JP2010130307A - スピーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】音声信号に応じて振動する動作側の重量を軽くする。リード線の共振を防ぐ。静電容量の検出信号を取り出す電極をボイスコイルから離す。
【解決手段】ボイスコイルボビン4とセンターポール5に電極を設けてこれらの間に形成される静電容量を検出して電気信号として出力するスピーカーであって、ボイスコイルボビン4側の電極16を接地し、センターポール5側の電極17から検出信号を取り出すようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカーに関するものであり、さらに詳しくは、ボイスコイルボビンとセンターポールとの間で形成される静電容量を検出し、その検出結果に基づいてボイスコイルボビンの位置を検出し、振動板の動作をフィードバック制御するスピーカーに関するものである。
ボイスコイルボビンとセンターポールとの間の静電容量を検出して電気信号として出力するスピーカーとして、例えば特開2007−96652号に開示されたものがある。このスピーカーでは、振動板101と一緒に振動するボイスコイルボビン102に第1及び第2の電極103,104を設け、センターポール105に形成した段差部105aとの間の静電容量の変化を検出している。各電極103,104にはリード線106,107が接続されており、検出信号はリード線106,107を通じて制御回路に出力される。各電極103,104は、2層の導電体膜103a,103b、104a,104bより構成されている。
振動板101及びボイスコイルボビン102が動作していない状態では、第1の電極103の段差部105aに対向する面積と、第2の電極104の段差部105aに対向する面積は等しくなっており、第1の電極103と段差部105aとの間の静電容量(以下、第1の電極103側静電容量という)と、第2の電極104と段差部105aとの間の静電容量(以下、第2の電極104側静電容量という)とは等しくなっている。そして、振動板101及びボイスコイルボビン102が動作すると、第1の電極103側静電容量と第2の電極104側静電容量とは一方が増加するとその増加分だけ他方が減少する関係になり、これらの静電容量の変化に基づいて振動板101及びボイスコイルボビン102の位置を検出し、フィードバック制御を行なっている。
ボイスコイルボビン102のボビン109にはボイスコイル108が設けられており、ボイスコイル108に音声信号が入力されると、ボイスコイルボビン102とセンターポール105とマグネット6との励磁作用によりボイスコイルボビン102及び振動板101が前後方向(図7中矢印A方向)に振動(動作)し、音声信号に対応した音が発せられる。ボビン109には、ボイスコイル108から各電極103,104へのノイズの侵入を防ぐ導電体膜110が設けられている。
特開2007−96652号
しかしながら、上述のスピーカーでは、ボイスコイルボビン102にリード線106,107が接続された第1及び第2の電極103,104を設けているので、音声信号に応じて振動する側(以下、動作側という)の重量が重くなり、動作のために必要な電流が大きくなって能率が悪くなると共に、動作の応答性が悪化する。また、動作側からリード線106,107が伸び出ているので、リード線106,107も一緒に振動することになり、リード線106,107が共振し、振動板101の動作の応答性を悪化させる虞がある。さらに、ボイスコイルボビン102に第1及び第2の電極103,104とボイスコイル108を設けているので、ボイスコイル108からのノイズが各電極103,104に侵入しやすく、また、ボイスコイル108の熱の影響を受けやすい。
本発明は、動作側の重量を軽くできると共に、リード線の共振を防止することができ、静電容量の検出信号を取り出す電極をボイスコイルから離すことができるスピーカーを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ボイスコイルボビンとセンターポールに電極を設けてこれらの間に形成される静電容量を検出して電気信号として出力するスピーカーにおいて、ボイスコイルボビン側の電極を接地し、センターポール側の電極から検出信号を取り出すものである。したがって、固定側であるセンターポール側電極にリード線が接続されることなり、動作側であるボイスコイルボビン側電極にリード線を接続しなくても足りる。また、検出側の電極がセンターポールに設けられることになり、その分だけボイスコイルボビンに設ける電極が減少する。さらに、検出側の電極がボイスコイルボビンのボイスコイルから離れた位置に設けられることになる。
