JP2004003422A - フユーエルデリバリパイプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連通管の外壁面に平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面を形成し、アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差するリブを固着するか、凹所を形成する。あるいは、連通管のソケット取付面とアブゾーブ面とを両側から挟むクランプを取り付ける。リブやクランプの位置は連通管の軸線方向端部付近が好ましい。これにより、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音を低減させ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓みで低減させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子燃料噴射式自動車用エンジンの燃料加圧ポンプから送給された燃料をエンジンの各吸気通路あるいは気筒内に直接噴射する燃料インジェクタ(噴射ノズル)を介して供給するためのフユーエルデリバリパイプの改良に関し、特に燃料通路を有する連通管の断面構造及び連通管の外部構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
フユーエルデリバリパイプは、ガソリンエンジンの電子燃料噴射システムに広く使用されており、燃料通路を有する連通管から複数個の円筒状ソケットを介して燃料インジェクタに燃料を送った後、燃料タンク側へと戻るための戻り通路を有するタイプと、戻り通路を持たないタイプ(リターンレス)とがある。最近は高温の戻り燃料による蒸散ガス低減対策やコストダウンのため戻り通路を持たないタイプが増加してきたが、それに伴い、インジェクタから噴射させるために弁を開閉させるスプールの往復運動に起因する反射波(衝撃波)や脈動圧による燃料噴射脈動によって、フユーエルデリバリパイプや関連部品が振動し耳ざわりな異音を発するという問題が発生していた。加えて、インジェクタのスプールの着座に伴う衝撃による異音も発生していた。
燃料を直接燃焼室内に噴射するいわゆる直噴型のエンジンでは、高圧のサプライポンプが設けられるため、その大きな脈動を吸収するためにパルセーションダンパが設けられており、通常の燃料噴射型(MPI)エンジンの場合においても一部で採用されているが、スペースの制約とコスト高から採用するのは容易でない。
【0003】
図10A,Bは、フユーエルデリバリパイプ1,2の箱形断面の一部を可撓性のアブゾーブ面にして振動を吸収するようにした従来例を表している。図10Aでは燃料噴射弁に接続されるソケット3の燃料流入口13に対向する上面85が薄板で作られてアブゾーブ面を提供しており、図10Bでは側面86が薄板で作られてアブゾーブ面を提供している。
【0004】
しかしながら、図10Aに示したように連通管の上面85をアブゾーブ面にした場合、燃料流入口13の付近で定在波を生じ、この定在波にフユーエルデリバリパイプが機械的に共振し、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されているのではないかという問題点があった。
【0005】
特開平10−331743号「内燃機関の燃料分配管構造」では、フユーエルデリバリパイプの剛性を高めることで、脈動による大きな放射音が発生するのを抑制している。
特開昭60−240867号「内燃機関用燃料噴射装置の燃料供給導管」は、フユーエルデリバリパイプを改良するため、燃料供給導管の壁の少なくとも1つを燃料の脈動を減衰させるように弾性的に構成している。
同様に、特開平8−326622号「燃料圧力脈動減衰装置」や特開平11−37380号「デリバリパイプ」にも、フユーエルデリバリパイプを改良して脈動を抑制させる装置が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、燃料噴射ノズルの開閉に伴って発生する衝撃波や脈動圧を低減させると共に前述した高周波域の騒音の発生・伝達・伝播・放射を低減させることが可能なフユーエルデリバリパイプの新規な構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前述した高周波域の騒音を低減させるには、次のような方法が極めて効果的であることを発見し、実験によってその効果を確認した。
(A)アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差するリブを固着する
(B)このリブの固着位置を連通管の軸線方向端部付近とする
(C)このリブの断面の高さをアブゾーブ面の肉厚の2分の1〜4倍とする
(D)アブゾーブ面に連通管の軸線方向と交差する凹所を形成する
(E)この凹所の断面の深さを連通管の断面高さの2分の1以下とし、かつこの凹所の幅を前記断面高さの2倍以下とする
