JP2004002953A - 電解Cu箔製造ドラム用チタン板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、Cu:0.5〜2.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下、残部チタンと不可避不純物からなり、均質微細再結晶組織を有する、電解Cu箔製造ドラム用チタン板。また、この成分系からなるスラブを、α+β二相温度域に加熱し、熱間圧延を行い、β変態点以下の温度域で焼鈍する。また、さらに冷間圧延を行い、β変態点以下の温度域で焼鈍する。特に焼鈍をα単相温度域で行うと、より高品質となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品のプリント配線板などに使用される銅箔(Cu箔と記す)を製造するためのドラム用チタン材であって、均一でかつ緻密な板面金属組織を有する材料およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品に組込まれて使用されるプリント配線板は、絶縁基板上に導電性のCu箔を貼り合わせ、その表面に配線パターンをプリントし、不要部分をエッチングにより除去して作られる。
【0003】
このプリント配線板に用いられるCu箔は、高品位のCu原料を硫酸溶液に溶解させた硫酸銅溶液中で、Pbなどの不溶性金属を陽極に、ドラムを陰極にし、ドラムを回転させつつ電気化学的にドラム上にCuを連続的に電析させ、これを連続的に剥離させ、ロール状に巻き取るという方法で製造されている。ドラムの材料としては、耐食性に優れること、Cu箔の剥離性に優れること、などの観点から、近年チタンが多用されるようになってきた。
【0004】
ところで、電子部品の配線パターンは極めて微細で(幅0.1〜0.5mm)高い精度や再現性が要求されることから、プリント配線に使用されるCu箔の面粗さも極めて高い精度・均質性が要求される。この面粗さは、Cu箔が電着していたチタン製陰極ドラムの面状態を継承していることから、チタン製ドラムの表面は高度に研磨・整面した後使用される。
【0005】
しかし、いかに高耐食性のチタン材といえども、使用中に電解液中で徐々に腐食を受けて、新たに出現した面の状態がCu箔に転写されるようになる。金属の腐蝕というのは、その金属材料の有する組織、結晶方位、欠陥、偏析、加工歪み、残留歪みなど様々な内質状態によってその程度が異なることが知られており、このような不均質な内質状態の材料からなるドラムが使用中に腐蝕を受けると、必ずしも均質な面状態が維持できなくなる。そして、不均一な面状態が出現すると、それが銅箔に転写されるため、高精度かつ均質な厚さのCu箔が製造できなくなるという問題が発生する。
【0006】
上述のような不均質な腐蝕面状態を生ずる可能性のあるチタン材は、ドラム用チタン材原板中のマクロ組織を調べることで判別できる。金属組織学でいうマクロ組織は、鋳造組織や加工組織の現出に使用される適当な金属組織現出用酸液 (例えばチタンの場合、硝弗酸)を用いてエッチングすることで得られるが、これは、ドラム使用中に発生する不均質組織と全く同様に、組織、結晶方位、欠陥、偏析、加工歪み、残留歪みなど様々な内質状態によって出現する組織である。
【0007】
このような不均質な組織のうち、肉眼で判別できるものを「マクロ模様」と呼ぶ。銅箔製造用チタンドラムの場合、マクロ組織は、表面を600番のサンドペーパーで研磨した後、硝酸約10%、沸酸約5%、残り水のエッチング液に数十秒〜数分間浸漬することにより得られる。何らかの原因により、数ミリメートル長さでも不均質な組織があると、それらの部分はエッチングのされ方が異なるため、肉眼で判別される。
したがって、素材チタン材のマクロ組織を均質にすること、すなわちマクロ組織中に生ずるいわゆる「マクロ模様」を低減することが、ドラムの均質な腐蝕を達成し、高精度かつ均質な厚さのCu箔を製造するための必須事項である。
【0008】
ドラム用チタン材のマクロ組織を均質化し、マクロ模様を低減する試みとしては、下記特許文献1に開示された方法がある。この方法では、加工熱処理条件を工夫し、細粒かつ整粒の組織を得、マクロ模様を低減しようとする方法であるが、工程が複雑で、また加熱温度や時間を厳密に制御しないと粒成長が起こり、所望の効果が得難いという課題があった。さらに、材料のハンドリングが煩雑で、作業性も良くないという課題もあった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−144033号公報
【0010】
また下記特許文献2にも、やはり加工熱処理条件を工夫することにより、マクロ模様を低減しようとする試みが開示されている。しかし、この方法も工程が複雑であり、その条件管理も煩雑である。
【0011】
【特許文献2】
特公平3−28505号公報
【0012】
また下記特許文献3には、組織を微細化・均一化するために、再結晶組織分率が90%超であるようなスラブを、総圧下比15超で熱間圧延し、焼鈍を行うことを特徴とする方法が開示されている。しかしこの方法では、マクロ模様は改善されるものの、結晶粒がやや粗粒化し、外観がややざらついた様に見えるという問題があり、結晶粒径の微細化という観点からはさらなる改善が要求されていた。
【0013】
【特許文献3】
特開平11−226608号公報
【0014】
また下記特許文献4には、均一かつ緻密な金属組織を得る方法として、冷間圧延により機械的双晶を十分に導入し、焼鈍再結晶によりコロニー組織の少ない組織とすることが開示されている。しかし、この方法による冷延・焼鈍の組合せは、マクロ模様の低減には効果はあるものの、大型の厚板の冷間圧延を必須の工程とするため、設備的、技術的にも難易度が高く、冷延・焼鈍なしでも微細かつ均一な組織が得られるような新たな材料が求められていた。
【0015】
【特許文献4】
特開2000−45091号公報
【0016】