また、請求項2記載のスピーカーは、センターポール側電極をセンターポールの軸方向に沿って一定の間隔を空けて2つ配置するとともに、ボイスコイルボビンが動作した際に、一方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が増加すると、その増加量分だけ他方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が減少し、一方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が減少すると、その減少量分だけ他方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が増加するようにボイスコイルボビン側電極が配置され、一方のセンターポール側電極によって得られた第1電気信号から他方のセンターポール側電極によって得られた第2電気信号を減算するとともに、その減算結果に対応した第3電気信号を出力する減算器を有するものである。
したがって、ボイスコイルボビンが動作した際に、一方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が増加し、その増加量分だけ他方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との対向面積が減少すると、一方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される静電容量が増加し、その増加量分だけ他方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される静電容量が減少するようになる。これらの静電容量は外乱ノイズとともに各センターポール側電極によって第1及び第2電気信号として検出される。つまり、一方のセンターポール側電極から得られる第1電気信号には、一方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される真の静電容量を示す電気信号と、一方のセンターポール側電極に侵入した外乱ノイズを示す電気信号とが含まれており、他方のセンターポール側電極から得られる第2電気信号には、他方のセンターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される真の静電容量を示す電気信号と、他方のセンターポール側電極に侵入した外乱ノイズを示す電気信号とが含まれている。一方のセンターポール側電極で得られる真の静電容量を示す電気信号の位相と、他方のセンターポール側電極で得られる真の静電容量を示す電気信号の位相とはπだけズレており、一方のセンターポール側電極で得られる外乱ノイズを示す電気信号の位相と、他方のセンターポール側電極で得られる外乱ノイズを示す電気信号の位相とは同一であることから、減算器により第1電気信号から第2電気信号を減算すると、各センターポール側電極で得られた外乱ノイズを示す電気信号は相殺され、各センターポール側電極で得られた真の静電容量を示す電気信号が同位相で加算された状態で検出される。
請求項1記載のスピーカーでは、静電容量を検出する電極をセンターポール側とボイスコイルボビン側とに分けて配置しているので、ボイスコイルボビンに設ける電極を減らすことができ、動作側であるボイスコイルボビンの重量を軽くすることができる。また、信号を取り出すリード線を固定側であるセンターポール側電極に接続することになるので、動作側に接続する必要がなくなり、動作側の重量を軽くすることができる。これらのため、少ない電気で振動板を効率よく振動させることができる(高能率)と共に、動作の応答性を向上させることができる。また、ボイスコイルボビンと一緒にリード線が振動することが無いので、リード線の共振を防止することができる。さらに、ボイスコイルボビンに設ける電極を減らすことができることから、ボイスコイルボビン側全体の厚さを薄くすることができる。
また、図7に示すスピーカーのように、センターポールに段差部を設ける必要がないので、センターポールとして既存部品の使用が可能になり又はセンターポールを製造する場合にはその製造コストが安くなり、スピーカーの製造コストを安くすることができる。また、センターポールに段差部を設ける必要がないので、段差部側面からの磁束漏洩を防止することができ、振動板及びボイスコイルボビンを駆動させる磁束を有効に使用することができる。
