JP2004010092A - 断熱容器 - Google Patents
断熱容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004010092A JP2004010092A JP2002164819A JP2002164819A JP2004010092A JP 2004010092 A JP2004010092 A JP 2004010092A JP 2002164819 A JP2002164819 A JP 2002164819A JP 2002164819 A JP2002164819 A JP 2002164819A JP 2004010092 A JP2004010092 A JP 2004010092A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- outer container
- container
- upper lid
- insertion hole
- lock
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Packages (AREA)
- Thermally Insulated Containers For Foods (AREA)
Abstract
【課題】盗難防止効果を発揮しつつ、上蓋の開閉作業を容易に行うことができるように構成された断熱容器を提供する。
【解決手段】断熱容器としての牛乳箱11は、有底四角筒状の外容器12と、その外容器12内に収容される有底四角筒状の内容器13と、外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。外容器12の後端部には上蓋14を回動可能に軸着するための回動手段が設けられ、外容器12と内容器13との間には断熱部材が設けられている。外容器12の前端部と上蓋14との間には、外容器12の上部開口部を上蓋14により閉鎖した状態でロックするためのロック機構(ガイド突条23の切欠き部及び係合突起47の係合爪47a)が設けられている。この牛乳箱11は、前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材17が別体で設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】断熱容器としての牛乳箱11は、有底四角筒状の外容器12と、その外容器12内に収容される有底四角筒状の内容器13と、外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。外容器12の後端部には上蓋14を回動可能に軸着するための回動手段が設けられ、外容器12と内容器13との間には断熱部材が設けられている。外容器12の前端部と上蓋14との間には、外容器12の上部開口部を上蓋14により閉鎖した状態でロックするためのロック機構(ガイド突条23の切欠き部及び係合突起47の係合爪47a)が設けられている。この牛乳箱11は、前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材17が別体で設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、保温又は保冷機能を有し、例えば牛乳ビン、ジュース缶、ヨーグルト容器やアイスクリーム容器を一時的に収容して保存するために使用される断熱容器に関するものである。より詳しくは、著しく操作性が良好なロック機構を備えた断熱容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の断熱容器としては、例えば、合成樹脂により有底四角筒状に形成された外容器と、その外容器内に挿脱可能に収容される合成樹脂製の内容器と、前記外容器の上部開口部を開閉可能に閉鎖する有蓋四角筒状の上蓋とを備えた保冷受箱が知られている。この保冷受箱の外容器の後面上端部と上蓋の後端部との間には、外容器に対し上蓋を回動可能に軸着するための回動部が設けられている。さらに、この保冷受箱の外容器の前面上端部と上蓋の前端部との間には、係合凸部と係合突起とが対向するように突設されており、上蓋により外容器の上部開口部を閉鎖したときには両者が係合され、上蓋が容易に回動しないようにロックされるようになっている。
【0003】
そして、この保冷受箱は、各家庭の玄関に備え付けて使用され、牛乳等の飲料水入りビンやピュアパック等の宅配物を一時的に収容するための宅配用受箱として用いられる。特に、この保冷受箱では、前記係合凸部と係合突起との係合関係のみにより外容器と上蓋とがロックされるように構成されていたことから、配達人による宅配物の挿入を迅速かつ容易に行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の保冷受箱では、誰でもごく簡単に上蓋の開閉ができるようになっていたことから、配達された宅配物が盗まれるおそれもあった。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、盗難防止効果を発揮しつつ、上蓋の開閉作業を容易に行うことができるように構成された断熱容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の断熱容器は、有底筒状に形成された外容器と、その外容器内に収容される有底筒状の内容器と、前記外容器の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋とを備え、前記外容器の後端部には上蓋を回動可能に軸着するための回動手段を設けるとともに、前記外容器と内容器との間に断熱部が設けられた断熱容器であって、前記外容器の前端部と上蓋との間に外容器の上部開口部を上蓋により閉鎖した状態でロックするためのロック機構を設け、さらに前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材を別体で設けたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の断熱容器は、請求項1に記載の発明において、前記ロック機構にロック解除部材を挿入するための挿入孔を設けるとともに、その挿入孔内にロック解除部材を挿入したとき、ロック機構によるロック状態が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の断熱容器は、請求項2に記載の発明において、前記挿入孔内にロック解除部材を挿入していない状態で、前記ロック機構によるロックを行うように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の断熱容器は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記挿入孔内にロック解除部材の先端部が所定方向に挿入されるようにガイドするためのガイド部を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明を具体化した第1実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1から図4に示すように、断熱容器としての牛乳箱11は、有底長四角筒状に形成された外容器12と、その外容器12内に挿脱可能に収容される有底長四角筒状の内容器13と、前記外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。さらに、外容器12と内容器13との間には、発泡ポリスチレン(EPS)により有底長四角筒状に形成された断熱部を構成する下部断熱部材15が挿脱可能に収容されている。加えて、上蓋14の下面には、発泡ポリスチレンにより長四角板状に形成された断熱部を構成する上部断熱部材16が固設されている。
【0012】
この牛乳箱11は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記上蓋14は外容器12及び内容器13に対してロック(施錠)された状態となるように構成されている。さらに、前記ロック状態を解除する際には、図1(b)に示される合成樹脂により略長四角板状に形成されたロック解除部材17が用いられる。このロック解除部材17は、その一端部(基端部)に四角板状の把持部17aが設けられ、他端部(先端部)には四角板状のロック解除部17bが設けられている。
【0013】
外容器12は、ポリプロピレンにより有底長四角筒状に形成されるとともに、長四角板状に形成された底壁20aと、その底壁20aの周縁に立設された各一対の長側壁20b及び短側壁20cとを備えている。
【0014】
図5及び図6に示すように、外容器12の前面に位置する一方の長側壁20bの上端部中央には、外容器12の外側方(前方)に延びる平断面略コ字状に形成されたロックハウジング21が設けられている。このロックハウジング21の内部は、挿入孔を構成する第1挿入孔22が上下方向に延びるように設けられており、前記ロック解除部材17のロック解除部17bが挿入されるようになっている。
【0015】
