JP2004010956A - ラックバーの熱処理方法及びラックバー - Google Patents
ラックバーの熱処理方法及びラックバー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004010956A JP2004010956A JP2002165825A JP2002165825A JP2004010956A JP 2004010956 A JP2004010956 A JP 2004010956A JP 2002165825 A JP2002165825 A JP 2002165825A JP 2002165825 A JP2002165825 A JP 2002165825A JP 2004010956 A JP2004010956 A JP 2004010956A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rack bar
- rack
- ball screw
- heat treatment
- screw portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D9/00—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
- C21D9/32—Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for gear wheels, worm wheels, or the like
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D3/00—Steering gears
- B62D3/02—Steering gears mechanical
- B62D3/12—Steering gears mechanical of rack-and-pinion type
- B62D3/126—Steering gears mechanical of rack-and-pinion type characterised by the rack
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/06—Surface hardening
- C21D1/09—Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation
- C21D1/10—Surface hardening by direct application of electrical or wave energy; by particle radiation by electric induction
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T74/00—Machine element or mechanism
- Y10T74/19—Gearing
- Y10T74/19642—Directly cooperating gears
- Y10T74/1967—Rack and pinion
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Abstract
【解決手段】ラックバー10は、高周波焼入れ装置によって、連続して送られながら、エンドブッシュガイド部12、ボール螺子部14、中間部18、ラック歯部16の全周が順次連続して高周波焼入れ処理され、その後に、前記順序と逆に連続して送られながら、各部が順次連続して焼戻し処理される。これにより、ラックバー10は、各部位がそれぞれ必要な表面硬度を確保される。また、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了する構成であるため、各部位毎に各別に焼入れ装置が異なったり複数の処理工程を要することがなく、大幅に生産性が向上し、しかも焼入れ処理に伴う部材の捻れ(反り)が生じる可能性が少なくなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の操舵輪を転舵するための車両用操舵装置に適用されるラックバーの熱処理方法及びラックバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵装置においては、左右のナックルアームを連結し操舵輪を転舵するためのステアリング機構(所謂、ラック&ピニオン式)は、ラックバーを備えた構成となっている。また特に、電動パワーアシスト用のステアリング機構に適用されるラックバーは、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部と、電動パワーアシスト用のボール螺子部と、エンドブッシュガイド部と、が一体形成された構成となっている。
【0003】
ここで、この種のラックバーは、所定の部位の必要な表面硬度を確保するために、焼入れ処理が施されている。この場合、ラック歯部は、当該歯部分のみの表面硬度を確保すればよいため(歯に対して部材背面側は焼入れ処理の必要がないため)通電焼入れにて処理され、また、ボール螺子部はその全域に亘って表面硬度を確保する必要があるため高周波焼入れが施され、さらに、エンドブッシュガイド部は焼入れの必要がないため未処理とされていた。
【0004】
これにより、従来のラックバーは、各部位がそれぞれ必要な表面硬度を確保している。
【0005】
しかしながら、前述の如き従来のラックバー及びその熱処理方法では、ラックバーの各部位の必要な表面硬度を確保するためにそれぞれ異なる手段(焼入れ装置や焼入れ方法)にて焼入れ処理を施す構成であったため、各別に焼入れ装置が異なったり、複数の処理工程を要することになり、極めて生産性が悪い欠点があった。
【0006】
