JP2004001429A - 基板及びその基板を有する有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

基板及びその基板を有する有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、膜の剥離がなく、水分の封止性が高い表示装置用或いは電子デバイス用の基板を得ることにあり、また、それを用いた長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることにある。
【解決手段】可撓性基材上に、ポリマー層と封止層とを積層した基板において、前記積層の少なくとも1層が、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に放電させることで反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態の反応性ガスに前記基材表面を曝すことにより形成されたことを特徴とする基板である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層(膜)の剥離がなく、水分の封止性が高い表示装置用或いは電子デバイスとして適切な基板及びその基板を用いた長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの表示装置用の基板として、或いはCCDやCMOSセンサーのような電子デバイス用の基板として、熱安定性や透明性の高さからガラスが用いられてきた。
【0003】
近年、携帯電話等の携帯情報端末機器の普及に伴い、これら端末機器に設けられる表示装置や電子光学デバイスにおいては、割れやすく重いガラスよりも、可撓性が高く割れにくく、軽さの点で優れるプラスチック基材の採用が検討されている。
【0004】
しかしながら、プラスチック基材は透湿性を有しているため、特に有機エレクトロルミネッセンス表示装置(本明細書において「有機エレクトロルミネッセンス素子」ということもある。)のように、水分の存在で破壊され、性能が低下してしまう用途には適用が難しく、如何に封止するかが問題になっていた。
【0005】
この問題を解決すべくWO0036665においては、アクリレートを含むモノマーを蒸着し、重合し、シリカを蒸着し、更にアクリレートを含むモノマーを蒸着して重合することにより、水分の透過性の低いシリカをアクリル系モノマーと共に用い複合的な膜を形成し、水分の封止性の高い膜を提案している(以下「先提案技術」という。)が、具体的な、素材或いは実験条件の開示が見られない。本発明者らの研究によれば、この先提案技術は、取扱中にポリマー膜と無機物膜が剥がれやすく、剥がれた部分から水分の透過を許してしまうという問題があることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、膜の剥離がなく、水分の封止性が高い表示装置用或いは電子デバイス用として適切な基板を得ることにあり、また、それを用いた長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.可撓性基材上に、ポリマー層と封止層とを積層した基板において、前記積層の少なくとも1層が、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に放電させることで反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態の反応性ガスに前記基材表面を曝すことにより形成された層であることを特徴とする基板。
【0008】
2.前記ポリマー層が重合体を主成分とする層であり、前記封止層が金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を主成分とする層であることを特徴とする前記1に記載の基板。
【0009】
3.100kHzを超えた周波数で、且つ1W/cm以上の電力を供給し放電させることにより封止層形成することを特徴とする前記1又は2に記載の基板。
4.前記1〜3のいずれか1つに記載の基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0010】
本発明者らは種々検討の結果、請求項1〜3の構成により上記問題点を克服した基板を得ることができ、及びそれを用いて作製した長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができた。
【0011】
前述した通り、近年、液晶或いはEL表示装置、電子光学デバイス等においては、割れやすく重いガラス基材よりも、フレキシブルで可撓性が高く割れにくく軽いため、プラスチック基材の採用が検討されている。
【0012】
しかるに、通常生産されているプラスチック基材は、水分の透過性が比較的高く、又、その内部に水分を含んでおり、例えばこれを有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いた場合、その水分が徐々に表示装置内に拡散し、拡散した水分の影響により表示装置等の耐久性が低下するという問題が発生する。
【0013】
これを避けるため、プラスチックシートに或る加工を施して水分の透過性を低下させ又、含水率を下げることで、上記種々の電子デバイスに対応できる基材を得ようという試みがされている。例えば、前記先提案技術を参酌し、プラスチックシート基材上に、水透過性の低い例えばシリカ、ガラス等の薄膜を形成させた複合材料を得る試みがされている。しかしながら、薄い膜を形成しただけでは、膜の欠陥等が避けられず、水分の透過性を低下させ水蒸気を封止するには或る程度以上の厚みをもたせた膜とすることが必要である。
【0014】
しかしながら、これらシリカ或いは更に広く水分の透過性の低い無機材料例えば、金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物等を含有する(少なくとも膜の全構成成分中90質量%以上が金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物である)膜を基材上に、水分透過抑制に充分な厚みをもたせて形成した場合、その硬さのために、基材を折り曲げたりできるというプラスチックシート自体の可撓性という特徴が薄れ、膜が剥離したりして、充分な水分の封止性が得られない。
【0015】
単一の膜を基材上に塗設するのではなく、複数の膜を基材上に順次設けて前記剥離を防止することもある程度効果があるが、工数がかかり製造コストが上がる、又、膜の物性自体の制御が必須となり、ただ積層すればよいというものではない。
【0016】
本発明においては、可撓性基材上に、ポリマー層と封止層とを積層した基板において、前記積層の少なくとも1層が、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に放電させることで反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態の反応性ガスに前記基材表面を曝すことにより形成された層であることを特徴とする基板構成によって、水透過性が低く、膜剥がれのない、且つ、折り曲げ等によるバリア性の劣化が少なく水の封止性に優れた基板が得られることを見い出し、本発明を完成させた。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明に係る基板は、可撓性基材上に、ポリマー層と封止層とを積層した構成であり、該積層の1つが、大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマ処理による方法によって得られればよいが、好ましくは封止層の少なくとも1層が、大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマ処理による方法によって得られることである。以下、この点についてさらに述べる。但し、本発明のポリマー層も大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマ処理による方法によって得られることが好ましい。
【0018】
先ず、本発明に用いる封止層について説明する。
