JP2004002151A - 複合ゾル、その製造法及びインクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する複合ゾル、その製造法、該複合ゾルを含有するインク受容層コーティング組成物、及び該複合ゾルを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体による。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
第一発明は、コロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなるコロイダル複合粒子が媒体中に安定に分散した複合ゾル及びその製造法に関する。
【0002】
そして、第二発明は、水性インクを用いて記録を行うインクジェット記録媒体に関し、より詳しくは上記の複合ゾルを含有するインク吸収性の高いインク受容層用コーティング組成物及びそのインク受容層を有するインクジェット記録媒体に関する。
【0003】
なお、上記の複合ゾルは、その物質としてシリカとリン酸アルミニウムとの性質を有すること、そして形状としてコロイダルシリカ粒子とこれを接合するリン酸アルミニウムによる凝集粒子形状を有することの特徴を有している。その機能は、固体表面上で乾燥されると優れた被膜性と多孔性を示して、各種コーティング剤のマイクロフィラーや改質剤、結合剤、防蝕剤、触媒担体、難燃剤など種々の分野に用いられる。
【0004】
【従来の技術】
シリカゾルは多くの用途に使用されている。大部分の用途において、球状又は球状に近いコロイダルシリカ粒子が、液中で単分散に近く状態で、液中での凝集粒子径(二次粒子径)が小さい状態で存在するシリカゾルが使用されている。また、用途によってはコロイダルシリカ粒子の表面改質が求められ、種々の改質がなされている。
【0005】
従来より、球状又は球状に近いコロイダルシリカ粒子からなるシリカゾルを効率よく製造するため、製造法の改良とコロイダルシリカ粒子表面の改質とに関わる提案が多くなされてきた。しかし、シリカゾル中に分散しているコロイダルシリカ粒子の形状をコントロールすることと表面改質とコロイダルシリカ粒子形状のコントロールとを同時に行う提案は少ない。
【0006】
特許文献1には、10〜80nmの窒素吸着法粒子径(D2nm)を有する球状コロイダルシリカ粒子とこの球状コロイダルシリカ粒子を接合する金属酸化物含有シリカからなる、球状コロイダルシリカ粒子が一平面内のみにつながった数珠状コロイダルシリカ粒子が液状媒体中に分散されてなる、シリカ濃度5〜40重量%の安定なシリカゾル及びその製造法が開示されている。なお、その数珠状コロイダルシリカ粒子は、その動的光散乱法粒子径(D1nm)と球状コロイダルシリカ粒子の窒素吸着法粒子径(D2nm)の比D1/D2が3以上であって、このD1は50〜500nmであることに特徴がある。
【0007】
特許文献2には、シリカゾルに硫酸アルミニウム水溶液とリン酸の混合液と更に水酸化アンモニウム水溶液を加える方法により、90:10〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比と3〜250nmの粒子径を有する、リン酸アルミニウムで均質に被覆された、シリカとリン酸アルミニウムの複合粒子が均一に分散しているゾルなどが開示されているが、これらの複合粒子の形状については開示されていない。また、このゾルの物性や安定性についても明らかにされていない。
【0008】
インクジェット記録方式は、ノズルから高速で射出したインク液滴を被記録体に付着させて画像、文字などを記録する方式であり、比較的高速、低騒音、フルカラー化が容易であることなどから、各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末などさまざまな分野で使用されている。
【0009】
この方式では、使用されているインクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を得るためには大量のインクを用いる必要がある。また、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴が接触してインクのドットが接合するという不具合を生じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用される記録紙及びシートとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく、鮮やかであること、インクの吸収が速く、インクのにじみのないこと、印刷後つやがあることなどの性能が要求される。
【0010】
紙はそれ自体がインクを吸収することができるため、そのままでもインクジェット方式による記録が可能であるが、高い記録濃度を得るためには塗工によりインク受容層を設ける必要がある。また、合成紙やOHPなどに用いられるPETフィルムなどのインクの吸収性を有しないシートにインクジェット方式で記録するために、塗工によりインク受容層を設けることは不可欠である。
【0011】
これまで、シリカパウダー、シリカゾル、アルミナゾルなどが用いられている。これらに水性樹脂を添加したコーティング剤を紙又はシートに塗布乾燥することにより、紙又はシート上にインク受容層を設けてインクの吸収性、吸収速度、色彩性、高濃度印字性、艶などの向上を図ってきた。
【0012】
特許文献3には水分散性ポリマーと数珠状に連結及び/又は分岐した形状のコロイダルシリカ粒子と、他の粒子とを主成分とするインク受容層組成物が開示されている。特許文献4(対応特許:特許文献5)にはカチオン変性された非球状のコロイダルシリカ粒子とポリビニルアルコールからなるインク受容層が開示されている。特許文献6(対応特許:特許文献7)には10nm以下の平均一次粒子径を有するコロイダルシリカ粒子と水溶性樹脂から形成される空隙率50〜80%を有する三次元網目構造のインク受容層が提案されている。
【0013】
特許文献1には、10〜80nmの窒素吸着法粒子径(D2nm)を有する球状コロイダルシリカ粒子とこの球状コロイダルシリカ粒子を接合する金属酸化物含有シリカからなる、球状コロイダルシリカ粒子が一平面内のみにつながった数珠状コロイダルシリカ粒子が水中に分散されてなるシリカゾルと水性樹脂を含有することを特徴とするインク受容層が提案されている。なお、その数珠状コロイダルシリカ粒子は、その動的光散乱法粒子径(D1nm)と球状コロイダルシリカ粒子の窒素吸着法粒子径(D2nm)の比D1/D2が3以上であって、このD1は50〜500nmであることに特徴がある。
【0014】
上記の方法は、一般に受容層被膜中に空隙を形成して、そこにインクを吸収させるものであるか、同時に受容層形成に用いる水性樹脂自体が膨潤作用でインクを吸収し保持するタイプのものが多く用いられる。すなわち、大きな空隙を有するフィラーとインクを吸収する水性樹脂との適切な混合によりインク受容層組成物が形成されている。
【0015】
上記例において、数珠状シリカゾルを使用することにより従来のシリカゾルに比べ、空隙の大きい受容層を形成することができ、良好なインクの吸収性、高濃度印字性などを得ることができるか、これらのゾルは凝集粒子径が大きくなるとシリカ濃度を高くできない欠点を持ち、中性域で安定性が低下する欠点を有している。また、凝集粒子径を大きくし、シリカ濃度を高くするためには一次粒子径を大きくしなければならず、そうすることにより透明感が低下、印字濃度が低下する欠点が出てくる。また、上記数珠状シリカゾルは製造時の凝集粒子径の制御が難しい。
【0016】
【特許文献1】
国際公開第00/15552号パンフレット(特許請求の範囲)
【特許文献2】
米国特許第3650783号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平4−201286号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平6−92011号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
米国特許第5372884号明細書(特許請求の範囲)
【特許文献6】
特開平7−276789号公報(特許請求の範囲)
【特許文献7】
米国特許第5612281号明細書(特許請求の範囲)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
第一発明はコロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウムを複合化してコロイダルシリカ粒子の形状を改変すること及びコロイダルシリカ粒子の表面をリン酸アルミニウムで被覆して改質することにより、造膜性、多孔性、防蝕性、結合性、付着性などに改良された性能を示す複合ゾルを提供しようとするものであり、更にこの複合ゾルを効率よく製造する方法を提供しようとするものである。
【0018】
第二発明は、上記の従来の技術に鑑みてなされたものである。その目的は、水性又は油性インク及び染料インク又は顔料インクによるインクジェット方式の印字において、高いインクの吸収性を有し、高品位の画像形成を可能にするインクジェット記録媒体すなわちインクジェット記録用紙及びシートに使用するインク受容層コーティング組成物及びそのインク受容層を有するインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0019】
【問題を解決するための手段】
第一発明の複合ゾルは、3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する。
【0020】
そして、この複合ゾルの好ましい態様としては、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比、及び1〜60重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有することが挙げられる。
【0021】
次に、3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比、及び1〜60重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する複合ゾルの製造法は、下記の(a)、(b)及び(c)工程により効率よく得られる。
【0022】
(a):0.5〜50重量%のシリカ(SiO2)濃度、1〜11のpH及び3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルに、リン酸又はリン酸塩を加えて混合する工程、
(b):(a)工程により得られた混合液(a)にアルミニウム塩水溶液を加えて混合する工程、及び
(c):(b)工程により得られた混合液(b)を20〜100℃で0.5〜20時間熟成する工程。
【0023】
そして、この複合ゾルの製造法の好ましい態様として、(b)工程に用いられるアルミニウム塩水溶液がアルミン酸ナトリウム水溶液及び/又は塩基性アルミニウム塩水溶液であることが挙げられる。
【0024】
第一発明の複合ゾルを構成するコロイダル複合粒子は電子顕微鏡を用いた撮影写真によってその形状を見ることができる。このゾル中に存在する多数のコロイダル複合粒子は、形状が同一に限られておらず、数珠状に接合したもの(但し、この中にはほぼ真直につながったもの、屈曲してつながったもの、分岐してつながったもの、環状につながったものなどを含む)、三次元に凝集したものが存在する。
【0025】
一個の粒子に着目すると基本的にはコロイダルシリカ粒子とそれを接合するリン酸アルミニウムからなっているが、リン酸アルミニウム/シリカの比が大きい場合にはコロイダルシリカ粒子の表面もリン酸アルミニウムで被覆されかつリン酸アルミニウムで接合していることが判る。
【0026】
一定の方法、条件によってつくられた複合ゾルでは、コロイダル複合粒子のつながりの度合い、リン酸アルミニウムによるコロイダルシリカ粒子の被覆の度合いはある範囲で制御されている。
【0027】
第一発明の製造法によって得られるコロイダル複合粒子は、基本的には3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子がリン酸アルミニウムによって接合されつながったものである。リン酸アルミニウムの添加量が多い場合にはコロイダルシリカ粒子がリン酸アルミニウムによりビルドアップされ、接合部のリン酸アルミニウムが多くなるだけであり、リン酸アルミニウムが単独で粒子として存在していない。
【0028】
このような第一発明のコロイダル複合粒子の凝集粒子径(二次粒子径)の大きさは電子顕微鏡写真から推定される長さで表すのは適切ではなく、一般に動的光散乱法粒子径で表すのが適切である。この動的光散乱法粒子径の測定は、ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(JournalofChemicalPhysics)第57巻11号(1972年12月)第4814頁に説明されており、例えば市販の米国Coulter社製modelN4と呼ばれる装置により容易に測定することができる。第一発明の複合ゾルを構成するコロイダル複合粒子の大きさとしては動的光散乱法粒子径で20〜500nmである。
【0029】
第一発明の複合ゾルを構成するシリカ及びリン酸アルミニウムはいずれも非晶質であることからこのコロイダル複合粒子も非晶質である。
【0030】
第一発明の複合ゾルは通常60重量%以下、好ましくは5〜50重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する。
【0031】
第一発明の複合ゾルは、コロイダル複合粒子が基本的にはコロイダルシリカ粒子がリン酸アルミニウムにより接合又は被覆接合されたものであるから、その接合の度合いが大きいほどこのゾルの粘度は高くなるが、上記シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度が60重量%以下では、20℃で数mPa・s〜1000mPa・s程度の粘度である。そして、この複合ゾルは、高い粘度の場合でも安定性が高く、保存中に多量のコロイダル複合粒子の沈殿が生じることも、ゲル化を生じることもない。
【0032】
第一発明のコロイダル複合粒子のゼータポテンシャルは、市販されている一般的なシリカ粒子(微量のアルミニウムを含有)と同じく全pH域で負である。リン酸アルミニウム単独のコロイダル粒子のゼータポテンシャルはpH5が等電位点であるためpH5以下では正、pH5以上では負であるが、このコロイダル複合粒子の場合にはコアとなっているコロイダルシリカ粒子のポテンシャルに影響されて、全pH域で負である。
【0033】
更に第一発明の複合ゾルとしては媒体が水、有機溶媒、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒のいずれであっても良い。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
【0034】
第一発明の3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比(シリカ:リン酸アルミニウムの重量比)、及び1〜60重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する複合ゾルは、前述のごとく(a)、(b)及び(c)の各工程を経ることにより3〜10のpHを有するゾルとして得ることができる。
【0035】
この(a)工程に用いられる3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルは、従来から知られている任意の方法により製造される。そして、そのゾルは、1〜11のpHを有する水性シリカゾルでよく、工業材料として市販されているものを使用することができる。市販の水性シリカゾルがアルカリ性の場合には、このアルカリ性ゾルを陽イオン交換処理することにより容易に1〜4のpHを有する酸性シリカゾルを得ることができる。市販の2〜4のpHを有する酸性水性シリカゾルの場合には、このゾルにアルカリ性物質を加えることにより4〜11のpHを有する水性シリカゾルとすることができる。また、アルカリ性シリカゾルに無機酸、有機酸などの酸を加えることでpHを低下させることもできる。
【0036】
シリカゾルの平均粒子径として、商業的に比表面積径が採用されている。この比表面積径は、ゾル中に分散しているコロイダルシリカ粒子の一次粒子径を表している。
【0037】
このシリカゾルの比表面積径(平均粒子径)は、通常窒素吸着法により測定された比表面積より球状粒子に換算して得られる窒素吸着法粒子径を採用している。その比表面積径(Dnm)は、比表面積Sm2/gと真比重dg/cm2とから、D=6000/(S×d)の式によって与えられる。
【0038】
しかし、3〜8nmの比表面積径を有するシリカゾルについては窒素吸着法では測定が困難であり、一般的にシアーズ滴定法により測定された比表面積より球状粒子に換算して得られるシアーズ滴定法粒子径が採用されている。このシアーズ滴定法粒子径の測定は、アナリテカル・ケミストリー(AnalyticalChemistry)第28巻(1981年)第1981頁に説明されている。
【0039】
この3〜100nmの比表面積径を有するシリカゾル(つまり、3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子が媒体中に分散しているコロイド系)において、コロイダルシリカ粒子の形状は球状でも非球状でもよく、動的光散乱法粒子径対比表面積径(すなわちシアーズ滴定法粒子径又は窒素吸着法粒子径)の比〔動的光散乱法粒子径/比表面積径(すなわちシアーズ滴定法粒子径又は窒素吸着法粒子径)の比〕が小さくても大きくてもよい。工業材料として市販されているものは、通常この値が3未満である。
【0040】
(a)工程において3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルはシリカ(SiO2)濃度として0.5〜50重量%のものを使用することができる。
【0041】
本発明では、シリカ濃度はSiO2としての濃度をあらわす。
【0042】
(a)工程において、(c)工程により得られる複合ゾルのシリカ対リン酸アルミニウムの重量比が99:1〜10:90になるために必要な量のリン酸又はリン酸塩を加えて混合する。
【0043】
(a)工程において、リン酸はオルトリン酸(H3PO4)水溶液を、リン酸塩としてはリン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)などのリン酸アルカリ、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)、リン酸アンモニウム((NH4)3PO4)、リン酸アミンなどを、固体又は水溶液として使用することができる。本発明においては、オルトリン酸が最も好ましい。
【0044】
(a)工程におけるシリカゾルへのリン酸又はリン酸塩の添加は攪拌下に行うのが好ましい。また、この混合の温度及び時間にはとくに制限はなく、20℃で1分〜1時間程度でよい。
【0045】
(b)工程では、上記(a)工程により得られた混合液(a)にアルミニウム塩水溶液が加えられる。この添加は(a)工程により得られる混合液(a)のpHにもよるが(a)工程でのリン酸又はリン酸塩の添加終了後なるべく早く、そして強い攪拌下に行うのが好ましい。また、この添加、混合の温度及び時間に制限はなく、20℃で2分〜1時間でよい。この攪拌には、サタケ式攪拌機、ディスパー型攪拌機、ホモジナイザーなどを用いることができる。
【0046】
