JP2010124026A - スピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】MFB回路を搭載するスピーカの口径の大きさに左右されずに静電容量型位置センサの共用化を可能とする。また、ボイスコイルの熱の影響並びにクロストークなどの外乱の影響を緩和する。
【解決手段】振動板1と連動する可動導体6と該可動導体6と同軸に配置される固定導体8との間で同軸円筒コンデンサを構成し、該同軸円筒コンデンサの静電容量の変化を検出して振動板1の動作をフィードバック制御するスピーカにおいて、円筒形のセンターポール5と、該センターポール5の内方に配置される円筒状の可動導体6と、センターポール5の外方に同軸に配置されたボイスコイル3を巻回したコイルボビン4とを備え、センターポール5と該センターポール5の内方に配置された可動導体6との間で同軸円筒コンデンサを構成するようにしている。
【選択図】図1
【解決手段】振動板1と連動する可動導体6と該可動導体6と同軸に配置される固定導体8との間で同軸円筒コンデンサを構成し、該同軸円筒コンデンサの静電容量の変化を検出して振動板1の動作をフィードバック制御するスピーカにおいて、円筒形のセンターポール5と、該センターポール5の内方に配置される円筒状の可動導体6と、センターポール5の外方に同軸に配置されたボイスコイル3を巻回したコイルボビン4とを備え、センターポール5と該センターポール5の内方に配置された可動導体6との間で同軸円筒コンデンサを構成するようにしている。
【選択図】図1
Description
本発明は、スピーカに関する。さらに詳述すると、本発明は、振動板と連動する可動導体と該可動導体と同軸に配置される固定導体との間で同軸円筒コンデンサを構成し、同軸円筒コンデンサの静電容量の変化を検出して振動板の動作をフィードバック制御するスピーカに関するものである。
MFB(Mortional Feed Back)回路を搭載して音質を向上させるスピーカが知られている。このMFB回路は、スピーカ磁気回路の駆動部に当たるボイスコイル(VC)部に静電容量型位置検出センサを形成し、スピーカに入力された音声情報を示す電気信号(以下、「音声信号」と記す)に基づいて振動する振動板の動作状態を検出し、その検出結果に基づいて振動板をフィードバック制御するものであり、これにより特に低音域で生じ易い音の歪みを解消することができる。具体的には、振動板またはこの振動板を振動させるためのボイスコイルと呼ばれる電磁コイルに電極(以下、「可動電極」と記す)を設けると共に、この可動電極に対して対向する固定の電極(以下、「固定電極」と記す)を設け、可動電極が固定電極に対して相対的に移動することによって変化した静電容量を検出して、それを検出信号として出力する。そして、比較装置(例えば、CPU)が、その検出信号と予め定められた基準値とを比較し、その比較結果に基づいて振動板の動作を補正制御するようにしている。したがって、一般的にMFB回路は、低音域での再生が難しいとされる小型のスピーカで採用されることが効果的であるとされている。
一方、電極間の静電容量は非常に微小であることから僅かな量の電磁波や静電気などの影響を受けて変動してしまう。そこで、この変動を抑えるために、例えば図5及び図6に示すように、ボイスコイル106を巻回したコイルボビン102の内周面側に電極を配置してセンターポール105との間に静電容量型位置センサを形成して、コイルボビンと一体となって振動する振動板101の動きを検出するセンサ構造が提案されている(特許文献1)。このセンサ構造は、ボイスコイル106が巻回されるコイルボビン102の内周面にセンターポール105の軸方向に沿って一定の間隔を空けて2つの可動電極103,104を配置するとともに、コイルボビン102が動作した際に、一方の可動電極例えば電極103とセンターポール105側の固定電極に相当する外周面部位との対向面積を増加させ、その増加量分だけ他方の可動電極例えば電極104とセンターポール105側の固定電極に相当する外周面部位との対向面積を減少させるように、2つの可動電極103,104に跨るようにセンターポール105の外周面に環状の突部105aを形成し、一方の可動電極103によって得られた第1の電気信号から他方の可動電極104によって得られた第2の電気信号を減算することにより、各電極103,104で得られた電気信号にそれぞれ含まれるノイズを相殺しつつ、各電極103,104で得られた真の静電容量を示す電気信号を同位相で加算した状態で検出しようとするものである。そして、この減算結果に対応した第3の電気信号でコイルボビン102ひいては振動板101の位置を検出し、フィードバック制御を行なうようにしている。また、ボビン102には、ボイスコイル106からのノイズなどから各電極103,104を保護し、外乱・ノイズを遮断するシールド層として機能する導電体膜107が設けられている。尚、各電極103,104は、2層の導電体膜103a,103b、104a,104bより構成され、絶縁体膜を介して積層化されることにより、各電極で得られる電気信号の出力レベルが高められている。