水透過性の低い材料としては金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物が適しており、これらは比較的硬い緻密な膜を形成する。
【0019】
金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を含有する膜である封止層は、大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマ処理による方法、即ち有機金属化合物を反応性ガスとして用い、対向する電極間でプラズマ状態とした反応性ガスに基材を曝すことで基材上に形成する大気圧プラズマ法によって得られる。大気圧或いは大気圧近傍とは、大気圧に近い圧力をさし、20kPa〜110kPaの圧力下、好ましくは93kPa〜104kPaの圧力下である。
【0020】
大気圧プラズマ法に用いる反応性ガスとしては有機金属化合物が好ましい。該有機金属化合物を反応性ガスとして用いて、プラズマ発生条件をコントロールすることにより封止層の柔軟性を制御できる。即ち、プラズマの発生条件を制御し膜を形成することで、封止層中に炭素原子を含有させることが出来(炭素含有率を変化させることが出来)、炭素の含有率の値によって封止層を形成する膜の柔軟性が変化する。
【0021】
尚、大気圧プラズマ法では電極間に存在する反応ガス由来のイオン等などの粒子が高い密度で存在することになるので、有機金属化合物由来の炭素が残りやすい。膜中の炭素は、膜に柔軟性を与え、耐傷性が向上することから僅かに含有することが好ましく、具体的には0.2〜5質量%含有することが好ましい。5質量%を超えて含有すると、膜の屈折率などの物性が経時的に変化することがあり好ましくない。
【0022】
膜中の炭素含有率を0.2〜5質量%とするには、放電を100kHzを超えた周波数で、且つ1W/cm以上の電力を供給してプラズマ放電を起こさせることが好ましく、又高周波電圧としては連続したサイン波形を有していることが好ましい。
【0023】
この炭素含有率は、主に電源の周波数と供給電力に依存し、電極に印加する電圧の高周波の周波数が高いほど、及び供給電力が大きくなるほど少なくなる。又、混合ガス中に水素ガスを注入すると炭素原子が消費されやすくなり、膜中の含有量を減らすことができ、これによっても制御出来る。
【0024】
以下、反応性ガスとして有機金属化合物を用いた大気圧或いは大気圧近傍でのプラズマ法を用いた封止層の形成について詳述する。
【0025】
本発明に用いられる基材は、可撓性素材であればよく、可撓性基材は単層体であっても複層体ないし積層体であってもよいし、表面が下引き処理されていてもよい。好ましく用いられる可撓性基材は、樹脂基材である。樹脂基材としては、特に限定はなく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類等をあげることが出来る。特にアートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂が好ましい。
基材の厚みとしては好ましくは30μm〜1cmであり、より好ましくは50μm〜100μmである。
【0026】
本発明において前記金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を主成分とする層とは、全構成成分中50質量%以上を金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物が占めるということである。
【0027】
金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物としては、例えば酸化珪素、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、ITO(酸化インジウム錫)、アルミナ等の金属酸化物、窒化珪素等の金属窒化物、酸窒化珪素、酸窒化チタン等の金属酸窒化物等が挙げられる。
【0028】
酸化珪素は透明性が高いものの、ガスバリア性が少し低めでやや水分を通すことから窒素原子を含んだ方が好ましい。酸窒化珪素、又、酸窒化チタンの場合、SiO、TiOという組成で表され、窒素の比率を上昇させるとガスバリア性が増強されるが、逆に光の透過率が低下するため、基板に光透過性が必要な場合、x、yは以下の式を満足するような値であれば光透過性の点でもより一層好ましい。
【0029】
0.4≦x/(x+y)≦0.8
【0030】
酸素原子、窒素原子の比率はXPS(VGサイエンティフィック社製ESCALAB−200R)を用いて後述する炭素含有率と同様に測定できる。
【0031】
本発明において、封止層の主成分としては水分の透過性が少ないためアルミニウム、珪素又はチタンの酸化物、或いは珪素又はチタンの酸窒化物が好ましい。
【0032】
又、これらの封止層を形成するための反応性ガスとしては、例えば有機金属化合物、金属水素化合物を用いることができ、該化合物は常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わないが、気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール,エタノール,n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
【0033】
有機金属化合物としては、上記酸化珪素膜を形成するためには腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、例えば、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物が好ましい。
【0034】
【化1】
Figure 2004001429
【0035】
式中、R21からR26は、水素原子または1価の基を表す。n1は自然数を表す。
【0036】
一般式(1)で表される化合物の例としては、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン等が挙げられる。
【0037】
【化2】
Figure 2004001429
【0038】
式中、R31およびR32は、水素原子または1価の基を表す。n2は自然数を表す。
【0039】
一般式(2)で表される化合物の例としては、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0040】
一般式(3)
(R41)nSi(R42)4−n
【0041】
式中、R41およびR42は、水素原子または1価の基を表す。nは、0から3までの整数を表す。
【0042】
一般式(3)で表される、有機珪素化合物の例としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0043】
【化3】
Figure 2004001429
【0044】
式中、Aは、単結合あるいは2価の基を表す。R51〜R55は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、芳香族複素環基、アミノ基またはシリル基を表す。R51およびR52、R54およびR55は縮合して環を形成していてもよい。
【0045】
一般式(4)において、Aとして好ましくは単結合あるいは、炭素数1〜3の2価の基である。R54およびR55は縮合して環を形成していてもよく、形成される環としては例えばピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾール環等を挙げることができる。R51〜R53は好ましくは水素原子、メチル基またはアミノ基である。
【0046】
