JP2985079B2 - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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JP2985079B2
JP2985079B2 JP10211609A JP21160998A JP2985079B2 JP 2985079 B2 JP2985079 B2 JP 2985079B2 JP 10211609 A JP10211609 A JP 10211609A JP 21160998 A JP21160998 A JP 21160998A JP 2985079 B2 JP2985079 B2 JP 2985079B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、船舶、航
空機、家庭用の電気製品、医療機器等の分野において、
発生する微弱な磁界を検出するために用いる磁気センサ
に属する。
【0002】
【従来の技術】図13は、従来技術1における磁気セン
サを示している。図13を参照して、従来技術1におけ
る磁気センサは、ボビン111と、このボビン111に
収容されているトロイダルコイル112と、ボビン11
1の外周面に巻着されている検出コイルとしての検出用
のマグネットワイヤー113とを有している。
【0003】ボビン111の上面には、トロイダルコイ
ル112を収容するための溝111aが形成されてい
る。検出用のマグネットワイヤー113は、トロイダル
コイル112の上側を通り、ボビン111の外周面に巻
着されている。
【0004】トロイダルコイル112は、パーマロイ
箔、及びアモルファス磁性箔を積層した高透磁率材料か
らなるリング状の磁芯(図示せず)と、この磁芯を収容
したリング状のコアケース115と、コアケース115
の外周面に励磁コイルとしてトロイダル状に巻着されて
いる励磁用のマグネットワイヤー116とを有してい
る。
【0005】この磁気センサを製作するには、初めに、
ボビン111の溝111aへトロイダルコイル112を
収容する。その後、ボビン111の外周面には、検出用
のマグネットワイヤー113を巻き付けることで、磁気
センサが完成する。
【0006】なお、図13中の符号116a,116b
によって図示した部分は、励磁用のマグネットワイヤー
116の終端部分からそれぞれ引き出した引き出し線で
あり、2本の引き出し線116a,116bがボビン1
1の外へ引き出されている。
【0007】図14は、従来技術2としての磁気センサ
を示している。この磁気センサは、多層に重ね合わせた
複数枚の平板状のプリント基板121と、これらのプリ
ント基板121の間に挟み込まれている薄板形状のトロ
イダルコイル122と、最上部のプルント基板121a
の上面に形成されている検出コイルとしての検出用の導
電パターン123とを有している。
【0008】トロイダルコイル122は、高透磁率材料
のリング状の磁芯125と複数の励磁用の導電パターン
126とを有している。励磁コイルとして用いられる複
数の導電パターン126は、リング状の磁芯125の中
心側からプリント基板121の周辺側へ放射状に、かつ
所定の間隔をもってリング状に位置している。
【0009】なお、図14中の符号123a,123b
によって図示した部分は、検出用の導電パターン123
の終端部分からそれぞれ引き出した引き出し線であり、
2本の引き出し線123a,123bがプリント基板1
21のの外へ引き出されている。
【0010】また、図14中の符号126a,126b
によって図示した部分は、励磁用の導電パターン126
の終端部分からそれぞれ引き出した引き出し線であり、
2本の引き出し線126a,126bがプリント基板1
21の外へ引き出されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、、従来
技術1の磁気センサのようなトロイダルコイル112で
は、コアケース115のリング内径穴に励磁用のマグネ
ットワイヤー116を通しながらコアケース115上に
数十〜数百回の巻線作業をしなければならない。このた
め、巻線作業には時間がかかることから、磁気センサ全
体の製作においても時間がかかってしまうという問題が
ある。
【0012】また、トロイダルコイル112が小形であ
る場合には、コアケース115のリング内径穴も当然、
小さいリング内径となる。したがって、トロイダルコイ
ル112は小形になるほど、コアケース115のリング
内径穴に励磁用のマグネットワイヤー116を通しなが
ら行う巻線作業が困難となるので、設計上における制約
が生じる。それ故に、トロイダルコイル112の小形化
には限界がある。
【0013】また、高透磁率材料のリング状の磁芯を使
用する際には、磁芯を保護するためにコアケース115
に磁芯125を入れて、コアケース115上に巻線作業
を施すため、部品点数や工数が多くなってしまうという
問題がある。
【0014】また、従来技術2の磁気センサのように、
多層の平板状のプリント基板121間に高透磁率材料の
