JP3947028B2 - 空芯コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば電流センサ等に用いられる空芯コイルに関するもので、特に絶縁性の基板を用いて形成された空芯コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空芯コイルは、導体中を流れる電流を測定する電流センサに用いられることが多い。この空芯コイルは、導線が非磁性体の巻芯に巻回されて形成されたものである。この電流センサにおいては、空芯コイルが導体を囲って配置される。導体中を電流が流れると導体周りに磁束を発生するが、この磁束が空芯コイルの導線を錯交することにより、空芯コイルの導線にこの磁束変化に比例した誘導電流が流れる。電流センサは、この誘導電流を測定することにより導体中の電流を導出するのである。空芯コイルは磁性体の鉄芯等を有していないので、鉄心等による磁気飽和が無く、電流センサに用いられると幅広い電流範囲の測定が可能となる。
【0003】
図10は、従来の空芯コイルの構成を示す模式的な斜視図である。図10において、空芯コイル100は、樹脂等の非磁性体である基板101と、この基板101に設けられたコイル線102とを備えている。基板101は、導体が貫通する円形の基板開口部103を有している。コイル線102は、基板開口部103の周囲でこの周方向に沿って金属箔等である導電性細線104が巻回されて形成されている。コイル線102は、基板101の両面に基板開口部103から略放射状に複数設けられた細線部104aと、この両面の細線部104aのそれぞれの端部同士を基板101を貫通して接続する複数の接続細線部104bとを有している。接続細線部104bは、基板101を厚さ方向に貫通する貫通孔に金属メッキされることにより形成されている。コイル線102は、基板101の両面に設けられた複数の細線部104aが基板101を貫通する接続細線部104bにより電気的に直列に接続されて構成されたものである。従って、コイル線102は、基板101の両面で細線部104aが露出した状態で基板101に埋め込まれている。
【0004】
この空芯コイル100は、導体を流れる電流による磁界だけでなく、外部からの磁界によっても誘導電流を発生する。この外部磁界による誘導電流は、導体の電流を測定する上で障害となるもので、電流センサの測定誤差の原因となる。この外部磁界による誘導電流の発生を抑制するための方法として、コイル線102の巻き進み方向と逆方向に巻き戻したコイル線をコイル線102に接続してコイル線102に発生する誘導起電力と逆方向の誘導起電力を巻き戻したコイル線に発生させて誘導起電力同士を相殺させる方法がある。従って、空芯コイル100は、外部磁界による誘導電流の発生を抑制するために、コイル線102及び基板101にそれぞれ鏡面対称である巻き戻しのコイル線及び基板101’を備えた空芯コイル100’がこの空芯コイル100に貼り付けられて電流センサに用いられている。即ち、コイル線102及び巻き戻しのコイル線が電気的に直列に接続されるとともに、図に示されるように、基板101’の基板開口部103’を基板開口部103に揃わせて基板101と基板101’とが互いに貼り合わされることにより、コイル線102の巻き進み方向と逆方向に巻き戻すコイル線が鏡面対称に配置されて外部磁界及び外部電界(以下、外部電磁界という)による誘導起電力を相殺するように電流センサが構成されている。ここで、基板101及び基板101’には、互いに貼り合わされる面にそれぞれ外部に露出した細線部104a’及び細線部104aが設けられているので、短絡しないように基板101と基板101’との間に絶縁層が介在している。
【0005】
空芯コイル100は、このような構成となっており、コイル線102が基板101に設けられているので、コイル線102の巻き間隔、即ち互いに隣り合う細線部104aの間隔を容易に一定とすることができる。従って、測定されるべき導体中を流れる電流による磁束がコイル線102に均等に誘導起電力を発生させることができ、電流センサの測定精度が高くなっている。
また、空芯コイル100は、空芯コイル100’と貼り合わされて用いられているので、外部電磁界による誘導起電力が相殺されて、電流センサの外部電磁界による測定誤差が抑制されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コイル線102が巻き戻しのコイル線に対してずれた位置にあると、コイル線102に発生する誘導起電力と巻き戻したコイル線に発生する誘導起電力との間に差が生じ、すべてが相殺されず外部電磁界による誘導起電力の一部が残ってしまう。このことから、コイル線102及び巻き戻しのコイル線は、互いに正確に鏡面対称に配置されている必要がある。しかもコイル線102及び巻き戻しのコイル線の短絡を防止するために空芯コイル100及び空芯コイル100’の間には、樹脂等の絶縁層を介在させなければならない。従って、空芯コイル100及び空芯コイル100’を互いに貼り合わせるのに大きな労力及び時間が必要とされ、空芯コイル100及び空芯コイル100’を貼り合わせて電流センサを大量に生産することができないという問題点があった。
【0007】
また、たとえ空芯コイル100及び空芯コイル100’が鏡面対称に配置されているとしても、外部電磁界は通常一様であることはなく、この空芯コイル100及び空芯コイル100’は常にこの外部電磁界にさらされているので、コイル線102及び巻き戻しのコイル線が異なる位置に存在する限り、あるいは外部電磁界が取り去られない限り、電流センサは外部電磁界による測定誤差を生じる可能性が大きいという問題点があった。