(b)工程において添加されるアルミニウム塩としてはアルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸アルカリ水溶液、アルミン酸第4級アンモニウム水溶液、塩基性塩化アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウムなどの塩基性アルミニウム塩水溶液、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、スルファミン酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、乳酸アルミニウムなどのアルミニウムの無機酸塩、有機酸塩の水溶液などが挙げられる。これら水溶液からからなる群から選ばれた一種又は二種以上を使用することができる。
【0047】
(b)工程においてアルミニウム塩の添加量は(a)工程で添加されたリン酸量に対応する量である。(b)工程において、基本的には(a)工程で添加されたリン酸イオンと(b)工程で添加されたアルミン酸イオン又はアルミニウムイオンが反応することによって、リン酸アルミニウムが生成される。本発明において、リン酸アルミニウムの組成は基本的には正リン酸アルミニウム組成であるがこれに限定されるものではなく、塩基性リン酸アルミニウム〔(Al/PO4)モル比>1〕組成のものも含む。そして、いずれのリン酸アルミニウム組成も水和物として存在し、X線回折では無定形を示すものである。
【0048】
(b)工程において得られる混合液(b)のpHは3〜9が好ましく、必要に応じて混合液(b)に硫酸、塩酸、硝酸、ギ酸、シュウ酸などの酸やアルカリ金属水酸化物、アンモニア、第4級アンモニウム水酸化物、アミンなどアルカリ性物質の水溶液を加えてpHをコントロールすることができる。
【0049】
(b)工程において生成したリン酸アルミニウムはコロイダルシリカ粒子の表面に強く結合し、コロイダルシリカ粒子同志を接合し、又コロイダルシリカ粒子の表面全部を被覆した上に粒子同志を接合し、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子が生成する。
【0050】
(c)工程では、(b)工程により得られた混合液(b)が20〜100℃で0.5〜20時間熟成される。この熟成は上記混合液の攪拌下に行うのが好ましい。この熟成によって本来(b)工程で生成するリン酸アルミニウムの生成を完結することができる。この熟成は水の蒸発が起こらない条件でも起こる条件でもどちらでもかまわない。
【0051】
(c)工程によって得られた複合ゾルのシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度は1〜40重量%であり、濃度の低い場合には濃縮することが必要となる。この際、濃縮ゾル中に存在していてはゾルの安定化の妨げとなる量又はそれ以上の陽イオンと陰イオンを(c)工程により得られた複合ゾルから除くことが好ましい。この陽イオンと陰イオンの除去には限外ろ過膜や逆浸透膜のような微細多孔性膜を用いる方法やイオン交換樹脂を使用することができる。濃縮には蒸発法や限外ろ過膜法などを用いることができる。
【0052】
上記(c)工程により得られた複合ゾル又はこれから適当量の陽イオンと陰イオンと水が除去された上記複合ゾルは、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度が10〜60重量%であり、20℃で数mPa・s〜1000mPa・s程度の粘度を有し、そしてpH3〜10好ましくはpH4〜9を示す。この複合ゾルは、ゾル中の塩濃度が比較的高い場合にもpHが中性域においても非常に安定である。この複合ゾル中のコロイダル複合粒子の動的光散乱法粒子径は市販の装置によって容易に測定され、20〜500nmである。
【0053】
本発明の方法に類似した方法(比較例2)によって生成するリン酸アルミニウムの窒素吸着法粒子径は5〜50nmであることから、コロイダル複合粒子の窒素吸着法粒子径は、コロイダルシリカ粒子の粒子径とシリカ対リン酸アルミニウムの重量比とによってはコロイダルシリカ粒子よりも大きくなることもあり小さくなることもあるが、本発明の方法によって得られたコロイダル複合粒子の窒素吸着法粒子径は5〜100nmである。
【0054】
本発明において第一発明の方法の(b)工程又は(c)工程で得られた複合ゾルを用いて、更にこれに(a)工程、(b)工程、及び(c)工程を繰り返し行うことにより、コロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムで十分に被覆接合した複合ゾルを得ることができる。
【0055】
上記第一発明の方法によって得られた複合ゾルは、水の除去によって終局的に不可逆的にコロイダル複合粒子のゲルに変わる。この複合ゾルはアルカリ性の場合には陽イオン交換処理をすることにより酸性にすることができ、またこれに別のアルカリを加えることにより別のアルカリ性の複合ゾルを得ることができる。
【0056】
この発明の方法によって得られた複合ゾルは負に帯電しているが、このゾルから陽に帯電したゾルを通常の方法により得ることができる。更に、これら水性の複合ゾルから、その媒体の水を通常の方法、例えば蒸留置換法等により有機溶媒によって置換することによりオルガノゾルを得ることができる。
【0057】
第二発明では、上記の複合ゾルの中でも5〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有する複合コロイダル粒子を含有する複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインク受容層用コーティング組成物に用いることにより、インクの吸収性が大きく、吸収速度が速く、インクの発色性が良く、つやが大きいことを見出した。
【0058】
また、複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインク受容層用コーティング組成物において、以下の態様で実施されるのが好ましい。
【0059】
複合ゾルが、5〜50nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜300nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである。この場合、この組成物により形成される受容層をインクジェット記録媒体のトップコーティング層、いわゆる最表層に用いると、良好なインク吸収性と優れた発色性を付与するだけでなく、表面硬度が高くて耐摩耗性も付与することができて好ましい。
【0060】
そして、複合ゾルが、50〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、100〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである。この場合、この組成物により形成される受容層をインクジェット記録媒体のアンダーコーティング層に用いると、インクの保持率が高くて、発色性に好ましい効果を与える。
【0061】
第二発明は、5〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインクジェット記録におけるインク受容層用コーティング組成物である。
【0062】
そして、5〜100nmの比表面積を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインク受容層を有することを特徴とするインクジェット記録媒体である。
【0063】
また、複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインク受容層を有することを特徴とするインクジェット記録媒体において、以下の態様で実施されるのが好ましい。
【0064】
複合ゾルが、5〜50nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜300nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである。この場合、この組成物により形成される受容層をインクジェット記録媒体のトップコーティング層、いわゆる最表層に用いると、良好なインク吸収性と優れた発色性を付与するだけでなく、表面硬度が高くて耐摩耗性も付与することができて好ましい。
【0065】
そして、複合ゾルが、50〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、100〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである。この場合、この組成物により形成される受容層をインクジェット記録媒体のアンダーコーティング層に用いると、更にインクの保持率が高くて、発色性に好ましい効果を与える。
【0066】
【発明の実施の形態】
第一発明の複合ゾルの製造法について以下詳細に説明する。
【0067】
(a)工程において使用する水性シリカゾルの比表面積径は3nm未満でもよいが、この場合には(b)工程で得られるコロイダル複合粒子がゲルになりやすくなるため好ましくない。また、この粒子径が100nmを超えてもよいが、得られたコロイダル複合粒子の粒子径が大きくなりすぎた場合にはコロイダル複合粒子が沈降しやすくなるため好ましくない。従って、比表面積径は3〜100nmのものが好ましい。
【0068】
(a)工程において3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルのシリカ濃度は0.5重量%未満でもよいが、この場合は(c)工程後得られたの複合ゾルの濃縮時間が長くなるため効率的ではない。また、この濃度は50重量%以上でもよいが、この場合には得られるコロイダル複合粒子の粒子径が大きくなりすぎたりするために好ましくない。従って、シリカ濃度は0.5〜50重量%が好ましい。
【0069】
(a)工程において3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルのpHは1〜11のものが好ましい。このpHは1未満でもよいが不要な陰イオンが増大するため好ましくない。また、pHは11を超えてもよいが不要な陽イオンが増大するため好ましくない。
【0070】
3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルは市販の工業製品をそのまま又は純水で希釈して使用することができるが、ゾル中に含有される塩の量すなわち陽イオン、陰イオンの量は少ないものが好ましい。
【0071】
(a)工程において混合液(a)のpHは特に限定されないが、pH7以下の方が液の安定性も良好であり、(b)工程でのリン酸アルミニウムの生成によるコロイダル複合粒子の生成が良好であるから好ましい。
【0072】
(b)工程において使用されるアルミニウム塩は(a)工程で添加されたリン酸と反応してリン酸アルミニウムを生成するが、これらのアルミニウム塩はシリカゾルにとってはゲル化剤として挙動するために水溶液として強い攪拌下に添加されるのが好ましい。そしてこの水溶液はAl2O3濃度として10重量%以下が好ましく、特に5重量%以下が好ましい。
【0073】
(b)工程で得られる混合液(b)のpHは3〜10が好ましい。このpHが3未満でもよいが、生成したリン酸アルミニウムが溶解しやすくなるため好ましくなく、pHが10を超えてもよいがこれも生成したリン酸アルミニウムが溶解しやすくなるため好ましくない。
【0074】
(b)工程においてアルミニウム塩は(a)工程で添加されたリン酸イオン量に対応する量が添加される。(a)工程で添加されたリン酸よりも(b)工程で添加されたアルミニウム塩が少ない場合すなわち(Al/PO4)モル比が1より小さい場合には正リン酸アルミニウム組成物とリン酸イオン、リン酸塩が生成し、アルミニウム塩が多い場合すなわち(Al/PO4)モル比が1より大きい場合には、塩基性リン酸アルミニウム組成物が生成する。
【0075】
(b)工程で得られた混合液(b)中のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比は99:1〜10:90である。この比が99:1よりも大きくなり、シリカに対するリン酸アルミニウム量がこれより小さくなるとリン酸アルミニウムによるコロイダルシリカ粒子の接合が不十分になり、動的光散乱法粒子径を十分大きくすることができないので好ましくない。また、この比が10:90よりも小さくなりコロイダルシリカ粒子に対するリン酸アルミニウム量がこれより大きくなるとリン酸アルミニウムによるコロイダルシリカ粒子の被覆接合が必要以上に起こるために、得られたコロイダル複合粒子が500nmより大きくなり、粒子が沈降し安定なゾルが得られなくなるので好ましくない。
【0076】
(b)工程で得られる混合液(b)中のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度は1〜40重量%である。(a)、(b)工程において特に(b)工程において比較的濃度の低いアルミニウム塩水溶液が添加されることから、通常は(a)工程で使用するシリカゾルのシリカ濃度よりもかなり低くなる。
【0077】
得られたコロイダル複合粒子の粒子径の制御やこのゾルの生産効率を考えると(b)液中のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度は5〜40重量%が好ましい。
【0078】
(b)工程で得られる混合液(b)中には場合によってはごく少量の沈降物(動的光散乱法粒子径が500nm以上の大きさのコロイダル複合粒子)が生成することがあるが、これは静置やろ過(遠心ろ過、カートリッジろ過など)により容易に除去することができる。
【0079】
(b)工程においてリン酸イオンとアルミン酸イオン又はアルミニウムイオンとの反応は基本的には終了するが、生成したリン酸アルミニウム中にアルカリ金属イオンやリン酸イオンなどの陰イオンが包含されやすく、生成したリン酸アルミニウムの安定性が不十分であるために、(c)工程において熟成することにより反応を完結し、吸着結合しているイオンをできるだけ粒子外に出すことによりコロイダル複合粒子を安定化することができる。
【0080】
熟成は20〜100℃でよいが好ましくは30〜100℃がよい。また、沸点に近いところの温度での熟成は還流下に行うのが好ましい。
【0081】
熟成時間は(b)工程での攪拌時間に含まれるが、0.5時間未満では反応が不十分であり、また20時間を超えてもよいが、もはや平衡に達するためこれ以上長くても効率的ではない。
【0082】
(c)工程において得られる複合ゾル中のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度は基本的には(b)工程とほぼ同じで5〜40重量%である。このゾルを限外ろ過膜などの微細多孔性膜を用いる方法や常圧又は減圧での蒸発法により濃縮し、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を10〜60重量%にすることができる。また、(c)工程で得られる複合ゾル及び濃縮により得られたゾルは所望に応じ水で希釈することもできる。
【0083】
(c)工程で得られる複合ゾルは、場合によっては沈降物(動的光散乱法粒子径が500nm以上の大きさのコロイダル複合粒子)を生じることがあるが、静置やろ過(遠心ろ過、カートリッジろ過など)により容易に除去することができる。また、ホモミキサー、高速回転式ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー、超音波式ホモジナイザー、コロイドミル、ビーズミルなどの分散装置により所望の大きさに分散し除去することもできる。また、場合によっては(b)工程においてコロイダル複合粒子を生成する途中もしくは直後にこれらの分散装置による分散操作を行っても良い。
【0084】
(c)工程で得られるコロイダル複合粒子の表面にはアルカリ金属イオンや陰イオンが強く吸着されているが、必要に応じてこれを陽イオン又は陰イオン交換処理をすることにより除去することができる。そして、アルカリ性のゾルを酸性にすることができる。
【0085】
本発明により得られた複合ゾルはそのコロイダル粒子が負に帯電していることから、通常のシリカゾルとどのような範囲でも混合することができる。また、このゾルを用いて常法により作成した陽に帯電した複合ゾルは、陽に帯電したシリカゾルやアルミナゾルと混合することができる。
【0086】
次に第二発明について以下詳細に説明する。
【0087】
第二発明に使用する5〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルは(a)、(b)及び(c)工程からなる下記の方法で製造することができる。
【0088】
(a):0.5〜50重量%のシリカ(SiO2)濃度、1〜11のpH及び5〜100nmの比表面積径を有するシリカゾルに、リン酸又はリン酸塩を加えて混合する工程、
(b):(a)工程で得られた混合液(a)にアルミニウム塩水溶液を加えて混合する工程、及び
(c):(b)工程により得られた混合液(b)を20〜100℃で0.5〜20時間熟成する工程。
【0089】
また、複合ゾルが、5〜50nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜300nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルの場合は、前記製造方法の(a)工程において、0.5〜50重量%のシリカ(SiO2)濃度、1〜11のpH及び5〜50nmの比表面積径を有するシリカゾルを用いることによって得られる。
【0090】
そして、複合ゾルが、50〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、100〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルの場合は、前記製造方法の(a)工程において、0.5〜50重量%のシリカ(SiO2)濃度、1〜11のpH及び50〜100nmの比表面積径を有するシリカゾルを用いることによって得られる。
【0091】
第二発明においては複合ゾルは、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度として5〜60重量%、pHとして3〜10のものを使用することができる。
【0092】
このゾルのコロイダルシリカ粒子の比表面積径について、5nm未満でも使用可能であるが、この場合にはシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を高くすると粘度が高くなりやすくなるため好ましくない。また、100nmを超えても使用可能であるが、この場合にはゾルの透明性が低下するため好ましくない。
【0093】
このゾルの動的光散乱法粒子径は50nm未満でも使用可能であるが、この場合には十分な空隙が得られないので好ましくない。また、500nmを超えても使用可能であるが、この場合にはゾルの粘度が高くなりすぎこと、又は透明性が低下することがあるために好ましくない。
【0094】
第二発明においては、アルカリ性、中性又は酸性の複合ゾルを、塩基性アルミニウム塩、塩基性ジルコニウム塩、カチオン系界面活性剤、カチオン性ポリマーなどの表面処理剤により処理された陽に帯電させた複合ゾルを用いることができる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミンの塩酸塩、酢酸塩などのアミン塩型化合物、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩型化合物、アルキルイミダゾリン第4級塩、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、などを用いることができる。またカチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミンまたはその塩類、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミンなどのポリアミンおよびその塩類、ポリアミンスルホン酸塩、ポリアミンエピクロルヒドリン縮合体、ポリアミドエピクロルヒドリン縮合体、ポリジアリルジメチル第4級アンモニウム塩などのジアリルジアルキルアンモニウム塩類、ジアリルアミンアクリルアミド共重合体塩、ポリスチレン第4級アンモニウム塩、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル系樹脂などを挙げることができる。