また、前述の如き従来のラックバーの熱処理方法では、ラックバーのラック歯部(当該歯部分のみ)に焼入れ処理すると、焼入れ処理に伴う部材の捻れ(反り)が生じる可能性があり、また、各部位を各別に複数の処理工程にて焼入れ処理するため、このような部材の捻れ(反り)が生じないように特別な注意や対策あるいは品質管理が必要であり、これによっても生産性が低下する原因であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、各部位の必要な表面硬度を確保できるに留まらず、部品の精度も向上し、しかも大幅に生産性が向上するラックバーの熱処理方法及びラックバーを得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のラックバーの熱処理方法は、車両用操舵装置に適用され、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部と電動パワーアシスト用のボール螺子部とが一体形成され、左右のナックルアームを連結し操舵輪を転舵するためのラックバーの熱処理方法であって、単一の高周波焼入れ装置によって、前記ラックバーを連続して送りながら、前記ラック歯部とボール螺子部の全周を順次連続して焼入れ処理し、その後に、前記順序と逆に前記ラックバーを連続して送りながら、前記ボール螺子部とラック歯部とを順次連続して焼戻し処理する、ことを特徴としている。
【0009】
請求項1記載のラックバーの熱処理方法では、ラックバーは、単一の高周波焼入れ装置によって、連続して送られながら、ラック歯部とボール螺子部の全周が順次連続して高周波焼入れ処理され、その後に、前記ラックバーは、前記順序と逆に連続して送られながら、ボール螺子部とラック歯部とが順次連続して焼戻し処理される。これにより、ラックバーは、各部位がそれぞれ必要な表面硬度を確保される。
【0010】
ここで、このラックバーの熱処理方法では、ラックバーを連続して送りながら単一の高周波焼入れ装置によってラック歯部とボール螺子部の全周を順次連続して高周波焼入れ処理する構成であるため、換言すれば、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了する構成であるため、各部位毎に各別に焼入れ装置が異なったり複数の処理工程を要することがなく、大幅に生産性が向上する。
【0011】
また、前述の如く1工程にて各部位の焼入れ処理を完了する構成であり、しかも各部位の全周を焼入れ処理する構成であるため、焼入れ処理に伴う部材の捻れ(反り)が生じる可能性が少なくなり、このような部材の捻れ(反り)が生じないように特別な注意や対策あるいは特別な品質管理が不要であり、これによっても生産性が向上する。
【0012】
このように、請求項1記載のラックバーの熱処理方法では、各部位の必要な表面硬度を確保できるに留まらず、部品の精度も向上し、しかも大幅に生産性が向上する。
【0013】
請求項2に係る発明のラックバーの熱処理方法は、請求項1記載のラックバーの熱処理方法において、前記ラック歯部と前記ボール螺子部のそれぞれの要求表面硬度及び要求焼入深さに応じて、前記連続して順次行う前記ラック歯部の焼入れ処理の際の前記ラックバーの送り速度及び加熱温度と、前記ボール螺子部の焼入れ処理の際の前記ラックバーの送り速度及び加熱温度とを各部独自に設定した、ことを特徴としている。
【0014】
請求項2記載のラックバーの熱処理方法では、連続して順次行われるラック歯部の焼入れ処理の際のラックバーの送り速度及び加熱温度と、ボール螺子部の焼入れ処理の際のラックバーの送り速度及び加熱温度とは、各部それぞれの要求表面硬度及び要求焼入深さに応じて独自に設定されている。
【0015】
したがって、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了しても、要求表面硬度及び要求焼入深さを満足することが可能になる。
【0016】
請求項3に係る発明のラックバーは、車両用操舵装置に適用され、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部と電動パワーアシスト用のボール螺子部とが一体形成され、左右のナックルアームを連結し操舵輪を転舵するためラックバーであって、前記ラック歯部とボール螺子部とが、高周波焼入れによって全周に亘って連続して焼入れ処理されている、ことを特徴としている。
【0017】
請求項3記載のラックバーでは、ラック歯部とボール螺子部とは、高周波焼入れによって全周に亘って連続して焼入れ処理されている。これにより、このラックバーは、各部位がそれぞれ必要な表面硬度を確保される。
【0018】
ここで、このラックバーでは、ラック歯部とボール螺子部とが高周波焼入れによって全周に亘って連続して焼入れ処理されているため、ラックバーを連続して送りながら単一の高周波焼入れ装置によってラック歯部とボール螺子部の全周を順次連続して高周波焼入れ処理することができる。換言すれば、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了することが可能となる。したがって、各部位毎に各別に焼入れ装置を異ならせて処理したり、複数の処理工程を要することがなく、大幅に生産性が向上する。
【0019】
また、ラック歯部とボール螺子部の全周が焼入れ処理された構成であるため、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了できることと相俟って、焼入れ処理に伴う部材の捻れ(反り)が生じる可能性が少なくなり、このような部材の捻れ(反り)が生じないような特別な注意や対策あるいは特別な品質管理が不要であり、これによっても生産性が向上する。
【0020】
このように、請求項3記載のラックバーでは、各部位の必要な表面硬度を確保できるに留まらず、部品の精度も向上し、しかも大幅に生産性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1(A)には、本発明の実施の形態に係るラックバー10の全体構成が平面図にて示されており、図1(B)にはこのラックバー10の全体構成が正面図にて示されている。
【0022】
ラックバー10は、電動パワーアシスト用のステアリング機構に適用されるものであり、直径(φ)24mmに形成されたエンドブッシュガイド部12、電動パワーアシスト用のボール螺子部14、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部16、及び、ボール螺子部14とラック歯部16との間の中間部18が一体形成された構成となっている。このラックバー10は、両端部がそれぞれ車両のタイロッドに連結され、さらに各タイロッドはナックルアームを介して操舵輪に連結される構成である。