しかしながら、スピーカはその大きさ・口径に応じて適したボイスコイル並びにセンターポールの直径を選定する必要がある。他方、同軸円筒コンデンサによって構成される静電容量型位置センサは、ある一定の容量が得られれば良いので、スピーカの口径の大きさに関係なく一定の大きさで足りる。つまり、共通化が可能である。しかるに、従来のスピーカ構造では、コイルボビンのボイスコイルが巻かれた部分の内周面側に電極が取り付けられてセンターポールとの間に同軸円筒コンデンサから成る静電容量型位置センサが構成されているため、スピーカの大きさ毎に異なる大きさのボイスコイルやセンターポール並びに静電容量型位置センサが採用されることとなり、静電容量型位置センサの共用化によるコストダウンが図れない問題を有している。
しかも、ボイスコイルと裏腹の関係で可動導体が配置されているので、ボイスコイルからのノイズが侵入し易いと共に、ボイスコイルの熱の影響を受け易い。つまり、発熱体であるボイスコイルと可動導体とが一体であるため、ボイスコイルの熱で積層される導体パターンから成る電極の間を絶縁している絶縁層の抵抗値が下がってしまい、静電容量センサの精度低下を招いてしまう虞がある。そこで、これを回避するために、静電容量型位置センサには高価な耐熱性FPC(flexible printed circuit board:フレキシブルプリント回路板)の使用が必要となり、コストアップの一因となる。さらに、ボイスコイルに静電容量型位置センサが近接されているため、ボイスコイルの電気ノイズの影響を受け易いことから、シールド層をボイスコイルとの間に設ける必要があり、静電容量型位置センサが多積層となる問題がある。このことは、駆動部の重量を増加させて駆動能率を悪くする、即ち駆動できる電流が大きくなるという問題を伴う。
そこで、本発明は、MFB回路を搭載するスピーカの口径の大きさに左右されずに静電容量型位置センサの共用化を可能とするスピーカを提供することを目的とする。また本発明は、ボイスコイルの熱の影響並びにクロストークなどの外乱の影響を緩和できるスピーカを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、振動板と連動する可動導体と該可動導体と同軸に配置される固定導体との間で同軸円筒コンデンサを構成し、同軸円筒コンデンサの静電容量の変化を検出して振動板の動作をフィードバック制御するスピーカにおいて、円筒形のセンターポールと、該センターポールの内方に配置される円筒状の可動導体と、センターポールの外方に同軸に配置されたボイスコイルを巻回したボビンとを備え、センターポールと該センターポールの内方に配置された可動導体との間で同軸円筒コンデンサを構成するようにしている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のスピーカにおいて、センターポールの外径とボイスコイル並びにボビンの径をスピーカ口径に応じたものとする一方、センターポールの内径と円筒状の可動導体の径とは一定とし、スピーカの口径の大きさに関係なく可動導体とセンターポールとの間で構成される同軸円筒コンデンサの基準位置における静電容量を一定とするようにしている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1または2記載のスピーカにおいて、可動導体は、可撓性のある高分子樹脂の絶縁板に導体パターンを形成したフレキシブルプリント回路板を巻回して両端を互いに接合し、熱硬化処理を施して円筒状の筒体に成形したものである。
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカにおいて、可動導体を接地し、センターポールの内周面側に導体との間に同軸円筒コンデンサを構成する固定電極を設け、該固定電極から検出信号を取り出すようにしている。