また加工熱処理に頼らず、組成の観点から、マクロ模様の少ない均質微細な金属組織を得る試みも考えられる。例えば、マトリクスとは異質の第2相が存在すると、これがマトリクス主相の結晶粒成長を抑制するため、微細な組織が得やすくなる。例えば、Feをチタンへの固溶限である0.04質量%以上添加しβ相を生成させると、この微細化効果が達成される。しかし、Feの濃化したβ相は耐食性が著しく劣化し、この部分が腐蝕環境下ではピット状に優先溶解し、Cu箔製品にこれが転写されるため、この技術はCu箔ドラム用チタン材には適用できない。また、Niを添加するとTi2 Ni相が生成し、耐食性を向上させると同時に、結晶粒微細化も達成されるが、腐蝕環境下で溶出したNiがCu箔に混入するという問題があり、好ましくない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような現状に鑑み、本発明は、マクロ模様が少なく均一微細な板面金属組織を有し、複雑な加工熱処理に頼ることなく製造可能で、高品質の電解Cu箔を製造することのできるドラム用チタン材、及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、各種チタン材の熱延板に生ずるマクロ組織の形成に及ぼす添加元素の影響について、またCu箔製造用溶液と各種チタン材の反応挙動について鋭意研究を重ねた結果、マクロ模様が少なく、かつCu箔製造用液中で腐蝕しても、均質な面状態を維持することの可能なチタン材を見いだすに至った。
【0019】
本発明はかかる知見に基づいて完成させたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、Cu:0.5〜2.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、均質微細再結晶組織を有することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(2)前記チタン板がα単相からなることを特徴とする、前項(1)に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(3)質量%で、Cu:0.5〜2.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにβ変態点以下の温度で焼鈍することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(4)質量%で、Cu:0.5〜2.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにα単相温度域にて焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(5)前記(3)または(4)に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(6)前記(3)または(4)に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、α単相温度域で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
【0020】
(7)質量%で、Cu:0.1〜2.1%、Cr:0.1〜0.9%の1種または2種を含有し、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、均質微細再結晶組織を有することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(8)質量%でさらに、Mo、Ta、V、Zr、Nb、Hf、Wの1種または2種以上を合計で1%以下含有することを特徴とする、前記(7)に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(9)α単相からなることを特徴とする、前記(7)または(8)に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(10)平均結晶粒径が40μm未満であることを特徴とする。前記(1)、 (2)、(7)、(8)または(9)のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
(11)前記(7)または(8)に記載の成分からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにβ変態点以下の温度で焼鈍することを特徴とする、前記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(12)前記(7)または(8)に記載の成分からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにα単相温度域にて焼鈍を行うことを特徴とする、前記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(13)前記(11)または(12)に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
(14)前記(11)または(12)に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、α単相温度域で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の含有成分について説明する。成分含有量は質量%である。
本発明(1)では、Cu:0.5〜2.1%、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下、残部チタンと不可避不純物からなることとした。
まず、Feと酸素を上記範囲に限定した理由について説明する。
