JP2007063087A - シリカ微粒子分散液の製造方法、シリカ微粒子分散液、及びインクジェット記録シート - Google Patents
シリカ微粒子分散液の製造方法、シリカ微粒子分散液、及びインクジェット記録シート Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 二次粒子径が小さく透明度の高いシリカ微粒子分散液を効率良く生産することができるシリカ微粒子分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】 反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程と、 前記反応釜中のシード液にアルカリを添加する凝集停止工程と、前記反応釜中のシード液に活性珪酸を添加する成長工程とを有し、前記反応釜内の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、前記循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数を500000以下としている。
【選択図】 図1
【解決手段】 反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程と、 前記反応釜中のシード液にアルカリを添加する凝集停止工程と、前記反応釜中のシード液に活性珪酸を添加する成長工程とを有し、前記反応釜内の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、前記循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数を500000以下としている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、シリカ微粒子がコロイド状に分散した分散液の製造方法に関し、さらに詳しくは、シリカの一次粒子が凝集して形成された二次粒子がコロイド状に分散しており、乾燥すると多孔質でかつ透明度の高い塗膜を形成できるシリカ微粒子分散液の製造方法、それによって得られるシリカ微粒子分散液、及び該シリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートに関する。
インクジェットプリンタによる記録方式は、騒音が少ないこと、多色印刷が容易であること、高速記録が可能であること、他の記録方式のプリンタに比べて小型で安価であること等の理由により、多方面で広く利用されている。また、近年、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等の普及により、カラー像の印刷が一般化している。このようなフルカラー化や高解像度化技術の発達により、インクジェット記録シートにも高いインク吸収性と光沢度が求められるようになってきている。
インク吸収性を高める方法としては、従来、顔料系のインク受容層を設けたインクジェット記録シートが提案されている。顔料にはシリカ等が用いられ、一次粒子が凝集した二次粒子を形成しているものが好ましく用いられている。この一次粒子どうし及び二次粒子どうしの空隙の作用により、インク吸収性は良好となる。
また、記録シート表面に高い光沢性を持たせるために、顔料の粒子径が小さいものを選択することが行われている。
すなわち、インク吸収性と光沢度を両立させる技術として、粒子径が小さく多孔質の二次粒子であるシリカ顔料を含む受容層を設けた記録シートが、これまでに数多く提案されている。
また、記録シート表面に高い光沢性を持たせるために、顔料の粒子径が小さいものを選択することが行われている。
すなわち、インク吸収性と光沢度を両立させる技術として、粒子径が小さく多孔質の二次粒子であるシリカ顔料を含む受容層を設けた記録シートが、これまでに数多く提案されている。
本発明者は、このような受容層を形成するために、以前、シリカの一次粒子が凝集して形成された微細な二次粒子として水中にコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液について提案した。この分散液は、シリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液(種液)とし、このシード液に含まれるシリカ微粒子を成長させる方法により得られるものである(特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているようなシリカ微粒子分散液を製造する場合、反応釜中の珪酸水溶液を加熱するために、反応釜のジャケットをスチーム等によって加熱していた。
特開2001−354408号公報
しかしながら、上述の成長工程における反応釜の加熱方法では、反応釜内のジャケット内壁にシリカが付着してしまうため、連続運転ができないという問題があった。
このような問題を解決するため、本発明者らは、反応釜に両端が接続された循環路に反応釜内の液体を循環させて、循環路中に備えた熱交換器によって液体を加熱して反応を行う方法を検討した。この方法では、液体の加熱を反応釜の外部で行うことにより、反応釜のジャケット内壁へのシリカの付着を防止することができる。
このような問題を解決するため、本発明者らは、反応釜に両端が接続された循環路に反応釜内の液体を循環させて、循環路中に備えた熱交換器によって液体を加熱して反応を行う方法を検討した。この方法では、液体の加熱を反応釜の外部で行うことにより、反応釜のジャケット内壁へのシリカの付着を防止することができる。
ところが、上述の循環路に備えた熱交換器で液体を加熱する方法では、二次粒子径が粗大となったシリカが混入してしまうという問題が生じることが明らかとなった。
このような、二次粒子径が粗大となったシリカ微粒子が少量でも混入した分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液を支持体上に塗工してインクジェット記録用シートとした場合には、塗工面に微細な斑点が発生してしまうことがある(図3参照)。このようなインクジェット記録シートに印刷を行った場合、印刷品質が極めて低いものとなってしまう虞があった。
このような、二次粒子径が粗大となったシリカ微粒子が少量でも混入した分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液を支持体上に塗工してインクジェット記録用シートとした場合には、塗工面に微細な斑点が発生してしまうことがある(図3参照)。このようなインクジェット記録シートに印刷を行った場合、印刷品質が極めて低いものとなってしまう虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、二次粒子径が小さく粗大粒子の混入が無いシリカ微粒子分散液を効率良く生産することができるシリカ微粒子分散液の製造方法、それによって得られるシリカ微粒子分散液、及び該分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液が塗布されてなるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
本発明者は、検討を重ねた結果、液体を循環させた際に生じる機械的シェアによって、シリカの凝集が発生しやすくなっていることが推測された。そして、反応釜に両端が接続された循環路を液体が循環する際の最大レイノルズ数を500000以下とすることにより、これらの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は下記態様を含む。
[1] 反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程と、前記反応釜中のシード液にアルカリを添加する凝集停止工程と、前記反応釜中のシード液に活性珪酸を添加する成長工程とを有し、前記反応釜中の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、前記循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数が500000以下であることを特徴とするシリカ微粒子分散液の製造方法。
[2] 前記シード液生成工程が、前記反応釜中の熱水に活性珪酸を添加する方法であることを特徴とする[1]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[3] 前記シード液が、窒素吸着法による比表面積が300m2/g〜1000m2/g、動的光散乱法を用いたレーザー粒度計による平均二次粒子径が10nm〜600nm、かつ細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液であることを特徴とする[1]または[2]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[4] 前記循環路を循環する前記液体の最大流速が2.0m/s以下であることを特徴とする[1]〜[3]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[5] 前記液体の循環量が、前記反応釜中に収容された液体1L当たりで、0.1〜1.0L/minの範囲内であることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[6] [1]〜[5]の何れかの方法によって製造された、シリカ微粒子分散液。