請求項1記載のスピーカによれば、円筒形のセンターポールの内方に円筒状の可動導体を配置して同軸円筒コンデンサを構成する一方、センターポールの外方に同軸に配置されたボイスコイルを巻回したボビンを備えるようにしているので、ボイスコイルと静電容量型位置センサとの間に、空気層とセンターポールとさらに空気層とが介在されるため、ボイスコイルに発生する熱がセンターポールの内側の空間に配置される静電容量型位置センサには伝わり難く、静電容量型位置センサ周辺は常温程度に維持されることから、静電容量型位置センサを構成する素材として、例えば耐熱性の低いFPCの使用が可能となる。したがって、静電容量型位置センサに廉価な材料の使用が可能となり、コストを低減できる。
また、本発明は、静電容量型位置センサの周りを円筒形のセンターポールで覆いノイズ発生源となるボイスコイルから遮蔽するので、シールド効果を高め得ると共に電極周辺のシールドとして機能させる導体層並びに同導体層のための絶縁層を無くすことでコスト低減を可能とする。また、静電容量型位置センサの電極部材からシールド層としての導体層と絶縁層とを無くすことで積層構造が簡素化できる。特に、可動電極側でシールド層としての導体層と絶縁層とを無くす場合には、可動電極の軽量化が可能となるので、ボイスコイルによる振動体の駆動がより小さな電流で可能(高能率)となる。
さらに、請求項2記載のスピーカによれば、スピーカの口径の大きさに関係なく可動導体とセンターポールとの間で構成される同軸円筒コンデンサの基準位置における静電容量を一定とするようにしているので、静電容量型位置センサを共通化することが可能となる。このため、スピーカ口径にかかわらず同じ静電容量型センサを使用することによるコストダウンが可能となる。
さらに、請求項3記載のスピーカによれば、可撓性のある高分子樹脂の絶縁板に導体パターンを形成したフレキシブルプリント回路板を巻いて円筒状に成形したもので可動導体を構成しているので、大幅なセンサの軽量化によってボイスコイルによる振動体の駆動がより小さな電流で可能(高能率)となる。しかも、所望の導体パターンをプリント技術で簡単に形成でき、かつそのフレキシブルプリント回路板を巻いて円筒にして固めた円筒により可動導体を形成するため、製造コストを大幅に削減することができる。
さらに、請求項4記載のスピーカによれば、センターポールの内周面側に固定電極を設けて検出信号を取り出す一方、可動電極側を接地させる構造としているので、可動電極側に設けられる電極・導体数を減らして可動電極側の重量を軽くすることにより少ない電気で振動板を効率よく振動させられるようにする(高能率)と共に、信号を取り出すためのリード線が固定されて動くことがないので共振の問題を配慮する必要がなくなる。また、検出側電極である固定電極の熱をセンターポールに逃がしてこれらを冷却することができるので、固定電極の絶縁層の抵抗値の低下を防いで静電容量型位置センサの精度低下を防ぐことができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3に本発明の静電容量型位置センサを用いたMFB回路を搭載するスピーカの一実施形態を示す。このスピーカは、円筒形のセンターポール5と、該センターポール5の内方に配置される円筒状の可動導体6と、センターポール5の外方に同軸に配置されたボイスコイル3を巻回したコイルボビン4とを備え、センターポール5と該センターポール5の内方に配置された可動導体6との間で同軸円筒コンデンサを構成し、同軸円筒コンデンサの静電容量の変化から振動板1と連動する可動導体6の動きを検出して振動板1の動作をフィードバック制御するようにしている。
一般的に、スピーカの振動板1の駆動部は、ボイスコイル3を巻回し振動板1に接着などで固定されるコイルボビン4と、このコイルボビン4の中に挿入されるセンターポール5と、マグネット12と、このマグネット12の両端に配置されてセンターポール5との間にボイスコイル3と鎖交してコイルボビン4及び振動板1を駆動させるローレンツ力を発生させる磁束が通る閉磁路を形成するフランジ10及び円環部材11とを備える。尚、コイルボビン4は振動板1に接着されて固定されると共にダンパー2によって軸方向位置が予め定められた基準位置に保持されている。また、振動板1にはセンターキャップ12が被せられ、外周縁部が連結部材24を介してフレーム25に固定されている。ここで、コイルボビン4の基準位置とは、ボイスコイル3に信号入力がない状態のコイルボビン4の位置である。
本実施形態の場合、センターポール5は鉄製であり、中が刳り貫かれた円筒状を成し、内周面13には径方向内側に向けて突出した円環状の突部(以下、凸部と呼ぶ)9が一体形成されると共に接地され、内部空間14に配置された可動導体6と環状凸部9とで同軸円筒コンデンサを構成するように設けられている。つまり、本実施形態の場合、センターポール自体が固定電極として利用されている。凸部9は、内周面13から径方向内側に略直角に立ち上がっている両端縁部と、可動導体6と平行な面とを有している。尚、センターポール5の基端側には径方向外側へ突出する円盤状のフランジ10が一体に形成されている。
