JP2006159689A - インクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いインク吸収性を有し、かつひび割れ防止性も高いインクジェット記録シートを効率良く生産することを可能とするインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法、及び該濃縮方法により得られるシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液、及び該塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートを提供することである。
【解決手段】 シリカ微粒子を含有するシリカ分散液の濃縮方法であって、前記シリカ微粒子は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g〜300m2/g未満であり、予め水溶性塩を添加した後に濃縮することを特徴とする。前記濃縮方法により製造されたシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液であることを特徴とする。また、前記塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートであることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 シリカ微粒子を含有するシリカ分散液の濃縮方法であって、前記シリカ微粒子は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g〜300m2/g未満であり、予め水溶性塩を添加した後に濃縮することを特徴とする。前記濃縮方法により製造されたシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液であることを特徴とする。また、前記塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートであることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法、該濃縮方法により製造されるシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液及び該塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートに関する。
インクジェットプリンタによる記録方式は、騒音が少ないこと、多色印刷が容易であること、高速記録が可能であること、他の記録方式のプリンタに比べて小型で安価であること等の理由により、多方面で広く利用されている。また、近年、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等の普及により、カラー像の印刷が一般化している。このようなフルカラー化や高解像度化技術の発達により、インクジェット記録シートにも高いインク吸収性と光沢度が求められるようになってきている。
インク吸収性を高める方法としては、従来、顔料系のインク受容層を設けたインクジェット記録シートが提案されている。顔料にはシリカ等が用いられ、一次粒子が凝集した二次粒子を形成しているものが好ましく用いられている。この一次粒子どうし及び二次粒子どうしの空隙の作用により、インク吸収性は良好となる。
また、記録シート表面に高い光沢性を持たせるために、顔料の粒子径が小さいものを選択することが行われている。
すなわち、インク吸収性と光沢度を両立させる技術として、粒子径が小さく多孔質の二次粒子であるシリカ顔料を含む受容層を設けた記録シートが、これまでに数多く提案されている。
また、記録シート表面に高い光沢性を持たせるために、顔料の粒子径が小さいものを選択することが行われている。
すなわち、インク吸収性と光沢度を両立させる技術として、粒子径が小さく多孔質の二次粒子であるシリカ顔料を含む受容層を設けた記録シートが、これまでに数多く提案されている。
本発明者は、このような受容層を形成するために、以前、シリカの一次粒子が凝集して形成された微細な二次粒子として水中にコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液について提案した。この分散液は、シリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液(種液)とし、このシード液に含まれるシリカ微粒子を成長させる方法により得られるものである(特許文献1参照。)。
しかしながら、上述のシリカ微粒子分散液は、濃縮する際、シリカ濃度上昇と共に液粘度が高くなりやすい。そのため、該シリカ微粒子分散液を用いたインクジェット記録シート用塗布液の濃度を高くすることが困難であり、塗工工程における乾燥負荷が高くなり、生産性が充分ではなかった。
しかしながら、上述のシリカ微粒子分散液は、濃縮する際、シリカ濃度上昇と共に液粘度が高くなりやすい。そのため、該シリカ微粒子分散液を用いたインクジェット記録シート用塗布液の濃度を高くすることが困難であり、塗工工程における乾燥負荷が高くなり、生産性が充分ではなかった。
なお、一次粒子状のシリカゾルであれば、亜硫酸ナトリウムを添加して液粘度を抑え、30〜50質量%に濃縮することが可能であった(特許文献2参照。)。
しかしながら、二次粒子状のシリカ微粒子分散液の場合、一次粒子状のシリカゾルよりもはるかに増粘しやすく、二次粒子状のシリカ微粒子分散液を高濃度に濃縮することが困難であった。
また、上述のシリカ微粒子分散液を用いて得られたインクジェット記録シートは、乾燥による塗布膜のひび割れ防止性が充分なものではなかった。
特開2001−354408号公報
特開平5−58616号公報
しかしながら、二次粒子状のシリカ微粒子分散液の場合、一次粒子状のシリカゾルよりもはるかに増粘しやすく、二次粒子状のシリカ微粒子分散液を高濃度に濃縮することが困難であった。
また、上述のシリカ微粒子分散液を用いて得られたインクジェット記録シートは、乾燥による塗布膜のひび割れ防止性が充分なものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高いインク吸収性を有し、かつひび割れ防止性も高いインクジェット記録シートを効率良く生産することを可能とするインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法、及び該濃縮方法により得られるシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液、及び該塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
本発明者は、検討を重ねた結果、特定のシリカ微粒子を分散した分散液に水溶性塩を添加した後に濃縮を行うことにより、これらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1] シリカ微粒子を含有するシリカ分散液の濃縮方法であって、前記シリカ微粒子は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g〜300m2/g未満であり、予め水溶性塩を添加した後に濃縮することを特徴とするインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法。
[2] 前記シリカ微粒子が、活性珪酸の縮合により製造されたものである[1]のシリカ分散液の濃縮方法。
[3] 前記シリカ微粒子が、活性ケイ酸水溶液を熱水に少量ずつ添加する方法又はそのまま加熱する方法により、シリカ微粒子分散液を調製し、この分散液が沈殿を生じる前又はゲル化する前に、アルカリの添加によりシリカ微粒子を安定化し、次いで該安定状態下、活性ケイ酸水溶液を少量ずつ添加する方法により、シリカ微粒子を成長させて得られたものである[2]のシリカ分散液の濃縮方法。
[4] 前記水溶性塩を添加後のシリカ分散液の導電率が、1.0mS/cm以上である[1] 〜[3]のいずれかのシリカ分散液の濃縮方法。
[5] 前記水溶性塩が、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選択される1種又は2種以上である[1] 〜[4]のいずれかのシリカ分散液の濃縮方法。