また、静電容量の検出信号を取り出す電極(以下、検出側電極という)をセンターポール側に設けているので、検出側電極をボイスコイルボビンに設けられているボイスコイルから離すことができると共にこれらの間に空気層を設けることができ、ボイスコイルの発熱の影響(例えば、センターポール側電極を複数の導電層の積層構造とした場合には、熱によって各導電層間の絶縁層の絶縁抵抗が減少する等)を低減することができる。また、センターポール側電極や絶縁層がボイスコイルの発熱の影響を受け難くなるので、ある程度の耐熱性を有する安価な材料で導電層や絶縁層を形成することができ、高い耐熱性を有する高価な材料を使用しなくて済むので、スピーカーの製造コストを安くすることができる。さらに、検出側電極であるセンターポール側電極がボイスコイルの発熱の影響を受け難くなるので、自動車等の温度上昇の可能性のある環境で使用されるスピーカーへの展開が容易になる。また、検出側電極であるセンターポール側電極をセンターポールに設けているので、センターポール側電極や絶縁層の熱をセンターポール側電極に逃がしてこれらを冷却することができる。
さらに、検出側電極であるセンターポール側電極をボイスコイルから離すことができるので、ボイスコイルに起因したノイズがセンターポール側電極に侵入し難くなり、所謂クロストークを防止して、静電容量の検出精度を向上させることができると共に、シールド層を別個に設ける必要がなくなり、製造コストを安くすることができる。
また、ボイスコイルボビン側には接地されているボビン側電極が設けられており、これをボイスコイルとセンターポール側電極との間に配置しているので、ボイスコイルから発せられるノイズの影響をグランドに落とすことができ、ボイスコイルからセンターポール側電極にノイズが侵入するのを防止することができる。
また、請求項2記載のスピーカーでは、2つのセンターポール側電極で得られた電気信号の中から、外乱ノイズを示す成分を相殺し、センターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される真の静電容量を示す成分のみを得ることができる。これにより、例えば、センターポール側電極とボイスコイルボビン側電極との間で形成される真の静電容量を示す第3電気信号をMFB(Mortional Feed Back)回路に効果的に活用することができ、スピーカーから発せられる音の歪を解消することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に本発明のスピーカーの一実施形態を示す。本発明のスピーカー1は、ボイスコイルボビン4とセンターポール5に電極16,17を設けてこれらの間に形成される静電容量を検出して電気信号として出力するものであって、ボイスコイルボビン4側の電極16を接地し、センターポール5側の電極17から検出信号を取り出すものである。すなわち、ボイスコイルボビン4側の電極16とセンターポール5側の電極17とによって静電容量型センサが構成され、この静電容量型センサによってボイスコイルボビン4の変位を検出している。
図1に示すように、スピーカー1は、例えばダンパー2、振動板3、ボイスコイルボビン4、センターポール5、マグネット6,7、ヨーク8、ケース9、フレーム10、連結部材11、センターキャップ12、及び筐体として機能する箱状のスピーカーボックス(図示省略)を備えている。有底円筒状に形成されたケース9には、センターポール5、マグネット6,7、及びヨーク8が収納されており、これらはケース9の内壁面に接着剤やビスなどで固着されている。センターポール5は例えば鉄製であり、略円柱状のセンターポール本体5aと、このセンターポール本体5aの基端に形成されている略円盤状のフランジ5bと、センターポール本体5aの先端に設けられた非磁性体のプレート5eから構成されている。プレート5eはセンターポール本体5aの先端からの磁束の漏れを防止するもので、ヨーク8よりも突出するように設けられている。したがって、ボイスコイルボビン4及び振動板3を動作させる磁束が、マグネット6,ヨーク8,センターポール本体5a,フランジ5b,マグネット6を通って形成される。センターポール5は、センターポール本体5aの軸5dがケース9の底面9bの中心に一致するようにケース9に配置されている。センターポール5及びケース9は、スピーカーボックス(図示省略)に接続され、接地されている。
マグネット7は略円環状に形成されている。このマグネット7は、その中心がケース9の底部9bの中心に位置するように配置されており、底部9bに接着剤で固着されている。マグネット7の開口9a側の面には、フランジ5bの底面が接着剤で固着されている。マグネット6は略円環状に形成されている。このマグネット6は、その中心がケース9の底部9bの中心に位置するように配置されており、フランジ5bの開口9aに対向している面に接着剤で固着されている。ヨーク8は鉄製であり、その中心がセンターポール本体5aの軸5dと一致するように配置されており、マグネット6の開口9aに対向している面に接着剤で固着されている。