ボイスコイル3は、両端が開口された円筒状の非磁性体から成るコイルボビン4に巻回されている。コイルボビン4は、センターポール5の外径よりも僅かに大きな内径を有している強度的に可能な限り肉薄な円筒から成り、振動体1に接着されて円環部材11の内周面とセンターポール5の外周面との間の隙間に挿入されている。このセンターポール5の外径とボイスコイル3並びにコイルボビン4の径は、通常、スピーカの口径に応じて適宜大きさに設計されるものである。つまり、スピーカの口径の大きさに応じてボイスコイル3、コイルボビン4並びにセンターポール5の外径が適宜設定される。コイルボビン4は、非磁性材料例えば合成樹脂製の円筒で構成される。
他方、センターポール5の内径と円筒状の可動導体6の径とはスピーカの口径の大きさに関係なく設定され、静電容量型位置センサとして必要とされる容量が少なくとも得られる大きさであれば良く、種々の大きさのスピーカにおいて実現できる共通の大きさとすることが好ましい。つまり、可動導体とセンターポールとの間で構成される同軸円筒コンデンサの基準位置における静電容量を一定とすることが好ましい。
コイルボビン4と円筒状の可動導体6とは、それらの上端が連結板7に接着などで固着されることで固定され、振動板1に対し連動するように設けられている。
可動導体6は、本実施形態の場合、可撓性のある高分子樹脂の絶縁板に導体パターン並びに絶縁層を形成したフレキシブルプリント回路板を円柱状の治具などを用いて丸めて両端を接着剤で互いに接合し、熱硬化処理を施すことにより高分子樹脂を固めて円筒状の筒体に成形したものである。この可動導体6は、検出信号を取り出す電極としても良いし、接地電極としても良い。本実施形態の場合、可動導体6は、センターポール5の軸方向に一定の間隔を空けて2つの導体(第1電極15と第2電極16)を配置すると共に検出信号を取り出すようにし、センターポール5の内周面13には同軸に配置された環状凸部9を形成し、環状凸部9の軸方向中央28を基準位置とする同軸円筒コンデンサを構成するようにしている。具体的には、可動導体6は、図2に示すように、ポリイミドやポリエステルなどの可撓性、絶縁性を有するプラスチックフィルムから成るベース材17の上に、銅箔から成る第1の導体18並びに第2の導体19と、絶縁剤20と銅箔から成る第3の導体21並びに第4の導体22とを順次プリントしたフレキシブルプリント回路板を、ベース材17が外向きとなるように丸めて円筒状に形成することによって構成される。第1〜第4の各導体18,19,21,22はそれぞれ図示していない信号引き出し部に設けられている4つの端子まで導体パターンによって引き出されている。そして、第1の導体18と第3の導体21とを結線して第1電極15を構成し、第2の導体19と第4の導体22とを結線して第2電極16を構成している。そして、第1電極15によって得られた第1の電気信号から第2電極16によって得られた第2の電気信号を減算することにより、各電極15,16で得られた電気信号にそれぞれ含まれるノイズを相殺しつつ、各電極15,16で得られた真の静電容量を示す電気信号を同位相で加算した状態で検出可能とされている。尚、図示していないが信号引き出し部は、可動筒体と同じフレキシブルプリント回路板と一体的に形成され、可動導体6の縁から帯状に引き出されている。
ここで、第1及び第2電極15,16は、センターポール5の内周面13に突出する凸部9との間の静電容量を検出するものであり、凸部9の軸方向中央(中心線で示される位置で、静電容量型センサの基準位置となる)Cに可動導体6の第1及び第2電極15,16を絶縁して分離する中央分離帯28が位置するように配置され、可動電極15,16と凸部9とがそれぞれ対向する面積が中央分離帯28を境に同じとなるように設けられている。つまり、基準位置を示す凸部9に対して2つの電極15,16が跨って均等に配置されるように設けられ、振動体1の位置が基準位置よりもずれたときに一方の電極の凸部9との対向面積を増加させ、その増加量分だけ他方の電極の凸部9との対向面積を減少させることにより各電極間の静電容量を変化させる関係に設定されている。さらに、凸部9の軸方向中央Cからの両端縁までの軸方向長さは、コイルボビン4が基準位置にセットされた際に、一方の縁が一方の電極を構成する導体を軸方向に二等分する位置に、且つ、他方の縁が他方の電極を構成する導体を軸方向に二等分する位置に、それぞれ該当する長さとされ、コイルボビン4が振動したときに凸部9の電極となる面が第1及び第2電極15,16からはみ出すことなく常に第1電極15及び第2電極16に対向するように形成されていることが好ましい。