純チタンや主要なチタン合金は、hcp構造のα相を主相としており、酸素はこれを強化する合金元素である。電解Cu箔製造ドラムは、板を冷間で曲げて円筒状のドラムに成形するため、軟質の方が成形しやすく、また成形後の残留応力も小さく、均質となる。この残留応力もマクロ模様発生の一因であり、これを低減するために、本発明では酸素の含有量を0.1%以下とした。酸素量の下限は特に規定しないが、不純物として通常0.005%以上含有している。
【0022】
Feは、β相を安定化する元素であり、α相中への固溶量は極めて小さく最も多量に固溶する温度においても高々0.04%である。これを超えてFeが添加されると、Feの濃化したβ相が出現するようになるが、前記[従来の技術]の項でも述べたように、このβ相は腐蝕環境下で優先的に溶解し、ピット状の窪みとなりやすい。このような窪みが面上に存在すると、電析するCu箔に転写されるため、高品質のCu箔が製造できなくなる。したがって、Fe含有量は0.04%以下であることが必要である。Fe量の下限は特に規定しないが、不純物として通常0.005%以上含有している。
【0023】
次にCuを0.5〜2.1%の範囲に限定した理由について説明する。
Cuは、図1の二元系平衡状態図に示すように、本発明のCu濃度範囲(0.5〜2.1%)では、チタン材の一般的な熱間圧延温度である850℃付近でα+βの二相となる。二相組織は単相組織に比べて著しく結晶粒成長が抑制されるため、より微細な組織となる。また、加工再結晶組織は、加工前の組織が微細であるほど均質微細となることは良く知られた事実である。本発明ではCuを適量添加することにより、二相温度域で主たる熱間圧延を可能ならしめ、最終的な組織を均質微細な再結晶組織とし、マクロ模様を低減しようとする技術である。
【0024】
これを実現するためには、Cuの添加量は0.5〜2.1%であることが必要である。それは、Cuが0.5%未満の場合、通常のチタンの熱間圧延加熱温度である850℃付近で二相とならないからであり、また2.1%を超えてCuを添加すると、凝固偏析が大きくなり、この偏析に起因したマクロ模様が発生したり、Ti2 Cu相の増加にともない材料強度が増し、冷間成形による加工歪みが不均質となり、これに起因したマクロ模様が発生するようになるためである。
【0025】
もちろん、一旦二相温度域に加熱し熱間圧延するために、その後の冷却条件や焼鈍条件によっては、Cuが濃化したβ相が少量室温まで残留したり、図1の平衡状態図にも示されているように、低温では平衡相であるTi2 Cu相がβ相から少量生成する可能性もある。しかし、これらCuの濃化した相は、Feの濃化したβ相とは異なり高い耐食性を有しており、Cu箔製造用電解液のような腐蝕環境に曝されても、Feの濃化したβ相のように激しい優先溶解は起こさず、Cu箔製品の品質を大きく低下させるようなことはない。
また、これらの相の量は僅かであり、ドラムを冷間成形する際の加工性に及ぼす影響も僅かである。さらに、ドラムは硫酸銅電解液でCuを電析させる目的で使用されるものであるから、たとえCuを含むチタン材からCuが溶出してもそのCuは製品Cu箔に取り込まれるため、製品Cu箔には何ら悪影響を及ぼさない。
【0026】
また本発明(1)では、均質微細再結晶組織であることも必須である。マクロ模様低減のためには均質微細組織であることが必須条件であるが、再結晶させておかないと、加工歪み分布の不均一性や未再結晶延伸粗大粒を反映したマクロ模様が発生する。
ここで再結晶組織とは、結晶粒内に黒い線状や網目状の未再結晶組織がなく粒界以外はほとんど見られない組織のことであり、微細組織とは、平均結晶粒径40μm未満の結晶粒を示す。均質とはドラム製品寸法の大きさに相当する、例えば1.5m×8mの板の任意の部位より試料を採取してミクロ組織を観察した際に、いずれの試料の光学顕微鏡組織も微細な再結晶組織であることを意味する。均質であることの確認は、ドラム製品の長手方向に隣接するトップ側及びボトム側の幅方向の端部または中央部の3〜4箇所から1cm×1.5cm程度の試験片を採取し、板面のミクロ組織を光学顕微鏡で観察することによって行う。
【0027】
以上のような理由で、本発明のCuを添加したチタン材は、まさに電解Cu箔を製造するドラムにふさわしい材料である。
なお、不可避不純物とは、精錬、溶解、鍛造、熱延、冷延、熱処理、精整等の製造工程で、材料中への混入が避けられない不純物元素を指すものであり、例えば0.05%以下の窒素、炭素、水素、Ni、Cr、Mn、Mg、Sn、Al、V、Siなどを指す。
【0028】
本発明(2)では、本発明(1)の電解Cu箔製造ドラム用チタン板がα単相からなることとした。本発明(1)の説明で述べたように、Cuの濃化したβ相やTi2 Cu相が少量存在しても、高品質のCu箔の製造が可能なドラムを製造することができるが、これらを完全に消失させ、完全にα単相とすると、冷間成型時のごく僅かな応力・歪み分布も均質化し、電解液による腐蝕は著しく均質となり、大変高品質なCu箔が製造できるようになる。
【0029】
以上述べたような、電解Cu箔製造ドラム用チタン板は、例えば本発明(3)〜(6)に記載の方法で製造することができる。次にこの製造方法について説明する。
まず、本発明(3)記載の方法では、当該チタン材のα+β二相温度域に当該チタンのスラブを加熱し、α+β二相温度域で熱間圧延することとした。本発明(1)、(2)におけるCu添加の目的は、均質微細組織を得るために十分な二相温度域を出現させることである。したがって、圧延途中でこの温度域に入れば当初の目的は達成できるが、最初からスラブをこの温度域に加熱すると、確実にこの目的は達成される。
【0030】
また、熱間圧延後は、当該チタン材のβ変態点以下の温度域で焼鈍することとした。これは、二相状態での熱間圧延により高度に蓄積した歪みを核として再結晶を促進させ、均質微細再結晶組織を得るための工程である。したがって、焼鈍温度の下限は、再結晶温度であることが好ましい。
【0031】