【0095】
第二発明に用いる複合ゾルは乾燥することによりコロイダル複合粒子が凝集し、空隙の大きなゲルを形成する特徴がある。このゾルは比較的良好な粘度と良好な流動性を示し、良好な造膜性を有することから、少ない量の水性樹脂によりクラックがなく、膜厚の大きい被膜を得ることができる。また、この被膜は比較的硬く、傷つきにくい性質を示す。
【0096】
これらのことから、第二発明のインク受容層コーティング組成物はコーティングに適した粘度と流動性を示し、塗布、乾燥により、平滑でクラックがほとんどなく、つやの良好なインク受容層を得ることを可能とする。また得られた受容層には含有されるコロイダルシリカ粒子とコロイダルシリカ粒子表面のOH基の存在と共存する陽、陰イオンの存在により良好な帯電防止効果を有する。
【0097】
第二発明に使用する水性樹脂としては天然高分子、水溶性樹脂及び樹脂エマルジョンなどがある。天然高分子としてはカゼイン、大豆蛋白、澱粉、ゼラチンなどがあり、水溶性樹脂の例としては、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂として、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、エチルセルロール(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)など、キチン類及び澱粉を、エーテル結合を有する樹脂として、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE)を、そしてアミド基又はアミド結合を有する樹脂として、ポリアクリルアミド(PAAM)及びポリビニルピロリドン(PVP)を挙げることができる。樹脂エマルジョンとしては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体エマルジョン、アクリル系重合体エマルジョン、スチレン−アクリル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体エマルジョン、エステル系重合体エマルジョン、ウレタン系重合体エマルジョン、アクリルシリコーン系重合体エマルジョン、アクリルウレタン系重合体エマルジョン、アクリルエポキシ系重合体エマルジョン、シリコーン系重合体エマルジョン、オレフィン系重合体エマルジョン、エポキシ系重合体エマルジョン、塩化ビニリデン系重合体エマルジョンなどが挙げられる。紙又はフィルムのコーティング用として用いられる、これら水性樹脂からなる群から選ばれた一種又は二種以上を併用することができる。
【0098】
また、上記の複合ゾルがカチオン性を有する場合には必要に応じてカチオン変性の水溶性樹脂及びカチオン性樹脂エマルジョンを使用することができる。無定形又はベーマイト構造のアルミナゾルも併用することができる。
【0099】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物は基本的には複合ゾルと水性樹脂溶液を混合する方法により得ることができるが、樹脂エマルジョンの場合には、樹脂エマルジョン製造時にモノマー中に複合ゾルを添加して重合させる方法を採ることもできる。
【0100】
第二発明において、コロイダル複合粒子と水性樹脂の混合比はコロイダル複合粒子:水性樹脂の重量比で100:2〜100:100、特に100:5〜100:50であることが好ましい。重量比が100:2を超える場合は得られる受容層に著しいクラックが発生することもあり、インクのしみ込みムラができるため好ましくない。一方、100:100未満の場合には樹脂が多くなるため、インクの吸収量、吸収速度が小さくなるため好ましくない。
【0101】
第二発明におけるインク受容層用コーティング組成物中のコロイダル複合粒子と水性樹脂との合計量は5〜40重量%であることが好ましい。5重量%未満では充分な膜厚の受容層が得られない。一方、40重量%を超えるとコーティング組成物の粘度が高くなりすぎることや、乾燥が速くなりすぎることため好ましくない。ここでは10〜30重量%が特に好ましい。
【0102】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物にはコロイダル複合粒子以外に、例えばカオリン、クレー、焼成クレー、一般的な粒子の大きい非晶質シリカ、一般的な粒子の大きい合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ粒子、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメントなど、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が併用できる。これら顔料からなる群から選ばれた一種又は二種以上を併用することができる。
【0103】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物の溶媒は一般的に水であるが、必要に応じて少量のアルコール類やグリコール類などの水溶性有機溶媒を用いることができる。
【0104】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物は、主としてコロイダル複合粒子と水性樹脂からなるが、それ以外に粒子の分散性を高めるために各種の無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリを含んでいてもよい。また、塗布適性や表面品質を高める目的で各種の界面活性剤を使用してもよい。表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制するため、あるいは電子写真法において表面電気抵抗を調整するためにイオン導電性をもつ界面活性剤や電子導電性をもつ金属酸化物微粒子を含んでいてもよい。また、インク記録において色素を固定し耐水性を高める目的で媒染剤を使用してもよい。また表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。また、色材の劣化を抑制する目的で各種の酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
【0105】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物を塗布する紙基材としては特に制限されるものではなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙などが好ましく使用される。また多孔性、透気性を有するシート類も紙基材とみなすことができる。
【0106】
また、第二発明のインク受容層用コーティング組成物を塗布するプラスチックフィルム・シートとしては、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET等)などの透明性の非常に高いプラスチクフィルム・シートやホワイトペット、合成紙などの透明性の低いフィルム・シートが挙げられる。上記基材として、紙とプラスチックフィルム・シートとの積層体を用いることもできる。
【0107】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物は上記紙基材やプラスチックフィルム・シートにブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、ダイコーター、リップコーター、カーテンコーターなどの各種公知のもので塗布することができ、塗布後熱風乾燥機などにより60〜180℃で乾燥することによりインク受容層を形成することができる。また、塗布、乾燥後、例えば、スプレーカレンダー、グロスカレンダーなどで加熱、加圧下にロールニップ間を通すことにより、表面平滑性、透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。
【0108】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物を紙又はフィルムもしくはシートに塗布、乾燥して選られるインク受容層の膜厚は10〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0109】
膜厚が10μm未満の時はインクの吸収性、吸収速度が低下するため好ましくないし、50μmを超えると使用するインク受容層用コーティング組成物の使用量が多くなりすぎたりするため塗工が困難になったり、クラックが発生しやすくなるため好ましくない。
【0110】
【実施例】
第一発明である複合ゾル及びその製造法に関する、実施例及び比較例を以下に示す。
【0111】
実施例1
22.0nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有するアルカリ性シリカゾル{スノーテックスM30(商品名):日産化学工業(株)製、比重1.248、粘度7.8mPa・s、pH9.7、電導度1885μS/cm、シリカ濃度35.0重量%、Na2O濃度0.16重量%}469g(SiO2含量164.2g)と純水3000gを10Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液19.4g(H3PO4含量16.5g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、20分間攪拌を継続してpH1.96、シリカ濃度4.71重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.473重量%の混合液(a){pH1.96、シリカ濃度4.71重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.473重量%}を得た。この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。次いで、アルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名):住友化学工業(株)製、比重1.502、粘度177mPa・s、Al2O3濃度21.0重量%、Na2O濃度19.0重量%、Na/Alモル比1.5}35.6g(Al2O3含量7.48g)に純水1000gを加えてAl2O3濃度0.72重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1035.6gを得た。
【0112】
上記混合液(a)に、ディスパー型攪拌機にて2500rpmで攪拌しながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液1035.6gを10分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。この反応においては、アルミン酸イオンとリン酸イオンの比は(Al/PO4)モル比で0.872でありリン酸イオンが多くなっているが、これは比較例からも判るようにリン酸イオンを多くして反応しないとアルミン酸イオンはリン酸イオンと反応して全量リン酸アルミニウムになりにくいことからリン酸イオンを多くしている。
【0113】
この段階で液のコロイド色(白さ)が大きくなり、明らかにコロイダルシリカ粒子のリン酸アルミニウムによる凝集が起こっていることが判る。この段階で液物性は、pH9.14、電導度3.17mS/cm、及び動的光散乱法粒子径270nmであった。この液のpHを調整する目的で10%硫酸水溶液73gを2500rpm攪拌下に5分間かけて連続的に添加し、40分間攪拌を続行した。
【0114】
得られた混合液(b)の物性は、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)90.2:9.8、pH6.13、電導度4.21mS/cm、コロイダルシリカ濃度3.563重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.388重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.951重量%、及び動的光散乱法粒子径268nmであった。
【0115】
次いで得られた混合液(b)を攪拌速度1500rpm下で蒸発しないように90℃で2時間熟成を行った後冷却した。
【0116】
得られた複合ゾル{pH5.75、電導度4.22mS/cm、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.951重量%、動的光散乱法粒子径265nm}は、4608gであった。
【0117】
このゾル4608gを限外ろ過膜(アドバンテック東洋(株)製ウルトラフィルター、分画分子量50000)の平膜を用いて約1200gまで濃縮を行い、これに純水1300gを添加して更に721gまで濃縮を行った。この濃縮によりゾル中に含有されているリン酸イオン、ナトリウムイオンなどのイオンを減少することができた。
【0118】
得られた高濃度の複合ゾルの物性は、シリカ濃度22.77重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)2.48重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.17重量%、pH5.98、粘度21.3mPa・s、比重1.166、電導度2150μS/cm、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比SiO2:AlPO4として90.2:9.8、窒素吸着法による比表面積113m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)24.1nm、及び動的光散乱法粒子径239nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲において負であった。
【0119】
電子顕微鏡観察の結果、このゾル中のコロイダル複合粒子はコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合することによって二次元及び三次元の凝集体を形成していることが判った。また、リン酸アルミニウム単独の粒子の存在は認められず、コロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウム粒子の混合物ではなく明らかに複合化していることが明らかとなった。
【0120】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置してもごく少量の沈降物は認められたものの増粘、ゲル化はなく安定であった。
【0121】
実施例2
11.0nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO(商品名):日産化学工業(株)製、比重1.127、粘度2.2mPa・s、pH2.5、電導度439μS/cm、シリカ濃度20.2重量%、Na2O(コロイダルシリカ粒子中)濃度0.03重量%、塩素イオン濃度10ppm以下、硫酸イオン濃度10ppm以下、動的光散乱法粒子径20nm}629g(SiO2含量127.1g)と純水2800gを10Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液29.8g(H3PO4含量25.3g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.84、シリカ濃度3.67重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.73重量%}を得た。
【0122】
この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にはほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0123】
次いで実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}54.6g(Al2O3含量11.47g)に純水1000gを加えて、Al2O3濃度1.09重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1054.6gを得た。
【0124】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて2500rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液1054.6gを10分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。この段階で液のコロイド色(白さ)が大きくなり、明らかにコロイダルシリカ粒子のリン酸アルミニウムによる凝集が起こっていることが判る。また、この段階で、液の物性は、pH8.85、電導度3.96mS/cm、及び動的光散乱法粒子径470nmであった。
【0125】
この液のpHを調整する目的で10%硫酸水溶液102.5gを2500rpm攪拌下に10分間かけて連続的に添加し、1時間攪拌を続行した。
【0126】
得られた混合液(b)の物性は、シリカ濃度2.753重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.594重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.347重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)82.3:17.7、pH5.96、電導度5.38mS/cm、及び動的光散乱法粒子径472nmであった。
【0127】
次いで得られた混合液(b)をディスパー型攪拌機で1500rpmで攪拌しながら蒸発しないように90℃で2時間熟成を行った後冷却した。
【0128】
得られた複合ゾル{pH5.58、電導度5.38mS/cm、動的光散乱法粒子径460nm}は4616gであった。このゾル4616gを限外ろ過膜(アドバンテック東洋(株)製ウルトラフィルター、分画分子量50000)の平膜を用いて約1000gまで濃縮した後純水1400gを加え、574gまで濃縮を行った。
【0129】
得られた高濃度の複合ゾルの物性は、シリカ濃度22.14重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)4.78重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度26.92重量%、pH5.73、粘度17.4mPa・s、比重1.186、電導度4140μS/cm、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比SiO2:AlPO4として82.3:17.7、窒素吸着法による比表面積195m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重2.2とする)13.9nm、及び動的光散乱法粒子径356nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲において負であった。
【0130】
電子顕微鏡観察の結果、このゾル中のコロイダル複合粒子はコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合することによって二次元及び三次元の凝集体を形成していることが判った。また、リン酸アルミニウム単独の粒子の存在は認められず、コロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウム粒子の混合物ではなく明らかに複合化していることが明らかとなった。