図3にMFB回路の一例を示す。このMFB回路は、特開2007-96652に開示されているもので、比較器29、電力増幅器30、減算器31、フィードバック回路32及び静電容量型位置センサの第1電極15からの信号を第2電極16からの信号で減算してフィードバック回路32に入力する減算器31とを備える。入力端子33に入力された音声情報を示す電気信号は集積回路からなる比較器29に入力され、フィードバック回路32からの検出信号と比較する。そして、この比較器29からの出力信号を電力増幅器30で増幅してからボイスコイル3に流し、ローレンツ力によりコイルボビン4ひいては振動板1を前後方向(センターポール5の軸方向)に振動させて音を発する。ここで、フィードバック回路32からの信号は、静電容量型位置センサの第1電極15によって得られた第1電気信号から第2電極16によって得られた第2電気信号を減算器31で減算することにより、各信号にそれぞれ含まれるノイズを相殺しつつ各電極15,16で得られた真の静電容量を示す電気信号を同位相で加算した状態としたものに基づいて求められるフィードバック制御量を反映したものである。
以上のように構成されたスピーカによれば、ボイスコイルと静電容量型位置センサとが互いに独立した構成とされているので、スピーカの口径に応じてセンターポールの外径寸法、コイルボビン並びにボイスコイルの大きさ・直径を必要とされる大きさに設定することができる。他方、センターポールの内径寸法並びに可動導体の大きさを共通にすることができる。つまり、スピーカ口径にかかわらず同じ大きさの静電容量型位置センサを用いることが可能である。
つまり、センターポールの外径とボイスコイル並びにボビンの径をスピーカの口径に応じたものとする一方、センターポールの内径と円筒状の可動導体の径とは一定とし、スピーカの口径の大きさに関係なく円筒状の可動導体とセンターポールとの間で構成される同軸円筒コンデンサの基準位置における静電容量を一定とするようにしている。これにより、静電容量型位置センサの共通化を可能とする。
また、本発明のスピーカ構造によると、ボイスコイルと静電容量型位置センサとが互いに独立した構成とし、さらに静電容量型位置センサの周りを円筒形のセンターポールで覆いノイズ発生源となるボイスコイルから遮蔽する構造としているので、静電容量型位置センサにシールド層を設けなくともシールド効果が高く、クロストークの発生がなくなる。しかも、ボイスコイルと静電容量型位置センサとの間に、空気層とセンターポールとさらに空気層とが介在されるため、ボイスコイルに発生する熱がセンターポールの内側の空間に配置される静電容量型位置センサには伝わり難く、静電容量型位置センサ周辺は常温程度に維持される。このことから、検出信号を取り出す電極に、ブーストラップ電極を設けたり、ノイズキャンセル回路を設けなくとも、一対の電極を対向させる単純な構造のセンサでも実施可能である。しかも、静電容量型位置センサに高価な耐熱材料を用いる必要がなくなり、廉価な材料の使用が可能となり、材料コストを低減できる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、可動導体から検出信号を取り出しセンターポールの内周面の凸部を固定電極として利用するようにしているが、静電容量型位置センサとしての電極構造はこれに特に限られるものではなく、可動電極と、この可動電極に対して対向する固定電極とを設け、可動電極が固定電極に対して相対的に移動することによって変化した静電容量を検出して、それを検出信号として出力する静電容量型位置センサを構成するものであれば、どのような電極構造でも実施可能である。
例えば、図4に示すように、センターポール5の内周面13側に可動導体6との間に同軸円筒コンデンサを構成する固定電極8を設けると共に可動導体6を接地することにより、センターポール5側に固定されている電極例えば第1及び第2の電極15,16から検出信号を取り出すようにしても良い。この場合には、検出信号を取り出す帯状の信号引き出し部あるいはリード線などが振動することがないので共振を起こす心配がない。ここで、固定電極は、図2に示す可動電極と本質的に同じ構成であるが、ベース材17側がセンターポール5の内周面13に接着されると共に可動導体6と対向する面には絶縁層27が形成されて、可動導体6との短絡を防ぐことが好ましい。また、可動導体6は電気絶縁性を有する樹脂製円筒26などに蒸着やメッキ、接着などで一体化された導体パターンによっても良い。