この第1挿入孔22の中央部には、ガイド部としての対向する前後一対のガイド突条23が上下方向に延びるように設けられている。一方のガイド突条23は外容器12の長側壁20b外側面から上下方向に延びる略長四角板状に突設され、他方のガイド突条23は前記長側壁20bと対向するロックハウジング21の壁面内側面から上下方向に延びる略長四角板状に突設されている。
【0016】
図5(b)及び図6(b)に示すように、両ガイド突条23は、前後に対称な形状に形成されているうえ、その下部には側面四角孔状に切り欠かれた係合段部としての切欠き部23aが設けられている。さらに、両ガイド突条23の上部には、下方ほど僅かに突出するように傾斜したテーパ形状に形成された傾斜面23bが設けられており、対向する前後一対のガイド突条23間に設けられたガイド部としてのスライド係入溝23cの間隔が徐々に狭まるようになっている。
【0017】
また、同第1挿入孔22の一端部には、上下方向に延びるガイド部としてのガイド板24が設けられている。このガイド板24は、外容器12の長側壁20b外側面と、同長側壁20bと対向するロックハウジング21の壁面内側面との間を前後方向に繋ぐ四角板状に形成されている。さらに、このガイド板24の左右両側面は、いずれも下方ほど僅かに狭まるように傾斜したテーパ形状に形成されたテーパ面24aとなっている。
【0018】
図2(b)から図4に示すように、外容器12の後面に位置する他方の長側壁20bの上端部外側面には、側断面逆L字状に形成された逆L字板26が外容器12の外側方に延びるように突設されている。この逆L字板26の両端部には、後面横E字状、側面逆三角形状に形成された左右一対の軸受け部27が外容器12の外側方に延びるように突設されている。この軸受け部27の基端部中央上方位置には、側面逆L字状に形成された回動手段を構成する回動軸受け28が設けられている。この回動軸受け28の先端部下面は、側面円弧状に凹設されている。
【0019】
内容器13は、ポリプロピレンにより略有底長四角筒状(正断面及び側断面略ひ字状)に形成されるとともに、長四角板状に形成された底壁30aと、その底壁30aの周縁に立設された各一対の長側壁30b及び短側壁30cとを備えている。
【0020】
図2(a)及び(b)に示すように、この内容器13の上端部には、内容器13の外側方(水平方向)に延びるように形成された周縁フランジ31が各側壁30b,30cの上端縁全体に渡って連続して延びるように突設されている。この周縁フランジ31は、内容器13を外容器12内に収容したとき、外容器12の上端部と当接されるとともに、外容器12の各側壁20b,20cの上端縁全体を覆うように形成されている。
【0021】
さらに、この周縁フランジ31の前端部には、前記ロックハウジング21の上端部全体を覆うように略四角板状(平面台形状)に形成された台形部32が設けられている。図5及び図6に示すように、この台形部32の中央部には、前記第1挿入孔22内にロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔を構成する第2挿入孔33が平面長四角孔状に貫設されている。
【0022】
図2及び図3に示すように、この周縁フランジ31の内端部には、周縁フランジ31の上面よりも僅かに上方に突出するように形成されるとともに、各側壁30b,30cの上端縁全体に渡って連続して延びるように形成された周縁突部36が設けられている。また、前記周縁フランジ31の外周縁(先端縁)には、上下方向に延びる垂下部37が内容器13の上端部全体に渡って連続して延びるように垂下されている。この垂下部37は、図2に示されるように内容器13を外容器12内に収容したとき、外容器12の上端縁外周面を取り囲むように形成されているうえ、内容器13の前端部中央においては前記ロックハウジング21の上端部外側面を覆うように形成されている。
【0023】
図1から図4に示すように、上蓋14は、ポリプロピレンにより略有蓋長四角筒状に形成されるとともに、長四角板状に形成された上壁40aと、その上壁40aの周縁から垂下された各一対の長側壁40b及び短側壁40cとを備えている。
【0024】
この上蓋14の周縁部には、上蓋14の外側方(水平方向)に延びるように形成された蓋体フランジ41が各側壁40b,40cの下端縁全体に渡って連続して延びるように突設されている。図2に示すように、この蓋体フランジ41は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の周縁フランジ31上面と当接されるとともに、その周縁フランジ31の外周縁(先端縁)全体を覆うように形成されている。
【0025】
この蓋体フランジ41の外周縁(先端縁)には、上下方向に延びる上部垂下部42が上蓋14の外周縁全体に渡って連続して延びるように垂下されている。この上部垂下部42は、図2に示されるように上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の垂下部37の外側方に位置し、その垂下部37全体を取り囲むように形成されている。図2(b)及び図3(b)に示すように、上蓋14の前端部中央には、前記上部垂下部42の下端部外側面から外側方に延びるように突出した把持板43が突設されており、上蓋14を容易に把持することができるようになっている。
【0026】
図1及び図6に示すように、上蓋14の前端部に位置する蓋体フランジ41の基端部中央には、前記ロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔を構成する第3挿入孔46が長孔状に貫設されている。この第3挿入孔46は、ロック解除部材17のロック解除部17bの平断面形状とほぼ同径同形状に形成されている。図3及び図6に示すように、この第3挿入孔46は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の第2挿入孔33の中央部上方に位置するように設けられている。
【0027】
さらに、この第3挿入孔46の一端部に位置する蓋体フランジ41の下面には、正面逆L字状に形成されたロック機構を構成する係合突起47が垂下されている。図6(b)に示すように、この係合突起47は、側面から見たとき第3挿入孔46と第2挿入孔33との中間の幅となるように形成されているうえ、第3挿入孔46の一端部に接するように垂下されている。さらに、図6(a)に示すように、この係合突起47の先端部にはロック機構を構成する係合爪47aが突設されており、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、一対のガイド突条23の切欠き部23aに引掛かって係合するように構成されている。
【0028】
図2(b)から図4に示すように、上蓋14の後端部には、略U字状に形成された回動手段を構成する左右一対の回動軸部49が上部垂下部42の外側面から外側方に突設されている。この回動軸部49の下端部には、横方向(水平方向)に延びる円柱状に形成された回動軸49aが架設されている。これら回動軸49aは、外容器12の回動軸受け28の先端部下面に嵌合されるように構成されており、上蓋14を外容器12に対し回動可能となるように軸着している。また、この上蓋14の上壁40a下面には、上部断熱部材16が固着されている。この上部断熱部材16の周縁部下面は、図2に示されるように、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の周縁フランジ31の上面と密着するように形成されている。
【0029】
上記牛乳箱11の作用について以下に記載する。
この牛乳箱11を製造する際には、まず、外容器12、内容器13及び上蓋14をそれぞれ別々に射出成形するとともに、下部断熱部材15及び上部断熱部材16をそれぞれ別々に成形する。次に、成形後の外容器12の内部に下部断熱部材15を挿入した後、その下部断熱部材15の内部に内容器13を挿入するとともに、上蓋14の下面に上部断熱部材16を固着させた後、その上蓋14の回動軸49aを外容器12の回動軸受け28の先端部に嵌合させる。
【0030】
このとき、内容器13は、周縁フランジ31の下面が外容器12の上端部(ロックハウジング21の上端部及び側壁20b,20cの上端縁)と当接されているうえ、垂下部37の内側面が外容器12の上端部外側面と当接可能な状態で係合されており、外容器12内に安定状態で収容されている。さらに、上蓋14は、回動軸49aを軸に外容器12の上部開口部に対し回動可能となるように軸着されている。
【0031】
この牛乳箱11において、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部が閉鎖されたときには、図6(a)及び(b)に示されるように、上蓋14の前端部中央に設けられた係合突起47が内容器13の第2挿入孔33及び外容器12の第1挿入孔22内に収容されている。さらに、この係合突起47先端部の係合爪47aは、ロックハウジング21内に設けられた対向する前後一対のガイド突条23の両切欠き部23aと係合され、上蓋14が回動されないようにロックしている。
【0032】
さて、この牛乳箱11は、主として屋外に設置して使用される。また、牛乳ビン51の配達人及び牛乳ビン51の購入者(配達依頼人)は、ともに同じロック解除部材17を保有している。
【0033】