β変態点とは、それ以上の温度ではβ単相となる温度であり、これを超えて著しく拡散の速いβ単相域に加熱すると、せっかく蓄積した歪みが一挙に開放されて粒成長してしまい、折角のα+β二相域圧延の効果が消失してしまい、均質微細組織が得られない。しかし、β変態点以下のα+β二相域では、粒成長が抑制されるため均質微細再結晶組織が達成できる。この場合、焼鈍後の冷却中にα単相域を材料が通過する際に、β相の大部分はα相に変態するが、均質微細組織は保持される。また、特に冷却速度が速い場合、β相が残留したり、冷却途中でTi2 Cu相が生成することがあるが、これらは生成しても少量であり、先にも説明したように、Cu箔製造用電解液で激しい優先溶出を起こすことはなく、ドラムを成形する際の加工性への影響も僅かである。したがって、Cu箔製品の品質を著しく低下させるようなことはない。
【0032】
また、焼鈍をα単相域よりも低いα+Ti2 Cu二相温度域で行った場合も同様である。すなわち、熱間圧延後の冷却中にα単相域を通過する際に、大部分のβ相はすでにα相に変態しており、また、α相からTi2 Cuが析出する反応は極めて遅く、100時間以上を要することから、実際の焼鈍中にはこの反応は起こらない。したがって、α+Ti2 Cu二相温度域で焼鈍した場合もα相が大部分を占め、極少量のβ相が混在する程度である。そして、Cu箔製造用電解液で激しい優先溶出を起こすこともなく、ドラムを成形する際の加工性への影響も僅かであり、Cu箔製品品質を著しく低下させるようなことはない。
【0033】
上記、α+β二相域とα+Ti2 Cu二相域の中間のα単相域で焼鈍した場合は、熱延後に混在していたβ相やTi2 Cu相はすべてα相となり、完全なα単相組織が実現する。この状態は、α+β域やα+Ti2 Cu域での焼鈍に比べ、単相状態であることから結晶粒成長しやすいが、先にα+β二相域で高度に歪みが蓄積されているため、不必要に焼鈍時間を長くしない限り、均質微細再結晶組織が達成できる。
また、冷却中にα+Ti2 Cu二相域を通過するが、先にも述べたとおり、α相からのTi2 Cu相の析出は極めて遅いため、実質的にα単相状態が室温で達成できる。そのため、本発明(2)の電解Cu箔製造ドラム用チタン板が製造でき、電解液による腐蝕が極めて均質となり、大変高品質なCu箔が製造可能となる。この方法は本発明(4)に記載の製造方法である。
【0034】
本発明(5)では、本発明(3)または(4)記載の方法で製造したチタン板に対し、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うこととした。これは、本発明(3)または(4)で製造したチタン板に対し、冷間加工歪みをさらに与え、再度再結晶させることにより、より均質で微細な組織を達成しようとする技術である。焼鈍をβ変態点以下の温度で行うこととしたのは、本発明(3)、(4)の場合と同じである。特に、焼鈍をα単相温度域で行うと、本発明(4)の場合と同様、α単相状態が室温で達成できる。そのため、本発明(2)の電解Cu箔製造ドラム用チタン板が製造でき、電解液による腐蝕がきわめて均質となり、大変高品質なCu箔が製造可能となる。この方法は本発明(6)に記載の製造方法である。
【0035】
本発明(7)では、Cu:0.1〜2.1%、Crを0.1〜0.9%の1種または2種、Fe:0.04%以下、酸素:0.1%以下、残部チタンと不可避不純物からなることとした。
Feと酸素の限定理由は、本発明(1)と同様である。
Cuを0.1〜2.1%の範囲に限定した理由も、本発明(1)と同様に、二相温度域で主たる熱間圧延を可能ならしめ、最終的な組織を均質微細な再結晶組織とするためである。Cuは、図2の二元系平衡状態図に示すように、本発明のCu濃度範囲(0.1〜2.1%)では、790〜880℃でα+βの二相となる。Cuが0.1%未満の場合、α+βの二相温度範囲が狭く、温度制御が極めて困難となる。また2.1%を超えてCuを添加すると、本発明(1)と同様、凝固偏析および冷間成形による加工歪みの不均質に起因したマクロ模様が発生するようになるためである。
【0036】
Crを0.1〜0.9%に限定したのも、同様の理由である。図3にTi−Cr二元系状態図を示すが、本発明のCr濃度範囲(0.1〜0.9%)では、α+β二相温度域は660〜870℃の範囲である。Cr濃度が0.1%未満では、α+β二相域の温度範囲が狭いため、温度制御が極めて困難となる。一方、0.9%を超えるCrを添加すると、凝固偏析およびTiCr2 相の増加による冷間加工歪の不均質化に起因したマクロ模様が発生する。
また、CuとCrを同時に含有した場合、結晶粒の細粒、均一化は一層顕著になる。両者を含有する場合の合計は、3%を超えると凝固偏析が大きくなり、この偏析に起因したマクロ模様が発生したり、硬さが増大しすぎ、研磨が困難となるため、3%以下とすることが好ましい。
【0037】
本発明(8)で、Mo、Ta、V、Zr、Nb、Hf、Wの1種または2種以上を含有するのは、適当な硬さと塑性変形能を得るためであり、合計で0.1%以上を含有することが好ましい。これらの元素を添加して硬さを適度に増すことにより、研磨後の粗度が減少し、ミクロな凹凸の少ないドラム素材を作ることができる。また、Mo、Ta、V、Zrは、硫酸溶液に対する耐食性を改善する働きも有する。Mo、Ta、V、Zr、Nb、Hf、Wの1種または2種以上の合計の含有量を1%以下とする理由は、これより多く含有すると、含有成分元素の偏析を起因とするマクロ模様が発生し、さらに、硬さが増大しすぎ、研磨が困難となるためである。
【0038】
本発明(9)では、本発明(2)と同様に、電解Cu箔製造ドラム用チタン板がα単相からなることとした。本発明(7)または(8)の電解Cu箔製造ドラム用チタン板は、本発明(1)の説明と同様に、成分および製造条件によっては、少量のβ相および/または析出相が生じる可能性がある。すなわち、CuとCrのうち、Cuを添加した場合は、Cuの濃化したβ相および/またはTi2 Cu相、Crを添加した場合はCrの濃化したβ相および/またはTiCr2 相が生じる。また、CuおよびCrの2種を添加した場合は、CuおよびCrの濃化したβ相並びに/またはTi、CuおよびCrの複合析出相(以下、Tix Cuy Crz 相と記す)が生じる。