【0023】
次に、前記ラックバー10を熱処理(焼入れ処理)するための装置について説明する。当該熱処理装置は、例えば、特開平11−21619号公報に示されたもの等を適用することができるが、その一例を図2に示す断面図にて説明する。
【0024】
この熱処理装置(焼入れ処理装置)20は、ワークを高周波焼入れするための装置であり、ワークとしてのラックバー10は、図示を省略した上下移動機構に保持され、この熱処理装置20内を回転しながら上下に移動される構成となっている。
【0025】
またさらに、この熱処理装置20は、ワークとしてのラックバー10の表面を高周波誘導加熱する高周波誘導加熱コイル22と、この高周波誘導加熱コイル22を取り囲むように配設されたガス噴射環24と、ガス噴射環24の下方に配設された冷却液噴射環26とを備えている。
【0026】
高周波誘導加熱コイル22は、ワーク(ラックバー10)の全周を取り囲むようにして設けられており、高周波電源28から高周波電流を付与されることで、対応するワーク(ラックバー10)の表面を所定温度に加熱することができる。
【0027】
また、この高周波誘導加熱コイル22を取り囲むように配設されたガス噴射環24は、その内周面には多数のガス噴射孔30が形成されると共に、ガス導入管32が接続されている。ガス導入管32からは、例えば不活性ガスあるいは還元性ガスが供給されるようになっており、供給された所定圧力及び流量の当該ガスは、ガス噴射環24のガス噴射孔30からワーク(ラックバー10)の表面に噴射されるようになっている。
【0028】
ガス噴射環24の上方には、ハウジング34によってガス充満室36が設けられており、さらに、このガス充満室36にはガス排出管38が接続されている。さらに、ガス排出管38には、排出ガス流量調節弁40及び電磁弁42が直列に接続されている。
【0029】
一方、冷却液噴射環26は、その内周面には多数の冷却液噴射孔44が形成されると共に、冷却液導入管46が接続されて冷却液が供給されるようになっている。供給された所定圧力及び流量の当該冷却液は、冷却液噴射環26の冷却液噴射孔44から加熱後のワーク(ラックバー10)の表面に噴射されるようになっている。
【0030】
次に、以上の構成の熱処理装置20を用いてラックバー10を熱処理する具体的手順を説明する。
【0031】
この熱処理は、図3に示す如く大別して、焼入れ処理工程及び焼戻し処理工程によって構成される。
【0032】
焼入れ処理工程においては、前記熱処理装置20を用いてラックバー10を焼入れ処理する。
【0033】
すなわち、単一の熱処理装置20によって、ラックバー10を連続して送りながら、エンドブッシュガイド部12、ボール螺子部14、中間部18、ラック歯部16の全周を順次連続して焼入れ処理する。この処理に際しては、図2において、ラックバー10は熱処理装置20内を回転しながら順次下向きに移動され、ガス噴射環24のガス噴射孔30から所定の圧力及び流量のガスを噴射されながら、高周波誘導加熱コイル22によって表面を所定温度に加熱される。さらに、加熱後には、冷却液噴射環26の冷却液噴射孔44から所定の圧力及び流量の冷却液を噴射されて、焼入れ処理が実行される。その後には、前記順序と逆にラックバー10を連続して送りながら、順次連続して焼戻し処理が実行される。
【0034】
この場合、図4(A)及び図4(B)には、ラックバー10の各部別の処理条件(高周波誘導加熱するための出力やワークの送り速度等)が示されている。
【0035】
このように、本実施の形態に係る熱処理方法では、ラックバー10は、熱処理装置20(高周波焼入れ装置)によって、連続して送られながら各部の全周が順次連続して高周波焼入れ処理され、その後に、前記順序と逆に連続して送られながら、各部が順次連続して焼戻し処理される。これにより、ラックバー10は、各部位がそれぞれ必要な表面硬度を確保される。特にこの場合、ラックバー10の各部位のそれぞれの要求表面硬度及び要求焼入深さに応じて、前記連続して順次行う焼入れ処理の際のラックバー10の送り速度及び加熱温度を各部独自に設定している。したがって、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了しても、要求表面硬度及び要求焼入深さを満足することができる。
【0036】
ここで、図5乃至図8には、前述の如き熱処理方法によって熱処理したラックバー10の各部の焼入深さに対する表面硬度の分布状況が示されている。なお、図5(A)及び図5(B)はエンドブッシュガイド部12の硬度分布状況であり、図6(A)及び図6(B)はボール螺子部14の硬度分布状況であり、図7(A)及び図7(B)は中間部18の硬度分布状況であり、図8(A)及び図8(C)はラック歯部16の硬度分布状況である。
【0037】
前記各図にて解るように、前述の如き熱処理方法によって熱処理したラックバー10は、各部位のそれぞれの要求表面硬度を満足している。
【0038】
またさらに、このラックバー10の熱処理方法では、ラックバー10を連続して送りながら単一の熱処理装置20によってエンドブッシュガイド部12、ボール螺子部14、中間部18、及び、ラック歯部16の全周を順次連続して高周波焼入れ処理する構成であるため、換言すれば、1工程にて各部位の焼入れ処理を完了する構成であるため、各部位毎に各別に焼入れ装置が異なったり複数の処理工程を要することがなく、大幅に生産性が向上する。
【0039】
また、前述の如く1工程にて各部位の焼入れ処理を完了する構成であり、しかも各部位の全周を焼入れ処理する構成であるため、焼入れ処理に伴う部材の捻れ(反り)が生じる可能性が少なくなり、このような部材の捻れ(反り)が生じないように特別な注意や対策あるいは特別な品質管理が不要であり、これによっても生産性が向上する。
【0040】
このように、本実施の形態に係る熱処理方法及びそのラックバー10では、各部位の必要な表面硬度を確保できるに留まらず、部品の精度も向上し、しかも大幅に生産性が向上する。
【0041】