センターポール5側の電極(以下、センターポール側電極という)17は、ボビン側電極16との間で形成される静電容量を検出するものであり、センターポール5の側周面5cに設けられている。本実施形態では、センターポール側電極17をセンターポール5の軸5d方向に沿って一定の間隔を空けて2つ配置している。また、本実施形態では、センターポール側電極17は、3層の絶縁層18の間に2層の導電層40,41を積層化することによって構成されている。ただし、これらの構成に必ずしも限るものではない。なお、2つのセンターポール側電極17を区別する場合には、プレート5e側のものをセンターポール側電極17Aといい、フランジ5b側のものをセンターポール側電極17Bという。同様に、センターポール側電極17Aの導電層40,41とセンターポール側電極17Bの導電層40,41を区別する場合には、それぞれ導電層40A,41A、導電層40B,41Bという。
ボイスコイルボビン4は、先端と後端とが開口された略円筒状のボビン13と、ボイスコイル14とから構成されている。ボビン13は、フレキシブル配線基板(FPC)を筒状に丸めて形成されている。ボビン13は、センターポール本体5aの外径よりも僅かに大きな径を有しており、このボビン13の外周面にはボイスコイル14が巻き付けられている。ボイスコイル14は、ヨーク8とセンターポール本体5aとの間に形成される磁路を横切るように配置されている。また、ボビン13の内周面には、ボイスコイルボビン4側の電極(以下、ボビン側電極という)16が貼り付けられている。ボビン側電極16はボビン13の全周にわたって形成されており、接地されている。ボビン側電極16を接地する配線やボイスコイル14に接続される配線はボビン13としてのフレキシブル配線基板に印刷されている。このように構成されたボイスコイルボビン4は、ヨーク8の内周面8aとセンターポール本体5aの側周面5cとの隙間に挿入される。即ち、ボイスコイルボビン4は、ヨーク8の内周面8aとボイスコイル14との間にエアギャップが形成され、且つ、センターポール本体5aの側周面5cとの間にエアギャップが形成されるように、後端側の開口からセンターポール5aに被せられている。ボビン13としてのフレキシブル配線基板に設けられている各端子は例えば金糸等の軽い導電体で所定の回路に接続されている。
ボビン側電極16は、ボイスコイルボビン4が動作した際に、一方のセンターポール側電極17とボビン側電極16との対向面積が増加すると、その増加量分だけ他方のセンターポール側電極17とボビン側電極16との対向面積が減少し、一方のセンターポール側電極17とボビン側電極16との対向面積が減少すると、その減少量分だけ他方のセンターポール側電極17とボビン側電極16との対向面積が増加するように配置されている。つまり、図2に示す断面において、ボイスコイルボビン4が動作していない状態で、センターポール側電極17Aと17Bとの中間位置がボビン側電極16の幅方向の中心に対向し、且つセンターポール側電極17A,17Bの外側端17c,17dがボビン側電極16の両端16a,16bよりも突出するように配置されている。
本実施形態では、センターポール側電極17A,17Bの2つの導電層40A,41A,40B,41Bにリード線42,43,44,45を接続し、図示しないブートストラップ回路に接続して例えばセンターポール5側の導電層41A,41Bのインピーダンスを高めて所謂ブートストラップ電極として機能させている。このようにすることで、導電層40A,40Bとボビン側電極16とで外乱ノイズの影響を受け難いコンデンサを構成することができる。そして、このように構成されたコンデンサの静電容量を示す電気信号(第1電気信号又は第2電気信号)は、減算器31に入力される。なお、ブートストラップ回路としては、例えば特開2007−20153号公報に開示されている公知の回路の使用が可能である。
ヨーク8の開口9a側の面にはフレーム10が接着剤で固着されている。また、フレーム10の他端は、スピーカーボックスの前面板に形成された開口(図示省略)の縁に接着剤またはネジ等で固着されている。また、ダンパー2の内周面はボビン13の外周面に接着剤で固着されており、ダンパー2の外周面はフレーム10の内周面に接着剤で固着されている。これによりボイスコイルボビン4はダンパー2によってヨーク8の内周面とセンターポール本体5aの側周面5cとの間に保持される。振動板3は、所謂コーン紙として機能するものであり、その内周部はボビン13の外周面に接着剤で固着されており、外周部は連結部材11を介してフレーム10に連結されている。センターキャップ12は、ドーム状に形成された本体部と、この本体部の外周縁に沿って形成された鍔部とからなり、この鍔部が振動板3に接着剤で固着されている。これによりボビン13の先端側の開口13aがセンターキャップ12によって覆われる。
