JP2004013700A - 料金収受システム、料金収受方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】料金収受用の車線に二輪車が混在進入した場合でも無線収受可能な車両について無線収受を行えるようにする。
【解決手段】このETCシステムは、有料道路の料金収受用の車線に進入した車両が二輪車か四輪車かを判別する車両判別手段(車両検知器22a〜22e、踏板23)と、ETC車に対して無線収受を行う車用アンテナ29と、二輪正常ETC車に対して無線収受を行う二輪用アンテナ31,33と、四輪車の通過を許可あるいは阻止する発進制御装置38と、少なくとも二輪車の通過を許可あるいは阻止する発進制御装置28と、車両判別結果に応じて該当車両用の各アンテナ29,31,33を制御し無線収受処理を行い、正常に無線収受処理が終了したETC車について該当する発進制御装置28,38を制御して車線の退出口を開放し通過させる車線制御装置11とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】このETCシステムは、有料道路の料金収受用の車線に進入した車両が二輪車か四輪車かを判別する車両判別手段(車両検知器22a〜22e、踏板23)と、ETC車に対して無線収受を行う車用アンテナ29と、二輪正常ETC車に対して無線収受を行う二輪用アンテナ31,33と、四輪車の通過を許可あるいは阻止する発進制御装置38と、少なくとも二輪車の通過を許可あるいは阻止する発進制御装置28と、車両判別結果に応じて該当車両用の各アンテナ29,31,33を制御し無線収受処理を行い、正常に無線収受処理が終了したETC車について該当する発進制御装置28,38を制御して車線の退出口を開放し通過させる車線制御装置11とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有料道路に導入される料金収受システム、料金収受方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路の混雑緩和に向けて、無線通信技術を活用した料金収受システムであるElectronic Toll Collection System(以下ETCシステムと称す)が有料道路の料金所などに導入されつつあるが、有料道路を走行する車両の中で、例えば二輪車などは、料金収受用に設けられている車線に多数並走が可能なこと、あるいは四輪車の脇を通過可能なことから、車線内における車両の管理が行い難く、システム運用上、どのようにして対処すべきかの検討課題となっている。
【0003】
従来のETCシステムは、料金収受用の車線における車両の進入を検知する第1センサ、第2センサ、進入車両のタイヤにより踏まれた圧力を検出する踏板、第2センサの先に形成した通信エリアに進入した車両に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理(無線処理)を行うアンテナ、通信エリアの先に配置された第3センサ、アンテナによる無線通信結果にて非ETC車と判別された車両についてブースに滞在する収受員による料金収受を行うための収受機、車線からの車両の退出を許可あるいは阻止する発進制御装置、この発進制御装置を抜けて車線から退出する車両を検知する第4センサ、これらの機器の統括的な制御を行う車線制御装置などを有している。第1センサ、第2センサおよび踏板は進入車両の車種(大型、中型車、牽引車など)を判定するためのものである。第3センサは通信エリアを車両が抜けたことを検知する。
【0004】
従来のETCシステムの場合、車両が第1センサ、踏板、第2センサを通過する間に、車両の進入とおおよその車種を判別し、その車両が第3センサによって検知されるまでにアンテナと車載器との間で無線処理が正常に終了した場合、その車両はETC車なので、車線制御装置は発進制御装置を開放動作させる。また、無線処理が正常に終了しなかった車両について、車線制御装置は非ETC車あるいは異常ETC車と判定してブースへ料金収受が必要な旨を通知する。そして、収受機にて有人処理が行われ、これが車線制御装置に通知されることで、車線制御装置は、発進制御装置を開放動作させる。その後、車両が第4センサにより検知されたことで、車線制御装置は、車両が退出したものと判定して発進制御装置を閉じる制御を行う。
【0005】
ところで、有料道路を通行する車両は、上記車種だけとは限らず、例えば二輪車も走行可能である。
すなわち、現状の料金所は、一つの車線の幅を車幅の最も広い車両(大型車など)に合わせていることから、車線を二輪車が通行する場合、二輪車どうしが並走、あるいは四輪車と二輪車が並走するといったことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のETCシステムに用いられている車両検知器は、車線を通行する車両を路側(横方向)から赤外線などの遮蔽検知で物理的に通ったかどうか程度を検知しているだけに過ぎない。また、踏板についてもタイヤの圧力が加わった程度のことを検知するに過ぎない。
また、車線には車両が一列に連なって走行することを前提に、車両がある無線通信領域を通行した中でその車両が無線処理可能な車両か不可能な車両かを判別するため、ほぼ同時に走行する車両には無線処理を行うことはできない。
【0007】
このようなことから、二輪車の並走と四輪車の判別、あるいは二輪車3台の並走と二輪車と四輪車の並走との判別といった、二輪車を含む特殊な走行形態をとった車両の判別ができず、しかも並走車両に対するほぼ同時の無線処理が不可能なことから、通行中の複数の車両のうち少なくとも1台が無線収受可能な車両であったとしても並走車両全てを一旦停止させて係員対応とせざるを得ないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、料金収受用の車線に二輪車が混在進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行える料金収受システム、料金収受方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に配置され、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
【0010】
本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
【0011】
本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、四輪車および二輪車の通過を阻止あるいは許可する第1車両通過阻止手段と、前記車線の退出口に配置され、前記二輪車の通過を常に許可すると共に前記四輪車の通過を阻止あるいは許可する第2車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2の無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記第1および第2車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
上記いずれかの料金収受システムにおいて、前記第2無線通信手段は、前記車線の入口近傍に配置され、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信する入口二輪無線通信手段と、前記車線の退出口の少なくとも手前に配置され、前記入口二輪無線通信手段との無線通信で無線処理が異常終了した二輪車の車載器と再度無線通信するエラー用二輪無線通信手段とを具備する。
【0012】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記入口において判別した車両に応じて、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップとを有することを特徴としている。
【0013】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップとを有することを特徴としている。
【0014】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1無線通信手段との料金収受処理が異常終了し料金未収受の四輪車に対して車線からの退出を阻止すると共に、前記第2無線通信手段と料金収受処理が正常に終了した二輪車に対して車線からの退出を許可するステップとを有することを特徴としている。
上記いずれかの料金収受方法において、前記無線処理ステップは、前記車線の入口近傍において、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信し料金収受処理を行うステップと、前記無線通信で料金収受処理が異常終了した前記二輪車が前記車線の退出口へ到達するまでに、前記二輪車の車載器と再度無線通信して料金収受処理を行うステップとを有している。
【0015】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別し、判別した車両に応じて、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う。そして、第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するので、料金収受用の車線に二輪車が進入した場合、二輪車と四輪車が並走して進入した場合でもその車両が無線収受可能な車両であれば、無線通信により料金収受処理を行えるようになる。
【0016】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知し、検出した押圧箇所に応じて車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別した上で、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行うので、車線に二輪車と四輪車が並走して進入した場合と二輪車3台が並走して進入した場合、また、二輪車2台が並走して進入した場合と四輪車1台が進入した場合とを判別できるようになる。
【0017】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知し、検出した押圧箇所に応じて車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別した上で、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う。そして、料金収受処理が異常終了し料金未収受の四輪車の退出を阻止すると共に、料金収受処理が正常に終了した二輪車の退出を許可するので、車線に、二輪車と四輪車が並走して進入した場合に、四輪車が料金未収受で二輪車が料金収受済みであれば、二輪車だけを選別して車線から退出させることができる。
【0018】
本発明では、車線の入口近傍において、車線に進入した二輪車の車載器と無線通信し料金収受処理を行い、この無線通信で料金収受処理が異常終了した二輪車の車載器と再度無線通信して料金収受処理を行うので、車線に複数台の二輪車が進入した場合でも、車線内で無線通信による料金収受処理を済ませることができる。
上記の結果として、料金収受用の車線に二輪車が混在進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の料金収受システム、料金収受方法を実施する一つの実施の形態のETCシステムの機器構成を示す図である。図2は図1のETCシステムにおける踏板を示す図、図3は二輪車用車載器の構成を示す図、図4は図3の二輪車用車載器の腰巻アンテナを示す図、図5は図3の二輪車用車載器の足首アンテナを示す図、図6は車線入口付近におけるアンテナの配置図、図7は図1のETCシステムにおける発進制御装置を示す図、図8は発進制御装置の運用形態を示す図である。なお、以下、「車両」と記載した場合は、四輪車、二輪車、四輪車の中でも大特車、大型車、中型車、小型車、軽自動車など、これらを含めた車両全体を示すものとする。
【0020】
図1に示すように、この実施の形態のETCシステムは、有料道路の料金収受場所である料金所の料金収受用の車線の車両進行方向に沿って設置され、車線への車両の進入、車線内の車両の位置および車線からの車両の退出を検知する複数の車両検知器22a〜22eと、車線の道路上に設置され、通過した車両の車輪の圧力(加重)と踏み位置を基に四輪車と二輪車とその組み合わせ(四輪車と二輪車の並走、二輪車同士の並走など)を判別する車輪押圧箇所検出手段としての踏板23と、車線内の踏板23の先の路上数mの位置に配置され、アンテナ通信範囲Aを形成し、踏板23および車両検知器22a(22b)によって検知された四輪車に搭載されている車載器との通信を行う第1無線通信手段としての車用アンテナ29と、踏板23および車両検知器22aによって検知された二輪車に搭載、あるいは二輪車の運転者が身に付けている車載器と無線通信を行う第2無線通信手段(入口二輪無線通信手段)としての二輪用アンテナ31と、各アンテナ29,31などから放射される電波を吸収し電波の乱反射などによる混信障害を防止するための電波吸収フェンス32と、通行車両に対してETC処理状況および処理結果などを通知(報知)する路側表示器24と、車両に対するETC処理に不都合が生じた際、あるいは車両の運転者が係員へ問い合わせを行うためのインターホン表示器25と、二輪車に対するETC処理に不都合が生じた際、あるいは二輪車の運転者が係員へ問い合わせを行うためのインターホン表示器26と、車線に沿って(路側に)設けられたアイランドに配置され、収受員などのオペレータが勤務し人的な処理が必要な際に料金収受を行うためのブース1と、このブース1の車線を跨いだ反対側(対岸)に配置され、ブース1の横(車線内の収受位置の前)にアンテナ通信範囲Bを形成し二輪車の車載器と無線通信する第2無線通信手段(エラー用二輪無線通信手段)としての二輪用アンテナ33(エラー検知用)と、ブース1の先(車線の出口付近)に設置され、ETC処理の結果に基づいて開閉制御されて四輪車および二輪車を含む全ての車両の通行を許可(全開)あるいは阻止(全閉)する発進制御装置28と、この発進制御装置28とブース1との間の道路上に、二輪車だけを通過させるように車道(車線)の一部を開放(半開)するように設置され、ETC処理の結果に基づいて開閉制御されて四輪車の通行を許可(全開)あるいは阻止(半開)する発進制御装置38と、これらの機器を統括的に制御する車線制御装置11とを有している。
【0021】
ブース1には、収受員が操作して料金収受処理を行う収受機17、その他のブース内機器(収受員に対して料金処理結果を通知するブース内表示器、収受員に対して機器の故障等を通知し、かつ運用形態の切り替えを行う車線監視制御盤、車両に搭載されている車載器から利用者により取り出され収受員に手渡されたICカードのリード・ライトを行うカード処理機能を有するICカードリーダなど)が備えられている。
【0022】
車両検知器22a,22bは、車線内のブース1の手前の車両進入口付近に踏板23の前と後ろに踏板23を挟むように並べて設置されている。車両検知器22aは、車線に進入した車両を検知する。車両検知器22bは、車両が踏板23の位置を抜けたことを検知する。車両検知器22cは、車両がアンテナ通信範囲Aから抜けたことを検知する。車両検知器22dは、発進制御装置28と発進制御装置38間に配置されており、車両が発進制御装置38を抜けたことを検知する。車両検知器22eは、発進制御装置28の先(退出口)に配置されており、発進制御装置28を抜けた(車両が車線から退出した)ことを検知する。
【0023】
アンテナ29は車両検知器22a,22b間の車線上方数mの高さの位置に配置されており車両検知器22aにより車両が検知されたときに車両の車載器との無線通信(無線交信)を開始する。