なお、前述した実施の形態においては、ラックバー10は、エンドブッシュガイド部12、ボール螺子部14、中間部18、及びラック歯部16が一体形成された構成とし、熱処理装置20によってエンドブッシュガイド部12、ボール螺子部14、中間部18、ラック歯部16の全周を順次連続して焼入れ処理する構成としたが、これに限らず、例えばエンドブッシュガイド部12を有しないラックバーであっても適用可能である。すなわち、単一の高周波焼入れ装置によって、前記ラックバーを連続して送りながら、ラック歯部とボール螺子部の全周を順次連続して焼入れ処理する構成とすることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係るラックバーの熱処理方法及びラックバーは、各部位の必要な表面硬度を確保できるに留まらず、部品の精度も向上し、しかも大幅に生産性が向上するという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るラックバーの構成を示し、(A)は平面図であり、(B)は正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る熱処理装置の構成を示す概略的な断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る熱処理の全体構成を示す概略的なブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る熱処理方法における個別の処理条件を示す一覧図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る熱処理方法によって熱処理したラックバーのエンドブッシュガイド部の焼入深さに対する表面硬度の分布状況を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る熱処理方法によって熱処理したラックバーのボール螺子部の焼入深さに対する表面硬度の分布状況を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る熱処理方法によって熱処理したラックバーの中間部の焼入深さに対する表面硬度の分布状況を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る熱処理方法によって熱処理したラックバーのラック歯部の焼入深さに対する表面硬度の分布状況を示す図である。
【符号の説明】
10 ラックバー
12 エンドブッシュガイド部
14 ボール螺子部
16 ラック歯部
18 中間部
20 熱処理装置
22 高周波誘導加熱コイル
24 ガス噴射環
26 冷却液噴射環
Claims (3)
- 車両用操舵装置に適用され、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部と電動パワーアシスト用のボール螺子部とが一体形成され、左右のナックルアームを連結し操舵輪を転舵するためのラックバーの熱処理方法であって、
単一の高周波焼入れ装置によって、前記ラックバーを連続して送りながら、前記ラック歯部とボール螺子部の全周を順次連続して焼入れ処理し、
その後に、前記順序と逆に前記ラックバーを連続して送りながら、前記ボール螺子部とラック歯部とを順次連続して焼戻し処理する、
ことを特徴とするラックバーの熱処理方法。 - 前記ラック歯部と前記ボール螺子部のそれぞれの要求表面硬度及び要求焼入深さに応じて、前記連続して順次行う前記ラック歯部の焼入れ処理の際の前記ラックバーの送り速度及び加熱温度と、前記ボール螺子部の焼入れ処理の際の前記ラックバーの送り速度及び加熱温度とを各部独自に設定した、
ことを特徴とする請求項1記載のラックバーの熱処理方法。 - 車両用操舵装置に適用され、ステアリングホイールに連結されたピニオン歯が噛み合うラック歯部と電動パワーアシスト用のボール螺子部とが一体形成され、左右のナックルアームを連結し操舵輪を転舵するためラックバーであって、
前記ラック歯部とボール螺子部とが、高周波焼入れによって全周に亘って連続して焼入れ処理されている、
ことを特徴とするラックバー。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165825A JP2004010956A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | ラックバーの熱処理方法及びラックバー |
DE60307177T DE60307177T2 (de) | 2002-06-06 | 2003-06-05 | Verfahren zur Wärmebehandlung einer Zahnstange |
EP03012793A EP1369337B1 (en) | 2002-06-06 | 2003-06-05 | Method of heat-treating a rack bar |
US10/455,430 US7721617B2 (en) | 2002-06-06 | 2003-06-06 | Heat-treated rack bar |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165825A JP2004010956A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | ラックバーの熱処理方法及びラックバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004010956A true JP2004010956A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=29545827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002165825A Pending JP2004010956A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | ラックバーの熱処理方法及びラックバー |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7721617B2 (ja) |
EP (1) | EP1369337B1 (ja) |
JP (1) | JP2004010956A (ja) |