リング状の磁芯125を挟み込んだ場合には、磁芯12
5に機械的な歪みが加わると、磁芯125の材料特性が
劣化してしまうという問題がある。
【0015】そこで、本発明の課題は、微弱な磁界を精
度よく検出できる高性能な磁気センサを提供することに
ある。
【0016】本発明の他の課題は、微弱な磁界を精度よ
く検出できる小形で、高性能な磁気センサを提供するこ
とにある。
【0017】また、本発明の他の課題は、簡単な構成
で、部品点数や作業工数を低減でき、作業能率を向上す
ることができる磁気センサを提供することにある。
【0018】また、本発明の他の課題は、磁芯の材料特
性の劣化を防止することができる磁気センサを提供する
ことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ボビン
と、該ボビン内に設けられているトロイダルインダクタ
とを有し、該トロイダルインダクタはトロイダルコア
と、該トロイダルコアに巻着した励磁トロイダルコイル
と、前記ボビンに巻着した少なくとも一つの検出コイル
とを有している磁気センサにおいて、前記ボビンはその
一面にトロイダル溝を形成したボビンケースを有し、該
トロイダル溝は前記トロイダル溝を覆いかつ前記トロイ
ダルインダクタと前記ボビンケースに結合しているボビ
ンカバーに対応しており、前記ボビンケース及び前記ボ
ビンカバーのうちの一つは放射状に延在して互いに角度
を形成するように間隔をもって設けられている複数の薄
膜線形導体からなる導体パターンを有し、該導体パター
ンは放射状内側端部及び放射状外側端部を有し、前記ト
ロイダルコアは前記導体パターン上に設けられており、
複数の結合導体が前記トロイダルコアの内側から外側へ
前記トロイダルコア上を放射状に延在しており、前記結
合導体の各々は、前記導体パターンに対応し前記放射状
内側端部に結合されている内側端部と、前記導体パター
ンに対応し前記放射状外側端部に結合されている外側端
部を有し、前記励磁トロイダルコイルが前記導体パター
ンと前記結合導体とから形成されていることを特徴とす
る磁気センサが得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気センサの第
1の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1は、
第1の実施の形態例における磁気センサの外観を示して
いる。図1を参照して、磁気センサは、直方体のボビン
31と、このボビン31内に設けられているトロイダル
インダクタとを有している。
【0021】トロイダルインダクタは磁芯(トロイダル
コア)36と、トロイダルコア36に巻着した励磁トロ
イダルコイル35,51と、ボビン31に巻着されてい
る検出コイルとしての第1及び第2のマグネットワイヤ
ー32,33とを有している。
【0022】ボビン31はその一面に溝(トロイダル
溝)31aを形成したボビンケースを構成してる。
【0023】溝31aにはこの溝31aを覆いかつトロ
イダルインダクタとボビンケースに結合しているボビン
カバーに対応しており、ボビンケースに導体パターン3
5を有している。導体パターン35のそれぞれは放射状
に延在して互いに角度を形成するように間隔をもつ複数
の薄膜線形導体によって構成されている。
【0024】第1のマグネットワイヤー32は、図1中
の矢印X方向でボビン31に巻着されている。第2のマ
グネットワイヤー33は、矢印X方向に直交するように
図1中の矢印Y方向でボビン31に巻着されている。こ
こで、第1及び第2のマグネットワイヤー32,33
は、これらによって検出コイルが構成されている。
【0025】図2及び図3は、図1において説明した磁
気センサにおけるボビン31の内部構造を示している。
また、図4は、図3に示したボビン31の一部を断面し
た状態を示している。
【0026】図2乃至図4を参照して、ボビン31の上
面には、断面逆台形でかつリング状の溝31aが形成さ
れている。ボビン31は、エポキシ樹脂もしくは液晶ポ
リマーなどの樹脂材料を樹脂成型機を用いて成型するこ
とによって作られている。なお、図示した溝31aは、
円形のリング形状であるが、円形に限らず多角形のリン
グ形状であってもよい。
【0027】ボビン31の上面と溝31aには、溝31
aを放射状に跨ぐ方向、即ち、ボビン31の上面の中心
側から外周縁側へ放射状に複数本の導電パターン35が
設けられている。複数本の導電パターン35は、図5に
もっともよく開示されているように、互いに所定の間隔
をもってリング状に、ボビン31の上面と溝31aとに
設けられている。
【0028】溝31a内における複数の導電パターン3
5の配置は、溝31aの内側面及び溝31aの底面に放
射状に、かつ溝31aの周方向で互いに所定の間隔をも
って設けられている。導体パターン35の上面には、銅
メッキ、無電解ニッケルメッキ、金ケッキなどが施され
ており、所定の厚み寸法を有するものである。
【0029】導電パターン35の配置を具体例に示す
と、複数の導電パターン35は、導電パターン35の幅
が0.1μm、複数の導電パターン35のピッチが0.