(F)連通管のソケット取付面とアブゾーブ面とを両側から挟むクランプを取り付ける
(G)このクランプの取付位置を連通管の端部付近とする
(H)連通管端部のエンドキャップを延伸させてクランプとする。
【0008】
すなわち、本発明の前述した課題は、本発明の第1の態様において、連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差するリブが固着されているフユーエルデリバリパイプによって達成されることになる。
このリブの固定位置は、連通管の軸線方向端部付近が最も効果的であることが実験の結果から判明した。リブは一方の端部又は両方の端部に固着できる。
また、このリブの断面の高さはアブゾーブ面の肉厚の2分の1(50%)〜4倍(400%)が望ましい。また、リブの数はアブゾーブ面の撓み特性を大きく損なわないように1〜3個程度とすることが望ましい。連通管の長手方向に関して、リブの位置は、アブゾーブ面の撓みが最大となる位置を避けるように設けることが望ましい。
【0009】
【作用】
アブゾーブ面の外側に連通管の表面を横断するリブを固着すると、アブゾーブ面における振動のうち高周波域の振動成分が除去されることになり、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止できる。リブの高さ及び幅を限定すれば、アブゾーブ面の振動吸収効果を大きく阻害することはない。
かくして、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音が低減させられ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波はアブゾーブ面の撓みで低減させられることになる。
【0010】
本発明はその第2の態様として、連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、アブゾーブ面に連通管の軸線方向と交差する凹所が形成されているフユーエルデリバリパイプを提供する。この凹所の断面の深さは連通管の断面高さの2分の1以下とし、かつこの凹所の幅は前記断面高さの2倍以下とすることが望ましい。
【0011】
アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差する凹所を形成すると、アブゾーブ面における振動のうち高周波域の振動成分が除去されることになり、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止できる。凹所の深さ及び幅を限定すれば、アブゾーブ面の振動吸収効果を大きく阻害することはない。
かくして、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音が低減させられ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波はアブゾーブ面の撓みで低減させられることになる。
【0012】
さらに本発明はその第3の態様として、連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、連通管の前記ソケット取付面と前記アブゾーブ面とを両側から挟むクランプが取り付けられているフユーエルデリバリパイプを提供する。
このクランプの固定位置も、連通管の軸線方向端部付近が最も効果的であることが実験の結果から判明した。クランプは一方の端部又は両方の端部に固着できる。
【0013】
クランプでソケット取付面とアブゾーブ面とを両側から挟むと、高周波域の振動成分だけが除去されることになり、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止できる。クランプは取り外しが自由なように取り付けておくこともできるし、ろう付けで連通管に固定しておくこともできる。
【0014】
アブゾーブ面による脈動吸収の理論的な根拠としては、燃料インジェクタの開閉時に発生する衝撃波が、ソケットの燃料流入口へと流入あるいは瞬間的な逆流によって流出する際に、可撓性のアブゾーブ面の撓みによって衝撃や脈動が吸収されることと、バネ定数の比較的小さい薄肉の部材が撓んで変形することにより容積が変化し燃料の圧力変動を吸収するものと理解される。
【0015】
本発明において、アブゾーブ面の肉厚は他の面の肉厚と同じか又はそれ以下であることが望ましい。また、アブゾーブ面を構成する円弧面の曲率半径はアブゾーブ面の肉厚の2倍よりも大きいことが望ましい。
【0016】
本発明において、連通管の外壁部やアブゾーブ面の板厚・縦横の比率・ソケットの燃料流入口と対向する面との隙間などは、特にエンジンのアイドリング時において振動や脈動が最も小さい値になるように実験や解析によって定めることができる。