[6] [1] 〜[5]のいずれかの方法により製造されたシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液。
[7] [6]のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シート。
本発明は下記態様を含む。
[1] シリカ微粒子を含有するシリカ分散液の濃縮方法であって、前記シリカ微粒子は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g〜300m2/g未満であり、予め水溶性塩を添加した後に濃縮することを特徴とするインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法。
[2] 前記シリカ微粒子が、活性珪酸の縮合により製造されたものである[1]のシリカ分散液の濃縮方法。
[3] 前記シリカ微粒子が、活性ケイ酸水溶液を熱水に少量ずつ添加する方法又はそのまま加熱する方法により、シリカ微粒子分散液を調製し、この分散液が沈殿を生じる前又はゲル化する前に、アルカリの添加によりシリカ微粒子を安定化し、次いで該安定状態下、活性ケイ酸水溶液を少量ずつ添加する方法により、シリカ微粒子を成長させて得られたものである[2]のシリカ分散液の濃縮方法。
[4] 前記水溶性塩を添加後のシリカ分散液の導電率が、1.0mS/cm以上である[1] 〜[3]のいずれかのシリカ分散液の濃縮方法。
[5] 前記水溶性塩が、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選択される1種又は2種以上である[1] 〜[4]のいずれかのシリカ分散液の濃縮方法。
[6] [1] 〜[5]のいずれかの方法により製造されたシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液。
[7] [6]のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シート。
本発明のインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法及びこれによって得られるインクジェット記録シート用塗布液によれば、高いインク吸収性を有し、かつひび割れ防止性も高いインクジェット記録シートを効率良く生産することができる。
また、本発明のインクジェット記録シートは、インク吸収性、ひび割れ防止性がいずれも高く、かつ生産性も高いものである。
また、本発明のインクジェット記録シートは、インク吸収性、ひび割れ防止性がいずれも高く、かつ生産性も高いものである。
<シリカ微粒子>
本発明の濃縮方法は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g以上300m2/g未満である特定のシリカ微粒子が分散した分散液に、予め水溶性塩を添加してシリカ分散液を濃縮する方法である。
次に、本発明のシリカ微粒子の各物性について詳述する。
本発明の濃縮方法は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g以上300m2/g未満である特定のシリカ微粒子が分散した分散液に、予め水溶性塩を添加してシリカ分散液を濃縮する方法である。
次に、本発明のシリカ微粒子の各物性について詳述する。
〔平均粒径〕
本発明のシリカ微粒子の平均二次粒子径は、1μm以下である。
本発明において、平均二次粒子径とは、動的光散乱法により測定され、キュムラント法を用いた解析から算出され、質量換算粒径分布から求められる値である。このとき、シリカ微粒子が分散した分散液を充分に水中で希釈した状態で測定される。
平均二次粒子径が1μm以下であることにより、沈降性を有しないコロイド状の分散状態を形成することができる。また、記録シートの光沢度を良好にすることができる。さらに好ましい平均二次粒子径は、0.02〜0.3μmである。
本発明のシリカ微粒子の平均二次粒子径は、1μm以下である。
本発明において、平均二次粒子径とは、動的光散乱法により測定され、キュムラント法を用いた解析から算出され、質量換算粒径分布から求められる値である。このとき、シリカ微粒子が分散した分散液を充分に水中で希釈した状態で測定される。
平均二次粒子径が1μm以下であることにより、沈降性を有しないコロイド状の分散状態を形成することができる。また、記録シートの光沢度を良好にすることができる。さらに好ましい平均二次粒子径は、0.02〜0.3μmである。
〔細孔容積〕
本発明のシリカ微粒子の細孔容積は、0.4ml/g〜2.0ml/gである。
本発明において、細孔容積とは、窒素ガス吸着法により測定され、細孔径3nm以上200nm以下の細孔の全細孔容積の値である。
二次粒子を用いて成膜されたインク受容層中には、粒子間に微細な構造の空隙(細孔)が形成される。インクはこの細孔内に吸収されるため、インク吸収性は、細孔の直径や容積に左右される。
細孔径3〜200nmの細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであることにより、高いインク吸収性、光沢性、ひび割れ防止性を得ることができる。さらに好ましい細孔容積は、0.5〜1.5ml/gである。
本発明のシリカ微粒子の細孔容積は、0.4ml/g〜2.0ml/gである。
本発明において、細孔容積とは、窒素ガス吸着法により測定され、細孔径3nm以上200nm以下の細孔の全細孔容積の値である。
二次粒子を用いて成膜されたインク受容層中には、粒子間に微細な構造の空隙(細孔)が形成される。インクはこの細孔内に吸収されるため、インク吸収性は、細孔の直径や容積に左右される。
細孔径3〜200nmの細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであることにより、高いインク吸収性、光沢性、ひび割れ防止性を得ることができる。さらに好ましい細孔容積は、0.5〜1.5ml/gである。
〔比表面積〕
本発明のシリカ微粒子の比表面積は、100m2/g以上300m2/g未満である。
本発明において、比表面積とは、窒素ガス吸着法により測定され、BET法を用いて求められる値である。
比表面積は、シリカ微粒子の質量あたりの表面積で表される。この値が大きいほど一次粒子が小さく、二次粒子の形状が複雑になりやすい。これに伴い細孔容積は大きくなり、インク吸収性は向上しやすいものとなる。しかし、比表面積が大きすぎると、乾燥時の毛管収縮力が大きすぎ、塗布膜のひび割れを引き起こす恐れがある。
本発明のシリカ微粒子の比表面積は、100〜300m2/gであることにより、インク吸収性と乾燥時のひび割れ防止性を両立することができる。さらに好ましい比表面積は、 150〜300m2/gである。
本発明のシリカ微粒子の比表面積は、100m2/g以上300m2/g未満である。
本発明において、比表面積とは、窒素ガス吸着法により測定され、BET法を用いて求められる値である。
比表面積は、シリカ微粒子の質量あたりの表面積で表される。この値が大きいほど一次粒子が小さく、二次粒子の形状が複雑になりやすい。これに伴い細孔容積は大きくなり、インク吸収性は向上しやすいものとなる。しかし、比表面積が大きすぎると、乾燥時の毛管収縮力が大きすぎ、塗布膜のひび割れを引き起こす恐れがある。
本発明のシリカ微粒子の比表面積は、100〜300m2/gであることにより、インク吸収性と乾燥時のひび割れ防止性を両立することができる。さらに好ましい比表面積は、 150〜300m2/gである。
〔製造方法〕
特定のシリカ微粒子が分散したシリカ分散液の製造方法は、分散液中に、上記物性値を有するシリカ微粒子が分散するものが得られれば、特に限定されるものではなく、従来からインクジェット記録シート用の塗布液やインク受容層に用いられているシリカ分散液の製造方法を選ぶことができる。例えば、電弧法、気相法、湿式法(沈降法、ゲル法、活性珪酸を縮合して製造する方法等)のいずれの方法で得たシリカ微粒子を分散させる方法が採用できるが、湿式法で製造されるシリカ微粒子を分散させる方法が、染料インク用インクジェット記録シート、顔料インク用インクジェット記録シートのいずれにも適しているので好ましい。なかでも、活性珪酸を縮合して製造する方法が好ましい。