踏板23とアンテナ29による無線通信と車両検知器22a,22bの車両通過検知によって車両の車種(二輪正常ETC車、二輪異常ETC車、二輪非ETC車、正常ETC車、異常ETC車、非ETC車など)が判定される。二輪正常ETC車は、アンテナ31による無線通信によって料金収受が正常に行えた二輪車である。二輪異常ETC車は、車載器との無線通信が正常に終了しなかった二輪車、例えばICカード処理ユニット43(図3参照)にICカードが装着されていない二輪車や無線機能が故障している二輪車などである。二輪非ETC車は、カード処理ユニット43を搭載していない車両である。正常ETC車は、アンテナ29による無線通信によって料金収受が正常に行えた車両である。異常ETC車は、車載器との無線通信が正常に終了しなかった車両、例えば車載器にICカードが装着されていない車両や無線機能が故障している車両などである。非ETC車は、車載器を搭載していない車両である。
【0024】
すなわち、このETCシステムは、車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれら車両の組み合わせかを判別する判別手段(踏板23)と、車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段(車用アンテナ29)と、車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段(二輪用アンテナ31,33)と、車線の退出口に配置され、車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段(発進制御装置28,38)と、判別手段により判別された車両に応じて第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させ、これら第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう車両通過阻止手段を制御する車線制御装置11とを備える。
【0025】
図2に示すように、踏板23は、四輪車および二輪車が車線を並走した場合も検出可能なように車線のほぼ道幅いっぱいに配置されている。踏板23は、縦横に整列された複数の圧力センサ23aを有しており、車輪によって踏まれたときの圧力がかかった箇所を、例えば1箇所、2箇所、3箇所以上などの3つに判別(識別)し、車両の進入ケースを、例えば二輪車1台だけの一般的な進入ケースと、二輪車2台の並走と四輪車とを判別するケース(第1特殊ケース)、四輪車と二輪車の併走と二輪車3台の並走を判別するケース(第2特殊ケース)といった特殊な進入ケースに大別する。
【0026】
二輪車の運転者(ライダー)が身につける車載器、つまり衣服などに装着する車載器は、図3に示すように、腰巻き型のアンテナ41(以下腰巻アンテナ41と称す)あるいは足首巻型のアンテナ42(足首アンテナ42と称す)のうちのいずれか一方と、ETC用のICカードを処理するICカード処理ユニット43と、処理内容を表示しかつ操作を行うための表示操作部44とを別個のユニットとして有しそれぞれが接続コードで接続されている。ICカード処理ユニット43は運転者の胸ポケットなどの衣服に装着あるいはカバンなどに収納する。表示操作部44には、例えば通信確認ランプなどが少なくとも備えられている。表示操作部44は手首または二輪車のハンドルなどの走行中でも運転者が確認可能な位置に設置される。なお、個々のユニット間の接続は物理的な接続コードなどの接続以外に、例えばETCシステム側の周波数帯域と異なる無線周波数帯域を使用した無線通信により実現しても良い。但しこの場合の無線出力の範囲は他の二輪車の車載器と干渉しない範囲とする。この例のように運転者が身につけるタイプの車載器の電源は携帯用のバッテリを使用する。
【0027】
腰巻アンテナ41は、より具体的には、図4に示すように、人の腰に巻く長尺のベルト41aと、このベルト41aの2箇所、例えば人にベルトを巻いたときの左右の脇の部分などにそれぞれ固着された2つのアンテナ41bとを備える。
【0028】
足首アンテナ42は、より具体的には、図5に示すように、人の片足に巻く小径のベルト42aと、ベルト42aに固着されたアンテナ42bとを備え、この足首アンテナ42を2組用意する。
【0029】
車両に搭載される車載器は、1つの筐体で実現されている。筐体内には、ICカードを収容するカード収容部と、ICカードとのインタフェース部と、このインタフェース部を通じて読出した情報を処理すると共に、処理結果をメモリに記憶するICカード処理部と、メモリに記憶されている情報をアンテナから送信すると共にアンテナで受信した情報をメモリに記憶させる無線制御部と、利用者に操作され、その操作内容を案内する表示操作部と、各部を統括して制御する制御部とから構成されている。なお、車載器は、1つの筐体のみならず、アンテナを分離した構成のものも利用可能である。また、二輪車用のICカード処理ユニット43の内部にも上記構成(カード収容部、インタフェース部、ICカード処理部、無線制御部、制御部など)が備えられている。メモリには、この車載器が搭載される車両の車長・車高・軸数・重量・用途・特長等の車両情報(少なくとも二輪車と四輪車の違いが識別可能な情報)に加え、車載器を他の車載器と識別するためのID番号が予め記録されている。表示操作部には、利用者に操作されるキー操作部や取出ボタン等を備えた操作部と、操作内容を案内する文字表示およびLEDランプ等を備えた表示部と、ICカードを挿入および取り出すICカード挿入口などが備えられている。表示部は無線処理情報等の各種情報を表示し利用者(運転者等)に通知するものである。取出ボタンはICカードを取り出すための操作を行うボタンである。
【0030】
ICカードには、情報を記憶・読み出し可能なフラッシュメモリ、車載器のインタフェース部との間でデータのやり取りを行うインタフェース部と、このインタフェース部およびフラッシュメモリを制御するCPUとが設けられている。
【0031】
フラッシュメモリには、ユーザの銀行の口座番号、割引適用の可否等を示す特殊契約情報、および契約の有効期限などの課金情報が記憶されている。また、このフラッシュメモリには、ICカードを特定するためのID番号が予め記憶されており、車両が入口料金所ゲートを通過する際に、通過日時、料金所ゲートを特定するためのゲート番号、車両の車種、およびカード残額等の通行履歴情報がICカードのこのID番号に関連付けられて記憶される。
【0032】
ICカードは、車載器あるいはICカード処理ユニット43に装着されると、車載器のICカード処理部を介した制御部との信号のやり取りで車載器の正当性を確認して初めて車載器側のメモリに自身のフラッシュメモリに記憶されている課金情報を送る。
【0033】
車用アンテナ29は、車線内の踏板23の先の路上数mの位置に配置されており、車線内の踏板23と車両検知器22cとの間にアンテナ通信範囲Aを形成し、踏板23および車両検知器22a(22b)によって検知された四輪車に搭載されている車載器との通信を行うものである。つまり、車用アンテナ29は、図6(a)に示すように、4輪車から発信された車情報信号のみを受信するものとし、万一、二輪情報信号を受信した場合はそれを無視し、車情報信号を受信できるまで電波の発信を続ける。
【0034】
二輪用アンテナ31は、車線の入口(近傍)のアイランドの両側にそれぞれ設置されるアンテナであり、それぞれのアンテナは各アイランドの側から車線内にアンテナ通信範囲Aを形成するように電波を発信する。二輪用アンテナ31は、車用アンテナ29とほぼ同じ通信エリアをカバーする。つまり、二輪用アンテナ31は、図6(b)に示すように、無線通信により二輪車の車載器から二輪車の情報信号(二輪情報信号)だけを受信し、四輪車の情報(車情報信号)を受信した場合はそれを無視し、二輪情報信号を受信できるまで電波の発信を続ける。このように二輪用アンテナ31を車線の両側に配置したことで、車高の高い四輪車の陰に入って並走する二輪車の車載器に対して、二輪車が四輪車の左右どちらに側に存在する場合でも路側機器として無線通信を確実に行うことができる。
【0035】
なお、二輪車用の周波数帯域は車用と同一とすることでシステムを低コストに実現できる。電波は二輪車の進入検知と共に、左右同時期に発信するものとする。なお、電波は左右時分割で発信しても良い。また、二輪車用の周波数帯域は、車用の周波数帯と異なる二輪車専用の周波数帯域を設けて通信しても良い。
【0036】
電波吸収フェンス32は、車線両側の二輪用アンテナ31のさらに外側に配置されており、車線内の電波の乱反射や他のレーンからの電波の飛込みを防止する。
【0037】
二輪車の車載器と無線通信可能なアンテナは、入口用の二輪用アンテナ31以外に車線内にアンテナ通信領域Bを形成するエラー検知用の二輪用アンテナ33が設けられている。このエラー検知用の二輪用アンテナ33は、入口で二輪異常ETCおよび二輪非ETCと判別処理された二輪車の車載器に対してのみ作動し、二輪正常ETC車、二輪異常ETC車、二輪非ETC車両との識別処理および振り分け処理と、二輪異常ETC車、二輪非ETC車に対するリトライ処理とを行う二輪車の車載器との無線通信用のアンテナである。
【0038】
発進制御装置28は、図7(a)に示すように、車線を横切るように配置された二輪用阻止棒28aと、アイランドに配置され、二輪用阻止棒28aをほぼ90度の範囲で回動させる駆動部28bとを有している。発進制御装置28の二輪用阻止棒28aは車線の幅ほぼいっぱいの長さであり、二輪車および四輪車など、料金未収受の車両全般の通行を阻止するためのものである。
【0039】
発進制御装置38は、図7(a)に示すように、車線を横切るように配置された車用阻止棒38aと、アイランドに配置され、車用阻止棒38aをほぼ90度の範囲で回動させる駆動部38bとを有している。車用阻止棒38aは車線の幅に対して二輪車が通行できる程度に短くしたものであり、車線を横切った状態で四輪車の通行を阻止しかつ二輪車の通行を許可する半開状態とされる。
【0040】
これらの発進制御装置28,38を、例えば二輪車の通過を阻止する車両通過阻止手段として動作させる場合は、図7(b)に示すように、発進制御装置28,38を共に降ろした状態とする。
【0041】
そして、二輪正常ETC車、料金収受済みの二輪非ETC車および二輪異常ETC車などが来た場合、図7(c)に示すように、発進制御装置28(の駆動部28b)のみを動作させて、二輪用阻止棒28aを上げることで、該当二輪車だけを通過させるようにできる。
【0042】
また、2つの発進制御装置28,38については、車両通過阻止手段として、二通りの運用方法が考えられる。
【0043】
2つの発進制御装置28,38を例えば全車両用の車両通過阻止手段として運用する場合、例えば図8(a)に示すように、発進制御装置28,38を共に降ろした状態としておき、図8(b)に示すように、四輪車が来たときには発進制御装置28の二輪用阻止棒28aと発進制御装置38の車用阻止棒38aを共に上げる(開く)よう制御する。
【0044】
また、二輪車が来たときのみ閉める運用を行う場合は、図9(a)に示すように、予め発進制御装置28の二輪用阻止棒28aを上げた状態,発進制御装置38の車用阻止棒38aを下げた状態としておき、図9(b)に示すように、四輪車が来たときに発進制御装置38の車用阻止棒38aだけを上げる(開く)よう制御する。
【0045】
このように長さの異なる各阻止棒28,38を有する発進制御装置28,38を交互に動作させることで、二輪あるいは四輪という車両の車種に応じて一方の通行を阻止または許可することができる。これにより、発進制御装置28だけを用いて二輪車および四輪車の発進制御を行うのに比べて各装置の開閉動作回数が減り機器寿命を延ばすことができる。
【0046】
続いて、図10〜図13のフローチャートを参照してこの実施の形態のETCシステムの動作を説明する。まず、図10を参照しこのETCシステムの基本動作を説明する。
【0047】
この実施の形態のETCシステムの場合、車両が車線に進入し、車両の進入を車両検知器22aが検知すると(図10のS101)、車線制御装置11は、その車両に対する一連の料金収受処理を開始する。
【0048】
そして、車両が踏板23を踏み越える際に、タイヤによる踏板23の押圧が複数の圧力センサ23aにより検知され(S102)、車線制御装置11に通知される。車線制御装置11は、複数の圧力センサ23aの配置データと、各種車両の通過パターンをマッピングしたデータとを有しており、これらのデータと複数の圧力センサ23aの検知箇所から、タイヤによる圧力箇所を識別し、圧力箇所に応じて四輪車と二輪車とその組み合わせの各種車両進入ケースを判別する(S103)。
【0049】
タイヤによる圧力箇所が、例えば1箇所であれば、車線制御装置11は、二輪車1台と判別し(S104)、二輪車用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S105)、二輪車の車載器から応答を得る(S106)。
【0050】
二輪車の車載器から応答が得られると、その応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0051】
受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両、つまり二輪車が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車であるので、発進制御装置28,38を動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0052】
一方、上記ステップ103の圧力箇所の判別処理において、タイヤによる圧力箇所が、例えば2箇所であれば、第1特殊ケースとして車両判別処理を実行し(S112)、四輪車1台の進入か、二輪車2台の並走進入かを判別する。そして、車両判別結果に応じて車用アンテナ29、二輪用アンテナ31の各アンテナを動作させて、該当車両(二輪車、四輪車など)の車載器から応答を得る。
【0053】
例えば車両判別処理の結果、四輪車1台の進入であれば、車用アンテナ29を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ、四輪車の車載器から応答を得る。
【0054】
そして、四輪車の車載器から応答が得られると、各応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「四輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を四輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0055】
四輪車の車載器が受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が四輪車だけなので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とする(S115)。
【0056】
また、二輪車2台の並走進入であれば、車線制御装置11は、両側の二輪用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ、2台の二輪車の各車載器から応答を得る。
【0057】
そして、2台の二輪車の車載器から応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、各応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0058】
