JP2007118564A - ガスバリア材料およびその製造方法、並びに、ガスバリア層の設置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルム上にガスバリア層を有してなるガスバリア材料であって、前記ガスバリア層と基材フィルムとの間に剥離層を有することを特徴とするガスバリア材料。
【選択図】なし
Description
(7) 前記加熱乾燥を真空下で行うことを特徴とする(6)に記載のガスバリア材料の製造方法。
(9) 前記ガスバリア層と前記被転写体との接着を接着剤を用いて行うことを特徴とする(8)に記載のガスバリア層の設置方法。
(10) 前記接着後に、前記被転写体に接着された前記ガスバリア材料から基材フィルムを剥離することを特徴とする(8)または(9)に記載のガスバリア層の設置方法。
(13) 前記ガスバリア層の設置に先立って、別のガスバリア層が前記プラスチックフィルムに設置されていることを特徴とする(12)に記載のガスバリア層の設置方法。
本発明のガスバリア材料は、基材フィルム上にガスバリア層を有してなり、前記ガスバリア層と基材フィルムとの間に剥離層を有することを特徴とする。
本発明のガスバリア材料は、少なくとも基材フィルムと、剥離層と、ガスバリア層とを有してなる材料である。本発明のガスバリア材料は、表面が平滑化された有機EL素子の上に接着し、基材フィルムを剥離することにより、有機EL素子の表面にガスバリア層を設置する目的に使用される。
本発明のガスバリア材料に用いられる基材フィルムは、後述する各層を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。前記基材フィルムとしては、具体的に、金属支持体(アルミニウム、銅、ステンレス等)、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性カーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのうち、アルミニウムおよびポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート:PET、ポリエチレンナフタレート:PENなど)が好ましい。
本発明のガスバリア材料は基材フィルムからガスバリア層を剥離するために剥離層が設けられる。ここでいう剥離層とは、ガスバリア材料のガスバリア層を被転写体に接着させた後に、ガスバリア層のガスバリア性能を過度に損なうことなく、ガスバリア層から基材フィルムを剥離させることができる層をいう。
前記剥離層は基材フィルムとガスバリア層の間に位置する。このため前記剥離層の素材としては、例えば、特開昭47−8237号公報、同59−220727号公報、同59−229555号、同49−4653号各公報、米国特許第3,220,835号明細書、同4,359,518号明細書、特開昭49−4334号公報、同56−65133号公報、同45−24075号公報、米国特許第3,227,550号明細書、同2,759,825号明細書、同4,401,746号明細書、同4,366,227号明細書などに記載されたものを用いることができる。このような素材の具体例の一つとしては、水溶性(あるいはアルカリ可溶性)のセルロース誘導体が挙げられる。前記セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、可塑化メチルセルロース、エチルセルロース、硝酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ジアセチルセルロースなどが挙げられる。また別の例として種々の天然高分子、例えばアルギン酸、ペクチン、アラビアゴム、などが挙げられる。また種々の変性ゼラチン、例えばアセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチンなども用いられる。さらに、別の例として、水溶性の合成ポリマーがあげられる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、あるいは、それらの共重合体などである。これらの中で、剥離層の主成分としては、セルロース誘導体が好ましく、ヒドロキシエチルセルロース、ジアセチルセルロースが特に好ましい。ここで、「主成分」とは、前記剥離層を構成する素材の50質量%以上をしめる成分を意味する。主成分の割合は、前記剥離層を構成する素材の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
前記剥離層はウェブ塗布法、スピンコート法、真空蒸着法等により設置することができる。前記セルロース誘導体を用いる場合にはウェブ塗布法によって設置することが好ましく、設置後には減圧して真空加熱乾燥することが好ましい。この際の減圧条件は5〜1000Paが好ましく、10〜500Paが更に好ましく、20〜200Paが特に好ましい。加熱条件は30〜100℃が好ましく、50〜80℃が特に好ましい。
ガスバリア層は大気中の酸素、水分を遮断する機能を有する層である。前記ガスバリア層は単層であってもよいし多層であってもよい。また、層を構成する組成が膜厚方向に連続的に変化するいわゆる傾斜材料層であってもよい。前記傾斜材料の例としては、キムらによる論文「Journal of Vacuum Science and Technology A Vol. 23 p971−977(2005 American Vacuum Society) ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー A 第23巻 971頁〜977ページ(20005年刊、アメリカ真空学会)」に記載の材料等が挙げられる。
前記ガスバリア層は少なくとも1層の無機層を含む。前記ガスバリア層が単層構成である場合、この層は無機層である。また、ガスバリア層が多層構成である場合には、無機層の積層体であってもよいし、有機層と無機層との交互積層体であってもよい。また、前記カスバリア層を構成する層数に関しても特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層が更に好ましい。