3μmでボビン31の上面と溝31aに印刷されてい
る。
【0030】ボビン31は、複数の導電パターン35が
ボビン31の溝31aとボビン31の上面とに印刷され
た直方体状の3次元の立体印刷基板であると言える。
【0031】ボビン31の溝31a内には、図3及び図
4に示されているように、アモルファス磁性箔及びアモ
ルファス磁性線、パーマロイ箔などにより、リング状に
形成した高透磁率材料の磁芯36が収容されている。
【0032】導電パターン35が印刷された溝31a面
には、図4に示すように、高透磁率材料の磁芯36に対
して電気的な絶縁をするために、レジスト37が塗布さ
れている。なお、溝31a面には、上記レジスト37に
代えて絶縁樹脂材を印刷して施てもよい。
【0033】さらに、ボビン31の上面には、複数の導
電性のピン41が立設されている。具体的には、3本の
ピン41がボビン31の上面の3つの角部近傍に位置し
ている。3本のピン41は、ボビン31の上面から上方
へのびている。これらのピン41は、検出コイルとして
の2次巻線である第1及び第2のマグネットワイヤー3
2,33の端部をからげる役目を果たす。さらに、3本
のピン41は、図1及び図2に示した枠部材43をボビ
ン31の上面の規定された位置に位置決めする役目を果
たす。
【0034】ボビン31の4つの外側面のそれぞれに
は、表面実装用の電極パターン45a,45b,45
c,45d,45eが設けられている。3本のピン41
は、電極パターン45a〜45eのうちの、3つの電極
パターン45a〜45cに一対一に接続されている。な
お、残りの2つの電極パターン45d,45eは、ボビ
ン31の上面で導電パターン35の終端部分にそれぞれ
接続されている。
【0035】これらの電極パターン45a〜45eは、
ボビン31の外側面に銅メッキ、無電解ニッケルメッ
キ、金メッキ、もしくは半田ペーストにより印刷を施し
たものある。
【0036】また、図2及び図4に示すように、リング
状の溝31aを基準として、1つの導電パターン35の
内周側の端部(放射状内側端部)35aと、この1つの
導電パターン35の隣に位置している導電パターン35
の外周側の端部(放射状外側端部)35bとは、Al線
もしくはAu線のようなワイヤーある導線(結合導体)
51によってワイヤーボンディングされている。なお、
図3では、導線51を一部分のみで示し、円周方向に配
される導線51の多くを省略して示している。
【0037】図4に示した断面方向から見た場合には、
磁芯36上でボビン31に形成された導電パターン35
と導線51とが接続され、円周を1周する構成となる。
即ち、複数の導電パターン35と複数の導線51とは、
互いに1つずつずれて接続されているため、隣接する複
数の導電パターン35へ接続される構成となる。
【0038】よって、複数の導線51は、おのおのが複
数の導電パターン35を連続して接続し、全長が1本の
導電線となる。
【0039】したがって、1本の導電線となる導電パタ
ーン35及び導線51は、これらによってトロイダル状
に励磁コイル(励磁トロイダルコイル)を形成する。な
お、電極パターン45d,45eには、交流電流を通電
すると、磁芯36を励磁することができる励磁コイルと
なる。
【0040】ここで、上記励磁コイルは、発振回路によ
り、数十kHz〜数百kHzの周波数にて、励磁を行
い、検出コイルによって励磁周波数の2倍周波数を受け
る。磁気センサは、外部の地球磁界などの磁場を受ける
ことで、その2倍周波数は振幅変調を起こす。この振幅
変調の振幅は、外部から加わる磁場に比例し、直線的に
変化することで磁気センサとして使用できる。
【0041】ボビン31の上面の辺縁近傍には、図1及
び図2に示すうように、ボビン31の上面よりも上方へ
突出している枠部材43が設けられている。複数の導線
51は、枠部材43の上面よりも少し下がった位置で配
線されている。枠部材43内には、図1に示したよう
に、ボビンカバーとしての樹脂材55が充填されてい
る。樹脂材55は、ワイヤーボンディングされた導線5
1や、溝31aに設けた磁芯36を覆い保護する役目を
果たしている。
【0042】なお、ボビン31の上面の辺縁には、枠部
材43に代えてボビン31を成型する際に、リング状の
段差を付けるように形成しても樹脂材55を充填するこ
とができる。
【0043】次に、第1の実施の形態例で説明した磁気
センサの製作について説明する。図3に示すように、初
めに、ボビン31の溝31aには、磁芯36を収容す
る。次に、導電パターン35の内周側の端部35aと外
周側の端部35bとに導線51をワイヤーボンディング
する。この際、導線51は、導電パターン35の内周側
の端部35aと外周側の端部35bとを1つづつずらし
て接続しているので、導電パターン35及び導線51に