そして、並走してきた2台の二輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり2つの二輪用アンテナ31の各受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車だけなので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0059】
さらに、上記ステップ103の圧力箇所の判別処理において、タイヤによる圧力箇所が、例えば3箇所以上であれば、車線制御装置11は、第2特殊ケースとして車両判別処理を実行し(S116)、四輪車と二輪車との並走進入か、二輪車3台の並走進入かを判別する。
【0060】
ステップS116の判別処理の結果、例えば二輪車と四輪車の並走進入であれば、車線制御装置11は、二輪用アンテナ31と車用アンテナ29を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S113)、二輪車と四輪車の各車載器から応答を得る(S114)。
【0061】
そして、二輪車の車載器と四輪車の車載器から応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、その応答(信号)に含まれる車両情報から進入車両の車種を「二輪車」と「四輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を四輪車の車載器と二輪車の車載器にそれぞれ送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0062】
二輪車と四輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり二輪用アンテナ31と車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が四輪車と二輪車なので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とする(S115)。
【0063】
また、上記ステップS116の判別処理の結果、例えば二輪車3台の並走進入であれば、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S113)、3台の二輪車の各車載器から応答を得る(S114)。
【0064】
そして、3台の二輪車の車載器の応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、その応答(信号)に含まれる車両情報から進入車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信をそれぞれの二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0065】
並走してきた3台の二輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり2つの二輪用アンテナ31の各受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車だけなので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0066】
一方、例えば車線に進入したのが1台の四輪車だけであり、その車両が受信NGの場合(S107のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S117)。そして、その車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S118)、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S119)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0067】
また、例えば車線に進入したのが1台の二輪車だけであり、かつその車両が受信NGの場合(S107のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S120)。この場合の車両誘導事項としては、二輪車は左または右に寄って徐行する旨などである。
【0068】
そして、その車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S118)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S121)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせ、上記二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S122)。
【0069】
この判定結果、受信OKとなると(S122のYes)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S123)、料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。また、上記判定結果、再び受信NGとなると(S122のNo)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24に、インターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S119)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0070】
また、車線に進入したのが四輪車と二輪車であり、かつ少なくともいずれかの車両が受信NGの場合(S107のNo)、上記該当NG処理を該当車両について実行する。該当NG処理とは、四輪車についてはステップS117〜S119の処理、二輪車についてはステップS120〜S123の処理である。
【0071】
さらに、車線に進入したのが3台の二輪車であり、かつ少なくともその中の1台が受信NGの場合(S107のNo)、上記二輪車のNG処理を共に行う。
【0072】
ここで、上記第1特殊ケースの詳細な処理について説明する。車両が踏板23を通過し車両検知器22bによって検知されると(S201)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31とを動作させてETC処理用の電波(通信要求)を発信させる(S202)。この場合、車両が四輪車であり、かつ正常ETC車であれば、その四輪車の車載器からの応答が車用アンテナ29で受信される一方、車両が二輪車であり、かつ二輪正常ETC車であれば、その二輪車の車載器からの応答が二輪用アンテナ31で受信される。
【0073】
そして、車線制御装置11は、これら車用アンテナ29と二輪用アンテナ31との無線通信処理の結果と車両検知器22a,22bおよび踏板23との検知状況から車両走行状態を判別する(S203)。
【0074】
この車両走行状態判別の結果、二輪車2台が並走の場合(S204のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、各二輪車の車載器から情報を受信する(S205)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S206)。
【0075】
この判定で受信OKの場合(S206のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31で得られた2つの情報を照合して(S207)、同一か否かを判定する(S208)。
【0076】
この判定の結果、2つの情報が一致した場合(S208のYes)、双方のアンテナで同じ二輪車と通信したものとしてリトライ処理のため二輪用アンテナ31で再度、情報を受信する。
【0077】
そして、2つの異なる情報が得られた場合(S208のNo)、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S209)、該当車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S210)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S211)、この場合、受信OKの車両が二輪車2台なので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S212)、2台の二輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置38だけを閉めて車線を半開状態としていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0078】
また、上記S203の車種判別処理の結果、通行車両が四輪車1台の場合、つまり二輪車2台ではない場合(S204のNo)、車線制御装置11は、車用アンテナ29を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、四輪車の車載器から情報を受信する(S213)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S214)。
【0079】
この判定によって受信OKの場合(S214のYes)、車線制御装置11は、車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S215)、該当車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S210)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S211)、この場合、受信OKの車両が四輪車1台なので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S216)、四輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置28だけを下ろして車線を全閉状態としていた場合は、発進制御装置28だけを上げ、車線を開放する。
【0080】
一方、車線に進入した二輪車2台のうち少なくとも一方が受信NGとなった場合(S206のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S220)。この場合の車両誘導事項としては、二輪車は左(または右)に寄って縦列徐行する旨などである。なお、左とはこの例のアンテナ通信領域Bが車線の比較的左側に形成されているためであり、アンテナ通信領域Bが車線の右側に形成されている場合は右に寄る旨を表示するようにする。
【0081】
また、2台の二輪車のうちいずれか一方が二輪正常ETC車(OK車)の場合(S221のNo)、車線制御装置11は、その二輪車の車載器に対してOKの旨を通知する(S222)。
【0082】
そして、受信NGの二輪車が車両検知器22cにより検知されると(S223)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S224)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせ、上記二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S225)。
【0083】
この判定結果、受信OKとなると(S225のYes)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S226)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。また、上記判定結果、再び受信NGとなると(S226のNo)、車線制御装置11は、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし、路側表示器24に、インターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S227)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0084】
一方、ステップS214の受信判定処理で、四輪車が受信NGの場合(S214のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、異常ETC車(NG車)の車載器にNGの旨を通知する(S228)。そして、その車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S223)、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S227)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0085】
続いて、第2特殊ケースの詳細な処理について説明する。車両が踏板23を通過し車両検知器22bによって検知されると(S301)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31とを動作させてETC処理用の電波(通信要求)を発信させる(S302)。この場合、車両が四輪車であり、かつ正常ETC車であれば、その四輪車の車載器からの応答が車用アンテナ29で受信される一方、車両が二輪車であり、かつ二輪正常ETC車であれば、その二輪車の車載器からの応答が二輪用アンテナ31で受信される。
【0086】
そして、車線制御装置11は、これら車用アンテナ29と二輪用アンテナ31との無線通信処理の結果と車両検知器22a,22bおよび踏板23との検知状況から車両走行状態を判別する(S303)。
【0087】
この車両走行状態判別の結果、二輪車3台が並走の場合(S304のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、それぞれの二輪車の車載器から情報を受信する(S305)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S306)。
【0088】
この判定によって、受信OKの場合(S306のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31で得られた2つの情報を照合して(S207)、同一か否かを判定する(S208)。
【0089】
この判定の結果、2つの情報が一致した場合(S208のYes)、双方のアンテナで同じ二輪車と通信したものとしてリトライ処理のため二輪用アンテナ31で再度、情報を受信する。
【0090】
2台の二輪用アンテナ31で受信した2つの情報が異なる場合(S308のNo)、各二輪用アンテナ31にさらに受信動作を行わせて、残りの二輪車の情報を受信する(S309)。
【0091】
その後、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S310)、該当車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S311)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S312)、この場合、受信OKの車両が二輪車3台なので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S313)、3台の二輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置38だけを閉めて車線を半開状態としていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0092】