前記ガスバリア層を構成する各無機層の厚みに関しては特に限定されないが、典型的には1層あたり5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1層あたり10nm〜200nmである。
特に、珪素の化合物を成膜する場合、誘導結合プラズマCVD、電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマを用いたPVDまたはCVDのいずれかの形成方法を採用するのが好ましく、誘導結合プラズマCVDによる形成方法を採用するのが最も好ましい。誘導結合プラズマCVDや電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマとを用いたCVD(ECR−CVD)は、例えば、化学工学会、CVDハンドブック、p.284(1991)に記載の方法にて実施することができる。また、電子サイクロトロン共鳴条件に設定したマイクロ波と磁場を印加したプラズマとを用いたPVD(ECR−PVD)は、例えば、小野他、Jpn.J.Appl.Phys.23、No.8、L534(1984)に記載の方法にて実施することができる。前記CVDを用いる場合の原料としては、珪素供給源としてシラン等のガスソースや、ヘキサメチルジシラザン等の液体ソースを用いることができる。
前記有機ポリマーは架橋されていてもよい。また、有機層中に含まれる有機ポリマーは、1種でもよいし、2種以上の混合物でもよい。本発明におけるガスバリア層を作製する際、有機ポリマーを用いて有機層を成膜する場合には、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合反応および/または架橋反応により形成することができる。
また、未反応モノマーをポリマーに転換するためにポスト重合を行ってもよい。前記ポスト重合は、加熱、光(紫外線、可視光線)照射、電子線照射、プラズマ照射、およびこれらの組み合わせを用いて行うことができる。また、前記ポスト重合は有機層を設置した直後に行ってもよいし、すべての層を設置した後に行ってもよい。前記有機層を複数層設置する場合には、各有機層設置ごとにポスト重合を行ってもよい。
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難となる場合があり、厚すぎると外力によりクラックを発生し、バリア性が低下する可能性がある。かかる観点から、前記隣接有機層の厚みは、10nm〜2000nmが好ましく、20nm〜1000nmさらに好ましく、50nm〜500nmが最も好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、基材フィルム上に剥離層用塗布液を塗布して塗布層を形成し、前記塗布層を真空加熱乾燥して剥離層を形成し、その後、前記剥離層上にガスバリア層を設置することで形成することができる。
前記剥離層の形成方法および真空加熱乾燥条件等については上述の通りである。
また、後述するガスバリア層の設置方法において、本発明のガスバリア材料から基材フィルムを剥離する場合、前記基材フィルムのみが剥離層から剥離してもよいし、基材フィルムと剥離層の一部または全部とがガスバリア層から剥離する構成であってもよい。
本発明のガスバリア層の設置方法によれば、ガスバリア材料と被転写体とを、前記ガスバリア層が前記被転写体と接するように接着することによって被転写体上にガスバリア層を設けることができる。好ましくは、ガスバリア層と被転写体との接着は接着剤を用いて行う。また好ましくは、接着後に、被転写体に接着されたガスバリア材料から基材フィルムを剥離する。
具体的には、本発明のガスバリア材料を、対象とする物体(即ち、被転写体)に対して接着剤を用いて接着し、接着剤が硬化したのち、基板フィルムを本発明のガスバリア材料から剥離することにより被転写体上にガスバリア層を設置することができる。
前記接着剤としては特に限定はなく、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤のいずれを用いてもよい。また、2液混合型の接着剤も好ましく用いることができる。
前記被転写体としては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子、光電変換素子等を挙げることができる。この中でも前記被転写体としては、有機EL素子が好適であり、特に基板としてプラスチックフィルムを用いた有機EL素子が好ましい。
次に、本発明のガスバリア材料を利用した有機EL素子について詳しく説明する。
有機EL素子は、基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある。)を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極および陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITOまたはIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属または2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属または2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、または正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、または電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、および白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、および白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、およびガドリニウムが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極または陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極または陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
