部が互いに切り離されている状態のそれぞれの端部を模式的に示す部分斜視図である。
【図12】図11の矢印83に沿って視たときのコイル線の接続細線部を形成する貫通孔の状態を示す模式図である。
【図13】従来の空芯コイルの構成を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1,31,41 空芯コイル、2,42 絶縁性基板、3,32,43 コイル線、4 基板開口部、5,33,49 巻き戻しコイル部(コイル部)、6,34,50 巻き進みコイル部(コイル部)、8,44 芯基板部、9 一面、10 他面、11 重ね基板部(12 第1重ね基板部、13 第2重ね基板部)、14 第1戻し細線部(第1細線部)、15 第2戻し細線部(第2細線部)、16,51 内径側戻し接続細線部(内径側接続細線部)、17,52 外径側戻し接続細線部(外径側接続細線部)、18 第1重ね面(重ね面)、19第1進み細線部(第1細線部)、20 第2重ね面(重ね面)、21 第2進み細線部(第2細線部)、22,61 内径側進み接続細線部(内径側接続細線部)、23,62 外径側進み接続細線部(外径側接続細線部)、45 一面側芯基板分割部、46 他面側芯基板分割部、53,57 一面側戻し接続分割部(一面側接続分割部)、54,58 他面側戻し接続分割部(他面側接続分割部)、55,59 一面側導体ランド(導体ランド)、56,60 他面側導体ランド(導体ランド)、63,67 一面側進み接続分割部(一面側接続分割部)、64,68 他面側進み接続分割部(他面側接続分割部)、65,69 一面側導体ランド(導体ランド)、66,70 他面側導体ランド(導体ランド)、81 主分割部(分割部)、82 切り離し分割部(分割部)。
Claims (8)
- 導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、
中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、
前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記巻回方向に沿って視たときの各前記コイル部の前記導線によって囲まれる領域が互いに一部重なり合って各前記コイル部が配置されているとともに、前記導体を流れる電流により各前記コイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、
前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、
各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有していることを特徴とする空芯コイル。 - 導体に流れる電流を測定するために用いられる空芯コイルであって、
中央に基板開口部を有した絶縁性基板と、
前記絶縁性基板に設けられ、前記基板開口部の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成された複数のコイル部を有し、前記導体を流れる電流により発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるように各前記コイル部が直列に接続されて構成されたコイル線とを備え、
前記絶縁性基板は、各前記コイル部の前記導線が貫通した芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、前記芯基板部は、前記一面を有する一面側芯基板分割部と、前記他面を有する他面側芯基板分割部とから構成されており、
各前記コイル部は、前記一面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記一面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第1細線部、前記他面側に重ねられた前記重ね基板部の反前記芯基板部側の重ね面及び前記他面の何れかに、前記軸線周りに略放射状に配列された複数の第2細線部、前記第1細線部の一端部と前記第2細線部の一端部とを電気的に接続する内径側接続細線部、並びに前記第1細線部の他端部と前記内径側接続細線部に電気的に接続された前記一端部を有する前記第2細線部に隣接する前記第2細線部の他端部とを電気的に接続する外径側接続細線部を有し、
前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部は、それぞれ前記一面側芯基板分割部及び前記他面側芯基板部の間で一面側接続分割部及び他面側接続分割部に分割されており、前記一面側接続分割部及び前記他面側接続分割部は、互いに電気的に接続する導体ランドを前記一面側接続分割部と前記他面側接続分割部との間にそれぞれ有していることを特徴とする空芯コイル。 - 前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、
前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部あるいは前記第2細線部のいずれかが配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空芯コイル。 - 前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、
前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記第1細線部と前記第2細線部との間に、他方の前記コイル部の前記第1細線部及び前記第2細線部がともに配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空芯コイル。 - 前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、
前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部あるいは前記外径側接続細線部のいずれかが配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の空芯コイル。 - 前記重ね基板部は、前記一面及び前記他面にそれぞれ1段ずつ重ねられ、
前記巻回方向に沿って視たときに、一方の前記コイル部の前記内径側接続細線部及び前記外径側接続細線部がともに、他方の前記コイル部の前記内径側接続細線部と前記外径側接続細線部との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の空芯コイル。 - 前記巻回方向に沿って視たときに、前記導体が前記コイル線を囲んで絶縁体を介して少なくとも1回巻回されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の空芯コイル。
- 前記基板開口部の径方向に沿って複数に分割された分割部から構成された空芯コイルであって、
各前記分割部は、前記組み合わせられる際にそれぞれの前記導線を互いに着脱可能に電気的及び機械的に接続する接続手段を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の空芯コイル。
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