また、上記S303の車両走行状態判別処理の結果、通行車両が四輪車1台と二輪車1台の場合、つまり二輪車3台の並走ではない場合(S304のNo)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、四輪車の車載器および二輪車の車載器から情報を受信する(S314)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S315)。
【0093】
この判定によって受信OKの場合(S315のYes)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S316)、該当車両(四輪車と二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S311)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させる(S312)。
【0094】
車両検知器22cによる車両検知と同時に、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S317)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせる。
【0095】
そして、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S318)、正常ETC車である四輪車と二輪正常ETC車である二輪車とを車線から退出させる。
【0096】
また、二輪用アンテナ31により二輪車の車載器から情報が受信され(S319)、かつ車両検知器22eにより車両が検知されると、車線制御装置11は、四輪車および二輪車が退出したものと判定して発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とする(S320)。
【0097】
一方、車線に並走して進入した二輪車3台のうち少なくとも1台が受信NGとなった場合(S306のNo)、図13に示すように、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を通知する(S330)。この場合の車両誘導事項として、二輪車については、各車両共に左(または右)に寄って縦列徐行する旨などである。なお、左とはこの例のアンテナ通信領域Bが車線の比較的左側に形成されているためであり、アンテナ通信領域Bが車線の右側に形成されている場合は右に寄る旨を表示するようにする。
【0098】
また、車線制御装置11は、3台の二輪車のうち、NG車の台数を判定し(S330)、二輪正常ETC車についてはOKの旨をその車載器へ通知する。
【0099】
そして、二輪車(二輪非ETC車あるいは二輪異常ETC車)が車両検知器22cにより検知されると(S332)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S333)、路側表示器24への指示で順に進行してきた二輪車(の車載器)との無線通信を再度行わせ、入口における二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S334)。
【0100】
この判定結果、受信OKとなると(S334のYes)、車線制御装置11は、その二輪車の通過を許可するため発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S335)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。
【0101】
また、上記ステップS334の判定処理の結果、再び受信NGとなると(S334のNo)、車線制御装置11は、インターホン表示器26に二輪車NGの旨とインターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し(S336)、発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし(S337)、インターホン対応とする(S338)。なお、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させる。なお、ブース1での収受員対応としても良い。
【0102】
一方、図12のステップS315の受信判定処理で、四輪車および二輪車の少なくとも一方が受信NGの場合(S315のNo)、図13に示すように、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、二輪異常ETC車、二輪非ETC車、異常ETC車、非ETC車などのNG車(の車載器)にNGの旨を通知する(S330)。そして、車線制御装置11は、四輪車がNGなのか、二輪車がNGなのかを判定する(S339)。
【0103】
その後、車両(四輪車、二輪車)が車両検知器22cにより検知され(S332)、NG車が四輪車であれば、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開状態とし(S340)、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S338)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0104】
また、車両検知器22cにより車両が検知されたときに(S332)、NG車が二輪車であれば、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S333)、路側表示器24への指示で左に寄って進行してきた二輪車(の車載器)との無線通信を再度行わせ、入口における二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S334)。
【0105】
この判定結果、受信OKとなると(S334のYes)、車線制御装置11は、その二輪車の通過を許可するため発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S335)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。
【0106】
また、上記ステップS334の判定処理の結果、再び受信NGとなると(S334のNo)、車線制御装置11は、インターホン表示器26に二輪車NGの旨とインターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し(S336)、発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし(S337)、インターホン対応とする(S338)。なお、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させる。なお、ブース1での収受員対応としても良い。
【0107】
そして、NG車がインターホン対応あるいは収受員対応により、料金収受を済ませると(S341のYes)、収受機17あるいは車線監視制御盤などから車線制御装置11に通知があるので、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S342)、料金収受済みの車両(二輪車、四輪車)を車線から退出させる。
【0108】
このようにこの実施形態のETCシステムによれば、通常の四輪車用の車用アンテナ29と共に、タイヤの圧力箇所を検知する複数の圧力センサ23aからなる踏板23と二輪車専用の無線通信手段である二輪用アンテナ31,33を設けたことで、四輪車と二輪車の並走、複数の二輪車の並走などを判別でき、二輪車を含めた全車両対応のETC処理を行うことができる。
【0109】
また、車線への車両の進入状況を判別し、各車両についての対応内容を指示するメッセージを路側表示器24に表示することで、二輪非ETC車、非ETC車などはブース1の収受員対応とし、二輪異常ETC車、異常ETC車については無線処理が不可能な旨と対処の仕方を車両の運転者(四輪車のドライバーおよび二輪車のライダー)が解るので、安全かつスムーズな料金収受を行うことができる。
【0110】
さらに、通常の発進制御装置28と共に、二輪車のみを通過させる発進制御装置38を設けたので、料金未収受の四輪車を車線内で停止させ、料金収受済みの二輪車だけを選別して車線から退出させることができるようになり、車線に二輪車と四輪車が並走して進入してきた場合にも車両毎の選別対応が可能になる。
【0111】
また、車線の入口でETCエラーとなった異常ETC車、非ETC車に対しては車線内でリトライ処理および再確認処理を行い、料金収受が正しく行なわれた車両のみを発進制御装置28,38によって選別して車線を通過させるので、料金未収受の車両を誤って通過させてしまうといったことがなくなる。
【0112】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、主に四輪車と二輪車との判別について説明したが、車両データのパターン化を詳細に行うことで、例えば三輪自動車、六輪車、八輪車などと二輪車との判別、あるいはその並走判別を行うこともできる。
また、上記実施形態では、一つのアイランドに阻止棒の長さが異なる2台の発進制御装置28,38を設置したが、車線の両側に2つのアイランドが配置されているような比較的スペースに余裕がある料金所などには、図14(a)〜図14(d)に示すように、車線の幅のほぼ半分程度を遮るように車線内に配置される阻止棒78aと、片側のアイランド77に配置され、阻止棒78aを回動させる駆動部78bと、阻止棒78aとほぼ同じ長さで、かつ阻止棒78aと対向して車線内に配置される阻止棒79aと、反対側のアイランド77bに配置され、阻止棒79aを回動させる駆動部79bとを有する発進制御装置70を設けることで、1台の発進制御装置70だけで二輪車と四輪車のうちいずれか一方だけの通過を許可あるいは阻止する運用を行うことができる。
【0113】
すなわち、例えば非ETC車あるいは異常ETC車であって、料金未収受の車両に対しては、図14(a)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを閉じることで該当車両の通過を阻止できる。
また、例えば正常ETC車および料金収受済みの車両に対しては、図14(b)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを開放することで該当車両の通過を許可する。
さらに、例えば二輪ETC車あるいは異常ETC車であって、料金未収受の車両に対しては、図14(a)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを閉じることで該当車両の通過を阻止できる。
また、例えば正常ETC車および料金収受済みの車両に対しては、図14(b)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを開放することで該当車両の通過を許可する。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、料金収受用の車線に二輪車が混在して進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態のETCシステムの車線内機器配置図。
【図2】図1のETCシステムにおける踏板を示す図。
【図3】二輪車用車載器の構成を示す図。
【図4】図3の二輪車用車載器の腰巻アンテナを示す図。
【図5】図3の二輪車用車載器の足首アンテナを示す図。
【図6】(a)は図1のETCシステムにおける入口付近のアンテナの配置図であり、特に四輪車との通信を示す図、(b)は図1のETCシステムにおける入口付近のアンテナの配置図であり、特に二輪車との通信を示す図。
【図7】(a)は図1のETCシステムにおける発進制御装置を示す図、(b)は二輪車の通過阻止状態を示す図、(c)は二輪車に対する車線開放動作を示す図。
【図8】(a)は発進制御装置を全車両用阻止棒として運用する場合を示す図、(b)は(a)の状態から車線を開放する動作を示す図。
【図9】(a)は発進制御装置を二輪車が来たときのみ閉める運用を行う場合を示す図、(b)は(a)の状態から車線を開放する動作を示す図。
【図10】このETCシステムの基本動作を示すフローチャート。
【図11】第1特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図12】第2特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図13】第2特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図14】発進制御装置の他の例を示す図。
【符号の説明】
A,B…アンテナ通信範囲、1…ブース、11…車線制御装置、17…収受機、22a〜22e…車両検知器、23…踏板、23a…圧力センサ、24…路側表示器、25,26…インターホン表示器、28,38…発進制御装置、29…アンテナ、31…二輪用アンテナ、32…電波吸収フェンス、33…二輪用アンテナ(エラー検知用)、41…腰巻アンテナ、41a…ベルト、41b…アンテナ、42…足首アンテナ、42a…ベルト、42b…アンテナ、43…ICカード処理ユニット、44…表示操作部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、有料道路に導入される料金収受システム、料金収受方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路の混雑緩和に向けて、無線通信技術を活用した料金収受システムであるElectronic Toll Collection System(以下ETCシステムと称す)が有料道路の料金所などに導入されつつあるが、有料道路を走行する車両の中で、例えば二輪車などは、料金収受用に設けられている車線に多数並走が可能なこと、あるいは四輪車の脇を通過可能なことから、車線内における車両の管理が行い難く、システム運用上、どのようにして対処すべきかの検討課題となっている。
【0003】
従来のETCシステムは、料金収受用の車線における車両の進入を検知する第1センサ、第2センサ、進入車両のタイヤにより踏まれた圧力を検出する踏板、第2センサの先に形成した通信エリアに進入した車両に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理(無線処理)を行うアンテナ、通信エリアの先に配置された第3センサ、アンテナによる無線通信結果にて非ETC車と判別された車両についてブースに滞在する収受員による料金収受を行うための収受機、車線からの車両の退出を許可あるいは阻止する発進制御装置、この発進制御装置を抜けて車線から退出する車両を検知する第4センサ、これらの機器の統括的な制御を行う車線制御装置などを有している。第1センサ、第2センサおよび踏板は進入車両の車種(大型、中型車、牽引車など)を判定するためのものである。第3センサは通信エリアを車両が抜けたことを検知する。
【0004】
従来のETCシステムの場合、車両が第1センサ、踏板、第2センサを通過する間に、車両の進入とおおよその車種を判別し、その車両が第3センサによって検知されるまでにアンテナと車載器との間で無線処理が正常に終了した場合、その車両はETC車なので、車線制御装置は発進制御装置を開放動作させる。また、無線処理が正常に終了しなかった車両について、車線制御装置は非ETC車あるいは異常ETC車と判定してブースへ料金収受が必要な旨を通知する。そして、収受機にて有人処理が行われ、これが車線制御装置に通知されることで、車線制御装置は、発進制御装置を開放動作させる。その後、車両が第4センサにより検知されたことで、車線制御装置は、車両が退出したものと判定して発進制御装置を閉じる制御を行う。
【0005】