[7] [6]のシリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液が、支持体上に塗布されてなるインクジェット記録シート。
本発明は下記態様を含む。
[1] 反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程と、前記反応釜中のシード液にアルカリを添加する凝集停止工程と、前記反応釜中のシード液に活性珪酸を添加する成長工程とを有し、前記反応釜中の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、前記循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数が500000以下であることを特徴とするシリカ微粒子分散液の製造方法。
[2] 前記シード液生成工程が、前記反応釜中の熱水に活性珪酸を添加する方法であることを特徴とする[1]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[3] 前記シード液が、窒素吸着法による比表面積が300m2/g〜1000m2/g、動的光散乱法を用いたレーザー粒度計による平均二次粒子径が10nm〜600nm、かつ細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液であることを特徴とする[1]または[2]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[4] 前記循環路を循環する前記液体の最大流速が2.0m/s以下であることを特徴とする[1]〜[3]のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[5] 前記液体の循環量が、前記反応釜中に収容された液体1L当たりで、0.1〜1.0L/minの範囲内であることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
[6] [1]〜[5]の何れかの方法によって製造された、シリカ微粒子分散液。
[7] [6]のシリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液が、支持体上に塗布されてなるインクジェット記録シート。
本発明のシリカ微粒子分散液の製造方法によれば、上述の構成により、反応釜内部へのシリカの付着が生じることが無い。また、二次粒子径が粗大化したシリカの混入を防止できる。
従って、二次粒子径が小さく透明性の高いシリカ微粒子分散液を、効率良く製造することができる。
また、本発明のシリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液を支持体に塗布したインクジェット記録シートによれば、塗工面が美麗となり、印刷品質を向上することができる。
従って、二次粒子径が小さく透明性の高いシリカ微粒子分散液を、効率良く製造することができる。
また、本発明のシリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液を支持体に塗布したインクジェット記録シートによれば、塗工面が美麗となり、印刷品質を向上することができる。
以下に、本発明のシリカ微粒子分散液の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本発明のシリカ微粒子分散液の製造方法は、図1に示す工程図のように、反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程(図1(a))と、反応釜中のシード液にアルカリを滴下する凝集停止工程(図1(b))と、反応釜中のシード液に活性珪酸を滴下する成長工程(図1(c))とを有し、反応釜に収容された各工程の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数を500000以下としている。
また、図1(a)に示すシード液生成工程は、反応釜中の熱水に活性珪酸を少量ずつ添加して加熱する方法とすることができる。
また、図1(b)の凝縮停止工程は、図1(c)の成長工程と平行して行うこともできる。
また、図1(a)に示すシード液生成工程は、反応釜中の熱水に活性珪酸を少量ずつ添加して加熱する方法とすることができる。
また、図1(b)の凝縮停止工程は、図1(c)の成長工程と平行して行うこともできる。
本発明のシリカ微粒子分散液の製造方法は、例えば、図2に示すシリカ微粒子分散液製造装置(以下、製造装置と略称することがある)1のような、液体が収容される反応釜2と、該反応釜中に液体となる水を供給する水供給手段3と、前記反応釜に収容された液体に対して活性珪酸水溶液を添加する活性珪酸供給手段4と、前記反応釜に収容された液体にアルカリを添加するアルカリ供給手段5と、前記反応釜に両端が接続された循環路6と、該循環路6中に接続された熱交換器7と、前記循環路6中に接続された循環ポンプ8とを備えた製造装置を用いて行うことができる。
製造装置1において、循環路6の一端部61は、反応釜2に設けられた送出孔23に接続されており、他端部62は、反応釜2の開口部21から、反応釜2内に収容された液体の液面から入り込むような位置に配されている。
なお、循環路6における熱交換器7及び循環ポンプ8の接続位置は任意である。
製造装置1において、循環路6の一端部61は、反応釜2に設けられた送出孔23に接続されており、他端部62は、反応釜2の開口部21から、反応釜2内に収容された液体の液面から入り込むような位置に配されている。
なお、循環路6における熱交換器7及び循環ポンプ8の接続位置は任意である。
図2に示す製造装置1を用いて製造する場合、各々の工程で、反応釜2中に存在する液体を、循環ポンプ8を用いて一端部61側から導入し、熱交換器7を通過させた後、他端部62から排出させ、循環加熱することができる。
<製造方法>
以下、シリカ微粒子分散液の製造方法の各工程について、図1及び図2を用いて詳しく説明する。
以下、シリカ微粒子分散液の製造方法の各工程について、図1及び図2を用いて詳しく説明する。
[シード液生成工程]
まず、図1(a)のシード液生成工程では、反応釜2中に活性珪酸水溶液を供給して加熱することによりシード粒子を生成し、シード粒子凝集体の分散液としてシード液を得る(図2参照)。
シード液生成工程では、反応釜2中の液体(活性珪酸水溶液)を、循環加熱により一定温度に加温した状態で、一定時間反応させてシード粒子の生成、凝集を行う(図2参照)。
まず、図1(a)のシード液生成工程では、反応釜2中に活性珪酸水溶液を供給して加熱することによりシード粒子を生成し、シード粒子凝集体の分散液としてシード液を得る(図2参照)。
シード液生成工程では、反応釜2中の液体(活性珪酸水溶液)を、循環加熱により一定温度に加温した状態で、一定時間反応させてシード粒子の生成、凝集を行う(図2参照)。
本発明のシード液生成工程によって得られるシード液は、シード粒子が凝集した多孔質なシード粒子凝集体がコロイド状に分散した分散液である。シード粒子凝集体は、窒素吸着法による比表面積が300m2/g〜1000m2/gで、細孔容積が0.4mL/g〜2.0mL/g、好ましくは0.5mL/g〜2.0mL/gであることが好ましい。
シード粒子凝集体の平均二次粒子径は特に限定されないが、好ましくは5nm〜2000nmであり、さらに好ましくは10nm〜600nmである。シード粒子の平均二次粒子径が300nm以上であっても、成長工程で添加されるアルカリや撹拌による機械的力によって二次粒子径が小さくなることがあり、必ずしもシード粒子凝集体の平均二次粒子径を300nm以下にする必要はない。
なお、本発明において、平均二次粒子径とは、動的光散乱法により測定され、キュムラント法を用いた解析から算出される値である。このとき、シリカ微粒子が分散した分散液を充分に水中で希釈した状態で測定される。
なお、本発明において、平均二次粒子径とは、動的光散乱法により測定され、キュムラント法を用いた解析から算出される値である。このとき、シリカ微粒子が分散した分散液を充分に水中で希釈した状態で測定される。
また、シード粒子凝集体の濃度は、シリカ換算濃度で0.05〜10.0質量%であることが望ましい。シード粒子凝集体のシリカ換算濃度が0.05質量%未満であると、後のシード粒子凝集体を成長させる過程で新たなシード粒子が発生することがあり、得られる粒子の粒径分布がブロードになるため好ましくない。一方、シード粒子凝集体のシリカ換算濃度が10質量%を超えると粒子の過度の凝集が進むことがあり、場合によってはゲル化に至る虞がある。
シード液生成工程で用いる活性珪酸水溶液としては、例えば、アルカリ金属珪酸塩水溶液を水素型陽イオン交換樹脂でイオン交換処理して得られるpH4以下の珪酸水溶液を用いることができる。活性珪酸水溶液は、SiO2濃度が1〜6質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜5質量%で、且つpH2〜4であることが好ましい。アルカリ金属珪酸塩としては、市販工業製品として入手できるものでよく、SiO2/M2O(但し、Mはアルカリ金属原子を表す)モル比として2〜4程度のナトリウム水ガラスを用いるのが好ましい。