これらのβ相および/または析出相が少量存在しても、高品質のCu箔の製造が可能なドラムを製造することができるが、これらを完全に消失させ、完全にα単相とすると、本発明(2)と同様に、大変高品質なCu箔が製造できるようになる。
【0039】
ここで、α単相は図4に示した等軸晶の組織である。β相は図5の矢印1で示したように、写真の横方向に伸長した黒い筋状の相であり、析出相は図5の矢印2で示したように、等軸晶のα相の粒界に生じた黒い点状の相である。組織がα単相であることは、以下のようにして確認する。
まず、製品板のトップ側及びボトム側に隣接する部分の幅方向端部及び中央部から10〜20mm角の試料を3〜4枚採取し、表面をフライス加工した後、サンドペーパー研磨600番で仕上げ、硝酸10%および沸酸3%からなる硝沸酸溶液で数十秒間エッチングして観察を行い、それぞれの試料を光学顕微鏡にて100倍で5視野程度観察し、面積3〜5mm2 の範囲における組織が図4に示したα単相で、図5の矢印1および2で示した黒い筋状の相および黒い点状の相が観察されないことをいう。
ここで等軸とは、アスペクト比が1.4以内であるような結晶粒を持つ組織のことを言う。測定方法は、上述した方法で採取した試験片の平均結晶粒径を圧延方向及び幅方向及び圧延方向に対して45°の方向に測定し、それぞれの比が1.4以内であることによる。
【0040】
本発明(10)で、平均結晶粒径を40μm未満としたのは、40μm以上では、電析した銅箔のチタンドラムと接触している表面がややざらついたように見え、特に厚さ10μm以下の薄手の銅箔では、形状に影響を及ぼすためである。平均結晶粒径は好ましくは30μm未満、最適な上限は20μm未満である。なお、結晶粒径の測定は、切断法で行うことが好ましい。
【0041】
本発明(7)〜(10)の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法について以下に説明する。
スラブの熱間圧延は、本発明(3)および(4)と同様に、当該チタン材のα+β二相温度域に加熱し、α+β二相温度域で熱間圧延する。圧延途中でこの温度域に入れば当初の目的は達成できるが、最初からスラブをこの温度域に加熱すると、確実にこの目的は達成される。
【0042】
また、本発明(11)では、本発明(3)と同様、均質微細再結晶組織を得るために、熱間圧延後、当該チタン材のβ変態点以下の温度域で焼鈍することとした。焼鈍温度の下限は、再結晶温度であることが好ましい。なお、β変態点は、Ti−Cuの計算状態図(図2)、及びTi−Crの計算状態図(図3)中に示したβ相とα+β相の境界温度のことである。
β変態点以下のα+β二相域では、粒成長が抑制されるため均質微細再結晶組織が達成できる。焼鈍後の冷却中にβ相の大部分はα相に変態するが、冷却速度が速い場合、β相が残留したり、冷却途中で、成分によって、Ti2 Cu相、TiCr2 相またはTix Cuy Crz 相が生成することがある。しかし、これらは生成しても少量であり、先にも説明したように、Cu箔製品の品質を著しく低下させるようなことはない。
【0043】
また、焼鈍をα単相域よりも低い二相温度域、すなわちα+Ti2 Cu二相域、α+TiCr2 二相域またはα+Tix Cuy Crz 二相域で行っても良い。この二相温度域は、平衡状態ではα相中に析出相が存在する温度域であり、成分によってTi2 Cu相、TiCr2 相またはTix Cuy Crz 相が存在するが、これらがα相から析出する反応は極めて遅く、100時間以上を要することから、実際の焼鈍中にはこの反応は起こらない。したがって、この二相温度域で焼鈍した場合も、α相が大部分を占め、極少量のβ相が混在する程度であり、Cu箔製品の品質を著しく低下させるようなことはない。
【0044】
本発明(12)では、本発明(4)と同様、熱延後、α単相域で焼鈍することとした。この場合は、熱延後に混在していたβ相やTi2 Cu相、TiCr2 相またはTix Cuy Crz 相はすべてα相となり、完全なα単相組織が実現する。この状態は、単相状態であることから結晶粒成長しやすいが、α+β二相域での熱間圧延により歪みが蓄積されているため、不必要に焼鈍時間を長くしない限り、均質微細再結晶組織が達成できる。
また、冷却中にα+Ti2 Cu、α+TiCr2 またはα+Tix Cuy Crz の二相域を通過するが、先にも述べたとおり、α相からのTi2 Cu相、TiCr2 相またはTix Cuy Crz 相の析出は極めて遅いため、実質的に、α単相状態が室温で達成できる。そのため、α単相の電解Cu箔製造ドラム用チタン板が製造でき、大変高品質なCu箔が製造可能となる。
【0045】
本発明(13)では、本発明(11)または(12)記載の方法で製造したチタン板に対し、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うこととした。これは、本発明(5)または(6)と同様、冷間加工歪みをさらに与え、再度再結晶させることにより、より均質で微細な組織を達成しようとする技術である。焼鈍をβ変態点以下の温度で行うこととしたのは、本発明(11)の場合と同じである。また、焼鈍をα単相温度域で行うと、本発明(12)の場合と同様、α単相状態が室温で達成できる。そのため、α単相の電解Cu箔製造ドラム用チタン板が製造でき、電解液による腐蝕がきわめて均質となり、大変高品質なCu箔が製造可能となる。この方法は本発明(14)に記載の製造方法である。
【0046】
【実施例】
本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明する。
(実験1)
表1に示した成分からなるインゴットを、真空アーク2回溶解により準備し、これを分塊圧延して厚さ150mmのスラブとした。このスラブを850℃に加熱し、850〜700℃の範囲で熱間圧延を行い、温度厚さ10mmの板に熱間圧延し、630℃で焼鈍した。この焼鈍は、真空クリープ矯正機(VCF)を用いて、形状矯正を兼ねて行った。