ところで、有料道路を通行する車両は、上記車種だけとは限らず、例えば二輪車も走行可能である。
すなわち、現状の料金所は、一つの車線の幅を車幅の最も広い車両(大型車など)に合わせていることから、車線を二輪車が通行する場合、二輪車どうしが並走、あるいは四輪車と二輪車が並走するといったことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のETCシステムに用いられている車両検知器は、車線を通行する車両を路側(横方向)から赤外線などの遮蔽検知で物理的に通ったかどうか程度を検知しているだけに過ぎない。また、踏板についてもタイヤの圧力が加わった程度のことを検知するに過ぎない。
また、車線には車両が一列に連なって走行することを前提に、車両がある無線通信領域を通行した中でその車両が無線処理可能な車両か不可能な車両かを判別するため、ほぼ同時に走行する車両には無線処理を行うことはできない。
【0007】
このようなことから、二輪車の並走と四輪車の判別、あるいは二輪車3台の並走と二輪車と四輪車の並走との判別といった、二輪車を含む特殊な走行形態をとった車両の判別ができず、しかも並走車両に対するほぼ同時の無線処理が不可能なことから、通行中の複数の車両のうち少なくとも1台が無線収受可能な車両であったとしても並走車両全てを一旦停止させて係員対応とせざるを得ないという問題があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、料金収受用の車線に二輪車が混在進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行える料金収受システム、料金収受方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に配置され、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
【0010】
本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
【0011】
本発明の料金収受システムは、有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、前記車線の退出口に配置され、四輪車および二輪車の通過を阻止あるいは許可する第1車両通過阻止手段と、前記車線の退出口に配置され、前記二輪車の通過を常に許可すると共に前記四輪車の通過を阻止あるいは許可する第2車両通過阻止手段と、前記判別手段により判別された車両に応じて、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、前記第1および第2の無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記第1および第2車両通過阻止手段を制御する手段とを具備したことを特徴としている。
上記いずれかの料金収受システムにおいて、前記第2無線通信手段は、前記車線の入口近傍に配置され、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信する入口二輪無線通信手段と、前記車線の退出口の少なくとも手前に配置され、前記入口二輪無線通信手段との無線通信で無線処理が異常終了した二輪車の車載器と再度無線通信するエラー用二輪無線通信手段とを具備する。
【0012】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記入口において判別した車両に応じて、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップとを有することを特徴としている。
【0013】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップとを有することを特徴としている。
【0014】
本発明の料金収受方法は、有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、前記第1無線通信手段との料金収受処理が異常終了し料金未収受の四輪車に対して車線からの退出を阻止すると共に、前記第2無線通信手段と料金収受処理が正常に終了した二輪車に対して車線からの退出を許可するステップとを有することを特徴としている。
上記いずれかの料金収受方法において、前記無線処理ステップは、前記車線の入口近傍において、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信し料金収受処理を行うステップと、前記無線通信で料金収受処理が異常終了した前記二輪車が前記車線の退出口へ到達するまでに、前記二輪車の車載器と再度無線通信して料金収受処理を行うステップとを有している。
【0015】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別し、判別した車両に応じて、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う。そして、第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するので、料金収受用の車線に二輪車が進入した場合、二輪車と四輪車が並走して進入した場合でもその車両が無線収受可能な車両であれば、無線通信により料金収受処理を行えるようになる。
【0016】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知し、検出した押圧箇所に応じて車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別した上で、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行うので、車線に二輪車と四輪車が並走して進入した場合と二輪車3台が並走して進入した場合、また、二輪車2台が並走して進入した場合と四輪車1台が進入した場合とを判別できるようになる。
【0017】
本発明では、有料道路の料金収受用の車線の入口において、車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知し、検出した押圧箇所に応じて車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別した上で、車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う。そして、料金収受処理が異常終了し料金未収受の四輪車の退出を阻止すると共に、料金収受処理が正常に終了した二輪車の退出を許可するので、車線に、二輪車と四輪車が並走して進入した場合に、四輪車が料金未収受で二輪車が料金収受済みであれば、二輪車だけを選別して車線から退出させることができる。
【0018】
本発明では、車線の入口近傍において、車線に進入した二輪車の車載器と無線通信し料金収受処理を行い、この無線通信で料金収受処理が異常終了した二輪車の車載器と再度無線通信して料金収受処理を行うので、車線に複数台の二輪車が進入した場合でも、車線内で無線通信による料金収受処理を済ませることができる。
上記の結果として、料金収受用の車線に二輪車が混在進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の料金収受システム、料金収受方法を実施する一つの実施の形態のETCシステムの機器構成を示す図である。図2は図1のETCシステムにおける踏板を示す図、図3は二輪車用車載器の構成を示す図、図4は図3の二輪車用車載器の腰巻アンテナを示す図、図5は図3の二輪車用車載器の足首アンテナを示す図、図6は車線入口付近におけるアンテナの配置図、図7は図1のETCシステムにおける発進制御装置を示す図、図8は発進制御装置の運用形態を示す図である。なお、以下、「車両」と記載した場合は、四輪車、二輪車、四輪車の中でも大特車、大型車、中型車、小型車、軽自動車など、これらを含めた車両全体を示すものとする。
【0020】
図1に示すように、この実施の形態のETCシステムは、有料道路の料金収受場所である料金所の料金収受用の車線の車両進行方向に沿って設置され、車線への車両の進入、車線内の車両の位置および車線からの車両の退出を検知する複数の車両検知器22a〜22eと、車線の道路上に設置され、通過した車両の車輪の圧力(加重)と踏み位置を基に四輪車と二輪車とその組み合わせ(四輪車と二輪車の並走、二輪車同士の並走など)を判別する車輪押圧箇所検出手段としての踏板23と、車線内の踏板23の先の路上数mの位置に配置され、アンテナ通信範囲Aを形成し、踏板23および車両検知器22a(22b)によって検知された四輪車に搭載されている車載器との通信を行う第1無線通信手段としての車用アンテナ29と、踏板23および車両検知器22aによって検知された二輪車に搭載、あるいは二輪車の運転者が身に付けている車載器と無線通信を行う第2無線通信手段(入口二輪無線通信手段)としての二輪用アンテナ31と、各アンテナ29,31などから放射される電波を吸収し電波の乱反射などによる混信障害を防止するための電波吸収フェンス32と、通行車両に対してETC処理状況および処理結果などを通知(報知)する路側表示器24と、車両に対するETC処理に不都合が生じた際、あるいは車両の運転者が係員へ問い合わせを行うためのインターホン表示器25と、二輪車に対するETC処理に不都合が生じた際、あるいは二輪車の運転者が係員へ問い合わせを行うためのインターホン表示器26と、車線に沿って(路側に)設けられたアイランドに配置され、収受員などのオペレータが勤務し人的な処理が必要な際に料金収受を行うためのブース1と、このブース1の車線を跨いだ反対側(対岸)に配置され、ブース1の横(車線内の収受位置の前)にアンテナ通信範囲Bを形成し二輪車の車載器と無線通信する第2無線通信手段(エラー用二輪無線通信手段)としての二輪用アンテナ33(エラー検知用)と、ブース1の先(車線の出口付近)に設置され、ETC処理の結果に基づいて開閉制御されて四輪車および二輪車を含む全ての車両の通行を許可(全開)あるいは阻止(全閉)する発進制御装置28と、この発進制御装置28とブース1との間の道路上に、二輪車だけを通過させるように車道(車線)の一部を開放(半開)するように設置され、ETC処理の結果に基づいて開閉制御されて四輪車の通行を許可(全開)あるいは阻止(半開)する発進制御装置38と、これらの機器を統括的に制御する車線制御装置11とを有している。
【0021】
ブース1には、収受員が操作して料金収受処理を行う収受機17、その他のブース内機器(収受員に対して料金処理結果を通知するブース内表示器、収受員に対して機器の故障等を通知し、かつ運用形態の切り替えを行う車線監視制御盤、車両に搭載されている車載器から利用者により取り出され収受員に手渡されたICカードのリード・ライトを行うカード処理機能を有するICカードリーダなど)が備えられている。
【0022】
車両検知器22a,22bは、車線内のブース1の手前の車両進入口付近に踏板23の前と後ろに踏板23を挟むように並べて設置されている。車両検知器22aは、車線に進入した車両を検知する。車両検知器22bは、車両が踏板23の位置を抜けたことを検知する。車両検知器22cは、車両がアンテナ通信範囲Aから抜けたことを検知する。車両検知器22dは、発進制御装置28と発進制御装置38間に配置されており、車両が発進制御装置38を抜けたことを検知する。車両検知器22eは、発進制御装置28の先(退出口)に配置されており、発進制御装置28を抜けた(車両が車線から退出した)ことを検知する。
【0023】
アンテナ29は車両検知器22a,22b間の車線上方数mの高さの位置に配置されており車両検知器22aにより車両が検知されたときに車両の車載器との無線通信(無線交信)を開始する。
踏板23とアンテナ29による無線通信と車両検知器22a,22bの車両通過検知によって車両の車種(二輪正常ETC車、二輪異常ETC車、二輪非ETC車、正常ETC車、異常ETC車、非ETC車など)が判定される。二輪正常ETC車は、アンテナ31による無線通信によって料金収受が正常に行えた二輪車である。二輪異常ETC車は、車載器との無線通信が正常に終了しなかった二輪車、例えばICカード処理ユニット43(図3参照)にICカードが装着されていない二輪車や無線機能が故障している二輪車などである。二輪非ETC車は、カード処理ユニット43を搭載していない車両である。正常ETC車は、アンテナ29による無線通信によって料金収受が正常に行えた車両である。異常ETC車は、車載器との無線通信が正常に終了しなかった車両、例えば車載器にICカードが装着されていない車両や無線機能が故障している車両などである。非ETC車は、車載器を搭載していない車両である。
【0024】
すなわち、このETCシステムは、車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれら車両の組み合わせかを判別する判別手段(踏板23)と、車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段(車用アンテナ29)と、車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段(二輪用アンテナ31,33)と、車線の退出口に配置され、車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段(発進制御装置28,38)と、判別手段により判別された車両に応じて第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させ、これら第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう車両通過阻止手段を制御する車線制御装置11とを備える。
【0025】
図2に示すように、踏板23は、四輪車および二輪車が車線を並走した場合も検出可能なように車線のほぼ道幅いっぱいに配置されている。踏板23は、縦横に整列された複数の圧力センサ23aを有しており、車輪によって踏まれたときの圧力がかかった箇所を、例えば1箇所、2箇所、3箇所以上などの3つに判別(識別)し、車両の進入ケースを、例えば二輪車1台だけの一般的な進入ケースと、二輪車2台の並走と四輪車とを判別するケース(第1特殊ケース)、四輪車と二輪車の併走と二輪車3台の並走を判別するケース(第2特殊ケース)といった特殊な進入ケースに大別する。
【0026】
二輪車の運転者(ライダー)が身につける車載器、つまり衣服などに装着する車載器は、図3に示すように、腰巻き型のアンテナ41(以下腰巻アンテナ41と称す)あるいは足首巻型のアンテナ42(足首アンテナ42と称す)のうちのいずれか一方と、ETC用のICカードを処理するICカード処理ユニット43と、処理内容を表示しかつ操作を行うための表示操作部44とを別個のユニットとして有しそれぞれが接続コードで接続されている。ICカード処理ユニット43は運転者の胸ポケットなどの衣服に装着あるいはカバンなどに収納する。表示操作部44には、例えば通信確認ランプなどが少なくとも備えられている。表示操作部44は手首または二輪車のハンドルなどの走行中でも運転者が確認可能な位置に設置される。なお、個々のユニット間の接続は物理的な接続コードなどの接続以外に、例えばETCシステム側の周波数帯域と異なる無線周波数帯域を使用した無線通信により実現しても良い。但しこの場合の無線出力の範囲は他の二輪車の車載器と干渉しない範囲とする。この例のように運転者が身につけるタイプの車載器の電源は携帯用のバッテリを使用する。
【0027】
腰巻アンテナ41は、より具体的には、図4に示すように、人の腰に巻く長尺のベルト41aと、このベルト41aの2箇所、例えば人にベルトを巻いたときの左右の脇の部分などにそれぞれ固着された2つのアンテナ41bとを備える。
【0028】