【0008】
また、空芯コイル100におけるコイル線102の巻き数が多くなるとそれだけ多くの部分で誘導起電力が発生するので、電流センサの測定感度も増加する。このことから、コイル線102は巻き間隔をできるだけ密にして巻き数が多くなるようにしている。しかしながら、コイル線102の巻き間隔を密にするにも限界があり、また、空芯コイル100に空芯コイル100’を貼り合わせて巻き数を多くすることもできるが、空芯コイル100及び空芯コイル100’を貼り合わせることによる上記の問題点が発生するため、空芯コイル100の巻き数を多くして容易に電流センサの測定感度をさらに増加させることは困難であるという問題点があった。
【0009】
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするもので、容易に製作できるとともに巻き数が多く、また外部電磁界による誘導起電力の発生をさらに抑制することができる等の空芯コイルを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空芯コイルは、電流が流れる導体が貫通する基板開口部を有した絶縁性基板と、前記導体の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた基本コイル部、及び前記基本コイル部を囲んで導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた重ね巻部が前記基本コイル部から電気的に直列に接続されて構成された重ねコイル部を有したコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、前記基本コイル部が設けられた芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、前記基本コイル部は、前記一面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1基本細線部、前記他面に前記導線の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2基本細線部、前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記第2基本細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続基本細線部、及び前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記一端部同士が接続された第2基本細線部に隣接する前記第2基本細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続基本細線部を有し、前記重ね巻部は、各段において、前記一面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1重ね細線部、前記他面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2重ね細線部、前記一面及び他面から同数段目の前記第1重ね細線部及び前記第2重ね細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続重ね細線部、及び前記同数段目の前記第1重ね細線部及び前記一端部同士が接続された第2重ね細線部に隣接する前記第2重ね細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続重ね細線部を有しており、前記導体を流れる電流変化による磁束の変化により、前記基本コイル部及び前記重ねコイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるようになっている。
【0011】
また、前記絶縁性基板の形状は、円環形状であり、前記重ねコイル部は、最も外側に設けられた前記重ね巻部において、その各前記内径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の内側面に設けられ、各前記外径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の外側面に設けられている。
【0012】
また、前記内径側接続基本細線部、前記外径側接続基本細線部、前記内径側接続重ね細線部、及び前記外径側接続重ね細線部は、前記絶縁性基板の略径方向に沿って切断されて形成される平面上に設けられている。
【0013】
また、前記一面及び前記他面に重ねられた前記重ね基板部は、少なくとも1つが絶縁性フィルムである。
【0014】
また、前記絶縁性基板には、前記コイル線に電気的に接続され、前記導線に流れる電流によって前記コイル線に発生する誘導電流を検知する信号処理回路が設けられている。
【0015】
また、前記コイル線の周囲には、絶縁層を介して導電性シールドが配置されている。
【0016】