本発明は基本的に連通管の断面構造及び連通管の外部構造に係るものであるから、ブラケットの取り付け寸法を維持することにより、従来のフユーエルデリバリパイプに対して互換性を維持することができる。本発明の他の特徴及び利点は、添付図面の実施例を参照した以下の記載により明らかとなろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1A〜Cは本発明の第1の態様によるフユーエルデリバリパイプ10を表しており、図1Aは全体の斜視図、図1Bは連通管の長手方向に沿って一部を破断した縦断面図、図1Cはソケット部分での縦断面図である。
クランク軸方向に沿って延伸する連通管11の底面には、噴射ノズルの後端を受け入れるためのソケット3が、例えば4気筒エンジンであれば4個が所定の間隔と角度で取り付けられている。連通管11には、さらにフユーエルデリバリパイプ10をエンジン本体に取り付けるための厚肉で堅固なブラケット4が2個横方向に架け渡されている。燃料は矢印の方向へと流れ、ソケット3から燃料インジェクタ6を介してその先端の噴射ノズルから各吸気通路あるいは気筒内へ直接噴射される。
【0018】
内部に燃料通路12を有する連通管11の側部にはコネクタ(図示せず)を介して燃料導入管5がろう付けや溶接で固定されている。連通管11の端部には燃料タンクに戻るための戻り管を設けることができるが、リターンレスタイプのフユーエルデリバリパイプでは、戻り管は設けられていない。
【0019】
図1Cに示すように、この例では連通管11は円形断面の炭素鋼・ステンレス鋼などのパイプをつぶして形成した偏平長方形断面に作られている。連通管11の縦横寸法は、例えば板厚1.2mmの平板で、高さを10.2mm、幅を28〜34mm程度に設定することができる。
【0020】
本発明の特徴に従い、偏平長方形断面の連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供し、このアブゾーブ面はソケット3の燃料流入口13に対向しているので、燃料噴射の際の振動や衝撃を吸収する働きをする。
さらに本発明の特徴に従い、アブゾーブ面11aの外側に連通管11の軸線方向と交差するリブ15,16がろう付け・溶接などにより固着されている。各リブ15,16の長さは連通管11の幅の約80〜90%程度、各リブの断面の高さはアブゾーブ面の肉厚の2分の1(50%)〜4倍(400%)程度、幅は連通管の断面高さの約30〜40%程度に設定されている。
【0021】
図1Cから理解されるように、噴射ノズル6後端の燃料供給孔6aから放出される弾性波は、ソケットの燃料流入口13を通過してアブゾーブ面11aへと伝播し、アブゾーブ面で減衰させられるが、リブが設けられていることにより振動の高周波域の振動成分が除去され、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止される。
かくして、噴射ノズル6から放射される高周波域の騒音がリブ15,16によって低減させられ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波はアブゾーブ面11aの撓みで低減させられることになる。
【0022】
図2はリブ25を連通管の中央付近に1個だけ設けたフユーエルデリバリパイプ20を表している。この例では燃料導入管5は連通管11の端部に設けられている。フユーエルデリバリパイプの形状に依存して、リブの数は1〜3個程度が適当であるが、実験を繰り返すことにより、最適のサイズと個数を決定することができる。
【0023】
図3A〜Cはリブ26,27を連通管11の軸線方向端部付近に設けた実施例を表している。図3Aはリブ26,27を連通管11の両端に設けたフユーエルデリバリパイプ28の例、図3Bは連通管11の自由端付近にリブ26だけを設けた例、図3Cは連通管11の燃料導入側端部付近にリブ27だけを設けた例をそれぞれ表している。前述したように、リブの固定位置は、連通管の軸線方向端部付近が最も効果的であることが実験の結果から判明している。
【0024】
図4は本発明の第2の態様であるフユーエルデリバリパイプ30を表しており、本発明の特徴に従い、偏平長方形断面の連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供し、このアブゾーブ面はソケット3の燃料流入口13に対向しているので、燃料噴射の際の振動や衝撃を吸収する働きをする。
さらに本発明の特徴に従い、アブゾーブ面11aの外側に連通管11の軸線方向と交差する凹所35,36が形成されている。各凹所15,16の長さは連通管11の幅の約90〜100%程度、各凹所の断面の深さは連通管の断面高さの約30〜40%程度、凹所の幅は連通管の断面高さと同程度〜2倍程度に設定されている。
【0025】
この場合も、凹所が設けられていることにより振動の高周波域の振動成分が除去され、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止される。
かくして、噴射ノズル6から放射される高周波域の騒音が凹所35,36によって低減させられ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波はアブゾーブ面11aの撓みで低減させられることになる。