このゾルは、20℃で3ヶ月以上放置しても少量の沈降物は認められたものの増粘やゲル化はなく安定であった。
【0131】
実施例3
21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名):日産化学工業(株)製、比重1.290、粘度4.1mPa・s、pH2.65、電導度950μS/cm、シリカ濃度40.5重量%、Na2O(コロイダルシリカ粒子中)濃度0.13重量%、動的光散乱法粒子径36.5nm}410g(SiO2含量166.1g)と純水3000gを10Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液16.9g(H3PO4含量14.37g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、10分間攪拌を続行して混合液(a){pH1.86、シリカ濃度4.85重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.419重量%}を得た。
【0132】
この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にはほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0133】
次いで実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}31.0g(Al2O3含量6.51g)に純水1000gを加えて、Al2O3濃度0.631重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1031gを得た。
【0134】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて2500rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液1031gを10分間かけて連続的に添加し、30分間攪拌を続行した。
【0135】
得られた混合液(b)の物性は、シリカ濃度3.725重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.349重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度4.074重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)91.4:8.6、pH8.60、電導度2.58mS/cm、及び動的光散乱法粒子径208nmであった。
【0136】
次いで得られた混合液(b)をディスパー型攪拌機で1500rpmで攪拌しながら蒸発しないように80℃で2時間熟成を行った後冷却した。
【0137】
得られた複合ゾル{pH7.75、電導度2.56mS/cm、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度4.074重量%、動的光散乱法粒子径200nm}は4458gであった。
【0138】
このゾル4458gを限外ろ過膜(アドバンテック東洋(株)製ウルトラフィルター、分画分子量50000)の平膜を用いて720gまで濃縮を行った。
【0139】
得られた高濃度の複合ゾルの物性は、シリカ濃度23.06重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)2.16重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.22重量%、pH8.62、粘度6.7mPa・s、比重1.170、電導度3600μS/cm、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比SiO2:AlPO4として91.4:8.6、窒素吸着法による比表面積109m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重2.2とする)24.9nm、及び動的光散乱法粒子径214nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0140】
電子顕微鏡観察の結果、このゾル中のコロイダル複合粒子はコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合することによって二次元及び三次元の凝集体を形成していることが判った。また、リン酸アルミニウム単独の粒子の存在は認められず、コロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウム粒子の混合物ではなく明らかに複合化していることが明らかとなった。
【0141】
このゾルは、20℃で3ヶ月以上放置しても少量の沈降物は認められたものの増粘やゲル化はなく安定であった。
【0142】
実施例4
実施例1に記載の22.0nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有するアルカリ性シリカゾル{スノーテックスM30(商品名)}375g(SiO2含量131.3g)と純水2400gを10Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液17.6g(H3PO4含量14.96g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.90、シリカ濃度4.70重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.536重量%}を得た。
【0143】
次いで実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}28.5g(Al2O3含量5.98g)に純水800gを加えて、Al2O3濃度0.722重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液828.5gを得た。
【0144】
上記混合液(a−1)をディスパー型攪拌機にて2500rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液828.5gを10分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。
【0145】
得られた混合液(b−1){シリカ濃度3.625重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.395重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度4.02重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)90.2:9.8、pH8.38、電導度3.28mS/cm、動的光散乱法粒子径264nm}は3621.5gであった。この反応においてアルミン酸イオンとリン酸イオンの比は(Al/PO4)モル比で0.769であった。
【0146】
この混合液(b−1)に2500rpmの攪拌下で85%リン酸水溶液17.6g(H3PO4含量14.96g)を添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a−2){pH4.18、電導度3.56mS/cm}を得た。
【0147】
一方、実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液(NA−150)28.5g(Al2O3含量5.985g)に純水480gを加え、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3濃度1.177重量%)508.5gを得た。
【0148】
上記混合液(a−2)に2500rpmの攪拌下に上記アルミン酸ナトリウム水溶液508.5gを6分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。得られた混合液(b−2){シリカ濃度3.166重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.690重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.856重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)82.1:17.9、pH8.80、電導度4.81mS/cm、動的光散乱法粒子径362nm}は、4147.6gであった。
【0149】
この混合液(b−2)に2500rpmの攪拌下で85%リン酸水溶液17.6g(H3PO4含量14.96g)を添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a−3){pH6.24、電導度4.91mS/cm}を得た。
【0150】
一方、実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液(NA−150)28.5g(Al2O3含量5.985g)に純水480gを加え、アルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度1.177重量%}508.5gを得た。
上記混合液(a−3)に2500rpmの攪拌下に上記アルミン酸ナトリウム水溶液508.5gを6分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。
【0151】
得られた混合液(b−3){シリカ濃度2.809重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.91重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.728重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)75.4:24.6、pH9.31、電導度6.33mS/cm、動的光散乱法粒子径389nm}は、4673.7gであった。
【0152】
得られた混合液(b−3)のpHを調整する目的で10%硫酸水溶液144gを、2500rpm攪拌下に5分間かけて連続的に添加し、1時間攪拌を続行した。
【0153】
この混合液(b−4){シリカ濃度2.725重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)0.891重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度3.616重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)75.4:24.6、pH5.56、電導度8.30mS/cm、動的光散乱法粒子径390nm}は、4817.7gであった。
【0154】
次いで上記混合液(b−4)をディスパー型攪拌機で1500rpmで攪拌しながら蒸発しないように90℃で2時間熟成を行った後冷却した。
【0155】
得られた複合ゾル{pH5.48、電導度8.36mS/cm、動的光散乱法粒子径387nm}は、4817.7gであった。
【0156】
このゾル4817.7gを限外ろ過膜(アドバンテック東洋(株)製ウルトラフィルター、分画分子量50000)の平膜を用いて約1200gまで濃縮し、純水1200gを加えて更に濃縮を続行し、1432gのゾルを得た。
【0157】
得られた高濃度の複合ゾルの物性は、シリカ濃度9.169重量%、リン酸アルミニウム濃度(AlPO4として)3.00重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度12.169重量%、pH5.75、粘度27.3mPa・s、比重1.084、電導度3840μS/cm、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)75.4:24.6、窒素吸着法による比表面積109m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重2.2とする)25.0nm、及び動的光散乱法粒子径360nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0158】
電子顕微鏡観察の結果、このゾル中のコロイダル複合粒子はコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合することによって二次元及び三次元の凝集体を形成していることが判った。また、リン酸アルミニウム単独の粒子の存在は認められず、コロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウム粒子の混合物ではなく明らかに複合化していることが明らかとなった。また、コロイダルシリカ粒子は明らかに大きくなっており、リン酸アルミニウムはコロイダルシリカ粒子全面をほぼ完全に被覆しているものと判断できる。
【0159】
このゾルは、20℃で3ヶ月以上放置しても少量の沈降物は認められたものの増粘やゲル化はなく安定であった。
【0160】
実施例5
実施例1に記載の22.0nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有するアルカリ性シリカゾル{スノーテックスM30(商品名)}1879g(SiO2含量657.7g)を5Lのガラス容器に投入し、これに48.1%リン酸水溶液62.2g(H3PO4含量29.92g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、30分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.94、電導度9.31mS/cm、シリカ濃度33.88重量%、リン酸(H3PO4)濃度1.54重量%}を得た。この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0161】
次いで実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}57.1g(Al2O3含量11.99g)に純水607gを加えて、アルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度1.805重量%}664.1gを得た。
【0162】
上記混合液(a)に、ディスパー型攪拌機にて3000rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液664.1gを30分間かけて連続的に添加し、混合液(b)を得た。この反応においてアルミン酸イオンとリン酸イオンの比は(Al/PO4)モル比で0.770であった。この段階において明らかにコロイド色(白さ)は大きくなりコロイダルシリカ粒子の凝集が起こっており、電子顕微鏡観察から(a)液中のリン酸イオンとアルミン酸イオンの反応により生成したリン酸アルミニウムがコロイダルシリカ粒子表面に付着し、更にコロイダルシリカ粒子を接合していることが判る。
【0163】
得られた混合液(b){シリカ濃度25.25重量%、リン酸アルミニウム濃度1.10重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度26.35重量%、pH8.23、電導度8.04mS/cm、動的光散乱法粒子径129nm}は、2605gであった。
【0164】
次いで、得られた混合液(b)を攪拌速度3000rpmのまま5時間攪拌を続行した。混合液(b)作成直後は25℃であったが、攪拌終了後は38℃であった。
【0165】
得られた複合ゾル{シリカ濃度25.30重量%、リン酸アルミニウム濃度1.10重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度26.40重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比はSiO2:AlPO4として95.8:4.2、pH7.91、電導度7.92mS/cm、窒素吸着法による比表面積107m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)25.5nm、動的光散乱法粒子径118nm}は、2600gであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0166】
電子顕微鏡観察によると、このゾル中には凝集している粒子も少量認められるが、大部分は二次元の凝集を示し、三次元の凝集粒子も少量であった。
このゾルは、20℃で3ヶ月以上放置してもごく少量の沈降物は認められたものの、増粘やゲル化はなく安定であった。
【0167】
実施例6
上記実施例5で得られた26.40重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する複合ゾル1300g(シリカとリン酸アルミニウムの含量343.2g)を実施例1記載の限外ろ過膜を用いて1000gまで濃縮した。
【0168】
得られた高濃度の複合ゾルの物性は、比重1.254、pH7.56、粘度17.6mPa・s、電導度7.63mS/cm、及び動的光散乱法粒子径116nmであった。
【0169】
このゾルは、20℃で3ヶ月以上放置してもごく少量の沈降物は認められたものの、増粘やゲル化はなく安定であった。
【0170】
実施例7
実施例3に記載の21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名):シリカ濃度40.5重量%}1415g(SiO2含量573.1g)と純水170gを5Lのガラス容器に投入し、これに38.8%リン酸水溶液37g(H3PO4含量14.37g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、30分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.58、シリカ濃度35.33重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.886重量%}1622gを得た。
【0171】
この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0172】
次いで、実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}15.5g(Al2O3含量3.255g)に純水400gを加えてアルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度0.783重量%}415.5gを得た。
【0173】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて4500rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液415.5gを5分間かけて連続的に添加し、15分間攪拌を続行した。この液の物性は、pH5.28、及び動的光散乱法粒子径195nmであった。この液の外観は、コロイド色(白さ)が濃くなっていた。
【0174】
次いで、塩基性塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl)水溶液{多木化学(株)製、タキバイン#1500(商品名)、Al2O3濃度23.4重量%、Cl濃度8.25重量%、比重1.334、pH3.74、粘度15.6mPa・s}18.4g(Al2O3含量4.306g)に純水300gを加えて、塩基性塩化アルミニウム水溶液{Al2O3濃度1.352重量%}318.4gを得た。