この牛乳箱11内に牛乳ビン51を収容する際には、まず、ロック解除部材17の先端部を上蓋14の第3挿入孔46から奥部まで挿入する。このとき、このロック解除部材17先端部のロック解除部17bは、ロックハウジング21内において、対向する前後一対のガイド突条23の両傾斜面23bに沿ってガイドされながら下方へと進行し、前後一対の切欠き部23aと係合状態にある係合爪47aの上面中央部に当接する。続いて、このロック解除部17bは、ロックハウジング21内のガイド板24により係合爪47aから離間する方向への移動が規制されていることから、そのまま係合爪47aの上面を押圧しながら係合突起47の基端部から中央部を弾性変形させる。その結果、このロック解除部17bの第1挿入孔22奥部への挿入により、図6(c)に示されるように、前記係合爪47aと切欠き部23aとの係合状態が解除され、上蓋14と外容器12との間のロック状態が解除される。
【0034】
そして、このロック解除部17bを第1挿入孔22の奥部に挿入したままで、上蓋14の把持板43を上方に引き上げることによって、上蓋14が回動軸49aを軸に上方に回動され、外容器12及び内容器13の上部開口部が開口される。なおこのとき、前記ロック解除部17bは、係合突起47の係合爪47aと当接した状態で上蓋14の第3挿入孔46内に挿通されている。続いて、内容器13の収容空間内に図2(a)に2点鎖線で示される牛乳ビン51及び必要に応じて蓄冷剤52を挿入して収容させる。
【0035】
次に、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖する際には、まず、前記ロック解除部17bを第3挿入孔46内から引き抜いた後、上蓋14を下方に回動させて蓋体フランジ41全体を内容器13の周縁フランジ31上に載置する。このとき、前記係合突起47は、第2挿入孔33及び第1挿入孔22内に挿入されるとともに、係合爪47aが対向する前後一対のガイド突条23の両切欠き部23aに半自動的に係合され、上蓋14と外容器12とがロック状態となる。なお、この牛乳箱11では、前記ロック状態において内容器13の内部の断熱性能が著しく高められている。
【0036】
一方、この牛乳箱11は、上蓋14の蓋体フランジ41及び上部垂下部42が外容器12及び内容器13の上端縁の上方全体及び外側方全体を覆っており、上蓋14の上面に降った雨水が蓋体フランジ41及び上部垂下部42の外面を通って牛乳箱11の下へとそのまま落下する。さらに、内容器13の周縁フランジ31及び垂下部37が外容器12の上端縁の上方全体及び外側方全体を覆っており、仮に強い横風に煽られた雨が降った場合でも外容器12及び内容器13内に浸入することはない。加えて、前記周縁フランジ31の内端部に突設された周縁突部36は、前記強い横風に煽られた雨が内容器13内に浸入するのを極めて効果的に防止するための防壁として機能する。また、この牛乳箱11は、内容器13が外容器12内に係脱可能に収容されているうえ、下部断熱部材15が外容器12内に挿脱可能に収容されていることから、それら内容器13及び下部断熱部材15を外容器12内から取り出して洗浄又は乾拭きすることができる。
【0037】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態の牛乳箱11は、有底四角筒状に形成された外容器12と、その外容器12内に収容される有底四角筒状の内容器13と、外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。さらに、外容器12の後端部には、上蓋14を回動可能に軸着するための回動軸受け28及び回動軸部49(回動軸49a)が設けられているうえ、外容器12と内容器13との間には下部断熱部材15及び上部断熱部材16が設けられている。加えて、外容器12の前端部と上蓋14の前端部との間には、外容器12の上部開口部を上蓋14により閉鎖した状態でロックするためのロック機構(ガイド突条23の切欠き部23a及び係合突起47の係合爪47a)が設けられている。そのうえ、この牛乳箱11は、前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材17が、外容器12、内容器13及び上蓋14とは別体で設けられている。
【0038】
このため、この牛乳箱11は、前記ロック機構により外容器12と上蓋14との間を閉鎖状態でロックできることから、盗難防止効果を発揮することができる。さらに、ロック解除部材17により、前記ロック状態を著しく容易に解除できることから、上蓋14の開閉作業を片手でも容易に行うことができ、牛乳ビン51の配達人及び牛乳ビン51の購入者の作業量をほとんど増やすことがない。特に、この牛乳箱11では、ロック解除部材17が別体で設けられており、ロック解除部材17を保有していない人にとっては、上蓋14の開閉を容易に行うことができないことから盗難防止効果が発揮される。
【0039】
・ この牛乳箱11のロック機構にはロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔(第1挿入孔22、第2挿入孔33及び第3挿入孔46)が設けられており、その挿入孔内にロック解除部材17の先端部を挿入したとき、ロック機構によるロック状態が解除されるようになっている。このため、この牛乳箱11のロック機構では、例えば南京錠のように挿入後の鍵を所定方向に回転させる等の煩雑な作業が不要であることから、片手でも簡単にロック状態の解除を行うことができる。
【0040】
・ この牛乳箱11は、挿入孔(第1挿入孔22、第2挿入孔33及び第3挿入孔46)内にロック解除部材17を挿入していない状態で、ロック機構(切欠き部23a及び係合爪47a)によるロックを行うことができるように構成されている。即ち、この牛乳箱11のロック機構では、ロック状態を解除する最初のステップのみでロック解除部材17が必要とされ、牛乳ビン51の挿脱時及びその後にはロック解除部材17を上蓋14の第3挿入孔46内に挿入しておく必要がない。このため、特に牛乳ビン51の配達人にとっては、牛乳ビン51の挿脱作業後にロック解除部材17の回収し忘れを容易に防止することができる。
【0041】
・ この牛乳箱11は、前記挿入孔内にロック解除部材17の先端部が所定方向に挿入されるようにガイドするためのガイド部としてのガイド突条23(傾斜面23b)及びガイド板24(テーパ面24a)が設けられている。このため、この牛乳箱11では、ロック解除部材17先端部の挿入作業を容易に行うことができる。さらに、前記ガイド部は、ロック解除部材17の先端部を所定方向に押圧しながらロック状態を解除させるようにガイドすることから、ロック状態の解除を容易かつ迅速に行うことができる。
【0042】
(第2実施形態)
この発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、第2実施形態の断熱容器しての牛乳箱11は、上記第1実施形態の牛乳箱11におけるロック機構及びロック解除部材17が異なる以外はほぼ同様の構成を有している。この第2実施形態のロック解除部材61は、合成樹脂により略長四角板状に形成されている。このロック解除部材61の一端部(基端部)には、四角板状の把持部61aが設けられている。同ロック解除部材61の他端部(先端部)は、四角板状に形成された板状部61bと、その板状部61bの前後両側面中央に沿って上下方向に延びる前後一対の係合突条61cとから平断面十字状に形成されている。
【0043】
図7及び図8に示すように、上蓋14の前端部中央に位置する蓋体フランジ41には、平面十字状に形成された挿入孔を構成する第3挿入孔62が貫設されており、前記ロック解除部材61の先端部を挿入するようになっている。この第3挿入孔62よりも僅かに前方に位置する蓋体フランジ41の下面には、ロック機構を構成する略四角板状(側断面略L字状)に形成された係合突起63が垂下されている。この係合突起63の先端部には上蓋14の後方へと延びるロック機構を構成する係合爪63aが突設されている。
【0044】
一方、台形部32の中央部には、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記第3挿入孔62と上下に一致した位置に、平面十字状に形成された挿入孔を構成する第2挿入孔64が貫設されている。さらに、この第2挿入孔64の前端部には、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記係合突起63と上下に一致する位置に、長孔状に形成された第4挿入孔65が貫設されている。これら第2挿入孔64と第4挿入孔65とは互いに連通するように一体的に構成されており、台形部32の中央部には全体として平面土字状の挿入孔が貫設されている。
【0045】
さらに、ロックハウジング21の内部には、平断面略横C字状に形成されたロック機構を構成する係合突部66が設けられている。この係合突部66は、ロックハウジング21内に位置する外容器12の長側壁20b上端部外側面から突設されている。さらに、この係合突部66の中央部に位置する平面十字状に形成された十字凹部67は、外容器12内に内容器13を収容したとき、前記第2挿入孔64と上下に一致した位置に形成されている。即ち、この係合突部66の十字凹部67は、前記第2挿入孔64とともにロック解除部材61の先端部(板状部61b及び係合突条61c)を所定方向に挿入させる挿入孔を構成している。
【0046】