特に、特許文献1に記載されているような活性ケイ酸水溶液を熱水に少量ずつ添加する方法又はそのまま加熱する方法により、シリカ微粒子分散液(シード液)を調製し、この分散液が沈殿を生じる前又はゲル化する前に、アルカリの添加によりシリカ微粒子を安定化し、次いで該安定状態下、活性ケイ酸水溶液を少量ずつ添加する方法により、シリカ微粒子を凝集・成長させる方法が好ましい。
この方法により、活性珪酸を縮合して製造される単分散型のコロイダルシリカとは異なり、二次凝集構造を持ったインク吸収性に優れたシリカ微粒子を得ることが可能である。
ここで、アルカリ添加によるシリカ微粒子成長の安定化後の活性ケイ酸水溶液の添加速度としては、シリカ微粒子分散液に含まれるSiO21モル当たり、SiO2に換算して0.001〜0.1モル/分であることが好ましい。
本発明のシリカ微粒子は、その表面が界面活性剤で処理されていてもよく、表面を界面活性剤等で処理したシリカと、処理していないシリカの双方を用いてもよい。
特定のシリカ微粒子が分散したシリカ分散液の製造方法は、分散液中に、上記物性値を有するシリカ微粒子が分散するものが得られれば、特に限定されるものではなく、従来からインクジェット記録シート用の塗布液やインク受容層に用いられているシリカ分散液の製造方法を選ぶことができる。例えば、電弧法、気相法、湿式法(沈降法、ゲル法、活性珪酸を縮合して製造する方法等)のいずれの方法で得たシリカ微粒子を分散させる方法が採用できるが、湿式法で製造されるシリカ微粒子を分散させる方法が、染料インク用インクジェット記録シート、顔料インク用インクジェット記録シートのいずれにも適しているので好ましい。なかでも、活性珪酸を縮合して製造する方法が好ましい。
特に、特許文献1に記載されているような活性ケイ酸水溶液を熱水に少量ずつ添加する方法又はそのまま加熱する方法により、シリカ微粒子分散液(シード液)を調製し、この分散液が沈殿を生じる前又はゲル化する前に、アルカリの添加によりシリカ微粒子を安定化し、次いで該安定状態下、活性ケイ酸水溶液を少量ずつ添加する方法により、シリカ微粒子を凝集・成長させる方法が好ましい。
この方法により、活性珪酸を縮合して製造される単分散型のコロイダルシリカとは異なり、二次凝集構造を持ったインク吸収性に優れたシリカ微粒子を得ることが可能である。
ここで、アルカリ添加によるシリカ微粒子成長の安定化後の活性ケイ酸水溶液の添加速度としては、シリカ微粒子分散液に含まれるSiO21モル当たり、SiO2に換算して0.001〜0.1モル/分であることが好ましい。
本発明のシリカ微粒子は、その表面が界面活性剤で処理されていてもよく、表面を界面活性剤等で処理したシリカと、処理していないシリカの双方を用いてもよい。
<水溶性塩>
本発明の濃縮方法では水溶性塩を添加する。
これにより、分散液の液粘度が低減され、高濃度に濃縮することが可能となる。また、最終的に得られるインクジェット記録シートのひび割れ防止性も向上する。
本発明の濃縮方法では水溶性塩を添加する。
これにより、分散液の液粘度が低減され、高濃度に濃縮することが可能となる。また、最終的に得られるインクジェット記録シートのひび割れ防止性も向上する。
水溶性塩としては、特に限定されるものではなく、従来からインクジェット記録シート用の塗布液やインク受容層に用いられている水溶性塩を選ぶことができる。例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、チオ硫酸カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素二カルシウム、リン酸三カルシウム、チオ硫酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、炭酸バリウム、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、リン酸二水素バリウム、リン酸水素二バリウム、リン酸三バリウム等のアルカリ土類金属塩、塩化アンモニウム、メチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、ラウリルアンモニウム塩、ステアリルアンモニウム塩等のモノアルキルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ジステアリルアンモニウム塩等のジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等のトリアルキルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、塩化マンガン、酢酸マンガン、塩化第二銅、硫酸銅、塩化コバルト、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。
なかでも、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が選ばれる。特に好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が選ばれ、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が好ましく選ばれる。なお、これらは、単独又は2種以上で用いてもよい。
なかでも、好ましくは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が選ばれる。特に好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が選ばれ、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が好ましく選ばれる。なお、これらは、単独又は2種以上で用いてもよい。
水溶性塩の添加量としては、前記特定のシリカ微粒子が分散した分散液に水溶性塩を添加した後のシリカ分散液の導電率が、1.0mS/cm以上となるように添加されることが好ましい。当該範囲の添加量とすることにより、シリカ分散液を濃縮したときに、粘度低減効果が充分に得られるようになる。しかし、過度に添加量を増やしていくと、インクジェット記録シート用塗布液の分離又はシリカスラリの固化など、安定性が悪くなる傾向にある。そのため、本発明の効果と安定性を確保する範囲の添加量に抑えることが好ましい。上記導電率のさらに好ましい範囲は、1.0〜2.0mS/cmである。
本発明において、水溶性塩は、上記特定のシリカ微粒子が分散した分散液に対して添加する。したがって、上記特定のシリカ微粒子の分散液の製造過程で水溶性塩を添加するのではなく、該分散液が製造された後に添加する。ただし、本発明に用いる特定のシリカ微粒子の分散液の製造過程で、適宜水溶性塩を添加することを妨げるものではない。
また、本発明において、水溶性塩は上記特定のシリカ微粒子が分散した分散液を濃縮する前に添加する。したがって、濃縮後のシリカ分散液や、インクジェット記録シート用塗布液に対して添加するものではない。ただし、濃縮後のシリカ分散液や、インクジェット記録シート用塗布液に対して添加することを妨げるものではない。
また、本発明において、水溶性塩は上記特定のシリカ微粒子が分散した分散液を濃縮する前に添加する。したがって、濃縮後のシリカ分散液や、インクジェット記録シート用塗布液に対して添加するものではない。ただし、濃縮後のシリカ分散液や、インクジェット記録シート用塗布液に対して添加することを妨げるものではない。
<濃縮方法>
本発明の濃縮方法は、上記特定のシリカ微粒子が分散した分散液に、予め水溶性塩を添加してシリカ分散液を濃縮することが特徴である。
濃縮方法としては、特に限定されるものではなく、通常実施される濃縮方法が挙げられる。なかでも好ましくは、限外ろ過法、真空加熱蒸発(エバポレータ)法が選ばれ、さらに好ましくは、中空糸状の限外ろ過膜を使用する限外ろ過法が選ばれる。
また、濃縮後のシリカ分散液(濃縮シリカ分散液)のシリカ濃度としては、好ましくは
シリカ分散液の安定性の点から15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30 質量%である。15質量%以上とすることにより、濃度が高く、生産性の高いインクジェット記録シート用塗布液を製造することができる。35質量%以下とすることにより、シリカスラリーの短時間でのゲル化を防止することができる。
本発明の濃縮方法により、シリカ分散液を製造する際、そのスラリ粘度が減少し、ゲル化を起こさずに高濃度までの濃縮が可能となる。したがって、シリカスラリー濃度が高まることで、高濃度のインクジェット記録シート用塗布液を製造することができる。