【0175】
第一段階でアルミン酸ナトリウム水溶液を加えた液に上記塩基性塩化アルミニウム水溶液318.5gを4500rpmの攪拌下に10分間かけて連続的に添加した。この第二段階で、第一段階で未反応で残存しているリン酸イオンを塩基性アルミニウムイオンが反応し、リン酸アルミニウムの生成が完了する。
【0176】
この第一段階と第二段階の反応でリン酸イオンとアルミン酸イオン及び塩基性アルミニウムイオンの比は(Al/PO4)モル比で1.01であった。
【0177】
得られた混合液(b){シリカ濃度24.33重量%、リン酸アルミニウム濃度0.759重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.09重量%、pH4.87、電導度3.69mS/cm、動的光散乱法粒子径205nm}は、2356gであった。
【0178】
次いで得られた混合液(b)を攪拌速度4500rpmのまま5時間攪拌を続行した。混合液(b)作成直後は28℃であったが、攪拌終了時は48℃であった。
【0179】
得られた複合ゾル{シリカ濃度24.44重量%、リン酸アルミニウム濃度0.763重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.20重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)97.0:3.0、pH4.76、電導度3.70mS/cm、比重1.176、粘度6.8mPa・s、動的光散乱法粒子径198nm、窒素吸着法による比表面積108m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)25.2nm}は、2345gであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0180】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0181】
図1に、このようにして得られたコロイダル複合粒子を電子顕微鏡を用いて撮影した写真を示す。
【0182】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、ごく少量の沈降物は認められたものの増粘、ゲル化はなく安定であった。
【0183】
実施例8
実施例3に記載の21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名):シリカ濃度40.5重量%}1136g(SiO2含量460.1g)と純水620gを5Lのガラス容器に投入し、これに42.8%リン酸水溶液40.3g(H3PO4含量17.26g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、30分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.65、シリカ濃度25.61重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.961重量%}1796.3gを得た。
【0184】
この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0185】
次いで、実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}20.5g(Al2O3含量4.305g)に純水200gを加えてAl2O3濃度1.952重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液220.5gを得た。
【0186】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて4500rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液220.5gを15分間かけて連続的に添加し、30分間攪拌を続行した。この液の物性は、pH5.86、及び動的光散乱法粒子径285nmであった。この液の外観は、コロイド色(白さ)が濃くなっていた。
【0187】
次いで、実施例7記載の塩基性塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl)水溶液{タキバイン#1500(商品名)}24.0g(Al2O3含量5.616g)に純水300gを加えて、塩基性塩化アルミニウム水溶液{Al2O3濃度1.733重量%}324.0gを得た。
【0188】
第一段階でアルミン酸ナトリウム水溶液を加えた液に上記塩基性塩化アルミニウム水溶液324.0gを4500rpmの攪拌下に20分間かけて連続的に添加した。
【0189】
この第一段階と第二段階の反応でリン酸イオンとアルミン酸イオン及び塩基性アルミニウムイオンの比は(Al/PO4)モル比で1.09であった。
【0190】
得られた混合液(b){シリカ濃度19.66重量%、リン酸アルミニウム濃度0.940重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.59重量%、pH5.45、電導度4.37mS/cm、動的光散乱法粒子径282nm}は、2340.8gであった。
【0191】
次いで得られた混合液(b)を攪拌速度4500rpmのまま5時間攪拌を続行した。混合液(b)作成直後は28℃であったが、攪拌終了時は46℃であった。
【0192】
得られた混合液(c){pH5.43、電導度4.37mS/cm、粘度7.0mPa・s、動的光散乱法粒子径248nm}は、2330gであった。この混合液(c)は、20℃で3日間放置すると約1.4重量%の沈降物を生じた。
【0193】
上記混合液(c)1040gを2Lガラス容器に取り、超音波式ホモジナイザー((株)日本精機製作所、型式US−1200CCVP、出力1200W、バッチ式)を用い、1分間処理した。
【0194】
得られた複合ゾルの物性は、シリカ濃度19.75重量%、リン酸アルミニウム濃度0.944重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.694重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)95.4:4.6、pH5.42、電導度4.27mS/cm、比重1.133、粘度11.3mPa・s、動的光散乱法粒子径216nm、窒素吸着法による比表面積109m2/g、及び窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)25.0nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0195】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0196】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、ごく少量の沈降物は認められたものの増粘、ゲル化はなく安定であった。
【0197】
実施例9
実施例8記載の混合液(c)1000gを取り、高圧式ホモジナイザー((株)エスエムテー、型式LAB1000)を用い、処理圧力200Barにて1回処理した。
【0198】
得られた複合ゾルの物性は、シリカ濃度19.75重量%、リン酸アルミニウム濃度0.944重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.694重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)95.4:4.6、pH5.29、電導度4.30mS/cm、比重1.133、粘度9.9mPa・s、動的光散乱法粒子径211nm、窒素吸着法による比表面積109m2/g、及び窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)25.0nmであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0199】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0200】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、ごく少量の沈降物は認められたものの増粘、ゲル化はなく安定であった。
【0201】
実施例10
実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}12.0g(Al2O3含量2.52g)に純水38.0gを加えてアルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度5.04重量%}50.0gを得た。
【0202】
次いで、実施例9記載の複合ゾル{シリカ濃度19.75重量%、リン酸アルミニウム濃度0.944重量%}1500g(SiO2含量296.3g、リン酸アルミニウム含量14.16g)を3Lのガラス容器に投入し、ディスパー型攪拌機にて3000rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液50.0gを10分間かけて連続的に添加し、1時間攪拌を続行して混合液(a)を得た。この液の物性は、pH8.27、及び動的光散乱法粒子径220nmであった。
【0203】
この混合液(a)に、5%塩酸70.0gを3000rpmの攪拌下に1時間40分かけて徐々に添加し、1時間30分攪拌を続行して混合液(b)を得た。この液の物性は、pH4.64、及び動的光散乱による法粒子径354nmであった。
【0204】
この混合液(b)に、さらに10%アンモニア水溶液3.25gを3000rpmの攪拌かに2分間で添加し、2時間30分攪拌を続行した。
【0205】
得られた複合ゾル{シリカ濃度18.25重量%、リン酸アルミニウム濃度1.028重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度19.28重量%、pH5.60、電導度9.84mS/cm、比重1.130、粘度46.8mPa・s、動的光散乱法粒子径302nm、窒素吸着法による比表面積109m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)25.0nm}は、1623.25gであった。
【0206】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0207】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、ごく少量の沈降物は認められたものの増粘、ゲル化はなく安定であった。
【0208】
実施例11
比表面積径(窒素吸着法粒子径)43.0nmの酸性シリカゾル{スノーテックスOL−40(商品名):日産化学工業(株)製、比重1.289、粘度3.0mPa・s、pH2.40、電導度1.35mS/cm、シリカ濃度40.3重量%、動的光散乱法粒子径84.5nm}1666.3g(SiO2含量671.5g)と純水247.1gを5Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液29.7g(H3PO4含量25.25g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.46、シリカ濃度34.56重量%、リン酸(H3PO4)濃度1.30重量%}を得た。
【0209】
この段階では外観上はほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0210】
次いで実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}29.7g(Al2O3含量6.24g)に純水120.0gを加えて、アルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度4.17重量%}149.7gを得た。
【0211】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて3000rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液149.7gを11分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。この液の物性は、pH5.74、及び動的光散乱法粒子径173nmであった。
【0212】
次いで、実施例7記載の塩基性塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl)水溶液{タキバイン#1500(商品名)}34.8g(Al2O3含量8.143g)に純水180.0gを加えて、塩基性塩化アルミニウム水溶液{Al2O3濃度3.791重量%}214.8gを得た。
【0213】
第一段階でアルミン酸ナトリウム水溶液を加えた液に上記塩基性塩化アルミニウム水溶液214.8gを3000rpmの攪拌下に17分間かけて連続的に添加した。この第一段階と第二段階の反応でリン酸イオンとアルミン酸イオン及び塩基性アルミニウムイオンの比は(Al/PO4)モル比で1.10であった。次いでこの液を攪拌速度3000rpmのまま2時間攪拌を続行し、混合液(b)を得た。
【0214】
得られた混合液(b)の物性は、pH5.40、電導度5.64mS/cm、及び動的光散乱法粒子径325nmであった。この混合液(b)は、20℃で7日間放置すると少量の沈降物を生じた。
【0215】
上記混合液(b)2300gを取り、高圧式ホモジナイザー((株)エスエムテー、型式LAB1000)を用い、処理圧力400Barにて1回処理した。
【0216】
得られた複合ゾル{シリカ濃度29.10重量%、リン酸アルミニウム濃度1.39重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度30.49重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)95.4:4.6、pH5.40、電導度5.80mS/cm、比重1.230、粘度85.6mPa・s、動的光散乱法粒子径283nm、窒素吸着法による比表面積63m2/g、窒素吸着法粒子径43nm}は、2220gであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0217】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0218】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、沈降物はほとんど見られず、増粘、ゲル化もなく安定であった。
【0219】
実施例12
81.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有するアルカリ性シリカゾル{スノーテックスZL(商品名):日産化学工業(株)製、比重1.292、粘度2.6mPa・s、pH9.8、電導度2.47mS/cm、シリカ濃度40.3重量%、動的光散乱法粒子径118nm}2000g(SiO2含量806g)に純水88.1gを加え38.6重量%のシリカ濃度を有するシリカゾルとした後、陽イオン交換樹脂{アンバーライトIR−120B(商品名)}を充填したカラムに通液し、酸性シリカゾル1950gを得た。この酸性シリカゾルの物性は、比重1.275、粘度3.2mPa・s、pH2.06、電導度4.26mS/cm、シリカ濃度38.6重量%、動的光散乱法粒子径124nm、窒素吸着法による比表面積33.4m2/g、及び窒素吸着法粒子径81.5nmであった。
【0220】
この酸性シリカゾル1700g(SiO2含量656.2g)を5Lのガラス容器に投入し、これに85%リン酸水溶液14.5g(H3PO4含量12.33g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、20分間攪拌を続行して、混合液(a){pH1.40、シリカ濃度38.27重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.72重量%}を得た。
【0221】
この段階では外観上はほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集はほとんど認められなかった。
【0222】
次いで実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}14.6g(Al2O3含量3.07g)に純水100.0gを加えて、アルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度2.68重量%}114.6gを得た。
【0223】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて3000rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液114.6gを8分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。この液の物性は、pH5.10、及び動的光散乱法粒子径125nmであった。
【0224】
次いで、実施例7記載の塩基性塩化アルミニウム(Al2(OH)5Cl)水溶液{タキバイン#1500(商品名)}17.1g(Al2O3含量4.00g)に純水150.0gを加えて、塩基性塩化アルミニウム水溶液{Al2O3濃度2.39重量%}167.1gを得た。
【0225】
第一段階でアルミン酸ナトリウム水溶液を加えた液に上記塩基性塩化アルミニウム水溶液167.1gを3000rpmの攪拌下に13分間かけて連続的に添加した。この第一段階と第二段階の反応でリン酸イオンとアルミン酸イオン及び塩基性アルミニウムイオンの比は(Al/PO4)モル比で1.10であった。次いでこの液を攪拌速度3000rpmのまま2時間攪拌を続行した。
【0226】
得られた複合ゾル{シリカ濃度32.87重量%、リン酸アルミニウム濃度0.79重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度33.66重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)97.7:2.3、pH4.51、電導度4.40mS/cm、比重1.235、粘度29.3mPa・s、動的光散乱法粒子径384nm、窒素吸着法による比表面積33.2m2/g、窒素吸着法粒子径82.0nm}は、1996.2gであった。このゾルのゼータポテンシャルは全pH範囲で負であった。
【0227】
このゾル中のコロイダル複合粒子は、電子顕微鏡観察によりコロイダルシリカ粒子をリン酸アルミニウムが接合しており、二次元及び三次元の凝集を示していた。
【0228】
このゾルは20℃で3ヶ月以上放置しても、沈降物はほとんど見られず、増粘、ゲル化もなく安定であった。
【0229】
比較例1
実施例3に記載の21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名):シリカ濃度40.5重量%}1415g(SiO2含量573.1g)と純水170gを5Lのガラス容器に投入し、これに3.88%リン酸水溶液37g(H3PO4含量1.437g)をディスパー型攪拌機にて1500rpmで攪拌している中に添加し、30分間攪拌を続行して、混合液(a){pH2.37、シリカ濃度35.33重量%、リン酸(H3PO4)濃度0.0886重量%}1622gを得た。
【0230】
この段階ではゾルの透明性、コロイド色(白さ)にほとんど変化がなく、電子顕微鏡観察によってもコロイダルシリカ粒子の凝集は認められず、スノーテックスO−40と同じであった。
【0231】