また、前記導電性シールドは、前記絶縁性基板を前記導体の軸線方向に沿って貫通する貫通シールド細線部と、前記芯基板部の前記一面及び他面、及び前記重ね基板部の前記反芯基板部側の面に形成された横断シールド細線部とから構成され、網目状となっている。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。図1において、空芯コイル1は、樹脂等の非磁性体で作製された絶縁性基板2と、この絶縁性基板2に設けられたコイル線3とを備えている。絶縁性基板2は、導体が貫通する基板開口部4を中央に有した円板である。この基板開口部4は、貫通する導体の軸線周りに沿った円形状となっている。コイル線3は、基板開口部4の円周に沿って導線が巻回されて構成された基本コイル部5と、この基本コイル部5を囲んで導線が巻回されて構成された重ね巻部6である重ねコイル部7とを有している。この基本コイル部5と重ね巻部6とは電気的に直列に接続されている。
【0018】
図2は、コイル線3の構成を示す部分拡大図であり、図3は、図2の絶縁性基板を径方向に沿って切断した断面図である。図2においては、基本コイル部5と重ね巻部6との接続点付近のコイル線3を示している。また、図4は、絶縁性基板の厚さ方向に視たときの空芯コイルの模式的な正面図である。図1乃至図4において、絶縁性基板2は、基本コイル部5が配置された芯基板部8と、この芯基板部8の一面9及び他面10にそれぞれ1段ずつ重ねられた重ね基板部11とを有している。重ね基板部11は、芯基板部8の一面9に重ねられた第1重ね基板部12と、他面10に重ねられた第2重ね基板部13とから構成されている。
【0019】
基本コイル部5は、芯基板部8の一面9に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列された例えば金属箔である複数の第1基本細線部14と、他面10に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列された例えば金属箔である複数の第2基本細線部15とを有している。第1基本細線部14は、図4に示すように絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、基板開口部4側の一端部14aが第2基本細線部15の基板開口部4側の一端部15aに重なり、他端部14bがこの重なった第2基本細線部15に隣接する第2基本細線部15の他端部15bに重なるように配置されている。ここで、図2及び図4において、点線は第2基本細線部15を示している。他の各第1基本細線部14も同様に配置されている。従って、絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、各第1基本細線部14及び各第2基本細線部15によって基板開口部4の周りに鋸歯状の模様が形成されている。
【0020】
また、基本コイル部5は、芯基板部8を厚さ方向に貫通して第1基本細線部14の一端部14a及び第2基本細線部15の一端部15aを電気的に接続する内径側接続基本細線部16と、芯基板部8を厚さ方向に貫通して第1基本細線部14の他端部14b及び第2基本細線部15の他端部15bを電気的に接続する外径側接続基本細線部17とを有している。この内径側接続基本細線部16は、図4において重なっている第1基本細線部14の一端部14aと第2基本細線部15の一端部15aとを接続している。外径側接続基本細線部17は、同様に図4において重なっている他端部14bと他端部15bとを接続している。また、内径側接続基本細線部16及び外径側接続基本細線部17は、芯基板部8の厚さ方向に貫通した貫通孔に金属メッキをすることにより形成されている。
【0021】
従って、基本コイル部5は、各第1基本細線部14及び各第2基本細線部15が各内径側接続基本細線部16及び各外径側接続基本細線部17によって電気的に直列に接続されて形成されているとともに、各第1基本細線部14が一面9に露出し、各第2基本細線部15が他面10に露出した状態で芯基板部8に埋め込まれている。
【0022】
重ね巻部6は、芯基板部8の一面9に重ねられた第1重ね基板部12の芯基板部8側と反対側の反芯基板部側の面である第1重ね面18に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列された例えば金属箔である複数の第1重ね細線部19と、芯基板部8の他面10に重ねられた第2重ね基板部13の芯基板部8側と反対側の反芯基板部側の面である第2重ね面20に基板開口部4の円周に沿って略放射状に配列された例えば金属箔である複数の第2重ね細線部21とを有している。この第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21は、第1基本細線部14及び第2基本細線部15よりも長く形成されている。
【0023】
この第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21の配置関係も、第1基本細線部14及び第2基本細線部15の配置関係と同様になっている。即ち、第1重ね細線部19は、図4に示すように、絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに、基板開口部4側の一端部19aが第2重ね細線部21の基板開口部4側の一端部21aに重なり、他端部19bがこの一端部19aが重なった第2重ね細線部21に隣接する第2重ね細線部21の他端部21bに重なるように配置されている。他の各第1重ね細線部19も同様に配置されている。ここで、図2及び図4において、点線は第2重ね細線部21を示している。従って、同様の方向に沿って視たときに、基板開口部4の周りには、第1基本細線部14及び第2基本細線部15によって形成される鋸歯状模様よりも大きな鋸歯状の模様が各第1重ね細線部19及び各第2重ね細線部21によって形成されている。ここで、この方向から視たときには、各第2重ね細線部21は、各第2基本細線部15に重なって配置されている。