さらに、この十字凹部67の基端部側に位置する側面は、下方ほど僅かに突出するテーパ形状に形成されたガイド部を構成する第2テーパ面67aとなっている。また、この係合突部66の先端部中央には、ロック解除部材61先端部の一方の係合突条61cを挿通させるためのスライド係入溝68が上下方向に延びるように設けられている。
【0047】
そして、この係合突部66の先端部下端面は、図8(a)に示されるように上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記係合突起63の係合爪63aが係合されるようになっている。さらに、図8(b)に示されるように、ロック解除部材61の先端部を十字凹部67内に挿入したときには、そのロック解除部材61の先端部は第2テーパ面67aに沿って僅かに前方に押圧されながら下方へと挿入される。その結果、スライド係入溝68内に挟み込まれている係合突条61cの外側面が係合爪63aの上端面中央を下方に押圧して係合突起63を前方へと弾性変形させ、前記係合突部66の先端部下端面と係合爪63aとの係合状態が解除される。
【0048】
従って、この第2実施形態の牛乳箱11では、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。さらに、係合爪63aが第1実施形態の係合爪47aよりも広い面積で係合するように構成されていることから、ロック状態を高い強度で維持することが容易である。
【0049】
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図9(a)及び(b)に示すように、第3挿入孔46よりも前方に位置する上蓋14の蓋体フランジ41の下面に四角板状の舌片部材71を垂下させること。さらに、第2挿入孔33よりも前方に位置する台形部32に長孔72を貫設し、前記舌片部材71が挿入されるように構成すること。このように構成した場合、舌片部材71が係合突起47の前方を覆っていることから、係合突起47に牛乳ビン51等がぶつかって破壊されるのを効果的に保護することが可能となる。
【0050】
・ 下部断熱部材15を省略してもよい。このように構成した場合、牛乳箱11の構成を容易に簡略化することができるとともに、外容器12の内面と内容器13の外面との間に存在する空気層によって断熱作用を発揮することができる。
【0051】
・ 上部断熱部材16を省略するとともに、上蓋14の下端部(長側壁40b及び短側壁40cの下端部)に底壁を設けること。このように構成した場合、前記底壁と、上壁40a、長側壁40b及び短側壁40cとによって取り囲まれる空間内に存在する空気層によって断熱作用を発揮することができる。
【0052】
・ 下部断熱部材15及び上部断熱部材16を、発泡スチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ウレタン(発泡ウレタン)又はスポンジによって構成してもよい。
【0053】
・ 牛乳箱11を、耐候性の高いポリエチレンによって構成してもよい。
・ キャンプ等のアウトドアで利用されるクーラーボックスに、上記実施形態と同様のロック機構及びロック解除部材17,61を設けてもよい。
【0054】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記ロック機構を係合段部と係合爪との係合関係によって構成するとともに、前記係合段部の中央部にロック解除部材の先端部がスライドしながら係入されるように構成したスライド係入溝を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の断熱容器。
【0055】
(2) 前記ガイド部を、ロック解除部材の先端部がスライド係入溝内に押圧されるようにガイドするように構成したことを特徴とする前記(1)に記載の断熱容器。
【0056】
(3) 前記内容器の上端部全体には外容器の上端縁の上方を覆う周縁フランジを突設するとともに、その周縁フランジの外周縁全体には外容器の上端縁の外側方を覆う垂下部を垂下させ、さらに前記回動手段を前記垂下部よりも外側方に位置するように配設したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の断熱容器。このように構成した場合、外部からの水の浸入を効果的に防止して内部を衛生的に保つことができる。
【0057】
(4) 前記周縁フランジの上面に周縁突部を設けたことを特徴とする前記(3)に記載の断熱容器。
(5) 前記上蓋の外周縁全体に前記垂下部の外側面を取り囲むように構成された上部垂下部を設けたことを特徴とする前記(3)又は前記(4)に記載の断熱容器。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項4に記載の発明の断熱容器によれば、盗難防止効果を発揮しつつ、上蓋の開閉作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【図2】(a)は第1実施形態の一部を破断した牛乳箱を示す正面図、(b)は図2(a)の2b−2b線から見た牛乳箱を示す部分拡大側断面図。
【図3】(a)は第1実施形態の牛乳箱(右半分は上蓋を組付けた状態、左半分は上蓋を組付けていない状態)を示す平面図、(b)は同じく底面図。
【図4】(a)は第1実施形態の一部を破断した牛乳箱を示す側面図、(b)は同じく背面図。
【図5】(a)は第1実施形態の牛乳箱の一部を示す平面図、(b)は同じく牛乳箱の一部を示す底面図。
【図6】(a)は図3(b)の6a−6a線から見たロック状態のロック機構を示す断面図、(b)は図6(a)の6b−6b線から見た側断面図、(c)はロック解除部材により図6(a)のロック状態を解除する様子を示す断面図
【図7】(a)は第2実施形態の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【図8】(a)は図7(b)の8a線から見たロック状態のロック機構を示す断面図、(b)はロック解除部材により図8(a)のロック状態を解除する様子を示す断面図。
【図9】(a)は実施形態以外の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【符号の説明】
11…断熱容器としての牛乳箱、12…外容器、13…内容器、14…上蓋、15…断熱部を構成する下部断熱部材、16…断熱部を構成する上部断熱部材、17…ロック解除部材、22…挿入孔を構成する第1挿入孔、23…ガイド部を構成するガイド突条、23a…ロック機構を構成する切欠き部、23b…ガイド部を構成する傾斜面、23c…ガイド部を構成するスライド係入溝、24…ガイド部を構成するガイド板、24a…ガイド部を構成するテーパ面、28…回動手段を構成する回動軸受け、33…挿通孔を構成する第2挿入孔、46…挿入孔を構成する第3挿入孔、47…ロック機構を構成する係合突起、47a…ロック機構を構成する係合爪、49…回動手段を構成する回動軸部、49a…回動手段を構成する回動軸、61…ロック解除部材、62…挿入孔を構成する第3挿入孔、63…ロック機構を構成する係合突起、63a…ロック機構を構成する係合爪、64…挿入孔を構成する第2挿入孔、66…ロック機構を構成する係合突部、67…挿入孔を構成する十字凹部、67a…ガイド部を構成する第2テーパ面、68…ガイド部を構成するスライド係入溝。
【発明の属する技術分野】
この発明は、保温又は保冷機能を有し、例えば牛乳ビン、ジュース缶、ヨーグルト容器やアイスクリーム容器を一時的に収容して保存するために使用される断熱容器に関するものである。より詳しくは、著しく操作性が良好なロック機構を備えた断熱容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の断熱容器としては、例えば、合成樹脂により有底四角筒状に形成された外容器と、その外容器内に挿脱可能に収容される合成樹脂製の内容器と、前記外容器の上部開口部を開閉可能に閉鎖する有蓋四角筒状の上蓋とを備えた保冷受箱が知られている。この保冷受箱の外容器の後面上端部と上蓋の後端部との間には、外容器に対し上蓋を回動可能に軸着するための回動部が設けられている。さらに、この保冷受箱の外容器の前面上端部と上蓋の前端部との間には、係合凸部と係合突起とが対向するように突設されており、上蓋により外容器の上部開口部を閉鎖したときには両者が係合され、上蓋が容易に回動しないようにロックされるようになっている。
【0003】