次いで、実施例1記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}1.55g(Al2O3含量0.326g)に純水414gを加えて、アルミン酸ナトリウム水溶液{Al2O3濃度0.0784重量%}415.6gを得た。
【0232】
上記混合液(a)にディスパー型攪拌機にて3000rpmで攪拌しながら上記アルミン酸ナトリウム水溶液415.6gを5分間かけて連続的に添加し、15分間攪拌を続行した。この液のpHは3.42で、コロイド色(白さ)もほとんど濃くなっていなかった。
【0233】
次いで、実施例7記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液(タキバイン)1.84g(Al2O3含量0.431g)に純水300gを加えて、塩基性塩化アルミニウム水溶液{Al2O3濃度0.143重量%}301.8gを得た。
【0234】
第一段階でアルミン酸ナトリウム水溶液を加えた液に上記塩基性塩化アルミニウム水溶液301.8gを3000rpmの攪拌下に10分間かけて連続的に添加した。この第二段階でもゾルのコロイド色(白さ)はわずかに濃くなるだけであった。
【0235】
この第一段階と第二段階の反応でリン酸イオンとアルミン酸イオン及び塩基性アルミニウムイオンの比は(Al/PO4)モル比で1.01であった。
【0236】
得られた混合液(b){シリカ濃度24.50重量%、リン酸アルミニウム濃度0.0764重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度24.58重量%、pH3.65、電導度765μS/cm、動的光散乱法粒子径65.2nm}は、2339.4gであった。
【0237】
次いで得られた混合液(b)を攪拌速度3000rpmのまま5時間攪拌を続行した。混合液(b)作成直後は25℃であったが攪拌終了時は33℃であった。
【0238】
得られた複合ゾル{シリカ濃度24.54重量%、リン酸アルミニウム濃度0.0766重量%、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度24.62重量%、シリカ対リン酸アルミニウムの重量比(SiO2:AlPO4として)99.69:0.31、pH3.54、電導度765μS/cm、比重1.159、粘度4.8mPa・s、動的光散乱法粒子径61.7nm、窒素吸着法による比表面積117m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.2とする)23.3nm}は、2335gでであった。
【0239】
電子顕微鏡観察によっても、このゾル中には明らかなコロイダルシリカ粒子とリン酸アルミニウムが接合した凝集コロイダル複合粒子はほとんど認められず、原料のシリカゾル スノーテックスO−40中のコロイダルシリカ粒子とほぼ同じであった。
【0240】
比較例2
実施例1に記載のアルミン酸ナトリウム水溶液{NA−150(商品名)}218.4g(Al2O3含量45.86g)に純水1800gを加え、Al2O3濃度2.272重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液2018.4gを作成した。
【0241】
85%リン酸水溶液119.3g(H3PO4含量101.4g)と純水2600gをガラス容器に仕込み、これをディスパー型攪拌機で3000rpmで攪拌しながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液2018.4gを30分間かけて連続的に添加し、20分間攪拌を続行した。この得られた液{pH10.30、電導度9.88mS/cm、(Al/PO4)モル比は0.869、リン酸アルミニウム濃度2.373重量%}は、4618.4gであった。
【0242】
この段階で液は白色となり、リン酸イオンとアルミン酸イオンが反応してリン酸アルミニウムが生成する。電子顕微鏡観察によると、生成したリン酸アルミニウムのコロイダル粒子は、ヒュームドシリカの粒子形状と類似しており、10〜20nm程度の一次粒子が融着して二次元及び三次元におおきな凝集粒子を形成していた。
【0243】
次いで10%硫酸水溶液390gを3000rpmの攪拌下に20分間かけて添加し、30分間攪拌を続行した。この得られた液{pH6.05、電導度14.1mS/cm、リン酸アルミニウム濃度2.188重量%}は、5008.4gであった。
【0244】
得られた液を90℃で2時間熟成した後、冷却した。この液の物性は、pH6.15、及び電導度14.42mS/cmであった。電子顕微鏡観察の結果は上記アルミン酸ナトリウム水溶液添加後とほとんど変わらなかった。
【0245】
得られたリン酸アルミニウムのコロイダル粒子は、凝集体の粒子径が1μm以上あるため液中で分離傾向にあり、ゾルではなくスラリーであった。
このスラリーをヌッチェにてろ過し、水14Lを注水して洗浄を行った。
【0246】
得られたウェットケーキは、709g{リン酸アルミニウム含量(AlPO4として)109.6g}であった。これに純水1720gを添加し、ディスパー型攪拌機にて3000rpmで2時間攪拌を行った。この得られた液{pH7.65、電導度245μS/cm、リン酸アルミニウム濃度4.512重量%で}は、2429gであった。しかし、一部しかゾル化しておらず、大部分は静定により沈降した。
【0247】
次いでこの液を超音波ホモジナイザーにて8分間分散を行った。得られた液はゾルで、ごく少量の沈降物は認められたが安定性も良好であった。
【0248】
このリン酸アルミニウムゾルの物性は、pH7.17、電導度494μS/cm、動的光散乱法粒子径271nm、窒素吸着法による比表面積146m2/g、窒素吸着法粒子径(真比重を2.5として)16.4nm、及び(Al/PO4)実測モル比1.05であった。
【0249】
上記ゾルを濃縮して得られたリン酸アルミニウム(AlPO4)10重量%のゾルの物性は、比重1.082、pH7.16、粘度11.7mPa・s、電導度800μS/cm、及び動的光散乱法粒子径270nmであった。このゾルの110℃乾燥物の粉末X線回折は無定形を示し、またこの乾燥物の熱分析の結果よりこのコロイダル粒子の組成はAlPO4・2.0H2Oと推定された。
【0250】
電子顕微鏡観察の結果、リン酸アルミニウムのコロイダル粒子はコロイダル粒子が融着して二次元及び三次元の凝集粒子を形成しており、実施例の形状とは明らかに異なっていた。
【0251】
図2に、このようにして得られたリン酸アルミニウムのコロイダル粒子を電子顕微鏡を用いて撮影した写真を示す。
【0252】
比較例3
市販のJIS3号水ガラス(SiO2/Na2Oモル比3.22、シリカ濃度28.5重量%)に純水を加えて、シリカ濃度3.0重量%の珪酸ナトリウム水溶液を得た。別途用意された陽イオン交換樹脂{アンバーライト120B(商品名)}充填のカラムに、上記珪酸ナトリウム水溶液を通すことにより、活性珪酸のコロイド水溶液を得た。
【0253】
次に、活性珪酸のコロイド水溶液(シリカ濃度2.15重量%、pH3.07)1488g(SiO2含量32.0g)をガラス製容器に投入し、これに10重量%の硝酸カルシウム水溶液(pH4.32)59g(CaO含量2.02g)を攪拌下に20℃で添加し、30分間攪拌を続行した。添加した硝酸カルシウムはCaOとしてSiO2に対して6.30重量%であった。
【0254】
一方、実施例3に記載の21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する酸性シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名)}2000g(SiO2含量810g)を別のガラス容器に投入し、これに5重量%の水酸化ナトリウム水溶液6.0gを攪拌下に添加し、30分攪拌を続行して、pH4.73、シリカ濃度40.4重量%の酸性シリカゾルを得た。
【0255】
このシリカゾルの動的光散乱法粒子径は35.0nmであった。また、電子顕微鏡観察によるとコロイダルシリカ粒子の凝集は認められなかった。
上記硝酸カルシウムを添加した活性珪酸のコロイド水溶液に、上記酸性シリカゾルを攪拌下に添加し、30分間攪拌を続行した。得られた混合液(a)の物性は、pH3.60、電導度2580μS/cm、シリカ濃度23.5重量%、及びCaO濃度(SiO2に対して)0.242重量%であった。
【0256】
次いで得られた混合液(a)に1.97重量%の水酸化ナトリウム水溶液330gを攪拌下に10分間かけて添加し、更に1時間攪拌を続行した。得られた混合液(b)の物性は、pH9.22、電導度3266μS/cm、及びシリカ濃度21.5重量%であった。
【0257】
次いでこの混合液(b)1800gをステンレス製のオートクレーブに仕込み、145℃で攪拌下3時間加熱した後、冷却して内容物1800gを取出した。得られた液は透明性コロイド色のシリカゾルであった。そのゾルの物性は、シリカ濃度21.5重量%、比重1.141、pH9.62、電導度3290μS/cm、粘度91.7mPa・s、及び動的光散乱法粒子径177nmであった。電子顕微鏡観察によると得られたシリカゾル中のコロイダルシリカ粒子は球状コロイダルシリカ粒子とそれを接合するシリカからなり、球状コロイダルシリカ粒子が一平面内に数珠状に5〜30個つながった数珠状コロイダルシリカ粒子であった。
【0258】
得られたシリカゾル800g(SiO2含量172g)に水1600gと5重量%の水酸化ナトリウム水溶液13gを加え、限外ろ過膜(アドバンテック東洋(株)製ウルトラフィルター、分画分子量50000)の平膜を用いて脱塩濃縮を行い、662gのシリカゾルを得た。この濃縮シリカゾルの物性は、シリカ濃度26.0重量%、比重1.177、pH10.0、電導度2160μS/cm、粘度270mPa・s、及び動的光散乱法粒子径177nmであった。
【0259】
次いでこの濃縮シリカゾル400g(SiO2含量104g)に水72gを加えシリカ濃度22重量%のシリカゾルとした後、陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120Bを充填したカラムに通液し、酸性数珠状シリカゾルを得た。この酸性数珠状シリカゾルの物性は、シリカ濃度22重量%、比重1.143、pH2.50、電導度1930μS/cm、粘度25mPa・s、及び動的光散乱法粒子径175nmであった。電子顕微鏡観察によると上記のアルカリ性数珠状シリカゾルと同様であった。
【0260】
次に第二発明であるインク受容層用コーティング組成物及びそのインク受容層を有するインクジェット記録媒体に関する、複合ゾルの評価実施例及び評価比較例を以下に示す。
【0261】
「ポリビニルアルコール水溶液の調整」
純水450gをガラス容器に投入し、これに攪拌下ポリビニルアルコールMA−26GP(信越化学工業(株)製)50gを加え、90℃で1時間加熱した後冷却し、10重量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。
【0262】
評価実施例1
実施例1に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.17重量%、pH5.98)100g(シリカとリン酸アルミニウムの合計含量25.17g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.46g(ポリビニルアルコール含量3.15g)を攪拌下に加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層コーティング液131.46gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比(コロイダル複合粒子:ポリビニルアルコールの重量比)8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度19.15重量%、ポリビニルアルコール濃度2.40重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.54重量%であった。
【0263】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0264】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜厚)は26.9μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックがほとんどなく、平滑性は良好で、つやも良好であった。
【0265】
評価実施例2
実施例1に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.17重量%、pH5.98)100g(シリカとリン酸アルミニウムの合計含量25.17g)をガラス容器に取り、これに実施例7記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液(Al2O323.4重量%)4.34g(Al2O3含量1.02g)を攪拌下に加え、20分間攪拌した。このゾルの塩基性塩化アルミニウム対コロイダル複合粒子の比はアルミナ(Al2O3)重量/(シリカとリン酸アルミニウムとの合計重量)の重量比{但し、式中アルミナ(Al2O3)重量は塩基性塩化アルミニウム由来のアルミニウム成分を表す。シリカとリン酸アルミニウムとの合計重量は原料の複合ゾル中のコロイダル複合粒子の重量を表す}で4.0重量%であった。この段階でコロイダル複合粒子の表面に塩基性塩化アルミニウム水溶液中のアルミニウムポリカチオンが吸着し、更にこのポリカチオンが重合して陽に帯電した微少アルミナゾルが生成することにより、コロイダル複合粒子の電荷の反転が起こり、陽に帯電した複合ゾルとなる。
【0266】
このゾルに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.75g(ポリビニルアルコール含量3.175g)を攪拌下に加え、10分間攪拌して、インクジェット記録用インク受容層コーティング液136.09gを得た。
【0267】
このコーティング組成物の物性は、陽に帯電したコロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度18.50重量%、ポリビニルアルコール濃度2.33重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.58重量%であった。
【0268】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0269】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は29.4μmでこのコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックがほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0270】
評価実施例3
実施例1に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.17重量%、pH5.98)100g(シリカとリン酸アルミニウムの合計含量25.17g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.46g(ポリビニルアルコール含量3.15g)を攪拌下に加え、10分間攪拌し、次いでカチオン性ポリマーであるシャロールDC−902P(商品名)(第一工業製薬(株)製、pH3.60、固形分52重量%)1.21gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層コーティング液132.67gを得た。このカチオン性ポリマーの添加によりコロイダル複合粒子の電荷の反転が起こり、コロイダル複合粒子は陽に帯電する。
【0271】
このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度18.97重量%、ポリビニルアルコール濃度2.37重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.34重量%であった。
【0272】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0273】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.3μmでこのコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックがほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0274】
評価実施例4
市販のインクジェット用フォト光沢紙(A4サイズ)の裏面に上記評価実施例1で作成したコーティング液をバーコーターにて液膜厚101μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用紙を作成した。
【0275】
作成したインクジェット記録用紙のコーティング膜厚は19.7μmでクラックがほとんどなく平滑でつやがあった。
【0276】
評価実施例5
実施例7に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.20重量%、pH4.76)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量25.2g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.5g(ポリビニルアルコール含量3.15g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液131.5gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度19.16重量%、ポリビニルアルコール濃度2.40重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.56重量%であった。
【0277】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は24.8μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0278】
評価実施例6
市販のインクジェット用フォト光沢紙(A4サイズ)の裏面に上記評価実施例5で作成したコーティング液をバーコーターにて液膜厚101μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用紙を作成した。
【0279】
作成したインクジェット記録用紙のコーティング膜厚は19.8μmでクラックがほとんどなく平滑でつやがあった。
【0280】
評価実施例7
実施例7に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.20%、pH4.76)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量25.2g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.5g(ポリビニルアルコール含量3.15g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.4gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液133.9gを得たこのカチオン性ポリマーの添加により、コロイダル複合粒子の電荷の反転が起こり、コロイダル複合粒子は陽に帯電する。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度18.82重量%、ポリビニルアルコール濃度2.35重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.17重量%であった。