有機EL素子全体は、保護層によって保護されているのが好ましい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているもの、もしくは有機EL素子の表面に平坦性を付与するものである。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、SiCw、SiOzCw等の金属炭化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
ガスバリア層は本発明のガスバリア材料を用いて保護層の上に設置されることが好ましい。また、前記保護層上にガスバリア層を設けるためには、上述の本発明のガスバリア層の設置方法によって、設置することができる。
ガスバリア層の上に適宜、他の機能性層を設置してもよい。
《本発明のガスバリア材料(BM−1、2)の作製》
(1)剥離層の形成
富士写真フイルム(株)製のセルローストリアセテートフィルム「TD−80」(厚さ80μm、40℃・相対湿度90%における水蒸気透過率390g/m2・day)を基板フィルムとして用い、該基板フィルム上に石灰処理ゼラチン1g/m2を塗布して中間層とした。続いて表1に示すセルロース誘導体を0.5g/m2で塗布した。この試料を60℃の加熱温度、10Paの圧力下で200時間乾燥させ、剥離層を形成した。
(2−1)第1無機層の形成
スパッタリング装置(装置名:インラインスパッタリング蒸着装置、(株)エイコー・エンジニアリング製)を用いて、前記剥離層の上に第1無機層(酸化アルミニウム)を形成した。前記スパッタリングの条件は、ターゲットとしてアルミニウムを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。成膜圧力は0.1Paであり、到達膜厚は50nmであった。
第1無機層を形成した基板フィルム上に、トリエチレングリコールジアクリレート20gと、紫外線重合開始剤(商品名:Cibaイルガキュア−184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.6gと、2−ブタノン200gとの混合溶液を塗布層の厚みが5μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、高圧水銀ランプの紫外線を照射して硬化させ(積算照射量約2J/cm2)、第1無機層上に第1有機層を形成した。第1有機層の膜厚は450nmであった。
第1の無機層と同様の方法および同様の条件で第1有機層上に第2無機層(酸化アルミニウム)を形成した。到達膜厚は50nmであった。
第1有機層と同様の方法で第2無機層上に第2の有機層を形成した。
(2−5)第3無機層の形成
第2無機層と同様の方法および同様の条件で第2有機層上に第3無機層(酸化アルミニウム)を形成し、ガスバリア層を形成した。第3無機層の到達膜厚は50nmであった。
以上のようにして本発明のガスバリア材料(BM−1、2)を作製した。
本発明のガスバリア材料(BM−1、2)について、MOCON社製、「PERMATRAN−W3/31」を用いて、40℃/相対湿度90%における水蒸気透過率を測定を行った。その結果、水蒸気透過率は検出限界以下(0.01g/m2・day以下と推定される)であった。
《基材フィルムへのガスバリア層の設置》
(1)ガスバリア層の転写
富士写真フイルム(株)製のセルローストリアセテートフィルム「TD−80」(厚さ80μm、40℃・相対湿度90%における水蒸気透過率390g/m2・day)上に紫外線硬化型の接着剤(商品名:XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を薄く(乾燥膜厚:18.5μm)塗布し、ガスバリア層が前記接着剤に接着されるように本発明のガスバリア材料(BM−1、2)とセルローストリアセテートフィルムとを貼りあわせた。
次いで、270nmよりも短波長の紫外線をカットした高圧水銀ランプ光を照射して接着剤を硬化させた。次にガスバリア材料(BM−1、2)の基板フィルムを剥離し、ガスバリア層の転写されたセルローストリアセテートフィルム(BF−1、2)を得た。BF−1、2の膜厚はいずれも100μmであった。
ガスバリア層の転写されたセルローストリアセテートフィルム(BF−1、2)について、MOCON社製の「PERMATRAN−W3/31」を用いて、40℃/相対湿度90%における水蒸気透過率の測定を行った。その結果、水蒸気透過率はいずれも検出限界以下(0.01g/m2・day以下と推定される)であった。本発明のガスバリア材料を用いると、セルローストリアセテートフィルムの水蒸気透過性を著しく低下させることがわかる。また、このとき膜厚の増加はいずれも30%未満であった。
《有機EL素子へのガスバリア層の設置》
(1)ガスバリア性フィルム基板の形成
帝人デュポン(株)製「テオネックスQ65」(厚さ125μm)上に実施例1の(2)と同様の方法でガスバリア層(第1無機層、第1有機層、第2無機層、第2有機層および第3無機層)を形成し、ガスバリア性フィルム基板(BS−1)を作製した。
前記ガスバリア性フィルム基板(BS−1)を真空チャンバー内に導入し、ITOターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリングにより、厚み0.2μmのITO薄膜からなる透明電極を形成した。ITO膜を有するガスバリア性フィルム基板を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この基板(陽極)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