一般式(4)で表される化合物の例としては、アミノメチルトリメチルシラン、ジメチルジメチルアミノシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、アリルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノジメチルシラン、1−トリメチルシリルピロール、1−トリメチルシリルピロリジン、イソプロピルアミノメチルトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、アニリノトリメチルシラン、2−ピペリジノエチルトリメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ピペリジノプロピルトリメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、1−トリメチルシリルイミダゾール、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、2−アミノエチルアミノメチルジメチルフェニルシラン、3−(4−メチルピペラジノプロピル)トリメチルシラン、ジメチルフェニルピペラジノメチルシラン、ブチルジメチル−3−ピペラジノプロピルシラン、ジアニリノジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン等が挙げられる。
【0047】
一般式(4)において、特に好ましい化合物は一般式(5)で表されるものである。
【0048】
【化4】
Figure 2004001429
【0049】
式中、R61からR66はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基または芳香族複素環基を表す。
【0050】
一般式(5)においてR61からR66は気化の容易性の観点から好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくはR61からR63のうち少なくとも2つおよびR64からR66のうち少なくとも2つがメチル基のものである。
一般式(5)で表される化合物の例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン等が挙げられる。
【0051】
又、酸化スズを形成するためには例えば、ジブチル錫ジアセテート等が挙げられる。そして、酸化アルミニウムを形成するためには例えば、アルミニウムイソプロポキシド、トリス(2,4−ペンタンジオナート)アルミニウム等が挙げられる。
【0052】
又、更に酸素ガスや窒素ガスを所定割合で上記有機金属化合物と組み合わせて、酸素原子と窒素原子の少なくともいずれかと珪素或いは、錫等の金属原子を含有する膜を得ることが出来る。
【0053】
更に、膜中の炭素含有率を調整するために前記の如く混合ガス中に水素ガス等を混合してもよく、これらの反応性ガスに対して、周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等、特に、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられるが、不活性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。不活性ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、不活性ガスの割合を90.0〜99.9%として反応性ガスを供給する。
【0054】
上記のような、例えば、Si、O、N更にCを所定の割合で含有する膜を形成する為の混合ガスについて以下に具体的に例示する。
【0055】
x/(x+y)が0.80以下であって、更に炭素を例えば0.2〜5質量%含有する酸窒化珪素(SiON)膜を、シラザンと酸素ガスの反応ガスから形成する場合について説明する。この場合、膜中のSiとNは、全てシラザン由来である。
【0056】
酸素ガスは、混合ガスのうち0.01〜5体積%が好ましく、より好ましくは0.05〜1体積%である。又、酸素とシラザンの反応効率から、シラザンに対する酸素ガスのモル比が、得たい膜の組成比(モル比)の1〜4倍になるような体積で混合することが好ましい。このようにして酸素ガスの混合ガス全体に対する割合と、シラザンに対する割合が設定される。
【0057】
又、酸素ガスを導入せず、SiN膜をシラザンから形成する場合、気化させたシラザンは混合ガス全体に対し、0.2〜1.5体積%でよい。このままであると、炭素がかなり膜中に残ってしまうので、最大でも混合ガスの2体積%以下の水素ガスを混合し炭素をとばす。
【0058】
Si源としては、上記のような有機珪素化合物だけでなく、無機珪素化合物を用いてもよい。
【0059】
又、酸素源として酸素ガス以外にオゾン、二酸化炭素、水(水蒸気)等を用いてもよいし、窒素源としてシラザンや窒素ガス以外に、アンモニア、窒素酸化物等を用いてもよい。
【0060】
本発明の膜の形成方法で使用されるプラズマ製膜装置について、図1〜図6に基づいて説明する。図中、符号Fは基材の一例としての長尺フィルムである。
【0061】
本発明において好ましく用いられる放電プラズマ処理は大気圧又は大気圧近傍で行われる。大気圧近傍とは、前述のように20kPa〜110kPaの圧力を表し、更に好ましくは93kPA〜104kPaである。
【0062】
図1は、プラズマ製膜装置に備えられたプラズマ放電処理室の1例を示す。図1のプラズマ放電処理室10において、フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極25に巻き回されながら搬送される。ロール電極25の周囲に固定されている複数の固定電極26はそれぞれ円筒から構成され、ロール電極25に対向させて設置される。
【0063】
プラズマ放電処理室10を構成する放電容器11はパイレックス(R)ガラス製の処理容器が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウム又はステンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を貼り付けてもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
【0064】
ロール電極25に巻き回された可撓性基材Fは、ニップローラ15、15、16で押圧され、ガイドローラ24で規制されて放電容器11内部に確保された放電処理空間に搬送され、放電プラズマ処理され、次いで、ガイドローラ27を介して次工程に搬送される。本発明では、真空系ではなくほぼ大気圧に近い圧力下で放電処理により製膜できることから、このような連続工程が可能となり、高い生産性をあげることができる。
【0065】
尚、仕切板14、14は前記ニップローラ15、15、16に近接して配置され可撓性基材Fに同伴する空気が放電容器11内に進入するのを抑制する。この同伴される空気は、放電容器11内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑えることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがより好ましい。前記ニップローラ15及び16により、それを達成することが可能である。
【0066】
尚、放電プラズマ処理に用いられる混合ガスは、給気口12から放電容器11に導入され、処理後のガスは排気口13から排気される。
【0067】
ロール電極25はアース電極であり、印加電極である複数の固定電極26との間で放電させ、当該電極間に前述したような反応性ガスを導入してプラズマ状態とし、前記ロール電極25に巻き回しされた長尺フィルム状の基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに曝すことによって、反応性ガス由来の膜を形成する。
【0068】
前記電極間には、高いプラズマ密度を得て製膜速度を大きくし、更に炭素含有率を所定割合内に制御するため、高周波電圧で、ある程度大きな電力を供給することが好ましい。具体的には、100kHz以上150MHz以下の高周波の電圧を印加することが好ましく、200kHz以上であればより一層好ましい。又、電極間に供給する電力の下限値は、1W/cm以上50W/cm以下であることが好ましく、2W/cm以上であればより一層好ましい。
【0069】
尚、電極における電圧の印加面積(cm)は放電が起こる範囲の面積のことである。
又、電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であってもよいが、製膜速度が大きくなることから、サイン波であることが好ましい。
【0070】