活性珪酸水溶液のSiO2濃度は、上述したように1〜6質量%の範囲内であることが好ましい。SiO2濃度が6質量%を越えると、イオン交換樹脂カラム塔内での水溶液の増粘が著しくなり、処理が困難になる。一方、SiO2濃度が1質量%未満の場合には、液体中の水分量が増大して生産効率が低下する。
シード液生成工程は、第1の方法として、反応釜2内に活性珪酸供給手段4によって珪酸水溶液を供給し、これを循環路6に循環させることによって加熱し、シード液を生成する方法がある。
また、シード液生成工程は、第2の方法として、まず、反応釜2中に水供給手段3によって水を供給し、これを循環路6に循環させることによって加熱し、熱水を得た後、反応釜2中の熱水に、活性珪酸供給手段4によって活性珪酸水溶液を添加することによってシード液を生成する方法がある。この方法は、シリカの平均二次粒子径を所望の大きさに制御することが容易であり、また粒度分布が狭いという特徴もある。
また、シード液生成工程は、第2の方法として、まず、反応釜2中に水供給手段3によって水を供給し、これを循環路6に循環させることによって加熱し、熱水を得た後、反応釜2中の熱水に、活性珪酸供給手段4によって活性珪酸水溶液を添加することによってシード液を生成する方法がある。この方法は、シリカの平均二次粒子径を所望の大きさに制御することが容易であり、また粒度分布が狭いという特徴もある。
上述の第1の方法のように、活性珪酸水溶液をそのまま反応釜2に供給して加熱する方法を用いてシード液を生成する場合には、一定温度に加熱しつつ一定時間反応させる。加熱温度は40℃以上とすることが好ましく、また、70〜95℃とすることがより好ましく、86〜93℃とすることが特に好ましい。
加熱温度が40℃未満だと、珪酸の縮合速度が遅く、シード液の製造効率を低下させ、また、加熱温度が95℃を超えると、突沸によって反応釜2内の圧力が急上昇する虞がある。
加熱反応時間は、0.5〜4時間とすることが好ましく、1〜3時間とすることがより好ましく、1.1〜2時間とすることが特に好ましい。
加熱時間が0.5時間以下だと、珪酸の縮合が不充分となる虞があり、また、4時間を超えると生産性が低下する。
加熱温度が40℃未満だと、珪酸の縮合速度が遅く、シード液の製造効率を低下させ、また、加熱温度が95℃を超えると、突沸によって反応釜2内の圧力が急上昇する虞がある。
加熱反応時間は、0.5〜4時間とすることが好ましく、1〜3時間とすることがより好ましく、1.1〜2時間とすることが特に好ましい。
加熱時間が0.5時間以下だと、珪酸の縮合が不充分となる虞があり、また、4時間を超えると生産性が低下する。
第1の方法におけるシード粒子の凝集の進行は、活性珪酸水溶液中のSiO2換算濃度、及び加熱時間に大きく依存する。つまり、活性珪酸水溶液の濃度を高くし、加熱時間を長くするほど、シード粒子の凝集を進行させることができる。
なお、シード粒子の凝集が進行するほど、シード液として使用した際に同一条件で成長させた場合、平均二次粒子径が大粒径となり、細孔容積が増大する。また、シード粒子の凝集が過度に進行した場合には溶液のゲル化を招き、後述の凝縮停止工程においてアルカリを添加してもコロイドとして安定化させることができず、シード液として不適となる。このため、これらの点を考慮しながら、SiO2濃度及び加熱時間を最適値に設定することが好ましい。
活性珪酸水溶液中のSiO2濃度は、1〜6質量%が好ましく、3〜5質量%がより好ましい。
なお、シード粒子の凝集が進行するほど、シード液として使用した際に同一条件で成長させた場合、平均二次粒子径が大粒径となり、細孔容積が増大する。また、シード粒子の凝集が過度に進行した場合には溶液のゲル化を招き、後述の凝縮停止工程においてアルカリを添加してもコロイドとして安定化させることができず、シード液として不適となる。このため、これらの点を考慮しながら、SiO2濃度及び加熱時間を最適値に設定することが好ましい。
活性珪酸水溶液中のSiO2濃度は、1〜6質量%が好ましく、3〜5質量%がより好ましい。
また、上述の第2の方法のように、熱水に対して活性珪酸水溶液を添加する方法を用いてシード液を生成する場合には、活性珪酸が添加される熱水の温度を50℃以上としておくことが好ましく、70℃以上とすることがより好ましい。熱水の温度が50℃未満だと、珪酸の縮合速度が遅く、シード液の生成効率が低下する。
また、反応釜2に供給して用いる水のpHは8以下であることが好ましく、3以上7以下の範囲であることがより好ましい。pHが8を越えると、珪酸の縮合によって生じるシード粒子の凝集が十分に進行せず、シード液として使用した場合に十分な細孔容積をもったシリカ微粒子が得られない。また、添加される活性珪酸が新たなシード粒子を生成することなく既存のシード粒子の成長に供される頻度が高まり、シード液の生成効率が低下する。pHが3未満だと、珪酸の縮合速度が遅くなり、シード粒子の生成効率が低下する。
また、活性珪酸の添加は1度に行わず、反応時間中、少量ずつ滴下することが好ましい。
加熱反応時間は、0.5時間以上が好ましく、1〜3時間とすることがより好ましく、1.1〜2時間とすることが、効率良く反応を行う点で特に好ましい。
また、反応釜2に供給して用いる水のpHは8以下であることが好ましく、3以上7以下の範囲であることがより好ましい。pHが8を越えると、珪酸の縮合によって生じるシード粒子の凝集が十分に進行せず、シード液として使用した場合に十分な細孔容積をもったシリカ微粒子が得られない。また、添加される活性珪酸が新たなシード粒子を生成することなく既存のシード粒子の成長に供される頻度が高まり、シード液の生成効率が低下する。pHが3未満だと、珪酸の縮合速度が遅くなり、シード粒子の生成効率が低下する。
また、活性珪酸の添加は1度に行わず、反応時間中、少量ずつ滴下することが好ましい。
加熱反応時間は、0.5時間以上が好ましく、1〜3時間とすることがより好ましく、1.1〜2時間とすることが、効率良く反応を行う点で特に好ましい。
また、第2の方法におけるシード粒子の凝集の進行も、第1の方法と同様、溶液中のSiO2固形分濃度、及び加熱時間に大きく依存する。つまり、熱水中に添加する活性珪酸量を増加させ、シリカの等電点(約pH2.2)に向けて溶液のpHを減少させてゆくのに従い、また、活性珪酸水溶液の添加開始時間からの加熱時間を長くするのに従い、シード粒子の凝集が進行するようになる。
また、シード粒子の凝集が進行するほど、後述の成長工程において成長させた場合に平均二次粒子径が大粒径となり、細孔容積が増大する。また、シード粒子の凝集が過度に進行した場合には、溶液のゲル化やシード粒子凝集体の沈殿を招き、後述の凝集停止工程においてアルカリを添加してもコロイドとして安定化させることができず、シード液として不適となる。従って、活性珪酸水溶液と水との仕込比や、活性珪酸水溶液の熱水への添加速度は、これらの傾向を踏まえた上で最適値に設定することが好ましい。
また、シード粒子の凝集が進行するほど、後述の成長工程において成長させた場合に平均二次粒子径が大粒径となり、細孔容積が増大する。また、シード粒子の凝集が過度に進行した場合には、溶液のゲル化やシード粒子凝集体の沈殿を招き、後述の凝集停止工程においてアルカリを添加してもコロイドとして安定化させることができず、シード液として不適となる。従って、活性珪酸水溶液と水との仕込比や、活性珪酸水溶液の熱水への添加速度は、これらの傾向を踏まえた上で最適値に設定することが好ましい。
シード液生成工程では、シード粒子の凝集の進行が反応時間に対して直線的ではなく、指数級数的に進行する傾向があり、短時間のうちにシード粒子の凝集が過度に進行し、溶液のゲル化又は沈殿を生じることがある。この現象は、ゲル化防止剤を添加しておくことによって軽減できる。ゲル化防止剤としては、水溶性有機溶媒が知られているが、アルコールが最も使いやすく好ましい。アルコールの種類としては、水溶性が高いものであれば使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが使用可能であるが、低沸点であってシリカ微粒子分散液からの除去が容易であり、かつ低価格であるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールを用いることが好ましい。
アルコールの添加方法としては、上述した2つのシード液生成方法の内、反応釜2に供給された水を加熱して活性珪酸水溶液を少量ずつ滴下する第2の方法においては、熱水中に予め加えておいても良いし、後述するシード液の成長工程に移行する前に添加しても良いが、細孔容積の大きなシリカ微粒子分散液を製造するためには、シード粒子の凝集を進めることが必要であるので、成長工程に移行する直前に添加するのが好ましい。また、活性珪酸水溶液をそのまま反応釜2に供給して加熱する第1の方法でも同様であり、活性珪酸中に予め加えておいても良いし、後述する成長工程に移行する前に添加しても良いが、細孔容積の大きなシリカ微粒子分散液を製造するためには、成長工程に移行する直前に添加するのが好ましい。