図3に示すように、スピーカー1には、比較器29、電力増幅器30、減算器31、及びフィードバック回路32が設けられている。入力端子33に入力された音声情報を示す電気信号(以下、「音声信号」と記す)は集積回路からなる比較器29を介して電力増幅器30に入力される。この電力増幅器30で増幅された音声信号はボイスコイルボビン4に入力される。ボイスコイルボビン4のボイスコイル14に音声信号が流れると、励磁作用によりボイスコイルボビン4が前後方向(図1に示す矢印A方向)に振動する。これに伴って振動板3も振動し、スピーカー1から音声が発せられる。
フィードバック回路32、比較器29、及び電力増幅器30では、減算器31から入力された第3電気信号に基づいて下記のフィードバック制御が実行される。減算器31は、一方のセンターポール側電極17によって得られた第1電気信号から他方のセンターポール側電極17によって得られた第2電気信号を減算するとともに、その減算結果に対応した第3電気信号を出力するものである。本実施形態では、センターポール側電極17Aによって得られた第1電気信号からセンターポール側電極17Bによって得られた第2電気信号を減算し、その減算結果に対応した第3電気信号をフィードバック回路32に出力する。減算器31は、例えば差動アンプなどから構成されている。
フィードバック回路(MFB回路)32は、減算器31から入力された第3電気信号に対して所定の信号処理を施し、その処理結果に対応したフィードバック信号を比較器29に入力する。比較器29は、フィードバック回路32から入力されたフィードバック信号に応答してそのフィードバック信号と予め定められた基準値とを比較し、その差分を算出するとともに、この算出結果に基づいて音声信号を補正する補正信号を電力増幅器30に入力する。電力増幅器30は、比較器29から入力された補正信号に基づいて音声信号の出力レベルを補正し、その補正した音声信号をボイスコイルボビン4に入力する。なお、フィードバック回路32は、積分回路、バッファアンプ、電子ボリューム、加算回路(図示省略)などから構成されている。
ボイスコイル14に音声信号が入力され、この音声信号に基づいてボイスコイルボビン4が振動すると、この振動に伴って2つのセンターポール側電極17A,17Bのうちの一方の電極とボビン側電極16との対向面積が増加し、その増加量分だけ他方の電極とボビン側電極16との対向面積が減少する。つまり、一方の電極とボビン側電極16との間で形成される静電容量が増加し、その増加量分だけ他方の電極とボビン側電極16との間で形成される静電容量が減少するようになる。これらの静電容量は外乱ノイズとともに各電極17A,17Bによって検出され、第1及び第2電気信号として減算器31に入力される。
第1電気信号には、センターポール側電極17Aとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す電気信号と、センターポール側電極17Aに侵入した外乱ノイズを示す電気信号とが含まれ、他方、第2電気信号には、センターポール側電極17Bとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す電気信号と、センターポール側電極17Bに侵入した外乱ノイズを示す電気信号とが含まれる。
上述したように一方の電極とボビン側電極16との間で形成される静電容量が増加し、その増加量分だけ他方の電極とボビン側電極16との間で形成される静電容量が減少することから、図4に示すように、センターポール側電極17Aとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す電気信号の電圧波形34と、センターポール側電極17Bとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す電気信号の電圧波形35とは逆相となる。また、外乱ノイズは、例えば、ボイスコイル14に流れる電流が起因となって発生するものであることから、図4に示すように、センターポール側電極17Aに侵入した外乱ノイズを示す電気信号の電圧波形36と、センターポール側電極17Bに侵入した外乱ノイズを示す電気信号の電圧波形37とは同相となる。