本発明の濃縮方法は、上記特定のシリカ微粒子が分散した分散液に、予め水溶性塩を添加してシリカ分散液を濃縮することが特徴である。
濃縮方法としては、特に限定されるものではなく、通常実施される濃縮方法が挙げられる。なかでも好ましくは、限外ろ過法、真空加熱蒸発(エバポレータ)法が選ばれ、さらに好ましくは、中空糸状の限外ろ過膜を使用する限外ろ過法が選ばれる。
また、濃縮後のシリカ分散液(濃縮シリカ分散液)のシリカ濃度としては、好ましくは
シリカ分散液の安定性の点から15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30 質量%である。15質量%以上とすることにより、濃度が高く、生産性の高いインクジェット記録シート用塗布液を製造することができる。35質量%以下とすることにより、シリカスラリーの短時間でのゲル化を防止することができる。
本発明の濃縮方法により、シリカ分散液を製造する際、そのスラリ粘度が減少し、ゲル化を起こさずに高濃度までの濃縮が可能となる。したがって、シリカスラリー濃度が高まることで、高濃度のインクジェット記録シート用塗布液を製造することができる。
<インクジェット記録シート用塗布液>
本発明のインクジェット記録シート用塗布液は、上記本発明に係る濃縮方法により製造される濃縮シリカ分散液を含有する。この塗布液には、顔料、接着剤、インク定着剤など、一般にインク受容層用として用いられている従来公知の添加剤等、他の成分を含有させることができる。
本発明における特定のシリカ微粒子以外の顔料としては特に限定されるものではなく、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの顔料は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のインクジェット記録シート用塗布液は、上記本発明に係る濃縮方法により製造される濃縮シリカ分散液を含有する。この塗布液には、顔料、接着剤、インク定着剤など、一般にインク受容層用として用いられている従来公知の添加剤等、他の成分を含有させることができる。
本発明における特定のシリカ微粒子以外の顔料としては特に限定されるものではなく、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの顔料は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
接着剤としては特に限定されるものではなく、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が挙げられる。なかでも、特に、ポリビニルアルコール及びその誘導体が、シリカスラリー中で水溶性塩と軟凝集することにより、塗工工程における乾燥負荷が低減され、生産性が向上する耐ひび割れ性や高インク吸収性を発現するため、好ましく選ばれる。これらの接着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
定着剤としては特に限定されるものではなく、例えば、カチオン性高分子、水溶性金属塩等が挙げられる。
カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、三元共重合物体等が挙げられ、共重合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
水溶性金属塩としては、例えば、アルミニウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、マグネシウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)、ナトリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、カリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、亜鉛の水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)等の一般市販されるものが挙げられる。
これらのインク定着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、三元共重合物体等が挙げられ、共重合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
水溶性金属塩としては、例えば、アルミニウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、マグネシウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)、ナトリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、カリウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、亜鉛の水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)等の一般市販されるものが挙げられる。
これらのインク定着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
他の任意成分としては、一般の記録シート製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤の各種助剤等が適宜添加される。
<インクジェット記録シート>
本発明のインクジェット記録シートは、支持体上に、本発明のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されたものである。なお、支持体の両面に同様の塗布液が塗布されても構わない。この場合、インクジェット記録用シートにおいて両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
また、前記塗布液からなるインク受容層は、複数の層から構成されていてもよい。支持体とインク受容層の間にアンダーコート層を設けてもよく、インク受容層上に、インク受容層の記録適性を損なわない範囲で、保存性を高めるためのオーバーコート層を形成してもよい。
本発明のインクジェット記録シートは、支持体上に、本発明のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されたものである。なお、支持体の両面に同様の塗布液が塗布されても構わない。この場合、インクジェット記録用シートにおいて両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
また、前記塗布液からなるインク受容層は、複数の層から構成されていてもよい。支持体とインク受容層の間にアンダーコート層を設けてもよく、インク受容層上に、インク受容層の記録適性を損なわない範囲で、保存性を高めるためのオーバーコート層を形成してもよい。
支持体としては、通常のインクジェット記録用シートとして使用できる支持体であれば特に限定されるものではなく、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙類、樹脂フィルム、樹脂を一軸延伸処理または二軸延伸処理して紙状の層とし、紙等の基材層に対して一層以上積層させた一般に合成紙と呼ばれているもの、不織布等、あるいは樹脂フィルムをコート紙や上質紙等と接着剤を介して貼り合わせたもの、または紙に樹脂をラミネートしたもの等の樹脂被覆紙が使用される。
本発明の濃縮方法により得られる濃縮シリカ分散液を含有する塗布液の塗工量は、特に限定されるものではないが、2〜30g/m2とするのが好ましく、5〜20g/m2とするのがより好ましい。
塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性 が向上するようになる。塗工量を30g/m2以下とすることにより、塗膜強度や画像の鮮明性が維持される。
なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性 が向上するようになる。塗工量を30g/m2以下とすることにより、塗膜強度や画像の鮮明性が維持される。
なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
インク受容層の塗工は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよい。
本発明のインクジェット記録シートは、高濃度の塗布液を用いて製造されるので、高い生産性が得られる。
さらに、前記塗布液をインク受容層に用いることにより、乾燥等によるひび割れが防止され、かつインク吸収性が向上したインクジェット記録シートを提供することができ、より高画質な画像で光沢性の高い記録シートを得ることが可能となる。
さらに、前記塗布液をインク受容層に用いることにより、乾燥等によるひび割れが防止され、かつインク吸収性が向上したインクジェット記録シートを提供することができ、より高画質な画像で光沢性の高い記録シートを得ることが可能となる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、「部」及び「%」は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
はじめに、シリカ微粒子分散液A〜Eの5種類を製造した。次いで、シリカ微粒子分散液A〜E各々に対し、各種水溶性塩を添加して濃縮を行った。また、比較例として、シリカ微粒子分散液A〜Eをそのまま濃縮した。その後、得られた濃縮シリカ分散液を用いたインクジェット記録シート用塗布液を調製し、インクジェット記録シートを作製し、各評価を行った。
はじめに、シリカ微粒子分散液A〜Eの5種類を製造した。次いで、シリカ微粒子分散液A〜E各々に対し、各種水溶性塩を添加して濃縮を行った。また、比較例として、シリカ微粒子分散液A〜Eをそのまま濃縮した。その後、得られた濃縮シリカ分散液を用いたインクジェット記録シート用塗布液を調製し、インクジェット記録シートを作製し、各評価を行った。
<シリカ微粒子の各物性の測定方法>
シリカ微粒子分散液A〜Eの性状は、以下の方法で測定した。
〔シリカ微粒子の平均粒径測定法〕
動的光散乱法によるレーザー粒度計〔大塚電子(株)製、FPAR1000〕を用いて、シリカ微粒子の水分散液を充分に蒸留水で希釈した状態で測定した。平均粒径は、キュムラント法を用いた解析から算出される値を用いた。
シリカ微粒子分散液A〜Eの性状は、以下の方法で測定した。
〔シリカ微粒子の平均粒径測定法〕
動的光散乱法によるレーザー粒度計〔大塚電子(株)製、FPAR1000〕を用いて、シリカ微粒子の水分散液を充分に蒸留水で希釈した状態で測定した。平均粒径は、キュムラント法を用いた解析から算出される値を用いた。
〔シリカ微粒子の比表面積、細孔容積の測定方法〕
調製したシリカ微粒子分散液を濃度3%に蒸留水で希釈し、この希釈液に強酸性水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕を少量投入し、pHが3.3以下になるまで攪拌を行った。得られた酸性の希釈液を105℃で乾燥し、測定用粉体試料を得た。この粉体試料の比表面積及び細孔容積を、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用い、前処理として200℃で2時間真空脱気した後に測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)、また、細孔容積は、細孔径3〜200nmの全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を使用した。
調製したシリカ微粒子分散液を濃度3%に蒸留水で希釈し、この希釈液に強酸性水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕を少量投入し、pHが3.3以下になるまで攪拌を行った。得られた酸性の希釈液を105℃で乾燥し、測定用粉体試料を得た。この粉体試料の比表面積及び細孔容積を、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用い、前処理として200℃で2時間真空脱気した後に測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)、また、細孔容積は、細孔径3〜200nmの全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を使用した。
<シリカ微粒子分散液Aの製造方法>
〔活性ケイ酸水溶液の調製〕
SiO2濃度30%、SiO2/Na2Oモル比3.1のケイ酸ソーダ溶液〔(株)トクヤマ製、三号珪酸ソーダ〕に蒸留水を混合し、SiO2濃度4.0%の希ケイ酸ソーダ水溶液を調製した。この水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕が充填されたカラムに通じて活性ケイ酸水溶液を調製した。得られた活性ケイ酸水溶液中のSiO2濃度は4.0%、pHは2.9であった。
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計369gを添加し、その後40分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに944g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Aは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.1、濃度3.1%、導電率0.32mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径99nm、比表面積246m2/g、細孔容積0.77mL/gであった。
〔活性ケイ酸水溶液の調製〕
SiO2濃度30%、SiO2/Na2Oモル比3.1のケイ酸ソーダ溶液〔(株)トクヤマ製、三号珪酸ソーダ〕に蒸留水を混合し、SiO2濃度4.0%の希ケイ酸ソーダ水溶液を調製した。この水溶液を、水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕が充填されたカラムに通じて活性ケイ酸水溶液を調製した。得られた活性ケイ酸水溶液中のSiO2濃度は4.0%、pHは2.9であった。
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計369gを添加し、その後40分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに944g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Aは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.1、濃度3.1%、導電率0.32mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径99nm、比表面積246m2/g、細孔容積0.77mL/gであった。
<シリカ微粒子分散液Bの製造方法>
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計340gを添加し、その後5分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに944g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Bは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.33mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径62nm、比表面積230m2/g、細孔容積0.50mL/gであった。
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計340gを添加し、その後5分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに944g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Bは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.33mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径62nm、比表面積230m2/g、細孔容積0.50mL/gであった。