また、図4において、互いに重なっている他端部19b及び他端部21bを有する第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21がその他端部19b及び他端部21bを始点としたベクトルであると考えると、そのベクトルの合成方向に基板開口部4の中心点が存在するように各第1重ね細線部19及び各第2重ね細線部21は設けられている。従って、各第1重ね細線部19及び各第2重ね細線部21は、基板開口部4の中心点に向けては配置されていない。また、各第2基本細線部15も各第2重ね細線部21に重なっているので中心点に向けずに設けられ、各第1基本細線部14も当然のことながら中心点には向いていない。なお、互いに重なる他端部14b及び他端部15bを始点とした第1基本細線部14及び第2基本細線部15のベクトルの合成方向が基板開口部4の中心点に向くように各第1基本細線部14及び各第2基本細線部15が配置されてもよく、この場合も、各第1基本細線部14、各第2基本細線部15、各第1重ね細線部19及び各第2重ね細線部21のそれぞれのベクトルは基板開口部4の中心点には向いてはいない。
【0024】
また、重ね巻部6は、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13を厚さ方向に全て貫通して第1重ね細線部19の一端部19a及び第2重ね細線部21の一端部21aを電気的に接続する内径側接続重ね細線部22と、同様に芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13を厚さ方向に全て貫通して第1重ね細線部19の他端部19b及び第2重ね細線部21の他端部21bを電気的に接続する外径側接続重ね細線部23とを有している。この内径側接続重ね細線部22は、図4において重なっている第1重ね細線部19の一端部19aと第2重ね細線部21の一端部21aとを接続している。外径側接続重ね細線部23は、同様に図4において重なっている他端部19bと他端部21bとを接続している。また、内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23は、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13の厚さ方向に全て貫通した貫通孔に金属メッキをすることにより形成されている。
【0025】
また、各第2基本細線部15と各第2重ね細線部21とがそれぞれ絶縁性基板2の厚さ方向に沿って視たときに重なっていることから、この重なっている第2基本細線部15の一端部15a及び他端部15b、第2重ね細線部21の一端部21a及び他端部21bにそれぞれ接続されている内径側接続基本細線部16、外径側接続基本細線部17、内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23は、全て絶縁性基板2の径方向に沿って切断されて形成される平面上に設けられている。さらに、この平面上で、内径側接続基本細線部16及び外径側接続基本細線部17は、内径側接続重ね細線部22と外径側接続重ね細線部23との間に配置されている。
【0026】
従って、重ね巻部6は、各第1重ね細線部19及び各第2重ね細線部21が各内径側接続重ね細線部22及び各外径側接続重ね細線部23によって電気的に直列に接続されて、基本コイル部5を包むように形成されているとともに、各第1重ね細線部19が第1重ね面18に露出し、各第2重ね細線部21が第2重ね面20に露出した状態で絶縁性基板2に埋め込まれている。そして、重ね巻部6は、一端部が接続点24で基本コイル部5の一端部と接続され、重ね巻部6の他端部と基本コイル部5の他端部とがコイル線3の引出部25、26となって絶縁性基板2に取り付けられた信号処理回路27に電気的に接続されている。さらに、重ね巻部6及び基本コイル部5は、基板開口部4を貫通する導体を流れる電流によって発生する誘導起電力が互いに打ち消し合わないように、即ち誘導起電力の向きが同じ向きになるように巻回されている。
【0027】
この空芯コイル1は、以下のようにして作製される。まず、基板開口部4を有し、複数の貫通孔が設けられた芯基板部8の一面9及び他面10に金属箔の第1基本細線部14及び第2基本細線部15を両端部が貫通孔に接触するように略放射状にプリントする。そして、貫通孔に金属メッキをして基本コイル部5を形成する。次に、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13をそれぞれ一面9及び他面10に貼り付けて基板を貫通する貫通孔を所定の位置に形成する。その後、基本コイル部5と同様にして第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21をそれぞれ第1重ね面18及び第2重ね面20にプリントし、貫通孔に金属メッキして重ね巻部6を形成する。なお、接続点24の部分、引出部25、26の部分は、プリントする際、あるいは金属メッキする際に特別に形成する。その後、出来上がった絶縁性基板2に信号処理回路を取り付けて引出部25、26と電気的に接続する。
【0028】
このように構成された空芯コイル1は、電流センサに用いられる場合、基板開口部4に電流が流れる導体を貫通させて用いられる。導体を電流が流れると導体の軸線周りに磁界が発生し、この磁界の変化により重ね巻部6及び基本コイル部5のそれぞれの巻き数に応じた誘導起電力が重ね巻部6及び基本コイル部5のそれぞれに発生する。それぞれの誘導起電力は互いに打ち消し合わない、同じ向きになるように重ね巻部6及び基本コイル部5が巻回されているので、両方の誘導起電力が足し合わされて大きな誘導電流がコイル線3を流れ、この誘導電流が信号処理回路27で計測されて導体を流れる電流が算出される。
