JP2004010103A - プラスチックケース及びプラスチックケース用シートの製造方法 - Google Patents

プラスチックケース及びプラスチックケース用シートの製造方法 Download PDF

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橋本 保雄
Masakazu Hirayama
平山 雅一
Takako Nagaoka
長岡 貴子
Masahisa Fukuda
福田 真久
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Abstract

【課題】化粧品や小型電気製品等の包装に使用される高級感を要求されるプラスチックケースとしてスウェード調等の外観及び触感を有するケースを提供する。
【解決手段】このプラスチックケースは、耐熱性プラスチックフィルム(11)のおもて側の所要面域に発泡性インキ層を印刷し加熱発泡させた発泡層(11)を有する化粧用フィルム(11)と、該化粧用フィルムの裏面側に積層接着された厚肉の未延伸プラスチックシートである基材シート(12)とからなる発泡層付きラミネートシート(1)を素材とし、該発泡層(11)が外側となる向きに折り曲げ成形したものであり、発泡層(11)によるスウェード調等の外観を有し、ソフトな手触り感,深み,質感等を帯有している。発泡層(11)には所望により樹脂等の保護皮膜(11)等が設けられる。表示印刷インキ層(13)は基材シート(12)に設けてもよい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品,小型電気製品,その他の物品の包装用プラスチックケースに係り、詳しくは外側面に化粧層として設けられた発泡層によるスウェード調等の外観を有し、ソフトな触感,深み,質感,高級感等を備えたプラスチックケース及びプラスチックケース用シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品,小型電気製品,雑貨,レトルト食品等の包装に使用される高級感を備えた包装ケースとして、プラスチックシートを折り曲げ成形したプラスチックケース、所謂クリアーケースが知られている。図12は箱型形状を有するプラスチックケースの例を示している。この種のプラスチックケースは、比較的厚肉のプラスチックシート(未延伸プラスチックシート)を素材とし、図11のように、製作しようとするケース(図は箱型ケースの例)の展開平面図形に対応する折り罫線付きブランクシート(30)を切り出し、折り罫線(31)に沿って折り起こすと共に、重ね接着代(36)を接着することにより製作される。ケース素材として厚肉のシートを用いるのは、ケースの形状安定感,重厚感,高級感等を持たせるためであり、ケースの使用態様・形状サイズにもよるが、概して肉厚約150〜500μm程度のシートが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記プラスチックケースは、被包装物品の商品情報(商品名・商標,原材料・成分,用法・効能,製造・販売元名等)のほか、加飾のためのデザイン・着色等が印刷により表示されている程度である。その印刷表示もケースの内側面に設けられるのが通常であり、ケースのおもて側面は素材のプラスチック地のままであるため、視覚的にも触感的にも興趣に乏しい。
本発明は、上記に鑑み、ケース表面に化粧層として発泡層を設けることにより、従来のプラスチックケースでは得られないスウェード調等の外観および触感を帯有させたプラスチックケースおよび該ケース製作用プラスチックシートの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラスチックケースは、耐熱性プラスチックフィルムのおもて側の所要面域に発泡性インキ層を印刷し加熱発泡させた発泡層を有する化粧用フィルムと、該化粧用フィルムの裏面側に積層接着された厚肉の未延伸プラスチックシートである基材シートとからなる発泡層付きプラスチックシートを、該発泡層が外側となる向きに折り曲げ成形してなるケースである。
【0005】
本発明のプラスチックケース用シートの製造方法は、おもて側の所要面域に発泡性インキ層を印刷された耐熱性プラスチックフィルムの該発泡性インキ層を加熱発泡させて発泡層を有する化粧用フィルムを形成する工程と、該化粧用フィルムの裏側面に基材シートである厚肉の未延伸プラスチックシートを積層接着する工程とを有している。
【0006】
本発明のプラスチックケースは、おもて側面に化粧層として形成された発泡層によるスウェード調等の外観及び触感に基づく特有の深み,ソフトな手触り感,質感,高級感等を帯有している。