【0047】
上記の厚板から切り出した検査用試験片を、板面に平行に黒皮部を含めて2mm研削し、更に#600の研磨を行なって硝沸酸系のマクロ腐食液でエッチングし、結晶粒径を測定すると共に、マクロ模様の観察を行った。また、SEM観察により、ピット状の窪みの有無を観察した。マクロ模様の良好であった板については、脱スケール後、冷間で直径2.7mの円筒ドラム状に曲げ成形し、この一部から切り出した試験片を硝沸酸系のマクロ腐食液でエッチングし、マクロ模様の観察を行った。
なお、マクロ模様観察は、10cm,8cmの領域3箇所に対して実施し、目視で観察されたマクロ模様の数で評価した。すなわち、0〜1個の場合:◎、2〜5個の場合:○、6〜10個の場合:△、11個以上の場合:×、の4段階評価である。
【0048】
表1において、試験番号1は、通常の純チタンの場合であり、通常の厚板製造工程により製造しているため、マクロ模様は×判定であった。これに対し、Feをやや多めに添加した試験番号2では、△判定に改善している。しかしながら、まだ不十分なレベルであり、この材料ではFeの濃化したβ相が優先溶解したため、ピット状の窪みも観察されており、電解Cu箔製造ドラム用チタン板としては好ましいものではなかった。
また、Niを添加した試験番号3および試験番号4では、Ti2 Niの粒成長抑制効果により微細結晶粒が得られ、マクロ模様評価結果は○判定であった。しかし、このTi2 Ni相の生成のため、素材強度が高くなり、ドラムに成型した際の歪みが不均一となり、ドラムにおけるマクロ模様評価は△になってしまった。また、腐蝕環境下で溶出したNiがCu箔に混入するという問題もあり、好ましくない。
【0049】
一方、本発明の実施例である、試験番号6,7,8,11は、いずれも均質微細再結晶粒が得られ、マクロ模様評価も、板では◎、ドラムでは○の良好な結果であり、本発明の効果が十分に達成された。
【0050】
これに対し、試験番号5は、△のマクロ模様判定しか得られなかった。これはCu添加量が本発明の下限値より低く、熱間圧延時に十分な二相状態が達成されなかったことによる。また試験番号9では、Cuの添加量が本発明の上限値を超えたため、凝固偏析が激しくなり、平均粒径こそ小さかったが、部分的に粗大粒が混入し、またCu偏析による腐蝕むらにより、マクロ模様は×の判定となってしまった。また試験番号10では、Feの添加量が本発明で規定された0.04%を超えたため、腐蝕時にピット状の窪みが発生してしまった。また試験番号13は、焼鈍を省略し十分な再結晶組織としなかったため、加工歪み分布の不均一性や延伸粗大粒を反映したマクロ模様が発生してしまい、×判定となってしまった。
【0051】
【表1】
【0052】
(実験2)
実験1の試験番号7と全く同じ成分(Ti−1.1%Cu−0.03%Fe−0.05%酸素)からなる150mm厚のスラブを、表2のスラブ加熱温度の欄に示す温度に加熱し、厚さ10mmの板に熱間圧延し、表2の焼鈍温度の欄に示す種々の温度で焼鈍した。
その後、実験1と全く同じ方法で、結晶粒径、マクロ模様等を評価した。その結果を表2に示す。ここで、比較のため、実験1の試験番号7の結果も一緒に示してある。この成分のβ変態点、α+β二相温度域とα単相域の境界温度、α単相域とα+Ti2 Cu二相温度域の境界温度は、いずれも試験番号7と同じで各々、865℃、825℃、730℃である。
【0053】
表2において、本発明(3)または(4)に記載の方法、すなわちα+β二相域にスラブ加熱し圧延し、β変態点以下の温度で焼鈍した、試験番号14,17,18,19,20は、いずれも細粒が得られており、板のマクロ模様は◎の判定であった。またピッティングも無く、ドラムに成形後のマクロ模様も○ないし◎の良好な結果であった。特に本発明(4)に記載の、α単相温度域での焼鈍を行った試験番号18,19は、ドラムに成形後も◎のマクロ模様判定となっており、本発明2および4の効果が遺憾無く発揮されている。
【0054】
ここで、試験番号14および15は、スラブ加熱温度が本発明(3)に記載の温度範囲からはずれていたが、試験番号14では、熱間圧延途中に温度が降下し、また試験番号15では、熱間圧延初期の加工発熱により、いずれもα+β二相温度域となり、本発明(1)の製品が製造できた。しかし、スラブ加熱をα+β域で確実に行った試験番号7が◎のマクロ模様判定であったのに対し、これらはいずれも○判定であり、若干品質は劣っていた。
また、焼鈍をβ変態点を超える温度で行った試験番号16は、著しく拡散の速いβ単相域に加熱されたため、折角α+β域加熱圧延で蓄積した歪みが一挙に開放されて粒成長してしまい、均質微細組織が得られず、マクロ模様評価は×の判定であった。
【0055】
【表2】
【0056】
(実験3)
実験1および2において製造した熱延焼鈍板の中から、Ti−1.1%Cu−0.03%Fe−0.05%酸素の成分を有する試験番号7,17,19を選定し、これらを脱スケール後、さらに冷間圧延を行い、5mm厚の板とした。その後、表3の、冷延後の焼鈍温度の欄に記載した温度で焼鈍を行い、実験1,2と同じ方法で、結晶粒径やマクロ模様評価を行った。その結果を表3に示す。
【0057】
表3において、本発明(5)または(6)に記載の方法で製造した板は、いずれも熱延焼鈍板の場合よりも結晶粒径が小さくなっており、板のマクロ模様評価はいずれも◎判定であった。熱延焼鈍板においても◎判定が得られているが、より微細な結晶粒が得られていることから、本材料にて製造したドラムを用いると、さらに緻密で高品質の電解Cu箔が製造できる。
【0058】
ここで、試験番号19は、冷延前の熱延焼鈍板がα単相からなるが、冷延後の焼鈍をα+Ti2 Cu二相域で行っても、α相からTi2 Cu相の析出は著しく遅いためα単相の状態が保持される。そのため本発明(2)が達成され、ドラムに加工しても、なお◎の判定の高品質が得られた。
また試験番号26,27は、冷延前には若干の第2相が存在していたが、冷延後の最終焼鈍をα単相域で行ったため、本発明(2)が達成され、ドラムに加工しても、なお◎の判定の高品質が得られた。
