JP2004008704A - 遊技機用のヒンジ - Google Patents
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Abstract
【課題】外枠に対して前枠を容易に着脱することができる遊技機用のヒンジを提供する。
【解決手段】上部前枠ヒンジ17は、前枠に固定されるヒンジ本体23と、ヒンジ本体23に固定される軸受体24とを備えている。また、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23に水平移動可能に設けられる作動体25と、ヒンジ本体23に水平移動可能に設けられるストッパ部材26とを備えている。さらに、ヒンジ本体23は作動体25及びストッパ部材26の水平移動を案内する案内部材27を備えている。そして、作動体25は水平移動によって上部支軸の支持状態と、挿脱状態とに移行することができる。また、作動体25は、第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、挿脱状態の方向に付勢されている。さらに、ストッパ部材26は、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、第1摺動部37aと係合する方向に付勢されている。
【選択図】 図1
【解決手段】上部前枠ヒンジ17は、前枠に固定されるヒンジ本体23と、ヒンジ本体23に固定される軸受体24とを備えている。また、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23に水平移動可能に設けられる作動体25と、ヒンジ本体23に水平移動可能に設けられるストッパ部材26とを備えている。さらに、ヒンジ本体23は作動体25及びストッパ部材26の水平移動を案内する案内部材27を備えている。そして、作動体25は水平移動によって上部支軸の支持状態と、挿脱状態とに移行することができる。また、作動体25は、第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、挿脱状態の方向に付勢されている。さらに、ストッパ部材26は、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、第1摺動部37aと係合する方向に付勢されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、枠内に遊技盤を保持する前枠を外枠に回動かつ着脱可能に軸支するための遊技機用のヒンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が外枠により形成され、この外枠の前面には、四角枠状をなす前枠が開閉可能に軸支されている。この前枠には、打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、枠内には遊技盤を保持できるようになっている。
【0003】
外枠の上端隅部には正面横L字状の上部外枠ヒンジが取着されている。この上部外枠ヒンジには、上部支軸が垂下されている。一方、外枠の下端隅部には正面L字状の下部外枠ヒンジが取着されている。この下部外枠ヒンジには下部支軸が上方に延びるように設けられている。
【0004】
前枠の上端隅部には、側面逆L字状の上部前枠ヒンジが取着されている。この上部前枠ヒンジは、前枠にねじによって取着されるヒンジ本体と、平面U字状の軸受金具と、合成樹脂から鍵形状に形成されたロックレバーとを備えている。
【0005】
この軸受金具には軸支凹部が後方に開口するように凹設され、この軸支凹部には上部支軸が水平方向から挿入可能となっている。そして、軸支凹部はその内面によって上部支軸を回動可能に支持することができる。
【0006】
ロックレバーの基端部には、平面扇形状のロック部が設けられるとともに、ロック部の先端にはレバー片が突設されている。このレバー片は支持ピンによってヒンジ本体に回動可能に支持されている。そして、ロック部の回動によって軸支凹部の開口部分は開閉されるようになっている。また、ロック部はねじりコイルばねの付勢力によって軸支凹部の開口部分を閉止する方向に付勢されている。
【0007】
前枠の下端隅部には側面L字状の下部前枠ヒンジが取着されている。この下部前枠ヒンジには下部支軸挿通孔が透設され、下部支軸挿通孔の下方から下部支軸が挿通されることによって下部外枠ヒンジに下部前枠ヒンジが回動可能に軸支されている。
【0008】
前枠を外枠に取着するには、まず下部支軸挿通孔に下部支軸を挿通させる。次に上部支軸をロック部に摺動させることによって、ロック部をねじりコイルばねの付勢力に抗して回動させて、軸支凹部の開口部分から上部支軸を軸支凹部に挿入させる。このとき、ロック部はねじりコイルばねの付勢力によって軸支凹部の開口部分を閉止して上部支軸が軸支凹部から抜け止めされる。
【0009】
また、外枠から前枠を取り外すには、レバー片を手動で回動操作することによって、ねじりコイルばねの付勢力に抗してロック部を回動させ、軸支凹部の開口部分を開口状態とする。そして、レバー片をそのまま保持することによって開口状態を維持し軸支凹部の開口部分から上部支軸を抜き出す。次に、下部支軸挿通孔から下部支軸を抜き出すことによって前枠を取り外すようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術では、外枠から前枠を取り外すには、レバー片を軸支凹部の開口状態に保持する必要があるため、外枠から前枠を取り外す操作が面倒であるという問題があった。
【0011】
本発明は上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。本発明の目的は、外枠に対して前枠を容易に着脱することができる遊技機用のヒンジを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、垂直方向に延びる縦枠材と水平方向に延びる横枠材から四角枠状に形成されて外郭をなす外枠と、遊技盤が保持されて前記外枠に重なるように設けられる前枠とを備えた遊技機に用いられ、前記前枠の上端隅部及び下端隅部を外枠の一側に軸支して外枠に対して前枠を回動かつ着脱可能にする遊技機用のヒンジにおいて、前記前枠と外枠の一方に固定されるヒンジ本体と、該ヒンジ本体に固定される軸受体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられる作動体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられるストッパ部材と、前記作動体及びストッパ部材の水平移動を案内する案内部材と、作動体及びストッパ部材を付勢する付勢部材とを備え、前記軸受体と作動体には前枠と外枠の他方に立設される支持軸を支持する軸支部が設けられ、該軸支部には前記支持軸が水平方向から挿入可能であり、作動体の水平移動によって支持軸が軸支部に支持される支持状態と、支持軸が軸支部に挿脱可能な挿脱状態とに移行することができ、前記支持状態では前記ストッパ部材が作動体に係合することによって作動体の移動は規制され、前記付勢部材によって作動体は挿脱状態に移行する方向に付勢されるとともに、ストッパ部材は作動体と係合する方向に付勢されるものである。
【0013】
請求項2に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1に記載の発明において、前記ストッパ部材は作動体と同一平面に設けられ、作動体の移動方向と直交する方向に移動するものである。
【0014】
請求項3に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ストッパ部材には、作動体が支持状態と挿脱状態の双方に移行する際の作動体の移動を案内する案内面が形成されているものである。
【0015】
請求項4に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記作動体は前枠の前後方向に水平移動可能に設けられ、外枠に対する前枠の閉止方向への回動に伴って、作動体の軸支部に挿入された支持軸によって作動体が押圧され、作動体が挿脱状態から支持状態に移行するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ遊技機用のヒンジに具体化した実施形態を図1〜図4に従って詳細に説明する。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0017】
図4に示すように、パチンコ遊技機11は垂直方向に延びる縦枠材12と水平方向に延びる横枠材13から縦長四角枠状に形成された外枠14により外郭が形成されている。この外枠14の前面には、四角枠状をなす前枠15が重なるように設けられるとともに、前枠15の左側上下隅部は外枠14に回動かつ着脱可能に支持されている。この前枠15には、打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、枠内には四角板状の遊技盤16が保持されている。前枠15の前面には、図示しないガラス扉が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機11の前面から遊技盤16が視認可能となっている。このパチンコ遊技機11は外枠14が遊技店内等における設置枠台に固定され、島設備を構成している。そして、前枠15は外枠14に閉止されるとともに図示しない施錠装置によって施錠されパチンコ遊技機11は遊技に供されている。
【0018】
前枠15の上端左隅部には遊技機用のヒンジとしての側面逆L字状の上部前枠ヒンジ17が取着されている。一方、外枠14の上端左隅部には正面横L字状の上部外枠ヒンジ18が取着されている。図2に示すように、この上部外枠ヒンジ18は水平方向に延びる水平板19と垂直方向に延びる垂直板20から構成され、水平板19には三角板状の上部軸取付部21が前方に延びるように形成されている。この上部軸取付部21の略中央には、支持軸としての上部支軸22が垂下され、この上部支軸22は上部前枠ヒンジ17に回動可能に支持されるようになっている。
【0019】
図1に示すように上部前枠ヒンジ17は、図1に2点鎖線で示す前枠15の上端隅部に固定される側面逆L字状のヒンジ本体23と、ヒンジ本体23に固定される三角板状の軸受体24とを備えている。また、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23に水平移動可能に設けられるT字板状の作動体25と、ヒンジ本体23に水平移動可能に設けられる四角板状のストッパ部材26とを備えている。さらに、ヒンジ本体23は作動体25及びストッパ部材26の水平移動を案内するC字板状の案内部材27と、作動体25及びストッパ部材26を付勢する付勢部材としての第1圧縮コイルばね28及び第2圧縮コイルばね29を備えている。
【0020】
これらのヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は亜鉛メッキ鋼板等の金属板からプレス加工によって形成されている。そして、この上部前枠ヒンジ17は、上部支軸22を支持することができるとともに、上部支軸22を水平方向から着脱させることができるものである。
【0021】
ヒンジ本体23は、水平方向に延びるように形成される横L字板状の台座板30と該台座板30から垂下される長四角板状の固定板31とから構成されている。台座板30の下面は、前枠15の左上隅部上面に当接されるとともに、固定板31の前面は前枠15の左上隅部背面に当接されている。そして、図示しないビス等によって固定板31が前枠15に固定されることによって、上部前枠ヒンジ17は前枠15に固定されている。
【0022】
図1及び図3(a)に示すように、台座板30の左側には半円板状の台座部32が形成されている。この台座部32の上面後側には、案内部材27がその下面を台座部32の上面に重ねるように設けられている。また、台座部32の上面略中央には、作動体25がその基端側を案内部材27の内側に嵌合するように設けられている。さらに、台座部32の上面左側には、ストッパ部材26が案内部材27の内側に嵌合されるように設けられている。また、案内部材27、作動体25及びストッパ部材26の上面には軸受体24が重なるように設けられている。この軸受体24の両側には、2つの第1挿通孔33aが透設され、これらの第1挿通孔33aに対応して、案内部材27には2つの第2挿通孔33bが透設されるとともに、台座部32には2つのねじ孔34が刻設されている。そして、ねじ35が第1挿通孔33a及び第2挿通孔33bに挿通され、ねじ孔34に螺挿されることによって、軸受体24及び案内部材27は台座部32に固定されている。
【0023】
案内部材27の略中央には、平面コ字状の作動体案内凹所36aが凹設されている。この作動体案内凹所36aの前方には開口部36bが形成され、この開口部36bは作動体案内凹所36aより幅狭となっている。一方、作動体25の基端には長四角板状の第1摺動部37aが設けられている。この第1摺動部37aの先端側中央には長四角板状の第2摺動部37bが前方に延びるように設けられている。この第2摺動部37bは第1摺動部37aより幅狭に形成され、第2摺動部37bの両側から第1摺動部37aの両側が突出するようになっている。そして図3(a)に示すように、第1摺動部37aは作動体案内凹所36aの内側に嵌合されるとともに、第2摺動部37bは開口部36bの内側に嵌合されている。この第1摺動部37aの両側面は作動体案内凹所36aの内面に案内されながら摺動されるとともに、第2摺動部37bの両側面は開口部36bの内面に案内されながら摺動され、作動体25は台座部32の上面を前後方向に水平移動できるようになっている。また、作動体25が前方に水平移動する際、第1摺動部37aの両側が開口部36bに係止されることによって、作動体案内凹所36aからの第1摺動部37aの抜け出しが防止されている。
【0024】
なお、作動体25の板厚は案内部材27の板厚より若干薄く形成され、作動体25は台座部32と軸受体24の間を円滑に水平移動できるようになっている。
作動体案内凹所36aの左内面には、平面コ字状のストッパ部材案内凹所38が作動体案内凹所36aに直交するように凹設され、このストッパ部材案内凹所38の内側にはストッパ部材26が嵌合されている。そして、このストッパ部材26がストッパ部材案内凹所38の内面に案内されながら摺動されることによって、台座部32の上面を作動体25の移動方向と直交するように水平移動できるようになっている。なお、作動体25と同様にストッパ部材26の板厚は案内部材27の板厚より若干薄く形成され、ストッパ部材26は台座部32と軸受体24の間を円滑に水平移動できるようになっている。ここで、図3(c)に示すように第1摺動部37aの基端面が作動体案内凹所36aの奥壁面に当接した状態において、ストッパ部材26は作動体25に向かって移動することができる。そして、ストッパ部材26の先端はストッパ部材案内凹所38から作動体案内凹所36aの内側に突出するとともに、ストッパ部材26の先端面は第2摺動部37bの左側面に当接する。このとき、ストッパ部材26の先端は第1摺動部37aの内側に係合することができ、作動体25の前方への移動が規制されるようになっている。
【0025】
図1に示すように、ストッパ部材26の先端面は、第1摺動部37aを案内するための案内面39となっている。この案内面39は図3(a)に示すようにストッパ部材26がストッパ部材案内凹所38に退避している状態において、作動体案内凹所36aの内面と面一となっている。そして、第1摺動部37aの左側面は案内面39に案内されて前枠15の前後方向に移動できるようになっている。
【0026】
図1に示すように、ストッパ部材26の上面には操作ピン40が立設されている。一方、軸受体24の中央には、この操作ピン40に対応して長孔41が透設されている。この長孔41には、操作ピン40が挿入され操作ピン40の先端は軸受体24の上面から突設されている。そして、この操作ピン40を手動で操作することによって、ストッパ部材26を水平移動できるようになっている。
【0027】
作動体25の先端側には、軸支部としての長孔状の第1軸支凹部42が前枠15の右前方に開口するように凹設されている。一方、軸受体24の先端側には軸支部としての長孔状の第2軸支凹部43が前枠15の左前方に開口するように凹設されている。これらの軸支凹部42、43は互いに直交するように設けられ、作動体25が水平移動する際、第1軸支凹部42の内奥部は第2軸支凹部43に重なるように水平移動するようになっている。
【0028】
ここで、図3(b)に示すように作動体25が前枠15の前方に移動した状態は、第1軸支凹部42に上部支軸22が水平方向から挿脱可能な挿脱状態となっている。そして、図3(c)に示すように作動体25が前枠15の後方に移動すると、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22は、さらに第2軸支凹部43の開口部分から第2軸支凹部43に挿入される。このとき、第1軸支凹部42と第2軸支凹部43における上部支軸22の挿入方向は直交するようになっている。従って、各軸支凹部42、43の内奥部が重なることによって、上部支軸22を容易に支持することができる。
【0029】
ここで、作動体25が前枠15の後方に移動し、ストッパ部材26によって作動体25の移動が規制された状態は、第1軸支凹部42と第2軸支凹部43の内奥部によって上部支軸22が支持される支持状態となっている。このように、上部前枠ヒンジは作動体25の水平移動によって、上部支軸22の挿脱状態と支持状態に移行することができるようになっている。
【0030】
作動体案内凹所36aの奥壁面と第1摺動部37aの基端面には、それぞれ第1ばね取付部44a、44bが凹設され、これらの第1ばね取付部44a、44bには第1圧縮コイルばね28がその付勢方向を作動体25の移動方向に向けて嵌着されている。そして、この第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、作動体25は挿脱状態に移行する方向に付勢されている。
【0031】
図1に示すようにストッパ部材案内凹所38の奥壁面には、第2ばね取付部45が凹設され、この第2ばね取付部45には第2圧縮コイルばね29がその付勢方向をストッパ部材26の移動方向に向けて嵌着されている。この第2圧縮コイルばね29の一端はストッパ部材26の基端面に当接され、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、ストッパ部材26は第1摺動部37aに係合する方向に付勢されている。
【0032】
図2に示すように、外枠14の下端左隅部には、正面L字状の下部外枠ヒンジ46が取着されている。この下部外枠ヒンジ46には、三角板状の下部軸取付部47が前方に延びるように形成されている。この下部軸取付部47の略中央には、下部支軸48が上方に延びるように設けられ、上部支軸22と同芯上で対向するようになっている。前枠15の下端左隅部には側面L字状の下部前枠ヒンジ49が取着され、この下部前枠ヒンジ49には三角板状の下部軸受部50が前方に延びるように形成されている。この下部軸受部50の略中央には下部支軸挿通孔51が透設され、この下部支軸挿通孔51には下部支軸48が挿入可能となっている。そして、下部軸取付部47の上面に下部軸受部50の下面を重ねるように下部支軸48に下部支軸挿通孔51を嵌挿すると、前枠の下部が外枠の下部に回動可能に軸支できるようになっている。
【0033】
さて、上部前枠ヒンジ17を製造するには、金属板をプレス加工(打ち抜き、曲げ等)することによってヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27を形成する。従って、ヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は、ダイカスト等の複雑な加工を施すことなく、プレス加工によって容易に製造することができる。この金属板の厚さは、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは1〜8mm、最も好ましくは2〜5mmである。この厚さが2mm未満であると、上部前枠ヒンジ17に十分な耐久性が得られないおそれがある。一方、5mmを超えるとプレス加工が困難になるおそれがある。
【0034】
次に、上部前枠ヒンジ17を組み立てるには、まず台座部32の上面に案内部材27、作動体25及びストッパ部材26を配設する。次に、第1圧縮コイルばね28を第1ばね取付部44a、44bに嵌着し、第2圧縮コイルばね29を第2ばね取付部45に嵌着する。続いて、案内部材27及び作動体25の上面に軸受体24を配設し、ねじ35を第1挿通孔33a及び第2挿通孔33bに挿通するとともにねじ孔34に螺入する。
【0035】
続いて、上部前枠ヒンジ17を前枠15に取着するには、台座板30の下面を前枠15の左上隅部上面に当接するとともに、固定板31の前面を前枠15の左上隅部背面に当接し、ビス等によって固定板31を前枠15に締付け固定する。
【0036】
次に、前枠15を外枠14に取着するには図2に示すように、まず外枠14の前面に前枠15の前面が略直交するように前枠15を配置する。次に、前枠15の上部を外枠14の前方に傾斜させながら下部支軸48に下部支軸挿通孔51を嵌挿し、下部軸取付部47に下部軸受部50を重ねる。続いて、上部軸取付部21の下方に上部前枠ヒンジ17の上面を挿入するように前枠15の上部を外枠14側に傾斜させる。次に、第1軸支凹部42に上部支軸22を挿入しながら、前枠15を直立させる。
【0037】
次いで、前枠15を閉止方向に回動させる。すると、上部前枠ヒンジ17の背面左端は横枠材13の前面に当接され、前枠15の上部が前方に押圧されるとともに、図3(b)に示すように上部支軸22によって第1軸支凹部42の内面は押圧される。同時に、図3(c)に示すように、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22は、さらに第2軸支凹部43に挿入され、第1摺動部37aは第1圧縮コイルばね28の付勢力に抗して作動体案内凹所36aの内奥部に摺動される。そして、第1摺動部37aの基端面が作動体案内凹所36aの奥壁面に当接するとともに、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、ストッパ部材26は作動体25に向かって移動する。そして、ストッパ部材26の先端面が第2摺動部37bの左側面に当接するとともに、ストッパ部材26の先端が第1摺動部37aの内側に係合する。このストッパ部材26に係合によって作動体25の移動は規制され、作動体25は上部支軸22の支持状態に維持される。このとき、ストッパ部材26は第2圧縮コイルばね29の付勢力によって作動体25と係合する方向に付勢されている。従って、ストッパ部材26は第1摺動部37aと容易に係合することができ、作動体25を支持状態に容易に規制することかできる。また、ストッパ部材26は作動体25の移動方向と直交する方向に水平移動するように構成されている。従って、ストッパ部材26は第1摺動部37aに容易に係合することができ、作動体25の移動を容易に規制することができる。
【0038】
また、第1軸支凹部42に上部支軸22を挿入しながら、前枠15を直立させ、前枠15の上部を左方に押圧することによって、上部支軸22を第2軸支凹部43に挿入して作動体25を支持状態に移行することもできる。
【0039】
続いて、外枠14から前枠15を取り外すには、図4に示すようにまず外枠14に対して前枠15が略直交するように前枠15を開放する。次に、図3(c)に示すように、第2圧縮コイルばね29の付勢力に抗して操作ピン40を手動でスライドさせることによって、ストッパ部材26を後方に移動させ、ストッパ部材26と第1摺動部37aの係合を解除する(図3(b)の状態)。次に、第1圧縮コイルばね28の付勢力に任せるように前枠15の上部を右方に傾斜させ、上部支軸22を第2軸支凹部43から脱離させる。このとき、作動体25は第1圧縮コイルばね28によって挿脱状態に移行する方向に付勢されている。従って、操作ピン40を手で保持することなく、操作ピン40のワンタッチ操作と前枠15を傾斜させる操作によって上部支軸22を第2軸支凹部43から容易に離脱させることができる(図3(a)の状態)。
【0040】
続いて、前枠15の上部を外枠14側に傾斜させ、第1軸支凹部42から上部支軸22を脱離させる。次に、前枠15の上部を外枠14の前方に傾斜させ、前枠15を持ち上げることによって、下部支軸48から下部支軸挿通孔51を抜脱させる。
【0041】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27とを備えている。そして、作動体25は水平移動によって上部支軸22の支持状態と、挿脱状態とに移行することができる。さらに、作動体25は、第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、挿脱状態の方向に付勢されている。また、ストッパ部材26は、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、第1摺動部37aと係合する方向に付勢されている。このように構成した場合、ストッパ部材26は第1摺動部37aと容易に係合することができ、作動体25を支持状態に容易に規制することかできる。従って、外枠14に前枠15を容易に取着することができる。また、ストッパ部材26を移動させ、ストッパ部材26と第1摺動部37aの係合を解除することによって、作動体25を容易に挿脱状態にすることができる。従って、レバー片等を手で保持する必要がないため、外枠14から前枠15を容易に取り外すことができる。よって、外枠14に対して前枠15を容易に着脱することができる。
【0042】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ストッパ部材26と作動体25は、台座部32の上面に配設されている。また、ストッパ部材26は作動体25の移動方向と直交する方向に移動するようになっている。このように構成した場合、ストッパ部材26は第1摺動部37aに容易に係脱することができ、外枠14対して前枠15をさらに容易に着脱することができる。
【0043】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ストッパ部材26の先端面は、作動体25が支持状態と挿脱状態の双方に移行する際、第1摺動部37aの移動を案内する案内面39となっている。このように構成した場合、第1摺動部37aが移動する際のがたつきが抑制され、作動体25を円滑に移動させることができる。
【0044】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、作動体25は前枠の前後方向に水平移動可能に設けられている。そして、外枠14に対する前枠15の閉止方向への回動に伴って、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22によって作動体25が押圧され、作動体25が挿脱状態から支持状態に移行するようになっている。このように構成した場合、通常の前枠15の回動操作によって支持状態にすることができるため、外枠14に前枠15を容易に装着することができる。
【0045】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は、金属板のプレス加工によって形成されている。このように構成した場合、ダイカスト等の複雑な加工を施すことなく、プレス加工によって容易に製造することができる。また、合成樹脂製の部品を混在させることもなく、金属板から一貫して製造することができる。従って、各部材を同一材質で構成することができるため、リサイクル対策において有益である。従って、製造コストを抑制することができるとともに、リサイクルの効率化を求めた構成にすることができる。
【0046】
・ 前記作動体25及びストッパ部材26を台座部32の上面に回動可能に設けた場合は、台座部32にピン等の軸部材を立設する必要があり、複雑な構造になるという問題がある。この実施形態の上部前枠ヒンジ17においては、作動体25及びストッパ部材26は台座部32の上面に水平移動可能に設けられている。従って、軸部材等を設ける必要がないため、簡単な構造にすることができる。
【0047】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、ヒンジ本体23は、水平方向に延びるように形成される台座板30と台座板30から垂下される固定板31とから構成され、上部前枠ヒンジ17は前枠15の上端隅部に取着されている。しかし、上部前枠ヒンジ17を外枠14の上端隅部に取着するとともに、上部外枠ヒンジ18を前枠15の上端隅部に取着して使用してもよい。この場合、固定板31に替えてヒンジ本体23に水平板19及び垂直板20を延設することによって前枠15の上端隅部に取着することができる。また、この場合、上部軸取付部21に上部支軸22を設けずに、上部軸取付部21を台座部32として使用してもよい。
【0048】
・ 前記上部前枠ヒンジ17を前枠15の下端隅部に取着するとともに、下部前枠ヒンジ49を前枠15の上端隅部に取着して使用してもよい。また、上部前枠ヒンジ17を外枠14の下端隅部に取着して使用してもよい。この場合、下部外枠ヒンジ46を前枠15の下端隅部に取着するとともに、下部前枠ヒンジ49を前枠15の上端隅部に取着する。
【0049】
・ 前記実施形態では、第1摺動部37aの先端側中央には長四角板状の第2摺動部37bが前方に延びるように設けられている。そして、第2摺動部37bは第1摺動部37aより幅狭に形成され、第2摺動部37bの両側から第1摺動部37aの両側が突出するようになっている。しかし、第1摺動部37aを幅狭に形成することによって、第1摺動部37aの左側は第2摺動部37bの左側から突出するように構成するとともに、第1摺動部37aの右側面は第2摺動部37bの右側面と面一となるように構成してもよい。このとき、作動体案内凹所36aの右側内面が開口部36bの右側内面と面一となるように構成する。このように構成しても、第1摺動部37aの右側面が作動体案内凹所36aの右側内面に案内されるとともに、第2摺動部37bの右側面が開口部36bの右側内面によって案内されながら、作動体25は水平移動することができる。また、第1摺動部37aの左側と開口部36bの右側に掛止されることによって作動体案内凹所36aからの第1摺動部37aの抜け出しが防止される。
【0050】
・ 前記実施形態では、軸受体24及び案内部材27はねじ35によって台座部32に固定されているが、リベット等の他の固定部材によって固定してもよい。
【0051】
・ 前記第1圧縮コイルばね28及び第2圧縮コイルばね29を、板ばねやゴム等の他の付勢部材に変更してもよい。また、案内部材27に形成される第1ばね取付部44aと第2ばね取付部45を連通形成し、1つの付勢部材によって作動体25とストッパ部材26を付勢するように構成してもよい。
【0052】
・ 金属板の材質は鋼鉄、アルミニウム等、特に限定されないが、プレス加工性が良好であり、強度に優れることから鋼鉄が好ましい。
・ 前記実施形態では遊技機用のヒンジを遊技機としてのパチンコ遊技機に適用しているが、パチスロ、アレンジボール等のパチンコ遊技機以外の遊技機に適用してもよい。
【0053】
次に、実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記ヒンジ本体、軸受体、作動体、ストッパ部材及び案内部材を金属板からプレス加工によって形成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、容易に製造できるとともに、合成樹脂から成形した場合と比較して耐久性を向上させることができる。
【0054】
(2) 前記ストッパ部材にピンを立設し、該ピンを操作することによってストッパ部材を移動可能に構成した請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、ストッパ部材を容易に移動させることができ、外枠から前枠をより容易に取り外すことができる。
【0055】
(3) 前記軸受体の軸支部と作動体の軸支部における支持軸の挿入方向は互いに直交するように形成されている請求項1から請求項4、上記(1)及び(2)のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、各軸支部に支持軸を容易に挿入支持させることができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の遊技機用のヒンジによれば、外枠に対して前枠を容易に着脱することができる。
【0057】
請求項2に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、外枠に対して前枠をさらに容易に着脱することができる。
請求項3に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、作動体を円滑に移動させることができる。
【0058】
請求項4に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、外枠に前枠を容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における遊技機用のヒンジを示す分解斜視図。
【図2】外枠と前枠の取着部分を示す斜視図。
【図3】(a)は挿脱状態を示す要部破断平面図、(b)は支持軸が挿入された状態を示す要部破断平面図、(c)は支持状態を示す要部破断平面図。
【図4】外枠に前枠が取着された状態を示す斜視図。
【符号の説明】
11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…縦枠材、13…横枠材、14…外枠、15…前枠、16…遊技盤、17…遊技機用のヒンジとしての上部前枠ヒンジ、22…支持軸としての上部支軸、23…ヒンジ本体、24…軸受体、25…作動体、26…ストッパ部材、27…案内部材、28…付勢部材としての第1圧縮コイルばね、29…付勢部材としての第2圧縮コイルばね、39…案内面、42…軸支部としての第1軸支凹部、43…軸支部としての第2軸支凹部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、枠内に遊技盤を保持する前枠を外枠に回動かつ着脱可能に軸支するための遊技機用のヒンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が外枠により形成され、この外枠の前面には、四角枠状をなす前枠が開閉可能に軸支されている。この前枠には、打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、枠内には遊技盤を保持できるようになっている。
【0003】
外枠の上端隅部には正面横L字状の上部外枠ヒンジが取着されている。この上部外枠ヒンジには、上部支軸が垂下されている。一方、外枠の下端隅部には正面L字状の下部外枠ヒンジが取着されている。この下部外枠ヒンジには下部支軸が上方に延びるように設けられている。
【0004】
前枠の上端隅部には、側面逆L字状の上部前枠ヒンジが取着されている。この上部前枠ヒンジは、前枠にねじによって取着されるヒンジ本体と、平面U字状の軸受金具と、合成樹脂から鍵形状に形成されたロックレバーとを備えている。
【0005】
この軸受金具には軸支凹部が後方に開口するように凹設され、この軸支凹部には上部支軸が水平方向から挿入可能となっている。そして、軸支凹部はその内面によって上部支軸を回動可能に支持することができる。
【0006】
ロックレバーの基端部には、平面扇形状のロック部が設けられるとともに、ロック部の先端にはレバー片が突設されている。このレバー片は支持ピンによってヒンジ本体に回動可能に支持されている。そして、ロック部の回動によって軸支凹部の開口部分は開閉されるようになっている。また、ロック部はねじりコイルばねの付勢力によって軸支凹部の開口部分を閉止する方向に付勢されている。
【0007】
前枠の下端隅部には側面L字状の下部前枠ヒンジが取着されている。この下部前枠ヒンジには下部支軸挿通孔が透設され、下部支軸挿通孔の下方から下部支軸が挿通されることによって下部外枠ヒンジに下部前枠ヒンジが回動可能に軸支されている。
【0008】
前枠を外枠に取着するには、まず下部支軸挿通孔に下部支軸を挿通させる。次に上部支軸をロック部に摺動させることによって、ロック部をねじりコイルばねの付勢力に抗して回動させて、軸支凹部の開口部分から上部支軸を軸支凹部に挿入させる。このとき、ロック部はねじりコイルばねの付勢力によって軸支凹部の開口部分を閉止して上部支軸が軸支凹部から抜け止めされる。
【0009】
また、外枠から前枠を取り外すには、レバー片を手動で回動操作することによって、ねじりコイルばねの付勢力に抗してロック部を回動させ、軸支凹部の開口部分を開口状態とする。そして、レバー片をそのまま保持することによって開口状態を維持し軸支凹部の開口部分から上部支軸を抜き出す。次に、下部支軸挿通孔から下部支軸を抜き出すことによって前枠を取り外すようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術では、外枠から前枠を取り外すには、レバー片を軸支凹部の開口状態に保持する必要があるため、外枠から前枠を取り外す操作が面倒であるという問題があった。
【0011】
本発明は上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。本発明の目的は、外枠に対して前枠を容易に着脱することができる遊技機用のヒンジを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、垂直方向に延びる縦枠材と水平方向に延びる横枠材から四角枠状に形成されて外郭をなす外枠と、遊技盤が保持されて前記外枠に重なるように設けられる前枠とを備えた遊技機に用いられ、前記前枠の上端隅部及び下端隅部を外枠の一側に軸支して外枠に対して前枠を回動かつ着脱可能にする遊技機用のヒンジにおいて、前記前枠と外枠の一方に固定されるヒンジ本体と、該ヒンジ本体に固定される軸受体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられる作動体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられるストッパ部材と、前記作動体及びストッパ部材の水平移動を案内する案内部材と、作動体及びストッパ部材を付勢する付勢部材とを備え、前記軸受体と作動体には前枠と外枠の他方に立設される支持軸を支持する軸支部が設けられ、該軸支部には前記支持軸が水平方向から挿入可能であり、作動体の水平移動によって支持軸が軸支部に支持される支持状態と、支持軸が軸支部に挿脱可能な挿脱状態とに移行することができ、前記支持状態では前記ストッパ部材が作動体に係合することによって作動体の移動は規制され、前記付勢部材によって作動体は挿脱状態に移行する方向に付勢されるとともに、ストッパ部材は作動体と係合する方向に付勢されるものである。
【0013】
請求項2に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1に記載の発明において、前記ストッパ部材は作動体と同一平面に設けられ、作動体の移動方向と直交する方向に移動するものである。
【0014】
請求項3に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ストッパ部材には、作動体が支持状態と挿脱状態の双方に移行する際の作動体の移動を案内する案内面が形成されているものである。
【0015】
請求項4に記載の発明の遊技機用のヒンジでは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記作動体は前枠の前後方向に水平移動可能に設けられ、外枠に対する前枠の閉止方向への回動に伴って、作動体の軸支部に挿入された支持軸によって作動体が押圧され、作動体が挿脱状態から支持状態に移行するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ遊技機用のヒンジに具体化した実施形態を図1〜図4に従って詳細に説明する。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0017】
図4に示すように、パチンコ遊技機11は垂直方向に延びる縦枠材12と水平方向に延びる横枠材13から縦長四角枠状に形成された外枠14により外郭が形成されている。この外枠14の前面には、四角枠状をなす前枠15が重なるように設けられるとともに、前枠15の左側上下隅部は外枠14に回動かつ着脱可能に支持されている。この前枠15には、打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、枠内には四角板状の遊技盤16が保持されている。前枠15の前面には、図示しないガラス扉が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機11の前面から遊技盤16が視認可能となっている。このパチンコ遊技機11は外枠14が遊技店内等における設置枠台に固定され、島設備を構成している。そして、前枠15は外枠14に閉止されるとともに図示しない施錠装置によって施錠されパチンコ遊技機11は遊技に供されている。
【0018】
前枠15の上端左隅部には遊技機用のヒンジとしての側面逆L字状の上部前枠ヒンジ17が取着されている。一方、外枠14の上端左隅部には正面横L字状の上部外枠ヒンジ18が取着されている。図2に示すように、この上部外枠ヒンジ18は水平方向に延びる水平板19と垂直方向に延びる垂直板20から構成され、水平板19には三角板状の上部軸取付部21が前方に延びるように形成されている。この上部軸取付部21の略中央には、支持軸としての上部支軸22が垂下され、この上部支軸22は上部前枠ヒンジ17に回動可能に支持されるようになっている。
【0019】
図1に示すように上部前枠ヒンジ17は、図1に2点鎖線で示す前枠15の上端隅部に固定される側面逆L字状のヒンジ本体23と、ヒンジ本体23に固定される三角板状の軸受体24とを備えている。また、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23に水平移動可能に設けられるT字板状の作動体25と、ヒンジ本体23に水平移動可能に設けられる四角板状のストッパ部材26とを備えている。さらに、ヒンジ本体23は作動体25及びストッパ部材26の水平移動を案内するC字板状の案内部材27と、作動体25及びストッパ部材26を付勢する付勢部材としての第1圧縮コイルばね28及び第2圧縮コイルばね29を備えている。
【0020】
これらのヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は亜鉛メッキ鋼板等の金属板からプレス加工によって形成されている。そして、この上部前枠ヒンジ17は、上部支軸22を支持することができるとともに、上部支軸22を水平方向から着脱させることができるものである。
【0021】
ヒンジ本体23は、水平方向に延びるように形成される横L字板状の台座板30と該台座板30から垂下される長四角板状の固定板31とから構成されている。台座板30の下面は、前枠15の左上隅部上面に当接されるとともに、固定板31の前面は前枠15の左上隅部背面に当接されている。そして、図示しないビス等によって固定板31が前枠15に固定されることによって、上部前枠ヒンジ17は前枠15に固定されている。
【0022】
図1及び図3(a)に示すように、台座板30の左側には半円板状の台座部32が形成されている。この台座部32の上面後側には、案内部材27がその下面を台座部32の上面に重ねるように設けられている。また、台座部32の上面略中央には、作動体25がその基端側を案内部材27の内側に嵌合するように設けられている。さらに、台座部32の上面左側には、ストッパ部材26が案内部材27の内側に嵌合されるように設けられている。また、案内部材27、作動体25及びストッパ部材26の上面には軸受体24が重なるように設けられている。この軸受体24の両側には、2つの第1挿通孔33aが透設され、これらの第1挿通孔33aに対応して、案内部材27には2つの第2挿通孔33bが透設されるとともに、台座部32には2つのねじ孔34が刻設されている。そして、ねじ35が第1挿通孔33a及び第2挿通孔33bに挿通され、ねじ孔34に螺挿されることによって、軸受体24及び案内部材27は台座部32に固定されている。
【0023】
案内部材27の略中央には、平面コ字状の作動体案内凹所36aが凹設されている。この作動体案内凹所36aの前方には開口部36bが形成され、この開口部36bは作動体案内凹所36aより幅狭となっている。一方、作動体25の基端には長四角板状の第1摺動部37aが設けられている。この第1摺動部37aの先端側中央には長四角板状の第2摺動部37bが前方に延びるように設けられている。この第2摺動部37bは第1摺動部37aより幅狭に形成され、第2摺動部37bの両側から第1摺動部37aの両側が突出するようになっている。そして図3(a)に示すように、第1摺動部37aは作動体案内凹所36aの内側に嵌合されるとともに、第2摺動部37bは開口部36bの内側に嵌合されている。この第1摺動部37aの両側面は作動体案内凹所36aの内面に案内されながら摺動されるとともに、第2摺動部37bの両側面は開口部36bの内面に案内されながら摺動され、作動体25は台座部32の上面を前後方向に水平移動できるようになっている。また、作動体25が前方に水平移動する際、第1摺動部37aの両側が開口部36bに係止されることによって、作動体案内凹所36aからの第1摺動部37aの抜け出しが防止されている。
【0024】
なお、作動体25の板厚は案内部材27の板厚より若干薄く形成され、作動体25は台座部32と軸受体24の間を円滑に水平移動できるようになっている。
作動体案内凹所36aの左内面には、平面コ字状のストッパ部材案内凹所38が作動体案内凹所36aに直交するように凹設され、このストッパ部材案内凹所38の内側にはストッパ部材26が嵌合されている。そして、このストッパ部材26がストッパ部材案内凹所38の内面に案内されながら摺動されることによって、台座部32の上面を作動体25の移動方向と直交するように水平移動できるようになっている。なお、作動体25と同様にストッパ部材26の板厚は案内部材27の板厚より若干薄く形成され、ストッパ部材26は台座部32と軸受体24の間を円滑に水平移動できるようになっている。ここで、図3(c)に示すように第1摺動部37aの基端面が作動体案内凹所36aの奥壁面に当接した状態において、ストッパ部材26は作動体25に向かって移動することができる。そして、ストッパ部材26の先端はストッパ部材案内凹所38から作動体案内凹所36aの内側に突出するとともに、ストッパ部材26の先端面は第2摺動部37bの左側面に当接する。このとき、ストッパ部材26の先端は第1摺動部37aの内側に係合することができ、作動体25の前方への移動が規制されるようになっている。
【0025】
図1に示すように、ストッパ部材26の先端面は、第1摺動部37aを案内するための案内面39となっている。この案内面39は図3(a)に示すようにストッパ部材26がストッパ部材案内凹所38に退避している状態において、作動体案内凹所36aの内面と面一となっている。そして、第1摺動部37aの左側面は案内面39に案内されて前枠15の前後方向に移動できるようになっている。
【0026】
図1に示すように、ストッパ部材26の上面には操作ピン40が立設されている。一方、軸受体24の中央には、この操作ピン40に対応して長孔41が透設されている。この長孔41には、操作ピン40が挿入され操作ピン40の先端は軸受体24の上面から突設されている。そして、この操作ピン40を手動で操作することによって、ストッパ部材26を水平移動できるようになっている。
【0027】
作動体25の先端側には、軸支部としての長孔状の第1軸支凹部42が前枠15の右前方に開口するように凹設されている。一方、軸受体24の先端側には軸支部としての長孔状の第2軸支凹部43が前枠15の左前方に開口するように凹設されている。これらの軸支凹部42、43は互いに直交するように設けられ、作動体25が水平移動する際、第1軸支凹部42の内奥部は第2軸支凹部43に重なるように水平移動するようになっている。
【0028】
ここで、図3(b)に示すように作動体25が前枠15の前方に移動した状態は、第1軸支凹部42に上部支軸22が水平方向から挿脱可能な挿脱状態となっている。そして、図3(c)に示すように作動体25が前枠15の後方に移動すると、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22は、さらに第2軸支凹部43の開口部分から第2軸支凹部43に挿入される。このとき、第1軸支凹部42と第2軸支凹部43における上部支軸22の挿入方向は直交するようになっている。従って、各軸支凹部42、43の内奥部が重なることによって、上部支軸22を容易に支持することができる。
【0029】
ここで、作動体25が前枠15の後方に移動し、ストッパ部材26によって作動体25の移動が規制された状態は、第1軸支凹部42と第2軸支凹部43の内奥部によって上部支軸22が支持される支持状態となっている。このように、上部前枠ヒンジは作動体25の水平移動によって、上部支軸22の挿脱状態と支持状態に移行することができるようになっている。
【0030】
作動体案内凹所36aの奥壁面と第1摺動部37aの基端面には、それぞれ第1ばね取付部44a、44bが凹設され、これらの第1ばね取付部44a、44bには第1圧縮コイルばね28がその付勢方向を作動体25の移動方向に向けて嵌着されている。そして、この第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、作動体25は挿脱状態に移行する方向に付勢されている。
【0031】
図1に示すようにストッパ部材案内凹所38の奥壁面には、第2ばね取付部45が凹設され、この第2ばね取付部45には第2圧縮コイルばね29がその付勢方向をストッパ部材26の移動方向に向けて嵌着されている。この第2圧縮コイルばね29の一端はストッパ部材26の基端面に当接され、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、ストッパ部材26は第1摺動部37aに係合する方向に付勢されている。
【0032】
図2に示すように、外枠14の下端左隅部には、正面L字状の下部外枠ヒンジ46が取着されている。この下部外枠ヒンジ46には、三角板状の下部軸取付部47が前方に延びるように形成されている。この下部軸取付部47の略中央には、下部支軸48が上方に延びるように設けられ、上部支軸22と同芯上で対向するようになっている。前枠15の下端左隅部には側面L字状の下部前枠ヒンジ49が取着され、この下部前枠ヒンジ49には三角板状の下部軸受部50が前方に延びるように形成されている。この下部軸受部50の略中央には下部支軸挿通孔51が透設され、この下部支軸挿通孔51には下部支軸48が挿入可能となっている。そして、下部軸取付部47の上面に下部軸受部50の下面を重ねるように下部支軸48に下部支軸挿通孔51を嵌挿すると、前枠の下部が外枠の下部に回動可能に軸支できるようになっている。
【0033】
さて、上部前枠ヒンジ17を製造するには、金属板をプレス加工(打ち抜き、曲げ等)することによってヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27を形成する。従って、ヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は、ダイカスト等の複雑な加工を施すことなく、プレス加工によって容易に製造することができる。この金属板の厚さは、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは1〜8mm、最も好ましくは2〜5mmである。この厚さが2mm未満であると、上部前枠ヒンジ17に十分な耐久性が得られないおそれがある。一方、5mmを超えるとプレス加工が困難になるおそれがある。
【0034】
次に、上部前枠ヒンジ17を組み立てるには、まず台座部32の上面に案内部材27、作動体25及びストッパ部材26を配設する。次に、第1圧縮コイルばね28を第1ばね取付部44a、44bに嵌着し、第2圧縮コイルばね29を第2ばね取付部45に嵌着する。続いて、案内部材27及び作動体25の上面に軸受体24を配設し、ねじ35を第1挿通孔33a及び第2挿通孔33bに挿通するとともにねじ孔34に螺入する。
【0035】
続いて、上部前枠ヒンジ17を前枠15に取着するには、台座板30の下面を前枠15の左上隅部上面に当接するとともに、固定板31の前面を前枠15の左上隅部背面に当接し、ビス等によって固定板31を前枠15に締付け固定する。
【0036】
次に、前枠15を外枠14に取着するには図2に示すように、まず外枠14の前面に前枠15の前面が略直交するように前枠15を配置する。次に、前枠15の上部を外枠14の前方に傾斜させながら下部支軸48に下部支軸挿通孔51を嵌挿し、下部軸取付部47に下部軸受部50を重ねる。続いて、上部軸取付部21の下方に上部前枠ヒンジ17の上面を挿入するように前枠15の上部を外枠14側に傾斜させる。次に、第1軸支凹部42に上部支軸22を挿入しながら、前枠15を直立させる。
【0037】
次いで、前枠15を閉止方向に回動させる。すると、上部前枠ヒンジ17の背面左端は横枠材13の前面に当接され、前枠15の上部が前方に押圧されるとともに、図3(b)に示すように上部支軸22によって第1軸支凹部42の内面は押圧される。同時に、図3(c)に示すように、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22は、さらに第2軸支凹部43に挿入され、第1摺動部37aは第1圧縮コイルばね28の付勢力に抗して作動体案内凹所36aの内奥部に摺動される。そして、第1摺動部37aの基端面が作動体案内凹所36aの奥壁面に当接するとともに、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、ストッパ部材26は作動体25に向かって移動する。そして、ストッパ部材26の先端面が第2摺動部37bの左側面に当接するとともに、ストッパ部材26の先端が第1摺動部37aの内側に係合する。このストッパ部材26に係合によって作動体25の移動は規制され、作動体25は上部支軸22の支持状態に維持される。このとき、ストッパ部材26は第2圧縮コイルばね29の付勢力によって作動体25と係合する方向に付勢されている。従って、ストッパ部材26は第1摺動部37aと容易に係合することができ、作動体25を支持状態に容易に規制することかできる。また、ストッパ部材26は作動体25の移動方向と直交する方向に水平移動するように構成されている。従って、ストッパ部材26は第1摺動部37aに容易に係合することができ、作動体25の移動を容易に規制することができる。
【0038】
また、第1軸支凹部42に上部支軸22を挿入しながら、前枠15を直立させ、前枠15の上部を左方に押圧することによって、上部支軸22を第2軸支凹部43に挿入して作動体25を支持状態に移行することもできる。
【0039】
続いて、外枠14から前枠15を取り外すには、図4に示すようにまず外枠14に対して前枠15が略直交するように前枠15を開放する。次に、図3(c)に示すように、第2圧縮コイルばね29の付勢力に抗して操作ピン40を手動でスライドさせることによって、ストッパ部材26を後方に移動させ、ストッパ部材26と第1摺動部37aの係合を解除する(図3(b)の状態)。次に、第1圧縮コイルばね28の付勢力に任せるように前枠15の上部を右方に傾斜させ、上部支軸22を第2軸支凹部43から脱離させる。このとき、作動体25は第1圧縮コイルばね28によって挿脱状態に移行する方向に付勢されている。従って、操作ピン40を手で保持することなく、操作ピン40のワンタッチ操作と前枠15を傾斜させる操作によって上部支軸22を第2軸支凹部43から容易に離脱させることができる(図3(a)の状態)。
【0040】
続いて、前枠15の上部を外枠14側に傾斜させ、第1軸支凹部42から上部支軸22を脱離させる。次に、前枠15の上部を外枠14の前方に傾斜させ、前枠15を持ち上げることによって、下部支軸48から下部支軸挿通孔51を抜脱させる。
【0041】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、上部前枠ヒンジ17はヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27とを備えている。そして、作動体25は水平移動によって上部支軸22の支持状態と、挿脱状態とに移行することができる。さらに、作動体25は、第1圧縮コイルばね28の付勢力によって、挿脱状態の方向に付勢されている。また、ストッパ部材26は、第2圧縮コイルばね29の付勢力によって、第1摺動部37aと係合する方向に付勢されている。このように構成した場合、ストッパ部材26は第1摺動部37aと容易に係合することができ、作動体25を支持状態に容易に規制することかできる。従って、外枠14に前枠15を容易に取着することができる。また、ストッパ部材26を移動させ、ストッパ部材26と第1摺動部37aの係合を解除することによって、作動体25を容易に挿脱状態にすることができる。従って、レバー片等を手で保持する必要がないため、外枠14から前枠15を容易に取り外すことができる。よって、外枠14に対して前枠15を容易に着脱することができる。
【0042】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ストッパ部材26と作動体25は、台座部32の上面に配設されている。また、ストッパ部材26は作動体25の移動方向と直交する方向に移動するようになっている。このように構成した場合、ストッパ部材26は第1摺動部37aに容易に係脱することができ、外枠14対して前枠15をさらに容易に着脱することができる。
【0043】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ストッパ部材26の先端面は、作動体25が支持状態と挿脱状態の双方に移行する際、第1摺動部37aの移動を案内する案内面39となっている。このように構成した場合、第1摺動部37aが移動する際のがたつきが抑制され、作動体25を円滑に移動させることができる。
【0044】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、作動体25は前枠の前後方向に水平移動可能に設けられている。そして、外枠14に対する前枠15の閉止方向への回動に伴って、第1軸支凹部42に挿入された上部支軸22によって作動体25が押圧され、作動体25が挿脱状態から支持状態に移行するようになっている。このように構成した場合、通常の前枠15の回動操作によって支持状態にすることができるため、外枠14に前枠15を容易に装着することができる。
【0045】
・ この実施形態の遊技機用のヒンジにおいては、ヒンジ本体23、軸受体24、作動体25、ストッパ部材26及び案内部材27は、金属板のプレス加工によって形成されている。このように構成した場合、ダイカスト等の複雑な加工を施すことなく、プレス加工によって容易に製造することができる。また、合成樹脂製の部品を混在させることもなく、金属板から一貫して製造することができる。従って、各部材を同一材質で構成することができるため、リサイクル対策において有益である。従って、製造コストを抑制することができるとともに、リサイクルの効率化を求めた構成にすることができる。
【0046】
・ 前記作動体25及びストッパ部材26を台座部32の上面に回動可能に設けた場合は、台座部32にピン等の軸部材を立設する必要があり、複雑な構造になるという問題がある。この実施形態の上部前枠ヒンジ17においては、作動体25及びストッパ部材26は台座部32の上面に水平移動可能に設けられている。従って、軸部材等を設ける必要がないため、簡単な構造にすることができる。
【0047】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では、ヒンジ本体23は、水平方向に延びるように形成される台座板30と台座板30から垂下される固定板31とから構成され、上部前枠ヒンジ17は前枠15の上端隅部に取着されている。しかし、上部前枠ヒンジ17を外枠14の上端隅部に取着するとともに、上部外枠ヒンジ18を前枠15の上端隅部に取着して使用してもよい。この場合、固定板31に替えてヒンジ本体23に水平板19及び垂直板20を延設することによって前枠15の上端隅部に取着することができる。また、この場合、上部軸取付部21に上部支軸22を設けずに、上部軸取付部21を台座部32として使用してもよい。
【0048】
・ 前記上部前枠ヒンジ17を前枠15の下端隅部に取着するとともに、下部前枠ヒンジ49を前枠15の上端隅部に取着して使用してもよい。また、上部前枠ヒンジ17を外枠14の下端隅部に取着して使用してもよい。この場合、下部外枠ヒンジ46を前枠15の下端隅部に取着するとともに、下部前枠ヒンジ49を前枠15の上端隅部に取着する。
【0049】
・ 前記実施形態では、第1摺動部37aの先端側中央には長四角板状の第2摺動部37bが前方に延びるように設けられている。そして、第2摺動部37bは第1摺動部37aより幅狭に形成され、第2摺動部37bの両側から第1摺動部37aの両側が突出するようになっている。しかし、第1摺動部37aを幅狭に形成することによって、第1摺動部37aの左側は第2摺動部37bの左側から突出するように構成するとともに、第1摺動部37aの右側面は第2摺動部37bの右側面と面一となるように構成してもよい。このとき、作動体案内凹所36aの右側内面が開口部36bの右側内面と面一となるように構成する。このように構成しても、第1摺動部37aの右側面が作動体案内凹所36aの右側内面に案内されるとともに、第2摺動部37bの右側面が開口部36bの右側内面によって案内されながら、作動体25は水平移動することができる。また、第1摺動部37aの左側と開口部36bの右側に掛止されることによって作動体案内凹所36aからの第1摺動部37aの抜け出しが防止される。
【0050】
・ 前記実施形態では、軸受体24及び案内部材27はねじ35によって台座部32に固定されているが、リベット等の他の固定部材によって固定してもよい。
【0051】
・ 前記第1圧縮コイルばね28及び第2圧縮コイルばね29を、板ばねやゴム等の他の付勢部材に変更してもよい。また、案内部材27に形成される第1ばね取付部44aと第2ばね取付部45を連通形成し、1つの付勢部材によって作動体25とストッパ部材26を付勢するように構成してもよい。
【0052】
・ 金属板の材質は鋼鉄、アルミニウム等、特に限定されないが、プレス加工性が良好であり、強度に優れることから鋼鉄が好ましい。
・ 前記実施形態では遊技機用のヒンジを遊技機としてのパチンコ遊技機に適用しているが、パチスロ、アレンジボール等のパチンコ遊技機以外の遊技機に適用してもよい。
【0053】
次に、実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記ヒンジ本体、軸受体、作動体、ストッパ部材及び案内部材を金属板からプレス加工によって形成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、容易に製造できるとともに、合成樹脂から成形した場合と比較して耐久性を向上させることができる。
【0054】
(2) 前記ストッパ部材にピンを立設し、該ピンを操作することによってストッパ部材を移動可能に構成した請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、ストッパ部材を容易に移動させることができ、外枠から前枠をより容易に取り外すことができる。
【0055】
(3) 前記軸受体の軸支部と作動体の軸支部における支持軸の挿入方向は互いに直交するように形成されている請求項1から請求項4、上記(1)及び(2)のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。このように構成した場合、各軸支部に支持軸を容易に挿入支持させることができる。
【0056】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の遊技機用のヒンジによれば、外枠に対して前枠を容易に着脱することができる。
【0057】
請求項2に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、外枠に対して前枠をさらに容易に着脱することができる。
請求項3に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、作動体を円滑に移動させることができる。
【0058】
請求項4に記載の遊技機用のヒンジによれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、外枠に前枠を容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における遊技機用のヒンジを示す分解斜視図。
【図2】外枠と前枠の取着部分を示す斜視図。
【図3】(a)は挿脱状態を示す要部破断平面図、(b)は支持軸が挿入された状態を示す要部破断平面図、(c)は支持状態を示す要部破断平面図。
【図4】外枠に前枠が取着された状態を示す斜視図。
【符号の説明】
11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…縦枠材、13…横枠材、14…外枠、15…前枠、16…遊技盤、17…遊技機用のヒンジとしての上部前枠ヒンジ、22…支持軸としての上部支軸、23…ヒンジ本体、24…軸受体、25…作動体、26…ストッパ部材、27…案内部材、28…付勢部材としての第1圧縮コイルばね、29…付勢部材としての第2圧縮コイルばね、39…案内面、42…軸支部としての第1軸支凹部、43…軸支部としての第2軸支凹部。
Claims (4)
- 垂直方向に延びる縦枠材と水平方向に延びる横枠材から四角枠状に形成されて外郭をなす外枠と、遊技盤が保持されて前記外枠に重なるように設けられる前枠とを備えた遊技機に用いられ、前記前枠の上端隅部及び下端隅部を外枠の一側に軸支して外枠に対して前枠を回動かつ着脱可能にする遊技機用のヒンジにおいて、前記前枠と外枠の一方に固定されるヒンジ本体と、該ヒンジ本体に固定される軸受体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられる作動体と、ヒンジ本体に水平移動可能に設けられるストッパ部材と、前記作動体及びストッパ部材の水平移動を案内する案内部材と、作動体及びストッパ部材を付勢する付勢部材とを備え、前記軸受体と作動体には前枠と外枠の他方に立設される支持軸を支持する軸支部が設けられ、該軸支部には前記支持軸が水平方向から挿入可能であり、作動体の水平移動によって支持軸が軸支部に支持される支持状態と、支持軸が軸支部に挿脱可能な挿脱状態とに移行することができ、前記支持状態では前記ストッパ部材が作動体に係合することによって作動体の移動は規制され、前記付勢部材によって作動体は挿脱状態に移行する方向に付勢されるとともに、ストッパ部材は作動体と係合する方向に付勢されることを特徴とする遊技機用のヒンジ。
- 前記ストッパ部材は作動体と同一平面に設けられ、作動体の移動方向と直交する方向に移動する請求項1に記載の遊技機用のヒンジ。
- 前記ストッパ部材には、作動体が支持状態と挿脱状態の双方に移行する際の作動体の移動を案内する案内面が形成されている請求項1又は請求項2に記載の遊技機用のヒンジ。
- 前記作動体は前枠の前後方向に水平移動可能に設けられ、外枠に対する前枠の閉止方向への回動に伴って、作動体の軸支部に挿入された支持軸によって作動体が押圧され、作動体が挿脱状態から支持状態に移行する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機用のヒンジ。
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-
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