このような電極としては、金属母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも固定電極26とロール電極25のいずれか一方に誘電体を被覆すること、好ましくは、両方に誘電体を被覆することである。誘電体としては、非誘電率が6〜45の無機物であることが好ましい。
【0071】
電極25、26の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から,0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。この電極間の距離は、電極周囲の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさを考慮して決定される。
【0072】
又、可撓性基材を電極間に載置或いは電極間を搬送してプラズマに曝す場合には、可撓性基材を片方の電極に接して搬送出来るロール電極仕様にするだけでなく、更に誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 0601)を10μm以下にすることで誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ放電状態を安定化出来る。更に、誘電体の熱収縮差や残留応力による歪みやひび割れをなくし、且つ、ノンポーラスな高精度の無機誘電体を被覆することで大きく耐久性を向上させることができる。
【0073】
又、金属母材に対する誘電体被覆による電極製作において、前記のように、誘電体を研磨仕上げすることや、電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必要であるので、母材表面に、応力を吸収出来る層として泡混入量をコントロールして無機質の材料をライニングすることが好ましい。特に材質としては琺瑯等で知られる溶融法により得られるガラスであることがよく、更に導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を20〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とすることで、緻密且つひび割れ等の発生しない良好な電極ができる。
【0074】
又、電極の母材に誘電体を被覆する別の方法として、セラミックスの溶射を空隙率10vol%以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔処理を行うことが挙げられる。ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化がよく、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、より一層無機質化が向上し、劣化のない緻密な電極ができる。
【0075】
図2(a)及び図2(b)はロール電極25の一例としてロール電極25c、25Cを示したものである。
【0076】
アース電極であるロール電極25cは、図2(a)に示すように、金属等の導電性母材25aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体25bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミック被覆処理誘電体を1mm被覆し、ロール径を被覆後200φとなるように製作し、アースに接地する。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工しやすいので、更に好ましく用いられる。
【0077】
或いは、図2(b)に示すロール電極25Cの様に、金属等の導電性母材25Aへライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体25Bを被覆した組み合わせから構成してもよい。ライニング材としては、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩系ガラス、バナジン酸塩ガラスが好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工しやすいので、更に好ましく用いられる。
【0078】
金属等の導電性母材25a、25Aとしては、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスが好ましい。
【0079】
又、尚、本実施の形態においては、ロール電極の母材は冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用している(不図示)。
更に、ロール電極25c、25C(ロール電極25も同様)は、図示しないドライブ機構により軸部25d、25Dを中心として回転駆動される様に構成されている。
【0080】
図3(a)には固定電極26の概略斜視図を示した。又、固定電極は、円筒形状に限らず、図3(b)の固定電極36の様に角柱型でもよい。円柱型の電極26に比べて、角柱型の電極は放電範囲を広げる効果があるので、形成する膜の性質などに応じて好ましく用いられる。
【0081】
固定電極26、36いずれであっても上記記載のロール電極25c、ロール電極25Cと同様な構造を有する。すなわち、中空のステンレスパイプ26a、36aの周囲を、ロール電極25(25c、25C)同様に、誘電体26b、36bで被覆し、放電中は冷却水による冷却が行えるようになっている。誘電体26b、36bは、セラミック被覆処理誘電体及びライニング処理誘電体のいずれでもよい。
【0082】
尚、図1に示される実施例の場合、固定電極は、例えば誘電体の被覆後12φ又は15φとなるように製作され、当該電極の数は、上記ロール電極の円周上に沿って例えば14本設置している。
【0083】
図4には、図3(b)の角柱型の固定電極36をロール電極25の周りに配設したプラズマ放電処理室30を示した。図4において、図1と同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
【0084】
図5には、図4のプラズマ放電処理室30が設けられたプラズマ製膜装置50を示した。図5において、プラズマ放電処理室30の他に、ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユニット55等が装置構成として配置されている。電極冷却ユニット55は、冷却剤の入ったタンク57とポンプ56とからなる。冷却剤としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
【0085】
図5のプラズマ放電処理室30内の電極間のギャップは、例えば1mm程度に設定される。
【0086】
プラズマ放電処理室30内にロール電極25、固定電極36を所定位置に配置し、ガス発生装置51で発生させた混合ガスを流量制御して、給気口12より供給し、放電容器11内をプラズマ処理に用いる混合ガスで充填し、不要分については排気口13より排気する。
【0087】
次に電源41により固定電極36に電圧を印加し、ロール電極25はアースに接地し、放電プラズマを発生させる。ここでロール状の元巻き基材FFからロール54、54、54を介して可撓性基材が供給され、ガイドロール24を介して、プラズマ放電処理室30内の電極間をロール電極25に片面接触した状態で搬送される。このとき放電プラズマにより可撓性基材Fの表面が放電処理され、その後にガイドロール27を介して次工程に搬送される。ここで、可撓性基材Fはロール電極25に接触していない面のみ放電処理がなされる。
【0088】
又、放電時の高温による悪影響を抑制するため、基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満、更に好ましくは常温〜100℃内で抑えられるように必要に応じて電極冷却ユニット55で冷却する。
【0089】
又、図6は、本発明の膜の形成方法で用いることができるプラズマ製膜装置60であり、電極間に載置できない様な性状、例えば厚みのある基材61上に膜を形成する場合に、予めプラズマ状態にした反応性ガスを基材上に噴射して薄膜を形成するためのものである。
【0090】