【0029】
この空芯コイル1は、重ねコイル部7の重ね巻部6が基板開口部4の円周方向に沿った巻き進み方向に巻回され、基本コイル部5が重ね巻部6の巻き進み方向とは逆方向に重ね巻部6の内部を通って巻き戻していることから、この空芯コイル1は、コイル線3に発生する外部電磁界による誘導起電力を相殺する効果がある。
【0030】
また、この空芯コイル1においては、重ねコイル部7の重ね巻部6及び基本コイル部5の形成は絶縁性基板2の形成とともになされ、この重ね巻部6及び基本コイル部5が絶縁性基板2に埋め込まれた状態で用いられるので、重ね巻部6及び基本コイル部5それぞれの巻き間隔も一定に保つことができるとともに、重ね巻部6と基本コイル部5とを貼り合わせる作業がないので、重ね巻部6と基本コイル部5との相対的なずれも殆ど無く、容易に測定誤差の小さい電流センサを作製することができる。
【0031】
また、この空芯コイル1は、重ね巻部6及び基本コイル部5の両方の誘導起電力が足し合わされているので、従来例の空芯コイル100に比べて大きな誘導起電力を発生することができ、電流センサとしての測定感度が従来例に比べて増加する。
【0032】
さらに、基本コイル部5の内径側接続基本細線部16及び外径側接続基本細線部17は、その対応する重ね巻部6の内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23と同一の平面上に存在しているので、巻き線間に介在する導線等がなく、基本コイル部5及び重ね巻部6の両方の巻き間隔を最大限、密にでき、巻き数を多くできる。
【0033】
なお、この空芯コイル1は、重ねコイル部7が重ね巻部6を1つのみ有しているものであるが、1つに限定する必要はなく、重ねコイル部7は複数の重ね巻部6を有していても構わない。この場合、複数の重ね巻部6は順に基本コイル部5を重なって囲んでおり、全ての重ね巻部6が電気的に直列に接続されている。また、重ね基板部11は芯基板部8の一面9及び他面10からそれぞれ順に重ね巻部6の数だけ重ねられており、それぞれの重ね基板部11ごとに重ね巻部6が形成されている。
【0034】
また、上記実施の形態においては、基本コイル部5の内径側接続基本細線部16及び外径側接続基本細線部17は、対応する重ね巻部6の内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23と同一の平面上に存在しているが、同一平面上に存在していなくても構わない。このようにしても、従来例の空芯コイル100よりも導体を流れる電流による誘導起電力が大きくなり、しかも基本コイル部5あるいは重ね巻部6の巻き数の調整ができて、外部電磁界によって発生する相殺するための基本コイル部5及び重ね巻部6の誘導起電力の大きさを調整すること等が可能となる。
【0035】
また、上記実施の形態においては、使い勝手を良くするため信号処理回路27が絶縁性基板2に設けられているが、当然のことながら、信号処理回路27が別になっていても構わない。
【0036】
また、上記実施の形態においては、重ね巻部6の内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23は、芯基板部8、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13を貫通した貫通孔に金属メッキをすることによって形成されているが、図5に示すように、内径側接続重ね細線部22は基板開口部4の外面、即ち絶縁性基板2の内側面に設けられ、外径側接続重ね細線部23は絶縁性基板2の外側面に設けられていても構わない。このような構成であれば、内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23を形成する際に絶縁性基板2に貫通孔を形成する必要がなくなり、容易に短時間で空芯コイルを作製することができる。また、図6に示すように、あらかじめ絶縁性基板2の内側面及び外側面に溝28を設けておき、その溝28に内径側接続重ね細線部22及び外径側接続重ね細線部23を形成してもよい。
【0037】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。図7において、空芯コイル41は、第1重ね基板部12が絶縁性フィルムである第1絶縁フィルム42となっており、第2重ね基板部13が絶縁性フィルムである第2絶縁フィルム43となっている。第1絶縁フィルム42及び第2絶縁フィルムは、ポリイミド等の絶縁性に優れたフィルムであるが、これに限定されることはなく、重ね巻部6あるいは基本コイル部5に発生する誘導起電力によって絶縁破壊を起こさない程度の絶縁性があり、表面に第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21が形成でき、貫通孔を形成できるものであればよい。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0038】