よって磁芯36にトロイダル状の励磁コイルが形成され
る。
【0044】その後、ボビン36の上面には、ピン41
を内側にして囲むように枠部材43取り付ける。そし
て、ボビン16の上面の枠部材43内には、磁芯36及
び導線51を覆うように樹脂材55を充填する。このよ
うに磁芯36は、樹脂材55を充填することによって、
溝31aの所定位置内に収まり、外部からの機械的な歪
みを受けない構造となる、また、磁芯36の材料特性
は、熱処理(焼鈍)によって得た特性を維持できる。
【0045】最後に、ボビン31には、図1に示したよ
うに、第1及び第2のマグネットワイヤー32,33に
よってX,Y方向で包み込むように巻着することで、検
出コイルが形成し、X方向,Y方向の2軸構成の磁気セ
ンサが作製される。
【0046】図5乃至図9は、第1の実施の形態例とし
て図1に示した磁気センサの構成と基本的に同じ構成と
なっている磁気センサの第2の実施の形態例を示してい
る。ただし、第2の実施の形態例のボビン31は、第1
の実施の形態例で説明したボビン31の枠部材43及び
ピン41を有していない点で異なってる。
【0047】なお、このボビンを説明するに当たり、図
2に示した磁気センサのボビン31と同じ部分には、同
じ符号を付して説明する。
【0048】この第2の実施の形態例におけるボビン3
1の上面には、大きなへこみ部91aが形成されてい
る。へこみ部91aには、図4に示したように、第1の
実施例と同様な溝31a、導電パターン35が設けられ
ている。溝31aには、磁芯36が配置される。
【0049】また、図9にも示すように、リング状に所
定の間隔で配置されている複数の導電パターン35に
は、マーク93a〜93gが設けられている。この実施
の形態例におけるマーク93a〜93gは、リング状の
導電パターン35の内周側の端部に位置する4つのマー
クマーク93a,93b,93c,93dと、外周側の
端部に位置する2つのマーク93e,93fと、中心に
位置するマーク93gとによって構成されている。
【0050】マーク93a〜93gは、複数の導電パタ
ーン35の任意の導電パターン35に複数が設けられて
いる。複数の導電パターン35は、マーク93a〜93
gによって、これらの導電パターン35の印刷時におけ
る位置ずれを補正する役目を果たす。マーク93a〜9
3dは、十字形状のマーク、円形のマーク、もしくは多
角形状のマークとしている。
【0051】ボビン31には、その四角の近傍にボルト
を通す複数のボルト穴92a〜92eが形成されてい
る。ボビン31の一つの角の近傍に位置しているボルト
穴92d,92eには導電パターン35に接続されてい
る導電端子部35c,35dが設けられている。これら
の導電端子部35c,35dは、ボルトを介して外部へ
導通するように、ボルトに接続されるものである。
【0052】へこみ部91aには、第1の実施形態例に
よって説明した図1に示されているように、導電パター
ン35及び導線51によって磁芯36にトロイダル状の
励磁コイルが形成して、プラスチック樹脂材55が充填
されている。そして、ボビン31には、図1に示したよ
うに、第1及び第2のマグネットワイヤー32,33を
巻着することで検出コイルを形成して磁気センサが作製
される。
【0053】図8及び図9は、本発明の磁気センサにお
ける第3の実施の形態例として、ボビン31と、このボ
ビン31に組み合わされるボビンカバーとしてのプリン
ト基板60とを示している。図10に示すボビン31
は、図3に示したボビン31とほぼ同じ構成である。た
だし、図3に示したボビン31とは、枠部材43と導線
51とを有していない点で相違している。したがって、
図3に示したボビン31とは、枠部材43と導線51と
がない点で相違している構成であるので、ボビン31の
詳細な構成の説明は省略する。
【0054】図10は、第2の実施の形態例における磁
気センサの要部を断面した状態で示している。なお、図
9は、ボビン31にプリント基板60を接合した図であ
り、このボビン31の外周面に第1の実施の形態例と同
様な第1及び第2のマグネットワイヤー32、33が
X,Y方向に巻線されて検出コイルを構成するものであ
る。
【0055】図8乃至図10を参照して、第3の実施例
における磁気センサは、ボビン31と、このボビン31
の上面に設けたプリント基板60と、図1によって説明
した第1及び第2のマグネットワイヤー32、33とを
有している。
【0056】プリント基板60の一平面には、ボビン3
1の上面及び溝31aに設けた放射状の複数の導電パタ
ーン35に接合するように、複数の相手導電パターン6
1が設けられている。相手導電パターン61は、プリン
ト基板60の中央側から周縁側へのびかつ所定の間隔を
もってリング状に設けられている。また、相手導電パタ