【0007】
プラスチックケースの素材として、発泡層を設けた耐熱性プラスチックフィルムを化粧用フィルムとし、これを基材シートである厚肉の未延伸プラスチックシートに接合したラミネートシートを使用することとしているのは、発泡層を形成する発泡性インキ印刷層の発泡効果を十分に発現させると共に、ケース形状の安定性,重厚感等を具備させるためである。すなわち、工業製品として供給されるプラスチックフィルム(シート)[未延伸フィルム(シート)と延伸フィルム(シート)とに大別される]において、未延伸シートはこの種のケース素材として十分な肉厚(約150〜500μm)を有するものであっても、熱変形を生じ易く、耐熱性に乏しいため、これに発泡性インキ層を印刷し、加熱発泡処理すると、軟化・熱変形をきたす。他方、延伸フィルム(特に二軸延伸フィルム)は、延伸加工での結晶配向と熱固定による効果として、加熱発泡処理に耐える熱的安定性を有しているが、延伸加工(減肉変形)で薄肉化(通常約10〜50μm程度)されているのが一般的であり肉厚が不足する。また延伸シートで厚肉のものでは、折り曲げが困難でケース素材としての適性に欠ける。そこで本発明は、耐熱性の延伸フィルムに発泡層を設け、これを厚肉の基材シート(未延伸シート)とのラミネート構造とすることにより、発泡層によるスウェード調等の外観・触感等の効果と基材シートによる重厚・安定感とを兼備せしめている。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明について実施例を示す図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明のプラスチックケースを構成する発泡層付きラミネートシートの層構造を示している。
発泡層付きラミネートシート(1)は、化粧用フィルム(11)と基材シート(12)との積層体である。化粧用フィルム(11)は、薄肉の耐熱性プラスチックフィルム(11)(以下「耐熱性フィルム」)とそのおもて側面に設けられた発泡層(11)および裏側面に設けられた表示印刷インキ層(13)(商品情報の表示及び加飾用デザイン・着色等のための印刷層)とからなる。基材シート(12)は厚肉の未延伸プラスチックシートである。化粧用フィルム(11)と基材シート(12)とは接着剤層(14)を介して接合されており、化粧用フィルム(11)はケース(40)の外側面となり、基材シート(12)は内側面となる。
【0009】
化粧用フィルム(11)の発泡層(11)は、耐熱性フィルム(11)に発泡性インキを印刷し加熱発泡させることにより形成された層である。発泡層(11)は、耐熱性フィルム(11)のおもて側の全面域に、または部分的(例えば表示印刷インキ層13の文字・模様などの分布パターンと重なる面域等)に設けられる。
【0010】
発泡層(11)は、比較的軟質で脆く器物の接触等で擦過疵・発泡カプセルの欠損・脱落等を生じやすいので、必要に応じ保護層が設けられる。図1では、発泡層(11)の表面を皮膜(11)で被覆し、該皮膜の潤滑性,耐摩耗性により発泡層(11)を保護するようにしている。発泡層(11)を保護する他の方法としてマットインキが使用される。図2は、耐熱性フィルム(11)の表面にマットインキ層(11)を設け、そのうえに発泡層(11)を形成した例を示している。マットインキ層(11)により発泡層(11)の付着力が強められ、発泡カプセルの欠損・剥落等が抑制防止される。マットインキ層(11)を発泡層(11)の下側に設けると共に、鎖線で示すように発泡層(11)の表面をマットインキ層で被覆すれば、保護効果を一層高めることができる。
【0011】
なお、化粧用フィルム(11)と基材シート(12)のラミネート法として、上記説明では、接着剤層(14)を介して両者を接合一体化することとしているが、これに限定されず、後述する熱ラミネート法を適用することもできる。また図1,図2では、表示印刷インキ層(13)を化粧用フィルム(11)に設けているが、必ずしもそうである必要はなく、図3のように、基材シート(12)に設けてもよく、あるいは同図中、鎖線で示すように、基材シート(12)の内側面に設けても差し支えない。
【0012】