このような構成の空芯コイル41は、実施の形態1における空芯コイル1の第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13が厚さの小さい第1絶縁フィルム42及び第2絶縁フィルム43となっているので、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、基本コイル部5の第1基本細線部14及び第2基本細線部15がそれぞれ第1重ね細線部19及び第2重ね細線部21に近づき、基本コイル部5の巻回の大きさが重ね巻部6の巻回の大きさに近づくことから、基本コイル部5においても導体を流れる電流によって重ね巻部6に近い誘導起電力が発生し電流センサの感度が増加する。
【0039】
また、空芯コイル41は、第1絶縁フィルム42及び第2絶縁フィルム43といった安価で扱い易い材料で作製されるので、作製が容易で、コストも低減する。
【0040】
なお、第1重ね基板部12及び第2重ね基板部13のどちらか一方が絶縁フィルムとなっていても、基本コイル部5の巻回の大きさが重ね巻部6の巻回の大きさに近づくので、構わない。
また、複数の重ね基板部11が重なっている場合も、全てが第1絶縁フィルム42及び第2絶縁フィルム43であってもよいし、その一部が第1絶縁フィルム42あるいは第2絶縁フィルム43であってもよい。
【0041】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。図8において、空芯コイル51は、コイル線3が設けられている円環状の絶縁性基板2の全体をエポキシ樹脂等の絶縁層52を介して囲った導電性シールド53を備えている。この導電性シールド53は、例えば銅、アルミ等の導電性金属であり、絶縁性基板2を囲んで形成された絶縁層52の表面を銅等によりメッキすることにより形成される。導電性シールド53は、図示しないが電気的に接地されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0042】
このような構成の空芯コイル51は、コイル線3を囲んでいる導電性シールド53を備えているので、外部電磁界がこの導電性シールド53によって遮蔽され、この外部電磁界によってコイル線3に誘導起電力が発生することがさらに抑制される。導電性シールド53は接地されているので、外部電磁界により導電性シールド53に発生した誘導起電力によって導電性シールド53が帯電することはない。
【0043】
従って、空芯コイル51は、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、さらに外部電磁界による誘導起電力の発生を抑えるので、外部電磁界による影響をさらに小さくすることができる。
【0044】
なお、実施の形態3においては、導電性シールド53は、絶縁層52の表面に形成されたメッキ層であるが、当然のことながらメッキ層に限定されるものではなく、通常の金属板であっても構わない。
【0045】
また、絶縁層52は、絶縁性基板2を全て囲う必要はなく、導電性シールド53が内部のコイル線3に接触しない状態で保たれていれば、例えば格子状、あるいは複数の支持突起であっても構わない。
【0046】
また、図9に示すように、空芯コイル51は、絶縁性基板2の基板開口部4側に設けられた内側シールド網54及び外周側に設けられた外側シールド網55を有した導電性シールド56を備えていてもよい。この場合、内側シールド網54及び外側シールド網55はそれぞれ、絶縁性基板2を厚さ方向に貫通する貫通孔に金属メッキされて形成された貫通シールド細線部54a、55aと、芯基板部8の一面9及び他面10、重ね基板部11の第1重ね面18及び第2重ね面20にプリントされた横断シールド細線部54b、55bとから構成されている。内側シールド網54は、貫通シールド細線部54aと横断シールド細線部54bとが電気的に接続され、外側シールド網55は、貫通シールド細線部55aと横断シールド細線部55bとが電気的に接続されている。また、内側シールド網54及び外側シールド網55は、それぞれ接地されている。このような構成にすると、導電性シールド56は基本コイル部5及び重ね巻部6と同様の工程で形成できる貫通シールド細線部54a、55a及び横断シールド細線部54b、55bから構成されているので、コイル線3の形成と同様の工程でこの導電性シールド56を形成することができ、絶縁性基板2を絶縁層52で囲む作業等が無くなり、容易に導電性シールド56を形成することができる。
さらに、当然のことながら、この導電性シールド56とメッキ層の導電性シールド53とを組み合わせて用いてもよい。
【0047】
また、この実施の形態3は、実施の形態1の空芯コイル1について導電性シールドが適用された形態を示しているが、実施の形態2の空芯コイル41について導電性シールドを適用してもよく、このようにするとさらに実施の形態2と同様の効果も奏する。
【0048】
なお、上記各実施の形態においては、当然のことながら、この空芯コイル1を複数枚貼り合わせて巻き数を増加することもでき、さらに感度を高くすることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明に係る空芯コイルは、電流が流れる導体が貫通する基板開口部を有した絶縁性基板と、前記導体の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた基本コイル部、及び前記基本コイル部を囲んで導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた重ね巻部が前記基本コイル部から電気的に直列に接続されて構成された重ねコイル部を有したコイル線とを備え、前記絶縁性基板は、前記基本コイル部が設けられた芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