図6のプラズマ製膜装置において、35aは誘電体、35bは金属母材、65は電源である。金属母材35bに誘電体35aを被覆したスリット状の放電空間に、上部から不活性ガス及び反応性ガスからなる混合ガスを導入し、電源65により高周波電圧を印加することにより反応性ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応性ガスを基材61上に噴射することにより基材61表面に膜を形成する。
【0091】
図5の電源41、図6の電源65などの本発明の膜の形成に用いるプラズマ製膜装置の電源としては、特に限定はないが、ハイデン研究所製インパルス高周波電源(連続モードで使用100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等が使用出来る。
【0092】
この様なプラズマ製膜装置を用い、大気圧プラズマ法により、本発明に係わる封止層及び/又はポリマー層を形成できる。
【0093】
本発明に係わるポリマー層を大気圧プラズマ法により形成する場合、反応性ガスとしては、ビニルまたはアセチレン構造を有する化合物が好ましい。ビニルまたはアセチレン構造を有する化合物としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、酢酸ビニルモノマー、スチレン、iso−プロピルビニルエーテル、アセチレン等が挙げられる。ポリマー層を形成する場合これらの化合物が分解せずかつ重合が起こる程度の製膜条件でプラズマ処理することが出来る。電源の周波数としては3kHz以上150MHz以下が好ましい。
【0094】
本発明に係わる封止層の膜厚は、プラズマ処理の時間を増やしたり、処理回数を重ねる等によって調整することができる。実質的に水の透過を阻止するため膜厚が50nm以上あることが好ましく、より好ましくは100nm以上の封止層は、厚いほど水分の阻止性に優れるが、余り厚すぎるとやはり応力緩和がきかなくなるので2000nm以下の膜厚であることが好ましい。複数の封止層から成る場合、各々の封止層がこの範囲内であることが好ましい。
【0095】
本発明に係るポリマー層の膜厚は、封止層の基材に対する膜剥がれ防止と応力緩和のため、50nm〜2000nmであることが好ましく、より好ましくは、100nm〜1000nmである。複数のポリマー層から成る場合、各々のポリマー層がこの範囲内であることが好ましい。
【0096】
本発明の封止層及びポリマー層を有する基板について好ましい態様を以下に述べる。
【0097】
本発明に係わる基板は、樹脂基材上の少なくとも一方の面に、基材側から順次、封止層の膜厚が50nm以上、好ましくは100nm以上の膜を少なくとも1層と、該層に隣接するポリマー層を有しており、かかるポリマー層による応力緩和により封止層の膜の剥落等が、基板を折り曲げた場合等に起こりやすいのを防ぐと共に、水の透過性を低く保つことができる。
【0098】
図7に本発明の基板の上記の構成を示す断面図を示した。樹脂基材100上に、基材100側から封止層101と、該層に隣接したポリマー層102とを有している。尚、両層の膜厚は同一でも異なってもよい。
【0099】
本発明の好ましい態様として、樹脂基材100側にポリマー層102を設けることが挙げられ、この場合、実質的に水の透過を防ぎ水の封止性を基板に付与する封止層101と、基板との接着(密着)性を向上させる役割をも発揮する。
【0100】
図8は本発明の基板の上記の構成を、複数層として有する実施例を示す断面図である。即ち、樹脂基材100上に、基材100側からポリマー層102、封止層101、ポリマー層102、封止層101が形成されているものである。尚、2つの層101同志、102同志が同一の組織や膜厚である必要はない。
このような複数層構成の積層を大気圧プラズマ法によって得るには、前記したプラズマ製膜装置に複数回通せばよい。
【0101】
本発明に係わる基板は、可撓性基材として樹脂基材を用いた場合でも、樹脂基材の特徴である可撓性を維持しつつ、封止層が有する水の封止性により、樹脂基材中の水分や樹脂基材を透過して浸透する水蒸気等の水分を封止できるため、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子自体をこれらの基板に形成し、且つ、フィルム等のやはり可撓性の材料、好ましくは同じ基板で封止して、フレキシブルな表示装置として形成しても、湿気に対し敏感な有機エレクトロルミネッセンス素子が、封止材料や基板等に含有される水分により徐々に特性が劣化するという問題を、封止された内部空間を低湿度に保つことにより回避でき、有機エレクトロルミネッセンス素子としての寿命を非常に高めることが出来る。
【0102】
本発明は、ポリマー層と封止層とから成る積層の少なくとも1層が大気圧プラズマ法によって形成される。全ての積層が大気圧プラズマ法によること、封止層が大気圧プラズマ法によると共にポリマー層が真空蒸着法、その他の薄膜形成法によること、等いずれの態様をも含む。
【0103】
上記その他の薄膜形成法としては、例えば、ゾルゲル法といわれる溶液を塗設する方法、又、真空蒸着、スパッタリング、CVD法(化学蒸着)等いかなる方法であってもよい。
【0104】
真空蒸着の一例を図12に示す。真空容器61に対し、ガス導入口62を有するタンク63に貯溜されたモノマーが、ポンプ64によって、開閉バルブ65を通して導入ノズル66から導入され、真空容器61内を通過する基材67に真空蒸着される構成である。尚、図中、68はトラップ、69は制御バルブ、70は真空ポンプを指示する。
【0105】
次いで、本発明に係わるこれらの基板を用いた、有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。
【0106】
本発明において有機エレクトロルミネッセンス素子(有機エレクトロルミネッセンス表示装置のこと。以下「有機EL素子」ということもある。)は、陽極と陰極の一対の電極の間に発光層を挾持する構造をとる。本明細書でいう発光層は、広義の意味では、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指す。具体的には、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する有機化合物を含有する層のことを指す。
【0107】
本発明に係わる有機EL素子は、必要に応じ発光層の他に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層を有していてもよく、陰極と陽極で狭持された構造をとる。また、保護層を有していても良い。
【0108】
具体的には、
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極などの構造がある。
【0109】
さらに、電子注入層と陰極との間に、陰極バッファー層(例えば、フッ化リチウム、等)を挿入しても良い。また、陽極と正孔注入層との間に、陽極バッファー層(例えば、銅フタロシアニン、等)を挿入しても良い。
【0110】
上記発光層は、発光層自体に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層等を設けてもよい。即ち、発光層に(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能、のうちの少なくとも1つ以上の機能を有してもよく、この場合は、発光層とは別に正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層の少なくとも1つ以上は設ける必要がなくなることになる。また、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層等に発光する化合物を含有させることで、発光層としての機能を付与させてもよい。尚、発光層は、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好ましい。
【0111】
この発光層に用いられる発光材料の種類については特に制限はなく、従来有機EL素子における発光材料として公知のものを用いることができる。このような発光材料は主に有機化合物であり、所望の色調により、例えば、Macromol.Symp.125巻17頁から26頁に記載の化合物が挙げられる。