そして、この保冷受箱は、各家庭の玄関に備え付けて使用され、牛乳等の飲料水入りビンやピュアパック等の宅配物を一時的に収容するための宅配用受箱として用いられる。特に、この保冷受箱では、前記係合凸部と係合突起との係合関係のみにより外容器と上蓋とがロックされるように構成されていたことから、配達人による宅配物の挿入を迅速かつ容易に行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の保冷受箱では、誰でもごく簡単に上蓋の開閉ができるようになっていたことから、配達された宅配物が盗まれるおそれもあった。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、盗難防止効果を発揮しつつ、上蓋の開閉作業を容易に行うことができるように構成された断熱容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の断熱容器は、有底筒状に形成された外容器と、その外容器内に収容される有底筒状の内容器と、前記外容器の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋とを備え、前記外容器の後端部には上蓋を回動可能に軸着するための回動手段を設けるとともに、前記外容器と内容器との間に断熱部が設けられた断熱容器であって、前記外容器の前端部と上蓋との間に外容器の上部開口部を上蓋により閉鎖した状態でロックするためのロック機構を設け、さらに前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材を別体で設けたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の断熱容器は、請求項1に記載の発明において、前記ロック機構にロック解除部材を挿入するための挿入孔を設けるとともに、その挿入孔内にロック解除部材を挿入したとき、ロック機構によるロック状態が解除されるように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の断熱容器は、請求項2に記載の発明において、前記挿入孔内にロック解除部材を挿入していない状態で、前記ロック機構によるロックを行うように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の断熱容器は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記挿入孔内にロック解除部材の先端部が所定方向に挿入されるようにガイドするためのガイド部を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明を具体化した第1実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1から図4に示すように、断熱容器としての牛乳箱11は、有底長四角筒状に形成された外容器12と、その外容器12内に挿脱可能に収容される有底長四角筒状の内容器13と、前記外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。さらに、外容器12と内容器13との間には、発泡ポリスチレン(EPS)により有底長四角筒状に形成された断熱部を構成する下部断熱部材15が挿脱可能に収容されている。加えて、上蓋14の下面には、発泡ポリスチレンにより長四角板状に形成された断熱部を構成する上部断熱部材16が固設されている。
【0012】
この牛乳箱11は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記上蓋14は外容器12及び内容器13に対してロック(施錠)された状態となるように構成されている。さらに、前記ロック状態を解除する際には、図1(b)に示される合成樹脂により略長四角板状に形成されたロック解除部材17が用いられる。このロック解除部材17は、その一端部(基端部)に四角板状の把持部17aが設けられ、他端部(先端部)には四角板状のロック解除部17bが設けられている。
【0013】
外容器12は、ポリプロピレンにより有底長四角筒状に形成されるとともに、長四角板状に形成された底壁20aと、その底壁20aの周縁に立設された各一対の長側壁20b及び短側壁20cとを備えている。
【0014】
図5及び図6に示すように、外容器12の前面に位置する一方の長側壁20bの上端部中央には、外容器12の外側方(前方)に延びる平断面略コ字状に形成されたロックハウジング21が設けられている。このロックハウジング21の内部は、挿入孔を構成する第1挿入孔22が上下方向に延びるように設けられており、前記ロック解除部材17のロック解除部17bが挿入されるようになっている。
【0015】
この第1挿入孔22の中央部には、ガイド部としての対向する前後一対のガイド突条23が上下方向に延びるように設けられている。一方のガイド突条23は外容器12の長側壁20b外側面から上下方向に延びる略長四角板状に突設され、他方のガイド突条23は前記長側壁20bと対向するロックハウジング21の壁面内側面から上下方向に延びる略長四角板状に突設されている。
【0016】
図5(b)及び図6(b)に示すように、両ガイド突条23は、前後に対称な形状に形成されているうえ、その下部には側面四角孔状に切り欠かれた係合段部としての切欠き部23aが設けられている。さらに、両ガイド突条23の上部には、下方ほど僅かに突出するように傾斜したテーパ形状に形成された傾斜面23bが設けられており、対向する前後一対のガイド突条23間に設けられたガイド部としてのスライド係入溝23cの間隔が徐々に狭まるようになっている。
【0017】
また、同第1挿入孔22の一端部には、上下方向に延びるガイド部としてのガイド板24が設けられている。このガイド板24は、外容器12の長側壁20b外側面と、同長側壁20bと対向するロックハウジング21の壁面内側面との間を前後方向に繋ぐ四角板状に形成されている。さらに、このガイド板24の左右両側面は、いずれも下方ほど僅かに狭まるように傾斜したテーパ形状に形成されたテーパ面24aとなっている。
【0018】
図2(b)から図4に示すように、外容器12の後面に位置する他方の長側壁20bの上端部外側面には、側断面逆L字状に形成された逆L字板26が外容器12の外側方に延びるように突設されている。この逆L字板26の両端部には、後面横E字状、側面逆三角形状に形成された左右一対の軸受け部27が外容器12の外側方に延びるように突設されている。この軸受け部27の基端部中央上方位置には、側面逆L字状に形成された回動手段を構成する回動軸受け28が設けられている。この回動軸受け28の先端部下面は、側面円弧状に凹設されている。
【0019】
内容器13は、ポリプロピレンにより略有底長四角筒状(正断面及び側断面略ひ字状)に形成されるとともに、長四角板状に形成された底壁30aと、その底壁30aの周縁に立設された各一対の長側壁30b及び短側壁30cとを備えている。
【0020】
図2(a)及び(b)に示すように、この内容器13の上端部には、内容器13の外側方(水平方向)に延びるように形成された周縁フランジ31が各側壁30b,30cの上端縁全体に渡って連続して延びるように突設されている。この周縁フランジ31は、内容器13を外容器12内に収容したとき、外容器12の上端部と当接されるとともに、外容器12の各側壁20b,20cの上端縁全体を覆うように形成されている。
【0021】
さらに、この周縁フランジ31の前端部には、前記ロックハウジング21の上端部全体を覆うように略四角板状(平面台形状)に形成された台形部32が設けられている。図5及び図6に示すように、この台形部32の中央部には、前記第1挿入孔22内にロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔を構成する第2挿入孔33が平面長四角孔状に貫設されている。
【0022】
図2及び図3に示すように、この周縁フランジ31の内端部には、周縁フランジ31の上面よりも僅かに上方に突出するように形成されるとともに、各側壁30b,30cの上端縁全体に渡って連続して延びるように形成された周縁突部36が設けられている。また、前記周縁フランジ31の外周縁(先端縁)には、上下方向に延びる垂下部37が内容器13の上端部全体に渡って連続して延びるように垂下されている。この垂下部37は、図2に示されるように内容器13を外容器12内に収容したとき、外容器12の上端縁外周面を取り囲むように形成されているうえ、内容器13の前端部中央においては前記ロックハウジング21の上端部外側面を覆うように形成されている。
【0023】
図1から図4に示すように、上蓋14は、ポリプロピレンにより略有蓋長四角筒状に形成されるとともに、長四角板状に形成された上壁40aと、その上壁40aの周縁から垂下された各一対の長側壁40b及び短側壁40cとを備えている。
【0024】
この上蓋14の周縁部には、上蓋14の外側方(水平方向)に延びるように形成された蓋体フランジ41が各側壁40b,40cの下端縁全体に渡って連続して延びるように突設されている。図2に示すように、この蓋体フランジ41は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の周縁フランジ31上面と当接されるとともに、その周縁フランジ31の外周縁(先端縁)全体を覆うように形成されている。
【0025】
この蓋体フランジ41の外周縁(先端縁)には、上下方向に延びる上部垂下部42が上蓋14の外周縁全体に渡って連続して延びるように垂下されている。この上部垂下部42は、図2に示されるように上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の垂下部37の外側方に位置し、その垂下部37全体を取り囲むように形成されている。図2(b)及び図3(b)に示すように、上蓋14の前端部中央には、前記上部垂下部42の下端部外側面から外側方に延びるように突出した把持板43が突設されており、上蓋14を容易に把持することができるようになっている。
【0026】