【0026】
図5は本発明の第3の態様であるフユーエルデリバリパイプ40を表しており、本発明の特徴に従い、偏平長方形断面の連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供し、このアブゾーブ面はソケット3の燃料流入口13に対向しているため、燃料噴射の際の振動や衝撃を吸収する働きをする。
さらに本発明の特徴に従い、連通管11のソケット取付面11bとアブゾーブ面11aとを両側から挟むスナップリング形のクランプ45が取り付けられている。クランプ45は、略円形の頭部45a、平坦な挟圧部45b、末広がり形の尾部45cとで形成されている。
【0027】
図5のようにクランプ45でソケット取付面とアブゾーブ面とを両側から挟むと、高周波域の振動成分だけが除去されることになり、特に高周波域の騒音がフユーエルデリバリパイプの周囲に伝達・伝播・放射されるのが防止できることになる。クランプ45は図示のように取り外しが自由なように取り付けておくこともできるし、ろう付けや溶接で連通管に固定しておくこともできる。
【0028】
図6は図5のクランプを変形したフユーエルデリバリパイプ50を表しており、本発明の特徴に従い、偏平長方形断面の連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供している。さらに本発明の特徴に従い、連通管11のソケット取付面11bとアブゾーブ面11aとを両側から挟む略U字形のクランプ55がろう付け又は溶接により連通管11の上下面にそれぞれ固着されている。クランプ55の軸線方向の幅は12mm程度である。
【0029】
図7A〜Cは図6のクランプを変形した例を表している。図7Aはクランプ65の斜視図、図7Bはクランプ65の正面図、図7Cはクランプ65の側面図である。本発明の特徴に従い、偏平長方形断面の連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供している。さらに本発明の特徴に従い、連通管11のソケット取付面11bとアブゾーブ面11aとを両側から挟む略C字形のクランプ65が、そのパッド面65aをろう付け又は溶接することより連通管11の上下面にそれぞれ固着されている。
【0030】
図8A〜Cはクランプ66,67を連通管11の軸線方向端部付近に取り付けた実施例を表している。図8Aはクランプ66,67を連通管11の両端に設けたフユーエルデリバリパイプ68の例、図8Bは連通管11の自由端付近にクランプ66だけを設けた例、図8Cは連通管11の燃料導入側端部付近にクランプ67だけを設けた例をそれぞれ表している。
前述したように、クランプの取付位置は、連通管の軸線方向端部付近が最も効果的であることが実験の結果から判明している。
【0031】
図9A,Bは、連通管11の軸線方向端部を封止するエンドキャップ75,76を軸線方向に延伸させて、端部での自由な振動を拘束することにより、アブゾーブ面における振動のうち高周波域の振動成分を除去するようにした実施例を表している。図9Aは燃料導入管5を受け入れる側のエンドキャップ75を延伸させて連通管11の自由な振動を拘束した例、図9Bは自由端側のエンドキャップ76を延伸させて連通管11の自由な振動を拘束した例である。この例では、エンドキャップ75,76が前述したクランプ66,67と同等の機能を果していることを理解されたい。
なお、エンドキャップ75,76のアブゾーブ面とのラップ部(重なり部)の板厚はアブゾーブ面の板厚の2分の1〜4倍程度、ラップ部の幅はアブゾーブ面の板厚の5〜20倍程度が好ましい。
【0032】
【実施例】
本発明の効果を実際のエンジンを用いて確認するための実験を行った。
(1)フユーエルデリバリパイプ:幅34mm、高さ10.2mm、長さ300mm、板厚1.2mm、STKM11A鋼管材
(2)燃料配管:外径8mm、肉厚0.7mm、STKM11A鋼管材
(3)エンジン:対向型6気筒
(4)測定部:自動車の床下に配置される長い燃料配管上で、フユーエルデリバリパイプ側の燃料導入管5に接続されるナイロンホースとの接続部付近に加速度ピックアップを取り付けて、加速度の変化を測定した。
本発明によるクランプを使用しない標準仕様で測定した結果、脈動異音になりやすいピーク周波数成分が600Hzと1.3kHz付近に存在することがわかった。本発明によるクランプ1個を連通管の長手方向中央1個所に設けて測定した結果、600Hzで55%、1.3kHzで30%の振動レベル(加速度)が低減した。本発明によるクランプ2個を連通管の軸線方向の両端に設けて測定した結果、600Hzで70%、1.3kHzで45%の振動レベル(加速度)が低減した。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く、本発明によれば、アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差するリブや凹所を設けたり、連通管のソケット取付面とアブゾーブ面とを両側から挟むクランプを取り付けるなどの方法により、アブゾーブ面における振動のうち高周波域の振動成分を除去することができる。