【0112】
発光材料は発光性能の他に、正孔注入機能や電子注入機能を併せ持っていても良く、正孔注入材料や電子注入材料の殆どが発光材料としても使用できる。
【0113】
発光材料はp−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でも良く、さらに前記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用しても良い。
【0114】
また、発光層にはドーパント(ゲスト物質)を併用してもよく、EL素子のドーパントとして使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0115】
ドーパントの具体例としては、例えばキナクリドン、DCM、クマリン誘導体、ローダミン、ルブレン、デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ユーロピウム錯体等がその代表例として挙げられる。また、イリジウム錯体(例えば特開2001−247859号明細書に挙げられるもの、あるいはWO0070655号明細書16〜18ページに挙げられるような式で表される例えばトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等)やオスミウム錯体、あるいは2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金錯体のような白金錯体もドーパントとして挙げられる。
【0116】
上記材料を用いて発光層を形成するには、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜化することにより形成する方法があるが、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで、分子堆積膜とは、上記化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶融状態又は液相状態から固体化され形成された膜のことである。通常、この分子堆積膜はLB法により形成された薄膜(分子累積膜)と凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区別することができる。
【0117】
また、この発光層は、特開昭57−51781号に記載されているように、樹脂などの結着材と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0118】
正孔注入層の材料である正孔注入材料は、正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔注入材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0119】
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)ビフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
【0120】
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。この正孔注入層は、上記正孔注入材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層は、上記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0121】
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。この電子注入層に用いられる材料(以下、電子注入材料という。)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として開示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入材料として用いうることが分かった。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料として用いることができる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子注入材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子注入材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子注入材料として用いることができるし、正孔注入層と同様にn型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子注入材料として用いることができる。
【0122】
この電子注入層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層は、これらの電子注入材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0123】
さらに、陽極と発光層または正孔注入層の間、および、陰極4と発光層または電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
【0124】
バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層とがある。
【0125】
陽極バッファー層は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
【0126】
陰極バッファー層は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
【0127】
上記バッファー層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
【0128】
さらに上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層などのような機能層を有していても良い。
【0129】
バッファー層は、陰極バッファー層または陽極バッファー層の少なくとも何れか1つの層内に本発明の化合物の少なくとも1種が存在して、発光層として機能してもよい。
【0130】
有機EL素子における陽極は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
【0131】
上記陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
【0132】
有機EL層の陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。上記陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
【0133】
以下に、本発明の前記基板を用いて、本発明に係わる陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子を封止する好適な例を説明する。
【0134】
図9は本発明に係わる基板を用いた本発明のEL素子積層体の一例を示す断面図である。このEL素子積層体は透明な基板1および対向基板5を備えており、基板1は、大気圧プラズマ放電処理によって、上記のポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルケトン等の樹脂からなるプラスチックシート基材100上に形成した、ポリマー層と封止層とからなる積層(膜)を有する図8に示した本発明の基板である。
【0135】
基板1上に有機EL層が形成されており、先ず、該基板1のポリマー層102、封止層101、ポリマー層102、封止層101を有する側の層101上に、複数のアノード(陽極)2が互いに平行して設けられている。所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極(アノード)2を作製する。有機EL素子における陽極2としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物、具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、インジウムジンクオキシド(IZO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が用いられる。