<シリカ微粒子分散液Cの製造方法>
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計492g添加し、その後15分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに534g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Cは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.28mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径168nm、比表面積280m2/g、細孔容積1.18mL/gであった。
〔シード液の調製〕
還流器、攪拌機、温度計を備えた2リットルのガラス製反応容器中で、307gの蒸留水を90℃に加温した。この熱水を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度で合計492g添加し、その後15分間、90℃で加温し、シード液を調製した。
〔シリカ微粒子分散液の調製〕
上記シード液に対し、濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gを一時に添加して安定化させた。このシード液を90℃に保ちながら、上記の活性ケイ酸水溶液を369g/時の速度でさらに534g添加した。添加終了後、90℃に保って3時間加熱を行い、シリカ微粒子分散液を得た。
当該シリカ微粒子分散液Cは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.28mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径168nm、比表面積280m2/g、細孔容積1.18mL/gであった。
<シリカ微粒子分散液Dの製造方法>
蒸留水300gに対して、気相法シリカ〔アエロジル300、日本アエロジル(株)製〕18gをホモジナイザーで充分に分散させ、濃度6%のシリカ微粒子分散液Dを製造した。
当該シリカ微粒子分散液Dは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは4.2、濃度6.0%、導電率0.02mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径189nm、比表面積295m2/g、細孔容積1.65mL/gであった。
蒸留水300gに対して、気相法シリカ〔アエロジル300、日本アエロジル(株)製〕18gをホモジナイザーで充分に分散させ、濃度6%のシリカ微粒子分散液Dを製造した。
当該シリカ微粒子分散液Dは、薄い乳白色の透明溶液であり、pHは4.2、濃度6.0%、導電率0.02mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径189nm、比表面積295m2/g、細孔容積1.65mL/gであった。
<シリカ微粒子分散液Eの製造方法>
濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gの添加をシード液の調製後ではなく、シード液の調製時において、加熱した蒸留水に最初に添加したこと以外は、実施例1と同様の方法でシリカ微粒子分散液の調製を行った。
当該シリカ微粒子分散液Eは、薄い青色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.25mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径23nm、比表面積230m2/g、細孔容積0.22mL/gであり、二次粒子を形成しないコロイダルシリカと同等程度に細孔容積が小さいものであった。
濃度3.4%のアンモニア水溶液8.2gの添加をシード液の調製後ではなく、シード液の調製時において、加熱した蒸留水に最初に添加したこと以外は、実施例1と同様の方法でシリカ微粒子分散液の調製を行った。
当該シリカ微粒子分散液Eは、薄い青色の透明溶液であり、pHは9.2、濃度3.0%、導電率0.25mS/cmであった。また、当該シリカ微粒子の性状は、平均粒子径23nm、比表面積230m2/g、細孔容積0.22mL/gであり、二次粒子を形成しないコロイダルシリカと同等程度に細孔容積が小さいものであった。
シリカ微粒子分散液A〜Eに対し、各水溶性塩を添加後、各方法により濃縮を行い、濃縮シリカ分散液を得た。
(実施例1)
シリカ微粒子分散液A100部に対し、10%塩化ナトリウム水溶液0.8部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で限外濾過器(中空糸モジュール仕様、膜面積0.1m2、中空糸径1.4mm、分画分子量10000)により濃縮を行った。濃縮が進行すると共に、液の粘度が上昇し、中空糸を通過する液の流速が減少していく傾向があるため、液通過流速を一定にするようにろ過膜の入口圧力を徐々に上昇させていった。但し、限外ろ過膜の耐圧が0.3MPaであるため、最終的に限外ろ過膜の入口圧力が0.25MPaになる時点で濃縮操作を停止した。
当該限外ろ過濃縮で得られた濃縮シリカ分散液は、濃度22.3%、粘度103mPa・s、pH8.5、導電率1.24mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液A100部に対し、10%塩化ナトリウム水溶液0.8部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で限外濾過器(中空糸モジュール仕様、膜面積0.1m2、中空糸径1.4mm、分画分子量10000)により濃縮を行った。濃縮が進行すると共に、液の粘度が上昇し、中空糸を通過する液の流速が減少していく傾向があるため、液通過流速を一定にするようにろ過膜の入口圧力を徐々に上昇させていった。但し、限外ろ過膜の耐圧が0.3MPaであるため、最終的に限外ろ過膜の入口圧力が0.25MPaになる時点で濃縮操作を停止した。
当該限外ろ過濃縮で得られた濃縮シリカ分散液は、濃度22.3%、粘度103mPa・s、pH8.5、導電率1.24mS/cmであった。
(実施例2)
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部の代わりに、10%塩化アンモニウム水溶液0.8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度22.5%、粘度95mPa・s、pH8.5、導電率1.32mS/cmであった。
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部の代わりに、10%塩化アンモニウム水溶液0.8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度22.5%、粘度95mPa・s、pH8.5、導電率1.32mS/cmであった。
(実施例3)
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部の代わりに、10%テトラメチルアンモニウム塩化物水溶液0.8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度21.1%、粘度110mPa・s、pH8.5、導電率1.01mS/cmであった。
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部の代わりに、10%テトラメチルアンモニウム塩化物水溶液0.8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度21.1%、粘度110mPa・s、pH8.5、導電率1.01mS/cmであった。
(比較例1)
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度17.7%、粘度97mPa・s、pH8.6、導電率0.65mS/cmであった。