ーン61は、第1の実施の形態例で説明した導線51と
同じ役目を果たすものである。
【0057】1つの相手導電パターン61は、導電パタ
ーン35の内周側の端部35aと、この導電パターン3
5のとなりに位置している導電パターン35の外周側の
端部35bとに接合される。即ち、相手導電パターン6
1は、導電パターン35に1つづつずれて接合されてい
る。
【0058】このプリント基板60は、図9乃至図10
に示すように、ボビン31に重ね合わせ接合して接合す
ることにより、導体パターン35と相手導電パターン6
1とが全長に亘り1本に連通し、磁芯36に励磁コイル
が形成される。
【0059】導電パターン35と相手導電パターン61
とを接合するには、初めに、ボビン31の溝31a内
に、磁芯36を収容する。そして、ボビン31の上面に
は、プリント基板60に形成されている3つのピン穴6
0aをボビン31の上面に立設されている3つのピン4
1に一対一に挿入する。そして、ボビン31の上面と磁
芯36上にプリント基板60を接合する。
【0060】導電パターン35及び相手導電パターン6
1の表面には、図10に示すように、低融点の半田71
が付着されている。半田71が介在されてる導電パター
ン35及び相手導電パターン61は、温度180〜26
0℃のリフロー炉を通過させることで、半田溶接にて電
気的に接合が行行われる。この電気的に接合することに
よって、導電パターン35及び相手導電パターン61
は、トロイダル状の励磁コイルを形成した構造となる。
【0061】また、磁芯36には、導電パターン35と
磁芯36との電気的な短絡を防ぐために、磁芯36の表
面に、図10に示すように、化学蒸着処理にて有機材料
の主成分を持つ絶縁被膜73が付着されている。
【0062】また、高透磁率材料の磁芯36は、薄板の
材料をリング状に加工する方法もあるが、高透磁率材料
をトロイダル状に蒸着して磁芯36を形成してもよい。
【0063】図11及び図12は、本発明の磁気センサ
の励磁コイルを構成する部分の第4の実施の形態例を示
している。なお、第4の実施例において図8と同じ部分
には同じ符号を付して説明する。
【0064】図11及び図12を参照して、プリント基
板60には、複数の導電パターン61が印刷によって設
けられている。複数の導電パターン61の上面には、表
面を化学蒸着にて絶縁処理を施したリング状の磁芯81
が搭載されている。磁芯81は、プリント基板60に接
着剤によって接着されている。
【0065】複数の導電パターン61は、図4に示した
導線51と同様な導線82によって、接続されている。
即ち、1つの導電パターン61の内周側の端部61a
と、この1つの導電パターン61の隣に位置している導
電パターン61の外周側の端部61bとは、導線82に
よってワイヤーボンディングされている。
【0066】導電パターン61と導線82とは、リング
状の磁芯81の円周を1周する構成となる。複数の導電
パターン61と複数の導線82とは、互いに1つずつず
れて接続されているため、隣接する複数の導電パターン
61へ接続される構成となる。
【0067】よって、複数の導線82は、おのおのが複
数の導電パターン61を連続して接続して、全長が1本
の導電線となる。
【0068】したがって、1本の導電線となる導電パタ
ーン61及び導線82は、これらによってトロイダル状
に励磁コイルが形成されている。
【0069】導電パターン61上には、磁芯81の上方
を張架するように導電パターン61の内周側の端部61
aから、隣接ピッチ間を斜めに導線82を隣に位置する
導電パターン61の外周側の端部61bにワイヤーボン
ディングする。これにより磁芯81にトロイダル状の励
磁コイルが形成される。
【0070】プリント基板60及びこのプリント基板6
0に設けた励磁コイルは、図12に示したように、ボビ
ン83の上面に形成したリング状の溝83aへ収容する
ことができる。そして、ボビン83と、このボビン83
上に設けたプリント基板60の外周面に、図1に示した
第1及び第2のマグネットワイヤー32,33によって
X,Y方向で包み込むように巻着することで検出コイル
を形成し、X方向,Y方向の2軸構成の磁気センサが作
製される。
【0071】
【発明の効果】以上、実施例によって説明したように、
本発明の磁気センサは、立体的に印刷される導電パター
ンを利用し、導電パターンにて巻線する構成としたの
で、微弱な磁界を精度よく検出できる小形で、高性能な
磁気センサを提供することができる。
【0072】また、本発明は、簡単な構成で、部品点数
や作業工数を低減でき、作業能率を向上することができ
る。また、本発明の磁気センサは、磁芯の材料特性の劣
化を防止することができる。
【0073】さらに、本発明の磁気センサは、磁芯に複