【0136】
次に、この上に有機EL層3を形成する。即ち、ここで図示していないが、正孔注入層、発光層、電子注入層等の前記各材料からなる薄膜を形成させる。
【0137】
次いで、上記有機EL層3上には、前述のような物質から選ばれる陰極(カソード)4が、蒸着やスパッタリングなどの方法により薄膜を形成させることにより作製される。なお、前述の如く、発光を透過させるためには、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
【0138】
有機EL層3の各層の作製方法としては、前記の如くスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。薄膜化に、真空蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
【0139】
これらの層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。
【0140】
この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧5〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0141】
又、カソード電極4を含む有機EL層3の表面全体には、保護膜を設けてもよい。無機保護膜は、例えば、CeO中にSiOを分散したものからなっている。無機保護膜の形成は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法等によって行い、膜厚は0.1〜10000Å好ましくは50〜1000Åとする。この場合、無機保護膜の形成は、カソード電極4を形成した後、大気中に戻すことなく真空中で連続して形成するか、或いは窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気中での搬送が可能な搬送系で搬送して再度真空中において形成することができる。
【0142】
カソード電極4を含む有機EL層3の上面には、対向基板5として、やはり基材100側からポリマー層102、封止層101、ポリマー層102、封止層101からなる積層8を形成した本発明に係わる基板5が重ねられ、封止されている。
【0143】
封止は、対向基板5の下面(透明基板と向き合う面)の周辺部に塗布法や転写法等によって設けられたほぼ枠状のシール材6を介して対向基板5と透明基板1とが互いに貼り合わされることで行われる。シール材6は、熱硬化型エポキシ系樹脂、紫外線等の光硬化型エポキシ系樹脂、または反応開始剤をマイクロカプセル化して加圧することにより反応が開始する常温硬化型エポキシ系樹脂等からなっている。この場合、シール材6の所定の箇所には空気逃げ用開口部等を設け(図省略)封止を完全にする。空気逃げ用開口部は、真空装置内において減圧雰囲気(真空度1.33×10−2MPa以下が好ましい)或いは窒素ガスまたは不活性ガス雰囲気中において、上記硬化型エポキシ系樹脂のいずれか、或いは紫外線硬化型樹脂等で封止される。
【0144】
この場合のエポキシ系樹脂は、ビスフェノールA形、ビスフェノールF形、ビスフェノールAD形、ビスフェノールS形、キシレノール形、フェノールノボラック形、クレゾールノボラック形、多官能形、テトラフェニロールメタン形、ポリエチレングリコール形、ポリプロピレングリコール形、ヘキサンジオール形、トリメチロールプロパン形、プロピレンオキサイドビスフェノールA形、水添ビスフェノールA形、またはこれらの混合物を主剤としたものである。シール材6を転写法により形成する場合には、フィルム化されたものが好ましい。
【0145】
尚、対向基材100については、ガラス、樹脂、セラミック、金属、金属化合物、またはこれらの複合体等で形成してもよい。JIS Z−0208に準拠した試験において、その厚さが1μm以上で水蒸気透過率が1g/m・1atm・24hr(25℃)以下であることが望ましく、これらの基材から選択してもよい。
【0146】
又、本発明において、素子内に水分を吸収する、或いは水分と反応する材料(例えば酸化バリウム等)を上記基板に封入することもできる。
【0147】
以上のように構成された有機EL素子では、透明基板1と対向基板5とを枠状のシール材6を介して互いに貼り合わせているので、対向基板5およびシール材6によって透明基板1上に設けられた有機EL素子、カソード電極4等を封止することができ、内部が低湿度の状態で素子を封止出来ると同時に、基板を通しての水分の浸透が抑えられ、有機EL表示装置の耐湿性がより一層向上し、ダークスポットの発生、成長をより一層抑制することができる。
【0148】
図11は、図10に示す有機EL基板の実施例について、他の実施態様を示しており、図11において、図10と同じ部材については同符号を付して説明を省略する。
【0149】
尚、本発明の基材及び上記有機EL素子による前記構成は本発明の態様であり、有機EL素子構成及び本発明の基材を含めた構成はこれらに限られるものではない。
【0150】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
【0151】
実施例1(本発明の基板Aの作成)
厚み100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面に図5に示すプラズマ製膜装置を用い、ポリマー層としてメタクリル酸メチルと酢酸ビニルのコポリマーの層を、また、封止層(金属酸化物層)としてアルミナの層をそれぞれ200nmずつ積層し、PETフィルム側からポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)の4層を形成した。
ここで導入した混合ガス及び供給電力は次のものである。
【0152】
(ポリマー層作成)
混合ガスの組成
不活性ガス:アルゴン  99体積%
反応性ガス:メタクリル酸メチル(90℃に加熱しアルゴンガスをバブリングして蒸発させる)  0.5体積%
反応性ガス:酢酸ビニルモノマー(60℃に加熱しアルゴンガスをバブリングして蒸発させる)  0.5体積%
供給電力:周波数100kHzで5W/cmの電力を供給。
【0153】
(封止層作成)
混合ガスの組成
不活性ガス:アルゴン  98.75体積%
反応性ガス:酸素     1.0体積%
反応性ガス:アルミニウムイソプロポキシド 0.25体積%(160℃に加熱しアルゴンガスをバブリングして蒸発させる)
供給電力:周波数13.56MHzで、且つ、5W/cmの電力を供給。
【0154】
実施例2(本発明の基板Bの作製)
実施例1と同様に、PETフィルム側からポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)の6層を積層した。ここで導入した混合ガスおよび電力は実施例1と同様であった。
【0155】
実施例3(本発明の基板Cの作製)
実施例1と同様に、PETフィルム側からポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)、ポリマー層、封止層(酸化アルミニウム層)の10層を積層した。ここで導入した混合ガスおよび電力は実施例1と同様であった。
【0156】
比較例1
100mm×100mmのPETフィルム(厚み100μm)に、メタクリル酸メチルの1%THF溶液をスピンコートし、乾燥後、UVランプを照射し、ポリマー膜とした。このポリマー膜の膜厚は200nmであった。次に市販の真空蒸着装置の基板ホルダーにこのポリマー膜を有するPETフィルムを固定し、真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、ポリマー層上に封止層(酸化アルミニウム層)を200nmの膜厚になるまで蒸着した。
【0157】
この2層を形成する工程を2回繰り返し、比較の基板Dを作製した。
また、別のPETフィルムに上記2層を形成する工程を3回繰り返し、比較の基板Eを作成した。