10%塩化ナトリウム水溶液0.8部を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Aに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度17.7%、粘度97mPa・s、pH8.6、導電率0.65mS/cmであった。
(実施例4)
シリカ微粒子分散液B100部に対し、10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Bに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度26.7%、粘度95mPa・s、pH8.6、導電率1.80mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液B100部に対し、10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Bに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度26.7%、粘度95mPa・s、pH8.6、導電率1.80mS/cmであった。
(比較例2)
10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Bに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度21.0%、粘度104mPa・s、pH8.7、導電率0.89mS/cmであった。
10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Bに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度21.0%、粘度104mPa・s、pH8.7、導電率0.89mS/cmであった。
(実施例5)
シリカ微粒子分散液C100部に対し、10%硫酸ナトリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.0%、粘度111mPa・s、pH8.8、導電率1.84mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液C100部に対し、10%硫酸ナトリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.0%、粘度111mPa・s、pH8.8、導電率1.84mS/cmであった。
(比較例3)
10%硫酸ナトリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度10.5%、粘度102mPa・s、pH8.9、導電率0.91mS/cmであった。
10%硫酸ナトリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度10.5%、粘度102mPa・s、pH8.9、導電率0.91mS/cmであった。
(実施例6)
シリカ微粒子分散液C100部に対し、10%硫酸ナトリウム水溶液0.1部を添加し、約10分間攪拌した後、エバポレータを用いて、蒸発温度35℃、加熱温度55℃で真空加熱蒸発を行った。目視で、液の粘度が充分に高いと認められる時点まで濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度15.6%、粘度412mPa・s、pH8.3、導電率1.77mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液C100部に対し、10%硫酸ナトリウム水溶液0.1部を添加し、約10分間攪拌した後、エバポレータを用いて、蒸発温度35℃、加熱温度55℃で真空加熱蒸発を行った。目視で、液の粘度が充分に高いと認められる時点まで濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度15.6%、粘度412mPa・s、pH8.3、導電率1.77mS/cmであった。
<比較例4>
10%硫酸ナトリウム水溶液0.1部を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして、エバポレータによりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.0%、粘度378mPa・s、pH8.4、導電率1.02mS/cmであった。
10%硫酸ナトリウム水溶液0.1部を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして、エバポレータによりシリカ微粒子分散液Cに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.0%、粘度378mPa・s、pH8.4、導電率1.02mS/cmであった。
(実施例7)
シリカ微粒子分散液D100部に対し、10%塩化ナトリウム水溶液0.1部を添加し、約10分間攪拌した後、エバポレータを用いて、蒸発温度35℃、加熱温度55℃で真空加熱蒸発を行った。目視で、液の粘度が充分に高いと認められる時点まで濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.6%、粘度298mPa・s、pH4.0、導電率1.21mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液D100部に対し、10%塩化ナトリウム水溶液0.1部を添加し、約10分間攪拌した後、エバポレータを用いて、蒸発温度35℃、加熱温度55℃で真空加熱蒸発を行った。目視で、液の粘度が充分に高いと認められる時点まで濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度13.6%、粘度298mPa・s、pH4.0、導電率1.21mS/cmであった。
(比較例5)
10%塩化ナトリウム水溶液0.1部を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様にして、エバポレータによりシリカ微粒子分散液Dに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度9.9%、粘度336mPa・s、pH4.1、導電率0.03mS/cmであった。
10%塩化ナトリウム水溶液0.1部を添加しなかったこと以外は、実施例7と同様にして、エバポレータによりシリカ微粒子分散液Dに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度9.9%、粘度336mPa・s、pH4.1、導電率0.03mS/cmであった。
(比較例6)
シリカ微粒子分散液E100部に対し、10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Eに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度43.0%、粘度120mPa・s、pH8.3、導電率2.02mS/cmであった。
シリカ微粒子分散液E100部に対し、10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加し、約10分間攪拌した後、液温50℃で、実施例1と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Eに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度43.0%、粘度120mPa・s、pH8.3、導電率2.02mS/cmであった。
(比較例7)
10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、比較例6と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Eに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度37.9%、粘度105mPa・s、pH8.5、導電率1.40mS/cmであった。
10%塩化カリウム水溶液1.0部を添加しなかったこと以外は、比較例6と同様にして、限外ろ過器によりシリカ微粒子分散液Eに対して濃縮を行った。
得られた濃縮シリカ分散液は、濃度37.9%、粘度105mPa・s、pH8.5、導電率1.40mS/cmであった。
<インクジェット記録シートの作製>