化粧用フィルム(11)に耐熱性フィルムを使用しているのは、前述のように、フィルム表面に印刷された発泡性インキ層を発泡させる加熱処理での熱的安定性を必要とするからである。従って、ここにいうフィルムの「耐熱性」とは、発泡性インキ印刷層の加熱発泡処理において軟化・変形等の熱影響を受けず、ケースの成形に必要な所定の平面形状を安定に維持し得る熱的性質を意味している。このような耐熱性フィルム(11)として、120℃×10秒(オイルバス浸漬)における熱収縮率が3%以下(好ましくは1%以下)の熱的安定性を有するフィルムが好適に使用される。具体例として、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ナイロン等の二軸延伸フィルム等が挙げられる。耐熱性フィルム(11)の肉厚は、例えば10〜50μmである。特に好ましいフィルムとして、肉厚10〜30μmで、熱収縮率(120℃×10秒(オイルバス浸漬))が1%未満の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
【0013】
化粧用フィルム(11)の発泡層(11)を形成する発泡性インキは、熱膨張性マイクロカプセルを含むインキである。熱膨張性マイクロカプセルは、低沸点液体膨張剤(プロパン,ブタン,イソブタン,ペンタン等)をカプセル(ガス透過性の低い熱可塑性樹脂、例えば塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等からなる外殻)に内包したものであり、発泡性インキとして、上記熱膨張性マイクロカプセルを、熱可塑性樹脂(アクリル系樹脂等)をバインダーとする有機溶剤溶液又は水性エマルジョンに分散してなる各種市販品が知られれている。耐熱性フィルム(11)の表面に対する発泡性インキ層の形成は、グラビア印刷,スクリーン印刷などにより行なわれる。
【0014】
発泡性インキ印刷層を加熱発泡して形成される発泡層(11)のスウェード調等の外観・触感は、発泡性インキの構成、塗布層厚、発泡倍率などにより異なる。好ましい具体例として、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径2〜8μm,粒径範囲1〜10μm、該マイクロカプセルの含有量(固形分中)30〜60重量%である発泡性インキを使用し、印刷により耐熱性フィルム(11)の表面に層厚約5〜15μmの発泡性インキ層を形成し、加熱処理により発泡倍率(層厚比)約2〜5倍の発泡層(11)を形成する例が挙げられる。こうして形成される発泡層(11)は、ソフトな感触、質感、深み、高級感等、外観と触感とが合致した優れたスウェード効果を帯有している。
【0015】
発泡層(11)の表面を被覆する保護皮膜(11)は、アクリル系又はウレタン系樹脂等により形成される。耐摩耗性の保護機能をより高めることを望む場合は、上記樹脂にシリコーンや脂肪酸アミド類、オレフィン系ワックス等を適量配合したインキを使用するとよい。保護皮膜(11)は、加熱発泡前の発泡性インキ印刷層(112P)(図5[a])の表面に印刷(グラビア印刷,スクリーン印刷など)により形成しておく。保護皮膜(11)の膜厚は、発泡性インキ印刷層(112P)のマイクロカプセルが発泡しても突き破られない程度の厚さ(約12μm以上)であるのが望ましい。膜厚を厚くするほど保護機能は高められるが、過度に厚くすると、発泡層(11)の凹凸・触感が弱めれるので、約50μm程度の厚さを上限とするのがよい。
【0016】
また、マットインキ層(11)は、アクリル系又はウレタン系樹脂、あるいはこれらの樹脂にシリコン等の微粒子を配合したインキを使用し、適当な層厚(例えば1〜5μm)の印刷層として形成(グラビア印刷,スクリーン印刷等)される。このようなマットインキの具体例として、「MKマットニス」(大日精化工業(株)製)等が挙げられる。
【0017】
基材シート(12)は、この種のケース材料として通常使用されている厚肉のプラスチックシートであり、その具体例としてポリエステル(A−PET等),ポリプロピレン,ポリスチレン等の未延伸フィルムが挙げられる。基材シート(12)の肉厚はケースサイズにより異なるが、概ね150〜500μmである。
【0018】
図4は、発泡層付きラミネートシート(1)の製作工程を示している。
は化粧用フィルム移送ライン、Lは基材シート移送ラインである。化粧用フィルム移送ライン(L)には、発泡性インキ印刷層を発泡させるための加熱装置(22)、例えば熱風等の吹付け装置、赤外線照射装置、又は熱ローラ等が設置され、基材シート移送ライン(L)には、接着剤塗布ロール(23)が配置されている。なお、図5[a]は化粧用フィルム移送ライン(L)のA部における化粧用フィルム(11)の層断面を示している。耐熱性フィルム(11)に設けられている発泡性インキ印刷層(112P)はこの時点では未発泡状態の薄い層である。基材シート移送ライン(L)のB部における基材シート(12)は、図5[b]のように接着剤(14)が塗布されている。
【0019】