、前記基本コイル部は、前記一面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1基本細線部、前記他面に前記導線の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2基本細線部、前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記第2基本細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続基本細線部、及び前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記一端部同士が接続された第2基本細線部に隣接する前記第2基本細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続基本細線部を有し、前記重ね巻部は、各段において、前記一面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1重ね細線部、前記他面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2重ね細線部、前記一面及び他面から同数段目の前記第1重ね細線部及び前記第2重ね細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続重ね細線部、及び前記同数段目の前記第1重ね細線部及び前記一端部同士が接続された第2重ね細線部に隣接する前記第2重ね細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続重ね細線部を有しており、前記導体を流れる電流変化による磁束の変化により、前記基本コイル部及び前記重ねコイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるようになっているので、前記コイル線が前記導体に関して対称に形成され、しかも容易に巻き間隔もほぼ一定にすることができて前記導体に流れる電流に比例した誘導電流が正確に発生し、さらに、1つの前記絶縁性基板に前記基本コイル部及び前記重ね巻部が形成されていることから、前記基本コイル部及び前記重ね巻部の相対的な配置にずれがほとんどなくなるとともに、多くの巻き数を有した前記コイル線を形成して巻き数に対応した大きな誘導起電力を発生することができる。
【0050】
また、前記絶縁性基板の形状は、円環形状であり、前記重ねコイル部は、最も外側に設けられた前記重ね巻部において、その各前記内径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の内側面に設けられ、各前記外径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の外側面に設けられているので、前記最も外側に設けられた前記重ね巻部の各前記内径側接続重ね細線部及び各前記外径側接続重ね細線部を前記絶縁性基板を貫通させずに形成でき、前記重ねコイル部の作製が容易になる。
【0051】
また、前記内径側接続基本細線部、前記外径側接続基本細線部、前記内径側接続重ね細線部、及び前記外径側接続重ね細線部は、前記絶縁性基板の略径方向に沿って切断されて形成される平面上に設けられているので、前記基本コイル部及び前記複数の前記重ね巻部の巻き密度をともに大きくすることができる。
【0052】
また、前記一面及び前記他面に重ねられた前記重ね基板部は、少なくとも1つが絶縁性フィルムであるので、前記基本コイル部の巻回の大きさが前記重ね巻部の巻回の大きさに近づき、内部を通る磁束も近づいてくることから、基本コイル部に発生する誘導起電力がさらに大きくなり、前記コイル線に発生する誘導起電力が大きくなる。
【0053】
また、前記絶縁性基板には、前記コイル線に電気的に接続され、前記導線に流れる電流によって前記コイル線に発生する誘導電流を検知する信号処理回路が設けられているので、前記信号処理回路を前記コイル線に接続する作業が無くなり、前記空芯コイルの取り扱いが容易になる。
【0054】
また、前記コイル線の周囲には、絶縁層を介して導電性シールドが配置されているので、外部電磁界によって前記コイル線に誘導起電力が発生することがさらに抑制され、ほとんど前記導体を流れる電流による誘導電流のみを取り出すことができる。
【0055】
また、前記導電性シールドは、前記絶縁性基板を前記導体の軸線方向に沿って貫通する貫通シールド細線部と、前記芯基板部の前記一面及び他面、及び前記重ね基板部の前記反芯基板部側の面に形成された横断シールド細線部とから構成され、網目状となっているので、前記絶縁性基板に前記コイル線を形成する工程で、前記導電性シールドも形成され、導電性シールドを形成する特別な工程を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。
【図2】 コイル線の構成を示す部分拡大図である。
【図3】 図2の絶縁性基板を径方向に沿って切断した断面図である。
【図4】 絶縁性基板の厚さ方向に視たときの空芯コイルの模式的な正面図である。
【図5】 絶縁性基板の内側面及び外側面に内径側接続重ね細線部及び外径側接続重ね細線部が形成された状態を模式的に示す部分斜視図である。
【図6】 絶縁性基板の内側面及び外側面に設けられた溝に内径側接続重ね細線部及び外径側接続重ね細線部が形成された状態を模式的に示す部分斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係る空芯コイルの構成を示す部分斜視図である。