DE (1) | DE60307177T2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006123852A (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-18 | Toyoda Mach Works Ltd | ラックバー |
JP2007076587A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Jtekt Corp | ステアリング装置 |
JP2012240638A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Nsk Ltd | ステアリング装置 |
KR101409002B1 (ko) | 2013-02-08 | 2014-06-18 | 박종규 | 자동차용 브이지알 렉바 유도가열 열처리 방법 |
JP2017137536A (ja) * | 2016-02-04 | 2017-08-10 | 高周波熱錬株式会社 | 焼入装置 |
EP3628567A1 (en) | 2018-09-25 | 2020-04-01 | Jtekt Corporation | Steering system |
WO2023026903A1 (ja) * | 2021-08-23 | 2023-03-02 | 日本精工株式会社 | ラック軸およびその製造方法、並びに、ラックピニオン式ステアリングギヤユニット |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NZ610739A (en) | 2012-05-18 | 2014-04-30 | Neturen Co Ltd | Rebar structure and reinforced concrete member |
JP6343431B2 (ja) | 2013-06-03 | 2018-06-13 | 高周波熱錬株式会社 | ラック製造方法及び中空ラックバー |
CN108588359B (zh) * | 2018-07-14 | 2024-02-02 | 湖北汽车工业学院 | 汽车转向节双工位淬火机床与上下料机械手自动控制系统 |
CN110027604B (zh) * | 2019-04-09 | 2021-05-18 | 上海格尔汽车科技发展有限公司 | 一种转向机齿条及其制造方法 |
CN110106339A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-08-09 | 宁夏天地奔牛实业集团有限公司 | 一种连续式齿轨高效感应淬火方法 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57120621A (en) * | 1981-01-20 | 1982-07-27 | Denki Kogyo Kk | Hardening device for rack bar |
JPS57158325A (en) * | 1981-03-26 | 1982-09-30 | High Frequency Heattreat Co Ltd | Rack shaft having quench hardened layer continuous to tooth part and hardening method for tooth part of rack shaft |
US5473960A (en) * | 1993-03-14 | 1995-12-12 | Kabushiki Kaisha Yamada Seisakusho | Steering rack shaft and method of manufacturing the same |
US5428208A (en) * | 1994-11-17 | 1995-06-27 | General Motors Corporation | Method of induction case hardening a rack bar |
JP3739450B2 (ja) | 1995-11-07 | 2006-01-25 | ティーアールダブリュ オートモーティブ ジャパン株式会社 | ネジ軸を備えたステアリング用ラックバー |
US6026924A (en) * | 1997-02-10 | 2000-02-22 | Trw Inc. | Steering gear |
JP3899162B2 (ja) * | 1997-07-01 | 2007-03-28 | 電気興業株式会社 | 軸状部材の高周波無酸化焼入方法及びその装置 |
US5988005A (en) * | 1997-07-04 | 1999-11-23 | Mitsuba Corporation | Electric power steering unit |
JPH1182666A (ja) * | 1997-09-10 | 1999-03-26 | Toyota Motor Corp | ボールねじ |
DE60007190T2 (de) * | 1999-02-04 | 2004-08-12 | Ntn Corp. | Elektrisch angetriebene Lenkeinrichtung |
JP2000282145A (ja) | 1999-03-30 | 2000-10-10 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | 歯車部材の焼入れ焼戻し方法及びその装置 |
JP3526794B2 (ja) * | 1999-10-01 | 2004-05-17 | トヨタ自動車株式会社 | ラックバー |
JP3844922B2 (ja) * | 1999-11-04 | 2006-11-15 | Ntn株式会社 | ボールねじおよびそれを具備する電動パワーステアリング装置 |
JP4235336B2 (ja) * | 2000-02-25 | 2009-03-11 | 電気興業株式会社 | ラックバーの高周波焼入方法及びその高周波焼入装置 |
JP2002154442A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-05-28 | Nsk Ltd | 電動式パワーステアリング装置及びラック軸の製造方法 |