減算器31は第1及び第2電気信号が入力されたことに応答して、第1電気信号から第2電気信号を減算する。第1及び第2電気信号の信号成分のうち、センターポール側電極17Aとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す信号成分からセンターポール側電極17Bとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す信号成分を減算すると、これらの信号成分は逆相関係にあることから、図4の電圧波形38に示すように、結果的にセンターポール側電極17Aとボビン側電極16との間で形成される真の静電容量を示す信号成分に同一の信号成分を加算した電気信号が得られることとなる。他方、第1及び第2電気信号の信号成分のうち、センターポール側電極17Aに侵入した外乱ノイズを示す信号成分からセンターポール側電極17Bに侵入した外乱ノイズを示す信号成分を減算すると、これらの信号成分は同相であることから、図4の電圧波形39に示すように、互いに打ち消し合うこととなる。そして、減算器31は、電圧波形38に対応した電気信号と、電圧波形39に対応した電気信号とを加算したものを第3電気信号として出力する。
以上のように、減算器31によって得られた第3電気信号には外乱ノイズを示す信号成分が含まれていないので、正確なフィードバック制御を実行することができる。
本発明のスピーカー1では、センターポール5とボイスコイルボビン4との間の静電容量を検出するセンサを構成する電極16,17をセンターポール5側とボイスコイルボビン4側とに分けて配置しているので、動作側であるボイスコイルボビン4に設ける電極を減らすことができ、ボイスコイルボビン4の重量を軽くすることができる。また、信号を取り出すリード線42,43,44,45を固定側であるセンターポール側電極17に接続することになるので、動作側であるボイスコイルボビン4に接続する必要がなくなり、ボイスコイルボビン4の重量を軽くすることができる。これらのため、少ない電気で振動板3を効率よく振動させることができる(高能率)と共に、動作の応答性を向上させることができる。また、ボイスコイルボビン4と一緒にリード線が振動することが無いので、リード線の共振を防止することができる。さらに、ボイスコイルボビン4に設ける電極を減らすことができることから、ボイスコイルボビン4側全体の厚さを薄くすることができる。
また、図7及び図8に示すスピーカーのように、センターポール5に段差部を設ける必要がないので、センターポール5として既存部品の使用が可能になり又はセンターポール5を製造する場合にはその製造コストが安くなり、スピーカー1の製造コストを安くすることができる。また、センターポール5に段差部を設ける必要がないので、段差部側面からの磁束漏洩を防止することができ、振動板3及びボイスコイルボビン4を駆動させる磁束を有効に使用することができる。
また、静電容量の検出信号を取り出す電極(以下、検出側電極という)をセンターポール5側に設けているので、検出側電極をボイスコイルボビン4のボイスコイル14から離すことができると共にこれらの間に空気層を設けることができ、ボイスコイル14の発熱の影響(例えば、センターポール側電極17を複数の導電層40,41の積層構造とした場合には、熱によって絶縁層18の絶縁抵抗が減少する等)を低減することができる。また、センターポール側電極17や絶縁層18がボイスコイル14の発熱の影響を受け難くなるので、ある程度の耐熱性を有する安価な材料で導電層40,41や絶縁層18を形成することができ、高い耐熱性を有する高価な材料を使用しなくて済むので、スピーカー1の製造コストを安くすることができる。さらに、検出側電極であるセンターポール側電極17がボイスコイル14の発熱の影響を受け難くなるので、自動車等の温度上昇の可能性のある環境で使用されるスピーカーへの展開が容易になる。また、検出側電極であるセンターポール側電極17をセンターポール5に設けているので、センターポール側電極17や絶縁層18の熱をセンターポール側電極17に逃がしてこれらを冷却することができる。特に、本実施形態では、センターポール5を鉄製にしているので、センターポール側電極17や絶縁層18を良好に冷却することができる。
さらに、検出側電極であるセンターポール側電極17をボイスコイル14から離すことができるので、ボイスコイル14に起因したノイズがセンターポール側電極17に侵入し難くなり、所謂クロストークを防止して静電容量の検出精度を向上させることができると共に、図7及び図8に示すスピーカーが必要としていたノイズ侵入を防ぐ導電体膜110を不要にすることが可能となり、製造コストを安くすることができる。