図1及び図6に示すように、上蓋14の前端部に位置する蓋体フランジ41の基端部中央には、前記ロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔を構成する第3挿入孔46が長孔状に貫設されている。この第3挿入孔46は、ロック解除部材17のロック解除部17bの平断面形状とほぼ同径同形状に形成されている。図3及び図6に示すように、この第3挿入孔46は、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の第2挿入孔33の中央部上方に位置するように設けられている。
【0027】
さらに、この第3挿入孔46の一端部に位置する蓋体フランジ41の下面には、正面逆L字状に形成されたロック機構を構成する係合突起47が垂下されている。図6(b)に示すように、この係合突起47は、側面から見たとき第3挿入孔46と第2挿入孔33との中間の幅となるように形成されているうえ、第3挿入孔46の一端部に接するように垂下されている。さらに、図6(a)に示すように、この係合突起47の先端部にはロック機構を構成する係合爪47aが突設されており、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、一対のガイド突条23の切欠き部23aに引掛かって係合するように構成されている。
【0028】
図2(b)から図4に示すように、上蓋14の後端部には、略U字状に形成された回動手段を構成する左右一対の回動軸部49が上部垂下部42の外側面から外側方に突設されている。この回動軸部49の下端部には、横方向(水平方向)に延びる円柱状に形成された回動軸49aが架設されている。これら回動軸49aは、外容器12の回動軸受け28の先端部下面に嵌合されるように構成されており、上蓋14を外容器12に対し回動可能となるように軸着している。また、この上蓋14の上壁40a下面には、上部断熱部材16が固着されている。この上部断熱部材16の周縁部下面は、図2に示されるように、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、内容器13の周縁フランジ31の上面と密着するように形成されている。
【0029】
上記牛乳箱11の作用について以下に記載する。
この牛乳箱11を製造する際には、まず、外容器12、内容器13及び上蓋14をそれぞれ別々に射出成形するとともに、下部断熱部材15及び上部断熱部材16をそれぞれ別々に成形する。次に、成形後の外容器12の内部に下部断熱部材15を挿入した後、その下部断熱部材15の内部に内容器13を挿入するとともに、上蓋14の下面に上部断熱部材16を固着させた後、その上蓋14の回動軸49aを外容器12の回動軸受け28の先端部に嵌合させる。
【0030】
このとき、内容器13は、周縁フランジ31の下面が外容器12の上端部(ロックハウジング21の上端部及び側壁20b,20cの上端縁)と当接されているうえ、垂下部37の内側面が外容器12の上端部外側面と当接可能な状態で係合されており、外容器12内に安定状態で収容されている。さらに、上蓋14は、回動軸49aを軸に外容器12の上部開口部に対し回動可能となるように軸着されている。
【0031】
この牛乳箱11において、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部が閉鎖されたときには、図6(a)及び(b)に示されるように、上蓋14の前端部中央に設けられた係合突起47が内容器13の第2挿入孔33及び外容器12の第1挿入孔22内に収容されている。さらに、この係合突起47先端部の係合爪47aは、ロックハウジング21内に設けられた対向する前後一対のガイド突条23の両切欠き部23aと係合され、上蓋14が回動されないようにロックしている。
【0032】
さて、この牛乳箱11は、主として屋外に設置して使用される。また、牛乳ビン51の配達人及び牛乳ビン51の購入者(配達依頼人)は、ともに同じロック解除部材17を保有している。
【0033】
この牛乳箱11内に牛乳ビン51を収容する際には、まず、ロック解除部材17の先端部を上蓋14の第3挿入孔46から奥部まで挿入する。このとき、このロック解除部材17先端部のロック解除部17bは、ロックハウジング21内において、対向する前後一対のガイド突条23の両傾斜面23bに沿ってガイドされながら下方へと進行し、前後一対の切欠き部23aと係合状態にある係合爪47aの上面中央部に当接する。続いて、このロック解除部17bは、ロックハウジング21内のガイド板24により係合爪47aから離間する方向への移動が規制されていることから、そのまま係合爪47aの上面を押圧しながら係合突起47の基端部から中央部を弾性変形させる。その結果、このロック解除部17bの第1挿入孔22奥部への挿入により、図6(c)に示されるように、前記係合爪47aと切欠き部23aとの係合状態が解除され、上蓋14と外容器12との間のロック状態が解除される。
【0034】
そして、このロック解除部17bを第1挿入孔22の奥部に挿入したままで、上蓋14の把持板43を上方に引き上げることによって、上蓋14が回動軸49aを軸に上方に回動され、外容器12及び内容器13の上部開口部が開口される。なおこのとき、前記ロック解除部17bは、係合突起47の係合爪47aと当接した状態で上蓋14の第3挿入孔46内に挿通されている。続いて、内容器13の収容空間内に図2(a)に2点鎖線で示される牛乳ビン51及び必要に応じて蓄冷剤52を挿入して収容させる。
【0035】
次に、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖する際には、まず、前記ロック解除部17bを第3挿入孔46内から引き抜いた後、上蓋14を下方に回動させて蓋体フランジ41全体を内容器13の周縁フランジ31上に載置する。このとき、前記係合突起47は、第2挿入孔33及び第1挿入孔22内に挿入されるとともに、係合爪47aが対向する前後一対のガイド突条23の両切欠き部23aに半自動的に係合され、上蓋14と外容器12とがロック状態となる。なお、この牛乳箱11では、前記ロック状態において内容器13の内部の断熱性能が著しく高められている。
【0036】
一方、この牛乳箱11は、上蓋14の蓋体フランジ41及び上部垂下部42が外容器12及び内容器13の上端縁の上方全体及び外側方全体を覆っており、上蓋14の上面に降った雨水が蓋体フランジ41及び上部垂下部42の外面を通って牛乳箱11の下へとそのまま落下する。さらに、内容器13の周縁フランジ31及び垂下部37が外容器12の上端縁の上方全体及び外側方全体を覆っており、仮に強い横風に煽られた雨が降った場合でも外容器12及び内容器13内に浸入することはない。加えて、前記周縁フランジ31の内端部に突設された周縁突部36は、前記強い横風に煽られた雨が内容器13内に浸入するのを極めて効果的に防止するための防壁として機能する。また、この牛乳箱11は、内容器13が外容器12内に係脱可能に収容されているうえ、下部断熱部材15が外容器12内に挿脱可能に収容されていることから、それら内容器13及び下部断熱部材15を外容器12内から取り出して洗浄又は乾拭きすることができる。
【0037】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態の牛乳箱11は、有底四角筒状に形成された外容器12と、その外容器12内に収容される有底四角筒状の内容器13と、外容器12の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋14とを備えている。さらに、外容器12の後端部には、上蓋14を回動可能に軸着するための回動軸受け28及び回動軸部49(回動軸49a)が設けられているうえ、外容器12と内容器13との間には下部断熱部材15及び上部断熱部材16が設けられている。加えて、外容器12の前端部と上蓋14の前端部との間には、外容器12の上部開口部を上蓋14により閉鎖した状態でロックするためのロック機構(ガイド突条23の切欠き部23a及び係合突起47の係合爪47a)が設けられている。そのうえ、この牛乳箱11は、前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材17が、外容器12、内容器13及び上蓋14とは別体で設けられている。
【0038】
このため、この牛乳箱11は、前記ロック機構により外容器12と上蓋14との間を閉鎖状態でロックできることから、盗難防止効果を発揮することができる。さらに、ロック解除部材17により、前記ロック状態を著しく容易に解除できることから、上蓋14の開閉作業を片手でも容易に行うことができ、牛乳ビン51の配達人及び牛乳ビン51の購入者の作業量をほとんど増やすことがない。特に、この牛乳箱11では、ロック解除部材17が別体で設けられており、ロック解除部材17を保有していない人にとっては、上蓋14の開閉を容易に行うことができないことから盗難防止効果が発揮される。
【0039】
・ この牛乳箱11のロック機構にはロック解除部材17の先端部を挿入するための挿入孔(第1挿入孔22、第2挿入孔33及び第3挿入孔46)が設けられており、その挿入孔内にロック解除部材17の先端部を挿入したとき、ロック機構によるロック状態が解除されるようになっている。このため、この牛乳箱11のロック機構では、例えば南京錠のように挿入後の鍵を所定方向に回転させる等の煩雑な作業が不要であることから、片手でも簡単にロック状態の解除を行うことができる。