【0281】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は24.2μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0282】
評価実施例8
実施例5に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度26.40%、pH7.91)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量26.4g)をガラス容器に取り、これにアクリル系樹脂エマルジョンであるモビニール735(クラリアントポリマー(株)製、固形分43重量%)20.1g(樹脂エマルジョン含量8.6g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液120.1gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対樹脂エマルジョンの重量比3.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度21.98重量%、樹脂エマルジョン濃度7.16重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)29.14重量%であった。
【0283】
市販のインクジェット用フォト光沢紙(A4サイズ)の裏面に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚101μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0284】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は25.2μmで、このコーティング膜はクラックがほとんどなく、平滑性良好でつやも良好であった。
【0285】
評価実施例9
実施例7に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度25.20重量%、pH4.76)754g(シリカとリン酸アルミニウムの合計含量188.5g)に実施例7に記載の塩基性塩化アルミニウム水溶液(Al2O3濃度12.7重量%)40.2g(Al2O3含量4.71g)をディスパー型攪拌機で4000rpmで攪拌しながら添加し、1時間攪拌を続行し、陽に帯電した複合ゾルを得た。
【0286】
このゾルは比重1.163、pH3.70、粘度46.3mPa・s、電導度6.70mS/cm、シリカとリン酸アルミニウムとアルミナの合計濃度24.33重量%であった。塩基性塩化アルミニウム対コロイダル複合粒子の重量比{アルミナ(Al2O3)重量/(シリカとリン酸アルミニウムとの合計重量)の重量比(但し、式中アルミナ(Al2O3)重量は塩基性塩化アルミニウム由来のアルミニウム成分を表す。シリカとリン酸アルミニウムとの合計重量は原料の複合ゾル中のコロイダル複合粒子の重量を表す)}2.5重量%、及び動的光散乱法粒子径172nmであった。このゾルはアルミナゾルのようなチクソ性を有する。
【0287】
上記陽に帯電した複合ゾル100g(シリカとリン酸アルミニウムとアルミナの合計含量24.33g)と10重量%のポリビニルアルコール水溶液30.38gを攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液130.38gを得た。このコーティング組成物の物性は、陽に帯電したコロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの比が、{(原料の複合ゾル中のコロイダル複合粒子+Al2O3)重量:ポリビニルアルコール重量}の重量比で8.0:1.0、陽に帯電したコロイダル複合粒子の濃度18.66重量%、ポリビニルアルコール濃度2.33重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)20.99重量%であった。
【0288】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0289】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は24.3μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0290】
評価実施例10
実施例9に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.694重量%、pH5.29)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量20.694g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液25.9g(ポリビニルアルコール含量2.59g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液125.9gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度16.44重量%、ポリビニルアルコール濃度2.06重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)18.50重量%であった。
【0291】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0292】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は23.2μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0293】
評価実施例11
実施例9に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.694重量%、pH5.29)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量20.694g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液25.9g(ポリビニルアルコール含量2.59g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.0gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液127.9gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度16.18重量%、ポリビニルアルコール濃度2.03重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)18.21重量%であった。
【0294】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0295】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は22.8μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0296】
評価実施例12
実施例10に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度19.28重量%、pH5.60)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量19.28g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液24.1g(ポリビニルアルコール含量2.41g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液124.1gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度15.54重量%、ポリビニルアルコール濃度1.94重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)17.48重量%であった。
【0297】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0298】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は20.8μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0299】
評価実施例13
実施例10に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度19.28重量%、pH5.60)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量19.28g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液24.1g(ポリビニルアルコール含量2.41g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}1.1gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液125.2gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度15.40重量%、ポリビニルアルコール濃度1.93重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)17.33重量%であった。
【0300】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0301】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は20.5μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0302】
評価実施例14
実施例11に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度30.49重量%、pH5.40)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量30.49g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液38.1g(ポリビニルアルコール含量3.81g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液138.1gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度22.08重量%、ポリビニルアルコール濃度2.76重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)24.84重量%であった。
【0303】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0304】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.2μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0305】
評価実施例15
実施例11に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度30.49重量%、pH5.40)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量30.49g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液20.3g(ポリビニルアルコール含量2.03g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.4gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液122.7gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比15.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度24.85重量%、ポリビニルアルコール濃度1.65重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)26.50重量%であった。
【0306】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0307】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.1μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0308】
評価実施例16
実施例11に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度30.49重量%、pH5.40)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量30.49g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液20.3g(ポリビニルアルコール含量2.03g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.4gを加えて10分間攪拌した。更に28%アンモニア水溶液6.0gを加えてpH10.5に調整した。そこに微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液128.7gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比15.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度23.69重量%、ポリビニルアルコール濃度1.58重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)25.27重量%であった。
【0309】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0310】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は25.9μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0311】
評価実施例17
実施例12に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度33.66重量%、pH4.51)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量33.66g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液42.1g(ポリビニルアルコール含量4.21g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液142.1gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度23.69重量%、ポリビニルアルコール濃度2.96重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)26.65重量%であった。
【0312】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0313】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.5μmで、このコーティング膜は乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0314】
評価実施例18
実施例12に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度33.66重量%、pH4.51)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量33.66g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液42.1g(ポリビニルアルコール含量4.21g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.6gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液144.7gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度23.26重量%、ポリビニルアルコール濃度2.91重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)26.17重量%であった。
【0315】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0316】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.0μmで、このコーティング膜は乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0317】
評価実施例19
実施例12に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度33.66重量%、pH4.51)100g(シリカとリン酸アルミニウムの含量33.66g)をガラス容器に取り、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液11.2g(ポリビニルアルコール含量1.12g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.6gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液113.8gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比30.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度29.58重量%、ポリビニルアルコール濃度0.98重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)30.56重量%であった。
【0318】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0319】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は26.2μmで、このコーティング膜は乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0320】
評価実施例20