また、可動導体6の軸方向全域に連続した電極を設けて、センターポール5の先端面を基準位置としてその軸方向の変位を検出するようにした電極構造でも良い。
さらに、例えば図2に示す電極構造において、センターポール5に近い方の第1の導体18並びに第2の導体19のみを検出側電極として使用し、遠い方の第3の導体21並びに第4の導体22を接地するようにしても良い。この場合には、センターポール5と第1及び第2の導体18,19との間に形成されるコンデンサの他に、第1及び第2の導体18,19と第3の導体21並びに第4の導体22との間にもコンデンサが形成されることになり、2つのコンデンサの静電容量の総和に基づいて検出を行うことができる。即ち、可動導体6の第1及び第2の電極15,16の検出信号である第1及び第2電気信号を増幅して減算器31に入力することができるので、静電容量を高精度に検出することができる。なお、2つのコンデンサを形成する回路としては、例えば特開2007−20153号公報に開示されている公知の回路の使用が可能である。
また、例えば特開2007−20153号公報に開示されている公知のブートストラップ回路に接続して、例えばセンターポール5から離れた遠い方の第3の導体21並びに第4の導体22のインピーダンスを高めて所謂ブートストラップ電極として機能させていることにより、センターポール5に近い方の第1の導体18並びに第2の導体19とセンターポール5の凸部9とで外乱ノイズの影響を受け難いコンデンサを構成するようにしても良い。
また、本実施形態におては、可撓性のある高分子樹脂の絶縁板に導体パターンを形成したフレキシブルプリント回路板を丸めて円筒形に成形した可動導体を用いているが、これに特に限られるものではなく、樹脂製円筒に導体パターンを蒸着やメッキなどで形成した筒体などを用いるようにしても良い。
1 振動板
3 ボイスコイル
4 コイルボビン
5 センターポール
6 可動導体(可動電極)
7 連結板
8 固定導体(固定電極)
9 凸部
13 内周面
14 内部空間
15 第1電極
16 第2電極
17 ベース材
18 第1の導体
19 第2の導体
20 絶縁材
21 第3の導体
22 第4の導体
3 ボイスコイル
4 コイルボビン
5 センターポール
6 可動導体(可動電極)
7 連結板
8 固定導体(固定電極)
9 凸部
13 内周面
14 内部空間
15 第1電極
16 第2電極
17 ベース材
18 第1の導体
19 第2の導体
20 絶縁材
21 第3の導体
22 第4の導体
Claims (4)
- 振動板と連動する可動導体と該可動導体と同軸に配置される固定導体との間で同軸円筒コンデンサを構成し、前記同軸円筒コンデンサの静電容量の変化を検出して前記振動板の動作をフィードバック制御するスピーカにおいて、円筒形のセンターポールと、該センターポールの内方に配置される円筒状の前記可動導体と、前記センターポールの外方に同軸に配置されたボイスコイルを巻回したボビンとを備え、前記センターポールと該センターポールの内方に配置された前記可動導体との間で前記同軸円筒コンデンサを構成したことを特徴とするスピーカ。
- 前記センターポールの外径と前記ボイスコイル並びに前記ボビンの径はスピーカの口径に応じたものとする一方、前記センターポールの内径と円筒状の前記可動導体の径とは一定とし、前記スピーカの口径の大きさに関係なく前記可動導体と前記センターポールとの間で構成される同軸円筒コンデンサの基準位置における静電容量を一定とすることを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
- 前記可動導体は、可撓性のある高分子樹脂の絶縁板に導体パターンを形成したフレキシブルプリント回路板を巻回して両端を互いに接合し、熱硬化処理を施して円筒状の筒体に成形したものである請求項1または2記載のスピーカ。
- 前記可動導体を接地し、前記センターポールの内周面側に前記導体との間に同軸円筒コンデンサを構成する固定電極を設け、該固定電極から検出信号を取り出すものである請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008293095A JP2010124026A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | スピーカ |
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