化粧用フィルムロール(21)から送り出される化粧用フィルム(11)は、加熱装置(22)を通過する過程で、発泡性インキ印刷層(112P)の発泡反応により発泡層(11)(図1〜図3)が形成される。発泡性インキ印刷層(112P)の発泡・膨張の度合いは、発泡性インキの熱膨張性マイクロカプセルの種類(カプセルに内包された低沸点液体膨張剤の種類やカプセルを形成する樹脂の種類等)やその含有量及び加熱温度等により異なる。加熱温度・時間は加熱方法により適宜設定され、例えば赤外線ヒーターでは、約150〜200℃×1〜5秒、熱風トンネルによる場合は約80〜120℃×10〜30秒とするのが適当である。
【0020】
化粧用フィルム(11)の移送と並行して、ライン(L)の基材シートロール(23)から送り出される基材シート(12)は、接着剤塗布ローラ(24)を通ることにより、図5[b]に示すように接着剤(14)、例えば溶剤系接着剤を塗布される。
【0021】
上記化粧用フィルム(11)と基材シート(12)は押圧ローラ(25)部に到り互いに接面し、移送ライン(L)の押圧ローラ(26)で適度に押し付けられて積層界面の接着を完成する。押圧ロール(26)の下流側のC部では、前記図1〜図3に示した積層構造を有しロール(27)に巻き取られる。
上記ラミネート工程の説明では、接着剤層(14)を基材シート(12)に塗布することとしているが、これに代え化粧用フィルム移送ライン(L)に接着剤塗布ロール(24)を配置し、化粧用フィルム(11)の下面に接着剤層(14)を塗布する構成を採用してもよい。
【0022】
更にラミネート工程の別法として、上記ラミネート法(ドライラミネート)に代え、熱ラミネート法を適用することもできる。熱ラミネート法による場合は、図4における接着剤塗布ロール(24)は省略され、化粧用フィルム(11)の耐熱性フィルム(11)として、下側面に熱ラミネート用接着剤が塗布乾燥されたフィルムが使用される。化粧用フィルム(11)を化粧用フィルムロール(21)から送り出し、加熱装置(22)で発泡性インキ印刷層(112P)を発泡させると共に、熱ラミネート用接着剤を活性化させた後、基材シートロール(22)から送られてくる基材シート(12)と接面させ、移送ライン(L)において押圧ロール(25)により両者の積層界面を熱接着させるようにすればよい。
【0023】
上記発泡層付きプラスチックシート(1)から、製作しようとするケースの平面展開図形に従って、図11に例示されるように、折り罫線(31)が形設された所定の平面形状を有するブランクシート(30)を切り出す。ブランクシート(30)には、折り罫線(31)のほか、必要に応じて、例えばケース(40)の開封部(41)となる個所(図12)に開封用切り取り線(35)が形設されている。
【0024】
折り罫線(31)の形成は、罫線刃の刃先をシート表面に押付ける公知の方法により行なわれる。折り罫線(31)は、発泡層付きプラスチックシート(1)の化粧用フィルム(11)側、または基材シート(12)側のいずれに設けてもよい。図6は折り罫線の例を示している(図[a]:平面図、図[b][c]:X−X矢視断面図)。同図[b]では折り罫線(31)を基材シート(12)側に形成し、同図[c]では化粧用フィルム(11)側に形成している。この折り罫線(31)は、略V字型断面形状を有する条溝(32)からなる一般的な折り罫線であり、条溝(32)は折り罫線方向の連続線又は断続線として形成される。
【0025】
条溝(32)(略V字型又はU字型断面)は、折り曲げ性の点から深く形成するのが有利であるが、深くし過ぎると、ケースを折り曲げ成形する際に、折り曲げ部の割れ・破れを生じやすくなる。従って溝深さは折り曲げ性と耐損傷性の両面の要請を満たすことを要する。適正な溝深さ(D32)は、シートの種類や肉厚により異なるので一概に規定することはできないが、具体例として、シート(1)の全肉厚をHで表すと、約0.5H〜0.9Hの範囲に設定する例が挙げられる。
【0026】
図7は折り罫線(31)の他の例(特開平10−193450号公報所載の折り罫線)を示している。図8[a]は図7のA−A矢視断面、同図[b]は同B−B矢視断面である。この折り罫線(31)は、多数の凹陥(33)からなる。凹陥(33)は折り罫線方向(矢符Y)に対し傾斜した平面視平行四辺形状(図7)及び略V字型断面形状(図8[a])を有する。各凹陥(33)は互いに平行で、折り罫線方向(矢符Y)に一定のピッチで反復形成されている。図8[a][b]では、傾斜凹陥(33)を基材シート(11)側から刻設しているが、図9[a][b]に示すように、化粧用フィルム(12)側から刻設してもよい。
【0027】