銅フタロシアニン:膜厚10nm
(第2正孔輸送層)
N,N'−ジフェニル−N,N'−ジナフチルベンジジン:膜厚40nm
(発光層兼電子輸送層)
トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム:膜厚60nm
(有機EL素子(BOEL−1A、1B)の作製)
熱硬化型の接着剤(商品名:エポテック310、ダイゾーニチモリ(株)製)を用いて前記有機EL素子(OEL−1)と本発明のガスバリア材料(BM−1A、またはBM−1B)とを、窒化珪素膜とガスバリア層とが貼り合さるように接着した。次いで、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させた。その後、本発明のガスバリア材料(BM−1A、またはBM−1B)に由来するセルローストリアセテートフィルムを剥離し、ガスバリア層の転写された有機EL素子(BOEL−1A、1B)をそれぞれ得た。有機EL素子(BOEL−1A、1B)の総膜厚はいずれも160μmであった。
前記熱硬化型の接着剤(商品名:エポテック310、ダイゾーニチモリ(株)製)を用いて前記有機EL素子(OEL−1)と前記ガスバリア性フィルム基板(BS−1)とを、窒化珪素膜とガスバリア層とが接するように貼り合せた。その後、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させ、2枚のバリアフィルムで挟まれた有機EL素子(BOEL−2)を得た。有機EL素子(BOEL−2)の総膜厚は290μmであった。
前記熱硬化型の接着剤(エポテック310、ダイゾーニチモリ(株))を用いて前記有機EL素子(OEL−1)と厚さ0.7mmの青板ガラスとを、窒化珪素膜と青板ガラスとが貼り合さるように接着した。次いで、65℃で3時間加熱して接着剤を硬化させ、ガラス封止された有機EL素子(GOEL−1)を得た。有機EL素子(GOEL−1)の総膜厚は860μmであった。
作製直後の有機EL素子(OEL−1、BOEL−1A、BOEL−1B、BOEL−2、GOEL−1)を、Keithley社製SMU2400型ソースメジャーユニットを用いて7Vの電圧を印加して発光させた。顕微鏡を用いて発光面状を観察したところ、いずれの素子もダークスポットの無い均一な発光を与えることが確認された。
次に各素子を25℃の暗い室内に10日間静置し、再び発光面状を観察した。有機EL素子(OEL−1)にはダークスポットが観察された。一方、有機EL素子(BOEL−1A)、(BOEL−1B)、(BOEL−2)および(GOEL−1)には依然としてダークスポットが観察されなかった。
Claims (14)
- 基材フィルム上にガスバリア層を有してなるガスバリア材料であって、前記ガスバリア層と基材フィルムとの間に剥離層を有することを特徴とするガスバリア材料。
- 前記剥離層の主成分が、セルロース誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア材料。
- 前記セルロース誘導体が、ヒドロキシエチルセルロースまたはジアセチルセルロースであることを特徴とする請求項2に記載のガスバリア材料。
- 前記ガスバリア層が、アルミニウムの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物、または珪素の酸化物、窒化物若しくは酸窒化物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア材料。
- 40℃・相対湿度90%における前記ガスバリア層の水蒸気透過率が0.01g/m2・day以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア材料。
- 基材フィルム上に剥離層用塗布液を塗布して塗布層を形成し、前記塗布層を加熱乾燥して剥離層を形成し、前記剥離層上にガスバリア層を設置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア材料の製造方法。
- 前記加熱乾燥を真空下で行うことを特徴とする請求項6に記載のガスバリア材料の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスバリア材料と被転写体とを、前記ガスバリア層が前記被転写体と接するように接着することによって、被転写体上にガスバリア層を設けることを特徴とするガスバリア層の設置方法。
- 前記ガスバリア層と前記被転写体との接着を接着剤を用いて行うことを特徴とする請求項8に記載のガスバリア層の設置方法。
- 前記接着後に、前記被転写体に接着された前記ガスバリア材料から基材フィルムを剥離することを特徴とする請求項8または9に記載のガスバリア層の設置方法。
- 前記被転写体が有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のガスバリア層の設置方法。
- 前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、プラスチックフィルムを基板とすることを特徴とする請求項11に記載のガスバリア層の設置方法。
- 前記ガスバリア層の設置に先立って、別のガスバリア層が前記プラスチックフィルムに設置されていることを特徴とする請求項12に記載のガスバリア層の設置方法。
- 請求項8〜13のいずれか1項に記載のガスバリア層の設置方法によってガスバリア層が設けられたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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