足首アンテナ42は、より具体的には、図5に示すように、人の片足に巻く小径のベルト42aと、ベルト42aに固着されたアンテナ42bとを備え、この足首アンテナ42を2組用意する。
【0029】
車両に搭載される車載器は、1つの筐体で実現されている。筐体内には、ICカードを収容するカード収容部と、ICカードとのインタフェース部と、このインタフェース部を通じて読出した情報を処理すると共に、処理結果をメモリに記憶するICカード処理部と、メモリに記憶されている情報をアンテナから送信すると共にアンテナで受信した情報をメモリに記憶させる無線制御部と、利用者に操作され、その操作内容を案内する表示操作部と、各部を統括して制御する制御部とから構成されている。なお、車載器は、1つの筐体のみならず、アンテナを分離した構成のものも利用可能である。また、二輪車用のICカード処理ユニット43の内部にも上記構成(カード収容部、インタフェース部、ICカード処理部、無線制御部、制御部など)が備えられている。メモリには、この車載器が搭載される車両の車長・車高・軸数・重量・用途・特長等の車両情報(少なくとも二輪車と四輪車の違いが識別可能な情報)に加え、車載器を他の車載器と識別するためのID番号が予め記録されている。表示操作部には、利用者に操作されるキー操作部や取出ボタン等を備えた操作部と、操作内容を案内する文字表示およびLEDランプ等を備えた表示部と、ICカードを挿入および取り出すICカード挿入口などが備えられている。表示部は無線処理情報等の各種情報を表示し利用者(運転者等)に通知するものである。取出ボタンはICカードを取り出すための操作を行うボタンである。
【0030】
ICカードには、情報を記憶・読み出し可能なフラッシュメモリ、車載器のインタフェース部との間でデータのやり取りを行うインタフェース部と、このインタフェース部およびフラッシュメモリを制御するCPUとが設けられている。
【0031】
フラッシュメモリには、ユーザの銀行の口座番号、割引適用の可否等を示す特殊契約情報、および契約の有効期限などの課金情報が記憶されている。また、このフラッシュメモリには、ICカードを特定するためのID番号が予め記憶されており、車両が入口料金所ゲートを通過する際に、通過日時、料金所ゲートを特定するためのゲート番号、車両の車種、およびカード残額等の通行履歴情報がICカードのこのID番号に関連付けられて記憶される。
【0032】
ICカードは、車載器あるいはICカード処理ユニット43に装着されると、車載器のICカード処理部を介した制御部との信号のやり取りで車載器の正当性を確認して初めて車載器側のメモリに自身のフラッシュメモリに記憶されている課金情報を送る。
【0033】
車用アンテナ29は、車線内の踏板23の先の路上数mの位置に配置されており、車線内の踏板23と車両検知器22cとの間にアンテナ通信範囲Aを形成し、踏板23および車両検知器22a(22b)によって検知された四輪車に搭載されている車載器との通信を行うものである。つまり、車用アンテナ29は、図6(a)に示すように、4輪車から発信された車情報信号のみを受信するものとし、万一、二輪情報信号を受信した場合はそれを無視し、車情報信号を受信できるまで電波の発信を続ける。
【0034】
二輪用アンテナ31は、車線の入口(近傍)のアイランドの両側にそれぞれ設置されるアンテナであり、それぞれのアンテナは各アイランドの側から車線内にアンテナ通信範囲Aを形成するように電波を発信する。二輪用アンテナ31は、車用アンテナ29とほぼ同じ通信エリアをカバーする。つまり、二輪用アンテナ31は、図6(b)に示すように、無線通信により二輪車の車載器から二輪車の情報信号(二輪情報信号)だけを受信し、四輪車の情報(車情報信号)を受信した場合はそれを無視し、二輪情報信号を受信できるまで電波の発信を続ける。このように二輪用アンテナ31を車線の両側に配置したことで、車高の高い四輪車の陰に入って並走する二輪車の車載器に対して、二輪車が四輪車の左右どちらに側に存在する場合でも路側機器として無線通信を確実に行うことができる。
【0035】
なお、二輪車用の周波数帯域は車用と同一とすることでシステムを低コストに実現できる。電波は二輪車の進入検知と共に、左右同時期に発信するものとする。なお、電波は左右時分割で発信しても良い。また、二輪車用の周波数帯域は、車用の周波数帯と異なる二輪車専用の周波数帯域を設けて通信しても良い。
【0036】
電波吸収フェンス32は、車線両側の二輪用アンテナ31のさらに外側に配置されており、車線内の電波の乱反射や他のレーンからの電波の飛込みを防止する。
【0037】
二輪車の車載器と無線通信可能なアンテナは、入口用の二輪用アンテナ31以外に車線内にアンテナ通信領域Bを形成するエラー検知用の二輪用アンテナ33が設けられている。このエラー検知用の二輪用アンテナ33は、入口で二輪異常ETCおよび二輪非ETCと判別処理された二輪車の車載器に対してのみ作動し、二輪正常ETC車、二輪異常ETC車、二輪非ETC車両との識別処理および振り分け処理と、二輪異常ETC車、二輪非ETC車に対するリトライ処理とを行う二輪車の車載器との無線通信用のアンテナである。
【0038】
発進制御装置28は、図7(a)に示すように、車線を横切るように配置された二輪用阻止棒28aと、アイランドに配置され、二輪用阻止棒28aをほぼ90度の範囲で回動させる駆動部28bとを有している。発進制御装置28の二輪用阻止棒28aは車線の幅ほぼいっぱいの長さであり、二輪車および四輪車など、料金未収受の車両全般の通行を阻止するためのものである。
【0039】
発進制御装置38は、図7(a)に示すように、車線を横切るように配置された車用阻止棒38aと、アイランドに配置され、車用阻止棒38aをほぼ90度の範囲で回動させる駆動部38bとを有している。車用阻止棒38aは車線の幅に対して二輪車が通行できる程度に短くしたものであり、車線を横切った状態で四輪車の通行を阻止しかつ二輪車の通行を許可する半開状態とされる。
【0040】
これらの発進制御装置28,38を、例えば二輪車の通過を阻止する車両通過阻止手段として動作させる場合は、図7(b)に示すように、発進制御装置28,38を共に降ろした状態とする。
【0041】
そして、二輪正常ETC車、料金収受済みの二輪非ETC車および二輪異常ETC車などが来た場合、図7(c)に示すように、発進制御装置28(の駆動部28b)のみを動作させて、二輪用阻止棒28aを上げることで、該当二輪車だけを通過させるようにできる。
【0042】
また、2つの発進制御装置28,38については、車両通過阻止手段として、二通りの運用方法が考えられる。
【0043】
2つの発進制御装置28,38を例えば全車両用の車両通過阻止手段として運用する場合、例えば図8(a)に示すように、発進制御装置28,38を共に降ろした状態としておき、図8(b)に示すように、四輪車が来たときには発進制御装置28の二輪用阻止棒28aと発進制御装置38の車用阻止棒38aを共に上げる(開く)よう制御する。
【0044】
また、二輪車が来たときのみ閉める運用を行う場合は、図9(a)に示すように、予め発進制御装置28の二輪用阻止棒28aを上げた状態,発進制御装置38の車用阻止棒38aを下げた状態としておき、図9(b)に示すように、四輪車が来たときに発進制御装置38の車用阻止棒38aだけを上げる(開く)よう制御する。
【0045】
このように長さの異なる各阻止棒28,38を有する発進制御装置28,38を交互に動作させることで、二輪あるいは四輪という車両の車種に応じて一方の通行を阻止または許可することができる。これにより、発進制御装置28だけを用いて二輪車および四輪車の発進制御を行うのに比べて各装置の開閉動作回数が減り機器寿命を延ばすことができる。
【0046】
続いて、図10〜図13のフローチャートを参照してこの実施の形態のETCシステムの動作を説明する。まず、図10を参照しこのETCシステムの基本動作を説明する。
【0047】
この実施の形態のETCシステムの場合、車両が車線に進入し、車両の進入を車両検知器22aが検知すると(図10のS101)、車線制御装置11は、その車両に対する一連の料金収受処理を開始する。
【0048】
そして、車両が踏板23を踏み越える際に、タイヤによる踏板23の押圧が複数の圧力センサ23aにより検知され(S102)、車線制御装置11に通知される。車線制御装置11は、複数の圧力センサ23aの配置データと、各種車両の通過パターンをマッピングしたデータとを有しており、これらのデータと複数の圧力センサ23aの検知箇所から、タイヤによる圧力箇所を識別し、圧力箇所に応じて四輪車と二輪車とその組み合わせの各種車両進入ケースを判別する(S103)。
【0049】
タイヤによる圧力箇所が、例えば1箇所であれば、車線制御装置11は、二輪車1台と判別し(S104)、二輪車用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S105)、二輪車の車載器から応答を得る(S106)。
【0050】
二輪車の車載器から応答が得られると、その応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0051】
受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両、つまり二輪車が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車であるので、発進制御装置28,38を動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0052】
一方、上記ステップ103の圧力箇所の判別処理において、タイヤによる圧力箇所が、例えば2箇所であれば、第1特殊ケースとして車両判別処理を実行し(S112)、四輪車1台の進入か、二輪車2台の並走進入かを判別する。そして、車両判別結果に応じて車用アンテナ29、二輪用アンテナ31の各アンテナを動作させて、該当車両(二輪車、四輪車など)の車載器から応答を得る。
【0053】
例えば車両判別処理の結果、四輪車1台の進入であれば、車用アンテナ29を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ、四輪車の車載器から応答を得る。
【0054】
そして、四輪車の車載器から応答が得られると、各応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「四輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を四輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0055】
四輪車の車載器が受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が四輪車だけなので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とする(S115)。
【0056】
また、二輪車2台の並走進入であれば、車線制御装置11は、両側の二輪用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ、2台の二輪車の各車載器から応答を得る。
【0057】
そして、2台の二輪車の車載器から応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、各応答(信号)に含まれる車両情報から車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0058】
そして、並走してきた2台の二輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり2つの二輪用アンテナ31の各受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車だけなので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0059】
さらに、上記ステップ103の圧力箇所の判別処理において、タイヤによる圧力箇所が、例えば3箇所以上であれば、車線制御装置11は、第2特殊ケースとして車両判別処理を実行し(S116)、四輪車と二輪車との並走進入か、二輪車3台の並走進入かを判別する。
【0060】
ステップS116の判別処理の結果、例えば二輪車と四輪車の並走進入であれば、車線制御装置11は、二輪用アンテナ31と車用アンテナ29を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S113)、二輪車と四輪車の各車載器から応答を得る(S114)。
【0061】
そして、二輪車の車載器と四輪車の車載器から応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、その応答(信号)に含まれる車両情報から進入車両の車種を「二輪車」と「四輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信を四輪車の車載器と二輪車の車載器にそれぞれ送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0062】
二輪車と四輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり二輪用アンテナ31と車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が四輪車と二輪車なので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とする(S115)。
【0063】
また、上記ステップS116の判別処理の結果、例えば二輪車3台の並走進入であれば、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を制御して無線通信を開始、つまり通信要求の電波を発信させ(S113)、3台の二輪車の各車載器から応答を得る(S114)。
【0064】
そして、3台の二輪車の車載器の応答がそれぞれ得られると、車線制御装置11は、その応答(信号)に含まれる車両情報から進入車両の車種を「二輪車」として確定する。そして、車線制御装置11は他の料金収受に関する情報を車載器から受け取って料金収受処理を実行し、料金収受処理が正常に終了すると、返信をそれぞれの二輪車の車載器に送り、受信OKとする(S107)。また、この一連の無線処理中、処理が正常に終了しなかった場合は受信NGとする。
【0065】
並走してきた3台の二輪車が共に受信OKの場合(S107のYes)、車線制御装置11は、該当車両用のアンテナ、つまり2つの二輪用アンテナ31の各受信動作を停止させた後(S108)、該当車両が車両検知器22cにより検知されると(S109)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S110)、この場合、受信OKの車両が二輪車だけなので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とする(S111)。
【0066】
一方、例えば車線に進入したのが1台の四輪車だけであり、その車両が受信NGの場合(S107のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S117)。そして、その車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S118)、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S119)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0067】