また、アルコールの添加率は、溶液中のシリカ固形分に対して10〜300質量部であることが望ましい。
また、アルコールの添加率は、溶液中のシリカ固形分に対して10〜300質量部であることが望ましい。
シード液生成工程においては、アルキルアンモニウム塩を添加しておくことが好ましい。これによってシード粒子の凝集が促進され、シード液の製造時間が短縮されるという利点があり、また、微粒子分散液の安定性が高くなる効果も得られる。
アルキルアンモニウム塩を添加しない場合には、最終的に得られるシリカ微粒子分散液の濃度が高くなるに従って粘度が急激に上昇し、短時間のうちにゲル化するという問題がある。しかしながら、アルキルアンモニウム塩を添加してシリカ微粒子分散液を作製することにより、上述のような現象を大幅に軽減することができる。
アルキルアンモニウム塩を添加しない場合には、最終的に得られるシリカ微粒子分散液の濃度が高くなるに従って粘度が急激に上昇し、短時間のうちにゲル化するという問題がある。しかしながら、アルキルアンモニウム塩を添加してシリカ微粒子分散液を作製することにより、上述のような現象を大幅に軽減することができる。
添加するアルキルアンモニウム塩としては特に限定されないが、例えば、メチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、ラウリルアンモニウム塩、ステアリルアンモニウム塩等のモノアルキルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩等のジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等のトリアルキルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、等のテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。これらのアルキルアンモニウム塩の内、テトラアルキルアンモニウム塩は上述の効果が高いことから好ましく、特にテトラメチルアンモニウム塩が好ましい。テトラメチルアンモニウム塩を使用した場合には、微量の添加でシード粒子の凝集促進効果が得られる他、最終的に製造されるシリカ微粒子分散液の安定性を高める効果も得られる。
アルキルアンモニウム塩の添加量としては、シード液の生成時に使用する活性珪酸水溶液中に含まれるSiO2換算質量に対して、0.05〜1%の量を添加することが好ましい。
また、アルキルアンモニウム塩の添加方法としては、上述の第1の方法においては、熱水中にあらかじめ添加しておく方法、第2の方法においては、活性珪酸水溶液中にあらかじめ添加しておく方法が好ましい。
また、アルキルアンモニウム塩の添加方法としては、上述の第1の方法においては、熱水中にあらかじめ添加しておく方法、第2の方法においては、活性珪酸水溶液中にあらかじめ添加しておく方法が好ましい。
[凝集停止工程]
図1(b)の凝集停止工程では、反応釜中のシード液にアルカリを必要量添加しながら、シード液を循環加熱させることにより、シード液中のシード粒子凝集体同士のさらなる凝集を停止させる。凝集停止工程で添加するアルカリは、シード液に対して添加する活性珪酸の縮合触媒としても作用する。
この凝集停止工程においては、シード液の温度を40℃以上、より好ましくは70〜95℃の範囲となるよう加温することが好ましい。シード液の温度を上述の範囲とすることにより、シード粒子の凝集停止を効率良く行うことができる。
図1(b)の凝集停止工程では、反応釜中のシード液にアルカリを必要量添加しながら、シード液を循環加熱させることにより、シード液中のシード粒子凝集体同士のさらなる凝集を停止させる。凝集停止工程で添加するアルカリは、シード液に対して添加する活性珪酸の縮合触媒としても作用する。
この凝集停止工程においては、シード液の温度を40℃以上、より好ましくは70〜95℃の範囲となるよう加温することが好ましい。シード液の温度を上述の範囲とすることにより、シード粒子の凝集停止を効率良く行うことができる。
本発明において、シード液の凝集停止用に用いるアルカリとしては、例えば、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属元素の水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、アミン類などの窒素化合物を挙げることができ、これらのアルカリを単独、又は混合して用いることができる。
これらのアルカリ類の内、溶液のpHのコントロールが容易であり、また、乾燥塗膜を作製する際に容易に揮散させることが可能であるという点から、アンモニア水を用いることが最も好ましい。また、アンモニア水を凝集停止に用いることにより、シリカとバインダーによる乾燥塗膜を作製した場合に、塗膜の透明度が良好となる。
これらのアルカリ類の内、溶液のpHのコントロールが容易であり、また、乾燥塗膜を作製する際に容易に揮散させることが可能であるという点から、アンモニア水を用いることが最も好ましい。また、アンモニア水を凝集停止に用いることにより、シリカとバインダーによる乾燥塗膜を作製した場合に、塗膜の透明度が良好となる。
アルカリの添加量については特に限定されないが、溶液のpHを6.5以上、より好ましくはpH8以上にするために必要なアルカリ量、より詳しくはシード粒子凝集体におけるシリカ成分(SiO2)1モルに対して1×10−3〜1.0モル、より好ましくは、0.01〜0.1モルのアルカリ量とすることが好ましい。また、アルカリ量を増加させるのに従い、即ち溶液のpH値が増大するのに従い、シリカのシード粒子の表面帯電量が増加して粒子間の反発力が増大するため、シード粒子の凝集状態の分散が進み、同一条件で成長させた場合に、シリカ微粒子の平均二次粒子径が小さくなり、粗大なシリカの混入を防ぐことができる。
アルカリの添加方法は、シード液生成工程終了後のシード液に対して一時に添加する方法、あるいは成長工程時においてシード液に対して添加してゆく活性珪酸と共に少量ずつ添加する方法、又は成長工程において活性珪酸に混合して少量ずつ添加する方法、あるいは、これらを併用した方法等を用いることができる。
活性珪酸にアルカリを混合してシード液に添加する場合には、活性珪酸水溶液のpHが7以上となる量のアルカリを混合することが望ましい。活性珪酸水溶液のpHが7未満となる場合、活性珪酸水溶液が短時間のうちにゲル化する虞がある。
活性珪酸にアルカリを混合してシード液に添加する場合には、活性珪酸水溶液のpHが7以上となる量のアルカリを混合することが望ましい。活性珪酸水溶液のpHが7未満となる場合、活性珪酸水溶液が短時間のうちにゲル化する虞がある。
[成長工程]
図1(c)の成長工程では、反応釜2中のシード液に活性珪酸水溶液を添加し、この液体を、シード液生成工程と同様に循環加熱して、シード粒子を成長させる。
この成長工程においては、シード液を一定温度に加熱しつつ一定時間反応させる。加熱温度は60℃以上とすることが好ましく、80〜95℃とすることがより好ましく、86〜93℃とすることが特に好ましい。
加熱温度が60℃未満だと、シード粒子の成長が遅く、シリカ微粒子の製造効率を低下させ、また、加熱温度が95℃を超えると、突沸によって反応釜2内の圧力が急上昇する虞がある。
加熱反応時間は、1〜8時間とすることが好ましく、2〜6時間とすることがより好ましく、3〜5時間とすることが特に好ましい。
加熱時間が1時間以下だと、シード粒子の成長が不充分となる虞があり、また、8時間を超えると生産性が低下する。
図1(c)の成長工程では、反応釜2中のシード液に活性珪酸水溶液を添加し、この液体を、シード液生成工程と同様に循環加熱して、シード粒子を成長させる。
この成長工程においては、シード液を一定温度に加熱しつつ一定時間反応させる。加熱温度は60℃以上とすることが好ましく、80〜95℃とすることがより好ましく、86〜93℃とすることが特に好ましい。
加熱温度が60℃未満だと、シード粒子の成長が遅く、シリカ微粒子の製造効率を低下させ、また、加熱温度が95℃を超えると、突沸によって反応釜2内の圧力が急上昇する虞がある。
加熱反応時間は、1〜8時間とすることが好ましく、2〜6時間とすることがより好ましく、3〜5時間とすることが特に好ましい。
加熱時間が1時間以下だと、シード粒子の成長が不充分となる虞があり、また、8時間を超えると生産性が低下する。
活性珪酸の添加方法は特に限定されないが、一定速度で連続添加を行うことが好ましい。
また、活性珪酸の添加中は、溶液のpH低下によるシリカ微粒子の凝集・沈殿を防止するため、必要量のアルカリを随時添加してもよい。
また、活性珪酸の添加中は、溶液のpH低下によるシリカ微粒子の凝集・沈殿を防止するため、必要量のアルカリを随時添加してもよい。
活性珪酸水溶液の、加熱されたシード液への添加速度は、新たなシード粒子を生成させる余剰の活性珪酸がシード液中に存在しないよう、シード液中のシード粒子凝集体に含まれるSiO21モル当たりSiO2に換算して、好ましくは0.001〜0.1モル/分、より好ましくは0.01〜0.05モル/分の速度で滴下する。この範囲を越える速度で活性珪酸を滴下すると、新たに単分散したシード粒子が生成し、粒径分布をブロードにする他、細孔容積を低下させる。
また、活性珪酸の添加量は、シード粒子凝集体の比表面積(一次粒子径)を考慮し、所望の比表面積まで一次粒径を成長させるために必要なSiO2相当分の活性珪酸水溶液を添加する。添加する活性珪酸水溶液は、シード液への添加前に縮合が進行しないように、60℃以下、好ましくは40℃以下の温度として添加することが望ましい。
成長工程を行うことで、シード粒子のそれぞれが凝集した状態で互いに成長させて一次粒子間を化学的に結合することができ、乾式法では得ることのできない非常に強固な一次粒子の凝集状態を形成することができる。
[レイノルズ数]
上記各工程において、循環路6内のレイノルズ数(Re)は500000以下である。このレイノルズ数(Re)は、循環路6内を循環する液体の流れの性質を示す無次元数であり、次式(1)で表される。
Re=ρvd/μ ・・・(1)
上記(1)式において、ρ:流体密度(g/cm3)、v:流速(cm/s)、d:配管径(cm)、μ:粘性係数(Ns/cm3)である。本発明では、反応釜2中で反応して循環路6を循環する液体、つまりシリカ微粒子分散液の流体密度ρが1.0g/cm3であり、粘性係数μが3.1×10−3Ns/cm3(89℃)である。これらの物性値とともに、循環路6をなす配管径(最小内径)d、及び、循環路6内を循環する液体の流速vを設定することにより、(1)式からレイノルズ数が求められる。
上記各工程において、循環路6内のレイノルズ数(Re)は500000以下である。このレイノルズ数(Re)は、循環路6内を循環する液体の流れの性質を示す無次元数であり、次式(1)で表される。
Re=ρvd/μ ・・・(1)
上記(1)式において、ρ:流体密度(g/cm3)、v:流速(cm/s)、d:配管径(cm)、μ:粘性係数(Ns/cm3)である。本発明では、反応釜2中で反応して循環路6を循環する液体、つまりシリカ微粒子分散液の流体密度ρが1.0g/cm3であり、粘性係数μが3.1×10−3Ns/cm3(89℃)である。これらの物性値とともに、循環路6をなす配管径(最小内径)d、及び、循環路6内を循環する液体の流速vを設定することにより、(1)式からレイノルズ数が求められる。
本発明のシリカ微粒子分散液の製造方法では、上述したように、反応釜2中の液体が循環路6内を循環する際のレイノルズ数を500000以下としている。
レイノルズ数を上述の範囲内とすることにより、粗大粒子の混入を防止できる。これは、液体に加わる機械的シェアを低減できるためと考えられる。
レイノルズ数を上述の範囲内とすることにより、粗大粒子の混入を防止できる。これは、液体に加わる機械的シェアを低減できるためと考えられる。
本発明では、循環路6内を循環する前記液体の最大流速を2.0m/s以下とすることが好ましい。
前記(1)式で表されるレイノルズ数は、液体の流体密度ρ、粘性係数μ、及び配管径dが一定であれば、流速vによって変動する。流速vの最大値を上記範囲とすることにより、レイノルズ数が高くなるのを容易に防ぐことができる。
前記(1)式で表されるレイノルズ数は、液体の流体密度ρ、粘性係数μ、及び配管径dが一定であれば、流速vによって変動する。流速vの最大値を上記範囲とすることにより、レイノルズ数が高くなるのを容易に防ぐことができる。
本発明では、前記液体の循環量を、反応釜2中に収容された液体1L当たりで、0.1〜1.0L/minの範囲内とすることが好ましい。
前記(1)式における液体の流速vは、配管径dが一定であれば、単位時間当たりの循環量によって変動する。液体の循環量を上記範囲内とすることにより、(1)式で求められるレイノルズ数が高くなるのを容易に防ぐことができる。
前記(1)式における液体の流速vは、配管径dが一定であれば、単位時間当たりの循環量によって変動する。液体の循環量を上記範囲内とすることにより、(1)式で求められるレイノルズ数が高くなるのを容易に防ぐことができる。
[循環ポンプ]
上記各工程において、循環路6に液体を循環させる循環ポンプ8として、容積式ポンプを用いることが好ましい。
容積式ポンプを用いることにより、循環路6内、及び反応釜2内において液体に加わる機械的シェアを低減することができる。
容積式ポンプとしては特に限定されないが、多回転子型ポンプ又はダイヤフラムポンプを用いることが好ましい。
上記各工程において、循環路6に液体を循環させる循環ポンプ8として、容積式ポンプを用いることが好ましい。
容積式ポンプを用いることにより、循環路6内、及び反応釜2内において液体に加わる機械的シェアを低減することができる。
容積式ポンプとしては特に限定されないが、多回転子型ポンプ又はダイヤフラムポンプを用いることが好ましい。
[後工程]
活性珪酸水溶液の添加終了後の液体は、そのまま冷却しても十分に安定であるが、珪酸の縮合を完結させるため、1〜24時間の範囲内の時間で、70℃以上の温度で更に加熱処理することが、シリカ微粒子の粒径分布がより狭くなる点で好ましい。
活性珪酸水溶液の添加終了後の液体は、そのまま冷却しても十分に安定であるが、珪酸の縮合を完結させるため、1〜24時間の範囲内の時間で、70℃以上の温度で更に加熱処理することが、シリカ微粒子の粒径分布がより狭くなる点で好ましい。
また、得られたシリカ微粒子の表面を、シランカップリング剤を用いて修飾しても良いし、ポリマー、金属酸化物、金属水酸化物、カチオン化剤、界面活性剤、アミンなどの各種化合物を用いてシリカ表面を修飾し、様々な機能性を与えることも可能である。
上述の各工程を備えたシリカ微粒子分散液の製造方法により、窒素吸着法による比表面積が150m2/g〜400m2/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液が得られる。
このようにして得られたシリカ微粒子分散液は、余剰の水分を除去してシリカ微粒子の濃縮を行なうことが好ましく、エバポレータや限外ろ過膜などを使用することができる。
このようにして得られたシリカ微粒子分散液は、余剰の水分を除去してシリカ微粒子の濃縮を行なうことが好ましく、エバポレータや限外ろ過膜などを使用することができる。
<インクジェット記録シート用塗布液>
本発明のシリカ微粒子分散液を含有してなるインクジェット記録シート用塗布液には、接着剤、インク定着剤など、一般にインク受容層用として用いられている従来公知の添加剤等、他の成分を含有させることができる。
塗布液に含有されるその他の微粒子としては特に限定されるものではなく、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの微粒子は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの微粒子は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のシリカ微粒子分散液を含有してなるインクジェット記録シート用塗布液には、接着剤、インク定着剤など、一般にインク受容層用として用いられている従来公知の添加剤等、他の成分を含有させることができる。
塗布液に含有されるその他の微粒子としては特に限定されるものではなく、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの微粒子は真球状でも不定形でもよく、無孔質でも多孔質でもよい。これらの微粒子は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
接着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が挙げられる。なかでも、特に、ポリビニルアルコール及びその誘導体が、シリカスラリー中で水溶性塩と軟凝集することにより、塗工工程における乾燥負荷が低減され、生産性が向上する耐ひび割れ性や高インク吸収性を発現するため、好ましく選ばれる。これらの接着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
定着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、カチオン性高分子、水溶性多価金属塩等が挙げられる。
カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、三元共重合物体等が挙げられ、共重合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
水溶性多価金属塩としては、例えば、アルミニウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、マグネシウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)、ジルコニウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩など)、亜鉛の水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)等の一般市販されるものが挙げられる。
これらのインク定着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
カチオン性高分子としては、例えば、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、ジアリルジメチルアンモニウム−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、三元共重合物体等が挙げられ、共重合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
水溶性多価金属塩としては、例えば、アルミニウムの水溶性塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩など)、マグネシウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)、ジルコニウムの水溶性塩(塩化物、硫酸塩など)、亜鉛の水溶性塩(塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、乳酸塩など)等の一般市販されるものが挙げられる。
これらのインク定着剤は、1種を用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
他の任意成分としては、一般の記録シート製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤の各種助剤等が適宜添加される。
<インクジェット記録シート>
本発明のインクジェット記録シートは、支持体上に、上述のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されたものである。なお、支持体の両面に同様の塗布液が塗布されても構わない。この場合、インクジェット記録用シートにおいて両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
また、前記塗布液からなるインク受容層は、複数の層から構成されていてもよい。支持体とインク受容層の間にアンダーコート層を設けてもよく、インク受容層上に、インク受容層の記録適性を損なわない範囲で、保存性を高めるためのオーバーコート層を形成してもよい。
本発明のインクジェット記録シートは、支持体上に、上述のインクジェット記録シート用塗布液が塗布されたものである。なお、支持体の両面に同様の塗布液が塗布されても構わない。この場合、インクジェット記録用シートにおいて両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。
また、前記塗布液からなるインク受容層は、複数の層から構成されていてもよい。支持体とインク受容層の間にアンダーコート層を設けてもよく、インク受容層上に、インク受容層の記録適性を損なわない範囲で、保存性を高めるためのオーバーコート層を形成してもよい。
支持体としては、通常のインクジェット記録用シートとして使用できる支持体であれば特に限定されるものではなく、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙などの紙類、樹脂フィルム、樹脂を一軸延伸処理または二軸延伸処理して紙状の層とし、紙等の基材層に対して一層以上積層させた一般に合成紙と呼ばれているもの、不織布等、あるいは樹脂フィルムをコート紙や上質紙等と接着剤を介して貼り合わせたもの、または紙に樹脂をラミネートしたもの等の樹脂被覆紙が使用される。
本発明の製造方法によって得られるシリカ微粒子分散液を含有する塗布液の塗工量は、特に限定されるものではないが、乾燥後の質量として2〜30g/m2とするのが好ましく、5〜20g/m2とするのがより好ましい。
塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性 が向上するようになる。塗工量を30g/m2以下とすることにより、塗膜強度や画像の鮮明性が維持される。
なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性 が向上するようになる。塗工量を30g/m2以下とすることにより、塗膜強度や画像の鮮明性が維持される。
なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
前記塗布液の塗工は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよい。
本発明のインクジェット記録シートは、前記塗布液をインク受容層に用いることにより、インク受容層の透明度が高いインクジェット記録シートを提供することができ、光沢性が高く高画質な画像を印刷できる記録シートを得ることが可能となる。
以下に、本発明の更に詳しい説明を実施例によって行うが、本発明は、これら実施例に限定されるものでは無い。また、特に断りの無い限り、「%」は質量%を意味する。
<各物性の測定方法>
実施例及び比較例に記載した各物性の測定方法について、以下に説明する。
実施例及び比較例に記載した各物性の測定方法について、以下に説明する。
[レイノルズ数]
各実施例及び比較例では、図2に示す製造装置1を用いて、シリカ微粒子分散液の製造を行った。
循環路6内のレイノルズ数(Re)は、循環路6をなす配管の内、循環ポンプ8の「吸引側」(図2の6A)及び「吐出側」(図2の6B)、熱交換器7入口及び出口の「ノズル」(図2の6C)、熱交換器7出口のノズルから反応釜2に向かう「戻り管」(図2の6D)の計4箇所について、(1)式によって求めた。
Re=ρvd/μ ・・・(1)
上記(1)式において、ρ:流体密度(g/cm3)、v:流速(cm/s)、d:配管径(cm)、μ:粘性係数(Ns/cm3)である。
上記の内、循環路を循環する液体、つまりシリカ微粒子分散液の流体密度ρを1.0g/cm3、粘性係数μを3.1×10−3Ns/cm3(89℃)とした(「化学機械の理論と計算」亀井三郎編:産業図書株式会社、P536)。
配管径dは、循環路6をなす配管の内、上述した4箇所について内径を測定した。
流速vは、上記4箇所の各配管径dと、循環ポンプ8によって設定される循環流量(L/分)とを用い、配管径d毎に求めた。
なお、上述の4箇所の内、「ノズル」(6C)については、熱交換器入口及び出口に各1本ずつ接続されており、計2本のノズルがあるが、何れのノズルも内径、長さは同一である。
各実施例及び比較例では、図2に示す製造装置1を用いて、シリカ微粒子分散液の製造を行った。
循環路6内のレイノルズ数(Re)は、循環路6をなす配管の内、循環ポンプ8の「吸引側」(図2の6A)及び「吐出側」(図2の6B)、熱交換器7入口及び出口の「ノズル」(図2の6C)、熱交換器7出口のノズルから反応釜2に向かう「戻り管」(図2の6D)の計4箇所について、(1)式によって求めた。
Re=ρvd/μ ・・・(1)
上記(1)式において、ρ:流体密度(g/cm3)、v:流速(cm/s)、d:配管径(cm)、μ:粘性係数(Ns/cm3)である。
上記の内、循環路を循環する液体、つまりシリカ微粒子分散液の流体密度ρを1.0g/cm3、粘性係数μを3.1×10−3Ns/cm3(89℃)とした(「化学機械の理論と計算」亀井三郎編:産業図書株式会社、P536)。
配管径dは、循環路6をなす配管の内、上述した4箇所について内径を測定した。
流速vは、上記4箇所の各配管径dと、循環ポンプ8によって設定される循環流量(L/分)とを用い、配管径d毎に求めた。
なお、上述の4箇所の内、「ノズル」(6C)については、熱交換器入口及び出口に各1本ずつ接続されており、計2本のノズルがあるが、何れのノズルも内径、長さは同一である。
[比表面積、細孔容積測定方法]
各サンプルを濃度3%に蒸留水で希釈し、この希釈液に強酸性水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕を少量投入し、pHが3.3以下になるまで攪拌を行った。得られた酸性の希釈液を105℃で乾燥し、測定用粉体試料を得た。この粉体試料を、200℃の温度で2時間の真空脱気を行って前処理した後、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用いて、比表面積及び細孔容積を測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)を用いて測定し、細孔容積は、細孔径200nm以下の細孔の全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を用いた。
なお、比表面積が小さいことは一次粒子径が大きいことを意味し、比表面積が大きいことは一次粒子径が小さいことを意味する。本発明のシリカ微粒子は、一次粒子が化学結合して二次粒子を形成しているものであるため、一次粒子の直径を正確に求めることは困難な場合もある。このため本実施例では、一次粒子の平均粒子径の尺度として比表面積を用いた。
各サンプルを濃度3%に蒸留水で希釈し、この希釈液に強酸性水素型陽イオン交換樹脂〔三菱化学(株)製、ダイヤイオンSK−1BH〕を少量投入し、pHが3.3以下になるまで攪拌を行った。得られた酸性の希釈液を105℃で乾燥し、測定用粉体試料を得た。この粉体試料を、200℃の温度で2時間の真空脱気を行って前処理した後、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用いて、比表面積及び細孔容積を測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)を用いて測定し、細孔容積は、細孔径200nm以下の細孔の全細孔容積の値(窒素相対圧0.991)を用いた。
なお、比表面積が小さいことは一次粒子径が大きいことを意味し、比表面積が大きいことは一次粒子径が小さいことを意味する。本発明のシリカ微粒子は、一次粒子が化学結合して二次粒子を形成しているものであるため、一次粒子の直径を正確に求めることは困難な場合もある。このため本実施例では、一次粒子の平均粒子径の尺度として比表面積を用いた。
[二次粒子径測定方法]
各サンプルを蒸留水で充分に希釈した状態とし、動的光散乱法によるレーザー粒度分布計(大塚電子株式会社製FPAR1000)を用いて平均二次粒子径を測定した。
蒸留水で希釈したシード液にレーザーを照射すると、レーリー散乱により光が散乱し、ドップラーシフトする。この振動数のシフトを観測し、キュムラント法を用いて解析することにより、平均二次粒子径を求めることができる。
各サンプルを蒸留水で充分に希釈した状態とし、動的光散乱法によるレーザー粒度分布計(大塚電子株式会社製FPAR1000)を用いて平均二次粒子径を測定した。
蒸留水で希釈したシード液にレーザーを照射すると、レーリー散乱により光が散乱し、ドップラーシフトする。この振動数のシフトを観測し、キュムラント法を用いて解析することにより、平均二次粒子径を求めることができる。
[粗大粒子の評価方法]
製造したシリカ微粒子分散液の各サンプルを、100mLメスシリンダーを用いて100mL採取し、24時間室温で静置した後、沈殿した粗大粒子の量(高さ)によって以下の5段階に分類した。
〔1〕:1mm未満
〔2〕:1mm以上2.5mm未満
〔3〕:2.5mm以上5mm未満
〔4〕:5mm以上10mm未満
〔5〕:10mm以上
製造したシリカ微粒子分散液の各サンプルを、100mLメスシリンダーを用いて100mL採取し、24時間室温で静置した後、沈殿した粗大粒子の量(高さ)によって以下の5段階に分類した。
〔1〕:1mm未満
〔2〕:1mm以上2.5mm未満
〔3〕:2.5mm以上5mm未満
〔4〕:5mm以上10mm未満
〔5〕:10mm以上
[インクジェット記録シートの目視光沢感測定法]
製造したシリカ微粒子分散液の各サンプルを含有した塗布液が塗工されてなるインクジェット記録シートの光沢感を、目視で次の3段階に評価した。
〔○〕:粗大粒子による斑点が無い
〔△〕:粗大粒子による斑点が少量ある
〔×〕:粗大粒子による斑点が目立つ
製造したシリカ微粒子分散液の各サンプルを含有した塗布液が塗工されてなるインクジェット記録シートの光沢感を、目視で次の3段階に評価した。
〔○〕:粗大粒子による斑点が無い
〔△〕:粗大粒子による斑点が少量ある
〔×〕:粗大粒子による斑点が目立つ
<シリカ微粒子分散液の製造方法>
以下に、実施例及び比較例の各サンプルの製造方法について説明するとともに、各製造条件、及び評価結果の一覧を表1に示す。
以下に、実施例及び比較例の各サンプルの製造方法について説明するとともに、各製造条件、及び評価結果の一覧を表1に示す。
[実施例1]
(三号珪酸ソーダ水溶液の調製)
攪拌機を備えた内容積1.7m3のステンレス製タンクに、市販の三号珪酸ソーダ(セントラル硝子(株)製、SiO2濃度30%)240kgを投入し、イオン交換水(導電率1.0μS/cm)で希釈して、SiO2濃度が5.25%の三号珪酸ソーダ水溶液1371kgを調製した。
(三号珪酸ソーダ水溶液の調製)
攪拌機を備えた内容積1.7m3のステンレス製タンクに、市販の三号珪酸ソーダ(セントラル硝子(株)製、SiO2濃度30%)240kgを投入し、イオン交換水(導電率1.0μS/cm)で希釈して、SiO2濃度が5.25%の三号珪酸ソーダ水溶液1371kgを調製した。
(活性珪酸の調製)
イオン交換樹脂((株)オルガノ製アンバーライトIR120B)725リットルが充填されたイオン交換樹脂塔に、35%塩酸200kgを注薬してイオン交換樹脂をNa型からH型に変換し、イオン交換水によって、排水の導電率が20μS/cm以下になるまで洗浄した。このイオン交換樹脂塔に、前記三号珪酸ソーダ水溶液を1.85m3/時間の供給速度で通過させ、導電率が150μS/cm以上となっている流出部分を活性珪酸として内容積1.7m3のステンレス製タンクに集めた。活性珪酸のSiO2濃度は、サンプル約3gを185Wの赤外線ランプで40分乾燥させた後の乾燥質量から求め、イオン交換水で希釈して4.2%に調整した。
イオン交換樹脂((株)オルガノ製アンバーライトIR120B)725リットルが充填されたイオン交換樹脂塔に、35%塩酸200kgを注薬してイオン交換樹脂をNa型からH型に変換し、イオン交換水によって、排水の導電率が20μS/cm以下になるまで洗浄した。このイオン交換樹脂塔に、前記三号珪酸ソーダ水溶液を1.85m3/時間の供給速度で通過させ、導電率が150μS/cm以上となっている流出部分を活性珪酸として内容積1.7m3のステンレス製タンクに集めた。活性珪酸のSiO2濃度は、サンプル約3gを185Wの赤外線ランプで40分乾燥させた後の乾燥質量から求め、イオン交換水で希釈して4.2%に調整した。
(製造装置)
循環ポンプとしては、容積式のロータリーポンプ(多回転子型ポンプ:橋本重工業製40PS−110CM:インバータ付)を用いた。
「吸引側」(6A)には配管径d=80mmのステンレス管を用い、「吐出側」(6B)及び「戻り管」(6D)には配管径d=65mmのステンレス管を用いた。また、「ノズル」(6C)としては、配管径d=65mm、長さ10cmのものを用いた。
循環ポンプとしては、容積式のロータリーポンプ(多回転子型ポンプ:橋本重工業製40PS−110CM:インバータ付)を用いた。
「吸引側」(6A)には配管径d=80mmのステンレス管を用い、「吐出側」(6B)及び「戻り管」(6D)には配管径d=65mmのステンレス管を用いた。また、「ノズル」(6C)としては、配管径d=65mm、長さ10cmのものを用いた。
(シリカ合成)
反応釜2に292kgのイオン交換水を仕込み、循環ポンプ8を60Hzの商用周波数で運転し、循環流量を400リットル/分として、前記イオン交換水を循環路6に循環させた。そして、熱交換器7に99℃の飽和蒸気を通して液体を循環加熱し、反応釜2内のイオン交換水の温度が89℃になるまで加熱した後、活性珪酸350kgを、一度に添加し、添加終了後、50分間の加熱を続けた(シード液生成工程)。このようにして、表1に示す物性値を有するシード液を得た。
次いで、シード液に、2モル/リットルのアンモニア水9.2kgを一度に添加した(凝集停止工程)。
次いで、活性珪酸1210kgを、350kg/時間の速度で添加し、全ての活性珪酸の添加が終了した後、30分間の加熱を行った(成長工程)。
以上の各工程では、液体を循環加熱することにより、反応釜2内の液体温度を89℃に維持した。
反応釜2に292kgのイオン交換水を仕込み、循環ポンプ8を60Hzの商用周波数で運転し、循環流量を400リットル/分として、前記イオン交換水を循環路6に循環させた。そして、熱交換器7に99℃の飽和蒸気を通して液体を循環加熱し、反応釜2内のイオン交換水の温度が89℃になるまで加熱した後、活性珪酸350kgを、一度に添加し、添加終了後、50分間の加熱を続けた(シード液生成工程)。このようにして、表1に示す物性値を有するシード液を得た。
次いで、シード液に、2モル/リットルのアンモニア水9.2kgを一度に添加した(凝集停止工程)。
次いで、活性珪酸1210kgを、350kg/時間の速度で添加し、全ての活性珪酸の添加が終了した後、30分間の加熱を行った(成長工程)。
以上の各工程では、液体を循環加熱することにより、反応釜2内の液体温度を89℃に維持した。
(濃縮)
反応を終えて得られたシリカ微粒子分散液を50℃に冷却し、粗大粒子の沈殿量を測定した後、限外ろ過モジュール(旭化成ケミカルズ(株)製、膜面積4.5m2、中空糸内径1.4mm、分画分子量8000)を装着した限外濾過装置によって濃縮を行った(後工程)。限外ろ過モジュールの入口圧力は0.16MPaとし、シリカ濃度が20%になった時点で濃縮を停止した。
以上の各工程により、表1に示す物性値及び粗大粒子評価を有するシリカ微粒子分散液を製造した。
反応を終えて得られたシリカ微粒子分散液を50℃に冷却し、粗大粒子の沈殿量を測定した後、限外ろ過モジュール(旭化成ケミカルズ(株)製、膜面積4.5m2、中空糸内径1.4mm、分画分子量8000)を装着した限外濾過装置によって濃縮を行った(後工程)。限外ろ過モジュールの入口圧力は0.16MPaとし、シリカ濃度が20%になった時点で濃縮を停止した。
以上の各工程により、表1に示す物性値及び粗大粒子評価を有するシリカ微粒子分散液を製造した。
[実施例2]
インバータの設定により、ロータリーポンプ(循環ポンプ)の駆動電源周波数を30Hzとして循環流量を200リットル/分に変更した点以外は実施例1と同様にして、本発明のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
インバータの設定により、ロータリーポンプ(循環ポンプ)の駆動電源周波数を30Hzとして循環流量を200リットル/分に変更した点以外は実施例1と同様にして、本発明のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
[実施例3]