US6706127B1 (en) * | 2002-12-19 | 2004-03-16 | Delphi Technologies, Inc. | Lean manufacturing process for making ball-screw racks |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165825A patent/JP2004010956A/ja active Pending
-
2003
- 2003-06-05 EP EP03012793A patent/EP1369337B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-06-05 DE DE60307177T patent/DE60307177T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-06-06 US US10/455,430 patent/US7721617B2/en active Active
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006123852A (ja) * | 2004-11-01 | 2006-05-18 | Toyoda Mach Works Ltd | ラックバー |
JP4539292B2 (ja) * | 2004-11-01 | 2010-09-08 | 株式会社ジェイテクト | ラックバー |
JP2007076587A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Jtekt Corp | ステアリング装置 |
JP2012240638A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Nsk Ltd | ステアリング装置 |
KR101409002B1 (ko) | 2013-02-08 | 2014-06-18 | 박종규 | 자동차용 브이지알 렉바 유도가열 열처리 방법 |
JP2017137536A (ja) * | 2016-02-04 | 2017-08-10 | 高周波熱錬株式会社 | 焼入装置 |
EP3628567A1 (en) | 2018-09-25 | 2020-04-01 | Jtekt Corporation | Steering system |
WO2023026903A1 (ja) * | 2021-08-23 | 2023-03-02 | 日本精工株式会社 | ラック軸およびその製造方法、並びに、ラックピニオン式ステアリングギヤユニット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE60307177D1 (de) | 2006-09-14 |
DE60307177T2 (de) | 2007-10-18 |
US20040007801A1 (en) | 2004-01-15 |
EP1369337B1 (en) | 2006-08-02 |
EP1369337A1 (en) | 2003-12-10 |
US7721617B2 (en) | 2010-05-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004010956A (ja) | ラックバーの熱処理方法及びラックバー | |
US5473960A (en) | Steering rack shaft and method of manufacturing the same | |
KR19990068141A (ko) | 중공원통형 공작물의 열처리방법 | |
US4808779A (en) | Single cycle, single frequency induction contour hardening process | |
JP5026175B2 (ja) | ワークの製造方法 | |
JP3932809B2 (ja) | 低歪焼入装置と焼入方法 | |
JP5416477B2 (ja) | 直接通電式焼入装置及び直接通電式焼入方法 | |
JP2003183735A5 (ja) | ||
JPH09118925A (ja) | 歯車の熱処理装置及び熱処理方法 | |
JP3676215B2 (ja) | カムシャフトの低歪高周波焼入方法とその装置 | |
JP3880086B2 (ja) | 円筒状ワークの熱処理方法 | |
JPS63274713A (ja) | 棒状部品類の熱処理方法 | |
JP2004131823A (ja) | ラックバーの高周波焼入方法及び装置 | |
JP2012102379A (ja) | 長尺金属部品の熱処理方法および装置とその方法により熱処理された長尺金属部品 | |
JP2006028589A (ja) | 直接通電焼入装置による焼入焼戻方法 | |
JP2001123228A (ja) | 軸付円筒部材の誘導加熱焼入方法および装置 | |
JP5089109B2 (ja) | クランクシャフトの高周波焼戻方法及びこの方法に用いる高周波誘導加熱装置 | |
JP2016089183A (ja) | ワークの熱処理方法 | |
JP4477842B2 (ja) | 高周波誘導加熱方法 | |
JP2004315851A (ja) | ラックバーの高周波焼入方法及び装置 | |
CN1664130A (zh) | 一种用于轮齿部位热处理的工作线圈 | |
JPS635455B2 (ja) | ||
JPH0192030A (ja) | 環状部材の熱処理方法及びその熱処理装置 | |
JPH0144770B2 (ja) | ||
JPH07268481A (ja) | ラックシャフトの高周波焼入法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051114 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20060301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070724 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |