JP2004006907A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】NPNバイポーラトランジスタにおけるベース層のP型不純物の濃度b分布を適正に維持するための半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】コレクタ層102の上にベースとして機能するi−Si1−xGe層及びP+Si1−xGe層からなるSi1−xGe層111bを設け、P+Si1−xGe層の上にエミッタとなるSiキャップ層111aを設ける。ベース開口部118内において、Siキャップ層111aの上に、単結晶シリコンへの固溶限以下のリンを含むN−ポリシリコン層129bと、高濃度のリンを含むN+ポリシリコン層129aとからなるエミッタ引き出し電極129とを設ける。Siキャップ層111aに過剰に高濃度のリン(P)がドープされるのを抑制して、ベース層の不純物濃度分布を適正に維持する。Siキャップ層111aの上部にP型不純物を含ませてもよい。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にヘテロバイポーラトランジスタ,又はそれを含むBi−CMOSデバイスにおける不純物の濃度分布の適正化対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、シリコン基板上に形成されるバイポーラトランジスタにSi/SiGe,Si/SiC等のヘテロ接合構造を含ませることにより、より優れた伝導特性を持たせてさらに高周波領域の動作を実現させるヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)の開発が急ピッチで進められている。このHBTは、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させて、このSi/SiGeヘテロ接合構造を利用するものであって、それまでGaAs等の化合物半導体基板を用いたトランジスタでないと動作させることができなかった高周波数領域においても動作するトランジスタを実現することができる。このHBTは、Si基板,SiGe層という汎用のシリコンプロセスと親和性のよい材料で構成されるので、高集積度や低コストという大きな利点を有する。特に、HBTとMOSトランジスタ(MOSFET)とを共通のSi基板上に形成して集積化することにより、高性能なBi−CMOSデバイスを構成することができ、このBi−CMOSデバイスは通信関係に利用可能なシステムLSIとして有望である。
【0003】
そこで、Bi−CMOSデバイス中のバイポーラトランジスタとして、これまでにSi/Si1−xGeやSi/Si1−y等のヘテロ接合構造を含むHBTが提案・試作されている。なかでも、Si/Si1−xGe型HBTは、SiとGeとがほぼ全率固溶可能であるという性質と、歪みを与えることによるバンドギャップの変化とを利用して、バンドギャップを連続的に調整することができるなどの点で有望とみられている。そのために、Si層のみを有するMOSFETと、Si/Si1−xGe型HBTとを共通のSi基板に設けたSiGe−BiCMOSデバイスについての提案が多く行なわれている。
【0004】
図12は、従来のSiGe−BiCMOSデバイスの製造工程を示す断面図である。同図に示すように、(001)を主面とするSi基板500の上部は、エピタキシャル成長法,イオン注入法などによって導入されたリンなどのN型不純物を含む深さ1μmのレトログレードウェル501となっている。Si基板500の表面付近の領域におけるN型不純物濃度は、1×1017atoms・cm−3程度に調整されている。また、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ503と、アンドープポリシリコン膜505及びこれを取り囲むシリコン酸化膜506により構成されるディープトレンチ504とが設けられている。各トレンチ503,504の深さは、それぞれ0.35μm,2μm程度である。
【0005】
また、Si基板500内におけるトレンチ503によって挟まれる領域にコレクタ層502が設けられており、Si基板500内のコレクタ層502とはシャロートレンチ503により分離された領域には、レトログレードウェル501を介してコレクタ層502の電極とコンタクトするためのN+コレクタ引き出し層507が設けられている。
【0006】
また、Si基板500の上には、コレクタ開口部510を有する厚さ約30nmの第1の堆積酸化膜508が設けられている。また、Si基板500のコレクタ開口部510に露出している部分と第1の堆積酸化膜508との上には、厚さ約20nmのアンドープ層(i−Si1−xGe層)とP型不純物がドープされた厚さ約40nmのドープ層(P+Si1−xGe層)とからなるSi1−xGe層511bが設けられ、さらにその上に厚さ約40nmのSiキャップ層511aが積層されている。このSiキャップ層511aとSi1−xGe層511bとにより、Si/Si1−xGe層511が構成されている。Si/Si1−xGe層511は、コレクタ開口部510内では、下地となるSi基板500上にエピタキシャル成長した単結晶構造を有しているが、堆積酸化膜508の上では多結晶構造となっている。
【0007】
また、Si/Si1−xGe層511の上には、厚さ約30nmのエッチストッパ用の第2の堆積酸化膜512が設けられていて、第2の堆積酸化膜512には、ベース接合用開口部514及びベース開口部518が形成されている。そして、ベース接合用開口部514を埋めて第2の堆積酸化膜512の上に延びる厚さ約150nmのP+ポリシリコン層515と第3の堆積酸化膜517とが設けられている。
【0008】
また、P+ポリシリコン層515及び第3の堆積酸化膜517のうち,第2の堆積酸化膜512のベース開口部518の上方に位置する部分は開口されていて、P+ポリシリコン層515の側面には厚さ約30nmの第4の堆積酸化膜520が形成されており、さらに、第4の堆積酸化膜520の上に厚さ約100nmのポリシリコンからなるサイドウォール521が設けられている。そして、ベース開口部518を埋めて第3の堆積酸化膜517の上に延びるN+ポリシリコン層529が設けられており、このN+ポリシリコン層529はエミッタ引き出し電極として機能する。上記第4の堆積酸化膜520によって、P+ポリシリコン層515とN+ポリシリコン層529とが電気的に絶縁されるとともに、P+ポリシリコン層515からN+ポリシリコン層529への不純物の拡散が阻止されている。また、第3の堆積酸化膜517によって、P+ポリシリコン層515の上面とN+ポリシリコン層529とが絶縁されている。
【0009】
さらに、コレクタ引き出し層507,P+ポリシリコン層515及びN+ポリシリコン層529の表面には、それぞれTiシリサイド層524が形成され、N+ポリシリコン層529とP+ポリシリコン層515との外側面はサイドウォール523により覆われている。また、基板全体は層間絶縁膜525によって覆われており、層間絶縁膜525を貫通してN+コレクタ引き出し層507,外部ベースの一部であるP+ポリシリコン層515及びエミッタ引き出し電極であるN+ポリシリコン層529上のTiシリサイド層524に到達する接続孔がそれぞれ形成されている。そして、この各接続孔を埋めるWプラグ526と、各Wプラグ526に接続されて、層間絶縁膜525の上に延びる金属配線527とが設けられている。
【0010】
ここで、図12の部分拡大図に示すエミッタ・ベース接合部の構造について説明する。Si1−xGe層511bのうちベース開口部518の下方に位置する部分が内部ベース519(真性ベース)として機能している。また、Siキャップ層511aのうち,ベース開口部518の直下方に位置する部分であって、N+ポリシリコン層529からの拡散によってボロンが導入された部分が、エミッタ530として機能する。
【0011】
そして、Si/Si1−xGe層511のうちベース開口部518の下方領域を除く部分とP+ポリシリコン層515とによって外部ベース516が構成されている。ただし、部分拡大図に示される部分では、Si/Si1−xGe層511のうちベース開口部518の下方領域を除く部分が外部ベース516として機能している。
【0012】
上述のような構造によって、Si単結晶からなるN+型のエミッタ530と、主としてSi1−xGe単結晶からなるP+型の内部ベース519と、Si単結晶からなるコレクタ層502とを備えたSi/SiGe系のNPNヘテロバイポーラトランジスタが構成されている。ただし、エミッタ・ベース・コレクタを区画するのは、Si/SiGe結晶の境界というよりも、不純物の導電型が変化する部分であるので、正確には不純物のプロファイル如何によってエミッタ・ベース・コレクタの境界も変化することになる。特に、高周波信号増幅用デバイスとして用いる場合には、内部ベース519のP型不純物であるボロン(B)のプロファイルが極めて重要であることから、Si1−xGe層511bを堆積する際には、以下のようにしている。
【0013】
図13に示すように、コレクタ層(Si基板)の上にアンドープのi−Si1−xGe層(xは一定である)をエピタキシャル成長させた後、その上にボロン(B)をドープしたP+Si1−xGe層(xは変化する)とSiキャップ層とを順次エピタキシャル成長させている。図13の右方には、ベース層形成のための結晶成長時におけるB濃度とGe含有率の分布が示されている。つまり、P+Si1−xGe層の最上部では、Geの含有率はほぼ0になってSiキャップ層との組成の差はほとんどなくなっている。そして、その後の工程で、高温処理が加わることによって、P+Si1−xGe層中のボロンが拡散し、Siキャップ層とi−Si1−xGe層の一部にもボロンが広がったなだらかなBの濃度分布を示すようになる。
【0014】
【特許文献1】
特開平5−102170(要約書)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のSi/SiGeヘテロバイポーラトランジスタにおいて、製造工程中におけるSi1−xGe層511b中のボロン(B)の広がりを抑制して、最終的に適正なBの濃度プロファイルを安定して維持することが困難であった。そして、このボロン(B)の広がりによってヘテロバイポーラトランジスタの高周波領域での特性が悪化することがわかってきたのである。そこで、本発明者達は、Bの濃度プロファイルが崩れる原因を突き止めるために、以下の実験を行なった。
【0016】
図14は、従来のSi/SiGeヘテロバイポーラトランジスタのエミッタ・ベース領域におけるリン(P),ボロン(B)の濃度分布と、Geの含有率とについてのSIMSによる測定データを示す図である。同図において、横軸は0点を便宜的に定めた相対的な深さを表し、縦軸はリン(P),ボロン(B)の濃度(atoms・cm−3)とGeの含有率に相当する二次イオン強度(カウント数)を表している。同図に示すように、Geの含有率は急峻な傾斜構造を示して良好な組成が得られていることがわかる。しかし、P+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布がなだらかになって、Siキャップ層511aの大部分までボロン(B)が大きく広がっているのがわかる。ここで、ボロン(B)の種類には重量が互いに異なる10Bと11Bとがあり、エピタキシャル成長中のin−situドープによりボロン(B)をSi1−xGe層中に導入する場合には、Si1−xGe層中に10Bと11Bとが混在するが、イオン注入によってボロン(B)をSi1−xGe層中に導入する場合には、Si1−xGe層中には11Bしか存在しないことがわかっている。なお、SIMSの測定の際に、試料中の不純物などの原子がスパッタリングされる領域にはある程度の幅があるので、SIMSの測定データ中に必ずしも各領域の範囲と不純物の濃度との正確な対応が現れるわけではないが、各領域の範囲と不純物の濃度との概略的な傾向は現れている。
【0017】
図14に示すごとく、ボロン(B)の濃度分布が予想以上に広がってしまうことについては、まだ完全に解明されたわけではないが、図14に示すデータやその他の実験によって明らかになった事実から、エミッタ層におけるリン濃度とボロン(B)の濃度との間に何らかの相関関係が存在している可能性が強い。つまり、エミッタにおけるリン(P)の濃度が高いほど、P+Si1−xGe層中におけるボロン(B)の濃度分布が広がる傾向がみられた。そして、リン(P)の濃度濃度が高いとボロン(B)の拡散が促進されるということについては、点欠陥が関与しているものと考えられる。つまり、点欠陥が高濃度に存在すると、B原子とSiやGe原子との置換による拡散だけでなく、点欠陥を介してB原子が移動することが可能になることから、高温処理時におけるB原子の拡散速度が高められ、ボロン(B)の濃度分布がなだらかになるものと考えられる。
【0018】
このことは、以下のようなリン(P)の濃度分布から導かれる。図14に示すリン(P)のSiキャップ層中における濃度分布において、領域Re1にはSi単結晶への固溶限(約1×1020atoms・cm−3程度)以上のリン(P)が含まれていることになり、これらのリン(P)のうち固溶しきれない分は格子間位置に入ったり、空孔を形成したりして点欠陥を生ぜしめるものと思われる。つまり、Si1−xGe層におけるリン(P)の濃度が高いと点欠陥数が増大することから、ボロン(B)の拡散が促進されて濃度分布が広がるものと考えられる。
【0019】
一方、従来のエミッタ引き出し電極として機能するN+ポリシリコン層529においては、図14に示すように、5.0×1020・atomscm−3程度のリン(P)がドープされており、Si単結晶中への固溶限に比べるとかなりの高濃度である。これは、ポリシリコン中においては、不純物が粒界に偏析する傾向が強いために、全体として高濃度のリン(P)をドープしておかないと、低抵抗化のために必要な不純物の活性化率が得られないからである。
【0020】
本発明の目的は、エミッタ引き出し電極,エミッタの低抵抗性やバイポーラトランジスタの所望の動作に必要な不純物濃度を保ちつつSiキャップ層中におけるボロン(B)などのP型不純物の広がりを抑制する手段を講ずることにより、ヘテロバイポーラトランジスタのベース層におけるP型不純物の濃度分布を適正に維持し、もって高周波特性などの電気的特性の優れたバイポーラトランジスタとして機能する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、基板上のコレクタ層として機能するN型の第1の単結晶半導体層の上に、ベース層として機能するP型の第2の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、上記第2の単結晶半導体層の上に、第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)と、上記第3の単結晶半導体層の上に、最下部において上記第3の単結晶半導体層の固溶限の濃度のリンを第3の単結晶半導体層に拡散させる濃度以下の濃度のリンを含み、上部において上記最下部よりも高濃度のリンを含む半導体層を堆積する工程(c)と、上記半導体層内のリンを拡散させるための熱処理を行ない、上記第3の単結晶半導体層の上部に固溶限以下の濃度のリンをドープして、バイポーラトランジスタのエミッタを形成する工程(d)とを含んでいる。
【0022】
この方法により、工程(d)の熱処理の際に、アモルファスシリコン層,ポリシリコン層などの半導体層の最下部から、第3の単結晶半導体層への固溶限を越えるリンが拡散することが抑制されるので、第3の単結晶半導体層における点欠陥の発生が抑制され、よって、良好なP型不純物の濃度分布を有するベースを備えたバイポーラトランジスタが形成されることになる。
【0023】
上記工程(c)では、上記半導体層にドープするリンの濃度を上方に向かってステップ状に高くしてもよいし、上方に向かって連続的に高くしてもよい。
【0024】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、基板上のコレクタ層として機能するN型の第1の単結晶半導体層の上に、ベース層として機能するP型の第2の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、上記第2の単結晶半導体層の上に、第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)と、上記第3の単結晶半導体層の少なくとも上部にP型不純物をドープする工程(c)と、上記第3の単結晶半導体層の上に、リンを含む半導体層を形成する工程(d)と、上記半導体層内のリンを拡散させるための熱処理を行ない、上記第3の単結晶半導体層の上部に上記工程(c)でドープされたP型不純物よりも高濃度のリンをドープして、バイポーラトランジスタのエミッタを形成する工程(e)とを含んでいる。
【0025】
この方法により、工程(c)で第3の単結晶半導体層の上部にドープされたP型不純物の存在によって、経験的にその後の熱処理の際に第2の単結晶半導体層中のP型不純物の拡散が抑制される。したがって、良好なP型不純物の濃度分布を有するベースを備えたバイポーラトランジスタが形成されることになる。
【0026】
上記工程(c)は、上記工程(b)と同時に、P型不純物をドープしながら上記第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させるか、上記工程(b)の後に上記第3の単結晶半導体層内にP型不純物のイオンを注入することにより行なわれる。
【0027】
また、上記工程(b)の後、上記工程(c)の前に、上記第3の単結晶半導体層の上に絶縁層を形成する工程と、上記絶縁層の上に、P型不純物を含む半導体層を形成する工程とをさらに含み、上記工程(c)を、熱処理により上記半導体層から上記絶縁層を通過させて上記第3の単結晶半導体層にP型不純物を導入することにより行なってもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)である半導体装置の断面図である。ただし、同図にはHBTの構造のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示しない領域にCMOSデバイスのMISトランジスタが形成されているものとする。
【0029】
同図に示すように、(001)面を主面とするSi基板100の上部は、エピタキシャル成長法,イオン注入法などによって導入されたリンなどのN型不純物を含む深さ1μmのレトログレードウェル101となっている。Si基板100の表面付近の領域におけるN型不純物濃度は、1×1017atoms・cm−3程度に調整されている。また、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ103と、アンドープポリシリコン膜105及びこれを取り囲むシリコン酸化膜106により構成されるディープトレンチ104とが設けられている。各トレンチ103,104の深さは、それぞれ0.35μm,2μm程度である。
【0030】
また、Si基板100内におけるトレンチ103によって挟まれる領域にコレクタ層102が設けられており、Si基板100内のコレクタ層102とはシャロートレンチ103により分離された領域には、レトログレードウェル101を介してコレクタ層102の電極とコンタクトするためのN+コレクタ引き出し層107が設けられている。
【0031】
また、Si基板100の上には、コレクタ開口部110を有する厚さ約30nmの第1の堆積酸化膜108が設けられている。また、Si基板100の上面のうちコレクタ開口部110に露出する部分と第1の堆積酸化膜108との上には、厚さ約30nmのアンドープ層(i−Si1−xGe層)とP型不純物がドープされた厚さ約60nmのドープ層(P+Si1−xGe層)とからなるSi1−xGe層111bが設けられ、さらに、その上に厚さ約30nmのSiキャップ層111aが積層されている。このSi1−xGe層111bとSiキャップ層111aとにより、Si/Si1−xGe層111が構成されている(部分拡大図参照)。Si/Si1−xGe層111は、Si基板100のうちコレクタ開口部110に露出している部分の上では下地のSi基板100の結晶構造に沿った単結晶構造を有し、第1の堆積酸化膜108の上では多結晶構造を有している。そして、主としてSi1−xGe層111bのうちの中央部(後述するベース開口部118の下方領域)の下部が内部ベース119となり、Siキャップ層111aの中央部がエミッタ層となる。また、Si1−xGe層の大部分は、ボロン(B)などのP型不純物によって2×1018atoms・cm−3程度にドーピングされている。
【0032】
Si/Si1−xGe層111及び第1の堆積酸化膜108の上には、厚さ約30nmのエッチストッパ用の第2の堆積酸化膜112が設けられていて、第2の堆積酸化膜112には、ベース接合用開口部114及びベース開口部118が形成されている。また、ベース接合用開口部114を埋めて第2の堆積酸化膜112の上に延びる厚さ約150nmのP+ポリシリコン層115と、第3の堆積酸化膜117とが設けられている。上記Si/Si1−xGe層111のうちベース開口部118の下方領域を除く部分とP+ポリシリコン層115とによって外部ベース116が構成されている。
【0033】
また、P+ポリシリコン層115及び第3の堆積酸化膜117のうち,第2の堆積酸化膜112のベース開口部118の上方に位置する部分は開口されていて、P+ポリシリコン層115の側面には厚さ約30nmの第4の堆積酸化膜120が形成されており、さらに、第4の堆積酸化膜120の上に厚さ約100nmのポリシリコンからなるサイドウォール121が設けられている。
【0034】
ここで、本実施形態の特徴として、ベース開口部118を埋めて第3の堆積酸化膜117の上に延びる厚さが約100nmのN−ポリシリコン層129bと、厚さが約200nmのN+ポリシリコン層129aとからなるエミッタ引き出し電極129が設けられている(部分拡大図参照)。このように、Siキャップ層111aの上に直接Pポリシリコン層129aを設けずに、N−ポリシリコン層129bを両者の間に介在させることにより、Siキャップ層111aに過剰に高濃度のリン(P)がドープされるのを抑制しうるように構成されている。本実施形態においては、Siキャップ層111aには、N+ポリシリコン層129aからのリン(P)の拡散によって、基板の深さ方向に向かって7×1020atoms・cm−3から1×1020atoms・cm−3程度までの分布をもって、リン(P)がドープされている。
【0035】
上記第4の堆積酸化膜120によって、P+ポリシリコン層115とエミッタ引き出し電極129とが電気的に絶縁されるとともに、P+ポリシリコン層115からエミッタ引き出し電極129への不純物の拡散が阻止されている。また、第3の堆積酸化膜117によって、P+ポリシリコン層115の上面とエミッタ引き出し電極129とが絶縁されている。さらに、エミッタ引き出し電極129とP+ポリシリコン層115の外側面はサイドウォール123により覆われている。
【0036】
さらに、コレクタ引き出し層107,P+ポリシリコン層115及びエミッタ引き出し電極129の表面には、それぞれTiシリサイド層124が形成されている。なお、P+ポリシリコン層115の外側面の構造は、図12に示す従来のHBTの構造と異なっているが、これはP+ポリシリコン層115とエミッタ引き出し電極129とのパターニング順序の相違によるものである。
【0037】
また、基板全体は層間絶縁膜125によって覆われており、層間絶縁膜125を貫通してN+コレクタ引き出し層107,外部ベースの一部であるP+ポリシリコン層115及びエミッタ引き出し電極129上のTiシリサイド層124に到達する接続孔がそれぞれ形成されている。そして、この各接続孔を埋めるWプラグ126と、各Wプラグ126に接続されて、層間絶縁膜125の上に延びる金属配線127とが設けられている。
【0038】
なお、上述のような各層の厚さは典型的な値を示しており、HBTの種類や用途に応じて適当な厚さを用いることが可能である。
【0039】
ここで、図1の部分拡大図に示すエミッタ・ベース接合部の構造について説明する。Si1−xGe層111bのうちベース開口部118の下方に位置する部分が内部ベース119(真性ベース)として機能している。また、Siキャップ層111aのうち,ベース開口部118の直下方に位置する部分であって、エミッタ引き出し電極129からの拡散によってボロンが導入された部分が、エミッタ130として機能する。
【0040】
そして、Si/Si1−xGe層111のうちベース開口部118の下方領域を除く部分とP+ポリシリコン層115とによって外部ベース116が構成されている。ただし、部分拡大図に示される部分では、Si/Si1−xGe層111のうちベース開口部118の下方領域を除く部分が外部ベース116として機能している。
【0041】
上述のような構造によって、Si単結晶からなるN+型のエミッタ130と、主としてSi1−xGe単結晶からなるP+型の内部ベース119と、Si単結晶からなるコレクタ層102とを備えたSi/SiGe系のNPNヘテロバイポーラトランジスタが構成されている。ただし、エミッタ・ベース・コレクタを区画するのは、Si/SiGe結晶の境界というよりも、不純物の導電型が変化する部分であるので、正確には不純物の濃度プロファイル如何によってエミッタ・ベース・コレクタの境界も変化することになる。特に、内部ベース119のP型不純物であるボロン(B)の濃度プロファイルがもっとも重要であることから、Si1−xGe層111bを堆積する際には、従来と同様に、図13において説明したようにしている。
【0042】
次に、図1に示す構造を実現するための製造工程について、図2(a)〜図5(b)を参照しながら説明する。図2(a)〜図5(b)は、第1の実施形態のSi/SiGe−HBTの製造工程を示す断面図である。なお、共通の基板上にCMOSデバイスを形成してもよいし、HBTのみを形成してもよい。
【0043】
まず、図2(a)に示す工程で、(001)面を主面とするSi基板100の上部に、N型不純物をドープしながらSi単結晶層をエピタキシャル成長させる、あるいは、エピタキシャル成長後に高エネルギーのイオン注入を行なうことにより、深さ約1μmのN型のレトログレードウェル101を形成する。ただし、エピタキシャル成長を行なわずにSi基板100の一部にイオン注入を行なうことによりレトログレードウェル101を形成することも可能である。このとき、Si基板100の表面付近の領域は、HBTのコレクタ層となるためにN型の不純物濃度を1×1017atoms・cm−3程度に調整しておく。
【0044】
次に、素子分離として、酸化シリコンが埋め込まれたシャロートレンチ103と、アンドープポリシリコン膜105及びこれを取り囲むシリコン酸化膜106により構成されるディープトレンチ104とを形成する。各トレンチ103,104の深さは、それぞれ0.35μm,2μm程度としておく。Si基板100内におけるシャロートレンチ103同士によって挟まれる領域がコレクタ層102となる。また、Si基板100内のコレクタ層102とはシャロートレンチ103により分離された領域に、コレクタ電極とコンタクトするためのN+コレクタ引き出し層107を形成する。
【0045】
次に、図2(b)に示す工程で、テトラエトキシシラン(TEOS)と酸素を用いた化学気相成長法(CVD)を処理温度680℃で行なって、ウエハ上に厚さが約30nmの第1の堆積酸化膜108を形成した後、フッ酸等のウェットエッチングにより、第1の堆積酸化膜108にコレクタ開口部110を形成する。そして、Si基板100のコレクタ開口部110に露出した部分をアンモニア水と過酸化水素水との混合液によって処理し、その部分に厚さが1nm程度の保護酸化膜を形成した状態で、ウエハをUHV−CVD装置のチャンバー内に導入する。そして、導入後、水素雰囲気中で熱処理を行うことにより保護酸化膜を除去した後、550℃に加熱しつつジシラン(Si)とゲルマン(GeH)を導入して、Si基板100のコレクタ開口部110に露出している表面及び第1の堆積酸化膜108の上に、図1の部分拡大図に示す厚さ約30nmのアンドープ層(i−Si1−xGe層)を選択的にエピタキシャル成長させた後、550℃に加熱しつつジシラン(Si)とゲルマン(GeH)にドーピング用のジボラン(B)を含むガスをチャンバー内に導入して、i−Si1−xGe層の上に厚さ約60nmのP+Si1−xGe層をエピタキシャル成長させる。これにより、トータル厚さが約90nmのSi1−xGe層111bを形成する。そして、Si1−xGe層111bを形成した後、連続してチャンバー内に供給するガスをジシランに切り替えることにより、Si1−xGe層111bのP+Si1−xGe層の上に厚さ約30nmのSiキャップ層をエピタキシャル成長させる。このSi1−xGe層111bとSiキャップ層111aとにより、Si/Si1−xGe層111が形成される。ここで、P+Si1−xGe層中のボロン(B)の濃度は2×1018atoms・cm−3である。このとき、Siキャップ層111aには不純物を導入しないでおく。そして、主としてSi1−xGe層111bのうちの中央部の下部が内部ベース119となる。
【0046】
次に、図3(a)に示す工程で、ウエハ上に、エッチストッパとなる膜厚30nmの第2の堆積酸化膜112を形成した後、第2の堆積酸化膜112の上に設けたレジストマスクPr1を用いて、第2の堆積酸化膜112をドライエッチングによりパターニングして、ベース接合用開口部114を形成する。このとき、Si/Si1−xGe層111の中央部は第2の堆積酸化膜によって覆われており、ベース接合用開口部114にはSi/Si1−xGe層111の一部と第1の堆積酸化膜108の一部とが露出している。次に、活性領域・分離接合部におけるストレスの影響を抑えるために、ベース接合用開口部114の形成に用いたレジストマスクPr1を用いて、ボロン(B)などのP型の不純物のイオン注入を行い、表面付近の濃度が3×1017atoms・cm−3程度の接合リーク防止層113を形成する。
【0047】
次に、図3(b)に示す工程で、CVDにより、ウエハ上に、ボロンが1×1020atoms・cm−3以上の高濃度でドープされた厚さ約150nmのP+ポリシリコン層115を堆積し、続いて、厚さ約100nmの第3の堆積酸化膜117を堆積する。次に、ドライエッチングにより、第3の堆積酸化膜117とP+ポリシリコン層115とをパターニングして、第3の堆積酸化膜117とP+ポリシリコン層115との中央部に第2の堆積酸化膜112に達するベース開口部118を形成する。このベース開口部118は第2の堆積酸化膜112の中央部よりも小さく、ベース開口部118がベース接合用開口部114に跨ることはない。この工程により、P+ポリシリコン層115とSi/Si1−xGe層111の中央部を除く部分とによって構成される外部ベース116が形成される。ここで、本実施形態においては、この時に第3の堆積酸化膜117とP+ポリシリコン層115との図中の両端部をエッチングすることなく残しておく。これによりエッチングした側壁に付着する残留物を極力抑えることができる。
【0048】
次に、図4(a)に示す工程で、CVDにより、ウエハの全面上に厚さ約30nmの第4の堆積酸化膜120と厚さ約150nmのポリシリコン膜とを堆積する。そして、異方性ドライエッチングにより、第4の堆積酸化膜120及びポリシリコン膜をエッチバックして、P+ポリシリコン層115及び第3の堆積酸化膜117の側面上に第4の堆積酸化膜120を挟んでポリシリコンからなるサイドウォール121を形成する。次に、フッ酸等によるウエットエッチングを行い、第2の堆積酸化膜112及び第4の堆積酸化膜120のうち露出している部分を除去する。このとき、ベース開口部118においては、Si/Si1−xGe層111の上部のSiキャップ層が露出する。また、ウエットエッチングは等方性であることから第2の堆積酸化膜112及び第4の堆積酸化膜120が横方向にもエッチングされ、ベース開口部118の寸法が拡大する。
【0049】
次に、図4(b)に示す工程で、厚さ約100nmのN−ポリシリコン層129b(堆積時はアモルファス状態である)と、厚さ約200nmのN+ポリシリコン層129aとを堆積した後、ドライエッチングによってN−ポリシリコン層129b及びN+ポリシリコン層129aをパターニングすることにより、エミッタ引き出し電極129を形成する。このとき、ポリシリコン膜を堆積する際のin−situドープによって、N+ポリシリコン層129aには約7×1020atoms・cm−3の濃度のリン(P)がドープされ、N−ポリシリコン層129aには約7×019atoms・cm−3の濃度のリン(P)がドープされている。その後、925℃,15secの条件で熱処理を行なって、N−ポリシリコン層129bからSiキャップ層111aにリン(P)を拡散させることにより、Siキャップ層111aに基板の深さ方向に向かって2×1019atoms・cm−3から1×1017atoms・cm−3程度までの分布をもって、リン(P)をドープする。これにより、エミッタ130が形成される。
【0050】
次に、図5(a)に示す工程で、ドライエッチングにより、第3の堆積酸化膜117,P+ポリシリコン層115及び第2の堆積酸化膜112をパターニングして、外部ベース116の形状を決定する。
【0051】
次に、図5(b)に示す工程で、ウエハ上に厚さが約120nmの堆積酸化膜を形成した後、ドライエッチングを行なって、エミッタ引き出し電極129とP+ポリシリコン層115の側面にサイドウォール123を形成する。このときのドライエッチング(オーバーエッチング)によって、第1の堆積酸化膜108の露出している部分を除去して、エミッタ引き出し電極129,P+ポリシリコン層115及びN+コレクタ引き出し層107の表面を露出させる。
【0052】
さらに、図1に示す構造を得るために、以下の処理を行なう。まず、スパッタリングによって、ウエハの全面上に厚さが約40nmのTi膜を堆積した後、675℃,30secのRTA(短時間アニール)を行なうことにより、エミッタ引き出し電極129,P+ポリシリコン層115及びN+コレクタ引き出し層107の露出している表面にTiシリサイド層124を形成する。その後、Ti膜の未反応部分のみを選択的に除去した後、Tiシリサイド層124の結晶構造を変化させるためのアニールを行なう。
【0053】
次に、ウエハの全面上に層間絶縁膜125を形成し、層間絶縁膜125を貫通してエミッタ引き出し電極129,P+ポリシリコン層115及びN+コレクタ引き出し層107上のTiシリサイド層124に到達する接続孔を形成する。そして、各接続孔内にW膜を埋め込んでWプラグ126を形成した後、ウエハの全面上にアルミニウム合金膜を堆積した後、これをパターニングして、各Wプラグ126に接続され、層間絶縁膜125の上に延びる金属配線127を形成する。
【0054】
以上の工程により、図1に示す構造を有するHBT、つまり、Si基板100中のリン(P)がドープされたウェル層(レトログレードウェル101)からなるコレクタと、ボロン(B)がドープされたP+Si1−xGe層からなるベースと、リン(P)がドープされたSiキャップ層111aからなるエミッタとを備えたHBTが形成される。
【0055】
本実施形態のHBT又はその製造方法によると、高濃度のリン(P)を含むN+ポリシリコン層129aとSiキャップ層111aとの間に、低濃度のリン(P)を含むP−ポリシリコン層129bを介在させたので、Siキャップ層111a(エミッタ130)に高濃度のリン(P)が拡散することに起因する内部ベース層119におけるボロン(B)の濃度分布の広がりを抑制することができる。
【0056】
図6は、本実施形態におけるエミッタ引き出し電極129からSi基板100に至る縦断面におけるリン(P)及びボロン(B)の濃度分布を模式的に示す図である。同図に示すように、エミッタ引き出し電極129中のN+ポリシリコン層129aにおいてはリン(P)の濃度が活性化に十分な値になっており、HBTの所望の特性を得るために必要なエミッタ引き出し電極129の低抵抗性が確保されている。一方、Siキャップ層111aの上部に設けられるエミッタ130においては、固溶限以下でかつエミッタとして機能するのに十分な濃度のリン(P)がドープされている。そして、内部ベース119となるP+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布は、Siキャップ層111aやi−Si1−xGe層に大きく広がることなく急峻さを保っている。このような不純物の濃度分布が得られることは、以下のようなシミュレーションによって確認されている。
【0057】
図7は、P+Si1−xGe層におけるボロン(B)の増速拡散が、エミッタ引き出し電極129を構成するポリシリコン層におけるリン(P)の濃度によってどのように変化するかを調べるために行なったシミュレーション結果を示す図である。同図において、横軸は相対的な深さを表し、縦軸はリン(P)又はボロン(B)の濃度(atoms・cm−3)を表している。そして、スペーサであるi−Si1−xGe層の厚みを40nmとし、ベースであるP+Si1−xGe層の厚みを40nmとし、Siキャップ層の厚みを40nmとして、925℃,15secの条件で拡散のための熱処理を行なったという条件設定をしている。ただし、ポリシリコン層中での拡散による不純物の濃度分布をシミュレーションすることは困難であるので、ポリシリコン層内では不純物の濃度は一定であると仮定している。また、同図の右方には、ボロン(B)及びリン(P)の各データについて、ポリシリコン層(DPS)中におけるリンの濃度(atoms・cm−3)が示されている。例えば、データB(DPS 7E20)は、P−ポリシリコン層129bに7×1020atoms・cm−3の濃度リン(P)をドープしたときに、P+Si1−xGe層(内部ベース)にドープしたボロンがどのように拡散したかを示し、データP(DPS 7E20)は、N−ポリシリコン層129bに7×1020atoms・cm−3の濃度リン(P)をドープしたときに、Siキャップ層111a内にそのリン(P)がどのように拡散したかを示している。
【0058】
図7に示すように、Siキャップ層に接するポリシリコン層に約7×1020atoms・cm−3の濃度のリン(P)をドープさせた場合には、P+Si1−xGe層からのボロンの拡散が増速されて、Siキャップ層内にボロン(B)のピークが現れている。また、Siキャップ層に接するポリシリコン層に約2×1020atoms・cm−3の濃度のリン(P)をドープさせた場合には、Siキャップ層中にボロン(B)のピークが現れることはないが、Siキャップ層及びi−Si1−xGe層内にボロン(B)が広がっており、特に、HBT中におけるSiキャップ層の厚みが10nmのときにはSiキャップ層の最上部で約3×1017atoms・cm−3の濃度のボロン(B)が存在することになり、好ましくないことがわかる。一方、Siキャップ層に接するポリシリコン層にたかだか約7×019atoms・cm−3の濃度のリン(P)をドープさせた場合には、P+Si1−xGe層からSiキャップ層及びi−Si1−xGe層へのボロン(B)の拡散が抑制されており、ボロン(B)の濃度分布の急峻性が保たれている。そして、Siキャップ層においても、約2×1019atoms・cm−3の濃度のリン(P)がドープされているので、HBTの動作に必要な濃度の不純物がすべての領域にドープされていることになる。
【0059】
すなわち、上述の製造工程に示すように、約7×019atoms・cm−3の低濃度のリン(P)を含むN−ポリシリコン層129bをSiキャップ層111aの直上に堆積し、その上に約7×1020atoms・cm−3の高濃度のリン(P)を含むN+ポリシリコン層129aを堆積することによって、図6に示すような不純物の濃度分布を実現できることがわかる。
【0060】
N−ポリシリコン層129bにおけるリン(P)の濃度は、Siキャップ層111aに対して固溶限の濃度のリンを拡散させる濃度以下の濃度のリンを含むことが好ましい。Siキャップ層111a内に固溶限以上のリン(P)がドープされていると、点欠陥を発生させ、これがボロンの拡散を助長していると考えられるからである。ここで、Si単結晶へのリンの固溶限は、約1×1020atoms・cm−3程度であり、各種半導体へのリンの固溶限は、その半導体の材質に応じて定まる固有の値である。一方、N−ポリシリコン層129bにおけるリン(P)の濃度は、あまりにリン(P)の濃度が低いとリン(P)の拡散のための駆動力が得られないことから、Siキャップ層111a内にリン(P)が拡散しうる濃度以上でなければならない。このときのSiキャップ層111aの上端部とN−ポリシリコン層129bとにおけるリン濃度の差は、図7のようなシミュレーションによって求めることができるし、サンプルをSIMSで測定することによっても確認することができる。例えば、図7に示すリン(P)(DPS 7E19)のデータが得られた試料の場合、Siキャップ層111aの上端部におけるリン(P)の濃度が約2×1019atoms・cm−3で、N−ポリシリコン層129bにおけるリン(P)の濃度が約6×1019atoms・cm−3である。他の試料についても考慮すると、今回シミュレーションを行なったサンプルに関する限り、N−ポリシリコン層129bにはSiキャップ層111aにドープしようとするリン(P)の3倍程度の濃度のリンを含んでいる必要があることになる。ただし、この両者の濃度差はポリシリコンやアモルファスシリコン(堆積時には、一般的にはアモルファスシリコンであることが多い)の堆積条件や、下地のSiキャップ層111aとN−ポリシリコン層129bとの境界層の状態、例えば自然酸化膜の有無,厚みなどによって異なる。つまり、N−ポリシリコン層129bにおけるリン(P)の濃度の適正な範囲は、当該製造プロセスについての試料を用いて実験的に決定することができる。
【0061】
また、N−ポリシリコン層129bの厚みの範囲は、N+ポリシリコン層129a中のリン(P)の濃度との関係で定まり、N+ポリシリコン層129aからのリン(P)の拡散によってSiキャップ層111aに固溶限以上のリン(P)がドープされず、かつ、エミッタ引き出し電極129全体に必要な低抵抗性が得られる範囲であればよい。
【0062】
なお、N+ポリシリコン層129a,N−ポリシリコン層129bの2層だけでなく、中間的な濃度のリンを含む第3のポリシリコン層を両者の間に形成するなど、3層以上のポリシリコン層を形成してもよいし、ポリシリコン中におけるリンの濃度が固溶限以下の濃度から固溶限を越える濃度まで連続的に変化するようにリンをドープしてもよい。
【0063】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態のヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)である半導体装置の断面図である。ただし、同図にはHBTの構造のみが示されているが、共通の基板上にCMOSデバイスが設けられていることが多く、その場合には、図示しない領域にCMOSデバイスのMISトランジスタが形成されているものとする。
【0064】
同図に示すように、本実施形態におけるHBTの構造は、上記第1の実施形態におけるHBTの構造とほとんど同じであるが、エミッタ引き出し電極129の構造と、Siキャップ層111a内の不純物の濃度分布などが異なっている。以下、第1の実施形態と同じ構造については説明を省略し、第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
【0065】
本実施形態においては、エミッタ引き出し電極129はN+ポリシリコン層のみから構成されており、Siキャップ層111aの上部であるエミッタ層130には、Si単結晶への固溶限以上の濃度のリン(P)がドープされている。ただし、Siキャップ層111aの上部には、比較的高濃度のボロン(B)もドープされていて、後述するように、このボロン(B)の存在により、内部ベースとなるP+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布の急峻性が保持されている。
【0066】
図9(a),(b)は、本実施形態における半導体装置の製造工程の一部を示す図である。本実施形態においても、第1の実施形態における図2(a)〜図3(a)までの工程と同じを行なう。ただし、本実施形態においては、第2の堆積酸化膜112の厚みは約10nmである。
【0067】
そして、図9(a)に示す工程で、CVDにより、ウエハ上にアンドープのポリシリコン膜を堆積した後、ポリシリコン膜にドーズ量3×1015atoms・cm−2の条件でボロン(B)のイオン注入を行なって高濃度にドープされた厚さ約150nmのP+ポリシリコン層115を形成する。続いて、厚さ約100nmの第3の堆積酸化膜117を堆積した後、950℃,15secの条件でP+ポリシリコン層115中のボロン(B)を拡散させる。この熱処理によって、P+ポリシリコン層115中のボロン(B)が第2の堆積酸化膜112を通過して、Siキャップ層111a中にドープされる。
【0068】
次に、図9(b)に示す工程で、ドライエッチングにより、第3の堆積酸化膜117とP+ポリシリコン層115とをパターニングして、第3の堆積酸化膜117とP+ポリシリコン層115との中央部に第2の堆積酸化膜112に達するベース開口部118を形成する。このベース開口部118は第2の堆積酸化膜112の中央部よりも小さく、ベース開口部118がベース接合用開口部114に跨ることはない。この工程により、P+ポリシリコン層115とSi/Si1−xGe層111の中央部を除く部分とによって構成される外部ベース116が形成される。
【0069】
その後の工程は図示しないが、図4(a)〜図5(b)に示す工程とほぼ同じ処理を行なう。ただし、エミッタ引き出し電極129を形成する際には、N+ポリシリコン層のみを堆積した後、これをパターニングするようにしている。
【0070】
図10は、本実施形態におけるSi/Si1−xGe層111の縦断面におけるリン(P)及びボロン(B)の濃度分布を模式的に示す図である。同図に示すように、Siキャップ層111aの上部には、P+ポリシリコン層115から第2の堆積酸化膜112を通過して拡散したボロン(B)が高濃度にドープされている。すなわち、Siキャップ層111a内のエミッタ引き出し電極129との界面では、ボロン(B)の濃度は極めて低いがその後下方に向かって急激にボロン濃度が増大し、Siキャップ層111a内のエミッタ引き出し電極129との界面から数nm離れた位置でボロン(B)濃度のピークが現れている。そして、内部ベース119となるP+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布は、Siキャップ層111aやi−Si1−xGe層に大きく広がることなく急峻さを保っている。なお、Siキャップ層111aの上部に高濃度のボロン(B)がドープされても、さらに高濃度のリン(P)がドープされているので、エミッタ130は高濃度のN型であり、NPNバイポーラトランジスタとしての機能が損なわれることはない。このような不純物の濃度分布が得られることは、以下のようなシミュレーションによって確認されている。
【0071】
図11は、本実施形態の半導体装置の製造工程のように、酸化膜を挟んでP+ポリシリコン層からボロン(B)をSiキャップ層に拡散させたときのSIMSの測定データを示す図である。同図において、横軸は相対的な深さを表し、縦軸はリン(P)又はボロン(B)の濃度(atoms・cm−3)を表している。そして、P+ポリシリコン層におけるボロンの濃度を1×1020atoms・cm−3とし、ボロンの拡散時におけるP+ポリシリコン層とSiキャップ層との間に介在する酸化膜の厚みを10nmとしている。ただし、図11のデータはP+ポリシリコン層をパターニングした後引き出し電極を形成したものについてのデータである。また、950℃,15secの条件でドライブイン拡散のための熱処理を行なっている。なお、リン(p)のデータは正確な値が得られなかったので、図示されていないが、図中破線に示す分布になっているものと推測される。
【0072】
図11に示すように、上記図10にほぼ対応するリン(P)及びボロン(B)の濃度分布が得られていることがわかる。つまり、P+Si1−xGe層から両側のSiキャップ層及びi−Si1−xGe層へのボロン(B)の拡散が抑制されており、ボロン(B)の濃度分布の急峻性が保たれている。つまり、Siキャップ層111a及びコレクタ層102側へのボロンの拡散も抑制される。図11に示すように、本実施形態のような製造工程では、イオン注入では重量の大きい11BのみがP+ポリシリコン層115中にドープされるので、図11に現れているボロン(B)のピークは、P+Si1−xGe層からのボロン(B)の拡散によるものではなく、P+ポリシリコン層115からの拡散によるものであることがわかる。なお、SIMSによる測定の特性上、スパッタリングされる領域に幅があるので、P+Si1−xGe層中のボロンの濃度分布が広がっているように見えるが、現実には急峻な分布があると推測しうる。
【0073】
すなわち、上述の製造工程に示すように、第2の堆積酸化膜112を挟んでP+ポリシリコン層115からボロン(B)をSiキャップ層111aまで拡散させることにより、内部ベースであるP+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布を急峻に保持しうることが経験的に確かめられた。
【0074】
このように、P+Si1−xGe層におけるボロン(B)の濃度分布を急峻に維持しうる理由についてはまだ確認されていない。本発明者の推測では、N+ポリシリコン層からなるエミッタ引き出し電極129からSi単結晶への固有限以上に高濃度のリン(P)がSiキャップ層111aに拡散することで、Siキャップ層111a内に点欠陥が生じたとしても、P+ポリシリコン層115からSiキャップ層111aに拡散してきたボロン(B)によって点欠陥が占拠される結果、P+Si1−xGe層つまり内部ベースのボロン(B)の拡散が抑制されるものと考えることができる。
【0075】
したがって、Siキャップ層111aの少なくとも上部に、P+Si1−xGe層(内部ベース)よりも高濃度のボロンがドープされていることが好ましい。また、Siキャップ層111a全体にボロンがドープされていてもよい。
【0076】
なお、Siキャップ層111aにおいて、ボロン(B)がドープされた領域がこの領域におけるボロンよりも高濃度のリンがドープされた領域に包含されていることが好ましい。これにより、高い耐圧性を確保することができるからである。
【0077】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態においては、P+ポリシリコン層115にイオン注入によってボロン(B)をドープしたが、in−situドープ法によってP+ポリシリコン層115にボロン(B)をドープしてもよい。
【0078】
また、Siキャップ層111aの上部にボロン(B)を高濃度にドープする方法としては、本実施形態で説明した方法に限定されることはない。製造工程の図示は省略するが、例えば、Siキャップ層111aをエピタキシャル成長させるときに(第1の実施形態における図2(b)に示す工程)、Siキャップ層111aの上部にボロン(B)を高濃度にin−situドープするようにしてもよい。この方法によると、上記第2の実施形態における製造方法よりも、Siキャップ層111aなどにおける不純物の濃度分布を安定して制御することができる利点がある。
【0079】
上記各実施形態においては、ベース層としてSi1−xGe層(0≦x<1)により構成したが、ベース層をSi1−xGe層の代わりにSi1−x−yGe層(0≦x,y<1)やSi1−y層(0≦y<1)により構成してもよい。また、エミッタ,コレクタのうち少なくともいずれか1つをSi1−xGe層,Si1−x−yGe層又はSi1−y層により構成してもよい。
【0080】
【発明の効果】
本発明の半導体装置の製造方法によると、コレクタ,ベース,エミッタとなる第1〜第3の単結晶半導体層を設ける際に、エミッタとなる第3の単結晶層半導体層の上部に固溶限以下の濃度のリンを含ませるか、第3の単結晶半導体層の上部にP型不純物とこのP型不純物よりも高濃度のリンとを含ませるようにしたので、ベースとなる第2の単結晶半導体層におけるP型不純物の拡散を抑制することができ、よって、ベースにおけるP型不純物の濃度分布を適正に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の半導体装置であるHBTの構成を示す断面図である。
【図2】(a),(b)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程のうちコレクタ開口部にSi/Si1−xGe層を形成する工程を示す断面図である。
【図3】(a),(b)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程のうちP+ポリシリコン層にベース開口部を形成する工程を示す断面図である。
【図4】(a),(b)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程のうちベース開口部にN+ポリシリコン層を形成する工程を示す断面図である。
【図5】(a),(b)は、第1の実施形態の半導体装置の製造工程のうちP+ポリシリコンの端部をパターニングする工程を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態におけるエミッタ引き出し電極からSi基板に至る縦断面におけるリン(P)及びボロン(B)の濃度分布を模式的に示す図である。
【図7】P+Si1−xGe層におけるボロン(B)の増速拡散のポリシリコン層中のリン(P)の濃度依存性に関するシミュレーション結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の半導体装置であるHBTの構成を示す断面図である。
【図9】(a),(b)は、第2の実施形態の半導体装置の製造工程のうちP+ポリシリコン層を堆積した後、ボロン(B)の拡散を行なってから、ベース開口部を形成する工程を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態におけるSi/Si1−xGex層の縦断面におけるリン(P)及びボロン(B)の濃度分布を模式的に示す図である。
【図11】酸化膜を挟んでP+ポリシリコン層からボロン(B)をSiキャップ層に拡散させたときのSIMSの測定データを示す図である。
【図12】従来のバイポーラトランジスタの構成を示す断面図である。
【図13】従来のSiキャップ層,P+Si1−xGe層及びi−Si1−xGe層の断面構造とそのB濃度とGe含有率の分布とを示す図である。
【図14】従来のSi/SiGeヘテロバイポーラトランジスタのエミッタ・ベース領域におけるリン(P),ボロン(B)の濃度分布と、Geの二次イオン強度の分布とについてのSIMSによる測定データを示す図である。
【符号の説明】
100 (001)Si基板
101 レトログレードウェル
102 コレクタ層
103 シャロートレンチ
104 ディープトレンチ
105 アンドープポリシリコン膜
106 シリコン酸化膜
107 N+コレクタ引き出し層
108 第1の堆積酸化膜
110 コレクタ開口部
111 Si/Si1−xGe
111a Siキャップ層
111b Si1−xGe
112 第2の堆積酸化膜
113 接合リーク防止層
114 ベース接合用開口部
115 P+ポリシリコン層
116 外部ベース
117 第3の堆積酸化膜
118 ベース開口部
119 内部ベース
120 第4の堆積酸化膜
121 サイドウォール
123 サイドウォール
124 Tiシリサイド層
125 層間絶縁層
126 Wプラグ
127 金属配線
129 エミッタ引き出し電極
129a N+ポリシリコン層
129b N−ポリシリコン層
130 エミッタ

Claims (8)

  1. 基板上のコレクタ層として機能するN型の第1の単結晶半導体層の上に、ベース層として機能するP型の第2の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、
    上記第2の単結晶半導体層の上に、第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)と、
    上記第3の単結晶半導体層の上に、最下部において上記第3の単結晶半導体層の固溶限の濃度のリンを第3の単結晶半導体層に拡散させる濃度以下の濃度のリンを含み、上部において上記最下部よりも高濃度のリンを含む半導体層を堆積する工程(c)と、
    上記半導体層内のリンを拡散させるための熱処理を行ない、上記第3の単結晶半導体層の上部に固溶限以下の濃度のリンをドープして、バイポーラトランジスタのエミッタを形成する工程(d)と
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)では、上記半導体層にドープするリンの濃度を上方に向かってステップ状に高くしていく,半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)では、上記半導体層にドープするリンの濃度を上方に向かって連続的に高くしていく,半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(a)では、上記第1の単結晶半導体層としてのSi層の上に、上記第2の単結晶半導体層としてSiGe層をエピタキシャル成長させ、
    上記工程(b)では、上記第3の単結晶半導体層としてSi層をエピタキシャル成長させる,半導体装置の製造方法。
  5. 基板上のコレクタ層として機能するN型の第1の単結晶半導体層の上に、ベース層として機能するP型の第2の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(a)と、
    上記第2の単結晶半導体層の上に、第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させる工程(b)と、
    上記第3の単結晶半導体層の少なくとも上部にP型不純物をドープする工程(c)と、
    上記第3の単結晶半導体層の上に、リンを含む半導体層を形成する工程(d)と、
    上記半導体層内のリンを拡散させるための熱処理を行ない、上記第3の単結晶半導体層の上部に上記工程(c)でドープされたP型不純物よりも高濃度のリンをドープして、バイポーラトランジスタのエミッタを形成する工程(e)と
    を含む半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)は、上記工程(b)と同時に、P型不純物をドープしながら上記第3の単結晶半導体層をエピタキシャル成長させることにより行なわれる,半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(c)は、上記工程(b)の後、上記第3の単結晶半導体層内にP型不純物のイオンを注入することにより行なわれる,半導体装置の製造方法。
  8. 請求項5記載の半導体装置の製造方法において、
    上記工程(b)の後、上記工程(c)の前に、上記第3の単結晶半導体層の上に絶縁層を形成する工程と、
    上記絶縁層の上に、P型不純物を含む半導体層を形成する工程とをさらに含み、
    上記工程(c)は、熱処理により上記半導体層から上記絶縁層を通過させて上記第3の単結晶半導体層にP型不純物を導入することにより行なわれる,半導体装置の製造方法。
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