実施例9に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度20.694重量%、pH5.29)60g(シリカとリン酸アルミニウムの含量12.42g)をガラス容器に取り、これに実施例11に記載の複合ゾル(シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度30.49重量%、pH5.40)40.7g(シリカとリン酸アルミニウムの含量12.41g)を加えて10分間攪拌し、これに上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.0g(ポリビニルアルコール含量3.10g)を攪拌下に加えて10分間攪拌し、次いで上記カチオン性ポリマー{シャロールDC902P(商品名)}2.4gを加えて10分間攪拌し、更に微量の消泡剤を加え、10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液134.1gを得た。このコーティング組成物の物性は、コロイダル複合粒子対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度18.52重量%、ポリビニルアルコール濃度2.31重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)20.83重量%であった。
【0321】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0322】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は23.5μmで、このコーティング膜は少し透明性のある薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性は良好でつやも良好であった。
【0323】
評価比較例1
実施例3に記載の21.5nmの比表面積径(窒素吸着法粒子径)を有する球状シリカゾル{スノーテックスO−40(商品名)}61.58g(シリカ含量25.0g)をガラス製容器に取り、純水38.42gを加えてシリカ濃度を25.0重量%とした後、攪拌下に上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液31.26g(ポリビニルアルコール含量3.126g)を加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液131.26gを得た。このコーティング組成物の物性は、シリカ対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカ濃度19.05重量%、ポリビニルアルコール濃度2.38重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)21.43重量%であった。
【0324】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0325】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は22.5μmで、このコーティング膜は透明性があり、薄い乳白色を示しており、クラックがかなりあり、平滑性も悪くつやが少なかった。
【0326】
評価比較例2
市販のインクジェット用フォト光沢紙の裏面(A4サイズ)に上記評価比較例1で作成したコーティング液をバーコーターにて液膜厚101μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0327】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は19.3μmで、クラックが少しあり、平滑性も悪くつやが少なかった。
【0328】
評価比較例3
比較例3に記載の酸性数珠状シリカゾル100.00g(シリカ含量22.0g)をガラス製容器に取り、攪拌下に上記10重量%のポリビニルアルコール水溶液27.50g(ポリビニルアルコール含量2.75g)を加えて10分間攪拌し、インクジェット記録用インク受容層用コーティング液127.50gを得た。このコーティング組成物の物性は、シリカ対ポリビニルアルコールの重量比8.0:1.0、シリカ濃度17.25重量%、ポリビニルアルコール濃度2.16重量%、及び前記両者の合計濃度(全固形分濃度)19.41重量%であった。
【0329】
表面処理を施した市販のPETフィルム(A4サイズ)に上記コーティング液をバーコーターにて液膜厚137μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0330】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は20.2μmで、このコーティング膜は透明性があり、薄い乳白色を示しており、クラックはほとんどなく、平滑性良好であったがつやは若干劣った。
【0331】
評価比較例4
市販のインクジェット用フォト光沢紙の裏面(A4サイズ)に上記評価比較例3で作成したコーティング液をバーコーターにて液膜厚101μmで塗布した後、直ちに熱風乾燥機にて110℃で5分間乾燥し、インクジェット記録用シートを作成した。
【0332】
作成したシートの乾燥後のインク受容層(コーティング膜)厚は18.0μmで、クラックはほとんどなく、平滑性良好であったがつやは若干劣った。
【0333】
試験例1
上記評価実施例1〜20及び評価比較例1〜4で作成したインクジェット記録媒体(インクジェット記録用紙又はシート)又は市販のインクジェット記録用フォト光沢紙の裏面(A4サイズ)(評価比較例5:ブランク)にインクジェットプリンター(ヒューレットパッカード社製Deskjet970Cxi(染料インク対応機種))により標準カラー画像を印刷し、インクの吸収性、吸収速度、印刷の鮮明性、色彩、光沢などのインクジェット記録特性を判定した。その結果を表1に示す。本発明の複合ゾルを使用したインクジェット記録用紙およびシートは、非常に良好なインクジェット記録特性を有することが確認された。
【0334】
【表1】
【0335】
試験例2
上記評価実施例1、4〜6、8、10〜20及び評価比較例1〜4で作成したインクジェット記録媒体(インクジェット記録用紙又はシート)又は市販のインクジェット記録用フォト光沢紙の裏面(A4サイズ)(評価比較例5)にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製MC−2000(顔料インク対応機種))により標準カラー画像を印刷し、インクの吸収性、吸収速度、印刷の鮮明性、色彩、光沢などのインクジェット記録特性を判定した。その結果を表2に示す。本発明の複合ゾルを使用したインクジェット記録用紙およびシートは、非常に良好なインクジェット記録特性を有することが確認された。とくに一次粒子径の大きい複合ゾルを使用した場合に、顔料インクに対するインクジェット記録特性が優れることが確認された。
【0336】
【表2】
【0337】
【発明の効果】
第一発明の複合ゾルは種々の用途において改良をもたらす。
【0338】
第一発明の複合ゾルと混合使用される成分の例としては各種シリカゾル、アルカリ金属珪酸塩水溶液、アルキルシリケートの部分加水分解液、アルミナゾル、その他の金属酸化物ゾル、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチンなどの水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂などの水溶性樹脂、アクリル系などの樹脂エマルジョン、ベントナイトやアルギン酸ソーダなどの増粘剤、アクリル樹脂などの有機溶媒溶解樹脂液、エチレングリコール、メチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの有機溶媒、シランカップリング剤の部分加水分解液、界面活性剤、各種酸、各種アルカリ、耐火物粉末、金属粉末、顔料、塗料などが挙げられる。
【0339】
従来から用いられている種々の塗料成分と共に第一発明の複合ゾルを配合することにより、有機系塗料、無機系塗料、無機塗料、耐熱塗料、防食塗料、無機−有機複合塗料などを調整することができる。上記第一発明の複合ゾルから形成された乾燥塗膜にはピンホールが少なく、クラックのほとんど見られない。また、この塗膜は平滑性を有し、衝撃力を吸収しやすい柔らかさがあり、基材との密着性、保水性、帯電防止性のいずれも良好である。
従って、第一発明の複合ゾルを含有するコーティング剤は各種フィルム、印画紙やインクジェット紙などに使われるレジンコーテッドペーパー、合成紙などにバックコートすることにより帯電防止用コーティング剤として使用することができる。
【0340】
特に、従来のシリカゾルが中性域では安定性が悪く、中性域で単独又は各種成分との混合使用には適していないのに対し、第一発明の複合ゾルは中性域で安定であり、中性域で各種成分と混合し、各種用途に使用できる特徴を有している。
【0341】
第一発明の複合ゾルを含有する無機塗料から形成された焼成塗膜は良好な耐熱性を示す。この第一発明の複合ゾルを含有するこれらの塗料は、種々の基材、例えばガラス、セラミックス、金属、プラスチックス、木材、紙などの表面に適用することができる。
【0342】
このゾルはリン酸アルミニウムを含有しているため、単独又は他のリン酸塩などとの併用により防蝕剤として使用できる。また、アクリル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系などの樹脂エマルジョンとの併用により亜鉛メッキ鋼板用の防食コーティング剤に使用すると防食性を高めることができ、ノンクロメートタイプの防蝕コーティング剤として使用することができる。
【0343】
特に、第一発明の複合ゾルは造膜性がよく、その乾燥物は多孔性を有していることからインクジェットのような印刷用記録紙や記録シートのインク受容層に適している。この用途においては複合ゾルはポリビニルアルコールのような水溶性ポリマー、水溶性樹脂、樹脂エマルジョンに添加され、この複合ゾルのコロイダル複合粒子はマイクロフィラーとして作用する。樹脂エマルジョンとしてはアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アミド系ポリマー及びこれらの変性物、共重合体のエマルジョンを用いることができる。
【0344】
第一発明の複合ゾルは結合性があって、多孔性を有していることから、触媒担体、触媒用バインダーとして優れており、特に流動層触媒担体、自動車用触媒バインダーとして適している。特に、コロイダルシリカ粒子の表面をリン酸アルミニウムですべて被覆し接合したものは、焼成により表面がリン酸アルミニウムだけになることから合成触媒としても使用することができる。
【0345】
第一発明の複合ゾルは、増粘剤、ゲル化剤としても用いられる。
【0346】
第一発明の複合ゾルは動的光散乱法粒子径が大きく、付着性、結合性も大きいのでダンボール紙やフィルムのスリップ防止剤としても有効である。
【0347】
第一発明の複合ゾルは、通常のガラス繊維、セラミック繊維、その他の無機繊維などのフェルト状物に含浸させることができる。また、これらの短繊維とこの複合ゾルとを混合することもできる。そして、この複合ゾルが含浸されたフェルト状物を乾燥すると、強度の高いフェルト状物が得られる。また、上記短繊維とこの複合ゾルの混合物をシート状、マット状、その他の形状に成形した後乾燥すると、やはり強度の高いシート、マット、成型品などが得られる。これら得たフェルト状物、シート、マット、成型品などの表面には、従来のシリカゾルを同様に用いたときに見られる表面の粉立ちが現出しない。従って、これら無機繊維等に結合剤として用いた複合ゾルのコロイダル複合粒子は、乾燥の際に内部からこれら無機繊維成形体の表面への移行がほとんど起こらないことを示している。これら乾燥された成型品は、改良品として耐熱性断熱材、その他の用途に提供される。
【0348】
第一発明の複合ゾルは、多孔質組織を有する基材の表面処理剤として用いることもできる。例えば、コンクリート、モルタル、セメント、石膏、粘土などへの硬化物表面に適用すると、この複合ゾルはその表面から内部へ含浸し、乾燥の後には改良された表面層が得られる。天然及び合成の繊維、それらの繊維製品、紙、木材などへも表面処理剤として用いることができる。その他、鋳物の封孔処理剤としても用いられる。
【0349】
第一発明のコロイダル複合粒子は、樹脂やゴムの中での分散性に優れており、水性ゲル、有機溶媒ゲル又はこれらを乾燥した粉体として各種樹脂やゴムに加えることにより、補強剤などとして用いることができる。特に自動車用タイヤに使用されているSBRの補強剤には有効である。
【0350】
第一発明の複合ゾルは、高い安定性を示し、その媒体の除去によって終局的に不可逆的にシリカとリン酸アルミニウムのゲルに変わる性質を有するが、この複合ゾルを構成するコロイダル複合粒子は前記の如き凝集粒子を有するので、このゾルがゲル化する際に、或いは硬化後には、このゾルに由来する独特の性質を示す。これらのことから上記用途の他にも種々の用途に有用であることは容易に理解されよう。
【0351】
これら各種用途のうち特にインクジェット記録媒体の用途においては、第一発明の複合ゾルと水性樹脂とを含有する第二発明のインク受容層用コーティング組成物を用いて、紙又はプラスチックフィルムもしくはシート上にインク受容層を形成させることにより、インクの吸収性、インク吸収速度が大きく、印刷の鮮明性、色彩がよく、また光沢がよいインクジェット記録媒体を提供することができる。
【0352】
第一発明の複合ゾルは、酸や塩基を加えることにより容易にpHをコントロールすることができ、各種水性樹脂と任意に混合使用することができる。また、他のシリカゾルとも任意に混合使用することができる。
【0353】
第一発明の複合ゾルは、全pH範囲で負に帯電しておりそのままではカチオン性の水性樹脂とは混合使用できないが、この複合ゾルはカチオン性ポリマーを添加することにより容易にカチオン性にすることができる。そのカチオン化した複合ゾルはカチオン性の水性樹脂と混合使用することができる。また、水性樹脂としてポリビニルアルコールを使用する場合には、複合ゾルにポリビニルアルコールを混合した後カチオン性ポリマーを混合することにより、さらに容易に第一発明の複合ゾルをカチオン化することができる。これにより得られた混合液は、アンモニア等の塩基を加えることにより容易にアルカリ性に調整することができる。
【0354】
第一発明の複合ゾルは、コロイダルシリカ粒子がリン酸アルミニウム粒子によって被覆接合されて大きな凝集粒子を形成しており、この凝集粒子が結合性に優れる性質を有するため、他のシリカゾルと比較して水性樹脂の使用量を減少しても良好な被膜を得ることができる。とくに、一次粒子径の大きい複合ゾルはより水性樹脂の使用量を減少することができ、さらにインクの吸収性を高めることができる。
【0355】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物は、インクの吸収性、吸収速度だけでなく、印刷の鮮明性、色彩、光沢などにも優れるため、インクジェット記録媒体のトップコーティング層、いわゆる最表層への使用に適しているが、一次粒子径が50nm以上の複合ゾルを使用したコーティング組成物はとくにインクの吸収性に優れるため、アンダーコーティング層、いわゆるインクの吸収を主目的とした下層にも使用することができる。なお、このアンダーコーティング層には、一次粒子径が50nm以上の複合ゾルを単独もしくは沈降性シリカパウダーやゲル法シリカパウダーなどの一般的なシリカパウダーと混合して使用することができる。
【0356】
第二発明のインク受容層用コーティング組成物は、使用する複合ゾルの一次粒子径が小さいほど、染料インク対応インクジェットプリンターにおける印刷の鮮明性や色彩などの記録特性が優れる。一方、使用する複合ゾルの一次粒子径が大きいほど、顔料インク対応インクジェットプリンターにおけるインクの吸収性や印刷の鮮明性、色彩などの記録特性が優れる。
【0357】
また、第二発明のインク受容層用コーティング組成物は、インクジェット記録媒体の使用目的や基材として使用する紙、フィルムの性質などに応じて、単一の複合ゾルの使用に限らず、一次粒子径の異なる複合ゾルを混合して使用することも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例7で得られた複合ゾルのコロイダルシリカ複合粒子を電子顕微鏡を用いて撮影した写真である。
【図2】図2は比較例2で得られたリン酸アルミニウムのコロイダル粒子を電子顕微鏡を用いて撮影した写真である。
Claims (10)
- 3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する複合ゾル。
- 99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比、及び1〜60重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する請求項1に記載の複合ゾル。
- 下記(a)、(b)及び(c)工程からなる、
3〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、20〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、
99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比、及び1〜60重量%のシリカとリン酸アルミニウムとの合計濃度を有する複合ゾルの製造法。
(a):0.5〜50重量%のシリカ濃度、1〜11のpH及び3〜100nmの比表面積径を有する水性シリカゾルに、リン酸又はリン酸塩を加えて混合する工程、
(b):(a)工程により得られた混合液(a)にアルミニウム塩水溶液を加えて混合する工程、及び
(c):(b)工程により得られた混合液(b)を20〜100℃で0.5〜20時間熟成する工程。 - (b)工程に用いられるアルミニウム塩水溶液がアルミン酸ナトリウム水溶液及び/又は塩基性アルミニウム塩水溶液である請求項3に記載の複合ゾルの製造法。
- 5〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインクジェット記録におけるインク受容層用コーティング組成物。
- 複合ゾルが、5〜50nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜300nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである請求項5に記載のインクジェット記録におけるインク受容層用コーティング組成物。
- 複合ゾルが、50〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、100〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである請求項5に記載のインクジェット記録におけるインク受容層用コーティング組成物。
- 5〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルと、水性樹脂とを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体。
- 複合ゾルが、5〜50nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、50〜300nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである請求項8に記載のインクジェット記録媒体。
- 複合ゾルが、50〜100nmの比表面積径を有するコロイダルシリカ粒子とこのコロイダルシリカ粒子を接合又は被覆接合するリン酸アルミニウムからなる、100〜500nmの動的光散乱法粒子径を有するコロイダル複合粒子を含有する、99:1〜10:90のシリカ対リン酸アルミニウムの重量比を有する複合ゾルである請求項8に記載のインクジェット記録媒体。
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