かくして、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音が低減させられ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波はアブゾーブ面の撓みで低減させられるようになるなど、その技術的効果には極めて顕著なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフユーエルデリバリパイプの全体を表わす斜視図とソケット部分の縦断面図である。
【図2】他の実施例による全体の斜視図である。
【図3】他の実施例による斜視図である。
【図4】他の実施例による全体の斜視図である。
【図5】他の実施例による連通管部分の断面図である。
【図6】クランプを表す側面図である。
【図7】クランプの斜視図・正面図及び側面図である。
【図8】他の実施例による斜視図である。
【図9】他の実施例による連通管端部の部分断面図である。
【図10】従来のデリバリパイプにおけるアブゾーブ面の断面図である。
【符号の説明】
3,3a,3b,3c,3d ソケット
5 燃料導入管
6 噴射ノズル
6a 燃料供給孔
10,20,28 フユーエルデリバリパイプ
11 連通管
11a アブゾーブ面
11b ソケット取付面
12 燃料通路
13 燃料流入口
15,16,25,26,27 リブ
30,40,50,68 フユーエルデリバリパイプ
35,36 凹所
45,55,65,66,67 クランプ
Claims (8)
- 直線状に延びる燃料通路を内部に有する連通管と、この連通管の端部又は側部に固定された燃料導入管と、前記連通管に交差して突設され一部が前記燃料通路に連通し開放端部が燃料噴射ノズル後端を受け入れる複数のソケットとを備えて成るフユーエルデリバリパイプにおいて、
前記連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、
前記アブゾーブ面の外側に連通管の軸線方向と交差するリブが固着され、
これにより、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音を低減させ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓みで低減させるようになっていることを特徴とするフユーエルデリバリパイプ。 - 前記リブは前記連通管の軸線方向端部の一方又は両方の付近に固着されている請求項1記載のフユーエルデリバリパイプ。
- 前記リブの断面の高さはアブゾーブ面の肉厚の2分の1〜4倍である請求項1又は2記載のフユーエルデリバリパイプ。
- 直線状に延びる燃料通路を内部に有する連通管と、この連通管の端部又は側部に固定された燃料導入管と、前記連通管に交差して突設され一部が前記燃料通路に連通し開放端部が燃料噴射ノズル後端を受け入れる複数のソケットとを備えて成るフユーエルデリバリパイプにおいて、
前記連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、
前記アブゾーブ面に連通管の軸線方向と交差する凹所が形成され、
これにより、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音を低減させ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓みで低減させるようになっていることを特徴とするフユーエルデリバリパイプ。 - 前記凹所の断面の深さは連通管の断面高さの2分の1以下であり、かつ前記凹所の幅は前記断面高さの2倍以下である請求項4記載のフユーエルデリバリパイプ。
- 直線状に延びる燃料通路を内部に有する連通管と、この連通管の端部又は側部に固定された燃料導入管と、前記連通管に交差して突設され一部が前記燃料通路に連通し開放端部が燃料噴射ノズル後端を受け入れる複数のソケットとを備えて成るフユーエルデリバリパイプにおいて、
前記連通管のソケット取付面に対向する外壁面が平坦状又は円弧状で可撓性のアブゾーブ面から成り、
連通管の前記ソケット取付面と前記アブゾーブ面とを両側から挟むクランプが取り付けられており、
これにより、フユーエルデリバリパイプから放射される高周波域の騒音を低減させ、かつソケットに流入する燃料の脈動圧と衝撃波をアブゾーブ面の撓みで低減させるようになっていることを特徴とするフユーエルデリバリパイプ。 - 前記クランプは前記連通管の軸線方向端部の一方又は両方の付近に取り付けられている請求項6記載のフユーエルデリバリパイプ。
- 前記クランプは前記連通管の軸線方向端部を封止するエンドキャップで構成されている請求項7記載のフユーエルデリバリパイプ。
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