図7〜図9に示した折り罫線(31)の凹陥(33)の形態は、折り曲げ性及び耐破損性を考慮して適宜設定される。具体的には、プラスチックシート(1)の全肉厚(化粧用フィルム11と基材シート12の合計肉厚)をHで表すと、凹陥(33)の溝幅(L33):約0.5H〜100H、隣り合う凹陥同士の隙間幅(S33):0.3H〜3H、溝深さ(D33)0.5H〜H、折り罫線方向(矢符Y)に対する凹陥の傾斜角(θ):5〜60°の範囲に設定するのが好ましい。なお、この折り罫線は隣り合う凹陥(33)同士の隙間部(34)にシート肉厚がそのそのまま残されているので、溝深さ(D33)がシートの全肉厚を貫通する深さ(反対側面に達する深さ)であっても、折り曲げ部の耐破損性を保持することができる。
【0028】
ブランクシート(30)を、図10[a][b]に示すように、化粧用フィルム(11)が外側となる向きに折り罫線(31)に沿って折り起すと共に、接着代(36)(図11)を接着剤(例えば溶剤系接着剤等)で接着することにより、図12に例示されるプラスチックケース(40)を得る。なお、折り罫線(31)が化粧用フィルム(11)側に形成されている場合、折り罫線(31)は、前記図10[b]のように山折りとされるので、完成したケース(40)の外面に、折り罫線(31)の条溝(32)や凹陥(33)が開口した状態となるが、その開口は微小であり、かつケースの稜部であるので、ケース外観の視覚効果を損なわれることはない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、おもて面に設けられた発泡層による化粧効果として、スウェード調等の外観と触感とによる、ソフトで、深み、質感、高級感を帯有した興趣に富むプラスチックケースが得られ、商品価値を高めるものである。またケース素材として、予め加熱発泡処理により発泡層を形成した耐熱性フィルムを基材シートと積層したラミネートシートを使用しているので、製作工程においてフィルムの熱変形等の不具合をきたすことなく効率よく製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における発泡層付きラミネートシートの積層構成の例を示す断面図である。
【図2】本発明における発泡層付きラミネートシートの積層構成の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明における発泡層付きラミネートシートの積層構成の他の例を示す断面図である。
【図4】発泡層付きラミネートシートの製作工程の例を示す説明図である。
【図5】図4のA部における化粧用フィルムの断面(図[a])、及びB部における基材シートの断面を示す図(図[b])である。
【図6】折り罫線の形状例を示す図(図[a]:平面図、図[b][c]:x−x矢視断面図)である。
【図7】折り罫線の他の形状例を示す平面図である。
【図8】図7の折り罫線の断面を示す図(図[a]:A−A矢視断面、図[b]:B−B矢視断面)である。
【図9】図7の折り罫線の断面の他の例を示す図(図[a]:A−A矢視断面、図[b]:B−B矢視断面)である。
【図10】折り罫線部の折り曲げ状態の説明図である。
【図11】発泡層付きプラスチックシートから切り出したブランクシートの例を示す平面図である。
【図12】プラスチックケースの形状例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1:発泡層付きラミネートシート
11:化粧用フィルム
11:耐熱性プラスチックフィルム
112P:発泡性インキ印刷層
11:発泡層
11:保護皮膜
11:マットインキ層
12:基材シート
13:表示印刷インキ層
14:接着剤層
21:化粧用フィルムロール
22:加熱装置
23:基材シートロール
24:接着剤塗布ロール
26:押圧ロール(ラミネート接合)
27:発泡層付きラミネートシート巻取りロール
30:ブランクシート
31:折り罫線
32:条溝
33:傾斜凹陥
35:切取り線
36:接着代
40:ケース
41:開封部

Claims (2)

  1. 耐熱性プラスチックフィルムのおもて側の所要面域に発泡性インキ層を印刷し加熱発泡させた発泡層を有する化粧用フィルムと、該化粧用フィルムの裏面側に積層接着された厚肉の未延伸プラスチックシートである基材シートとからなる発泡層付きラミネートシートを、該発泡層が外側となる向きに折り曲げ成形してなるプラスチックケース。
  2. おもて側の所要面域に発泡性インキ層を印刷された耐熱性プラスチックフィルムの該発泡性インキ層を加熱発泡させて発泡層を有する化粧用フィルムを形成する工程と、該化粧用フィルムの裏側面に基材シートである厚肉の未延伸プラスチックシートを積層接着する工程とを有するプラスチックケース用シートの製造方法。
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