【0158】
また、別のPETフィルムに上記2層を形成する工程を5回繰り返し、比較の基板Fを作成した。
【0159】
(剥離試験)
JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行った。形成された薄膜の表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で切り込みを1mm間隔で縦横に11本入れ、1mm角の碁盤目を100個作製した。この上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対する薄膜が剥がされた面積の割合を、
A:剥離された面積割合が0%以上0.5%未満であった、
B:剥離された面積割合が0.5%以上10%未満であった、
C:剥離された面積割合が10%以上であった、
の3ランクでランク評価し表1に示した。
【0160】
【表1】
Figure 2004001429
【0161】
大気圧プラズマ法で作製した積層膜は、比較例と比べて剥離試験で良好な結果を示した。
これは、比較例に比べ膜が柔軟であるためと考えられる。
【0162】
[本発明の基板を用いた有機EL素子の作製]
図11は作製した有機EL表示装置の構成を示す断面図である。先ず、透明基板として前記で作製した基板A(本発明)を用いて、基板Aの最表面の酸化珪素膜を有する面上にスパッタリングターゲットとして酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物(Inの原子比In/(In+Zn)=0.80)からなる焼結体を用い、DCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるIZO(Indium Zinc Oxide)膜を形成した。即ち、スパッタリング装置の真空装置内を1×10−3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスとの体積比で1000:2.8の混合ガスを真空装置内が1×10−1Paになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加電圧420V、基板温度60℃でDCマグネトロン法にて透明導電膜であるIZO膜を厚さ250nm形成した。このIZO膜に、パターニングを行いアノード(陽極)とした後、この透明導電膜を設けた透明支持基板をi−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
【0163】
この透明導電膜上に真空蒸着法により、図11における有機EL層 として、α−NPD層(膜厚25nm)、CBPとIr(ppy)の蒸着速度の比が100:6の共蒸着層(膜厚35nm)、BC層(膜厚10nm)、Alq層(膜厚40nm)、フッ化リチウム層(膜厚0.5nm)を順次積層した(図11には詳細に示していない)、更に別のパターンが形成されたマスクを介して、膜厚100nmのアルミニウムからなるカソード(陰極)を形成した。
【0164】
【化5】
Figure 2004001429
【0165】
このように得られた積層体に、乾燥窒素気流下、図11の基板として同じ基板Aを重ね封止し、有機EL素子(表示装置)OLED−1を得た。尚、図11では、透明電極及びアルミニウム陰極の一部を端子として取り出せるようにエポキシ系光硬化型接着剤によって封止された構造になっている。
【0166】
同様の方法で、前記基板1として実施例1における前記基板B、C、D、E及びFを用いて同様に有機EL素子OLED−2、3、4、5及び6を作製した。
【0167】
これらの有機EL素子の発光部について、以下の評価を行った。
【0168】
封入直後に9V印加し発光面の50倍の拡大写真を撮影した。素子を45°に折り曲げて元に戻す折り曲げ試験を1000回繰り返した後に、50℃80%RHで100時間保存試験後9V印加し発光面の50倍の拡大写真を撮影しダークスポット面積の増加率を評価した。
【0169】
面積増加率は以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0170】
ダークスポットの増加率が20%以上       ××
ダークスポットの増加率が15%以上20%未満  ×
ダークスポットの増加率が10%以上15%未満  △
ダークスポットの増加率が5%以上10%未満   ○
ダークスポットの増加率が5%未満        ◎
【0171】
【表2】
Figure 2004001429
【0172】
表2から、比較の基板D,E,Fを用いた有機EL素子は、折り曲げに弱いことがわかる。これは折り曲げによって薄膜にひび割れが入り外気中の水分の浸入を防ぎきれなかったためと考えられる。これに対し本発明の基板A、B、Cをもちいた有機EL素子は、折り曲げたことによる素子の寿命の劣化が少なく折り曲げに強く、フレキシブルな表示装置を作製するために好適であることが示された。
【0173】
【発明の効果】
本発明によれば、水分の封止性が高く膜の剥離がなく、表示装置用或いは電子デバイス用の基板として有用性の高い基板及びそれを用いた長寿命な素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ放電処理室の一例を示す図である。
【図2】ロール電極の一例を示す図である。
【図3】固定電極の概略斜視図である。
【図4】角型の固定電極をロール電極25の周りに配設したプラズマ放電処理室を示す図である。
【図5】プラズマ放電処理室が設けられたプラズマ製膜装置を示す図である。
【図6】プラズマ製膜装置の別の一例を示す図である。
【図7】本発明の基板の構成の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の基板の構成の別の一例を示す断面図である
【図9】本発明のEL素子積層体の一例を示す断面図である。
【図10】作製した有機EL表示装置の構成を示す断面図である。
【図11】本発明のEL素子積層体の他の一例を示す断面図である。
【図12】真空蒸着法の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 アノード
3 有機EL層
4 カソード
5 対向基板
6 シール材
7、8 封止層とポリマー層の積層部
10、30 プラズマ放電処理室
25、25c、25C ロール電極
26、26c、26C、36、36c、36C 電極
25a、25A、26a、36a 金属等の導電性母材
25b、26b、36b セラミック被覆処理誘電体
25B ライニング処理誘電体
41 電源
51 ガス発生装置
12 給気口
13 排気口
55 電極冷却ユニット
FF 元巻き基材
15、16 ニップローラ
24、27 ガイドローラ
F 基材フィルム
61 真空容器
62 アルゴンガス導入口
63 タンク
64 ポンプ
65 バルブ
66 モノマー導入ノズル
67 基材
68 トラップ
69 制御バルブ
70 真空ポンプ
100 基材
101 封止層
102 ポリマー層

Claims (4)

  1. 可撓性基材上に、ポリマー層と封止層とを積層した基板において、前記積層の少なくとも1層が、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において、対向する電極間に放電させることで反応性ガスをプラズマ状態とし、このプラズマ状態の反応性ガスに前記基材表面を曝すことにより形成された層であることを特徴とする基板。
  2. 前記ポリマー層が重合体を主成分とする層であり、前記封止層が金属酸化物、金属窒化物又は金属酸窒化物を主成分とする層であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
  3. 100kHzを超えた周波数で、且つ1W/cm以上の電力を供給し放電させることにより封止層形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の基板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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