雑で能率の悪い巻線作業をせずに、立体的に印刷される
導電パターンを利用し、導電パターンにて巻線する構成
としたので、導電パターンの接合時の半田溶接など熱に
よる磁芯への影響をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気センサの第1の実施の形態例を示
す外観斜視図である。
【図2】図1に示した磁気センサのボビンを示す斜視図
である。
【図3】図2に示したボビンに磁芯を設けた状態を示す
斜視図である。
【図4】図3のVI-VI 線断面図である。
【図5】本発明の磁気センサの第2の実施例を示し、磁
気センサにおけるボビンの斜視図である。
【図6】図5に示したボビンを裏面から見た状態の斜視
図である。
【図7】図5に示したボビンのの要部を拡大して示した
平面図である。
【図8】本発明の磁気センサの第3の実施例を示し、磁
気センサにおけるボビンとプリント基板とを分離した状
態の分解斜視図である。
【図9】図8に示した磁気センサにおけるボビンとプリ
ント基板とを組み合わせた状態の斜視図である。
【図10】図9に示したボビンとプリント基板とを組み
合わせた状態の要部を断面して示した断面図である。
【図11】本発明の磁気センサの第4の実施例を示し、
磁気センサにおけるプリント基板を示す斜視図である。
【図12】図11のX-X 線断面図である。
【図13】従来技術1の磁気センサの外観を示す斜視図
である。
【図14】従来技術2の磁気センサの外観を示す斜視図
である。
【符号の説明】
31,111 ボビン 31a 溝 32 第1のマグネットワイヤー 33 第2のマグネットワイヤー 35 導電パターン 36,81 磁芯 37 レジスト 43 枠部材 45a,45b,45c,45d,45e 電極パタ
ーン 51,82 導線 55 樹脂材 60,121 プリント基板 61 相手導電パターン 91a へこみ 93a〜93g マーク 112,122 トロイダルコイル 113,116 マグネットワイヤー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンと、該ボビン内に設けられている
    トロイダルインダクタとを有し、該トロイダルインダク
    タはトロイダルコアと、該トロイダルコアに巻着した励
    磁トロイダルコイルと、前記ボビンに巻着した少なくと
    も一つの検出コイルとを有している磁気センサにおい
    て、 前記ボビンはその一面にトロイダル溝を形成したボビン
    ケースを有し、該トロイダル溝は前記トロイダル溝を覆
    いかつ前記トロイダルインダクタと前記ボビンケースに
    結合しているボビンカバーに対応しており、前記ボビン
    ケース及び前記ボビンカバーのうちの一つは放射状に延
    在して互いに角度を形成するように間隔をもって設けら
    れている複数の薄膜線形導体からなる導体パターンを有
    し、該導体パターンは放射状内側端部及び放射状外側端
    部を有し、前記トロイダルコアは前記導体パターン上に
    設けられており、複数の結合導体が前記トロイダルコア
    の内側から外側へ前記トロイダルコア上を放射状に延在
    しており、前記結合導体の各々は、前記導体パターンに
    対応し前記放射状内側端部に結合されている内側端部
    と、前記導体パターンに対応し前記放射状外側端部に結
    合されている外側端部を有し、前記励磁トロイダルコイ
    ルが前記導体パターンと前記結合導体とから形成されて
    いることを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記ボビンには2つの前記検出コイルが互いに直交する方
    向に巻着されていることを特徴とする磁気センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記ボビンは直方体形状を呈していることを特徴とする磁
    気センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記トロイダル溝は円形あるいは多角形をしていることを
    特徴とする磁気センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記導体パターンは前記トロイダル溝の内側から外側へ放
    射状に延在するように前記ボビンケースの前記一面上に
    形成されており、前記結合導体は導線であり、前記ボビ
    ンカバーは前記結合導体と、前記トロイダルコアと、前
    記導体パターンを共に覆うように前記ボビンケース上に
    載せられた樹脂材であることを特徴とする磁気センサ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気センサにおいて、前