【図9】 絶縁性基板の基板開口部側及び外周側にそれぞれ内側シールド網及び外側シールド網が形成された状態を模式的に示す部分斜視図である。
【図10】 従来の空芯コイルの構成を示す模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1,41,51 空芯コイル、2 絶縁性基板、3 コイル線、4 基板開口部、5 基本コイル部、6 重ね巻部、7 重ねコイル部、8 芯基板部、9 一面、10 他面、11 重ね基板部(12 第1重ね基板部、13 第2重ね基板部)、14 第1基本細線部、15 第2基本細線部、16 内径側接続基本細線部、17 外径側接続基本細線部、19 第1重ね細線部、21 第2重ね細線部、22 内径側接続重ね細線部、23 外径側接続重ね細線部、27 信号処理回路、42 第1絶縁フィルム(絶縁性フィルム)、43 第2絶縁フィルム(絶縁性フィルム)、53,56 導電性シールド、54a,55a 貫通シールド細線部、54b,55b 横断シールド細線部。

Claims (7)

  1. 電流が流れる導体が貫通する基板開口部を有した絶縁性基板と、
    前記導体の軸線周りに沿って導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた基本コイル部、及び前記基本コイル部を囲んで導線が巻回されて構成され前記絶縁性基板に設けられた重ね巻部が前記基本コイル部から電気的に直列に接続されて構成された重ねコイル部を有したコイル線とを備え、
    前記絶縁性基板は、前記基本コイル部が設けられた芯基板部と、前記芯基板部の一面及び他面からそれぞれ同数段重ねられた重ね基板部とを有し、
    前記基本コイル部は、前記一面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1基本細線部、前記他面に前記導線の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2基本細線部、前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記第2基本細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続基本細線部、及び前記芯基板部を貫通して前記第1基本細線部及び前記一端部同士が接続された第2基本細線部に隣接する前記第2基本細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続基本細線部を有し、
    前記重ね巻部は、各段において、前記一面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第1重ね細線部、前記他面側の各前記重ね基板部の反前記芯基板部側の面に前記導体の軸線周りに略放射状に配列された複数の第2重ね細線部、前記一面及び他面から同数段目の前記第1重ね細線部及び前記第2重ね細線部の一端部同士を電気的に接続する内径側接続重ね細線部、及び前記同数段目の前記第1重ね細線部及び前記一端部同士が接続された第2重ね細線部に隣接する前記第2重ね細線部の他端部同士を電気的に接続する外径側接続重ね細線部を有しており、
    前記導体を流れる電流変化による磁束の変化により、前記基本コイル部及び前記重ねコイル部に発生する誘導起電力が電気的に同じ向きになるようになっていることを特徴とする空芯コイル。
  2. 前記絶縁性基板の形状は、円環形状であり、
    前記重ねコイル部は、最も外側に設けられた前記重ね巻部において、その各前記内径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の内側面に設けられ、各前記外径側接続重ね細線部が前記絶縁性基板の外側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空芯コイル。
  3. 前記内径側接続基本細線部、前記外径側接続基本細線部、前記内径側接続重ね細線部、及び前記外径側接続重ね細線部は、前記絶縁性基板の略径方向に沿って切断されて形成される平面上に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空芯コイル。
  4. 前記一面及び前記他面に重ねられた前記重ね基板部は、少なくとも1つが絶縁性フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の空芯コイル。
  5. 前記絶縁性基板には、前記コイル線に電気的に接続され、前記導線に流れる電流によって前記コイル線に発生する誘導電流を検知する信号処理回路が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の空芯コイル。
  6. 前記コイル線の周囲には、絶縁層を介して導電性シールドが配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の空芯コイル。
  7. 前記導電性シールドは、前記絶縁性基板を前記導線の軸線方向に貫通する貫通シールド細線部と、前記芯基板部の前記一面及び他面、及び前記重ね基板部の前記反芯基板部側の面に形成された横断シールド細線部とから構成され、網目状となっていることを特徴とする請求項6に記載の空芯コイル。
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