また、例えば車線に進入したのが1台の二輪車だけであり、かつその車両が受信NGの場合(S107のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S120)。この場合の車両誘導事項としては、二輪車は左または右に寄って徐行する旨などである。
【0068】
そして、その車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S118)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S121)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせ、上記二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S122)。
【0069】
この判定結果、受信OKとなると(S122のYes)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S123)、料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。また、上記判定結果、再び受信NGとなると(S122のNo)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24に、インターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S119)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0070】
また、車線に進入したのが四輪車と二輪車であり、かつ少なくともいずれかの車両が受信NGの場合(S107のNo)、上記該当NG処理を該当車両について実行する。該当NG処理とは、四輪車についてはステップS117〜S119の処理、二輪車についてはステップS120〜S123の処理である。
【0071】
さらに、車線に進入したのが3台の二輪車であり、かつ少なくともその中の1台が受信NGの場合(S107のNo)、上記二輪車のNG処理を共に行う。
【0072】
ここで、上記第1特殊ケースの詳細な処理について説明する。車両が踏板23を通過し車両検知器22bによって検知されると(S201)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31とを動作させてETC処理用の電波(通信要求)を発信させる(S202)。この場合、車両が四輪車であり、かつ正常ETC車であれば、その四輪車の車載器からの応答が車用アンテナ29で受信される一方、車両が二輪車であり、かつ二輪正常ETC車であれば、その二輪車の車載器からの応答が二輪用アンテナ31で受信される。
【0073】
そして、車線制御装置11は、これら車用アンテナ29と二輪用アンテナ31との無線通信処理の結果と車両検知器22a,22bおよび踏板23との検知状況から車両走行状態を判別する(S203)。
【0074】
この車両走行状態判別の結果、二輪車2台が並走の場合(S204のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、各二輪車の車載器から情報を受信する(S205)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S206)。
【0075】
この判定で受信OKの場合(S206のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31で得られた2つの情報を照合して(S207)、同一か否かを判定する(S208)。
【0076】
この判定の結果、2つの情報が一致した場合(S208のYes)、双方のアンテナで同じ二輪車と通信したものとしてリトライ処理のため二輪用アンテナ31で再度、情報を受信する。
【0077】
そして、2つの異なる情報が得られた場合(S208のNo)、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S209)、該当車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S210)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S211)、この場合、受信OKの車両が二輪車2台なので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S212)、2台の二輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置38だけを閉めて車線を半開状態としていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0078】
また、上記S203の車種判別処理の結果、通行車両が四輪車1台の場合、つまり二輪車2台ではない場合(S204のNo)、車線制御装置11は、車用アンテナ29を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、四輪車の車載器から情報を受信する(S213)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S214)。
【0079】
この判定によって受信OKの場合(S214のYes)、車線制御装置11は、車用アンテナ29の受信動作を停止させた後(S215)、該当車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S210)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S211)、この場合、受信OKの車両が四輪車1台なので、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S216)、四輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置28だけを下ろして車線を全閉状態としていた場合は、発進制御装置28だけを上げ、車線を開放する。
【0080】
一方、車線に進入した二輪車2台のうち少なくとも一方が受信NGとなった場合(S206のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を表示する(S220)。この場合の車両誘導事項としては、二輪車は左(または右)に寄って縦列徐行する旨などである。なお、左とはこの例のアンテナ通信領域Bが車線の比較的左側に形成されているためであり、アンテナ通信領域Bが車線の右側に形成されている場合は右に寄る旨を表示するようにする。
【0081】
また、2台の二輪車のうちいずれか一方が二輪正常ETC車(OK車)の場合(S221のNo)、車線制御装置11は、その二輪車の車載器に対してOKの旨を通知する(S222)。
【0082】
そして、受信NGの二輪車が車両検知器22cにより検知されると(S223)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S224)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせ、上記二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S225)。
【0083】
この判定結果、受信OKとなると(S225のYes)、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S226)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。また、上記判定結果、再び受信NGとなると(S226のNo)、車線制御装置11は、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし、路側表示器24に、インターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S227)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0084】
一方、ステップS214の受信判定処理で、四輪車が受信NGの場合(S214のNo)、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、異常ETC車(NG車)の車載器にNGの旨を通知する(S228)。そして、その車両(四輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S223)、発進制御装置28,38を閉めたままとし、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S227)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0085】
続いて、第2特殊ケースの詳細な処理について説明する。車両が踏板23を通過し車両検知器22bによって検知されると(S301)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31とを動作させてETC処理用の電波(通信要求)を発信させる(S302)。この場合、車両が四輪車であり、かつ正常ETC車であれば、その四輪車の車載器からの応答が車用アンテナ29で受信される一方、車両が二輪車であり、かつ二輪正常ETC車であれば、その二輪車の車載器からの応答が二輪用アンテナ31で受信される。
【0086】
そして、車線制御装置11は、これら車用アンテナ29と二輪用アンテナ31との無線通信処理の結果と車両検知器22a,22bおよび踏板23との検知状況から車両走行状態を判別する(S303)。
【0087】
この車両走行状態判別の結果、二輪車3台が並走の場合(S304のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、それぞれの二輪車の車載器から情報を受信する(S305)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S306)。
【0088】
この判定によって、受信OKの場合(S306のYes)、車線制御装置11は、2台の二輪用アンテナ31で得られた2つの情報を照合して(S207)、同一か否かを判定する(S208)。
【0089】
この判定の結果、2つの情報が一致した場合(S208のYes)、双方のアンテナで同じ二輪車と通信したものとしてリトライ処理のため二輪用アンテナ31で再度、情報を受信する。
【0090】
2台の二輪用アンテナ31で受信した2つの情報が異なる場合(S308のNo)、各二輪用アンテナ31にさらに受信動作を行わせて、残りの二輪車の情報を受信する(S309)。
【0091】
その後、二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S310)、該当車両(二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S311)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させ(S312)、この場合、受信OKの車両が二輪車3台なので、発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S313)、3台の二輪車を通過させる。なお、予め発進制御装置38だけを閉めて車線を半開状態としていた場合は、そのままの状態を維持する。
【0092】
また、上記S303の車両走行状態判別処理の結果、通行車両が四輪車1台と二輪車1台の場合、つまり二輪車3台の並走ではない場合(S304のNo)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31を用いて無線通信による料金収受処理(無線処理)を行い、四輪車の車載器および二輪車の車載器から情報を受信する(S314)。そして、無線処理が正常に終了し必要な情報が受信されると、車線制御装置11は、受信OKと判定し、無線処理が正常に終了しなかった場合、受信NGと判定する(S315)。
【0093】
この判定によって受信OKの場合(S315のYes)、車線制御装置11は、車用アンテナ29と二輪用アンテナ31の受信動作を停止させた後(S316)、該当車両(四輪車と二輪車)が車両検知器22cにより検知されると(S311)、路側表示器24に、受信OKの旨を表示させる(S312)。
【0094】
車両検知器22cによる車両検知と同時に、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S317)、二輪車の車載器との無線通信を再度行わせる。
【0095】
そして、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S318)、正常ETC車である四輪車と二輪正常ETC車である二輪車とを車線から退出させる。
【0096】
また、二輪用アンテナ31により二輪車の車載器から情報が受信され(S319)、かつ車両検知器22eにより車両が検知されると、車線制御装置11は、四輪車および二輪車が退出したものと判定して発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とする(S320)。
【0097】
一方、車線に並走して進入した二輪車3台のうち少なくとも1台が受信NGとなった場合(S306のNo)、図13に示すように、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、NG車の車載器にNGの旨を通知する(S330)。この場合の車両誘導事項として、二輪車については、各車両共に左(または右)に寄って縦列徐行する旨などである。なお、左とはこの例のアンテナ通信領域Bが車線の比較的左側に形成されているためであり、アンテナ通信領域Bが車線の右側に形成されている場合は右に寄る旨を表示するようにする。
【0098】
また、車線制御装置11は、3台の二輪車のうち、NG車の台数を判定し(S330)、二輪正常ETC車についてはOKの旨をその車載器へ通知する。
【0099】
そして、二輪車(二輪非ETC車あるいは二輪異常ETC車)が車両検知器22cにより検知されると(S332)、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S333)、路側表示器24への指示で順に進行してきた二輪車(の車載器)との無線通信を再度行わせ、入口における二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S334)。
【0100】
この判定結果、受信OKとなると(S334のYes)、車線制御装置11は、その二輪車の通過を許可するため発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S335)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。
【0101】
また、上記ステップS334の判定処理の結果、再び受信NGとなると(S334のNo)、車線制御装置11は、インターホン表示器26に二輪車NGの旨とインターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し(S336)、発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし(S337)、インターホン対応とする(S338)。なお、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させる。なお、ブース1での収受員対応としても良い。