【0040】
・ この牛乳箱11は、挿入孔(第1挿入孔22、第2挿入孔33及び第3挿入孔46)内にロック解除部材17を挿入していない状態で、ロック機構(切欠き部23a及び係合爪47a)によるロックを行うことができるように構成されている。即ち、この牛乳箱11のロック機構では、ロック状態を解除する最初のステップのみでロック解除部材17が必要とされ、牛乳ビン51の挿脱時及びその後にはロック解除部材17を上蓋14の第3挿入孔46内に挿入しておく必要がない。このため、特に牛乳ビン51の配達人にとっては、牛乳ビン51の挿脱作業後にロック解除部材17の回収し忘れを容易に防止することができる。
【0041】
・ この牛乳箱11は、前記挿入孔内にロック解除部材17の先端部が所定方向に挿入されるようにガイドするためのガイド部としてのガイド突条23(傾斜面23b)及びガイド板24(テーパ面24a)が設けられている。このため、この牛乳箱11では、ロック解除部材17先端部の挿入作業を容易に行うことができる。さらに、前記ガイド部は、ロック解除部材17の先端部を所定方向に押圧しながらロック状態を解除させるようにガイドすることから、ロック状態の解除を容易かつ迅速に行うことができる。
【0042】
(第2実施形態)
この発明の第2実施形態を第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、第2実施形態の断熱容器しての牛乳箱11は、上記第1実施形態の牛乳箱11におけるロック機構及びロック解除部材17が異なる以外はほぼ同様の構成を有している。この第2実施形態のロック解除部材61は、合成樹脂により略長四角板状に形成されている。このロック解除部材61の一端部(基端部)には、四角板状の把持部61aが設けられている。同ロック解除部材61の他端部(先端部)は、四角板状に形成された板状部61bと、その板状部61bの前後両側面中央に沿って上下方向に延びる前後一対の係合突条61cとから平断面十字状に形成されている。
【0043】
図7及び図8に示すように、上蓋14の前端部中央に位置する蓋体フランジ41には、平面十字状に形成された挿入孔を構成する第3挿入孔62が貫設されており、前記ロック解除部材61の先端部を挿入するようになっている。この第3挿入孔62よりも僅かに前方に位置する蓋体フランジ41の下面には、ロック機構を構成する略四角板状(側断面略L字状)に形成された係合突起63が垂下されている。この係合突起63の先端部には上蓋14の後方へと延びるロック機構を構成する係合爪63aが突設されている。
【0044】
一方、台形部32の中央部には、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記第3挿入孔62と上下に一致した位置に、平面十字状に形成された挿入孔を構成する第2挿入孔64が貫設されている。さらに、この第2挿入孔64の前端部には、上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記係合突起63と上下に一致する位置に、長孔状に形成された第4挿入孔65が貫設されている。これら第2挿入孔64と第4挿入孔65とは互いに連通するように一体的に構成されており、台形部32の中央部には全体として平面土字状の挿入孔が貫設されている。
【0045】
さらに、ロックハウジング21の内部には、平断面略横C字状に形成されたロック機構を構成する係合突部66が設けられている。この係合突部66は、ロックハウジング21内に位置する外容器12の長側壁20b上端部外側面から突設されている。さらに、この係合突部66の中央部に位置する平面十字状に形成された十字凹部67は、外容器12内に内容器13を収容したとき、前記第2挿入孔64と上下に一致した位置に形成されている。即ち、この係合突部66の十字凹部67は、前記第2挿入孔64とともにロック解除部材61の先端部(板状部61b及び係合突条61c)を所定方向に挿入させる挿入孔を構成している。
【0046】
さらに、この十字凹部67の基端部側に位置する側面は、下方ほど僅かに突出するテーパ形状に形成されたガイド部を構成する第2テーパ面67aとなっている。また、この係合突部66の先端部中央には、ロック解除部材61先端部の一方の係合突条61cを挿通させるためのスライド係入溝68が上下方向に延びるように設けられている。
【0047】
そして、この係合突部66の先端部下端面は、図8(a)に示されるように上蓋14により外容器12及び内容器13の上部開口部を閉鎖したとき、前記係合突起63の係合爪63aが係合されるようになっている。さらに、図8(b)に示されるように、ロック解除部材61の先端部を十字凹部67内に挿入したときには、そのロック解除部材61の先端部は第2テーパ面67aに沿って僅かに前方に押圧されながら下方へと挿入される。その結果、スライド係入溝68内に挟み込まれている係合突条61cの外側面が係合爪63aの上端面中央を下方に押圧して係合突起63を前方へと弾性変形させ、前記係合突部66の先端部下端面と係合爪63aとの係合状態が解除される。
【0048】
従って、この第2実施形態の牛乳箱11では、上記第1実施形態と同様の効果が発揮される。さらに、係合爪63aが第1実施形態の係合爪47aよりも広い面積で係合するように構成されていることから、ロック状態を高い強度で維持することが容易である。
【0049】
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図9(a)及び(b)に示すように、第3挿入孔46よりも前方に位置する上蓋14の蓋体フランジ41の下面に四角板状の舌片部材71を垂下させること。さらに、第2挿入孔33よりも前方に位置する台形部32に長孔72を貫設し、前記舌片部材71が挿入されるように構成すること。このように構成した場合、舌片部材71が係合突起47の前方を覆っていることから、係合突起47に牛乳ビン51等がぶつかって破壊されるのを効果的に保護することが可能となる。
【0050】
・ 下部断熱部材15を省略してもよい。このように構成した場合、牛乳箱11の構成を容易に簡略化することができるとともに、外容器12の内面と内容器13の外面との間に存在する空気層によって断熱作用を発揮することができる。
【0051】
・ 上部断熱部材16を省略するとともに、上蓋14の下端部(長側壁40b及び短側壁40cの下端部)に底壁を設けること。このように構成した場合、前記底壁と、上壁40a、長側壁40b及び短側壁40cとによって取り囲まれる空間内に存在する空気層によって断熱作用を発揮することができる。
【0052】
・ 下部断熱部材15及び上部断熱部材16を、発泡スチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、ウレタン(発泡ウレタン)又はスポンジによって構成してもよい。
【0053】
・ 牛乳箱11を、耐候性の高いポリエチレンによって構成してもよい。
・ キャンプ等のアウトドアで利用されるクーラーボックスに、上記実施形態と同様のロック機構及びロック解除部材17,61を設けてもよい。
【0054】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記ロック機構を係合段部と係合爪との係合関係によって構成するとともに、前記係合段部の中央部にロック解除部材の先端部がスライドしながら係入されるように構成したスライド係入溝を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の断熱容器。
【0055】
(2) 前記ガイド部を、ロック解除部材の先端部がスライド係入溝内に押圧されるようにガイドするように構成したことを特徴とする前記(1)に記載の断熱容器。
【0056】
(3) 前記内容器の上端部全体には外容器の上端縁の上方を覆う周縁フランジを突設するとともに、その周縁フランジの外周縁全体には外容器の上端縁の外側方を覆う垂下部を垂下させ、さらに前記回動手段を前記垂下部よりも外側方に位置するように配設したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の断熱容器。このように構成した場合、外部からの水の浸入を効果的に防止して内部を衛生的に保つことができる。
【0057】
(4) 前記周縁フランジの上面に周縁突部を設けたことを特徴とする前記(3)に記載の断熱容器。
(5) 前記上蓋の外周縁全体に前記垂下部の外側面を取り囲むように構成された上部垂下部を設けたことを特徴とする前記(3)又は前記(4)に記載の断熱容器。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項4に記載の発明の断熱容器によれば、盗難防止効果を発揮しつつ、上蓋の開閉作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施形態の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【図2】(a)は第1実施形態の一部を破断した牛乳箱を示す正面図、(b)は図2(a)の2b−2b線から見た牛乳箱を示す部分拡大側断面図。