    記ボビンの前記一面から上方に突出するように前記一面
    に形成した枠部材を有することを特徴とする磁気セン
    サ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気センサにおいて、突
    出している枠部は前記トロイダル溝の前記一面にかつ前
    記トロイダル溝の外側の前記周辺に形成されていること
    を特徴とする磁気センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記トロイダルコアは高透磁率材料の薄板から形成され、
    化学蒸着によって配置された絶縁膜によって覆われてい
    ることを特徴とする磁気センサ。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の磁気センサにおいて、前
    記トロイダル溝の少なくとも内側と底面とが絶縁部材で
    覆われていることを特徴とする磁気センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の磁気センサにおいて、
    前記トロイダルコアを形成するために、高透磁率材料が
    トロイダル形式で前記トロイダル溝の前記底部に設けら
    れていることを特徴とする磁気センサ。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の磁気センサにおいて、
    前記導体パターンには、前記導体パターンを正しい位置
    に位置決めするよう修正するために所望の位置に形成さ
    れた複数のマークが設けられていることを特徴とする磁
    気センサ。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の磁気センサにおいて、
    前記導体パターンは前記トロイダル溝の内側から外側へ
    放射状に延在するように前記ボビンケース上に形成さ
    れ、前記ボビンカバーはその上に形成されたもう一つの
    導体パターンとして前記結合導体を有するプリント基板
    であることを特徴とする磁気センサ。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の磁気センサにおい
    て、前記トロイダルコアは高透磁率材料の薄板から形成
    され、化学蒸着によって配置された絶縁膜によって覆わ
    れていることを特徴とする磁気センサ。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の磁気センサにおい
    て、前記トロイダル溝の少なくとも内側及び底面は絶縁
    部材で覆われていることを特徴とする磁気センサ。
  15. 【請求項15】 請求項12記載の磁気センサにおい
    て、前記トロイダルコアを形成するために、高透磁率材
    料がトロイダル形式で前記溝の前記底部に配置されてい
    ることを特徴とする磁気センサ。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の磁気センサにおい
    て、前記トロイダルコアは有機材料を含む絶縁膜で覆わ
    れており、前記導体パターン及び前記トロイダルコア間
    に電気的短絡が生じるのを防ぐために化学蒸着によって
    配置されていることを特徴とする磁気センサ。
  17. 【請求項17】 請求項12記載の磁気センサにおい
    て、前記導体パターンには、前記導体パターンを正しい
    位置に位置決めするよう修正するために所望の位置に形
    成された複数のマークが設けられていることを特徴とす
    る磁気センサ。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の磁気センサにおいて、
    前記ボビンカバーは前記導体パターンを有するプリント
    基板であり、前記結合導体は結合ワイヤーであり、前記
    トロイダルインダクタは前記ボビンカバー上に固定され
    ており、前記ボビンケースの前記トロイダル溝に適合し
    ていることを特徴とする磁気センサ。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の磁気センサにおい
    て、前記トロイダルコアは高透磁率材料の薄板から形成
    され、化学蒸着によって配置されている絶縁膜によって
    覆われていることを特徴とする磁気センサ。
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