【0102】
一方、図12のステップS315の受信判定処理で、四輪車および二輪車の少なくとも一方が受信NGの場合(S315のNo)、図13に示すように、車線制御装置11は、路側表示器24に、受信NGの旨と車両誘導事項とを表示すると共に、二輪異常ETC車、二輪非ETC車、異常ETC車、非ETC車などのNG車(の車載器)にNGの旨を通知する(S330)。そして、車線制御装置11は、四輪車がNGなのか、二輪車がNGなのかを判定する(S339)。
【0103】
その後、車両(四輪車、二輪車)が車両検知器22cにより検知され(S332)、NG車が四輪車であれば、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を半開状態とし(S340)、路側表示器24にインターホン表示器25で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し、インターホン対応とする(S338)。なお、ブース1での収受員対応として料金収受処理を行っても良い。
【0104】
また、車両検知器22cにより車両が検知されたときに(S332)、NG車が二輪車であれば、車線制御装置11は、エラー検知用の二輪用アンテナ33を動作させて電波をアンテナ通信領域Bに発信させ(S333)、路側表示器24への指示で左に寄って進行してきた二輪車(の車載器)との無線通信を再度行わせ、入口における二輪用アンテナ31のときと同様に受信OKか否かを判定する(S334)。
【0105】
この判定結果、受信OKとなると(S334のYes)、車線制御装置11は、その二輪車の通過を許可するため発進制御装置28,38を半開動作させて車線を半開状態とし(S335)、この時点で二輪正常ETC車として料金収受を済ませた二輪車を車線から退出させる。
【0106】
また、上記ステップS334の判定処理の結果、再び受信NGとなると(S334のNo)、車線制御装置11は、インターホン表示器26に二輪車NGの旨とインターホン表示器26で係員と連絡をとる必要がある旨を表示し(S336)、発進制御装置28,38を全閉動作させて車線を全閉状態とし(S337)、インターホン対応とする(S338)。なお、予め車線が全閉状態であればそのままとし、車線が全開状態あるいは半開状態となっていた場合は発進制御装置28,38を全閉動作させる。なお、ブース1での収受員対応としても良い。
【0107】
そして、NG車がインターホン対応あるいは収受員対応により、料金収受を済ませると(S341のYes)、収受機17あるいは車線監視制御盤などから車線制御装置11に通知があるので、車線制御装置11は、発進制御装置28,38を全開動作させて車線を全開状態とし(S342)、料金収受済みの車両(二輪車、四輪車)を車線から退出させる。
【0108】
このようにこの実施形態のETCシステムによれば、通常の四輪車用の車用アンテナ29と共に、タイヤの圧力箇所を検知する複数の圧力センサ23aからなる踏板23と二輪車専用の無線通信手段である二輪用アンテナ31,33を設けたことで、四輪車と二輪車の並走、複数の二輪車の並走などを判別でき、二輪車を含めた全車両対応のETC処理を行うことができる。
【0109】
また、車線への車両の進入状況を判別し、各車両についての対応内容を指示するメッセージを路側表示器24に表示することで、二輪非ETC車、非ETC車などはブース1の収受員対応とし、二輪異常ETC車、異常ETC車については無線処理が不可能な旨と対処の仕方を車両の運転者(四輪車のドライバーおよび二輪車のライダー)が解るので、安全かつスムーズな料金収受を行うことができる。
【0110】
さらに、通常の発進制御装置28と共に、二輪車のみを通過させる発進制御装置38を設けたので、料金未収受の四輪車を車線内で停止させ、料金収受済みの二輪車だけを選別して車線から退出させることができるようになり、車線に二輪車と四輪車が並走して進入してきた場合にも車両毎の選別対応が可能になる。
【0111】
また、車線の入口でETCエラーとなった異常ETC車、非ETC車に対しては車線内でリトライ処理および再確認処理を行い、料金収受が正しく行なわれた車両のみを発進制御装置28,38によって選別して車線を通過させるので、料金未収受の車両を誤って通過させてしまうといったことがなくなる。
【0112】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、主に四輪車と二輪車との判別について説明したが、車両データのパターン化を詳細に行うことで、例えば三輪自動車、六輪車、八輪車などと二輪車との判別、あるいはその並走判別を行うこともできる。
また、上記実施形態では、一つのアイランドに阻止棒の長さが異なる2台の発進制御装置28,38を設置したが、車線の両側に2つのアイランドが配置されているような比較的スペースに余裕がある料金所などには、図14(a)〜図14(d)に示すように、車線の幅のほぼ半分程度を遮るように車線内に配置される阻止棒78aと、片側のアイランド77に配置され、阻止棒78aを回動させる駆動部78bと、阻止棒78aとほぼ同じ長さで、かつ阻止棒78aと対向して車線内に配置される阻止棒79aと、反対側のアイランド77bに配置され、阻止棒79aを回動させる駆動部79bとを有する発進制御装置70を設けることで、1台の発進制御装置70だけで二輪車と四輪車のうちいずれか一方だけの通過を許可あるいは阻止する運用を行うことができる。
【0113】
すなわち、例えば非ETC車あるいは異常ETC車であって、料金未収受の車両に対しては、図14(a)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを閉じることで該当車両の通過を阻止できる。
また、例えば正常ETC車および料金収受済みの車両に対しては、図14(b)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを開放することで該当車両の通過を許可する。
さらに、例えば二輪ETC車あるいは異常ETC車であって、料金未収受の車両に対しては、図14(a)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを閉じることで該当車両の通過を阻止できる。
また、例えば正常ETC車および料金収受済みの車両に対しては、図14(b)に示すように、両側の阻止棒78a,79aを開放することで該当車両の通過を許可する。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、料金収受用の車線に二輪車が混在して進入した場合でも無線収受可能な車両については無線通信により料金収受を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一つの実施の形態のETCシステムの車線内機器配置図。
【図2】図1のETCシステムにおける踏板を示す図。
【図3】二輪車用車載器の構成を示す図。
【図4】図3の二輪車用車載器の腰巻アンテナを示す図。
【図5】図3の二輪車用車載器の足首アンテナを示す図。
【図6】(a)は図1のETCシステムにおける入口付近のアンテナの配置図であり、特に四輪車との通信を示す図、(b)は図1のETCシステムにおける入口付近のアンテナの配置図であり、特に二輪車との通信を示す図。
【図7】(a)は図1のETCシステムにおける発進制御装置を示す図、(b)は二輪車の通過阻止状態を示す図、(c)は二輪車に対する車線開放動作を示す図。
【図8】(a)は発進制御装置を全車両用阻止棒として運用する場合を示す図、(b)は(a)の状態から車線を開放する動作を示す図。
【図9】(a)は発進制御装置を二輪車が来たときのみ閉める運用を行う場合を示す図、(b)は(a)の状態から車線を開放する動作を示す図。
【図10】このETCシステムの基本動作を示すフローチャート。
【図11】第1特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図12】第2特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図13】第2特殊ケースの場合の処理を示すフローチャート。
【図14】発進制御装置の他の例を示す図。
【符号の説明】
A,B…アンテナ通信範囲、1…ブース、11…車線制御装置、17…収受機、22a〜22e…車両検知器、23…踏板、23a…圧力センサ、24…路側表示器、25,26…インターホン表示器、28,38…発進制御装置、29…アンテナ、31…二輪用アンテナ、32…電波吸収フェンス、33…二輪用アンテナ(エラー検知用)、41…腰巻アンテナ、41a…ベルト、41b…アンテナ、42…足首アンテナ、42a…ベルト、42b…アンテナ、43…ICカード処理ユニット、44…表示操作部。
Claims (8)
- 有料道路の料金収受用の車線の入口に配置され、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、
前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、
前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、
前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、
前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、
前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、
前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、
前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、
前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、
前記車線の退出口に配置され、前記車線を全閉、半開および全開の各動作が可能な車両通過阻止手段と、
前記判別手段により判別された車両に応じて前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、
前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記車両通過阻止手段を制御する手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 有料道路の料金収受用の車線の入口に前記車線を横切るように配置され、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するタイヤ圧力検知手段と、
前記タイヤ圧力検知手段により押圧された押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別する判別手段と、
前記車線に進入した四輪車に搭載された車載器と無線通信し料金収受処理を行う第1無線通信手段と、
前記車線に進入した二輪車に搭載された車載器、あるいは前記二輪車の運転者が装着した車載器と無線通信し料金収受処理を行う第2無線通信手段と、
前記車線の退出口に配置され、四輪車および二輪車の通過を阻止あるいは許可する第1車両通過阻止手段と、
前記車線の退出口に配置され、前記二輪車の通過を常に許可すると共に前記四輪車の通過を阻止あるいは許可する第2車両通過阻止手段と、
前記判別手段により判別された車両に応じて、前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させる手段と、
前記第1および第2の無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車の車線通過を阻止するよう前記第1および第2車両通過阻止手段を制御する手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 請求項1乃至3いずれか1記載の料金収受システムにおいて、
前記第2無線通信手段は、
前記車線の入口近傍に配置され、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信する入口二輪無線通信手段と、
前記車線の退出口の少なくとも手前に配置され、前記入口二輪無線通信手段との無線通信で無線処理が異常終了した二輪車の車載器と再度無線通信するエラー用二輪無線通信手段と
を具備したことを特徴とする料金収受システム。 - 有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、
前記入口において判別した車両に応じて、前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、
前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップと
を有することを特徴とする料金収受方法。 - 有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、
前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、
前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、
前記第1および第2無線通信手段のうち少なくとも1つとの料金収受処理が異常終了し料金未収受の二輪車および/または四輪車に対して、前記車線を全閉、半開して車両毎に車線からの退出を阻止するステップと
を有することを特徴とする料金収受方法。 - 有料道路の料金収受用の車線の入口において、前記車線にほぼ同時に進入した車両のタイヤの押圧箇所を検知するステップと、
前記押圧箇所に応じて前記車線に進入した車両が二輪車か四輪車かこれらの組み合わせかを判別するステップと、
前記車線内に配置した四輪車用の第1無線通信手段および二輪車用の第2無線通信手段のうち少なくとも1つを動作させて無線通信による料金収受処理を行う無線処理ステップと、
前記第1無線通信手段との料金収受処理が異常終了し料金未収受の四輪車に対して車線からの退出を阻止すると共に、前記第2無線通信手段と料金収受処理が正常に終了した二輪車に対して車線からの退出を許可するステップと
を有することを特徴とする料金収受方法。 - 請求項5乃至7いずれか1記載の料金収受方法において、
前記無線処理ステップは、
前記車線の入口近傍において、前記車線に進入した二輪車の車載器と無線通信し料金収受処理を行うステップと、
前記無線通信で料金収受処理が異常終了した前記二輪車が前記車線の退出口へ到達するまでに、前記二輪車の車載器と再度無線通信して料金収受処理を行うステップと
を有することを特徴とする料金収受方法。
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JP2005309650A (ja) * | 2004-04-20 | 2005-11-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 自動料金収受システム |
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JP2010211632A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Mitsubishi Electric Corp | 管理装置及び管理方法及び形状検出装置 |
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2002
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