インバータの設定により、ロータリーポンプ(循環ポンプ)の駆動電源周波数を15Hzとして循環流量を100リットル/分に変更した点以外は実施例1と同様にして、本発明のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
インバータの設定により、ロータリーポンプ(循環ポンプ)の駆動電源周波数を15Hzとして循環流量を100リットル/分に変更した点以外は実施例1と同様にして、本発明のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
[比較例1]
熱交換器入口及び出口に接続したノズルの内径(配管径d)を32mmに変更した点以外は実施例1と同様にして、従来のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
熱交換器入口及び出口に接続したノズルの内径(配管径d)を32mmに変更した点以外は実施例1と同様にして、従来のシリカ微粒子分散液を製造した。
製造条件、シード液とシリカ微粒子分散液の物性値等を表1に示す。
<インクジェット記録シートの作製方法>
上記シリカ微粒子分散液各実施例及び比較例に対し、完全けん化ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:PVA−140H〕の9%水溶液を、各シリカ微粒子分散液に含まれるシリカ固形分100質量部に対して20固形分質量部の割合で混合することにより、インクジェット記録シート用塗布液を作製した。
この塗布液を、厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタラートフィルム〔東レ(株)製、商品名:ルミラー100−Q80D〕上に、塗工量が乾燥質量で23g/m2になるようにバー塗工した後、120℃の温度で乾燥して、インクジェット記録シートを製造した。
得られた各インクジェット記録シートの目視光沢感を表1に示す。
上記シリカ微粒子分散液各実施例及び比較例に対し、完全けん化ポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:PVA−140H〕の9%水溶液を、各シリカ微粒子分散液に含まれるシリカ固形分100質量部に対して20固形分質量部の割合で混合することにより、インクジェット記録シート用塗布液を作製した。
この塗布液を、厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタラートフィルム〔東レ(株)製、商品名:ルミラー100−Q80D〕上に、塗工量が乾燥質量で23g/m2になるようにバー塗工した後、120℃の温度で乾燥して、インクジェット記録シートを製造した。
得られた各インクジェット記録シートの目視光沢感を表1に示す。
<評価結果>
表1に示すように、本発明の製造方法でシリカ微粒子分散液を製造した実施例1〜3では、循環路内の流速が、「吸引側」、「吐出側」、「ノズル」、「戻り管」の各箇所において何れも2.0m/s以下であり、レイノルズ数も、前記各箇所において何れも500000以下となっている。
また、シード液生成工程で得られた実施例のシード液は、何れも比表面積が300m2/g〜1000m2/g、平均二次粒子径が10nm〜600nm、細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gの範囲内となっている(表1のシード液物性値欄参照)。
表1に示すように、本発明の製造方法でシリカ微粒子分散液を製造した実施例1〜3では、循環路内の流速が、「吸引側」、「吐出側」、「ノズル」、「戻り管」の各箇所において何れも2.0m/s以下であり、レイノルズ数も、前記各箇所において何れも500000以下となっている。
また、シード液生成工程で得られた実施例のシード液は、何れも比表面積が300m2/g〜1000m2/g、平均二次粒子径が10nm〜600nm、細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gの範囲内となっている(表1のシード液物性値欄参照)。
本発明の製造方法で製造されたシリカ微粒子分散液(実施例1〜3)は、粗大粒子の混入が少なく、上記評価基準に基く粗大粒子の評価が何れも1あるいは2であった。
また、実施例のシリカ微粒子分散液を含有する塗布液が支持体上に塗工されたインクジェット記録シートは、上記評価基準に基く目視光沢感の評価が何れも○あるいは△であった。
また、実施例のシリカ微粒子分散液を含有する塗布液が支持体上に塗工されたインクジェット記録シートは、上記評価基準に基く目視光沢感の評価が何れも○あるいは△であった。
これに対して、比較例では、「ノズル」(6C)内の流速が8.3m/sと、2.0m/sを大きく超えており、この箇所でのレイノルズ数は856000と、500000を大きく超えている。
また、比較例のシリカ微粒子分散液は、粗大粒子が多く生成されて混入したため、上記評価基準に基く粗大粒子評価が3となった。
また、比較例のシリカ微粒子分散液を含有する塗布液が支持体上に塗工されたインクジェット記録シートは、上記評価基準に基く目視光沢感の評価は△であった。
なお、比較例のシード液は、比表面積が836m2/g、平均二次粒子径が103nm、細孔容積が0.61mL/gであった(表1のシード液物性値欄参照)。
また、比較例のシリカ微粒子分散液を含有する塗布液が支持体上に塗工されたインクジェット記録シートは、上記評価基準に基く目視光沢感の評価は△であった。
なお、比較例のシード液は、比表面積が836m2/g、平均二次粒子径が103nm、細孔容積が0.61mL/gであった(表1のシード液物性値欄参照)。
上記結果により、本発明の製造方法で得られるシリカ微粒子分散液は、粗大粒子の混入が少ないため透明性が高く、また、この分散液を含有した塗布液が塗工されてなるインクジェット記録シートは、光沢感が高く美麗であり、高い印刷品質を有することが明らかである。
1…シリカ微粒子分散液製造装置、2…反応釜、3…水供給手段、4…活性珪酸供給手段、5…アルカリ供給手段、6…循環路、7…熱交換器、8…循環ポンプ
Claims (7)
- 反応釜に活性珪酸を供給し、加熱してシード液を得るシード液生成工程と、
前記反応釜中のシード液にアルカリを添加する凝集停止工程と、
前記反応釜中のシード液に活性珪酸を添加する成長工程とを有し、
前記反応釜中の液体を、熱交換器を備える循環路に循環させることにより加熱するシリカ微粒子分散液の製造方法であって、
前記循環路を前記液体が循環する際の最大レイノルズ数が500000以下であることを特徴とするシリカ微粒子分散液の製造方法。 - 前記シード液生成工程が、前記反応釜中の熱水に活性珪酸を添加する方法であることを特徴とする請求項1に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 前記シード液が、窒素吸着法による比表面積が300m2/g〜1000m2/g、動的光散乱法を用いたレーザー粒度計による平均二次粒子径が10nm〜600nm、かつ細孔容積が0.5mL/g〜2.0mL/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液であることを特徴とする請求項1または2に記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 前記循環路を循環する前記液体の最大流速が2.0m/s以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 前記液体の循環量が、前記反応釜中に収容された液体1L当たりで、0.1〜1.0L/minの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のシリカ微粒子分散液の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の製造方法によって製造された、シリカ微粒子分散液。
- 請求項6に記載のシリカ微粒子分散液を含有するインクジェット記録シート用塗布液が、支持体上に塗布されてなるインクジェット記録シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005253185A JP2007063087A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | シリカ微粒子分散液の製造方法、シリカ微粒子分散液、及びインクジェット記録シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101413823B1 (ko) | 2011-09-15 | 2014-06-30 | 플레이너 솔루션즈 엘엘씨 | 균일 배합 |
CN105750545A (zh) * | 2016-03-29 | 2016-07-13 | 上海卫星工程研究所 | 通过3d打印制造换热器的方法 |
-
2005
- 2005-09-01 JP JP2005253185A patent/JP2007063087A/ja not_active Withdrawn
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