【図3】(a)は第1実施形態の牛乳箱(右半分は上蓋を組付けた状態、左半分は上蓋を組付けていない状態)を示す平面図、(b)は同じく底面図。
【図4】(a)は第1実施形態の一部を破断した牛乳箱を示す側面図、(b)は同じく背面図。
【図5】(a)は第1実施形態の牛乳箱の一部を示す平面図、(b)は同じく牛乳箱の一部を示す底面図。
【図6】(a)は図3(b)の6a−6a線から見たロック状態のロック機構を示す断面図、(b)は図6(a)の6b−6b線から見た側断面図、(c)はロック解除部材により図6(a)のロック状態を解除する様子を示す断面図
【図7】(a)は第2実施形態の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【図8】(a)は図7(b)の8a線から見たロック状態のロック機構を示す断面図、(b)はロック解除部材により図8(a)のロック状態を解除する様子を示す断面図。
【図9】(a)は実施形態以外の牛乳箱を示す斜視図、(b)は同じく牛乳箱の一部を拡大した斜視図。
【符号の説明】
11…断熱容器としての牛乳箱、12…外容器、13…内容器、14…上蓋、15…断熱部を構成する下部断熱部材、16…断熱部を構成する上部断熱部材、17…ロック解除部材、22…挿入孔を構成する第1挿入孔、23…ガイド部を構成するガイド突条、23a…ロック機構を構成する切欠き部、23b…ガイド部を構成する傾斜面、23c…ガイド部を構成するスライド係入溝、24…ガイド部を構成するガイド板、24a…ガイド部を構成するテーパ面、28…回動手段を構成する回動軸受け、33…挿通孔を構成する第2挿入孔、46…挿入孔を構成する第3挿入孔、47…ロック機構を構成する係合突起、47a…ロック機構を構成する係合爪、49…回動手段を構成する回動軸部、49a…回動手段を構成する回動軸、61…ロック解除部材、62…挿入孔を構成する第3挿入孔、63…ロック機構を構成する係合突起、63a…ロック機構を構成する係合爪、64…挿入孔を構成する第2挿入孔、66…ロック機構を構成する係合突部、67…挿入孔を構成する十字凹部、67a…ガイド部を構成する第2テーパ面、68…ガイド部を構成するスライド係入溝。
Claims (4)
- 有底筒状に形成された外容器と、その外容器内に収容される有底筒状の内容器と、前記外容器の上部開口部を開閉可能に閉鎖する上蓋とを備え、
前記外容器の後端部には上蓋を回動可能に軸着するための回動手段を設けるとともに、前記外容器と内容器との間に断熱部が設けられた断熱容器であって、
前記外容器の前端部と上蓋との間に外容器の上部開口部を上蓋により閉鎖した状態でロックするためのロック機構を設け、
さらに前記ロック機構によるロック状態を解除するためのロック解除部材を別体で設けたことを特徴とする断熱容器。 - 前記ロック機構にロック解除部材を挿入するための挿入孔を設けるとともに、
その挿入孔内にロック解除部材を挿入したとき、ロック機構によるロック状態が解除されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。 - 前記挿入孔内にロック解除部材を挿入していない状態で、前記ロック機構によるロックを行うように構成したことを特徴とする請求項2に記載の断熱容器。
- 前記挿入孔内にロック解除部材の先端部が所定方向に挿入されるようにガイドするためのガイド部を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の断熱容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164819A JP2004010092A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 断熱容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002164819A JP2004010092A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 断熱容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004010092A true JP2004010092A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30432863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002164819A Pending JP2004010092A (ja) | 2002-06-05 | 2002-06-05 | 断熱容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004010092A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014189279A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Inoac Corp | 保管容器 |
JP2014189295A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Inoac Corp | 保管容器 |
JP2017013889A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | 株式会社ニシキ | 容器セットおよび容器セットにおいて内容器を固定する方法 |
KR102586872B1 (ko) * | 2022-08-23 | 2023-10-10 | 엔피씨(주) | 경량화 되고 단열성능이 향상된 보냉상자 |
JP7394048B2 (ja) | 2020-12-22 | 2023-12-07 | 株式会社イノアックコーポレーション | 箱体 |
-
2002
- 2002-06-05 JP JP2002164819A patent/JP2004010092A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014189279A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Inoac Corp | 保管容器 |
JP2014189295A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Inoac Corp | 保管容器 |
JP2017013889A (ja) * | 2015-07-06 | 2017-01-19 | 株式会社ニシキ | 容器セットおよび容器セットにおいて内容器を固定する方法 |
JP7394048B2 (ja) | 2020-12-22 | 2023-12-07 | 株式会社イノアックコーポレーション | 箱体 |
KR102586872B1 (ko) * | 2022-08-23 | 2023-10-10 | 엔피씨(주) | 경량화 되고 단열성능이 향상된 보냉상자 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6364329B1 (en) | Cooler with beverage dispenser | |
US4899904A (en) | Beverage can cartridge | |
US4686840A (en) | Lock guard | |
JP2004010092A (ja) | 断熱容器 | |
US6182482B1 (en) | Tamper proof lock assembly and key | |
US5230231A (en) | Padlock | |
US20210244191A1 (en) | Combination Outdoor Furniture and Locking Package Storage and Ice Chest | |
JPH10250778A (ja) | 携帯用容器 | |
JP3443621B2 (ja) | 車両用物入れ | |
JP3057618B2 (ja) | 扉のハンドル装置 | |
JP2019118309A (ja) | 保冷箱 | |
JP3836383B2 (ja) | 保冷容器の蓋体取付構造 | |
JP2003048474A (ja) | カップホルダ装置 | |
JP2510470Y2 (ja) | 携帯用断熱容器 | |
JP2002302142A (ja) | 容 器 | |
JPH06281319A (ja) | 低温貯蔵庫 | |
JPS5921080Y2 (ja) | 自動車における物品収納装置 | |
JPH0141611Y2 (ja) | ||
KR100596530B1 (ko) | 냉장고용 도어개폐장치 | |
KR200155220Y1 (ko) | 탁상용 금고 | |
KR100512729B1 (ko) | 냉장고 | |
JPS645737Y2 (ja) | ||
JPH0348908Y2 (ja) | ||
JP2582060Y2 (ja) | 傘立て用錠 | |
JP2537308Y2 (ja) | 自転車用サドルカバー入れ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070925 |