また、ボイスコイルボビン4側には接地されているボビン側電極16が設けられており、これをボイスコイル14とセンターポール側電極17との間に配置しているので、ボイスコイル14から発せられるノイズの影響をグランドに落とすことができ、ボイスコイル14からセンターポール側電極17にノイズが侵入するのを防止することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明では、ブートストラップ回路を設け、センターポール側電極17の導電層41をブートストラップ電極として機能させていたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、例えば図5に示すように、ボビン側電極16に近い方の導電層40A,40Bのみを検出側電極として使用し、ボビン側電極16から遠い方の導電層41A,41Bを接地するようにしても良い。この場合には、ボビン側電極16と導電層40A,40Bとの間に形成されるコンデンサの他に、導電層40A,40Bと導電層41A,41Bとの間にもコンデンサが形成されることになり、各電極17A,17B毎に2つのコンデンサの静電容量の総和に基づいて検出を行うことができる。即ち、センターポール側電極17A,17Bの検出信号である第1及び第2電気信号を増幅して減算器31に入力することができるので、静電容量を高精度に検出することができる。なお、2つのコンデンサを形成する回路としては、例えば特開2007−20153号公報に開示されている公知の回路の使用が可能である。
また、上述の説明では、センターポール側電極17として、2つの電極17A,17Bを備えていたが、必ずしも2つ備えている必要はなく、1つでも良い。この場合には、例えば図6に示すように、ボビン側電極16の中央がセンターポール側電極17の一端に対向するように各電極16,17を配置し、又は、センターポール側電極17の中央がボビン側電極16の一端に対向するように各電極16,17を配置し、両電極16,17間の静電容量の変化によってボイスコイルボビン4の位置を検出することが好ましい。
また、上述の説明では、2層の導電層40,41を積層化してセンターポール側電極17を構成していたが、1層又は3層以上の導電層を積層化してセンターポール側電極17を構成するようにしても良い。
また、上述の説明では、センターポール側電極17Aの検出信号を第1電気信号とし、センターポール側電極17Bの検出信号を第2電気信号としていたが、必ずしもこれに限るものではなく、センターポール側電極17Bの検出信号を第1電気信号とし、センターポール側電極17Aの検出信号を第2電気信号としても良い。
本発明のスピーカーの第1の実施形態を示す断面図である。 図1のII円で示す部分を拡大して示す断面図である。 図1のスピーカーの電気的構成を示す機能ブロック図である。 第1〜3電気信号の信号成分の電圧波形を示す図である。 本発明のスピーカーの第2の実施形態を示し、図2に対応する部分を拡大して示す断面図である。 本発明のスピーカーの第3の実施形態を示し、図2に対応する部分を拡大して示す断面図である。 従来のスピーカーの断面図である。 図7のスピーカーの図2に対応する部分を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 スピーカー
4 ボイスコイルボビン
5 センターポール
31 減算器

Claims (2)

  1. ボイスコイルボビンとセンターポールに電極を設けてこれらの間に形成される静電容量を検出して電気信号として出力するスピーカーにおいて、前記ボイスコイルボビン側の電極を接地し、前記センターポール側の電極から検出信号を取り出すことを特徴とするスピーカー。
  2. 前記センターポール側電極を前記センターポールの軸方向に沿って一定の間隔を空けて2つ配置するとともに、前記ボイスコイルボビンが動作した際に、一方の前記センターポール側電極と前記ボイスコイルボビン側電極との対向面積が増加すると、その増加量分だけ他方の前記センターポール側電極と前記ボイスコイルボビン側電極との対向面積が減少し、一方の前記センターポール側電極と前記ボイスコイルボビン側電極との対向面積が減少すると、その減少量分だけ他方の前記センターポール側電極と前記ボイスコイルボビン側電極との対向面積が増加するように前記ボイスコイルボビン側電極が配置され、一方の前記センターポール側電極によって得られた第1電気信号から他方の前記センターポール側電極によって得られた第2電気信号を減算するとともに、その減算結果に対応した第3電気信号を出力する減算器を有することを特徴とする請求項1記載のスピーカー。
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