【0059】
【表3】
【0060】
(実験4)
表4に示した成分からなるインゴットを、実験1と全く同じ方法で厚さ150mmのスラブとした。このスラブを表4に示すスラブ加熱温度に加熱し、この温度から700℃までの範囲内で熱間圧延を行い、厚さ10mmの熱延板とした。さらに、表4に示す焼鈍温度で、真空クリープ矯正機(VCF)を用いて、形状矯正を兼ねて焼鈍を行った。計算状態図から推定した加熱温度及び焼鈍温度における相状態も表4に示した。
【0061】
上記の厚板の結晶粒径の測定およびマクロ模様の観察を、実験1と全く同じ方法で行った。また、マクロ模様判定が◎、○、△のものについては、SEM観察により、ピット状の窪みの有無を観察した。ピット状の窪みとは、直径数μmの円形または多角形状の孔のことである。マクロ模様判定が◎、○、△であった板については、脱スケール後、冷間で直径2.7mの円筒ドラム状に曲げ成形し、この一部から切り出した試験片を、硝沸酸系のマクロ腐食液でエッチングし、マクロ模様の観察を行った。マクロ模様判定が、◎または○で、ピット状の窪みも観察されない良好な材料については、溶接性の試験も行い、研磨後に溶接線が見えるかどうか観察した。
【0062】
表1の試験番号5と同一成分の表4の試験番号29は、α+βニ相域に加熱し、α+βニ相域温度で熱延したため、板におけるマクロ判定は◎であった。試験番号30、31についても、α+β二相の温度域で熱延を行ったため、板によるマクロ判定は、◎であった。
試験番号32は、通常の純チタンの場合であり、熱間圧延(スラブ加熱温度850℃)、焼鈍(焼鈍温度630℃)による製造方法では、板のマクロ模様は×判定であった。また、Crを0.03%しか含まない試験番号33では、熱延時に十分な二相状態が達成されず、マクロ模様判定は△であった。このように通常の純チタンやCr含有量が0.1%未満の場合、α+β相での熱延が困難であるため、未再結晶部が多く残存し、マクロ模様判定が不十分である。
【0063】
これに対し、Crを0.19%,0.41%,0.58%および0.81%含む、試験番号34,36,38,40および41は、いずれも微細均質微細組織が得られ、マクロ評価も◎または○の良好な結果であり、本発明の効果が十分に達成された。
このように、Crを0.1〜0.9%含有し、α+β相で熱延すると、熱延後も材料全体が均一な再結晶組織となるため、マクロ模様判定が良好である。
【0064】
一方、試験番号35では、Feの添加量が本発明で規定された0.04%を超えたため、腐蝕時にピット状の窪みが発生してしまった。試験番号37では、酸素添加量が本発明で規定された0.1%を超えたため、溶接後、研磨しても溶接線が消えなかった。試験番号39では、熱延時の温度がβ域であったため、粒成長が著しく結晶粒が粗大化し、均質微細組織が得られず、マクロ模様判定は×であった。焼鈍をβ域で行った試験番号42についても、同様に結晶粒が粗大化し、均質微細組織が得られず、マクロ判定は×であった。試験番号43は、Crの含有量が1.17%と高い場合であり、マクロ模様判定は△であった。
【0065】
試験番号44および45は、CuとCrの両者を含む場合の本発明の実施例であり、α+β二相域での熱延とα域での焼鈍後、板のマクロ模様判定は◎、ドラムのマクロ模様判定は○であった。試験番号46は、Crの含有量が本発明の範囲よりも多く、マクロ模様判定は△であった。
試験番号47〜52は、それぞれMo、V、Nb、Wの1種とCuを含有する場合の実施例である。いずれの材料も硬度が若干上昇したことによると思われる研磨後の光沢が多く、表面粗度が小さい材料が得られた。α+β二相域で熱延後、α域で焼鈍を施した試験番号47〜50のマクロ模様は○判定であった。
比較例の試験番号51および52では、それぞれMoおよびNbの添加量が1%を超え、それらの元素の偏析によるマクロ模様が発生し、いずれもマクロ模様は△判定であった。
【0066】
試験番号53〜55は、Mo、V、Nb、Wの2種とCuを含有する場合の実施例である。これらについても硬度が若干上昇したことによるものと思われる研磨後の光沢が多く、表面粗度が小さい材料が得られた。α+β二相域で熱延後、α域で焼鈍を施した試験番号53、54のマクロ模様は○判定であった。
比較例の試験番号55では、MoとNbの合計添加量が1%を超え、それらの元素の偏析によるマクロ模様が発生し、マクロ模様は△判定であった。
試験番号56〜61は、それぞれMo、Ta、V、Nb、W、Hfの1種とCrを含有する場合の実施例である。いずれの材料も硬度の若干の上昇に起因すると思われる研磨後の光沢が多く、表面粗度が小さい材料が得られた。α+β二相域で熱延後、α域で焼鈍を施した試験番号56〜59のマクロ模様は○判定であった。比較例の試験番号60、61では、それぞれTa、Hfの添加量が1%を超え、それらの元素の偏析によるマクロ模様が発生し、いずれもマクロ模様は△判定であった。
【0067】
試験番号62〜64は、Mo、Ta、Nb、Wの2種とCrを含有する場合の実施例である。これらについても硬度が若干上昇したことによるものと思われる、研磨後の光沢が多く、表面粗度が小さい材料が得られた。α+β二相域で熱延後、α域で焼鈍を施した試験番号62、63のマクロ模様は○判定であった。
比較例の試験番号64では、MoとNbの合計添加量が1%を超え、それらの元素の偏析によるマクロ模様が発生し、いずれもマクロ模様は△判定であった。
【0068】
【表4】
【0069】
(実験5)
表5に示した成分からなるインゴットを、実験1と全く同じ方法で厚さ150mmのスラブとした。このスラブを表5に示すスラブ加熱温度に加熱し、厚さ10mmの板に熱間圧延した。さらに、表5の焼鈍1の欄に示す焼鈍温度で、真空クリープ矯正機(VCF)を用いて、形状矯正を兼ねて焼鈍を行った。計算状態図から推定した焼鈍温度における相状態も表5の焼鈍1の欄に示した。これらを脱スケール後、さらに冷間圧延を行い、5mm厚の板とした。その後、表5の焼鈍2に示した温度で焼鈍を行い、実験1同じ方法で、結晶粒径、マクロ模様判定を行った。表5の焼鈍2の欄に計算状態図から推定した焼鈍温度における相状態も示した。