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた濃縮シリカ分散液と、けん化度が98.5%、重合度が4000であるポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:PVA−140H〕の8%水溶液とを、シリカ固形分/ポリビニルアルコール固形分=100/20となるように混合したインクジェット記録シート用塗布液を調製した。
この塗布液を透明PET支持体(厚さ100μm)上に、乾燥質量で、塗布量が12g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布した。
この塗布膜を120℃で乾燥し、多孔質インク受容層を設けたインクジェット記録シートを作製した。
このとき、乾燥開始から塗布膜が乾燥したと目視で認められる時点までの乾燥時間を計測した。
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた濃縮シリカ分散液と、けん化度が98.5%、重合度が4000であるポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:PVA−140H〕の8%水溶液とを、シリカ固形分/ポリビニルアルコール固形分=100/20となるように混合したインクジェット記録シート用塗布液を調製した。
この塗布液を透明PET支持体(厚さ100μm)上に、乾燥質量で、塗布量が12g/m2になるようにメイヤーバーを用いて塗布した。
この塗布膜を120℃で乾燥し、多孔質インク受容層を設けたインクジェット記録シートを作製した。
このとき、乾燥開始から塗布膜が乾燥したと目視で認められる時点までの乾燥時間を計測した。
<インクジェット記録シートの評価>
〔塗布膜のひび割れ〕
得られたインクジェット記録シートの塗布膜面について、乾燥後のひび割れ状態を目視観察により評価した。
(評価基準)
◎:全くひび割れがみられない
○:若干ひび割れがみられるが、問題ないレベルである
△:ひび割れがみられ、使用状況によっては実用上問題あり
×:ひび割れが多数あり
××:ひび割れがひどく、塗布膜がはがれる
〔塗布膜のひび割れ〕
得られたインクジェット記録シートの塗布膜面について、乾燥後のひび割れ状態を目視観察により評価した。
(評価基準)
◎:全くひび割れがみられない
○:若干ひび割れがみられるが、問題ないレベルである
△:ひび割れがみられ、使用状況によっては実用上問題あり
×:ひび割れが多数あり
××:ひび割れがひどく、塗布膜がはがれる
〔塗布膜のインク吸収性の評価〕
得られたインクジェット記録シートについて、エプソンインクジェットプリンタPM−980Cを用い、ISO−400画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:ポートレート、財団法人日本規格協会発行)を印刷した。
得られたISO−400画像を目視観察し、インク吸収性を評価した。
(評価基準)
◎:インク溢れによる画像のつぶれが全くみられない
○:若干インク溢れによる画像のつぶれがみられるが、実用上問題ないレベルである
△:インク溢れによる画像のつぶれがみられ、実用上問題あり
×:インク溢れが著しい
××:まったくインクを吸収していない
得られたインクジェット記録シートについて、エプソンインクジェットプリンタPM−980Cを用い、ISO−400画像(「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:ポートレート、財団法人日本規格協会発行)を印刷した。
得られたISO−400画像を目視観察し、インク吸収性を評価した。
(評価基準)
◎:インク溢れによる画像のつぶれが全くみられない
○:若干インク溢れによる画像のつぶれがみられるが、実用上問題ないレベルである
△:インク溢れによる画像のつぶれがみられ、実用上問題あり
×:インク溢れが著しい
××:まったくインクを吸収していない
表1、2から明らかなように、実施例1〜7に使用した細孔容積が0.4〜2.0mL/gの範囲にあるシリカ微粒子分散液の場合、同じシリカ微粒子分散液であれば、水溶性塩を添加した場合が、添加しない場合より濃縮濃度が高く、また、インクジェット記録シートを製造する際の乾燥時間が少なく生産性が高い。さらには、塗布膜のひび割れやインク吸収性も改善されることがわかる。
一方、細孔容積0.22mL/gの比較例6、7に使用したシリカについては、濃縮濃度が高まる効果はあるものの、塩が添加されてもインク吸収性が改善しないことが分かる。
したがって、本発明によれば、インクジェット記録シート用塗布液の濃度をできるだけ高いものとして、生産性を高める効果と、インク吸収性及びひび割れ防止性を高める効果とが、共に得られることがわかった。
一方、細孔容積0.22mL/gの比較例6、7に使用したシリカについては、濃縮濃度が高まる効果はあるものの、塩が添加されてもインク吸収性が改善しないことが分かる。
したがって、本発明によれば、インクジェット記録シート用塗布液の濃度をできるだけ高いものとして、生産性を高める効果と、インク吸収性及びひび割れ防止性を高める効果とが、共に得られることがわかった。
Claims (7)
- シリカ微粒子を含有するシリカ分散液の濃縮方法であって、前記シリカ微粒子は、平均二次粒子径が1μm以下、細孔容積が0.4〜2.0ml/g、かつ比表面積が100m2/g以上300m2/g未満であり、予め水溶性塩を添加した後に濃縮することを特徴とするインクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法。
- 前記シリカ微粒子が、活性珪酸の縮合により製造されたものである請求項1に記載のシリカ分散液の濃縮方法。
- 前記シリカ微粒子が、活性ケイ酸水溶液を熱水に少量ずつ添加する方法又はそのまま加熱する方法により、シリカ微粒子分散液を調製し、この分散液が沈殿を生じる前又はゲル化する前に、アルカリの添加によりシリカ微粒子を安定化し、次いで該安定状態下、活性ケイ酸水溶液を少量ずつ添加する方法により、シリカ微粒子を成長させて得られたものである請求項2に記載のシリカ分散液の濃縮方法。
- 前記水溶性塩を添加後のシリカ分散液の導電率が、1.0mS/cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ分散液の濃縮方法。
- 前記水溶性塩が、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩から選択される1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ分散液の濃縮方法。
- 請求項1〜5のいずれかの方法により製造されたシリカ分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液。
- 請求項6に記載のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004355697A JP2006159689A (ja) | 2004-12-08 | 2004-12-08 | インクジェット記録シート用シリカ分散液の濃縮方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011068069A1 (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 理想科学工業株式会社 | 油性インクを用いた印刷方法および油性インク用記録用紙 |
-
2004
- 2004-12-08 JP JP2004355697A patent/JP2006159689A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2011068069A1 (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-09 | 理想科学工業株式会社 | 油性インクを用いた印刷方法および油性インク用記録用紙 |
CN102639330A (zh) * | 2009-12-04 | 2012-08-15 | 理想科学工业株式会社 | 使用油性墨的印刷方法和油性墨用记录用纸 |
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