マクロ模様判定が◎、○、△であったサンプルは、SEM観察により、ピット状の窪みの有無を観察し、また冷間で直径2.7mの円筒ドラム状に曲げ成形して、試験片を切り出し、マクロ模様の観察を行った。さらに、マクロ模様判定が、◎または○で、ピット状の窪みも観察されない良好な材料については、溶接性の試験も行い、研磨後に溶接線が見えるかどうか観察した。
【0070】
試験番号65〜71、73〜75、77、79〜81、83は、いずれも板のマクロ模様評価、およびドラムのマクロ模様評価ともに◎であり、ピッティングも無く、さらに溶接後の溶接線についても観察されなかった。一方、CuとCrの含有量が本発明の規定値よりも多い試験番号72では、板のマクロ模様評価は△であった。また、試験番号76、78、82、84では、それぞれVの添加量、TaとHfの合計添加量、Zrの添加量、ZrとHfの合計添加量が本発明の規定値を超えているため、板のマクロ模様評価は△であった。
【0071】
【表5】
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、マクロ模様が少なく均一微細な板面金属組織を有し、高品質の電解Cu箔を製造するに適した、電解Cu箔製造ドラム用チタン板及びその製造方法を、複雑な加工熱処理工程を経ることなく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiとCuの二元系平衡状態図の一部を示す図である。
【図2】TiとCuの二元系平衡状態図の一部を示す図である。
【図3】TiとCrの二元系平衡状態図の一部を示す図である。
【図4】α単相のチタン板のミクロ組織を示す図である。
【図5】β相および析出相を有するチタン板のミクロ組織を示す図である。
Claims (14)
- 質量%で、
Cu:0.5〜2.1%、
Fe:0.04%以下、
酸素:0.1%以下
を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、均質微細再結晶組織を有することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板。 - 前記チタン板がα単相からなることを特徴とする、請求項1に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
- 質量%で、
Cu:0.5〜2.1%、
Fe:0.04%以下、
酸素:0.1%以下
を含み、残部チタンと不可避不純物からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにβ変態点以下の温度で焼鈍することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。 - 質量%で、
Cu:0.5〜2.1%、
Fe:0.04%以下、
酸素:0.1%以下
を含み、残部チタンと不可避不純物からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにα単相温度域にて焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。 - 請求項3または4に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
- 請求項3または4に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、α単相温度域で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
- 質量%で、
Cu:0.1〜2.1%、
Cr:0.1〜0.9%
の1種または2種を含有し、
Fe:0.04%以下、
酸素:0.1%以下
を含み、残部チタンと不可避不純物からなり、均質微細再結晶組織を有することを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板。 - 質量%でさらに、Mo、Ta、V、Zr、Nb、Hf、Wの1種または2種以上を合計で1%以下含有することを特徴とする、請求項7に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
- α単相からなることを特徴とする、請求項7または8に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
- 平均結晶粒径が40μm未満であることを特徴とする。請求項1、2、7、8または9のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板。
- 請求項7または8に記載の成分からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにβ変態点以下の温度で焼鈍することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
- 請求項7または8に記載の成分からなるスラブを、α+βの二相温度域に加熱し、熱間圧延し、さらにα単相温度域にて焼鈍を行うことを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
- 請求項11または12に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、β変態点以下の温度で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
- 請求項11または12に記載の方法に引き続いて、さらに冷間圧延を行い、その後、α単相温度域で焼鈍を行うことを特徴とする、電解Cu箔製造ドラム用チタン板の製造方法。
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